JP2017087492A - 溶着積層体、溶着積層体の製造方法及び光導波路 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な方法で気泡部分を内部に有する樹脂を提供する。
【解決手段】2層の樹脂層の溶着積層体であって、少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上であり、溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体。少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上である、第1の樹脂層と第2の樹脂層とを重ね、第2の樹脂層の内部を焦点位置として250nm〜380nmのレーザーを照射する、溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】2層の樹脂層の溶着積層体であって、少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上であり、溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体。少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上である、第1の樹脂層と第2の樹脂層とを重ね、第2の樹脂層の内部を焦点位置として250nm〜380nmのレーザーを照射する、溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、溶着積層体、溶着積層体の製造方法及び光導波路に関する。
現在、光導波路をはじめ多くの用途への展開が期待されることから、材料に穴を空けたり、材料内部に空孔を設けたりする技術開発が盛んに行われている。
樹脂の内部に線状の気泡部分を導入する方法としては、例えば、特許文献1に記載されるように、熱溶融や熱分解させて気泡部分を導入する方法が提案されている。
樹脂の内部に線状の気泡部分を導入する方法としては、例えば、特許文献1に記載されるように、熱溶融や熱分解させて気泡部分を導入する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に提案されている方法は、光吸収材である球を動かしながら少しずつ気泡部分を形成するため、生産性を向上させることが難しい。
そこで、本発明の目的は、簡便な方法で気泡部分を内部に有する樹脂を提供することにある。
本発明は、2層の樹脂層の溶着積層体であって、少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上であり、溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体に関する。
また、本発明は、少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上である、第1の樹脂層と第2の樹脂層とを重ね、第2の樹脂層の内部を焦点位置として250nm〜380nmのレーザーを照射する、溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体の製造方法に関する。
更に、本発明は、前記溶着積層体を含む光導波路に関する。
本発明の溶着積層体は、簡便な方法で気泡部分を有する樹脂を製造でき、溶着部分に囲まれた気泡部分を有するため、光導波路に好適に用いることができる。
また、本発明の溶着積層体の製造方法は、工程が簡便で、得られる溶着積層体が溶着部分に囲まれた気泡部分を有するため、光導波路に好適に用いることができる。
また、本発明の溶着積層体の製造方法は、工程が簡便で、得られる溶着積層体が溶着部分に囲まれた気泡部分を有するため、光導波路に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(溶着積層体)
本発明の溶着積層体は、2層の樹脂層を溶着させたものである。
本発明の溶着積層体は、2層の樹脂層を溶着させたものである。
(樹脂層)
2層の樹脂層のうち少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量は、120,000以上であり、120,000〜1,000,000が好ましく、150,000〜600,000がより好ましい。少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上であると、放射線エネルギー及び熱エネルギーの付与による樹脂の発泡性に優れる。また、少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が1,000,000以下であると、気泡の幅の斑を抑制することができる。
