(第1実施の形態)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1において、遊技機本体1は、正面視矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に隣接するように配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々配置されている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、演出用の操作ボタン(演出ボタン)12,13、球貸し操作部14等が配置されている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤15(図2)が着脱自在に装着されている。図2に示すように、遊技盤15の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール16が環状に装着されると共に、そのガイドレール16の内側の遊技領域17に、センターケース18、普通図柄始動口19、第1特別図柄始動口20、第2特別図柄左始動口21H、第2特別図柄右始動口21M、大入賞口(特別電動役物)22、普通入賞口(普通電動役物)24等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース18は、例えば遊技領域17の左右方向略中央における上部側に配置されており、遊技盤15の裏側に固定される液晶式、その他の画像表示手装置25に対応して遊技盤15の前側に着脱自在に固定されている。画像表示手装置25は、演出図柄表示装置26、演出図柄表示装置27、第1特別保留個数表示画像28、第2特別保留個数表示部29等を構成している。これら両保留個数表示部28、29により表示される画像を、同じ参照番号を付して第1特別保留個数表示画像28、第2特別保留個数表示画像29と表現する場合もある。また、両保留個数表示部28、29を単に「保留表示部28、29」という場合もある。
センターケース18は、画像表示装置25等に対応する内部表示領域を略取り囲むように前側に突設される表示枠が備えており、発射手段により遊技領域17の上部側に打ち込まれた遊技球は、表示枠の頂部で左右に振り分けられ、センターケース18の左側の左流下経路34aと右側の右流下経路34bとの何れかを流下するようになっている。
また、例えば表示枠上には、普通図柄表示装置35、普通保留個数表示装置36、第1特別図柄表示装置37、第2特別図柄表示装置38等の表示装置等が夫々設けられている。
普通図柄始動口19は、普通図柄表示装置35による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、遊技球の通過を検出する普通図柄始動口センサ(近接センサ)19sを備えている。この普通図柄始動口19は例えばセンターケース18の右側に配置されており、左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が圧倒的に高い確率で通過可能となっている。
普通図柄表示装置35は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、普通図柄始動口19が遊技球を検出すること、即ち遊技球が普通図柄始動口19を通過し、その遊技球を普通図柄始動口センサ19sが検出することを条件に2個の発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動口19による遊技球検出時に取得された当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様(所定態様)に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合にはハズレ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示装置35の変動表示中、または後述する当り遊技中に普通図柄始動口19が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当り判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示装置36がその発光個数により当り判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
第1特別図柄始動口20は、第1特別図柄表示装置37による図柄変動を開始させるためのもので、例えば開閉手段を有しない非開閉式の入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する第1特別図柄始動口センサ(近接センサ)20sを備えている。この第1特別図柄始動口20は、右流下経路34bを流下してきた遊技球よりも左流下経路34aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
また、第2特別図柄左始動口21Hは、第2特別図柄表示装置37による図柄変動を開始させるためのもので、例えば開閉手段を有しない非開閉式の入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する第2特別図柄左始動口センサ(近接センサ)21hを備えている。この第2特別図柄左始動口20Hは、右流下経路34bを流下してきた遊技球よりも左流下経路34aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
第2特別図柄右始動口21Mは、第2特別図柄表示装置38による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部材(普通電動役物)42の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(または開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する第2特別図柄右始動口センサ(近接センサ)21mを備えており、普通図柄表示装置35の変動後の停止図柄が当り態様(所定態様)となった場合に、開閉部材42が所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている(当り遊技)。この第2特別図柄左始動口21H、第2特別図柄右始動口21Mは、例えば第2特別図柄左始動口21H、第2特別図柄右始動口21Mの下側に配置されており、釘配置等により、左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
第1特別図柄表示装置37は、1個または複数個、例えば1個の第1特別図柄を変動表示可能なLED等の表示手段により構成されており、第1特別図柄始動口20が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第1特別図柄始動口20に入賞し、第1特別図柄始動口センサ(近接センサ)20sがその遊技球を検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1特別図柄始動口20による遊技球検出時に取得された大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には一または複数種類の大当り態様(第1特別態様)の何れかで、それ以外の場合には一または複数種類のハズレ態様の何れかで夫々停止するようになっている。
第2特別図柄表示装置38は、1個または複数個、例えば1個の第2特別図柄を変動表示可能なLED等の表示手段により構成されており、第2特別図柄左始動口21H、第2特別図柄右始動口21Mが遊技球を検出すること、即ち遊技球が第2特別図柄左始動口21H、第2特別図柄右始動口21Mに入賞し、第2特別図柄左始動口センサ21h、第2特別図柄右始動口センサ21mがその遊技球を検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2特別図柄左始動口21H、第2特別図柄右始動口21Mによる遊技球検出時に取得された大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には一または複数種類の大当り態様(第2特別態様)の何れかで、それ以外の場合には一または複数種類のハズレ態様の何れかで夫々停止するようになっている。
なお、第1,第2特別図柄には数字図柄等を用いてもよいが、遊技者が停止図柄態様の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を用いることが望ましい。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、または後述する大当り遊技(特定遊技)中に第1,第2特別図柄始動口20,21H,21Mが遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当り判定乱数値等がそれぞれ所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1,第2特別保留個数表示部28,29が夫々大当り判定乱数値の記憶個数(以下、第1,第2特別保留個数、または特図1,特図2作動保留球数という)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。図中28a,28bは、第1,第2保留表示画像である。なお、第1,第2特別保留個数を総称して「特図保留記憶数」または単に「保留球数」という場合もある。
なお本実施形態では、大当り遊技中には第1,第2特別図柄表示装置37,38の図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示装置37,38の何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、第1,第2特別図柄表示装置37,38が共に図柄変動を開始可能な状態となった場合には、対応する各特別図柄始動口への遊技球の入賞順序どおりに各特別図柄表示装置が図柄変動する。なお、第1特別図柄表示装置37の図柄変動よりも第2特別図柄表示装置38の図柄変動を優先して行うように制御してもよい。
演出図柄表示装置26は、第1特別図柄表示装置37および第2特別図柄表示装置38のうち変動中の特別図柄表示装置の方の図柄変動を演出するもので、それぞれ1個または複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手装置25の表示画面に変動表示可能に構成されている。演出図柄表示装置26は、第1特別図柄表示装置37による第1特別図柄の変動と時間的に同期して演出図柄を変動させ、かつ、第2特別図柄表示装置38による第2特別図柄の変動と時間的に同期して演出図柄を変動させるようになっている。なお、演出図柄表示装置26は第1,第2特別図柄の変動と同期することなく第1,第2演出図柄を独自に変動させまたはその他の演出画像を表示させる場合があってもよい。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」、「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当り態様、例えば少なくとも1つの図柄が異なるものがハズレ態様となっており、例えば第1,第2特別図柄の停止図柄態様が大当り態様/ハズレ態様のときは演出図柄もそれに対応して大当り態様/ハズレ態様で停止するようになっている。
第1,第2特別保留個数表示部28,29は、夫々第1,第2特別保留個数を報知するもので、画像表示手装置25の表示画面上の所定部分、例えば下部側に、第1,第2保留個数分の第1,第2保留表示画像28,29を例えば左右に並べて表示するようになっている。
大当り遊技中(ラウンド遊技中)に行われる大当り演出(特定遊技演出)のうち、大当り演出画像(特定遊技演出画像)の表示を大当り演出表示という。この大当り演出表示では、大当り遊技中に、大当りラウンド数、賞球獲得数等の各種情報と共にキャラクタ等を用いた大当り演出画像(特定遊技演出画像)を画像表示手装置25の表示画面に表示するようになっている。
大入賞口22は、開閉部材43の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成されており、第1,第2特別図柄表示装置37,38の何れかの変動後の停止図柄態様が大当り態様(第1,第2特別態様)となった場合に所定の開放パターンに従って開放するようになっている。
大入賞口22の開閉部材43は、例えば前向き開口状の入賞口に対応する横長矩形状の板状体で、下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能となっており、閉状態のときには遊技盤15の盤面に沿って入賞口を閉鎖し、開状態のときには上部側が遊技盤15の盤面よりも前側に突出することにより後ろ下がりの傾斜状となってその上側に落下してきた遊技球を入賞口内に案内するようになっている。
大入賞口22は例えば右流下経路34b上で且つ普通図柄始動口19の下流側に配置されており、左流下経路34aを流下してきた遊技球よりも右流下経路34bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。
また、大入賞口22は複数、例えば二つの特定領域46a及び通常領域46bと、大入賞口22に入賞した遊技球を特定領域46aと通常領域46bとに振り分ける例えば可動式の振り分け部材47と、特定領域46aに流入した遊技球を検出する特定遊技球検出手段(近接センサ)48aと、通常領域46bに流入した遊技球を検出する通常遊技球検出手段(近接センサ)48bとを備え、大入賞口23に入賞した遊技球は、振り分け部材47によって特定領域46aと通常領域46bとの何れかに案内され、特定領域センサ48aと通常領域センサ48bとの何れかによって検出された後、遊技盤15の裏側に案内されるようになっている。
特定領域46aと通常領域46bとは例えば左右に隣接して配置されている。振り分け部材47は、例えば特定領域46aと通常領域46bとの間に対応してその上側に配置された爪状部材で、図示しない駆動手段の駆動により例えば前後方向の回転軸廻りに所定のパターンで揺動することにより、通常領域46b側への流入を阻止しつつ特定領域46a側へ遊技球を案内する特定案内状態と、特定領域46a側への流入を阻止しつつ通常領域46b側へ遊技球を案内する通常案内状態とに切り換え可能となっている。
大当り遊技中に大入賞口22が開放し、その大入賞口22に入賞した遊技球が特定領域46a側に案内された場合には、その大当り遊技の終了後に後述する確変状態が発生し、通常領域46b側に案内された場合には同じく後述する時短状態が発生するようになっている。
遊技領域17には、普通入賞口24が設けられており、その普通入賞口24に入賞した技球が普通入賞口センサ(近接センサ)24sより検出され、所定個数(例えば10個)賞品球が払い出される。
次に、遊技の流れの概略を説明する。遊技機領域17に打ち込まれた遊技球が第1特別図柄始動口20に入賞して第1特別図柄始動口センサ20sにより検出されれば、第1特別図柄表示装置37が変動表示するとともに演出図柄表示装置26が変動表示し、その後両者が停止する。
また、遊技領域17に打込まれた遊技球が第2特別図柄左始動口21Hに入賞して第2特別図柄左始動口セン21hにより検出された場合に、第2特別図柄表示装置38および演出図柄表示装置27が変動表示した後停止する。
一方、遊技領域17に打込まれた遊技球が普通図柄始動口19に入賞して普通図柄始動口センサ19sより検出された場合に、普通柄表示装置35が変動表示した後停止し、その表示結果が予め定められた当りの表示結果となった場合に、第2特別図柄右始動口21Mの開閉部材42が開放し、遊技球が入賞容易となる。その第2特別図柄右始動口21Mに入賞した遊技球が第2特別図柄右始動口セン21mにより検出された場合に、第2特別図柄表示装置38および演出図柄表示装置27が変動表示した後停止する。
これら表示装置37、38、26の表示結果が予め定められた大当りの表示結果となれば、大入賞口22の開閉部材43が開放して大当り状態となり、その大入賞口22内に遊技球が入賞可能となる。入賞した遊技球は振り分け部材47により振り分けられ、特定領域46aに振り分けられた遊技球が特定領域センサ48aにより検出され、通常領域46bに振り分けられた遊技球が通常領域センサ48bにより検出される。開閉部材43は、所定個数(例えば8個)の遊技球の入賞または予定時間の経過の内早い方の条件が成立したときに閉じ、1ラウンドが終了する。
この大当り状態は、上記のようなラウンド遊技が所定回数(例えば13回)繰り返される。このようなラウンド遊技における所定回数(例えば6回目)のラウンド遊技中においては、大入賞口23の開閉手段45が開放し、遊技球が進入して振り分け部材47により振り分けられ、特定領域46aまたは通常領域46bのいずれかに入賞する。通常領域46bに入賞した遊技機は特定遊技球検出手段(近接センサ)48aにより検出され、確変遊技が発動可能となる。その結果、第1大当り状態(ラウンド遊技状態)が終了した後、大当りの発生確率が向上した確率変動状態(以下「確変」と略す)となる。この確変は、いわゆるスペシャルタイム(ST)と呼ばれる回数切りの確率であり、第1特別図柄表示装置37および第2特別図柄表示装置38の変動回数の合計が所定回数(例えば100回)に達するまでの間に大当り状態が発生しなかった場合に終了する。なお、確変はスペシャルタイム(ST)に限定されるものではなく、一旦確変になれば大当りが発生するまでその確変が持続するものでもよい。このような特別図柄に係る確変機能を、以下「特別図柄確変機能」と称する。
前述の大当り状態が発生してラウンド遊技が終了してから変動時間が短縮された時短制御が行われる。この時短制御は、所定期間(特図100回変動期間等)に亘って普通図柄表示装置35、第1,第2特別図柄表示装置37,38、画像表示装置25の変動時間が短縮されるとともに、普通図柄表示装置35の表示結果が当りとなる確率が向上し、さらに、開閉部材(普通電動役物)42の開放延長がなされる。普通図柄表示装置35の表示結果が当りとなる確率を向上させる機能を、以下「普通図柄確変機能」と称する。
なお本明細書中では、説明の便宜上、第1特別図柄表示装置37側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、第2特別図柄表示装置38の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。また、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「確変状態」の場合においては少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。なお詳細は後述するが、本実施形態では、上記の「時短状態」は単独では発生しない構成となっている。また大当り中は、全機能が非作動となり、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。なお、本実施の形態では、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態は存在しないが、このような遊技状態を設けてもよい、このような遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称する。
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の開閉部材42の作動率が向上する作動率向上状態となり第2特別図柄右始動口21Mの入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、上記開閉部材(普通電動役物)42の開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、開閉部材(普通電動役物)42の作動率(開放時間や開放回数)が向上して第2特別図柄右始動口21Mへの入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」の場合には‘電チューサポート状態無し’(以下、「電サポ無し状態」と称する)となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り’(以下、「電サポ有り状態」と称する)となる。
図1に示した演出ボタン12は、保留球数ボタン予告演出を実行する際に用いられる。この保留球数ボタン予告とは、例えばリーチが表示された場合に現時点の特図保留記憶数を上限回数として演出ボタン12を押下することにより、その都度大当り期待度等を予告演出するものである(図53、図54参照)。この保留球数ボタン予告演出が実行されることにより、特図保留記憶数を増加させて保留球数ボタン予告を多くの回数実行したいという遊技者のモチベーションを高めることができる。その結果、長いリーチ演出が行われているときにおいても遊技者が特図保留記憶数を増加させるべく打球発射を継続し、遊技機の稼働率の低下を防止できるという利点がある。詳しくは後述する。
次に図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御に係る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御部(主制御手段)50と、主制御部50から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出動作制御(演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)51と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)82と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。また演出制御部51には、液晶表示装置からなる画像表示装置25が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
主制御部50は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM202(主制御ROM)と、RAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。ROM202には、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM203は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、遊技進行の際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。また図示はしていないが、主制御部50は、特別図柄変動表示ゲームに係る抽選用乱数を生成する乱数生成回路、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、およびCPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える割込コントローラ回路なども備えている。
ここでCPU201は、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUである。Z80は、データバスが8ビット、アドレスバスが16ビットのCPUであるが、広いメモリ空間を必要とせず、その上、高速処理や複雑な数値演算処理も必要としないパチンコ機の制御には最適である。CPU201は、処理を実行するのに必要なデータの読み書きが行われる複数種類のレジスタが設けられている。詳しくは、主に演算用データが格納されるAレジスタ(アキュームレータACC)、Fレジスタ(フラグレジスタ)、汎用データが格納されるB、C、D、E、H、Lレジスタ(汎用レジスタ)、実行中のプログラムの位置を示すデータが格納されるPCレジスタ(プログラムカウンタPC)、スタックポインタ(スタック領域の現在の位置を示すアドレス)が格納されるSPレジスタ(スタックポインタSP)、リフレッシュ動作を行うRAM401bのメモリブロックを示すデータが格納されるRレジスタ(リフレッシュカウンタ)、RAM401bの格納領域を参照する際の基準となる位置を示すデータが格納されるIX、IYレジスタ(インデックスレジスタ)、割込発生時に参照する割込テーブルの位置を示すデータが格納されるIレジスタ(割込みベクタレジスタ)などが設けられており、主レジスタ(A、F、B、C、D、E、H、L)、補助レジスタ(A’、F’、B’、C’、D’、E’、H’、L’)、専用レジスタ(I、R、IX、IY、SP、PC)に分類されるレジスタを有している。
主制御部50には、制御中枢としてのCPU201、CPU201を動作させるための制御用プログラムや制御用データを記憶しているROM202、CPU201のワークエリアとして機能するRAM203が設けられている。さらに、主制御部50には、RAMクリアスイッチ203cが設けられている。RAMクリアスイッチ203cは、遊技場の係員によってRAM203をクリアするときに用いるスイッチであり、RAMクリアスイッチ203cが操作されたことにより後述するS012にONがなされる。演出制御部51には、制御中枢としてのCPU241、CPU241を動作制御させるための制御用プログラムや制御用データを記憶しているROM242、CPU241のワークエリアとして機能するRAM243が設けられている。
主制御部50には、各種センサからの検出信号が入力される。具体的には、第1特別図柄始動口20に入賞した遊技球が第1特別図柄始動口センサ20sにより検出され、その検出信号が主制御部50に入力される。第2特別図柄左始動口Hに遊技球が入賞すればその遊技球が第2特別図柄左始動口センサ21hにより検出され、その検出信号が主制御部50へ入力される。第2特別図柄右始動口21Mに遊技球が入賞すればその遊技球が第2特別図柄右始動口センサ21mにより検出され、その検出信号が主制御部50に入力される。
普通入賞口24に遊技球が入賞すればその遊技球が普通入賞口センサ24により検出され、その検出信号が主制御部50へ入力される。開閉部材(大入賞口)43に入賞した遊技球が振り分け部材47により振り分けられて、特定領域46aに入賞すればその遊技球が特定領域センサ48aにより検出され、その検出信号が主制御部50へ入力される。
一方振り分け部材47により通常領域46bに振り分けられた遊技球は通常領域センサ48bにより検出され、その検出信号が主制御部50へ入力される。
主制御部50は各種装置を駆動するための制御信号を出力する。具体的には、大入賞口ソレノイド22sを励磁するための制御信号を出力して大入賞口ソレノイド22sを励磁することにより開閉部材(大入賞口)43を開成させる。
振り分けソレノイド47sを励磁するための制御信号を出力することにより振り分けソレノイド47sを励磁して遊技球を特定領域46aに振り分ける状態に制御する。
普通電動役物ソレノイド42sを励磁するための制御信号を出力して普通電動役物ソレノイド42sを励磁することにより開閉部材42を開成させる。
第1特別図柄表示装置37を変動制御するための制御信号を出力することにより第1特図柄表示装置37で第1特別図柄を変動表示させる。
第2特別図柄表示装置38を変動制御させるための信号を出力することにより第2特別図柄表示装置38による第2特別図柄を変動表示させる。
保留・ラウンド・右打ち・時短・高確複合表示装置28〜30,36を表示制御するための制御信号を出力することにより、これら各表示装置を表示させる。普通図柄表示装置35を変動表示させるための制御信号を出力して普通図柄表示装置35により普通図柄を変動表示させる。また主制御部50には、外部端子基板81が接続され、遊技進行に関する情報(例えば、大当り当選情報や賞球数情報や図柄変動表示ゲーム実行回数情報など)を、外部端子基板81を介してホールコンピュータに送信可能となっている。
ホールコンピュータは、パチンコホールの遊技球を統括的に管理する管理コンピュータであり、遊技機外部に配設されている。
また主制御部50には、払出制御基板(払出制御部)82が接続されている。払出制御基板82には、制御中枢としてのCPU250、CPU250を動作させるための制御用プログラムや制御用データを記憶しているROM251、CPU250のワークエリアとして機能するRAM252が設けられている。払出制御基板82には、発射装置84を制御する発射制御基板(発射制御部)82と、遊技球の払出を行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)85とが接続されている。発射装置84は、遊技者の手が発射ハンドル10の回転操作部10aに触れていることを検出するタッチセンサ69と、回転操作部10aの回転角度を検出する可変抵抗器70と、打撃槌(図示省略)を打撃方向に駆動して遊技球を発射するロータリソレノイド71とが、設けられている。発射制御基板83は、タッチセンサ69からの検出信号に基づいてロータリソレノイド71を直接的に駆動又は停止制御する。主制御部50は、払出制御基板82に対し、払出に関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。他方、払出制御基板82は、主制御部50に対し、払出動作状態に関する情報(払出状態信号)を送信可能となっている。主制御部50側では、この払出状態信号に基づき、遊技球払出装置85が正常に機能しているか否か、具体的には、賞球の払出具合に不都合(払出エラー.例えば、球詰まりや賞球の払出不足)が発生したか否かを監視している。
また主制御部50は、特別図柄変動表示ゲームに関する情報を乗せた演出制御コマンドを、演出制御部51に送信可能となっている。このような主制御部50からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部51を介して主制御部50に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部51に送信される。
演出制御部51は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM242(演出制御ROM)と、RAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、CTC、およびタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える割込みコントローラ回路などが設けられている。ROM242には、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM243は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。この演出制御部51の主な役割は、主制御部50からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、画像表示装置25の画像表示制御、スピーカ53の音制御、装飾ランプ52やLEDの発光制御、可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部51は、画像表示装置25の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部51は、光演出や音演出を行うため、装飾ランプ52やLEDに対する光表示制御部、スピーカ53を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物モータ61に対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。
また演出制御部51には、遊技者が操作可能な演出ボタン12の操作を検出する演出ボタンセンサ12sが接続され、演出ボタンセンサ12sからの操作検出信号を受信可能となっている。また演出制御部51には、可動体役物の動作を制御するための役物モータ61が接続され、可動体役物モータ61を制御するための制御信号を送信可能となっている。
演出制御部51は、主制御部50から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御する。これにより、演出パターンに対応する画像表示装置25による演出画像の表示、スピーカ53からの音の再生、装飾ランプ52やLEDの点灯点滅駆動が実現され、時系列的に種々の演出パターンが展開されていくことにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部51にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号はCPU201により、CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
また演出制御部51(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
次に、本実施形態の主制御部50側における遊技動作処理について説明する。主制御部50側の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図4)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図5)とを含んで構成される。
図4は、主制御部50側のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理が開始されるのは、停電状態からの復旧時のように初期化スイッチ(図示せず)が操作されることなく電源がON状態になる場合と、初期化スイッチがON操作されて電源がON状態になる場合とがある。いずれの場合でも、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御部50(CPU201)が図4に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、CPU201は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(S011)。たとえば、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に、所定の割込みモード(割込みモード2)に設定し、またマイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値を初期設定する。
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチ203c(図3参照)の出力信号であるRAMクリア信号の状態(ON、OFF)を判定する(S012)。ここでRAMクリア信号とは、RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、通常、パチンコ店の店員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
ここでは、RAMクリア信号がON状態であったと仮定すると、S012の判定結果が‘YES’となり、RAMの全領域がゼロクリアされる(S016)。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグの値は、他のチェックサム値などと共にゼロとなる。
次に、RAM領域がゼロクリアされたことを報知するための「RAMクリア表示コマンド」が初期化コマンドとして各制御基板に送信する(S017)。そして、RAMクリア報知タイマに、RAMクリアされた旨を報知するための時間として、たとえば、30秒を格納する(S018)。
次に、タイマ割込み動作を起動する割込み信号を出力するCTCを初期設定して(S019)、CPUを割込み許可状態に設定する。
その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数更新処理を実行する(S020〜S022)。この各種乱数更新処理(S021)では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数))の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
本実施形態のRAM203には大当り抽選に係る図柄抽選、補助当り抽選、または変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数1カウンタ、変動パターン用乱数2カウンタなどが設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。S021の各種乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや補助当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数1カウンタ、変動パターン用乱数2カウンタなどを更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。たとえば、変動パターン用乱数1カウンタとして取り得る数値範囲が0〜238とすると、RAM203の変動パターン用乱数1の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に1を加算した結果が239であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理を繰り返し実行するようになっている。
S012の判定処理に戻って説明を続けると、停電状態からの復旧時には、初期化スイッチ(RAMクリア信号)はOFF状態である(S012:YES)。そこで、このような場合、S012の判定処理に続き、バックアップフラグ値を判定する(S013)。なお、バックアップフラグは、電源遮断時にON状態(バックアップフラグ=5AH(‘**H’は任意の16進数の意)に設定され、電源復帰後の最初のタイマ割込み処理でOFF状態(バックアップフラグ=00H)にリセットされるよう構成されている。
したがって、電源投入時や停電状態からの復旧時である場合には、通常では、バックアップフラグがON状態のはずである。ただし、何らかの理由で電源遮断までに所定の処理が完了しなかったような場合には、バックアップフラグはリセット(OFF)状態になる。したがって、バックアップフラグがOFF状態となる場合には(S013:NO)、S016の処理に移行させて遊技機の動作を初期状態に戻す。
一方、バックアップフラグがON状態であれば(S013:YES)、チェックサム値を算出するためのチェックサム演算を実行する。ここで、チェックサム演算とは、RAM203のワーク領域を対象とする8ビット加算演算である。そして、チェックサム値が算出されたら、この演算結果を、RAM203のSUM番地の記憶値と比較をする(S014)。上記SUM番地には、電源遮断時に、同じチェックサム演算によるチェックサム値が記憶されている。そして、記憶された演算結果は、RAM203の他のデータと共に、バックアップ電源によって維持されている。したがって、本来は、S014の判定によって両者が一致するはずである。
しかし、電源遮断時にチェックサム演算が実行できなかった場合や、実行できても、その後、メイン処理のチェックサム演算の実行時までの間に、ワーク領域のデータが破損している場合もあり、このような場合にはS014の判定結果は不一致となる。判定結果の不一致によりデータ破損が検出された場合には(S014:NO)、S016の処理に進みRAMクリア処理を実行し、遊技機の動作状態を初期状態に戻す。一方、チェックサム演算によるチェックサム値と、SUM番地の記憶値とが一致する場合には(S014:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行する。
S015の遊技復旧処理を終えると、S019の処理に進み、CTCを初期設定してCPUを割込み許可状態に設定し、その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、上述した各種乱数更新処理を実行する(S020〜S022)。
次に図5を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図5は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。以下では説明の便宜上、CPU201がRAMやROMなどのメインメモリを読み書きする際のアドレス値(そのアドレスに記述されているデータ類を含む)やプログラム上の演算処理により得られた結果情報などを、CPU内蔵のレジスタ内に読み込んだり取り込んだりするなどの処理を「取得」と称し、またCPU201がRAMのワーク領域にアクセスして、所定のデータを記憶させることを「格納」と称する場合がある。
図5において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後、まず電源制御基板31からの電源の供給状態を監視する電源異常チェック処理を行う(S051)。この電源異常チェック処理では、主に、電源が正常に供給されているかを監視する。ここでは、たとえば、電断が生じるなどの異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAMに格納するバックアップ処理などが行われる。
次いで、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を行う(S052)。パチンコ遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマ(たとえば、後述の特別図柄役物動作タイマなど)のタイマ値はここで管理(更新)される。
次いで、入力管理処理を行う(S053)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を入賞カウンタに格納する。ここでの各種センサによる検出情報とは、たとえば、第1特別図柄始動口センサ20s、第2特別図柄左始動口センサ21h、第2特別図柄右始動口センサ21m、普通図柄始動口センサ19s、特定領域センサ48a、通常領域センサ48b、普通入賞口センサ24などの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(入賞検出情報)である。これにより、各入賞口において入賞を検出(入賞が発生)したか否かが割込みごとに監視される。また上記「入賞カウンタ」とは、各々の入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。本実施形態では、RAM203の所定領域に、第1特別図柄始動口センサ20s用の第1特別図柄始動口入賞カウンタ、第2特別図柄左始動口センサ21h用の第2特別図柄左始動口入賞カウンタ、第2特別図柄左始動口センサ21m用の第2特別図柄左始動口入賞カウンタ、普通図柄始動口センサ19s用の普通図柄始動口入賞カウンタ、特定領域センサ48a用の特定領域入賞カウンタ、通常領域センサ48b用の通常領域入賞カウンタ、普通入賞口センサ24用の普通入賞口入賞カウンタなどが設けられている。またこの入力管理処理では、入賞検出スイッチからの検出情報が入賞を許容すべき期間中に入賞したか否かに基づいて、不正入賞があったか否かも監視される。たとえば、開閉部材42が作動中でないにもかかわらず第2特別図柄左始動口センサ21mが遊技球を検出したり、大当り遊技中でないにもかかわらず特定領域センサ48aや通常領域センサ48bが遊技球を検出したりした場合は、これを不正入賞とみなして入賞検出情報を無効化し、その無効化した旨を外部に報知するべく後述のエラー管理処理(S055)において所定のエラー処理が行われるようになっている。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込内乱数管理処理を行う(S054)。この定期乱数更新処理では、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。たとえば、特別図柄判定用乱数カウンタの値を所定範囲で更新(+1加算)し、特別図柄判定用乱数カウンタが1周するごとに、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を読み出し、その生成用カウンタの値を特別図柄判定用乱数カウンタに格納する。これにより、特別図柄判定用乱数カウンタのスタート値が上記の生成用カウンタの値に応じて変更されるので、更新周期は一定でありながらも特別図柄判定用乱数カウンタのカウント値はランダムになる。
