JP2017083387A - 高速炉および高速炉炉心 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉心が溶融燃料プール状態となっても炉心の反応度を即発臨界以下に抑制する。
【解決手段】実施形態によれば高速炉炉心は、内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部およびその上部に内側炉心燃料集合体炉心燃料部を有する複数の内側炉心燃料集合体と、複数の内側炉心燃料集合体の周囲を囲むように配されて外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部122とその上部に外側炉心燃料集合体炉心燃料部123を有する複数の外側炉心燃料集合体120と、内側炉心燃料集合体および外側炉心燃料集合体120の間に配された複数の制御棒集合体と、複数の径方向ブランケット燃料集合体を有する。外側炉心燃料集合体炉心燃料部123の上端は、内側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端より高さ方向に低い位置にあり、外側炉心燃料集合体120には、外側炉心燃料集合体炉心燃料部123の上部に隣接して外側炉心燃料集合体中間プレナム部124が形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、高速炉およびその炉心に関する。
図18は、従来の高速炉の炉心の例を示す立断面図である。高速炉の炉心は、図18に示すように、核分裂性物質を装荷した複数の内側炉心燃料集合体の炉心領域からなる内側炉心燃料部31と、複数の外側炉心燃料集合体の炉心領域からなる外側炉心燃料部32と、炉心燃料部30すなわち内側炉心燃料部31および外側炉心燃料部32内に配置される制御棒集合体(図示せず)と、外側炉心燃料部32の外周に配される複数のブランケット燃料集合体からなる径方向ブランケット部16と、この径方向ブランケット部16の外周に配される複数の中性子遮へい体からなる中性子遮へい部17とから構成されている。
内側炉心燃料集合体および外側炉心燃料集合体は、ラッパ管(図示せず)の内部に複数本の燃料要素を結束し、更にその燃料要素は被覆管の内部に劣化ウラン燃料からなる炉心の上部軸ブランケット部15を構成する部分と、下部軸ブランケット部13を構成する部分および両者の中間に配置される核分裂性物質と親物質の混合物である内側炉心燃料部31および外側炉心燃料部32を構成する部分が配置されている。
つまり、炉心燃料集合体は炉心の高さ方向上方から上部軸ブランケット部15、炉心燃料部30および下部軸ブランケット部13をそれぞれ構成する部分が順次配置された構造になっている。また、炉心燃料集合体から熱除去のための冷却材として主に液体金属ナトリウムが使用され、この冷却材はエントランスノズルから流入し燃料要素の間隙を流れハンドリングヘッドの流出孔から流出している。
このような高速炉において、万一、炉心燃料部の燃料の溶融が生じた場合の再臨界対策として、燃料集合体内の上部に中性子吸収体を配置しその下部に空間領域を設けて、燃料溶融が生じた場合は中性子吸収体が炉心燃料領域に排出される技術が知られている。
特開2009−85650号公報 特許第2839222号公報 特開平7−128469号公報
高速炉において、冷却材であるナトリウムは、通常、異常な温度上昇を生じることはない。しかしながら、熱除去能力を喪失する事象を想定すると、ナトリウムの温度が過度に上昇し、長時間後に燃料と構造材から構成される炉心燃料集合体は溶融する。
再臨界対策として知られている前述の技術では、燃料集合体内の構造が複雑になり、製造が困難であるという問題がある。
炉心の溶融後の挙動としては種々の形態が考えられるが、臨界性の点で最も厳しい状態、すなわち、最も臨界性が高くなるのは、炉心燃料部30の炉心燃料のみが溶融し、下部軸ブランケット部13の上部に円板上に溶融した状態である。この溶融状態を一般に溶融燃料プールと呼ぶ。
溶融燃料プールは、上下の厚さが大きくなるほど臨界性が高くなる。しかし、炉心燃料集合体の周囲に配置されるブランケット燃料集合体からなる径方向ブランケット部16は内部の径方向ブランケット燃料が低温で熱容量が大きいことから溶融せず、溶融燃料プールの径方向の広がりは炉心燃料部30の外周内に制限される。即ち、下部軸ブランケット部13の上面に制限される。
ところで、この時の臨界度が即発臨界を超過すると燃料は急激に出力上昇し、大きなエネルギを放出する。これはプラントの安全設計上好ましくない。しかしながら、高速炉では、下部軸ブランケット部13の上部に全ての炉心燃料が溶融した溶融燃料プールが生じた場合、たとえば20ドル($)程度の超臨界となり、即発臨界を越えてしまう可能性があるという課題がある。
炉心からの通常の出力発生時においては、炉心の反応度ρは遅発中性子割合β未満であり、外部からの制御が可能な状態である。一方、炉心の反応度ρが遅発中性子割合βを超えると核分裂反応が遅発中性子の寄与無しに核分裂直後に発生する即発中性子のみでも進行する状態となる。即発臨界とはこのような状態をいう。
本発明の実施形態は、上記の課題を解決するためになされたもので、炉心燃料部が溶融燃料プール状態となっても、炉心の反応度を即発臨界未満に抑制することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る高速炉炉心は、鉛直方向に延びて互いに並列に配されて下部に親物質を含む内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部を有し前記内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部の上部に隣接して核分裂性物質を含む内側炉心燃料集合体炉心燃料部を有する複数の内側炉心燃料集合体と、鉛直方向に延びて互いに並列に前記内側炉心燃料集合体の径方向外側に前記複数の内側炉心燃料集合体の周囲を囲むように配されて下部に親物質を含む外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部を有し前記外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部の上部に隣接して核分裂性物質を含む外側炉心燃料集合体炉心燃料