JP2017079619A - 微細藻類培養設備及び微細藻類培養方法 - Google Patents

微細藻類培養設備及び微細藻類培養方法 Download PDF

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久仁衛 福ヶ迫
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Abstract

【課題】 微細藻類を効率的に増殖させることができる微細藻類の培養方法などを提供すること。【解決手段】 所定の液体中で微細藻類を培養することを特徴とする微細藻類の培養方法等を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、微細藻類を培養するための培養設備と培養方法とに関する。
従来、微細藻類を培養し、該微細藻類の細胞内に脂質、タンパク質、ビタミン類等の有価物を貯蔵させることが行われており、貯蔵した有価物を燃料や食品等に利用することが行われている。
この微細藻類の培養方法としては、微細藻類を含む培養液に光を照射して光独立培養する方法や、培養液を暗条件下で従属栄養培養する方法などが知られている
ところで、有機物を含んだ廃棄物を生物処理する方法として、酸生成菌やメタン生成菌を収容したメタン発酵槽に廃棄物を導入し、該廃棄物に含まれている有機物を酸発酵させるとともにメタン発酵させてメタンガスを得る方法が知られている。
このような有機物のメタン発酵によって得られるメタン発酵液は、微細藻類の増殖に有用な物質を含んでいるため、下記特許文献1に記載されているように微細藻類の光独立培養に利用されたりしている。
しかしながら、下記特許文献1に記載の培養方法では、微細藻類を効率良く培養することが難しい。
特開2008−207154号公報
本発明は、上記の問題点等に鑑み、微細藻類を効率良く培養できる培養設備と培養方法とを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、光独立培養においては培養液に照射する光量が不足した場合に微細藻類が栄養不足に陥りやすいこと、及び、酸発酵で得られる有機酸を光量不足の際に培養槽に供給することで不足する栄養を効率良く補い得ることを見出して本発明を完成させるにいたった。
即ち、上記課題を解決するための本発明に係る微細藻類培養設備は、微細藻類を含む培養液が収容され、該培養液に光が照射されて前記微細藻類が光独立培養される培養槽と、有機物が酸発酵されて有機酸を含む酸発酵液が作製される酸発酵槽とを備え、前記培養液に照射される光の量が低下した際に前記酸発酵液に含まれる有機酸を前記培養液に添加する有機酸供給部をさらに備えている。
また、本発明に係る微細藻類培養方法は、微細藻類を含む培養液に光を照射させて前記微細藻類を光独立培養することと、有機物を酸発酵して有機酸を含む酸発酵液を作製することとを含み、前記培養液に照射される光の量が低下した際に前記酸発酵液に含まれる有機酸を前記培養液に添加することをさらに含む。
本発明によれば、培養液に照射する光量が低下して微細藻類が栄養不足になるおそれがある際に、微細藻類に取り込まれ易い有機酸の形で栄養分を補うことができる。
従って、本発明においては、微細藻類を効率良く培養することができる。
一実施形態の微細藻類培養設備の概略構成を表したブロック図。 一実施形態の微細藻類培養設備の運転方法を表したブロック図。 他実施形態の微細藻類培養設備の概略構成を表したブロック図。
以下、本発明に係る微細藻類培養設備及び微細藻類培養方法について説明する。
まず、図を参照しつつ微細藻類培養設備に係る発明の一実施形態について説明する。
図1は、微細藻類培養設備の構成の概略を示したブロック図である。
図1には、廃棄物由来の有機物を生物学的に処理しつつ微細藻類を培養する微細藻類培養設備を例示している。
該微細藻類培養設備で生物学的に処理される有機物は、生物学的な水処理において発生する余剰汚泥や食品廃棄物といった廃棄物由来の有機物である。
本実施形態の微細藻類培養設備で生物学的に処理される有機物は、具体的には、下水処理に際して発生する汚泥(以下「下水汚泥」ともいう)などである。
