1.遊技機の構造
本発明の各実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3(A)参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「123」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技(第2特別遊技)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3(A)参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口、固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2入球口、可変始動口、第1入球領域)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口に相当)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材に相当)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口、第2入球領域)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段、特典入球手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(第2特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口9が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。第2流路R2を転動した遊技球が第1始動口20へ入賞することはない。
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
また図1および図3(A)に示すように、遊技盤2の右下部には第1の表示器類40が配置されている。また図1および図3(B)に示すように、センター装飾体10の右上部には第2の表示器類46が配置されている。第1の表示器類40は、後述する遊技制御用マイコン81によって点灯を制御される表示器類である。これに対して、第2の表示器類46は、後述する演出制御用マイコン91によって点灯を制御される表示器類である。
第1の表示器類40には、第1特別図柄(第1図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また第1の表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また第1の表示器類40には、右打ちを行った方が高い出玉率で遊技を進行することが可能であることを示す右打ち表示器45が含まれている。出玉率とは、遊技領域3に打ち込んだ遊技球の数に対する払出賞球数の割合である。具体的には右打ち表示器45は、例えば1つのLEDから構成されており、右打ちを行った方が高い出玉率で遊技を進行することが可能であるときにはLEDを点灯させ、そうでないときにはLEDを消灯させる。なお右打ち表示器45は比較的小さく、遊技者の目に留まりにくい。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。なお、第1特別遊技又は第2特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図4参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図4参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数)は第1特図保留記憶部85aが4個、第2特図保留記憶部85bが1個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、例えば4個のLEDで構成されており、第2特図保留表示器43bは、例えば1個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3(A)参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図4参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
次に、図3(B)に示す第2の表示器類46について説明する。第2の表示器類46には、右打ちランプ47が含まれている。右打ちランプ47は、第1の表示器類40の右打ち表示器45(図3(A)参照)と同様、右打ちを行った方が高い出玉率で遊技を進行することが可能であることを示すためのものである。また第2の表示器類46には、第1特別図柄の可変表示中か否かを示す特1変動ランプ48a、第2特別図柄の可変表示中か否かを示す特2変動ランプ48b、第1特図保留の記憶数を示す特1保留ランプ49a、および第2特図保留の記憶数を示す特2保留ランプ49bが含まれている。
右打ちランプ47は、1つのLEDからなり、右打ちを行った方が高い出玉率で遊技を進行することが可能であるときには点灯し、そうでなければ消灯する。特1変動ランプ48aおよび特2変動ランプ48bは、それぞれ1つのLEDからなり、特別図柄の可変表示中であれば点灯し、そうでなければ消灯する。また、特1保留ランプ49aは2つのLEDからなり、第1特図保留の数が「0」であれば両方を消灯させ、「1」であれば両方を点灯させ、「2」であれば一方を点灯させるとともに他方を点滅させ、「3」であれば一方を点滅させるとともに他方を点灯させ、「4」であれば両方を点滅させる。また、特2保留ランプ49bは2つのLEDからなり、第2特図保留の数が「0」であれば両方を消灯させ、「1」であれば両方を点灯させる。第2の表示器類46によれば、表示画面7aをブラックアウトさせたときや、装飾可動体15(図5参照)により表示画面7aを覆うとき等であっても各種の情報を遊技者に対して示すことが可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。第2特図保留記憶部85bは、可変始動口用記憶手段に相当する。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、および右打ち表示器45が接続されている。すなわち、これらの第1の表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5、第2の表示器類46(右打ちランプ47、特1変動ランプ48a、特2変動ランプ48b、特1保留ランプ49a、及び特2保留ランプ49b)の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5、第2の表示器類46といった各種ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各種ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。詳細には、第1特別図柄(特図1)の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」があり、第2特別図柄(特図2)の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(第2特別遊技に相当)」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技(第1特別遊技、特典遊技に相当)」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たりの種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」(第2特別遊技)が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技、大当たり開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。より詳細には本形態では、図6に示すように、大当たりの種別として「15R(ラウンド)通常大当たり」と「4R時短大当たり」と「15R時短大当たり」とがある。「15R通常大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する大当たりである。「4R時短大当たり」は、4Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。「15R時短大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。なお、いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
また、「15R通常大当たり」及び「4R時短大当たり」は第1特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「15R時短大当たり」は第2特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「15R通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「4R時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄1」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「15R時短大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄2」が停止表示される。
一方特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。従ってこのときの総ラウンド数は16Rとなる。なお、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。また、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
より詳細には本形態では、図6に示すように、小当たりの種別として「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」、及び「16R通常小当たり」とがある。各種別の小当たりは、小当たり遊技を行って、その小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過があれば大当たり遊技(2種大当たり遊技)を行うものである。小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。「16R時短小当たりA」は、特定領域39への通過(V通過やV入賞ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」、及び「16R通常小当たり」は、V通過が必ず可能な小当たりである。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。この点については後に詳述する。
各種別の小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たりの種別に応じて異なっている。具体的には図6に示すように、時短小当たりAではおよそ4.6秒、時短小当たりBでは21秒、時短小当たりCおよび通常小当たりでは0.008秒である。このように小当たりの種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えるためである。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過開放パターンとをつくり出している。通過開放パターンおよび非通過開放パターンの詳細については後述する。
また特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たりの種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30を開放する。具体的には、「16R時短小当たりA」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。但し、「16R時短小当たりA」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、このような2種大当たり遊技が実行されることはほとんどない。
また、「16R時短小当たりB」及び「16R時短小当たりC」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。また、「16R通常小当たり」は、2R目から5R目では1R当たりの最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から16R目では1R当たりの最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する当たりである。つまり、この「16R通常小当たり」は、6R目から16R目までは第1大入賞口30の開放時間が極めて短く、第1大入賞口30への入賞が見込めない。すなわち、2R目から5R目までの計4Rだけ第1大入賞口30への入賞が見込める実質4Rの当たりである。なお、2種大当たり遊技における1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回である。