部を有する複数の外側炉心燃料集合体と、鉛直方向に延びて互いに並列に前記内側炉心燃料集合体および前記外側炉心燃料集合体の間に互いに間隔を置いて配される複数の制御棒集合体と、鉛直方向に延びて互いに並列に前記複数の外側炉心燃料集合体の径方向外側に前記外側炉心燃料集合体の周囲を囲むように配されて親物質を含む複数の径方向ブランケット燃料集合体と、を備える高速炉炉心であって、前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端は、前記内側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端より低い高さ方向の位置にあり、前記外側炉心燃料集合体には、前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上部に隣接して外側炉心燃料集合体中間プレナム部が形成されている、ことを特徴とする。
また、本実施形態は、高速炉炉心と、前記高速炉炉心を原子炉冷却材に浸漬した状態で収納する原子炉容器と、前記原子炉容器を格納する原子炉格納容器と、を備えた高速炉であって、前記高速炉炉心は、鉛直方向に延びて互いに並列に配されて下部に親物質を含む内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部を有し前記内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部の上部に隣接して核分裂性物質を含む内側炉心燃料集合体炉心燃料部を有する複数の内側炉心燃料集合体と、鉛直方向に延びて互いに並列に前記内側炉心燃料集合体の径方向外側に前記複数の内側炉心燃料集合体の周囲を囲むように配されて下部に親物質を含む外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部を有し前記外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部の上部に隣接して核分裂性物質を含む外側炉心燃料集合体炉心燃料部を有する複数の外側炉心燃料集合体と、鉛直方向に延びて互いに並列に前記内側炉心燃料集合体および前記外側炉心燃料集合体の間に互いに間隔を置いて配される複数の制御棒集合体と、鉛直方向に延びて互いに並列に前記複数の外側炉心燃料集合体の径方向外側に前記外側炉心燃料集合体の周囲を囲むように配されて親物質を含む複数の径方向ブランケット燃料集合体と、を備え、前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端は、前記内側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端より低い高さ方向の位置にあり、前記外側炉心燃料集合体には、前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上部に隣接して外側炉心燃料集合体中間プレナム部が形成されている、ことを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、炉心燃料部が溶融燃料プール状態となっても、炉心の反応度を即発臨界未満に抑制することできる。
第1の実施形態に係る高速炉の構成を示す立断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の構成を示す平面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の内側炉心燃料集合体の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の内側炉心燃料集合体の燃料要素の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の外側炉心燃料集合体の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の外側炉心燃料集合体の燃料要素の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の構成を概念的に示す立断面図である。 第1の実施形態に係る高速炉炉心の溶融時の状態を概念的に示す立断面図である。 第2の実施形態に係る高速炉炉心の径方向ブランケット燃料集合体の構成を示す立断面図である。 第2の実施形態に係る高速炉炉心の径方向ブランケット燃料集合体の燃料要素の構成を示す立断面図である。 第3の実施形態に係る高速炉炉心の径方向ブランケット燃料集合体の構成を示す立断面図である。 第3の実施形態に係る高速炉炉心の径方向ブランケット燃料集合体の短尺燃料要素の構成を示す立断面図である。 第4の実施形態に係る高速炉炉心の構成を概念的に示す立断面図である。 第5の実施形態に係る高速炉炉心の構成を概念的に示す立断面図である。 第6の実施形態に係る高速炉炉心の構成を概念的に示す立断面図である。 第7の実施形態に係る高速炉炉心の構成を概念的に示す立断面図である。 第8の実施形態に係るラッパ管無し燃料集合体の構成を示す立断面図である。 従来の高速炉の炉心の例を示す概念的に示す立断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る高速炉および高速炉炉心について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る高速炉の構成を示す立断面図である。高速炉500は、高速炉炉心(以下、炉心という。)10、炉心10を支持する炉心支持構造物501、原子炉容器510、遮へいプラグ511、および原子炉格納容器530を有する。原子炉格納容器530は図示を省略しているが、原子炉容器510の周囲を覆い、原子炉容器510を密閉状態で格納している。
原子炉容器510は、炉心10および炉心支持構造物501を収納し、炉心10を冷却するたとえばナトリウムなどの原子炉冷却材を保持する。原子炉容器510は、底部を有する円筒状の容器であり、上部に開口が形成されている。
遮へいプラグ511は、原子炉容器510の上部の開口を塞ぐように、原子炉容器510の上方に設けられている。遮へいプラグ511は、原子炉容器510と相俟って密閉空間を形成する。密閉空間内の原子炉冷却材の上部の空間は、不活性ガスであるカバーガスで満たされている。