次いで、遊技動作状態の異常の有無を監視するエラー管理処理を行う(S055)。このエラー管理処理では、遊技動作状態の異常として、たとえば、基板間に断線が生じたか否かを監視したり、不正入賞があったか否かを監視したりして、これらの動作異常(エラー)が発生した場合には、そのエラーに対応した所定のエラー処理を行う。エラー処理としては、たとえば、所定の遊技動作(たとえば、遊技球の払い出し動作や遊技球の発射動作など)の進行を停止させたり、エラー報知用コマンドを演出制御部51に送信して、演出手段によりエラーが発生した旨を報知させたりする。
次いで、賞球管理処理を行う(S056)。この賞球管理処理では、上記入力管理処理で格納したデータを把握して、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞があった場合は、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板(払出制御部)82に送信する。この払出制御コマンドを受信した払出制御基板82は、遊技球払出装置85を制御し、指定された賞球数の払い出し動作を行わせる。これにより、それぞれの入賞口に対応した賞球数(入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの所定の賞球数×入賞カウンタの値分の賞球数)が払い出されるようになっている。
次いで、普通図柄管理処理を行う(S057)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける補助当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したり、所定時間毎に点滅を繰り返す普通図柄のデータ(普通図柄変動中のLED点滅表示用データ)を作成し、普通図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(普通図柄停止表示中のLED点滅表示用データ)を作成したりする。なお普通図柄管理処理は、補助遊技抽選手段、普通図柄の変動表示動作を制御する普通図柄表示手段(普通図柄表示制御手段)として機能する。
次いで、普通電動役物管理処理を行う(S058)。この普通電動役物管理処理では、普通図柄管理処理(S057)の補助当り抽選の抽選結果に基づき、普電開放遊技発生に必要な普通電動役物ソレノイド42sに対するソレノイド制御用の励磁信号の生成およびそのデータ(ソレノイド制御データ)の設定を行う。ここで設定されたデータに基づき、後述のソレノイド管理処理にて、励磁信号が普通電動役物ソレノイド42sに対して出力され、これにより開閉部材42の動作が制御される。なお普通電動役物管理処理は、補助当り制御手段として機能する。
次いで、特別図柄管理処理を行う(S059)。この特別図柄管理処理(大当り判定手段)では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄などを決定する。なお、特別図柄管理処理の詳細は図11にて後述する。
次に、特別電動役物管理処理を行う(S060)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当り抽選結果が「大当り」または「小当り」であった場合、その当りに対応した当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。
次いで、右打ち報知情報管理処理を行う(S061)。この右打ち報知情報管理処理では、「電サポ有り状態」の高ベース遊技状態が生起する遊技状態(本実施形態では、確変状態)である場合、右打ち指示情報を報せる「発射位置誘導演出(右打ち報知演出)」を現出させるための処理を行う。ここでの右打ち指示情報は、たとえば、普通図柄始動口19に入賞を促す指示情報であり、具体的には、発射位置として右流下経路34bを狙う旨を指示する情報である。代表的には、画像表示装置25に「右打ち」を遊技者に促す画像を表示したり(たとえば、「右打ちせよ」の文字表示)、スピーカ53から右打ちを促す効果音(たとえば、「右打ちしてね」の音声)を発生させたりするとともに、右打ち表示装置30(図2参照)を点灯または点滅表示する。この右打ち情報が報知されるケースとしては、電サポ有り状態下において遊技者が誤って発射位置を左流下経路34a側に狙いを定めていると推定されるケースで、上記電サポ有り状態下において、第1特別図柄始動口20や第2特別図柄左始動口21Hに入賞が発生した場合や、所定時間経過しても普通図柄始動口19へ入賞が発生しない場合などが挙げられる。このような場合、この右打ち報知情報管理処理において、演出制御コマンドとして、上記発射位置誘導演出の実行指示する「右打ち指示コマンド」が演出制御部51に送信され、このコマンドを受けて、演出制御部51では、上記発射位置誘導演出を現出制御する構成となっている。
次いで、LED管理処理を行う(S062)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置35や特別図柄表示装置37、38に対して表示データを出力する。これにより、普通図柄や特別図柄の変動表示および停止表示が行われる。なおS057の普通図柄管理処理で作成された普通図柄の表示データや、S059の特別図柄管理処理中の特別図柄表示データ更新処理(後述の図11のS309)で作成される特別図柄の表示データは、このLED管理処理でLEDデータの形となって出力される。
次いで、外部端子管理処理を行う(S063)。この外部端子管理処理では、外部集中端子基板31を通して、パチンコ遊技機1の動作状態情報をホールコンピュータや島ランプなどの外部装置に対して出力する。上記動作状態情報には、大当り遊技が発生した旨(条件装置が作動した旨)、小当り遊技が発生した旨、図柄変動表示ゲームが実行された旨(特別図柄変動表示ゲームの開始または終了した旨)、入賞情報(始動口や大入賞口に入賞した旨や賞球数情報)などの情報が含まれる。
次いで、ソレノイド管理処理を行う(S064)。このソレノイド管理処理では、S058の普通電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく普通電動役物ソレノイド42sに対する励磁信号の出力処理、S060の特別電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく大入賞口ソレノイド22sに対する励磁信号の出力処理を行う。これにより、開閉部材42,43が所定のパターンで動作し、第2特別図柄右始動口21Mや大入賞口22が開閉される。
以上のS051〜S064の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する(S065)。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
次に、図5のS057の普通図柄管理処理について説明する。図6は、S057の普通図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。図6において、CPU201は、普通図柄始動口センサ19sがONになっているか否か判定する(S070)。ONになっていない場合には制御がS074へ移行するが、遊技球が普通図柄始動口センサ19sにより検出されればS070によりYESの判定がなされ、普通図柄作動保留球数が「4」以上であるか否かが判定される(S071)。この普通図柄作動保留球数は、普通図柄始動口19に入賞した遊技球で未だ普通図柄表示装置26の変動表示に用いられていない未評価の普通図柄作動保留球数の記憶数のことであり、その上限記憶数が「4」と定められている。すでに普通図柄作動保留球数がその上限である「4」に達している場合には、それ以上普通図柄作動保留球数を記憶することができないために制御がS074へ移行する。未だにその上限である「4」に達していない場合には制御がS072へ進み、普通図柄作動保留球数を「1」加算更新するがなされる。
次に、その加算更新された当該保留記憶エリアに当り判定乱数を格納する処理がなされる(S073)。この当り判定用乱数は、普通図柄表示装置35の変動表示の結果を当りにするか否かを決定するための乱数である。
次に、普通図柄動作ステータスの値に応じて分岐する制御を行う(S074)。普通図柄動作ステータスは、00H、01H、02Hの3種類用意されており、現在の普通図柄動作ステータスが00Hの場合には、制御がS075へ移行して、普通図柄変動開始処理が実行される。普通図柄動作ステータスが01Hの場合には、制御がS076へ進み、普通図柄変動中処理が実行される。普通図柄変動ステータスが02Hの場合には、制御がS077へ進み、普通図柄確認中処理が実行される。
次に、S075の普通図柄変動開始処理の詳細を図7に基づいて説明する。まず、普通図柄作動保留球数が「0」であるか否か判定される(S080)。普通図柄作動保留球数が「0」の場合には普通図柄変動開始処理をなんら行うことなく制御を抜ける。一方、未だ普通図柄変動制御に用いられていない未評価の普通図柄作動保留球数が存在する場合にはS080によりNOの判断がなされて制御がS081へ進み、普通図柄作動保留球数を「1」減算する処理を行い、当り判定用乱数記憶エリア1の内容を読出す処理が行われる(S082)。この当り判定用乱数記憶エリアとは、普通図柄作動保留球数の値に応じてS073により当り判定用乱数が格納されているエリアのことである。当り判定用乱数記憶エリア1とは、その各エリアのうち一番古い当り判定用乱数を記憶しているエリアのことである。このエリア1に格納されている当り判定用乱数を読出して判定する処理を行う(S083)。次に普通停止図柄作成処理を行う(S084)。これらS083の処理は図8(a)に基づいて後述し、S084の処理は図8(b)に基づいて後述する。
次に、普通図柄が時短中であるか否か判定する処理を行う(S085)。この時短中とは、普通図柄表示装置35の変動時間を短縮する制御が行われている状態のことをいう。時短中である場合には時短中変動時間をセットし(S086)、時短中でない場合には通常変動時間をセットする(S087)。次に普通図柄変動ステータスを01H加算更新する処理を行う(S088)。その結果、普通図柄変動ステータスの値が01Hとなり、制御がS076へ進むこととなる(図6参照)。
次に、図7のS083で示された当り判定用乱数判定処理の詳細を図8(a)に基づいて説明する。まず当り判定用乱数記憶エリア1の値を読出す(S095)。次に普通図柄確変中であるか否かの判定を行う(S096)。普通図柄確変中とは、普通図柄表示装置35の変動表示の結果当りとなる確率が向上した状態をいう。普通図柄確変中でない場合には、S095により読出した値を通常時判定値と比較する処理を行う(S098)。一方、普通図柄確変中である場合には、S095により読みだした値を確変中判定値と比較する処理を行う(S097)。この確変中判定値は、通常時判定値と比べて数が多く用意されており、その分比較した結果一致と判定される確率が高まる。S099により、一致したか否か判定する。一致した場合には普通当りフラグをセットする(S100)。一致しなかった場合には普通当りフラグをセットすることなく、この当り判定用乱数判定処理を終了する。
次に、図7のS084に示された普通停止図柄作成処理の詳細を図8(b)に基づいて説明する。まず、S110により、普通当りフラグがセットされているか否かを判定する。この普通当りフラグは前述のS100よりセットされるものであり、普通当りフラグがセットされている場合には、停止予定図柄に当り図柄をセットする処理がなされる(S112)。一方、普通当りフラグがセットされていない場合には、停止予定図柄にハズレ図柄をセットする処理を行う(S111)。
次に図6のS076により示された普通図柄変動中処理の詳細を図9(a)に基づいて説明する。まず変動時間が経過したか否かを判定する(S115)。この変動時間は、図7のS086によりセットされたものである。変動時間が未だ経過していない場合には普通図柄変動処理を行う(S116)。これにより、変動時間が経過するまで普通図柄の変動制御が行うこととなる。
一方、変動時間が経過した段階でS115によりYESの判断がなされ、停止予定図柄で停止する処理を行う(S117)。この停止予定図柄は前述のS112によりセットされたものである。次に普通図柄変動ステータスを「01H」加算更新する処理を行う(S118)。その結果普通図柄動作ステータスの値が「02H」となるために制御がS077へ移行することとなる(図6参照)。次に確認時間をセットする処理を行う(S119)。この確認時間は、普通図柄が停止した後、その停止態様を遊技者に確認させるために必要となる時間であり例えば2秒程度である。
次に、図6のS076で示された普通図柄確認中処理の詳細を図9(b)に基づいて説明する。まず、確認時間が経過したか否かを判定する(S125)。この確認時間は、前述のS119によりセットされたものである。未だ確認時間が経過していない場合にはこの普通図柄確認中処理が終了する。一方、確認時間が経過した段階でS125によりYESの判断がなされ、普通当りフラグがセットされているか否かの判断を行う(S126)。この普通当りフラグは前述のS100によりセットされたものである。普通当りフラグがセットされていない場合、すなわちハズレの場合には、普通図柄変動ステータスを00Hにする処理を行う(S127)。その結果、以降制御がS075へ進むこととなる(図6参照)。
一方、普通当りフラグがセットされている場合にはS127の処理を行うことなく、普通図柄確認中処理が終了する。その結果、以降もS076の処理が継続して実行されることとなる。普通当りフラグは後述のS134によりクリアされるために、そのクリアされた段階でS126によりNOの判断がなされて、S127により普通図柄変動ステータスが00Hに更新され、その段階でS075の制御に移行することとなる。
次に、図5のS058により示された普通電動役物管理処理の詳細を図10に基づいて説明する。この普通電動役物管理処理は、開閉部材(普通電動役物)42の開閉制御を行うためのものである。まず普通当りフラグがセットされているか否かを判定する(S130)。この普通当りフラグは前述のS100によりセットされ、S134によりクリアされるものである。普通当りフラグがセットされていない場合、すなわちハズレの場合にはこの普通電動役物の管理処理が終了する。
一方、普通当りフラグがセットされている場合にはS130によりYESの判断がなされ、開放時間がセット済みであるか否かを判定する(S131)。この開放時間は、開閉部材(普通電動役物)42を開放する時間のことであり、後述するS137またはS138によりセットされるものである。未だ開放時間がセットされていない場合には制御がS136に進み、普電役物開放延長状態フラグがセットされているか否かを判定する。この普電役物開放延長状態フラグは、大当り状態が終了した段階で図24のS411によりセットされるものである。そして、大当り終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達した段階で普電役物開放延長状態フラグがクリアされる。
普電役物開放延長状態フラグがセットされていない場合には制御がS137へ進み、通常解放時間をセットする処理を行う。一方、普電役物開放延長状態フラグがセットされている場合には制御がS138へ進み、延長状態開放時間をセットする。
この状態で、次回(4msec後)の普通電動役物管理処理の実行に際して、S131によりYESの判断がなされることとなるために制御がS132へ進み、開放時間が経過したか否かの判定を行う。この開放時間は、前述のS137またはS138によりセットされた時間である。未だ開放時間が経過していない場合には制御がS133へ進み、普通電動役物開放処理を行う。その結果、開放部材(普通電動役物)の42が開放制御される。一方、開放時間が経過した段階でS132によるYESの判断がなされて制御がS134へ進み、普通当りフラグをクリアする処理を行う。次に、普通図柄変動ステータスを「00H」に更新する処理を行う(S135)。その結果、以降においてはS075の処理が実行されることとなる(図6参照)。
次に、図5中の特別図柄管理処理(S059)について説明する。図11は、S059の特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図11において、CPU201は、まず特別図柄1側(第1特別図柄始動口20側)に関する特図1始動口チェック処理を行い(S301)、次いで、特別図柄2側(第2特別図柄左始動口21H側, 第2特別図柄右始動口21M側)に関する特図2始動口チェック処理を行う(S302)。
S301〜S302の始動口チェック処理を終えると、小当り中フラグの状態を判定する(S303)。この「小当り中フラグ」とは、小当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には小当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には小当り遊技中ではない旨を示す。
上記小当り中フラグがOFF状態(=00H)の場合(S303:≠5AH)、次いで、大当り中であるか否かを判定する(S304)。この大当り中であるか否かは「条件装置作動フラグ」により判定する。「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
上記条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(S304:≠5AH)、すなわち、小当り遊技中でもなく大当り遊技中でもない場合(S303:≠5AH、かつS304:≠5AH)、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じて、特別図柄の変動表示動作に関する処理を行う(S305:特別図柄動作ステータス分岐処理)。一方、小当り遊技中(S303:=5AH)、または大当り遊技中である場合には(S304:=5AH)、S306〜S308の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。したがって、小当り遊技中または大当り遊技中のいずれかである場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、小当り後または大当り後に確定表示されたままの状態が保持されている)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
S305の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれのステータス値であるかに応じて、それぞれに対応する処理を実行する。
具体的には、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には、特別図柄変動開始処理(S306)を、「変動中(02H)」である場合には、特別図柄変動中処理(S307)を、「確認中(03H)」である場合には、特別図柄確認時間中処理(S308)を実行する。これらの処理により、特別図柄の変動開始および変動停止を一セットとする変動表示動作が実現される。ここで上述の「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を示し、「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を示し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を示す。上記S306〜S308の処理を終えると、S309の特別図柄表示データ更新処理に進む。
一方、小当り遊技中である場合か(S303:=5AH)、または大当り遊技中である場合には(S304:=5AH)、S306〜S308の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。
S309に進むと、特別図柄表示データ管理処理を行う。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、所定時間(たとえば0.5秒)毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(特別図柄変動中のLED点滅表示用データ)を作成し、特別図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(特別図柄停止表示中のLED点滅表示用データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図5のLED管理処理(S062)でLEDデータとなって出力され、特別図柄表示装置38a、38b上における特別図柄の変動表示および停止表示が実現される。これにより特別図柄管理処理を抜けて、図5のS060の特別電動役物管理処理に進む。
まず、特図1始動口チェック処理(図11のS301)について説明する。図12は、上記のS301の特図1始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理として、作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、保留加算コマンドの作成処理などの処理が行われる。
図12において、CPU201は、まず第1特別図柄始動口21において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(S311)。
第1特別図柄始動口21の入賞を検出した場合(S311:YES)、特別図柄1の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(S312)。すなわち、特別図柄1に係る作動保留球(以下、「特図1作動保留球」と称する)の数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)未満であるか否かを判定する。なお、上始動口34の入賞検出がなかった場合は(S311:NO)、何もしないで特図1始動口チェック処理を抜ける。
特図1作動保留球数が4以上である場合(S312:YES)、後述のS325の処理に進み、特図1作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(S312:NO)、特図1作動保留球数に1加算(+1)して(S313)、S314の処理に進む。
S314の処理に進むと、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を遊技情報として取得する(S314)。具体的には、乱数カウンタから大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数1、変動パターン用乱数2の現在値を取得し、その取得した乱数値をRAM203の保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、ここではその作動保留球として、上記の各種乱数値が、特別図柄1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。上記保留記憶エリアには、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留記憶エリア(特別図柄1に対応する第1の保留記憶エリアである特図1保留記憶エリア)と、特別図柄2に対応する第2の保留記憶エリアである特図2保留記憶エリア)が設けられている。これら保留記憶エリアには、保留1記憶エリア〜保留n記憶エリア(nは最大作動保留球数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留データを格納可能となっている(保留記憶順番は、保留1記憶エリア、保留2記憶エリア、・・・、保留n−1記憶エリア、保留n記憶エリアの順に格納されるようになっている)。
なお上記各種乱数のうち、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数1、および変動パターン用乱数2は、それぞれに対応したソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから抽出される。これら乱数カウンタの乱数値は、RAM203に設けられた各々に対応したカウント値記憶領域において、間欠的に生じる割込み処理と割込み処理の間に実行されるメイン処理において乱数的に更新されているので、その値がそのまま取得されるようになっている。
他方、大当り判定用乱数値は、ハードウェア的に乱数を生成する乱数生成回路(大当り判定用乱数値をカウントするための大当り判定用乱数カウンタ:図示せず)から抽出される。この乱数生成回路は、第1特別図柄始動口センサ20s、第2特別図柄左始動口センサ21hまたは第2特別図柄右始動口センサ21mから遊技球の検出信号が入力されると、このタイミングにおけるカウント値をラッチして、そのカウント値がマイクロコンピュータに入力されるようになっている。このカウント値は、大当り判定用乱数値として、RAM203の保留記憶エリアと別個に設けられたRAM203の大当り判定用乱数値用の記憶領域(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納され、CPU201は、必要なタイミングで、その特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファに格納された大当り判定用乱数値を読み出し利用する。本実施形態では、入賞時における大当り判定用乱数値を特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファと保留記憶エリアとに格納するようになっているが、特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファを設けない場合は、保留記憶エリアにそのまま格納し、必要なタイミングで、該当保留記憶エリアの大当り判定用乱数値を読み出すように構成しても良い。
次に、第1特別図柄始動口25、第2特別図柄始動口21H,21Mとの入賞順序を記憶する処理を行う(S315)。この入賞順序の記憶状態が図13に示されている。図13を参照して、RAM203上の8ビットの記憶領域に、第1特別図柄始動口20への入賞を表す「1」のデータを記憶させている。この8ビットの記憶エリアは、図示右側から順番に、次回変動順フラグ、2回目変動順フラグ、3回目変動順フラグ、4回目変動順フラグ、5回目変動順フラグ、6回目変動順フラグ、7回目変動順フラグ、8回目変動順フラグを記憶するエリアとなっている。例えば、次回変動順フラグは「0」となっているために、第2特別図柄左始動口21Hまたは第2特別図柄右始動口21Mへの始動入賞にもとづく第1特別図柄の変動順を記憶している。また2回目変動順フラグは「1」となっているために、第1特別図柄始動口20への始動入賞に基づいた第2特別図柄の変動順を記憶している。この特別図柄作動順確認フラグに従った順序で第1,第2特別図柄の変動制御を行う。
次に、S317の処理に進み、特図1用当り乱数判定テーブル(図14参照)を取得し(S317)、RAM203(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納された大当り判定用乱数値を取得して(S318)、S319の乱数判定処理を行う。この乱数判定処理では、特別図柄変動表示ゲーム(ここでは、特別図柄変動表示ゲーム1)に係る「当落抽選」を先読み判定する。なお、乱数判定処理の詳細は図17(a)にて後述する。
S319の乱数判定処理を終えると、次いで、特図1用図柄テーブル選択テーブル(図15参照)を取得し(S320)、RAM203に格納された特別図柄判定用乱数値を取得して(S321)、S322の特別停止図柄データ作成処理を行う。この特別停止図柄データ作成処理では、特別図柄変動表示ゲーム(ここでは、特別図柄変動表示ゲーム1)に係る「図柄抽選」を先読み判定する。
S322の特別停止図柄データ作成処理を終えると、次いで、S323の始動口入賞時乱数判定処理を行う。この始動口入賞時乱数判定処理では、S322の停止図柄データ作成処理で得られたデータ(特別図柄判定データと変動パターン選択用オフセット)に基づき、後述する保留加算コマンドの作成に利用される入賞コマンドデータ(2バイト目:下位バイト(EVENT))の作成を行う。なお、始動口入賞時乱数判定処理の詳細は図17(c)にて後述する。
S323の始動口入賞時乱数判定処理を終えると、先読み判定時の作動保留球数を指定する上位バイト(MODE)側の入賞コマンドデータと、先読み変動パターンを指定する下位バイト(EVENT)側の入賞コマンドデータとから構成される「保留加算コマンド」を作成し(S324〜S325)、これをRAM203に格納することなく、演出制御部51に送信する(S326)。これにより、特図1始動口チェック処理を抜けて、続いて図11のS302の特図2始動口チェック処理を行う。
以上の図12の制御では、無条件に特図1先読制御(S317〜S324)を行っているが、「確変状態」のような‘電サポ有り状態’下の場合には先読み判定を禁止するように制御してもよい。具体的には、S315の後に「特図1先読み禁止?」の判定ステップを挿入し、YESの場合にS325に制御が移行するように制御する。
特図1先読みを禁止する遊技状態として考えられるものは、例えば、‘電サポ有り状態’を伴う遊技状態中である場合、つまり内部遊技状態が確変状態中である場合に、特別図柄1側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ有り状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄1側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
第1の理由としては、「確変状態」のような‘電サポ有り状態’下に置かれた場合は、第2特別図柄右始動口21Mへの入賞率が通常遊技状態よりも著しく向上し得る「高ベース遊技状態(開閉部材42の作動率向上状態)」となっているため、遊技者が普通図柄始動口19側に発射位置を狙い定めた場合(右流下経路34bを遊技球が通過するように狙いを定めた場合)、特別図柄2に係る作動保留球数(以下、「特図2作動保留球」と称する)が頻繁に発生するものと推定される。これに対し、電サポ無し状態下に置かれた場合は、開閉部材42の作動率が低い「低ベース遊技状態」となり、また遊技くぎなどの落下方向変換部材に起因して、第1特別図柄始動口20側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっていることから、遊技者が普通図柄始動口19側に発射位置を狙い定めた場合には、不利益をもたらすという遊技性となっている。このため、電サポ有り状態中に遊技者が左流下経路34a側を遊技球が通過するように発射位置を定めることはないものと推定され、特図1作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、そのような発生率の低い特図1作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
また、本実施形態では、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方が存在する場合には入賞順序を記憶して(図13参照)、その入賞順に保留球を消化して特別図柄変動表示ゲームを実行している。しかし、変形例として、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される、といった「優先変動機能(特別図柄動作順序制御手段)」を備えてもよい。その場合には、以下の第2の理由が生じる。
第2の理由として、遊技の面白みを向上させるべく、先読み予告演出を多彩なものとした場合、たとえば、大当り種別に関する先読み予告演出(特に、当選した大当り種別を特定し得る先読み予告演出)を発生可能とした場合に、次のような問題が生じる。上記優先変動機能により、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行されることになる。このため、電サポ有り状態下に置かれた場合において、たとえば、現在、特図1作動保留球を対象とした先読み予告演出だけが発生しており、このときの内容が「大当りのうち、相対的に利益の高い大当り(たとえば、15R長開放確変大当り)の当選を予告するもの」であった場合、遊技者がこれを認識すれば、遊技球の発射を故意に停止させて第2特別図柄右始動口21Mに入賞させないようにし、非優先変動側である特別図柄変動表示ゲーム1をあえて実行させることで、当該利益の高い大当りを意図的に狙い撃ちすることができてしまい、技術介入性の問題の観点から、好ましくない。
上記変形例では、上記のような問題点に鑑み、遊技状態に応じて、特図1側と特図2側の先読み判定を禁止する区間(先読み禁止状態)を切り替え制御可能に構成するのが望ましい。詳しくは、主制御部50は、第1の先読み判定手段による先読み判定を禁止して第2の先読み判定手段による先読み判定を許容する第1の先読み禁止状態(たとえば、電サポ有り状態中の場合:「確変状態」滞在中の場合)と、第2の先読み判定手段による先読み判定を禁止して前記第1の先読み判定手段による先読み判定を許容する第2の先読み禁止状態(たとえば、電サポ無し状態中の場合)と、を所定の切替条件に基づき切替制御する先読み禁止状態制御手段としての機能部を備えている。また、この先読み禁止状態制御手段は、所定の条件に基づき、上記第1の先読み判定手段と上記第2の先読み判定手段とによる先読み判定を全面的に禁止する第3の先読み禁止状態に切り替える全面禁止手段を設けることができる。上述の「所定の条件」とは、たとえば、大当り遊技中または小当り遊技中の場合が挙げられる。これは、当り遊技中の場合は、作動保留球が発生しても特別図柄の変動表示動作が行われないことから、先読み予告演出を行う必要性に乏しいからである。また、大当り(小当りは除く)による当り遊技の前後で大当り抽選確率が変動する場合がある(本実施形態の大当り遊技中においては、大当り当選時に遊技状態にかかわらず、一旦低確率状態に移行するようになっている:後述のS475参照)。この場合、大当り遊技中に作動保留球が生じ、これを対象とした先読み判定を行うと、先読み判定時には低確率状態で当落判定をし、変動開始時には高確率状態で当落判定をしてしまうといった事態が起こり、先読み判定に係る処理が複雑化してしまうからである。ただし本実施形態のように、大当りに当選すれば、大当り遊技終了後は必ず高確率状態に移行する遊技機においては、先読み判定の際に高確率状態と仮定して当落判定を行い、大当り遊技中に発生した作動保留球を対象に先読み判定を実行可能に構成しても良い。
次に、特図2始動口チェック処理(図11のS302)について説明する。図16は、特図2始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。
上記特図2始動口チェック処理は、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理として、先に述べた特図1始動口チェック処理の流れと同じように、作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、保留加算コマンドの作成処理などの処理が行われる。以下、上記特図1始動口チェック処理(S301)と同じ処理内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
図16において、CPU201は、まず第2特別図柄左始動口21Hまたは第2特別図柄右始動口21Mにおいて入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(S331)。
第2特別図柄左始動口21Hまたは第2特別図柄右始動口21Mの入賞検出がなかった場合は(S331:NO)、何もしないで特図2始動口チェック処理を抜ける。一方、第2特別図柄左始動口21Hまたは第2特別図柄右始動口21Mの入賞を検出した場合(S331:YES)、特別図柄2の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(S332)。
特図2作動保留球数が4以上である場合(S332:YES)、S345に進む。一方、特図2作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(S312:NO)、特図2作動保留球数を1加算(+1)し(S333)、S334の処理に進む。
S334の処理に進むと、今回発生した特図2作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム2に利用される各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数1、および変動パターン用乱数2)の乱数カウンタの現在値を遊技情報として取得し、それぞれRAM203の保留記憶エリアに格納する(S334)。この処理は、図12のS314の処理の仕方と同じである。この特図2作動保留球は、特別図柄2の変動表示動作に供されるまで、最大保留記憶数を所定の上限値として、始動条件の成立順に保留記憶される。次に、入賞順序の記憶処理を行う(S335)。この処理は、図12のS315と同じである。
次に、S337の処理に進み、特図2用当り乱数判定テーブル(図14(ロ)参照)を取得し(S337)、RAM203(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納された大当り判定用乱数値を取得して(S338)、乱数判定処理を行う(S339)。この乱数判定処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「当落抽選」が行われる。また基本的な処理の仕方は、図12の特図1始動口チェック処理中のS319の乱数判定処理と同じである。
S339の乱数判定処理を終えると、次いで、特図2用図柄テーブル選択テーブル(図15(ロ)参照)を取得し(S340)、RAM203に格納された特別図柄判定用乱数値を取得して(S341)、特別停止図柄データ作成処理を行う(S342)。この特別停止図柄データ作成処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「図柄抽選」が行われる。また基本的な処理の仕方は、図12の特図1始動口チェック処理中のS322の特別停止図柄データ作成処理と同じである。
S342の特別停止図柄データ作成処理を終えると、次いで、特図1始動口チェック処理中と同様の始動口入賞時乱数判定処理を行い(S343)、入賞コマンドデータと作動保留球数に基づき、保留加算コマンドを作成し(S344〜S345)、作成した保留加算コマンドを演出制御部51に送信して(S346)、特図2始動口チェック処理を抜ける。
なお、図12で説明したのと同様に、変形例として、S335の後の時点で特図2先読み禁止の制御を行ってもよい。例えば、‘電サポ無し状態を伴う遊技状態’を伴う遊技状態中である場合、つまり内部遊技状態が、通常遊技状態中(または変形例が有する潜確状態中)である場合は、特別図柄2側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ無し状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄2側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
「通常遊技状態」(または変形例が有する「潜確状態」)であるならば、‘電サポ無し状態’下に置かれ、第2特別図柄右始動口21Mの入賞率が著しく低下する。また既に説明したように、上記電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口19側に発射位置を狙い定めた場合、左流下経路34aを遊技球が通過するように狙いを定めた場合よりも第1特別図柄始動口20の入賞率が著しく低下してしまう、といった遊技者にとって不利益をもたらす遊技性となっている。このため、電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口19側に発射位置を狙い定めることはないものと推定される。したがって、電サポ無し状態中においては、特図2作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、また発生率の低い特図2作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
なお前述の変形例では、遊技状態に応じて、特別図柄1側の先読み禁止区間(先読み禁止状態の期間)と特別図柄2側の先読み禁止区間とを切り替え可能に構成されているが、本発明はこれに限られない。たとえば、特別図柄1側および特別図柄2側のいずれか一方の先読み判定は一切実施しないという構成としても良い。
次に、上記乱数判定処理(図12のS319、図16のS339)について説明する。図17(a)は、乱数判定処理の詳細を示すフローチャートである。この乱数判定処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、大当り判定用乱数値を利用した先読み判定に係る「当落抽選(入賞時(先読み)当落判定)」が行われる。
図17(a)において、CPU201は、まず取得した当り乱数判定テーブル(図14)を参照して、大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルが示す判定値とを比較し、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かを判定し(S351)、現在の遊技状態に応じた大当り判定フラグと小当り判定フラグとを取得する(S352)。なお、ここで参照される当り乱数判定テーブルは、図12の特図1始動口チェック処理中においては、S317の処理で取得された図14(イ)の特図1用当り乱数判定テーブル、図16の特図2始動口チェック処理中においては、S337の処理で取得された図14(ロ)の特図2用当り乱数判定テーブルである。
上記当り乱数判定テーブルについて説明する。図14に、当り乱数判定テーブルを示す。なお図14(イ)は、特図1用当り乱数判定テーブルを、同図(ロ)は特図2用当り乱数判定テーブルを例示した図である。
本実施形態の当り乱数判定テーブルには、大当り抽選確率状態(高確率状態(高確)、低確率状態(低確))と、大当り判定用乱数値(大当り判定用乱数の大きさ:65536)に応じて当り種別(大当りか小当りかハズレの別)を決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、大当りか小当りかハズレかの別が決定されるようになっている。したがって、取得した大当り判定用乱数値が同じ判定値に属する場合(大当り判定用乱数値が同じ値)であっても、現在の大当り抽選確率状態が、高確率状態であるか低確率状態であるかにより、一方では「大当り」、他方では「ハズレ」となるといったように、当り種別が異なる場合がある。
図14(イ)を参照して、特図1用当り乱数判定テーブルについて説明する。
(大当り当選について)
本実施形態の特図1用当り乱数判定テーブルにおいて、大当りの当否に関しては、大当り判定用乱数値が判定値10001〜10165の範囲に属する場合は、低確率状態、高確率状態ともに大当り判定フラグが「5AH」となり、「大当り当選」となっている。他方、大当り判定用乱数値が判定値10166〜11650の範囲に属する場合は、大当り抽選確率状態に応じて当否が別れ、高確率状態下では大当り判定フラグが「5AH」となり「大当り当選」となるが、低確率状態下では大当り判定フラグが「00H」となり「大当り非当選」となっている。なお、大当り判定フラグが「5AH」となる判定値以外は、「大当り非当選」となる。また本実施形態の大当り当選確率は、低確率状態では約1/397で、高確率状態では低確率状態よりも10倍程度、当選確率が上昇した約1/39.7で、大当りに当選するようになっている。
