JP2017079781A - マイクロ流体核酸配列決定装置及びその使用 - Google Patents

マイクロ流体核酸配列決定装置及びその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリヌクレオチド分析物中のヌクレオチド塩基の配列を決定する方法の提供。【解決手段】核酸がそのヌクレオチド三リン酸に漸進的加ピロリン酸分解されるための第一のマイクロ流体手段、及び結合部位の周辺からヌクレオチド三リン酸を含む流動性の第二水性媒体を取り除くための第二のマイクロ流体手段、水非混和性担体溶媒中に、その少なくともいくつかはヌクレオチド三リン酸の一つを含む、第二水性媒体の微小液滴を、作製する手段、微小液滴から、第二水性媒体に導入する少なくとも一つの接触手段、液滴保持部位のアレイ、各液滴を、順に一つの保持部位のまで運ぶ第三のマイクロ流体手段、並びに順に各保持部位に衝突するように適合されている光源、及びそれから放出される蛍光を検出する検出器を含む蛍光検出システム、を含むことを特徴とするマイクロ流体核酸配列決定装置。【選択図】図1

Description

本発明は、自然発生のRNAまたはDNAに由来するもののようなポリヌクレオチドを
、漸進的加ピロリン酸分解によりそれらから生成される単一ヌクレオチド塩基の順序づけ
られた配列を捕捉および検出することにより、特徴分析する方法に関する。
遺伝物質の次世代配列決定は、ますます高速化する配列決定装置の販売に伴い配列決定
の単価が下落しているように、すでに一般に生物科学、とくに医学に顕著な影響を与えて
いる。このように、1つのこうした装置では、二本鎖DNA分析物はまず複数のより小さ
なポリヌクレオチド断片に分解され、そのそれぞれは一本鎖の両端で一本鎖第1オリゴヌ
クレオチドを不対アデニン塩基へのハイブリダイゼーションによりその補体の両端に結合
することができるようにまずアデニル化される。こうして得られる処理断片は次にサイズ
選択され、それ自体が第1の配列補体である結合一本鎖第2オリゴヌクレオチドで覆われ
た表面上で捕捉され、実際にはさらなるハイブリダイゼーションにより表面結合二本鎖断
片のライブラリを形成することができる。その後のクラスタリングステップでは、これら
のライブラリ構成要素は次に、未使用の第2オリゴヌクレオチドを用いる伸長および等温
架橋反応を用いて表面上で何百万回もクローン的に増幅される。これは、実際には、その
鎖の1つによって表面に結合したポリヌクレオチド断片の密集体をもたらす。各断片の非
結合相補鎖は次に配列決定用の結合一本鎖断片を残して除去される。配列決定段階では、
これらの一本鎖断片のそれぞれはプライムされ、ポリメラーゼ連鎖反応およびジデオキシ
ヌクレオチド三リン酸(ddNTP)形態のDNAの4つの特徴的なヌクレオチド塩基の
混合物を用いる伸長によりその相補鎖が再形成される。各ddNTPタイプは異なる波長
で蛍光する異なるフルオロフォアで標識される部分で末端ブロックされる。伸長反応はこ
こで3ステップのサイクルの形態をとる;第1に、適切なddNTPが伸長鎖に結合され
;第2に、これが含有するヌクレオチド塩基が試料を照射し、蛍光の波長を検出すること
により識別され;最後に、末端ブロックおよびその関連フルオロフォアが除去され、次の
伸長事象の発生を可能にする。この手段により、相補鎖の配列を塩基ごとに形成すること
ができる。この方法は高度に自動化することができ、高精度の配列リードを生成すること
ができるが、その処理速度は伸長サイクルの速度により制限されることが理解されるだろ
う。このように、実際には、この技術の使用は比較的短いポリヌクレオチド断片の並列処
理およびそれから得られるさまざまなリードからの全配列のアセンブリを含む傾向がある
。これは本質的にコンピュータ処理の複雑さおよび潜在的なエラーの発生につながり得る
より最近では、直接配列決定方法の開発の努力がなされている。例えば、国際公開第W
O2009/030953号は、とくに一本または二本鎖ポリヌクレオチド試料(例えば
自然発生RNAまたはDNA)中のヌクレオチド塩基または塩基対の配列がこれをナノポ
アの開口部内にまたはこれに隣接して並置されたプラズモンナノ構造を備えるナノ多孔質
基板を通して転位させることにより読まれる、新規高速配列決定装置について開示する。
この装置では、プラズモンナノ構造は、その中で(任意で標識された)各ヌクレオチド塩
基が順に光子を入射光との相互作用により特徴的に蛍光またはラマン散乱させるように誘
導される、検出窓(本質的には電磁場)を画定する。こうして生成された光子はその後遠
隔検出され、多重化され、その情報内容がポリヌクレオチドに関連するヌクレオチド塩基
配列に特徴的であるデータストリームに変換される。この配列はその後、それと一体化し
たマイクロプロセッサまたはそれに付属した補助計算装置中にプログラムされた対応する
ソフトウェアにおいて具現化された計算アルゴリズムを用い、データストリームから回収
することができる。プラズモンナノ構造およびそれらの関連共鳴特性の使用についてのさ
らなる背景は、例えばAdv.Mat.2004,16(19)pp.1685−170
6を参照することができる。
ポリヌクレオチドの高速配列決定の別の装置は、例えば、米国特許第US662706
7号、第US6267872号および第US6746594号に記載される。そのもっと
も単純な形態では、この装置はプラズモンナノ構造の代わりに電極を用い、基板上または
ナノポアの開口部中もしくは周辺の検出窓を画定する。次に電極に異なる電位が印加され
、その間を流動するイオン性媒体の電気特性の変化が、ナノポアを通るポリヌクレオチド
および関連電解質の電気泳動的転位の結果として、時間の関数で測定される。この装置で
は、さまざまな個別のヌクレオチド塩基が検出窓を通過する際、それらはこれを連続的に
閉塞および開放する「事象」を引き起こし、電流または抵抗の特徴的な変動をもたらす。
これらの変動はその後上述したような分析に適したデータストリームを生成するのに用い
られる。
安定な液滴ストリーム、とくに微小液滴ストリームの生成は、分子生物学においてすで
に用途を有するもう1つの技術開発分野である。例えば、米国特許第US7708949
号は安定な油中水滴を生成する新規マイクロ流体方法を開示し、例えば米国特許第US2
011/0250597号は1つの核酸テンプレート(一般的にはポリヌクレオチドDN
AまたはRNA断片)およびポリメラーゼ連鎖反応を用いてテンプレートを増幅させるこ
