JP2017076892A - バッファサイズ決定装置、システム、バッファサイズ決定方法、映像データ再生方法およびプログラム - Google Patents

バッファサイズ決定装置、システム、バッファサイズ決定方法、映像データ再生方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】映像視聴者の体感品質を向上させる技術を提供する。【解決手段】バッファサイズ決定装置は、映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、映像データを蓄積する再生バッファの映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する第1算出部と、通信スループットおよび通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する映像データの映像ビットレートの平均値および映像ビットレートの変動量の平均値を算出する第2算出部と、初期値、映像ビットレートの平均値および映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する第3算出部と、体感品質値を最大にする初期値を決定する決定部と、を備える。【選択図】 図16

Description

本発明は、バッファサイズ決定装置、システム、バッファサイズ決定方法、映像データ再生方法およびプログラムに関する。
カメラでキャプチャしたライブ映像を、通信ネットワークを介して、再生装置へとストリーミング配信するライブ映像ストリーミングシステムが知られている。通信ネットワークがIP(Internet Protocol)パケット網の場合、ライブ映像ストリーミングシステムにおけるストリーミング配信において、トランスポート層の通信プロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)が広く用いられる。
しかし、インターネットやモバイルネットワークのようなベストエフォート型のIPパケット網の場合、TCPスループット(単位時間当たりにTCPで転送可能なデータの量(データサイズ)。単位はbps(bit per second))が保証されず、不安定に変動する。そのため、TCPスループットがストリーミング配信している映像ビットレートを下回った場合、再生装置における再生バッファが空になり(アンダーフローし)、映像再生が途絶してしまう問題がある。ここで、映像ビットレートとは、単位再生時間当たりの映像データのデータサイズのことである(単位はbps)。この映像ビットレートは符号化レートとも呼ばれる。また、再生装置における再生バッファとは、再生装置が受信した再生待ちの映像データを蓄積しておくバッファである。
特許文献1には、ストリーミングメディアデータの符号化ビットレートをTCPスループットに合わせて制御することで、再生バッファがアンダーフローしないようにする方法が記載されている。
なお、以下では、特許文献1のようにTCPスループットに合わせて映像ビットレート(符号化ビットレート)を制御する手法を適応レート制御と呼ぶ。
特開2006−174419号公報
ライブ映像ストリーミングシステムでは、ストリーミング開始後、再生バッファに所定量(例えば、10sec分など)蓄積された後に再生を開始することが一般的である。これにより、ライブ映像ストリーミングシステムは、TCPスループットの変動に伴う映像データの到着遅延の揺らぎを吸収する。この最初に再生バッファに蓄積させる蓄積量のことを初期再生バッファサイズと呼ぶ。
適応レート制御を行うライブ映像ストリーミングシステムでは、初期再生バッファサイズを大きく取れば、適応レート制御の安定性(映像ビットレートの変動の緩やかさ)とアンダーフロー回避性能を向上することができる。これは、再生バッファが、TCPスループットの変動への追従への遅れを吸収できるからである。画質変動(映像ビットレートの変動)と再生途絶とは映像視聴者の体感品質(QoE:Quality of Experience)を大きく劣化させる。そのため、この画質変動および再生途絶という観点の体感品質の向上には、初期再生バッファサイズが大きい程良い。
一方、初期再生バッファサイズは、サーバでライブ映像をキャプチャしてからクライアントで表示されるまでのエンド・ツー・エンドの遅延(再生遅延と呼ぶ)に直接加算される。
再生遅延が大きくなると体感品質を損なう。そのため、再生遅延という観点の体感品質の向上には、初期再生バッファサイズは小さい程良い。
以上のように、適応レート制御を行うライブ映像ストリーミングシステムにおいては、初期再生バッファサイズの大きさが体感品質に大きな影響を及ぼす。そのため、映像視聴者の体感品質を向上させるには、初期再生バッファサイズを適切に設定する必要がある。しかしながら、特許文献1には、初期再生バッファサイズの設計に関しては、開示されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、映像視聴者の体感品質を向上させる技術を提供することにある。
本発明の一態様に係るバッファサイズ決定装置は、映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する第1算出手段と、前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出する第2算出手段と、前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する第3算出手段と、前記体感品質値を最大にする前記初期値を決定する決定手段と、を備える。
また、本発明の一態様に係るシステムは、映像データを、通信ネットワークを介してストリーミング配信する送信装置と、前記ストリーミング配信された映像データを再生する再生装置と、前記バッファサイズ決定装置と、を備え、前記再生装置は、前記映像データを蓄積する再生バッファを備え、前記バッファサイズ決定装置は、前記通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する第1算出手段と、前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出する第2算出手段と、前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する第3算出手段と、前記体感品質値を最大にする前記初期値を決定する決定手段と、を備え、前記再生装置は、前記決定された初期値を、前記再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値として設定する。
また、本発明の一態様に係るバッファサイズ決定方法は、映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出し、前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出し、前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出し、前記体感品質値を最大にする前記初期値を決定する。
また、本発明の一態様に係る映像データ再生方法は、映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出し、前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出し、前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出し、該体感品質値を最大にする前記初期値を決定し、前記決定された初期値を、前記再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値として設定し、前記映像データを、前記通信ネットワークを介してストリーミング配信し、前記ストリーミング配信された映像データを、前記初期値が設定された前記再生バッファに蓄積し、前記再生バッファに蓄積された映像データを再生する。
なお、上記各装置、システムまたは方法を、コンピュータによって実現するコンピュータプログラム、およびそのコンピュータプログラムが格納されている、コンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
