JP2017088639A - ブテンポリマーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭素数4の炭化水素の混合物(混合C4成分)を原料として高反応性ブテンポリマーを製造する方法であって、潤滑油添加剤や燃料油洗浄剤などの添加剤を製造するための中間原料に適した良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーを、汎用の製造装置を用いて高効率で得ることが可能な、製造方法を提供すること。
【解決手段】イソブテンを含有する炭素数4の炭化水素の混合物を原料とし、三フッ化ホウ素錯体を触媒とする重合反応によりブテンポリマーを得る、ブテンポリマーの製造方法であって、重合反応におけるイソブテンの転化率が75%以上であり、混合物におけるイソブテン濃度をX質量%、混合物における1−ブテン濃度をY質量%としたとき、混合物が下記式(1)を満たす、ブテンポリマーの製造方法。
35.0≦X−Y3/7≦60.0 …(1)
【選択図】なし
【解決手段】イソブテンを含有する炭素数4の炭化水素の混合物を原料とし、三フッ化ホウ素錯体を触媒とする重合反応によりブテンポリマーを得る、ブテンポリマーの製造方法であって、重合反応におけるイソブテンの転化率が75%以上であり、混合物におけるイソブテン濃度をX質量%、混合物における1−ブテン濃度をY質量%としたとき、混合物が下記式(1)を満たす、ブテンポリマーの製造方法。
35.0≦X−Y3/7≦60.0 …(1)
【選択図】なし
Description
本発明は、ブテンポリマーの製造方法に関する。
従来から、ナフサを原料としたスチームクラッカーから得たC4成分、又は、FCC装置(Fluid Catalyzed Cracking)から得たC4成分を用いて、高反応性ブテンポリマーを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1〜4)。
しかし、これらの製造法による高反応性ブテンポリマーは、フッ素含有量が数十〜100質量ppmを超える量となる場合があった。高反応性ブテンポリマーから潤滑油添加剤を調製する場合、原料の高反応性ブテンポリマーのフッ素含有量が多いと、潤滑油添加材として自動車等に使用する際にフッ化水素を生じて自動車内を腐食するおそれがあり、好ましくない。
特許文献5には、高反応性ポリイソブテンの製法として、第1重合工程及び後続重合工程の少なくとも二段階で重合を行う方法が開示されている。また、特許文献6には、特定組成のC4留分を、三フッ化ホウ素とジアルキルエーテルからなる錯体触媒により重合する方法が開示されている。しかし、これらの方法も、装置構造が複雑で操作面での負荷も大きい、必ずしも良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーが得られないといった課題があった。
本発明の目的の一つは、炭素数4の炭化水素の混合物(混合C4成分)を原料として高反応性ブテンポリマーを製造する方法であって、潤滑油添加剤や燃料油洗浄剤などの添加剤を製造するための中間原料に適した良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーを、汎用の製造装置を用いて高効率で得ることが可能な、製造方法を提供することにある。
本発明の一側面は、イソブテンを含有する炭素数4の炭化水素の混合物を原料とし、三フッ化ホウ素錯体を触媒とする重合反応によりブテンポリマーを得る、ブテンポリマーの製造方法に関する。この製造方法において、上記重合反応における上記イソブテンの転化率は75%以上であり、上記混合物におけるイソブテン濃度をX質量%、上記混合物における1−ブテン濃度をY質量%としたとき、上記混合物は下記式(1)を満たす。
35.0≦X−Y3/7≦60.0 …(1)
35.0≦X−Y3/7≦60.0 …(1)
上記製造方法によれば、潤滑油添加剤や燃料油洗浄剤などの添加剤を製造するための中間原料に適した良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーを、高効率で得ることができる。
一態様において、上記製造方法は、上記混合物中の水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物の含有量をそれぞれ100質量ppm以下にする前処理工程と、上記前処理工程を経た上記混合物を上記三フッ化ホウ素錯体に接触させて、上記重合反応を行う重合工程と、を含んでいてよい。
一態様において、上記製造方法は、上記重合反応により得られた反応液から上記三フッ化ホウ素錯体を除去して、上記ブテンポリマーを含む反応生成物を得る除去工程を含んでいてよい。
一態様において、上記重合反応により得られた反応生成物から、少なくとも炭素数12以下の成分を留去する蒸留工程を含んでいてよい。また、蒸留工程を経て得られたブテンポリマーにおいて、炭素数12以下の成分の含有量は0.2質量%以下であってよい。
一態様において、上記重合反応において、反応温度は−30〜0℃であってよく、上記混合物中の上記イソブテンに対する上記三フッ化ホウ素錯体中の三フッ化ホウ素のモル比は1.0×10−5以上1.0×10−2以下であってよい。
一態様において、上記三フッ化ホウ素錯体は、三フッ化ホウ素と錯化剤との錯体であってよく、上記三フッ化ホウ素錯体における、上記三フッ化ホウ素に対する上記錯化剤のモル比は1.0〜3.0であってよい。
一態様において、上記三フッ化ホウ素錯体は、三フッ化ホウ素と一級アルコールとの錯体であってよい。
一態様において、上記製造方法は、上記混合物中の1,3−ブタジエンの含有量を1000質量ppm以下にするジエン除去工程を含んでいてよい。
一態様において、上記製造方法で得られるブテンポリマーは、数平均分子量Mnが2300〜3500であってよく、分散度Mw/Mnが1.5〜2.2であってよく、末端二重結合を有するポリマーの比率が78.1モル%以上であってよく、フッ素含有量が10質量ppm以下であってよい。
一態様において、上記混合物は、ナフサ分解により得られた炭素数4の炭化水素を含んでいてよい。