とができる複数のプライマー対を含有する微小液滴を生成するためのこの技術の利用につ
いて記載する。当技術分野に関する他の特許出願としては一般的には日本国特許第JP2
004/290977号、第JP2004/351417号、米国特許第US2012/
0122714号、第US2011/0000560号、第US2010/013761
63号、第US2010/0022414号および第US2008/0003142号が
挙げられる。
国際公開第WO2004/002627号は、アップストリームおよびダウンストリー
ムマイクロ流体領域間に不連続部分を形成するステップを含む各種装置を用いる液体−液
体および気体−液体分散物の形成方法について開示する。しなしながら、単一ヌクレオチ
ドDNA配列決定に対するその用途は教示されていない。
国際公開第WO2010/077859号は、電極を備える基板、反応器経路、ならび
にヌクレオチド塩基、洗浄バッファー、試料および酵素リザーバを備える液滴アクチュエ
ータについて教示する。アクチュエータは一般的には核酸の増幅および配列決定に有用で
あると言及されるが、我々が後述する分析物分解方法の教示はない。むしろ、これは完全
に異なる方法に関し;パイロシーケンシングを用いる分析物の相補鎖の合成を観察するも
のである。米国特許第US2009/0280475号は同様の対象に関する。
生体プローブは、一般的には1000ヌクレオチド長未満の既知の配列順序を有する一
本鎖オリゴヌクレオチドを備え、分析分子生物学において広く知られる。こうしたプロー
ブは一般的には、プローブのヌクレオチド塩基と標的との間に十分な配列相補性が存在す
る場合、標的(例えば自然発生病原体のDNAに由来するもの)に結合させることにより
機能する。一般的にはこうしたプローブのヌクレオチドは放射性または蛍光マーカーのよ
うな検出可能要素で標識され、プローブを用いてその中または上に標的が捕捉されている
と考えられる分析物溶液または基板を処理すると、検出要素の特徴的な検出特性を検索お
よび検出することにより標的の存在または非存在が明らかとなる。
こうしたプローブの1つのクラスは、例えば米国特許第US8211644号に記載さ
れるように、当技術分野において「分子ビーコン」として知られる物質に代表される。こ
れらのプローブは一本鎖オリゴヌクレオチドからなり、これは実際には折り畳まれ、プロ
ーブのセンサーとして作用する残った一本鎖ループおよび2つの末端に隣接するヌクレオ
チドが相補的なヌクレオチド塩基対合によって互いに結合し、これにより二本鎖領域とな
る短いステムがもたらされる。この配置は、一本鎖ループが概念的な二本鎖オリゴヌクレ
オチドの同じの末端の相補鎖に結合したヘアピンに例えることができ、高度に歪んでいる
。(ここでは互いに隣接し、ステムの遠端にある)オリゴヌクレオチドの自由3’および
5’末端には、それぞれフルオロフォアおよびクエンチャが結合する。それらを互いに近
接させることにより顕著な蛍光が発生しないようにする。使用時、標的は一本鎖ループに
結合してさらなる歪みをもたらし、プローブが加熱されると、ステムが展開し、これによ
りフルオロフォアおよびクエンチャが離れ、前者を蛍光させる。
我々はここで、1つの実施形態では分析物の漸進的分解によりその順序が分析物中の配
列に特徴的なヌクレオチド塩基のストリームを生成するステップ;およびその後各ヌクレ
オチド塩基を検出を可能にするように捕捉するステップを含む新規配列決定方法を開発し
た。
国際公開第WO94/18218号は、単一ヌクレオチドの順序づけられたストリーム
が分析物から分離され、その後各ヌクレオチドがレーザーを用いて励起され、その特徴的
なスペクトル発光が検出される蛍光増強固体マトリックス中に含有されるゲノム配列決定
装置について開示する。この配列決定装置により用いられる単一ヌクレオチド転位方法は
、一連の液滴ではなく流動非混和性液体の単一の二重シースを形成するステップを含む。
さらに、記載される配列決定装置は我々が記載するタイプの捕捉システムおよびフルオロ
フォア解放方法を用いるよりむしろ直接単一ヌクレオチドを検出することを求める。発光
を検出する際に信号対雑音比の問題を引き起こすため、これは欠点であると我々は考える
。これは配列決定装置自体の全体的な感度およびしたがって実用可能性を妥協するだろう
Stephan et al Journal of Biotechnology 86(2001)pp.255-267は、フルオロフォアで
標識された固定化DNA試料のエキソヌクレアーゼ分解により生成される単一ヌクレオチ
ドを計数する一般的な方法について教示する。しかしながら生成される異なる単一ヌクレ
オチドタイプ間の識別についての情報は提供されていない。
単一ヌクレオチド塩基のストリームを生成するためのポリヌクレオチドの漸進的エキソ
ヌクレアーゼ分解の使用はhttp://www.mrc-lmb.cam.ac.uk/happy/HappyGroup/seq.htmlで
概略的な形態で開示されたが、用いられる実際の方法についての情報はほとんど提供され
ていない。さらに、国際公開第WO03/080861号は、インテリジェントな染料で
標識されたピロリン酸アニオンの存在下で行われる加ピロリン酸分解によりDNA分析物
が単一ヌクレオチドの順序づけられたストリームに順次分解される配列決定方法について
記載する。1つの例ではピロリン酸アニオンはこれが結合した特定のヌクレオチドタイプ
に応じて異なる蛍光寿命を有する染料JF−4で標識される。標識単一ヌクレオチドのス
トリームは次にレーザーにより励起され、分光分析され、ヌクレオチドの性質およびした
がってその順序が決定される。ここでも同様に、以下に我々が記載する捕捉システムおよ
びフルオロフォア解放方法を用いるよりむしろ直接単一ヌクレオチドが検出される。した
がってこの方法も信号対雑音比およびしたがって感度の問題を引き起こすだろうと考えら
れる。
本発明によると、(1)加ピロリン酸分解により分析物から単一ヌクレオチド塩基のス
トリームを生成するステップ;(2)各単一ヌクレオチド塩基を検出不能状態の検出可能
要素で標識された捕捉システムと反応させることにより捕捉分子を生成するステップ;(
3)検出可能要素を各捕捉分子から検出可能状態に解放するステップ;および(4)こう
して解放された検出可能要素を検出し、それからヌクレオチド塩基の配列を決定するステ
ップ、により特徴づけられる、ポリヌクレオチド分析物中のヌクレオチド塩基の配列を決
定する方法が提供される。