本発明によれば、映像視聴者の体感品質を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステムの構成の一例を示す図である。 時間幅を変更した際のTCPスループットを示すグラフである。 図2の一部分を拡大したグラフである。 時間幅に対する平均変動量およびスループット平均値を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステムの送信装置および再生装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態におけるバッファサイズ決定装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態におけるバッファサイズ決定装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 映像ビットレートに対する、画質による体感品質の劣化指標の一例を示すグラフである。 映像ビットレートの変動量に対する、画質変動による体感品質の劣化指標の一例を示すグラフである。 遅延時間に対する、再生遅延による体感品質の劣化指標の一例を示すグラフである。 初期再生バッファサイズに対する、再生途絶による体感品質の劣化指標の一例を示すグラフである。 体感品質と初期再生バッファサイズとの関係の一例を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステムの送信装置および再生装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステムの構成の一例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステムの送信装置、再生装置およびバッファサイズ決定装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の第4の実施の形態におけるバッファサイズ決定装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の各実施の形態を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)のハードウェア構成を例示的に説明する図である。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステム(単に、システムとも呼ぶ)1の構成の一例を示す図である。図1に示すライブ映像ストリーミングシステム1は、送信装置100と、再生装置200とを含んでいる。送信装置100と再生装置200とは通信ネットワーク(単に、ネットワークとも呼ぶ)を介して通信可能に接続されている。送信装置100は、カメラ等の撮像装置でキャプチャした映像(ライブ映像とも呼ぶ)を表す映像データを、再生装置200にストリーミング配信するストリーミングサーバである。再生装置200は、送信装置100からストリーミング配信された映像データを受信し、再生バッファに格納する。そして、再生装置200は、再生バッファに格納された映像データを順次再生する。
本実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステム1は、この再生バッファに蓄積させる映像データの蓄積量の初期値(初期再生バッファサイズ)を決定するバッファサイズ決定装置を含む。
(初期再生バッファサイズが体感品質に及ぼす影響)
ここで、初期再生バッファサイズが映像視聴者の体感品質に及ぼす影響について説明する。なお、本実施形態では、映像ビットレートがTCPスループットを下回るように制御する制御方法(適応レート制御)を一例として考える。つまり、本実施形態における制御方法は、時刻tにおいて、TCPスループットxが計測されたとき、同時刻に符号化する映像ビットレートbを式(1)で選択する方法を採用する。
Figure 2017076892
ここで、α(α>0)は、TCPスループットの変動量や計測誤差を考慮した変数であり、再生途絶を回避するための余裕量である。ここで、再生途絶とは、映像データの再生が途中で途切れてしまうことを示す。
この適応レート制御は、映像ビットレートが常にTCPスループットを下回っていれば、再生途絶が発生しないという状態に基づいたものである。また、この適応レート制御は、映像ビットレートを、TCPスループットに合わせて増減させることで、できる限り高いビットレートを実現する。なお、本実施の形態に係る適応レート制御は、これに限定されず、TCPスループットに基づく別の適応レート制御手法を採用してもよい。
以上の通り、本実施の形態における適応レート制御は、TCPスループットに基づいて映像ビットレートを制御するため、TCPスループットの計算が重要となる。TCPスループットは、直接観測できる量ではなく、単位時間あたりの送信量(あるいは受信量)として、以下の式(2)から算出される量である。
Figure 2017076892
ここで、Sは時刻tまでに、送信装置100が送信した、または、再生装置200が受信した累積データサイズであり、τは時間幅である。TCPスループットxの右上の添え字τは、時間幅τによってTCPスループットxが算出されたことを示している。累積データサイズSは、ほとんど至るところで連続な単調非減少関数であることが自明である。ここで、時間幅τにある程度の大きさを持たせることが好ましい。なぜならば、パケットの到着が離散過程であることを考慮すると、τ→0とする微分演算は、微分値が0となる場合が多くなるため、あまり効果を奏しないからである。
上述したとおり、本実施の形態における適応レート制御は、TCPスループットに基づいて映像ビットレートを制御する。そのため、以下では、TCPスループットの計算に、時間幅τが影響を及ぼすことについて説明することにより、時間幅τが適応レート制御の性能に大きな影響を与えることについて説明する。また、TCPスループットの計算における時間幅τが、初期再生バッファサイズに依存して決定されることについて述べる。
図2は、時間幅τを変更した際のTCPスループットを示すグラフである。図2のグラフは、LTE(Long Term Evolution)経由でインターネット上の端末(例えば、PC(Personal Computer))にファイルをアップロードしたときのSを観測して得られたものである。このとき、時間幅τを0.5、1、2、4、8および16秒(以下、sec)と変更した。図2において、横軸は、時間(単位:秒)であり、縦軸は、TCPスループット(単位:Mbps)である。また、図3は、図2における時間が170秒から230秒までの部分を拡大したグラフである。図2に示す通り、TCPスループットが高くなる時間は、どの時間幅も略同じタイミングであることがわかる。また、図3に示す通り、時間幅τが大きい程、TCPスループットは滑らかに変動していることがわかる。反対に、τが小さい場合、TCPスループットの変動量は大きいことがわかる。
時間幅τに応じたTCPスループット変動量の違いを定量化するために、以下の式(3)を用いて、TCPスループット変動量の平均値(平均変動量)v[x τ]を定義する。
Figure 2017076892
ここで、Tは計算した{x}の系列の個数であり、時刻t=1、2、...、Tとした際の、等間隔離散時系列とした。また、Δx τ=x τ−xt−1 τである。平均変動量v[x τ]は、隣接する系列値の差の大きさを平均化した量であり、系列の変動の大きさを評価する指標として有効である。
ここで、図2に示した6種類の時間幅τ(τ=0.5、1、2、4、8、16sec)のTCPスループットx τについて平均変動量v[x τ]を算出し、プロットした結果を図4に示す。図4は、時間幅τに対する平均変動量を示すグラフである。なお、図4には、各時間幅τに対する、TCPスループットx τの平均値も計算し、プロットしている。図4において、横軸は時間幅τ(単位:sec)であり、左縦軸が平均変動量(単位:Mbps)、右縦軸がTCPスループットの平均値(スループット平均値、平均スループットとも呼ぶ)(単位:Mbps)である。図4では、平均変動量v[x τ]を三角でプロットし、TCPスループットx τの平均値を丸でプロットしている。
図4に示す通り、TCPスループットx τの平均値は時間幅τに依らず一定であるのに対し、平均変動量v[x τ]は時間幅τに対して単調減少となっている。
この平均変動量v[x τ]と時間幅τとの関係を明らかにするため、τ=nτ(nは自然数)とする。ここでτは、基準となる時間幅(基準値)である。このように、時間幅τは、基準値τのn倍であるとする。このτ=nτ0と、上述した式(2)から、以下の式(4)が得られる。
Figure 2017076892
上記式(4)に示すように、TCPスループットx τは、n個のx τ0の和を平均化した値をとる。
したがって、この場合、O(|Δx τ|)=O(|Δx τ0|/√n)となる。ここで、τ=nτのような整数倍ではなく、一般のτについて考えると、次式(5)が成り立つ。