本実施形態の微細藻類培養設備1は、微細藻類を含む培養液が収容され、該培養液に光が照射されて該微細藻類が光独立培養される培養槽10と、有機物が酸発酵されて有機酸を含む酸発酵液が作製される酸発酵槽20とを備えており、前記培養液に照射される光の量が低下した際に前記酸発酵液に含まれる有機酸を前記培養液に添加する有機酸供給部21を備えている。
本実施形態の微細藻類培養設備1は、有機物がメタン発酵されて二酸化炭素を含むメタン発酵液が作製されるメタン発酵槽30が備えられており、前記メタン発酵液を前記培養液に供給するメタン発酵液供給部31がさらに備えられている。
前記培養槽10は、微細藻類を含む培養液を収容する槽本体10aを有し、前記培養液に自然光(太陽光)を照射させて前記培養液中において微細藻類を増殖させ得るように構成されている。
前記培養槽10は、培養液に対して曝気を行うための曝気装置(図示せず)を備えている。
前記のように培養槽10は、微細藻類を光独立培養させるためのものである。
従って、槽本体10aに収容されている槽内水たる前記培養液は、微細藻類が増殖に利用する炭素源として二酸化炭素を含有(溶解)している。
即ち、前記培養液は、微細藻類などの固形分と二酸化炭素を含む液体(以下「培養培地」ともいう)とを含有している。
本実施形態における前記酸発酵槽20は、前記下水汚泥Aを利用して前記培養槽10に供給する有機酸を作製する。
即ち、本実施形態の微細藻類培養設備1は、下水汚泥Aを酸発酵槽20に供給するための汚泥供給経路を有している。
前記酸発酵槽20は、酸生成菌を含む槽内水を収容する槽本体20aを有し、下水汚泥Aが前記槽本体20aに導入されて前記酸生成菌によって生物学的に処理されるべく構成されている。
前記酸発酵槽20は、前記汚泥供給経路を通じて供給された下水汚泥Aの分解生成物として酢酸やプロピオン酸などの有機酸を槽内水中に発生させるべく構成されている。
即ち、酸発酵槽20における槽内水は、汚泥などの固形分と有機酸を含む液体(以下「酸発酵液」ともいう)とによって構成されている。
前記有機酸供給部21は、前記酸発酵槽20で得られた酸発酵液を前記培養槽10に供給し、該酸発酵液に含まれている有機酸を培養液に添加すべく構成されている。
該有機酸供給部21は、前記培養液に照射される光の量が低下した際に前記酸発酵液に含まれる有機酸を前記培養液に添加すべく、前記培養液に照射される光の量を測定する光量測定器21a(例えば、光量計)と該光量測定器21aの測定結果によって動作する酸発酵液搬送機21b(例えば、ポンプ)とを備えている。
本実施形態の微細藻類培養設備1は、酸発酵槽20から培養槽10へと酸発酵液を供給するための酸発酵液供給経路を有し、該酸発酵液供給経路に前記酸発酵液搬送機21bが配されている。
本実施形態の微細藻類培養設備1は、前記酸発酵液搬送機21bの運転状況を制御すべく培養培地の有機酸濃度を測定する酸濃度測定器21cがさらに備えられている。
本実施形態の微細藻類培養設備1は、酸濃度測定器21cによって測定される培養培地中の有機酸濃度が予め設定した閾値以上になった際に、前記有機酸濃度を低下させるべく前記酸発酵液搬送機21bによって培養槽10に単位時間当たりに供給される有機酸の量を減少させうるように構成されていることが好ましい。
本実施形態において培養培地の有機酸濃度に関して予め設定する前記閾値は、1ppm以上1000ppm以下であることが好ましく、10ppm以上500ppm以下であることがより好ましい。
即ち、好ましい実施の形態においては、上記範囲内で前記閾値を自由に設定することができる。
本実施形態の微細藻類培養設備1は、前記有機酸供給部21によって前記培養液に有機酸を添加するタイミングが前記光量測定器21aによって制御されるとともに前記有機酸供給部21によって前記培養液に添加される有機酸の量が前記酸濃度測定器21cによって制御されるべく構成されている。
本実施形態における前記メタン発酵槽30は、前記下水汚泥Aを利用してメタンガスを生成するとともに二酸化炭素を生成するものである。
即ち、本実施形態の微細藻類培養設備1は、下水汚泥Aをメタン発酵槽30に供給するための汚泥供給経路を有している。
上記のごとく本実施形態の微細藻類培養設備1は、下水汚泥Aを酸発酵槽20に供給するための汚泥供給経路(以下「第1汚泥供給経路」ともいう)と下水汚泥Aをメタン発酵槽に供給するための汚泥供給経路(以下「第2汚泥供給経路」ともいう)とを備えている。