尚、本明細書において、質量平均分子量は、標準試料として標準ポリスチレンを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値とする。
2層の樹脂層のうち少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量は、120,000以上であり、120,000〜1,000,000が好ましく、150,000〜600,000がより好ましい。少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上であると、放射線エネルギー及び熱エネルギーの付与による樹脂の発泡性に優れる。また、少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が1,000,000以下であると、気泡の幅の斑を抑制することができる。
尚、本明細書において、質量平均分子量は、標準試料として標準ポリスチレンを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値とする。
いずれの樹脂層においても、構成する樹脂の種類は、前述した質量平均分子量を満たし、熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。樹脂としては、例えば、アクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン、メチルメタクリレート・スチレン共重合体等のスチレン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの第1の樹脂層を構成する樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの第1の樹脂層を構成する樹脂の中でも、溶着積層体の界面の接着性に優れることから、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂が好ましく、溶着積層体の透明性に優れることから、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂がより好ましく、溶着積層体の着色を抑制することができることから、アクリル樹脂が更に好ましい。
一方の樹脂層の波長355nmにおける吸光度は、0.1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。一方の樹脂層の波長355nmにおける吸光度が0.1以上であると、溶着積層体の界面の接着性に優れる。また、一方の樹脂層の波長355nmにおける吸光度が10以下であると、低波長域の可視光の透過性に優れ、溶着積層体の透明性に優れる。
尚、本明細書において、波長355nmにおける吸光度は、分光光度計で測定した値とする。
尚、本明細書において、波長355nmにおける吸光度は、分光光度計で測定した値とする。
他方の樹脂層の波長355nmにおける吸光度は、0.001〜2が好ましく、0.01〜0.5がより好ましい。他方の樹脂層の波長355nmにおける吸光度が0.001以上であると、樹脂層の設計の自由度に優れる。また、他方の樹脂層の波長355nmにおける吸光度が2以下であると、樹脂層の紫外線の透過性に優れる。
樹脂層の波長355nmにおける吸光度を前述した範囲にするためには、樹脂層に含ませる紫外線吸収剤の種類と量を適宜設定すればよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリンレート系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル系化合物等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの紫外線吸収剤の中でも、紫外線吸収能力に優れることから、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物が好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物がより好ましい。
いずれの樹脂層においても、樹脂層の全光線透過率は、80%〜95%が好ましく、82%〜93%がより好ましい。樹脂層の全光線透過率が80%以上であると、溶着積層体の透明性に優れる。また、樹脂層の全光線透過率が95%以下であると、樹脂層の設計の自由度に優れる。
尚、本明細書において、全光線透過率は、ISO13468−1に準拠して測定した値とする。
尚、本明細書において、全光線透過率は、ISO13468−1に準拠して測定した値とする。