(小当り当選について)
また小当りの当否に関しては、大当り判定用乱数値が判定値20001〜20112の範囲に属する場合には、低確率状態、高確率状態ともに小当り判定フラグが「5AH」となり「小当り当選」、それ以外の判定値に属する場合には、「小当り非当選」となっている。つまり、小当りの当選確率は大当り抽選確率状態にかかわらず一定であり、この点、大当り抽選確率状態により当選確率が変動する上記の大当りと性格を異にする。なお本実施形態の小当りの当選確率は、大当りの当選確率よりも低い、約1/585となっている。しかし本発明はこれに限らず、大当りの当選確率と同一またはそれよりも高く定めても良い。
(ハズレについて)
なお大当り判定用乱数値が、大当り判定フラグが「00H」、かつ小当り判定が「00H」となる判定値に属する場合は、「大当り」および「小当り」のいずれにも当選しなかったことになり、今回の当落判定結果は‘ハズレ’となる。
次に図14(ロ)を参照して、特図2用当り乱数判定テーブルについて説明する。
本実施形態の特図2用当り乱数判定テーブルは、特図1用当り乱数判定テーブルと次の点が異なる。上述した特図1用当り乱数判定テーブルでは、大当り判定用乱数値が判定値20001〜20112の範囲に属する場合、低確率状態と高確率状態ともに小当り判定フラグが「5AH」となり小当り当選となる。しかし、この特図2用当り乱数判定テーブルでは、小当り当選となる判定値自体が存在していない。すなわち、特別図柄変動表示ゲーム1では、大当り、小当り、およびハズレが当落抽選対象とされるが、特別図柄変動表示ゲーム2では、大当りとハズレだけが当落抽選対象とされる。勿論、特図2用当り乱数判定テーブルについても、小当りを当落抽選対象として定めても良い。なお、特図2用当り乱数判定テーブルにおける大当りの当選確率は、特図1用当り乱数判定テーブルと同じ当選確率となっている。
ここで本実施形態では、S352の処理で取得した大当り判定フラグの状態(5AHまたは00H)を、CPU内蔵の汎用レジスタ(ここでは、Aレジスタ)に取り込み(ロードし)、小当り判定フラグの状態(「5AH」または「00H」)を、他の汎用レジスタ(ここでは、Dレジスタ)に取り込み、大当り判定フラグと小当り判定フラグとをレジスタに保持した状態で、この乱数判定処理を抜ける。つまりCPU201は、AレジスタとDレジスタとに取り込んだ当落抽選結果をRAM203には格納せず、各々のレジスタに保持したまま、この乱数判定処理を抜けるようになっている。なお、各々のレジスタに保持するのではなくRAM203に記憶させるようにしてもよい。
次に、特別停止図柄データ作成処理(図12のS322、図16のS342)について説明する。図17(b)は、特別停止図柄データ作成処理の詳細を示すフローチャートである。この特別停止図柄データ作成処理は、上記乱数判定処理と同じく‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、特別図柄判定用乱数値を利用した先読み判定に係る「図柄抽選(先読み図柄判定)」が行われる。
図17(b)において、CPU201は、まず取得した図柄テーブル選択テーブル(図15)を参照して、乱数判定処理(図12のS319、図16のS339)で得られた当落抽選結果、すなわちレジスタA、Dに保持された大当り判定フラグの状態と小当り判定フラグの状態に応じた図柄テーブル(詳細は後述する)を取得する(S361)。なお、ここで参照される図柄テーブル選択テーブルは、図12の特図1始動口チェック処理中においては、S320の処理で取得された図15(イ)の特図1用図柄テーブル選択テーブル、図16の特図2始動口チェック処理中においては、S340の処理で取得された図15(ロ)の特図2用図柄テーブル選択テーブルである。
図15に、図柄テーブル選択テーブルを示す。なお図15(イ)は、特図1用図柄テーブル選択テーブルを、同図(ロ)は特図2用図柄テーブル選択テーブルを例示した図である。
図15(イ)を参照して、特図1用図柄テーブル選択テーブルについて説明する。本実施形態の特図1用図柄テーブル選択テーブルには、当落抽選結果と後述の図柄テーブル種別(図18、図20参照)とが関連付けて定められており、具体的には、当落抽選結果に基づき、複数種類の図柄テーブルのうちからいずれかの一つの図柄テーブルが決定されるようになっている。この特図1用図柄テーブル選択テーブルにより、当落抽選結果が大当りの場合には「大当り図柄テーブル1(図18(イ))」が、小当りの場合には「小当り図柄テーブル(図18(ハ))」が、ハズレの場合には「ハズレ図柄テーブル1(図20(イ))」が決定される。これら図柄テーブルについての詳細は図18、図20にて後述する。
次に図15(ロ)を参照して、特図2用図柄テーブル選択テーブルについて説明する。この特図2用図柄テーブル選択テーブルは、特図1用図柄テーブル選択テーブルの構成と同じように、当落抽選結果に基づき、複数種類の図柄テーブルのうちからいずれかの一つの図柄テーブルが決定されるようになっている。ただし、特図2用当り図柄テーブル選択テーブルにおいては、当落抽選結果が大当りの場合には「大当り図柄テーブル2(図18(ロ))」が、ハズレの場合には「ハズレ図柄テーブル2(図20(ロ))」が決定されるようになっており、小当りの場合の「小当り図柄テーブル(図18(ハ))」は含まれていない。これは、特別図柄変動表示ゲーム2側(特別図柄2側)では、「小当り」が当落抽選対象から除かれており、小当りに当選することがないためである。
上記S361の処理を具体的に説明すれば、特図1用図柄テーブル選択テーブルが参照される場合においては、当落抽選結果(大当り判定フラグの状態と小当り判定フラグの状態)が「大当り(大当り判定フラグ=5AH、小当り判定フラグ=00H)」である場合には「大当り図柄テーブル1」が、「小当り(大当り判定フラグ=00H、小当り判定フラグ=5AH)」である場合には「小当り図柄テーブル」が、「ハズレ(大当り判定フラグ=00H、小当り判定フラグ=00H)」である場合には「ハズレ図柄テーブル1」が取得される。また特図2用図柄テーブル選択テーブルが参照される場合においては、「大当り(大当り判定フラグ=5AH、小当り判定フラグ=00H」である場合には「大当り図柄テーブル2」が、「ハズレ:大当り判定フラグ=00H、小当り判定フラグ=00H」である場合には「ハズレ図柄テーブル2」が取得される。
次いで、S361の処理で取得した図柄テーブルを参照して、特別図柄判定データ、特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセット値を取得する(S362)。
上記の各図柄テーブルについて説明する。図18(イ)(ロ)に大当り図柄テーブルを、図18(ハ)に小当り図柄テーブルを、図20にハズレ図柄テーブルを示す。
本実施形態の各種の図柄テーブルには、図18、図20に示すように、「特別図柄判定用乱数値(特別図柄判定用乱数値の大きさ:200)」と、「特別図柄判定データ、特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセット」を決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、上記大当り種別、特別図柄判定データ、特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセットが決定されるようになっている。
上記「特別図柄判定データ」とは当り種別を識別するデータであり、具体的には、大当りである場合において(大当り判定フラグ=5AH、小当り判定フラグ=00Hの場合)、特別図柄判定データが「01H」の場合は‘13R開放確変大当り’、「02H」の場合は‘16R開放確変大当り’である旨を示す。また、小当りである場合において(大当り判定フラグ=00H、小当り判定フラグ=5AHの場合)、特別図柄判定データが「00H」の場合は‘小当りA’、「01H」の場合は‘小当りB’、「02H」の場合は‘小当りC’である旨を示す。なおハズレである場合においては(大当り判定フラグ=00H、小当り判定フラグ=00Hの場合)、特別図柄判定データが「00H」の場合は‘ハズレA〜C’である旨を示す。この特別図柄判定データは、遊技状態移行制御に関する処理(たとえば、後述のS411の遊技状態移行準備処理)や、大当り遊技に関する処理(たとえば、特別電動役物処理(S060))において利用されるデータである。
また上記の「特別停止図柄番号」とは、特別図柄表示装置に停止表示する特別停止図柄種別を指定するデータであり、主制御部50側において特別図柄の停止図柄種を特定する際に利用される。本実施形態では、図示のように、各判定値に応じた特別停止図柄番号が選択されるようになっており、たとえば、同じ13R開放確変大当りの場合であっても、判定値によっては特別図柄表示装置37、38に表示される特別停止図柄の表示態様(本実施形態では‘LED’の表示態様)が異なる場合がある。なお、後述の小当り図柄テーブルやハズレ図柄テーブルについても同様である。このように、当選種別が同じであっても、特別図柄判定用乱数値に応じた複数種類の特別停止図柄番号を定めることにより、特別図柄表示装置に表示される特別停止図柄を見ても、遊技者がどのような種類の大当りや小当りやハズレに当選したかの見分けがつき難いようになっている。
また上記の「変動パターン選択用オフセット(図中では、「オフセット値」と表記)」とは、後述の保留加算コマンドや変動パターン指定コマンドを選択する際に利用されるオフセットデータである。
図18(イ)(ロ)を参照して、大当り図柄テーブルについて説明する。なお図18(イ)は、大当り図柄テーブル1(特図1用大当り図柄テーブル)を、同図(ロ)は、大当り図柄テーブル2(特図2用大当り図柄テーブル)を例示した図である。
本実施形態の大当り図柄テーブル1には、主として、特別図柄判定用乱数値と、大当り種別を決定するための判定値とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、複数種類の大当りのうちからいずれか一つの大当りが決定されるようになっている。図示の大当り図柄テーブル1の「判定値」の欄を参照すれば、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜194の範囲に属する場合には「13R開放確変大当り」当選となり(図柄選択率(図柄抽選確率):195/200)、判定値195〜199の範囲に属する場合には「16R開放確変大当り」当選となる(図柄選択率:5/200)。なお、後述の小当り図柄テーブル(図18(ハ))も同様にして、小当り種別(小当りA〜C)が所定の図柄選択率で決定されるようになっており、また後述のハズレ図柄テーブル(図20)も同様して、ハズレ種別(ハズレA〜C)が所定の図柄選択率で決定されるようになっている。
本実施形態の大当り図柄テーブル2は、上述の大当り図柄テーブル1と基本的な構成は同じであるが、上記大当り図柄テーブル1と次の点が異なる。大当り図柄テーブル2では、大当り図柄テーブル1と比較し、特定の大当りの図柄選択率(図柄抽選確率)が異なる。具体的には、判定値0〜39の範囲に属する場合には「7R開放確変大当り」当選となり(図柄選択率(図柄抽選確率):40/200)、判定値40〜79の範囲に属する場合には「12R長開放確変大当り」当選となり(図柄選択率:40/200)、判定値80〜199の範囲に属する場合には「16R開放確変大当り」当選となり(図柄選択率:120/200)、大当り図柄テーブル1による図柄抽選よりも大当り図柄テーブル2による図柄抽選の方が相対的に高い利益の大当りが選択される確率が高く、遊技者にとって有利な図柄抽選となっている。つまり、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の抽選を受ける方が遊技者にとって有利なゲーム展開とされる。
次に図18(ハ)を参照して、小当り図柄テーブルについて説明する。本実施形態の小当り図柄テーブルは、上記の大当り図柄テーブルの構成と同じように、特別図柄判定用乱数値がいずれかの判定領域(判定値)に属するか否かにより、小当り種別(小当りA〜Cのいずれか)、特別図柄判定データ、特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセットが決定されるようになっている。
次に図20を参照して、ハズレ図柄テーブルについて説明する。なお図20(イ)は、ハズレ図柄テーブル1(特図1用ハズレ図柄テーブル)を、同図(ロ)はハズレ図柄テーブル2(特図2用ハズレ図柄テーブル)を例示した図である。
本実施形態の各ハズレ図柄テーブル1、2は、上記の大当り図柄テーブルや小当りテーブルの構成と同じように、特別図柄判定用乱数値がいずれかの判定領域(判定値)に属するか否かにより、ハズレ種別(ハズレA〜Cのいずれか)、特別図柄判定データ、特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセットが決定されるようになっている。なお図示のように、ハズレ図柄テーブル1とハズレ図柄テーブル2とは、ハズレA〜Cの当選に係る判定値が異なっている。したがって、特別図柄判定用乱数値が同じ値であっても、ハズレ図柄テーブル1が参照される場合と、ハズレ図柄テーブル2が参照される場合とでは、当選となるハズレ種別が異なる場合がある。
S362の処理において、上記した図柄テーブルから得られた各種のデータ(先読み判定における図柄抽選結果:特別図柄判定データ、特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセット)に関しては、特別図柄判定データはAレジスタに、特別停止図柄番号はBレジスタに、変動パターン選択用オフセットはCレジスタにそれぞれ取り込まれる。この状態で、この特別停止図柄データ作成処理を抜けて、始動口入賞時乱数判定処理に進む(図12の特図1始動口チェック処理中であればS323に進み、図16の特図2始動口チェック処理中であればステップ343に進む)。すなわちCPU201は、Aレジスタ、Bレジスタ、およびCレジスタに取り込んだデータをRAM203に格納せずに、各々のレジスタに保持したまま、特別停止図柄データ作成処理を抜ける。
今回の特別停止図柄データ作成処理で得られた判定結果(先読み判定における図柄抽選結果)の各種データは、続く始動口入賞時乱数判定処理で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることはない。したがって、この判定結果をRAM203に格納せずにレジスタに保持した状態のままで特別停止図柄データ作成処理を抜けても問題はない。なお、レジスタに保持するのではなくRAM203に記憶させるようにしてもよい。
次に、始動口入賞時乱数判定処理(図12のS323、図16のS343)について説明する。図17(c)は、始動口入賞時乱数判定処理の詳細を示すフローチャートである。この始動口入賞時乱数判定処理では、乱数判定処理(S319、S339)や特別停止図柄データ作成処理(S322、S342)と同じく、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、後述の「保留加算コマンド」の作成に利用される入賞コマンドデータ(2バイト目(EVENT):下位バイト)の作成処理が行われる。この始動口入賞時乱数判定処理において決定される入賞コマンドデータ(EVENT)により、先読み変動パターン(保留球数情報は除く)が指定される。
この始動口入賞時乱数判定処理では、先読み変動パターンを指定するための入賞コマンドデータ(EVENT)を決定する処理として、以下の(a)および(b)の処理を含んで構成されている。
(a)入賞コマンド振分テーブル選択テーブル(図21)を参照し、変動パターン選択用オフセット値と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに応じた入賞コマンド振分テーブル(図22、図23)を決定する「入賞コマンド振分テーブル決定処理(S371〜S373)」と、
(b)上記入賞コマンド振分テーブルに基づき、入賞コマンドデータ(保留加算コマンドの下位バイト側(EVENT))を決定する「入賞コマンドデータ決定処理(S373〜S374)」と、を含んで構成される。
ここで上記「変動パターン振分指定番号(Tcode)」とは、‘変動パターン選択モード’として機能するものであり、現在の遊技状態を識別するデータである。具体的には、変動パターン振分指定番号(Tcode)が「00H」の場合は「通常A」を示し、「01H」の場合は「通常B」を示し、「02H」の場合は「通常C」を示し、「03H」の場合は「確変状態(確変)」を示す。この変動パターン振分指定番号(Tcode)は、遊技状態に変化があった場合に変更されるようになっている。したがって、変動パターン振分指定番号(Tcode)は上記のような遊技状態を識別する点で、後述の遊技状態判定番号(YJ)のように内部遊技状態そのものを識別するデータとは異なる。以下に、上記(a)および(b)の処理の仕方について、具体的に説明していく。
図17(c)において、CPU201は、まず上記特別停止図柄データ作成処理(S322、S342)で得られた「変動パターン選択用オフセット値」を補正する(S371:入賞時変動パターン選択用オフセット補正処理)。ここでは、図21の入賞コマンド振分テーブル選択テーブルから入賞コマンド振分テーブルを選択するためのデータとして、上記特別停止図柄データ作成処理で得られた変動パターン選択用オフセット値に対して所定の補正処理を行い、新たな変動パターン選択用オフセット値を取得する処理を行う。
図19を参照しながら、S371の入賞時変動パターン選択用オフセット補正処理について説明する。図19は、入賞時変動パターン選択用オフセット補正処理の説明に供する図であり、同図(イ)に上記特別停止図柄データ作成処理で得られた変動パターン選択用オフセット値(以下、「入賞時補正前オフセット値」と称する)とその内容の一覧を示し、同図(ロ)に補正処理後の変動パターン選択用オフセット値(以下、「入賞時補正後オフセット値」と称する)とその内容の一覧を示す。
図19(イ)において、たとえば、入賞時補正前オフセット値が「00H」の場合、特図1作動保留球(図中では「特図1」と表記)を対象とした当落抽選と図柄抽選に基づく先読み判定結果が「ハズレA」を示す。また入賞時補正前オフセット値が「04H」の場合、特図2作動保留球(図中では「特図2」と表記)を対象とした当落抽選と図柄抽選に基づく先読み判定結果が「ハズレA」を示し、その他、特別停止図柄データ作成処理で得られた変動パターン選択用オフセット値とその内容が示してある(図18、図20に示した図柄テーブルの「オフセット値」の欄参照)。なお、図中の「特図1」とは特図1作動保留球側を、「特図2」とは特図2作動保留球側を示す。
なお図19(イ)に示す入賞時補正前オフセット値は、一部飛び飛びの値をとっているが、その理由は次の通りである。
先読み予告演出のバリエーションを豊富なものとする場合、変動開始時の変動パターンの大まかな内容が先読み変動パターンにより指定されるといった関係上、大当り抽選結果だけでなく変動パターン用乱数をも利用して先読み変動パターンを判定することが必要であり、双方に共通性を持たせた簡便な制御処理が望まれる。本実施形態では、制御負担を軽減させるべく、入賞時処理の乱数判定処理(S319、S339)を、変動開始時処理の特別電動役物作動判定用乱数判定処理(後述のS409)において共通の処理モジュールとして利用し、また入賞時処理における特別停止図柄データ作成処理(S322、S342)を、変動開始時処理における特別停止図柄作成処理(後述のS410)において共通の処理モジュールとして利用する。このため、入賞時処理において得られる変動パターン選択用オフセット(上記S371の補正処理前のオフセット値)と、変動開始時処理において得られる変動パターン選択用オフセット値(後述のS441の補正処理前のオフセット値)とが同じ値を取り、また同じ指定内容を持つオフセット値となる。
また図柄変動表示ゲーム中における演出のバリエーションを豊富なものとする場合、特別図柄の変動パターンの種類を増加させる必要性があることから、変動開始時処理において利用される変動パターン選択用オフセット値は、作動保留球数を考慮した内容となっているが、先読み判定時においては作動保留球数を考慮しない。これは、先読み判定時の作動保留球数が変動開始時の作動保留数と必ずしも一致しないため、正確な変動開始時の変動パターンの内容を先読み判定することができないからである。このような理由から、入賞時・変動開始時における補正処理前の変動パターン選択用オフセットは、作動保留球数を考慮した空き番を作って一部飛び飛びの値としている(オフセット値01H〜03H、05H〜06Hを空き番としている)。
入賞コマンド振分テーブル選択テーブルは、メモリ容量の削減やプログラムを簡潔にするべく、連続したアドレスを利用して入賞コマンド振分テーブルを選択可能に構成してある。そこで本実施形態では、入賞コマンド振分テーブル選択テーブルに基づく入賞コマンド振分テーブルのアドレス検索が容易になるように、入賞時補正前オフセット値に、次に述べる補正処理を施し、飛び飛びの値から連続した値に補正することにより、入賞コマンド振分テーブルを選択する際の処理を簡便化して、制御負担を軽減している。
上記S371の補正処理では、入賞時補正前オフセット値が「06H」を超えるものである場合には(入賞時補正前オフセット値>06Hの場合)、当該入賞時補正前オフセット値から「06H」を減算し、上記入賞時補正前オフセット値が「06H」を超えるものでない場合には(入賞時補正前オフセット値≦06Hの場合)、当該入賞時補正前オフセット値を「00H」に変更する。
この補正処理で得られた新たな変動パターン選択用オフセット値(入賞時補正後オフセット値)とその内容は、図19(ロ)のようになる。本実施形態では、このオフセット値を利用し、入賞コマンド振分テーブル選択テーブルから目的とする入賞コマンド振分テーブルを選択するようになっている(S372〜S373)。
S371の補正処理を終えると、入賞コマンド振分テーブル選択テーブルを取得し(S372)、その入賞コマンド振分テーブル選択テーブルを参照して、補正した変動パターン選択用オフセット値と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに応じた、入賞コマンド振分テーブルを取得する(S373)。
図21に、入賞コマンド振分テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の入賞コマンド振分テーブル選択テーブルには、変動パターン選択用オフセット値と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに関連付けられた複数種類の入賞コマンド振分テーブルが定められている。具体的には、変動パターン選択用オフセット値と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに基づき、複数種類の入賞コマンド振分テーブルのうちからいずれか一つの入賞コマンド振分テーブルが決定されるようになっている。
上記入賞コマンド振分テーブル選択テーブルには、変動パターン選択用オフセット値と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに応じた入賞コマンド振分テーブルのアドレス値が記憶されており、メモリ容量の削減やプログラムを簡潔にするべく、変動パターン選択用オフセット値に対応するように連続したアドレスを利用したデータ構成となっている。入賞コマンド振分テーブルの選択は、まず変動パターン振分指定番号(Tcode)に対応した入賞コマンド振分テーブル選択テーブルを選択して、変動パターン選択用オフセット値に応じた入賞コマンド振分テーブルを選択する。すなわち、変動パターン振分指定番号(Tcode)ごとに選択した入賞コマンド振分テーブル選択テーブルには、入賞コマンド振分テーブルを規定する先頭アドレス値が記載されているが、このアドレス値に対して、変動パターン選択用オフセット値(ここでは、後述のS371の補正処理で得られたオフセット値)を加算する加算処理を施し、先頭アドレスに対する相対アドレスを取得して目的の入賞コマンド振分テーブルのアドレス値を特定することにより、入賞コマンド振分テーブルを選択することができるようになっている。
なお、図21の入賞コマンド振分テーブル選択テーブル中の「通常A」「通常B」「通常C」は、通常遊技状態でもバリエーションに富んだ演出を行うために3種類のモードに分けたものである。具体的には、「通常A」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常A演出モード」と、「通常B」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常B演出モード」と、「通常C」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常C演出モード」と、「確変状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「確変演出モード」とを含む各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。
CPU201は、S372の処理で入賞コマンド振分テーブル選択テーブルを取得した後、変動パターン用乱数値1を取得し(S374)、入賞コマンド振分テーブル(図22、図23)を参照して、変動パターン用乱数値1に応じた「入賞コマンドデータ」を取得する(S375)。
上記の入賞コマンド振分テーブルについて説明する。図22に当り時に選択される当り入賞コマンド振分テーブルを、図23にハズレ時に選択されるハズレ入賞コマンド振分テーブルを示す。
図22を参照して、本実施形態の当り入賞コマンド振分テーブルには、複数種類の当り入賞コマンド振分テーブル「a1〜a6」が含まれ、ハズレ入賞コマンド振分テーブルには複数種類のハズレ入賞コマンド振分テーブル「h1〜h9」が含まれる。これら入賞コマンド振分テーブルには、変動パターン用乱数値1(変動パターン用乱数値1の大きさ:239)と入賞コマンドデータ(EVENT)とが関連付けて定められており、具体的には、変動パターン用乱数値1を利用した抽選により、複数種類の入賞コマンドデータのうちからいずれか一つの入賞コマンドデータが決定されるようになっている。上記「変動パターン用乱数値1」は、変動開始時の変動パターンを決定するときにも利用される乱数である(後述の特別図柄変動パターン作成処理(S412))。本実施形態では、先読み判定に係る処理と変動開始時の変動パターンの決定に係る処理とで同じ変動パターン用乱数値1を利用することで、将来決定されることとなる変動開始時の変動パターン種別が、どのような変動パターン種別に決定されるのかを事前に先読み判定することができるようになっている。
なお図中の「先読み変動パターン判定内容」は、入賞コマンドデータ(EVENT)により指定される先読み変動パターンの内容を示している。また図中のアラビア数字は振分値(判定領域の大きさ)を示し、たとえば、図示の当り入賞コマンド振分テーブルa2の欄を参照すれば、「弱SPリーチA」を指定する入賞コマンドデータ「0EH」は、50/239(振分値/抽選領域の大きさ)の割合で選択される。
ここで図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、変動パターン用乱数値1に応じて、入賞コマンドデータ(EVENT)を決定するための判定領域(判定値)が定められている。すなわち、変動パターン用乱数値1がどの判定値に属するのか否かにより、入賞時処理において「入賞コマンドデータ(EVENT)」が決定されるようになっている。
図示の振分値と判定値との関係は次のようになっている。たとえば、当り入賞コマンド振分テーブル「a2」を代表例にとって説明すれば、図面正面上から下の列方向に見て振分値が最初に記載されている箇所から参照すると、振分値が「50」、「80」、「39」、「70」の順に記載されているが、この内容は、変動パターン用乱数値1が、判定値0〜49の範囲(上記振分値「50」の記載欄に対応)に属する場合は「弱SPリーチA」を指定するコマンド「0EH」が選択され、判定値50〜129の範囲(上記振分値「80」の記載欄に対応)に属する場合は「強SPリーチA」を指定するコマンド「0FH」が選択され、判定値130〜168の範囲(上記振分値「39」の記載欄に対応)に属する場合は「弱SPリーチB」を指定するコマンド「10H」が選択され、判定値169〜238の範囲(上記振分値「80」の記載欄に対応)に属する場合は「強SPリーチB」を指定するコマンド「11H」が選択されるという内容を意味している。同様に、たとえばハズレ入賞コマンド振分テーブル「h2」を代表例にとって説明すれば、振分値が「150」、「89」の順に記載されているが、この内容は、判定値0〜149の範囲(上記振分値「150」の記載欄に対応)に属する場合は「弱SPリーチA」を指定するコマンド「04H」が選択され、判定値150〜238の範囲(上記振分値「89」の記載欄に対応)に属する場合は「強SPリーチA」を指定するコマンド「05H」が選択されるという内容を意味している。
上記当り用入賞コマンド振分テーブルには、当り時の先読み変動パターンを指定する当り入賞コマンドデータとして、次のようなものが含まれる。小当り当選を指定するものとして、「通常A」中または「通常B」中において使用される「小当り当選用1」を指定するコマンドデータ、「通常C」中において使用される「小当り当選用2」の指定するコマンドデータ、「確変状態」中において使用される「小当り当選用3」を指定するコマンドデータなどが含まれる。また7R・13R・12R・16R開放確変大当り当選を指定するものとして、「通常A」中または「通常B」中において使用される「弱SPリーチA」「弱SPリーチB」「強SPリーチA」「強SPリーチB」を指定する各コマンドデータ、「通常C」中において使用される「特殊リーチ」を指定するコマンドデータ、「確変状態」中において使用される「確変中リーチ」を指定するコマンドデータなどが含まれる。
また上記ハズレ入賞コマンド振分テーブルには、ハズレ時の先読み変動パターンを指定するハズレ入賞コマンドデータとして、次のようなものが含まれる。リーチ有り変動パターンを指定するものとして、「通常A」中または「通常B」中において使用される「弱SPリーチA」「弱SPリーチB」「強SPリーチA」「強SPリーチB」を指定する各コマンドデータ、「通常C」中において使用される「特殊リーチ」を指定するコマンドデータ、「確変状態」中において使用される「確変中リーチ」を指定する入賞コマンドデータなどが含まれる。また「ハズレ」の場合は「当り」の場合とは異なり、大当り当選の可能性がゼロであるため、リーチ無しとするハズレ変動パターン(通常変動パターン)が含まれる。このリーチ無しとする通常変動パターン種を指定するものとして、「通常A」中、「通常B」中、または「通常C」中において使用される「通常変動」を指定するコマンドデータと、「確変状態」中に使用される「通常変動(2s)」を指定するコマンドデータなどが含まれる。
なお図中の「不定(通常変動・リーチ)」を指定するハズレ入賞コマンドデータ「03H」とは、先読み判定時において、変動開始時の変動パターンが通常変動パターンであるのか、リーチ有り変動パターンであるかが不明である旨を指定するコマンドデータである。これは、変動開始時の変動パターンの判定段階では作動保留球数を考慮して変動パターン決定されるようになっているが(後述のS412の特別図柄変動パターン作成処理)、先読み判定時においては、先読み判定時の作動保留球数が変動開始時の作動保留数と必ずしも一致しないため、正確な変動開始時の変動パターンを先読み判定することができない。このため、先読み変動パターンの判定段階においては、作動保留球数を考慮せずに変動パターンを決定することとし、変動パターン用乱数値1が「210〜238」の場合は、通常変動パターンであるのか、リーチ有り変動パターンであるのかについて判断できないことに起因する。
再びS375の説明に戻る。上記S375の処理において、上記入賞コマンド振分テーブルから得られた入賞コマンドデータ(EVENT)は、Cレジスタに取り込まれ、この状態で、この始動口入賞時乱数判定処理を抜けるようになっている。つまり、CPU201は、Cレジスタに取り込んだ入賞コマンドデータ(EVENT)をRAM203には格納せず、レジスタに保持したまま、この始動口入賞時乱数判定処理を抜ける。
今回の始動口入賞時乱数判定処理で得られた判定結果(入賞コマンドデータ)は、後続の保留加算コマンドを作成処理で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることはない。したがって、この判定結果をRAM203に格納せずに所定のレジスタに保持した状態のままで上記始動口入賞時乱数判定処理を抜けても問題はない。なお、レジスタに保持するのではなくRAM203に記憶してもよい。
次に、保留加算コマンドについて説明する。既に説明したように、CPU201は、上記始動口入賞時乱数判定処理(図12のS323、図16のS343)を終えると、続いて、上記始動口入賞時乱数判定処理で得られた下位バイト側の入賞コマンドデータ(EVENT)と現在の作動保留球数に基づく上位バイト側の入賞コマンドデータ(MODE)とに基づいて、「保留加算コマンド」を作成し、これをRAM203に格納することなく、演出制御部51に送信する(図12のS324〜S326、図16のステップ344〜S346参照)。
保留加算コマンドは、2バイトの制御データで構成される。具体的には、作動保留球数と特別図柄種別(特別図柄1および特別図柄2)とに応じて作成される上位バイト(1バイト目(MODE)と、S323の始動口入賞時乱数判定処理で作成される下位バイト(2バイト目(EVENT))とから構成される。したがって、保留加算コマンドには、先読み判定に関する一連の処理(S317〜S323)において得られた先読み判定結果情報、具体的には、先読み変動パターンの情報が含まれる。なお本実施形態では、「作動保留球数と特別図柄種別の情報」および「先読み変動パターンの情報」を一緒に含めた形態の保留加算コマンドを作成し、これを演出制御部51に送信可能な構成となっているが、本発明はこれに限られない。たとえば、作動保留球数と特別図柄種別(特別停止図柄番号)または当り種別(特別図柄判定データ)との情報を含む第1の保留加算コマンドと、先読み変動パターンの情報を含む第2の保留加算コマンドとに分け、各々の情報を別々の演出制御コマンドにより演出制御部51に送信する構成であっても良い。
上記保留加算コマンドが主制御部50から送信されると、これを受けた演出制御部51は、その保留加算コマンドに含まれる情報に基づく先読み予告演出の実行可否に関する抽選(先読み予告抽選)を行い、その抽選結果により実行可と決定された場合(先読み予告抽選に当選した場合)、図柄変動表示ゲームの開始と共に、またはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とする先読み予告演出を現出させる。また演出制御部51は、保留加算コマンドを受けた場合、先読み予告演出を現出させるか否かにかかわらず、始動口に入賞があった旨を報知する「入賞演出」を現出させることができる。
次に、特別図柄変動開始処理(S305)について説明する。図24は、図11の特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
特別図柄作動順確認フラグのビット0を読み出す処理を行う(S399)。この特別図柄作動順確認フラグのビット0とは、図13の図示右端の次回変動順フラグを記憶しているビットである。この次回変動順フラグは「0」であるか否かの判定を行う(S400)。「1」である場合にはS400によりNOの判断がなされ制御がS402へ進み、特別図柄1作動保留球数は「00H」であるか否かの判定を行う。特別図柄1作動保留球数が存在する場合にはS402によりNOの判断がなされて制御がS403以降へ進む。一方、特別図柄1作動保留球数が存在しない場合には制御がS417へ進む。S417において、特別図柄作動ステータスが「00H」であるか否かの判定を行い、「00H」の場合にはこの特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特別図柄作動ステータスが「00H」でない場合には、特別図柄作動ステータスを「00H」に更新し、デモ表示コマンドを演出制御部51へ送信する処理を行う(S419)。その結果、画像表示装置25によりデモ表示が表示されることとなる。S418により、特別図柄作動ステータスが「00H」に更新されたことにより、以降S306の特別図柄変動開始処理が実行されることとなる(図11参照)。
次に、S403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(S403〜S416)を行う。
なお特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(S401:YES、かつS402:YES)、この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中でかつ保留記憶なしの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御部51側に知らせる。そこで、「作動保留球なし」になった場合は、S417に進み、特別図柄動作ステータスが00H(待機中)であるか否か判定する。00H(待機中)でない場合には、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに00Hを格納:S418)、演出制御コマンドとして、デモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部51に送信する(S419)。演出制御部51は、このデモ表示コマンドを受けてから所定時間経過しても図柄変動表示ゲームに係る演出制御コマンド(たとえば、保留加算コマンド)を受けない場合、変動表示動作が一定時間行われない状態(客待ち待機状態)が発生したとみなし、画像表示装置25において、遊技待機状態中を報知する「デモ画面表示」を行うこととしている。
特図1作動保留球数または特図2作動保留球数がゼロでない場合は(S401:NOまたはS402:NO)、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(S403〜S416)を行っていく。なお、以下に説明するS403〜S416の処理については、上記のS401の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のS402の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理なのか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理なのかという区別せずに説明していく。
S403に進むと、作動保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る作動保留球数−1:S403)、減算後の作動保留球数情報が含む「保留減算コマンド」を演出制御部51に送信する(S404)。なお、
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(S405)。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、たとえば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H」を特別図柄作動確認データに格納する。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(S406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(S407)。このS406〜S407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数1、および変動パターン用乱数2)を読み出し、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(S406)、保留4記憶エリアをクリアする(S407)。つまり、保留1記憶エリアの保留データを判定用乱数記憶エリアにシフトするとともに、保留2記憶エリア以降の保留データを1つずつ下位側の番号(保留2記憶エリア→保留1記憶エリア、保留3記憶エリア→保留2記憶エリア、保留4記憶エリア→保留3記憶エリア)にそれぞれシフトして上書きし、保留4記憶エリアに空き領域を設ける(新たな作動保留球が発生しない場合は、S407の処理を行うごとに空き領域が順次シフトされていくので、全作動保留球消化時には、全保留記憶エリアが空き領域となる)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球がいずれの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能になる。
次に、図13に示した特別図柄作動順確認フラグを1ビットシフトする処理を行う(S407a)。具体的には、次回変動順フラグを消去した上で、2〜8回目変動順フラグについてはn回目変動順フラグをn−1回目変動順フラグの記憶エリアにシフトする。
次いで、残り時短回数コマンド送信処理を行う(S408)。ここでは、後述の特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタ)がゼロであるか否かを判定し、残りの時短回数がある場合は、その残り時短回数情報を含む「残り時短回数コマンド」を演出制御部51に送信する(S408)。この「残り時短回数コマンド」は、演出制御部51側において、残りの時短回数情報を報知する際に利用される。
次いで、特別電役物作動判定用乱数判定処理を行う(S409)。この特別電役物作動判定用乱数判定処理では、大当り判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「当落抽選」を行う。なお特別電役物作動判定用乱数判定処理は、「当落抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「乱数判定処理(図12のS319、図16のS339、その詳細を示す図17(a)参照)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、‘先読み判定’における「当落抽選」とは異なり、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「当落抽選」である。この特別電役物作動判定用乱数判定処理の詳細は図25にて後述する。
S409の特別電役物作動判定用乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄作成処理を行う(S410)。この特別停止図柄作成処理では、S409の特別電役物作動判定用乱数判定処理の当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行う。なお、特別停止図柄作成処理は、「図柄抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「特別停止図柄データ作成処理(図12のS322、図16のS339、その詳細を示す図17(b)参照)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは‘先読み判定’における「図柄抽選」とは異なり、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「図柄抽選」である。この特別図柄停止図柄作成処理の詳細は図26にて後述する。
S410の特別停止図柄作成処理を終えると、次いで、遊技状態移行準備処理を行う(S411)。この遊技状態移行準備処理では、遊技状態を移行させるための設定として、大当り遊技後の遊技状態を指定するために必要な設定処理を行う。ここで設定されたデータに基づき、大当り遊技後の遊技状態が特定される。