前記メタン発酵槽30は、酸生成菌及びメタン生成菌を含む槽内水を収容する槽本体30aを有し、前記第2汚泥供給経路を通じて供給される下水汚泥Aが前記槽本体に導入されて前記酸生成菌や前記メタン生成菌によって生物学的に処理されるべく構成されており、前記下水汚泥Aの分解生成物としてメタン及び二酸化炭素を槽本体内において発生させるべく構成されている。
従って、メタン発酵槽30における槽内水は、汚泥などの固形分と二酸化炭素などを含む液体(以下「メタン発酵液」ともいう)とによって構成されている。
本実施形態におけるメタン発酵液は、下水汚泥の分解生成物としてリンや窒素などを含んでいる。
前記メタン発酵液供給部31は、前記メタン発酵液を前記培養槽10に供給し、該メタン発酵液に含まれている二酸化炭素、窒素、リンなどを培養液に添加するためのものである。
即ち、本実施形態の微細藻類培養設備1は、メタン発酵液に含まれている二酸化炭素、窒素、リンなどを微細藻類の増殖に利用すべく構成されている。
該メタン発酵液供給部31は、前記メタン発酵槽30から排出される槽内水を一旦貯留する貯留槽31aと、該貯留槽31aから供給される前記槽内水を固液分離する固液分離装置31b(例えば、脱水濾過機)とを備え、該固液分離装置31bで槽内水から分離されたメタン発酵液を培養槽10に供給し得るように形成されている。
本実施形態の微細藻類培養設備1は、メタン発酵槽30から培養槽10へとメタン発酵液を供給するためのメタン発酵液供給経路を有し、該メタン発酵液供給経路に前記貯留槽31a、及び、前記固液分離装置31bが配されている。
メタン発酵槽30から槽内水を汲み出すための装置を設ける必要性を低減できる点において、本実施形態のメタン発酵槽30は、下水汚泥Aの導入によって槽内水が溢れて排出されるように構成されていることが好ましい。
なお、前記培養槽10へのメタン発酵液の単位時間当たりの供給量は、大きく変動しないことが好ましい。
本実施形態のメタン発酵液供給部31は、下水汚泥Aの導入によってメタン発酵槽30から溢流する槽内水の量に時間的な変動が生じても、前記貯留槽31aを有するため、培養槽10へのメタン発酵液の単位時間当たりの供給量を安定化させ得る。
即ち、本実施形態のメタン発酵液供給部31は、下水汚泥Aを連続的にメタン発酵槽30に導入したり、少量の下水汚泥Aを頻繁にメタン発酵槽30に導入したりしなくても、培養槽10へのメタン発酵液の単位時間当たりの供給量を安定化させ得る。
なお、通常、酸発酵液にも微細藻類が増殖に利用可能なリンや窒素が含まれるため、培養槽10に供給するリンや窒素の量を安定化させるという意味においては、光量低下が認められた際に酸発酵液を培養槽10に供給するとともにメタン発酵液の培養槽10への供給量を低下させることが好ましい。
培養槽10に供給するリンや窒素の量を安定化させる目的において、本実施形態の微細藻類培養設備1は、酸発酵液とメタン発酵液との内の一方又は両方におけるこれら(リン・窒素)の含有量を測定するためのリン含有量測定器や窒素含有量測定器をさらに備えさせてもよい。
本実施形態の微細藻類培養設備1は、前記固液分離装置31bで槽内水から分離された固形分を必要に応じて酸発酵槽以前の処理経路、又は、メタン発酵槽以前の処理経路に返送し得るように構成してもよい。
微細藻類培養設備1は、前記固液分離装置31bで槽内水から分離された固形分を系外に排出して焼却処理や廃棄処理させるようにしてもよい。
即ち、本実施形態の微細藻類培養設備1は、固液分離装置31bで得られた前記固形分を、必要に応じて、固形分処理装置32を経て酸発酵槽20、メタン発酵槽30、第1汚泥供給経路、第2汚泥供給経路などに返送し得るように構成されている。
なお、固形分処理装置32としては消化汚泥(メタン発酵処理された後、固液分離された固形分)を易分解化する装置などが採用され得る。
具体的には、好熱菌を利用した可溶化装置や高温(高圧)を利用した高温可溶化装置、湿式酸化処理やオゾンを用いた可溶化装置など、公知の処理装置を固形分処理装置32として採用することができる。
また、固形分処理装置32は、本実施形態の微細藻類培養設備1に必須なものではなく、設けなくともよい。
次いで、このような微細藻類培養設備1を用いて微細藻類を培養する微細藻類培養方法について説明する。