いずれの樹脂層においても、樹脂層の厚さは、0.01mm〜200mmが好ましく、0.02m〜150mmがより好ましい。樹脂層の厚さが0.01mm以上であると、溶着積層体の機械特性に優れる。また、樹脂層の厚さが200mm以下であると、溶着積層体の透明性に優れる。
尚、本明細書において、厚さは、一方の面から他方の面までの最短の距離の平均値とする。
尚、本明細書において、厚さは、一方の面から他方の面までの最短の距離の平均値とする。
一方の樹脂層の形状と他方の樹脂層の形状は、溶着させる部分が相互に合っていれば、特に限定されない。
溶着積層体の全光線透過率は、70%〜94%が好ましく、75%〜93%がより好ましい。溶着積層体の全光線透過率が70%以上であると、溶着積層体の透明性に優れる。また、溶着積層体の全光線透過率が94%であると、溶着積層体の設計の自由度に優れる。
溶着積層体の厚さは、0.02mm〜400mmが好ましく、0.04m〜300mmがより好ましい。溶着積層体の厚さが0.02mm以上であると、溶着積層体の機械特性に優れる。また、溶着積層体の厚さが400mm以下であると、溶着積層体の透明性に優れる。
(溶着部分・気泡部分)
本発明の溶着積層体は、溶着部分と気泡部分を有する。
溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体としては、例えば、図1に示す溶着積層体等が挙げられる。
図1は、一方の樹脂層11と他方の樹脂層12との界面に、溶着部分21を有し、溶着部分に囲まれた気泡部分22を有する溶着積層体を示す。
本発明の溶着積層体は、溶着部分と気泡部分を有する。
溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体としては、例えば、図1に示す溶着積層体等が挙げられる。
図1は、一方の樹脂層11と他方の樹脂層12との界面に、溶着部分21を有し、溶着部分に囲まれた気泡部分22を有する溶着積層体を示す。
気泡部分の形状は、光導波路に好適に用いることができることから、線状が好ましい。
線状は、直線状であっても、曲線状であっても、折線状であってもよく、光導波路等の用途に応じて適宜設定すればよい。
線状の気泡部分の幅は、気泡部分の形状安定性に優れることから、0.01mm〜1mmが好ましく、0.03mm〜0.50mmがより好ましい。気泡部分の幅は、レーザーの照射条件を適宜設定することで、調整することができる。
尚、本明細書において、幅は、一端から他端までの最短の距離の平均値とする。
線状は、直線状であっても、曲線状であっても、折線状であってもよく、光導波路等の用途に応じて適宜設定すればよい。
線状の気泡部分の幅は、気泡部分の形状安定性に優れることから、0.01mm〜1mmが好ましく、0.03mm〜0.50mmがより好ましい。気泡部分の幅は、レーザーの照射条件を適宜設定することで、調整することができる。
尚、本明細書において、幅は、一端から他端までの最短の距離の平均値とする。
(溶着積層体の製造方法)
本発明の溶着積層体の製造方法は、少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上である、第1の樹脂層と第2の樹脂層とを重ね、第2の樹脂層の内部を焦点位置として250nm〜380nmのレーザーを照射することで、第1の樹脂層と第2の樹脂層とが溶着し、かつ、溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体が得られる。
本発明の溶着積層体の製造方法は、少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上である、第1の樹脂層と第2の樹脂層とを重ね、第2の樹脂層の内部を焦点位置として250nm〜380nmのレーザーを照射することで、第1の樹脂層と第2の樹脂層とが溶着し、かつ、溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体が得られる。
重ねた2つの樹脂層に向かってレーザー照射を行うことで、質量平均分子量が120,000以上の樹脂が溶融すると共に発泡し、室温程度まで冷却することで自己組織的に溶着部分に囲まれた気泡部分が形成されることを、発明者らは見出した。また、レーザー照射の焦点位置が、必ずしも質量平均分子量が120,000以上の樹脂の内部でなくてもよいことも、発明者らは確認した。
質量平均分子量が120,000以上の樹脂で構成された樹脂層は、製造が容易であることから、キャスト板が好ましい。質量平均分子量が120,000未満の樹脂で構成された樹脂層は、製造が容易であることから、押出板が好ましい。特に、樹脂層としてアクリル樹脂を用いた場合に有効である。
レーザーは、溶着積層体の界面の接着性に優れることから、第2の樹脂層の内部を焦点位置とし、第1の樹脂層の表面から第2の樹脂層の内部に向かって照射することが好ましい。