一態様において、上記混合物は、反応帯域出口温度が400℃以上550℃未満、触媒/油比が質量比で2.0〜15.0、反応帯域での炭化水素の滞留時間が1.0〜10.0秒の条件で、重質油を流動接触分解触媒に接触させる、第一の流動接触分解により得られた炭素数4の炭化水素を含んでいてよい。
一態様において、上記混合物は、反応帯域出口温度が580〜630℃、触媒/油比が質量比15〜40、反応帯域での炭化水素の滞留時間が0.1〜1.0秒の条件で、形状選択性ゼオライトを12〜24質量%含有する触媒に重質油を接触させる、第二の流動接触分解により得られた炭素数4の炭化水素を含んでいてよい。
本発明によれば、炭素数4の炭化水素の混合物(混合C4成分)を原料として高反応性ブテンポリマーを製造する方法であって、潤滑油添加剤や燃料油洗浄剤などの添加剤を製造するための中間原料に適した良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーを、汎用の製造装置を用いて高効率で得ることが可能な、製造方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態に係るブテンポリマーの製造方法は、イソブテンを含有する炭素数4の炭化水素の混合物(以下、場合により「混合C4成分」と記す。)を原料とし、三フッ化ホウ素錯体を触媒とする重合反応により、ブテンポリマーを得る方法である。
本実施形態に係る製造方法において、重合反応におけるイソブテンの転化率は75%以上であってよい。また、混合C4成分は、イソブテン濃度をX質量%、1−ブテン濃度をY質量%としたとき、下記式(1)を満たすものであってよい。
35.0≦X−Y3/7≦60.0 …(1)
35.0≦X−Y3/7≦60.0 …(1)
本発明者らの知見によれば、三フッ化ホウ素錯体を用いたブテンポリマーの製造において、原料のイソブテン濃度が低すぎると反応が十分に進行せず、イソブテン濃度が高すぎると適切な重合制御が困難となって高品質のブテンポリマーが得られない。また、原料中の1−ブテンは重合進行を妨げる要因となり、1−ブテン濃度が高すぎるとブテンポリマーの品質を悪化させる。さらに、イソブテン及び1−ブテンは相関して作用するためそれぞれ単独での適性濃度を定めることは困難であるところ、本発明者らは、式(1)を満足する原料を用いることで良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーが得られることを見出した。
すなわち、本実施形態に係る製造方法によれば、式(1)を満たす特定の原料及び特定の触媒を用いて重合反応を行うことで、潤滑油添加剤や燃料油洗浄剤などの添加剤を製造するための中間原料に適した良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーを高効率で得ることができる。また、本実施形態に係る製造方法は、汎用の製造装置で実施可能であり、作業効率にも優れる。
ここで、高反応性ブテンポリマーとしては、高反応性ブテンポリマーを潤滑油添加剤や燃料油洗浄剤などの添加剤の中間原料として用いた場合に、得られる添加剤の性能及び品質が高いこと、並びに、添加剤製造時の生産性が高いことが望まれる。これを実現するために、高反応性ブテンポリマーの性状は、数平均分子量Mnが2300〜3500であり、分散度Mw/Mnが1.5〜2.2であり、末端二重結合を有するポリマーの比率(末端二重結合含有率、又はα率ともいう。)が78.1モル以上であり、フッ素含有量が10質量ppm以下であることが要求される。本明細書では、このような性状を有するブテンポリマーを、良好な性状を有するブテンポリマーと記す。
より具体的には、高反応性ブテンポリマーは、潤滑油添加剤や燃料油洗浄剤などの添加剤を製造するための中間原料として好適に用いられ、例えば、ブテンポリマーの末端位二重結合と無水マレイン酸との反応により付加生成物を得て、当該付加生成物とアミン化合物との反応により最終生成物である添加剤が製造される。最終生成物は、親油性基及び親水性基を有する界面活性剤であり、良好な性能を発揮するにはHLB値(親油性基と親水性基との構造及び比率で定まる)が特定範囲にあることが要求され、これには親油性基を構成するブテンポリマーの数平均分子量(Mn)が2300〜3500の範囲にあることが必要となる。
分散度Mw/Mnは、ブテンポリマーの粘度に影響を与える。ブテンポリマーと無水マレイン酸との反応においては、ブテンポリマーの粘度が一定であることが反応の遂行のために好ましく、このためには数平均分子量Mnが上記範囲にあることだけでなく、分散度Mw/Mnが1.5〜2.2の十分に狭い範囲にあることが必要である。
ブテンポリマーにおけるα率は、無水マレイン酸との反応性に影響を与える。ブテンポリマーと無水マレイン酸との高い反応性を実現する観点からは、α率が78.1モル%以上であることが必要である。
ブテンポリマー中にフッ素が残存すると、無水マレイン酸等との反応時や製造された添加剤の使用時に、反応装置や自動車内部を腐食するおそれがある。このため、ブテンポリマーにおけるフッ素含有量は10質量ppm以下であることが求められる。
なお、本明細書中、ブテンポリマーの数平均分子量Mn及び分散度Mw/Mnは、GPC測定により求められるポリスチレン換算の値を示す。また、本明細書中、ブテンポリマーにおけるα率は、1H−NMR測定による該当ピークの面積比に基づいて算出される。また、本明細書中、フッ素含有量は、燃焼イオンクロマト装置で測定される残留フッ素濃度の値を示す。GPC測定、1H−NMR測定及び燃焼イオンクロマト装置の詳細は、実施例に記載のとおりである。
本実施形態に係る製造方法に用いる原料について以下に詳述する。
本実施形態に係る製造方法では、イソブテンを含有する混合C4成分を原料として用いる。混合C4成分は1−ブテンを更に含んでいてよく、イソブテン及び1−ブテン以外の炭素数4の炭化水素を更に含んでいてよく、例えば、n−ブタン、イソブタン、2−ブテン等を更に含んでいてよい。混合C4成分において、イソブテン濃度及び1−ブテン濃度は、式(1)を満たすことが好ましい。
