以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の前方側(遊技者側)には、液晶表示装置(LCD)で構成されたサブ液晶と、カバー、導電膜、ガラス基板等から構成された静電容量式のタッチパネルをサブ液晶の上面に配置したタッチパネル付サブ液晶60が設けられている。このタッチパネル付サブ液晶60は、後述する演出表示装置9よりも小型であり、演出表示装置9よりも小さな画像表示領域を有している。尚、本実施例では、タッチパネルを備えた表示装置として液晶表示装置で構成されたサブ液晶を用いている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチパネルを備えた表示装置としては、例えば、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)や電子ペーパーによって構成された表示装置を用いるようにしても良い。
また、本実施例では、タッチパネル付きサブ液晶60を打球供給皿3の前方側に設けている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者の遊技領域7の視認を妨げず、且つ遊技者がサブ液晶の表示を視認可能であるとともにタッチパネルを操作可能な位置であれば、パチンコ遊技機1においてタッチパネル付きサブ液晶60を設ける位置は任意の位置に設けるようにして良い。
打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。本実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
本実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
なお、本実施例では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、本実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部の左右2箇所には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示エリア18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示エリア18dと、が設けられている。尚、本実施例では、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示エリア18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示エリア18dとを設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計数(合算保留記憶数)をまとめて表示する合算保留数表示エリアを演出表示装置9の表示画面の下部に設けるようにしても良い。尚、このように合算保留数表示エリアを設ける場合は、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるようにすれば良い。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。本実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、本実施例では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/O57を含む。本実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、本実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
このようなRAM55には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、可変入賞球装置15が形成する第1始動入賞口13を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口13への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口14への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口13を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、ゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aによって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器10により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球がゲート32を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU56がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路503で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU56によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU56がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路503における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路503から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAM55の内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
本実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア9L,9C,9Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。尚、小当りを発生させる場合には、小当りに対応する変動表示結果指定コマンド(例えば、コマンド8CX4H(Xは1〜3の任意の値))を設定して、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知すれば良い。
コマンド8F00Hは、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア9L,9C,9Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、可変入賞球装置15が形成する第1始動入賞口13を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ13aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ14aにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア18cなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア18dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口13に遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口14に遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)54と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)55と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)56と、CPU56とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路503と、I/O(Input/Outputport)57とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、CPU56がROM54から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU56がROM54から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU56がRAM55に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU56がRAM55に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU56がI/O57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU56がI/O57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板31の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施例では、主基板31の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路503は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU56は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路503とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM54に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小当りを発生させる場合において、小当りの当選確率を第1特図と第2特図とで異なるようにする場合には、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。