JP2017080344A - 画像処理装置、画像処理方法及び光干渉断層撮影装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法及び光干渉断層撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 被検体に偏光解消領域が存在していても、被検体の偏光断層画像(リターデーション画像等)をモニタに見易く表示させること。
【解決手段】 画像処理装置は、光干渉を用いて被検体から取得される断層信号に基づいて、被検体の偏光特性を示す偏光断層画像を生成する画像生成手段と、断層信号に基づいて、被検体の偏光解消領域を抽出する抽出手段と、偏光解消領域に対応する偏光断層画像上の領域を他の領域に対し識別可能に表示手段に表示させる表示制御手段と、を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、被検体の偏光断層画像を処理する画像処理装置及び画像処理方法、光干渉を用いて被検体を断層撮影する光干渉断層撮影装置に関する。
近年、眼科装置において、眼底組織の光学特性や動き等をイメージングすることが可能な光干渉断層計(optical coherence tomography;以下OCT)の開発が試みられている。このようなOCTの一つである偏光OCT装置は、眼底組織の光学特性の一つである偏光特性(リターデーションとオリエンテーション、偏光解消)を用いてイメージングを行う。リターデーションやオリエンテーションは、被検体の偏光異方性(複屈折)を表す指標である。リターデーションにより異方性の度合い、オリエンテーションにより光学軸の方向を可視化する事ができる。偏光異方性は、例えば、組織を構成する繊維質の屈折率の異方性に起因する。また、偏光解消は、被検体が偏光を解消する度合いを表す指標である。偏光解消は、例えば、微小構造を有する組織(例えばメラニン)において、測定光が反射する際に偏光の方向や位相がランダムに変化する事に起因すると考えられている(非特許文献1参照)。
偏光OCTは、偏光特性を利用して、偏光断層画像を構成し、眼底組織の区別やセグメンテーションを行うことができる。偏光OCT装置は、試料を観測する測定光として円偏光に変調した光を用い、干渉光を2つの互いに直交する偏光成分として分割して検出し、偏光断層画像を生成する。2つの直交する偏光成分の位相差を示す偏光断層画像としてリターデーション(複屈折の度合い)とオリエンテーション(光学軸の方向)を算出することができる。また、偏光成分の強度や位相差からストークスベクトルが得られる。眼底の特定の組織において、偏光が解消することが知られており、リターデーションやストークスベクトルが不均一となる。ストークスベクトルから偏光の均一性を示すDOPU(degree of polarization uniformity)を算出することで、偏光解消の程度を取得することができる(非特許文献2参照)。このとき、取得される断層画像に任意のウィンドウを設定し、各ウィンドウに対してDOPUを計算する。DOPUは、偏光の均一性を表す数値であり、偏光が保たれている個所においては1に近い数値となり、偏光が解消された箇所においては1よりも小さい数値となるものである。DOPUにより、ウィンドウ内の均一性を算出する事で、安定して偏光解消を評価する事ができる。
例えば、網膜内の構造においては、視神経繊維層(NFL)が偏光異方性を有する。NFLを観測する事で、視神経繊維層の異常にまつわる疾患(例えば、緑内障)の診断に役立つ事が期待されている。また、網膜内の構造においては、網膜色素上皮(RPE)層が偏光を解消する性質を持つ。偏光を解消する性質を持つ領域(偏光解消領域)を取得する事でRPE層を可視化する事が出来、RPE層の異常に関する疾患(例えば、加齢黄班変性)の診断に役立つ事が期待されている。
B.Baumann,et al,"Polarization sensitive optical coherence tomography of melanin provides intrinsic contrast based on depolarization",Biomedical OPTICS EXPRESS,Vol.3,No.7,P1670−1683(2012) E.Gotzinger,et al,"Retinal pigment epithelium segmentation by polarization sensitive optical coherence tomography",OPTICS EXPRESS,Vol.16,No.21,P16410−16422(2008)
ここで、干渉光の偏光が解消している場合、干渉光の2つの互いに直交する偏光成分の強度比は等しくなり、リターデーションが一定の値45°として算出される。しかしながら、干渉光の偏光の解消に伴うリターデーションが一定の値45度として表わされる領域は偏光異方性(複屈折)を持っているわけではない。このため、このような領域では、リターデーションとして不正確な値が算出されることになる。
従来の装置では、干渉光の偏光の解消を考慮せずにリターデーション画像等の偏光断層画像をモニタに表示させていた。このため、リターデーションの値が被検体の偏光異方性に起因するのか、被検体の偏光解消領域に起因するのか、リターデーション画像だけからではユーザは判別し難いことがある。すなわち、リターデーション画像等の偏光断層画像が見難いという課題があった。
本発明の目的の一つは、このような問題点に鑑みなされたもので、被検体の偏光解消領域が存在していても、被検体の偏光断層画像(リターデーション画像等)をモニタに見易く表示させることである。
本発明に係る画像処理装置の一つは、
光干渉を用いて被検体から取得される断層信号を処理する画像処理装置において、