遮へいプラグ511は、炉心上部機構512を支持している。炉心上部機構512は、制御棒集合体130(図2)を駆動する制御棒駆動機構512aおよび炉心出口温度の測定系(図示せず)などを含み、それが支持されている遮へいプラグ511から下方に向けて原子炉容器510内の炉心10の上方であって炉心10の近傍にまで延びている。
原子炉容器510の胴部を貫通して、原子炉冷却材を原子炉容器510外から原子炉容器510内に導く入口配管521と、原子炉冷却材を原子炉容器510内から原子炉容器510外に導く出口配管522とが設けられている。原子炉容器510の胴部の入口配管521の貫通部、および原子炉容器510の胴部の出口配管522の貫通部はそれぞれシール性が確保され、リークタイトに形成されている。出口配管522と入口配管521の間には、図示しない1次主循環ポンプおよび中間熱交換器等が設けられ、原子炉冷却材を循環させ、炉心10で発生した熱を除去可能に構成されている。
図2は、第1の実施形態に係る高速炉の炉心の構成を示す平面図である。
炉心10の中央の領域には、複数の内側炉心燃料集合体110が鉛直方向に延びて互いに並列に配されている。内側炉心燃料集合体110は、下部に親物質を含む内側炉心燃料集合体下部ブランケット部112(図3)を有し、内側炉心燃料集合体下部ブランケット部112の上部に隣接して核分裂性物質を含む内側炉心燃料集合体炉心燃料部113(図3)を有する。
複数の内側炉心燃料集合体110全体の径方向外側には、この複数の内側炉心燃料集合体110の径方向の周囲を囲むように、複数の外側炉心燃料集合体120が、鉛直方向に延びて互いに並列に配されている。外側炉心燃料集合体120は、下部に親物質を含む外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部122(図5)を有し、外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部122の上部に隣接して核分裂性物質を含む外側炉心燃料集合体炉心燃料部123(図5)を有する。
複数の内側炉心燃料集合体110の領域および複数の外側炉心燃料集合体120の領域には、制御棒集合体130が、鉛直方向に延びて互いに並列にまた、互いに間隔を置いて配されている。制御棒集合体130は、制御棒駆動機構512a(図1)により上下に駆動され炉心の反応度を制御し、あるいは、緊急時には、炉心10内に落下して反応度の上昇を抑制し、かつ反応度を減少させる。
複数の外側炉心燃料集合体120の径方向外側には、複数の外側炉心燃料集合体120の径方向の周囲を囲むように複数の径方向ブランケット燃料集合体160が、鉛直方向に延びて互いに並列に配されている。径方向ブランケット燃料集合体160は、それぞれ、中性子を吸収することにより核分裂性物質に転換する親物質を含む。
また、複数の径方向ブランケット燃料集合体160の径方向外側には、複数の径方向ブランケット燃料集合体160の径方向の周囲を囲むように複数の中性子遮へい体170が、鉛直方向に延びて互いに並列に配されている。中性子遮へい体170は、中性子が炉心10から外部に漏えいする量を抑制するとともに、炉心10外方向に移動しようとする中性子を炉心10の内側に戻すことにより中性子経済を向上する方向に作用する。
図3は、第1の実施形態に係る高速炉の炉心の内側炉心燃料集合体の構成を示す断面図である。
内側炉心燃料集合体110は、鉛直上方に延びて互いに並列に配された複数の内側炉心燃料要素210と、これを収納するラッパ管117を有する。ラッパ管117の下方には冷却材がラッパ管117内に流入するための入口ノズル111が設けられている。また、ラッパ管117の上方には冷却材がラッパ管117から流出するための出口ノズル116が設けられている。また、内側炉心燃料要素210の上方でかつ出口ノズル116の下方には、内側炉心燃料集合体110より上方への中性子およびガンマ線などの放射線の影響を抑制するための遮へい部材118が設けられている。
内側炉心燃料要素210が配されている高さ方向の領域には、下方から上方に順次、内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部112、内側炉心燃料集合体炉心燃料部113、内側炉心燃料集合体上部ブランケット燃料部114、および内側炉心燃料集合体上部プレナム部115が形成されている。これは、次に説明する内側炉心燃料要素210の構成に対応している。
図4は、第1の実施形態に係る高速炉の炉心の内側炉心燃料集合体の燃料要素の構成を示す断面図である。
内側炉心燃料要素210は、内側炉心燃料要素下部ブランケット燃料211、内側炉心燃料要素炉心燃料212、内側炉心燃料要素上部ブランケット燃料213、およびこれらを密閉状態に収納する被覆管215を有する。
内側炉心燃料要素下部ブランケット燃料211、内側炉心燃料要素炉心燃料212、内側炉心燃料要素上部ブランケット燃料213は、それぞれ複数のペレット状で、下から順次、この順序で積層されている。なお、ペレット状に限定はされない。たとえば、内側炉心燃料要素下部ブランケット燃料211、内側炉心燃料要素炉心燃料212、内側炉心燃料要素上部ブランケット燃料213がそれぞれ、固体金属の棒状であってもよい。
内側炉心燃料要素下部ブランケット燃料211および内側炉心燃料要素上部ブランケット燃料213は、それぞれ、中性子を吸収して核分裂性物質を生成する親物質を含む。内側炉心燃料要素炉心燃料212は、たとえば、プルトニウム239などの核分裂性物質を10%ないし30%程度含む、すなわち10%ないし30%程度の富化度の燃料である。
燃焼が進むにつれて、核分裂生成物である希ガス等の蓄積に対しての被覆管215内の圧力が上昇する。このため、被覆管215内の上部は燃料が配されておらず、圧力上昇を抑制するための空間である内側炉心燃料要素ガスプレナム214が形成されている。この領域には、たとえばヘリウムガスが封入されている。
図5は、第1の実施形態に係る高速炉の炉心の外側炉心燃料集合体の構成を示す断面図である。
外側炉心燃料集合体120は、鉛直上方に延びて互いに並列に配された複数の外側炉心燃料要素220と、これを収納するラッパ管128を有する。ラッパ管128の下方には冷却材がラッパ管128内に流入するための入口ノズル121が設けられている。また、ラッパ管128の上方には冷却材がラッパ管128から流出するための出口ノズル127が設けられている。また、外側炉心燃料要素220の上方でかつ出口ノズル127の下方には、外側炉心燃料集合体120より上方への中性子およびガンマ線などの放射線の影響を抑制するための遮へい部材129が設けられている。