S411の遊技状態移行準備処理を終えると、次いで、特別図柄変動パターン作成処理を行う(S412)。この特別図柄変動パターン作成処理では、特別電役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果、特別停止図柄作成処理の図柄抽選結果、変動パターン用乱数1、および変動パターン用乱数2を利用し、今回の変動表示動作に供されることとなる特別図柄の変動パターンを決定するとともに、演出制御コマンドとして、その変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを作成する。なお、特別図柄変動パターン作成処理は、特別図柄の変動パターンを決定するといった点において‘先読み判定’処理の一つである始動口入賞時乱数判定処理および保留加算コマンドに関する作成処理(図12のS323〜S325、図16のS343〜S345、図17(c)参照)と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)が決定される。この特別図柄変動パターン作成処理の詳細は図27にて後述する。
次いで、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する(S413)。上記「特別図柄N変動中フラグ」とは特別図柄1、2のどちらの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄が停止中である旨を示す。なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1側に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2側に対応する。
次いで、S410の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し(S414)、演出制御部50に送信する(S415)。装飾図柄指定コマンドは、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、大当り種別、小当り、ハズレの別を指定する下位バイト(EVNET)の2バイトで構成される。したがって、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別情報の一部とが含まれる。具体的には、上位バイト(MODE)側は、変動側の特別図柄が特別図柄1の場合は「BBH」、特別図柄2の場合は「BCH」となっており、下位バイト(EVENT)側は、ハズレの場合は種別に関係なく「01H」、小当りの場合は種別も種別に関係なく「05H」、大当りの場合は、7R開放確変大当りが「02H」、12R開放確変大当りが「03H」、13R開放確変大当りが「04H」、16R開放確変大当りが「05H」が選択されるようになっている。この装飾図柄指定コマンドは、演出制御部51側において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せを決定する際に利用される。
そして、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアに00Hを格納する(ゼロクリアする)(S416)。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図11の特別図柄表示データ更新処理(S309)を行い、かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(S059)を抜けて、図5の特別電動役物管理処理(S060)に進む。
次に、上記の特別電役物作動判定用乱数判定処理(S409)について説明する。図25は、図24の特別電役物作動判定用乱数判定処理の詳細を示すフローチャートである。
図25において、CPU201は、まず特別図柄作動確認データに基づき、特図1用当り乱数判定テーブル(図14(イ)参照)か、または特図2用当り乱数判定テーブル(図14(ロ)参照)を取得し(S421)、判定用乱数記憶エリアに格納された大当り判定用乱数値を取得する(S422)。
次いで、乱数判定処理を行う(S423:変動開始時処理の乱数判定処理)。ここでは、S421の処理で取得した当り乱数判定テーブルを参照して、大当り判定用乱数値と現在の大当り抽選確率状態とに基づき、大当り判定フラグと小当り判定フラグとを取得する。そして、取得した大当り判定フラグの状態と小当り判定フラグの状態をレジスタ(AレジスタとDレジスタ)に取り込んだまま、この乱数判定処理を抜ける。
つまり、このS423の乱数判定処理は、「入賞時処理における乱数判定処理(特図1始動口チェック処理の乱数判定処理(図12のS319)、特図2始動口チェック処理の乱数判定処理(図16のS339))」と同じ処理の仕方となっている。すなわち、両者は共通の処理モジュールとして構成されており、その結果、同じプログラム構成を利用することができるようになっている。このように、入賞時処理の乱数判定処理と変動開始時処理の乱数判定処理とを共通の処理モジュールとして利用可能に構成することで、それぞれ別個独立した処理を設けた場合(別個独立したプログラムで記述する)よりもプログラム量やメモリ量の削減することができ、制御負担を軽減することができるようになっている。
特に本実施形態のような、先読み予告演出を発生させて遊技性を高めるといった「先読み機能付き遊技機」においては、先読み判定に係る処理が増えることに起因して、プログラム量を勢い増加せざるを得ない状況が発生し得る。しかしながら、パチンコ店に設置するような遊技機、具体的には、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則により、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部50が該当する)に装着されるROMのプログラム容量が制限されているため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係))、プログラム容量の削減は重要な意義を有する。
S423の乱数判定処理を抜けると、各レジスタに保持された大当り判定フラグと小当り判定フラグとを、RAM203の当り判定フラグ領域に格納する(S424)。なおS423の乱数判定処理により得られたデータを、RAM203に格納する理由は次の通りである。特別電役物作動判定用乱数判定処理の乱数判定処理において得られたデータ(大当り判定フラグ、小当り判定フラグ)は、直ちに利用されてその後に不必要となるといったデータではなく、後々の特別図柄変動パターン作成処理(S412)や、特別電動役物処理(S060)において必要となるデータだからである。上記S424の処理を終えると、特別電役物作動判定用乱数判定処理を抜けて、図24の特別停止図柄作成処理(S410)に進む。
次に、上記の特別停止図柄作成処理(S410)について説明する。図26は、図24の特別停止図柄作成処理の詳細を示すフローチャートである。図26において、CPU201は、まず特別図柄作動確認データに基づき、特図1用図柄テーブル選択テーブル(図15(イ)参照)か、または特図2用図柄テーブル選択テーブル(図15(ロ)参照)を取得する(S425)。
次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された特別図柄判定用乱数値を取得し(S426)、S409の特別電役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果、つまり大当り判定フラグと小当り判定フラグとを取得する(S427)。
次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(S428:変動開始時処理の特別停止図柄データ作成処理)。この特別停止図柄データ作成処理では、S425で取得した図柄テーブル選択テーブルを参照して、特別電役物作動判定用乱数判定処理の当落抽選結果に応じた図柄テーブル(図18、図20参照)を取得し、その図柄テーブルを参照して、S426で取得した特別図柄判定用乱数値に応じた特別図柄判定データ、特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセット値を取得する。そして、取得した特別図柄判定データ、特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセットをレジスタ(Aレジスタ、Bレジスタ、およびCレジスタ)に取り込んだ状態で、この特別停止図柄データ作成処理を抜ける。
S428の特別停止図柄データ作成処理は、「入賞時処理における特別停止図柄データ作成処理(特図1始動口チェック処理の特別停止図柄データ作成処理(図12のS322)、特図2始動口チェック処理の特別停止図柄データ作成処理(図16のS342))」と同じ処理内容となっている。すなわち、両者は共通の処理モジュールとして構成されており、その結果、同じプログラム構成を利用することができるようになっている。このように、入賞時処理の特別停止図柄データ作成処理と変動開始時処理の特別停止図柄データ作成処理とを共通の処理モジュールとして利用可能に構成することで、それぞれ別個独立した処理を設ける(別個独立したプログラムで記述する)よりもプログラム量やメモリ量の削減に寄与することができる。本実施形態では、S423の乱数判定処理に加え、S428の特別停止図柄データ作成処理をも、入賞時処理のものと共通の処理モジュールとして利用可能に構成されているので、さらなるプログラム量やメモリ量の削減に寄与し、制御負担を軽減することができるようになっている。
S428の特別停止図柄データ作成処理を抜けると、各レジスタに保持された、特別図柄判定データ、特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセットを、RAM203の所定領域に格納する(S429)。なおRAM203には、これらのデータを記憶するための専用の記憶領域(特別図柄判定データ記憶領域、特別図柄停止図柄番号記憶領域、変動パターン選択用オフセット用記憶領域)が設けられている。
ここで、S428の特別停止図柄データ作成処理により得られたデータを、RAM203に格納する理由は次の通りである。特別停止図柄作成処理の特別停止図柄データ作成処理において得られたデータ(特別図柄判定データ、特別停止図柄番号、および変動パターン選択用オフセット)は、S409の特別電役物作動判定用乱数判定処理で得られたデータと同じく、直ちに利用されてその後に不必要となるといったデータではなく、後々の特別図柄変動パターン作成処理(S412)や、特別電動役物処理(S060)において必要となるデータだからである。上記S429の処理を終えると、特別停止図柄作成処理を抜けて、図24の遊技状態移行準備処理(S411)に進む。
次に、上記の特別図柄変動パターン作成処理(S412)について説明する。図27は、図24の特別図柄変動パターン作成処理の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動パターン作成処理では、特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)を決定するための変動パターン指定コマンドを決定および作成する処理(S441〜S449)と、変動パターン指定コマンドを演出制御部51に送信する処理(S450)とを中心に構成されている。
特別図柄の変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドを決定する処理には、
(A)変動パターン振分テーブル選択テーブル(図29参照)を参照し、変動パターン選択用オフセット値と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに応じた変動パターン振分テーブル第1階層(図30、図31参照)を決定する「変動パターン振分テーブル第1階層決定処理(S441〜S443)」と、
(B)上記変動パターン振分テーブル第1階層を参照して、変動パターン用乱数1に応じた変動開始コマンドデータ1(変動パターン指定コマンドの上位バイト側(MODE)のデータ)と、変動パターン振分テーブル第2階層とを決定する「変動パターン振分テーブル第2階層決定処理(S444〜S445)」と、
(C)上記変動パターン振分テーブル第2階層を参照して、変動パターン用乱数2に応じた変動開始コマンドデータ2(変動パターン指定コマンドの下位バイト側(EVENT)のデータ)と、変動時間テーブル(図示せず)とを決定する「変動パターン決定処理(S446〜S447)」と、
(D)上記変動時間テーブルを参照し、特別図柄の変動時間を決定する「特別図柄変動時間設定処理(S448)と、
(E)上記変動開始コマンドデータ1と上記変動開始コマンドデータ2とに基づき、変動パターン指定コマンドを作成する「変動パターン指定コマンド作成処理(S449)」と、が含まれる。
なお詳細は追って説明するが、上記「変動パターン振分テーブル選択テーブル」とは、「変動パターン振分テーブル第1階層」を決定する際に利用されるデータである。また上記「変動パターン振分テーブル第1階層」とは、変動開始コマンドデータ1と変動パターン振分テーブル第2階層とを決定する際に利用されるデータである。また上記「変動パターン振分テーブル第2階層」とは、変動開始コマンドデータ2と変動時間テーブルとを決定する際に利用されるデータである。さらにまた「変動時間テーブル」とは、特別図柄の変動時間(変動表示動作時間)を決定する際に利用されるデータである。
また上記「変動開始コマンドデータ1」とは、特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)の骨子(ベース)となる「基本パターン(当り、ハズレの当否を含む)」を指定するものであり、変動パターン指定コマンドの上位バイト側(MODE)のデータである。また上記「変動開始コマンドデータ2」とは、上述の基本パターンの具体的内容である「詳細パターン」を指定するためのものであり、変動パターン指定コマンドの下位バイト側(EVENT)のデータである。したがって変動開始時の変動パターンを指定する上記「変動パターン指定コマンド」は、「変動開始コマンドデータ1(MODE)」と「変動開始コマンドデータ2(EVENT)」とからなる2バイトの制御データで構成される。この変動パターン指定コマンドが演出制御部51に送信されると、演出制御部51側は、変動開始時の変動パターン(特別図柄の変動パターン)を把握する。ここで、上述の「基本パターン」とは、複数種類の変動パターンをその変動態様の特徴に着目して、同じ系統の変動パターンを纏めてグループ化した‘変動パターン種別’(たとえば、「弱SPリーチA」種別や「弱SPリーチB」種別など)を指し、「詳細パターン」とは、その基本パターン(変動パターン種別)に含まれる‘変動パターンの種類’(たとえば、「弱SPリーチA1〜A3」や、「弱SPリーチB1〜B3」などの個々の変動パターン)を指す。なお本実施形態の「変動開始コマンドデータ1(MODE)」は、たとえばハズレの場合、変動パターン種別にかかわらず同じ値「A0H」となっているが(図31参照)、実際には、「変動開始コマンドデータ2(EVENT)」との組合せにより、当り、ハズレの別と変動パターン種が特定されるようになっている。つまり「変動開始コマンドデータ1(MODE)」は、基本パターンを特定しうるデータとしての役割も持たせても良いし、本実施形態のように、特定の当り(小当り)の場合は「A1H」、他の大当りの場合は「A2H」、ハズレの場合は「A0H」のように、当り、ハズレの別を特定しうるデータとしての役割を持たせても良い。
ここで本発明の理解を容易なものとするために、本実施形態における変動開始時の変動パターンの決定手順の概要を説明しておく。CPU201は、「変動パターン振分テーブル選択テーブル」により「変動パターン振分テーブル第1階層」を決定した後、その「変動パターン振分テーブル第1階層」を参照し、変動パターン用乱数値1に用いた抽選処理により‘変動パターン種別(基本パターン)’を決定する(S441〜S445)。このとき、‘変動パターンの種類(詳細パターン)’を決定するための「変動パターン振分テーブル第2階層」も決定する。次いで上記「変動パターン振分テーブル第2階層」を参照し、変動パターン用乱数値2を用いた抽選処理により、変動パターン種別に含まれる‘変動パターンの種類’を決定する(S446〜S447)。つまり本実施形態では、第1階層、第2階層といった階層構造を有して第1階層から順番に実行される階層的な処理を利用し、複数種類の変動パターン用乱数値を順次判定していくことにより、目的とする変動開始時の変動パターンが決定されるようになっている。
なお本実施形態では、第1階層において「変動パターン種別」が決定され、第2階層において、その具体的内容である「変動パターンの種類」が決定されるといった「二階層的な処理」を示したが、変動パターン用乱数がn(2≦n)個分取得される場合には、n階層的な処理を実行するといった構成も可能である。たとえば、変動パターン用乱数1〜3の3種類の乱数が取得されるような場合、第1階層においては、本実施形態の変動パターン種別よりもさらに上位的な変動パターン種別(たとえば、「弱SPリーチA」種別と「弱SPリーチB」種別とを同系統の変動パターン種別として纏めた‘弱SPリーチ’種別や、「強SPリーチA」種別と「強SPリーチB」種別とを同系統の変動パターン種別として纏めた‘強SPリーチ’種別などが該当する)を決定し、第2階層においては、その上位的な変動パターン種別に含まれる変動パターン種別(たとえば、「弱SPリーチ」種別であれば「弱SPリーチA」種別と「弱SPリーチB」種別)を決定し、第3階層において、第2階層で決定された変動パターン種別に含まれる‘変動パターンの種類’を決定するといった「三階層的な処理」を採用することができる。このような階層的な処理は、変動パターンの種類を豊富なものとする場合、1種類の変動パターン用乱数だけで決定すると処理が複雑化してしまう場合に有効な処理である。また先読み判定において変動開始時の変動パターンを予測する場合、本実施形態のように、同じ変動パターン用乱数(変動パターン用乱数値1)を用いて変動パターン種別の概要を判断することができる点においても有効である。
このようにして決定された変動パターンに関する情報は、その内容を特定可能とする、「変動パターン指定コマンド」により、主制御部50側から演出制御部51側へと送信される。演出制御部51側では、この変動パターン指定コマンドの内容に基づき、今回の図柄変動表示ゲーム中に展開する主要な演出シナリオが決定されることになる。以下に、上記(A)〜(E)の処理の仕方について、具体的に説明していく。
(A)変動パターン振分テーブル第1階層決定処理(S441〜S443)
図27において、CPU201は、まずS410の特別停止図柄作成処理で得られた変動パターン選択用オフセット値を補正する(S441:変動開始時変動パターン選択用オフセット補正処理)。ここでは、後述の変動パターン振分テーブル選択テーブル(図29)から、変動パターン振分テーブル第1階層(図30、図31)を選択するためのデータとして、上記特別停止図柄作成処理で得られた変動パターン選択用オフセット値に対して所定の補正処理を行い、新たな変動パターン選択用オフセット値を取得する処理を行う。
なお、既に説明したように、図28(イ)に示すS441の補正処理前の変動パターン選択用オフセット値(変動開始時補正前オフセット値)は、図19(イ)に示す入賞時処理において得られる変動パターン選択用オフセット値(入賞時補正前オフセット値)と同じ値をとるが、変動開始時の変動パターンを定める際には、これを作動保留球数に応じた変動パターン選択用オフセット値に補正する必要がある。この補正に係る処理がS411の変動開始時変動パターン選択用オフセット補正処理となっている。
図28を参照しながら、S441の変動開始時変動パターン選択用オフセット補正処理について説明する。図28は、S441の「変動開始時変動パターン選択用オフセット補正処理」の説明に供する図であり、同図(イ)に、特別停止図柄作成処理(図24のS410)で得られた変動パターン選択用オフセット値(以下、「変動開始時補正前オフセット値」と称する)とその内容の一覧を、同図(ロ)に補正処理後の変動パターン選択用オフセット値(以下、「変動開始時補正後オフセット値」と称する)とその内容の一覧を示す。
図28(イ)において、たとえば、変動開始時補正前オフセット値が「00H」の場合、特図1作動保留球を対象とした変動開始時の当落抽選(図24のS409)と図柄抽選(図24のS410)とに基づく判定結果が「ハズレA」で、変動開始時の特図1作動保留球数が「0個」を示す(図中、「保留0」〜「保留4」は変動開始時の作動保留球数を示す)。また例えば、入賞時補正前オフセット値が「04H」の場合、特図2作動保留球を対象とした変動開始時の当落抽選と図柄抽選に基づく判定結果が「ハズレA」で、変動開始時の特図2作動保留球数が「0個」を示し、その他、上記特別停止図柄作成処理で得られた変動パターン選択用オフセット値とその内容が示してある(図18〜図20示した図柄テーブルの「オフセット値」の欄参照)。
ここで上記入賞時補正前オフセット値(図19(イ)参照)と、上記変動開始時補正前オフセット値(図28(イ)参照)とは、共通のオフセット値となっているが、ここでは、‘作動保留球数に応じた変動パターン選択用オフセット値に補正する処理’を行う。具体的には、上記変動開始時補正前オフセット値「00H」または「04H」に現在の作動保留球数を加算することで、空き番であるオフセット値01H〜03H、05H〜07Hが作動保留球数を応じたオフセット値に補正される。
詳しくは、S441の補正処理では、特別図柄作動確認データを確認し、今回の変動開始側の特別図柄種別が特別図柄1の場合は、変動開始時補正前オフセット値「00H」に現在の特図1作動保留球数を加算し、今回の変動開始側の特別図柄種別が特別図柄2の場合は、変動開始時補正前オフセット値「04H」に現在の特図2作動保留球数を加算する(S441)。ただし、加算対象となる「現在の作動保留球数」とは、今回の変動表示動作に供される作動保留球が消化されることを前提とした作動保留球数であり、具体的には、図24のS403の減算処理で得られる作動保留球数である。
この補正処理で得られた変動パターン選択用オフセット値(変動開始時補正後オフセット値)とその内容は、図28(ロ)のようになる。本実施形態では、このオフセット値を利用し、変動パターン振分テーブル選択テーブルから目的とする「変動パターン振分テーブル第1階層」を選択するようになっている(S441〜S443)。
S441の補正処理を終えると、変動パターン振分テーブル選択テーブルを取得し(S442)、その変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照して、S441で補正した変動パターン選択用オフセット値と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに応じた、変動パターン振分テーブル第1階層を取得する(S443)。
図29に、変動パターン振分テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の変動パターン振分テーブル選択テーブルには、変動パターン選択用オフセットと変動パターン振分指定番号(Tcode)とに関連付けられた複数種類の変動パターン振分テーブル第1階層が定められている。具体的には、変動パターン選択用オフセット値と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに基づき、複数種類の変動パターン振分テーブル第1階層(H1〜H12、A1〜A6)のうちからいずれか一つの変動パターン振分テーブル第1階層が決定されるようになっている。
上記変動パターン振分テーブル選択テーブルは、図21の入賞コマンド振分テーブル選択テーブルと基本的な構成は同じである。すなわち、上記入賞コマンド振分テーブル選択テーブルには、変動パターン選択用オフセット値と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに応じた変動パターン振分テーブル第1階層のアドレス値が記憶されており、メモリ容量の削減やプログラムを簡潔にするべく、変動パターン選択用オフセット値に対応するように連続したアドレスを利用したデータ構成となっている。変動パターン振分テーブル第1階層の選択は、まず変動パターン振分指定番号(Tcode)に対応した変動パターン振分テーブル選択テーブルを選択して、変動パターン選択用オフセット値に応じた変動パターン振分テーブル第1階層を選択する。すなわち、変動パターン振分指定番号(Tcode)ごとに選択した変動パターン振分テーブル選択テーブルには変動パターン振分テーブル第1階層を規定する先頭アドレス値が記載されているが、このアドレス値に対して、S441で取得された変動パターン選択用オフセット値を加算して先頭アドレス対する相対アドレスを取得し、目的の変動パターン振分テーブル第1階層のアドレス値を特定することで、変動パターン振分テーブル第1階層を選択することができるようになっている。
ここで図柄変動表示ゲーム中の予告演出のバリエーションを豊富なものとする場合、遊技状態と作動保留球数とに応じて特別図柄の変動パターンを選択することは、勿論のこと、遊技性をさらに高めるためには、一の遊技状態においては作動保留球数を考慮した特別図柄の変動パターンが選択できるようにし、他の遊技状態においては作動保留球数を考慮せずに特別図柄の変動パターンが選択できるようにする、といった変化に富む遊技性が望まれる。
そこで本実施形態では、変動パターン振分テーブル選択テーブルを次のように定めている。変動パターン振分テーブル選択テーブルのうち、変動パターン振分指定番号(Tcode)「00H」または「01H」、つまり「通常A」または「通常B」の変動パターン振分テーブル選択テーブルでは、同じ当選種別であっても作動保留球数に応じて異なる変動パターン振分テーブル第1階層が選択されるようにし(オフセット値00H〜04Hの欄を参照)、他方、変動パターン振分指定番号(Tcode)「02H」、つまり「通常C」の変動パターン振分テーブル選択テーブルでは、作動保留球数にかかわらず、同一の変動パターン振分テーブル第1階層が選択されるようしている。換言すれば、「通常A」または「通常B」の変動パターン振分テーブル選択テーブルには、作動保留球に応じたメモリ領域に異なるテーブルデータ(変動パターン振分テーブル第1階層H1〜H4)が記憶されており、「通常C」の変動パターン振分テーブル選択テーブルには、作動保留球に応じたメモリ領域に同一のテーブルデータ(変動パターン振分テーブル第1階層H9)が記憶されている。
ここで、各々の遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))ごとに対応した変動パターン振分テーブル選択テーブルに記憶されているテーブルデータの個数(変動パターン振分テーブル第1階層の個数)が異なるものである場合、各々の遊技状態に対応した変動パターン選択用オフセット値を設けなければならず、処理が煩雑になり、制御負担が増大してしまう。そこで本実施形態では、各々の遊技状態の変動パターン振分テーブル選択テーブルに記憶されているテーブルデータ数を同一とし、各遊技状態ごとに対応した変動パターン選択用オフセット値を別途定める必要を無くして、制御負担を軽減している。
(B)変動パターン振分テーブル第2階層決定処理(S444〜S445)
S443の処理で変動パターン振分テーブル第1階層を取得した後、CPU201は、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納されている変動パターン用乱数値1を取得し(S444)、当該変動パターン振分テーブル第1階層を参照して、変動パターン用乱数値1に応じた「変動開始コマンドデータ1」と「変動パターン振分テーブル第2階層」とを取得する(S445)。
図30、図31を参照して、上記変動パターン振分テーブル第1階層について説明する。図30に当り時に選択される当り変動パターン振分テーブル第1階層を、図31にハズレ時に選択されるハズレ変動パターン振分テーブル第1階層を示す。
図示のように、当り変動パターン振分テーブル第1階層には、複数種類の当り変動パターン振分テーブル第1階層「A1〜A6」が含まれ、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層には、複数種類のハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H1〜H12が含まれる。これら変動パターン振分テーブル第1階層は、主として、変動パターン種別を決定するために利用される。
上記各変動パターン振分テーブル第1階層には、変動パターン用乱数値1と、変動開始コマンドデータ1および変動パターン振分テーブル第2階層を決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、変動パターン用乱数値1がいずれの判定値に属するか否かにより、上記変動開始コマンドデータ1および変動パターン振分テーブル第2階層が決定されるようになっている。なお図中では、既に説明した入賞コマンド振分テーブルの場合と同じく、判定値については省略し、選択率だけを表記している。
ここで本発明の理解を容易なものとするために、変動パターン振分テーブル第1階層と入賞コマンド振分テーブルとの関係(先読み変動パターンと基本パターンとの関係)について説明しておく。
変動開始時処理で利用される上記の当り変動パターン振分テーブル第1階層(図30)と、入賞時処理(先読み判定時)で利用される当り入賞コマンド振分テーブル(図22)とを比較すれば、「当り変動パターン振分テーブル第1階層A1〜A6」と「当り入賞コマンド振分テーブルa1〜a6」とは、同じ変動パターン用乱数値1を利用して変動パターンの内容(基本パターンの内容と先読み変動パターンの内容)が決定されるようになっており、またそれぞれのテーブルにおいて、その変動パターンを決定するための判定値が一致した形態となるように構成されている。具体的には、たとえば、代表的に、図30の当り変動パターン振分テーブル第1階層A2を参照すると、その内容は、変動パターン用乱数値1が、判定値0〜49の範囲(振分値「50」の記載欄に対応)に属する場合は「弱SPリーチA」が選択され、判定値50〜129の範囲(振分値「80」の記載欄)に属する場合は「強SPリーチA」が選択され、判定値130〜168の範囲(振分値「39」の記載欄に対応)に属する場合は「弱SPリーチB」が選択され、判定値169〜238の範囲(振分値「80」の記載欄に対応)に属する場合は「強SPリーチB」が選択されるという内容となっている。他方、図22の当り入賞コマンド振分テーブルa2を参照すると、その内容は、変動パターン用乱数値1が、判定値0〜49の範囲(上記振分値「50」の記載欄に対応)に属する場合は「弱SPリーチA」が選択され、判定値50〜129の範囲(上記振分値「80」の記載欄に対応)に属する場合は「強SPリーチA」が選択され、判定値130〜168の範囲(上記振分値「39」の記載欄に対応)に属する場合は「弱SPリーチB」が選択され、判定値169〜238の範囲(上記振分値「80」の記載欄に対応)に属する場合は「強SPリーチB」が選択されるという内容となっている(他の同様)。すなわち、一の作動保留球を対象とした先読み変動パターンと、その作動保留球が実際に変動表示動作に供された際の特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)との間に矛盾が生じないようになっている(図22、図23の「先読み変動パターン指定内容」の欄、図30、図31の「第1階層判定内容」欄参照)。
このようにする理由は、次の通りである。演出制御に関し、入賞時(先読み判定時)においては、主制御部50から先読み変動パターン情報を含む「保留加算コマンド」を演出制御部50に送り、これを受けた演出制御部51は、その保留加算コマンドに基づき、先読み予告演出に関する演出制御を行い、他方、変動開始時においては、主制御部50から変動開始時の変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部51に送り、これを受けた演出制御部51は、その変動パターン指定コマンドに基づいて図柄変動表示ゲーム中の予告演出に関する演出制御を行う。このような関係上、仮に、演出制御部51側が受け取る先読み変動パターンに関する情報と変動開始時の変動パターンの基本パターンに関する情報とが一致しなければ、先読み予告演出の内容と図柄変動表示ゲーム中の予告演出の内容とに矛盾が生じ、先読み予告演出を設けた意義が失われてしまうだけでなく、遊技機に対する不信感を招来し、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうといった問題が生じるからである。このようなケースとしては、たとえば、先読み予告演出に係る保留表示が艶やかな「虹色」に変化し、大当り当選を確定的に報知する「当確の先読み予告演出」が発生したにもかかわらず、その作動保留球を対象とした図柄変動表示ゲームの結果が「ハズレ」となってしまう場合が挙げられる。このようなケースが頻発した場合、遊技機に対する不信感を招来し、遊技者の遊技意欲を低下させてしまう恐れがある。
上記理由から本実施形態では、先読み変動パターンと変動開始時の基本パターンとに密接な関連性を持たせ、演出制御部51側がこれらの演出を決定する際に、双方の内容に極力矛盾を生じさせないようにしている。
ただし、例外的な演出態様として「先読み予告演出の内容≠基本パターンの内容」となる演出態様、つまり「先読み変動パターンの内容≠変動開始時の変動パターンの内容」となる矛盾が生じ得る演出態様(矛盾演出)が含まれるように構成しても良い。たとえば、先読み予告演出に係る保留表示が大当り当選期待度が相対的に高まる「赤色」表示であるにもかかわらず、その作動保留球を対象とした図柄変動表示ゲーム中には、何ら熱い予告演出を発生させないようにしたり(あたかも通常変動パターンが選択されたが如く装う)、またその「赤色」表示が、たとえば‘SPリーチ確定’保留表示であるとした場合、その作動保留球を対象とした図柄変動表示ゲーム中に、Nリーチを出現させるようしたりする、といった演出態様が挙げられる。斯様な演出態様は、矛盾が生じたことによる不信感を遊技者に抱かさないためにも、ハズレの場合は極めて低い確率で選択され、その殆どが大当り当選の場合にしか選択されないようにしたり、大当り当選の場合に限り選択されるようにしたりすることが好ましい。このようにすれば、矛盾演出が発生した時点で、大当り当選期待度が極めて高まる、または大当り当選確定を報知する、といった一種のプレミアム的な演出として、上記矛盾演出を機能させることができる。上記のような「矛盾演出」は、一時的に遊技者を欺瞞した上で、その期待に反した結果が導出されるといった点で、遊技の面白みを高める上で有効である。
なおハズレ時においても上述した当りの場合と同様に、先読み変動パターンと変動開始時の基本パターンとに密接な関連性を持たせ、演出制御部51側がこれらの演出を決定する際に、双方の内容に矛盾を生じさせないようにしている。
詳しくは、変動開始時処理で利用されるハズレ変動パターン振分テーブル第1階層(図31)と、入賞時処理(先読み判定時)で利用されるハズレ入賞コマンド振分テーブル(図23)とを比較すると、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H1、H5〜H12において変動パターン用乱数値1に応じて決定される基本パターンの内容とその基本パターンを決定するための判定値は、ハズレ入賞コマンド振分テーブルh1〜h9において変動パターン用乱数値1に応じて決定される先読み変動パターンの内容とその先読み変動パターンを決定するための判定値と一致した形態としている。ハズレ時においても上述した当りの場合と同様に、先読み変動パターンと変動開始時の基本パターンとに密接な関連性を持たせ、演出制御部51側がこれらの演出を決定する際に、双方の内容に矛盾を生じさせないようにしている(図22、図23の「先読み変動パターン指定内容」の欄、図30、図31の「第1階層判定内容」欄参照)。なお、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H2〜H4は、ハズレ入賞コマンド振分テーブルのいずれにも対応していないものであるが、いずれも「特図1ハズレA」の場合に作動保留球数に応じて選択されるものであり、ここで選択され得る基本パターンの内容は、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H1のものと同一であって、その選択率が異なるだけである。ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H2〜H4については、ハズレ入賞コマンド振分テーブルh1における「不定(通常変動パターンまたはリーチ有り変動パターン指定)」の存在により、先読み変動パターンと変動開始時の基本パターンとに関連性を持たせ、問題が生じないようになっている。
なお本実施形態のハズレ変動パターン振分テーブル第1階層は、次のような特徴的要素を備える。ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H5、H7に着目すると、これらは、いずれも「特図1ハズレB」の場合に選択されるものであって、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H5は「通常A」、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H5は「通常B」の場合に選択されるようになっている(図29参照)。ここで、図31を参照すれば、両者は、共通する複数種類の基本パターン(弱SPリーチAまたは強SPリーチA)のうちからいずれか1つの基本パターンが選択されるようになっており、各々の選択率が異なっている。具体的には、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H5では、弱SPリーチAの方が強SPリーチAよりも選択率が相対的に高くなっており、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H7では、その逆に、強SPリーチAの方が強SPリーチAよりも選択率が相対的に高くなっている。
また、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H6、H8に着目すると、これらは、いずれも「特図1ハズレC」の場合に選択されるものであって、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H6は「通常A」、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H8は「通常B」の場合に選択されるようになっている(図29参照)。ここで、図31を参照すれば、両者は、共通する複数種類の基本パターン(弱SPリーチBまたは強SPリーチB)のうちからいずれか1つの基本パターンが選択されるようになっており、各々の選択率が異なっている。具体的には、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H6では、弱SPリーチBの方が強SPリーチBよりも選択率が相対的に高くなっており、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H8では、その逆に、強SPリーチBの方が強SPリーチBよりも選択率が相対的に高くなっている。
これは「通常B」中にハズレB、Cに当選した場合の方が、「通常A」中にハズレB、Cに当選した場合よりも、大当り当選期待度が相対的に高いリーチ演出の出現率が高まることを意味し、本実施形態では、「通常A」中よりも「通常B」中の方が、大当りへの当選期待感を煽ることができる、換言すれば、「通常B」中の方が遊技者に対して大当りへの当選期待感を与える機会が相対的に増加することができるようになっている。これにより、「通常B」中の場合は、遊技者により多くの大当り当選期待感を与えることができるようになり、遊技の面白みを高めることができる。
(C)変動パターン決定処理(S446〜S447)
次に、上記変動パターン決定処理(S446〜S447)について説明する。S445の処理で変動開始コマンドデータ1と変動パターン振分テーブル第2階層を取得した後、CPU201は、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納されている変動パターン用乱数値2を取得し(S446)、上記の変動パターン振分テーブル第2階層を参照して、変動パターン用乱数値2に応じた「変動開始コマンドデータ2」と「変動時間テーブル」とを取得する(S447)。
図32および図33を参照して、上記変動パターン振分テーブル第2階層について説明する。図32に当り変動パターン振分テーブル第1階層により選択される「当り変動パターン振分テーブル第2階層」を、図33にハズレ変動パターン振分テーブル第1階層により選択される「ハズレ変動パターン振分テーブル第2階層」を示す。
図示のように、本実施形態の当り変動パターン振分テーブル第2階層には、複数種類の当り変動パターン振分テーブル第2階層AA1〜AA9が含まれる。またハズレ変動パターン振分テーブル第2階層には、複数種類のハズレ変動パターン振分テーブル第2階層HH1〜HH12が含まれる。これら変動パターン振分テーブル第2階層は、主として、変動パターン振分テーブル第1階層で決定された変動パターン種別の中に含まれる、個々の変動パターンを特定するために利用される。
上記各変動パターン振分テーブル第2階層には、変動パターン用乱数値2と、変動開始コマンドデータ2および変動時間テーブルを決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、変動パターン用乱数値2がいずれの判定値に属するか否かにより、上記変動開始コマンドデータ2および変動時間テーブルが定まるようになっている。なお図中では、既に説明した入賞コマンド振分テーブル(図22、図23)の場合と同じく、判定値については省略し、選択率だけを表記している。
上記「変動開始コマンドデータ2」が決定されると、基本パターンの具体的内容である変動開始時の変動パターンが定まる。たとえば、変動パターン振分テーブル第1階層で決定された変動開始コマンドデータ1の内容が「弱SPリーチA」という変動パターン種別であった場合、この変動パターン振分テーブル第2階層で決定される内容は、その「弱SPリーチA」の具体的な内容、つまり「弱SPリーチA」種別のうち「弱SPリーチA1〜弱SPリーチA3」のいずれかが決定されることになる。
上記「変動時間テーブル」には、当り変動パターン振分テーブル第2階層で決定される「TIMTBL−A1〜TIMTBL−A21」と、ハズレ変動パターン振分テーブル第2階層で決定される変動時間テーブル「TIMTBL−H1〜TIMTBL−H24」の複数種類の変動時間テーブルが含まれる。この変動時間テーブルが決定されると、特別図柄の変動時間が定まり、この変動時間が今回の図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)の実行時間となる。
上記「変動時間テーブル」には、当り変動パターン振分テーブル第2階層で決定される「TIMTBL−A1〜TIMTBL−A21」と、ハズレ変動パターン振分テーブル第2階層で決定される変動時間テーブル「TIMTBL−H1〜TIMTBL−H24」の複数種類の変動時間テーブルが含まれる。この変動時間テーブルが決定されると、特別図柄の変動時間が定まり、この変動時間が今回の図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)の実行時間となる。
ここで本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄2(特図2作動保留球)に係る特別の変動パターン(特別図柄2側の変動パターン)について、次のような特徴的要素を備える。これについて、図29の変動パターン振分テーブル選択テーブル、図30の当り変動パターン振分テーブル第1階層、図31のハズレ変動パターン振分テーブル第1階層、ハズレ変動パターン振分テーブル第2階層(図示せず)を参照しながら説明する。