また、「16R時短小当たりA」及び「16R時短小当たりB」は第1特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「16R時短小当たりC」及び「16R通常小当たり」は第2特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりA」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄1」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりB」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄2」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりC」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短有り小当たり図柄3」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「16R通常小当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短無し小当たり図柄」が停止表示される。
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、15R通常大当たりが50%、4R時短大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全て15R時短大当たりとなっている。また、第1特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、16R時短小当たりA(V通過実質不可の小当たり)が99%、16R時短小当たりB(V通過可能な小当たり)が1%となっている。また、第2特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、16R時短小当たりC(V通過可能な時短小当たり)が50%、16R通常小当たり(V通過可能な通常小当たり)が50%となっている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり又は小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、変動時間短縮機能がある。
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
ここで本形態では、特別図柄の停止時間(停止表示開始(表示結果の導出表示時)から停止表示終了までの時間)は、ほとんどが600msになっている。但し、非時短状態であるときに小当たりの当選に基づく第2特別図柄の停止時間だけは6000msであって、停止時間としては比較的長い時間になっている。この点については詳述する。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(E)参照)。なお普通図柄の停止時間は非時短状態又は時短状態のいずれであっても0.5秒である。また時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図10参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。高ベース状態は、「入球容易状態」に相当する。
なお、高ベース状態(電サポ制御状態)において、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。すなわち、高ベース状態で実行される補助遊技では、電チュー22の開放回数が非時短状態で実行される補助遊技よりも多くなるようにしてもよい。また、高ベース状態において、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動するようにしてもよい。すなわち、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に低く設定し、高ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に高く設定してもよい。この場合、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を「零」に設定するとよい。なぜなら、低ベース状態において第2特別図柄の抽選が実行されないようにすることが可能となるからである。つまり、このように構成すれば、低ベース状態にも関わらず第2特別図柄の抽選に基づく小当たり遊技の実行を狙った攻略的な遊技を防止することが可能となる。
さらには、高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、電チュー22の開放回数増加機能、および普通図柄表示器42の確率変動機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、図6に示すように、「4R時短大当たり」、「15R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、又は「16R時短小当たりC」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、時短状態かつ高ベース状態である。時短状態かつ高ベース状態は、所定回数(本形態では99回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、「15R通常大当たり」、又は「16R通常小当たり」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、非時短状態かつ低ベース状態である(図6参照)。この遊技状態を特に、「通常遊技状態」という。パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。なお、特別遊技の実行中の状態を、「特別遊技状態」と称することとする。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図11〜図29に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図11に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図7に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図12に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))の検知による検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図11の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、および特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S110)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図11参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図13に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」以上であるか否か判定する(S202)。そして、普通図柄保留球数が「4」以上であれば(S202でYES)、ステップS205に進む。一方、普通図柄保留球数が「4」以上でなければ(S202でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S203)、普通図柄乱数取得処理(S204)を行う。普通図柄乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図7(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S205)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S205でNO)にはステップS209に進むが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S206でYES)には、ステップS209に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S207)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S208)を行う。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には本処理を終えるが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの値)が「1」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図2保留球数が「1」に達している場合(S210でYES)には本処理を終えるが、特図2保留球数が「1」未満である場合(つまりない場合)には(S210でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S212)を行う。特図2関係乱数取得処理(S212)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納して、本処理を終える。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図14に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S304)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S304でYES)、本処理を終える。
ステップS304において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S304でNO)、普通当たり判定処理(S305)を行う。普通当たり判定処理(S305)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図8(D)に示す普通図柄当たり判定テーブル(当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。なお普通図柄変動時間決定処理(S307)では、普通図柄の変動時間に併せて、普通図柄の停止時間(0.5秒)も決定される(図8(E)参照)。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S308)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S309)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普図変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間をセットして(S314)本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり普通当たりでなければ(S316でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり普通当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図10の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図10の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S319)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S320)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図15に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図16に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける特図2の保留情報をクリアする(S1005)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選で小当たりに当選すれば、その小当たり当選に基づく小当たり遊技では必ず特定領域39を通過することができるようになっている。つまり、第2特図保留に基づく抽選で小当たりに当選するか否かで、大当たり遊技が実行される(大当たりに当選する)か否かが決まるようになっている。この点については後に詳述する。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図17に基づいてまとめて説明する。図17に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図8(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、大当たり判定値である「65300」〜「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1105)。大当たり種別を判定(S1105)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図6参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「16384」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)の特図2の欄参照)。つまり本形態では第2特別図柄の抽選により、約4分の1の確率で小当たりに当選するようになっている。一方特図1大当たり判定処理(S1008)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「3280」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)の特図1の欄参照)。つまり本形態では第1特別図柄の抽選により、約19分の1の確率で小当たりに当選するようになっている。なお小当たり当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高くなっている。
