JP2017084449A - 燃料電池車及びそれに用いる分岐合流管 - Google Patents

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Abstract

【課題】システム全体の小型化及び組み立て性を向上できる燃料電池車を提供すること。【解決手段】燃料電池車Mは、燃料電池スタック10と、ラジエータ44と、第1冷媒流路(配管C1〜C2)と、第2冷媒流路(配管C3〜C6)と、第1ポンプ43と、廃熱回収回路(配管d1〜d3)と、第2ポンプ61と、分岐合流管41と、を備え、分岐合流管41は、燃料電池冷媒出口Q2からの冷媒の入口である入口ポートと、ラジエータ冷媒入口Q3に向かう冷媒の出口である出口ポートと、廃熱回収回路(配管d1〜d3)に向けて冷媒を分岐する廃熱回収側分岐ポートと、廃熱回収回路(配管d1〜d3)からの冷媒を合流させる廃熱回収側合流ポートと、を備え、廃熱回収側分岐ポートと、廃熱回収側合流ポートとは、第1冷媒流路(配管C1〜C2)の通流方向において近接している。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムを備える燃料電池車及びそれに用いる分岐合流管に関する。
従来、燃料電池システムの冷却系にはエアコン系への分岐など複数の分岐回路が設けられることがある(特許文献1参照)。
特開2011−243537号公報
燃料電池を車両前側空間に配置する場合、通常であれば、ラジエータも車両前方に配置されるため、燃料電池とラジエータとの間の限られた空間に、前記分岐回路のための配管を配置することが必要であり、システム全体の小型化が望まれている。
また、冷媒の分岐点毎に数種類の配管を設けると、それぞれに固定点が必要となるので組み立て性が悪くなると共に、部品点数が多くなることからコストの上昇要因になってしまう問題があった。
そこで、本発明では、システム全体の小型化及び組み立て性を向上できる燃料電池車及びそれに用いる分岐合流管を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る燃料電池車は、車両の前側空間に配置され、複数の単セルが積層されることで構成され、燃料電池冷媒入口及び燃料電池冷媒出口を有する燃料電池スタックと、ラジエータ冷媒入口及びラジエータ冷媒出口を有し、冷媒の熱を放熱するラジエータと、前記燃料電池冷媒出口及び前記ラジエータ冷媒入口を接続する第1冷媒流路と、前記ラジエータ冷媒出口及び前記燃料電池冷媒入口を接続する第2冷媒流路と、前記第1冷媒流路及び前記第2冷媒流路に冷媒を循環させる第1ポンプと、前記第1冷媒流路から冷媒の一部を分岐し、廃熱回収機器を経由させ熱を回収した後、前記第1冷媒流路に合流させる廃熱回収回路と、前記廃熱回収回路に設けられ、冷媒を圧送する第2ポンプと、前記第1冷媒流路に設けられた分岐合流管と、を備え、前記分岐合流管が、前記燃料電池冷媒出口からの冷媒の入口である入口ポートと、前記ラジエータ冷媒入口に向かう冷媒の出口である出口ポートと、前記廃熱回収回路に向けて冷媒を分岐する廃熱回収側分岐ポートと、前記廃熱回収回路からの冷媒を合流させる廃熱回収側合流ポートと、を備え、前記廃熱回収側分岐ポートと、前記廃熱回収側合流ポートとが、前記第1冷媒流路の通流方向において近接していることを特徴とする。
かかる構成によれば、燃料電池車は、分岐合流管において、廃熱回収側分岐ポートと、廃熱回収側合流ポートとが、第1冷媒流路の通流方向において近接しているので、これら2つのポート間では差圧がほとんど生じない。したがって、廃熱回収回路において、前記した差圧に基づく流量を調整する必要が無く、第2ポンプの回転数に応じた流量とエアコン等の廃熱回収機器の温度変化とが線形関係になるものとして第2ポンプを駆動させればよい。そのため、2つのポートが離間している場合と比べて、第2ポンプを制御し易くなる。
また、燃料電池車は、分岐合流管を備えるので、分岐や合流のために例えば2つのY字管とそれらの間のホースを使用する場合に比べて、配管の部品点数や固定点を削減することができると共に、冷媒の主通流方向の長さを短縮することができる。これにより、システム全体の小型化及び組み立て性を向上することができる。
また、本発明に係る燃料電池車は、下流側が前記第2冷媒流路に接続され、前記ラジエータをバイパスするラジエータバイパス流路を備え、前記分岐合流管が、前記廃熱回収側分岐ポートの下流において、前記ラジエータバイパス流路に向かう冷媒の出口となるバイパス側出口ポートを備えることが好ましい。
かかる構成によれば、燃料電池車は、分岐合流管がバイパス側出口ポートを備えるので、第1冷媒流路の通流方向において分岐合流管よりも下流側にラジエータバイパス流路に向かう冷媒を分岐するY字管等の他の配管を備える場合に比べて、冷媒流路を短くすることができ、その結果、通流する冷媒量も少なくできるため、冷媒を早く循環させることができる。
したがって、例えば燃料電池車の始動時のように燃料電池の温度が発電に適した温度よりも低くなっているときに、ラジエータをバイパスすることで、燃料電池の温度を発電に適した温度に素早く昇温することができる。
また、分岐合流管は、バイパス側出口ポートを廃熱回収側分岐ポートの下流に備えるので、バイパス側出口ポートよりも上流の比較的高温の冷媒を、廃熱回収回路に分岐することができ、燃料電池の廃熱を効率よく利用できる。
また、本発明に係る燃料電池車は、前記燃料電池冷媒出口が、前記燃料電池スタックの積層方向における一端面に形成され、前記分岐合流管が、前記燃料電池スタックの側面に取り付けられ、当該側面に沿って延びる本体部と、前記本体部の一端面側から当該一端面に近づくにつれて前記側面から離れるように斜めに延び、先端部が前記入口ポートを構成する傾斜部と、を備えることが好ましい。