混合C4成分において、イソブテン濃度は、例えば式(1)を満たす範囲で適宜変更してよい。一態様において、イソブテン濃度は35質量%以上であることが好ましく、37質量%以上であることがより好ましい。また、イソブテン濃度は75質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
混合C4成分において、1−ブテン濃度は、例えば式(1)を満たす範囲で適宜変更してよい。一態様において、1−ブテン濃度は6質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。また、1−ブテン濃度は0質量%以上であってよく、1質量%以上であってよい。
混合C4成分は、炭素数4の炭化水素以外の成分を更に含んでいてよい。例えば混合C4成分は、希釈剤として、ヘキサン等の炭素数5〜6のアルカンを更に含んでいてよい。
混合C4成分は、1,3−ブタジエンを更に含んでいてもよい。混合C4成分において、1,3−ブタジエンの含有量は十分に低いことが好ましく、例えば1000質量ppm以下であってよく、好ましくは200質量ppm以下であり、より好ましくは10質量ppm以下である。
混合C4成分は、上記以外の不純物を更に含有していてよい。不純物としては、例えば、水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物が挙げられる。これらの不純物の含有量は、重合反応における触媒劣化を抑制する観点から、それぞれ100質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であることがより好ましく、1質量ppm以下であることがさらに好ましい。なお、混合C4成分における不純物は、後述する前処理工程で、上記含有量範囲まで低減してもよい。上記製造方法がこのような前処理工程を含む場合、混合C4成分における不純物の含有量は、上記範囲を超えていてもよい。
混合C4成分の製法は特に制限されない。好適な混合C4成分の製法としては、例えば、以下の第一製法及び第二の製法が挙げられる。混合C4成分は、これらのいずれの製法で得られたものであってもよく、各製法における生成物の混合物であってもよい。
第一の製法は、ナフサ分解により混合C4成分を得る方法である。第一の製法では、例えば、ナフサ分解装置において製造された炭化水素成分から、第一の蒸留処理により炭素数4の炭化水素を中心として留分を分離し、当該留分から更にブタジエンを除去し、その後必要に応じて第二の蒸留処理によりイソブテン濃度を増加させることにより、混合C4成分が得られる。第二の蒸留処理では、沸点の近いイソブテンと1−ブテンとを分離するために、1−ブテンを2−ブテンに異性化する反応蒸留を行ってもよい。
第二の製法は、重質油の流動接触分解により混合C4成分を得る方法である。流動接触分解では、重質油である石油系炭化水素を流動接触分解触媒と接触させることにより、石油系炭化水素が分解され、目的の生成物が得られる。第二の製法では、例えば、重質油の流動接触分解により軽質オレフィンを製造し、製造された軽質オレフィンから炭素数4の炭化水素を分離することで、混合C4成分を得ることができる。
第二の製法における流動接触分解の条件は、軽質オレフィンを生成できる条件であればよく、公知の流動接触分解条件を採用してもよい。重質油の流動接触分解により軽質オレフィンを製造する方法としては、例えば、触媒と原料油の接触時間を短くする方法(米国特許第4,419,221号明細書、米国特許第3,074,878号明細書、米国特許第5,462,652号明細書、欧州特許出願公開第315,179号明細書)、高温で反応を行う方法(米国特許第4,980,053号明細書)、ペンタシル型ゼオライトを用いる方法(米国特許第5,326,465号明細書)等が挙げられる。
流動接触分解に用いられる流動接触分解装置は、例えば、ダウンフロー形式反応帯域、気固分離帯域、ストリッピング帯域及び触媒再生帯域を有する流動接触分解反応装置であってよい。
流動接触分解に用いる重質油は、例えば、減圧軽油、常圧残油、減圧残油、熱分解軽油、これらを水素化精製した重質油、これらをさらに軽質油あるいは溶剤で抽出して得られる成分等であってよい。また、流動接触分解には、これらの重質油を単独で用いてもよいし、これら重質油の混合物又はこれら重質油に一部軽質油を混合したものも用いてもよい。流動接触分解に用いる重質油の蒸留性状としては、例えば、沸点範囲が170〜800℃であることが好ましく、190〜780℃であることがより好ましい。
第二の製法では、流動接触分解で得られた分解成分から蒸留処理等でイソブテンを主体とする混合C4成分を得ることができる。このとき、蒸留処理では、沸点の近いイソブテンと1−ブテンとを分離するために、1−ブテンを2−ブテンに異性化する反応蒸留を行ってもよい。また、蒸留処理は、必要に応じて1,3−ブタジエンを除去する工程を有していてもよい。
一態様において、第二の製法における流動接触分解は、反応帯域出口温度が400℃以上550℃未満、触媒/油比が質量比で2.0〜15.0、反応帯域での炭化水素の滞留時間が1.0〜10.0秒の条件で、重質油を流動接触分解触媒に接触させることにより行ってよい。流動接触分解触媒は、例えば、シリカアルミナ等の非晶物質、ゼオライト等の結晶性物質、又はこれらの混合物を含む触媒であってよい。このような流動接触分解は、例えば、「石油精製プロセス、(社)石油学会編、1998年5月20日発行、講談社」及びその引用文献の記載を参考に実施してよい。
また、他の一態様において、第二の製法における流動接触分解は、反応帯域出口温度が580〜630℃、触媒/油比がで質量比15〜40、反応帯域での炭化水素の滞留時間が0.1〜1.0秒の条件で、形状選択性ゼオライトを12〜24質量%含有する触媒に重質油を接触させることにより行ってもよい。この態様において、触媒は、一般的に使用される流動接触分解触媒と形状選択性ゼオライトを含む添加剤とからなる触媒であってよく、流動接触分解触媒は、例えば超安定Y型ゼオライトを5〜50質量%含むものであってよい。また、本態様において、触媒における添加剤の割合は17〜60質量%であることが好ましく、添加剤中の形状選択性ゼオライトの割合は20〜70質量%であることが好ましい。また、本態様において、流動接触分解触媒における希土類金属酸化物の含有量は1.5質量%以下であることが好ましい。また、超安定Y型ゼオライトとしては、結晶格子定数が24.20〜24.60Åであるものが好適に用いられる。