外側炉心燃料要素220が配されている高さ方向の領域には、下方から上方に順次、外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部122、外側炉心燃料集合体炉心燃料部123、外側炉心燃料集合体中間プレナム部124、外側炉心燃料集合体上部ブランケット燃料部125、外側炉心燃料集合体上部プレナム部126が形成されている。これは、次に説明する外側炉心燃料要素220の構成に対応している。
図6は、第1の実施形態に係る高速炉の炉心の外側炉心燃料集合体の燃料要素の構成を示す断面図である。
外側炉心燃料要素220は、外側炉心燃料要素下部ブランケット燃料221、外側炉心燃料要素炉心燃料222、外側炉心燃料要素上部ブランケット燃料224、およびこれらを密閉状態に収納する被覆管226を有する。
外側炉心燃料要素下部ブランケット燃料221、外側炉心燃料要素炉心燃料222、外側炉心燃料要素上部ブランケット燃料224は、下から順次、この順序で積層されている。それぞれ、ペレット状または固体金属の棒状である点は、内側炉心燃料要素210と同様である。
外側炉心燃料要素下部ブランケット燃料221および外側炉心燃料要素上部ブランケット燃料224は、それぞれ、親物質を含む。また、外側炉心燃料要素炉心燃料222は、たとえば、内側炉心燃料要素210と同様に10%ないし30%程度の富化度の燃料である。また、内側炉心燃料要素210と同様に被覆管226内の上部は燃料が配されておらず、外側炉心燃料要素ガスプレナム225が形成されている。
外側炉心燃料要素炉心燃料222と外側炉心燃料要素上部ブランケット燃料224の高さ方向の中間部分には、燃料等が設けられていない空間である外側炉心燃料要素中間プレナム223が形成されている。外側炉心燃料要素中間プレナム223の上端は、内側炉心燃料要素炉心燃料212の上端と高さ方向に同じ位置である。したがって、外側炉心燃料要素炉心燃料222の上端は、内側炉心燃料要素炉心燃料212の上端よりも高さ方向に低い位置となっている。
図7は、炉心の構成を概念的に示す立断面図である。
中央には、内側炉心燃料部11が配されている。内側炉心燃料部11は、各内側炉心燃料集合体110の内側炉心燃料集合体炉心燃料部113の領域の集合である。また、内側炉心燃料部11には、この領域に存在するラッパ管117などの構造材部分や、原子炉冷却材を含む。この点は、以下も同様である。
内側炉心燃料部11の下方には内側炉心燃料部11に隣接して内側下部軸ブランケット部13aが配されている。内側下部軸ブランケット部13aは、各内側炉心燃料集合体110の内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部112の領域の集合である。
内側炉心燃料部11の上方には内側炉心燃料部11に隣接して内側上部軸ブランケット部15aが配されている。内側上部軸ブランケット部15aは、各内側炉心燃料集合体110の内側炉心燃料集合体上部ブランケット燃料部114の領域の集合である。
内側炉心燃料部11の径方向の周囲には、外側炉心燃料部12が配されている。外側炉心燃料部12は、各外側炉心燃料集合体120の外側炉心燃料集合体炉心燃料部123の領域の集合である。
外側炉心燃料集合体炉心燃料部123は、外側炉心燃料要素炉心燃料222に対応する部分である。先に説明したように、外側炉心燃料要素炉心燃料222の上端は、内側炉心燃料要素炉心燃料212の上端よりも高さ方向に低い位置である。したがって、外側炉心燃料集合体炉心燃料部123の上端は、内側炉心燃料集合体炉心燃料部113の上端より、高さ方向に低い位置である。
この結果、外側炉心燃料部12の上端の高さは、内側炉心燃料部11の上端の高さより高さ方向に低い位置となっている。
外側炉心燃料部12の下方には外側炉心燃料部12に隣接して外側下部軸ブランケット部13bが配されている。外側下部軸ブランケット部13bは、各外側炉心燃料集合体120の外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部122の領域の集合である。
外側炉心燃料部12の上方には外側上部軸ブランケット部15bが配されている。外側上部軸ブランケット部15bは、各外側炉心燃料集合体120の外側炉心燃料集合体上部ブランケット燃料部125の領域の集合である。
外側炉心燃料部12と外側上部軸ブランケット部15bとの間には、中間プレナム部18が設けられている。中間プレナム部18は、各外側炉心燃料集合体120の外側炉心燃料集合体中間プレナム部124の領域の集合である。
以下、各実施形態を含め、内側炉心燃料部11と外側炉心燃料部12を炉心燃料部と総称する。内側下部軸ブランケット部13aと外側下部軸ブランケット部13bを下部軸ブランケット部13と総称する。また、内側上部軸ブランケット部15aと外側上部軸ブランケット部15bを上部軸ブランケット部15と総称することとする。
外側下部軸ブランケット部13b、外側炉心燃料部12、中間プレナム部18および外側上部軸ブランケット部15bの径方向の外側には、径方向ブランケット部16が配されている。また、径方向ブランケット部16の径方向の外側には中性子遮へい部17が配されている。
図8は、第1の実施形態に係る高速炉の炉心の溶融時の状態を概念的に示す立断面図である。炉心燃料部すなわち、内側炉心燃料部11と外側炉心燃料部12の燃料および構造部材が全て溶融して、溶融燃料プール19を形成している状態を示す。
プラント運転時において、下部軸ブランケット部13および径方向ブランケット部16の温度は低く、また、発熱量も炉心燃料部に比べて僅かである。したがって、何らかの事象が発生した場合に、冷却材の流量低下あるいは除熱源喪失等の事故に至り、炉心燃料が高温となって溶融する場合においても、下部軸ブランケット部13および径方向ブランケット部16は溶融せず、形状が維持されていると想定される。
したがって、溶融燃料プール19は、下部軸ブランケット部13の上部に形成され、径方向は、径方向ブランケット部16の内側に制限される。一般に溶融燃料プールは、内側炉心燃料部11および外側炉心燃料部12の燃料ペレットおよび構造部材が混合溶融して構成される。原子炉冷却材は密度が低く、また沸点が低いため、炉心外に排除される。
