JP2017079194A - 固体高分子型燃料電池の活性化方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池の活性化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体高分子型燃料電池の活性化を低コストで達成する。【解決手段】高分子膜の電解質膜をアノードとカソードの両電極で挟持した固体高分子型燃料電池を活性化するに当たり、アノードに水素ガスを供給するアノードガス供給部に水素ガスを封じ込めた状態で、カソードに酸素含有ガスを供給するカソードガス供給部に酸素含有ガスと不活性ガスとを交互に複数回に亘って供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池の活性化方法に関する。
固体高分子型燃料電池(以下、単に燃料電池と適宜称する)は、プロトン伝導性を有する高分子膜の電解質膜をアノードとカソードの両電極で挟持して、製造される。製造直後においては、電解質膜が湿潤状態にないばかりか電極触媒の活性度も低いため、燃料電池の製造後において、燃料電池の活性化が通常なされている(例えば、特許文献1)。
特開2013−54942号公報
上記の特許文献で提案された活性化手法では、ガス給排に要するガス給排機器を用いてカソードに不活性ガスを封じ込めた状態で、アノードに水素ガスを供給しつつ、外部電源でアノードに対するカソードの電位を0〜1Vで周期的に変動させている。こうした活性化手法では、アノードとカソードの間の電位変動により活性化を高めることができるものの、周期的な電位変動を起こす外部電源を必須とするので、設備コストの上昇、延いては燃料電池の製造コストの増加を避けられない。こうしたことから、燃料電池の活性化を低コストで達成可能な活性化手法が要請されるに到った。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、固体高分子型燃料電池の活性化方法が提供される。この固体高分子型燃料電池の活性化方法は、プロトン伝導性を有する高分子膜の電解質膜をアノードとカソードの両電極で挟持し、前記アノードに水素ガスを導くアノードガス供給部と、前記カソードに酸素含有ガスを導くカソードガス供給部とを備える固体高分子型燃料電池の活性化方法であって、前記アノードガス供給部に前記水素ガスを供給して前記アノードに前記水素ガスを導いた状態で、前記カソードガス供給部に前記酸素含有ガスと不活性ガスとを交互に複数回に亘って繰り返し供給する。
この形態の固体高分子型燃料電池の活性化方法では、カソードに酸素含有ガスが導かれている酸素含有ガス供給状況と、カソードに不活性ガスが導かれている不活性ガス供給状況とを交互に発現させる。その一方、酸素含有ガス供給状況と不活性ガス供給状況のいずれの状況でも、アノードには水素ガスが導かれている。よって、酸素含有ガス供給状況では、アノードには水素が存在し、カソードには酸素含有ガス中の酸素が存在することから、水素と酸素の電気化学反応が進行し、アノード・カソード間の電位は、電気化学反応で規定される規定発電電位、或いはこれに近い電位となる。不活性ガス供給状況では、アノードには水素が存在するものの、カソードには不活性ガスが存在して酸素がないことから、電気化学反応は起きず、アノード・カソード間の電位は、ほぼゼロとなる。この結果、この形態の固体高分子型燃料電池の活性化方法によれば、外部電源を用いることなく、アノード・カソード間の電位をゼロ電位から規定発電電位まで繰り返し変動させることができるので、低コストで固体高分子型燃料電池を活性化できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、固体高分子型燃料電池の活性化装置や活性化を含めた固体高分子型燃料電池の製造方法や製造装置の形態で実現することができる。
本発明の実施形態の燃料電池活性化装置の概略構成を燃料電池の概略構成と合わせて示す説明図である。 燃料電池活性化装置による燃料電池の活性化手順の前半を概略的に示す説明図である。 燃料電池の活性化手順の後半を概略的に示す説明図である。 実施形態品と比較例品の発電特性を示すグラフである。
図1は本発明の実施形態の燃料電池活性化装置200の概略構成を燃料電池100の概略構成と合わせて示す説明図である。燃料電池活性化装置200の説明に先立ち、活性化の対象となる燃料電池100について説明する。
燃料電池100は、固体高分子型燃料電池であり、燃料電池セル100Sを積層したスタック構造を備える。それぞれの燃料電池セル100Sは、後述の電解質膜をアノードとカソードの両電極で挟持した発電単位であり、アノードとカソードへの水素ガスとエアー供給を受けて発電する。燃料電池セル100Sは、膜電極接合体110をアノード側ガス拡散部材120とカソード側ガス拡散部材130とで挟持し、各ガス拡散部材にアノードセパレーター122とカソードセパレーター132を接合して備える。