かかる構成によれば、燃料電池車は、分岐合流管が、本体部と、先端部が前記入口ポートを構成する傾斜部と、を備えるので、この傾斜部を利用することで、燃料電池冷媒出口と分岐合流管の入口ポートとを接続する配管の形状を緩やかな曲げ形状にして冷媒をスムーズに流すことができる。
また、本発明に係る燃料電池車は、冷媒からイオンを除去するイオン交換器を備え、前記分岐合流管が、前記イオン交換器からの冷媒の入口となるイオン交換器側入口ポートを備え、前記イオン交換器が、前記傾斜部に重なるように配置されていることが好ましい。
かかる構成によれば、燃料電池車は、分岐合流管の傾斜部に重なるようにイオン交換器を備えるので、分岐合流管の傾斜部によって燃料電池スタックの側面側に生じる空間を有効利用しシステム全体の小型化することができる。また、イオン交換器を燃料電池スタックの側面に固定し易いため、組み立て性を向上することができる。
また、本発明に係る燃料電池車は、前記燃料電池スタックの側面が前面であって、当該前面に前記分岐合流管が取り付けられ、前記イオン交換器が、前記分岐合流管の前記傾斜部の上に平面視で重なるように配置されていることが好ましい。
かかる構成によれば、燃料電池車は、燃料電池スタックの前面から分岐合流管の傾斜部が斜め前方に突出し、この傾斜部の上に重なるようにイオン交換器が配置されるので、正面衝突時に、分岐合流管の傾斜部や分岐合流管に接続された複数の配管によって衝撃荷重を吸収することでイオン交換器を保護することができる。また、燃料電池スタックの前面に分岐合流管やそれに接続された複数の配管が存在しない状態でイオン交換器を配置する場合と比べて、正面衝突時に衝撃緩衝のためにイオン交換器の前方に要するクリアランスを短くできるので、システム全体を小型化することができる。
本発明によれば、燃料電池車及びそれに用いる分岐合流管は、システム全体の小型化及び組み立て性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池車を模式的に示す構成図である。 燃料電池スタックへの分岐合流管の配置例を示す斜視図である。 分岐合流管の構成を示す斜視図である。 燃料電池スタックの前側から見たイオン交換器の配置例を示す斜視図である。 燃料電池スタックの右側から見たイオン交換器の配置例を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。なお、各図面において、着目する部材の周囲に配置される部材の一部分又は全体を、省略あるいは透過して示していることがある。
<燃料電池車の構成>
図1に示す燃料電池車Mは、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対してアノードガス(水素)を供給するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対してカソードガス(酸素を含む空気)を供給するカソード系と、燃料電池スタック10を経由するように冷媒を循環させるFC(Fuel Cell)側冷媒系と、燃料電池スタック10の発電電力を消費する電力消費系と、ヒータコア(廃熱回収機器)63を経由するように冷媒を循環させる空調側冷媒系と、これらを制御するECUと、を備えている。
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック10は、車両の前側空間に配置されている。ここで、前側空間とは、車両の前側であって、ボンネット下に形成された空間である。前側空間は、モータが配置される空間(モータルーム)を含んでいる。
燃料電池スタック10は、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を一対の導電性のセパレータ(図示せず)で挟持してなる単セル10a(図2参照)を、車幅方向(左右方向)に複数積層して構成されている。
燃料電池スタック10の各セパレータには、各膜/電極接合体の全面に水素又は酸素を供給するための溝及び貫通孔が形成されており、これらの溝及び貫通孔がアノード流路11、カソード流路12として機能する。
燃料電池スタック10では、アノード流路11を介して水素(反応ガス)が供給されると(式1)の電極反応が起こり、カソード流路12を介して酸素を含む空気(反応ガス)が供給されると(式2)の電極反応が起こり、各単セルで電位差(Open Circuit Voltage:OCV)が発生する。
2H2→4H++4e- ・・・(式1)
2+4H++4e-→2H2O・・・(式2)
また、燃料電池スタック10の各セパレータには、複数の貫通孔13a(図2)が形成されており、これらの貫通孔が冷媒流路13として機能する。冷媒流路13には、燃料電池スタック10を冷却するための冷媒(例えば、エチレングリコールを含む水)が通流する。燃料電池スタック10は、図1に示すように燃料電池冷媒入口Q1及び燃料電池冷媒出口Q2を有している。燃料電池冷媒出口Q2は、図2に示すように燃料電池スタック10における単セル10aの積層方向(左右方向)における一端面(例えば右面10b)に形成されている。燃料電池スタック10の右面10bには、冷媒出口マニホールド14が設けられており、各セパレータの複数の貫通孔13aからの冷媒をまとめて配管C1に流出できるようになっている。冷媒出口マニホールド14は燃料電池冷媒出口Q2に相当する。なお、燃料電池スタック10の右面10bには、冷媒出口マニホールド14から離間して図示を省略した冷媒入口マニホールドが設けられている。この冷媒入口マニホールドは燃料電池冷媒入口Q1に相当する。
