JP2017081990A - 化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)の電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。
たとえば現像液がアルカリ現像液(アルカリ現像プロセス)の場合、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と、酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用により樹脂成分のアルカリ現像液に対する溶解性が増大して、露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。そして、未露光部がパターンとして残るポジ型パターンが形成される。ここで、前記ベース樹脂は、酸の作用により樹脂の極性が高くなるものが用いられ、アルカリ現像液に対する溶解性が増大する一方で、有機溶剤に対する溶解性は低下する。アルカリ現像プロセスでなく、有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いたプロセス(以下、溶剤現像プロセス、またはネガ型現像プロセスということがある)を適用すると、露光部では、相対的に有機系現像液に対する溶解性が低下する。そのため、該溶剤現像プロセスにおいては、レジスト膜の未露光部が有機系現像液により溶解、除去されて、露光部がパターンとして残るネガ型のレジストパターンが形成される。たとえば特許文献1には、ネガ型現像プロセスおよびそれに使用するレジスト組成物が提案されている。
最近では、ベース樹脂として、イミド基を含む構成単位を有するものが提案されている(たとえば特許文献3参照)。かかるベース樹脂は、解像性、マスク再現性等の向上に寄与するとされている。
たとえばパターンの微細化が進むにつれ、レジスト材料にも、高感度化に加えて、解像性や、ラフネス(ラインパターンであればLWR(ラインワイズラフネス:ライン幅の不均一性)等、ホールパターンであれば真円性等)、露光余裕度等の種々のリソグラフィー特性のいっそうの向上が求められる。
加えて、リソグラフィー技術の進歩(微細化)に伴い、レジスト膜の薄膜化が進んでいるため、パターン部をマスクとしてエッチングを行う際のエッチング耐性の向上も必要となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、感度、解像性、リソグラフィー特性及びエッチング耐性に優れるレジスト組成物、該レジスト組成物用として有用な化合物、該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、下記一般式(1)’で表される化合物である。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、「ハロゲン化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。「フッ素化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。
「ヒドロキシアルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部が水酸基で置換された基である。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明のレジスト組成物は、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下「(A)成分」という。)、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」という。)を含有する。
かかるレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部では(B)成分から酸が発生し、該酸の作用により(A)成分の現像液に対する溶解性が変化する一方で、未露光部では(A)成分の現像液に対する溶解性が変化しないため、露光部と未露光部との間で現像液に対する溶解性の差が生じる。そのため該レジスト膜を現像すると、当該レジスト組成物がポジ型の場合は露光部が溶解除去されてポジ型のレジストパターンが形成され、当該レジスト組成物がネガ型の場合は未露光部が溶解除去されてネガ型のレジストパターンが形成される。
本明細書においては、露光部が溶解除去されてポジ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をポジ型レジスト組成物といい、未露光部が溶解除去されてネガ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をネガ型レジスト組成物という。
本発明のレジスト組成物は、ポジ型レジスト組成物であってもよく、ネガ型レジスト組成物であってもよい。
また、本発明のレジスト組成物は、レジストパターン形成時の現像処理にアルカリ現像液を用いるアルカリ現像プロセス用であってもよく、該現像処理に有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いる溶剤現像プロセス用であってもよい。
本発明のレジスト組成物に用いられる(A)成分は、前記一般式(a5−0)で表される構成単位(a5)を有する高分子化合物(A1)(以下「(A1)成分」ともいう。)を含む。
ここで「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
基材成分として用いられる有機化合物は、非重合体と重合体()とに大別される。
非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下、「低分子化合物」という場合は、分子量が500以上4000未満の非重合体を示す。
重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。以下、「高分子化合物」又は「樹脂」という場合は、分子量が1000以上の重合体を示す。
重合体の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
(A1)成分は、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大するものであってもよく、酸の作用により現像液に対する溶解性が減少するものであってもよい。
本発明のレジスト組成物が、アルカリ現像プロセスにおいてネガ型レジストパターンを形成する(または溶剤現像プロセスにおいてポジ型レジストパターンを形成する)レジスト組成物である場合、(A1)成分としては、好ましくは、アルカリ現像液に可溶性を示す高分子化合物(以下この高分子化合物を「(A1−2)成分」ともいう。)が用いられ、さらに、架橋剤成分が配合される。
(A1−2)成分は、通常、水酸基、カルボキシ基、アミノ基等のアルカリ可溶性基を有しており、架橋剤成分としては、メチロール基、アルコキシメチル基等の、酸の作用により該アルカリ可溶性基と反応し得る反応性基を有するものが用いられる。そのため、かかるレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部にて(B)成分から酸が発生し、該酸の作用により(A1−2)成分と架橋剤成分との間で架橋が起こり、(A1−2)成分のアルカリ可溶性基の減少およびそれに伴う極性の低下、分子量の増大等が生じ、その結果、アルカリ現像液に対する溶解性が減少(有機系現像液に対する溶解性が増大)する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性(有機系現像液に対して可溶性)へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性(有機系現像液に対して難溶性)のまま変化しないため、アルカリ現像液で現像することによりネガ型レジストパターンが形成できる。また、このとき現像液として有機系現像液を用いると、ポジ型のレジストパターンが形成できる。
架橋剤成分としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤、メラミン系架橋剤などを用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。架橋剤成分の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
なお、(A1−2)成分が自己架橋性を有する場合(たとえば(A1−2)成分が、酸の作用によりアルカリ可溶性基と反応し得る基を有する場合)は、必ずしも架橋剤成分は配合しなくてもよい。
つまり、アルカリ現像プロセスを適用する場合、(A1−1)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性から可溶性に変化する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することにより、露光部と未露光部との間でコントラストをつけることができ、ポジ型レジストパターンが形成できる。一方、溶剤現像プロセスを適用する場合、(A1−1)成分は、露光前は有機系現像液に対して溶解性が高く、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により極性が高くなって有機系現像液に対する溶解性が減少する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部は有機系現像液に対して可溶性から難溶性に変化する一方で、未露光部は可溶性のまま変化しないため、有機系現像液で現像することにより、露光部と未露光部との間でコントラストをつけることができ、ネガ型レジストパターンが形成できる。
(A1−1)成分は、構成単位(a5)及び構成単位(a1)に加えて、さらに、−SO2−含有環式基又はラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)を有するものが好ましい。
また、(A1−1)成分は、構成単位(a5)及び構成単位(a1)に加えて、又は、構成単位(a5)と構成単位(a1)と構成単位(a2)とに加えて、極性基を含む構成単位(a3)を有するものも好ましい。
構成単位(a5)は、下記一般式(a5−0)で表される構成単位である。
Rの炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
Rの炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基としては、上記の炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
前記式(a5−0)中、R1は、硫黄原子又は酸素原子であり、酸素原子が好ましい。
R2の2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の基または原子)で置換されていることを意味する。
該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH2−]、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−C(CH2CH3)2−CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜10が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;該芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。該芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基);前記芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香族炭化水素環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
前記R2の「ヘテロ原子を含む2価の連結基」におけるヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、−NH−C(=O)−、=N−、一般式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−、−C(=O)−O−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
R2が−NH−の場合、そのHはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
前記Y21及びY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記でR2における「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」として挙げたものと同様のものが挙げられる。
Y21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
Y22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CH2)a’−C(=O)−O−(CH2)b’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基、が好ましく、前記式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−、−C(=O)−O−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。
前記Yにおける芳香族炭化水素基は、前記R2についての説明の中で例示した芳香環(芳香族炭化水素環)から水素原子1つを除いた基;該芳香環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基)等が挙げられる。
前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
なかでも、Yにおける芳香族炭化水素基としては、芳香環(芳香族炭化水素環)から水素原子1つを除いた基が好ましく、フェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
該芳香族炭化水素基の炭素原子が置換基で置換されたものとしては、芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。該芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基の水素原子が置換基で置換される場合、この置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O);−NH2、−SO2−NH2等のアミノ基含有基などが挙げられる。
この置換基としてのアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
この置換基としてのアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
この置換基としてのハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子、臭素原子が好ましい。