前記断層信号に基づいて、前記被検体の偏光特性を示す偏光断層画像を生成する画像生成手段と、
前記断層信号に基づいて、前記被検体の偏光解消領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出された偏光解消領域に対応する前記偏光断層画像上の領域を他の領域に対し識別可能に表示手段に表示させる表示制御手段と、を有する。
また、本発明に係る画像処理装置の一つは、
光干渉を用いて被検体を断層撮影する光干渉断層撮影装置に通信可能に接続された画像処理装置であって、
前記光干渉断層撮影装置から送信された断層信号に基づいて、前記被検体の異なる偏光特性を示す第1及び第2の偏光断層画像を取得する断層画像取得手段と、
前記第1の偏光断層画像の偏光解消領域を抽出する抽出手段と、
前記第2の偏光断層画像から前記抽出された偏光解消領域に対応する領域が除去された新たな画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、を有する。
また、本発明に係る画像処理装置の一つは、
光干渉を用いて被検体を断層撮影する光干渉断層撮影装置に通信可能に接続された画像処理装置であって、
前記光干渉断層撮影装置から送信された断層信号に基づいて、前記被検体の偏光位相差を示す偏光断層画像を取得する断層画像取得手段と、
前記偏光断層画像から所定の偏光位相差を示す領域が除去された新たな画像を生成する画像生成手段と、を有する。
本発明の一つによれば、被検体に偏光解消領域が存在していても、被検体の偏光断層画像(リターデーション画像等)をモニタに見易く表示させることができる。
本実施形態に係る画像処理装置としての撮影処理フローを示す図である。 本実施形態に係る画像処理装置及び光干渉断層撮影装置を示す図である。 本実施形態に係る偏光断層画像を示す図である。 本実施形態に係る各種マップを示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係る画像処理装置と通信可能に接続された光干渉断層撮影装置を示す図である。ここで、本実施形態においては、被検眼を被検体とし、被検体の偏光断層画像を得る光干渉断層撮影装置(眼科装置)について説明する。なお、本発明は、本実施形態に係る画像処理装置の機能を光干渉断層撮影装置が有する形態であっても実現可能である。
図2に示すように、光干渉断層撮影装置は、スペクトル領域型の偏光OCT(spectral−domain polarization sensitive OCT;以下、SD−PS−OCT)である。光干渉断層撮影装置は、干渉光学計100、前眼部撮像部160、内部固視灯170及び制御装置180を有している。前眼部撮像部160により観察される被検体の前眼部の画像を用いて、装置のアライメントが行われ、アライメント完了後に、内部固視灯170を点灯し、被検眼に注視させた状態で、干渉光学計100による眼底の撮像が行われる。
<干渉光学計100>
次に、干渉光学計100の構成について説明する。光源101は、低コヒーレント光源であるSLD(super luminescent diode)であり、中心波長850nm、バンド幅50nmの光を出射する。光源101としてSLDを用いたが、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等、低コヒーレント光が出射できる光源であれば何れでも良い。光源101から出射された光は、偏光保持ファイバ102、偏光コントローラ103を介して、偏光保持ファイバカップラ104に導かれ、測定光と参照光に分岐される。
偏光コントローラ103は、光源101から出射された光の偏光の状態を調整するものであり、光を直線偏光に調整する。本実施形態の場合、偏光コントローラ103は、後述するファイバカップラ123内の偏光ビームスプリッタで分岐される偏光方向を基準にして、垂直方向に偏光調整する。本実施形態では、偏光コントローラ103は、インラインの偏光コントローラとするが、これに限定されるものではない。偏光コントローラ103は、例えば、複数のパドルを有するパドル型の偏光コントローラであってもよい。また例えば、偏光コントローラ103は、λ/4波長板とλ/2波長板とを組合せた偏光コントローラであってもよい。
偏光保持ファイバカップラ104の分岐比は、90(参照光):10(測定光)である。分岐された測定光は、偏光保持ファイバ105を介してコリメータ106から平行光として出射される。出射された測定光は、Xスキャナ107、レンズ108、109、Yスキャナ110を介し、ダイクロイックミラー111に到達する。ここで、Xスキャナ107とYスキャナ110は、眼底Erにおいて測定光をそれぞれ水平方向と垂直方向にスキャンするガルバノミラーから構成される。Xスキャナ107及びYスキャナ110は、駆動制御部181により制御され、眼底Erの領域を測定光により走査することができる。
ダイクロイックミラー111は、800nm〜900nmの光を反射し、それ以外の光を透過する特性を有する。ダイクロイックミラー111により反射された測定光は、レンズ112を介し、45°傾けて設置されたλ/4波長板113を通過する事で位相が90°ずれ、円偏光の光に偏光制御される。ここで、被検眼に入射される光は、λ/4波長板113を45°傾けて設置することで円偏光の光に偏光制御されるが、被検眼の特性により眼底Erにおいて円偏光とならない場合がある。そのため、駆動制御部181の制御により、λ/4波長板113の傾きを微調整できるように構成されている。
円偏光に偏光制御された測定光は、ステージ116上に乗ったフォーカスレンズ114により、被検体である眼の前眼部Eaを介し、眼底Erの網膜層にフォーカスされる。眼底Erを照射した測定光は各網膜層で反射・散乱し、上述の光学経路を経由して偏光保持ファイバカップラ104に戻る。