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1109)。小当たり種別を判定(S1109)した後は、小当たり種別(小当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図6参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1111)、本処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図18及び図19に基づいてまとめて説明する。図18に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
時短状態でなければ(S1301でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。なお、変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間が決まる。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。図8(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1301でYES)には、図19に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1302〜S1308と同様の流れで処理(S1309〜S1315)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1309でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
また小当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1313でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1313でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1315)。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図18に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1316)、本処理を終える。ステップS1316でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図20に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図21に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、後述する停止中右打ち処理を行う(S1619)。そして特別図柄の停止時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次いで遊技制御用マイコン81は、右打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための右打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を点灯させる(S1607)。このようにするのは、大当たり遊技の実行により第2流路R2上に設けられた第1大入賞口30が開放されるからである。その後、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1608)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1609)。ステップS1609に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図6を参照)をセットする(S1610)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1611)。小当たりフラグがONであれば(S1611でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1612)。なお小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。
次いで遊技制御用マイコン81は、右打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための右打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を点灯させる(S1613)。このようにするのは、小当たり遊技の実行により第2流路R2上に設けられた第2大入賞口35が開放されるからである。その後、遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1614)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1615)。
ステップS1615に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図6を参照)をセットする(S1616)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たりの種類に応じた値にセットする。その後、遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1617)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
ステップS1611において小当たりフラグがONでなければ(S1611でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1618)、本処理を終える。
[停止中右打ち処理]図22に示すように、停止中右打ち処理(S1619)ではまず、遊技制御用マイコン81は、第2特別図柄の停止表示中であるか否かを判定する(S1701)。第2特別図柄の停止表示中でない(S1701でNO)、即ち第1特別図柄の停止表示中であれば、本処理を終える。一方、第2特別図柄の停止表示中であれば(S1701でYES)、次に時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S1702)。時短フラグがONであれば(S1702でNO)、本処理を終える。時短フラグがOFFである(S1702でYES)、即ち非時短状態であれば、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1703)。小当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、本処理を終える。
ステップS1703で小当たりフラグがONであれば、遊技制御用マイコン81は、右打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための右打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を点灯させて(S1704)、本処理を終える。このようにするのは、小当たり遊技の実行により第2流路R2上に設けられた第2大入賞口35が開放されるからである。要するに停止中右打ち処理(S1619)では、非時短状態にて小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止表示がされていれば、遊技者に右打ちを促すことにより第2大入賞口35への入賞を狙わせるようになっている。
[遊技状態管理処理]図23に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1801)、ONでなければ、ステップS1806に進む。一方、ONであれば(S1801でYES)、時短状態中に実行した特別図柄変動(特図変動)の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1802)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1803)。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「99」にセットされるようになっている。この点については後述する。
ステップS1803において「0」でなければ、ステップS1806に進む。これに対して、「0」であれば、時短フラグをOFFして(S1804)、左打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための左打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を消灯させて(S1805)、ステップS1806に進む。このようにするのは、時短状態の終了とともに遊技者に対して左打ちでの遊技を促すためである。なお左打ち指定コマンドのセット後にステップS1613の処理を行って右打ち指定コマンドをセットした場合には、左打ち指定コマンドを送信せず、右打ち指定コマンドを送信するよう構成されている。
ステップS1806では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(時短状態か否かの情報や時短カウンタの値等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(第2特別遊技)の実行のための処理である。図24に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
続くステップS2205では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2205)では、ステップS2204での大入賞口の開放がラウンド遊技1回の中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンド(図6参照)を、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2205では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、そのラウンド遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2006)。規定入賞個数に達していなければ(S2006でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否か)を判定する(S2007)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2007でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2006でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2007でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2008)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2009)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2010)。「0」でなければ(S2010でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2010でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2011)、大当たりのエンディングを開始する(S2012)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2013)。
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2014)、エンディング時間が経過していなければ(S2014でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2014でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2015)、大当たりフラグをOFFする(S2016)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2017)、後述の遊技状態設定処理(S2018)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図25に示すように、遊技状態設定処理(S2018)ではまず、今回実行した大当たり遊技が時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「15R時短大当たり」、又は「16R時短小当たりC」)への当選を契機として実行された大当たり遊技であるか否か判定する(S2101)。ステップS2101の判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、時短カウンタに「99」をセットして(S2103)、ステップS2105に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(入球容易状態)になる。この時短状態且つ高ベース状態は、特別図柄の変動表示が99回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