本実施形態の微細藻類培養方法は、微細藻類を含む培養液に光を照射して該微細藻類を光独立培養すること(以下「培養工程」ともいう)と、有機性廃棄物を酸発酵して有機酸を含む酸発酵液を作製すること(以下「酸発酵工程」ともいう)とを含み、前記培養液に照射される光の量が低下した際に前記酸発酵液に含まれる有機酸を前記培養液に添加すること(以下「有機酸添加工程」ともいう)をさらに含む。
本実施形態の微細藻類培養方法は、有機性廃棄物をメタン発酵して二酸化炭素などを含むメタン発酵液を作製すること(以下「メタン発酵工程」ともいう)と、前記メタン発酵液を前記培養液に添加すること(以下「メタン発酵液添加工程」ともいう)とをさらに含む。
本実施形態において培養する前記微細藻類としては、例えば、単細胞性で大きさが概ね1mm以下の微小な藻類が挙げられる。
前記微細藻類としては、ユーグレナ(Euglena)属に属する生物、クロレラ(Chlorella)属に属する生物、オーキセノクロレラ(Auxenochlorella)属に属する生物、ボツリオコッカス(Botryococcus)属に属する生物、ナンノクロリス(Nannochloris)属に属する生物、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)属に属する生物、ネオクロリス(Neochloris)属に属する生物、シュードコリシスチス(Pseudochoricystis)属に属する生物、セネデスムス(Scenedesmus)属に属する生物からなる群より選択された少なくとも1種が好ましい。
前記ユーグレナ(Euglena)属に属する生物としては、例えば、Euglena gracilisEuglena longaEuglena caudataEuglena oxyurisEuglena tripterisEuglena proximaEuglena viridisEuglena sociabilisEuglena ehrenbergiiEuglena desesEuglena pisciformisEuglena spirogyraEuglena acusEuglena geniculataEuglena intermediaEuglena mutabilisEuglena sanguineaEuglena stellataEuglena terricolaEuglena klebsiEuglena rubra又はEuglena cyclopicolaなどが挙げられる。
前記Euglena gracilisとしては、例えば、Euglena gracilis NIES-48(後述する独立行政法人国立環境研究所微生物系統保存施設における保管株)などが挙げられる。
前記クロレラ(Chlorella)属に属する生物としては、例えば、Chlorella vulgarisChlorella pyrenoidosa、又は、Chlorella sorocinianaなどが挙げられる。
前記Chlorella sorocinianaとしては、例えば、Chlorella sorociniana NIES-2169(後述する独立行政法人国立環境研究所微生物系統保存施設における保管株)などが挙げられる。
前記オーキセノクロレラ(Auxenochlorella)属に属する生物としては、例えば、Auxenochlorella protothecoidesなどが挙げられる。
前記ボツリオコッカス(Botryococcus)属に属する生物としては、例えば、Botryococcus brauniiなどが挙げられる。
前記ナンノクロリス(Nannochloris)属に属する生物としては、例えば、Nannochloris bacillarisNannochloris normandinaeなどが挙げられる。
前記ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)属に属する生物としては、例えば、Nannochloropsis oculataなどが挙げられる。
前記ネオクロリス(Neochloris)属に属する生物としては、例えば、Neochloris aquaticaNeochloris cohaerensNeochloris conjunctaNeochloris gelatinosaNeochloris pseudostigmataNeochloris pseudostigmaticaNeochloris pyrenoidosaNeochloris terrestrisNeochloris texensisNeochloris vigensisNeochloris wimmeriNeochloris oleoabundansなどが挙げられる。