本実施形態に係る製造方法は、混合C4成分中の水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物の含有量をそれぞれ100質量ppm以下にする前処理工程を含んでいてよい。また、本実施形態に係る製造方法は、不純物の含有量が低い混合C4成分を、三フッ化ホウ素錯体に接触させて重合反応を行う重合工程を含んでいてよい。
また、本実施形態に係る製造方法は、重合反応により得られた反応液から三フッ化ホウ素錯体を除去して、ブテンポリマーを含む反応生成物を得る除去工程を含んでいてよい。
また、本実施形態に係る製造方法は、重合反応により得られた反応生成物から、少なくとも炭素数12以下の成分を留去する留去工程を含んでいてよい。
本実施形態に係る製造方法は、上記の各工程を有することで、良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーをより確実に得ることができる。以下に、本実施形態に係る製造方法が有していてよい各工程について詳述する。
(前処理工程)
前処理工程では、混合C4成分中の水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物の含有量を低減し、それぞれの含有量を100質量ppm以下、好ましくは10質量ppm以下、より好ましくは1質量ppm以下にする。
前処理工程では、混合C4成分中の水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物の含有量を低減し、それぞれの含有量を100質量ppm以下、好ましくは10質量ppm以下、より好ましくは1質量ppm以下にする。
前処理工程は、例えば、混合C4成分を吸着剤に接触させることにより、実施してよい。吸着剤は、水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物のうち少なくとも一種を吸着する吸着剤であればよく、二種以上を吸着する複合吸着剤であることが好ましい。吸着剤は、例えば、アルミナ又はアルミナを含む複合材料であってよい。
吸着剤の具体例としては、アルミナ、シリカアルミナ、アルミナゼオライト等が挙げられる。また、吸着剤としては、ゼオライト・モレキュラーシーブと修飾型活性アルミナのハイブリッドであるUOP社製のAZ300等を用いることもできる。吸着剤は、これらを適宜のバインダーを用いて成型したものであってもよい。
吸着剤の表面積は、例えば1〜500m2/gであってよい。また、吸着剤としては、ゼオライトA、ゼオライトL、ゼオライトX、ゼオライトY等のゼオライトを好適に用いることができ、これらはアルカリ金属イオンで置換されていてもよい。
混合C4成分と吸着剤とを接触させる際の温度は、例えば−30〜100℃であってよく、−10〜50℃であってよい。また、混合C4成分は、液相で吸着剤と接触させることが好ましく、必要に応じて加圧しながら処理を行ってもよい。
混合C4成分と吸着剤との接触時間は、水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物の十分な除去が達成される限り特に制限されず、例えば、約1分〜10時間であってよい。また、接触のための方法は、回分式又は連続式のいずれであってもよい。連続式の場合は、固定床式、流動床式等の方法を採用してよく、流れの方向もアップフロー及びダウンフローのいずれを採用してもよい。
前処理工程は、混合C4成分中の水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物のうち少なくとも一つの含有量が100質量ppmを超える場合に実施される。すなわち、混合C4成分中の水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物のいずれの含有量も100質量ppm以下である場合は、前処理工程は省略してもよい。
(重合工程)
重合工程では、水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物の含有量がいずれも100質量ppm以下の混合C4成分を三フッ化ホウ素錯体に接触させて重合反応を行う。混合C4成分は、例えば、前処理工程を経て得られたものであってよい。
重合工程では、水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物の含有量がいずれも100質量ppm以下の混合C4成分を三フッ化ホウ素錯体に接触させて重合反応を行う。混合C4成分は、例えば、前処理工程を経て得られたものであってよい。
三フッ化ホウ素錯体は、三フッ化ホウ素と錯化剤との錯体である。三フッ化ホウ素錯体としては、例えば、三フッ化ホウ素アルコール錯体、三フッ化ホウ素エーテル錯体等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてよく、二種以上を併用してもよい。
三フッ化ホウ素錯体としては、三フッ化ホウ素アルコール錯体が好適に用いられる。三フッ化ホウ素アルコール錯体は、三フッ化ホウ素とアルコール化合物との錯体であり、錯化剤であるアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブタノール、n−ノナノール、イソノナノール等が挙げられる。錯化剤のアルコール化合物としては、一級アルコールが好ましく、メタノールが特に好ましい。
三フッ化ホウ素アルコール錯体は、三フッ化ホウ素1モルに対して1.0〜3.0モルのアルコール化合物を含むことが好ましく、1.5〜2.5モルのアルコール化合物を含むことがより好ましく,1.5〜2.0モルのアルコール化合物を含むことがさらに好ましい。
重合反応の反応温度は、反応を液相で行う観点から、−30〜0℃であることが好ましく、−25〜−10℃であることがより好ましく、−25〜−15℃であってもよい。反応温度が低温になるほど、オレフィン成分(イソブテン)の転化率が抑制される傾向がある。また、反応温度が高温になるほど、転化率が抑制されるとともに副反応が生じ易くなる傾向がある。