これに対して、ステップS2101の判定結果がNOであれば、ステップS2102及びS2103を行わず、ステップS2104に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非時短状態且つ低ベース状態(通常遊技状態)になる。ステップS2104では、左打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための左打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を消灯させて、ステップS2105に進む。このようにするのは、大当たり遊技の終了とともに遊技者に対して左打ちでの遊技を促すためである。
ステップS2105では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(時短状態か否かの情報や時短カウンタの値等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)の実行のための処理である。図26及び図27に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たりの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図27に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図29参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの当たりを「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)、ステップS2316に進む。
そしてステップS2316では、時短フラグがONであるか否かを判定する。ONであれば、本処理を終えるが、ONでなければ、左打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための左打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を消灯させて(S2317)、本処理を終える。このようにするのは、小当たり遊技が終了して、通常遊技状態での遊技が開始されるのに伴って、遊技者に対して左打ちでの遊技を促すためである。
一方ステップS2313においてVフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2319)、大当たりフラグをONして(S2320)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2321)。続いて、時短フラグがONであれば(S2322でYES)時短フラグをOFFする(S2323)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2324)、大当たりのオープニングを開始する(S2325)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(図12参照)。振分部材制御処理(S107)では図28に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図21参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には図41(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、第1V開放という。次いで、16392msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、開放間インターバルという。その後、再び4600msにわたって通過許容状態に制御する。これを第2V開放という。そして、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを閉鎖後インターバルという。このような「開放前インターバル⇒第1V開放⇒開放間インターバル⇒第2V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が、振分部材71の一定動作である。
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図41(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(28600ms(図41(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
ここで図41に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図41(b),(e),及び(f)に示す3つの開放パターンがある。なお図41(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。但し図41(a)に示す特別図柄の停止表示は、後に詳しく説明する通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)にて小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止表示とは異なる停止表示である。
図41(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「16R時短小当たりC」又は「16R通常小当たり」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第1通過開放パターン)である。
より詳細には、この第1通過開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第1V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図41(b)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。
図41(e)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「16R時短小当たりB」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンも、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第2通過開放パターン)である。この第2通過開放パターンと、上述の第1通過開放パターンとはオープニングの時間が異なっている。
より詳細には、この第2通過開放パターンは、21000msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、21000msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第2V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図41(e)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。
図41(f)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「16R時短小当たりA」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過開放パターンである。
より詳細には、この非通過開放パターンは、4568msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、2008msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、4568msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、2008msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71の第1V開放がほぼ終了する(図41(f)及び(c)参照)。振分部材71の第1V開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後のわずか40msだけである。従って、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはほぼない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
以上、図41に基づいて説明したように、本形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たりの種類に応じた3つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。従って、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(図41(b)の特2V通過小当たり及び図41(e)の特1V通過小当たり)と、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することができない小当たり遊技(図41(f)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
なお、仮に第2大入賞口35の開放開始から振分部材71の一定動作を開始することとした場合には、通過開放パターンと非通過開放パターンとを設けようとすると、第2大入賞口35の開放時間が4秒程度以上は必要となる。これでは、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放時間として長くなり過ぎてしまう。そこで本形態では、小当たり遊技のオープニングの開始から振分部材71の一定動作を開始することとしている(図41参照)。このようにすれば、1.6秒という短時間の開放であっても、通過開放パターンと非通過開放パターンとの両方を設けることが可能となる。
また本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図12参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図29に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図28)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図41(d)に示す期間である。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図30〜図37に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図30に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出(開放遊技演出)、エンディング演出や、小当たり演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66、第2の表示器類46を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図31に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図32に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図5参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66、第2の表示器類46を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理にて作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66、第2の表示器類46を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図33に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり(S4304)、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたりする(S4305)。そして、各種の演出決定用乱数を更新するなどのその他の処理を実行して(S4306)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図34に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば後述するモードステータス設定処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出開始処理を行う(S4404)。
変動演出開始処理(S4404)では、後述するモードステータスの値及び変動パターンに応じて設けられている複数の変動演出パターンテーブルの中から、現時点でのモードステータスの値及び受信した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応する変動演出パターンテーブルを選択する。そして、選択した変動演出パターンテーブルに基づいて、変動演出パターンを選択する。このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組合せなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、処理を終える。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4406)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する特別遊技演出選択処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4410)。エンディング演出選択処理(S4410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、処理を終える。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4412)を行う。V通過報知演出開始処理(S4412)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて大当たり遊技を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選報知としての意味をもつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から左打ち指定コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していなければステップS4416に進む。これに対して受信していれば、右打ちランプ47(図3(B)参照)を消灯させるための右打ちランプ消灯データをセットする(S4414)。右打ちランプ47の点灯中に、ステップS4414でセットされた右打ちランプ消灯データに基づいて上述のランプデータ出力処理(図32のステップS4202)が実行されると、右打ちランプ47は消灯する。
