JP2017085055A - 光電変換素子 - Google Patents

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秀一 苫米地
淳二 小谷
Junji Kotani
淳二 小谷
哲郎 石黒
Tetsuro Ishiguro
哲郎 石黒
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Abstract

【課題】良好な変換効率を安定して得ることができる光電変換素子を提供する。
【解決手段】光電変換素子100には、第1の光吸収層112を備えた第1のセル110と、第2の光吸収層132を備えた第2のセル130と、第1のセル110と第2のセル130との間のGaN系のp型半導体層121と、第1のドーパントを含むp型半導体層121と第2のセル130との間のGaN系の第1のn型半導体層122と、第2のドーパントを含む第1のn型半導体層122と第2のセル130との間のGaN系の第2のn型半導体層123と、が含まれる。第1のn型半導体層122における第1のドーパントの濃度は、第2のn型半導体層123における第2のドーパントの濃度より高く、第1のドーパントのイオン半径はSiのイオン半径よりGaのイオン半径に近く、第2のドーパントの活性化率は第1のドーパントの活性化率より高い。
【選択図】図3

Description

本発明は、光電変換素子に関する。
窒化インジウムガリウム(InGaN)はIn組成によりバンドギャップが約0.65eVから約3.4eVまで変化し、吸収係数も大きいことが知られている。従って、InGaNを光吸収層とする光電変換素子は太陽光スペクトルの大部分を吸収できる可能性がある。特に高In組成のInGaN層は従来の光電変換素子では吸収できない紫外線領域のエネルギーを吸収できるため、更なる変換効率の向上に寄与すると考えられている。
In組成が相違する2種類のInGaNを備えた光電変換素子によれば、波長が相違する2種類の光を吸収することができる。従来、吸収波長が相違する2個のセルがトンネル接合部を介して接合された光電変換素子が知られており、この光電変換素子では、トンネル接合部を介して2個のセル間を電流が流れる。
しかしながら、2個のセル及びトンネル接合部を備えた従来の光電変換素子では、十分な変換効率を安定して得ることができない。
特開2014−150162号公報 特開2012−190990号公報 特開2011−134952号公報
本発明の目的は、良好な変換効率を安定して得ることができる光電変換素子を提供することにある。
光電変換素子の一態様には、第1の光吸収層を備えた第1のセルと、第2の光吸収層を備えた第2のセルと、前記第1のセルと前記第2のセルとの間のGaN系のp型半導体層と、第1のドーパントを含む前記p型半導体層と前記第2のセルとの間のGaN系の第1のn型半導体層と、第2のドーパントを含む前記第1のn型半導体層と前記第2のセルとの間のGaN系の第2のn型半導体層と、が含まれる。前記第1のn型半導体層における前記第1のドーパントの濃度は、前記第2のn型半導体層における前記第2のドーパントの濃度より高く、前記第1のドーパントのイオン半径はSiのイオン半径よりGaのイオン半径に近く、前記第2のドーパントの活性化率は前記第1のドーパントの活性化率より高い。
上記の光電変換素子によれば、第1のセルと第2のセルとの間に適切な第1のn型半導体層及び第2のn型半導体層が含まれるため、良好な変換効率を安定して得ることができる。
参考例の光電変換素子の構成を示す断面図である。 +−GaN層の表面の干渉顕微鏡像を示す図である。 第1の実施形態に係る光電変換素子の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る光電変換素子の動作を示すバンド図である。 第2の実施形態に係る光電変換素子の構成を示す断面図である。 第2の実施形態に係る光電変換素子の製造方法を工程順に示す断面図である。 図6Aに引き続き、光電変換素子の製造方法を工程順に示す断面図である。 図6Bに引き続き、光電変換素子の製造方法を工程順に示す断面図である。 第3の実施形態に係る光電変換素子の構成を示す断面図である。 第4の実施形態に係る光電変換素子の構成を示す断面図である。
本願発明者らは、従来の光電変換素子では十分な変換効率を安定して得ることができない原因を究明すべく鋭意検討を重ねた。この検討では、図1に示す参考例を用いた。この参考例の光電変換素子900には、セル910、セル930及びこれらの間の接合部920が含まれる。セル910にn型GaN層911、光吸収層912及びp型GaN層913が含まれ、セル930にn型GaN層931、光吸収層932及びp型GaN層933が含まれ、接合部920にp+−GaN層921及びn+−GaN層922が含まれる。この検討の結果、n+−GaN層922の表面に荒れが生じており、この荒れを起因とするトンネル電流の低下が生じていることが判明した。また、この荒れは、n+−GaN層922に含まれるSiの濃度が1×1019atoms/cm3以上の場合に顕著であることも判明した。Siの濃度を下げることで荒れを抑制することは可能であるが、Siの濃度を下げたのでは、接合部920での電子及び正孔のトンネルが生じにくくなるため、十分なトンネル電流を得ることはできない。そこで、本願発明者らは、Siに代えて他の元素を用いることについて検討した。この結果、Geが用いられた場合には、n+−GaN層922の表面に荒れが生じにくいことが判明した。図2にn+−GaN層の表面の干渉顕微鏡像を示す。図2(a)はSiを4×1019atoms/cm3含有するn+−GaN層の干渉顕微鏡像を示し、図2(b)はGeを4×1019atoms/cm3含有するn+−GaN層の干渉顕微鏡像を示す。図2に示すように、Siに代えてGeを用いることで表面の荒れを抑制することができる。しかしながら、Geの活性化率はSiの活性化率より低く、この点で十分なトンネル電流が得られない。本願発明者らは、このような知見に基づき更に鋭意検討を重ねた結果、下記の諸態様に想到した。