重合反応において、原料の混合C4成分中のイソブテンに対する三フッ化ホウ素錯体中の三フッ化ホウ素のモル比は、1.0×10−5以上であってよく、5.0×10−5以上であることが好ましく、1.0×10−4以上であることがより好ましい。このような触媒量であれば、十分に重合反応を進行させることができる。また、原料の混合C4成分中のイソブテンに対する三フッ化ホウ素錯体中の三フッ化ホウ素のモル比は、1.0×10−2以下であってよい。このような触媒量であると、得られるブテンポリマーの数平均分子量Mn及び分散度Mw/Mnの制御が容易となり、また触媒コスト及び後処理の負担の低減が実現できる。なお、上記製造方法において、ブテンポリマーの分子量制御は、反応温度、三フッ化ホウ素と錯化剤との比率、触媒量等の調節によって行うことができる。
重合反応を実施する重合反応装置は特に制限されず、例えば、ベッセル型の反応装置であってよい。また、重合反応の反応形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。工業的な生産効率の観点からは、重合反応は連続式で行うことが好ましい。連続式では、触媒と原料(混合C4成分)との接触時間が重要となる。本実施形態において、三フッ化ホウ素錯体と混合C3原料との接触時間は、例えば10分〜4時間の範囲であることが好ましい。このような接触時間とすることで、十分なイソブテン転化率を達成しつつ、副反応が抑制され、経済的な損失も抑えることができる。
重合反応におけるイソブテンの転化率は、75%以上であってよく、77%以上であることが好ましく、78.1%以上であることがより好ましい。このような転化率となるよう重合反応を行うことで、良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーを効率良く製造することができる。また、重合反応におけるイソブテンの転化率は、例えば95%以下であってよく、90%以下であってもよく、85%以下であってもよい。このような転化率とすることで、得られるブテンポリマーの性状が一層良好になる傾向がある。
(除去工程)
除去工程では、重合反応により得られた反応液から三フッ化ホウ素錯体を除去して、ブテンポリマーを含む反応生成物を得る。除去工程で三フッ化ホウ素錯体を除去することで、後述の蒸留工程において、末端ビニリデンの内部オレフィンへの異性化といった好ましくない副反応が抑制される。
除去工程では、重合反応により得られた反応液から三フッ化ホウ素錯体を除去して、ブテンポリマーを含む反応生成物を得る。除去工程で三フッ化ホウ素錯体を除去することで、後述の蒸留工程において、末端ビニリデンの内部オレフィンへの異性化といった好ましくない副反応が抑制される。
除去工程は、例えば、反応液に水又は塩基性水溶液を添加して、反応液を水相と有機相とに分離させた後、有機相を回収することで実施してよい。塩基性水溶液は、反応液を中和可能な水溶液であれば特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液等であってよい。
除去工程は、例えば、反応液に固体の塩基性物質を添加して反応液を中和した後、有機相を回収することで実施してもよい。固体の塩基性物質は、反応液を中和可能なものであれば特に限定されず、例えば消石灰等であってよい。
除去工程では、上記以外の方法で三フッ化ホウ素錯体を除去してもよい。上記以外の除去方法としては、例えば、反応液の温度を下げることで、密度の異なる炭化水素混合物と三フッ化ホウ素錯体とを分離する方法等が挙げられる。
(蒸留工程)
蒸留工程では、重合反応により得られた反応生成物から、少なくとも炭素数12以下の成分を留去する。蒸留工程では、例えば、反応生成物から、炭素数20以下の成分を留去してよい。蒸留工程で留去される成分は、未反応の炭素数4の炭化水素、ブテンポリマーの低重合物(三量体以下の成分)等を含んでいてよい。蒸留工程では、留去する成分が反応生成物から完全に除去される必要はなく、一定量が製品中に含まれていてもよい。本実施形態では、蒸留工程における残渣をブテンポリマーとして回収することができる。
蒸留工程では、重合反応により得られた反応生成物から、少なくとも炭素数12以下の成分を留去する。蒸留工程では、例えば、反応生成物から、炭素数20以下の成分を留去してよい。蒸留工程で留去される成分は、未反応の炭素数4の炭化水素、ブテンポリマーの低重合物(三量体以下の成分)等を含んでいてよい。蒸留工程では、留去する成分が反応生成物から完全に除去される必要はなく、一定量が製品中に含まれていてもよい。本実施形態では、蒸留工程における残渣をブテンポリマーとして回収することができる。
蒸留工程では、ブテンポリマー中の炭素数12以下の成分の含有量が0.2質量%以下となるように蒸留条件を適宜設定してよい。本実施形態に係る製造方法では、残留有機フッ素が炭素数12以下の成分中に特異的に偏在している。このため、上記の蒸留条件で蒸留工程を行うことにより、ブテンポリマー中のフッ素含有量を上述の好適な範囲にまで低減することができる。
蒸留方法は、炭素数12以下の成分を十分に除去し得る方法であればよく、例えば、連続式及び回分式のいずれであってもよい。また、蒸留時の圧力は、常圧であってよく、減圧であってもよい。また、蒸留工程では、水蒸気蒸留を採用してもよい。蒸留工程では、必ずしも炭素数12以下の成分のみが留去される必要はなく、作業効率の向上等の観点からは、炭素数12を超える成分の一部も併せて留去されてよい。
以上、本実施形態に係る製造方法が有していてよい各工程について説明したが、本実施形態に係る製造方法は、上記工程の一部のみを有していてよく、全部を有していてもよい。また、本実施形態に係る製造方法は、上記以外の工程を有していてもよい。
例えば、本実施形態に係る製造方法は、フッ素含有量の更なる低減を目指して、ブテンポリマーを含む反応生成物に脱フッ素処理を施してもよい。脱フッ素処理は、例えば、反応生成物をアルミナを含む脱フッ素触媒に、200〜250℃の温度で接触させて行うことができる。