本発明の方法のステップ(1)は、加ピロリン酸分解によるポリヌクレオチド分析物か
らの単一ヌクレオチド塩基のストリームを生成することを含む。このステップで用いられ
る分析物は、適切には、多数のヌクレオチド塩基からなる二本鎖ポリヌクレオチドである
。原則的に、ポリヌクレオチドの長さは、無制限とすることができ、ヒトゲノム断片中に
見られる最大数百万のヌクレオチド塩基を含む。分析物自体は、適切には、自然発生のR
NAまたはDNAであるが、本方法は、合成生成のRNAもしくはDNAまたは自然の中
で一般的には見られないヌクレオチド塩基;すなわち、アデニン、チミン、グアニン、シ
トシンおよびウラシル以外のヌクレオチド塩基を全体的または部分的に構成する他の核酸
を配列決定するのに用いることもできる。これらの例としては、4−アセチルシチジン、
5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウリジン、2−O−メチルシチジン、5−カルボ
キシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノ−メチルウリ
ジン、ジヒドロウリジン、2−O−メチルシュードウリジン、2−O−メチルグアノシン
、イノシン、N6−イソペンチルアデノシン、1−メチルアデノシン、1−メチルシュー
ドウリジン、1−メチルグアノシン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアノシン
、2−メチルアデノシン、2−メチルグアノシン、3−メチルシチジン、5−メチルシチ
ジン、N6−メチルアデノシン、7−メチルグアノシン、5−メチルアミノメチルウリジ
ン、5−メトキシアミノメチル−2−チオウリジン、5−メトキシウリジン、5−メトキ
シカルボニルメチル−2−チオウリジン、5−メトキシカルボニルメチルウリジン、2−
メチルチオ−N6−イソペンテニルアデノシン、ウリジン−5−オキシ酢酸−メチルエス
テル、ウリジン−5−オキシ酢酸、ワイブトキソシン、ワイブトシン、シュードウリジン
、キューオシン、2−チオシチジン、5−メチル−2−チオウリジン、2−チオウリジン
、4−チオウリジン、5−エチルウリジン、2−O−メチル−5−メチルウリジンおよび
2−O−メチルウリジンが挙げられる。
本発明の1つの実施形態において、ステップ(1)は、ポリヌクレオチド分析物を基板
に結合させる第1サブステップを含む。一般的に、基板は、マイクロ流体表面、マイクロ
ビーズまたはガラスもしくは非分解性ポリマーからなる透過性膜を備える。好適には、基
板は、分析物を受け入れるよう適合した表面をさらに備える。分析物をこうした表面に結
合させることができる多数の方法があり、原則的にはそのすべてを用いることができる。
例えば、1つの方法は、ガラス表面をエポキシシラン、アミノヒドロカルビルシランまた
はメルカプトシランのような官能化シランでプライミングすることを含む。こうしてもた
らされた反応性部位は、次に、末端アミン、スクシニルまたはチオール基を有する分析物
の誘導体で処理することができる。
ステップ(1)の好適な特性は、分析物を加ピロリン酸分解し、その順序が分析物のそ
れに対応する単一ヌクレオチド塩基のストリームを生成することである。このステップは
、好適には、酵素を含む反応媒体の存在下で20〜90℃の範囲内の温度で行われる。好
適に、これは、単一ヌクレオチド塩基が反応ゾーンから連続的に除去されるように非平衡
流の条件下で行われる。もっとも好適には、反応は、酵素および他の一般的な添加剤を含
有する水性緩衝媒体を分析物が結合した表面上に連続的に流動させることにより行われる
図1は、その少なくともいくつかが単一ヌクレオチド塩基を含有する微小液滴のストリームを上述した第1クラスの捕捉システムと反応させるマイクロ流体配列決定装置を例示するものである。 図2は、放射性標識ヌクレオチドおよびゲル電気泳動を用いた、この反応の時間に伴う結果を示す。 図3は、ヌクレオチドの存在(破線)または非存在(実線)で行われる完全反応についての、時間の関数として測定された蛍光を示す。
1つの好適な実施形態において、用いられる酵素は、高い忠実度および適切な反応速度
でデオキシリボヌクレオチド三リン酸をもたらす分析物の漸進的3’−5’加ピロリン酸
分解を生じさせることができるものである。好適には、この分解速度は、可能な限り速く
、1つの実施形態では毎秒1〜50、好適には1〜20ヌクレオチド塩基の範囲内にある
。ポリヌクレオチドの分解に適用されるような加ピロリン酸分解反応についてのさらなる
情報は、例えば、J.Biol.Chem.244(1969)pp.3019−302
8を参照することができる。この加ピロリン酸分解反応で好適に用いられる酵素は、適切
には、反応条件下で本質的にエキソヌクレアーゼ活性もエンドヌクレアーゼ活性も示さな
いポリメラーゼからなる群から選択される。有利に用いることができるポリメラーゼの例
としては、これらに限定されないが、大腸菌(例えばクレノウ断片ポリメラーゼ)、テル
ムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)(例えばTaq Pol)ならびにバチル
ス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・カルドベロ
ックス(Bacillus caldovelox)およびバチルス・カルドテナックス(Bacillus caldoten
ax)のような細菌から得られる原核生物pol1型酵素または酵素誘導体が挙げられる。
適切には、加ピロリン酸分解は、ピロリン酸アニオンおよびマグネシウムカチオンを;好
適にはミリモル濃度で;さらに含む媒体の存在下で行われる。
本発明の方法のステップ(2)において、ステップ(1)で生成された各単一ヌクレオ
チド塩基は、ヌクレオチド塩基の1つのオリゴマーを含む捕捉システム自体により捕捉さ
れる。好適には、このステップが行われる前に、単一ヌクレオチド塩基を含有する水性媒
体がピロホスファターゼで処理され、すべての残留ピロリン酸がリン酸アニオンに加水分
解される。第1実施形態において、捕捉システムは、あるクラスの第1および第2オリゴ
ヌクレオチドの対の1つを備える。こうした対における第1オリゴヌクレオチドは、好適
には、(a)第1二本鎖領域および(2)nを1より大きい、好適には5より大きいもの
とした、nヌクレオチド塩基からなる第2一本鎖領域を備える。1つのサブクラスにおい
て、第1オリゴヌクレオチドは、前駆体の3’末端を部分的に折り畳み、「j形状」と呼