一方、偏光保持ファイバカップラ104で分岐された参照光は、偏光保持ファイバ117を介してコリメータ118から平行光として出射される。出射された参照光は22.5°傾けて設置されたλ/4波長板119で偏光制御される。参照光は分散補償ガラス120を介し、コヒーレンスゲートステージ121上のミラー122で反射され、偏光保持ファイバカップラ104に戻る。参照光は、λ/4波長板119を二度通過する事で直線偏光の光が偏光保持ファイバカップラ104に戻ることになる。本実施形態の場合、後述するファイバカップラ123で分岐される偏光方向を基準にして、45°直線偏光に偏光調整する。コヒーレンスゲートステージ121は、被検者の眼軸長の相違等に対応する為、駆動制御部181で制御されている。
偏光保持ファイバカップラ104に戻った測定光の反射光と参照光は合波されて干渉光(合波光)となり、偏光ビームスプリッタを内蔵したファイバカップラ123に入射し、異なる偏光方向であるP偏光の光とS偏光の光に分岐比50:50で分割される。P偏光の光は、偏光保持ファイバ124、コリメータ130を介し、グレーティング131により分光されレンズ132、ラインカメラ133で受光される。同様に、S偏光の光は、偏光保持ファイバ125、コリメータ126を介し、グレーティング127により分光されレンズ128、ラインカメラ129で受光される。なお、グレーティング127、131、ラインカメラ129、133は、各偏光の方向に合わせて配置されている。検出手段の一例であるラインカメラ129、133でそれぞれ受光した光は、光の強度に応じた電気信号として出力され、信号処理部182で受ける。
<前眼部撮像部160>
前眼部撮像部160について説明する。前眼部撮像部160は、波長1000nmの照明光を発するLED115a、115bから成る照明光源115により前眼部Eaを照射する。前眼部Eaで反射された光は、フォーカスレンズ114、λ/4波長板113、レンズ112、ダイクロイックミラー111を介し、ダイクロイックミラー161に達する。ダイクロイックミラー161は、980nm〜1100nmの光を反射し、それ以外の光を透過する特性を有する。ダイクロイックミラー161で反射された光は、レンズ162、163、164を介し、前眼部カメラ165で受光される。前眼部カメラ165で受光された光は、電気信号に変換され、信号処理部182で受ける。
<内部固視灯170>
内部固視灯170について説明する。内部固視灯170は、固視灯表示部171及びレンズ172を有する。固視灯表示部171には、複数の発光ダイオード(LD)がマトリックス状に配置されたものを用いる。発光ダイオードの点灯位置は、駆動制御部181の制御により撮像したい部位に合わせて変更される。固視灯表示部171からの光は、レンズ172を介し、被検眼に導かれる。固視灯表示部171から出射される光は520nmで、駆動制御部181により所望のパターンが表示される。
<制御装置180>
制御装置180について説明する。制御装置180は、駆動制御部181、信号処理部182、制御部183、表示部184から構成される。駆動制御部181は、上述の通り各部を制御する。信号処理部182は、ラインカメラ129、133及び前眼部カメラ165それぞれから出力される信号に基づき、画像を生成する。信号処理部182はまた、生成した画像の解析、解析結果の可視化情報の生成を行う。なお、画像の生成などの詳細については、後述する。制御部183は、光干渉断層撮影装置全体を制御すると共に、信号処理部182で生成された画像等を表示部184の表示画面に表示する。本実施形態の表示手段の一例である表示部184は、制御部183の制御の下、後述するように種々の情報を表示する。例えば、表示部184は、被検体の断層画像や、本実施形態の偏光特性を示す画像を表示する。ここで、表示部184は、例えば、液晶等のディスプレイである。なお、信号処理部182で生成された画像データは、制御部183に有線で送信されても良いし、無線で送信されても良い。この場合、制御部183を画像処理装置とみなすことができる。なお、制御装置180は、CPU、ROM、RAM等で構成され、後述する制御装置180の機能や処理は、CPUがROM等に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現されるものである。
<画像処理方法>
次に、信号処理部182における画像生成、画像解析について説明する。なお、信号処理部182は、本実施形態の断層画像取得手段や画像生成手段として機能するが、例えば、装置本体から送信された各種の断層画像データを受信する機能だけでなく、検出手段から受信した断層信号を用いて各種の断層画像を生成する機能であっても良い。
<断層信号生成>
信号処理部182は、検出手段の一例であるラインカメラ129、133から入力した干渉信号に対して、SD−PS−OCTに用いられる再構成処理を行うことで、断層信号を生成する。まず信号処理部182は、干渉信号から固定パターンノイズ除去を行う。固定パターンノイズ除去は検出した複数のAスキャンを平均することで固定パターンノイズを抽出し、これを入力した干渉信号から減算することで行われる。次に信号処理部182は、干渉信号を波長から波数に変換し、フーリエ変換を行うことによって断層信号を生成する。以上の処理を2つの偏光成分の干渉信号に対して行うことにより、各偏光成分に基づいた2つの断層信号A、Aと断層信号の位相Φ、Φが生成される。
<輝度画像生成>
信号処理部182は、前述した2つの断層信号から断層輝度画像を生成する。信号処理部182は、断層信号を、Xスキャナ107及びYスキャナ110の駆動に同期して整列させることにより、各偏光成分に基づいた2つの断層画像(第1の偏光に対応する断層画像、第2の偏光に対応する断層画像とも言う)を生成する。輝度画像は従来のOCTにおける断層画像と基本的に同じもので、その画素値rは各ラインカメラ129、133から得られた断層信号A、Aから(式1)によって計算される。図3(a)に視神経乳頭部の輝度画像の例を示す。

