JP2006269138A - 固体高分子膜と触媒層の接合方法及び接合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜全体の含水量を均一に制御することができると共に、ホットプレス時の温度をさほど上昇させることなく接合することができ、電解質膜における皺の発生や、スルホン酸の脱離を防止してガスシール性を確保し、もって電池性能の低下を防止することができる固体高分子膜と触媒層の接合方法と、このような接合に用いる接合装置を提供する。
【解決手段】固体高分子膜1と触媒層2,3を重ね合わせて接合するに際して、接合雰囲気を湿潤状態と比較的乾燥した状態とに交互に変化させながらこれらを接合する。
【選択図】図2
【解決手段】固体高分子膜1と触媒層2,3を重ね合わせて接合するに際して、接合雰囲気を湿潤状態と比較的乾燥した状態とに交互に変化させながらこれらを接合する。
【選択図】図2
Description
本発明は、固体高分子形燃料電池(PEFC)に用いられる膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を得るための接合技術に係わり、とくに電解質膜と触媒層の接合方法と、このような接合に用いられる接合装置に関するものである。
図5(a)は、固体高分子形燃料電池の基本的な構成を示すものであって、固体高分子電解質1を両側からアノード2とカソード3が挟み、アノード2およびカソード3の外側にはそれぞれガス拡散層4、5が形成されている。アノード側ではガス拡散層4を通してアノード2に供給された水素ガスから、アノード2を構成する触媒により水素イオン(プロトン)と電子とを生成し、生成された水素イオンは固体高分子電解質1中を移動し、カソード3側でガス拡散層5を通してカソード3に供給される酸素ガスおよび外部回路を経てカソード3に供給される電子と反応して、水を生成する。
アノード(燃料極): H2 → 2H+ + 2e−
カソード(酸素極): (1/2)O2 + 2H+ + 2e− → H2O
アノード(燃料極): H2 → 2H+ + 2e−
カソード(酸素極): (1/2)O2 + 2H+ + 2e− → H2O
ここで、固体高分子電解質1としては、例えば、ナフィオン(登録商標)に代表されるパーフルオロスルホン酸系膜などのイオン導電性樹脂からなる固体高分子電解質膜が用いられる。また、アノード2及びカソード3としては、触媒粒子とイオン導電性樹脂とからなる触媒層が好適に用いられる。
そして、触媒粒子としては炭素系粒子などの担体に白金などの貴金属触媒粒子を担持したものが好適に用いられ、ガス拡散層4、5は、導電性および通気性を有する材料で構成され、例えば、カーボン繊維からなるカーボンペーパー、織布あるいは不織布等が用いられる。
そして、触媒粒子としては炭素系粒子などの担体に白金などの貴金属触媒粒子を担持したものが好適に用いられ、ガス拡散層4、5は、導電性および通気性を有する材料で構成され、例えば、カーボン繊維からなるカーボンペーパー、織布あるいは不織布等が用いられる。
このような固体高分子形燃料電池を製造するには、まず、カーボン繊維からなるカーボンペーパー、カーボン織布あるいはカーボン不織布などを用いたガス拡散層の表面に、触媒粒子とイオン導電性樹脂を含む溶液を塗布し、乾燥させて触媒層を形成し、ガス拡散層−触媒層集成体とする。このガス拡散層−触媒層集成体の作製は、比較的容易であり、特に問題はない。
そして、図6に示すように、ガス解散層4、5の表面に触媒粒子とイオン導電性樹脂を含む触媒層2、3を形成して成るガス拡散層−触媒層集成体8、9を固体高分子電解質膜1の両側にホットプレスなどの方法で接合することにより、固体高分子形燃料電池が製造される。
そして、図6に示すように、ガス解散層4、5の表面に触媒粒子とイオン導電性樹脂を含む触媒層2、3を形成して成るガス拡散層−触媒層集成体8、9を固体高分子電解質膜1の両側にホットプレスなどの方法で接合することにより、固体高分子形燃料電池が製造される。