ぶことができる構成をもたらすことにより二本鎖領域が形成された概念的なまたは実際の
一本鎖オリゴヌクレオチド前駆体から誘導される分子構造を有するものとみなすことがで
きる。別のサブクラスにおいて、第1オリゴヌクレオチドは、第3の短い一本鎖オリゴヌ
クレオチドを長い第4の一本鎖オリゴヌクレオチドの3’末端上にハイブリダイズした後
、二本鎖である得られる分子の末端を例えば2つの鎖の末端ヌクレオチドを架橋する保護
基により「平滑」にすることにより生成される。一般的に、第1オリゴヌクレオチドの全
長は、最大150ヌクレオチド塩基、好適には20〜100ヌクレオチド塩基である。こ
れと同時に、整数nは、5〜40、好適には10〜30であることが好ましい。
対における第2オリゴヌクレオチドに関して、これは一本鎖であり、適切には、全体的
または部分的に、二本鎖領域の末端の1ヌクレオチド塩基向こうで開始する第1オリゴヌ
クレオチドの一本鎖領域のそれの補体であるヌクレオチド塩基配列を有する。第2オリゴ
ヌクレオチドの長さは重要ではなく、これが結合することができる一本鎖領域より長くも
短くもすることができるが、好適には、n−1ヌクレオチド塩基長ではない。より好適に
は、第2オリゴヌクレオチドの長さは、捕捉分子中その2つの鎖の一方または他方に不対
ヌクレオチド塩基(例えば2〜10ヌクレオチド塩基)の短いオーバーハングが残るよう
に選択される。このクラスの捕捉システムは、単一ヌクレオチド塩基を第1オリゴヌクレ
オチドの二本鎖末端に結合させ、第2オリゴヌクレオチドを残った一本鎖領域上にハイブ
リダイズし、そのオーバーハング以外は二本鎖である捕捉分子を生成することにより機能
する。
第2実施形態において、捕捉システムは、それぞれその末端が2つの異なる二本鎖領域
に結合した一本鎖ヌクレオチド領域からなるあるクラスの単一ヌクレオチドを備える。こ
のクラスの捕捉システムでは、一本鎖ヌクレオチド領域は標的の検出に極めて選択的なプ
ローブを形成するのみの1つのヌクレオチド塩基、すなわちストリーム中の相補的単一ヌ
クレオチド塩基からなる。
二本鎖オリゴヌクレオチド領域について、それらは、それぞれ好適にはクローズドルー
プである2つのオリゴヌクレオチド前駆体から、または後者の末端を折り畳むことにより
2つのクローズドループオリゴヌクレオチド領域および一本鎖ヌクレオチド領域を構成す
る中間ギャップをもたらす一般的な一本鎖オリゴヌクレオチド前駆体から誘導される、ま
たは誘導可能であることが好ましい。すべての場合において、効果は同じであり;一本鎖
ヌクレオチド領域の末端には標的の対応する5’および3’末端を結合させることができ
るオリゴヌクレオチド領域の他の鎖上の3’および5’自由末端が隣接するだろう。この
ように、捕捉システムの使用は、捕捉システムの利用可能な3’および5’末端を結合す
ることにより一本鎖ヌクレオチド領域を標的単一ヌクレオチド塩基に結合させ、その全長
に沿って二本鎖である捕捉分子をもたらすプロセスを含む。
適切には、二本鎖オリゴヌクレオチド領域の長さは、最大50ヌクレオチド塩基対、好
適には最大45ヌクレオチド塩基対、より好適には5〜40ヌクレオチド塩基対の範囲内
、もっとも好適には10〜30の範囲内である。より長い領域を用いてもよいが、標的に
よる一本鎖ヌクレオチド領域へのアクセスが絡み合いによって制限され得るという潜在的
なリスクがある。このことは、本実施形態を、潜在的にあまり魅力的ではないものにして
しまう。
このクラスでは、二本鎖オリゴヌクレオチド領域に結合した検出可能要素が、一本鎖ヌ
クレオチド領域から離れて位置することが好ましい。最後に、1つの実施形態では、二本
鎖オリゴヌクレオチド領域の少なくとも1つが、好適には検出可能要素が位置または集合
する領域に隣接する少なくとも1つの制限酵素認識部位を備えることが好ましい。これら
の捕捉システムについて、フルオロフォアの解放は、まず、エンドヌクレアーゼ挙動を示
し、捕捉分子における上記部位で二本鎖切断を行う制限酵素により行われる。こうしても
たらされた短い断片は、次いで、エキソヌクレアーゼにより、その少なくともいくつかが
フルオロフォアで標識されるであろう単一ヌクレオチドにさらに分解してもよい。よって
、捕捉分子が複数のフルオロフォアを備える場合には、これにより、互いにおよび/また
は関連のクエンチャから離れていることにより自由に通常の方法で蛍光する一連のフルオ
ロフォアの解放がもたらされる。こうした制限酵素認識部位は、一般的には、2〜8ヌク
レオチド対の特定の配列を備えるだろう。別の好適な実施形態において、制限酵素認識部
位は、単一ヌクレオチドの一本鎖ヌクレオチド領域への結合によりもたらされるものであ
るだろう。
上記クラスの両方について、異なる相補的ヌクレオチド塩基にそれぞれ選択的であり、
異なる検出可能要素をそれぞれ用いている捕捉分子の少なくとも2つの異なるセットの混
合物を用いることが好ましい。これらは、同じまたは異なるクラスのものであってもよい
。好適な実施形態において、捕捉分子の各セットは、対応する検出特性が最終的に検出さ
れるときにヌクレオチド塩基を特有に識別することができるように、異なる関連検出可能
要素を有するだろう。例えば、分析物がDNAまたはRNAである場合には、それぞれが
これらの分子に特徴的な異なるヌクレオチド塩基に選択的である4つの異なる捕捉システ
ムを用いることがもっとも好ましい。
本発明のすべての捕捉システムのさらなる特性は、それらが、捕捉システムが未使用状
態である場合に実質的に検出不能な複数の検出可能要素で標識されることである。適切に
は、これらの検出可能要素は、光学事象により検出されるように構成されたものである。
1つの好適な実施形態において、検出可能要素はフルオロフォアを備え、各未使用の捕捉
システムは、フルオロフォアが検出されるように設計された波長では本質的に非蛍光性で
ある。よって、フルオロフォアは、電磁スペクトルの広範部分にわたって一般的な低レベ
ルの背景蛍光を示し得るが、一般的には、蛍光の強度が最大である1つまたは少数の特定
の波長または波長包絡線があるだろう。フルオロフォアが特徴的に検出されるこれら最大
値の1つ以上では、蛍光は本質的にまったく発生すべきではない。本発明の文脈において
、「本質的に非蛍光性」の語または同等の語は、関連する特徴的な波長または波長包絡線
で第2オリゴヌクレオチドに結合したフルオロフォアの総数の蛍光の強度が、遊離フルオ
ロフォアの同等数の対応する蛍光の強度の25%未満;好適には10%未満;より好適に