この置換基としてのハロゲン化アルキル基は、前記「この置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環)から水素原子1つを除いた基、
脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、
脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基
などの1価の基が挙げられる。
なかでも、Yにおける多環式基を有する脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環)から水素原子1つを除いた基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基が好ましい。かかる場合の脂環式炭化水素基は、ポリシクロアルカンから水素原子1つを除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数が3〜20のものが好ましく、炭素数7〜12のものがより好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
該脂肪族炭化水素基の炭素原子が置換基で置換されたものとしては、多環式基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された複素環等が挙げられる。該複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該脂肪族炭化水素基の水素原子が置換基で置換される場合、この置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記式(a5−1)中、Yaは、前記式(a5−0)中のYにおける芳香族炭化水素基と同様である。Yaとしては、芳香環(芳香族炭化水素環)から水素原子1つを除いた基が好ましく、フェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
Yaにおける芳香族炭化水素基は、その水素原子が置換基で置換されていることが好ましく、その水素原子がハロゲン原子で置換されていることがより好ましい。このハロゲン原子は、フッ素原子、臭素原子であることが好ましい。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。
なかでも、前記の式(a5−1−1)〜(a5−1−5)でそれぞれ表される構成単位、及び式(a5−2−1)〜(a5−2−4)でそれぞれ表される構成単位からなる群から選択される少なくとも一種がより好ましい。
(A1−1)成分中、構成単位(a5)の割合は、該(A1−1)成分を構成する全構成単位に対して5〜95モル%であることが好ましく、5〜80モル%がより好ましく、10〜70モル%がさらに好ましく、10〜65モル%が特に好ましい。
構成単位(a5)の割合が下限値以上であることにより、感度、解像性、リソグラフィー特性の向上効果がより得られやすくなる。一方、上限値以下であることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
本発明において、構成単位(a1)は、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位である。
構成単位(a1)における「酸分解性基」は、酸の作用により、当該基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
酸の作用により極性が増大する酸分解性基としては、たとえば、酸の作用により分解して極性基を生じる基が挙げられる。
極性基としては、たとえばカルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SO3H)等が挙げられる。これらのなかでも、構造中に−OHを含有する極性基(以下「OH含有極性基」ということがある。)が好ましく、カルボキシ基または水酸基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。
酸分解性基としてより具体的には、前記極性基を酸解離性基で保護した基(たとえばOH含有極性基の水素原子を酸解離性基で保護した基など)が挙げられる。
「酸解離性基」は、酸の作用により、少なくとも、該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基である。酸分解性基を構成する酸解離性基は、該酸解離性基の解離により生成する極性基よりも極性の低い基であることが必要で、これにより、酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じて極性が増大する。その結果、(A1−1)成分全体の極性が増大する。極性が増大することにより、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大し、他方、現像液が有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)の場合には溶解性が減少する。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状又は環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状又は環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基が形成される。
前記鎖状又は環状のアルキル基は、置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性基」という。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性基としては、たとえば、−C(R71)(R72)(R73)で表される基が挙げられる。式中、R71〜R73は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。−C(R71)(R72)(R73)で表される基は、炭素数が4〜8であることが好ましく、具体的にはtert−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基などが挙げられる。特にtert−ブチル基が好ましい。
「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」における脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などの脂環式炭化水素基が挙げられる。また、これらの脂環式炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合して第3級炭素原子が形成されている基;
(ii)1価の脂肪族環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基などが挙げられる。
前記(i)の基において、脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に結合する置換基としては、たとえばアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、たとえば後述する式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様のものが挙げられる。
前記(i)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。
前記(ii)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
gは0〜3の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましい。
式(2−1)〜(2−6)中、R15〜R16のアルキル基としては、前記R14のアルキル基と同様のものが挙げられる。
上記式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子の一部は、エーテル性酸素原子(−O−)で置換されていてもよい。
また、式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子に結合した水素原子は、置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素化アルキル基が挙げられる。
アセタール型酸解離性基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
R1’,R2’のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Y’の脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが例示できる。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましく、エチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式(p2)においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であって、R19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17と、R19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
なかでも、ラフネス改善(ラインワイズラフネス、ラインエッジラフネスの低減)の点では構成単位(a11)が好ましく、露光光の吸収制御の点では構成単位(a12)又は構成単位(a13)が好ましい。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH2=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸、アクリル酸エステルをそれぞれα置換アクリル酸、α置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸とα置換アクリル酸とを包括して「(α置換)アクリル酸」、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
α置換アクリル酸エステルにおいて、「α位の置換基としてのアルキル基」は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
α置換アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
ヒドロキシスチレンは、ベンゼン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ベンゼン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ベンゼン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。水酸基の数が1つである場合は、ビニル基の結合位置のパラ4位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
「ビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位」とは、ビニル(ヒドロキシナフタレン)のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
ビニル(ヒドロキシナフタレン)は、ナフタレン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ビニル基は、ナフタレン環の1位に結合していてもよく、2位に結合していてもよい。ナフタレン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ナフタレン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。ナフタレン環の1位または2位にビニル基が結合している場合、ナフタレン環の5〜8位のいずれかが好ましい。特に、水酸基の数が1つである場合は、ナフタレン環の5〜7位のいずれかが好ましく、5または6位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
構成単位(a11)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸分解性基を含む構成単位である。
構成単位(a11)としては、たとえば、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位等が挙げられる。
Rの炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基としては、上記の炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
X2は、式(a1−0−1)中のX1と同様である。
かかるY2の2価の連結基としては、前記式(a5−0)におけるR2の2価の連結基と同様のものが挙げられる。
そのなかでも、Y2としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、前記式−Y21−O−Y22−で表される基、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基、または前記式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がさらに好ましい。
R1’、R2’、n、Y’としては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR1’、R2’、n、Y’と同様のものが挙げられる。
Y2は、上述の一般式(a1−0−2)におけるY2と同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
下記の一般式(a1−0−11)〜(a1−0−15)、(a1−2)でそれぞれ表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましく、
下記一般式(a1−0−11)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−12)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−15)で表される構成単位および下記一般式(a1−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することがより好ましい。
式(a1−0−11)中、R21のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基、エチル基またはイソプロピル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
