JP2017078249A - 建築物の外装材およびその外装材を用いた屋根または壁の構築方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイトフレームの使用を不要にして効率的な施工を実現し、耐風圧性能の改善された外装材、その外装材を用いた屋根、壁の構築方法を提供する。【解決手段】矩形シート状をなす溝板1と、この溝板1の幅方向の一端につながる下重ね合わせ嵌合部2と、溝板1の幅方向の他端につながる上重ね合わせ嵌合部3とを備え、下重ね合わせ嵌合部2、上重ね合わせ嵌合部3をそれぞれ相互に嵌合させて建築物の屋根または壁を構築する外装材において、下重ね合わせ嵌合部2を、傾斜側壁2aと、一対の顎部2b、2cを有する頭部2dと、水平板2eを外装材の固定部とするとともに水平板2eの外縁端に起立片2fを有する脚部2gで構成する。また、上重ね合わせ嵌合部3を、傾斜側壁3aと、互いに逆向きに膨出する一対の顎部3b、3cを有する頭部3dと、隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部の外表面に合わさる片持ち舌片3eで構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、建築物の屋根や壁を構築するのに用いて好適な金属製の外装材およびその外装材を用いた屋根または壁の構築方法に関するものである。
矩形状の金属シート材に折曲げ加工を施すことによって製造される長尺の金属製の折板屋根あるいは金属製の外壁材は、比較的軽微なロール成形によって連続生産が可能で経済性に優れており、折曲げ寸法、角度を適切に設計することによって必要な構造性能を確保できる利点を有していることから、工場、倉庫、事務所、住宅などの建築物の外装材として広く使用されている。
とくに、外装材を金属折板屋根として用いる施工では、折板屋根本体の取付けに先行してタイトフレーム(折板屋根本体の厚さの2倍以上の厚さを有する別部材)を所定の間隔で鉄骨などの母屋に溶接またはねじ止め固定し、該タイトフレームの山部と折板屋根本体の山部をボルト、ナットを介して直接固定するか、あるいは、該タイトフレームにねじ止め固定された吊り子を介して折板屋根本体の端縁をハゼ締めするのが一般的である。
ところで、近年、この種の外装材にあっては、図5に示すように、外装材の端面を下方に延長してそれを母屋へ直接接続する形式の外装材およびそれを用いた工法が提案されており、この点に関しては例えば、先行文献1が参照される。
上記文献に開示された技術は、ロール成形機で主要な部材を一度に成形することが可能で、しかも、タイトフレームの取付け作業を省略できる長所を有しており、極めて有用な外装材として期待されるものであるところ、以下のような問題点が残されていた。
すなわち、脚部の、母屋への接続を、ドリルねじなどの締結手段を用いて行うため、ねじ打ち位置の直上には、インパクトドライバーの作業空間を確保しておかなければならないことから、外装材は、必然的にその山部中心(外装材の嵌合部中心)から偏った位置で固定せざるを得ない。
軽量で比較的剛性の小さい金属製の外装材にとって最も配慮すべき構造設計事項は、風荷重である。台風、爆弾低気圧などの暴風時において建物の屋根、外壁面には強い引き剥がし力が作用するため、該外装材は、これに耐えられる設計、製造、施工をしなければならない。
建築基準法においてはその設計荷重が定められており、例えば、平均風速38m/sの地域で、高さ20mのフラット屋根においては最大3200Paもの風荷重が作用するものとして設計することが求められる。
ところで、上記先行文献1において開示されている外装材(折板屋根材)にあっては、外装材の、母屋への接続位置は、図6に示すように、風荷重の合力、作用位置となる外装材の山部中心から離れた位置にあるため、強い風圧が作用すると外装材の山部の中心は、外装材の接続位置に近接するように斜め上方に移動し、外装材の山部が起立するように回転変形が生じる。そしてそのとき、外装材同士をつなぎ合わせる嵌合部の掛かり代が失われ、該嵌合部が、図7に示すように、容易に外れてしまう不具合を有している。