は1%未満;もっとも好適には0.1%未満であることを意味する。
原則的には、捕捉システムの未使用状態においてフルオロフォアが本質的に非蛍光性で
あるようにするため、いかなる方法を用いることもできる。1つの方法は、クエンチャを
それに近接して追加で結合させることである。別の方法は、複数のフルオロフォアを互い
に近接して捕捉システムに結合させる場合に、それらは十分に互いをクエンチする傾向が
あり、前段落に記載した基準をクエンチャの必要なしに達成することができるという観察
に基づく。本発明のこの文脈において、フルオロフォア間またはフルオロフォアとクエン
チャとの間の「近接」を構成するものは、用いられる特定のフルオロフォアおよびクエン
チャならびに場合によっては単一オリゴヌクレオチドの構造的特徴に応じて決まるだろう
。したがって、この語は、捕捉システムの各種要素のいずれかの特定の構造的配置に関す
るものとしてではなく、求められる結果に関するものとして解釈されることを意図してい
る。しかしながら、および例を提供することのみを目的として、隣接するフルオロフォア
または隣接するフルオロフォアおよびクエンチャが特徴的なフェルスター距離に対応する
距離(一般的には5nm未満)だけ離れる場合には、十分なクエンチが一般的に達成され
るだろうことが指摘される。
適切には、捕捉システムは、最大20個、例えば最大10個、もっとも好適には最大5
個のフルオロフォアで標識される。最大の利益を得るには、捕捉システムは、少なくとも
2つ、好適には少なくとも3つのフルオロフォアで標識されることが好ましい。したがっ
て、本明細書では、これらの最大値および最小値のいずれかの変更から構成される範囲が
具体的に想定される。クエンチャが用いられる場合、捕捉システムは、同様に最大20個
、好適には最大10個、もっとも好適には最大5個のフルオロフォアで標識されることが
好ましい。例えば特徴的な指紋をもたらすため、2つ以上のタイプのフルオロフォアを捕
捉システムに結合することができると想定されるが、各捕捉システムに用いられるフルオ
ロフォアは、すべて同じタイプであることが好ましい。
フルオロフォア自体に関して、それらは、原則的には、これらに限定されないが、キサ
ンテン部分、例えばフルオレセイン、ローダミンおよびフルオレセインイソチオシアネー
ト、ローダミンB等のようなそれらの誘導体、クマリン部分(例えばヒドロキシ−、メチ
ル−およびアミノクマリン)ならびにCy2、Cy3、Cy5およびCy7のようなシア
ニン部分を含む、当技術分野において従来用いられるもののいずれかから選択することが
できる。具体例としては、下記のよく用いられる染料から誘導されるフルオロフォアが挙
げられる:Alexa染料、シアニン染料、Atto Tec染料、およびローダミン染
料。例としては:Atto 633(ATTO−TEC GmbH)、テキサスレッド、
Atto 740(ATTO−TEC GmbH)、ローズベンガル、Alexa Fl
uor(商標)750 C−マレイミド(Invitrogen)、Alexa Fl
uor(商標)532 C−マレイミド(Invitrogen)ならびにローダミン
レッドC−マレイミドおよびローダミングリーン、またQuasar 570のような
ホスホラミダイト染料も挙げられる。あるいは、量子ドットまたはLI−COR Bio
sciencesにより供給されるような近赤外染料を用いることができる。フルオロフ
ォアは、一般的には当技術分野において知られる化学的方法を用いて、ヌクレオチド塩基
を介して第2オリゴヌクレオチドに結合させる。
適切なクエンチャは、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)メカニズムにより
機能するものである。上記フルオロフォアに関して用いることができる市販のクエンチャ
の例としては、これらに限定されないが、DDQ−1、Dabcyl、Eclipse、
Iowa Black FQおよびRQ、IR Dye−QC1、BHQ−1、−2およ
び−3ならびにQSY−7および−21が挙げられる。
ステップ(2)は、適切には、第2ポリメラーゼおよびリガーゼを備える2成分酵素シ
ステムの存在下、30〜80℃の範囲内の温度で、ストリーム中の各単一ヌクレオチド塩
基を捕捉システム、もっとも好適には上述した多成分の捕捉システムと接触させることに
より行われる。好適な実施形態において、第2ポリメラーゼは、ステップ(1)で用いら
れるものと同じであり、これによりこれを追加成分の形態で添加する必要を回避する。
本発明の方法のステップ(3)では、検出可能要素が、エキソヌクレアーゼまたはポリ
メラーゼのエキソヌクレアーゼ活性の作用により、捕捉分子から検出可能形態に解放され
る。これを行う際には、捕捉分子の未使用セットのいずれかに存在するフルオロフォアが
、同時に解放されないことが重要である。捕捉システムの第1クラスの場合、これは、例
えば3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用い、捕捉分子をその一
本鎖オーバーハング領域によって分解することにより達成してもよい。あるいは、および
とくに捕捉システムの第2クラスの場合、これは、捕捉システムまたは捕捉分子中、好適
には検出可能要素が位置または集合する領域に隣接する少なくとも1つの制限酵素認識部
位に組み込むことにより達成してもよい。こうした制限酵素認識部位は、一般的には、2
〜8ヌクレオチド対の特定の配列を備えるだろう。この方法の好適な実施形態において、
制限酵素認識部位は、単一ヌクレオチド塩基の捕捉システムへの結合によりもたらされる
ものであってもよい。
ステップ(3)も、適切には30〜80℃の範囲内の温度で行われる。このステップで
用いることができるエキソヌクレアーゼまたはポリメラーゼの適切な例としては、Phu
sion、Phusion HS、DNアーゼI(RNアーゼフリー)、エキソヌクレア
ーゼIまたはIII(例えば大腸菌)、エキソヌクレアーゼT、エキソヌクレアーゼV(
RecBCD)、λエキソヌクレアーゼ、マイクロコッカルヌクレアーゼ、マングビーン
ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼBAL−31、RecJ、T5エキソヌクレアーゼおよび
T7エキソヌクレアーゼが挙げられる。ステップ(3)の純効果は、捕捉分子の構成ヌク
レオチド塩基が解放され、そのいくつかが特徴的な検出可能要素で標識されることである