このとき、好適には、図5(b)に拡大して示すように、ガス拡散層4(5)と触媒層2(3)の間に、炭素系粒子とフッ素系樹脂あるいはイオン導電性樹脂からなる層6(7)を介在させることも行なわれるが、この場合にも上記と同様にホットプレスなどの接合方法が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−353529号公報(段落[0041]、[0043]、図4、図5)
しかしながら、上記固体高分子膜はある程度含水しているものの、ホットプレスにより水分が蒸発することが考えられる。この際に熱伝導性の高いカーボンや触媒金属を含む触媒層付近では、水分がより多く蒸発し、周辺の膜との間に残留応力が発生する可能性がある。
そして、この残留応力によって膜に皺が発生し、この皺が高分子膜に残存するとセルやスタックとして組んだ場合に、皺によって触媒層付近のガスが外部に連通することとなって、ガスシール性に悪影響を与え、出力性能が低下する可能性がある。
そして、この残留応力によって膜に皺が発生し、この皺が高分子膜に残存するとセルやスタックとして組んだ場合に、皺によって触媒層付近のガスが外部に連通することとなって、ガスシール性に悪影響を与え、出力性能が低下する可能性がある。
また、図4は、株式会社リガク製TPD−Vを用いて、膜厚50μm、5mm角のパーフルオロスルフォン酸膜の両面に白金電極を蒸着した試料を高真空中(5×10−6Pa以下)において、10℃/minの速度で昇温した時の脱離ガス成分のTPD曲線 (イオンクロマトグラム)を示すものである。
この図から明らかなように、吸着している水(H2O+)以外に、H2 +(m/z:2)、CF+(m/z:31)、F2 +(m/z:38)、CF2 +(m/z:50)、CF3 +(m/z:69)ならびにポリマー側鎖末端のスルホン基から脱離したSO2 +(m/z:64)などが低温域から検出されている。また、80℃付近からは脱離ガスが増大し、サンプルのガラス転移温度(約120℃)近傍ではより顕著に離脱ガスが観測できる。そして、ガラス転移温度を超えると、電解質膜内の化学構造が変化し、微少量の脱離ガスを放出することから、ホットプレスによる接合時に、電解質膜をガラス転移温度付近まで温度上昇させることは、性能低下の原因となり易いものと考えられる。
この図から明らかなように、吸着している水(H2O+)以外に、H2 +(m/z:2)、CF+(m/z:31)、F2 +(m/z:38)、CF2 +(m/z:50)、CF3 +(m/z:69)ならびにポリマー側鎖末端のスルホン基から脱離したSO2 +(m/z:64)などが低温域から検出されている。また、80℃付近からは脱離ガスが増大し、サンプルのガラス転移温度(約120℃)近傍ではより顕著に離脱ガスが観測できる。そして、ガラス転移温度を超えると、電解質膜内の化学構造が変化し、微少量の脱離ガスを放出することから、ホットプレスによる接合時に、電解質膜をガラス転移温度付近まで温度上昇させることは、性能低下の原因となり易いものと考えられる。
本発明は、固体高分子形燃料電池における高分子電解質膜と電極触媒層とのホットプレスによる接合に関する上記課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、膜全体の含水量を均一に制御することができると共に、ホットプレス時の温度をさほど上昇させることなく接合することができ、電解質膜における皺の発生や、スルホン酸の脱離を防止してガスシール性を確保し、もって電池性能の低下を防止することができる固体高分子膜と触媒層の接合方法と、このような接合に用いる接合装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的の達成に向けて、ホットプレス条件や添加剤、水分添加方法などについて鋭意検討を繰り返した結果、高露点ガス(高湿度)雰囲気と低露点ガス(低湿度)雰囲気とが交互に変化する雰囲気内で固体高分子膜と触媒層を接合するようになすことによって、比較的低温度での接合が可能になると共に、高分子電解質膜全体の含水状態を均一に制御することができ、残留応力に基づく皺の発生を防止することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