<リターデーション像生成>
次に、第2の偏光断層画像や偏光位相差を示す偏光断層画像の一例であるリターデーション像の生成について説明する。本実施形態の偏光特性算出手段として信号処理部182は、互いに直行する偏光成分の断層信号からリターデーション像を生成する。リターデーション像の各画素の値δは、断層像を構成する各画素の位置において、垂直偏光成分と水平偏光成分の間の位相差を数値化したものであり、各断層信号A、Aの振幅から(式2)によって計算される。
δ=arctan[A/A] ・・・(式2)
図3(b)は、このように生成された視神経乳頭部のリターデーション画像(偏光の位相差を示す断層画像とも言う)の例を示したものであり、各Bスキャン画像に対して(式3)を計算することによって得ることができる。図3(b)は、断層画像において位相差が生じる箇所を表示しており、濃淡の濃い場所は位相差が大きく、濃淡の淡い場所は位相差が小さいことを表している。図3(b)の右側の濃淡バーは、リターデーションが0から45°の値を表す。リターデーション画像を生成することにより、複屈折性のある層を把握することが可能となる。網膜内の構造においては、視神経繊維層(nerve fiber layer;以下、NFL)が特異的な複屈折性を持つ。
干渉光が偏光解消されている場合のリターデーションについて説明する。偏光解消は例えば、組織内の微小構造(例えばメラニン)での反射に由来すると考えられている。偏光解消する領域では、微小構造の境界面で測定光が反射する際に、偏光が変化する。偏光の変化の仕方は反射面によって異なり、異なる偏光が不均一(ランダム)に混合されて反射光となる。すなわち、反射光の偏光成分の振幅が不均一(ランダム)になる。偏光の解消の仕方は、測定光を反射する微小構造の大きさと撮影装置の分解能との関係によって変わる。微小構造による反射に対し、撮影装置の分解能が低い場合、不均一な偏光は平均化されて観測される。結果的に、観測される偏光成分に偏りが無くなる。各偏光成分の偏りが無い為、偏光ビームスプリッタで分岐した互いに直交する偏光成分の強度は等しくなる(A=A)。従って、(式2)で算出するリターデーションは(式3)のように一定値となる。
δ=arctan(A/A)=tan−1(1)=45° ・・・(式3)
偏光解消する領域では、リターデーションは定義できない為、不正確な値が算出されている事になる。一方、微小構造による反射に対し、撮影装置の分解能が高い場合、不均一(ランダム)な偏光は分離して観測される。結果的に、観測される偏光成分の強度比(A/A)も画素毎に不均一な値となる。従って、(式2)で算出するリターデーションも画素毎に不均一となる。不均一で局所的な状態が算出されている為、被検体の組織の正確な状態を表しているとは言い難い。なお、不均一なリターデーションとなる場合でも、空間的に平均化すると一定値(δ=45°)に近づく。リターデーションが一定値となるか不均一となるかは、撮影装置の相対的な分解能の違いであり、本質的には同じ現象である。本実施形態の中では、不均一な状態になる場合も含めて、偏光解消と呼ぶ。なお、リターデーションの値45°は、本実施形態の所定の偏光位相差の一例である。
被検体が被検眼である場合、被検体内で偏光解消する領域の例としては、網膜色素上皮(retinal pigmented epithelium;以下、RPE)層が挙げられる。図3(b)の例では、Aの領域が偏光解消する領域(RPE層)に相当する。RPE層に存在するメラニンが偏光解消に寄与していると考えられている。偏光解消領域は、図3(b)のリターデーション像において濃く目立って表示されている。
<リターデーションマップの生成>
リターデーションマップを生成する画像生成手段の一例である信号処理部182は、複数のBスキャン像に対して得たリターデーション(Retardation)画像からリターデーションマップを生成する。まず、信号処理部182は、各Bスキャン画像において、網膜色素上皮(以下、「RPE」ともいう)を検出する。RPEは偏光を解消する性質を持っているため、各Aスキャンを深度方向に沿って内境界膜(以下、「ILM」ともいう)からRPEを含まない範囲でリターデーションの分布を調べ、その最大値を当該Aスキャンにおけるリターデーションの代表値とする。信号処理部182は、以上の処理を全てのリターデーション画像に対して行うことにより、リターデーションマップを生成する。図4(a)には、視神経乳頭部のリターデーションマップの例が示されている。また、図4(c)には、視神経乳頭部及び黄斑部のリターデーションマップの例が示されている。濃淡の濃い場所は上記比を示す値が小さく、濃淡の淡い場所は上記比を示す値が大きいことを表している。視神経乳頭部において、複屈折性を持つ層としては網膜神経線維層(以下、「RNFL」ともいう)であり、リターデーションマップは、2つの偏光がRNFLの複屈折性とRNFLの厚みとで受ける影響の違いを示す画像である。そのため、RNFLが厚い箇所では上記比を示す値が大きくなり、RNFLが薄い箇所では上記比を示す値が小さくなる。したがって、リターデーションマップにより、眼底全体のRNFLの厚みを把握することが出来、緑内障の診断に用いることが出来る。
<複屈折マップの生成>