Figure 2017076892
ここで、図4には、最小二乗法を用いて、平均変動量v[x τ]をa/√τ(aは変数)で近似したグラフ(parabolic)を記載している。図4に示す通り、上記グラフ(parabolic)は、平均変動量v[x τ]の実測値にフィッティングしていることがわかる。
以上から、平均変動量v[x τ]は、時間幅τに影響を受けることがわかる。このように、TCPスループットx τは、時間幅τに関する変動特性を有している。
次に、適応レート制御の性能に対するTCPスループットの変動特性の影響について述べる。ここで、適応レート制御の性能には、例えば、画質および画質変動が挙げられる。
上述した式(1)を用いた適応レート制御において、x=x τとする。このとき、計算されたx τはτ時間分だけ過去の平均であるため、式(1)の余裕量αは、TCPスループットの平均変動量v[x τ]を考慮する必要がある。そこで、式(1)を次式(6)で置き換える。
Figure 2017076892
式(6)において、α=βv[x τ]であり、βは余裕量の大きさを決める定数である。TCPスループットの平均変動量v[x τ]が大きいとき、すなわち時間幅τが小さい場合、適応レート制御によって、算出可能な映像ビットレート(≒画質)は小さい値になる。反対に、時間幅τを大きくすることができれば、平均変動量v[x τ]が小さくなるため、適応レート制御によって算出可能な映像ビットレートを、大きい値にすることができる。
また、適応レート制御によって映像ビットレートの時間的な変動(≒画質変動)が大きいと、ユーザの体感品質を損なうことが知られている。映像ビットレートの平均値v[b τ]≒v[x τ]であるため、TCPスループットの平均変動量v[x τ]が映像ビットレートの変動に直結する。したがって、TCPスループットの平均変動量v[x τ]が大きいと、体感品質の低下を引き起こす。このことから、時間幅τを大きくすることで、平均変動量v[x τ]が小さくなるため、適応レート制御による映像ビットレートの変動量を小さくすることができる。これにより、体感品質の向上が見込める。
以上のように、適応レート制御における画質および画質変動という二つの観点において、TCPスループットの計算における時間幅τは大きい程良いことが分かる。しかし、時間幅τは再生バッファサイズτbuf(ライブ映像ストリーミングシステムにおいては初期再生バッファサイズ)までしか大きくできないという制限がある。以下、再生バッファサイズを初期再生バッファサイズとも呼ぶ。
適応レート制御において、再生バッファサイズτbufは、TCPスループットx τへの追従に対する遅れを吸収する役割を持っている。一方、TCPスループットx τは、過去τ時間分の平均であることから、時間幅τの遅れを有している。これは、図3に明示されている。図3に示す通り、時間幅τが大きくなるにつれて、TCPスループットx τの変化(増減)は遅れて表れる。したがって、TCPスループットx τの計算における時間幅τを再生バッファサイズτbufより大きくしてしまうと、適応レート制御の遅れを再生バッファで吸収しきれなくなる。
上述のとおり、体感品質は、画質および画質変動以外にも、再生遅延および再生途絶に大きく影響する。再生遅延における遅延時間とは、送信装置100がライブ映像(映像データ)をキャプチャしてから再生装置200で再生されるまでの時間であり、遅延量とも呼ぶ。再生遅延における遅延時間には、初期再生バッファサイズτbufが直接加算される。そのため、再生遅延の観点では初期再生バッファサイズτbufは小さい程良い。一方、再生途絶を防ぐためには、初期再生バッファサイズτbufは大きい程良い。このように、TCPスループット計算における時間幅τの大きさは、初期再生バッファサイズに依存して決定される。
以上の通り、初期再生バッファサイズが体感品質に影響を及ぼすことがわかる。したがって、適応レート制御を行うライブ映像ストリーミングシステム1における初期再生バッファサイズτbufと体感品質を構成する4つの指標(画質、画面品質、再生遅延、再生途絶)との定性的な関係は以下のようにまとめることができる。ただし、適応レート制御における画質および画質変動については、TCPスループットの計算における時間幅τを、τ=τbufとした。
・画質…初期再生バッファサイズτbufが大きい程良い (高画質になる)
・画質変動…初期再生バッファサイズτbufが大きい程良い (画質変動が小さくなる)
・再生遅延…初期再生バッファサイズτbufが小さい程良い (再生遅延が少なくなる)
・再生途絶…初期再生バッファサイズτbufが大きい程良い (再生途絶が少なくなる)
(ライブ映像ストリーミングシステム1の構成)
次に、図5を参照して、本実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステム1の送信装置100および再生装置200の機能構成について説明する。図5は、本実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステム1の送信装置100および再生装置200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施の形態におけるライブ映像ストリーミングシステム1は、上述した初期再生バッファサイズτbufの体感品質に及ぼす影響を考慮して、この体感品質を向上させる(高品質にする)初期再生バッファサイズτbufを決定する。
図5に示す通り、送信装置100は、映像取得部101と、符号化部102と、送信部103と、スループット算出部104と、ビットレート決定部105とを備える。また、本実施の形態に係る再生装置200は、送受信部201と、復号部202と、再生バッファ部203と、再生部204と、バッファサイズ決定装置300と、を備える。
映像取得部101は、映像データを取得する。映像取得部101は、例えば、カメラなど、映像を撮影可能な撮像装置であってもよいし、該撮像装置に接続され、該撮像装置からの映像データを受信する回路であってもよい。映像取得部101は、取得した映像データを、符号化部102に出力する。
符号化部102は、映像取得部101から映像データを受信する。符号化部102は、受信した映像データを符号化する。符号化した映像データを符号化映像データと呼ぶ。符号化部102は、符号化映像データを、送信部103に出力する。
送信部103は、符号化部102から符号化映像データを受信する。送信部103は、符号化映像データを、TCPを用いて、再生装置200に対し、ストリーミング配信する。
スループット算出部104は、再生装置200から、上記送信部103がストリーミング配信した符号化映像データの受信応答を受信する。そして、スループット算出部104は、この受信応答に基づいて、TCPスループットを算出する。そして、スループット算出部104は、算出したTCPスループットを、ビットレート決定部105に出力する。
ビットレート決定部105は、スループット算出部104からTCPスループットを受信する。ビットレート決定部105は、受信したTCPスループットに応じて、映像ビットレートを決定する。そして、ビットレート決定部105は、決定した映像ビットレートを、符号化部102に出力する。
その後、符号化部102は、ビットレート決定部105にて決定された映像ビットレートに基づいて、映像データを符号化する。
このようにして、ライブ映像ストリーミングシステム1の送信装置100は、適応レート制御を行うことができる。
次に、再生装置200の各部の動作について説明する。
送受信部201は、送信装置100からストリーミング配信した符号化映像データを受信する。また、送受信部201は、この符号化映像データの受信に対する応答(受信応答)を送信装置100に送信する。送受信部201は、受信した符号化映像データを、復号部202に出力する。
復号部202は、送受信部201から符号化映像データを受け取る。復号部202は、受け取った符号化映像データを復号する。復号部202は復号した映像データを、再生バッファ部203に出力する。
再生バッファ部203は、映像データの再生用のバッファ(再生バッファ)によって実現される。再生バッファ部203は、後述するバッファサイズ決定装置300で決定された初期再生バッファサイズを、再生バッファに蓄積させる映像データの蓄積量の初期値(初期再生バッファサイズ)として設定する。そして、再生バッファ部203は、この再生バッファに、復号部202から受け取った映像データを格納する。
再生部204は、再生バッファ部203の再生バッファに格納された映像データを、順次再生する。