第1の樹脂層の波長355nmにおける吸光度は、0.001〜2が好ましく、0.01〜0.5がより好ましい。第1の樹脂層の波長355nmにおける吸光度が0.001以上であると、樹脂層の設計の自由度に優れる。また、第1の樹脂層の波長355nmにおける吸光度が2以下であると、樹脂層の紫外線の透過性に優れる。
第2の樹脂層の波長355nmにおける吸光度は、0.1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。第2の樹脂層の波長355nmにおける吸光度が0.1以上であると、溶着積層体の界面の接着性に優れる。また、第2の樹脂層の波長355nmにおける吸光度が10以下であると、低波長域の可視光の透過性に優れ、溶着積層体の透明性に優れる。
照射するレーザーの波長は、250nm〜380nmが好ましく、275nm〜375nmがより好ましく、300nm〜370nmが更に好ましい。照射するレーザーの波長が250nm以上であると、樹脂層の安定性に優れる。また、照射するレーザーの波長が380nm以下であると、紫外線吸収剤との反応性に優れる。
レーザーの照射条件は、第1の樹脂層や第2の樹脂層の材料特性に応じて、適宜設定すればよい。
照射するレーザーパワーは、0.01W〜50Wが好ましく、0.1W〜20Wがより好ましい。照射するレーザーパワーが0.01W以上であると、溶着積層体の界面の接着性に優れる。また、照射するレーザーパワーが50W以下であると、溶着積層体の外観に優れる。
尚、レーザーパワーは、繰返周波数やパルス幅を調整することで設定することができる。
尚、レーザーパワーは、繰返周波数やパルス幅を調整することで設定することができる。
照射するレーザーの重ね打ち回数は、1回でもよく、複数回でもよい。
照射するレーザーの走査速度は、0.1mm/秒〜100mm/秒が好ましく、1mm/秒〜50mm/秒がより好ましい。照射するレーザーの走査速度が0.1mm/秒以上であると、気泡部分周辺の炭化を抑制することができる。また、照射するレーザーの走査速度が100mm/秒以下であると、気泡部分の形状安定性に優れる。
図2は、第1の樹脂層13と第2の樹脂層14との界面に、溶着部分21を有し、溶着部分に囲まれた気泡部分22を有する溶着積層体を示す。図2のように、気泡部分の形状を線状にするには、レーザーを線状に移動させながらレーザーの照射を行えばよい。
(用途)
本発明の溶着積層体は、溶着部分に囲まれた気泡部分を有するため、光導波路に好適に用いることができ、例えば、光データ処理、光通信システム、情報処理等の光スイッチ、光メモリー等の光デバイスに有用である。
本発明の溶着積層体は、溶着部分に囲まれた気泡部分を有するため、光導波路に好適に用いることができ、例えば、光データ処理、光通信システム、情報処理等の光スイッチ、光メモリー等の光デバイスに有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(質量平均分子量の測定)
第1の樹脂層の質量平均分子量、第2の樹脂層の質量平均分子量について、各樹脂層から10mgを切り出し、10mlのテトラヒドロフランに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過して、試料溶液を得た。得られた試料溶液について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(機種名「HLC−8320 GPC Eco SEC」、東ソー(株)製)を用い、質量平均分子量を測定した。分離カラムとして「TSKgel SuperHZM−H」(商品名、東ソー(株)製、内径4.6mm×長さ15cm)を2本直列にしたもの、溶媒としてテトラヒドロフラン、検出器として示差屈折計、標準試料として標準ポリスチレンを用い、流量0.6ml/分、測定温度40℃、注入量0.1mlの条件とした。
第1の樹脂層の質量平均分子量、第2の樹脂層の質量平均分子量について、各樹脂層から10mgを切り出し、10mlのテトラヒドロフランに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過して、試料溶液を得た。得られた試料溶液について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(機種名「HLC−8320 GPC Eco SEC」、東ソー(株)製)を用い、質量平均分子量を測定した。分離カラムとして「TSKgel SuperHZM−H」(商品名、東ソー(株)製、内径4.6mm×長さ15cm)を2本直列にしたもの、溶媒としてテトラヒドロフラン、検出器として示差屈折計、標準試料として標準ポリスチレンを用い、流量0.6ml/分、測定温度40℃、注入量0.1mlの条件とした。
(全光線透過率の測定)