図1に戻って燃料電池車Mの各部の説明を続ける。
<アノード系>
アノード系は、図示を省略した水素タンク、遮断弁、減圧弁(レギュレータ)、エゼクタ及び希釈器を備えると共に、水素タンクから遮断弁、減圧弁及び配管a1を通って供給される水素を温める熱交換器21を備えている。なお、水素タンクから流出される水素は断熱膨張して低温になっており、これを温めるために熱交換器21が配置されている。
熱交換器21の熱源は、燃料電池スタック10を冷却するために使われる冷媒であって、燃料電池冷媒出口Q2から、配管c1,分岐合流管41、配管g1を介して供給される。熱交換器21で温められた水素が通る配管a2はアノード流路11の入口に接続されている。遮断弁がECUによって開かれると、水素タンクの水素が配管a1,a2を通ってアノード流路11に供給されるようになっている。
配管a3には、アノード流路11から排出された未反応の水素を含むアノードオフガス(燃料オフガス)を希釈する希釈器が設置されている。アノードオフガスは、配管a3から分岐して、配管a2に接続されたエゼクタに供給され、水素が循環するようになっている。
(カソード系)
カソード系は、コンプレッサ31と、入口封止弁32と、出口封止弁33と、EGRポンプ34と、を備えている。
コンプレッサ31は、内部の羽根車(図示せず)を回転させることで車外から空気を吸引・圧縮し、配管b1等を介してカソード流路12に供給する空気圧送用の圧縮機である。
入口封止弁32は、電磁作動式の開閉弁であり、上流側が配管b1を介してコンプレッサ31に接続され、下流側が配管b2を介してカソード流路12の入口に接続されている。
出口封止弁33は、電磁作動式の開閉弁であり、上流側が配管b3を介してカソード流路12の出口に接続され、下流側が配管b4に接続されている。
燃料電池車(燃料電池システム)の停止時に入口封止弁32及び出口封止弁33が閉弁されることで、カソード流路12が系外から締め切られる。
EGRポンプ34は、排気再循環(Exhaust Gas Recirculation)用のポンプである。このEGRポンプ34が駆動することで、カソード流路12から流出するカソードオフガスが、配管b3,b5,b6,b2を介してカソード流路12に戻される。
なお、アノード系の熱交換器21の熱源として使われた冷媒が配管g2を通って、カソード系の出口封止弁33及びEGRポンプ34の周囲の空気を熱交換により温めることで、これらのデバイスの凍結を防止している。
その他、配管b2を介して供給される低湿潤の空気と、配管b3を介して排出される高湿潤のカソードオフガスと、の間で水分交換するための加湿器(図示せず)が設置されている。また、カソード流路12を通流する空気の圧力(背圧)を制御する背圧弁(図示せず)が配管b4に設置されている。
<FC側冷媒系>
FC側冷媒系は、分岐合流管41と、温度センサ42と、第1ポンプ43と、ラジエータ44と、サーモスタット弁45と、第1タンク46と、第2タンク47と、イオン交換器48と、を備えている。
ここで、ラジエータ44は、冷媒の入口であるラジエータ冷媒入口Q3と、冷媒の出口であるラジエータ冷媒出口Q4と、を有している。そして、燃料電池冷媒出口Q2及びラジエータ冷媒入口Q3を接続し、燃料電池スタック10から排出される冷媒が通流する「第1冷媒流路」は、配管C1、分岐合流管41、配管C2を含んで構成される。また、ラジエータ冷媒出口Q4及び燃料電池冷媒入口Q1を接続し、ラジエータ44から排出される冷媒が通流する「第2冷媒流路」は、配管C3〜C6を含んで構成される。
分岐合流管41は、配管C1,C2を含む第1冷媒流路に設けられている。
分岐合流管41は、図3に示すように、入口ポートP1と、出口ポートP7と、廃熱回収側分岐ポートP2と、廃熱回収側合流ポートP3と、バイパス側出口ポートP4と、イオン交換器側入口ポートP5と、デバイス側出口ポートP6と、を備えている。なお、以下では、ポート名称を省略して単にポート番号だけを記載することがある。
以下では、まず、図1及び図3を参照して各ポートの接続先を説明し、次いで、分岐合流管41の構造について説明する。
入口ポートP1は、分岐合流管41にとって、燃料電池冷媒出口Q2からの冷媒の入口である。このポートP1は、配管C1を介して燃料電池冷媒出口Q2に接続される。
出口ポートP7は、ラジエータ冷媒入口Q3に向かう冷媒の出口である。このポートP7は、配管C2を介してラジエータ冷媒入口Q3に接続される。
廃熱回収側分岐ポートP2は、分岐合流管41から廃熱回収回路(配管d1)に向けて冷媒を分岐する分岐口である。このポートP2は、配管d1を介して第2ポンプ61に接続され、さらにヒータコア63に接続される。
廃熱回収側合流ポートP3は、分岐合流管41に廃熱回収回路(配管d3)からの冷媒を合流させる合流口である。このポートP3は、配管d3を介してヒータコア63に接続される。
バイパス側出口ポートP4は、廃熱回収側分岐ポートP2の下流において、分岐合流管41からバイパス配管e1(ラジエータバイパス流路)に向かう冷媒の出口である。このポートP4は、バイパス配管e1を介してサーモスタット弁45に接続される。
分岐合流管41は、このようにポートP4を備えるので、分岐合流管41よりも下流側にバイパス配管e1(ラジエータバイパス流路)に向かう冷媒を分岐するY字管等の他の配管を備える場合に比べて、分岐合流管41の出口ポートP7から前記Y字管等の他の配管までの冷媒流路を短縮できる。その結果、通流する冷媒量も少なくできるため、冷媒を早く循環させて燃料電池の温度を発電に適した温度に素早く昇温することができる。