前記シュードコリシスチス(Pseudochoricystis)属に属する生物としては、例えば、Pseudochoricystis ellipsoideaなどが挙げられる。
前記セネデスムス(Scenedesmus)属に属する生物としては、例えば、Scenedesmus ovaltermusScenedesmus disciformisScenedesmus acumunatusScenedesmus dimorphusなどが挙げられる。
上記の微細藻類は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(郵便番号292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)、独立行政法人国立環境研究所微生物系統保存施設(郵便番号305-8506 茨城県つくば市小野川16-2)、又は、The Culture Collection of Algae at the University of Texas at Austin, USA(http://web.biosci.utexas.edu/utex/default.aspx)などから入手可能である。
前記微細藻類としては、バイオディーゼルの原料となるワックスエステルを大量に産生できるという点、ビタミン、カロテノイド、栄養価の高いタンパク質、パラミロンなどの有価物を多く含んでいるという点、大量に培養しやすいという点で、前記ユーグレナ(Euglena)属に属する生物が好ましい。
また、前記微細藻類としては、バイオディーゼルの原料となるトリグリセリドを大量に産生できるという点、食物繊維、ビタミン、カロテノイド、タンパク質、リノール酸、リノレン酸などの有価物を多く含んでいるという点、大量に培養しやすいという点で、前記クロレラ(Chlorella)属に属する生物が好ましい。
前記培養工程において微細藻類を光独立培養すべく前記培養液に照射する光は自然光(太陽光)であっても人工光(照明)であってもよく、両者を併用してもよいが、省エネルギーの観点からは、実質的に自然光のみとすることが好ましい。
人工光による培養を実施する場合においても意図せぬ停電などによって培養液に照射する光の量が不足することがあるが、自然光においては昼夜における光量の違いのみならず天候(晴天/曇天・雨天)の相違によっても培養液に照射する光の量が異なる。
本実施形態においては、単位時間当たりに培養槽に添加されるメタン発酵液の量が大きく変動しないようにして前記メタン発酵液添加工程を実施し、該メタン発酵液に含まれている二酸化炭素、窒素、リンなどを微細藻類の増殖に利用する。
即ち、本実施形態においては、培養液に照射される光の量が十分に確保できる状況下では、メタン発酵液を利用した光独立培養を実施する。
また、本実施形態においては、培養液に照射される光の量が低下し、微細藻類が体内に蓄積した栄養分を多分に消費するおそれがある場合には、前記有機酸添加工程を実施し、微細藻類が体内に蓄積した栄養分を消費することを抑制させる。
本実施形態のメタン発酵液添加工程は、図1に例示したように、メタン発酵液供給部31によってメタン発酵液を培養槽10に供給するような方法で実施できる。
本実施形態の有機酸添加工程は、図2に示したように、夜間などの光量確保が難しい時間帯において実施することができ、有機酸供給部21によって酸発酵液を培養槽10に供給するような方法で実施できる。
微細藻類は、光合成を積極的に行う中で、夜間など光量が不足した際には光合成から呼吸に切り替わるため、周囲に栄養となる炭素源が不足すると自己(細胞内)の栄養を利用する。
そのため、微細藻類は、光量が不足した際には増殖速度が低下するだけでなく、個体が栄養不足の状態になり、再び十分な光量が確保できても栄養不足が解消されるまで増殖速度が低い状態になる。
本実施形態においては、前記のような有機酸添加工程を実施することにより、本実施形態の微細藻類培養方法においては、夜間や曇天などにおける光量不足によって微細藻類の増殖が停滞することを抑制できる。