続いて演出制御用マイコン91は、左打ち画像表示処理(S4415)を行う。左打ち画像表示処理(S4415)では、所定の左打ち画像を表示画面7aに表示するための左打ち画像表示コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。但し、特1V非通過小当たりの小当たり遊技の終了時であれば、左打ち画像表示コマンドをセットしない。特1V非通過小当たりの小当たり遊技中は、後述の右矢印画像RI(例えば図38(B)参照)の表示がなされないからである。
ステップS4415でセットされた左打ち画像表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の左打ち画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。このとき、後述の右矢印画像RIの表示は終了する。本形態では左打ち画像は、図39(C)に示すように、左向きの矢印と「左打ち」の文字からなる左矢印画像LI1と、「左打ちに戻してください」の文字画像LI2とからなる。なお、左打ち画像の表示と共に、又は左打ち画像の表示に代えて、「左打ちに戻してください」の音声をスピーカ67から出力するようにしてもよい。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から右打ち指定コマンドを受信したか否か判定し(S4416)、受信していなければステップS4419に進む。これに対して受信していれば、右打ちランプ47(図3(B)参照)を点灯させるための右打ちランプ点灯データをセットする(S4417)。ステップS4417でセットされた右打ちランプ点灯データに基づいて上述のランプデータ出力処理(図32のステップS4202)が実行されると、右打ちランプ47は点灯する。
続いて演出制御用マイコン91は、右矢印画像表示処理(S4418)を行う。右矢印画像表示処理(S4418)では、所定の右矢印画像RI(例えば図38(B)参照)を表示画面7aに表示するための右矢印画像表示コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。但し、特1V非通過小当たりの小当たり遊技の開始時であれば、右矢印画像表示コマンドをセットしない。つまり、特1V非通過小当たりの当選時には右矢印画像RIの表示を行わない。これは特1V非通過小当たりに当選して仮に右打ちしても、特定領域39を通過させることができなくて、無駄球が生じてしまうためである。
ステップS4418でセットされた右矢印画像表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、右向きの矢印と「右打ち」の文字からなる右矢印画像RIを、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。本形態では、原則として、右矢印画像RIの表示は、右打ち指定コマンドの受信時に開始され、左打ち指定コマンドの受信時に終了する。つまり、大当たり遊技中や特図2の抽選に基づく小当たり遊技中、時短状態且つ高ベース状態に制御されたときには、右矢印画像RIが表示されることとなる。なお本形態では、大当たり遊技中であってもエンディング中は表示しないようにしている。
続いて、その他の処理(S4419)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普図変動開始コマンドや普図変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[モードステータス設定処理]図35に示すように、モードステータス設定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、現時点で設定されているモードステータスを参照する(S4501)。モードステータスは、実行する演出モードを示すものである。演出モードに応じて画像表示装置7における演出の態様が異なることになり、背景画像、登場するキャラクタやアイテム、演出図柄8L,8C,8Rの変動演出の表示態様等が変化することになる。
本形態ではモードステータスは、遊技状態に応じて異なっていて、遊技状態が非時短状態且つ低ベース状態(通常遊技状態)であれば「1」がセットされ、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態であれば「2」がセットされるようになっている。モードステータスが「1」である場合の演出モードを「昼モード」と呼び、モードステータスが「2」である場合の演出モードを「夜モード」と呼ぶことにする。なおモードステータスは、初期設定では「1」である。
演出制御用マイコン91は、現時点でのモードステータスを参照した後(S4501)、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4502)。そして、解析した遊技状態指定コマンドに基づいて、モードステータスを変更するか否かを判定する(S4503)。即ち、解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、ステップS4501で参照したモードステータスから判別できる遊技状態の情報と異なるか否かを判定する。モードステータスを変更すると判定した場合には(S4503でYES)、ステップS4504に進み、モードステータスを変更しないと判定した場合には(S4503でNO)、処理を終える。
ステップS4504では、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、非時短状態(通常遊技状態)の情報であるか否かを判定する。非時短状態の情報であれば(S4504でYES)、モードステータスに「1」をセットして(S4505)、ステップS4507に進む。一方、非時短状態の情報でなければ(S4504でNO)、時短状態の情報であるため、モードステータスに「2」をセットして(S4506)、ステップS4507に進む。
ステップS4507では、演出制御用マイコン91は、モードステータスの情報を含む背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、処理を終える。これにより、「1」にセットされたモードステータスの情報を含む背景演出コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、図38(A)に示すように、昼背景画像が表示画面7aに表示される。そのため、昼背景画像を見た遊技者は、昼モード(非時短状態且つ低ベース状態)に制御されていることを把握することが可能である。
また、「2」にセットされたモードステータスの情報を含む背景演出コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、図38(B)に示すように、夜背景画像が表示画面7aに表示される。そのため、夜背景画像を見た遊技者は、夜モード(時短状態且つ高ベース状態)に制御されているのを把握することが可能である。
[変動演出終了処理]図36に示すように、変動演出終了処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析する(S4601)。次に、現時点でのモードステータスの値が「1」であるか否か、即ち通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であるか否かを判定する(S4602)。なお演出制御用マイコン91は変動演出開始処理(S4404)において変動開始コマンドに含まれている変動パターンに基づいて遊技状態を把握していて、その遊技状態の情報に基づいて通常遊技状態であるか否かを判定しても良い。また変動停止コマンドに遊技状態の情報が含まれていて、受信した変動開始コマンドに含まれている情報に基づいて通常遊技状態であるか否かを判定しても良い。
ステップS4602でYESと判定されれば、終了させる変動演出が特図2の抽選により小当たりの当選に基づく変動演出であるか否かを判定する(S4603)。つまり演出制御用マイコン91は、受信した変動開始コマンドに含まれている変動パターンに基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄のどちらの変動表示であるかを把握すると共に、当否判定の結果を把握するようになっている。そのためステップS4603では、変動パターンから把握している情報に基づいて、終了させる変動演出が特図2の抽選により小当たりの当選に基づく変動演出であるか否かを判定する。なお変動停止コマンドに第1特別図柄又は第2特別図柄のどちらの変動表示であるかの情報と当否判定の結果の情報とが含まれていて、受信した変動停止コマンドに含まれている情報に基づいて特図2の抽選により小当たりの当選に基づく変動演出であるか否かを判定しても良い。
ステップS4603でYESと判定されれば、V打込報知演出を伴う変動演出停止パターンを選択して、ステップS4606に進む。ここでV打込報知演出は、特定領域39への遊技球の打込みを促す演出である。本形態のV打込報知演出では、遊技領域3のうち特定領域39付近が光ったV打込促進画像VI1と、「VCHANCEアタッカーを狙ってね!」の文字からなる文字画像VI2が表示される。なおこのときには、演出制御用マイコン91は右打ち指定コマンドを受信しているため、上述したように右打ちランプ47を点灯させていると共に(S4417)、右矢印画像RIを表示画面7aに表示させている(S4418)。
一方、ステップS4602又はS4603の何れかでNOと判定されれば、通常の変動演出停止パターンを選択して、ステップS4606に進む。ステップS4606では、演出制御用マイコン91は、選択された変動演出停止パターンにて変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットして処理を終える。ステップS4606でセットされた変動演出終了コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の変動演出終了画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
こうして、通常遊技状態で特図2の抽選で小当たりの当選に基づく変動演出を終了させるときには、第2特別図柄の変動停止が開始されてから6000ms(図9参照)だけ、図39(A)に示すように、V打込促進画像VI1と文字画像VI2と右矢印画像RIが表示画面7aに表示されることになる。これにより遊技者は、通常遊技状態で特図2の小当たり当選に基づく小当たり遊技の開始よりも前から、右打ちを行うことが可能となる。またこのときには表示画面7aの左上部にて、小当たりに当選したことを示す演出図柄8L,8C,8Rが停止表示(確定表示)されたままとなる。
[特別遊技演出選択処理]図37に示す特別遊技演出選択処理(S4408)は、特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する処理である。ここで選択される特別遊技演出には、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中及び開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出が含まれている。
図37に示すように、特別遊技演出選択処理(S4408)ではまず、オープニングコマンドを解析する(S4701)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図6参照)に関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、解析したオープニングコマンドが示す当たり種別が「16R時短小当たりB」であるか否か、即ち特図1の抽選にて当選し得るV通過可能な小当たりか否かを判定する(S4702)。「16R時短小当たりB」であれば(S4702でYES)、V打込報知演出を伴う特別遊技演出パターンを選択して、ステップS4705に進む。なお「16R時短小当たりB」の当選に基づくV打込報知演出では、図39(B)に示すように、上述したV打込促進画像VI1が表示されるようになっている。
ここで「16R時短小当たりB」の当選に基づくV打込報知演出は、小当たり遊技のオープニング中に実行される。つまり、「16R時短小当たりB」(特1V通過小当たり)に当選すると、21000msにわたるオープニングの期間中に(図41(e)参照)、遊技者に対して遊技方法が示されることとなる。そのため、遊技者はV通過の機会を逃すことなく、確実に2種大当たりを獲得することが可能である。