信号処理部182は、先に生成されたリターデーション画像の各Aスキャン画像において、ILMからRNFLの範囲でリターデーションδの値を線形近似し、その傾きを当該Aスキャン画像の網膜上の位置における複屈折として決定する。すなわち、リターデーションはRNFLにおける距離と複屈折と積であるため、各Aスキャン画像において深さとリターデーションの値をプロットすると線形の関係が得られる。したがって、このプロットに対して最小二乗法等により線形近似を行い、その傾きを求めればそれが当該Aスキャン画像におけるRNFLの複屈折の値となる。この処理を取得した全てのリターデーション画像に対して行うことで、複屈折を表すマップを生成する。図4(b)には、視神経乳頭部の複屈折マップの例が示されている。複屈折マップは、複屈折の値を直接マップ化するため、RNFLの厚さが変化しない場合であっても、その繊維構造が変化した場合に、複屈折の変化として描出することができる。
<オリエンテーション像生成>
次に、第2の偏光断層画像や偏光位相差を示す偏光断層画像の一例であるオリエンテーション像の生成について説明する。信号処理部182は、互いに直行する偏光成分の断層信号の位相Φ、Φからオリエンテーション像を生成する。オリエンテーション像の各画素の値θは、断層像を構成する各画素の位置において、測定光に対する光軸の方向を表している。互いに直行する偏光成分の断層信号の位相の差ΔΦ(=Φ−Φ)から(式4)によって計算される。
θ=(π−ΔΦ)/2 ・・・(式4)
図4(d)には、視神経乳頭部及び黄斑部のオリエンテーションマップの例が示されている。光学軸の向きは、被検体の内部構造の異方性に起因する。異方性は例えば、神経繊維の走行によって発生する。そのため、オリエンテーション像を生成する事により、複屈折がある層の異方性の向きを把握する事が可能となる。また、干渉光が偏光解消されている場合には、各偏光成分の位相に相関が無い(もしくはランダムになる)ため、位相差ΔΦは、ばらついた値となる。偏光解消する領域では、オリエンテーションは定義できない為、断層像で表示した場合、不正確な値が算出されている事になる。なお、この不正確な値が、本実施形態の所定の偏光位相差の一例である。
<DOPU画像生成>
次に、第1の偏光断層画像の一例である偏光の均一性を示すDOPU(Degree Of Polarization Uniformity:以下、DOPU)像の生成について説明する。DOPUは、偏光の均一性を表す数値であり、偏光が保たれている個所においては1に近い数値となり、偏光が解消された箇所(偏光解消領域)においては1よりも小さい数値となるものである。信号処理部182は、取得した断層信号A、Aとそれらの位相Φ、Φの差ΔΦ(=Φ−Φ)から、画素毎にストークスベクトルSを(式5)により計算する。

次に、信号処理部182は、各Bスキャン画像を概ね測定光の主走査方向に70μm、深度方向に18μm程度の大きさのウィンドウを設定する。そして、信号処理部182は、各ウィンドウにおいて(式5)で画素毎に計算されたストークスベクトルの各要素(ストークスパラメータ)を平均する。そして、信号処理部182は、当該ウィンドウ内のDOPUを(式6)により計算する。

ただし、Q、U、Vは、各ウィンドウ内のストークスパラメータQ、U、Vを平均し、強度Iで規格化した値である。DOPUにより、ウィンドウ内の均一性を算出する事で、安定して偏光解消を評価する事ができる。DOPUのウィンドウサイズを適切に選択することにより偏光解消時に、リターデーションが一定値となる場合と、不均一となる場合どちらでも評価できる。平均化する領域はウィンドウの大きさで決まるが、被検体及び撮影装置の分解能や画素サイズ等を考慮して、決定すれば良い。信号処理部182は、この処理をBスキャン画像内の全てのウィンドウに対して行うことで、図3(c)に示す視神経乳頭部のDOPU画像(偏光の均一度を示す断層画像とも言う)を生成する。図3(c)の右側の濃淡バーは、DOPUが0.5から1の値を表す。濃淡の淡い場所は偏光が均一で、濃淡の濃い場所は偏光が不均一であることを表している。
網膜内の構造においては、網膜色素上皮(RPE)が偏光を解消する性質があるため、DOPU画像においてRPEに対応する部分は、他の領域に対してその値が小さくなる。従って、DOPUの値を閾値処理することにより、偏光解消領域を抽出することができる。閾値は、測定装置の画素サイズやウィンドウの設定の仕方によって変わり、事前に被検体を測定することで、決定すればよい。例えば、0.75を閾値とすればよい。図3(c)において、濃淡が濃い領域(Aの領域)がRPEに相当する。DOPU画像は、RPE等の偏光を解消する層を画像化しているので、病気などによりRPEが変形している場合においても、輝度の変化よりも確実にRPEを画像化出来る。図3(d)に偏光解消領域を抽出した例を示す。分かり易さの為、図3(d)では他の組織の境界線も表示している。図中では、濃い領域(Aの領域)が、偏光解消領域に相当する。
<セグメンテーション>
信号処理部182は、前述した輝度画像を用いて断層画像のセグメンテーションを行う。まず、信号処理部182は、処理の対象とする断層画像に対して、メディアンフィルタとSobelフィルタをそれぞれ適用して画像を作成する(以下、メディアン画像、Sobel画像とする)。次に、信号処理部182は、作成したメディアン画像とSobel画像から、Aスキャン毎にプロファイルを作成する。メディアン画像では輝度値のプロファイル、Sobel画像では勾配のプロファイルとなる。そして、信号処理部182は、Sobel画像から作成したプロファイル内のピークを検出する。信号処理部182は、検出したピークの前後やピーク間に対応するメディアン画像のプロファイルを参照することで、網膜層の各領域の境界を抽出する。更に、信号処理部182は、Aスキャンラインの方向に各層厚をそれぞれ計測し、各層の層厚マップを作成することができる。また、セグメンテーションの結果を使って、リターデーションから複屈折を得る事もできる。リターデーションの深さ方向への変化率(傾き)が複屈折に相当する。
<偏光解消領域の処理>