の固体高分子膜と触媒層の接合方法においては、固体高分子膜と、触媒層、すなわち触媒のみ、又は炭素に担持された触媒、あるいはこれら触媒及び炭素とこれらの間に介在するバインダーから成る触媒層とを重ね合わせて接合するに際し、接合雰囲気を湿潤状態とより乾燥した状態とに交互に変化させながら上記触媒層と固体高分子膜を接合するようにしており、本発明の固体高分子膜と触媒層の接合装置は、流量制御器と、高露点加湿器と、低露点加湿器と、三方弁と、触媒層により挟持された固体高分子膜を収納する接合治具と、制御ユニットを備え、上記三方弁は、高露点加湿器を経て接合治具内に到る高露点ガス供給路と、低露点加湿器を経て上記接合治具内に到る低露点ガス供給路の間で、上記流量制御器から供給された所定量のガスを選択的に切換え、当該三方弁によるガス供給路の切換えタイミングを制御ユニットによってコントロールするようになっている。
本発明の固体高分子膜と触媒層の接合方法によれば、固体高分子膜と触媒層とを重ね合わせた状態に接合するに際して、比較的乾燥した状態と湿潤状態とに交互に変化する雰囲気中においてこれらを接合するようにしていることから、膜全体の含水状態を均等に制御することができ、残留応力が抑制されて皺の発生が防止され、ガスシール性の劣化による性能低下を防止することができる。
また、含水状態で膜表面での水吸収・放出経路口が膨張・収縮し、主に粒子により構成される触媒層表面の凹凸とが機械的に嵌合するため、ホットプレス温度を高分子電解質膜のガラス転移温度まで高くする必要がなく、固体高分子膜からの水分の蒸発や成分離脱を抑制することができ、同様にガスシール性劣化に基づく性能低下を防止することができる。
また、含水状態で膜表面での水吸収・放出経路口が膨張・収縮し、主に粒子により構成される触媒層表面の凹凸とが機械的に嵌合するため、ホットプレス温度を高分子電解質膜のガラス転移温度まで高くする必要がなく、固体高分子膜からの水分の蒸発や成分離脱を抑制することができ、同様にガスシール性劣化に基づく性能低下を防止することができる。
そして、本発明により形成された膜電極接合体が燃料電池として発電した際には、プロトンは水と共に固体高分子膜中を移動するため、ミクロな視点では膜が含水して膨張収縮する個所において、実際にプロトンが移動し、反応が活性となる。
本発明においては、ドライ−ウエットサイクルによる固体高分子膜表面の膨張収縮個所が触媒層のミクロな凹凸を捉えることにより、プロトンと触媒が緊密に配置されるようになり、発電反応確率が高くなり性能が向上することになる。
本発明においては、ドライ−ウエットサイクルによる固体高分子膜表面の膨張収縮個所が触媒層のミクロな凹凸を捉えることにより、プロトンと触媒が緊密に配置されるようになり、発電反応確率が高くなり性能が向上することになる。
また、本発明の接合装置は、ガスの流量をコントロールする流量制御器と、触媒層により挟持された固体高分子膜を収納する接合治具と、高露点加湿器を経て上記接合治具に到る高露点ガス供給路と、低露点加湿器を経て上記接合治具に到る低露点ガス供給路と、上記流量制御器から供給された所定量のガスを上記高露点ガス供給路と低露点ガス供給路の間で選択して切換える三方弁と、該三方弁によるガス供給路の切換えタイミングをコントロールする制御ユニットを備えたものであるから、本発明の上記接合方法を容易かつ円滑に実施することができる。
以下、本発明の固体高分子電解質膜と触媒層の接合方法について、さらに詳細に説明する。
本発明の接合方法においては、上記したように、固体高分子膜と触媒層とを重ね合わせた状態で、接合雰囲気中の水分量を変化させながらこれら膜と触媒層を接合するようにしている。すなわち、接合雰囲気を比較的乾燥した状態と湿潤状態とに交互に変化させることによって、膜全体の含水状態を均一なものとすると共に、比較的低温度での接合を可能にし、残留応力の発生や成分離脱によるガスシール性劣化の抑制を可能にしたものであるが、接合雰囲気中の水分量を変化させるには、固体高分子膜両面の触媒層に通じるガス流路のそれぞれに高露点ガス(高湿度)と低露点ガス(低湿度)を交互に流すことによって行なうことができ、これによって、湿潤状態と比較的乾燥した状態との雰囲気変化を短持間で実行することができるようになり、生産性を向上させることができる。