次に、本実施の形態における再生装置200に備えられるバッファサイズ決定装置300について説明する。図6は、バッファサイズ決定装置300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図6に示す通り、バッファサイズ決定装置300は、第1算出部301と、第2算出部302と、第3算出部303と、決定部306と、遅延時間算出部307と、記憶部309とを備える。
記憶部309には、送信装置100と再生装置200との間のネットワークを介して、送信装置100と再生装置200との間で通信された通信データ(例えば、映像データ)のデータサイズが予め格納されている。このデータサイズは、例えば、上述した式(2)における累積データサイズSである。
第1算出部301は、TCPスループットの平均値およびTCPスループット変動量の平均値である平均変動量を算出する。具体的には、第1算出部301は、式(2)におけるτにτbufを代入して、TCPスループットx τbufを時間tごとに算出する。そして、第1算出部301は、算出した、時間tごとのTCPスループットx τbufを用いて、TCPスループットの平均値を算出する。
ここで、TCPスループットの平均値を、平均値を表すバー( ̄)を用いて、x τbuf ̄と表現する。なお、バー記号を、本明細書では文字の右に記しているが、当該バー記号( ̄)は、バー記号の前に記載された、上付き文字および下付き文字ではない文字(この場合、x)の上側に配置されるものである。
また、第1算出部301は、算出したTCPスループットx τbufを用いて、平均変動量v[x τbuf]を、式(3)を用いて算出する。
第1算出部301は、算出したTCPスループットx τbufおよび平均変動量v[x τbuf]を、第2算出部302に供給する。なお、第1算出部301は、算出したTCPスループットの平均値x τbuf ̄を、第2算出部302に供給してもよい。
第2算出部302は、第1算出部301からTCPスループットx τbufおよびTCPスループットの平均変動量v[x τbuf]を受け取る。第2算出部302は、受け取ったTCPスループットx τbufおよびTCPスループットの平均変動量v[x τbuf]に基づいて、映像ビットレートの平均値および映像ビットレートの変動量の平均値を算出する。
具体的には、第2算出部302は、受け取ったTCPスループットx τbufを用いて、式(6)にて、映像ビットレートb τbufを算出する。そして、第2算出部302は、算出した映像ビットレートb τbufを用いて、映像ビットレートの平均値b τbuf ̄(平均映像ビットレートとも呼ぶ)を算出する。
なお、第2算出部302は、TCPスループットの平均値x τbuf ̄を用いて、映像ビットレートの平均値b τbuf ̄を算出してもよい。この場合であっても、後述する映像ビットレートの平均変動量の算出に、映像ビットレートb τbufを用いるため、第2算出部302は、上述したとおり、TCPスループットx τbufを用いて、映像ビットレートb τbufの算出を行う。
また、第2算出部302は、算出した映像ビットレートb τbufを用いて、映像ビットレートの変動量を算出する。そして、第2算出部302は、算出した映像ビットレートの変動量を用いて、映像ビットレートの平均変動量v[b τbuf]を、算出する。
第2算出部302は、算出した、映像ビットレートの平均値b τbuf ̄および映像ビットレートの平均変動量v[b τbuf]を、第3算出部303に供給する。
遅延時間算出部307は、後述する決定部304から、初期再生バッファサイズτbufを受け取る。そして、遅延時間算出部307は、初期再生バッファサイズτbufに基づいて、遅延時間を算出する。遅延時間は、上述したとおり、送信装置100がライブ映像をキャプチャしてから再生装置200で再生されるまでの時間であるが、本実施の形態では、遅延時間は、初期再生バッファサイズτbufと等しいとする。なお、遅延時間算出部307は、送信装置100が映像データをキャプチャしてから、再生装置200に送信するまでに掛かる時間、映像データが再生装置200に到着するまでにかかる時間等に基づいて、初期再生バッファサイズτbufを算出してもよい。これにより、後述する再生遅延による体感品質の劣化指標をより高精度に算出することが可能となる。遅延時間算出部307は、算出した遅延時間を第3算出部303に供給する。
第3算出部303は、第2算出部302から、映像ビットレートの平均値b τbuf ̄および映像ビットレートの平均変動量v[b τbuf]を受け取る。また、第3算出部303は、遅延時間算出部307から遅延時間を受け取る。そして、第3算出部303は、映像ビットレートの平均値b τbuf ̄、映像ビットレートの平均変動量v[b τbuf]および遅延時間に基づいて、体感品質を表現する数値を算出する。
ここで、体感品質を表現する数値とは、体感品質を定量化したものである。体感品質は、本実施の形態では上述したとおり、4つの指標(画質、画面品質、再生遅延、再生途絶)から構成されるものとする。本実施の形態では、第3算出部303は、体感品質の劣化度(劣化指標)を定量化する。
本実施の形態では、第3算出部303による体感品質の劣化指標の算出には、以下の式(7)〜式(10)を用いるとする。
Figure 2017076892
Figure 2017076892
Figure 2017076892
Figure 2017076892
上記式(7)におけるDは、画質による体感品質の劣化指標を示す。画質による体感品質の劣化指標Dは、平均映像ビットレートb τbuf ̄についての(単調減少)関数である。
上記式(8)におけるDは画質変動による体感品質の劣化指標を示す画質変動による体感品質の劣化指標Dは、映像ビットレートの平均値に対する平均変動量v[b τbuf]の割合v[b τbuf]/b τbuf ̄についての(単調増加)関数である。
上記式(9)におけるDは再生遅延による体感品質の劣化指標を示す。再生遅延による体感品質の劣化指標Dは、遅延時間についての(単調増加)関数である。上述したとおり、遅延時間は、初期再生バッファサイズτbufと等しいため、上記(9)は、遅延時間τbufについての(単調増加)関数となる。
上記式(10)におけるDは再生途絶による体感品質の劣化指標を示す。再生途絶による体感品質の劣化指標Diは、初期再生バッファサイズτbufについての(単調減少)関数である。
以上のように、以上の4つの関数(式(7)〜式(10))は全て初期再生バッファサイズτbufの関数とみなすことができる。
式(7)〜式(10)を用いて説明した4つの体感品質の劣化指標を統合した体感品質を表す値(体感品質値Q)を、以下の式(11)を用いて定義する。
Figure 2017076892
ここで、Qmaxは、体感品質を表す値の最大値を示す。式(11)では、体感品質値Qの値が高くなる(Qmaxに近づく)ほど、体感品質が高品質になる。なお、式(11)では、上記式(7)〜式(10)の全ての結果を用いて体感品質値Qを算出しているが、少なくとも何れかの結果を用いて算出してもよい。
第3算出部303は、受け取った映像ビットレートの平均値b τbuf ̄および映像ビットレートの平均変動量v[b τbuf]を用いて、上記式(7)から(11)を用いて体感品質値Qを算出する。そして、第3算出部303は、算出した体感品質値Qを、決定部306に出力する。
決定部306は、第3算出部303から、体感品質値Qを受け取る。そして、決定部306は、受け取った体感品質値Qが、以前に算出された体感品質値Qより大きいか否かを判定し、大きい場合、この体感品質値Qを算出する際に用いたτbufを、再生装置200の再生バッファ部203における初期再生バッファサイズτbufとして、仮に決定する。その後、決定部306は、初期再生バッファサイズτbufを変化させて、変化させたτbufを、第1算出部301および遅延時間算出部307に出力する。これにより、第1算出部301、第2算出部302、第3算出部303および遅延時間算出部307は、変化させたτbufに基づいて、上述した処理を行う。
その後、決定部306は、再度算出された体感品質値Qと、以前に算出された体感品質値Qとを比較する。この処理を繰り返して、決定部306は、この体感品質値Qが最も高品質を示す(最大になる)初期再生バッファサイズτ bufを求める。つまり、決定部306は、以下の式(12)を用いてτ bufを決定する。
Figure 2017076892
なお、0<=τbuf<∞である。
そして、再生装置200の再生バッファ部203は、初期再生バッファサイズを、決定部306が決定した初期再生バッファサイズτ bufに設定する。