すなわち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図7は、ROM54に記憶される大当り種別決定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器8aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器8bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図7(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図7に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図7に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、上記したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM54には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「非確変大当り」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図5に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
尚、演出制御基板80の側においても、主基板31と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9及びタッチパネル付サブ液晶60の表示制御を行わせる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMは、その一部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMの一部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態を示すデータ(後述する、確変状態フラグや時短状態フラグ)は、バックアップRAMに保存される。ただし、本実施例では、後述する時短状態移行後の変動回数をカウントするための時短後回数カウンタの値は、バックアップRAMには保存されない。
本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDP109によって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9及びタッチパネル付サブ液晶60に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板77から入力される演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、図示しない入力ドライバに入力する。中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。
さらに、演出制御用CPU101は、図示しない出力ポートを介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポートを介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、図示しないLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバを介して図示しない音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声合成用ICに接続された音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図2に示す演出制御基板80に搭載された図示しないROMには、演出制御用のプログラムが格納されている。また、該ROMには、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROMには、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、該ROMには、演出制御用CPU101が各種の演出装置(例えば演出表示装置9やスピーカ27L,27R、装飾LED25、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板80に搭載された図示しないRAMには、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図9(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図9(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図9(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、変動表示中の第1特図に対応した格納領域(バッファ番号「1−0」に対応した領域)とが設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)と、変動表示中の第2特図に対応した格納領域(バッファ番号「2−0」に対応した領域)とが設けられている。第1始動入賞口13や第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−0」またはバッファ番号「2−0」の記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
更に、本実施例の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、後述する保留表示予告演出決定処理(図23)において保留表示予告演出の実行の有無の決定に伴う表示パターンの決定が未決定であるか否か、つまり、新たな始動入賞の発生によって、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドが新たに格納されたことにより表示パターンの決定が未決定である旨を示す表示未決定フラグと、表示されている保留記憶表示の表示パターン(表示態様)に応じたフラグ値がセットされる保留表示フラグと、後述する保留表示予告演出決定処理において決定された保留記憶表示の表示パターン(表示態様)に応じたフラグ値がセットされる最終保留表示フラグと、を第1特図保留記憶及び第2特図保留記憶に対応する各バッファ番号に対応付けて格納できるように記憶領域が、各格納領域(エントリ)毎に確保されている。
尚、後述する保留表示予告演出決定処理において後述するタッチ演出を実行しないと決定した場合、保留表示フラグ及び最終保留表示フラグには、保留表示予告演出の実行が決定されなかった場合には、通常の保留記憶表示の表示パターンに対応する「0」が格納されることで、通常の表示態様(例えば、白抜き○)の保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア18c、第2保留記憶表示エリア18dに表示され、保留表示予告演出の実行が決定された場合には、通常の表示態様とは異なる特別態様(例えば、四角形(◇)や星(☆))の保留記憶表示の表示パターンに対応する「1」(四角形(◇))または「2」(星(☆))がセットされることで、通常の表示態様とは異なる特別態様の保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア18c、第2保留記憶表示エリア18dに表示されて、該保留記憶表示に対応する変動表示において、大当りとなる可能性やスーパーリーチとなる可能性が高いことが予告されるようになっている。
また、後述する保留表示予告演出決定処理において後述するタッチ演出を実行すると決定した場合、保留表示フラグには、一義的に通常の保留記憶表示の表示パターンに対応する「0」が格納されることで、通常の表示態様(例えば、白抜き○)の保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア18c、第2保留記憶表示エリア18dに表示され、最終保留表示フラグには、通常の保留記憶表示の表示パターンに対応する「0」、または、通常の表示態様とは異なる特別態様(例えば、四角形(◇)や星(☆))の保留記憶表示の表示パターンに対応する「1」(四角形(◇))または「2」(星(☆))がセットされる。つまり、本実施例では、後述するタッチ演出を実行すると決定した場合は、最終保留表示フラグのみに特別態様の保留記憶表示の表示パターンに対応する値がセットされるため、第1保留記憶表示エリア18c、第2保留記憶表示エリア18dには通常の表示態様にて保留記憶表示が表示される。