次に、本実施形態の撮影処理フローを、図1を用いて説明する。図1のフローチャートは、光干渉断層撮影装置による、撮影処理(測定処理)を示すフローチャートである。撮影処理は、例えば、信号処理部182によって実行される。検者が、例えば表示部184に表示された開始ボタン(不図示)や物理的に本装置に設けられた開始ボタンを操作することで撮影モードが選択されたとする。すると、制御装置180は、撮影開始指示を受け付け、動作モードを撮影モードに設定し、撮影を開始する。まず、ステップS1において、駆動制御部181は、測定光を被検体に照射する。次に、ステップS2において、制御装置180は、ラインカメラ129、133から干渉信号を得て、信号処理により被検体に対応する断層信号A、Aを取得する。断層信号A、Aには、被検体の偏光特性の情報が含まれている。
また、ステップS3において、信号処理部182は、被検体の偏光特性を算出する。算出する被検体の偏光特性は、少なくともリターデーションを含む。偏光特性としてリターデーションを算出した例を図3(b)に示す。また、ステップS4において、信号処理部182は、偏光解消領域を抽出する。本実施形態に係る抽出手段の機能は、例えば、信号処理部182により実行される。また、本実施形態の偏光解消領域を抽出する指標としては、例えばDOPUを用いればよい。信号処理部182は、DOPUの値が閾値以下の領域(例えば、DOPUが0.75以下の領域)を、偏光解消領域として抽出すればよい。DOPUを取得した例を図3(c)に、抽出した偏光解消領域(図中のAの領域)の例を図3(d)に示す。
また、ステップS5において、表示制御手段の一例である制御部183は、本実施形態の偏光位相差を示す画像(リターデーション画像やオリエンテーション画像等)を偏光解消領域がマスクされた状態で表示部184に表示させる。マスクする方法の一例としては、偏光位相差を示す画像における偏光解消領域に対応する領域を非表示にする。マスクしたリターデーションの例を図3(e)に示す。図3(b)に対し、図3(e)では、図中のAの領域が白抜きで非表示とされている。最後に、表示を完了し撮影処理を終える。
なお、本実施形態は、偏光解消領域を非表示としなくても、偏光位相差を示す画像の偏光解消領域が認識できればよい。例えば、当該領域を、他の色で塗りつぶしたり、半透明な色を重ねたり、網掛けしたりしてもよい。このとき、表示制御手段の一例である制御部183が、偏光位相差を示す画像から偏光解消領域に対応する領域が除去された新たな画像を表示部184に表示させることができれば良い。なお、上述した領域の除去は、完全に領域が除去されている必要はなく、偏光解消領域に対応する偏光断層画像上の領域が他の領域に対してユーザが識別可能な状態で表示部184に表示されていれば良い。また、偏光断層画像と新たな画像とが3次元の偏光断層画像である場合を考える。このとき、信号処理部182が、3次元の新たな画像の平面方向の複数の位置で深さ方向におけるリターデーションの代表値を特定することが好ましい。そして、特定された代表値を用いて上述したリターデーションマップを生成することが好ましい。
ステップS4における本実施形態の偏光解消領域を抽出する指標は、偏光が解消している領域を抽出できれば、DOPU以外の指標を使っても良い。DOPU以外の指標の例として、偏光度を示すDOP(Degree Of Polarization:以下、DOP)、ストークスパラメータ、リターデーションが挙げられる。以下、DOPU以外のパラメータで偏光を解消する領域を抽出する方法を説明する。
初めに、DOPを利用する方法について説明する。DOPはストークスパラメータから(式7)により算出する。

DOPにおいても、偏光が保たれている個所においては1に近い数値となり、偏光が解消されるにつれて1よりも小さい数値となる。DOPは撮影装置の相対的な分解能が低く、不均一な偏光が平均化されて観測される場合に有効である。DOPを使う場合、ウィンドウ毎に平均化する必要が無い為、DOPUに比べて計算量を減らせる利点がある。
次に、本実施形態の指標として、ストークスパラメータを利用する方法について説明する。ストークスパラメータは、水平と垂直の偏光の成分の差Q、+45°と−45°の偏光の成分の差U、右回りと左回りの円偏光の差Vを表す。偏光が保たれている場合、一般的には楕円偏光となるため、被検体の組織の偏光特性を反映したストークスパラメータの値の分布(ピーク)をもつ。撮影装置の相対的な分解能が低く、不均一な偏光が平均化されて測定される場合、各偏光成分の偏りが無い為、ストークスパラメータは0となる。また、撮影装置の相対的な分解能が高く、不均一(ランダム)な偏光が観測される場合は、ストークスパラメータは不均一な偏光を反映した値になる。ストークスパラメータは画素毎にばらつき、ピークがなくなる。ストークスパラメータが0または、所定のウィンドウ内でばらつきが大きい場合、偏光が解消していると判断できる。ウィンドウの大きさは、被検体及び撮影装置の分解能や画素サイズ等を考慮して、決定すれば良い。例えば、DOPUと同様な測定光の主走査方向に70μm、深度方向に18μm程度の大きさとすれば良い。ストークスパラメータは、3成分毎でもよいし、1成分でもよい。ストークスパラメータを使う場合、DOPUと比べてウィンドウ毎に平均化計算をする必要が無い為、計算量を減らせる利点がある。