次に、図7を参照して、バッファサイズ決定装置300の処理の流れについて説明する。図7は本実施の形態におけるバッファサイズ決定装置300の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7に示す通り、まず、第1算出部301がTCPスループットx τbufおよびTCPスループットの平均変動量v[x τbuf]を算出する(ステップS1)。そして、第2算出部302が、TCPスループットx τbufおよびTCPスループットの平均変動量v[x τbuf]に基づいて、映像ビットレートの平均値b τbuf ̄および映像ビットレートの平均変動量v[b τbuf]を算出する(ステップS2)。
また、遅延時間算出部307が、初期再生バッファサイズτbufに基づいて、遅延時間を算出する(ステップS3)。なお、ステップS3は、ステップS1またはステップS2と同時に行われてもよいし、ステップS1またはステップS2の前に行われてもよい。
その後、第3算出部303が、以下の(a)〜(c)を用いて、体感品質値Qを算出する(ステップS4)。
(a)初期再生バッファサイズτbuf
(b)ステップS3で算出された遅延時間(本実施の形態ではτbuf)、および、
(c)ステップS2で算出された映像ビットレートの平均値b τbuf ̄および映像ビットレートの平均変動量v[b τbuf]。
そして、決定部306が、算出された体感品質値Qが最大値であるか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、決定部306は、ステップS4で算出された体感品質値Qが以前に算出された、現時点で最大値を有する体感品質値Qより大きいか否かを判定し、大きい場合、体感品質値Qを算出する際に用いたτbufを、現時点での初期再生バッファサイズとして決定する。そして、体感品質値Qが最大値となるまで、このステップS1からステップS5を繰り返す。
そして、決定部306は、体感品質値Qが最大になるτbufを決定する(ステップS6)。以上により、バッファサイズ決定装置300の処理を終了する。
(設計例)
上述したバッファサイズ決定装置300で用いる具体的な関数の一例について説明する。ここでは、図2に示したTCPスループットデータを対象に、初期再生バッファサイズτbufの設計例を示す。上述した式(7)から式(10)で示した体感品質の劣化指標の具体的な関数例として、以下の式(13)から式(16)を用いる。
Figure 2017076892
Figure 2017076892
Figure 2017076892
Figure 2017076892
ここで、C=0.77、K=1.2、C=32、K=0.12、C=13、K=0.23、C=0.92、K=1.2と設定した。このとき、上記各式によって求められる値をプロットしたグラフを図8から図11に示す。なお、遅延時間は、初期再生バッファサイズに等しいとする。図8は、映像ビットレートに対する、画質による体感品質の劣化指標の一例を示すグラフである。図8の横軸は、映像ビットレート(単位:Mbps)を示し、縦軸は画質による体感品質の劣化指標を示す。図8に示す通り、画質による体感品質の劣化指標は、映像ビットレートが大きくなるにつれて、小さくなることがわかる。
図9は、映像ビットレートの変動量に対する、画質変動による体感品質の劣化指標の一例を示すグラフである。図9の横軸は、映像ビットレートの変動量(単位:Mbps)を示し、縦軸は画質変動による体感品質の劣化指標を示す。図9に示す通り、映像ビットレートの変動量が大きくなるにつれて、画質変動による体感品質の劣化指標が大きくなることがわかる。
図10は、初期再生バッファサイズに対する、再生遅延による体感品質の劣化指標の一例を示すグラフである。上述したとおり、遅延時間は、初期再生バッファサイズに等しいとするため、図10の横軸は初期再生バッファサイズ(遅延時間)(単位:sec)を示し、縦軸は再生遅延による体感品質の劣化指標を示す。図10に示す通り、再生遅延による体感品質の劣化指標は、初期再生バッファサイズが大きくなるにつれて、大きくなることがわかる。
図11は、初期再生バッファサイズに対する、再生途絶による体感品質の劣化指標の一例を示すグラフである。図11の横軸は初期再生バッファサイズ(単位:sec)を示し、縦軸は再生途絶による体感品質の劣化指標を示す。図11に示す通り、再生途絶による体感品質の劣化指標は、初期再生バッファサイズが大きくなるにつれて、小さくなることがわかる。
なお、ここで示した関数例(上記式(13)〜式(16))は、実際のユーザの体感品質を正確に示したものではなく、設計例を示すためだけに設定したものである。
このとき、式(11)を用いて算出した体感品質値Qと初期再生バッファサイズτbufとの関係は、図12に示す結果となる。式(11)において、Qmax=5とした。図12の横軸は初期再生バッファサイズ(単位:sec)であり、縦軸は体感品質値Qである。この場合、体感品質値Qが最大となる初期再生バッファサイズはτ buf=3.7secとなる。
以上のようにして、バッファサイズ決定装置300は、初期再生バッファサイズτ bufを決定することができる。
(効果)
本実施の形態にライブ映像ストリーミングシステム1は、映像データを、通信ネットワークを介してストリーミング配信する送信装置100と、映像データを蓄積する再生バッファを備え、ストリーミング配信された映像データを再生する再生装置200とを含んでいる。そして、再生装置200には、バッファサイズ決定装置300が含まれる。
バッファサイズ決定装置300の第1算出部301は、通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、再生バッファの映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する。また、第2算出部302は、通信スループットおよび通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出する。また、第3算出部303は、初期値、映像ビットレートの平均値および映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、例えば、式(7)〜式(11)を用いて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する。そして、決定部306は、体感品質値を最大にする初期値を決定する。
これにより、再生装置200は、映像データを蓄積する再生バッファの、映像データの蓄積量の初期値を、決定部306が決定した初期値に設定することができる。
上述したとおり、体感品質値の算出に用いた映像ビットレートの平均値および該映像ビットレートの変動量の平均値は、映像データの蓄積量の初期値に基づいている。したがって、映像ビットレートの平均値および該映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて算出された体感品質値は、映像データの蓄積量の初期値に応じて変化する。体感品質値は、映像データの蓄積量の初期値の影響を受ける。
したがって、上述したとおり、体感品質値を最大にする映像データの蓄積量の初期値を算出することにより、この初期値が設定された再生バッファを含む再生装置200は、映像データの再生において、体感品質を向上させることができる。なぜならば、再生バッファには、体感品質値を最大にする値が、映像データの蓄積量の初期値として設定されているためである。
例えば、式(7)を用いて説明した、画質に関する体感品質の劣化指標は、映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出された映像ビットレートの平均値に応じた値となる。同様に、式(8)〜式(10)を用いて説明した、画質変動に関する体感品質の劣化指標、再生遅延に関する体感品質の劣化指標および再生途絶に関する体感品質の劣化指標も、映像データの蓄積量の初期値に応じた値となる。したがって、決定された映像データの蓄積量の初期値が設定された再生バッファを用いて再生される映像データは、劣化を抑制した状態で再生される。
このように、本実施の形態に係るバッファサイズ決定装置300は、体感品質を向上させる映像データの蓄積量の初期値を決定することができる。これにより、このような初期値を用いて設定された再生バッファを用いて、再生装置200は、映像データを再生することができるため、映像視聴者の体感品質を向上させることができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。第1の実施の形態では、バッファサイズ決定装置300が再生装置200に備えられることを例に説明を行ったが、バッファサイズ決定装置300は、送信装置100に備えられる構成であってもよい。図13は、本実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステム2の送信装置110および再生装置210の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、説明の便宜上、前述した第1の実施の形態で説明した図面に含まれる部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、本実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステム2の構成は、図1を用いて説明したライブ映像ストリーミングシステム1と同様であるため、説明を省略する。