ステップS4702において「16R時短小当たりB」でないと判定した場合には、各当たりの種別に応じて予め定められている通常の特別遊技演出の演出パターンを選択して(S4704)、ステップS4705に進む。ステップS4705では演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにて特別遊技演出を開始するための特別遊技演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4705でセットされた特別遊技演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の特別遊技演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。ステップS4703が実行されていたのであれば、図39(B)に示すV打込促進画像VI1が表示画面7aに表示されることとなる。
7.本形態における遊技の流れ
次に本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図40に基づいて説明する。図40に示すように、まず、通常遊技状態においては左打ちにて遊技を進行する。これにより、特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。なお、当選確率は低いが、特図1の抽選によって、「16R時短小当たりB」(図6参照)に当選すれば、V通過に基づく2種大当たり遊技を獲得することができる。
特図1の抽選にて大当たりに当選した場合、その大当たりが「15R通常大当たり」(図6参照)であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、「4R時短大当たり」(図6参照)であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。なお本明細書においては、V通過を経ないで当選する大当たりを、直撃大当たりと記載することがある。当選した大当たりが「15R通常大当たり」であった場合には、再び通常遊技状態において特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙って遊技を進行する。
これに対して、「4R時短大当たり」であった場合には、時短状態且つ高ベース状態に制御される。この時短状態且つ高ベース状態では、遊技者は右打ちにて遊技を進行する。これにより、多数の遊技球が電チュー22(第2始動口21)に入球して、特図2の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。特図2の抽選では大当たり当選となる場合を除いて約4分の1(25%)の確率で小当たりに当選し、約4分の3(75%)でハズレとなる(図8(A)参照)。しかし、特図2の抽選にて当選する小当たりは、その小当たり遊技における開放パターンを通過開放パターン(第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な開放パターン)とする小当たりである(「16時短小当たりC」,「16R通常小当たり」(図6参照)、図41(b),(c)参照)。従って、時短状態では、遊技者が正しく遊技を実行している限り(つまり右打ちを継続している限り)、特図2の抽選で小当たりに当選することを条件として、大当たり遊技が実行されることとなる。なお、特図2の抽選にて当選する大当たり(直撃大当たり)は、必ず「15R時短大当たり」(図6参照)である。
また、この時短状態では、第2特別図柄の変動表示中に第2特図保留を上限記憶数まで貯めることができる。本形態の第2特図保留の上限記憶数は「1」である。つまり、特図2の変動表示中でも第2特図保留を1つ貯めることができる。よって、第2特図保留があれば、大当たり遊技後の遊技において特図2の抽選で再び小当たりに当選する可能性が高くなり、遊技者にとって有利な状況になる。
時短状態で特図2の抽選にて小当たりに当選した場合、その小当たりが「16R通常小当たり」(図6参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、「16R時短小当たりC」(図6参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。時短当たり(「16時短小当たりC」又は「15R時短大当たり」)に当選した場合には、再び時短状態に制御されるため、さらに追加的に第2特図保留を貯めることができる。従って、前回の時短状態で貯めた第2特図保留に基づいて、小当たり当選による大当たり遊技の実行を狙うと共に、今回の時短状態で発生させた第2特図保留に基づいても、小当たり当選による大当たり遊技の実行を狙うことが可能となる。つまり、時短状態に制御されれば、右打ちしている限り第2特図保留を貯めることができる状況であるため、いずれは特図2の抽選により小当たりに当選して大当たり遊技を獲得することが可能となる。
これに対して、特図2の抽選にて当選した小当たりが「16R通常小当たり」であった場合には、通常遊技状態に制御される。この場合には電サポ制御が実行されないため、左打ちにて遊技を進行することになり、追加的に第2特図保留を貯めることはできない。しかし、前回の時短状態において貯めた第2特図保留が残っている場合があり得る。この場合には、残っている第2特図保留に基づいて再び小当たりの当選による大当たり遊技の実行を狙うことが可能となる。つまり、この状況は、通常遊技状態であるものの残っている第2特図保留により、まだ大当たり遊技を実行させ易い状況(遊技者に有利な状況)である。この通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、時短当たりに当選すれば、大当たり遊技の終了後には時短状態に制御される。よって、第2特図保留を貯めることにより、再び特図2の抽選の機会を得ることが可能となる。
一方、小当たり(16R通常小当たり)の当選による大当たり遊技を経て通常遊技状態に制御された場合に第2特図保留が残っていなかったり、残っている第2特図保留による特図2の抽選がハズレとなったときには、電サポ制御が実行されないため新たに第2特図保留を発生させることができない。よって、大当たり遊技の実行され易さの点で遊技者にとって有利な状況は終了したこととなる。
こうして本形態のパチンコ遊技機1では、時短状態且つ高ベース状態では第2始動口21への入球が容易となる。そして、第2始動口21への入球に基づく当否判定(S1002)において小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞した遊技球はその入賞タイミングに拘わらず特定領域39を通過する(図41(b),(c)参照)。つまり、特図2の抽選において小当たりに当選すれば、必ず遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。従って、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選は、大当たり当選と同等の遊技上の意味を持つことになる。
即ち、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選は、実質的には大当たり当選確定である。よって、大当たりの当選確率に依らず、特図2の抽選における小当たりの当選確率の設定次第で、高ベース状態における大当たり当選確定(実質的を含む)の第2特図保留の発生確率を自在に高めることが可能である。つまり、高ベース状態において従来よりも早いスピードで次の大当たりを引き当てられる従来にない斬新な遊技性を創出することが可能である。言い換えれば、高ベース状態において小当たりに当選するものの、なかなか特定領域39に遊技球を通過させることができずに大当たり遊技が実行されず、大当たり遊技の実行という利益を獲得するまでの遊技期間が長くなるのを防ぐことが可能である。
ここで本形態では、上述した斬新な遊技性を実現するために、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35への入賞タイミングに拘わらず特定領域39を通過可能な第1通過開放パターン(図41(b)参照)に設定される一方、特図1の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞しても特定領域39を通過することが実質的に不可能な非通過開放パターン(図41(f)参照)にほとんど設定されるようにしている。これにより、遊技機全体として第2大入賞口35へ入賞した遊技球の特定領域39への通過率(V通過率)が不当に高くなるのを抑制することとしている。
要するに本形態では、特図2の抽選で小当たりに当選すると第2大入賞口35への入賞タイミングに拘わらず特定領域39をすぐに通過できるようにする代わりに、特図1の抽選における小当たり当選確率をおよそ1/20に設定することで、特図1の抽選であっても比較的頻繁に小当たりに当選するようにしている。そして、特図1の抽選で当選した小当たりにおいて、16R時短小当たりB(特1V通過小当たり)と、16R時短小当たりA(特1V非通過小当たり)との振分率を1:99に設定している。そのため、特図1の抽選で小当たりに当選しても、ほとんど(99%の確率で)小当たり遊技中に特定領域39を通過させることができない。このような設定によって、本パチンコ遊技機1におけるV通過率が1/10を超えないようにしている。
8.本形態における右打ち報知のタイミング
次に本形態のパチンコ遊技機1における右打ち報知のタイミングについて説明する。そこで先ず、図42に示す第1参考例と、図43に示す第2参考例と、図44に示す第3参考例について説明しておく。図42に示すように、時短状態に制御されているときに、特図2の抽選で当選した小当たりが「16R通常小当たり」であれば、16R通常小当たりの当選を示す第2特別図柄が変動表示されたあと停止表示される。そして、その第2特別図柄の停止時間が経過すると、第2大入賞口35がごく短時間(1.6秒だけ)開放する小当たり遊技が実行される。なお図42及び後に説明する図43〜図45では、小当たり遊技における開放前インターバルの時間、及び閉鎖後インターバルの時間を省略して示している。
ここで特図2の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35への入賞タイミングに拘わらず特定領域39を通過可能な第1通過開放パターン(図41(b)参照)が設定される。そのため、遊技者は大当たり遊技後でも右打ちを継続している限り、遊技球を第2大入賞口35へ入賞させて特定領域39を通過させることが可能である。その結果、特定領域39への通過により大当たり遊技が実行される。但し、当選した小当たりの種別は「16R通常小当たり」であるため、大当たり遊技後の遊技状態は通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)に制御されることになる。なお時短状態中、小当たり遊技中、大当たり遊技中は、右打ち表示器45及び右打ちランプ47が点灯している。
ところで図42に示す第1参考例の遊技機は、遊技仕様(スペック)として、特図2の抽選では大当たり当選となる場合を除いて小当たり当選となるものである。つまり、特図2の抽選ではハズレとなることはない遊技機である。このような遊技機においては、大当たり遊技後に通常遊技状態(非時短状態)に制御されても、少なくとも第2特図保留の消化が全て終わるまでは、右打ち表示器45及び右打ちランプ47を点灯させることが可能となっている。それは第2特図保留により特図2の抽選が行われれば、大当たり(直撃大当たり)に当選する場合を除いて必ず小当たり当選による大当たり遊技の実行を獲得できるため、通常遊技状態に移行した後に右打ち報知を続けていても、遊技者に不利益とならないためである。よって図42では、通常遊技状態で小当たり当選に基づく第2特別図柄が変動表示及び停止表示されていても、右打ち表示器45が点灯し続けていることを示している。
次に、図43に示す第2参考例について説明する。第2参考例の遊技機は、本形態の遊技機1と同様に、特図2の抽選では約4分の1(25%)の確率で、ハズレとなるものである。このような遊技機においては、上述したように大当たり遊技後に通常遊技状態に制御された後に特図2の抽選が実行されると、ほとんど(約4分の3の確率で)ハズレとなる。つまり、図43(d)に示すように、大当たり遊技後にハズレに基づく第2特別図柄の変動表示及び停止表示が実行される状況が生じ易い。このような状況において、仮に上述した第1参考例のように第2特別図柄の消化が終わるまで右打ち表示器45(右打ちランプ47)を点灯させることとすると、以下の問題が生じる。
即ち、大当たり遊技後に第2特別図柄の抽選の結果がハズレであるにも拘わらず、右打ち表示器45(右打ちランプ47)が点灯することにより、遊技者に右打ちを促していることになる。そのため遊技者が大当たり遊技後に右打ちを継続していると、右打ちされた遊技球が第2大入賞口35に必ず入賞しないことになり、無駄球が発生してしまう。よって、遊技者にとって不利益な報知を行っているという問題が生じる。
続いて、図44に示す第3参考例について説明する。第3参考例の遊技機では、上記した問題を回避すべく、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されると、右打ち表示器45(右打ちランプ47)が消灯することとしている。そして特図2の抽選により小当たりに当選して、小当たり遊技の実行に基づいて第2大入賞口35が開放してから右打ち表示器45(右打ちランプ47)の点灯を開始することとしている。しかしながら第3参考例の遊技機では、以下の問題が生じる。
即ち、小当たり遊技の実行に基づく第2大入賞口35の開放時間は1.8秒以下(本形態では1.6秒)であり、短い時間である。そのため、第2大入賞口35が開放された時点から右打ち表示器45(右打ちランプ47)の点灯により右打ちを促すと、右打ちされた遊技球が特定領域39を通過できないおそれがある。つまり、遊技者が右打ち表示器45(右打ちランプ47)の点灯を把握してから右打ちを開始すると、右打ちされた遊技球が開放中の第2大入賞口35に到達するのに間に合わなくて、特定領域39を通過できないという問題が生じる。