膜電極接合体110は、電解質膜112をアノード触媒層114とカソード触媒層116で挟持して備える。電解質膜112は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子の薄膜(高分子膜)である。アノード触媒層114とカソード触媒層116は、触媒インクを電解質膜112の外表面に塗布・乾燥させることによって形成されたガス透過性を有する電極であり、それぞれ、アノードとカソードの正負の電極として機能する。
アノード側ガス拡散部材120とカソード側ガス拡散部材130の両ガス拡散部材は、ガス透過性および導電性を有する多孔質部材であり、対応するアノード触媒層114とカソード触媒層116の膜面全域に反応ガスを行き渡らせるためのガス拡散流路として機能する。
アノードセパレーター122とカソードセパレーター132の両セパレーターは、導電性を有するガス不透過の板状部材である。この両セパレーターは、その内部に、ガス流路122a、132aと図示しない冷却媒体流路を備え、対応するアノード側ガス拡散部材120とカソード側ガス拡散部材130にガス流路122a、132aを経てガスを供給する。
反応ガスである水素ガスは、図1の紙面上端側のガス入口122bからガス流路122aに流れ込み、ガス流路122aに沿って図1の紙面下側のガス出口122cへと流れつつ、アノード側ガス拡散部材120を介してアノード触媒層114に至り、発電反応に供される。反応に供されることのなかった水素を含むアノード排ガスは、アノード側ガス拡散部材120を介してガス流路122aへと流れ、ガス出口122cから燃料電池100の外部へと排出される。こうしたガス挙動から、燃料電池セル100Sのアノード触媒層114に水素ガスを導くアノードガス供給部が、ガス入口122bとガス出口122cを含むガス流路122aとアノード側ガス拡散部材120で形成される。
酸素含有ガスガスであるエアーは、図1の紙面下端側のガス入口132bからガス流路132aに流れ込み、ガス流路132aに沿って図1の紙面上側のガス出口132cへと流れつつ、カソード側ガス拡散部材130を介してカソード触媒層116に至り、発電反応に供される。反応に供されることのなかったエアーおよび発電反応によって生成された水分を含むカソード排ガスは、カソード側ガス拡散部材130を介してガス流路122aへと流れ、ガス出口122cから燃料電池100の外部へと排出される。こうしたガス挙動から、燃料電池セル100Sのカソード触媒層116にエアーを導くカソードガス供給部が、ガス入口132bとガス出口132cを含むガス流路132aとカソード側ガス拡散部材130で形成される。
上記した構造の燃料電池100の活性化を図る燃料電池活性化装置200は、水素ガス供給機220と、エアー供給機222と、窒素ガス供給機224と、温水供給器226と、制御装置250とを備える。
水素ガス供給機220は、既述した燃料電池100におけるアノードセパレーター122のガス流路122aに、流路切換弁232と開閉弁234とを介して接続され、制御装置230の制御を受けて、水素ガスを供給する。これにより、それぞれの燃料電池セル100Sのアノード触媒層114に水素ガスがガス流路122aとアノード側ガス拡散部材120を経て導かれる。流路切換弁232は、制御装置250の制御を受けて、水素ガス供給機220の側からのガス供給と後述の温水供給器226の側からの温水供給と後述の窒素ガス供給機224の側からの不活性ガスたる窒素ガス供給を切り替える。開閉弁234は、制御装置250の制御を受けて、ガス入口122bに接続された管路を開閉する。水素ガス供給機220から供給された水素ガスと窒素ガス供給機224から供給された窒素ガスは、開閉弁236の開弁により、燃料電池活性化装置200の図示しない回収機に回収される。温水供給器226から供給された温水(詳しくは所定温度のイオン交換水)は、開閉弁236の開弁により、温水供給器226に戻され、燃料電池100のそれぞれの燃料電池セル100Sを循環する。
エアー供給機222は、カソードセパレーター132のガス流路132aに、流路切換弁238と開閉弁240とを介して接続され、制御装置230の制御を受けて、エアーを供給する。これにより、それぞれの燃料電池セル100Sのカソード触媒層116にエアーがガス流路132aとカソード側ガス拡散部材130を経て導かれる。流路切換弁238は、制御装置250の制御を受けて、エアー供給機222の側からのエアー供給と後述の温水供給器226の側からの温水供給と後述の窒素ガス供給機224の側からの窒素ガス供給を切り替える。開閉弁240は、制御装置250の制御を受けて、ガス入口132bに接続された管路を開閉する。エアー供給機222から供給されたエアーは、開閉弁242の開弁により、大気放出され、窒素ガス供給機224から供給された窒素ガスは、燃料電池活性化装置200の図示しない回収機に回収される。温水供給器226から供給された温水は、開閉弁242の開弁により、温水供給器226に戻され、燃料電池100のそれぞれの燃料電池セル100Sを循環する。