第1の樹脂層の全光線透過率(%)、第2の樹脂層の全光線透過率(%)、積層体の全光線透過率(%)について、ISO13468−1に準拠し、ヘイズメーター(機種名「HM−150」、(株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
第1の樹脂層の全光線透過率(%)、第2の樹脂層の全光線透過率(%)、積層体の全光線透過率(%)について、ISO13468−1に準拠し、ヘイズメーター(機種名「HM−150」、(株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
(吸光度の測定)
第1の樹脂層の波長355nmにおける吸光度、第2の樹脂層の波長355nmにおける吸光度について、分光光度計(機種名「U−4100」、(株)日立製作所製)を用いて測定した。
第1の樹脂層の波長355nmにおける吸光度、第2の樹脂層の波長355nmにおける吸光度について、分光光度計(機種名「U−4100」、(株)日立製作所製)を用いて測定した。
(接着性の評価)
第2の樹脂層の表面と地面に固定したアクリル樹脂板とを両面テープで固定し、第1の樹脂層の表面とフックを有するアクリル樹脂製の治具とを溶着して固定し、上部からぶら下げたフォースゲージ(機種名「FGC−5」、日本電産シンポ(株)製)をフックにかけ、2N、30Nで上部から引っ張り、積層体の剥がれ(第1の樹脂層と第2の樹脂層との剥がれ)の有無を確認し、以下のように評価した。
A:30Nの力で引っ張っても剥がれなかった。
B:2Nの力で引っ張っても剥がれなかったが、30Nの力で引っ張ったら剥がれた。
C:2Nの力で引っ張ったら剥がれた。
第2の樹脂層の表面と地面に固定したアクリル樹脂板とを両面テープで固定し、第1の樹脂層の表面とフックを有するアクリル樹脂製の治具とを溶着して固定し、上部からぶら下げたフォースゲージ(機種名「FGC−5」、日本電産シンポ(株)製)をフックにかけ、2N、30Nで上部から引っ張り、積層体の剥がれ(第1の樹脂層と第2の樹脂層との剥がれ)の有無を確認し、以下のように評価した。
A:30Nの力で引っ張っても剥がれなかった。
B:2Nの力で引っ張っても剥がれなかったが、30Nの力で引っ張ったら剥がれた。
C:2Nの力で引っ張ったら剥がれた。
(気泡部分の評価)
気泡部分を顕微鏡にて確認し、以下のように評価した。
A:線状の気泡が確認された。
B:線状の気泡が確認されたが、一部炭化現象が確認された。
C:気泡が確認されなかった。
気泡部分を顕微鏡にて確認し、以下のように評価した。
A:線状の気泡が確認された。
B:線状の気泡が確認されたが、一部炭化現象が確認された。
C:気泡が確認されなかった。
[実施例1]
第1の樹脂層としてアクリル樹脂板(全光線透過率92.5%、吸光度0.03、厚さ3mm、質量平均分子量490,000)、第2の樹脂層としてアクリル樹脂板(全光線透過率92.2%、吸光度4.00、厚さ3mm、質量平均分子量180,000)を準備した。
準備した第1の樹脂層と第2の樹脂層とを重ね合わせ、紫外線レーザー装置(機種名「PLU−5」、フィジカルフォトン(株)製、最大出力5W)を用い、波長355nm、レーザーパワー2.2W、走査速度10mm/秒、重ね打ち回数1回、焦点位置(第1の樹脂層と第2の樹脂層との界面から第2の樹脂層内部までの距離)1.5mmの条件で、第1の樹脂層側からレーザーを照射し、レーザー溶着させた溶着積層体を得た。溶着部分は、30mmの直線状とした。
得られた溶着積層体の評価結果を、表1に示す。得られた溶着積層体は、透明で十分接着していて、かつ、溶着部分に囲まれた幅0.30mmの線状の気泡部分が確認された。
図3は、実施例1で得られた溶着積層体の光学顕微鏡写真(溶着積層体表面からの撮影した写真)である。図3からも、溶着部分に囲まれた線状の気泡部分を有することが確認された。
第1の樹脂層としてアクリル樹脂板(全光線透過率92.5%、吸光度0.03、厚さ3mm、質量平均分子量490,000)、第2の樹脂層としてアクリル樹脂板(全光線透過率92.2%、吸光度4.00、厚さ3mm、質量平均分子量180,000)を準備した。
準備した第1の樹脂層と第2の樹脂層とを重ね合わせ、紫外線レーザー装置(機種名「PLU−5」、フィジカルフォトン(株)製、最大出力5W)を用い、波長355nm、レーザーパワー2.2W、走査速度10mm/秒、重ね打ち回数1回、焦点位置(第1の樹脂層と第2の樹脂層との界面から第2の樹脂層内部までの距離)1.5mmの条件で、第1の樹脂層側からレーザーを照射し、レーザー溶着させた溶着積層体を得た。溶着部分は、30mmの直線状とした。
得られた溶着積層体の評価結果を、表1に示す。得られた溶着積層体は、透明で十分接着していて、かつ、溶着部分に囲まれた幅0.30mmの線状の気泡部分が確認された。