イオン交換器側入口ポートP5は、イオン交換器48から分岐合流管41への冷媒の入口である。このポートP5は、配管f2を介してイオン交換器48に接続され、さらにイオン交換器48から配管f1を介して配管C6に接続される。
デバイス側出口ポートP6は、分岐合流管41からアノード系のデバイスやカソード系のデバイスを温める配管g1,g2に向かう冷媒の出口である。このポートP6は、配管g1を介してアノード系の熱交換器21に接続され、さらに、熱交換器21から配管g2を介してカソード系の出口封止弁33やEGRポンプ34を経由して第1タンク46に接続される。
図3に示すように、分岐合流管41は、本体部50と、傾斜部51と、を備えている。
本実施形態では、一例として、本体部50は燃料電池スタック10の前面10cに取り付けられている。なお、前面10cは、燃料電池スタック10の側面のうちの1つである。
本体部50は、燃料電池スタック10の前面10cに沿って延びた概略円筒形状であり、その一端面(右端面)に連続して、傾斜部51の左端面(基端面)が接続されており、本体部50の他端部(左端部)は出口ポートP7を構成している。
傾斜部51は、概略円筒形状であり、本体部50の一端面側(右側)から当該一端面(右端面)に近づくにつれて燃料電池スタック10の前面10cから離れるように斜めに延びている。傾斜部51の右端部(先端部)は入口ポートP1を構成している。これにより、入口ポートP1と燃料電池冷媒出口Q2とを接続する配管C1の形状を緩やかな曲げ形状にして冷媒をスムーズに流すことができる。
廃熱回収側分岐ポートP2と、廃熱回収側合流ポートP3とは、傾斜部51の側面から前方やや下向きに入口ポートP1の軸線(傾斜部51の軸線)に対して鋭角となる方向に向かって突出するように並設されている。これにより、モータルーム(車両の前側空間)における燃料電池スタック10とラジエータ44との間の限られた空間であっても、他のポートに接続されるホースの邪魔にならずに、ポートP2やポートP3に接続される配管となるホースが取り回しし易くなる。
廃熱回収側分岐ポートP2と、廃熱回収側合流ポートP3とは、傾斜部51の軸線方向(第1冷媒流路の通流方向)において近接している。これにより、ポートP2とポートP3との間では差圧がほとんど生じないので、2つのポートが離間して差圧が生じている場合に比べて、後記する廃熱回収回路に設けられる第2ポンプ61を制御し易くなる。一方、2つのポートが離間している場合、前記した差圧に基づく流量を考慮して調整しながら第2ポンプを駆動しなければならず、第2ポンプの制御が難しくなってしまう。
バイパス側出口ポートP4と、イオン交換器側入口ポートP5とは、本体部50の側面から前方に、円筒軸線に略直交する方向に向かって突出するように並設されている。
ポートP4,P5の軸線方向の向きは、ポートP2,P3の軸線方向の向きとは異なっているので、各ポートに対して、配管となるホースを接続する作業を行い易くなっている。なお、その他の各ポートの向きや配置高さを適宜ずらしてもよく、この場合、ホース組み付け作業性をさらに高めることができる。
デバイス側出口ポートP6は、本体部50の側面から、燃料電池スタック10の前面10cに寄せて左上方に向かって斜めに突出するように設けられている。なお、このポートP6の向きや配置は、アノード系の熱交換器21、カソード系の出口封止弁33及びEGRポンプ34を、燃料電池スタック10の左面側に配置する構造としたときに好適である。また、仮に、このポートP6を、本体部50の側面から前方に突出させる場合を想定すると、本体部50に余計な長さが必要となってしまうが、本実施形態によれば、そのような事態を回避し、この燃料電離システム全体の小型化を向上することができる。
本体部50の下方には、燃料電池スタック10の前面10cに、位置決めできるような角度及び形状の第1固定部52が設けられ、また、傾斜部51の上方には、同様に第2固定部53が設けられている。固定の際には、燃料電池スタック10の前面10cの所定位置に設けられた突起部に、例えば、第2固定部53の孔53bを位置合わせした上でボルト孔53aにボルトを差し込んで螺合する。また、図3では隠れているが第1固定部52も位置合わせ孔を備えており、同様に位置合わせをしてボルト孔52aにボルトを差し込んで螺合することで、燃料電池スタック10の前面10cに分岐合流管41が固定される。なお、第1固定部52を本体部50の上方に設け、かつ、第2固定部53を傾斜部51の上方に設けても構わない。
分岐合流管41には、温度センサ42を取り付けるためのセンサ取付部54が設けられている。温度センサ42は、分岐合流管41を通流する冷媒の温度を検出し、ECUに出力する機能を有している。なお、燃料電池冷媒出口Q2から流出する高温の冷媒の温度は、およそ80℃である。
センサ取付部54は、入口ポートP1の近傍において、傾斜部51の側面から上方に円筒軸線に略直交する方向に向かって突出するように設けられている。
センサ取付部54には、ボルト穴54aと、温度センサ42のセンサ部を案内するためのガイド穴54bとが形成されている。温度センサ42のセンサ部をガイド穴54bに挿入してボルト穴54aにボルトを差し込んで螺合することで分岐合流管41に温度センサ42が固定される。
分岐合流管41には、当該分岐合流管41に周囲の部材を固定するための固定突起部55が設けられている。固定突起部55は、本体部50の側面から下方に円筒軸線に略直交する方向に向かって突出するように設けられている。固定突起部55は、例えば、配管となるホースに用いられるホースバンドを固定するための固定用孔部55aを備えている。