窒素ガス供給機224と温水供給器226は、アノードセパレーター122のガス流路122aおよびカソードセパレーター132のガス流路132aに、流路切換弁232と開閉弁234、および流路切換弁238と開閉弁240を介して接続されている。窒素ガス供給機224は、制御装置230の制御を受けて、不活性ガスである窒素ガスを供給する。これにより、それぞれの燃料電池セル100Sのアノード触媒層114およびカソード触媒層116に、窒素ガスがガス流路122aとガス流路132aおよびアノード側ガス拡散部材120とカソード側ガス拡散部材130を経て導かれる。温水供給器226は、制御装置230の制御を受けて、80℃のイオン交換水(以下、単に温水と称する)を供給する。これにより、それぞれの燃料電池セル100Sのアノード触媒層114およびカソード触媒層116に、温水がガス流路122aとガス流路132aおよびアノード側ガス拡散部材120とカソード側ガス拡散部材130を経て導かれる。本実施形態では、アノードとカソードへの窒素ガス供給と温水供給に、共通する窒素ガス供給機224と温水供給器226を用いたが、アノードとカソードで別々に窒素ガス供給部と温水供給器を設けるようにしてもよい。
制御装置250は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、図示しない活性開始スイッチの操作を受けて、上記した水素ガス供給機220を始めとする供給部や、流路切換弁232等の各種バルブを駆動制御し、燃料電池100の活性化処理を実行する。
図2は燃料電池活性化装置200による燃料電池の活性化手順の前半を概略的に示す説明図であり、図3は燃料電池の活性化手順の後半を概略的に示す説明図である。
燃料電池の活性化に先立ち、図1に示すように、アノードセパレーター122のガス入口122bとガス出口122cに燃料電池活性化装置200の開閉弁234と開閉弁236が、カソードセパレーター132のガス入口132bとガス入口122bに開閉弁240と開閉弁242とが接続される。つまり、燃料電池活性化装置200の設置箇所に、製造された燃料電池100が搬入され、上記した弁接続がなされると、燃料電池の活性化の準備が完了する。その後、活性化開始スイッチの操作がなされると、燃料電池活性化装置200の制御装置250は、流路切換弁232と流路切換弁238とを温水供給器226からの温水供給がなされるよう駆動すると共に、供給側の開閉弁234と開閉弁240および排出側の開閉弁236と開閉弁242とを開弁駆動する(第1工程:ステップS100)。
このステップS100の第1工程により、それぞれの燃料電池セル100Sのアノードセパレーター122のガス流路122aおよびカソードセパレーター132のガス流路132aを経て、アノード触媒層114とカソード触媒層116に温水が導かれ、電解質膜112の両膜面からの湿潤化がなされる。この際、ガス流路122aやガス流路132a、並びにアノード側ガス拡散部材120とカソード側ガス拡散部材130の細孔に残存していた不純物も温水により洗浄される。この第1工程は、温水エージングと称することができ、この温水エージングを、本実施形態では、温水が0.4リットル/minの循環速度で燃料電池100の燃料電池セル100Sを循環するよう、30分に亘って継続する。
制御装置250は、ステップS100の第1工程を実行すると、温水供給器226からの温水供給を停止すると共に、流路切換弁232と流路切換弁238とを窒素ガス供給機224からの窒素ガス供給がなされるよう駆動する(第2工程:ステップS110)。このステップS110の第2工程により、それぞれの燃料電池セル100Sのガス流路122aとガス流路132aを経て、アノード触媒層114とカソード触媒層116とに窒素ガスが導かれるので、第1工程で導かれていた温水が排出(パージ)される。本実施形態では、この第2工程を2分に亘って実行することで温水排出を完了させた。
制御装置250は、ステップS110の第2工程の実行後、流路切換弁232を水素ガス供給機220からの水素ガス供給がなされるよう駆動する(第3工程:ステップS120)。このステップS120の第3工程により、それぞれの燃料電池セル100Sのアノードセパレーター122のガス流路122aを経て、アノード触媒層114に水素ガスが導かれるので、第2工程で導かれていた窒素ガスが排出(パージ)される。本実施形態では、この第3工程を2分に亘って実行することで窒素ガス排出を完了させた。