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図3は、第1の実施形態に係る光電変換素子の構成を示す断面図である。図4は、第1の実施形態に係る光電変換素子の動作を示すバンド図である。
第1の実施形態に係る光電変換素子100には、図3に示すように、セル110、セル130及びこれらの間の接合部120が含まれる。セル110にn型GaN層111、光吸収層112及びp型GaN層113が含まれ、セル130にn型GaN層131、光吸収層132及びp型GaN層133が含まれ、接合部120にp+−GaN層121、n+−GaN層122及びn型GaN層123が含まれる。
+−GaN層122は第1のドーパントを含み、n型GaN層123は第2のドーパントを含み、n+−GaN層122における第1のドーパントの濃度は、n型GaN層123における第2のドーパントの濃度より高い。第1のドーパントのイオン半径はSiのイオン半径よりGaのイオン半径に近く、第2のドーパントの活性化率は第1のドーパントの活性化より高い。p+−GaN層121はp型半導体層の一例であり、n+−GaN層122は第1のn型半導体層の一例であり、n型GaN層123は第2のn型半導体層の一例であり、n型GaN層131は第3のn型半導体層の一例である。
光電変換素子100に光、例えば太陽光が入射すると光吸収層132中及び光吸収層112中で正孔及び電子が発生する。セル110で発生した正孔及びセル130で発生した電子が接合部120に拡散してくると、図4に示すように、正孔及び電子が接合部120をトンネルし、セル110とセル130との間を電流が流れるようになる。
第1の実施形態では、p+−GaN層121にn+−GaN層122が接しており、n+−GaN層122に第1のドーパントが高濃度で含まれている。また、第1のドーパントのイオン半径がSiのイオン半径よりGaのイオン半径に近いため、n+−GaN層122の表面に、Siが高濃度で含有されているn型GaN層ほどの荒れは生じにくい。更に、セル130とn+−GaN層122との間にn型GaN層123が介在し、第2のドーパントの活性化率が第1のドーパントの活性化率より高く、n型GaN層123からn+−GaN層122に電子が拡散してくるため、第1のドーパントの活性化率の低さは補償される。従って、第1の実施形態によれば、良好な変換効率を安定して得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態に係る光電変換素子の構成を示す断面図である。
第2の実施形態に係る光電変換素子200には、図5に示すように、基板241、基板241上方のn型GaN層211、n型GaN層211上方の光吸収層212、及び光吸収層212上方のp型GaN層213が含まれる。光電変換素子200には、p型GaN層213上方のp+−GaN層221、p+−GaN層221上方のn+−GaN層222、及びn+−GaN層222上方のn型GaN層223も含まれる。光電変換素子200には、n型GaN層223上方のn型GaN層231、n型GaN層231上方の光吸収層232、及び光吸収層232上方のp型GaN層233も含まれる。n型GaN層211、光吸収層212及びp型GaN層213がセル210に含まれ、p+−GaN層221、n+−GaN層222及びn型GaN層223が接合部220に含まれ、n型GaN層231、光吸収層232及びp型GaN層233がセル230に含まれる。
基板241は、例えばサファイア基板である。n型GaN層211は、例えば、Siを2×1018atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは500nmである。光吸収層212は、例えば、In組成が17%で意図的な不純物のドーピングが行われていないInGaN層であり、その厚さは500nmである。p型GaN層213は、例えば、Mgを2×1018atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは200nmである。n型GaN層231は、例えば、Siを2×1018atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは100nmである。光吸収層232は、例えば、In組成が25%で意図的な不純物のドーピングが行われていないInGaN層であり、その厚さは500nmである。p型GaN層233は、例えば、Mgを2×1018atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは200nmである。