。よって、捕捉分子が複数のクエンチされたフルオロフォアを備える場合には、これによ
り、互いにおよび/またはそれらの関連のクエンチャから離れたことにより自由に通常の
方法で蛍光する「一連の」解放されたフルオロフォアがもたらされる。
その後、ステップ(4)において、分解された捕捉分子から解放された検出可能要素が
検出され、特定の単一ヌクレオチド塩基が識別され、分析物中のヌクレオチド塩基の配列
が検出に関連したデータストリームから回収される。これを行う方法は、当技術分野にお
いて周知であり;例えば、蛍光を、各種フルオロフォアの特徴的な蛍光波長または波長包
絡線に対して調整された光検出器または同等の装置を用いて検出してもよい。これにより
、光検出器は次いで、特定のヌクレオチド塩基タイプに特徴的な、処理およびその後の分
析が可能な電気信号を生成する。
とくに好適な実施形態において、本発明の方法は、全体的または部分的に、微小液滴中
で行われる。こうした方法は、例えば、ステップ(1)で生成された単一ヌクレオチド塩
基を、順序の維持を補助する炭化水素またはシリコーン油のような非混和性担体溶媒中の
対応する水性微小液滴のストリームに1つずつ挿入することにより開始してもよい。有利
には、これは、例えば、反応媒体を適切な寸法の微小液滴ヘッドから溶媒の流動ストリー
ムに入れることにより、加ピロリン酸分解反応ゾーンの微小液滴ダウンストリームを直接
形成することによって行うことができる。あるいは、反応媒体の小さなアリコートを溶媒
中に懸濁させた既存の水性微小液滴のストリームに、順次注入することができる。この後
者の方法が用いられる場合、各微小液滴は、適切には、捕捉システムの各種成分ならびに
各種酵素およびステップ(2)および(3)を行うのに必要なその他の試薬(例えばバッ
ファー)を含有してもよい。最終的には、前者の実施形態において形成された微小液滴を
、その後こうした既存の微小液滴のストリームと合体させ、同様の結果を達成することが
できる。この実施形態において、ステップ(3)は、次に、各液滴を調査し、解放された
検出可能要素およびよってそれが含有するヌクレオチド塩基の性質を識別することを、好
適に含む。
所定の微小液滴が2つ以上の単一ヌクレオチド塩基を含有するというリスクを回避する
ため、ステップ(1)の単一ヌクレオチド塩基は各充填微小液滴が1〜20個、好適には
2〜10個の空の液滴で離されるような割合で放出されることが好ましい。その後、溶媒
中の充填されたおよび充填されていない微小液滴のストリームを、流路、適切にはマイク
ロ流体流路に沿って、微小液滴が離散状態に維持され且つ互いに合体する機会を持たない
ような割合および方法で、流動させる。適切には、用いられる微小液滴は100ミクロン
未満、好適には50ミクロン未満、より好適には20ミクロン未満、さらにより好適には
15ミクロン未満の直径を有する。すべてのそれらの直径のうち、2〜20ミクロンの範
囲内がもっとも好適である。1つの実施形態において、システム全体を通る微小液滴流量
は、毎秒50〜3000液滴、好適には100〜2000液滴の範囲内である。
上述した方法は、配列決定装置に利益をもたらすように用いることができ、こうした装
置は、本発明の範囲に含まれると考えられる。
ここで、本発明を、下記の実施例を参照しながら例示する。
捕捉システムの調製および使用
下記の実験は、第1オリゴヌクレオチドがj形状であり、第2オリゴヌクレオチドが一
本鎖である捕捉システムを用いる、単一ヌクレオチド塩基の捕捉およびフルオロフォアの
解放について例示する。
上述したようなj形状オリゴヌクレオチドの試料は、次の配列:
gtaggtcctggcacagagaaaaggagGcagtgatgttcca
tgactgatttttttttcagtcatggaacatcact
を有する75ヌクレオチド塩基、一本鎖オリゴヌクレオチドを折り畳むことにより調製さ
れ、配列中、g、t、c、およびaは、DNAのヌクレオチド塩基の従来の概念を示し、
は、ホスホロチオ酸結合の存在を示す。折り畳みは、このオリゴヌクレオチドの水性溶
液を95℃まで加熱した後、1℃当たり10分の速度でゆっくり室温まで冷却することに
より行われる。こうして得られたj形状分子は、捕捉部位(上記配列中の大文字)である
単一ヌクレオチド塩基に結合した残った一本鎖オリゴヌクレオチド領域(gtaggtc
ctggcacagaaaaaaggag)を備える。
次の配列:
^ctccTTXTTtctgtgccaga
を有する対応する一本鎖オリゴヌクレオチドも調製され、配列中、^は、5’リン酸基を
表し、大文字のTは、アジド結合剤によってAlexa Fluor 488染料で標識
されたチミン塩基を表し、Xは、BHQ−0クエンチャで標識されたチミン塩基を表す。
次いで、別々の捕捉およびヌクレオチド塩基混合物が調製される。捕捉混合物は、次の
配合組成:
2.5μlの10×バッファーII
5μlの10×Taqリガーゼバッファー(NEB)
2.5μlの100nMの上記j形状分子
5μlの100nMの上記一本鎖オリゴヌクレオチド
2μlの熱安定無機ピロホスファターゼ(NEB)
5μlのTaqリガーゼ(NEB)
1μlの25mMのMnSO4
25μlの水
から誘導されるものに対応する組成を有し、ヌクレオチド塩基混合物の組成は、加ピロリ
ン酸分解ステップから得られた材料を模倣するよう設計され、配合組成:
2.5μlの10バッファーII(Amplitaqを含み、マグネシウムを含まない)
1.5μlの25mMのMgCl2
2.5μlの10nMのデオキシシチジン三リン酸(dCTP)
2μlのAmplitaq(5U/μl)
2.5μlの10mMのピロリン酸ナトリウム
25μlの水
から誘導されるものに対応する。
次に、等しい体積のこれらの2つの混合物を混合し、得られる生成物を50℃でインキ
ュベートすることにより、dCTPの捕捉が行われる。これは、一般的には、30分で完
了する。この時間の終わりに、混合物(50μl)の試料が、1μlのHotStart
Phusion DNAポリメラーゼ(NEB)で処理され、98℃×20sで活性化
され、完全捕捉分子のエキソヌクレアーゼ分解を行うことができる。分解は、一般的には
30分以内で完了し、試料をピーク吸収波長(496nm)またはその近傍で照射し、特
徴的な発光波長(519nm)で得られる蛍光を検出することにより、解放されたフルオ
ロフォアを検出することができる。
図2は、放射性標識ヌクレオチドおよびゲル電気泳動を用いた、この反応の時間に伴う