制御装置250は、ステップS120の第3工程の実行後、次の第4工程を実行する(ステップS130)。ステップS130の第4工程では、アノード側では、流路切換弁232を、水素ガス供給機220からの水素ガス供給がなされるよう駆動してアノード触媒層114に水素ガスを導いた状態で、開閉弁234と開閉弁236を閉弁駆動する。これにより、アノード触媒層114とアノード側ガス拡散部材120に水素ガスが封じ込められる。一方、カソード側では、流路切換弁238を、窒素ガス供給機224からの窒素ガス供給と、エアー供給機222からのエアー供給とが2分間隔で交互に繰り返されるよう駆動する。このステップS130の第4工程により、カソード触媒層116では、エアーが導かれているエアー供給状況と窒素ガスが導かれている窒素ガス供給状況とが交互に複数回発現し、アノード触媒層114では、エアー供給状況と窒素ガス供給状況のいずれの状況でも、水素ガスが導かれて封じ込み済みである。この第4工程では、供給された水素と酸素の電気化学反応が起きるので、第4工程は、触媒活性化エージングと称することができる。本実施形態では、この触媒活性化エージングを、2分間毎のエアー供給状況と窒素ガス供給状況とが5回繰り返されるよう、20分に亘って継続する。また、この第4工程においては、燃料電池100に負荷を接続しない状態で、上記のガス供給を行った。なお、第4工程を、極めて大きな負荷を燃料電池100に接続した状態で行うようにしてもよい。
以上説明した燃料電池活性化装置200を用いた活性化方法によれば、次の効果が得られた。まず第1に、80℃のイオン交換水を用いた第1工程の温水エージングにより、電解質膜112を湿潤化できると共に、電解質膜112の両膜面を始め、アノード触媒層114、カソード触媒層116、アノード側ガス拡散部材120およびカソード側ガス拡散部材130のガス通過域における不純物を除去できる。本実施形態では、温水エージングの際に循環させるイオン交換水の伝導度は、温水エージング開始前では0.1μSであったが、温水エージング後には0.8μSまで上昇した。この伝導度の向上により、湿潤化による電解質膜112のプロトン伝導性の確保、並びに不純物の除去が進んだと考えられる。
第2に、第4工程の触媒活性化エージングでは、カソード触媒層116においてエアー供給状況と窒素ガス供給状況とを2分おきに交互に発現させ、このいずれの状況でも、アノード触媒層114には水素ガスが存在する。よって、エアー供給状況では、膜電極接合体110において水素と酸素の電気化学反応を進行させて、アノード・カソード間の電位を、燃料電池セル100Sのスペック発電電位、或いはこれに近い電位とし、窒素ガス供給状況では、アノード触媒層114には水素が存在するものの、カソード触媒層116には窒素ガスが存在して酸素がないことから、電気化学反応は起きず、アノード・カソード間の電位を、ほぼゼロとなる。この結果、アノード・カソード間の電位をゼロ電位からスペック発電電位まで2分おきに繰り返し変動させることができるので、触媒表面の酸化皮膜除去等が起きて触媒が活性化し、燃料電池セル100S、延いては燃料電池100を活性化できる。しかも、燃料電池活性化装置200を用いた活性化方法によれば、燃料電池100の活性化を、アノードに対するカソードの電位を0〜1Vで変動させる外部電源を用いることなく達成するので、設備コストが掛からず低コストでの燃料電池100の活性化と、燃料電池100の製造コスト低下を図ることができる。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、既述した燃料電池活性化装置200を用いるものの、温水供給器226を有しない機器構成とした。そして、第2実施形態では、ステップS100〜S120の第1工程〜第3工程を省略し、第4工程のみを採用した。つまり、この第2実施形態では、燃料電池活性化装置200の設置箇所に、製造された燃料電池100が搬入され、既述した弁接続がなされると、アノード側では、流路切換弁232を、水素ガス供給機220からの水素ガス供給がなされるよう駆動してアノード触媒層114に水素ガスを導いた状態で、開閉弁234と開閉弁236を閉弁駆動し、アノード触媒層114とアノード側ガス拡散部材120に水素ガスを封じ込める。一方、カソード側では、流路切換弁238を、窒素ガス供給機224からの窒素ガス供給と、エアー供給機222からのエアー供給とが2分間隔で交互に5回繰り返されるよう駆動する。ステップS100〜S120の第1工程〜第3工程を省略した場合の第4工程によっても、カソード触媒層116では、エアーが導かれているエアー供給状況と窒素ガスが導かれている窒素ガス供給状況とが2分おきに交互に発現し、アノード触媒層114には、エアー供給状況と窒素ガス供給状況のいずれの状況でも、水素ガスが存在するので、既述した触媒活性化エージングにより、燃料電池100を低コストで活性化できる。