+−GaN層221は、例えば、Mgを1×1019atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは10nmである。n+−GaN層222は、例えば、Geを1×1019atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは3nmである。n型GaN層223は、例えば、Siを5×1018atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは7nmである。このように、n+−GaN層222におけるGeの濃度は、n型GaN層223におけるSiの濃度より高い。Geのイオン半径は53pmであり、Siのイオン半径は41pmであり、Gaのイオン半径は62pmである。従って、Geのイオン半径はSiのイオン半径よりGaのイオン半径に近い。Siの活性化率はGeの活性化より高い。p+−GaN層221はp型半導体層の一例であり、n+−GaN層222は第1のn型半導体層の一例であり、n型GaN層223は第2のn型半導体層の一例であり、n型GaN層231は第3のn型半導体層の一例である。
セル230、接合部220及びセル210に、n型GaN層211の一部を上方から露出する溝が形成されている。光電変換素子200に、n型GaN層211上の電極242及びp型GaN層233上の電極243も含まれる。
光電変換素子200に光、例えば太陽光が入射すると光吸収層232中及び光吸収層212中で正孔及び電子が発生する。セル210で発生した正孔及びセル230で発生した電子が接合部220に拡散してくると、正孔及び電子が接合部220をトンネルし、セル210とセル230との間を電流が流れるようになる。
第2の実施形態では、p+−GaN層221にn+−GaN層222が接しており、n+−GaN層222にGeが高濃度で含まれている。伝導帯からのドーピング準位は、ドーパントがSiの場合は17meVであるのに対し、Geの場合は19meVと深いため、バンドがより押し下げられることにより、接合部220のバリアがより薄くなる。また、上記のように、Geが高濃度で含有されても表面の荒れは生じにくい。更に、Geの活性化率はSiの活性化率ほど高くないが、セル230とn+−GaN層222との間にn型GaN層223が介在し、Siを含むn型GaN層223からn+−GaN層222に電子が拡散してくるため、Geの活性化率の低さは補償される。従って、第2の実施形態によれば、良好な変換効率を安定して得ることができる。
光吸収層212若しくは光吸収層232又はこれらの両方が、複数のInGaN層及び複数のGaN層を含む超格子構造を有していてもよい。
n型GaN層223におけるSiの濃度は、n型GaN層231におけるSiの濃度より高いことが好ましい。これは、n型GaN層223におけるSiの濃度がn型GaN層231におけるSiの濃度以下であると、n+−GaN層222におけるGeの活性化率の低さを十分に補償できないおそれがあるからである。GaN層におけるSiの濃度が高くなるほど結晶性が低下する。接合部220に含まれるn型GaN層223は電子及び正孔がトンネル可能な程度に薄いため、結晶性の低下の影響が小さいが、n型GaN層223より厚いn型GaN層231がn+−GaN層222におけるGeの活性化率の低さを補償できる程度にSiを含有していると、結晶性の低下の影響を受けやすい。
次に、第2の実施形態に係る光電変換素子の製造方法について説明する。図6A乃至図6Cは、第2の実施形態に係る光電変換素子の製造方法を工程順に示す断面図である。
先ず、図6A(a)に示すように、基板241上にn型GaN層211、光吸収層212及びp型GaN層213を形成する。n型GaN層211、光吸収層212及びp型GaN層213は、例えば有機金属気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法等の結晶成長法により形成することができる。原料ガスとしては、例えばAl源であるトリメチルアルミニウム(TMA)、Ga源であるトリメチルガリウム(TMG)、In源であるトリメチルインジウム(TMI)及びN源であるアンモニア(NH3)の混合ガスを用い、キャリアガスとしては、例えば水素(H2)及び窒素(N2)を用いる。n型GaN層211の形成時には、Si源であるモノシラン(SiH4)を添加したTMG、NH3、H2及びN2の混合ガスを用い、例えば、成長圧力は200mbar程度とし、成長温度は1000℃程度とする。光吸収層212の形成時は、TMI、TMG、NH3及びN2の混合ガスを用い、例えば、成長圧力は50mbar程度とし、成長温度は750℃程度とする。p型GaN層213の形成時には、Mg源であるビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を添加したTMG、NH3、H2及びN2の混合ガスを用い、例えば、成長圧力は200mbar程度とし、成長温度は1000℃程度とする。
次いで、図6A(b)に示すように、p型GaN層213上にp+−GaN層221、n+−GaN層222及びn型GaN層223を形成する。p+−GaN層221、n+−GaN層222及びn型GaN層223も、例えばMOCVD法等の結晶成長法により形成することができる。p+−GaN層221の形成時には、Cp2Mgを添加したTMG、NH3、H2及びN2の混合ガスを用い、例えば、成長圧力は200mbar程度とし、成長温度は1000℃程度とする。n+−GaN層222の形成時には、Ge源であるモノゲルマン(GeH4)を添加したTMG、NH3、H2及びN2の混合ガスを用い、例えば、成長圧力は200mbar程度とし、成長温度は1000℃程度とする。n型GaN層223の形成時には、SiH4を添加したTMG、NH3、H2及びN2の混合ガスを用い、例えば、成長圧力は200mbar程度とし、成長温度は1000℃程度とする。