まず、図29の変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照して、「特図2保留0ハズレA」〜「特図2保留3ハズレA」(変動開始時補正後オフセット値「04H」〜「07H」)、「特図2ハズレB」(同オフセット値「0AH」)、および「特図2ハズレC」(同オフセット値「0BH」)に着目すれば、「通常A」と「通常B」(変動パターン振分指定番号(Tcode)「01H」「02H」)の場合には、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H4だけが選択され、「通常C」の場合には、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H9だけが選択されるようになっている。
これらハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H4、H9について、図31のハズレ変動パターン振分テーブル第1階層を参照すれば、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H4は「通常変動3」種別のみを指定し、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H9は「特殊通常変動」種別(通常C用の通常変動パターン種別)のみを指定するようになっている。つまり、「通常A」〜「通常C」の場合は‘電サポ無し状態’であり、この電サポ無し状態中のハズレ当選の場合は、リーチ状態を経由しない非リーチ演出用の「通常変動パターン」種別のみが指定されるようになっている。その具体的な変動パターンは、たとえばハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H4、H9により決定されるハズレ変動パターン振分テーブル第2階層HH3、HH9を参照したとき、変動開始時の変動パターンは、「通常A」と「通常B」の場合には「通常変動3s(変動時間3秒)」、「通常C」の場合には「特殊通常変動10s(変動時間10秒)」となっている。なお本実施形態の「通常変動3」種別には、単一の「通常変動3s(変動時間3秒)が、「特殊通常変動」種別には単一の「特殊通常変動10s(変動時間10秒)」が含まれるが本発明はこれに限られない。それぞれの変動種別には、複数種類の通常変動パターンが含まれていても良い。
また本実施形態の「通常C」中に選択されるハズレ変動パターンは、次のような特徴的要素を備える。図29の変動パターン振分テーブル選択テーブルの「通常C」(変動パターン振分指定番号(Tcode)「02H」)の欄を参照すれば、「通常C」中は、作動保留球数に関係なく、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H9、H10が選択されるようになっている。ただし、ハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H10は、ハズレ種別に応じて選択され、本実施形態では、「特図1ハズレB」(変動開始時補正後オフセット値「08H」)、および「特図1ハズレC」(同オフセット値「09H」)の場合に選択される。またハズレ変動パターン振分テーブル第1階層H9は、既に説明したように、「特殊通常変動」種別(通常C用の通常変動パターン種別)のみを指定するようになっている。一般的に電サポ無し状態であっても、作動保留球数は比較的短時間で変化し得るものであり(一般的な弾球遊技機では、1回の図柄変動表示ゲーム中に作動保留球数の変化が1〜3個程度のものが多い)、これを利用して作動保留球数に応じた変動パターンを選択させるようにすれば、毎回の図柄変動表示ゲームごとに、演出時間(図柄変動表示ゲームの実行時間)に変化をもたらすことができて、多彩な演出を発生させることが可能である(そのような遊技状態として、本実施形態は「通常A」と「通常C」とを設けてある(特に図29参照))。しかし、作動保留球数に応じて図柄変動表示ゲームの演出時間が異なるようにしてしまうと、短期間で図柄変動表示ゲームの演出時間が頻繁に変化して、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って、密接な関連性を持つ演出(たとえば、ストーリー仕立ての物語風の演出)を連続的に展開させていくのが困難になることが考えられる。
また今回の図柄変動表示ゲームが開始したとき作動保留球数と、当該ゲームが終了したときの作動保留球数とが異なる可能性が高く、作動保留球数に応じて特別図柄の変動パターンが変化する場合は、次回の図柄変動表示ゲームの演出時間を予測することはできない。また上記物語風の演出を現出させる場合には、先読み予告演出を利用することも考えられるが、先読み予告演出のような連続予告演出は、現存する作動保留球を対象とする連続予告演出であるので、その回数は、最大保留記憶数(本実施形態では、4回)までが限界である。すなわち、この問題点は、第1に、図柄変動表示ゲームごとに演出時間が変化する可能性が多分にある点、第2に、最大4回のゲーム数を超えて、上記密接な関連性を持つ演出を現出させることができない点などが挙げられる。
そこで本実施形態では、演出時間の長短が発生してしまうことを極力抑えるべく、作動保留球数に関係なく変動パターンが選択される特定の遊技状態(通常C)を設け、その特定の遊技状態の継続回数(図柄変動表示ゲーム数(特別図柄の変動回数))を少なくとも最大保留記憶数を超える回数に設定することで、上記のような物語風演出を長期間、容易に展開させることができるようにしている。特に前述した潜伏確変の機能を設けた変形例において、その潜伏確変の制御を「通常C」で実行するようにした場合は、大当り抽選確率を秘匿し得る遊技状態として働くため、このような遊技状態の下で、比較的長いゲーム数に跨って高確率状態の期待感を煽るような物語風演出を展開させることは、遊技の面白みを向上させる上で極めて有効である。なおST機の場合は、遊技者に高確率状態の期待感を残すため、「通常C」の継続回数をS回、規定ST回数をT回とした場合、「最大保留記憶数(4回)<S≦T」の関係を満たすことが好ましい。より好ましくは、「最大保留記憶数(4回)<S<T」である。上記「最大保留記憶数(4回)<S<T」の場合、規定ST回数が終了する前に「通常C」が終了し「通常A」に移行することになるが、「通常C」から「通常A」に移行しても上記規定ST回数が終了するまでは高確率状態の期待が残ることになる。その理由は、遊技者は、内部遊技状態を正確に知ることができないからである。したがって、たとえ、低確率状態下の「通常C」から「通常A」に移行した場合であっても、規定ST回数が終了するまでは、遊技者は高確率状態に期待を寄せて遊技に興じるようになる。その結果、「最大保留記憶数(4回)<S=T」という関係を持たせるよりも、遊技機の稼働率を高めることができる。
また本実施形態では、通常C中の「特図1ハズレB」または「特図1ハズレC」の場合、リーチ有り変動パターンの「特殊リーチ」種別(通常C用のリーチ有り変動パターン種別)が選択されるようになっている(図29、図31の「変動パターン振分テーブル第1階層H10」の欄参照)。しかし「通常C」中のハズレの場合、リーチ有り変動パターンを一切選択しない構成とし、通常変動パターンである「特殊通常変動10s」だけが選択されるように構成しても良い。このようにすれば、ハズレに当選した場合は、作動保留球数およびハズレの種類に関係なく、毎回、同じ変動パターンの「特殊通常変動10s」だけが選択されることになる。これにより、ハズレに当選し続ける限り、1回毎の図柄変動表示ゲームの実行時間、すなわち演出時間が同じ時間幅を持ちながら遊技が進行していくので、物語風演出を展開する上で、極めて有効な遊技状態下に置かれる。また大当り当選の場合は、当り変動パターンにより指定される特定の演出(たとえば、特殊リーチ1〜3)を発生させることができるので、たとえば、物語風演出の一環として、ストーリー展開に終止符を打つようなエピローグ演出などの特殊演出(この場合は、特殊リーチ1〜3に基づくリーチ演出の一態様)が発生した時点で、大当り当選確定(小当りを含んでも良い)を報知することができるようになる。なお上記の「物語風演出」は、たとえば、敵と対峙しながら戦いを繰り広げるような「戦闘演出(大当り当選時は、敵が倒れる勝利演出。ハズレ当選時は、敵から攻撃を受ける敗北演出)」や、昔話しや童話の内容を展開していくような「筋書き演出(大当り当選時は、ストーリーの最終話の最終話演出、ハズレ当選時は、ストーリーが続く継続演出)」、図柄変動表示ゲームの実行ごとに遊技者に所定の指令を与える「指令演出(たとえば、ボタン予告演出を交え、「演出ボタンを押して、敵を倒せ!」といった指令を与える演出(大当り当選時は、指令達成演出。ハズレ当選時は、敵が残存する指令未達成演出))」など、何らかのストーリー展開がなされるものであれば特に限定されない。
(D)特別図柄変動時間設定処理(S448)
再び図27の説明に戻り、次に、上記特別図柄変動時間設定処理(S448)について説明する。S447の処理で変動時間テーブルを取得した後、CPU201は、その取得した変動時間テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を「特別図柄役物動作タイマ」に格納する(S448)。上記「特別図柄役物動作タイマ」とは、パチンコ遊技機1の遊技動作制御に係るタイマを管理するRAM203内のタイマ管理領域の一つである。斯様なタイマ管理領域には、この特別図柄役物動作タイマの他、後述の特別図柄確定タイマなどがある。
(E)変動パターン指定コマンド作成処理(S449)
次いで、S445の処理で取得した「変動開始コマンドデータ1」と、S447の処理で取得した「変動開始コマンドデータ2」とに基づき、変動開始時の変動パターンを指定する「変動パターン指定コマンド」を作成する(S449)。
そして、変動パターン指定コマンドを演出制御部51に送信する(S450:変動パターン指定コマンド送信処理)。これにより、特別図柄変動パターン作成処理を抜けて、図24のS413の処理に進む。
図34および図35に、上記S449の変動パターン指定コマンド作成処理で作成された変動パターン指定コマンドの一覧を示す。図34は当り変動パターン指定コマンドの一覧を、図35はハズレ変動パターン指定コマンドの一覧を示した一覧表である。
上記「変動パターン指定コマンド」は演出制御コマンドの一つであり、2バイトで構成される。本実施形態の変動パターン指定コマンドには、当り変動パターン指定コマンドとして「変動パターンA1〜A21」が、ハズレ変動パターン指定コマンドとして「変動パターンH1〜H24」の複数種類のコマンドが含まれる。この変動パターン指定コマンドが演出制御部51に送信されると、これに続き、装飾図柄指定コマンドが送信されるようになっている(図24のS415)。これらのコマンドを受けた演出制御部51は、各コマンドに含まれる情報に基づき、今回の図柄変動表示ゲーム中の現出する演出を決定し、その演出に基づく演出制御処理を行う。かくして、図柄変動表示ゲーム中の演出が実現される。
次に、図35のハズレ変動パターン指定コマンドの一覧を参照しながら、各種の変動パターンに規定された変動時間の観点から見た遊技状態について説明する。
本実施形態の通常変動パターンには、‘通常A’中または‘通常B’中に選択され得る「通常変動12s(変動時間12秒)」(変動パターンH1)、「通常変動8s(変動時間8秒)」(変動パターンH2)、および「通常変動3s(変動時間3秒)」(変動パターンH3)、‘通常C’中に選択され得る「特殊通常変動(変動時間10秒)」(変動パターンH17)、および‘確変状態’中に選択され得る「確変中通常変動2s(変動時間2秒)」(変動パターンH21)などが含まれる。
(D−1:高速変動状態)
これら通常変動パターンのうち、「確変中通常変動2s」に着目する。この「確変中通常変動2s」は、相対的に短い変動時間が規定された変動パターンであり、本実施形態では、全変動パターンのうち、最も短い変動時間が規定された変動パターンとなっている。ここで「確変状態」中のハズレ変動パターンにおいては、単一の変動パターンである「確変中通常変動2s」が設定されており、ハズレ種別のうちで当選確率が最も高い「ハズレA」の場合に選択される通常変動パターンとなっている。したがって、「確変状態」中のハズレ当選の場合、特別図柄の変動時間幅を「2秒」とする高速変動パターンが高確率で選択されることになる。すなわち、確変状態中は、他の確変状態と比べて図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間(1ゲームあたりの図柄変動表示ゲームの平均時間、または単位時間あたりの図柄変動表示ゲームの時間)が相対的に短くなる「高速変動状態」下に置かれる。
このような「高速変動状態」は、主として、「ゲームの平均消化速度を上げて、遊技の進行に関する時間効率を高める」といった遊技性に重きを置いた遊技状態で有用である。特に、確変状態中は、「電サポ有り状態+高確率状態+特別図柄時短状態」となり、単位時間あたりのゲーム消化スピードが向上し、かつ大当り当選が容易となるように工夫された遊技状態となる。このような遊技状態下に置かれた場合、遊技者の中には、演出を楽しむよりも早く大当りを得たいと欲する遊技者も多い。そこで本実施形態では、確変状態中の場合、上記「高速変動状態」を発生させるようになっている。なお「時短状態」を発生可能に構成した場合には、大当り抽選確率は低確率状態ではあるが「電サポ有り状態+特別図柄時短状態」とする抽選回数向上状態となる。この場合も、上述の「確変状態」と同じく、上記「高速変動状態」を発生させても良い。
(D−2:低速変動状態)
上記「高速変動状態」に対し、「通常変動12s(変動時間12秒)」や「通常変動8s(変動時間8秒)」などの比較的長い変動時間が規定された複数種類の変動パターンが選択され易い遊技状態では、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が相対的に長くなる「低速変動状態」下に置かれる。このような「低速変動状態」下では、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が「高速変動状態」よりも長くなるが、その代わりに演出時間を長めにとることができるので、「演出を楽しむ」といった遊技性に重きを置いた遊技状態で有用である。大当り抽選確率が低確率、あるいはその可能性が高いといった遊技状態の場合、上述の確変状態のときとは反対に、「演出を楽しみながら遊技に興じたい」という遊技者も多い。そこで本実施形態では、「通常A」や「通常B」の場合には、上記「低速変動状態」を発生させるようにしている。
(D−3:準等速変動状態)
また本実施形態では、「通常C」の場合のように、作動保留球数に関係なく、ハズレ時には「特殊通常変動10s(変動時間10秒)」が高確率で選択されて、1回毎の図柄変動表示ゲームの消化時間が概ね一定となる「準等速変動状態」を発生させるようになっている。このような「準等速変動状態」下では、既に説明したように、1回毎の図柄変動表示ゲームの実行時間、すなわち演出時間がほぼ一定でゲームが進行していくので、複数回(特に、最大保留記憶数より多い回数)の図柄変動表示ゲームに跨って、密接な関連性を持つ演出(ストーリー仕立ての物語風演出)を発生させることができる特殊な遊技状態となる。なお「確変状態」中の場合も、作動保留球数に関係なく、ハズレ時には「確変中通常変動2s」が高確率で選択されることになるので、この場合も「準等速変動状態」といえる。なお本実施形態の「通常C」や「確変状態」では、ハズレ時に‘通常変動パターン’よりも変動時間(演出時間)が長い‘リーチ有り変動パターン’が選択され得るが、ハスレ時には、リーチ有り変動パターンを一切選択しない構成としたり、またはリーチ有り変動パターンの選択率が極めて低確率とする構成としたりしても良い。この場合も「準等速変動状態」となり、上記物語風演出を発生させる上で有効である。
次に、特別図柄変動中処理(S307)について説明する。図36は、図11の特別図柄変動中処理(S307)の詳細を示すフローチャートである。
図36において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(S451)。特別図柄役物動作タイマがゼロでない場合は(S451:NO)、未だ特別図柄の変動時間が経過していない、つまり特別図柄が変動中であるので、何もしないでこの特別図柄変動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(S451:YES)、演出制御コマンドとして、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部51に送信する(S452)。この変動停止コマンドにより、演出制御部51側では、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了とともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。
次いで、特別図柄の変動停止時の設定処理として、RAM203の特別図柄確定タイマに、特別図柄確定信号出力時間(たとえば、100ms)を格納し、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(たとえば、500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄変動中フラグに00H(OFF状態)を格納し、特別図柄1変動カウンタおよび特別図柄2変動カウンタに00Hを格納してクリアし(S453)、この特別図柄変動中処理を抜ける。上記「特別図柄確定信号出力時間」とは、枠用外部端子基板21からホールコンピュータに対し、特別図柄が確定表示された旨を報知する特別図柄確定信号の出力時間を確保するための余裕時間である。また「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。
S453の処理を終えると、この特別図柄変動中処理を抜けて、図11のS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のS060の特別電動役物管理処理に進む。
次に、特別図柄確認時間中処理(S308)について説明する。図37および図38は、図11の特別図柄確認時間中処理(S308)の詳細を示すフローチャートである。
図37および図38において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(S471)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「確定表示時間」が設定されている(図36のS453参照)。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(S471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(S471:YES)、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(S472)、現在の遊技状態に応じた遊技状態判定番号(YJ)をRAM203の遊技状態判定領域に格納する(S473)。
次いで、大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(S474)。
上記S474の判定で、大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(S474:=5AH)、大当り図柄停止時の各種設定処理を行う(S475)。ここでは、大当り図柄停止時の各種設定処理(大当り遊技の開始前処理)として、大当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、条件装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、さらに、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、および特別図柄変動回数カウンタの各々に00H(OFF状態)を格納し、変動パターン振分指定番号(Tcode)に00H(通常A指定)を格納し、遊技状態報知LEDの点灯・消灯を指定する遊技状態報知LED出力番号に00Hを格納して、この特別図柄確認時間中処理を抜ける。上記「遊技状態報知LED」とは、現在の遊技状態情報を報知する状態報知手段である。本実施形態の遊技状態報知LED(状態報知手段)は、特別図柄時短状態であるか否かを報知するために利用される。CPU201は、遊技状態報知LED出力番号に応じて、遊技状態報知LED(状態報知手段)の報知態様を変化させる。たとえば、上記遊技状態報知LED出力番号が「00H」の場合、現在、特別図柄時短状態ではない旨が(遊技状態報知LED:消灯状態(非特別図柄時短状態報知)、「01H」の場合には、現在、特別図柄時短状態である旨が報知される(遊技状態報知LED:点灯状態(特別図柄時短状態報知)。
上記S474の判定で、大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(S474:≠5AH)、次いで、小当り判定フラグを取得し、小当り判定フラグの状態を判定する(S476)。小当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(S476:≠5AH)、S478の処理に進む。小当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(S476:=5AH)、小当り図柄停止時の各種設定処理を行う(S477)。ここでは、小当り図柄停止時の各種設定処理(小当り遊技開始前処理)として、小当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、小当り中フラグに5AH(ON状態)を格納する。上記小当り図柄停止時の各種設定処理を終えると、S478の処理に進む。
S478の処理に進むと、特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態の残り回数)がゼロであるか否かを判定する(S478)。特別図柄時短回数カウンタがゼロである場合(S478:YES)、何もしないでS483の処理に進む。
特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(S478:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄時短回数カウンタを1減算し(S479)、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(S480)。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(S480:NO)、特別図柄時短状態の終了回数の100回に達していないので、何もしないでS483の処理に進む。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロの場合(S480:YES)、特別図柄時短状態の終了回数の100回に達したとして、時短終了時の設定処理を行う(S481)。ここでは、時短終了時の設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、および特別図柄時短状態フラグの各々に00H(OFF状態)を、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより次ゲームから、電サポ無し状態下に置かれることになる。
S481の時短終了時の設定処理を終えると、演出制御コマンドとして、特別図柄時短状態が終了情報(電サポ無し状態移行情報)を含む「時短終了コマンド」を演出制御部51に送信する(S482)。この「時短終了コマンド」は、現在の遊技状態を指定したり、遊技状態が移行される旨を知らせる「遊技状態指定コマンド」の一種であり、このコマンドにより演出制御部51は、次ゲームから電サポ無し状態となる旨を把握する。なお本実施形態では、電サポ有り状態から電サポ無し状態に移行する場合は、確変状態から通常Aに移行することと同じであるので、演出制御部51がこの「時短終了コマンド」を受けると、たとえば、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、「通常A演出モード」用の背景画像(背景演出)に切り替えて当該演出モード下での演出制御処理を行ったり、発射位置として左流下経路3bを狙う旨を指示する「発射位置誘導演出(左打ち報知演出)」を現出させるための演出制御処理を行ったりする。
次いでS483の処理に進むと、特別図柄確変回数カウンタ(残りST回数)がゼロであるか否かを判定する(S483)。
特別図柄確変回数カウンタがゼロである場合(S483:YES)、S488の処理に進む。
特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(S483:NO)、今回の特別図柄の変動回数消化分として、特別図柄確変回数カウンタを1減算し(S484)、その減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(S485)。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(S485:NO)、ST規定回数(100回)に達していないので、何もせずにS487の処理に進む。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロの場合(S485:YES)、特別図柄の変動回数がST規定回数の100回に達したとして、確変終了時の設定処理を行う(S486)。ここでは、確変状態終了に伴う通常遊技状態への移行設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、および特別図柄確変状態フラグの各々に00H(OFF状態)を格納し、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより、次ゲームから、大当り抽選確率が高確率状態から低確率状態下に置かれることになる。
上記S486の確変終了時の設定処理を終えると、S487の処理に進み、特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否か、つまり遊技状態移行規定回数(「通常B」移行時:遊技状態移行規定回数100回、「通常C」移行時:15回または30回)がゼロであるか否かを判定する(S487)。
特別図柄変動回数カウンタがゼロである場合(S487:YES)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(S487:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄変動回数カウンタを1減算し(S488)、その減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(S489)。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(S489:NO)、遊技状態移行規定回数に達していないとして、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロの場合(S489:YES)、特別図柄の変動回数が遊技状態移行規定回数に達したとして、「通常A」への移行設定処理を行う(S490)。ここでは、「通常A」への移行設定処理として、変動パターン振分指定番号(Tcode)に「00H(通常A指定)」を格納する。これにより、特別図柄の変動パターンの選択条件が変更されることになる。このS490処理は、所定の選択変更条件の成立に基づき、特別図柄の変動パターンの選択条件を切替制御するための選択条件切替手段として働く。これにより、次回の特別図柄変動表示ゲームでは、「通常A」における特別図柄の変動パターンが選択される。
次いで、演出制御コマンドとして、「通常A」移行情報を含む「遊技状態指定コマンド」を演出制御部51に送信する(S491)。この「遊技状態指定コマンド」により演出制御部51は、「通常B」または「通常C」が終了し、次ゲームから「通常A」となる旨を把握する。これにより、演出制御部51は、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、「通常A演出モード」用の背景画像(背景演出)に切り替え、当該演出モード下での演出制御処理を行う。
以上により、この特別図柄確認時間中処理を抜けると、図11のS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図5のS60の特別電動役物管理処理に進む。
次に、図5中の特別電動役物管理処理(S060)について説明する。図39は、S060の特別電動役物管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図39において、CPU201は、まず小当り中フラグの状態を判定する(S501)。上記小当り中フラグがON状態(=5AH)の場合(S501:=5AH)、小当り遊技に係る特別変動入賞装置50の一連の動作を制御するための小当り処理を行い(S504)、この特別電動役物管理処理を抜ける。
上記小当り中フラグがOFF状態(=00H)の場合(S501:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(S502)。条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(S502:≠5AH)、この場合は、小当り遊技中ではなく(S501:≠5AH)、大当り遊技中でもないので、何もしないでこの特別電動役物管理処理を抜ける。
条件装置作動フラグがON状態(=5AH)の場合(S502:=5AH)、特別電動役物動作ステータス(00H〜04H)に応じた処理を行う(S503:特別電動役物ステータス分岐処理)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、大入賞口22の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
S503の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「開始処理中(00H)」「作動開始処理中(01H)」「継続判定中(03H)」「終了処理中(04H)」のいずれのステータス値であるに応じて、それぞれに対応する処理を呼び出して実行させる。具体的には、特別電動役物動作ステータスが「開始処理中(00H)」の場合には、大当り開始処理(S505)を、「作動開始処理中(01H)」の場合には、特別電動役物作動開始処理(S506)を、作動中(02H)」の場合には、特別電動役物作動中処理(S507)を、「継続判定中(03H)」の場合には、特別電動役物作動継続判定処理(S508)を、「終了処理中(04H)」の場合には、大当り終了処理(S509)を呼び出して実行させる。これらの処理により大当り遊技に係る特別変動入賞装置50の動作が制御される。
ここで、上述の「開始処理中(00H)」とは、大当り遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動開始処理中(01H)」とはラウンド遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動中(02H)」とはラウンド遊技が実行中である旨を示し、「継続判定中(03H)」とは次回のラウンド遊技を継続させるか否かの判定中である旨を示し、「大当り終了処理中(04H)」とは大当り遊技終了時の終了処理中である旨を示す。
上記S505〜S509のいずれかの処理を終えると、特別電動役物管理処理を抜けて、図5のS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
大当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが初期ステータス値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって、大当りとなった場合は、まず最初に、この大当り開始処理が行われるようになっている。
この大当り開始処理(図39のS505)では、役物連続作動装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)、連続回数カウンタに01Hを格納する。上記「役物連続作動装置作動フラグ」とは、役物連続作動装置の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には役物連続作動装置作動中(ラウンド遊技継続可)である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には役物連続作動装置非作動(ラウンド遊技継続不可)である旨を示す。また上記「連続回数カウンタ」とは、ラウンド遊技の連続実行回数、つまり現在のラウンド数を記憶するためのカウンタである。ここでの連続回数カウンタは「01H」であるので、現在のラウンド数は1R目を示している。
次いで、特別図柄判定データ(大当り種別)に応じて、最大ラウンド数(規定ラウンド数)、ラウンド表示LED番号をそれぞれに対応するRAM203の記憶領域に格納し、また特別図柄役物動作タイマに開始インターバル時間を格納する。これにより、大当り開始処理を終え、特別電動役物管理処理を抜けて、図5のS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
特別電動役物作動開始処理(図39のS506)では、特別図柄役物動作タイマにより、初回のラウンド(1R目)の「開始インターバル時間」と2R目以降の「開放前インターバル時間」が監視される。各インターバル時間が経過し大入賞口開放開始動作が行われると、その都度、「大入賞口開放コマンド」を演出制御部51に送信する。この「大入賞口開放コマンド」は、ラウンド遊技開始情報(ラウンド演出の開始指示情報)や現在のラウンド数情報を含み、演出制御部51側において、ラウンド数に対応するラウンド演出を現出させる際に利用される。
次いで、大入賞口動作時間設定テーブル(図示せず)を取得し、大入賞口開放動作時間設定処理を行う。この大入賞口開放動作時間設定処理では、大入賞口開放動作時間設定テーブルを参照して、特別図柄判定データと現在のラウンド数とに応じた大入賞口開放動作時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。これにより、特別電動役物作動開始処理を終え、特別電動役物管理処理を抜けて、図5のS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
特別電動役物作動中処理(図39のS507)では、大入賞口最大入賞数確認処理を行う。この大入賞口最大入賞数確認処理では、主に、大入賞口22への入賞球数をカウントし、その入賞球数が最大入賞数に達したか否かを確認する。
次いで、特別図柄役物動作タイマの値をチェックし、監視している大入賞口動作時間が経過していれば、今回のラウンド遊技における大入賞口が閉鎖されたとして、「ラウンド終了コマンド」を演出制御部51に送信する。この「ラウンド終了コマンド」は、演出制御部51側において、ラウンド遊技間のインターバル時間中における「ラウンド終了演出」を現出する際に利用される。
次いで、ラウンド遊技が終了した際の各種設定処理として、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(たとえば、1980ms)を格納する。これにより、特別電動役物作動中処理を終え、特別電動役物管理処理を抜けて、図5のS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
特別電動役物作動継続判定処理(図39のS508)においては、連続回数カウンタの値を取得して現在のラウンド数が規定ラウンド数の最大ラウンド数に達したか否かを判断する。最大ラウンド数に達した場合は、ラウンド遊技継続終了時の処理として、連続回数カウンタに1加算(+1)し、残存球排出時間(本実施形態では、1980ms)を含めたラウンド遊技間の終了インターバル時間を設定する。
また、今回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技を開始させるため設定処理として、特別電動役物作動フラグに00H(OFF状態)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに02Hを格納)。これにより、特別電動役物作動継続判定処理終え、特別電動役物管理処理を抜けて、図5のS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
大当り終了処理(図39のS509)においては、特別図柄役物動作タイマがゼロ(終了インターバル時間経過)になったならば、大当り終了時の各種設定の一環として、各移行状態バッファの値を各状態フラグに格納する。具体的には、特別図柄変動開始処理中のS411の遊技状態移行準備処理(図24のS411)で設定した移行状態バッファの各々の値を、遊技状態を指定するための、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、変動パターン振分指定番号、および特別図柄変動回数カウンタにそれぞれ格納する。これにより、大当り遊技後の遊技状態が特定される。
続いて、大当り終了時の各種設定処理を行う。ここでは、大当り遊技制御処理中に利用した各種のデータとして、条件装置作動フラグ、役物連続作動装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大ラウンド数、普通電役物開放延長状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ、特図確変移行状態バッファ、特図時短回数カウンタバッファ、特図確変回数カウンタバッファ、変動パターン振分指定番号バッファ、特図変動回数カウンタバッファ、ラウンド表示LED番号、および遊技状態判定番号(YJ)をそれぞれクリア(00Hを格納)し、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに00Hを格納)。
次いで、遊技状態報知情報を更新する遊技状態報知情報更新処理を行う。ここでの処理は、特別図柄時短状態フラグがON状態(=5AH)かOFF状態(≠5AH)かを確認し、ON状態の場合、遊技状態報知LEDを点灯させるデータ、具体的には、遊技状態報知LED出力番号に01Hを格納する。
上記大当り終了処理を終えると、大当り遊技に関する一連の制御処理が終了したことになる。この大当り終了処理を抜けると、図5のS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
次に、本実施形態の演出制御部51側における演出制御処理について説明する。演出制御部51側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図40)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図43)とを含んで構成される。
図40は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部51(CPU241)は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図40に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、CPU241は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(S571)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
S571の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにS573〜S578のメインループ処理を行い、それ以外ではS80の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
S572の処理において、CPU241は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(S572)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図43のS696)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(S572:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(S579:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(S572:YES)、CPU241は、受信コマンド解析処理を行う(S573)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドの中には、既に説明した、保留加算コマンド、保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、変動停止コマンドなどが含まれる。たとえば変動パターン指定コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(特別図柄の変動時間、当選種別、および変動開始時の変動パターンなどの情報)と現在の作動保留球数情報とに基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成する。そして、この演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。なお、決定された演出シナリオの中に「保留球数ボタン予告演出」を組み込む場合、演出用の操作ボタン(演出ボタン)12が操作されなかった場合の「非操作用演出シナリオ」を基本演出シナリオとして構築しておく。ボタン予告演出実行中に操作ボタン12が操作された場合は、その非操作用演出シナリオを差し替えて、操作ボタン12が操作された場合の「操作用演出シナリオ」に変更する必要が生じるが、このようなシナリオ変更に関する処理は、次に述べるS574の「シナリオ更新処理」で行うようになっている。
このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段に現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(S575)や演出役物制御データ更新処理(S577)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、一の演出の発生時期が到来すると、スピーカ53用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(S575)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ577)で作成される。