また、本実施形態に係る製造方法は、混合C4成分中の1,3−ブタジエンの含有量を1000質量ppm以下にするジエン除去工程をさらに含んでいてもよい。1,3−ブタジエンの除去方法は、例えば抽出法等であってよい。
本実施形態に係る製造方法では、上述のとおり、良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーを得ることができる。本実施形態に係る製造方法で得られたブテンポリマーは、例えば、潤滑油添加剤、燃料油洗浄剤等の添加剤を製造するための中間原料として好適に用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<原料調製>
イソブテン、1−ブテン、2−ブテン及びブタンを混合して、表1に記載の原料組成を有する混合C4成分を調製した。なお、表1中、「ブタン類」は、n−ブタン及びイソブタンの合計量を示す。
<原料調製>
イソブテン、1−ブテン、2−ブテン及びブタンを混合して、表1に記載の原料組成を有する混合C4成分を調製した。なお、表1中、「ブタン類」は、n−ブタン及びイソブタンの合計量を示す。
<重合反応>
混合C4成分を、複合型活性アルミナ(UOP社製、商品名:AZ300)に常温で通油することで、水分の含有量を1質量ppm以下とした。次いで、混合C4成分を三フッ化ホウ素メタノール錯体とともに、1.0リットルの連続式槽型反応器に供給し、反応温度−21℃で、連続的に重合反応を行った。なお、重合条件は、表1に記載のとおりとした。
混合C4成分を、複合型活性アルミナ(UOP社製、商品名:AZ300)に常温で通油することで、水分の含有量を1質量ppm以下とした。次いで、混合C4成分を三フッ化ホウ素メタノール錯体とともに、1.0リットルの連続式槽型反応器に供給し、反応温度−21℃で、連続的に重合反応を行った。なお、重合条件は、表1に記載のとおりとした。
重合反応後の反応液を容器に受け、静置することにより未反応のC4ガス(炭素数4の炭化水素ガス)を分離した。反応液にヘキサンを加えて粘度を下げたのち、多量の水による水洗を数度行うことで、三フッ化ホウ素メタノール錯体を失活・分離した。次いで、脱水処理を行った後、蒸留により炭素数12以下の成分を除去して、目的とする高反応性ブテンポリマーを得た。
<生成物性状の分析>
未反応C4ガスをガスクロマトグラフィーで分析して、イソブチレンの転化率を求めた。また、得られた高反応性ブテンポリマーのGPC分析により、数平均分子量Mn及び分散度Mw/Mnを求めた。また、高反応性ブテンポリマーの1H−NMR測定により、末端二重結合含有率(α率)を求めた。また、高反応性ブテンポリマーの燃焼イオンクロマト装置により、残留フッ素濃度(フッ素含有量)を測定した。各測定に用いた装置及び測定条件を以下に示す。
未反応C4ガスをガスクロマトグラフィーで分析して、イソブチレンの転化率を求めた。また、得られた高反応性ブテンポリマーのGPC分析により、数平均分子量Mn及び分散度Mw/Mnを求めた。また、高反応性ブテンポリマーの1H−NMR測定により、末端二重結合含有率(α率)を求めた。また、高反応性ブテンポリマーの燃焼イオンクロマト装置により、残留フッ素濃度(フッ素含有量)を測定した。各測定に用いた装置及び測定条件を以下に示す。
[ガスクロマトグラフィー]
測定装置:アジレント・テクノロジー GC6850
カラム:CP−Al2O3/KCl(カラム長50m、内径0.32mm、膜厚5μm)
カラム温度:50℃〜200℃(5℃/min)
キャリアーガス:窒素
測定装置:アジレント・テクノロジー GC6850
カラム:CP−Al2O3/KCl(カラム長50m、内径0.32mm、膜厚5μm)
カラム温度:50℃〜200℃(5℃/min)
キャリアーガス:窒素
[GPC分析]
測定装置:東ソー株式会社 HLC−8320GPC
カラム:
TSKgel guardcolumn SuperHZ−L
(4.6mmI.D.×2cm)
TSKgel SuperHZM−M
TSKgel SuperHZ4000
TSKgel SuperHZ3000
TSKgel SuperHZ2000
(各4.6mmI.D.×15cm)
カラム温度:40℃
キャリアー:THF、1ml/min
検出:RI
Mn、Mw検出条件:開始分子量(PS換算) 102,747(102,700)
終了分子量(PS換算) 115
測定間隔 0.00167 sec/回
測定装置:東ソー株式会社 HLC−8320GPC
カラム:
TSKgel guardcolumn SuperHZ−L
(4.6mmI.D.×2cm)
TSKgel SuperHZM−M
TSKgel SuperHZ4000
TSKgel SuperHZ3000
TSKgel SuperHZ2000
(各4.6mmI.D.×15cm)
カラム温度:40℃
キャリアー:THF、1ml/min
検出:RI
Mn、Mw検出条件:開始分子量(PS換算) 102,747(102,700)
終了分子量(PS換算) 115
測定間隔 0.00167 sec/回
[1H−NMR測定]
測定装置:Oxford社 600MHz−プロトンNMR
試料濃度:5質量%(重クロロホルム溶媒)
積算回数:16回
解析条件:下記のA〜Dのピーク面積を求め、下記式(2)によりα率を求めた。
A:5.16ppm−5.10ppm
B:4.90ppm−4.655ppm
C:4.655ppm−4.57ppm
D:2.89ppm−2.81ppm
α率(%)=C/{A+(B−C)/2+D}×100 …(2)
測定装置:Oxford社 600MHz−プロトンNMR
試料濃度:5質量%(重クロロホルム溶媒)
積算回数:16回
解析条件:下記のA〜Dのピーク面積を求め、下記式(2)によりα率を求めた。
A:5.16ppm−5.10ppm
B:4.90ppm−4.655ppm
C:4.655ppm−4.57ppm
D:2.89ppm−2.81ppm
α率(%)=C/{A+(B−C)/2+D}×100 …(2)
[残留フッ素濃度測定]
測定装置:ダイオニクス ICS1500(イオンクロマト部)
三菱化学株式会社 AQF100(燃焼部)
カラム:Ionpac AS23A
燃焼温度:1000℃
キャリアー:4.5mmol・Na2CO3/0.8mmol・NaHCO3水溶液,1ml/min