ホースバンドは、分岐合流管41のポート等のホース取付部にホースを嵌入した後でホースの端部を固定したり、ホースをまとめたりするために用いられる。リング状のホースバンドの外周面のピン突起を固定用孔部55aに嵌合することで、分岐合流管41の周囲のホースのホースバンドを固定することができる。つまり、固定突起部55は、分岐合流管41に周囲のホースをまとめ、限られた空間にホースをコンパクトにまとめることでシステム全体の小型化を向上させ、また、固定点として機能することで組み立て性を向上させることができる。
分岐合流管41は、例えば、一般的な金属配管と同様の金属材料で構成される。そのほか、燃料電池冷媒出口Q2から流出する高温の冷媒のための耐熱性や強度に優れたエンジニアリング・プラスチック等で構成してもよい。なお、分岐合流管41と接続される各配管は、柔軟性及び耐熱性のある合成樹脂やゴム等で構成される。
図1に戻って燃料電池車Mの各部の説明を続ける。
第1ポンプ43は、第1冷媒流路(配管C1〜C2)及び第2冷媒流路(配管C3〜C6)に冷媒を循環させるポンプである。第1ポンプ43は、ECUからの指令に従って駆動し、燃料電池冷媒入口Q1に向けて冷媒を圧送する。第1ポンプ43は、その吸入側が配管C5、第1タンク46、配管C4を介してサーモスタット弁45に接続され、吐出側が配管C6を介して燃料電池冷媒入口Q1に接続されている。
ラジエータ44は、燃料電池冷媒出口Q2から、配管C1、分岐合流管41、配管C2を含む第1冷媒流路を介して流入する高温の冷媒と、流入する低温の外気と、を熱交換させることで冷媒の熱を放熱する熱交換器である。ラジエータ44は、ラジエータ冷媒入口Q3が第1冷媒流路に接続され、ラジエータ冷媒出口Q4が配管C3を介してサーモスタット弁45に接続されている。
サーモスタット弁45は、燃料電池スタック10の温度を調整する温度調整機構であり、冷媒の温度に応じてラジエータ44への冷媒の通流/迂回を切り替えるようになっている。
サーモスタット弁45は、冷媒が所定温度以上になった場合に膨張するワックス(図示せず)と、このワックスの膨張に伴って移動する弁体(図示せず)と、を有している。
サーモスタット弁45は、一方の入口ポートが配管C3を介してラジエータ冷媒出口Q4に接続され、他方の入口ポートがバイパス配管e1に接続されている。
また、サーモスタット弁45の出口ポートは、配管C4、第1タンク46、配管C5を介して第1ポンプ43の吸入口に接続されている。
サーモスタット弁45を通流する冷媒の温度が所定値以上である場合、前記したワックスが膨張して配管C3,C4,C5が連通し、バイパス配管e1を介した流路が遮断され、冷媒はラジエータ44に流入する。一方、サーモスタット弁45を通流する冷媒の温度が所定値未満である場合、ワックスは膨張しないため、バイパス配管e1と配管C4,C5とが連通し、配管C3を介した流路が遮断され、冷媒はラジエータ44をバイパスする。
なお、ラジエータ44への冷媒の通流/迂回を切り替える際の温度閾値(つまり、サーモスタット弁45のワックスが膨張するか否かの温度閾値)は、燃料電池スタック10の電極反応が適切に継続するように予め設定されている。
バイパス配管e1は、ラジエータ44をバイパスするように、その一端がサーモスタット弁45に接続され、他端が分岐合流管41に接続されている。
第1タンク46は、流入する冷媒を一時的に貯留するタンクであり、冷媒の圧力を調整するために、圧力開放弁が設けられている。第1タンク46内の圧力が設定以上に高まると、圧力開放弁が開くことで、ガスを逃がすことができる。第1タンク46には、冷媒が流入する配管として、配管C4、g2、h1がそれぞれ接続され、冷媒が流出する配管として、配管C5が接続されている。
第2タンク47は、循環している冷媒に追加し補うための冷媒を貯留するタンクである。第1タンク46からガスを抜いた分だけ、第2タンク47の冷媒が配管h1を介して第1タンク46に流入するようになっている。
イオン交換器48は、第1冷媒流路及び第2冷媒流路を循環する冷媒において燃料電池スタック10の液絡を防止するため、冷媒中のイオンを除去するものである。イオン交換器48は、円筒状のケース内にイオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂)が充填されている。イオン交換器48は、流入口が、配管f1を介して第2冷媒流路の配管C6に接続され、流出口が、配管f2を介して分岐合流管41のポートP5に接続されている。
イオン交換器48は、図4及び図5に示すように、上面視(平面視)で分岐合流管41の傾斜部51に重なるように配置されている。燃料電池スタック10の前面10c側において、分岐合流管41の傾斜部51の上方に生じる空間に、イオン交換器48を配置することでシステム全体を小型化し、燃料電池車Mのモータルーム内のデッドスペースを少なくしている。また、イオン交換器48を燃料電池スタック10の前面10cに固定し易いため、組み立て性を向上することができる。なお、イオン交換器48の側面は、図示しないブラケットを介して燃料電池スタック10の前面10cにボルトなどを介して固定されている。