またシナリオ更新処理では、上述の受信コマンド解析処理(S573)において決定された基本演出シナリオを必要に応じて書き換える場合がある。既に説明したように、基本演出シナリオの中に「保留球数ボタン予告演出」を組み込んだ場合は、現在の非操作用予告演出シナリオとは異なる操作用演出シナリオに変更する必要が生じる。ここでは、ボタン予告演出中に操作ボタン(演出ボタン)12が操作されたことを確認した場合、「操作用演出シナリオ」に変更し(たとえば、パーツ演出を組み替える)、その変更した演出シナリオデータを上記シナリオ設定領域に再設定する。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(S575)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、RAM243の指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(S576)。このサウンド出力処理では、S074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ53から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(S577)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物用のモータ制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図43のS694)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(S578)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、S579の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
次に図41を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図41は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部50から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図43)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部51(CPU241)は、図40に示すメイン処理実行中に主制御部50側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(S581)、受信した演出制御コマンドをRAM243のコマンド受信バッファに格納し(S582)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(S583)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部50から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
次に、図40のS573に示す受信コマンド解析処理の詳細を図42に基づいて説明する。まず、CPU241は、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かの判定を行う(S590)。演出制御コマンドが格納されていない場合には、この受信コマンド解析処理を終了する。一方、受信コマンドが格納されている場合には、演出制御コマンドを読出す処理を行う(S591)。そして、読出した演出制御コマンドがどのようなコマンドであるかを判定する処理を行う。具体的には、保留加算コマンドであるか否か(S592)、保留減算コマンドであるか否か(S593)、変動パターンコマンドであるか否か(S594)、装飾図柄指定コマンドであるか否か(S595)、変動停止コマンドであるか否か(S596)の判定を行う。これらの各コマンドでないと判定された場合にはその他の演出制御コマンド受信処理を実行する(S597)。
一方、S591により読出された演出制御コマンドが保留加算コマンドであった場合には、制御がS598へ進み、保留加算コマンド受信処理を実行する。減算コマンドであった場合には、制御がS599へ進み、保留減算コマンド受信処理を実行する。変動パターンコマンドであった場合には制御がS600へ進み、変動パターンコマンド受信処理を実行する。装飾図柄指定コマンドであった場合には制御がS601へ進み、装飾図柄指定コマンド受信処理を実行する。変動停止コマンドであった場合には、制御がS602へ進み、変動停止コマンド受信処理を実行する。
保留加算コマンド受信処理(S598)、保留減算コマンド受信処理(S599)、変動パターン指定コマンド受信処理(S600)の各処理については、後に詳しく説明する。
次に図43を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図43は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図43において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(S691)、演出ボタン入力管理処理を行う(S692)。この演出ボタン入力管理処理では、演出ボタン12からの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この情報は、上記ボタン予告演出に利用される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(S693)。この液晶コマンド送信処理では、図40の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(S574)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、画像表示装置25に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(S694)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(S577)で作成された可動体役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて可動体役物モータに制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(S695)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(S575)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(S696)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のS691〜S696の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(S697)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
図44〜図46は受信コマンド解析処理(図40のS573)で実行される処理のうち、先読み予告演出と関連性の深いものを示したものである。以下、「保留加算コマンド」、「変動パターン指定コマンド」、および「装飾図柄指定コマンド」を受信した場合についてそれぞれ説明する。
図44は、保留加算コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この保留加算コマンドは、図12の特図1始動口チェック処理のS326、または図16の特図2始動口チェック処理のS346で送信される演出制御コマンドである。
図44において、演出制御部51(CPU241)は、保留加算コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し、先読み判定結果情報を取得する(S711)。ここでは取得した情報を、RAM203の先読み情報記憶エリアに格納する。先読み情報記憶エリアにはRAM203の保留記憶エリアと同じように、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した先読み情報記憶エリア(特別図柄1側に対応する先読み情報記憶エリアと、特別図柄2側に対応する先読み情報記憶エリア)が設けられている。また、これら先読み情報記憶エリアには、作動保留球数に対応した保留1先読み情報記憶エリア〜保留n先読み情報記憶エリア(本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の先読み判定結果情報が格納可能となっている。たとえば、今回受信した保留加算コマンドが「B707H」というコマンドであった場合、CPU241は、「特図1保留2個指定、強SPリーチA、およびハズレB」(先読み変動パターンX7)という内容を把握し、これを特別図柄1側の保留2先読み情報記憶エリアに格納する。これにより、現存する作動保留球がどのような先読み判定結果であったかが特定できるようになっている。
なお、前述した先読み禁止制御機能を設けた変形例の場合には、このS711のステップの次に「先読み禁止であるか否かを判定するステップ」を挿入し、先読み禁止である場合、何もしないで、後述のS718の処理に進むように制御する。
S713の処理に進み、「連続予告カウンタ」がゼロか否かを判定する(S713)。この「連続予告カウンタ」とは、重複して先読み予告演出が発生してしまうことを禁止する禁止期間を定めるためのカウンタである。具体的には、次に述べるS714の先読み予告抽選により今回の作動保留球が先読み予告演出の実行対象とされた場合(先読み予告抽選に当選した場合)、今回の作動保留球が消化される(変動表示動作に供される)までの間に、新たに生じた作動保留球が先読み演出の実行対象とされないようにするためのカウンタである。なお「連続予告カウンタ」には、上述の理由から、現在の作動保留球数の値が格納されるようになっている(後述のS717参照)。
上記連続予告カウンタがゼロでない場合(S713:NO)、先読み予告抽選禁止状態であるとして、何もしないでS718の処理に進む。
連続予告カウンタの値がゼロである場合(S713:YES)、先読み予告抽選許可状態であるとして、先読み予告抽選処理を行う(S714)。この先読み予告抽選処理では、先読み変動パターン情報に基づいて、「保留表示変化系(入賞時変化系)の先読み予告演出」(以下、「保留先読み予告演出」と称する)の実行可否と、「画像表示変化系(変動開始時変化系)の先読み予告演出」(以下、「背景先読み予告演出」と称する)の実行可否とを抽選により決定する。なお上記先読み予告抽選は、現存する作動保留球に係る先読み変動パターンの中に、リーチ有り変動パターン種別がないことを条件に行われる。リーチ有り変動パターンの有無の確認は、今回の保留加算コマンドが、特別図柄1側の作動保留球に係るものであれば特別図柄1側の先読み情報記憶エリア内の情報を確認し、特別図柄2側の作動保留球に係るものであれば特別図柄2側の先読み情報記憶エリア内の情報を確認することにより行うことができる。なお今回の先読み判定結果情報が「不定(通常変動・リーチ)」である場合は、変動開始時の変動パターンがリーチ有り変動パターンである可能性があるため、このときは、リーチ有り変動パターンとみなすことが好ましい。
本実施形態では、‘保留先読み予告演出’を発生させる場合に限り、‘背景先読み予告演出’を重複的に発生させて、どの作動保留球が先読み予告演出の対象となっているかを明確に示唆するとともに、大当り当選期待感を煽ることができるようになっている。したがって先読み予告抽選では、(I)保留先読み予告演出だけを実行可とするか、(II)保留先読み予告演出と背景先読み予告演出の双方を実行可とするか、(III)いずれの先読み予告も実行しないとするか、といった3つのケースが抽選により決定される。いずれのケースが決定されるかは、当選種別(本実施形態では、大当り種別、小当り種別、ハズレ種別)および/または先読み変動パターンの内容に関連付けられた「先読み予告抽選テーブル(図示せず)」により決定される。この先読み予告抽選テーブルには、上記(III)が大当り当選期待度が最も低く、また上記(I)のケースよりも(II)のケースの方が大当り当選期待度が高い傾向となるように、上記(I)〜(III)の選択率が定められている。具体的には、主制御部50側で決定される当選種別や先読み変動パターンの選択率を考慮し、大当り当選期待度が相対的に低いリーチ種別(たとえば、弱SPリーチA種別または弱SPリーチB種別)の場合には上記(I)のケースの選択率が相対的に高く、大当り当選の場合や大当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別(たとえば、強SPリーチA種別または強SPリーチB種別)の場合には上記(II)のケースの選択率が相対的に高くなるように定められている。また通常変動パターン種別の場合には、上記(III)のケースの選択率が相対的に高くなるように定められている。
なお上記先読み予告抽選では、上記(I)〜(III)の他、(IV)背景先読み予告演出だけを実行するか否かを抽選する場合も含めても良い。また(V)可動体役物(図示せず)による先読み演出(役物先読み予告演出)を実行可能に構成している場合は、可動体役物を‘保留先読み予告演出’および/または‘背景先読み予告演出’とともに、あるいは単独で、実行可とするか否かを抽選する場合も含めても良い。上記(IV)および/または(V)を含む場合、(I)〜(V)のいずれのケースが発生した場合に、大当り当選期待度が高い傾向となるかは、主制御部50側で決定される当選種別の選択率や先読み変動パターンの選択率を考慮して自由に定めることができる。
なお、上記(I)〜(V)のいずれの場合もあるいは(I)〜(V)のいずれかの場合に、大当りが発生しないにもかかわらず大当りの先読み予告を低確率で行う制御(ガセ予告制御)を行う。また、先読み予告が実行可能な状態であって大当りが発生するにもかかわらず大当りの先読み予告を行わない制御(間引き制御)を行う。なお、このガセ予告制御と間引き制御との双方あるいは一方を行わないようにしてもよい。
次いで、S714の先読み予告抽選の結果、先読み演出を実行可と決定した場合、上記(I)の場合は先読み動作ステータスに「01H」を、上記(II)の場合は先読み動作ステータスに「02H」を、上記(III)のいずれの先読み予告も実行しないと決定した場合には、先読み動作ステータスに「00H」をRAM243の所定領域に格納する(S715)。
次いで、先読み判定動作ステータスを判定する(ステップ716)。先読み動作ステータスが「00H」の場合(S716:=00H)、先読み予告演出は行われないので、何もせずにS718の処理に進む。
一方、先読み動作ステータスが「00H」以外である場合(S716:≠00H)、作動保留球数(保留記憶個数)を連続予告カウンタに格納する(S717)。たとえば、今回受信した保留加算コマンドが「B706H」というコマンドであった場合、当該コマンドは「特図1保留2個指定」であるので、連続予告カウンタには、その保留2個を示す「02H」が格納される。これにより、新たな作動保留球を対象とした先読み予告抽選が一定期間禁止される。なお、このカウンタ値は、後述の図46の装飾図柄指定コマンドを受信処理において、先に生じた古い作動保留球が消化されるごとに1つずつ減算されるようになっている。
S718の処理に進むと、保留加算表示処理を行う(S718)。この保留加算表示処理では、保留先読み予告抽選の結果に基づき、保留表示部28、29の保留表示に係る演出データをRAM243の保留表示データ記憶エリア(保留表示用シナリオ設定領域)に格納する。この保留表示データ記憶エリアにはRAM203の保留記憶エリアと同じように、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留表示データ記憶エリア(特別図柄1に対応する特図1保留表示データ記憶エリアと、特別図柄2に対応する特図2保留表示データ記憶エリア)が設けられている。これら保留表示データ記憶エリアには、保留1表示データ記憶エリア〜保留n表示データ記憶エリア(nは最大保留表示数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留表示用の演出シナリオデータが格納可能となっている。CPU241は、この保留表示データ記憶エリア内の保留表示用演出シナリオデータを参照して、保留表示部28、29に対してどのような保留表示を行うかを特定できるようになっている。
上記保留表示用演出シナリオについては、S714の「先読み予告抽選」に非当選(ハズレ)であった場合には(先読み予告動作ステータス=00H)、通常保留表示用の演出データ(たとえば、保留アイコン「青色」の演出データ)が格納される。他方、先読み予告抽選に当選した場合には(先読み予告動作ステータス≠00H)、保留先読み予告(専用保留表示)用の演出データ(たとえば、保留アイコン「青色、黄色、緑色、赤色、または虹色」の演出データ)が格納される。なお何色の保留色にするのかは、当選種別(本実施形態では、大当り種別、小当り種別、ハズレ種別)および/または先読み変動パターンの内容に関連付けられた「保留色選択テーブル(図示せず)」により決定される。この保留色選択テーブルには、「青色<黄色<緑色<赤色<虹色」の関係で大当り当選期待度が高い傾向となるように、その保留色の選択率が定められている。たとえば「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また大当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が、大当り当選期待度の高い保留色が高確率で選択されるようになっている。
本実施形態では「先読み予告抽選」に当選した場合、先読み予告演出対象となった作動保留球に係る保留アイコンの色が、たとえば、黄色、緑色、赤色または虹色のいずれかの色(通常は青色)に変化し、当該作動保留球が消化されるまでの間(変動表示動作に供されるまでの間)、その保留表示が連続的に出現するようになっている。なお詳細は後述するが、「背景先読み予告演出」にも同時当選した場合、保留先読み予告演出とともに、専用予告画像(稲妻画像)による先読み予告演出(稲妻演出)が画像表示装置25の画面内に出現し、稲妻画像による先読み予告演出(稲妻演出)が連続的に出現することになる。
上記S714の先読み予告抽選処理は、先読み判定手段(特図1側の第1の先読み判定手段または特図2側の第2の先読み判定手段)による先読み判定結果を演出開始条件に(先読み判定情報を含む演出制御コマンド(保留加算コマンド)を受信したことを条件に)、当該先読み判定結果に関連する情報を報知する先読み予告演出の実行可否を判定する予告実行判定手段として働く。また上記S718または後述のS755〜S760の処理は、上記予告実行判定手段により前記予告演出を実行可と判定された場合、装飾図柄表示手段(画像表示装置25)に対して前記先読み予告演出を現出制御する予告演出制御手段として働く。
なお本実施形態では、画像表示装置25における画像表示により、保留表示変化系と画像表示変化系の両方の先読み予告演出を発生させる形態を説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、保留表示系の先読み予告演出をパチンコ遊技機1の適所に設けた保留表示器により、画像表示変化系の先読み予告演出を画像表示装置25により、別々の演出手段により現出可能に構成しても良い。この場合、上記予告演出制御手段は、専用の保留表示器(図示せず)に対して上記保留表示変化系の先読み予告演出を現出制御する保留先読み予告制御演出手段と、装飾図柄表示手段(画像表示装置25)に対して上記画像表示変化系の先読み予告演出を現出制御する画像先読み予告制御手段としての機能部を含むことができる。また、先読み予告演出をパチンコ遊技機1の適所に設けた可動体役物(図示せず)の動作態様により表現しても良い。この場合、上記予告演出制御手段は、可動体役物に対して先読み予告演出を現出制御する可動体制御手段を含むことができる。
図45は、変動パターン指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この変動パターン指定コマンドは、図24の特別図柄変動パターン作成処理のS412で送信される演出制御コマンドである。
図45において、演出制御部51(CPU241)は、変動パターン指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(S731)、その内容である特別図柄の変動パターン情報を取得し、RAM243の所定領域に格納する(S725)。図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオは、まだこの時点では決定せず、変動パターン指定コマンドに続いて送られてくる装飾図柄指定コマンドを受信した場合に決定される。つまり、ここで格納された変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(特別図柄判定データ情報)とに基づき、図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオが決定されるようになっている。
図46は、装飾図柄指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この装飾図柄指定コマンドは、図24の特別図柄変動開始処理のS415で送信される演出制御コマンドである。
図46において、演出制御部51(CPU241)は、装飾図柄指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析して、その内容を取得する(S751)。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行う(S752)。この停止装飾図柄抽選処理では、S732の処理で得られた変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報とに基づき、最終的に停止させる左図柄・中図柄・右図柄(装飾図柄停止図柄の組合せ)をそれぞれ抽選により決定する。たとえば、リーチ状態を伴う当り変動パターンで、そのときの大当り種別が16R開放確変大当りである場合、まず左図柄を抽選して、その左図柄とリーチ状態が形成可能な装飾図柄を右図柄として決定し、決定された左図柄と右図柄とに基づき、16R開放確変大当りに関連した装飾図柄列で最終的に停止されるように中図柄を決定する。これにより、今回の装飾図柄変動表示ゲームが完了したときの装飾図柄の組合せが定まる。そして、決定された装飾図柄データをRAM243の装飾図柄データ格納領域に格納する。
次いで、連続予告カウンタがゼロであるか否かを判定する(S753)。連続予告カウンタがゼロである場合(S753:YES)、何もしないでS757の処理に進む。
連続予告カウンタがゼロでない場合(S753:NO)、次いで、先読み動作ステータスを取得し判定する(S754)。先読み動作ステータスが「02H」以外であった場合(S754:≠02H)、何もしないでS757の処理に進む。
先読み動作ステータスが「02H」であった場合(S754:=02H)、この場合は背景先読み予告演出実行となるので、S755の処理に進み、背景先読み予告設定処理を行う(S755)。この背景先読み予告設定処理では、まず、S732の処理で得られた変動パターン情報に基づき、複数種類の背景先読み予告演出のうちからいずれか1つの背景先読み予告演出を抽選により決定する。たとえば、落雷の強さレベルを表現した、強落雷の稲妻演出、中落雷の稲妻演出、弱落雷の稲妻演出を含む複数種類の稲妻演出のうちからいずれかを1つ稲妻演出を抽選により決定する。いずれの稲妻演出を発生させるかは、変動パターンに関連付けられた「稲妻演出選択テーブル(図示せず)」により決定される。この稲妻演出選択テーブルには、「弱落雷<中落雷<強落雷」の関係で大当り当選期待度が高い傾向となるように、その稲妻演出種の選択率が定められている。
なお既に説明したが、入賞時に定まる「先読み変動パターン」と変動開始時に定まる「変動開始時の変動パターンに係る基本パターン」とは、実質的に同一のパターン種が選択されるようになってので、保留アイコンの保留色による大当り当選期待度と稲妻演出による大当り当選期待度とは、密接な関連性を持つ。より詳しくは、保留先読み予告演出が単独で出現した場合よりも保留先読み予告演出と背景先読み予告演出とが重複して出現した場合の方が、より明確に大当り当選期待度が示唆されるようになっている。たとえば、保留色が「赤色」で稲妻演出が「強稲妻」である場合には、大当り当選期待度が飛躍的に高まるが、保留色が「赤色」であっても稲妻演出が「弱稲妻」である場合には、それよりも大当り当選期待度が低下する。このように本実施形態では、単独の先読み予告演出が出現した場合よりも複数の先読み予告演出が混在した場合の方がより明確な大当り当選期待度が示唆されるようになっている。
また背景先読み予告設定処理では、背景先読み予告演出の実行回数を連続カウンタの値と同数値を設定し(背景予告実行カウンタに連続カウンタの値を格納)、先読み動作ステータスを「00H」に切り替える(先読み動作ステータスに00Hを格納)。これにより、一の保留加算コマンドが受信されて背景先読み予告演出を実行すると決定された場合、先に生じた最も古い作動保留球が変動開始時において上記背景先読み予告設定処理が行われるが、次回以降の他の保留加算コマンドが受信されたときに、連続予告カウンタがゼロで、かつ先読み動作ステータスが「02H」になっていない限り、この背景先読み予告設定処理は行われない。すなわち、本実施形態では、先読み予告演出の対象となった作動保留球が消化しない限り新たな先読み予告演出は発生せず、重複した先読み予告演出の発生が禁止されるようになっている。なお、先読み予告演出の対象となった作動保留球が消化する前から新たな先読み予告演出は発生させて重複した先読み予告演出を行うように制御してもよい。
次いで、S756に進むと、今回の作動保留球の消化分として、連続予告カウンタから1減算する(S756)。
次いで、背景予告実行カウンタがゼロであるか否かを判定する(S757)。背景予告実行カウンタがゼロでなければ(S757:NO)、今回の作動保留球の消化分として、背景予告実行カウンタから1減算し(S758)、背景先読み予告演出実行であるとして、S759の稲妻演出有りの演出シナリオ設定処理に進む。一方、背景予告実行カウンタがゼロであれば(S757:YES)、背景先読み予告演出は実行されないとして、S761の稲妻演出無しの演出シナリオ設定処理に進む。
上記S758の稲妻演出有り演出シナリオ設定処理では、今回の装飾図柄変動表示ゲーム中に現出させる予告演出として、背景先読み予告である稲妻演出を含めた演出シナリオを決定する。これにより、背景先読み予告演出として稲妻演出の一つが選択された場合には、変動開始時に液晶表示装置36の画面内に稲妻画像が出現することになる。他方、S761の稲妻演出無し演出シナリオ設定処理では、背景先読み予告である稲妻演出を除いた演出シナリオを決定する。なお演出シナリオは、変動パターン指定コマンドや装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(変動パターン情報や当選種別など)と、現在の演出モードとに基づき、パーツ演出としての複数種類の予告演出を決定して演出シナリオを構築し、このデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。
上述の演出シナリオ設定処理を終えると、装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定処理を行う(S760)。ここでは、保留表示シフト処理を含めた装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定を行う。上記保留表示シフト処理では、装飾図柄変動演出を開始するに伴い、保留表示データn記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留表示データ記憶エリア(保留2表示データ記憶エリア、保留3表示データ記憶エリア、保留4表示データ記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留表示データ記憶エリアに上書きし、保留4表示データ記憶エリアに空き領域を設ける。空き領域となっている保留表示データ記憶エリアには保留表示用の演出シナリオデータが格納されていないため、この場合は、保留表示演出は行われずに該当表示箇所は消灯状態として表示される。これによりCPU241は、保留表示データ記憶エリア内に格納されている保留表示用演出シナリオを参照して、現存する保留表示部の位置が全体として古い記憶位置側に1つシフトされる演出表示を行い、装飾図柄変動表示ゲーム開始時には作動保留球が消化された状態を表現した保留表示を行うようになっている。なお、RAM203の先読み情報記憶エリアに関しても、上述の保留表示データ記憶エリアのシフト処理と同様にして、保留n先読み情報記憶エリア(n=2、3、4)に対応する先読み情報記憶エリアに格納されている先読み判定結果情報を、それぞれ‘n−1’に対応する先読み情報記憶エリアに上書きし、保留4先読み情報記憶エリアに空き領域を設け、次の保留加算コマンドを受信した場合の先読み判定結果情報を格納する領域を確保するようになっている。
S760の処理を終えると、装飾図柄指定コマンド受信処理を抜けて、以後、装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。このように演出制御部51は、第1の制御コマンド(保留加算コマンド)を受信したことを条件に、所定の変動開始条件が成立せずに未だ保留情報が消化されていない図柄遊技(図柄変動表示ゲーム)について、その保留情報に基づく図柄遊技の表示結果がどのような表示結果となるかについての情報を予告する予告演出(先読み予告演出)を現出制御する予告演出制御手段と、第2の制御コマンド(変動パターン指定コマンド)を受信したことを条件に(本実施形態では、変動パターン指定コマンドに続く装飾図柄指定コマンドを受信したことを条件に)、演出表示装置(たとえば、画像表示装置25)における装飾図柄遊技(装飾図柄変動表示ゲーム)の実行を開始させる図柄遊技実行制御手段が含まれる。
(第1実施の形態)
次に、保留球数ボタン予告の第1実施の形態を説明する。まず、図43のS692で示された演出ボタン入力管理処理の詳細を図47に基づいて説明する。CPU241は、保留球数ボタン予告操作があったか否かの判断を行う(S775)。ない場合にはこの演出ボタン入力管理処理が終了する。一方、遊技者が演出ボタン12を操作すれば、S775によりYES判断がなされ制御がS776へ進み、高期待度リーチ以外のリーチであるか否かの判定を行う。この高期待度リーチとは、大当りの発生期待度が極めて大きいリーチのことであり、本実施の形態では例えば特殊リーチの場合である。高期待度リーチが画像表示装置25により表示されているときには、遊技者にその高期待度リーチを注視させるために保留球数ボタン予告演出を行わないように制御する。よって高期待度リーチの場合には、保留球数ボタン予告ができない旨のメッセージ表示を画像表示装置25により表示させる制御を行う(S777)。
一方、現在画像表示装置25に表示されているリーチが高期待度リーチでない場合には、ボタン操作無効期間であるか否かの判定を行う(S778)。このボタン操作無効期間とは、図52に示す無効(1)で示された期間のことである。ボタン操作無効期間である場合には、ボタン操作無効期間である旨のメッセージ表示を画像表示装置25に表示させる制御を行う(S779)。
ボタン操作無効期間でない場合には、保留球数があるか否かの判定を行う(S780)。保留球数ボタン予告演出は、保留球数がある場合にその保留球数分だけボタン予告演出を実行するというものであり、保留球数がない場合には、保留球数を貯める旨のメッセージ表示を画像表示装置25に表示させる制御を行う(S781)。保留球数がある場合には、保留球数ボタン予告操作カウンタの値が上限に達しているか否かの判定を行う(S782)。保留球数ボタン予告操作カウンタとは、遊技者が演出ボタン12を操作して保留球数ボタン予告演出が実行可能となる毎に「1」加算更新されるものである。S782では、保留球数ボタン予告操作カウンタのカウント値が現在の保留球数(特図1作動保留球数+特図2作動保留球数)に達しているか否かを判定する。また、今回の特図変動で表示されるリーチがスーパーリーチ後半にまで発展するものである場合には(図52参照)、スーパーリーチ前半での保留球数ボタン予告演出の終了時点で保留球数ボタン予告操作カウンタが一旦クリアされ、かつスーパーリーチ後半での保留球数ボタン予告演出の終了時点でも保留球数ボタン予告操作カウンタがクリアされる。よって、例えば、スーパーリーチ前半時点において、保留球数が「5」の場合は保留球数ボタン予告操作カウンタの値が「5」に達しているか否かの判定を行い、スーパーリーチ後半時点においても保留球数が「5」の場合は、スーパーリーチ後半時点においても保留球数ボタン予告操作カウンタの値が「5」に達しているか否かの判定を行う。
保留球数ボタン予告操作カウンタが上限に達している場合には制御がS784へ進み、保留球数を予告演出に使い尽くしている旨のメッセージ表示を画像表示装置25により表示させる制御を行う。一方、保留球数ボタン予告操作カウンタの値が未だ上限に達していない場合には、保留球数ボタン予告操作カウンタを「1」加算更新する処理を行う(S783)。
次に、図40のS574に示されたシナリオ更新処理の詳細を図48に基づいて説明する。この演出シナリオ更新処理は、遊技者が演出ボタン12を操作して保留球数ボタン予告演出を実行する場合に、図46のS759またはS761により設定された演出シナリオに変更を加え、画像表示装置25により保留球数ボタン予告演出を実行させるための処理である。具体的には、保留表示部28、29の保留表示に係る演出データをRAM243の保留表示データ記憶エリア(保留球数ボタン予告用シナリオ設定領域)に格納する。この保留表示データ記憶エリアにはRAM203の保留記憶エリアと同じように、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留表示データ記憶エリア(特別図柄1に対応する特図1保留表示データ記憶エリアと、特別図柄2に対応する特図2保留表示データ記憶エリア)が設けられている。これら保留表示データ記憶エリアには、保留1表示データ記憶エリア〜保留n表示データ記憶エリア(nは最大保留表示数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留表示用の演出シナリオデータが格納可能となっている。CPU241は、この保留表示データ記憶エリア内の保留球数ボタン予告用シナリオデータを参照して、保留表示部28、29に対してどのような保留球数ボタン予告演出表示を行うかを特定できるようになっている。また、保留球数ボタン予告演出を行う場合には、背景画像も保留球数ボタン予告演出特有のものとする(図53(c)参照)。よって、保留表示データ記憶エリアのシナリオばかりでなく、背景画像のシナリオも通常の背景シナリオから保留球数ボタン予告演出特有のシナリオに変更する制御を行う。
まず、今回の変動で表示されるリーチが、保留球数ボタン予告を実行可能なリーチであるか否かの判定を行う(S765)。前述したように、高期待度リーチ(例えば特殊リーチ)の場合には保留球数ボタン予告演出を実行しないように定められており、そのような高期待度リーチを除くリーチが表示される場合には、制御がS766へ進み、特別保留個数表示画像28,29をボタン表示画像(ボタン有効画像)27に変える演出シナリオに変更する処理を行う。その結果、例えば図53(a)に示す特別保留個数表示画像28,29がボタン表示画像(ボタン有効画像)27に変更されて画像表示される(図53(b)参照)。
次に、保留球数ボタン予告操作カウンタが「1」であるか否かの判定を行う(S767)。「1」でない場合、すなわち、0または2以上である場合にはこのシナリオ更新処理は終了する。一方、保留球数ボタン予告操作カウンタが「1」の場合には、保留球数ボタン予告テーブル選択テーブルを参照してテーブルを選択する処理を行う(S768)。保留球数ボタン予告演出に用いられるシナリオは、保留球数ボタン予告乱数に基づいてテーブルを参照して、所定の確率でランダムに選択決定されるものであり、その参照対象となるテーブルを選択するためのテーブルが、保留球数ボタン予告テーブル選択テーブルである。この保留球数ボタン予告テーブル選択テーブルは、その一例が図49(a)に示されている。
図49(a)を参照して、保留球数ボタン予告テーブル選択テーブルは、大当り時とハズレ時および発展型リーチと非発展型リーチとの二次元テーブルで構成されている。発展型リーチとは、例えば図52に示されているように、通常リーチ(ノーマルリーチ)から発展演出が表示されてスーパーリーチ前半が表示され次にスーパーリーチ後半にまで発展するものである。今回の変動で大当りが表示結果として導出表示される場合において、発展型リーチが表示される場合にはテーブル1が選択され、非発展型リーチが表示される場合にはテーブル2が選択される。今回の変動でハズレが表示結果として導出表示される場合において、発展型リーチが表示される場合にはテーブル3が選択され、非発展型リーチが表示される場合にはテーブル4が選択される。
次に図48に戻り、保留球数ボタン予告乱数を抽出する処理を行う(S769)。この保留球数ボタン予告乱数は、0からカウントアップして、その上限である99までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す処理を繰り返し実行し、S769による抽出タイミングのときのカウント値を乱数として抽出するものである。次に、S768により選択されたテーブルをS769により抽出された乱数に基づいて検索して、保留球数ボタン予告シナリオを決定する処理を行う(S770)。このS770により検索対象となるテーブルを、図49(b)〜(d)、図50(a)に基づいて説明する。
まず、大当り時でかつ発展型リーチが表示される場合に選択されるテーブル1を、図49(b)に基づいて説明する。テーブル1では、発展型リーチに対応しているために、その発展型リーチの前半と後半とに分け、演出シナリオ前半で保留球数の色による演出を行い、演出シナリオ後半で文字(メッセージ)の種類による演出を行う。そのためのシナリオデータが4種類記憶されている。これら4種類のシナリオデータは、保留球数ボタン予告乱数に基づいて選択されるように構成されており、抽出された保留球数ボタン予告乱数がどの領域に属するかを判別するための乱数領域が添え字として記憶されている。例えば、抽出された保留球数ボタン予告乱数が0〜39の領域に属する値であった場合には、演出シナリオ前半として、白→青→緑→赤→赤→赤→赤→金、演出シナリオ後半として、1→1→2→2→4→4→5→5の演出シナリオが選択されることとなる。
この演出シナリオ後半の1、2、3…の数字は、図50(c)のボタン押下結果バリエーション(リーチ後半)に示すエフェクト文字を表す番号のことである。1は「恨み」のエフェクト文字が画像表示装置25により表示され、2は「憎悪」のエフェクト文字が画像表示装置25により表示され、3は「アツイ」のエフェクト文字が画像表示装置25により表示されるように構成されている。
同様に、抽出された保留球数ボタン予告乱数が40〜59の領域に属する場合には、テーブル1の2段目のシナリオが選択される。その結果、遊技者が演出ボタン12を操作する毎に、保留記憶表示に対応するボタン表示が白→青→緑→緑→赤→赤→赤→金の色で表示されることとなる。また、演出シナリオ後半においては、遊技者が演出ボタン12を操作するごとに、「恨み」、「憎悪」、「アツイ」、「アツイ」、「激アツ」、「激アツ」、「激アツ」、「アタリ」のエフェクト文字が表示されることとなる。ただし、遊技者が演出ボタン12を操作した時点における保留記憶数を超える回数の保留球数ボタン予告演出は行われない。例えば、特図1作動保留球数が2で、特図2作動保留球数が3の場合には、2+3で合計5回を限度に保留球数ボタン予告演出が実行可能となる。具体的には、前述のテーブル1の2段目のシナリオの場合に、演出シナリオ前半で白→青→緑→緑→赤までが実行され、演出シナリオ後半で、1→2→3→3→4までが実行されることとなる。ただし、演出シナリオ後半の時点でさらに保留球数が増加している場合には、その増加した分だけ保留球数ボタン予告演出が実行可能となる。
演出シナリオ前半での保留色が示す役割を図50(b)に基づいて説明する。保留色としてのエフェクト色が白の場合にはデフォルトを示し、青の場合には大当り期待度が小さい旨を示し、緑の場合には大当り期待度が中程度であることを示し、赤の場合には大当り期待度が大きいことを示し、金の場合には大当り期待度が100%すなわち確定であることを示している。
一方、演出シナリオ後半で表示されるエフェクト文字の役割を図50(c)に基づいて説明する。「恨み」の場合にはデフォルトを示し、「憎悪」の場合には大当り期待度が小さいことを示し、「アツイ」の場合には大当り期待度が中程度であることを示し、「激熱」の場合には大当り期待度が大きいことを示し、「アタリ」の場合には大当り期待度が100%すなわち確定である旨を示している。テーブル1〜4のいずれの場合においても、今回の演出ボタン12操作時のエフェクト色またはエフェクト文字の大当り期待度が、前回の演出ボタン12操作時のエフェクト色またはエフェクト文字の大当り期待度を下回ることがない。このように制御することによって、保留球数ボタン予告演出を遊技者が続行することによって却って落胆することがないようにしている。
再び図49(b)のテーブル1を参照して、テーブル1の1段目に示されているシナリオが選択される確率は、乱数範囲が0〜39であるために、40%の確率であり、2段目が選択される確率は20%であり、3段目が選択される確率は30%であり、4段目が選択される確率は10%となっている。大当り時でかつ非発展リーチが表示される場合に選択されるテーブル2の場合には、図49(c)に示すように、発展型リーチの後半が存在しないために、前半のみの演出シナリオとなっている。
ハズレ時で発展型リーチが表示されるときに選択されるテーブル3と、ハズレ時で非発展型リーチが表示されるときに選択されるテーブル4とも、基本的にはテーブル1やテーブル2と同様の構成を有している。ただし、これらテーブル3とテーブル4は、ハズレ時に選択されるものであるために、表示される期待度も低い演出に抑えられている。なお、テーブル3については、10%の確率で金色のエフェクト色による大当り期待度(確定)が表示されるとともに「アタリ」のエフェクト文字の大当り期待度(確定)が表示され、テーブル4では、10%の確率で金色のエフェクト色である大当り期待度(確定)が表示される。これらは、ハズレが事前決定されているにもかかわらず100%の大当り期待度(確定)が表示されることとなり、いわゆるガセ予告となる。なお、このガセ予告を無くしてもよい。
次に図48に戻り、S770により決定された演出シナリオに変更する処理を行う(S771)。その結果、図53および図54に示す保留球数ボタン予告演出が画像表示装置25により表示されることとなる。
次に、図43のS693に示す液晶コマンド送信処理の詳細を図51に基づいて説明する。まず、発展型リーチの後半か否かの判定を行い(S787)、発展型リーチの後半でない場合には、保留球数ボタン予告操作カウンタが「1」以上であるか否かの判定を行う(S788)。この保留球数ボタン予告操作カウンタは、前述の図47のS783により「1」加算更新され、後述するS796によりクリアされる。保留球数ボタン予告操作カウンタが0の場合には、S788によりNOの判断がなされて制御がS789へ進み、ボタン表示画像のシナリオが記憶されているか否かの判定を行う。このボタン表示画像のシナリオは、前述のS766で変更されてRAM243に記憶されるものであり、ボタン表示画像のシナリオが記憶されている場合には、そのボタン表示画像のシナリオに従ったコマンドを画像表示装置25へ送信する(S790)。
一方、ボタン表示画像のシナリオが記憶されていない場合には制御がS791へ進み、通常のシナリオに従ったコマンドを画像表示装置25へ送信する。この通常のシナリオとは、図48のシナリオ更新処理で変更されたシナリオではなく、図46のS759またはS761により設定された稲妻演出有りまたは稲妻演出無しの演出シナリオのことである。その結果、画像表示装置25には、保留球数ボタン予告演出が行われることなく、それ以外の演出表示がなされる。
次に、保留球数ボタン予告操作カウンタが「1」以上である場合には、保留球数ボタン予告操作カウンタの値に対応するパーツ演出を表示するコマンドを画像表示装置25へ送信する(S793)。その結果、図53に示す保留色を用いた保留球数ボタン予告演出が表示される。