本発明の課題は、タイトフレームレス化を図って効率的な施工を実現することができるだけでなく、近年、益々強力化する台風、爆弾低気圧に対しても十分に対応し得る耐風圧性能の高い外装材、その外装材を用いた屋根、壁の構築方法を提案するところある。
本発明は、矩形シート状をなす溝板と、この溝板の幅方向の一端につながる下重ね合わせ嵌合部と、該溝板の幅方向の他端につながる上重ね合わせ嵌合部とを備え、隣接配置する外装材の上重ね合わせ嵌合部、下重ね合わせ嵌合部との相互間で該下重ね合わせ嵌合部、該上重ね合わせ嵌合部をそれぞれ相互に嵌合させて建築物の屋根または壁を構築する外装材であって、
前記下重ね合わせ嵌合部は、一端が前記溝板の端部につながり、該端部から幅方向外側に向けて立ち上がる傾斜側壁と、この傾斜側壁の立ち上がり端につながり、該溝板の幅方向の内外に向けて互いに逆向きに膨出する一対の顎部を有する頭部と、この頭部の外縁端に垂下保持され、その下端部に接続するとともに水平板を外装材の固定部とし、かつ、該水平板の外縁端に起立片を有する脚部からなり、
前記上重ね合わせ嵌合部は、一端が前記溝板の端部につながり、該端部から幅方向外側に向けて立ち上がる傾斜側壁と、この傾斜側壁の立ち上がり端につながり、該溝板の幅方向の内外に向けて互いに逆向きに膨出する一対の顎部を有する頭部と、この頭部の外縁端につながり、前記隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部の外表面に合わさる片持ち舌片からなることを特徴とする建築物の外装材である。
前記下重ね合わせ嵌合部は、一端が前記溝板の端部につながり、該端部から幅方向外側に向けて立ち上がる傾斜側壁と、この傾斜側壁の立ち上がり端につながり、該溝板の幅方向の内外に向けて互いに逆向きに膨出する一対の顎部を有する頭部と、この頭部の外縁端に垂下保持され、その下端部に接続するとともに水平板を外装材の固定部とし、かつ、該水平板の外縁端に起立片を有する脚部からなり、
前記上重ね合わせ嵌合部は、一端が前記溝板の端部につながり、該端部から幅方向外側に向けて立ち上がる傾斜側壁と、この傾斜側壁の立ち上がり端につながり、該溝板の幅方向の内外に向けて互いに逆向きに膨出する一対の顎部を有する頭部と、この頭部の外縁端につながり、前記隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部の外表面に合わさる片持ち舌片からなることを特徴とする建築物の外装材である。
上記の構成からなる建築物の外装材においては、前記下重ね合わせ嵌合部は、その脚部の下端部から前記頭部に至るまでの全域または少なくとも該頭部直下の領域に垂直壁部を有すること、前記上重ね合わせ嵌合部は、その頭部と前記傾斜側壁との境界に、該下重ね合わせ嵌合部の垂直壁部との重ね合わせを可能とする垂直壁部を有することが好ましい。
また、本発明は、上記の外装材を複数枚用いて建築物の屋根または壁を構築するに当たり、前記隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部に前記外装材の上重ね合わせ嵌合部を嵌合させるとともに、該外装材の下重ね合わせ嵌合部の前記脚部の水平板を締結手段を介して母屋に固定し、次いで、該母屋に固定された該外装材の下重ね合わせ嵌合部に、前記隣接配置する外装材の上重ね合わせ嵌合部を嵌合させ、さらに、その重ね合わせ嵌合部分(上重ね合わせ嵌合部と隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部との重ね合わせ嵌合部分、下重ね合わせ嵌合部と隣接する外装材の上重ね合わせ嵌合部との重ね合わせ嵌合部分)を相互に機械的に接続する作業を一工程として、その工程を複数回にわたって繰り返すことにより建築物の屋根または壁を構築することを特徴とする建築物の屋根または壁の構築方法である。