R22が、当該R22が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族単環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、単環式基であるものと同様のものが挙げられる。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。該モノシクロアルカンは、3〜11員環であることが好ましく、3〜8員環であることがより好ましく、4〜6員環がさらに好ましく、5または6員環が特に好ましい。
該モノシクロアルカンは、環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されていてもよいし、されていなくてもよい。
また、該モノシクロアルカンは、置換基として、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基を有していてもよい。
かかる脂肪族単環式基を構成するR22としては、たとえば、炭素原子間にエーテル基(−O−)が介在してもよい直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
各式中、hは、1または2が好ましい。
R24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、多環式基であるものと同様のものが挙げられる。
式(a1−0−12)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−1−26)、(a1−1−28)〜(a1−1−30)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−12)で表される構成単位としては、R24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−26)で表される構成単位が好ましい。
R25の直鎖状のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基で挙げた直鎖状のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が最も好ましい。
式(a1−0−13)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−1)〜(a1−1−3)、(a1−1−7)〜(a1−1−15)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−13)で表される構成単位としては、R24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−1)、(a1−1−2)または(a1−1−9)で表される構成単位が好ましい。
式(a1−0−14)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−35)、(a1−1−36)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−15)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−4)〜(a1−1−6)、(a1−1−34)で表される構成単位が挙げられる。
R1’,R2’のうち少なくとも1つは、水素原子であることが好ましく、いずれも水素原子であることが特に好ましい。
nは、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
Y’は、脂肪族環式基が好ましく、上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが例示でき、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基がより好ましい。
式(a1−2)で表される構成単位として具体的には、式(a1−2−6)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−2)で表される構成単位としては、特に、式中のY2が前記式−Y21−O−Y22−で表される基、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基、または前記式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基であるものが好ましい。
かかる構成単位として、好ましいものとしては、下記一般式(a1−3−01)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−02)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−03)で表される構成単位などが挙げられる。
R14は、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様である。
yは、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が最も好ましい。
n’は、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
式(a1−3−01)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−25)〜(a1−3−26)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a1−3−02)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−27)〜(a1−3−28)で表される構成単位等が挙げられる。
Y2’としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
Y2”としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
X’における酸解離性基は、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性基であることが好ましく、上述した(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に置換基が結合して第3級炭素原子が形成されている基がより好ましく、中でも、前記一般式(1−1)で表される基が好ましい。
wは0〜3の整数であり、wは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
式(a1−3−03)で表される構成単位としては、下記一般式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位が好ましく、中でも、式(a1−3−03−1)で表される構成単位が好ましい。
b’は、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
tは1〜3の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−29)〜(a1−3−32)で表される構成単位が挙げられる。
構成単位(a12)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基の水素原子が酸解離性基または酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位である。
水酸基の水素原子を置換する酸解離性基としては、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性基またはアセタール型酸解離性基が好ましく、アセタール型酸解離性基がより好ましい。
酸解離性基を含む置換基としては、酸解離性基と2価の連結基とから構成される基が挙げられる。2価の連結基としては、前記式(a1−0−2)中のY2における2価の連結基と同様のものが挙げられ、特に、酸解離性基側の末端構造がカルボニルオキシ基である基が好ましい。この場合、該カルボニルオキシ基の酸素原子(−O−)に酸解離性基が結合していることが好ましい。
酸解離性基を含む置換基としては、R11’−O−C(=O)−で表される基、R11’−O−C(=O)−R12’−で表される基が好ましい。式中、R11’は酸解離性基であり、R12’は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。
R11’における酸解離性基は、第3級アルキルエステル型酸解離性基またはアセタール型酸解離性基が好ましく、第3級アルキルエステル型酸解離性基がより好ましい。該第3級アルキルエステル型酸解離性基の好ましい例として、前述した−C(R71)(R72)(R73)で表される脂肪族分岐鎖状酸解離性基、式(1−1)〜(1−9)で表される基、式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
R12’におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。R12’としては、直鎖状のアルキレン基が好ましい。
構成単位(a13)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位の水酸基の水素原子が酸解離性基または酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位である。
構成単位(a13)において、水酸基の水素原子を置換する酸解離性基、酸解離性基を含む置換基としては、それぞれ、前記構成単位(a12)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
(A1−1)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A1−1)成分を構成する全構成単位に対して15〜70モル%が好ましく、15〜60モル%がより好ましく、20〜55モル%がさらに好ましい。
構成単位(a1)の割合を下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、感度、解像性、パターン形状等のリソグラフィー特性も向上する。また、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
本発明において、構成単位(a2)は、−SO2−含有環式基又はラクトン含有環式基を含む構成単位である。
構成単位(a2)の−SO2−含有環式基又はラクトン含有環式基は、(A1−1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高める上で有効なものである。
なお、前記構成単位(a5)又は(a1)がその構造中に−SO2−含有環式基又はラクトン含有環式基を含むものである場合、該構成単位は構成単位(a2)にも該当するが、このような構成単位は構成単位(a5)又は(a1)に該当し、構成単位(a2)には該当しないものとする。
−SO2−含有環式基は、特に、その環骨格中に−O−SO2−を含む環式基、すなわち−O−SO2−中の−O−S−が環骨格の一部を形成するサルトン(sultone)環を含有する環式基であることが好ましい。
−SO2−含有環式基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、4〜15であることがさらに好ましく、4〜12であることが特に好ましい。ただし、該炭素数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素数を含まないものとする。
−SO2−含有環式基は、−SO2−含有脂肪族環式基であってもよく、−SO2−含有芳香族環式基であってもよい。好ましくは−SO2−含有脂肪族環式基である。
−SO2−含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が−SO2−または−O−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する−CH2−が−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する−CH2−CH2−が−O−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。
該脂環式炭化水素環は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
該脂環式炭化水素環は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素環としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
該置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記−COOR”、−OC(=O)R”におけるR”は、いずれも、水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基である。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
−SO2−含有環式基として、より具体的には、下記一般式(3−1)〜(3−4)で表される基が挙げられる。
A’における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
該アルキレン基が酸素原子または硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−CH2−、−CH2−O−CH2−、−S−CH2−、−CH2−S−CH2−等が挙げられる。
A’としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0〜2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。
zが2である場合、複数のR27は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
R27におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO2−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
構成単位(a2)におけるラクトン含有環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2S)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−0)で表される構成単位が挙げられる。
R26は、−O−又は−NH−である。
R28は、前記で挙げた−SO2−含有環式基と同様である。
R29は、単結合、2価の連結基のいずれであってもよい。本発明の効果に優れることから、2価の連結基であることが好ましい。
R29における2価の連結基としては、特に限定されず、たとえば、前記式(a5−0)におけるR2における2価の連結基と同様のものが挙げられる。それらの中でも、アルキレン基、またはエステル結合(−C(=O)−O−)を含むものが好ましい。