一方、発展型リーチの後半である場合には制御がS794へ進み、発展型リーチの前半での保留球数ボタン予告の結果を継続表示するとともに、現時点の保留球数に応じた操作ボタン(ボタン有効画像)を表示した上で保留球数ボタン予告操作カウンタの値に対応するパーツ演出を表示するコマンドを画像表示装置25へ送信する(S794)。その結果、図54に示すように、前半での保留球数ボタン予告の結果である保留色を用いた保留球数ボタン予告演出の結果が表示されるとともに、演出シナリオ後半である恨み、憎悪、激アツ等のエフェクト文字による保留球数ボタン予告演出の表示がなされる。
次に、保留球数ボタン予告演出が終了したか否かの判定を行い(S795)、終了した段階で制御がS796へ進み、保留球数ボタン予告操作カウンタをクリアするとともに、演出シナリオをクリアする処理を行う(S796)。このS795は、今回の特図変動で表示されるリーチがスーパーリーチ後半にまで発展するものである場合には(図52参照)、スーパーリーチ前半での保留球数ボタン予告演出の終了時点で一旦YESと判定しS796により保留球数ボタン予告操作カウンタが一旦クリアされ、かつ、スーパーリーチ後半での保留球数ボタン予告演出の終了時点でもYESと判定しS796で保留球数ボタン予告操作カウンタがクリアされる。
次に、図52のタイミングチャートに基づいて、保留球数ボタン予告演出の経時的な変化を説明する。この図52では、通常リーチ(ノーマルリーチ)が表示された後発展演出が行われて、スーパーリーチ前半が表示された後、スーパーリーチ後半に発展する発展型リーチが表示される。スーパーリーチ前半においては、スーパーリーチに導入するための導入部分が表示された後、スーパーリーチの展開演出がなされ、次に煽り演出がなされる。その後の、スーパーリーチ後半では、スーパーリーチ後半に発展する演出がなされ、スーパーリーチ後半の展開演出がなされた後、煽り演出がなされ、最後に当落表示がなされてスーパーリーチ後半が終了し、次回の変動に移行する。
次に、保留記憶がない場合(保留=0)は、保留球数ボタン予告演出を行うためのボタン表示(ボタン表示画像27)が表示されない。一方、保留記憶がある場合(保留>0)は、所定期間に亘ってスーパーリーチ前半の通常表示を行った後ボタン表示Aを行う(図53(b)のボタン表示画像27参照)。その後、スーパーリーチ後半になった段階で、ボタン表示Bを行う(図54(b)のボタン表示画像27参照)。図53および図54に基づいて後述するが、ボタン表示AとBともに、大当り期待度を示唆する演出がある。ボタン表示Aは保留色で大当り期待度を示唆している。ボタン表示Bではエフェクト文字により大当り期待度を示唆する。また、ボタン表示Bでは、ボタン表示Aの演出結果を残した上で更にボタン有効画像を表示する(図54(b)参照)。
次に、遊技者が演出ボタン12を操作したときのボタン処理の流れを説明する。まず、保留記憶がない場合(保留=0)、無効(1)の期間が経過した後においても、無効(2)となり、スーパーリーチ前半と後半とに亘ってボタン処理が行われることがない。
次に、保留記憶がある場合(保留>0)でかつ、未だ保留球数ボタン予告演出に用いられていない未押下保留がある場合(未押下保留>0)、無効(1)の期間が経過した後演出ボタン12の操作が有効となる。そして、スーパーリーチ前半の煽りとスーパーリーチ後半の発展の演出が実行されている期間において無効(1)となる。この無効(1)の期間が経過した後、再度演出ボタン12の操作が有効となり、スーパーリーチ後半の煽り以降において、無効(1)の期間となる。
次に、ボタン処理の3行目を参照し、保留記憶がある場合(保留>1)において、未押下保留が1から0に変化した場合を説明する。無効(1)の期間が経過した後に演出ボタン12の操作が有効となり、その有効期間中において遊技者が演出ボタン12を操作(押下)した場合に、保留色に基づいた保留球数ボタン予告演出が1回行われるとともに、未押下保留が1から0に変化し、無効(2)となる。その後、無効(1)の期間が経過した後、スーパーリーチ後半において、再び演出ボタン12の操作が有効となる。この有効期間中において遊技者が再度演出ボタン12を操作(押下)した場合に、エフェクト文字を用いた保留球数ボタン予告演出が1回実行されるとともに未押下保留が1から0に変化して無効(2)となる。
次に、保留球数が0から1に変化しそれに伴って未押下保留が0から1に変化した場合について、ボタン処理の4行目を参照して説明する。無効(1)の期間が経過した後、無効(2)となるが、その無効(2)の期間中において遊技球が特別図柄始動口20,21H,21Mに入賞した場合に、未押下保留が0から1に変化するとともに、演出ボタン12の操作が有効となる。その後、無効(1)となり、その無効(1)の期間が経過した後に再び演出ボタン12の操作が有効となる。このスーパーリーチ後半における有効期間では、保留未押下保留が1となっており、遊技者がこの有効期間中において演出ボタン12を操作しなければ無効(1)となる。
次に、スーパーリーチ中において遊技球が特別図柄始動口20,21H,21Mに入賞して保留球数が0から1に変化した場合であって、未押下保留が0から1に変化した後再度0に変化した場合を、ボタン処理の5行目に基づいて説明する。無効(1)の期間が経過した後無効(2)となり、その段階で遊技球が始動入賞して保留球数が0から1に変化するとともに未押下保留が0から1に変化した場合に、演出ボタン12の操作が有効となる。この有効な期間中において遊技者は演出ボタン12を操作することにより、保留球数ボタン予告演出が1回実行されるとともに、未押下保留が1から0に変化して無効(2)となる。その後、無効(1)の期間が経過してスーパーリーチ後半になった時に、再び演出ボタン12の操作が有効となる。そして、遊技者が演出ボタン12を操作することにより保留球数ボタン予告演出が1回実行されるとともに未押下保留が1から0に変化して無効(2)となる。
次に、図53に基づいて、スーパーリーチ前半で行われるボタン表示A(保留色を用いた保留球数ボタン予告演出)の一例を説明する。図53の(a)において、第1特別保留個数の表示画像28が2個、第2特別保留個数表示画像29が1個表示された状態で、左,中,右の各演出図柄表示装置が変動表示している。この状態において、左と右の演出図柄表示装置が停止して77のリーチ表示がなされた状態で、スーパーリーチ前半のリーチ演出が実行される。その段階で、特別保留個数表示画像28,29がボタン表示画像27に変更されて表示される。図53(b)では、スーパーリーチ前半の変動中において第2特別図柄右始動口21Mに2個の遊技球が入賞して第2特別保留個数表示画像29が2個増加して合計3つとなっており、その3つの第2特別保留個数表示画像29がボタン表示画像27に変更して表示されている。
その結果、第1特別保留個数2個と第2特別保留個数3個との合計5個のボタン表示画像が表示され、遊技者はスーパーリーチ前半において5回演出ボタン12を押下して5回の保留球数ボタン予告演出を実行することが可能となる。
その状態が図53(c)に示されている。まず遊技者が1回目の演出ボタン12を押下することにより1個目のボタン表示画像27が白色に変化する。次に2回目の演出ボタン12を押下することにより2個目のボタン表示画像27が青色に変化する。次に3回目の演出ボタン12を押下することにより3個目のボタン表示画像が緑色に変化する。次に4回目の演出ボタン12を押下することにより4個目のボタン表示画像27が赤色に変化する。次に5回目の演出ボタン12を押下することにより5個目のボタン表示画像27が赤色に変化する。また、保留球数ボタン予告演出では背景に保留球数ボタン予告演出用のキャラクタが表示される(図53(c)参照)。
次に、図54に基づいてスーパーリーチ後半の演出を説明する。スーパーリーチ後半の段階では、さらに2個の遊技球が第2特別図柄右始動口21Nに入賞して合計4個の第2特別保留個数表示画像29が表示された状態となっている。よって、第1特別保留個数表示画像28の2個+第2特別保留個数表示画像29の4個の表示画像で、合計6個のボタン表示画像27が表示される。その状態が図54(b)に示されている。図54(b)を参照して、スーパーリーチ前半の保留球数ボタン予告演出の結果が白、青、緑、赤、赤と表示された状態で、6個のボタン表示画像27が表示される。この状態では、遊技者が演出ボタン12を6回押下して6回の保留球数ボタン予告演出を実行可能となる。その状態が図54(c)に示されている。まず遊技者が1回目の演出ボタン12を押下することにより「恨み」のエフェクト文字が表示され、2回目の演出ボタン12を押下することにより「恨み」のエフェクト文字が表示され、3回目の演出ボタン12を押下することにより「憎悪」のエフェクト文字が表示され、4回目の演出ボタン12を押下することにより「憎悪」のエフェクト文字が表示され、5回目の演出ボタン12を押下することにより「激アツ」のエフェクト文字が表示され、6回目の演出ボタン12を押下することにより「激アツ」のエフェクト文字が表示される。
(第2実施の形態)
次に、図55、図56に基づいて、保留球数ボタン予告演出の第2実施の形態を説明する。第1実施の形態では、スーパーリーチ前半とスーパーリーチ後半とで共に大当り期待度の予告演出を行ったが、この第2実施の形態においては、スーパーリーチ前半において当該スーパーリーチがスーパーリーチ後半にまで発展するか否かを予告演出し、スーパーリーチ後半では第1実施の形態と同様に大当りの期待度を予告演出する。
その結果、テーブル1〜テーブル4における演出シナリオ前半(保留色)のシナリオ部分の役割が異なる。図56(b)を参照して、エフェクト色が白の場合にはデフォルトを意味し、青の場合にはスーパーリーチ後半に発展する期待度が小さいことを示唆し、緑の場合にはスーパーリーチ後半に発展する期待度が中程度であることを示唆し、赤の場合にはスーパーリーチ後半に発展する期待度が100%すなわち確定であることを示唆し、金色の場合にはスーパーリーチ後半に発展する期待度が100%すなわち確変であり、かつ、激アツであることを示唆している。この激アツとは、大当りの発生期待度が100%であることを意味している。つまり、エフェクト色が金色の場合にのみスーパーリーチ後半への発展期待度ばかりでなく大当りの発生期待度をも意味している。
そして、非発展型リーチのときに選択されるテーブル2とテーブル4に関して、比較的期待度の小さな保留色が選択されるように構成されている。ただし、テーブル2の4行目とテーブル4の4行目とにおいて最終的に赤色の保留色が表示されることとなり、これは発展期待度が100%であることを意味している。よって、このシナリオの場合にはいわゆるガセ予告となる。なお、ガセ予告を無くしてもよい。
(変形例)
次に、以上説明した第1実施の形態および第2実施の形態における変型例を以下に列挙する。
(1)保留球数ボタン予告演出における第1実施の形態においては、スーパーリーチ前半とスーパーリーチ後半とでそれぞれ個別に大当りの発生期待度を示唆する予告を行ったが、その代わりに、スーパーリーチ前半からスーパーリーチ後半まで継続して1つの予告演出を行うように制御してもよい。その場合に、非発展型リーチのときに選択されるテーブル2とテーブル4とは第1実施の形態と変わりないが、発展型リーチのときに選択されるテーブル1とテーブル3に関しては、演出シナリオ後半においても保留色による演出を行うものとなる。例えば、図49(b)のテーブル1において、乱数の範囲が0〜39の1行目に示された演出シナリオの場合に、演出シナリオ前半において白→白→白→青→青→緑→緑→緑となり、演出シナリオ後半において緑→緑→赤→赤→赤→赤→金→金となる。
この場合において、スーパーリーチ前半で保留記憶数が例えば「6」であるにもかかわらず演出ボタン12の押下を4回しか行わなかった場合には、残りの2回のボタン操作をスーパーリーチ後半にまわせるように制御し、スーパーリーチ後半において2回のボタン操作を追加して操作できるようにしてもよい。
(2)前述の保留球数ボタン予告演出においては、各保留表示部においてボタン操作の結果表示を行うものを示したが、当該保留(1個)でボタン操作の結果表示を行うように制御してもよい。例えば携帯電話の受信電波を表すアイコンを画像表示し、遊技者が演出ボタン12を押下する度にそのアイコンの本数によって期待度を予告表示するように制御してもよい。
(3)前述の実施の形態では、保留球数ボタン予告演出が実行可能なタイミングで遊技者が演出ボタン12を操作したときに保留球数ボタン予告演出のシナリオを事前に決定するものを示したが、シナリオの決定タイミングはこれに限定されるものではない。例えば、遊技者が演出ボタン12を押下する毎に表示されるエフェクト色やエフェクト文字をその押下タイミングで決定するようにしてもよい。あるいは発展型リーチの前半開始時に前半の保留球数ボタン予告演出のシナリオを決定し、発展型リーチの後半開始時に後半の保留球数ボタン予告演出のシナリオを決定するようにしてもよい。いずれの場合においても、今回表示されるエフェクト色あるいはエフェクト文字の期待度が前回表示されたエフェクト色あるいはエフェクト文字の期待度よりも低下する演出制御は行わないように制御する。
(4)前述の実施の形態では、現時点での保留球数の数だけ演出ボタン12を押下してエフェクト色あるいはエフェクト文字による保留球数ボタン予告を実行可能なものを示したが、このような保留球数ボタン予告の実行回数が現時点における保留球数の範囲内に限定されるものに限らず、例えば次のようなものであってもよい。演出ボタン12が最初に押下された時点で保留球数に応じた保留球数ボタン予告演出を1回だけ実行するもの。その際、演出ボタン12の押下時点での保留球数が第1の数の場合に比べて当該第1の数よりも多い第2の数の場合の方がより正確な期待度を示す演出となるように制御する。
(5)例えば、保留記憶を先読みした連続予告、あるいは1回の特図変動の最中に仮停止および再変動を数回繰り返す疑似連続予告等の他の予告演出が実行されているときに、前述の保留球数ボタン予告演出を並行して行う場合には、他の演出による予告内容と保留球数ボタン予告演出による予告内容とが整合するように制御するのが望ましい。
例えば、図44のS718、図46のS759に従って先読み演出を実行している最中に保留球数ボタン予告演出を並行して実行する場合に、いずれか一方の演出のみにおいてガセ予告を行う場合には両者の予告内容が食い違う不都合が生じる。このような不都合を防止するべく、保留球数ボタン予告演出を実行する際に、他の演出(例えばS718、S759による先読み予告演出)が並行して実行されるか否かを判定する判定手段(例えば、先読み動作ステータスが「00H」であるか否かを判定する手段)と、該判定手段により並行して実行されると判定された場合(例えば、先読み動作ステータスが「00H」でないと判定された場合)に当該並行して実行されると判定された予告演出の予告内容に整合する内容となるように保留球数ボタン予告の内容を決定する整合予告内容決定手段とを備える。
具体的には、例えば、図48のS770の制御において、先読み予告で今回の変動において大当りとなるガセ予告が行われる場合に、図49(b)のテーブル1または図49(c)のテーブル2を参照する際に、金色のエフェクト色および当りのエフェクト文字が選択される乱数0〜39,40〜59の範囲の演出シナリオを選択しないように制御する。
(6)前述の実施の形態では、リーチ演出中に遊技者が遊技球を発射させて始動入賞させることにより保留球数が増加した場合に、その増加した保留球数に対応する回数だけ保留球数ボタン予告演出を追加して実行可能となるように制御し、リーチ演出中でも極力遊技者が球技球の発射を停止しないようにして、遊技場での遊技機の稼働率の低下を極力防止している。しかし、稼働率の低下を防止する手段としては、保留球数の利用以外の方法を採用してもよい。例えば、リーチ演出中に遊技者が遊技球を発射させて遊技領域に打込まれた遊技球を検出してカウントし、予め定められたカウント値に達する毎に保留球数ボタン予告演出を実行可能に制御してもよい。他の例としては、リーチ演出中に遊技者が玉貸し操作を行い、その玉貸し数が予め定められた値に達する毎に保留球数ボタン予告演出を実行可能に制御してもよい。
(第3実施の形態)
次に、図57〜図60に基づいて第3実施の形態を説明する。この第3実施の形態では、ボタン予告を実行可能なリーチ(例えば、高期待度リーチ(例えば特殊リーチ)を除くリーチ)が生じたときに、遊技者が遊技を続行している遊技続行状態であるか否か判定し、遊技続行状態であると判定されたことを条件としてボタン予告を実行可能とする。具体的には、発展型リーチが生じたときに、遊技者が遊技球を発射する操作を行っているか否か検出し、発射操作を行っている場合には遊技続行状態であると判定してボタン予告を実行可能とする。ボタン予告を実行可能なリーチが生じた時から遊技領域17へ打ち込まれた遊技球数をカウントし、そのカウント値に応じた回数ボタン操作が可能となるボタン予告を行う。よって、第3実施の形態でのボタン予告演出は、「保留球数ボタン予告演出」とは言わず「打込み球数ボタン予告演出」と言う。
この第3実施の形態では、前述した図47、図48、図51、図52を、それぞれ、図57、図58、図59、図60に変更する。先ず、図57を参照して演出ボタン入力管理処理を説明する。CPU241は、打込み球数ボタン予告操作があったか否かの判断を行う(S800)。ない場合にはこの演出ボタン入力管理処理が終了する。一方、遊技者が演出ボタン12を操作すれば、S800によりYES判断がなされ制御がS801へ進み、高期待度リーチ以外のリーチであるか否かの判定を行う。この高期待度リーチとは、大当りの発生期待度が極めて大きいリーチのことであり、本実施の形態では例えば特殊リーチの場合である。高期待度リーチが画像表示装置25により表示されているときには、遊技者にその高期待度リーチを注視させるために打込み球数ボタン予告演出を行わないように制御する。よって高期待度リーチの場合には、打込み球数ボタン予告ができない旨のメッセージ表示を画像表示装置25により表示させる制御を行う(S802)。
一方、現在画像表示装置25に表示されているリーチが高期待度リーチでない場合には、ボタン操作無効期間であるか否かの判定を行う(S803)。このボタン操作無効期間とは、図60に示す無効(1)で示された期間のことである。ボタン操作無効期間である場合には、ボタン操作無効期間である旨のメッセージ表示を画像表示装置25に表示させる制御を行う(S804)。
ボタン操作無効期間でない場合には、ボタン予告数カウンタの値が1以上であるか否か判定する。このボタン予告数カウンタは、打込み球数ボタン予告演出において遊技者が演出ボタン12を操作可能となる回数を計数するものである。打込み球数ボタン予告を実行可能なリーチ(例えば高期待度リーチ(例えば特殊リーチ)以外のスーパーリーチ)が発生した時点から遊技領域17に打込まれた遊技球を計数して(S810、S811)その数が15に達する毎にボタン予告数カウンタの値が1加算更新される(S812〜S814)。この第3実施の形態では、ガイドレール16の終端部に球検出センサ(図示省略)が設けられており、この球検出センサにより遊技領域17に打込まれる遊技球(打込み球)を検出する。その検出信号が演出制御部51に入力されてCPU241により打込み球数が計数される。
打込み球数ボタン予告演出は、打込み球数がある場合にその打込み球数15個につき1回の割合でボタン予告演出を実行するというものである。15個分の打込み球数に達していない場合即ちボタン予告数カウンタが1未満の場合には、打込み球数を貯める旨のメッセージ表示を画像表示装置25に表示させる制御を行う(S806)。ボタン予告数カウンタが1以上の場合には、打込み球数ボタン予告操作カウンタの値が上限に達しているか否かの判定を行う(S807)。打込み球数ボタン予告操作カウンタとは、遊技者が演出ボタン12を操作して打込み球数ボタン予告演出が実行可能となる毎に「1」加算更新されるものである。S807では、打込み球数ボタン予告操作カウンタのカウント値が現在のボタン予告数カウンタの値に達しているか否かを判定する。また、今回の特図変動で表示されるリーチがスーパーリーチ後半にまで発展するものである場合には(図60参照)、スーパーリーチ前半での打込み球数ボタン予告演出の終了時点で打込み球数ボタン予告操作カウンタが一旦クリアされ、かつスーパーリーチ後半での打込み球数ボタン予告演出の終了時点でも打込み球数ボタン予告操作カウンタがクリアされる。よって、例えば、スーパーリーチ前半時点において、打込み球数ボタン予告操作カウンタのカウント値が「5」の場合は打込み球数ボタン予告操作カウンタの値が「5」に達しているか否かの判定を行い、スーパーリーチ後半時点においても打込み球数が「5」の場合は、スーパーリーチ後半時点においても打込み球数ボタン予告操作カウンタの値が「5」に達しているか否かの判定を行う。
打込み球数ボタン予告操作カウンタが上限に達している場合には制御がS809へ進み、打込み球数を予告演出に使い尽くしている旨のメッセージ表示を画像表示装置25により表示させる制御を行う。一方、打込み球数ボタン予告操作カウンタの値が未だ上限に達していない場合には、打込み球数ボタン予告操作カウンタを「1」加算更新する処理を行う(S808)。
次に、図40のS574に示されたシナリオ更新処理の詳細を図58に基づいて説明する。この演出シナリオ更新処理は、遊技者が演出ボタン12を操作して打込み球数ボタン予告演出を実行する場合に、図46のS759またはS761により設定された演出シナリオに変更を加え、画像表示装置25により打込み球数ボタン予告演出を実行させるための処理である。具体的には、打込み球数15個分に相当する値即ちボタン予告数カウンタの値を表示するボタン予告数データをRAM243のボタン予告数データ記憶エリアに格納する。このボタン予告数データ記憶エリアには、ボタン1表示データ記憶エリア〜ボタンn表示データ記憶エリア(nはボタン予告数カウンタの最大値:本実施形態では、n=8)が設けられている。CPU241は、このボタン予告数示データ記憶エリア内の打込み球数ボタン予告用シナリオデータを参照して、画像表示装置25に対してどのような打込み球数ボタン予告演出表示を行うかを特定できるようになっている。また、打込み球数ボタン予告演出を行う場合には、背景画像も打込み球数ボタン予告演出特有のものとする。よって、ボタン予告数データ記憶エリアのシナリオばかりでなく、背景画像のシナリオも通常の背景シナリオから打込み球数ボタン予告演出特有のシナリオに変更する制御を行う。
まず、今回の変動で表示されるリーチが、打込み球数ボタン予告を実行可能なリーチであるか否かの判定を行う(S810)。前述したように、高期待度リーチ(例えば特殊リーチ)の場合には打込み球数ボタン予告演出を実行しないように定められており、そのような高期待度リーチを除くリーチが表示される場合には、制御がS811へ進み、遊技領域17への打込み球を検出する球検出センサがONになったか否か判定する。ONになっていない場合には制御がS818へ進むが、打込み球が検出されてONになれば打込みカウンタの値を1加算更新する(S812)。次に、打込みカウンタの値が15以上になったか否か判定し(S813)、15未満の場合には制御がS817へ進むが、15になった段階で制御がS814へ進み、ボタン予告数カウンタの値が8以上か否か判定する。ボタン予告数カウンタのカウント上限値は8に定められており、8未満の場合にのみS815へ進みボタン予告カウンタの値を1加算更新する。そして、打込みカウンタの値を15減算更新する。一方、ボタン予告数カウンタの値が8以上の場合には制御がS817へ進む。
S817では、画像表示装置25にボタン表示画像(ボタン有効画像)を表示する演出シナリオに変更する処理を行う。具体的には、現時点のボタン予告数カウンタの値に相当する数のボタン表示画像を画像表示部25に表示する演出シナリオに変更する処理を行う。その結果、例えば、現時点のボタン予告数カウンタの値が5の場合には、5個のボタン表示画像(ボタン有効画像)が画像表示装置25に表示される。
次に、打込み球数ボタン予告操作カウンタが「1」であるか否かの判定を行う(S818)。「1」でない場合、すなわち、0または2以上である場合にはこのシナリオ更新処理が終了する。一方、打込み球数ボタン予告操作カウンタが「1」の場合には、打込み球数ボタン予告テーブル選択テーブルを参照してテーブルを選択する処理を行う(S819)。打込み球数ボタン予告演出に用いられるシナリオは、打込み球数ボタン予告乱数に基づいてテーブルを参照して、所定の確率でランダムに選択決定されるものであり、その参照対象となるテーブルを選択するためのテーブルが、打込み球数ボタン予告テーブル選択テーブルである。この打込み球数ボタン予告テーブル選択テーブルは、図49(a)に示した「保留球数ボタン予告テーブル選択テーブル」と同じデータを記憶している「打込み球数ボタン予告テーブル選択テーブル」である。また、第3実施の形態では、図49(b)(c)(d)に示したテーブル1、テーブル2およびテーブル3と同じデータを記憶しているテーブルを用いる。但し、図49(b)(c)(d)中の「保留色」を「ボタン表示色」に修正する。
次に、保留球数ボタン予告乱数を抽出する処理を行う(S820)。この保留球数ボタン予告乱数は、0からカウントアップして、その上限である99までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す処理を繰り返し実行し、S820による抽出タイミングのときのカウント値を乱数として抽出するものである。次に、S819により選択されたテーブルをS820により抽出された乱数に基づいて検索して、保留球数ボタン予告シナリオを決定する処理を行う(S821)。次に、S821により決定された演出シナリオに変更する処理を行う(S822)。
次に、図43のS693に示す液晶コマンド送信処理の詳細を図59に基づいて説明する。まず、発展型リーチの後半か否かの判定を行い(S830)、発展型リーチの後半でない場合には、打込み球数ボタン予告操作カウンタが「1」以上であるか否かの判定を行う(S831)。この打込み球数ボタン予告操作カウンタは、前述の図57のS808により「1」加算更新され、後述するS838によりクリアされる。打込み球数ボタン予告操作カウンタが0の場合には、S831によりNOの判断がなされて制御がS832へ進み、ボタン表示画像のシナリオが記憶されているか否かの判定を行う。このボタン表示画像のシナリオは、前述のS817で変更されてRAM243に記憶されるものであり、ボタン表示画像のシナリオが記憶されている場合には、そのボタン表示画像のシナリオに従ったコマンドを画像表示装置25へ送信する(S833)。
一方、ボタン表示画像のシナリオが記憶されていない場合には制御がS834へ進み、通常のシナリオに従ったコマンドを画像表示装置25へ送信する。この通常のシナリオとは、図58のシナリオ更新処理で変更されたシナリオではなく、図46のS759またはS761により設定された稲妻演出有りまたは稲妻演出無しの演出シナリオのことである。その結果、画像表示装置25には、打込み球数ボタン予告演出が行われることなく、それ以外の演出表示がなされる。
次に、打込み球数ボタン予告操作カウンタが「1」以上である場合には、打込み球数ボタン予告操作カウンタの値に対応するパーツ演出を表示するコマンドを画像表示装置25へ送信する(S835)。その結果、ボタン表示色を用いた打込み球数ボタン予告演出が表示される。
一方、発展型リーチの後半である場合には制御がS836へ進み、発展型リーチの前半での打込み球数ボタン予告の結果を継続表示するとともに、現時点のボタン予告数カウンタに応じた操作ボタン(ボタン有効画像)を表示した上で打込み球数ボタン予告操作カウンタの値に対応するパーツ演出を表示するコマンドを画像表示装置25へ送信する。その結果、前半での打込み球数ボタン予告の結果であるボタン表示色を用いた打込み球数ボタン予告演出の結果が表示されるとともに、演出シナリオ後半である恨み、憎悪、激アツ等のエフェクト文字による打込み球数ボタン予告演出の表示がなされる。
次に、打込み球数ボタン予告演出が終了したか否かの判定を行い(S837)、終了した段階で制御がS828へ進み、打込み球数ボタン予告操作カウンタをクリアするとともに、演出シナリオをクリアする処理を行う。このS837は、今回の特図変動で表示されるリーチがスーパーリーチ後半にまで発展するものである場合には(図60参照)、スーパーリーチ前半での打込み球数ボタン予告演出の終了時点で一旦YESと判定しS838により打込み球数ボタン予告操作カウンタが一旦クリアされ、かつ、スーパーリーチ後半での打込み球数ボタン予告演出の終了時点でもYESと判定しS838で打込み球数ボタン予告操作カウンタがクリアされる。
次に、打込み球数ボタン予告演出の経時的な変化を図60に示している。図60のタイミングチャートは、図52に示したタイミングチャートと略同じであり、相違点は、「保留」を「ボタン予告数」に代えている点である。これ以外の箇所は同じであるため、ここでは説明の繰返しを省略する。
(変形例)
次に、以上説明した第3実施の形態の変型例を以下に列挙する。
(1)前述の第3実施の形態では打込みカウンタが遊技領域17に打込まれた遊技球の数をカウントしていたが(S812参照)、その代わりに、発射装置84の発射位置にある遊技球を検出する発射検出センサを設け、その発射検出センサの検出出力をカウント(発射球カウント)してボタン予告数カウンタを加算更新するように制御してもよい。その際、ファール球検出センサも設け、ファール球が検出される毎に発射球カウントの値を1減算更新する制御を行うのが望ましい。発射球数からファール球数を減算更新することにより、実際に遊技領域に打込まれた打込み球数が算出されるためである。
(2)タッチセンサ69の検出信号を演出制御基板82にも入力するように配線した上で、タッチセンサ69の検出信号の出力長さをCPU241が計時してボタン予告数カウンタを加算更新するように制御してもよい。つまり、遊技者が発射ハンドル10の回転操作部10aに触れている時間を、打込み球数ボタン予告を実行可能なリーチが発生した時点から計時し、その時間が所定時間(例えば9秒)に達する毎にボタン予告数カウンタを1ずつ加算更新する。
(3)遊技者が或る特定の打球操作(例えば右打ち)を行っているときのその打込まれた遊技球を検出する右打ち球検出センサを遊技領域17の右側所定箇所に設け、打込み球数ボタン予告を実行可能なリーチが発生した時点から右打ち球検出センサの検出出力をカウント(右打ち球カウント)してボタン予告数カウンタを加算更新するように制御してもよい。
(第4実施の形態)
次に、図61〜図65に基づいて第4実施の形態を説明する。この第4実施の形態では、スロットマシンにおけるクレジットが所定数以上であることを条件としてボタン予告演出を行うものである。
先ず、図61に基づいてスロットマシン全体の構成を説明する。301は遊技機本体であり、筐体302と、この筐体302の前側に配置された矩形状の前面パネル303とを備えている。筐体302は前側が開放する箱形に形成されており、その前側を開閉自在に閉鎖するように前面パネル303が装着されている。
筐体302内には、その上部に第1表示手段用の第1表示窓317が、中間部に第2表示手段用の第2表示窓(リール窓ともいう)318が夫々配置されている。第1表示手段は液晶表示パネル等の画像表示手段により構成され、遊技状態の変化に応じて適宜演出画像を表示するようになっている。第2表示手段は左右方向の回転軸廻りに回転可能な左右方向に複数個(例えば3個)の回転リール306(図62に示す左回転リール306a,中回転リール306b,右回転リール306c)を備え、筐体302の中間部の左右方向の棚板上に設けられている。各回転リール(図柄表示リールともいう)306a,306b,306cの外周面には周方向に所定間隔をおいて複数コマの遊技図柄が表示されており、図62に示す回転駆動手段311a〜311cにより各回転リール306a〜306cを個別に駆動することによって、各回転リール306a〜306cの遊技図柄を所定時間変動させるようになっている。
筐体302内の下部にはメダルを貯留するメダルホッパー(図示省略)と、メダルホッパー内のメダルを払い出すメダル払い出し手段309(図62参照)と、メダルホッパーから溢流したメダルを受ける補助タンク(図示省略)とが配置されている。メダルホッパーとメダル払い出し手段309は上下に結合されている。なお、筐体302内の上部にはその後壁302a側に主制御基板351(図62参照)を収容する主制御基板ケースが装着されている。
前面パネル303は骨格体を構成するパネル枠に装着された化粧カバー315等を備え、そのパネル枠が左右一端側で上下一対のヒンジを介して筐体302の側壁に開閉、着脱自在に装着されている。前面パネル303の上部側には、第1表示手段に対応する第1表示窓317と、第2表示手段5に対応する第2表示窓(リール窓ともいう)318とが上下に配置され、下部側には、操作パネル部319と前パネル部320とメダル受け皿321とが上下に配置されている。
また前面パネル303には第1表示窓317の左右両側に左右一対のスピーカ322が設けられると共に、第2表示窓318の上下、左右の略四隅に対応する第1発光演出手段323が、第2表示窓318の左右両側で上下の第1発光演出手段323間に第2発光演出手段324が夫々設けられている。
第1表示窓317は第1表示手段に対応して略矩形状に構成され、第1表示手段の演出画像を前側から透視可能である。第2表示窓318は第1表示手段に対応する横長矩形状であり、この第2表示窓318には各回転リール306に対応して複数個(例えば3個)の視認部が設けられている。各視認部は回転リール306が停止したときに複数コマ分(例えば3コマ分)の遊技図柄を前側から透視できるように上下方向に長い帯状に構成されている。
メダル受け皿321は前面パネル303の最下部にあり、このメダル受け皿321の上側には第2表示窓318よりも前側に張り出す前パネル部320が設けられている。操作パネル部319は前パネル部320の上面から前面上部に跨がって設けられ、その上面側にメダル投入口325、メダル投入ボタン(BETボタンともいう)326、十字キー327、プッシュボタン328等が設けられ、前面側には各回転リール306に対応する停止ボタン(停止操作手段)329、各回転リール306の回転開始用のスタートレバー330、リジェクトボタン331、積算ボタン332等が設けられている。
スタートレバー330は各回転リール306の回転開始用であり、このスタートレバー330を操作したときに各回転リール306が略同時に回転を開始するようになっている。停止ボタン329は各回転リール306に対応して複数個あり、各停止ボタン329を操作したときに、その停止ボタン329に対応する回転リール306が停止するようになっている。
前面パネル303の裏下部側には、メダル投入口325から投入されたメダルの正偽を選別する選別手段(図示省略)が設けられ、選別手段を通過した正規のメダルがメダルホッパーへ案内される。一方、選別手段で選別された偽メダルはメダル受け皿321へと返却される。なお、メダル払い出し手段309により払い出されたメダルもメダル受け皿21へと案内されるようになっている。
図62は本実施形態に係るスロットマシンの制御系のブロック図である。この制御系は、主として遊技状態に関する制御を行う主制御基板351と、演出に関する制御を行う演出制御基板352とを別個の基板として備えており、主制御基板351側から演出制御基板352側に対して制御コマンドを一方向通信により送信可能な構成となっている。
主制御基板351は、メダル投入処理手段353、乱数抽出処理手段354、抽選処理手段355、図柄変動制御手段356、入賞役成立処理手段357、制御コマンド送信手段358等を備え、CPU、ROM、RAM等により構成されている。これら各手段は、予めROM上に記憶された遊技制御処理を行う遊技制御プログラム等をCPU上で実行させることにより実現される。
メダル投入処理手段353は、メダル投入口325から投入されたメダルを検出するメダル検出スイッチ424からの信号、若しくはメダル投入ボタン326からの信号に基づいてメダル投入処理を行うためのもので、メダル検出スイッチ424からの信号があった場合にはその信号に基づくメダル数を投入メダル数に加算し、その投入メダル数が所定数(ここでは3枚)となった後は残りをクレジット数に加算させると共に、加算後の投入メダル数を投入メダル数表示部434aに表示させる処理を行うようになっている。このように加算されたクレジット数は主制御基板351のRAMに記憶される。
また、メダル投入処理手段353は、メダル投入ボタン326からの信号があった場合には、投入メダル数が所定数(ここでは3枚)となるまで各メダル投入ボタン326に応じたメダル数を投入メダル数に加算すると共に、加算後の投入メダル数を投入メダル数表示部434aに表示させ、またその加算分のメダル数をRAMに記憶されているクレジット数から減算させるようになっている。このようなクレジット数の加算更新や減算更新は主制御基板351のCPUが行う。
第4実施の形態では、2以上の所定数(ここでは3枚)のメダルが投入されることにより、全ての有効ラインが有効となる。具体的には、第2表示窓318に3×3個の図柄が停止表示され、それら図柄に対して、横方向の上段、中段、下段の3本の有効ラインと、斜め対角線上に2本の有効ラインとの合計5本の有効ラインが設定されており、これら5本の有効ラインの何れかにおいて図柄が所定の組み合わせとなったときに入賞役が成立する。
乱数抽出処理手段354は、乱数抽出処理を行うもので、メダル投入処理手段353で計数された投入メダル数が所定数(3枚)となることを条件に、スタートレバー330の操作タイミングに基づいて、所定の抽選用乱数を抽出するようになっている。
抽選処理手段355は、抽選処理を行うもので、乱数抽出処理手段354によって抽出された抽選用乱数値に基づいて、各入賞役に関する内部抽選を行うと共に、その内部抽選結果に基づいて、各入賞役に対応する図柄の組み合わせに関する停止許可信号を図柄変動制御手段356に出力して、各回転リール306a〜306cがその図柄の組み合わせで停止することを許可するようになっている。
第4実施の形態では、2種BB,RB,3種類の小役(15枚役,5枚役,8枚役)、リプレイ役の計6種類の入賞役が設けられており、夫々に対応する図柄の組み合わせが割り当てられている。6種類の入賞役のうち、8枚役を除く5種類については、有効ライン上に所定の図柄が揃った場合に成立となるが、8枚役については、有効ライン上の左図柄が「チェリー」図柄となれば、他の中図柄、右図柄の種類に拘わらず成立となる。
なお、2種BB、RBに対応する停止許可信号は、夫々2種BB、RBが成立するまで次のゲームに持ち越され、その他の入賞役に対応する停止許可信号はそのゲームについてのみ有効で次のゲームには持ち越されないようになっている。
図柄変動制御手段356は、各回転リール306a〜306cの回転制御を行うもので、図柄変動開始処理手段356aと図柄変動停止処理手段356bとを備えている。
図柄変動開始処理手段356aは、図柄変動開始処理を行うもので、スタートレバー330が操作されることに基づいて発せられる回転指令信号(所定の図柄変動開始要求の一例)を受信したときに、各回転駆動手段311a〜311cを制御して各回転リール306a〜306cの回転を同時に開始させるようになっている。
図柄変動停止処理手段356bは、図柄変動停止処理を行うもので、例えば停止ボタン329が操作されることに基づいて発せられる停止指令信号を受信することを条件に、リール回転位置検出手段312a〜312cからの回転位置情報に基づいて各回転駆動手段311a〜311cを制御して、各停止ボタン329に対応する各回転リール306a〜306cの回転を、予め定められた最大滑りコマ数を上限として所定コマ(0コマを含む)滑らせて停止させるようになっている。
なお、停止指令信号は、例えば各回転リール306a〜306cの回転開始から一定時間以内に停止ボタン329が操作されない場合には自動的に発せられるようにしてもよい。
ここで、各回転リール306a〜306cの最大滑りコマ数は、遊技状態に応じて回転リール306a〜306c毎に設定されている。本実施形態では、通常遊技状態中及びRB作動中については全ての回転リール306a〜306cの最大滑りコマ数が4コマに設定され、2種BB作動中については、特定図柄表示リールとしての左回転リール306aの最大滑りコマ数のみが通常遊技状態中よりも少ない1コマ(特定最大滑りコマ数の一例)に設定され、その他の中,右の各回転リール306b,306cの最大滑りコマ数は通常遊技状態中と同じ4コマに設定されている。
また、各回転駆動手段311a〜311cの停止時の滑りコマ数は、予め設定された図柄停止テーブルに基づいて決定されるようになっている。この図柄停止テーブルは、遊技状態の種類、内部当選役の種類、停止順序(何番目の停止操作か)、既停止図柄の状態等に応じて回転リール306a〜306c毎に夫々予め用意されている。
各図柄停止テーブルには、滑りコマ数の値が、対応する回転リール306a〜306cの回転位置情報毎に夫々設定されている。ここで、回転位置情報は、停止ボタン329が操作されたときに回転リール306a〜306cがどのような回転位置にあるかを示す情報で、本実施形態では、第2表示窓318の各3コマの図柄表示部のうち、最下部の図柄表示部(以下、滑り基準位置という)に対応している図柄の図柄番号を用いている。
入賞役成立処理手段357は、各回転リール306a〜306cの停止図柄が有効ライン上で入賞役を構成する場合にその入賞役に応じてメダルを払い出し又は利益状態を発生させるもので、入賞判定処理手段359、メダル払い出し処理手段360、利益状態処理手段361等を備えている。
入賞判定処理手段359は、入賞判定処理を行うもので、入賞役判定手段359a、エラー処理手段359b等を備えている。入賞判定処理手段359は、全ての回転リール306a〜306cが停止したときに、各有効ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせにより入賞役が成立しているか否かを判定し、入賞役が成立している場合には、入賞役判定手段359aによりその入賞役の成立が正当であるか否かを判定し、入賞役の成立が正当である場合にはその入賞役に対応するメダル払い出し枚数が設定され、入賞役の成立が正当でない場合には、エラー処理手段359bにより所定のエラー処理が行われるようになっている。
メダル払い出し処理手段360は、各ゲームで獲得したメダルのクレジット/払い出しに関するメダル払出処理を行うためのもので、入賞判定処理手段359により入賞役が正当に成立したと判定された場合に、入賞判定処理で設定されたメダル払い出し枚数を、クレジット枚数に加算するか若しくはメダル払い出し手段309を駆動してメダル受け皿21に払い出すようになっている。獲得したメダルをクレジットするか、或いは払い出すかの設定は、クレジット精算ボタン418によって切り換えられる。
クレジット数が加算されると、クレジット表示部434bに表示されているクレジット数の値が更新される。なお、クレジット数には上限(例えば50枚)が定められており、上限を超えるクレジット数分のメダルはメダル払い出し手段309によって強制的にメダル受け皿321に払い出されるようになっている。
利益状態処理手段361は、入賞判定処理手段359の判定結果等に基づいて利益状態の発生に関する処理を行うもので、入賞判定処理手段359がリプレイ役の成立と判定した場合に再遊技作動開始処理を行う機能、入賞判定処理手段359が2種BBの成立と判定した場合に2種BB作動開始処理を行って2種BB(特定遊技状態)を開始させる機能、入賞判定処理手段359がRBの成立と判定した場合にRB作動開始処理を行ってRBを開始させる機能、2種BB作動中の場合に2種BB作動処理を行う機能、RB作動中の場合にRB作動処理を行う機能等を備えている。
リプレイ役が成立した場合には、メダルを投入することなく次の1ゲームを行うことができ、再遊技作動開始処理においては、クレジット数を減算することなく投入メダル数に所定のメダル数(3枚)が加算される。
また、RB作動中は、1セットの特別ゲームの実行に関する処理が行われる。この特別ゲームは、メダル1枚掛け専用で、15枚役(ベル)が超高確率(例えば1/1.01)で成立するように内部抽選確率が設定される。特別ゲームは、入賞役が所定回数(例えば8回)成立するか、所定ゲーム数(例えば12ゲーム)消化することにより終了し、これによってRBは終了する。