結果を示す。放射性標識ヌクレオチドのj形状オリゴヌクレオチド上での捕捉は、反応の
最初の2分以内に起こり、一本鎖オリゴヌクレオチドのライゲーションは、最初の30分
で起こる。この実験において、Phusionポリメラーゼは、時間t=30分で添加さ
れ、完全捕捉分子は急速に消化される(この場合消化はポリメラーゼの添加の30秒以内
で起こる)ことがわかる。
図3は、ヌクレオチドの存在(破線)または非存在(実線)で行われる完全反応につい
ての、時間の関数として測定された蛍光を示す。この実験において、ポリメラーゼは、時
間t=20分で熱活性化される。ヌクレオチドの存在下で行われる反応では、蛍光の顕著
な増加が観察されるが、それらの非存在下では、蛍光の増加はほとんどまたはまったく観
察されない。
捕捉システムを用いる液滴マイクロ流体方法
図1は、その少なくともいくつかが単一ヌクレオチド塩基を含有する微小液滴のストリ
ームを上述した第1クラスの捕捉システムと反応させるマイクロ流体配列決定装置を例示
するものである。
ヒトDNAに由来する100ヌクレオチド塩基ポリヌクレオチド分析物の漸進的加ピロ
リン酸分解により得られる別々のデオキシリボヌクレオチド三リン酸のストリームを含む
水性媒体1を、PDMSポリマーからなる直径10ミクロンのマイクロ流体チューブを通
って流動させる。加ピロリン酸分解反応自体は、Taq Polならびにそれぞれ1リッ
トル当たり2ミリモル濃度のピロリン酸ナトリウムおよび塩化マグネシウムを含む72℃
の水性緩衝(pH8)反応媒体のストリームを、分析物がスクシニル架橋により予め結合
したガラスマイクロビーズに通すことにより行われる。マイクロビーズのダウンストリー
ムであるストリーム1中の単一ヌクレオチド塩基の順序は分析物の配列に対応する。1が
液滴ヘッド2から第1チャンバー3に現れ、ここで非混和性軽質シリコーン油4の1つ以
上のストリームと接触する。これらのストリームの速度は、乱流混合を回避し、3におい
てそれぞれ約8ミクロンの直径を有する油中に懸濁させた水性球状液滴5を形成するよう
に選択される。一般的には、1の加ピロリン酸分解の割合および/または流動の割合は隣
接する充填液滴の間に10個の空の液滴が存在するように調節される。5のストリームは
、次に、同じ直径の第2マイクロ流体チューブに沿って毎秒1000液滴の割合で、5ミ
クロンの水性球状液滴7の第2ストリームも第2液滴ヘッド8により供給される第2チャ
ンバー6まで推進される。液滴5および7は順次合体させ、直径約9ミクロンの肥大した
水性液滴9が形成される。7のそれぞれは、5のそれぞれに存在する残留ピロリン酸アニ
オンをすべて破壊するピロホスファターゼを含有する。
次いで、9のストリームは、マイクロ流体チューブによって同じ割合で第3チャンバー
10まで推進され、そこで、これらの液滴が対応する液滴ヘッド12を通して同様に供給
される5ミクロンの水性球状液滴11の第3ストリームと接触される。9のそれぞれがチ
ャンバー6および10間を移動するのにかかる時間は、約2分である。
次いで、液滴9および11は、10において合体し、液滴13(直径約10ミクロン)
が生成される。11のそれぞれは、中温性リガーゼならびにj形状の第1オリゴヌクレオ
チドおよび4つの対応する第2一本鎖オリゴヌクレオチドの4つの対を備える捕捉システ
ムを含有する。この例において、各j形状第1オリゴヌクレオチドは、60ヌクレオチド
塩基長であり、60ヌクレオチド塩基一本鎖オリゴヌクレオチド前駆体を5’末端から第
45ヌクレオチド塩基辺りで折り畳み、3ヌクレオチド一本鎖ループ、12ヌクレオチド
塩基対二本鎖領域および33ヌクレオチド塩基一本鎖領域をもたらすことにより調製され
る。これらの4つの第1オリゴヌクレオチドのそれぞれは、DNAの4つの特徴的なヌク
レオチド塩基タイプ(すなわちA、T、GおよびC)に特徴的な異なる第33塩基(一本
鎖末端から測定)も有する。4つの異なる第2オリゴヌクレオチドは、それぞれ、28ヌ
クレオチド塩基長であり、それらの第1オリゴヌクレオチド対の第4および第32ヌクレ
オチド塩基により画定される一本鎖領域のその部分と相補的である異なる配列を有する。
4つの異なる第2オリゴヌクレオチドタイプは、それぞれフルオロフォアQuasar5
70、Fluorescein、Texas RedおよびCy−5(第2オリゴヌクレ
オチド1つ当たり5つのフルオロフォア部分)で標識される。それぞれの場合、蛍光は、
各第2オリゴヌクレオチドに1つのクエンチャ部分(Quasar 570およびTex
as RedにはBHQ−2、FluoresceinにはBHQ−0ならびにシアニン
−5にはBHQ−3)を含むことによりクエンチされる。
次いで、13のストリームは、マイクロ流体チューブによって同じ割合で第4チャンバ
ー14に入り、そこで液滴ヘッド16を通して同様に供給される5ミクロンの水性球状液
滴15の第4ストリームと合体する。9のそれぞれが2つのチャンバー間を移動するのに
かかる時間は、30分であり、その時間に、単一ヌクレオチド塩基がその捕捉システム対
により捕捉され、捕捉分子が形成される。15のそれぞれは、Phusionエキソヌク
レアーゼを含有し、捕捉分子が分解され、関連フルオロフォアが検出可能形態に解放され
る。合体微小液滴17のストリームは、次に容器18まで送達され、それらの進行は、一
連の部位19aの1つに到達するまで追跡され、ここで、それらは分析されるまで保持さ
れる(19b)。
2時間後、アレイ中に保持される各液滴は、順に正しい順序で1つ以上の高強度光源、
例えばフルオロフォアの関連波長でコヒーレント光を発光する1つ以上のレーザーで照射
され、こうして生成された蛍光は4つのフルオロフォアタイプに特徴的なそれらの波長で
作動する光検出器により検出される。受信した情報から単一ヌクレオチド塩基は各液滴中
で識別され、空の液滴からの無応答は除外される。次いで、分析物の元のヌクレオチド塩
基配列を再形成するようプログラムされたコンピュータにより、結果が処理される。所望
に応じ、照射および検出の複数のサイクルを液滴のアレイ全体にさまざまなインターバル
で行うことができ、これを平均して、信号対雑音比、したがって結果の信頼性を向上させ
ることができる。

Claims (24)

  1. (1)加ピロリン酸分解により分析物から単一ヌクレオチド塩基のストリームを生成す
    るステップ;(2)各単一ヌクレオチド塩基を検出不能状態の検出可能要素で標識された