該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、前記式(a5−0)におけるR2における脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、一般式:−R30−C(=O)−O−[式中、R30は2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(a2S)は、下記一般式(a2−0−1)で表される構成単位であることが好ましい。
R30の2価の連結基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基またはエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基またはアルキルエチレン基が好ましく、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−または−C(CH3)2CH2−が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合またはエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前述した、−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−がより好ましい。Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、m’は0〜3の整数である。なかでも、−Y21−O−C(=O)−Y22−が好ましく、−(CH2)c−O−C(=O)−(CH2)d−で表される基が特に好ましい。cは1〜5の整数であり、1または2が好ましい。dは1〜5の整数であり、1または2が好ましい。
R30としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、または酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。R30における直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記で挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
式(a2−0−12)で表される構成単位としては、特に、下記一般式(a2−0−12a)または(a2−0−12b)で表される構成単位が好ましい。
構成単位(a2L)の例としては、たとえば前記一般式(a2−0)中のR28をラクトン含有環式基で置換したものが挙げられ、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
R’におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO2−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”としては、前記一般式(3−1)中のA’と同様のものが挙げられる。A”は、炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基またはジメチルメチレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
R29は、前記一般式(a2−0)中のR29と同様である。
式(a2−1)中、s”は1〜2であることが好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
なかでも、前記式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−2−12)、(a2−2−13)、(a2−2−15)、(a2−3−1)及び(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
(A1−1)成分中、構成単位(a2)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位に対して1〜80モル%であることが好ましく、10〜70モル%であることがより好ましく、10〜65モル%であることがさらに好ましく、10〜60モル%が特に好ましい。
構成単位(a2)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができ、種々のリソグラフィー特性及びパターン形状が良好となる。
本発明において、構成単位(a3)は、極性基を含む構成単位である。
(A1−1)成分が構成単位(a3)を有することにより、露光後の(A1−1)成分の極性がさらに向上する。ベース樹脂となる(A1−1)成分の極性の向上は、特にアルカリ現像プロセスの場合に、解像性等の向上に寄与する。
極性基としては、−OH、−COOH、−CN、−SO2NH2、−CONH2等が挙げられる。−COOHを含むものとしては、(α置換)アクリル酸の構成単位も含む。
構成単位(a3)は、水素原子の一部が極性基で置換された炭化水素基を含む構成単位であることが好ましい。当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。なかでも、当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基あることがより好ましい。
当該炭化水素基における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)が挙げられる。
該脂肪族環式基(単環式基、多環式基)としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該脂肪族環式基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基等が挙げられる。
芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基やヘテロアリールアルキル基)における芳香環から水素原子をさらに1つ除いた基等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子を置換するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a3−1)中、P0は、−C(=O)−O−、−C(=O)−NR0−(R0は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)又は単結合である。R0のアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
「置換基を有する炭化水素基」とは、炭化水素基に結合した水素原子の少なくとも一部が置換基で置換されていることを意味する。
W0における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
W0における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)が好適に挙げられ、これらの説明は上記と同様である。
W0における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基であり、この説明は上記と同様である。
また、W0における炭化水素基は、該炭化水素基に結合した水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。このハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
以下に、一例として任意の位置に酸素原子(O)を有するW0について例示する。
Rmは、直鎖状、分岐鎖状であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基であることがより好ましい。
(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位としては、前記式(a3−1)中のP0が単結合であり、W0が−COOHである構成単位が挙げられる。
前記式(a3−11)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
W01における芳香族炭化水素基は、前記式(a3−1)中のW0における芳香族炭化水素基の説明と同様である。
以下に、一般式(a3−11)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
前記式(a3−12)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
P02は、−C(=O)−O−又は−C(=O)−NR0−(R0は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)であり、−C(=O)−O−であることが好ましい。R0のアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
W02における環状の炭化水素基は、前記式(a3−1)中のW0についての説明の中で例示した脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、芳香族炭化水素基とそれぞれ同様のものが挙げられる。
W02は、任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよく、この説明は前記式(a3−1)中のW0の説明と同様である。
以下に、一般式(a3−12)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
前記式(a3−13)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
P03は、−C(=O)−O−又は−C(=O)−NR0−(R0は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)であり、−C(=O)−O−であることが好ましい。R0のアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
W03における鎖状の炭化水素基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがより好ましく、炭素数1〜3であることがさらに好ましい。
W03における鎖状の炭化水素基は、−OH、−COOH、−CN、−SO2NH2及び−CONH2以外の置換基(a)をさらに有していてもよい。この置換基(a)としては、炭素数1〜5のアルキル基、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基等が挙げられる。置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
また、W03における鎖状の炭化水素基は、一例として下記一般式(a3−13−a)で表される構成単位のように、複数の置換基(a)を有してもよく、複数の置換基(a)同士が相互に結合して環が形成されてもよい。
Ra1及びRa2における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)は、前記置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)と同様である。
また、Ra1とRa2とは、相互に結合して環を形成してもよい。この場合、Ra1と、Ra2と、Ra1とRa2とが共に結合した炭素原子とにより環式基が形成される。該環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよく、具体的には、前記置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)についての説明の中で例示したモノシクロアルカン又はポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
q0は1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
(A1−1)成分中、構成単位(a3)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位に対して5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
構成単位(a3)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a3)を含有させることによる効果(解像性、リソグラフィー特性、パターン形状の向上効果)が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
(A1−1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、用途に応じ、上記の構成単位(a5)、(a1)〜(a3)以外のその他の構成単位を有してもよい。
かかるその他の構成単位は、上述の構成単位に分類されない構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
かかるその他の構成単位としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族多環式基を含む構成単位(a4)等が挙げられる。
構成単位(a4)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族多環式基を含む構成単位である。(A1−1)成分が構成単位(a4)を有することにより、リソグラフィー特性、エッチング耐性が向上する。
構成単位(a4)において、該多環式基は、たとえば、前記の構成単位(a1)の場合に例示した多環式基と同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特に、トリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)で表される構造のものを例示することができる。
かかる構成単位(a4)を(A1−1)成分に含有させる際には、該(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、構成単位(a4)を1〜30モル%含有させることが好ましく、10〜20モル%含有させることがより好ましい。
構成単位(a4)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a4)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
かかる(A1−1)成分として具体的には、構成単位(a5)と構成単位(a1)との繰返し構造からなる高分子化合物、構成単位(a5)と構成単位(a1)と構成単位(a2)との繰返し構造からなる高分子化合物、構成単位(a5)と構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)との繰返し構造からなる高分子化合物等が例示できる。