RB作動開始処理では、このRBの開始にあたり、特別ゲームの終了条件に関する各種計数値、例えば入賞役の上限成立回数(例えば8回)及び上限ゲーム数(例えば12ゲーム)の初期設定等の処理が実行される。また、RB作動処理では、特別ゲームの終了条件に関する各種計数値の更新(減算)等の処理が実行される。
また、2種BB作動中は、リプレイ役の内部当選確率が通常遊技状態中の値(例えば1/7.3)よりも高い超高確率(例えば1/1.01)に設定され、内部抽選では極めて高い確率でリプレイに当選するようになっている。また、2種BBは、メダルの払い出し数が所定数(例えば240枚)に達するか、又は内部抽選によりRB(特別入賞役の一例)に当選することを条件に終了するように設定されている。従って、この2種BB作動中は、目押しの技量の低い遊技者でも、通常遊技状態に比べて手持ちのメダルを減らすことなくゲームを消化しつつRB内部当選を待つことができる。
制御コマンド送信手段358は、演出制御基板352に対して制御コマンドを一方向通信により送信するためのもので、メダル投入口325へのメダル投入及びメダル投入ボタン326によるメダル投入操作に基づいてメダル投入コマンドを送信する機能、スタートレバー330の操作に基づく回転リール306a〜306cの回転開始時に抽選処理手段355の停止許可状態に対応する所定の回転開始コマンドを送信する機能、停止ボタン329の操作に基づいてそれら各停止ボタン329に対応するストップボタン操作コマンドを送信する機能、入賞判定処理手段359の判定結果に基づいて停止図柄コマンドを送信する機能、利益状態処理手段361の制御に基づいて利益状態の開始/停止コマンドを送信する機能、エラー処理手段359b等の制御に基づいてエラーコマンドを送信する機能等を備えている。
演出制御基板352は、CPU、ROM、RAM等により構成される制御コマンド解析手段371、演出表示制御手段372、ランプ制御手段373、音声制御手段374等を備えている。
制御コマンド解析手段371は、主制御基板351側からの制御コマンドを受信すると共にその内容を解析するためのものである。
演出表示制御手段372は、演出表示手段440の表示制御を行うもので、エラー表示制御手段372aを備えている。演出表示制御手段372は、例えば回転開始コマンド等に基づいて、回転リール306a〜306cによる図柄の変動表示に関連する画像を表示する等、遊技状態に応じた任意の演出画像を演出表示手段440に表示させると共に、主制御基板351側からエラーコマンドを受信した場合には、エラー表示制御手段372aにより、そのエラーコマンドに対応するエラー情報を演出表示手段340に表示させるようになっている。主制御基板351は、抽選処理手段355の抽選結果に基づいて2種BBあるいはRBが内部当選する旨の各種予告演出(例えば次回予告)を演出表示手段440に表示させるためのコマンドを制御コマンド送信手段358から制御コマンド解析手段371へ送信する。そのコマンドを受けた演出表示制御手段372は、例えばフリーズ演出を行って停止ボタン329の操作を所定時間無効にした上で、次回予告等の予告演出を演出表示手段440に表示させる制御を行う。この次回予告等の予告演出においては、遊技者がプッシュボタン328を押圧操作して後述するボタン予告演出を実行可能である。この遊技者がプッシュボタン328を押圧操作したときの操作信号がプッシュボタン328から演出制御基板352の演出表示制御手段372に入力され、その入力信号に基づいて演出表示制御手段372がボタン予告演出を演出表示手段440に表示させる制御を行う。
ランプ制御手段373は、ランプ(バックライト)306L,第1発光演出手段323,第2発光演出手段324等の発光制御を行うもので、メダル投入コマンド、回転開始コマンド、ストップボタン操作コマンド、停止図柄コマンド、エラーコマンド等に基づいて、ランプ(バックライト)306L,第1発光演出手段323,第2発光演出手段324等を所定のパターンで点灯、点滅等させると共に、所定の遊技待ち状態中はランプ(バックライト)306L,第1発光演出手段323,第2発光演出手段324等を所定のデモパターンで点滅等させたり、或いは消灯させるようになっている。
音声制御手段374は、スピーカ322から出力される音声の制御を行うためのもので、メダル投入コマンド、回転開始コマンド、ストップボタン操作コマンド、停止図柄コマンド、エラーコマンド等に基づいて、スピーカ322から任意の効果音や音楽等を出力させるようになっている。
次に、図63に基づいて第4実施の形態における演出ボタン入力管理処理を説明する。この演出ボタン入力管理処理は、遊技者がプッシュボタン328を操作したときの信号を管理する処理であり、第1実施の形態における図47のフローチャートに相当するものである。演出制御基板352のCPUは、クレジット数ボタン予告操作があったか否かの判断を行う(S850)。この第4実施の形態においては、クレジット数に応じてボタン予告演出を行うため、第1実施の形態における「保留球数ボタン予告演出」の代わりに「クレジット数ボタン予告演出」という。S850でNOと判定された場合にはこの演出ボタン入力管理処理が終了するが、遊技者がプッシュボタン328を押圧操作すればS850によりYESと判定されて制御がS851へ進み、クレジット数ボタン予告を実行可能な遊技状態か否かを判定する。クレジット数ボタン予告を実行可能な遊技状態の具体例としては、前述のフリーズ演出中において次回予告等の予告演出が実行される遊技状態である。クレジット数ボタン予告を実行可能な遊技状態でない場合には、クレジット数ボタン予告ができない旨のメッセージ表示を演出表示手段440により表示させる制御を行う(S852)。
一方、クレジット数ボタン予告を実行可能な遊技状態の場合には、ボタン操作無効期間であるか否かの判定を行う(S853)。このボタン操作無効期間とは、図60に示す無効(1)で示された期間のことである。ボタン操作無効期間である場合には、ボタン操作無効期間である旨のメッセージ表示を演出表示手段440に表示させる制御を行う(S854)。
ボタン操作無効期間でない場合には、ボタン予告数Jが1以上であるか否かの判定を行う(S855)。ボタン予告数Jとは、クレジット数Kが29以上の場合に(K−26)を3で除した値の整数部Jのことである(後述するS842参照)。第4実施の形態では、遊技者がこのJの数だけプッシュボタン328を押圧操作してクレジット数ボタン予告を行うことが可能になる。このJが1未満の場合にはクレジット数ボタン予告を行うに足るクレジット数(具体的には29)に満たないため、クレジット数を貯める旨のメッセージ表示を演出表示手段440に表示させる制御を行う(S856)。ボタン予告数Jが1以上の場合には、クレジット数ボタン予告操作カウンタの値が上限に達しているか否かの判定を行う(S857)。クレジット数ボタン予告操作カウンタとは、遊技者がプッシュボタン328を操作してクレジット数ボタン予告演出が実行可能となる毎に「1」加算更新されるものである。S857では、クレジット数ボタン予告操作カウンタのカウント値が現在のボタン予告数Jに達しているか否かを判定する。また、実行されるフリーズ演出がフリーズ演出前半からフリーズ演出後半にまで発展するものである場合には、フリーズ演出前半でのクレジット数ボタン予告演出の終了時点でクレジット数ボタン予告操作カウンタが一旦クリアされ、かつフリーズ演出後半でのクレジット数ボタン予告演出の終了時点でもクレジット数ボタン予告操作カウンタがクリアされる。よって、例えば、フリーズ演出前半時点において、ボタン予告数Jが「5」の場合はクレジット数ボタン予告操作カウンタの値が「5」に達しているか否かの判定を行い、フリーズ演出後半時点においてもボタン予告数Jが「5」の場合は、フリーズ演出後半時点においてもクレジット数ボタン予告操作カウンタの値が「5」に達しているか否かの判定を行う。
クレジット数ボタン予告操作カウンタが上限に達している場合には制御がS859へ進み、クレジット数を予告演出に使い尽くしている旨のメッセージ表示を演出表示手段440により表示させる制御を行う。一方、クレジット数ボタン予告操作カウンタの値が未だ上限に達していない場合には、クレジット数ボタン予告操作カウンタを「1」加算更新する処理を行う(S858)。
次に、シナリオ更新処理の詳細を図64に基づいて説明する。この演出シナリオ更新処理は、第1実施の形態における図48に示した演出シナリオ更新処理に相当するものであり、遊技者がプッシュボタン328を操作してクレジット数ボタン予告演出を実行する場合に、図46のS759またはS761により設定された演出シナリオに変更を加え、演出表示手段440によりクレジット数ボタン予告演出を実行させるための処理である。具体的には、ボタン予告数Jを表示するボタン予告数データを演出制御基板352のRAMのボタン予告数データ記憶エリアに格納する。このボタン予告数データ記憶エリアには、ボタン1表示データ記憶エリア〜ボタンn表示データ記憶エリア(nはボタン予告数Jの最大値:本実施形態では、n=8)が設けられている。演出制御基板352のCPUは、このボタン予告数示データ記憶エリア内のクレジット数ボタン予告用シナリオデータを参照して、演出表示手段440に対してどのようなクレジット数ボタン予告演出表示を行うかを特定できるようになっている。また、クレジット数ボタン予告演出を行う場合には、背景画像もクレジット数ボタン予告演出特有のものとする。よって、ボタン予告数データ記憶エリアのシナリオばかりでなく、背景画像のシナリオも通常の背景シナリオからクレジット数ボタン予告演出特有のシナリオに変更する制御を行う。
まず、クレジット数ボタン予告を実行可能な遊技状態であるか否かの判定を行う(S840)。クレジット数ボタン予告を実行可能な遊技状態の具体例としては、前述のフリーズ演出中において次回予告等の予告演出が実行される遊技状態である。S840によりNOと判定された場合にはこのシナリオ更新処理が終了するが、YESと判定された場合には制御がS341へ進み、クレジット数Kが29以上であるか否か判定する。クレジット数Kが29未満の場合にはクレジット数ボタン予告は実行されない。クレジット数Kが29以上の場合には、(K−26)を3で除した値の整数部Jをボタン予告数とする処理を行う(S842)。
次に、制御がS843へ進み、ボタン予告数Jの数だけボタン表示画像(ボタン有効画像)を表示する演出シナリオに変更する処理を行う。具体的には、現時点のボタン予告数Jに相当する数のボタン表示画像を演出表示手段440に表示する演出シナリオに変更する処理を行う。その結果、例えば、現時点のボタン予告数Jが5の場合には、5個のボタン表示画像(ボタン有効画像)が演出表示手段440に表示される。
次に、クレジット数ボタン予告操作カウンタが「1」であるか否かの判定を行う(S844)。「1」でない場合、すなわち、0または2以上である場合にはこのシナリオ更新処理は終了する。一方、クレジット数ボタン予告操作カウンタが「1」の場合には、クレジット数ボタン予告テーブル選択テーブルを参照してテーブルを選択する処理を行う(S845)。クレジット数ボタン予告演出に用いられるシナリオは、クレジット数ボタン予告乱数に基づいてテーブルを参照して、所定の確率でランダムに選択決定されるものであり、その参照対象となるテーブルを選択するためのテーブルが、クレジット数ボタン予告テーブル選択テーブルである。このクレジット数ボタン予告テーブル選択テーブルは、図49(a)に示した「保留球数ボタン予告テーブル選択テーブル」と同じデータを記憶している「クレジット数ボタン予告テーブル選択テーブル」である。また、第4実施の形態では、図49(b)(c)(d)に示したテーブル1、テーブル2およびテーブル3と同じデータを記憶しているテーブルを用いる。但し、図49(b)(c)(d)中の「保留色」を「ボタン表示色」に修正する。
次に、液晶コマンド送信処理の詳細を図65に基づいて説明する。この液晶コマンド送信処理は、第1実施の形態における図51に示した液晶コマンド送信処理に相当するものである。まず、フリーズ演出の後半か否かの判定を行い(S865)、フリーズ演出の後半でない場合には、クレジット数ボタン予告操作カウンタが「1」以上であるか否かの判定を行う(S831)。このクレジット数ボタン予告操作カウンタは、前述の図63のS858により「1」加算更新され、後述するS873によりクリアされる。クレジット数ボタン予告操作カウンタが0の場合には、S866によりNOの判断がなされて制御がS867へ進み、ボタン表示画像のシナリオが記憶されているか否かの判定を行う。このボタン表示画像のシナリオは、前述のS843で変更されて演出制御基板352のRAMに記憶されるものであり、ボタン表示画像のシナリオが記憶されている場合には、そのボタン表示画像のシナリオに従ったコマンドを演出表示手段440へ送信する(S868)。
一方、ボタン表示画像のシナリオが記憶されていない場合には制御がS869へ進み、通常のシナリオに従ったコマンドを演出表示手段440へ送信する。この通常のシナリオとは、図58のシナリオ更新処理で変更されたシナリオではなく、図46のS759またはS761により設定された稲妻演出有りまたは稲妻演出無しの演出シナリオのことである。その結果、演出表示手段440には、クレジット数ボタン予告演出が行われることなく、それ以外の演出表示がなされる。
次に、クレジット数ボタン予告操作カウンタが「1」以上である場合には、クレジット数ボタン予告操作カウンタの値に対応するパーツ演出を表示するコマンドを演出表示手段440へ送信する(S870)。その結果、ボタン表示色を用いたクレジット数ボタン予告演出が表示される。
一方、フリーズ演出の後半である場合には制御がS871へ進み、フリーズ演出の前半でのクレジット数ボタン予告の結果を継続表示するとともに、現時点のボタン予告数Jに応じた操作ボタン(ボタン有効画像)を表示した上でクレジット数ボタン予告操作カウンタの値に対応するパーツ演出を表示するコマンドを演出表示手段440へ送信する。その結果、前半でのクレジット数ボタン予告の結果であるボタン表示色を用いたクレジット数ボタン予告演出の結果が表示されるとともに、演出シナリオ後半である恨み、憎悪、激アツ等のエフェクト文字によるクレジット数ボタン予告演出の表示がなされる。
次に、クレジット数ボタン予告演出が終了したか否かの判定を行い(S872)、終了した段階で制御がS873へ進み、クレジット数ボタン予告操作カウンタとボタン予告数Jとをクリアするとともに、演出シナリオをクリアする処理を行う。このS873は、今回のフリーズ演出が後半にまで発展するものである場合には、フリーズ演出前半でのクレジット数ボタン予告演出の終了時点で一旦YESと判定しS873によりクレジット数ボタン予告操作カウンタが一旦クリアされ、かつ、フリーズ演出後半でのクレジット数ボタン予告演出の終了時点でもYESと判定しS873でクレジット数ボタン予告操作カウンタがクリアされる。
第4実施の形態におけるクレジット数ボタン予告演出のタイミングチャートは、第3実施の形態における図60に示したタイミングチャートと略同様であり、相違点は「スーパーリーチ前半」が「フリーズ演出前半」に、「スーパーリーチ後半」が「フリーズ演出後半」に、それぞれ変更される点のみである。よって、第4実施の形態においては、クレジット数ボタン予告演出のタイミングチャートの図示および説明の繰返しを省略する。
(その他の実施の形態)
次に、その他の実施の形態を以下に列挙する。
(1)演出図柄表示装置26による図柄変動表示が終了した段階で遊技者が遊技機の音量調節やデモムービーの選択操作を行ったことを判定する第1判定手段を設け、その判定以降に発生したボタン予告を実行可能なリーチ(例えば、高期待度リーチ(例えば特殊リーチ)を除くリーチ)において、演出用の操作ボタン12を操作するボタン予告演出を実行可能に制御する。この場合に実行されるボタン予告演出において遊技者が操作ボタン12を操作可能な回数は、抽出乱数を用いた抽選によりランダムに決定するように制御してもよい。決定されたボタン操作可能回数だけボタン表示画像(ボタン有効画像)を画像表示装置25に表示する制御を行い、第1実施の形態と同様に遊技者が操作ボタン12を操作する毎に順次ボタン表示色やエフェクト文字による予告演出を実行する。なお、遊技機に設けている音量調節機能の具体例としては、音量調節用の操作手段(例えばジョグダイヤル等)を設けてもよいが、遊技機に既に設けられている操作手段(例えば操作ボタン12または13)を有効利用してもよい。
(2)大当たり開始時または終了時に、遊技者が大当たり中にながれる楽曲を選択操作したり確変中に表示されるキャラクタの選択操作を行ったことを判定する第2判定手段を設け、その判定以降に発生したボタン予告を実行可能なリーチ(例えば、高期待度リーチ(例えば特殊リーチ)を除くリーチ)において、演出用の操作ボタン12を操作するボタン予告演出を実行可能に制御する。この場合に実行されるボタン予告演出において遊技者が操作ボタン12を操作可能な回数は、抽出乱数を用いた抽選によりランダムに決定するように制御してもよい。決定されたボタン操作可能回数だけボタン表示画像(ボタン有効画像)を画像表示装置25に表示する制御を行い、第1実施の形態と同様に遊技者が操作ボタン12を操作する毎に順次色やエフェクト文字による予告演出を実行する。
また、遊技者が大当たり中にながれる楽曲を選択操作したり確変中に表示されるキャラクタの選択操作を行ったことを条件に、当該大当たり中(ラウンド遊技中)または大当たり終了時点で行われる次回予告(保留内レンチャン予告)において、演出用の操作ボタン12を操作するボタン予告演出を実行可能に制御してもよい。
(3)遊技者がスロットマシンにおけるスタートレバー330を操作した時点から第1図柄の停止時点(最初の回転リールが停止する時点)までの間において実行されるセリフ予告において遊技者がプッシュボタン328を押圧操作したことによりセリフが表示されたことを判定する第3判定手段を設け、当該セリフ予告において、演出用の操作ボタン12を操作するボタン予告演出を実行可能に制御する。この場合に実行されるボタン予告演出において遊技者がプッシュボタン328を操作可能な回数は、抽出乱数を用いた抽選によりランダムに決定するように制御してもよい。決定されたボタン操作可能回数だけボタン表示画像(ボタン有効画像)を演出表示手段440に表示する制御を行い、第1実施の形態と同様に遊技者がプッシュボタン328を操作する毎に順次ボタン表示色やエフェクト文字による予告演出を実行する。
(4)第3図柄の停止時点(最後の回転リールが停止する時点)から次のBET入力までの間において遊技者がスロットマシンの音量調節を行ったことを判定する第4判定手段を設け、その判定以降に発生した次回予告等の予告演出において、プッシュボタン328を操作するボタン予告演出を実行可能に制御する。この場合に実行されるボタン予告演出において遊技者がプッシュボタン328を操作可能な回数は、抽出乱数を用いた抽選によりランダムに決定するように制御してもよい。決定されたボタン操作可能回数だけボタン表示画像(ボタン有効画像)を演出表示手段440に表示する制御を行い、第1実施の形態と同様に遊技者がプッシュボタン328を操作する毎に順次ボタン表示色やエフェクト文字による予告演出を実行する。なお、スロットマシンに設けている音量調節機能の具体例としては、音量調節用の操作手段(例えばジョグダイヤル等)を設けてもよいが、スロットマシンに既に設けられている操作手段(例えば十字キー327またはプッシュボタン328)を有効利用してもよい。
(開示された構成)
以上の実施の形態には以下に列記する構成が開示されている。
(1)所定の図柄始動条件が成立することに基づいて遊技図柄を複数種類の変動パターンの何れかに従って変動させる図柄表示手段(例えば、演出図柄表示装置26)と、前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段(例えば、開閉部材(大入賞口)43)とを備えた、遊技機。
(2)非開閉式の第1始動手段(例えば、第1特別図柄始動口センサ20s)が遊技球を検出した場合に行われる第1抽選の結果に基づいて第1図柄を変動表示する第1図柄表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置37)と、
前記第1抽選で当選することに基づいて前記第1図柄表示手段の変動後の停止図柄が第1特定態様となった場合に第1利益状態を発生させる第1利益状態発生手段(例えば、図12、図39、大入賞口22)と、
所定開放条件の成立に基づいて遊技球が入球不可能または入球困難な閉状態からそれよりも入球容易な開状態へと開放される第2開閉式始動手段(例えば、第2特別図柄右始動口センサ21m)と、
前記第2開閉式始動手段が遊技球を検出することを条件に行われる第2抽選の結果に基づいて第2図柄を変動表示する第2図柄表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置38)と、
前記第2抽選で当選することに基づいて前記第2図柄表示手段の変動後の停止図柄が第2特定態様となった場合に第2利益状態を発生させる第2利益状態発生手段(例えば、図16、図39、大入賞口22)と、
前記第1利益状態及び前記第2利益状態の終了後に所定の確率で特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段(例えば、図12、図14)
とを備え、
前記特別遊技状態中は、前記第1抽選及び前記第2抽選の当選確率が通常よりも高くなる高確率状態(例えば、図14)と、前記第2開閉式始動手段の開放時間が通常よりも長くなる開放延長状態との少なくとも一方が発生するように構成した(例えば、図10のS136、S138)、遊技機。
(3)図柄始動手段(例えば、第1特別図柄始動口センサ20s、第2特別図柄右始動口センサ21m、第2特別図柄左始動口センサ21h)が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報に基づいて遊技図柄を複数種類の変動パターンの何れかに従って変動表示する遊技図柄表示手段(例えば、演出図柄表示装置26)と、
前記変動記憶情報を前記遊技図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する情報記憶手段(例えば、S311〜S314、S331〜S334)と、
前記変動記憶情報に含まれる特定判定乱数値が予め定められた特定判定値と一致するか否かにより前記遊技図柄の変動後の停止図柄を特定態様とするか否かを判定する特定判定手段(例えば、S317〜S322、S337〜S342)と、
前記特定判定手段の判定結果に応じて、変動パターン選択乱数値と前記変動パターンとの対応関係を規定する変動パターン選択テーブル(例えば、図28〜図33)に基づいて前記変動パターンを選択する変動パターン選択手段(例えば、図27)と、
前記遊技図柄の変動後の停止図柄が前記特定態様となった場合に特定利益状態を発生させる特定利益状態発生手段(例えば、開閉部材(大入賞口)43)とを備え、
前記変動パターン選択テーブルは、前記変動記憶情報の記憶数である保留個数に応じた複数種類の保留個数別変動パターン選択テーブル(例えば、図28(ロ)と図29におけるハズレAの場合)を含むように構成された
遊技機において、
前記情報記憶手段に記憶されている前記変動記憶情報のうちの特定変動記憶情報に対応する特定図柄変動までの複数回の図柄変動にわたって所定の予告演出を行う連続予告状態を発生させるか否かを判定する連続予告制御手段(例えば、図44のS714)を備え、
前記変動パターン選択テーブルは、全ての前記保留個数に共通の共通変動パターン選択テーブル(例えば、図28(ロ)と図29におけるハズレA以外の場合)を含む、遊技機。
(4)図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報に基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置37、第2特別図柄表示装置38、演出図柄表示装置26)と、
前記変動記憶情報を前記図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する情報記憶手段(例えば、S311〜S314、S331〜S334)と、
前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が予め定められた特定態様となった場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段(例えば、開閉部材(大入賞口)43)と、
前記情報記憶手段に記憶された前記変動記憶情報の個数である保留個数を示す保留個数報知画像を画像表示手段上に表示させる保留個数表示制御手段(例えば、S598、S599)
とを備え、
前記保留個数表示制御手段は、前記保留個数が増加した旨の保留増加指令を受けることに基づいて保留を増加して表示する制御を行うとともに(例えば、S598)、前記保留個数が減少した旨の保留減少指令を受けることに基づいて保留個数を減少して表示する制御を行う(例えば、S599)、遊技機。
(5)所定条件が成立することに基づいて、乱数抽選により普図当選か否かの判定を行う普図当選判定手段(例えば、図8(a))と、
前記普図当選判定手段による判定結果に基づいて普図変動演出手段(例えば、普通図柄表示装置35)による普図変動演出を実行させる普図変動演出制御手段(例えば、図8(b)、図9(a)(b))と、
前記普図変動演出手段が前記普図変動演出の終了時に前記普図当選に対応する普図当選態様を表示した場合に、遊技球が入球不可能または入球困難な閉状態から入球容易な開状態に所定時間変化する作動式始動入球手段(例えば、開閉部材42)と、
前記作動式始動入球手段を含む特図始動手段に遊技球が入球することに基づいて、乱数抽選により特図当選か否かの判定を行う特図当選判定手段(例えば、S331〜S339)と、
前記特図当選判定手段による判定結果に基づいて特図変動演出手段(例えば、演出図柄表示装置26、第1特別図柄表示装置37、第2特別図柄表示装置38)による特図変動演出を実行させる特図変動演出制御手段(例えば、S306〜S308、図45、図46、図51)と、
前記特図変動演出手段が前記特図変動演出の終了時に前記特図当選に対応する特図当選態様を表示した場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段(例えば、開閉部材(大入賞口)43)とを備えた、遊技機。
(1-1)表示状態が変化可能な可変表示装置(例えば、第1特別図柄表示装置37、第2特別図柄表示装置38、演出図柄表示装置26)を変動表示させて抽選遊技を開始する始動条件の成立を検出する始動検出手段(例えば、第1特別図柄始動口センサ20s、第2特別図柄左始動口センサ21h、第2特別図柄右始動口センサ21m)と、
前記始動検出手段による検出に基づいて、前記抽選遊技に用いる乱数情報を抽出する乱数抽出手段(例えば、図12のS314、図16のS334)と、
前記乱数抽出手段により抽出された乱数情報であって未だ前記抽選遊技に用いられていない乱数情報を所定の上限保留記憶数の範囲内で保留記憶する保留記憶手段と(例えば、図12のS314、図16のS334)、
前記始動検出手段による検出に基づいて、前記可変表示装置を変動表示させた後表示結果を導出表示させる制御を行う可変表示制御手段(例えば、主制御部50、演出制御部51、図11の特別図柄管理処理等)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ機)であって、
前記可変表示装置の変動表示中に所定の演出を実行する演出実行手段(例えば、図47の演出ボタン入力管理処理、図48のシナリオ更新処理、図51の液晶コマンド送信処理)を備え、
前記演出実行手段は、前記可変表示装置の変動表示中に前記保留記憶手段による保留記憶数が増加した場合に、当該増加した保留記憶数に対応した演出を実行可能である(例えば、作動保留球数が増加した分図47のS782でNOの判断がなされS783で保留球数予告ボタン操作カウンタが加算更新され、加算更新されたカウンタの値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図51のS793、S794により送信されて増加した作動保留球数だけ保留球数ボタン予告演出が追加実行される(図53(b)(c)、図54(a)〜(c)参照))。
(1-2)遊技演出を行うための遊技者の操作を検出する操作検出手段(例えば、演出ボタンセンサ12s)をさらに備え、
前記演出実行手段は、前記操作検出手段により遊技者の操作が検出された場合に、前記保留記憶手段の保留記憶数に応じた回数を上限として前記演出を許容する(例えば、演出ボタン12が操作された場合に図47のS775によりYESと判定されてS782、S783により作動保留球数を上限として保留球数ボタン予告操作カウンタが加算更新されてそのカウント値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図51のS793、S794により送信されて作動保留球数だけ保留球数ボタン予告演出が追加実行される(図53、図54参照))。
(1-3)前記演出実行手段は、前記可変表示装置の変動表示中において前記遊技演出を行うための遊技者の操作を禁止している期間(例えば、図52の「無効(1)」の期間)以外のタイミングで、前記操作検出手段による遊技者の操作が検出されたことを条件として、前記演出を実行する(例えば、図47のS778によりNOの判定がなされたことを条件として保留球数ボタン予告演出を実行する)。
(1-4)前記演出実行手段が実行する前記演出は、前記可変表示装置の今回の変動表示での抽選遊技結果についての予告演出である(例えば、図49(a)の保留球数ボタン予告テーブル選択テーブルで今回の変動表示結果が大当りまたはハズレに応じて選択されるテーブル1〜4に従って演出シナリオを選択して予告する)。
(1-5)前記演出実行手段は、前記可変表示装置によりリーチが表示されたことを条件に前記演出を実行する(例えば、図47のS776により高期待度リーチ以外のリーチである旨のYESの判定がなされたことを条件として保留球数ボタン予告演出を実行する)。
(1-6)前記演出実行手段は、前記可変表示装置により発展型リーチが表示される場合に、発展する前の前半リーチ部分と発展した後の後半リーチ部分とに分けて、前記前半リーチ部分で後半リーチ部分への発展に対する期待度を示す予告演出(例えば、図56の発展期待度を示すエフェクト色による保留球数ボタン予告演出)を行い、前記後半リーチ部分で大当りの発生に対する期待度を示す予告演出(例えば、図50(c)の大当り期待度を示すエフェクト文字による保留球数ボタン予告演出)を実行する。
(2-1)遊技者が遊技に用いる遊技用価値(例えば、遊技球、クレジット数)を消費して遊技を行う遊技機であって、
遊技中に演出を実行する演出実行手段(例えば、図47、図57の演出ボタン入力管理処理、図48、図58のシナリオ更新処理、図51、図59の液晶コマンド送信処理)と、
前記遊技用価値を貯めて遊技に用いるための遊技用価値貯留使用手段(例えば、上皿8および発射装置84により遊技領域17に打込まれる遊技球を検出する球検出センサ等、クレジット数を記憶する主制御基板351のRAMおよびメダルメダル投入ボタン(BETボタン)326等)と、
前記遊技用価値貯留使用手段の状態を判別することにより遊技者が遊技を続行している遊技続行状態であるか否か判定する遊技続行判定手段(例えば、S811〜S816、S841およびS842)と、を備え、
前記演出実行手段は、前記遊技続行判定手段により遊技続行状態であると判定されたことを条件として、特定演出を実行可能であることを特徴とする(例えば、S813でYESと判定されたことを条件としてS817〜S822の制御を実行する。S841でYESと判定されたことを条件としてS842〜S848の制御を実行する)。
(2-2)表示状態が変化可能な可変表示装置(例えば、第1特別図柄表示装置37、第2特別図柄表示装置38、演出図柄表示装置26、第1表示手段用の第1表示窓317、第2表示手段用の第2表示窓(リール窓ともいう)318)と、
前記可変表示装置の表示結果が予め定められ特定態様となった場合に遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段(例えば、大入賞口(特別電動役物)22、入賞役成立処理手段357)と、
遊技演出を行うための遊技者の操作を検出する演出操作検出手段(例えば、演出ボタンセンサ12s、プッシュボタン328)と、をさらに備え、
前記特定演出は、前記演出操作検出手段の検出に応じて行われる演出であり(例えば、演出ボタン12が操作された場合に図47のS775によりYESと判定されてS782、S783により作動保留球数を上限として保留球数ボタン予告操作カウンタが加算更新されてそのカウント値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図51のS793、S794により送信されて作動保留球数だけ保留球数ボタン予告演出が追加実行される(図53、図54参照)。球検出センサにより打込み球が検出されて図58のS810によりYESと判定されてS815によりボタン予告数カウンタが加算更新されれてそのカウント値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図59のS835、S836により送信されて作動保留球数だけ保留球数ボタン予告演出が追加実行される。プッシュボタン328が押圧操作された場合に図63のS850によりYESと判定されてボタン予告数Jを上限としてS858クレジット数予告操作カウンタが加算更新されてそのカウント値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図65のS870、S871により送信されて作動クレジット数ボタン予告演出が実行される)、
前記演出実行手段は、前記可変表示装置の変動表示中において前記遊技演出を行うための遊技者の操作を禁止している期間(例えば、図52、図60の「無効(1)」の期間)以外のタイミングで、前記演出操作検出手段による遊技者の操作が検出されたことを条件として、前記特定演出を実行する(例えば、図47のS778によりNOの判定がなされたことを条件として保留球数ボタン予告演出を実行する。図57のS803によりNOの判定がなされたことを条件として打込み球数ボタン予告演出を実行する。S853によりNOの判定がなされたことを条件としてクレジット数ボタン予告演出を実行する)。
(2-3)前記遊技用価値貯留使用手段は、遊技領域に遊技球を発射する発射手段(例えば、発射装置84)を含み、
前記遊技続行判定手段は、前記発射手段による遊技球の発射を検出する発射検出手段(例えば、ガイドレール16の終端に設けた球検出センサ、発射装置84の発射位置のある遊技球を検出する発射検出センサ)を含み、前記発射検出手段の検出出力に基づいて遊技続行状態であるか否か判定する(例えば、S811〜S816)。
(2-4)前記遊技用価値貯留使用手段は、遊技領域に遊技球を発射するための発射操作手段(例えば、発射ハンドル10)を含み、
前記遊技続行判定手段は、遊技者が前記発射操作手段に触れていることを検出する接触検出手段(例えば、タッチセンサ69)を含み、前記接触検出手段の検出出力に基づいて遊技続行状態であるか否か判定する(例えば、タッチセンサ69の検出信号の出力長さをCPU241が計時してボタン予告数カウンタを加算更新する)。
(2-5)前記遊技用価値貯留使用手段は、遊技領域に遊技球を発射するための発射操作手段(例えば、発射ハンドル10)を含み、
前記遊技続行判定手段は、遊技者が前記発射操作手段を操作して特定の発射態様で遊技球を発射していることを検出する特定発射態様検出手段(例えば、遊技者が右打ちを行っているときのその打込まれた遊技球を検出する右打ち球検出センサ)を含み、
前記遊技続行判定手段は、前記特定発射態様検出手段の検出出力に基づいて遊技続行状態であるか否か判定する(例えば、右打ち球検出センサの検出出力をカウント(右打ち球カウント)してボタン予告数カウンタを加算更新する)。
(2-6)単位遊技に対する賭数を設定する賭数設定手段(例えば、メダルメダル投入ボタン(BETボタン)326)をさらに備え、
前記遊技用価値貯留使用手段は、前記賭数設定手段による賭数の設定に用いられるクレジット数を貯留可能なクレジット手段(例えば、クレジット数を記憶する主制御基板351のRAM)を含み、
前記遊技続行判定手段は、前記クレジット手段が貯留しているクレジット数に基づいて遊技続行状態であるか否か判定する(例えば、S841およびS842)。
(3-1)遊技中に演出を実行する演出実行手段(例えば、図47、図57の演出ボタン入力管理処理、図48、図58のシナリオ更新処理、図51、図59の液晶コマンド送信処理)と、
遊技者によって充足可能な特定条件が成立したことを判定する特定条件判定手段(例えば、S780とS782とS783、S811〜S816、S841およびS842。演出図柄表示装置26による図柄変動表示が終了した段階で遊技者が遊技機の音量調節やデモムービーの選択操作を行ったことを判定する第1判定手段、大当たり開始時または終了時に、遊技者が大当たり中にながれる楽曲を選択操作したり確変中に表示されるキャラクタの選択操作を行ったことを判定する第2判定手段、遊技者がスロットマシンにおけるスタートレバー330を操作した時点から第1図柄の停止時点(最初の回転リールが停止する時点)までの間において実行されるセリフ予告において遊技者がプッシュボタン328を押圧操作したことによりセリフが表示されたことを判定する第3判定手段、第3図柄の停止時点(最後の回転リールが停止する時点)から次のBET入力までの間において遊技者がスロットマシンの音量調節を行ったことを判定する第4判定手段)と、を備え、
前記演出実行手段は、前記特定条件判定手段により前記特定条件が成立したと判定されたことを条件として、特定演出を実行可能である(例えば、作動保留球数が増加した分図47のS782でNOの判断がなされS783で保留球数予告ボタン操作カウンタが加算更新され、加算更新されたカウンタの値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図51のS793、S794により送信されて増加した作動保留球数だけ保留球数ボタン予告演出が追加実行される(図53(b)(c)、図54(a)〜(c)参照)。球検出センサにより打込み球が検出されて図58のS810によりYESと判定されてS815によりボタン予告数カウンタが加算更新されてそのカウント値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図59のS835、S836により送信されて作動保留球数だけ保留球数ボタン予告演出が追加実行される。プッシュボタン328が押圧操作された場合に図63のS850によりYESと判定されてボタン予告数Jを上限としてS858クレジット数予告操作カウンタが加算更新されてそのカウント値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図65のS870、S871により送信されて作動クレジット数ボタン予告演出が実行される。第1判定手段による判定以降に発生したボタン予告を実行可能なリーチ(例えば、高期待度リーチ(例えば特殊リーチ)を除くリーチ)において、演出用の操作ボタン12を操作するボタン予告演出を実行可能に制御する。第2判定手段による判定以降に発生したボタン予告を実行可能なリーチ(例えば、高期待度リーチ(例えば特殊リーチ)を除くリーチ)において、演出用の操作ボタン12を操作するボタン予告演出を実行可能に制御する。第判3定手段により判定されたセリフ予告において、演出用の操作ボタン12を操作するボタン予告演出を実行可能に制御する。第4判定手段による判定以降に発生した次回予告等の予告演出において、プッシュボタン328を操作するボタン予告演出を実行可能に制御する)。
(3-2)表示状態が変化可能な可変表示装置(例えば、第1特別図柄表示装置37、第2特別図柄表示装置38、演出図柄表示装置26、第1表示手段用の第1表示窓317、第2表示手段用の第2表示窓(リール窓ともいう)318)と、
前記可変表示装置の表示結果が予め定められ特定態様となった場合に遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段(例えば、大入賞口(特別電動役物)22、入賞役成立処理手段357)と、
遊技演出を行うための遊技者の操作を検出する演出操作検出手段(例えば、演出ボタンセンサ12s、プッシュボタン328)と、をさらに備え、
前記特定演出は、前記演出操作検出手段の検出に応じて行われる演出であり(例えば、演出ボタン12が操作された場合に図47のS775によりYESと判定されてS782、S783により作動保留球数を上限として保留球数ボタン予告操作カウンタが加算更新されてそのカウント値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図51のS793、S794により送信されて作動保留球数だけ保留球数ボタン予告演出が追加実行される(図53、図54参照)。球検出センサにより打込み球が検出されて図58のS810によりYESと判定されてS815によりボタン予告数カウンタが加算更新されれてそのカウント値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図59のS835、S836により送信されて作動保留球数だけ保留球数ボタン予告演出が追加実行される。プッシュボタン328が押圧操作された場合に図63のS850によりYESと判定されてボタン予告数Jを上限としてS858クレジット数予告操作カウンタが加算更新されてそのカウント値に対応するパーツ演出を表示するコマンドが図65のS870、S871により送信されて作動クレジット数ボタン予告演出が実行される)、
前記演出実行手段は、前記可変表示装置の変動表示中において前記遊技演出を行うための遊技者の操作を禁止している期間(例えば、図52、図60の「無効(1)」の期間)以外のタイミングで、前記演出操作検出手段による遊技者の操作が検出されたことを条件として、前記特定演出を実行する(例えば、図47のS778によりNOの判定がなされたことを条件として保留球数ボタン予告演出を実行する。図57のS803によりNOの判定がなされたことを条件として打込み球数ボタン予告演出を実行する。S853によりNOの判定がなされたことを条件としてクレジット数ボタン予告演出を実行する)。
(3-3)遊技者による設定操作を検出する設定操作検出手段(例えば、音量調節用の操作手段(例えばジョグダイヤル等)、楽曲の選択操作を検出する手段、セリフ予告時に操作されるプッシュボタン328等)をさらに備え、
前記特定条件判定手段は、前記設定操作検出手段の検出出力に基づいて前記特定条件が成立したと判定する(例えば、演出図柄表示装置26による図柄変動表示が終了した段階で遊技者が遊技機の音量調節やデモムービーの選択操作を行ったことを判定する。大当たり開始時または終了時に、遊技者が大当たり中にながれる楽曲を選択操作したり確変中に表示されるキャラクタの選択操作を行ったことを判定する。遊技者がスロットマシンにおけるスタートレバー330を操作した時点から第1図柄の停止時点(最初の回転リールが停止する時点)までの間において実行されるセリフ予告において遊技者がプッシュボタン328を押圧操作したことによりセリフが表示されたことを判定する。第3図柄の停止時点(最後の回転リールが停止する時点)から次のBET入力までの間において遊技者がスロットマシンの音量調節を行ったことを判定する)。
(3-4)前記設定操作検出手段は、音量を調整して設定するための音量設定操作検出手段(例えば、音量調節用の操作手段(例えばジョグダイヤル等))を含む。
(3-5)前記設定操作検出手段は、遊技中にながれる楽曲を選択設定するための楽曲設定操作検出手段(例えば、楽曲の選択操作を検出する手段)を含む。
(3-6)前記設定操作検出手段は、特定の遊技状態中に表示されるキャラクタを選択設定するためのキャラクタ設定操作検出手段(例えば、確変中に表示されるキャラクタの選択操作を行ったことを検出する)を含む。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
なお、実施形態ではパチンコ遊技機やスロットマシンについて例示したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の遊技機においても同様に実施可能であることはいうまでもない。