図3は、実施例1で得られた溶着積層体の光学顕微鏡写真(溶着積層体表面からの撮影した写真)である。図3からも、溶着部分に囲まれた線状の気泡部分を有することが確認された。
[実施例2〜6]
樹脂層の種類とレーザーパワーを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に操作し、レーザー溶着させた溶着積層体を得た。
得られた溶着積層体の評価結果を、表1に示す。
樹脂層の種類とレーザーパワーを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に操作し、レーザー溶着させた溶着積層体を得た。
得られた溶着積層体の評価結果を、表1に示す。
[比較例1〜2]
樹脂層の種類とレーザーパワーを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に操作し、レーザー溶着させた溶着積層体を得た。
得られた溶着積層体の評価結果を、表1に示す。得られた溶着積層体は、透明で十分接着していたが、気泡部分は確認されなかった。
図4は、比較例1で得られた溶着積層体の光学顕微鏡写真(溶着積層体表面からの撮影した写真)である。図4からも、溶着部分に囲まれた線状の気泡部分を有しないことが確認された。
樹脂層の種類とレーザーパワーを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に操作し、レーザー溶着させた溶着積層体を得た。
得られた溶着積層体の評価結果を、表1に示す。得られた溶着積層体は、透明で十分接着していたが、気泡部分は確認されなかった。
図4は、比較例1で得られた溶着積層体の光学顕微鏡写真(溶着積層体表面からの撮影した写真)である。図4からも、溶着部分に囲まれた線状の気泡部分を有しないことが確認された。
実施例1〜5で得られた溶着積層体は、透明で十分接着していて、かつ、溶着部分に囲まれた線状の気泡部分が確認された。
一方、比較例1〜2で得られた溶着積層体は、質量平均分子量が120,000以上の樹脂を用いなかったため、透明で十分接着していたが、気泡部分は確認されなかった。
一方、比較例1〜2で得られた溶着積層体は、質量平均分子量が120,000以上の樹脂を用いなかったため、透明で十分接着していたが、気泡部分は確認されなかった。
本発明の溶着積層体は、溶着部分に囲まれた気泡部分を有するため、光導波路に好適に用いることができ、例えば、光データ処理、光通信システム、情報処理等の光スイッチ、光メモリー等の光デバイスに有用である。
10 溶着積層体
11 一方の樹脂層
12 他方の樹脂層
13 第1の樹脂層
14 第2の樹脂層
21 溶着部分
22 気泡部分
11 一方の樹脂層
12 他方の樹脂層
13 第1の樹脂層
14 第2の樹脂層
21 溶着部分
22 気泡部分
Claims (12)
- 2層の樹脂層の溶着積層体であって、
少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上であり、
溶着部分に囲まれた気泡部分を有する、溶着積層体。 - 溶着積層体の厚さが、0.02mm〜400mmである、請求項1に記載の溶着積層体。
- ISO13468−1に準拠して測定した溶着積層体の全光線透過率が、70%〜94%である、請求項1又は2に記載の溶着積層体。
- 気泡部分が、幅0.01mm〜1mmの線状である、請求項1〜3のいずれかに記載の溶着積層体。
- 少なくとも一方の樹脂層を構成する樹脂の質量平均分子量が120,000以上である、第1の樹脂層と第2の樹脂層とを重ね、
第2の樹脂層の内部を焦点位置として250nm〜380nmのレーザーを照射する、
溶着部分に囲まれた気泡部分を有する溶着積層体の製造方法。 - 第2の樹脂層の波長355nmにおける吸光度が、1〜5である、請求項5に記載の溶着積層体の製造方法。
- 第1の樹脂層の波長355nmにおける吸光度が、0.01〜0.5である、請求項5又は6に記載の溶着積層体の製造方法。
- 第1の樹脂層の表面から第2の樹脂層の内部に向かってレーザーを照射する、請求項5〜7のいずれかに記載の溶着積層体の製造方法。
- レーザー照射の焦点位置を動かして、線状の気泡部分を形成する、請求項5〜8のいずれかに記載の溶着積層体の製造方法。
- レーザーパワーが、0.01W〜50Wである、請求項5〜9のいずれかに記載の溶着積層体の製造方法。
- レーザーの走査速度が、0.1mm/秒〜100mm/秒である、請求項5〜10のいずれかに記載の溶着積層体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の溶着積層体を含む、光導波路。
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