さらに、本発明は、上記の外装材を複数枚用いて建築物の屋根または壁を構築するに当たり、前記隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部に前記外装材の上重ね合わせ嵌合部を嵌合させるとともに、該外装材の下重ね合わせ嵌合部の前記脚部の水平板を締結手段を介して母屋に固定し、次いで、該母屋に固定された該外装材の下重ね合わせ嵌合部に、前記隣接配置する外装材の上重ね合わせ嵌合部を嵌合させ、さらに、前記下重ね合わせ嵌合部の前記垂直壁部および前記上重ね合わせ嵌合部の垂直壁部を相互に機械的に接続する作業を一工程として、その工程を複数回にわたって繰り返すことにより建築物の屋根または壁を構築することを特徴とする建築物の屋根または壁の構築方法である。
上記の構成からなる本発明の外装材によれば、下重ね合わせ嵌合部を、一端が前記溝板の端部につながり、該端部から幅方向外側に向けて立ち上がる傾斜側壁と、この傾斜側壁の立ち上がり端につながり、該溝板の幅方向の内外に向けて互いに逆向きに膨出する一対の顎部を有する頭部と、この頭部の外縁端に垂下保持され、その下端部に接続する水平板を外装材の固定部とするとともに該水平板の外縁端に起立片を有する脚部から構成し、上重ね合わせ嵌合部を、一端が前記溝板の端部につながり、該端部から幅方向外側に向けて立ち上がる傾斜側壁と、この傾斜側壁の立ち上がり端につながり、該溝板の幅方向の内外に向けて互いに逆向きに膨出する一対の顎部を有する頭部と、この頭部の外縁端につながり、隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部の外表面に合わさる片持ち舌片から構成したため、外装材同士が、下重ね合わせ嵌合部の頭部の顎部と上重ね合わせ嵌合部の頭部の顎部とによって引き抜け不能につなぎ合わさるとともに、下重ね合わせ嵌合部の頭部および上重ね合わせ嵌合部の頭部の相互間で締結手段を介して機械的な接続が可能となる。これにより、タイトフレームを使用せずとも外装材同士の接続が分断されるような回転変形は起こり難くなる。
本発明によれば、下重ね合わせ嵌合部の脚部の下端部から前記頭部に至るまでの全域または少なくとも該頭部直下の領域に垂直壁部を設け、上重ね合わせ嵌合部の頭部とそれにつながる傾斜側壁との境界に、下重ね合わせ嵌合部の垂直壁部との重ね合わせを可能とする垂直壁部を設け、外装材同士を、垂直壁部において締結手段によって機械的に接続することにより、風荷重の合力、作用点を外装材の母屋に対する接続位置に近づけることが可能となり耐風圧性能が大幅に改善される。
また、本発明によれば、隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部に前記外装材の上重ね合わせ嵌合部を嵌合させるとともに、該外装材の下重ね合わせ嵌合部の前記脚部の水平板を締結手段を介して母屋に固定し、次いで、該母屋に固定された該外装材の下重ね合わせ嵌合部に、前記隣接配置する外装材の上重ね合わせ嵌合部を嵌合させ、さらに、その重ね合わせ部分を相互に機械的に接続する作業を一工程として、その工程を複数回にわたって繰り返すことにより、建築物の屋根または壁の効率的な構築が可能となる。とくに、下重ね合わせ嵌合部の垂直壁部および前記上重ね合わせ嵌合部の垂直壁部を相互に機械的に接続することで風荷重の合力、作用点を外装材の母屋に対する接続位置に近づけることができるので耐風圧性能の改善された建築物の屋根または壁の構築が可能となる。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に用いて好適な外装材の外観を斜視図を示した図であり、図2は、その正面を示した図である。
図1は、本発明に用いて好適な外装材の外観を斜視図を示した図であり、図2は、その正面を示した図である。
なお、本発明の外装材は、建築物の屋根あるいは壁のサイズに合わせてその複数枚を相互につなぎ合わせることによって凸部と凹部が交互に配列された波形形状を有する屋根や壁を構築することを基本としている。以下、3枚の外装材をつなぎ合わせて建築物の屋根を構築する場合について説明する。また、本発明において「隣接配置する外装材」とは、右隣(先行して敷設される外装材)、左隣(後行において敷設される外装材)に配置される外装材を意味しており、形状や寸法等は全て同じものを使用する。外装材は、具体的には、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、銅板等の薄板材を用い、それを曲げ加工やプレス加工等により成形されるものである。