かかる(A1−1)成分として、より具体的には、一般式(a5−2)で表される構成単位と一般式(a1−0−12)で表される構成単位と一般式(a2−1)で表される構成単位との繰返し構造からなる高分子化合物、一般式(a5−2)で表される構成単位と一般式(a1−0−11)で表される構成単位と一般式(a2−1)で表される構成単位との繰返し構造からなる高分子化合物、一般式(a5−2)で表される構成単位とと一般式(a1−2)で表される構成単位と一般式(a2−1)で表される構成単位との繰返し構造からなる高分子化合物、一般式(a5−2)で表される構成単位と一般式(a1−0−12)で表される構成単位と一般式(a2−0−12)で表される構成単位との繰返し構造からなる高分子化合物、一般式(a5−2)で表される構成単位と一般式(a1−0−15)で表される構成単位と一般式(a2−0−12)で表される構成単位との繰返し構造からなる高分子化合物、一般式(a5−2)で表される構成単位と一般式(a1−0−12)で表される構成単位と一般式(a1−0−11)で表される構成単位と一般式(a2−1)で表される構成単位と一般式(a2−0−12)で表される構成単位との繰返し構造からなる高分子化合物、一般式(a5−2)で表される構成単位と一般式(a1−0−12)で表される構成単位と一般式(a2−0−12)で表される構成単位と一般式(a3−12)で表される構成単位との繰返し構造からなる高分子化合物、一般式(a5−1)で表される構成単位と一般式(a1−0−12)で表される構成単位と一般式(a2−1)で表される構成単位との繰返し構造からなる高分子化合物、一般式(a5−2)で表される構成単位と一般式(a1−0−12)で表される構成単位との繰返し構造からなる高分子化合物が好適なものとして挙げられる。
分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
また、(A1−1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
各構成単位を誘導するモノマーは、市販のものを用いてもよく、公知の方法を利用して合成してもよい。
(A)成分中の(A1)成分の割合は、(A)成分の総質量に対し、50質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
該割合が50質量%以上であれば、感度、解像性、リソグラフィー特性の向上効果がより得られやすくなる。
(B)成分は、酸発生剤成分であり、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤としては、例えば下記一般式(b−1)又は(b−2)で表される化合物を用いることができる。
また、リソグラフィー特性とレジストパターン形状がより向上することから、R1”〜R3”のうち、少なくとも1つはアリール基であることが好ましく、R1”〜R3”のうち、2つ以上がアリール基であることがより好ましく、R1”〜R3”のすべてがアリール基であることが特に好ましい。
R1”〜R3”において、無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
R1”〜R3”の置換アリール基における置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
置換アリール基における置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
置換アリール基における置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
置換アリール基における置換基としてのアリール基としては、前記R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられ、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基がさらに好ましい。
一般式:−O−C(R47)(R48)−O−R49
[式中、R47、R48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基である。]で表される基が挙げられる。
R47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R47、R48は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
R49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
R49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56
[式中、R50は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R56は第3級アルキル基である。]で表される基が挙げられる。
R50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
R56における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
さらに、前記一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56におけるR56を、R56’で置き換えた基も挙げられる。R56’は、水素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基である。
R56’におけるアルキル基は、前記R49のアルキル基と同様のものが挙げられる。
R56’におけるフッ素化アルキル基は、前記R49のアルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
R56’における、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基としては、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたもの等が挙げられる。
R56’について、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
R56’について、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基として具体的には、後述の式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)で表される基等が挙げられる。
R56’について、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたものとして具体的には、脂肪族環式基中の水素原子が酸素原子(=O)に置換されたもの等が挙げられる。
直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基は、炭素数1〜25であり、炭素数1〜15であることが好ましく、4〜10であることがより好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、第3級アルキル基を除き、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
R6’、R7’、R8’における炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基としては、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該環状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該環状のアルキル基が有する環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該環状のアルキル基が有する環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンの環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された複素シクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。また、前記環の構造中にエステル結合(−C(=O)−O−)を有していてもよい。具体的には、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基等のラクトン含有単環式基や、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基等のラクトン含有多環式基等が挙げられる。
後者の例における置換基としては、上述した直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のもの、低級アルキル基等が挙げられる。
また、R6’、R7’、R8’は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と、環状アルキル基との組み合わせであってもよい。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と環状アルキル基との組合せとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に置換基として環状のアルキル基が結合した基、環状のアルキル基に置換基として直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合した基等が挙げられる。
R6’、R7’、R8’における直鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。
R6’、R7’、R8’における分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
該直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
R7’、R8’においては、上記のなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、又は炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基が好ましい。
R1”〜R3”のうち、いずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R4”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。
前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがより好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
R4”におけるハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基においては、当該ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子および水素原子の合計数に対するハロゲン原子の数の割合(ハロゲン化率(%))が、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが好ましく、100%が最も好ましい。該ハロゲン化率が高いほど、酸の強度が強くなるので好ましい。
前記R4”におけるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R4”におけるアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R4”において、「置換基を有していてもよい」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の他の原子または基)で置換されていても良いことを意味する。
R4”における置換基の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R4”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたもの同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
Q1は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合;−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−(式中、R91〜R93はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
R91〜R93におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH2−];−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CH2CH2−];−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CH2CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]等が挙げられる。
Q1としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
X3において、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
X3における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)でそれぞれ表される基等が挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L6)、(S3)〜(S4)のいずれか一で表される基が好ましい。
X3−Q1−Y10−で表される基において、Y10のアルキレン基としては、前記Q1で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
Y10として、具体的には、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2−、−CF(CF2CF3)−、−C(CF3)2−、−CF2CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2CF2−、−CF2CF(CF3)CF2−、−CF(CF3)CF(CF3)−、−C(CF3)2CF2−、−CF(CF2CF3)CF2−、−CF(CF2CF2CF3)−、−C(CF3)(CF2CF3)−;−CHF−、−CH2CF2−、−CH2CH2CF2−、−CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2−、−CH(CF2CF3)−、−C(CH3)(CF3)−、−CH2CH2CH2CF2−、−CH2CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2CH2−、−CH2CH(CF3)CH2−、−CH(CF3)CH(CF3)−、−C(CF3)2CH2−;−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−等が挙げられる。
これらの中でも、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、又はCH2CF2CF2−が好ましく、−CF2−、−CF2CF2−又は−CF2CF2CF2−がより好ましく、−CF2−が特に好ましい。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