その後、図6B(c)に示すように、n型GaN層223上にn型GaN層231、光吸収層232及びp型GaN層233を形成する。n型GaN層231、光吸収層232及びp型GaN層233も、例えばMOCVD法等の結晶成長法により形成することができる。n型GaN層231の形成時には、SiH4を添加したTMG、NH3、H2及びN2の混合ガスを用い、例えば、成長圧力は200mbar程度とし、成長温度は1000℃程度とする。光吸収層232の形成時は、TMI、TMG、NH3及びN2の混合ガスを用い、例えば、成長圧力は50mbar程度とし、成長温度は700℃程度とする。p型GaN層233の形成時には、Cp2Mgを添加したTMG、NH3、H2及びN2の混合ガスを用い、例えば、成長圧力は200mbar程度とし、成長温度は1000℃程度とする。
続いて、図6B(d)に示すように、p型GaN層233上にマスク251を形成する。マスク251の形成では、例えば、スパッタリング法によりシリコン酸化物又はシリコン窒化物等の誘電体膜を200nm程度の厚さでp型GaN層233上に形成し、誘電体膜を光リソグラフィ及びエッチングによりパターニングする。
次いで、図6C(e)に示すように、マスク251をエッチングマスクとして、p型GaN層233、光吸収層232、n型GaN層231、n型GaN層223、n+−GaN層222、p+−GaN層221、p型GaN層213、光吸収層212及びn型GaN層211をエッチングして、n型GaN層211の一部を上方から露出する溝を形成する。このエッチングでは、例えば、BCl3及びCl2の混合ガスを用いたドライエッチングを行う。その後、フッ化水素酸等を用いてマスク251を除去する。
続いて、図6C(f)に示すように、n型GaN層211上に電極242を形成し、p型GaN層233上に電極243を形成する。
このようにして第2の実施形態に係る光電変換素子を製造することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図7は、第3の実施形態に係る光電変換素子の構成を示す断面図である。
第3の実施形態に係る光電変換素子300には、図7に示すように、接合部220に代えて接合部320が含まれる。が接合部320には、p+−GaN層221、n+−GaN層222、n型GaN層223及びGaN系のn型中間層224が含まれる。n型中間層224はn+−GaN層222とn型GaN層223との間にある。n型中間層224は、例えば、Ge及びSiを含む。n型中間層224は第4のn型半導体層の一例である。他の構成は第2の実施形態と同様である。
第3の実施形態によっても第2の実施形態と同様の効果が得られる。
第3の実施形態に係る光電変換素子300を製造する際には、GeH4及びSiH4を添加したTMG、NH3、H2及びN2の混合ガスを用いてn型中間層224を成長させてもよく、n+−GaN層222からのGeの拡散及びn型GaN層223からのSiの拡散によってn型中間層224を形成してもよい。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図8は、第4の実施形態に係る光電変換素子の構成を示す断面図である。
第4の実施形態に係る光電変換素子400には、図8に示すように、p型GaN層233上方のp+−GaN層421、p+−GaN層421上方のn+−GaN層422、及びn+−GaN層422上方のn型GaN層423が含まれる。光電変換素子300には、n型GaN層423上方のn型GaN層431、n型GaN層431上方の光吸収層432、及び光吸収層432上方のp型GaN層433も含まれる。p+−GaN層421、n+−GaN層422及びn型GaN層423が接合部420に含まれ、n型GaN層431、光吸収層432及びp型GaN層433がセル430に含まれる。
n型GaN層431は、例えば、Siを2×1018atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは100nmである。光吸収層432は、例えば、In組成が50%で意図的な不純物のドーピングが行われていないInGaN層であり、その厚さは500nmである。p型GaN層433は、例えば、Mgを2×1018atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは200nmである。
+−GaN層421は、例えば、Mgを1×1019atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは10nmである。n+−GaN層422は、例えば、Geを1×1019atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは3nmである。n型GaN層423は、例えば、Siを5×1018atoms/cm3の濃度で含み、その厚さは7nmである。このように、n+−GaN層422におけるGeの濃度は、n型GaN層423におけるSiの濃度より高い。p+−GaN層421はp型半導体層の一例であり、n+−GaN層422は第1のn型半導体層の一例であり、n型GaN層423は第2のn型半導体層の一例であり、n型GaN層431は第3のn型半導体層の一例である。