なお、上記した問題に対して、小当たり遊技が開始されてから右打ち表示器45(右打ちランプ47)の点灯を開始して遊技者に右打ちされても、右打ちされた遊技球が開放中の第2大入賞口35(特定領域39)に到達できるように、小当たり遊技の開放前インターバルの時間を長くする方法が考えられる。しかしながらこの方法の場合、以下の攻略的な遊技が行われるおそれがある。
即ち、時短状態で特図2の抽選により小当たりに当選したときに、「16R通常小当たり」を示す第2特別図柄が第2特別図柄表示器41bに停止表示される場合がある。この場合、「16R通常小当たり」を示す第2特別図柄が停止表示されたのを把握した遊技者が右打ちを止めることが起こり得る。その結果、特定領域39に遊技球を通過させないことにより、敢えて大当たり遊技を実行させないで、「16R通常小当たり」に当選したにも拘わらず通常遊技状態に制御されるのを回避することが可能となる。
よって上記した攻略的な遊技を回避するために、小当たり遊技の開始時点では既に右打ちが行われていないと、右打ちされた遊技球が第2大入賞口35に入賞して特定領域39を通過できないように、小当たり遊技の開放パターンや、遊技球が右打ちされたタイミングから第2大入賞口35内の振分部材71に到達するまでの時間等を設定することが必須条件となる。
こうして上記した各問題に対して、本実施形態では図45に示すように対処している。先ず大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されると、右打ち表示器45(右打ちランプ47)は消灯する。つまり、通常遊技状態では特図2の抽選でハズレと判定されることが多いにも拘わらず、遊技者にとって不利益な右打ち報知を続けないようにしている。これにより、無駄球の発生を回避することが可能となる。
そして、通常遊技状態で特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、その小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止時間を6000msという比較的長い時間に設定する。更に、その第2特別図柄の停止表示の開始から右打ち表示器45(右打ちランプ47)を点灯させる。これにより、第2特別図柄が6000msだけ停止表示している間に、図39(A)に示すように、V打込促進画像VI1と文字画像VI2と右矢印画像RIを表示画面7aに表示して、遊技者に右打ちと特定領域39への通過を促している。
その結果、遊技者には小当たり遊技の開始時点では既に右打ちを行わせることが可能となり、右打ちされた遊技球が開放中の第2大入賞口35に入賞して特定領域39を通過するのに間に合わせることが可能となる。よって、本形態のように特図2の抽選でほとんど(約4分の3の確率で)ハズレとなる遊技機であっても、遊技者に無駄球を強いることなく、通常遊技状態で特図2の抽選に基づく小当たり遊技で遊技球を特定領域39に通過させることが可能となる。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2の抽選で小当たりに当選すれば、第2特別図柄が変動表示を経て小当たり停止態様にて停止表示される。その後、第2大入賞口35が開放される小当たり遊技が実行されることになる。ここで小当たり遊技が実行される前において、通常遊技状態(非時短状態)では時短状態よりも小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止時間(6000ms)が長くなる(図9参照)。つまり、第2特別図柄が小当たり停止態様にて比較的長く停止表示されてから、第2大入賞口35が開放する。よって通常遊技状態では、小当たり遊技によって第2大入賞口35が開放するまでに遊技者が小当たりに当選したことへの確定を意識する時間を長くすることが可能となり、遊技球を第2大入賞口35に入賞させて特定領域39を通過させることを逃し難くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態では、非時短状態よりも特別図柄の変動時間が短くなり易く、スムーズな遊技の進行が求められる。そこで本形態では、時短状態での特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止時間を従来と同様に600msという比較的短い時間にする一方(図9参照)、通常遊技状態で小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止時間のみを6000msという比較的長い時間にしている。これにより、通常遊技状態で特図2の小当たり当選の確定を意識させる時間だけを長めに確保しつつ、時短状態ではスムーズな遊技の進行が妨げられるのを回避することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されれば、右打ちを止めて左打ちを行い、第1流路R1上に配されている第1始動口20への入球を狙うように遊技することになる。この場合、残っている第2特図保留に基づいて小当たりに当選すれば、その小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止表示中に、右打ち表示器45が点灯すると共に、右打ちランプ47が点灯する。更に、図39(A)に示すように、右矢印画像RIとV打込促進画像VI1と文字画像VI2が表示画面7aに表示される。つまり、小当たり遊技が実行される前から、右打ち報知が開始されることになる。よって、遊技者には小当たり遊技が実行される前から第2流路R2への打込みを開始させることが可能となり、第2大入賞口35への入賞させるタイミングであることを確実に把握させることが可能である。その結果、特定領域39への通過に基づく大当たり遊技の実行を獲得できないという大きな不利益が生じるのを回避することが可能である。
要するに本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されても、第2特図保留が残っていれば、その第2特図保留に基づく当否判定により約4分の1の確率で小当たり当選を狙うことができる。この場合、小当たりに当選すれば第2大入賞口35が開放するものの、第2大入賞口35はごく短時間(1.6秒)だけ開放するため、遊技球を第2大入賞口35へ入賞させる機会を逃すおそれがある。つまり小当たり当選しても、特定領域39への通過に基づく大当たり遊技の実行を獲得できなくて、所謂「パンク」が生じるおそれがある。そこで本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されたあと、残っている第2特図保留に基づいて小当たりに当選すれば、小当たり遊技が実行される前(小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止表示中)に、右打ち報知が開始される。これにより、遊技者は通常遊技状態でも右打ちを行うことで、遊技球を第2大入賞口35へ入賞させる機会を逃さなくなり、特定領域39への通過に基づく大当たり遊技の実行を獲得できくなる事態(パンク)を回避することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞した遊技球はその入賞タイミングに拘わらず特定領域39を通過する。つまり、特図2の抽選で小当たりに当選すれば、必ず大当たり遊技が実行される。従って、電チュー22(第2始動口21)への入球が容易となる高ベース状態において、従来よりも早いスピードで次の大当たりを引き当てられる従来にない斬新な遊技性を創出することが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、上記形態と同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
図46及び図47に基づいて第2形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、図9に示すように、非時短状態(通常遊技状態)にて小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止時間(6000ms)が、大当たり当選又はハズレに基づく第2特別図柄の停止時間(600ms)よりも長くなるように、設定されていた。これに対して第2形態では、図46に示すように、非時短状態にて小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止時間だけでなく、大当たり当選又はハズレに基づく第2特別図柄の停止時間も比較的長い6000msになるように設定されている。
この第2形態では、大当たり遊技後に通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)に制御された後、残っている第2特図保留が消化される際にハズレとなる第2特別図柄が停止表示されるときでも、その停止時間が6000msという比較的長い時間になってしまう。従って遊技者に対して、ハズレを示す第2特別図柄の停止時間が長いことにより、遊技が間延びしている印象を与えるおそれがある。
そこで第2形態では、ハズレを示す第2特別図柄が停止表示されている間に、第2特図保留の中に小当たり当選又は大当たり当選を示す第2特図保留があるか否かを報知する先読み演出が実行され得るようにしている。具体的には、図47(A)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが「6,3,7」というハズレ停止態様で停止表示されてから、即ち第2特別図柄表示器41bにて第2特別図柄がハズレ停止態様で停止表示されてから、女の子の画像J1が表示画面7aに表示される。その後図47(B)に示すように、第2特別図柄の停止時間(6000ms)の間に、「チャンス」という文字が記載されたプラカードを持つ女の子の画像J2が表示画面7aに表示される。これは、第2特図保留の中に小当たり当選又は大当たり当選を示す第2特図保留があることを示している。
よって第2形態のパチンコ遊技機1によれば、ハズレを示す第2特別図柄が停止表示されている間に、遊技者には図47(A)(B)に示す先読み演出を期待させることにより、間延びしている印象を与え難くすることが可能である。なお先読み演出は以下のようして実行することが可能である。先ず、遊技球が第2始動口21に入球したときに、遊技制御用マイコン81が第2始動口21への入球に基づく当否判定の結果を示す始動入賞コマンドを生成する。そして、遊技制御用マイコン81は生成した始動入賞コマンドをコマンド送信処理(S4006)により演出制御用マイコン91に送信する。これにより演出制御用マイコン91は、受信した始動入賞コマンドが大当たり当選又は小当たり当選を示すものであれば、図47(A)(B)に示す先読み演出を実行し得るようになっている。
<第3形態>
図48〜図52に基づいて第3形態のパチンコ遊技機1Aについて説明する。上記第1形態では、図9に示すように、非時短状態にて小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止時間(6000ms)が、時短状態での第2特別図柄の停止時間(600ms)よりも長くなるように設定されていた。これに対して第3形態では、図49に示すように、非時短状態での普通図柄の停止時間(6.0秒)が、時短状態での普通図柄の停止時間(0.5秒)よりも長くなるように設定されている。
第3形態のパチンコ遊技機1Aでは、図48に示すように、第1流路R1上に遊技球が通過可能な特殊ゲート(通過領域)29が新たに配されている。なお特殊ゲート29を第1流路側通過領域と呼び、ゲート28を第2流路側通過領域と呼ぶこともできる。但し特殊ゲート29には、第1流路R1を流下する遊技球がほとんど入球しないように配されている。つまり、第1流路R1を流下する遊技球が特殊ゲート29を通過する確率は、第2流路R2を流下する遊技球がゲート28を通過する確率よりも極めて低く、左打ちで極たまに遊技球が特殊ゲート29を通過するようになっている。普通図柄の可変表示は、特殊ゲート29への遊技球の通過を契機として行われる。
そのため第3形態では、非時短状態でも第1流路R1を流下する遊技球が特殊ゲート29を通過しさえすれば、ほぼ普通当たりに当選して(図8(D)参照)、電チュー(特典入球手段)22が開放することになる。但し非時短状態(通常遊技状態)では、遊技者は左打ちしているため、電チュー22が開放してから(補助遊技が実行されてから)右打ちしても、第2始動口(第2入球領域)21への入球を逃すおそれがある。そこで第3形態では、上記した問題に対処すべく、図50に示すように普通動作処理(S105)が構成されている。以下では、第1形態と異なる普通動作処理(S105)の処理を中心に説明する。
[普通動作処理]図50に示すように、第3形態の普通動作処理(S105)では、ステップS302の処理とステップS315の処理との間に、停止中右打ち処理(S321)が新たに設けられている。即ち、遊技制御用マイコン81は、ステップS302で普通図柄の停止表示中であると判定すると、停止中右打ち処理(S321)を行うことになる。
[停止中右打ち処理]図51に示すように、停止中右打ち処理(S321)ではまず、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S401)。時短フラグがONであれば(S401でNO)、本処理を終える。時短フラグがOFFである(S401でYES)、即ち非時短状態であれば、続いて普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S402)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり普通当たりでなければ(S402でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり普通当たりであれば(S402でYES))、遊技制御用マイコン81は、右打ちの報知をサブ制御基板90に行わせるための普図用右打ち指定コマンドを所定の出力バッファにセットするとともに、右打ち表示器45を点灯させて(S403)、本処理を終える。このようにするのは、非時短状態での補助遊技の実行により第2流路R2上に設けられた電チュー22が開放されるからである。要するに停止中右打ち処理(S321)では、非時短状態にて普通当たり当選に基づく普通図柄の停止表示がされていれば、遊技者に右打ちを促すことにより第2始動口21への入球を狙わせるようになっている。