また、ガス流路におけるガスの導入口及び排出口を通過するガスの露点と流量と時間により水分収支を求め、固体高分子膜に対する水分持ち込み量を水分持ち出し量よりも多くなるように制御することが望ましく、接合時に蒸発する水分量を確実に補うことができるようになり、本発明の上記効果を確実なものとすることができる。
このとき、雰囲気調整用のガス、すなわち水分のキャリヤガスとしては、空気や炭酸ガスなどを使用することができるが、例えばアルゴンや窒素などの不活性ガスを使用することが望ましく、これによって触媒や高分子膜が酸化することによる性能劣化を防止することができる。
さらに、固体高分子膜に対する高露点及び低露点ガス供給のタイミングについては、当該高分子膜両面への高露点ガスと低露点ガスの供給時期が一致するように調整することが望ましく、これによって固体高分子膜両面における含水状態に差が少なくなり、残留応力発生をより効果的に抑制することができるようになる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
(接合装置)
図1は、実施例に用いた接合装置の構成を示すブロック図であって、図に示す接合装置は、後述する接合治具10の第1のガス導入口12bに接続され、当該接合治具10内に触媒層2,3によって挟持された状態に収納された固体高分子膜1の表面側に高露点ガスと低露点ガスを交互に供給する第1流路20aと、接合治具10の第2のガス導入口13bに接続され、当該接合治具10内に保持された上記固体高分子膜1の裏面側に高露点ガスと低露点ガスを交互に供給する第2流路20bと、上記第1及び第2流路20a及び20b内に設けた後述する三方弁の切換えのタイミングを調整する制御ユニット30から主に構成されている。
図1は、実施例に用いた接合装置の構成を示すブロック図であって、図に示す接合装置は、後述する接合治具10の第1のガス導入口12bに接続され、当該接合治具10内に触媒層2,3によって挟持された状態に収納された固体高分子膜1の表面側に高露点ガスと低露点ガスを交互に供給する第1流路20aと、接合治具10の第2のガス導入口13bに接続され、当該接合治具10内に保持された上記固体高分子膜1の裏面側に高露点ガスと低露点ガスを交互に供給する第2流路20bと、上記第1及び第2流路20a及び20b内に設けた後述する三方弁の切換えのタイミングを調整する制御ユニット30から主に構成されている。
上記第1流路20aは、図示しないガスタンクボンベから供給されるガス(例えば窒素ガス)の流量を調整する流量制御器(MFC:Mass Flow Controller)21aと、高露点加湿器22aを経て上記接合治具10に到る高露点ガス供給路23aと、低露点加湿器24aを経て上記接合治具10に到る低露点ガス供給路25aと、上記流量制御器21aから供給される所定量のガスの流れを上記高露点ガス供給路23aと低露点ガス供給路25aのいずれかに選択して切換える三方弁26aを備えると共に、上記高露点加湿器22a及び低露点加湿器24aの出口側には、他方の加湿器からのガスの逆流を防止するための逆止弁27a及び28aがそれぞれ設けてある。
一方、第2流路20bは、上記第1流路20aと全く同じ構造のものであって、同様に流量制御器(MFC)21b、高露点加湿器22bと逆止弁27bを流路途中に備えた高露点ガス供給路23b、低露点加湿器24bと逆止弁28bを備えた低露点ガス供給路25b及び三方弁26bから構成されている。
上記加湿器22a、22b及び24a、24bには、その内部の容器内に精製水が満たされており、図示しないヒーターによって当該精製水を任意の温度に加熱するようになっており、流量制御器を通過したガスが任意温度に調節された精製水内を通過することによって、その温度を飽和露点とする加湿ガスを供給する仕組みとなっている。