また、リソグラフィー特性とレジストパターン形状がより向上することから、R5”〜R6”のうち、少なくとも1つはアリール基であることが好ましく、R5”〜R6”のいずれもアリール基であることがより好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルケニル基としては、R1”〜R3”のアルケニル基と同様のものが挙げられる。
これらの中でも、R5”〜R6”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
前記式(b−2)で表される化合物におけるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム等が挙げられる。
前記式(b−2)中のR4”としては、上記式(b−1)におけるR4”と同様のものが挙げられる。
これらのアニオンは後述の(D1)成分のアニオン部と構造が類似しているため、アニオン部をこれらのアニオンに置き換えたオニウム塩を用いることにより、本発明の効果がより向上すると考えられる。
R7に付された符号(r1〜r2、w1〜w6)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のR7はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
R81〜R86に付された符号n1〜n6が2以上の整数である場合、複数のR81〜R86はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
n1は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
n2およびn3は、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
n4は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
n5は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n6は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
R4’は炭素数1〜5のアルキレン基である。
uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
前記式(b−7)又は式(b−8)で表されるカチオンの好適なものとしては、たとえば以下に示すもの等が挙げられる。
式中、RCは、上記置換アリール基についての説明のなかで例示した置換基(アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基(=O)、アリール基、−C(=O)−O−R6’、−O−C(=O)−R7’、−O−R8’)である。
かかるアニオン部としては、たとえば上記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R4”SO3 −)等のフッ素化アルキルスルホン酸イオン;上記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン、前記式(b1)〜(b9)のいずれかで表されるアニオン等が挙げられる。
R31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
R34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号(65〜86頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
本発明のレジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。
上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
[(D)成分]
本発明のレジスト組成物は、任意の成分として塩基性化合物(D)(以下「(D)成分」ともいう。)を含有してもよい。(D)成分は、酸拡散制御剤、すなわち露光により(B)成分等から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものである。なお、本発明において「塩基性化合物」とは、前記(A)成分または(B)成分に対して相対的に塩基性となる化合物をいう。
本発明における(D)成分は、カチオン部と、アニオン部とからなる塩基性化合物(D1)(以下「(D1)成分」という。)であってもよく、該(D1)成分に該当しない塩基性化合物(D2)(以下「(D2)成分」という。)であってもよい。
(D1)成分としては、下記一般式(d1−1)で表される化合物(d1−1)(以下「(d1−1)成分」という。)、下記一般式(d1−2)で表される化合物(d1−2)(以下「(d1−2)成分」という。)及び下記一般式(d1−3)で表される化合物(d1−3)(以下「(d1−3)成分」という。)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
・・・アニオン部
式(d1−1)中、R4は、置換基を有していてもよい炭化水素基である。
R4の置換基を有していてもよい炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、前記構成単位(a5)の説明中、一般式「R4”SO3 −」においてR4”が有していてもよい置換基として挙げた式:X3−Q1−中のX3と同様のものが挙げられる。
なかでもR4の置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基やナフチル基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
R4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基等の分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。
フッ素化アルキル基の炭素数は、1〜11が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基や、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基等の分岐鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基が挙げられる。
また、R4のフッ素化アルキル基は、フッ素原子以外の原子を含有してもよい。フッ素原子以外の原子としては、たとえば酸素原子、炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
なかでも、R4のフッ素化アルキル基としては、直鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基を構成する水素原子の全てがフッ素原子で置換された基(パーフルオロアルキル基)であることが好ましい。
式(d1−1)中、M+は、有機カチオンである。
M+の有機カチオンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、前記式(b−1)又は(b−2)で表される化合物のカチオン部と同様のものが挙げられる。
(d1−1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・・・アニオン部
式(d1−2)中、Z2cは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基である。
Z2cの置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、前記式(d1−1)中のR4と同様のものが挙げられる。
なかでもZ2cの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましく、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、カンファー等から1個以上の水素原子を除いた基(置換基を有していてもよい)であることがより好ましい。
Z2cの炭化水素基は置換基を有していてもよく、置換基としては、前記式X3−Q1−中のX3における置換基と同様のものが挙げられる。但し、Z2cにおいて、SO3 −におけるS原子に隣接する炭素は、フッ素置換されていないものとする。SO3 −とフッ素原子とが隣接しないことにより、当該(d1−2)成分のアニオンが適度な弱酸アニオンとなり、(D)成分のクエンチング能が向上する。
以下に(d1−2)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
式(d1−2)中、M+は、前記式(d1−1)中のM+と同様である。
(d1−2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・・・アニオン部
式(d1−3)中、R5は有機基である。
R5の有機基は、特に限定されるものではないが、アルキル基、アルコキシ基、−O−C(=O)−C(RC2)=CH2(RC2は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である)、または−O−C(=O)−RC3(RC3は炭化水素基である)である。
R5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。R2のアルキル基の水素原子の一部が水酸基、シアノ基等で置換されていてもよい。
R5のアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。なかでも、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
RC2における炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
RC2におけるハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
RC2としては、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
RC3の炭化水素基は、芳香族炭化水素基であっても、脂肪族炭化水素基であってもよい。RC3の炭化水素基として具体的には、前記式(d1−1)中のR4と同様のものが挙げられる。
なかでも、RC3の炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた脂環式基、又は、フェニル基、ナフチル基等の芳香族基が好ましい。RC3が脂環式基である場合、レジスト組成物が有機溶剤に良好に溶解することによりリソグラフィー特性が良好となる。また、RC3が芳香族基である場合、EUV等を露光光源とするリソグラフィーにおいて、該レジスト組成物が光吸収効率に優れ、感度やリソグラフィー特性が良好となる。
Y5の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基又はアリーレン基としては、上記式(a5−0)中のR2の2価の連結基のうち、「直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基」、「環状の脂肪族炭化水素基」、「芳香族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
なかでも、Y5としては、アルキレン基であることが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがさらに好ましい。
Rf3のフッ素原子を含む炭化水素基は、フッ素化アルキル基であることが好ましく、上記R4のフッ素化アルキル基と同様のものがより好ましい。
以下に(d1−3)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
式(d1−3)中、M+は、前記式(d1−1)中のM+と同様である。
(d1−3)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D1)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましく、0.5〜8質量部であることがより好ましく、1〜8質量部であることがさらに好ましく、1〜5質量部であることが特に好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、特に良好なリソグラフィー特性及びレジストパターン形状が得られる。前記範囲の上限値以下であると、感度を良好に維持でき、スループットにも優れる。
(d1−1)成分、(d1−2)成分の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により製造することができる。
(d1−3)成分の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、前記式(d1−3)中のR5が、Y5と結合する末端に酸素原子を有する基である場合、下記一般式(i−1)で表される化合物(i−1)と、下記一般式(i−2)で表される化合物(i−2)とを反応させることにより、下記一般式(i−3)で表される化合物(i−3)を得、化合物(i−3)と、所望のカチオンM+を有するZ−M+(i−4)とを反応させることにより、一般式(d1−3)で表される化合物(d1−3)が製造される。
式(i−1)中、R5aは前記R5から末端の酸素原子を除いた基である。式(i−2)中、Y5、Rf3は前記同様である。
化合物(i−1)、化合物(i−2)としては、それぞれ、市販のものを用いてもよく、合成してもよい。
化合物(i−1)と化合物(i−2)とを反応させ、化合物(i−3)を得る方法としては、特に限定されないが、たとえば、適当な酸触媒の存在下で、化合物(i−2)と化合物(i−1)とを有機溶媒中で反応させた後に、反応混合物を洗浄、回収することにより、実施できる。
上記反応における有機溶媒としては、原料である化合物(i−1)及び化合物(i−2)を溶解できるものであればよく、具体的には、トルエン等が挙げられ、その使用量は、化合物(i−1)に対して、0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
上記反応における化合物(i−2)の使用量は、通常、化合物(i−1)1モルに対して0.5〜5モル程度が好ましく、0.8〜4モル程度がより好ましい。
上記反応における反応温度は、20℃〜200℃が好ましく、20℃〜150℃程度がより好ましい。
式(i−4)中、M+は前記同様であり、Z−は対アニオンである。
化合物(i−3)と化合物(i−4)とを反応させ、化合物(d1−3)を得る方法としては、特に限定されないが、たとえば、適当なアルカリ金属水酸化物の存在下で、化合物(i−3)を適当な有機溶媒及び水に溶解し、化合物(i−4)を添加して攪拌により反応させることにより実施できる。
上記反応における有機溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル等の溶媒が挙げられ、その使用量は、化合物(i−3)に対して、0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