こうして、演出制御用マイコン91は、普図用右打ち指定コマンドを受信すると、右打ちランプ47(図3(B)参照)を点灯させるための右打ちランプ点灯データをセットすると共に、普図用右打ち画像表示処理を行う。普図用右打ち画像表示処理では、図52に示すように、右矢印画像RIと、遊技領域3のうち電チュー22付近が光った電チュー打込促進画像DI1と、「電チューを狙ってね」の文字からなる文字画像DI2を表示するためのコマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより図52に示すように、画像制御基板100のCPU102が、上記した各画像RI,DI1,DI2を表示画面7aに表示することになる。
よって第3形態のパチンコ遊技機1Aによれば、通常遊技状態(非時短状態)にて左打ちで遊技を行っているときに、極たまに第1流路R1を流下する遊技球が特殊ゲート29を通過する場合がある。この場合、ほぼ普通当たりに当選することになり、普通図柄の停止時間(6.0秒)が比較的長くなる。そのため、普通当たり当選に基づく普通図柄が停止表示されている間に、図52に示すように、右打ち及び電チュー22への打込みが報知される。またこのときには、右打ち表示器45が点灯すると共に、右打ちランプ47が点灯する。これにより遊技者は、電チュー22が開放する補助遊技の実行前から右打ちを行って、第2始動口21へ遊技球を入球させることが可能である。従って、通常遊技状態にて補助遊技が実行された際に、第2始動口21への入球を逃し難くすることが可能である。
<その他の変形例>
上記第1形態及び第2形態では、非時短状態にて小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止時間を6000msとしたが、少なくとも時短状態にて小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止時間である600msよりも長ければ適宜変更可能である。
また上記第1形態及び第2形態では、第2流路R2への打込報知として、右打ち表示器45の点灯、右打ちランプ47の点灯、右矢印画像RIの表示、V打込促進画像VI1を行ったが、これらのうち何れか一つ又は二つ或いは三つを第2流路R2への打込報知としても良い。なお第2流路R2への打込を促す画像であれば、右矢印画像RI又はV打込促進画像VI1の表示態様に限られるものではない。また上述の第2流路R2への打込報知は、遊技盤2に設けた盤ランプ5や遊技機枠50に設けた枠ランプの点灯制御(例えば時計回りに光が流れるような点灯制御)によるものや、スピーカ67からの音声出力によるものでもよい。
また上記第1形態及び第2形態では、小当たり当選に基づく第2特別図柄が停止表示されるタイミングと、第2流路R2への打込報知が開始されるタイミングとを一致させた。しかしながら、第2流路R2への打込報知が開始されるタイミングは、小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止表示中であればいつもで良く、第2特別図柄が停止表示されてから所定時間が経過した後に、第2流路R2への打込報知が開始されても良い。
また上記第1形態及び第2形態では、非時短状態(通常遊技状態)にて小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止時間が、時短状態にて小当たり当選に基づく第2特別図柄の停止時間よりも長くした。しかしながら、非時短状態(通常遊技状態)にて小当たり当選(特1V通過小当たり)に基づく第1特別図柄の停止時間が、時短状態にて小当たり当選に基づく第1特別図柄の停止時間よりも長くするようにしても良い。
また上記第1形態及び第2形態では、非時短状態にて小当たり当選に基づく特別図柄(第2特別図柄)の停止時間が、時短状態にて小当たり当選に基づく特別図柄の停止時間よりも長くした。しかしながら、非時短状態にて大当たり当選に基づく特別図柄の停止時間が、時短状態にて大当たり当選に基づく特別図柄の停止時間よりも長くなるようにしても良い。このようにすれば、通常遊技状態にてなかなか大当たりに当選しないで遊技に意識が集中していない遊技者に対しては、大当たり当選の確定を認識する時間を長くすることにより、大当たり遊技が開始されるタイミングを認識させ易くすることが可能である。その結果、大当たり遊技の1R目に大入賞口への入賞を少なからず逃すという不利益を生じ難くさせることが可能である。
また上記第1形態及び第2形態では、非時短状態(第1遊技状態)にて小当たり当選に基づく特別図柄の停止時間を、時短状態(第2遊技状態)にて小当たり当選に基づく特別図柄の停止時間よりも長くしたが、第1遊技状態と第2遊技状態との関係を反対にして、時短状態(第1遊技状態)にて小当たり当選に基づく特別図柄の停止時間を、非時短状態(第2遊技状態)にて小当たり当選に基づく特別図柄の停止時間よりも長くなるようにしても良い。
また上記第3形態では、非時短状態での普通図柄の停止時間を6000msとしたが、時短状態での普通図柄の停止時間(500ms)よりも長ければ、適宜変更可能である。ここで上記第3形態では、普通当たりの当否判定の結果が普通当たり当選である場合とハズレである場合との普通図柄の停止時間が共通(同じ)になっていたが(図49参照)、異なっていても良い。この場合において、少なくとも非時短状態での普通当たり当選に基づく普通図柄の停止時間が、時短状態での普通当たり当選に基づく普通図柄の停止時間よりも長くなるように設定すれば良い。
また上記第3形態では、第2流路R2への打込報知として、右打ち表示器45の点灯、右打ちランプ47の点灯、右矢印画像RIの表示、電チュー打込促進画像DI1を行ったが、これらのうち何れか一つ又は二つ或いは三つを第2流路R2への打込報知としても良い。なお第2流路R2への打込を促す画像であれば、右矢印画像RI又は電チュー打込促進画像DI1の表示態様に限られるものではない。また上述の第2流路R2への打込報知は、遊技盤2に設けた盤ランプ5や遊技機枠50に設けた枠ランプの点灯制御(例えば時計回りに光が流れるような点灯制御)によるものや、スピーカ67からの音声出力によるものでもよい。
また上記第3形態では、普通当たり当選に基づく普通図柄が停止表示されるタイミングと、第2流路R2への打込報知が開始されるタイミングとを一致させた。しかしながら、第2流路R2への打込報知が開始されるタイミングは、普通当たり当選に基づく普通図柄の停止表示中であればいつでも良く、普通図柄が停止表示されてから所定時間が経過した後に、第2流路R2への打込報知が開始されても良い。
また上記第3形態では、非時短状態(第1遊技状態)にて普通当たり当選に基づく普通図柄の停止時間を、時短状態(第2遊技状態)にて普通当たり当選に基づく普通図柄の停止時間よりも長くしたが、第1遊技状態と第2遊技状態との関係を反対にして、時短状態(第1遊技状態)にて普通当たり当選に基づく普通図柄の停止時間を、非時短状態(第2遊技状態)にて普通当たり当選に基づく普通図柄の停止時間よりも長くなるようにしても良い。
また上記各形態では、特図1又は特図2の抽選で大当たり当選であると判定される確率が変化しない遊技機であったが、相対的に低い通常確率状態(低確率状態)又は相対的に高い高確率状態に制御可能な遊技機であっても良い。この場合、上記第1形態及び第2形態の変形例として、通常確率状態(第1遊技状態)での小当たり当選に基づく特別図柄の停止時間を、高確率状態(第2遊技状態)での小当たり当選に基づく特別図柄の停止時間よりも長くなるようにしても良い。その反対に、高確率状態(第1遊技状態)での小当たり当選に基づく特別図柄の停止時間を、通常確率状態(第2遊技状態)での小当たり当選に基づく特別図柄の停止時間よりも長くなるようにしても良い。
また上記各形態では、通過開放パターンは、第2大入賞口35への入賞タイミングに関わらず入賞球が必ず特定領域39を通過する開放パターン(図41(b)や(e)参照)としたが、第2大入賞口35へ入賞した遊技球が特定領域39を通過する可能性はあるが、通過しないこともある開放パターンとしてもよい。
また上記各形態では、2つの始動口(第1始動口20及び第2始動口21)を設けたが、第1始動口20のみとしてもよい。この場合、第1始動口20を、電チューによって開閉される始動口としてもよい。
また上記各形態では、第2特別図柄の抽選で約4分の1の確率で小当たりに当選するように構成されていたが、4分の1よりも低い確率又は4分の1よりも高い確率で小当たりに当選するようにしても良く、小当たりの当選確率は適宜変更可能である。
また上記各形態では、第2特図保留を1つまで溜めることが可能な構成とした。この場合に、特図2の抽選では大当たりに当選する場合を除いて小当たりに必ず当選することとして、ハズレになることがないようにしても良い。このようにすれば、一旦時短状態に制御されれば原則的に、第2特別図柄の当該変動に基づく小当たり当選と、第2特図保留に基づく小当たり当選とにより少なくとも2回の大当たり遊技を実行させることが可能となり、第2特図保留の上限記憶数+1回の所謂ループ機を提供することが可能となる。
なお上述したように、特図2の抽選では大当たりに当選する場合を除いて小当たりに必ず当選する構成にした場合、第2特図保留の上限記憶数を「2」とすれば、3回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低4回となる遊技機)を構成することができる。また、上限記憶数を「3」とすれば、4回ループのパチンコ遊技機を構成することができる。また、上限記憶数を「4」とすれば、5回ループのパチンコ遊技機を構成することができる。
また上記各形態では、第2特図保留を1つまで溜めることが可能な構成としたが、第2特図保留の上限記憶数は2以上であっても良く、適宜変更可能であり、例えば第2特図保留を4つ貯めることができる構成としても良い。この場合には、第2特図保留の数が多いほど、特図2の抽選で小当たりに当選(実質的に大当たりに当選)するチャンスが多いことになり、遊技者にとって有利な状況といえる。そのため時短状態且つ高ベース状態であるときに、第2特図保留ができるだけ多く残っている状況で、小当たりに当選することが有利になる。仮に当選した小当たりの種別が「16R通常小当たり」である場合に、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されても、残っている第2特図保留の数が多いほど、特図2の抽選で小当たりに当選して大当たり当選になるという引き戻しの可能性が高くなるためである。よって、時短状態且つ高ベース状態にて特図2の抽選で小当たりに当選したときに、第2特図保留の数の多さに注目させるという斬新な遊技性を提供することが可能である。言い換えれば、第2特図保留が「4」又は「3」であれば、当該変動の特図2の当否判定で小当たりに当選するのを遊技者に期待させる一方、第2特図保留が「2」又は「1」或いは「0」であれば、当該変動の特図2の当否判定で小当たりに当選するよりもむしろハズレとなるのを期待させる新しいゲーム性を提供することが可能である。
また上記各形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、1種大当たりのみの遊技機や、2種大当たりのみの遊技機(1種大当たりのない遊技機、所謂羽根物)として構成してもよい。そして上記各形態では、小当たりに当選することがある遊技機であったが、小当たりに当選することがない遊技機であっても良い。
また上記各形態では、大当たり遊技の終了後に時短状態に制御するか否かを、当選した特別図柄の種類(当たりの種類)のみに応じて決定するように構成したが、特別図柄の種類および当選時の遊技状態に応じて決めるようにしてもよい。
また上記各形態では、特図2の変動(当否判定)を特図1の変動(当否判定)に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って数値情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。
また上記各形態では、大当たり遊技においては第1大入賞口30を開放し、小当たり遊技においては第2大入賞口35を開放するように構成した。これに対して、大当たり遊技の少なくとも一部のラウンドに、第2大入賞口35を開放するラウンドがある構成としてもよい。この場合には、大当たり遊技の実行中のV通過によってさらに大当たり遊技が実行されることがないように構成する。
また上記各形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり又は小当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、99回の特別図柄の変動表示が実行されると高ベース状態を終了するように構成したが、高ベース状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(所定の上限実行回数)は、任意に変更可能である。
また上記各形態では、普図保留の上限記憶数を4個としたが、普図保留のない構成としてもよい。この場合、ゲート28への遊技球の通過検知時に、普通図柄の変動表示の実行中でなく、補助遊技の実行中(電チュー22の作動中)でもなければ、普通図柄乱数を取得するように構成すればよい。
なお、本発明の「所定の終了条件」とは、上記各形態では、大当たり遊技の実行が開始されること、又は、予め定めた上限実行回数に及ぶ特別図柄の変動表示の実行が終了することである。
また、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」であり、第1特図保留の数が「0」でないことを、「第1の判定条件」と称することとする。
また、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」でないことを、「第2の判定条件」と称することとする。
なお上記した各形態及びその変形例を適宜組み合わせて実施することは勿論可能である。