測定装置:ダイオニクス ICS1500(イオンクロマト部)
三菱化学株式会社 AQF100(燃焼部)
カラム:Ionpac AS23A
燃焼温度:1000℃
キャリアー:4.5mmol・Na2CO3/0.8mmol・NaHCO3水溶液,1ml/min
実施例1における原料組成及び重合条件を表1に、上記方法で分析された生成物性状を表2に示す。なお、表1及び表2中、「式(1)」は、式(1)のX−Y3/7の値を示す。
(実施例2〜7、比較例1〜9)
原料組成及び重合条件を表1に示すとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
原料組成及び重合条件を表1に示すとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
(実施例8)
<原料調製>
ナフサ分解装置から得られたC4留分からブタジエンを抽出した残りであるC4ラフィネートを、さらに蒸留して、表1に示す原料組成を有する混合C4成分を調製した。なお、C4ラフィネートの組成は、イソブテン50質量%、1−ブテン23質量%、2−ブテン11質量%、n−ブタン11質量%、イソブタン5質量%であった。
<原料調製>
ナフサ分解装置から得られたC4留分からブタジエンを抽出した残りであるC4ラフィネートを、さらに蒸留して、表1に示す原料組成を有する混合C4成分を調製した。なお、C4ラフィネートの組成は、イソブテン50質量%、1−ブテン23質量%、2−ブテン11質量%、n−ブタン11質量%、イソブタン5質量%であった。
<重合反応及び生成物性状の分析>
原料として上記原料調製で調製した混合C4成分を用い、重合条件を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
原料として上記原料調製で調製した混合C4成分を用い、重合条件を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
(実施例9)
C4ラフィネートの蒸留条件を変更して、表1に示す原料組成を有する混合C4成分を得た。原料としてこの混合C4成分を用い、重合条件を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
C4ラフィネートの蒸留条件を変更して、表1に示す原料組成を有する混合C4成分を得た。原料としてこの混合C4成分を用い、重合条件を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
(実施例10)
<原料調製>
アップフローリアクタータイプ FCC商業生産装置を用いて、減圧軽油(脱硫VGO)の流動接触分解を行った。該商業生産装置の通油量は50,000BSDであり、運転条件は、反応帯域出口温度500℃、触媒/油比5.3(質量比)とした。
<原料調製>
アップフローリアクタータイプ FCC商業生産装置を用いて、減圧軽油(脱硫VGO)の流動接触分解を行った。該商業生産装置の通油量は50,000BSDであり、運転条件は、反応帯域出口温度500℃、触媒/油比5.3(質量比)とした。
使用した原料油は、中東系(アラビアンライト)の脱硫した減圧軽油(脱硫VGO)であった。また、使用した原料油は、蒸留における5%留出温度が305℃、95%留出温度が538℃であり、15℃密度は0.895g/cm3であった。また、原料油の残留炭素分は0.02質量%であり、硫黄分は0.23質量%であった。
流動接触分解の触媒には、超安定Y型ゼオライトを37質量%含む流動接触分解触媒70質量%と、形状選択性ゼオライトを43質量%含む添加剤30質量%と、の混合物を用いた。流動接触分解触媒に含まれる超安定Y型ゼオライトの結晶格子定数は24.40Åであった。また、流動接触分解触媒及び添加剤は、装置に充填する前にそれぞれ別々に810℃で6時間、100%スチームでスチーミングして用いた。
流動接触分解により得られた分解生成物から、異性化蒸留処理によりイソブテンを主成分とするC4成分を得て、更にn−ブタンで濃度調整して、表1に示す原料組成を有する混合C4成分を得た。
<重合反応及び生成物性状の分析>
原料として上記原料調製で調製した混合C4成分を用い、重合条件を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
原料として上記原料調製で調製した混合C4成分を用い、重合条件を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
(実施例11)
<原料調製>
ダウンフローリアクタータイプ FCCパイロット装置を用いて、重質油の流動接触分解を行なった。装置規模は、インベントリ−5kg、フィ−ド量1kg/hであり、運転条件は、反応帯域出口温度600℃、反応圧力196kPa(1.0kg/cm2G)、触媒/油比25(質量比)、触媒再生帯域温度720℃とした。このとき、リアクター内の炭化水素滞留時間は0.5秒であった。
<原料調製>
ダウンフローリアクタータイプ FCCパイロット装置を用いて、重質油の流動接触分解を行なった。装置規模は、インベントリ−5kg、フィ−ド量1kg/hであり、運転条件は、反応帯域出口温度600℃、反応圧力196kPa(1.0kg/cm2G)、触媒/油比25(質量比)、触媒再生帯域温度720℃とした。このとき、リアクター内の炭化水素滞留時間は0.5秒であった。
使用した原料油は、中東系(アラビアンライト)の脱硫した常圧残渣油(脱硫AR)であった。また、使用した原料油は、蒸留における5%留出温度が362℃、95%留出温度が703℃であり、15℃密度が0.931g/cm3であった。また、原料油の残留炭素分は2.57質量%であり、硫黄分は0.38質量%であった。
流動接触分解の触媒には、実施例10に示した触媒と同じものを用いた。
流動接触分解により得られた分解生成物から、異性化蒸留処理によりイソブテンを主成分とするC4成分を得て、更にn−ブタンで濃度調整して、表1に示す原料組成を有する混合C4成分を得た。
<重合反応及び生成物性状の分析>