本実施形態における高速炉の炉心10では、内側炉心燃料部11の高さ方向の長さが外側炉心燃料部12の高さ方向の長さに比べ大きいため、炉心溶融のない状態においては、内側炉心燃料部11において特に中性子束が大きく反応度係数が大きい。
炉心燃料部全体が溶融した場合、従来のように内側炉心燃料部11の高さ方向の長さと外側炉心燃料部12の高さ方向の長さが同じ場合に比べて、本実施形態においては、溶融した内側炉心燃料部11の燃料は、外側炉心燃料部12の方向に、すなわち径方向にも広がることができる。この結果、ほぼ円板形状の溶融燃料プール19は、従来の炉心燃料部の形状に比べてさらに偏平化される。
このように、反応度係数が大きい内側炉心燃料部11から、中性子束が小さく反応度係数の小さい外側炉心燃料部12に溶融燃料が流れ広がって、平坦化することにより、負の反応度が挿入される。したがって、炉心燃料領域で原子炉冷却材の沸騰が生じ、正の冷却材ボイド反応度が印加された場合でも、臨界性を即発臨界未満の状態とすることができる。
[第2の実施形態]
図9は、第2の実施形態に係る高速炉の炉心の径方向ブランケット燃料集合体の構成を示す立断面図である。また、図10は、第2の実施形態に係る高速炉の炉心の径方向ブランケット燃料集合体の燃料要素の構成を示す立断面図である。本実施形態は第1の実施形態の変形である。本第2の実施形態においては、径方向ブランケット燃料集合体160の径方向ブランケット燃料要素260に特徴がある。
まず、図9を引用しながら径方向ブランケット燃料集合体160の構成を説明する。径方向ブランケット燃料集合体160は、鉛直上方に延びて互いに並列に配された複数の径方向ブランケット燃料要素260と、これを収納するラッパ管165を有する。
ラッパ管165の下部には、冷却材がラッパ管165内に流入するための入口ノズル161が設けられている。また、ラッパ管165の上方には冷却材がラッパ管165から流出するための出口ノズル164が設けられている。
径方向ブランケット燃料要素260が設けられている領域の上方には、空間である径方向ブランケット燃料集合体上部プレナム163が形成されている。径方向ブランケット燃料集合体上部プレナム163の上方でかつ出口ノズル164の下方には、径方向ブランケット燃料集合体160より上方への中性子およびガンマ線などの放射線の影響を抑制するための遮へい部材167が設けられている。
径方向ブランケット燃料要素260内には、後述するように径方向ブランケット燃料要素ブランケット燃料261が設けられているので、径方向ブランケット燃料集合体160内のこの高さの領域は、径方向ブランケット燃料集合体160においてブランケット燃料の領域として、径方向ブランケット燃料集合体ブランケット燃料部162を形成する。
また、径方向ブランケット燃料要素260内の下方部分には、後述するように径方向ブランケット燃料要素中間プレナム264が形成されているので、径方向ブランケット燃料集合体160内のこの高さの領域は、径方向ブランケット燃料集合体160においてブランケット燃料のない領域として、実質的に中性子を透過しやすい実質的に空間領域であるプレナム部、すなわち径方向ブランケット燃料集合体下部プレナム相当部166aを形成する。
次に、図10を引用しながら、径方向ブランケット燃料要素260について説明する。
径方向ブランケット燃料要素260は、径方向ブランケット燃料要素ブランケット燃料261、および径方向ブランケット燃料要素ブランケット燃料261を密閉状態に収納する被覆管263を有する。径方向ブランケット燃料要素ブランケット燃料261がペレット状または固体金属の棒状である点は、内側炉心燃料要素210と同様である。また、第1の実施形態における内側炉心燃料要素210や外側炉心燃料要素220と同様に、被覆管263内の径方向ブランケット燃料要素ブランケット燃料261の上方には、空間である径方向ブランケット燃料要素上部プレナム262が形成されている。
径方向ブランケット燃料要素ブランケット燃料261が設けられている領域の中間の高さ領域には、空間である径方向ブランケット燃料要素中間プレナム264が形成されている。
ここで、径方向ブランケット燃料要素中間プレナム264の上端の高さ方向の位置は、外側炉心燃料集合体120の外側炉心燃料集合体炉心燃料部123の下端の高さ方向の位置よりも高い位置となるように設定されている。すなわち、図7の場合の外側炉心燃料部12の径方向外側に、外側炉心燃料部12の高さ範囲の一部に対応する高さ方向の位置の領域に径方向ブランケット燃料要素中間プレナム264の領域が形成されている。
以上のように構成された本実施形態においては、第1の実施形態と同様に溶融燃料プール19が形成された場合、その径方向外側に径方向ブランケット燃料要素中間プレナム264の領域が存在するため、中性子が溶融燃料プール19から径方向に漏えいしやすくなり、負の反応度が大きく増加し、さらに、即発臨界への移行を抑制できる。
[第3の実施形態]
図11は、第3の実施形態に係る高速炉の炉心の径方向ブランケット燃料集合体の構成を示す立断面図である。本実施形態は第1の実施形態の変形であり、また第2の実施形態の変形でもある。
本第3の実施形態における径方向ブランケット燃料集合体160a内には、第2の実施形態の場合の径方向ブランケット燃料要素260よりも短尺の複数の径方向ブランケット短尺燃料要素260aを有する。径方向ブランケット短尺燃料要素260aは、その上端が、第2の実施形態の場合の径方向ブランケット燃料要素260の上端と同じ位置になるように配されている。
この結果、ラッパ管165内の径方向ブランケット短尺燃料要素260aが設けられている領域の下方には、空間である径方向ブランケット燃料集合体下部プレナム166が形成されている。
ここで、径方向ブランケット燃料集合体下部プレナム166の上端の高さ方向の位置が、外側炉心燃料集合体120の外側炉心燃料集合体炉心燃料部123の下端の高さ方向の位置よりも高い位置となるように設定されている。すなわち、図7の場合の外側炉心燃料部12の径方向外側に、外側炉心燃料部12の高さ範囲の一部に対応する高さ方向の位置に径方向ブランケット燃料集合体下部プレナム166が形成されている。径方向ブランケット燃料集合体下部プレナム166は、たとえばナトリウムなどの原子炉冷却材が充満した状態であるが、中性子の挙動という観点では、燃料材料あるいは構造材料とは異なり、中性子が漏洩しやすい領域である。