上記反応における化合物(i−4)の使用量は、通常、化合物(i−3)1モルに対して0.5〜5モル程度が好ましく、0.8〜4モル程度がより好ましい。
上記反応における反応温度は、20℃〜200℃が好ましく、20℃〜150℃程度がより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(d1−3)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、またはこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。
(D2)成分としては、前記(A)成分又は(B)成分に対して相対的に塩基性となる化合物であり、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記(B)成分から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものであり、且つ、(D1)成分に該当しないものであれば特に限定されず、公知のものから任意に用いればよい。たとえば脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミンが挙げられ、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、たとえば、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数20以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)、環式アミン、その他の脂肪族アミン等が挙げられる。
該アルキル基が直鎖状または分岐鎖状である場合、その炭素数は2〜20であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましい。
該アルキル基が環状である場合(シクロアルキル基である場合)、その炭素数は、3〜30であることが好ましく、3〜20がより好ましく、3〜15がさらに好ましく、炭素数4〜12であることが特に好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。該アルキル基は単環式であってもよく、多環式であってもよい。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。前記モノシクロアルカンとして、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。また、前記ポリシクロアルカンとして、具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
前記アルキルアルコールアミンが有するヒドロキシアルキル基におけるアルキル基としては、前記アルキルアミンが有するアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記アルキルアルコールアミンの具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン又はトリ−n−オクチルアミンが特に好ましい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
(D2)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5質量部の範囲で用いられる。上記範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
本態様のレジスト組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量((D1)成分と(D2)成分との総量)は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、0.3〜12質量部であることがより好ましく、0.5〜12質量部であることがさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、ラフネス等のリソグラフィー特性がより向上する。また、より良好なレジストパターン形状が得られる。前記範囲の上限値以下であると、感度を良好に維持でき、スループットにも優れる。
本発明のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下「(E)成分」という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でもホスホン酸が特に好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本態様のレジスト組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分は、通常、(A)成分100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲で用いられる。
本発明のレジスト組成物は、レジスト材料を有機溶剤(以下「(S)成分」ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン(CH)、乳酸エチル(EL)が好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。たとえば極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。また、極性溶剤としてPGMEおよびシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA、EL、または前記PGMEAと極性溶剤との混合溶媒と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明のレジスト組成物においては、一般式(a5−0)で表される構成単位(a5)を有する高分子化合物(A1)が用いられる。該構成単位(a5)には、イミノ基(−NH−)、及びその両隣の一方にカルボニル基(−C(=O)−)と、他方にカルボニル基又はチオケトン(−C(=S)−)とが存在する。かかる構造を有していることで、イミノ基における窒素原子上の酸性プロトンがプロトンソースとして機能して特に高感度化が図られる。加えて、イミノ基における窒素原子の存在によって、露光により(B)成分から発生する酸の拡散が抑制されて、特に解像性、リソグラフィー特性が向上する。また、該イミノ基は高分子化合物中に存在することから、該窒素原子がレジスト膜内で均一に分布し、前記の酸の拡散抑制の効果がレジスト膜内全体で一様に得られやすい。さらに、該構成単位(a5)中のYに芳香環又は多環式基が存在していることで、特にレジストパターンのエッチング耐性の向上に寄与する。加えて、芳香環又は多環式基を導入することでレジスト膜の耐熱性が改善することにより、パターンラフネス等のリソグラフィー特性も向上する。以上の作用効果によって本発明の効果が得られると考えられる。
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、前述した本発明のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下のようにして行うことができる。
すなわち、まず支持体上に前述した本発明のレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、ベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施してレジスト膜を形成する。
次に、該レジスト膜に対し、例えばArF露光装置、電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターンが形成されたマスク(マスクパターン)を介した露光、またはマスクパターンを介さない電子線の直接照射による描画等による選択的露光を行った後、ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
次に、前記レジスト膜を現像処理する。
現像処理は、アルカリ現像プロセスの場合はアルカリ現像液を用い、溶剤現像プロセスの場合は有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)用いて行う。
現像処理後、好ましくはリンス処理を行う。リンス処理は、アルカリ現像プロセスの場合は、純水を用いた水リンスが好ましく、溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
溶剤現像プロセスの場合、前記現像処理またはリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行ってもよい。
現像処理後またはリンス処理後、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、レジストパターンを得ることができる。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)とに分けられる。
液浸露光は、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う露光方法である。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl2F5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C5H3F7等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
液浸媒体としては、コスト、安全性、環境問題、汎用性等の観点から、水が好ましく用いられる。
溶剤現像プロセスで現像処理に用いる有機系現像液が含有する有機溶剤としては、(A)成分(露光前の(A)成分)を溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤のなかから適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
有機系現像液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としてはたとえば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、たとえばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコーン系界面活性剤等を用いることができる。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、有機系現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
現像処理は、公知の現像方法におり実施でき、該方法としてはたとえば現像液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、支持体表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している支持体上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
リンス液を用いたリンス処理(洗浄処理)は、公知のリンス方法により実施できる。該方法としては、たとえば一定速度で回転している支持体上にリンス液を塗出し続ける方法(回転塗布法)、リンス液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表されるもの(以下これを「化合物(1)」という)である。
前記式(1)中、Y1は、前記式(a5−0)中のYにおける、多環式基を有する脂肪族炭化水素基(該脂肪族炭化水素基は、その炭素原子又は水素原子が置換基で置換されていてもよい)と同じである。
化合物(1)は、前記(A1)成分の製造に用いられるモノマーとして有用である。
本発明の化合物(1)の製造方法は、特に制限されず、たとえば、下記式(1−1)で表される化合物(1−1)と、下記式(1−2)で表される化合物(1−2)とを反応させることにより、化合物(1)を製造することができる。
化合物(1−1)と化合物(1−2)とを反応させる方法としては、たとえば、化合物(1−1)を適当な有機溶媒に溶解し、それを、適当な塩基の存在下で攪拌する。その後、そこに化合物(1−2)を添加して攪拌した後、反応混合物を洗浄、回収することにより実施できる。
化合物(1−1)、化合物(1−2)は、それぞれ、市販のものを用いてもよく、合成したものを用いてもよい。
上記反応において、有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン等が好ましく、該有機溶媒の使用量は、化合物(1−1)に対して0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
塩基としては、水素化ナトリウム、K2CO3、Cs2CO3、リチウムジイソプロピルアミド(LiDA)、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられ、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。塩基の使用量は、触媒量であってもよく、通常、化合物(1−1)1モルに対して0.01〜10モル程度である。
上記反応の反応時間は、化合物(1−1)と化合物(1−2)との反応性や、反応温度等によっても異なるが、通常、0.1〜100時間が好ましく、0.5〜50時間がより好ましい。
上記反応の反応温度は、0〜50℃が好ましく、0〜30℃程度がより好ましい。
上記反応における化合物(1−2)の使用量は、通常、化合物(1−1)1モルに対して0.5〜10モル程度が好ましく、0.5〜5モル程度がより好ましい。
単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、又はこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のようにして得られる化合物(1)の構造は、1H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
本発明の高分子化合物は、下記一般式(a5−0)で表される構成単位(a5)を有するものである。
また、本発明の高分子化合物においては、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)を有することが好ましい。
本発明の高分子化合物についての詳細は、前述した本発明のレジスト組成物における(A1)成分についての説明と同じである。
本発明の高分子化合物は、レジスト組成物用のベース樹脂として好適なものである。
本実施例では、化学式(1)で表される化合物を「化合物(1)」と記載し、他の化学式で表される化合物についても同様に記載する。
(実施例1)
90.0gのメタクリルアミドを、1350gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、そこに、5℃にて944mLのリチウムジイソプロピルアミド(LiDA)1.12mol/L溶液を滴下して10分間攪拌した。次いで、そこに、900gのTHFに溶解させた231.1gの1−アダマンタンカルボニルクロリドを加え、5℃にて18時間攪拌した。反応終了後、THFとt−ブチルメチルエーテル(TBME)を加え、1質量%塩酸水溶液と純水で洗浄してから減圧濃縮した。得られた溶液にn−ヘキサンを加えて、5 ℃にて晶析してからろ過し、得られた固体を減圧乾燥して1−アダマンタンカルボン酸メタクリルアミド(化合物(51))194.4gを得た。