また、本実施形態の有機酸添加工程においては、微細藻類が消費し易い有機酸の形で微細藻類に炭素源が供給されることから増殖の停滞がより確実に抑制される。
有機酸添加工程は、培養する微細藻類の種類などにもよるが、光量測定器による測定結果から光量子束密度を算出し、該光量子束密度が閾値以下になった場合に有機酸を培養槽に供給する形で実施すればよい。
前記閾値は、例えば、50(μmol/m/s)などとすることができる。
前記メタン発酵液添加工程と前記有機酸添加工程とは、何れか一方のみを実施しても良く、両方を並行してもよい。
例えば、培養槽10の槽本体における培養液の水深が深く、日射量が低下して、培養液の上層側では光量が十分であるものの下層側(例えば、槽底付近)においては光量が不足する状況となった場合、前記上層側においてはメタン発酵液の供給を継続しつつ該メタン発酵液の供給地点よりも下方においては酸発酵液の供給を開始して一つの培養槽において前記メタン発酵液添加工程と前記有機酸添加工程とを同時並行させてもよい。
なお、晴天の日中において雲の通過などによって一時的に光量が低下したような場合には、短時間で光量が回復することが見込まれることから有機酸添加工程を実施せずに前記メタン発酵液添加工程だけを継続実施させるようにしてもよい。
本実施形態における微細藻類培養方法においては、光量が低下した際にタイマーによる時間計測を開始し、当該時間が予め設定した値(例えば10分)を超えた際に有機酸添加工程を実施し、設定時間以前に光量が回復した場合に有機酸添加工程を実施しないといったような制御を行ってもよい。
また、本実施形態における微細藻類培養方法においては、メタン発酵液添加工程を日中のみ実施するようにしたり、所定の光量(例えば、50μmol/m/s)が照射されている期間のみメタン発酵液添加工程を実施したりしてもよい。
即ち、本実施形態において有機酸添加工程を実施するタイミングは、光量測定器21aによる測定結果のみならず、培養液の水深、培養液の光透過度(微細藻類の濃度、培養培地の透過光濁度)、天気予報などにも基づいて実施することができる。
有機酸添加工程によって培養液に添加する前記有機酸は、微細藻類とともに培養液を構成している液体(培養培地)よりも濁度(例えば、JIS K0101に規定の透過光濁度)の高い液体の状態で前記培養液に添加されることで、微細藻類に照射される光量を抑制させることができる。
その場合、当該有機酸は、より確実に微細藻類に消費されうる。
なお、ユーグレナなどの微細藻類を屋外にて自然光で培養する場合、有機酸添加工程を実施することによって培養液を酸性にできるため、ユーグレナが増殖し易い環境を整えることができ、他の藻類が培養液に混入してもその増殖を抑制することができる。
そのようなことから本実施形態の有機酸添加工程においては、培養液のpHが3以上5以下となるように有機酸の添加量を調節することが好ましい。
なお、有機酸の添加のみでpHを下げることが難しい場合、別途酸を添加するようにしてもよい。
有機酸添加工程における培養液の有機酸濃度は、過度に高いと微細藻類の増殖に悪影響を及ぼすおそれがある。
そのため、培養液の有機酸濃度は、有機酸添加工程における平均値が1000ppm以下であることが好ましく、500ppm以下であることがより好ましい。
また、培養液の有機酸濃度は、有機酸添加工程が実施されている全ての期間を通じて常に1000ppm以下に保たれていることが好ましく、常に500ppm以下に保たれていることがより好ましい。
なお、前記有機酸添加工程において利用する有機酸(酸発酵液)を得るための酸発酵工程や、前記メタン発酵液添加工程において利用するメタン発酵液を得るためのメタン発酵工程は、下水汚泥などの有機性廃棄物を酸発酵やメタン発酵するために従来行われている方法と同様の方法によって実施可能である。
酸発酵工程やメタン発酵工程に供する有機物としては、汚泥に予め何等かの処理を施した有機物や汚泥そのものなどといった汚泥由来の有機物が好ましい。
上記においては、酸発酵工程やメタン発酵工程に供する有機物として下水汚泥を例示しているが、前記有機物は、下水処理以外において発生する余剰汚泥などであってもよい。
また、食品廃棄物そのものや食品廃棄物に予め何等かの処理を施した有機物などといった食品廃棄物由来の有機物も酸発酵工程やメタン発酵工程に供するのに好適な有機物として挙げられる。