尚、詳細は後述するが、本実施例では、タッチ演出の実行時に遊技者がタッチパネルを操作することで、第1保留記憶表示エリア18c、第2保留記憶表示エリア18dに通常態様(白抜きの○)で表示されている保留記憶表示を、特別態様(◇や☆)の保留記憶表示に変化させるようになっている。
演出制御用CPU101は、第1始動入賞口13への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口14への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから保留記憶数通知コマンドまでが順次送信される。したがって、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図9(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、直前に終了した変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−0」または「2−0」のエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、該開始する変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−1」または「2−1」に対応したエントリ)に格納されているものと、該開始する変動表示の保留記憶以降のエントリの記憶内容がシフトされる。例えば図9(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の演出図柄の変動表示が終了した場合には、バッファ番号「0」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドがバッファ番号「0」にシフトされるとともに、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」、「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」、「3」に対応した領域にシフトされる。よって、バッファ番号「0」は、その時点において変動表示されている保留記憶に関する各コマンドを格納するための領域(エントリ)となる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板31では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560が起動し、CPU56によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU56は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM55がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU56へ送出され、CPU56は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU56は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図10のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図10に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU56は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、入力ドライバ回路58を介してゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板31の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU56は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置20における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU56は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器10における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や可変入賞球装置15における可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU56は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板31から演出制御基板80などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O57に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板80に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図11は、特別図柄プロセス処理として、図10に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU56は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞判定処理では、図12に示すように、CPU56は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ13aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ13aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ13aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU56は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101にて第1始動口スイッチ13aがオフであるときや(S101;N)、S102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ14aからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ14aがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ14aがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU56は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU56は、乱数回路503や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU56は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM54における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM54における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図10に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
S111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、例えばROM54における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図10に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
S113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図13(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図12のS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図11のS22、図15)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図11のS23、図16)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU56がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前、つまり、該変動表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることや、演出図柄の変動表示態様がいずれのカテゴリの変動表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU101などにより、後述するように、保留表示予告演出が実行されるようになる。