図1、2における符号1は、矩形シート状をなす溝板である。この溝板1は、幅方向の寸法が短く、また、長手方向の寸法が長い平面形状を有するものが用いられる。なお、溝板1は、矩形シート状をなすもの以外のものを適用することも可能であり図示の形状に限定されない。
また、2は、溝板1の幅方向の一端でその長手方向の全長にわたってつながる下重ね合わせ嵌合部(山型形状をなすもの)、3は、溝板1の幅方向の他端(下重ね合わせ部2の対向位置)でその長手方向の全長にわたってつながる上重ね合わせ嵌合部(山型形状をなすもの)である。
下重ね合わせ嵌合部2は、一端が溝板1の端部1aにつながり、該端部1aから幅方向外側に向けて立ち上がる傾斜側壁2a(溝板1に対して50〜60°程度の角度を有する)と、この傾斜側壁2aの立ち上がり端2a1につながり、該溝板1の幅方向において互いに逆向きに膨出する一対の顎部2b、2cを有する頭部2dと、この頭部2dの外縁端2d1に垂下保持される脚部2g(溝板1に対して50〜60°程度の角度を有する)から構成されている。脚部2gは、その下端部に外装材を母屋に固定する固定部を形成する水平板2eと該水平板2eの外縁端につながる起立片2fを有している。
下重ね合わせ嵌合部2の頭部2dは、ドーム形状をなすものを適用することでき、隣接配置する外装材の上重ね合わせ嵌合部の内側空間に嵌合可能で、かつ、嵌合状態で顎部2b、2cが該上重ね合わせ嵌合部の頭部に設けられた顎部(後述する)に引き抜け不能に係合するようになっている。また、下重ね合わせ嵌合部2の脚部2gの水平板2eは、外装材を母屋に固定する固定部として機能するものであり、この水平板2eを介して例えばドリルねじの如き締結手段を母屋にねじ込むことにより外装材は母屋に固定される。外装材を母屋に固定する場合、溝板1と母屋との間には隙間を形成することができるが(図3参照)、該溝板1を母屋に密着させて固定してもよい。
また、上重ね合わせ嵌合部3は、一端が溝板1の端部1bにつながり、該端部1bから幅方向外側に向けて立ち上がる傾斜側壁3a(下重ね合わせ部2の傾斜側壁2aとは逆向きに立ち上るもので溝板1に対して50〜60°程度の角度を有する)と、この傾斜側壁3aの立ち上がり端3a1につながり、該溝板1の幅方向において互いに逆向きに膨出する一対の顎部3b、3cを有する頭部3dと、この頭部3dの外縁端3d1につながり、隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部の外表面に合さる片持ち舌片3eから構成されている。
上重ね合わせ嵌合部3の頭部3dは、下重ね合わせ嵌合部2の頭部2dと同様のドーム形状をなす弾性変形可能ものからなっており、隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部を入れ込むことができる内部空間を有している。そして、隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部が該内部空間に入り込んだ状態(嵌合状態)で顎部3b、3cが隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部の顎部に引き抜け不能に係合するようになっている。なお、上重ね合わせ嵌合部3と隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部との嵌合は、上重ね合わせ嵌合部3の頭部3dの下面開放部を隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部の頭部の上面に位置せしめ、該上重ね合わせ嵌合部3の頭部3dを隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部の頭部へ向けて押し込むことによって実現される。この押し込みにより外装材の上重ね合わせ嵌合部3の頭部3dは弾性変形して下面開放部が拡大するが、隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部の頭部が該頭部3dの内側空間に位置したとろで元の形状へと復元する。