図2に示すように燃料電池スタック10の前面10cから分岐合流管41の傾斜部51が斜め前方に突出し、図4に示すように、平面視で分岐合流管41の傾斜部51の上に重なるようにイオン交換器48が配置されている。また、図4及び図5に示すように、イオン交換器48の周囲には例えば配管C1,C3,C5,バイパス配管e1が配置され、イオン交換器48の前方には例えば配管g2,h1が配置されている。したがって、この燃料電池車Mの正面衝突時に、分岐合流管41の傾斜部51や分岐合流管41に接続されたこれら複数の配管によって衝撃荷重を吸収することでイオン交換器48を保護することができる。
また、燃料電池スタック10の前面10cにイオン交換器48だけを取り付ける場合と比べて、正面衝突時に衝撃緩衝のためにイオン交換器48の前方に要するクリアランスを短くできるので、システム全体を小型化することができる。
つまり、イオン交換器48の前側に配置されるラジエータ44、図示しないフロントグリルやバンパー等を車両の後ろ寄りに設置できる。その結果、車両の全長又はフロントノーズの長さを短縮することができる。
<電力消費系>
電力消費系は、燃料電池スタック10の発電電力やバッテリ(図示せず)の充放電を制御するVCU(Voltage Control Unit)や走行モータ(図示せず)を備えている。
<空調側冷媒系>
空調側冷媒系は、第2ポンプ61と、冷媒加熱用ヒータ62と、ヒータコア63と、を備えている。
第2ポンプ61は、ECUからの指令に従って駆動し、ヒータコア63に向けて冷媒を圧送するポンプである。第2ポンプ61は、吸入側が配管d1を介して分岐合流管41に接続され、吐出側が配管d2を介して冷媒加熱用ヒータ62に接続されている。
冷媒加熱用ヒータ62は、配管d2を介して流入する冷媒を、ECUからの指令に応じて加熱する電気ヒータである。配管d2の下流側は、ヒータコア63の流入口に接続されている。
ヒータコア63は、配管d2を介して流入する高温の冷媒と、エアミックスドア74によって案内されダクト71内を通流する空気と、を熱交換する熱交換器である。
ヒータコア63は、ダクト71内においてエボパレータ73よりも下流側に設置されている。ヒータコア63の流出口は、配管d3を介して分岐合流管41に接続されている。
また、配管C1、分岐合流管41、配管C2を含む第1冷媒流路から冷媒の一部を分岐し、廃熱回収機器を経由させ熱を回収した後、第1冷媒流路に合流させる「廃熱回収回路」は、配管d1〜d3を含んで構成される。この廃熱回収回路に設けられ、冷媒を圧送するのが前記した第2ポンプ61である。廃熱回収機器は、燃料電池スタック10の廃熱(余剰熱)を回収し、熱源として利用する機器である。ここでは、暖房運転を行う際の熱源として利用する。
(その他機器)
図1に示すダクト71は、上流端が開口して車内外に連通し、下流端が開口して車室に連通するように設置される筒状部材である。ダクト71内には、上流側から順に、送風機72、エボパレータ73、エアミックスドア74、及びヒータコア63が設置されている。
送風機72は、車内外からの空気を吸入してダクト71内に送り込む機能を有し、ダクト71の上流端付近に設けられている。
エボパレータ73は、送風機72から送り込まれる空気を冷却するものであり、冷房運転時に蒸発器として機能する。
なお、図1では図示を省略したが、圧縮機(図示せず)、コンデンサ(凝縮器:図示せず)、膨張弁(図示せず)、及びエボパレータ73が配管(図示せず)を介して環状に順次接続されている。そして、前記した圧縮機を駆動し、膨張弁の開度を絞ることで、エボパレータ73に低温低圧の冷媒が流入する。
エアミックスドア74は、例えば回動式のドアにより構成され、ECUからの指令に従って回動軸Kを中心として回動する。これによって、ヒータコア63に流入する空気とヒータコア63を迂回する空気との流量比(つまり、車室に送り込まれる空気の温度)が調整される。なお、図1に示す回動式のエアミックスドア74に代えて、スライド式のエアミックスドアを用いてもよい。
<制御系>
ECU(Electric Control Unit)は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インタフェースなどの電子回路を備えて構成され、その内部に記憶したプログラムに従って各種機能を発揮する。
ECUは、IG(Ignition Switch:図示せず)から入力されるON/OFF信号、温度センサ42からの温度情報、空調スイッチ(図示せず)から入力されるON/OFF信号、操作者によって設定される設定温度等に応じて、各機器の駆動を制御する。すなわち、ECUは、自身に入力される各信号に応じて、アノード系の遮断弁(図示せず)と、カソード系のコンプレッサ31と、FC側冷媒系の第1ポンプ43と、空調側冷媒系の第2ポンプ61と、電力消費系のVCU、空調側冷媒系の冷媒加熱用ヒータ62、送風機72及びエアミックスドア74と、の動作を統括制御する。
なお、ECUは、空調制御用ECUと、燃料電池システム制御用ECUと、を別体で構成してもよいし、一体で構成してもよい。
<燃料電池車の動作>
IG(図示せず)からON信号が入力されると、ECUは、カソード系のコンプレッサ31を駆動すると共に、アノード系の遮断弁(図示せず)を開弁する。これによって、燃料電池スタック10のアノード流路11に水素が供給され、カソード流路12に酸素を含む空気が供給される。そうすると、膜/電極接合体において前記した電極反応が起こり、燃料電池スタック10が発熱する。
そして、ECUは燃料電池スタック10の温度等に基づいて、FC側冷媒系の第1ポンプ43の駆動が必要である場合にFC側冷媒系の第1ポンプ43を駆動する。通常、IG−ON時において燃料電池スタック10の温度は、発電に適した所定温度(例えば、65℃)よりも低くなっている。したがって、サーモスタット弁45は閉じた状態になっている。つまり、配管C3を介した流路が遮断され、バイパス配管e1を介した流路が連通している。