すなわち、精製水の調節温度を変えることにより露点の異なる加湿が可能となり、高露点加湿器22a及び22bの温度を低露点加湿器24a及び24bの温度よりも高く設定しておき、制御ユニット30からの出力信号に基づいて、三方弁26a、26bが切換わることによって、上記第1及び第2流路20a及び20bのそれぞれから、高露点ガスと低露点ガスを交互に接合治具10に供給することができる。
すなわち、精製水の調節温度を変えることにより露点の異なる加湿が可能となり、高露点加湿器22a及び22bの温度を低露点加湿器24a及び24bの温度よりも高く設定しておき、制御ユニット30からの出力信号に基づいて、三方弁26a、26bが切換わることによって、上記第1及び第2流路20a及び20bのそれぞれから、高露点ガスと低露点ガスを交互に接合治具10に供給することができる。
図2は、上記接合治具10の概略構造を示すものであって、当該接合治具10の中央部には、触媒層2,3に挟持されたが状態の固体高分子膜1が配置され、この触媒層2,3のさらに両側には多孔質材から成るガス拡散層4,5が配設されており、これら触媒層2,3とガス拡散層4,5の外周側には、これら触媒層及びガス拡散層と同じ厚さの多孔質体11が設置されている。
また、固体高分子膜1と、触媒層2,3と、ガス拡散層3,4、及び多孔質体11は、外側からガス流路12a及び13aを備えたセパレータ12及び13により挟持され、セパレータ12及び13同士は、締結具14により緊密に締結されるようになっているが、締結具14とセパレータ12の間には弾性体15が介在していることによって、固体高分子膜1の含水による膨潤を許容できるようになっている。
また、固体高分子膜1と、触媒層2,3と、ガス拡散層3,4、及び多孔質体11は、外側からガス流路12a及び13aを備えたセパレータ12及び13により挟持され、セパレータ12及び13同士は、締結具14により緊密に締結されるようになっているが、締結具14とセパレータ12の間には弾性体15が介在していることによって、固体高分子膜1の含水による膨潤を許容できるようになっている。
固体高分子膜1を図中上側から保持するセパレータ12には、上記ガス流路12aに連通し、前述した接合装置の第1流路20aに接続される第1のガス導入口12bと、ガス排出口12cを備え、固体高分子膜1の表面側に高露点ガスと低露点ガスが交互に供給できるようになっている。
一方、固体高分子膜1を図中下側から保持するセパレータ13には、上記ガス流路13aに連通し、前述の接合装置における第2流路20bに接続される第2のガス導入口13bと、ガス排出口13cを備え、上記固体高分子膜1の裏面側に高露点ガスと低露点ガスが交互に供給できるようになっている。
一方、固体高分子膜1を図中下側から保持するセパレータ13には、上記ガス流路13aに連通し、前述の接合装置における第2流路20bに接続される第2のガス導入口13bと、ガス排出口13cを備え、上記固体高分子膜1の裏面側に高露点ガスと低露点ガスが交互に供給できるようになっている。
セパレータ12及び13に挟まれた固体高分子膜1の外縁側には、シール部材16が設けてあり、セパレータ12及び13に供給されたガスがガス排出口12c及び13c以外から漏れるのを抑制している。
そして、セパレータ12及び13の外側にはヒータ17,18が設置されており、接合治具10内の温度調節ができるようになっている。
そして、セパレータ12及び13の外側にはヒータ17,18が設置されており、接合治具10内の温度調節ができるようになっている。
上記接合装置においては、流量制御器21a,21b、加湿器22a,24a,22b,24bをそれぞれ所定の値に設定し、三方弁26a,2bのみを切替制御することによって、ドライ−ウエットサイクルを実施することが可能であるが、三方弁の制御ユニット30に、流量や露点といった各実行値をガス供給条件として入力し、出口側湿度が飽和であるとする制御プログラムを設定することによって、統合的に制御することも可能である。
(発明例1)