図12は、第3の実施形態に係る高速炉の炉心の径方向ブランケット燃料集合体の短尺燃料要素の構成を示す立断面図である。
径方向ブランケット短尺燃料要素260aは、径方向ブランケット燃料要素ブランケット燃料261、および径方向ブランケット燃料要素ブランケット燃料261を密閉状態に収納する被覆管263aを有する。被覆管263a内の径方向ブランケット燃料要素ブランケット燃料261の上方には、空間である径方向ブランケット燃料要素上部プレナム262が形成されている。なお、第2の実施形態における径方向ブランケット燃料要素中間プレナム264のような空間は形成されていない。
径方向ブランケット短尺燃料要素260aは、第2の実施形態における径方向ブランケット燃料要素260に比べて長手方向(上下方向)の長さが短く、被覆管263aの長さも同様に、第2の実施形態における被覆管263の長さよりも短く形成されている。
以上のように構成された本実施形態においては、第2の実施形態と同様に、溶融燃料プール19が形成された場合、その径方向外側に径方向ブランケット燃料集合体下部プレナム166が存在するため、中性子が溶融燃料プール19から径方向に漏えいしやすくなり、負の反応度が大きく増加し、即発臨界への移行を抑制できる。
[第4の実施形態]
図13は、第4の実施形態に係る高速炉の炉心の構成を概念的に示す立断面図である。
本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本第4の実施形態においては、図13に示すように、第1の実施形態における上部軸ブランケット部15はなくなり、代わりに、上部プレナム部21が配されている。上部プレナム部21は、内側上部プレナム部21aおよび外側上部プレナム部21bで構成される。
すなわち、内側炉心燃料集合体が、第1の実施形態における内側炉心燃料集合体110のような内側炉心燃料集合体上部ブランケット燃料部114を有さず、空間部であるプレナム部を有する。なお、プレナム部は、内側炉心燃料集合体内に形成されていてもよいし、内側炉心燃料要素内に形成されていてもよい。
同様に、外側炉心燃料集合体が、第1の実施形態における外側炉心燃料集合体120のような外側炉心燃料集合体上部ブランケット燃料部125を有さず、空間部であるプレナム部を有する。なお、プレナム部は、同様に、外側炉心燃料集合体内に形成されていてもよいし、外側炉心燃料要素内に形成されていてもよい。
以上のように構成された本実施形態においては、燃料溶融プール19が形成された場合に、上部軸ブランケット部15がある場合よりも、中性子が上方に漏えいしやすくなり負の反応度が大きく増加する。
[第5の実施形態]
図14は、第5の実施形態に係る高速炉の炉心の構成を概念的に示す立断面図である。本第5の実施形態は第1の実施形態の変形である。本第5の実施形態における外側炉心燃料部12aは、第1の実施形態における外側炉心燃料部12に比べて、核分裂性物質の富化度が高くなっている。
外側炉心燃料部12aの高さ方向の長さは、内側炉心燃料部11の高さ方向の長さに比べて小さくなっている。これは、従来の炉心のように外側炉心燃料部の高さ方向の長さが内側炉心燃料部の高さ方向の長さに等しい場合に比べると、通常運転時の炉心全体の中性子束分布を、中央がより高くなる結果をもたらす。これは、炉心の出力の平坦化の観点からは、平坦化から外れる方向の影響である。
外側炉心燃料部12aでの富化度を増大させる、たとえば、内側炉心燃料部11での富化度よりも高くすることにより、径方向の出力分布をより平坦化できる。この結果、炉心の出力の増大、あるいは炉心サイズの低減を図ることができる。
[第6の実施形態]
図15は、第6の実施形態に係る高速炉の炉心の構成を概念的に示す立断面図である。本第6の実施形態は第1の実施形態の変形である。
本実施形態においては、外側炉心燃料部12bの下端が、内側炉心燃料部11の下端よりも高さ方向に低い位置にある。したがって、これらのそれぞれに高さ方向に隣接する、外側下部軸ブランケット部13cの上端は、内側下部軸ブランケット部13aの上端よりも高さ方向に低い位置にある。
以上のように構成された本実施形態においては、外側炉心燃料部12bの体積を第1の実施形態における外側炉心燃料部12よりも大きくできることから、外側炉心の出力を増大できる。この結果、径方向の出力分布の平坦化を図ることができる。
[第7の実施形態]
図16は、第7の実施形態に係る高速炉の炉心の構成を概念的に示す立断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態においては、内側炉心燃料部11と外側炉心燃料部12の径方向の中間に、中間炉心燃料部22が設けられている。
中間炉心燃料部22は、内側炉心燃料部11および外側炉心燃料部12と同様に、図示しない中間炉心燃料集合体が配され、その炉心燃料部に相当する領域である。中間炉心燃料集合体は、図示しない中間炉心燃料集合体炉心燃料部および中間炉心燃料集合体ブランケット燃料部を有する。中間炉心燃料部22の下端は、内側炉心燃料部11および外側炉心燃料部12と同様に、下部軸ブランケット部13の上端である。中間炉心燃料部22の上端は、内側炉心燃料部11の上端より低く、外側炉心燃料部12の上端より高い位置にある。
なお、炉心燃料の領域が、内側炉心燃料部11、中間炉心燃料部22および外側炉心燃料部12の3つの領域の場合の例を示したが、これに限定されず、4つ以上の領域で構成してもよい。
以上のように構成された本実施形態においては、燃料溶融時の負の反応度挿入の効果を第1の実施形態と同等に確保しながら、出力分布の径方向の変化を比較的小さくでき、径方向の出力分布の平坦化を図ることができる。
[第8の実施形態]
図17は、第8の実施形態に係るラッパ管無し燃料集合体の構成を示す立断面図である。本第8の実施形態は第1の実施形態の変形である。
本実施形態におけるラッパ管無し炉心燃料集合体150は、第1の実施形態における内側炉心燃料集合体110に設けられていたラッパ管117が設けられていない点が異なる。
また、図示していないが、外側炉心燃料集合体についても、同様に第1の実施形態における外側炉心燃料集合体120に設けられていたラッパ管128が設けられていない点が異なる。