図13(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU56は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S121)。CPU56は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S121の処理に続いて、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(S122)。その後、図12のS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S123)。大当り判定範囲には、S122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU56が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU56が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
S123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとならないと判定された場合には(S123;N)、変動表示結果が「ハズレ」となることに応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S124)、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S125)。時短フラグがセットされていない場合は(S125;N)、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし、時短フラグがセットされている場合は(S125;Y)、ハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S127)。
尚、ハズレ用変動パターン判定テーブルAは、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルである。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルDは、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルである。
尚、本実施例では、これらのハズレ用変動パターン判定テーブルAやハズレ用変動パターン判定テーブルDに加えて、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、図14に示すように、これらハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cのうち、ハズレ用変動パターン判定テーブルAでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aまでの値が割り当てられており、ハズレ用変動パターン判定テーブルB,Cでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aを超える値が割り当てられている。一方、ハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cでは、スーパーリーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうちB〜997までの値が割り当てられている。
このため、S126においてハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチまたはスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて判定するようになっている。
図13(A)に示すように、S123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとなると判定された場合には(S123;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S128)。このとき、CPU56は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
また、S128において判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S129)、大当り変動パターンを複数のいずれかに判定するためのテーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S130)。
S126,S127,S130の処理のいずれかを実行した後には、S126,S127,S130の処理にて設定された変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(S131)。本実施例では、図13(B)に示すように、少なくとも変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の変動表示態様(例えばノーマルリーチ)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
その後、S131の処理による判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定を行ってから(S132)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置9やスピーカ27L,27R、装飾LED25などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図15は、特別図柄通常処理として、図11のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(S150)。尚、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図7(A)に示す大当り種別決定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別決定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置9において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板31から演出制御基板80に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図16は、変動パターン設定処理として、図11のS23にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S161)。そして、大当りフラグがオンであれば(S161;Y)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S162)。
S161にて大当りフラグがオフであるときには(S161;N)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否か(セットされているか)を判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(S163)。そして、時短フラグがオンであれば(S163;Y)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S164)。
一方、時短制御中ではないとき、つまり、時短フラグがオフであるとき(セットされていないとき)には(S163;N)、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定し、該特定した合計保留記憶数が2以上であるか否かを判定する(S165)。
特定した合計保留記憶数が2以上でない場合(S165;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットする(S166)。
また、特定した合計保留記憶数が2以上である場合(S165;Y)には、S167に進んで、合計保留記憶数が5以上であるか否かをさらに判定する(S167)。
合計保留記憶数が5以上でない場合(S167;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルBを選択してセットする(S168)。
また、合計保留記憶数が5以上である場合(S167;Y)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルCを選択してセットする(S169)。
S162,S164,S166,S168,S169の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、選択された大当り用変動パターン判定テーブルまたはハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Dのいずれかを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S170)。