セル430及び接合部420にも、n型GaN層211の一部を上方から露出する溝が形成されている。電極243はp型GaN層233上ではなくp型GaN層433上に形成されている。
第4の実施形態によれば、第2の実施形態より広範囲の波長の光を吸収することができ、より高い変換効率を得ることができる。
吸収波長が異なるセルがより多数含まれていてもよい。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
第1の光吸収層を備えた第1のセルと、
第2の光吸収層を備えた第2のセルと、
前記第1のセルと前記第2のセルとの間のGaN系のp型半導体層と、
第1のドーパントを含む前記p型半導体層と前記第2のセルとの間のGaN系の第1のn型半導体層と、
第2のドーパントを含む前記第1のn型半導体層と前記第2のセルとの間のGaN系の第2のn型半導体層と、
を有し、
前記第1のn型半導体層における前記第1のドーパントの濃度は、前記第2のn型半導体層における前記第2のドーパントの濃度より高く、
前記第1のドーパントのイオン半径はSiのイオン半径よりGaのイオン半径に近く、
前記第2のドーパントの活性化率は前記第1のドーパントの活性化率より高いことを特徴とする光電変換素子。
(付記2)
前記第1のドーパントはGeであり、
前記第2のドーパントはSiであることを特徴とする付記1に記載の光電変換素子。
(付記3)
前記第1のn型半導体層における前記第1のドーパントの濃度は、1×1019atoms/cm3以上であることを特徴とする付記1又は2に記載の光電変換素子。
(付記4)
前記第2のセルは、第3のドーパントを含み前記第2のn型半導体層と接するGaN系の第3のn型半導体層を有し、
前記第2のn型半導体層における前記第2のドーパントの濃度は、前記第3のn型半導体層における前記第3のドーパントの濃度より高いことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
(付記5)
前記第1のn型半導体層と前記第2のn型半導体層との間に、前記第1のドーパント及び前記第2のドーパントを含むGaN系の第4のn型半導体層を有することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
(付記6)
前記第1の光吸収層及び前記第2の光吸収層は、InGaN層を含むことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
(付記7)
前記第1の光吸収層及び前記第2の光吸収層は、複数のInGaN層及び複数のGaN層を含む超格子構造を有することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
(付記8)
前記第1のセル及び前記第2のセルとは吸収波長が異なる1以上のセルを更に有し、
前記1以上のセルが前記第1のセル及び前記第2のセルに積層されていることを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
100、200:光電変換素子
110、130、210、230:セル
120、220:接合部
112、132、212、232:光吸収層
121、221:p+−GaN層
122、222:n+−GaN層
123、223:n型GaN層
224:n型中間層

Claims (5)

  1. 第1の光吸収層を備えた第1のセルと、
    第2の光吸収層を備えた第2のセルと、
    前記第1のセルと前記第2のセルとの間のGaN系のp型半導体層と、
    第1のドーパントを含む前記p型半導体層と前記第2のセルとの間のGaN系の第1のn型半導体層と、
    第2のドーパントを含む前記第1のn型半導体層と前記第2のセルとの間のGaN系の第2のn型半導体層と、
    を有し、
    前記第1のn型半導体層における前記第1のドーパントの濃度は、前記第2のn型半導体層における前記第2のドーパントの濃度より高く、
    前記第1のドーパントのイオン半径はSiのイオン半径よりGaのイオン半径に近く、
    前記第2のドーパントの活性化率は前記第1のドーパントの活性化率より高いことを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記第1のドーパントはGeであり、
    前記第2のドーパントはSiであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第1のn型半導体層における前記第1のドーパントの濃度は、1×1019atoms/cm3以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記第2のセルは、第3のドーパントを含み前記第2のn型半導体層と接するGaN系の第3のn型半導体層を有し、
    前記第2のn型半導体層における前記第2のドーパントの濃度は、前記第3のn型半導体層における前記第3のドーパントの濃度より高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記第1のn型半導体層と前記第2のn型半導体層との間に、前記第1のドーパント及び前記第2のドーパントを含むGaN系の第4のn型半導体層を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
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