第1ポンプ43が駆動すると、燃料電池スタック10の燃料電池冷媒入口Q1から流出した比較的低温の冷媒は、ラジエータ44を迂回して配管C1、分岐合流管41、バイパス配管e1、配管C4,C5,C6を順次通流し、燃料電池冷媒出口Q2に流入する。
その後、燃料電池スタック10が発熱することによって冷媒温度が所定温度以上になると、サーモスタット弁45が開く。つまり、配管C3を介した流路が連通し、バイパス配管e1を介した流路が遮断される。なお、前記したサーモスタット弁45の開閉は、内部のワックスが冷媒温度に応じて体積変化することで行われる。
サーモスタット弁45が開状態になると、燃料電池冷媒出口Q2から流出した高温の冷媒は、配管C1、分岐合流管41、配管C2を含む第1冷媒流路を介してラジエータ冷媒入口Q3に流入する。熱交換によって放熱した冷媒は、ラジエータ冷媒出口Q4から流出し、配管C3〜C6を含む第2冷媒流路を介して燃料電池冷媒入口Q1に流入する。これによって、燃料電池スタック10を適温で維持できる。
空調側冷媒系における冷媒の循環については以下の通りである。
ECUは、空調スイッチ(図示せず)からON信号が入力されたとき、車室の温度を検出する温度センサ(図示せず)、車外の温度を検出する複数の温度センサ(図示せず)、操作者によって設定される設定温度等に基づいて、暖房運転を開始する必要があると判定した場合、目標温度を設定する。
そして、ECUは、空調側冷媒系の第2ポンプ61及び送風機72を駆動する。そうすると、燃料電池冷媒出口Q2から流出した高温の冷媒が、配管C1、分岐合流管41、及び配管d1〜d2を介して分流し、ヒータコア63に流入する。
なお、FC側冷媒系の第1ポンプ43も駆動しているため、ラジエータ44での熱交換も継続している。
また、ECUは、設定した目標温度等に基づいてエアミックスドア74の開度を調整する。その結果、送風機72によってダクト71内に送り込まれた空気のうち、エアミックスドア74の開度に応じた流量の空気がヒータコア63を通流する。
配管d1を介して分岐合流管41から流出した冷媒は、配管d2を介してヒータコア63に流入する。ヒータコア63を通流する高温の冷媒は、送風機72によって送風される空気に対して放熱する。
一方、ヒータコア63を通流する空気は冷媒から吸熱した後、ダクト71を介し車室に向けて送風される。また、ヒータコア63から流出した低温の冷媒は、配管d3を介して分岐合流管41に戻った後、燃料電池冷媒入口Q1に向けて圧送される。
また、ECUは、冷媒加熱用ヒータ62の下流側の冷媒の温度を検出する温度センサ(図示せず)で検出された温度に応じて、冷媒加熱用ヒータ62のON/OFFを切り替える。これによって、ヒータコア63に流入する冷媒の温度を、暖房運転に適した温度で維持できる。
<効果>
本実施形態によれば、FC側冷媒系において分岐合流管41を備えるので、分岐や合流のための余分な機器(例えば複数のY字管とそれらの間のホース)を追加する必要がない。したがって、燃料電池車Mに要するコストを低減できる。加えて、配管の部品点数や固定点を削減することができると共に、冷媒の主通流方向の長さを短縮することができる。これにより、システム全体の小型化及び組み立て性を向上することができる。
また、図3に示すように、分岐合流管41の廃熱回収側分岐ポートP2は、入口ポートP1に最も近い上流側に設定されているので、配管C1を介してポートP1に流入する冷媒を、高温のままポートP2から配管d1を介してヒータコア63(廃熱回収機器)に送ることができ、ヒータコア63において燃料電池スタック10の廃熱を高効率で回収できる。
また、図3に示すように、分岐合流管41の廃熱回収側分岐ポートP2と、廃熱回収側合流ポートP3とは、傾斜部51の軸線方向(第1冷媒流路の通流方向)において近接配置されているため、ポートP2とポートP3との間において差圧がほとんど生じない。したがって、2つのポートが離間して差圧が生じている場合に比べて、廃熱回収回路に設けられた第2ポンプ61を制御し易くなる。
≪変形例≫
以上、本発明に係る燃料電池車Mについて前記各実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、前記実施形態では、分岐合流管41が、燃料電池スタック10の前面10cに取り付けられる場合について説明したが、これに限らず、他の側面(後面、上面、下面)に取り付けてもよい。なお、ラジエータ44を燃料電池スタック10の前面10cに配置する場合、分岐合流管41をラジエータ44と燃料電池スタック10との間に配置するのがよいので、この場合は、分岐合流管41を前面10cに取り付けることが好ましい。
また、図1に示す形態では、熱交換器21と第1タンク46との間を1つの配管g2で接続する場合について説明したが、これに限らず、図4に示す形態のように、イオン交換器48を避けるように複数の配管をホースバンドで固定することで配管g2を構成してもよい。
また、図1に示す形態では、サーモスタット弁45の出力ポートと第1タンク46の流入口との間に配管C4を設ける場合について説明したが、これに限らず、サーモスタット弁45の出力ポートを第1タンク46の流入口に直接的に接続してもよい。
また、冷媒の通流方向を切り替える切替手段がサーモスタット弁45である場合について説明したが、これに限らない。すなわち、サーモスタット弁45に代えてソレノイド及び弁体を有する三方弁を用いてもよい。また、ヒータを内蔵した電動のサーモスタット弁を用い、燃料電池スタック10の温度が比較的低い場合でもヒータでワックスを加熱することで冷媒の通流方向を切替可能な構成にしてもよい。