尚、大当りフラグがオフであるときには、S170の処理にて変動パターンを決定することにより、演出図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、S170の処理には、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
S170にて変動パターンを決定した後には、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S171)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S171の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S172)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM54における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
S172の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S173)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S174)、変動パターン設定処理を終了する。
S172でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図10に示すS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板31から演出制御基板80に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。尚、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図17は、特別図柄停止処理として、図11のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板80に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S190に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU56は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグおよび時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板80に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変A)、大当り開始2指定コマンド(確変B)、大当り開始3指定コマンド(非確変)を送信するための設定を行う(S185)。
さらにCPU56は、演出制御基板80に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、非確変大当りや確変大当りAの場合には16回。確変大当りBの場合には5回。)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新する(S189)。
一方、S190においてCPU56は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS196に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、確変フラグまたは時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。
S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図18は、大当り終了処理として、図11のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S201;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S204)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S205)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S206)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S206;Y)、CPU56は、記憶されている大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBであるかを判定する(S207)。
大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合(S207;Y)には、確変フラグをセットし(S208)、時短フラグをセットし(S209)、時短回数カウンタに「0」をセットした後(S210)、S213に進む。
一方、大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBでない場合(S207;N)には、S211とS212を実行することで、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタに「100」をセットした後、S213に進む。
S213では、大当りフラグをリセットし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S214)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板80に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S215)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S216)。
次に、演出制御基板80の動作を説明する。図19は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU101は、受信コマンドバッファに格納されている主基板31から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU101は、タッチ検出処理を行う(S55)。タッチ検出処理では、演出制御用CPU101は、タッチパネルにおいて遊技者の操作(タッチ)を検出したか否かを判定し、遊技者の操作を検出した場合は、該遊技者の操作にもとづいてサブ液晶に遊技者がタッチパネルを操作したことを示すエフェクト表示の設定を行う。また、後述するタッチ演出にて用いる演出用操作データを記憶する。
次いで、演出制御用CPU101は、タッチ表示処理を行う(S56)。タッチ表示処理では、演出制御用CPU101は、タッチ検出処理において設定したエフェクトの表示を行う。
このように、本実施例では、後述する演出制御プロセス処理とは個別にタッチ検出処理とタッチ表示処理とを実行するようになっている。つまり、本実施例では、演出表示装置9において演出図柄の変動表示中であるか否か、大当り遊技中であるか否かに拘らず、遊技者がタッチパネルを操作すればサブ液晶にエフェクト画像が表示されるようになっている。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S57)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S58)。その後、S52に移行する。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのかを、図20に示すように解析する。
図20は、コマンド解析処理として、図19のS54にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板77を介して伝送された主基板31からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S221)。このとき、受信コマンドがなければ(S221;N)、コマンド解析処理を終了する。