なお、内側炉心燃料集合体か外側炉心燃料集合体の一方のみに適用してもよい。
以上のように構成された本実施形態においては、燃料溶融時に、ラッパ管の溶融の有無の影響を受けずに、溶融燃料は、外側炉心方向に流動することができる。この結果、溶融燃料プール19の表面が確実に平坦化し、負の反応度の挿入がより確実となる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
たとえば、実施形態では、図1に示すようにループ型と呼ばれる原子炉の場合を例にとって示しているが、本発明はループ型の原子炉に限定されない。たとえば、タンク型と呼ばれる原子炉の場合にも適用可能である。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…高速炉炉心、10a…燃料溶融後の炉心、11…内側炉心燃料部、12、12a、12b…外側炉心燃料部、13…下部軸ブランケット部、13a…内側下部軸ブランケット部、13b、13c…外側下部軸ブランケット部、15…上部軸ブランケット部、15a…内側上部軸ブランケット部、15b…外側上部ブランケット部、16…径方向ブランケット部、17…中性子遮へい部、18…中間プレナム、19…溶融燃料プール、21…上部プレナム部、21a…内側上部プレナム部、21b…外側上部プレナム部、22…中間炉心燃料部、30…炉心燃料部、31…内側炉心燃料部、32…外側炉心燃料部、110…内側炉心燃料集合体、111…入口ノズル、112…内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部、113…内側炉心燃料集合体炉心燃料部、114…内側炉心燃料集合体上部ブランケット燃料部、115…内側炉心燃料集合体上部プレナム部、116…出口ノズル、117…ラッパ管、118…遮へい部材、120…外側炉心燃料集合体、121…入口ノズル、122…外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部、123…外側炉心燃料集合体炉心燃料部、124…外側炉心燃料集合体中間プレナム部、125…外側炉心燃料集合体上部ブランケット燃料部、126…外側炉心燃料集合体上部プレナム部、127…出口ノズル、128…ラッパ管、129…遮へい部材、130…制御棒集合体、150…ラッパ管無し燃料集合体、160、160a…径方向ブランケット燃料集合体、161…入口ノズル、162…径方向ブランケット燃料集合体ブランケット燃料部、163…径方向ブランケット燃料集合体上部プレナム、164…出口ノズル、165…ラッパ管、166…径方向ブランケット燃料集合体下部プレナム、166a…径方向ブランケット燃料集合体下部プレナム相当部、167…遮へい部材、170…中性子遮へい体、210…内側炉心燃料要素、211…内側炉心燃料要素下部ブランケット燃料、212…内側炉心燃料要素炉心燃料、213…内側炉心燃料要素上部ブランケット燃料、214…内側炉心燃料要素ガスプレナム、215…被覆管、220…外側炉心燃料要素、221…外側炉心燃料要素下部ブランケット燃料、222…外側炉心燃料要素炉心燃料、223…外側炉心燃料要素中間プレナム、224…外側炉心燃料要素上部ブランケット燃料、225…外側炉心燃料要素ガスプレナム、226…被覆管、260…径方向ブランケット燃料要素、260a…径方向ブランケット短尺燃料要素、261…径方向ブランケット燃料要素ブランケット燃料、262…径方向ブランケット燃料要素上部プレナム、263、263a…被覆管、264…径方向ブランケット燃料要素中間プレナム、500…高速炉、501…炉心支持構造物、510…原子炉容器、511…遮へいプラグ、512…炉心上部機構、512a…制御棒駆動機構、521…入口配管、522…出口配管、530…原子炉格納容器

Claims (12)

  1. 鉛直方向に延びて互いに並列に配されて下部に親物質を含む内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部を有し前記内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部の上部に隣接して核分裂性物質を含む内側炉心燃料集合体炉心燃料部を有する複数の内側炉心燃料集合体と、
    鉛直方向に延びて互いに並列に前記内側炉心燃料集合体の径方向外側に前記複数の内側炉心燃料集合体の周囲を囲むように配されて下部に親物質を含む外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部を有し前記外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部の上部に隣接して核分裂性物質を含む外側炉心燃料集合体炉心燃料部を有する複数の外側炉心燃料集合体と、
    鉛直方向に延びて互いに並列に前記内側炉心燃料集合体および前記外側炉心燃料集合体の間に互いに間隔を置いて配される複数の制御棒集合体と、
    鉛直方向に延びて互いに並列に前記複数の外側炉心燃料集合体の径方向外側に前記外側炉心燃料集合体の周囲を囲むように配されて親物質を含む複数の径方向ブランケット燃料集合体と、
    を備える高速炉炉心であって、
    前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端は、前記内側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端より低い高さ方向の位置にあり、
    前記外側炉心燃料集合体には、前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上部に隣接して外側炉心燃料集合体中間プレナム部が形成されている、
    ことを特徴とする高速炉炉心。
  2. 前記内側炉心燃料集合体は、前記内側炉心燃料集合体炉心燃料部の上部に親物質を含む内側炉心燃料集合体上部ブランケット燃料部をさらに有し、
    前記外側炉心燃料集合体は、前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上部に親物質を含む外側炉心燃料集合体上部ブランケット燃料部をさらに有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の高速炉炉心。