撥水処理を施したカーボンペーパーから成るガス拡散層4,5の片面上に、カーボンブラックに白金を30質量%担持させた白金カーボン触媒をIPA(イソプロパノール)に分散させた後、パーフルオロスルホン酸樹脂溶液を加え、白金カーボン触媒70に対してパーフルオロスルホン酸樹脂30の割合で含む分散溶液を十分な粘度を持つまで溶媒を揮発させペースト状にしてそれぞれ塗布し、触媒層2,3を形成したもので、厚さ30μmのパーフルオロスルホン酸膜(固体高分子膜1)を挟持し、接合治具10に組み込んだ。
撥水処理を施したカーボンペーパーから成るガス拡散層4,5の片面上に、カーボンブラックに白金を30質量%担持させた白金カーボン触媒をIPA(イソプロパノール)に分散させた後、パーフルオロスルホン酸樹脂溶液を加え、白金カーボン触媒70に対してパーフルオロスルホン酸樹脂30の割合で含む分散溶液を十分な粘度を持つまで溶媒を揮発させペースト状にしてそれぞれ塗布し、触媒層2,3を形成したもので、厚さ30μmのパーフルオロスルホン酸膜(固体高分子膜1)を挟持し、接合治具10に組み込んだ。
次いで、ガス供給源から不活性ガスとして窒素ガスを1L/minずつそれぞれ供給し、図3に示すように高露点ガスを3分、低露点ガスを2分、交互に接合治具10のガス導入口12b及び13bに同じタイミングで導入した。
このとき、接合治具温度を70℃に設定し、高露点ガスの治具温度70℃における相対湿度が100%RHとなるように、高露点加湿器22a及び22bの精製水温度を70℃に設定すると共に、低露点ガスの治具温度70℃における相対湿度が5%RHとなるように、低露点加湿器24a及び24bの精製水温度を14℃に設定し、図3に示した高露点ガスと低露点ガスの交互供給を約10サイクル運転することによって、膜・触媒層・拡散層接合体を作成した。
このとき、接合治具温度を70℃に設定し、高露点ガスの治具温度70℃における相対湿度が100%RHとなるように、高露点加湿器22a及び22bの精製水温度を70℃に設定すると共に、低露点ガスの治具温度70℃における相対湿度が5%RHとなるように、低露点加湿器24a及び24bの精製水温度を14℃に設定し、図3に示した高露点ガスと低露点ガスの交互供給を約10サイクル運転することによって、膜・触媒層・拡散層接合体を作成した。
(比較例1)
上記同様のガス拡散層4,5の片面上に、同様の操作を繰り返すことによって触媒層2,3を形成し、乾燥させたのち、これを厚さ30μmのパーフルオロスルホン酸膜の両面に、130℃−10kgf/cm2の条件で3分間ホットプレスし、膜・触媒層・拡散層接合体を形成した。
上記同様のガス拡散層4,5の片面上に、同様の操作を繰り返すことによって触媒層2,3を形成し、乾燥させたのち、これを厚さ30μmのパーフルオロスルホン酸膜の両面に、130℃−10kgf/cm2の条件で3分間ホットプレスし、膜・触媒層・拡散層接合体を形成した。
(評価試験)
上記発明例1及び比較例1で得られた膜・触媒層・拡散層接合体を用いて燃料電池とし、そのガス透過性を比較した。
すなわち、常温(25℃)において、アノード側に100%RHの水素と窒素を導入し、アノード側を正極、カソード側を負極となるように電圧を印加したときにカソード側へ膜を透過した水素をアノード側に移動させるときに必要な電流からカソード側へのガス透過量を計算して、比較した
上記発明例1及び比較例1で得られた膜・触媒層・拡散層接合体を用いて燃料電池とし、そのガス透過性を比較した。
すなわち、常温(25℃)において、アノード側に100%RHの水素と窒素を導入し、アノード側を正極、カソード側を負極となるように電圧を印加したときにカソード側へ膜を透過した水素をアノード側に移動させるときに必要な電流からカソード側へのガス透過量を計算して、比較した
その結果、比較例1で得られた接合体による燃料電池においては、そのガス透過量が常温で8.13×10−8cc/cm2・sec・cmHgであったのに対し、発明例1の接合体を用いた燃料電池においては、5.80×10−8cc/cm2・sec・cmHgであることが確認され、ガス透過量の大幅な低減が可能であることが判明した。
これは、膜全体の含水状態が均一に保持されることにより残留応力が少なくなって皺の発生が抑制されたことと、高温によるスルホン酸の脱離が少なくなったことによりスルホン酸での水保持し易くなったために、ガスシールが向上したものと考えられる。