図13に示す送信装置110は、上述した第1の実施の形態における送信装置100に、バッファサイズ決定装置300を備える構成である。なお、バッファサイズ決定装置300の機能構成は、図6と同様であるため、説明を省略する。
また、再生装置210は、送受信部211、復号部202、再生バッファ部203および再生部204を備える。送受信部211は、上述した送受信部201の機能に加え、バッファサイズ決定装置300から、該バッファサイズ決定装置300が決定した初期再生バッファサイズを受け取る。そして、送受信部211は、再生バッファ部203に、受け取った初期再生バッファサイズを送信する。その後、再生バッファ部203は、受け取った初期再生バッファサイズを、再生バッファの初期再生バッファサイズとして設定する。
以上のように、本実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステム2は、バッファサイズ決定装置300が送信装置110に含まれる構成であっても、上述した第1の実施の形態におけるライブ映像ストリーミングシステム1と同様の効果を奏することができる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。上述した実施の形態では、バッファサイズ決定装置300が再生装置200または送信装置110に備えられることを例に説明を行ったが、バッファサイズ決定装置300は、送信装置および受信装置とは別個の装置で実現されるものであってもよい。
図14は、本実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステム3の構成の一例を示す図である。図14に示すライブ映像ストリーミングシステム3は、送信装置100と、再生装置210と、バッファサイズ決定装置300と、を含んでいる。なお、説明の便宜上、前述した各実施の形態で説明した図面に含まれる部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。図14に示すライブ映像ストリーミングシステム3では、送信装置100と再生装置210とバッファサイズ決定装置300とが、同一の通信ネットワークを介して接続している状態を示しているが、各装置間は異なる通信ネットワークを介して接続してもよい。
図15は、本実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステム3の送信装置100、再生装置210およびバッファサイズ決定装置300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図15に示す通り、送信装置100の機能構成は、図5に示す送信装置100と同様である。また、再生装置210の機能構成は、図13に示す再生装置210と同様である。更に、バッファサイズ決定装置300の機能構成は、図6に示すバッファサイズ決定装置300と同様である。
本実施の形態におけるバッファサイズ決定装置300は、上述した第1および第2の実施の形態におけるバッファサイズ決定装置300と同様に、初期再生バッファサイズを決定する。そして、再生装置210の送受信部211がバッファサイズ決定装置300から、該バッファサイズ決定装置300が決定した初期再生バッファサイズを受け取る。そして、送受信部211は、再生バッファ部203に、受け取った初期再生バッファサイズを送信する。その後、再生バッファ部203は、受け取った初期再生バッファサイズを、再生バッファの初期再生バッファサイズとして設定する。
そして、再生装置210は、初期再生バッファサイズが設定された再生バッファに格納された映像を再生する。
以上のように、本実施の形態に係るライブ映像ストリーミングシステム3は、バッファサイズ決定装置300が送信装置100および再生装置210とは別個の構成であっても、上述した上述した各実施の形態におけるライブ映像ストリーミングシステムと同様の効果を奏することができる。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態では、本発明の課題を解決する基本の構成について説明する。図16は、本実施の形態に係るバッファサイズ決定装置400の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図16に示すバッファサイズ決定装置400は、上述したバッファサイズ決定装置300の基本となる構成である。バッファサイズ決定装置400は、上記第1の実施の形態と同様に、再生装置内に含まれるものであってもよい。また、バッファサイズ決定装置400は、上記第2の実施の形態と同様に、送信装置内に含まれるものであってもよいし、上記第3の実施の形態と同様に、再生装置および送信装置とは別個の装置で実現されてもよい。
バッファサイズ決定装置400は、図16に示す通り、第1算出部401と、第2算出部402と、第3算出部403と、決定部406とを備える。
第1算出部401は、第1算出部301に相当する。第1算出部401は、映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットを算出する。また、第1算出部401は、該通信スループットの変動量の平均値を算出する。このとき、第1算出部401は、上記通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、映像データを蓄積する再生バッファの、映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する。具体的な算出方法については、上述した第1算出部301による算出方法と同様であるため、説明を省略する。
そして、第1算出部401は、算出した通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、第2算出部402に供給する。
第2算出部402は、第2算出部302に相当する。第2算出部402は、第1算出部401から、通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を受け取る。第2算出部402は、受け取った通信スループットおよび通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出する。上述したとおり、通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値は、映像データを蓄積する再生バッファの、映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出される。したがって、第2算出部402が算出する、映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値も、映像データを蓄積する再生バッファの、映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出されると言える。なお、具体的な算出方法については、上述した第2算出部302による算出方法と同様であるため、説明を省略する。
そして、第2算出部402は、算出した映像ビットレートの平均値および該映像ビットレートの変動量の平均値を、第3算出部403に供給する。
第3算出部403は、第3算出部303に相当する。第3算出部403は、第2算出部402から、映像ビットレートの平均値および該映像ビットレートの変動量の平均値を受け取る。第3算出部403は、受け取った映像ビットレートの平均値および該映像ビットレートの変動量の平均値、並びに、これらの算出の際に基づいた映像データの蓄積量の初期値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する。なお、具体的な算出方法については、上述した第3算出部303による算出方法と同様であるため、説明を省略する。
第3算出部403は、算出した体感品質値を、決定部406に出力する。