S221にて受信コマンドがある場合には(S221;Y)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S222)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(S222;Y)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(S223)。例えば、S223の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S222にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(S222;N)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S224)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(S224;Y)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(S225)。例えば、S225の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S224にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(S224;N)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S226)。S226にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S226;N)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S227)。S227にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(S227;N)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S228)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(S228;Y)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S229)。
S228にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(S228;N)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S230)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(S230;Y)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S231)。
そして、S229,S231の処理のいずれかを実行した後は、格納したエントリの表示未決定フラグに、保留表示態様が未決定である旨を示す「1」をセットする(S232)。
S226にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(S226;Y)、S227にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(S227;Y)、あるいはS223,S225,S232の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを図示しない始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭に格納し(S233)、S221の処理に戻る。
尚、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
S230にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(S230;N)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(S234)、S221の処理に戻る。
図21(A)は、タッチ検出処理として、図19のS55にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21(A)に示すタッチ検出処理において、演出制御用CPU101は、まず、タッチパネルが遊技者によって連続して操作されたか否かを判定するための連続タッチ期間タイマの値が0となっているか否かを判定する(S601)。連続タッチ期間タイマの値が0となっている場合(S601;Y)、演出制御用CPU101は、タッチパネルの操作検出有りか否か、つまり、タッチパネルにおいて遊技者の操作を検出したか否かを判定する(S602)。タッチパネルの操作検出が無い場合は(S602;N)、タッチ検出処理を終了し、タッチパネルの操作検出が有る場合は(S602;Y)、演出制御用CPU101は、タッチパネルにおいて遊技者の操作を検出した位置の座標(座標位置)を特定し(S603)、該特定した座標を含む演出用操作データを記憶する(S604)。
そして、演出制御用CPU101は、連続タッチ期間タイマに連続タッチ判定期間に対応した値をセットする(S605)。尚、連続タッチ期間タイマにセットする連続タッチ判定期間に対応した値としては、例えば、VDP109がサブ液晶において表示する画像のデータをサブ液晶に出力するまでの期間、つまり、サブ液晶において表示する画像を次の画像に更新する期間よりも短い期間に対応した値をセットすれば良い。このように連続タッチ期間タイマに連続タッチ判定期間に対応した値をセットすることで、各タッチパネルの操作にもとづいてタッチ演出結果の表示が複数回実行されてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、連続タッチ期間タイマに、連続タッチ判定期間に対応した値としてVDP109がサブ液晶において表示する画像のデータをサブ液晶に出力するまでの期間に対応した値をセットする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連続タッチ期間タイマにセットする値としては、後述する予告演出処理において、遊技者のタッチパネルの操作に応じて演出表示装置とサブ液晶とに表示するタッチ演出結果共通画像の表示期間と同程度の期間(例えば、5秒)や、1回の変動表示分の期間(例えば、12秒や20秒)等、VDP109がサブ液晶において表示する画像のデータをサブ液晶に出力するまでの期間のような遊技者が知覚できないほど短い期間ではなく、遊技者が十分に知覚可能な長さの期間に対応した値をセットするようにしても良い。尚、このように連続タッチ期間タイマに遊技者が十分に知覚可能な長さの期間に対応した値をセットする場合は、後述する図33のS328cの実行時(第1保留記憶表示エリア18c及び第2保留記憶表示エリア18dにて表示されている保留記憶表示の表示態様を隠蔽する隠蔽画像の表示開始時)に連続タッチ期間タイマと演出用操作データをクリアすることで、タッチ演出の実行時における1回目のタッチパネルの操作にもとづいてタッチ演出結果の表示を実行することができる。
また、本実施例では、タッチ演出中に1回目のタッチパネルの操作が実行された時点で連続タッチ期間タイマをセットし、該連続タッチ期間タイマの実行中に実行されたタッチパネルの操作についてはタッチパネルが連続操作されたと判定し、1回目のタッチパネルの操作のみをタッチ演出結果に反映する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチパネルの連続操作を判定する構成としては該連続タッチ期間タイマに限らず、例えば、タッチ演出中に1回目のタッチパネルの操作が実行された時点で既にタッチパネルの操作が実行されたことを示す操作済フラグをセットし、タッチ演出中に該操作済フラグがセットされている状態で実行されたタッチパネルの操作全てをタッチパネルが連続して操作されたと判定することで、1回目のタッチパネルの操作のみをタッチ演出結果に反映するようにしても良い。尚、セットされた操作済フラグは、変動表示の終了またはタッチ演出の終了時にクリアされれば良い。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを参照し、図柄指定コマンドが格納が有るか否かを判定する(S606a)。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに図柄指定コマンドの格納が無い場合(S606a;N)、演出制御用CPU101は、サブ液晶に表示するエフェクト表示態様を「白」に決定してS609に移行し(S606b)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに図柄指定コマンドが格納が有る場合(S606a;Y)、格納されている図柄指定コマンドは「ハズレ」を示す第1図柄指定コマンドのみであるか否かを判定する(S606c)。
格納されている図柄指定コマンドにいずれかの大当り種別を示す図柄指定コマンドが含まれている場合は(S606c;N)、演出制御用CPU101は、図示しない乱数回路等からエフェクト表示態様決定用乱数を判定値として抽出し、該判定値と図21(B)に示す大当り保留記憶決定テーブルを用いてサブ液晶に表示するエフェクト表示態様を決定する(S607)。また、格納されている図柄指定コマンドが全てハズレを示す図柄指定コマンドである場合は(S606c;Y)、演出制御用CPU101は、図示しない乱数回路等からエフェクト表示態様決定用乱数を判定値として抽出し、該判定値と図21(C)に示す大当り保留非記憶決定テーブルを用いてサブ液晶に表示するエフェクト表示態様を決定する(S608)。
図21(B)に示す大当り保留記憶時決定テーブルにおいては、エフェクト表示態様決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、「白」のエフェクト表示態様に10個の判定値が設定されており、「青」のエフェクト表示態様に30個の判定値が設定されており、「赤」のエフェクト表示態様に60個の判定値が設定されている。