次に、本実施形態の指標として、リターデーションを利用する方法について説明する。被検体の通常のリターデーションが45°より小さいと分かっている場合に利用する事ができる。ストークスパラメータ同様、リターデーションも偏光が保たれている場合、被検体の組織の偏光特性を反映した分布(ピーク)をもつ。偏光が解消している場合、一定値(45°)あるいは、平均すると45°となるように画素毎にばらついた値となる。リターデーションが一定値となるか不均一となるかは、撮影装置の相対的な分解能の違いによる。微小構造による反射に対し、撮影装置の分解能が低ければ、不均一な偏光が平均化されて観測されるため偏光の偏りが無くなる。偏光の偏りが無くなると、偏光成分の強度比は等しくなる(A=A)。従って、リターデーションδは一定値となる。一方、微小構造による反射に対し、撮影装置の分解能が高ければ、不均一(ランダム)な偏光は分離して観測される為、偏光成分の強度比(A/A)も不均一な値となる。画素毎のリターデーションも不均一となる。リターデーションの不均一性は、DOPUやDOP同様に所定のウィンドウを設けて、ばらつきで評価すればよい。ストークスパラメータと同様に、リターデーションが所定の値(45°)または、所定のウィンドウ内でばらつきが大きい場合、偏光が解消していると判断できる。ストークスパラメータの代わりに、リターデーションを使う事で、計算量をさらに少なくできる利点がある。
以上、DOPU以外のパラメータで偏光を解消する領域を抽出する方法について説明したが、偏光解消が得られる手法であれば他の手法でもよい。また、複数の手法を組合せてもよい。あるいは、セグメンテーションの結果から予め偏光解消すると分かっている領域(例えば、RPEと識別された領域)を、偏光解消領域としてもよい。被検体の組織の事前情報を利用する事で、計算量を減らせる利点がある。
また、輝度値が低い領域は、信号強度が弱く偏光特性の計算にばらつきがでる場合がある。従って、偏光解消領域に加えて、輝度値が低い領域もマスクしてもよい。輝度値が低い領域の閾値は、光干渉断層撮影装置のロールオフ特性や、検知器(ラインカメラ129、133)のシグナルノイズ特性を元に設定すればよい。また、偏光解消領域をマスクする表示は、マスクのオンオフを選択できるようにしてもよい。さらに表示する偏光特性画像は、輝度画像に重ねて表示しても良い。例えば、輝度画像、偏光解消領域を非表示にしたリターデーション像を重ねても良い。また、表示する偏光特性像は、他の偏光特性(例えば、オリエンテーション)であってもよい。また、偏光が解消する領域を抽出する代わりに、偏光が保存される領域を抽出して、当該領域の偏光特性を表示する事としてもよい。上記の説明においては、光源101から出射された出射光は偏光コントローラ103で垂直偏光に調整されたが、出射光は、水平偏光等の他の方位角の直線偏光に調整されてもよい。他の方位角とする場合、波長板の角度、及び算出式を対応した形にすればよい。
また、上記実施形態の光干渉断層撮影装置は、スペクトル領域型のPS−OCT(SD−PS−OCT)で説明したが、波長掃引型のPS−OCT(swept source PS−OCT)や、Time‐Domain−OCTにも適用できる。また、EOM素子(電気光学変調素子)により測定光の偏光を変調する方式のPS−OCT等他のPS−OCTの方式であってもよい。また、光干渉断層撮影装置の被検体は、上記実施形態に限定されるものではない。光干渉断層撮影装置は、被検体の偏光特性を測定するOCTであればよく、例えば、皮膚、内臓、血管、歯等、眼以外の生体や、生体以外の試料等の偏光特性を測定するOCTであってもよい。光干渉断層撮影装置はまた、内視鏡であってもよい。
以上、上述した各実施形態によれば、被検体に偏光解消領域が存在していても、被検体の偏光断層画像(リターデーション画像等)をモニタに見易く表示させることができる。なお、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。例えば、断層信号の取得(図1のステップS1からステップS2)と、後処理(図1のステップS3からステップS5)を別々に行っても良い。

Claims (18)

  1. 光干渉を用いて被検体から取得される断層信号を処理する画像処理装置において、
    前記断層信号に基づいて、前記被検体の偏光特性を示す偏光断層画像を生成する画像生成手段と、
    前記断層信号に基づいて、前記被検体の偏光解消領域を抽出する抽出手段と、
    前記抽出された偏光解消領域に対応する前記偏光断層画像上の領域を他の領域に対し識別可能に表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記表示制御手段は、前記抽出された偏光解消領域に対応する前記偏光断層画像上の領域が除去された画像を前記表示手段に表示させることにより、前記抽出された偏光解消領域に対応する前記偏光断層画像上の領域を他の領域に対し識別可能に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記表示制御手段は、前記抽出された偏光解消領域に対応する前記偏光断層画像上の領域がマスクされた画像を前記表示手段に表示させることにより、前記抽出された偏光解消領域に対応する前記偏光断層画像上の領域を他の領域に対し識別可能に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像生成手段は、前記被検体のリターデーション画像と前記被検体のオリエンテーション画像との少なくとも一つの画像を、前記偏光断層画像として生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記抽出手段は、前記断層信号に基づいて偏光の均一性を示す値と偏光度を示す値との少なくとも一つの値を算出し、前記算出された値に基づいて前記偏光解消領域を抽出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 光干渉を用いて被検体を断層撮影する光干渉断層撮影装置に通信可能に接続された画像処理装置であって、
    前記光干渉断層撮影装置から送信された断層信号に基づいて、前記被検体の異なる偏光特性を示す第1及び第2の偏光断層画像を取得する断層画像取得手段と、