    捕捉システムと反応させることにより捕捉分子を生成するステップ;(3)前記検出可能
    要素を各捕捉分子から検出可能状態に解放するステップ;および(4)こうして解放され
    た前記検出可能要素を検出し、それからヌクレオチド塩基の配列を決定するステップ、に
    より特徴づけられる、ポリヌクレオチド分析物中のヌクレオチド塩基の配列を決定する方
    法。
  2. 前記捕捉システムが、2つの成分:(a)二本鎖領域および一本鎖領域を備える第1オ
    リゴヌクレオチド;ならびに(b)そのヌクレオチド塩基配列が前記第1オリゴヌクレオ
    チドの一本鎖領域のそれに少なくとも部分的に相補的である第2一本鎖オリゴヌクレオチ
    ドからなることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記捕捉システムが、その末端が2つの異なる二本鎖オリゴヌクレオチド領域に結合し
    た一本鎖ヌクレオチド領域を備える単一オリゴヌクレオチドを備えることを特徴とする、
    請求項1に記載の方法。
  4. 前記ポリヌクレオチド分析物が、表面に結合されることを特徴とする、前請求項のいず
    れかに記載の方法。
  5. ステップ(1)の反応条件下で、酵素が、エキソヌクレアーゼ挙動もエンドヌクレアー
    ゼ挙動も示さないことを特徴とする、前請求項のいずれかに記載の方法。
  6. ステップ(1)が、酵素、ピロリン酸アニオンおよびマグネシウムカチオンを含む流動
    水性媒体の存在下で非平衡条件下で行われ、単一ヌクレオチド塩基が、それらが生成され
    る反応ゾーンから連続的に除去されることを特徴とする、前請求項のいずれかに記載の方
    法。
  7. ステップ(1)および(2)の間に、残留ピロリン酸アニオンが、ピロホスファターゼ
    によりすべて破壊されることを特徴とする、前請求項のいずれかに記載の方法。
  8. ステップ(2)において、前記第1オリゴヌクレオチドがj形状であることを特徴とす
    る、請求項2および4〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記第1オリゴヌクレオチドの全長が、20〜100ヌクレオチド塩基であることを特
    徴とする、請求項2および4〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記第2オリゴヌクレオチドにおける検出可能要素が、少なくとも1つのクエンチャで
    クエンチされたフルオロフォアであることを特徴とする、請求項2および4〜9のいずれ
    か1項に記載の方法。
  11. 前記捕捉システムが、4つの異なる配列の一本鎖領域を有する4つの異なる第1オリゴ
    ヌクレオチドタイプを備え、各第1オリゴヌクレオチドタイプ中の一本鎖領域上の二本鎖
    領域に隣接するヌクレオチド塩基が、DNAまたはRNAに特徴的な4つのヌクレオチド
    塩基タイプの異なる1つであることを特徴とする、請求項2および4〜10のいずれか1
    項に記載の方法。
  12. 前記捕捉システムが、4つの異なる第2オリゴヌクレオチドタイプであって、それぞれ
    4つの異なる第1オリゴヌクレオチド中の4つの異なる一本鎖領域の1つの一部に相補的
    な配列を有し、それぞれ異なる検出可能要素で標識される4つの異なる第2オリゴヌクレ
    オチドタイプを備えることを特徴とする、請求項2および4〜11のいずれか1項に記載
    の方法。
  13. 各第2オリゴヌクレオチドタイプが、異なる波長で蛍光する異なるフルオロフォアで標
    識されることを特徴とする、請求項2および4〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 各二本鎖オリゴヌクレオチド領域が、10〜30ヌクレオチド対からなることを特徴と
    する、請求項3および4〜7のいずれか1項に記載の方法。
  15. 二本鎖オリゴヌクレオチド領域中の最大10ヌクレオチド対が、フルオロフォアで標識
    されることを特徴とする、請求項3、4〜7および14の1項に記載の方法。
  16. 二本鎖オリゴヌクレオチド領域中の最大10ヌクレオチド対が、クエンチャで標識され
    ることを特徴とする、請求項3、4〜7および14〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. クローズドループである一本鎖ヌクレオチド領域から離れた末端をそれぞれ備える2つ
    の別々の二本鎖オリゴヌクレオチド領域が用いられることを特徴とする、請求項3、4〜
    7および14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記二本鎖オリゴヌクレオチド領域が、一本鎖オリゴヌクレオチド前駆体から、その末
    端を折り畳み、前記一本鎖ヌクレオチド領域からなるギャップをもたらすことにより誘導
    可能であることを特徴とする、請求項3、4〜7および14〜17のいずれか1項に記載
    の方法。
  19. 前記捕捉システムが、少なくとも1つの制限酵素認識部位を備えることを特徴とする、
    請求項3、4〜7および14〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記制限酵素認識部位が、前記単一ヌクレオチドを前記捕捉システムに結合させること
    により形成されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. ステップ(3)において、前記検出可能要素が、エキソヌクレアーゼまたはポリメラー
    ゼのエキソヌクレアーゼ活性を用いて前記捕捉分子から解放されることを特徴とする、前
    請求項のいずれかに記載の方法。
  22. ステップ(4)が、フルオロフォアにより発光される蛍光を検出することを含むことを
    特徴とする、前請求項のいずれかに記載の方法。
  23. ステップ(1)〜(4)の少なくとも1つが、微小液滴のストリーム中で行われること
    を特徴とする、前請求項のいずれかに記載の方法。
  24. 前請求項のいずれか1項に記載の方法を用いるように適合されることを特徴とする、ポ
    リヌクレオチド分析物中のヌクレオチド塩基の配列を決定する装置。
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