原料として上記原料調製で調製した混合C4成分を用い、重合条件を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
原料として上記原料調製で調製した混合C4成分を用い、重合条件を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
(実施例12)
<原料調製>
異性化蒸留処理の条件及びn−ブタンにより濃度調整の条件を変更したこと以外は実施例11と同様にして、表1に示す原料組成を有する混合C4成分を得た。
<原料調製>
異性化蒸留処理の条件及びn−ブタンにより濃度調整の条件を変更したこと以外は実施例11と同様にして、表1に示す原料組成を有する混合C4成分を得た。
<重合反応及び生成物性状の分析>
原料として上記原料調製で調製した混合C4成分を用い、重合条件を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
原料として上記原料調製で調製した混合C4成分を用い、重合条件を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして重合反応及び生成物性状の分析を行った。結果を表2に示す。
(確認試験)
イソブテン濃度及び1−ブテン濃度をそれぞれ変更したときの式(1)のX−Y3/7の値を表3に示した。表3中で下線を示した値が、式(1)を満たす値である。表3で下線を付した組成を有する混合C4成分について、実施例1と同様の重合反応を行うことで、良好な性状を有するブテンポリマーが得られる。
イソブテン濃度及び1−ブテン濃度をそれぞれ変更したときの式(1)のX−Y3/7の値を表3に示した。表3中で下線を示した値が、式(1)を満たす値である。表3で下線を付した組成を有する混合C4成分について、実施例1と同様の重合反応を行うことで、良好な性状を有するブテンポリマーが得られる。
実施例及び確認試験の結果から、式(1)を満たす混合C4成分を原料として、上述の製造方法によってブテンポリマーを製造することで、良好な性状を有するブテンポリマーが得られることが確認された。
本発明に係る製造方法によれば、潤滑油添加剤、燃料油洗浄剤等の添加剤を製造するための中間原料として好適な、良好な性状を有する高反応性ブテンポリマーを得ることができる。
Claims (12)
- イソブテンを含有する炭素数4の炭化水素の混合物を原料とし、三フッ化ホウ素錯体を触媒とする重合反応によりブテンポリマーを得る、ブテンポリマーの製造方法であって、
前記重合反応における前記イソブテンの転化率が75%以上であり、
前記混合物におけるイソブテン濃度をX質量%、前記混合物における1−ブテン濃度をY質量%としたとき、前記混合物が下記式(1)を満たす、
ブテンポリマーの製造方法。
35.0≦X−Y3/7≦60.0 …(1) - 前記混合物中の水分、含硫黄化合物及び含酸素化合物の含有量をそれぞれ100質量ppm以下にする前処理工程と、
前記前処理工程を経た前記混合物を前記三フッ化ホウ素錯体に接触させて、前記重合反応を行う重合工程と、
を含む、
請求項1に記載の製造方法。 - 前記重合反応により得られた反応液から前記三フッ化ホウ素錯体を除去して、前記ブテンポリマーを含む反応生成物を得る除去工程を含む、
請求項1又は2に記載の製造方法。 - 前記重合反応により得られた反応生成物から少なくとも炭素数12以下の成分を留去する蒸留工程を含み、
前記ブテンポリマーにおける炭素数12以下の成分の含有量が0.2質量%以下である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記重合反応における反応温度が−30〜0℃であり、
前記重合反応において、前記混合物中の前記イソブテンに対する前記三フッ化ホウ素錯体中の三フッ化ホウ素のモル比が1.0×10−5以上1.0×10−2以下である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記三フッ化ホウ素錯体が、三フッ化ホウ素と錯化剤との錯体であり、
前記三フッ化ホウ素錯体における、前記三フッ化ホウ素に対する前記錯化剤のモル比が1.0〜3.0である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記三フッ化ホウ素錯体が、三フッ化ホウ素と一級アルコールとの錯体である、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記混合物中の1,3−ブタジエンの含有量を1000質量ppm以下にするジエン除去工程を含む、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記ブテンポリマーは、
数平均分子量Mnが2300〜3500であり、
分散度Mw/Mnが1.5〜2.2であり、
末端二重結合を有するポリマーの比率が78.1モル%以上であり、
フッ素含有量が10質量ppm以下である、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記混合物が、ナフサ分解により得られた炭素数4の炭化水素を含む、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記混合物が、
反応帯域出口温度が400℃以上550℃未満、触媒/油比が質量比で2.0〜15.0、反応帯域での炭化水素の滞留時間が1.0〜10.0秒の条件で、重質油を流動接触分解触媒に接触させる、第一の流動接触分解により得られた炭素数4の炭化水素を含む、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。 - 前記混合物が、
反応帯域出口温度が580〜630℃、触媒/油比が質量比15〜40、反応帯域での炭化水素の滞留時間が0.1〜1.0秒の条件で、形状選択性ゼオライトを12〜24質量%含有する触媒に重質油を接触させる、第二の流動接触分解により得られた炭素数4の炭化水素を含む、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
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