決定部406は、決定部306に相当する。決定部406は、第3算出部403から体感品質値を受け取る。そして、決定部406は、映像データの蓄積量の初期値を変更し、受け取った体感品質値を最大にする、映像データの蓄積量の初期値を決定する。
これにより、ストリーミング配信された映像データを再生する再生装置における、映像データを蓄積する再生バッファの、映像データの蓄積量の初期値を、決定部406が決定した初期値に設定することができる。
上述したとおり、体感品質値の算出に用いた映像ビットレートの平均値および該映像ビットレートの変動量の平均値は、映像データの蓄積量の初期値に基づいている。したがって、映像ビットレートの平均値および該映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて算出された体感品質値は、映像データの蓄積量の初期値に応じて変化する。そして、第1の実施の形態において説明したとおり、体感品質値は、映像データの蓄積量の初期値の影響を受ける。
したがって、上述したとおり、体感品質値を最大にする映像データの蓄積量の初期値を算出することにより、この初期値が設定された再生バッファを含む再生装置は、映像データの再生において、体感品質を向上させることができる。なぜならば、再生バッファには、体感品質値を最大にする値が、映像データの蓄積量の初期値として設定されているためである。
例えば、第1の実施の形態において、式(7)を用いて説明した、画質に関する体感品質の劣化指標は、映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出された映像ビットレートの平均値に応じた値となる。同様に、式(8)〜式(10)を用いて説明した、画質変動に関する体感品質の劣化指標、再生遅延に関する体感品質の劣化指標および再生途絶に関する体感品質の劣化指標も、映像データの蓄積量の初期値に応じた値となる。したがって、決定された映像データの蓄積量の初期値が設定された再生バッファを用いて再生される映像データは、劣化を抑制した状態で再生される。
このように、本実施の形態に係るバッファサイズ決定装置400は、体感品質を向上させる映像データの蓄積量の初期値を決定することができる。これにより、このような初期値を用いて設定された再生バッファを用いて、再生装置は、映像データを再生することができるため、映像視聴者の体感品質を向上させることができる。
(ハードウェア構成について)
本発明の各実施形態において、各装置の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素の一部又は全部は、例えば図17に示すような情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現される。情報処理装置500は、一例として、以下のような構成を含む。
・CPU(Central Processing Unit)501
・ROM(Read Only Memory)502
・RAM(Ramdom Access Memory)503
・RAM503にロードされるプログラム504
・プログラム504を格納する記憶装置505
・記録媒体506の読み書きを行うドライブ装置507
・通信ネットワーク509と接続する通信インターフェース508
・データの入出力を行う入出力インターフェース510
・各構成要素を接続するバス511
各実施形態における各装置の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム504をCPU501が取得して実行することで実現される。各装置の各構成要素の機能を実現するプログラム504は、例えば、予め記憶装置505やRAM503に格納されており、必要に応じてCPU501が読み出す。なお、プログラム504は、通信ネットワーク509を介してCPU501に供給されてもよいし、予め記録媒体506に格納されており、ドライブ装置507が当該プログラムを読み出してCPU501に供給してもよい。
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ別個の情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つの情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、その他の汎用または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。
各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
各装置の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
なお、上述した各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、上記各実施の形態にのみ本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において当業者が上記各実施の形態の修正や代用を行い、種々の変更を施した形態を構築することが可能である。
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する第1算出手段と、
前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出する第2算出手段と、
前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する第3算出手段と、
前記体感品質値を最大にする前記初期値を決定する決定手段と、を備えるバッファサイズ決定装置。
(付記2)
前記体感品質値は、画質、画質変動、再生遅延および再生途絶の少なくともいずれか1つに基づいた値である、付記1に記載のバッファサイズ決定装置。
(付記3)
前記第3算出手段は、
前記画質に基づいた体感品質値を、前記映像ビットレートの平均値に基づいて算出し、
前記画質変動に基づいた体感品質値を、前記映像ビットレートの平均値に対する、前記映像ビットレートの変動量の平均値の割合に基づいて算出し、
前記再生遅延に基づいた体感品質値を、前記初期値に基づいて算出し、
前記再生途絶に基づいた体感品質値を、前記初期値に基づいて算出する、付記2に記載のバッファサイズ決定装置。
(付記4)
前記初期値に基づいて、前記映像データの遅延時間を算出する遅延時間算出手段を更に備え、
前記第3算出手段は、前記再生遅延に基づいた体感品質値を、前記遅延時間に基づいて算出する、付記3に記載のバッファサイズ決定装置。
(付記5)
映像データを、通信ネットワークを介してストリーミング配信する送信装置と、
前記ストリーミング配信された映像データを再生する再生装置と、
前記バッファサイズ決定装置と、を備え、
前記再生装置は、前記映像データを蓄積する再生バッファを備え、
前記バッファサイズ決定装置は、
前記通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する第1算出手段と、
前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出する第2算出手段と、
前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する第3算出手段と、
前記体感品質値を最大にする前記初期値を決定する決定手段と、を備え、
前記再生装置は、前記決定された初期値を、前記再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値として設定する、システム。
(付記6)
前記送信装置は、前記通信ネットワークの通信スループットに応じて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートを決定するビットレート決定手段を備える付記5に記載のシステム。
(付記7)
前記体感品質値は、画質、画質変動、再生遅延および再生途絶の少なくともいずれか1つに基づいた値である、付記5または6に記載のシステム。
(付記8)
前記第3算出手段は、
前記画質に基づいた体感品質値を、前記映像ビットレートの平均値に基づいて算出し、
前記画質変動に基づいた体感品質値を、前記映像ビットレートの平均値に対する、前記映像ビットレートの変動量の平均値の割合に基づいて算出し、
前記再生遅延に基づいた体感品質値を、前記初期値に基づいて算出し、
前記再生途絶に基づいた体感品質値を、前記初期値に基づいて算出する、付記7に記載のシステム。
(付記9)
前記バッファサイズ決定装置は、
前記初期値に基づいて、前記映像データの遅延時間を算出する遅延時間算出手段を更に備え、
前記第3算出手段は、前記再生遅延に基づいた体感品質値を、前記遅延時間に基づいて算出する、付記8に記載のシステム。