次に、燃料電池活性化装置200による活性化の効果について説明する。図4は実施形態品と比較例品の発電特性を示すグラフである。この図4では、以下に記す活性化を経た完成品燃料電池を、70℃のセル温度に維持した状態で発電運転しつつ、電池性能評価に常用される性能評価装置により、取り出す電流の電流密度を0〜2.0V/cmまで変えた場合の出力電圧を測定した結果を示す。
実施形態品1:図2に示す第1工程(温水エージング)から図3の第4工程(触媒活性エージング)を既述したように実施して活性化を図った燃料電池;
実施形態品2:図3に示す第4工程(触媒活性エージング)のみを既述したように実施して活性化を図った燃料電池;
比較例品1:燃料電池を70℃のセル温度に維持した状態で、水素ガスとエアーをフル加湿(70℃での相対湿度100%)して供給して発電運運転させ、取り出す電流の電流密度を0〜1.5V/cmまで30分掛けて変えながら12時間に亘って継続して発電運転し、触媒活性エージングによる活性化を図った燃料電池;
比較例品2:図2に示す第1工程(温水エージング)のみを既述したように実施して活性化を図った燃料電池;
この場合、比較例品1は、外部電源を用いてアノードに対するカソードの電位を周期的に変動させた既存の活性化手法と、触媒活性化の点で共通する。
図4から明らかなように、実施形態品1は、0〜2.0V/cmまでの電流密度範囲において、外部電源を用いた比較例品1とほぼ同等の発電能力を有する。この実施形態品1の結果から、外部電源を用いることなく既存手法と同程度の発電性能を有するよう、低コストで燃料電池を活性化できると言える。また、実施形態品1は、温水エージングだけを行った比較例品2より、0〜2.0V/cmまでの電流密度範囲において、出力電圧が高まったので、温水エージングとステップS130の触媒活性エージングとを行うことが望ましいと言える。
実施形態品2は、0〜1.5V/cmまでの電流密度において、外部電源を用いた比較例品1とほぼ同等の発電能力を有し、2.0V/cmの電流密度であっても、実用上、有益とされる0.5Vの出力電圧を得られた。この実施形態品2の結果からも、外部電源を用いることなく既存手法と同程度の発電性能を有するよう、低コストで燃料電池を活性化できると言える。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
既述した実施形態では、ステップS110の温水エージングに続き、ステップS120でアノード・カソードとも窒素ガスによる温水パージを行ったが、温水パージを、アノードでは水素ガスにより、カソードでは窒素ガス或いはエアーにて行うようにしてもよい。つまり、ステップS120でアノード・カソードとも窒素ガスによる温水パージを省略し、ステップS140の触媒活性エージングに推移してもよい。
既述した実施形態では、ステップS140の触媒活性エージングにおいて、アノード触媒層114に水素ガスを封じ込めたが、アノード触媒層114に水素ガスを供給しつつ、カソード触媒層116において、エアー・窒素ガスの交互供給を行うようにしてもよい。
既述した実施形態では、ステップS140の触媒活性エージングにおいて、カソード触媒層116に、エアーと窒素ガスを交互供給したが、窒素ガスに代えて他の不活性ガス、例えばアルゴンをエアーと交互供給してもよい。
100…燃料電池(固体高分子型燃料電池)
100S…燃料電池セル
110…膜電極接合体
112…電解質膜
114…アノード触媒層
116…カソード触媒層
120…アノード側ガス拡散部材
122…アノードセパレーター
122a…ガス流路
122b…ガス入口
122c…ガス出口
130…カソード側ガス拡散部材
132…カソードセパレーター
132a…ガス流路
132b…ガス入口
132c…ガス出口
200…燃料電池活性化装置
220…水素ガス供給機
222…エアー供給機
224…窒素ガス供給機
226…温水供給器
230…制御装置
232…流路切換弁
234…開閉弁
236…開閉弁
238…流路切換弁
240…開閉弁
242…開閉弁
250…制御装置

Claims (1)

  1. プロトン伝導性を有する高分子膜の電解質膜をアノードとカソードの両電極で挟持し、前記アノードに水素ガスを導くアノードガス供給部と、前記カソードに酸素含有ガスを導くカソードガス供給部とを備える固体高分子型燃料電池の活性化方法であって、
    前記アノードガス供給部に前記水素ガスを供給して前記アノードに前記水素ガスを導いた状態で、前記カソードガス供給部に前記酸素含有ガスと不活性ガスとを交互に複数回に亘って繰り返し供給する、固体高分子型燃料電池の活性化方法。
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