得られた化合物(51)について、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した結果を下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン):δ=9.85ppm(br s、1H)、5.57ppm(s、1H)、5.51ppm(s、1H)、1.98ppm(m、3H)、1.86ppm(m、9H)、1.61ppm(m、6H)
実施例1と同様の操作を行い、化合物(52)を得た。
得られた化合物(52)について、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した結果を下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン):δ=9.08ppm(br s、1H)、6.21ppm(s、1H)、5.62ppm(s、1H)、4.95ppm(s、2H)、2.10ppm(m、3H)、1.95ppm (s、3H)、1.71ppm(m、6H)、1.56ppm(m、6H)
実施例1と同様の操作を行い、化合物(53)を得た。
得られた化合物(53)について、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した結果を下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン):δ=9.76ppm(br s、1H)、5.58ppm(s、1H)、5.46ppm(s、1H)、2.53ppm(s、2H)、1.92ppm(m、6H)、1.57ppm(m、6H)、1.50ppm(m、6H)
実施例1と同様の操作を行い、化合物(54)を得た。
得られた化合物(54)について、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した結果を下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン):δ=10.08ppm(br s、1H)、5.85ppm(s、1H)、5.37ppm(s、1H)、2.48−1.70ppm(m、7H)、1.13ppm(s、3H)、1.06ppm(s、3H)、0.97ppm(s、3H)
実施例1と同様の操作を行い、化合物(55)を得た。
得られた化合物(55)について、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した結果を下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン):δ=10.10ppm(br s、1H)、8.50−7.47ppm(m、7H)、5.58ppm(s、1H)、5.51ppm(s、1H)、1.93ppm(s、3H)
実施例1と同様の操作を行い、化合物(56)を得た。
得られた化合物(56)について、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した結果を下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン):δ=10.01ppm(br s、1H)、7.98−7.45ppm(s、5H)、5.60ppm(s、1H)、5.55ppm(s、1H)、1.85ppm(s、3H)
実施例1と同様の操作を行い、化合物(57)を得た。
得られた化合物(57)について、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した結果を下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン):δ=10.12ppm(br s、1H)、5.63ppm(s、1H)、5.56ppm(s、1H)、2.26ppm(s、6H)、2.19ppm(s、3H)、2.04ppm(s、6H)、1.87ppm(s、3H)
実施例1と同様の操作を行い、化合物(58)を得た。
得られた化合物(58)について、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した結果を下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン):δ=11.01ppm(br s、1H)、5.82ppm(s、1H)、5.66ppm(s、1H)
実施例1と同様の操作を行い、化合物(59)を得た。
得られた化合物(59)について、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した結果を下記に示す。
1H−NMR(DMSO−d6、内部標準:テトラメチルシラン):δ=11.84ppm(br s、1H)、6.04ppm(s、1H)、5.85ppm(s、1H)
(実施例10)
温度計、還流管及び窒素導入管を繋いだセパラブルフラスコ内で、25.4g(96.82mmol)の化合物(11)を、18.79gのメチルエチルケトン(MEK)と18.79gのシクロヘキサノン(CH)との混合溶剤に溶解させて80℃に加熱した。この溶液に、10.00g(58.77mmol)の化合物(21)と、6.35g(24.20mmol)の化合物(11)と、10.48g(42.38mmol)の化合物(51)と、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)24.44mmolとを、44.88gのMEKと44.88gのCHとの混合溶剤に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、4時間かけて滴下した。
滴下終了後、反応液を1時間加熱攪拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた反応重合液を大量のn−ヘプタンに滴下し、重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体をろ別し、メタノールにて洗浄、乾燥して、目的物である高分子化合物(1)31.2gを得た。
この高分子化合物(1)について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は6800、分子量分散度(Mw/Mn)は1.72であった。また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m/n=41.7/39.9/18.4であった。
高分子化合物(2)〜(19)は、各高分子化合物を構成する構成単位を誘導する前記化合物(51)〜(59)及び下記の化合物(10)〜(15)、(21)、(22)、(31)、(32)を、所定のモル比で用いた以外は、上記実施例10と同様の方法により合成した。
各高分子化合物について、各構成単位を誘導する化合物、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により求めた共重合組成比、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を表1に示す。
[実施例27〜47、比較例3〜5]
表2〜4に示す各成分を混合して溶解することによりレジスト組成物を調製した。
(A)−1〜(A)−19:前記の高分子化合物(1)〜高分子化合物(19)。
(B)−1:下記化学式(B)−1で表される化合物からなる酸発生剤。
(D)−1:トリ−n−オクチルアミン。
(D)−2:下記化学式(D)−2で表される化合物。
(D)−3:下記化学式(D)−3で表される化合物。
(E)−1:サリチル酸。
(F)−1:下記化学式(F)−1で表される含フッ素共重合体(ホモポリマー)。Mw20600,Mw/Mn1.67。該化学式(F)−1中、構成単位( )の右下の符号はその構成単位の割合(モル%)を示す。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−2:PGMEA/PGME/CH=2250/1500/1250(質量比)の混合溶剤。
(S)−3:PGMEA/PGME/CH=1410/940/780(質量比)の混合溶剤。
PGMEAはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、PGMEはプロピレングリコールモノメチルエーテル、CHはシクロヘキサノンを示す。
90℃で36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、表2と表4に示すレジスト組成物を、スピンナーを用いて均一にそれぞれ塗布し、ベーク温度100℃で60秒間のベーク処理(PAB)を行ってレジスト膜(膜厚60nm)を成膜した。該レジスト膜に対し、電子線描画機HL800D(VSB)(Hitachi社製)を用い、加速電圧70kVにて描画(露光)を行い、ベーク温度90℃で60秒間のベーク処理(PEB:露光後加熱)を行い、さらに23℃にてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液(商品名:NMD−3、東京応化工業(株)製)を用いて60秒間のアルカリ現像を行った。
その結果、いずれの例においても、ライン幅100nm、ピッチ200nmの1:1ラインアンドスペースパターン(LSパターン)が形成された。
該LSパターンが形成される最適露光量Eop(μC/cm2;感度)を求めた。その結果を表5に示す。
上記<レジストパターンの形成(1)>と同様にしてレジストパターンを形成し、前記最適露光量Eopにおける限界解像度(nm)を、走査型電子顕微鏡S−9380(日立ハイテクノロジー社製)を用いて求めた。その結果を「解像性(nm)」として表5に示す。
前記最適露光量EopでLSパターンのラインがターゲット寸法(ライン幅100nm)の±10%(90nm〜110nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を「ELマージン(%)」として表5に示す。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/Eop)×100
E1:ライン幅90nmのLSパターンが形成された際の露光量(μC/cm2)
E2:ライン幅110nmのLSパターンを形成された際の露光量(μC/cm2)
なお、ELマージンは、その値が大きいほど、露光量の変動に伴うパターンサイズの変化量が小さいことを示す。
上記<レジストパターンの形成(1)>で形成したライン幅100nm、ピッチ200nmのLSパターンについて、LERを示す尺度である3σを求めた。その結果を「LER(nm)」として表5に示す。
「3σ」は、走査型電子顕微鏡(加速電圧800V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、ライン幅を、ラインの長手方向に400箇所測定し、その測定結果から求めた標準偏差(σ)の3倍値(3s)(単位:nm)を示す。
該3sの値が小さいほど、ライン側壁のラフネスが小さく、より均一幅のLSパターンが得られたことを意味する。
上記<レジストパターンの形成(1)>で形成された、描画(露光)前のレジスト膜に対して、以下に示す条件で、酸素ガスから得られるプラズマによるドライエッチング(O2プラズマエッチング)を行い、レジスト膜のエッチング速度を測定し、エッチング前後におけるレジスト膜の膜厚の差から、エッチングレート(単位時間当たりにエッチングされた膜の厚さ)を求めた。そして、下記の評価基準に基づいてエッチング耐性の評価を行った。その結果を表5に示す。
(O2プラズマエッチング条件)
装置:高真空RIE装置(東京応化工業社製;製品名「TCA−2400」)。
ガス:酸素ガス60容積%、窒素ガス40容積%の混合ガス。
ガス流量:30sccm(「sccm」は1atm(大気圧1013hPa)、23℃における測定値を示す)。
チャンバ内の温度:60℃。
チャンバ内の圧力:300mmTorr。
プラズマを発生させるために印加する出力パワー(RF):200W。
処理時間:60秒。
(評価基準)
○:エッチングレートが600nm/分以下。
×:エッチングレートが600nm/分超。
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚89nmの有機系反射防止膜を形成した。
次いで、該有機系反射防止膜上に、各例のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上でベーク温度110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。
次に、該レジスト膜に対し、ArF露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.08;Cross pole)により、マスクを介して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。
そして、ベーク温度90℃で60秒間の露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で10秒間アルカリ現像し、純水を用いて15秒間水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、ライン幅49nm、ピッチ98nmの1:1ラインアンドスペースパターン(LSパターン)が形成された。
該LSパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm2;感度)を求めた。その結果を表6に示す。
上記<レジストパターンの形成(2)>と同様にしてレジストパターンを形成し、前記最適露光量Eopにおける限界解像度(nm)を、走査型電子顕微鏡S−9380(日立ハイテクノロジー社製)を用いて求めた。その結果を「解像性(nm)」として表6に示す。
前記最適露光量EopでLSパターンのラインがターゲット寸法(ライン幅49nm)の±5%(46.55nm〜51.45nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表6に示す。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/Eop)×100
E1:ライン幅46.55nmのLSパターンが形成された際の露光量(mJ/cm2)
E2:ライン幅51.45nmのLSパターンを形成された際の露光量(mJ/cm2)
前記最適露光量Eopにおいて形成されたライン幅49nm、ピッチ98nmのLSパターンにおいて、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、スペース幅を、スペースの長手方向に400箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を求め、400箇所の3sについて平均化した値を、LWRを示す尺度として算出した。その結果を表6に示す。
この3sの値が小さいほど、その線幅のラフネスが小さく、より均一幅のLSパターンが得られたことを意味する。
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