図3は、左隣の外装材(先行して敷設した外装材)と、右隣の外装材(後行において敷設される外装材)を、それぞれ上重ね合わせ嵌合部3と左隣の外装材の下重ね合わせ嵌合部2′、下重ね合わせ嵌合部2と右隣りの外装材の上重ね合わせ嵌合部3′で嵌合させるとともに、上重ね合わせ嵌合部3の頭部3dの頂面および左隣の外装材の下重ね合わせ嵌合部2′の頭部2d′の頂面、下重ね合わせ嵌合部2の頭部2dの頂面および右隣りの外装材の上重ね合わせ嵌合部3′の頭部3d′の頂面でワンサイドボルトの如き締結手段4を介して接続した状態を示した図である。外装材は、ドリルねじnを用いて母屋mに固定している。
本発明の外装材は、上重ね合わせ嵌合部3、下重ね合わせ嵌合部2のいずれにおいても顎部3b、3c、2b、2cにより隣接配置する外装材と引き抜け不能に嵌合するとともに、上重ね合わせ嵌合部3の頭部3dの頂面、下重ね合わせ嵌合部2の頭部2dの頂面で隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部2′の頭部2d′、上重ね合わせ嵌合部3′の頭部3d′で機械的に接続しているため、過大な風荷重が作用したとしても外装材の接続部(嵌合部)が起立するような回転変形は起こり難く、機械的接続部分において塑性変形が生じて接続強度が失われない限りにおいて外装材同士の分断(離脱)を確実に抑制することができる。
上記の外装材を用いて建築物の屋根材を構築するには、左隣に隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部2′に外装材の上重ね合わせ嵌合部3を嵌合させるとともに、該外装材の下重ね合わせ嵌合部2の脚部2gの水平板2eを締結手段を介して母屋mに固定し、次いで、該母屋mに固定された該外装材の下重ね合わせ嵌合部2の頭部2dに、右隣に隣接配置する外装材の上重ね合わせ嵌合部3′の頭部3d′を嵌合させ、さらに、その重ね合わせ部分を締結手段4を介して相互に機械的に接続する作業を一工程として、その工程を複数回にわたって繰り返せばよい(建築物の壁を構築する際も同様の手順で行われる)。
図4は、下重ね合わせ嵌合部2の脚部2gにつき、その頭部2dの直下に垂直壁部5を設ける一方、上重ね合わせ嵌合部3の頭部3dと傾斜側壁3aとの境界に、該下重ね合わせ嵌合部2の垂直壁部5との重ね合わせを可能とする垂直壁部6を設け、これらの垂直壁部5、6と隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部2′の垂直壁部5′、上重ね合わせ嵌合部3′の垂直壁部6′との間で締結手段4を介して接続した、本発明にしたがう他の例を示した図である。
かかる外装材によれば、風荷重の合力、作用点P1を、外装材の母屋mに対する接続位置Pに近づけることが可能となり、タイトフレームを使用せずとも耐風圧性能を大幅に向上させることができる。
脚部2gは溝板1から離れる向きにやや傾斜を付したものを例として示したが、全長にわたって垂直壁部とすることも可能であり、この場合、風荷重の合力、作用点P1は、外装材の母屋mに対する接続位置Pの直上に位置することになり耐風圧性能を向上させる観点からは最も好ましい構造となる。
なお、図4に示した構造ものでは、上重ね合わせ嵌合部3の顎部3cの膨出代を大きくして締結手段4の庇としての機能を持たせることにより屋根材あるいは壁材としての止水性、耐久性の向上が期待できる。
本発明によれば、タイトフレームの使用を不要にして効率的な施工を実現することが可能でかつ、近年、益々強力化する台風、爆弾低気圧に対しても十分に対応し得る耐風圧性能の高い外装材、その外装材を用いた屋根、壁の構築方法が提供できる。
1 溝板
2 下重ね合わせ嵌合部
2a 傾斜側壁
2b 顎部
2c 顎部
2d 頭部
2e 水平板
2f 起立片
2g 脚部
3 上重ね合わせ嵌合部
3a 傾斜側壁
3b 顎部
3c 顎部
3d 頭部
3e 片持ち舌片
4 締結手段
5 垂直壁部
6 垂直壁部
m 母屋
n ドリルねじ
2 下重ね合わせ嵌合部