  3. 前記内側炉心燃料集合体は、前記内側炉心燃料集合体炉心燃料部の上部に内側炉心燃料集合体上部プレナム部が形成され、
    前記外側炉心燃料集合体は、前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上部に外側炉心燃料集合体上部プレナム部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高速炉炉心。
  4. 鉛直方向に延びて互いに並列に前記複数の径方向ブランケット燃料集合体の径方向外側に前記複数の径方向ブランケット燃料集合体の周囲を囲むように配された複数の中性子遮へい体をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の高速炉炉心。
  5. 前記径方向ブランケット燃料集合体は、前記外側炉心燃料集合体中間プレナム部と高さ方向に重複する径方向ブランケット燃料集合体上部プレナム部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の高速炉炉心。
  6. 前記径方向ブランケット燃料集合体は、鉛直方向に延びて互いに並列に配された複数の径方向ブランケット燃料要素を有し、前記径方向ブランケット燃料要素のそれぞれは、前記外側炉心燃料集合体中間プレナム部と高さ方向に重複する径方向ブランケット燃料要素中間プレナムを有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の高速炉炉心。
  7. 前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の核分裂性物質の富化度は、前記内側炉心燃料集合体炉心燃料部の核分裂性物質の富化度よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の高速炉炉心。
  8. 前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の底部は、前記内側炉心燃料集合体炉心燃料部の底部より低い高さ方向の位置にあることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の高速炉炉心。
  9. 前記複数の内側炉心燃料集合体と前記外側炉心燃料集合体の径方向中間に、前記複数の内側炉心燃料集合体の周囲を囲むように環状に配されて下部に親物質を含む中間炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部を有し前記中間炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部の上部に隣接して核分裂性物質を含む中間炉心燃料集合体炉心燃料部を有する複数の中間炉心燃料集合体をさらに備え、
    前記中間炉心燃料集合体炉心燃料部の上端は、前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端より高く、かつ、前記内側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端より低い高さ方向の位置にあることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の高速炉炉心。
  10. 前記複数の中間炉心燃料集合体は、一方が他方を包囲するように配された複数種類の中間炉心燃料集合体を含み、他方を包囲される側の中間炉心燃料集合体の前記中間炉心燃料集合体炉心燃料部の上端は、前記包囲する側の中間炉心燃料集合体の前記中間炉心燃料集合体炉心燃料部の上端より高いことを特徴とする請求項9に記載の高速炉炉心。
  11. 前記内側炉心燃料集合体は、前記内側炉心燃料集合体炉心燃料部の径方向周囲を包囲するラッパ管をさらに有し、
    前記外側炉心燃料集合体は、前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の径方向周囲を包囲するラッパ管をさらに有する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の高速炉炉心。
  12. 高速炉炉心と、
    前記高速炉炉心を原子炉冷却材に浸漬した状態で収納する原子炉容器と、
    前記原子炉容器を格納する原子炉格納容器と、
    を備えた高速炉であって、
    前記高速炉炉心は、
    鉛直方向に延びて互いに並列に配されて下部に親物質を含む内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部を有し前記内側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部の上部に隣接して核分裂性物質を含む内側炉心燃料集合体炉心燃料部を有する複数の内側炉心燃料集合体と、
    鉛直方向に延びて互いに並列に前記内側炉心燃料集合体の径方向外側に前記複数の内側炉心燃料集合体の周囲を囲むように配されて下部に親物質を含む外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部を有し前記外側炉心燃料集合体下部ブランケット燃料部の上部に隣接して核分裂性物質を含む外側炉心燃料集合体炉心燃料部を有する複数の外側炉心燃料集合体と、
    鉛直方向に延びて互いに並列に前記内側炉心燃料集合体および前記外側炉心燃料集合体の間に互いに間隔を置いて配される複数の制御棒集合体と、
    鉛直方向に延びて互いに並列に前記複数の外側炉心燃料集合体の径方向外側に前記外側炉心燃料集合体の周囲を囲むように配されて親物質を含む複数の径方向ブランケット燃料集合体と、
    を備え、
    前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端は、前記内側炉心燃料集合体炉心燃料部の上端より低い高さ方向の位置にあり、
    前記外側炉心燃料集合体には、前記外側炉心燃料集合体炉心燃料部の上部に隣接して外側炉心燃料集合体中間プレナム部が形成されている、
    ことを特徴とする高速炉。
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