(付記10)
前記バッファサイズ決定装置は、前記再生装置内または前記送信装置内に含まれる、付記5から9の何れか1つに記載のシステム。
(付記11)
映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出し、
前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出し、
前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出し、
前記体感品質値を最大にする前記初期値を決定する、バッファサイズ決定方法。
(付記12)
映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出し、
前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出し、
前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出し、
該体感品質値を最大にする前記初期値を決定し、
前記決定された初期値を、前記再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値として設定し、
前記映像データを、前記通信ネットワークを介してストリーミング配信し、
前記ストリーミング配信された映像データを、前記初期値が設定された前記再生バッファに蓄積し、
前記再生バッファに蓄積された映像データを再生する、映像データ再生方法。
(付記13)
映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する処理と、
前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出する処理と、
前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する処理と、
該体感品質値を最大にする前記初期値を決定する処理とを、コンピュータに実行させるプログラム。
以上のように、各実施の形態におけるバッファサイズ決定装置は、ライブ映像ストリーミングシステムに好適に適用することができる。
1、2、3 ライブ映像ストリーミングシステム
100 送信装置
110 送信装置
101 映像取得部
102 符号化部
103 送信部
104 スループット算出部
105 ビットレート決定部
200 再生装置
210 再生装置
201 送受信部
202 復号部
203 再生バッファ部
204 再生部
300 バッファサイズ決定装置
301 第1算出部
302 第2算出部
303 第3算出部
306 決定部
307 遅延時間算出部
309 記憶部
400 バッファサイズ決定装置
401 第1算出部
402 第2算出部
403 第3算出部
406 決定部

Claims (10)

  1. 映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する第1算出手段と、
    前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出する第2算出手段と、
    前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する第3算出手段と、
    前記体感品質値を最大にする前記初期値を決定する決定手段と、を備える、ことを特徴とするバッファサイズ決定装置。
  2. 前記体感品質値は、画質、画質変動、再生遅延および再生途絶の少なくともいずれか1つに基づいた値である、ことを特徴とする請求項1に記載のバッファサイズ決定装置。
  3. 前記第3算出手段は、
    前記画質に基づいた体感品質値を、前記映像ビットレートの平均値に基づいて算出し、
    前記画質変動に基づいた体感品質値を、前記映像ビットレートの平均値に対する、前記映像ビットレートの変動量の平均値の割合に基づいて算出し、
    前記再生遅延に基づいた体感品質値を、前記初期値に基づいて算出し、
    前記再生途絶に基づいた体感品質値を、前記初期値に基づいて算出する、ことを特徴とする請求項2に記載のバッファサイズ決定装置。
  4. 映像データを、通信ネットワークを介してストリーミング配信する送信装置と、
    前記ストリーミング配信された映像データを再生する再生装置と、
    前記バッファサイズ決定装置と、を備え、
    前記再生装置は、前記映像データを蓄積する再生バッファを備え、
    前記バッファサイズ決定装置は、
    前記通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する第1算出手段と、
    前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出する第2算出手段と、
    前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する第3算出手段と、
    前記体感品質値を最大にする前記初期値を決定する決定手段と、を備え、
    前記再生装置は、前記決定された初期値を、前記再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値として設定する、ことを特徴とするシステム。
  5. 前記送信装置は、前記通信ネットワークの通信スループットに応じて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートを決定するビットレート決定手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
  6. 前記体感品質値は、画質、画質変動、再生遅延および再生途絶の少なくともいずれか1つに基づいた値である、ことを特徴とする請求項4または5に記載のシステム。
  7. 前記バッファサイズ決定装置は、前記再生装置内または前記送信装置内に含まれる、ことを特徴とする請求項4から6の何れか1項に記載のシステム。
  8. 映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出し、
    前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出し、
    前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出し、
    前記体感品質値を最大にする前記初期値を決定する、ことを特徴とするバッファサイズ決定方法。
  9. 映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出し、
    前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出し、
    前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出し、
    該体感品質値を最大にする前記初期値を決定し、
    前記決定された初期値を、前記再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値として設定し、
    前記映像データを、前記通信ネットワークを介してストリーミング配信し、
    前記ストリーミング配信された映像データを、前記初期値が設定された前記再生バッファに蓄積し、
    前記再生バッファに蓄積された映像データを再生する、ことを特徴とする映像データ再生方法。
  10. 映像データのストリーミング配信が行われる通信ネットワークにおける、単位時間あたりに伝送されるデータの量である通信スループットおよび該通信スループットの変動量の平均値を、前記映像データを蓄積する再生バッファの前記映像データの蓄積量の初期値に基づいて算出する処理と、
    前記通信スループットおよび前記通信スループットの変動量の平均値に基づいて、ストリーミング配信する前記映像データの映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値を算出する処理と、
    前記初期値、前記映像ビットレートの平均値および前記映像ビットレートの変動量の平均値に基づいて、映像視聴者の体感品質を表す体感品質値を算出する処理と、
    該体感品質値を最大にする前記初期値を決定する処理とを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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