これは、膜全体の含水状態が均一に保持されることにより残留応力が少なくなって皺の発生が抑制されたことと、高温によるスルホン酸の脱離が少なくなったことによりスルホン酸での水保持し易くなったために、ガスシールが向上したものと考えられる。
1 固体高分子膜
2,3 触媒層
10 接合治具
12b,13b ガス導入口
12c,13c ガス排出口
21a,21b 流量制御器
22a,22b 高露点加湿器
23a,23b 高露点ガス供給路
24a,24b 低露点加湿器
25a,25b 低露点ガス供給路
26a,26b 三方弁
30 制御ユニット
2,3 触媒層
10 接合治具
12b,13b ガス導入口
12c,13c ガス排出口
21a,21b 流量制御器
22a,22b 高露点加湿器
23a,23b 高露点ガス供給路
24a,24b 低露点加湿器
25a,25b 低露点ガス供給路
26a,26b 三方弁
30 制御ユニット
Claims (6)
- 触媒又は触媒を担持した炭素又は触媒を担持した炭素とバインダーにより形成された触媒層と固体高分子膜を重ね合わせた状態で、雰囲気中の水分量を変化させながら上記触媒層と固体高分子膜を接合することを特徴とする固体高分子膜と触媒層の接合方法。
- 固体高分子膜両面の触媒層に通じるガス流路のそれぞれに高露点ガスと低露点ガスを交互に流すことによって雰囲気中の水分量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子膜と触媒層の接合方法。
- ガス流路におけるガス導入口及び排出口を通過するガスの露点と流量と時間により求められる水分持ち込み量を水分持ち出し量よりも多くすることを特徴とする請求項2に記載の固体高分子膜と触媒層の接合方法。
- 雰囲気調整用ガスが不活性ガスであることを特徴とする請求項2又は3に記載の固体高分子膜と触媒層の接合方法。
- 固体高分子膜両面に対する高露点ガスと低露点ガスの供給時期を一致させることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つの項に記載の固体高分子膜と触媒層の接合方法。
- ガスの流量を調整する流量制御器と、触媒層により挟持された固体高分子膜を収納する接合治具と、高露点加湿器を経て上記接合治具に到る高露点ガス供給路と、低露点加湿器を経て上記接合治具に到る低露点ガス供給路と、上記流量制御器から供給される所定量のガスの流路を上記高露点ガス供給路と低露点ガス供給路の間で選択して切換える三方弁と、該三方弁によるガス流路の切換えタイミングを調整する制御ユニットを備えたことを特徴とする固体高分子膜と触媒層の接合装置。
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JP2005082920A JP2006269138A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 固体高分子膜と触媒層の接合方法及び接合装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009170382A (ja) * | 2008-01-21 | 2009-07-30 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 燃料電池の膜・電極接合体の製造方法 |
KR100957305B1 (ko) * | 2007-10-01 | 2010-05-13 | 현대자동차주식회사 | 5-레이어 멤브레인 제작을 위한 열 가압형 지그 |
JP2012113921A (ja) * | 2010-11-24 | 2012-06-14 | Honda Motor Co Ltd | 燃料電池用電解質膜・電極構造体の製造方法 |
-
2005
- 2005-03-23 JP JP2005082920A patent/JP2006269138A/ja active Pending
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