2a 傾斜側壁
2b 顎部
2c 顎部
2d 頭部
2e 水平板
2f 起立片
2g 脚部
3 上重ね合わせ嵌合部
3a 傾斜側壁
3b 顎部
3c 顎部
3d 頭部
3e 片持ち舌片
4 締結手段
5 垂直壁部
6 垂直壁部
m 母屋
n ドリルねじ
Claims (4)
- 矩形シート状をなす溝板と、この溝板の幅方向の一端につながる下重ね合わせ嵌合部と、該溝板の幅方向の他端につながる上重ね合わせ嵌合部とを備え、隣接配置する外装材の上重ね合わせ嵌合部、下重ね合わせ嵌合部との相互間で該下重ね合わせ嵌合部、該上重ね合わせ嵌合部をそれぞれ相互に嵌合させて建築物の屋根または壁を構築する外装材であって、
前記下重ね合わせ嵌合部は、一端が前記溝板の端部につながり、該端部から幅方向外側に向けて立ち上がる傾斜側壁と、この傾斜側壁の立ち上がり端につながり、該溝板の幅方向において互いに逆向きに膨出する一対の顎部を有する頭部と、この頭部の外縁端に垂下保持され、その下端部に接続する水平板を外装材の固定部とするとともに該水平板の外縁端に起立片を有する脚部からなり、
前記上重ね合わせ嵌合部は、一端が前記溝板の端部につながり、該端部から幅方向外側に向けて立ち上がる傾斜側壁と、この傾斜側壁の立ち上がり端につながり、該溝板の幅方向において互いに逆向きに膨出する一対の顎部を有する頭部と、この頭部の外縁端につながり、前記隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部の外表面に合わさる片持ち舌片からなることを特徴とする建築物の外装材。 - 前記下重ね合わせ嵌合部は、その脚部の下端部から前記頭部に至るまでの全域または少なくとも該頭部直下の領域に垂直壁部を有し、
前記上重ね合わせ嵌合部は、その頭部と前記傾斜側壁との境界に、該下重ね合わせ嵌合部の垂直壁部との重ね合わせを可能とする垂直壁部を有することを特徴とする請求項1に記載した建築物の外装材。 - 請求項1または2に記載した外装材を複数枚用いて建築物の屋根または壁を構築するに当たり、
前記隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部に前記外装材の上重ね合わせ嵌合部を嵌合させるとともに、該外装材の下重ね合わせ嵌合部の前記脚部の水平板を締結手段を介して母屋に固定し、次いで、該母屋に固定された該外装材の下重ね合わせ嵌合部に、前記隣接配置する外装材の上重ね合わせ嵌合部を嵌合させ、さらに、その重ね合わせ部分を相互に機械的に接続する作業を一工程として、その工程を複数回にわたって繰り返すことにより建築物の屋根または壁を構築することを特徴とする建築物の屋根または壁の構築方法。 - 請求項2に記載した外装材を複数枚用いて建築物の屋根または壁を構築するに当たり、
前記隣接配置する外装材の下重ね合わせ嵌合部に前記外装材の上重ね合わせ嵌合部を嵌合させるとともに、該外装材の下重ね合わせ嵌合部の前記脚部の水平板を締結手段を介して母屋に固定し、次いで、該母屋に固定された該外装材の下重ね合わせ嵌合部に、前記隣接配置する外装材の上重ね合わせ嵌合部を嵌合させ、さらに、前記下重ね合わせ嵌合部の前記垂直壁部および前記上重ね合わせ嵌合部の垂直壁部を相互に機械的に接続する作業を一工程として、その工程を複数回にわたって繰り返すことにより建築物の屋根または壁を構築することを特徴とする建築物の屋根または壁の構築方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113309301A (zh) * | 2021-07-05 | 2021-08-27 | 森特士兴集团股份有限公司 | 一种金属屋面板固定座 |
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2015
- 2015-10-19 JP JP2015205167A patent/JP2017078249A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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