前記食品廃棄物としては、例えば、焼酎粕、酒粕、大豆粕、厨芥などが挙げられる。
なお、本実施形態の微細藻類培養方法においては、前記曝気装置を用いて培養液に対して酸素や二酸化炭素を含有する気体を曝気することが好ましい。
本実施形態においてはメタン発酵槽で発生した二酸化炭素の一部が発酵液中に溶解しているため、培養槽では微細藻類の炭素源としてこれを利用することができる。
しかしながら、培養液中の二酸化炭素の溶解量は、通常、徐々に減少するため、光が十分に照射される期間は二酸化炭素を含有する気体(例えば空気や焼却設備などから発生する排ガスなど)を曝気することが好ましく、このことによって光合成に必要な二酸化炭素を微細藻類に供給できる。
一方で、光の照射量が足りない場合には微細藻類が呼吸を行うため、酸素を含む気体(例えば空気)を曝気することにより呼吸に必要な酸素を微細藻類に供給することができる。
この曝気における空気及び二酸化炭素の供給は、例えば、溶存酸素濃度計や溶存二酸化炭素濃度計を用いて制御すればよい。
また、二酸化炭素が十分に足りている場合、光の照射量が少ない期間のみ曝気するようにしても良く曝気のタイミングを有機酸添加のタイミングと合わせるようにしてもよい。
なお、本発明の微細藻類培養設備や微細藻類培養方法は上記に例示した態様に限定されるものではない。
上記においては酸発酵槽20とメタン発酵槽30とが並列に配置された設備を例示しているが、例えば、図3に示すようにこれらが直列配置されていてもよい。
図3に示す微細藻類培養設備1は、汚泥や食品廃棄物といった有機性廃棄物が酸発酵槽20に供され、メタン発酵槽30には酸発酵槽20から排出される酸発酵液が供給されるべく構成されている。
この図3に示す微細藻類培養設備を利用した場合においても、図1に示した微細藻類培養設備を利用する場合と同様の効果を得ることができる。
また、本発明の効果は、図1や図3に例示した微細藻類培養設備以外の微細藻類培養設備を利用する場合においても得ることができる。
具体的には、有機酸供給部21やメタン発酵液供給部31を構成する装置類などについては、上記例示のもの以外に種々のものを採用することができる。
即ち、本発明は、上記例示に何等限定されるものではない。
1 微細藻類培養設備
10 培養槽
20 酸発酵槽
21 有機酸供給部
21a 光量測定器
21b 酸発酵液搬送機
21c 酸濃度測定器
30 メタン発酵槽
31 メタン発酵液供給部
31b 固液分離装置

Claims (6)

  1. 微細藻類を含む培養液が収容され、該培養液に光が照射されて前記微細藻類が光独立培養される培養槽と、
    有機物が酸発酵されて有機酸を含む酸発酵液が作製される酸発酵槽とを備え、
    前記培養液に照射される光の量が低下した際に前記酸発酵液に含まれる有機酸を前記培養液に添加する有機酸供給部をさらに備えている微細藻類培養設備。
  2. 有機物がメタン発酵されてメタン発酵液が作製されるメタン発酵槽をさらに備え、
    前記メタン発酵液を前記培養液に供給するメタン発酵液供給部を備えている請求項1記載の微細藻類培養設備。
  3. 前記培養液に照射される光の量を測定する光量測定器がさらに備えられており、
    前記有機酸供給部によって前記培養液に有機酸を添加するタイミングが前記光量測定器によって制御される請求項1又は2記載の微細藻類培養設備。
  4. 前記培養液の有機酸濃度を測定する酸濃度測定器がさらに備えられており、
    前記有機酸供給部によって前記培養液に添加される有機酸の量が前記酸濃度測定器によって制御される請求項1乃至3の何れか1項に記載の微細藻類培養設備。
  5. 微細藻類を含む培養液に光を照射させて前記微細藻類を光独立培養することと、
    有機物を酸発酵して有機酸を含む酸発酵液を作製することとを含み、
    前記培養液に照射される光の量が低下した際に前記酸発酵液に含まれる有機酸を前記培養液に添加することをさらに含む微細藻類培養方法。
  6. 有機物をメタン発酵してメタン発酵液を作製することを含み、
    前記メタン発酵液を前記培養液に添加することをさらに含む請求項5記載の微細藻類培養方法。
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