    前記第1の偏光断層画像の偏光解消領域を抽出する抽出手段と、
    前記第2の偏光断層画像から前記抽出された偏光解消領域に対応する領域が除去された新たな画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  7. 前記表示制御手段は、前記第2の偏光断層画像における前記抽出された偏光解消領域に対応する領域がマスクされた画像を前記表示手段に表示させることにより、前記対応する領域が除去された新たな画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記第1の偏光断層画像は、偏光の均一性を示す偏光断層画像であり、
    前記第2の偏光断層画像は、偏光の位相差を示す偏光断層画像であることを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理装置。
  9. 光干渉を用いて被検体を断層撮影する光干渉断層撮影装置に通信可能に接続された画像処理装置であって、
    前記光干渉断層撮影装置から送信された断層信号に基づいて、前記被検体の偏光位相差を示す偏光断層画像を取得する断層画像取得手段と、
    前記偏光断層画像から所定の偏光位相差を示す領域が除去された新たな画像を生成する画像生成手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  10. 前記偏光断層画像と前記新たな画像とが、3次元の偏光断層画像であり、
    前記画像生成手段は、前記新たな画像の平面方向の複数の位置で深さ方向におけるリターデーションの代表値を特定し、前記特定された代表値を用いてリターデーションマップを生成することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記被検体は、被検眼であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 測定光を照射した被検体からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とを干渉して得た干渉光を分割して得た互いに異なる偏光の光を断層信号として検出する検出手段と、
    前記断層信号に基づいて、前記被検体の偏光特性を示す偏光断層画像を生成する画像生成手段と、
    前記断層信号に基づいて、前記被検体の偏光解消領域を抽出する抽出手段と、
    前記抽出された偏光解消領域に対応する前記偏光断層画像上の領域を他の領域に対し識別可能に表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮影装置。
  13. 測定光を照射した被検体からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とを干渉して得た干渉光を分割して得た互いに異なる偏光の光を検出する検出手段と、
    前記検出された異なる偏光の光に基づいて、前記被検体の異なる偏光特性を示す第1及び第2の偏光断層画像を取得する断層画像取得手段と、
    前記第1の偏光断層画像の偏光解消領域を抽出する抽出手段と、
    前記第2の偏光断層画像から前記抽出された偏光解消領域に対応する領域が除去された新たな画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮影装置。
  14. 測定光を照射した被検体からの戻り光と前記測定光に対応する参照光とを干渉して得た干渉光を分割して得た互いに異なる偏光の光を検出する検出手段と、
    前記検出された異なる偏光の光に基づいて、前記被検体の偏光位相差を示す偏光断層画像を取得する断層画像取得手段と、
    前記偏光断層画像から所定の偏光位相差を示す領域が除去された新たな画像を生成する画像生成手段と、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮影装置。
  15. 光干渉を用いて被検体から取得される断層信号を処理する画像処理方法において、
    前記断層信号に基づいて、前記被検体の偏光特性を示す偏光断層画像を生成する工程と、
    前記断層信号に基づいて、前記被検体の偏光解消領域を抽出する工程と、
    前記抽出された偏光解消領域に対応する前記偏光断層画像上の領域を他の領域に対し識別可能に表示手段に表示させる工程と、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  16. 光干渉を用いて被検体を断層撮影する光干渉断層撮影装置から送信された断層信号に基づいて、前記被検体の異なる偏光特性を示す第1及び第2の偏光断層画像を取得する工程と、
    前記第1の偏光断層画像の偏光解消領域を抽出する工程と、
    前記第2の偏光断層画像から前記抽出された偏光解消領域に対応する領域が除去された新たな画像を表示手段に表示させる工程と、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  17. 光干渉を用いて被検体を断層撮影する光干渉断層撮影装置から送信された断層信号に基づいて、前記被検体の偏光位相差を示す偏光断層画像を取得する工程と、
    前記偏光断層画像から所定の偏光位相差を示す領域が除去された新たな画像を生成する工程と、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  18. 請求項15乃至17のいずれか1項に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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