また、冷媒の通流方向を切り替える切替手段として、2つの開閉弁を用いてもよい。例えば、図1に示すサーモスタット弁45に代えて、配管C3と、バイパス配管e1と、にそれぞれ開閉弁を設置してもよい。
また、前記各実施形態では、燃料ガス(反応ガス)として水素を用いる場合について説明したが、燃料ガスとして天然ガス等を用いてもよい。
M 燃料電池車
10 燃料電池スタック
41 分岐合流管
43 第1ポンプ
44 ラジエータ
50 本体部
51 傾斜部
61 第2ポンプ
63 ヒータコア
P1 入口ポート
P2 廃熱回収側分岐ポート
P3 廃熱回収側合流ポート
P4 バイパス側出口ポート
P5 イオン交換器側入口ポート
P6 デバイス側出口ポート
P7 出口ポート
Q1 燃料電池冷媒入口
Q2 燃料電池冷媒出口
Q3 ラジエータ冷媒入口
Q4 ラジエータ冷媒出口
C1,C2 配管(第1冷媒流路)
C3,C4,C5,C6 配管(第2冷媒流路)
d1,d2,d3 配管(廃熱回収回路)
e1 バイパス配管(バイパス流路)

Claims (6)

  1. 車両の前側空間に配置され、複数の単セルが積層されることで構成され、燃料電池冷媒入口及び燃料電池冷媒出口を有する燃料電池スタックと、
    ラジエータ冷媒入口及びラジエータ冷媒出口を有し、冷媒の熱を放熱するラジエータと、
    前記燃料電池冷媒出口及び前記ラジエータ冷媒入口を接続する第1冷媒流路と、
    前記ラジエータ冷媒出口及び前記燃料電池冷媒入口を接続する第2冷媒流路と、
    前記第1冷媒流路及び前記第2冷媒流路に冷媒を循環させる第1ポンプと、
    前記第1冷媒流路から冷媒の一部を分岐し、廃熱回収機器を経由させ熱を回収した後、前記第1冷媒流路に合流させる廃熱回収回路と、
    前記廃熱回収回路に設けられ、冷媒を圧送する第2ポンプと、
    前記第1冷媒流路に設けられた分岐合流管と、
    を備え、
    前記分岐合流管は、前記燃料電池冷媒出口からの冷媒の入口である入口ポートと、前記ラジエータ冷媒入口に向かう冷媒の出口である出口ポートと、前記廃熱回収回路に向けて冷媒を分岐する廃熱回収側分岐ポートと、前記廃熱回収回路からの冷媒を合流させる廃熱回収側合流ポートと、を備え、
    前記廃熱回収側分岐ポートと、前記廃熱回収側合流ポートとは、前記第1冷媒流路の通流方向において近接している
    ことを特徴とする燃料電池車。
  2. 下流側が前記第2冷媒流路に接続され、前記ラジエータをバイパスするラジエータバイパス流路を備え、
    前記分岐合流管は、前記廃熱回収側分岐ポートの下流において、前記ラジエータバイパス流路に向かう冷媒の出口となるバイパス側出口ポートを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車。
  3. 前記燃料電池冷媒出口は、前記燃料電池スタックの積層方向における一端面に形成され、
    前記分岐合流管は、
    前記燃料電池スタックの側面に取り付けられ、当該側面に沿って延びる本体部と、
    前記本体部の一端面側から当該一端面に近づくにつれて前記側面から離れるように斜めに延び、先端部が前記入口ポートを構成する傾斜部と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池車。
  4. 冷媒からイオンを除去するイオン交換器を備え、
    前記分岐合流管は、前記イオン交換器からの冷媒の入口となるイオン交換器側入口ポートを備え、
    前記イオン交換器は、前記傾斜部に重なるように配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池車。
  5. 前記燃料電池スタックの側面は前面であって、当該前面に前記分岐合流管が取り付けられ、
    前記イオン交換器は、前記分岐合流管の前記傾斜部の上に平面視で重なるように配置されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池車。
  6. 車両の前側空間に配置され、複数の単セルが積層されることで構成され、燃料電池冷媒入口及び燃料電池冷媒出口を有する燃料電池スタックと、
    ラジエータ冷媒入口及びラジエータ冷媒出口を有し、冷媒の熱を放熱するラジエータと、
    前記燃料電池冷媒出口及び前記ラジエータ冷媒入口を接続する第1冷媒流路と、
    前記ラジエータ冷媒出口及び前記燃料電池冷媒入口を接続する第2冷媒流路と、
    前記第1冷媒流路及び前記第2冷媒流路に冷媒を循環させる第1ポンプと、
    前記第1冷媒流路から冷媒の一部を分岐し、廃熱回収機器を経由させ熱を回収した後、前記第1冷媒流路に合流させる廃熱回収回路と、
    前記廃熱回収回路に設けられ、冷媒を圧送する第2ポンプと、
    を備える燃料電池車における前記第1冷媒流路に設けられる分岐合流管であって、
    前記燃料電池冷媒出口からの冷媒の入口である入口ポートと、前記ラジエータ冷媒入口に向かう冷媒の出口である出口ポートと、前記廃熱回収回路に向けて冷媒を分岐する廃熱回収側分岐ポートと、前記廃熱回収回路からの冷媒を合流させる廃熱回収側合流ポートと、を備え、
    前記廃熱回収側分岐ポートと、前記廃熱回収側合流ポートとは、前記第1冷媒流路の通流方向において近接している
    ことを特徴とする分岐合流管。
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