また、図21(C)に示す大当り保留記憶時決定テーブルにおいては、エフェクト表示態様決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、「白」のエフェクト表示態様に70個の判定値が設定されており、「青」のエフェクト表示態様に20個の判定値が設定されており、「赤」のエフェクト表示態様に10個の判定値が設定されている。
このように、本実施例では、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにいずれかの大当り種別を示す図柄指定コマンドが格納されている場合は、サブ液晶に表示するエフェクト表示態様として「赤」が最も決定され易いとともに「白」が最も決定され難くなっており、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにハズレを示す図柄指定コマンドのみがセットされている場合は、サブ液晶に表示するエフェクト表示態様として「白」が最も決定され易いとともに、「青」が最も決定され難くなっている。
つまり、本実施例では、サブ液晶に「赤」のエフェクトが表示される場合は、実行中の変動表示が「大当り」となる割合(実行中の変動表示の大当り期待度)または変動表示結果が大当たりとなる保留記憶が存在する割合(保留内大当り期待度)が最も高くなるとともに、サブ液晶に「白」のエフェクトが表示される場合は、実行中の変動表示が「大当り」となる割合(大当り期待度)または変動表示結果が大当たりとなる保留記憶が存在する割合が最も低くなる(エフェクト表示態様における実行中の変動表示の大当り期待度・保留内大当り期待度:「赤」>「青」>「白」)。
S606b、S607、S608のいずれかの処理の実行後、演出制御用CPU101は、S603または後述するS614において特定したタッチパネルにおいて遊技者の操作を検出した位置の座標(座標位置)並びにS606b、S607、S608のいずれかにおいて決定したエフェクト表示態様によるエフェクト表示の表示設定を図22(B)に示すエフェクト表示設定テーブルに追加してタッチ検出処理を終了する(S609)。
連続タッチ期間タイマの値が0となってない場合(S601;N)、演出制御用CPU101は、連続タッチ期間タイマの値を1減算し(S610)、連続タッチ期間タイマの値が0となっているか否かを判定する(S611)。連続タッチ期間タイマの値が0となっている場合(S611;Y)、演出制御用CPU101は、演出用操作データをクリアし(S612)、S602〜S609までの処理を実行する。また、連続タッチ期間タイマの値が0となっていない場合(S611;N)、演出制御用CPU101は、タッチパネルの操作検出有りか否か、つまり、タッチパネルにおいて遊技者の操作を検出したか否かを判定する(S613)。
タッチパネルの操作検出が無い場合は(S613;N)、タッチ検出処理を終了し、タッチパネルの操作検出が有る場合は(S613;Y)、演出制御用CPU101は、タッチパネルにおいて遊技者の操作を検出した位置の座標(座標位置)を特定する(S614)。そして、演出制御用CPU101は、S606a〜S609までの処理を実行する。
尚、本実施例では、遊技者がタッチパネルを操作することによりサブ液晶に表示するエフェクト画像の色を、実行中の変動表示の変動表示結果が大当りとなるか否か、保留記憶内に大当りとなる保留記憶が有るか否かに応じて、異なる割合で「白」、「青」、「赤」から決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エフェクト画像の色は、実行中の変動表示の変動表示結果が大当りとなるか否か、保留記憶内に大当りとなる保留記憶が有るか否かのいずれか一方のみに応じて異なる割合で決定するようにしても良い。
図22(A)は、タッチ表示処理として、図19のS56にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22(A)に示すタッチ表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、図22(B)に示すエフェクト表示設定テーブルの設定データを読み出す(S621)。尚、図22(B)に示すように、エフェクト表示設定テーブルは、タッチ検出処理において特定した座標位置、エフェクト表示態様、及びエフェクト表示期間を示す設定データを格納するための格納領域が複数設けられており、S621では、これら格納領域に格納されている設定データを全て読み込む。
次いで、演出制御用CPU101は、S621において読み出した設定データの中にエフェクト表示を実行中の設定データが有るか否かを判定する(S622)。エフェクト表示を実行中の設定データが無い場合は(S622;N)、S626に移行し、エフェクト表示を実行中の設定データが有る場合は(S622;Y)、エフェクト表示を実行中の各設定データの表示期間データの値を1減算し(S623)、完了タイミングエフェクト表示が有るか否か、つまり、表示期間データの値が0となった設定データが有るか否かを判定する(S624)。
完了タイミングエフェクト表示が有る場合は(S624;Y)、該完了したエフェクト表示の設定データをエフェクト表示設定テーブルから消去することでサブ液晶におけるエフェクト表示を終了してS626に移行し(S625)、完了タイミングエフェクト表示が無い場合は(S624;N)、実行中の各設定データに対応するエフェクト表示をS623において1減算した後の表示期間データに対応した状態に更新してS626に移行する(S630)。
S626において演出制御用CPU101は、S621において読み出した設定データの中に未実行の設定データがあるか否か、つまり、表示期間データの値がセットされた値から減算されていない設定データが有るか否かを判定する(S626)。
未実行の設定データが無い場合は(S626;N)、タッチ表示処理を終了し、未実行の設定データがある場合は(S626;Y)、該未実行の設定データに含まれる座標に対応するサブ液晶の位置に、該未実行の設定データに含まれる態様のエフェクト表示(赤、青、白のいずれか)を開始し(S627)、エフェクト表示設定テーブルにおける各座標と表示態様とに対応付けて、表示期間データにエフェクトの表示期間に対応する値をセットする(S628)。そして、タッチ表示処理を終了する。
尚、本実施例におけるタッチ検出処理及びタッチ表示処理は、後述する演出制御メイン処理にてセットされる演出制御プロセスフラグの値とは全く関わり無く実行可能となっている。つまり、本実施例では、例えば、演出表示装置9におけるデモ表示の実行中等の変動表示が実行されていない状態であっても、遊技者がタッチパネルを操作することによりサブ液晶においてエフェクト画像の表示が実行されるようになっている。
図23は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S57)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先ず、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置9の第1保留記憶表示エリア18c及び第2保留記憶表示エリア18dにおける保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図24は、保留表示予告演出決定処理として、図23のS71にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す保留表示予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aをチェックし(S241)、始動入賞時のコマンドの新たな格納が有るか否かを、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが存在するか否かにより判定する(S242)。
表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが無い場合は(S242;N)、保留表示予告演出決定処理を終了し、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが有る場合は(S242;Y)、既に最終保留表示フラグが「1」または「2」のエントリが有るか否かを判定する(S242a)。既に最終保留表示フラグが「1」または「2」のエントリが有る場合は(S242a;Y)、S260に移行し、最終保留表示フラグが「0」のエントリのみである場合は(S242a;N)、既に変動カテゴリが「スーパーリーチ」、「その他」のエントリが有るか否かを判定する(S242b)。既に変動カテゴリが「スーパーリーチ」、「その他」のエントリが有る場合は(S242b;Y)、S260に移行し、既に変動カテゴリが「スーパーリーチ」、「その他」のエントリが無い場合は(S242b;N)、表示未決定フラグが「1」のエントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドであるか否か、つまり、図柄指定コマンドがハズレを示すコマンドであるか否かを判定する(S243)。表示未決定フラグが「1」のエントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドでない場合、つまり、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当りのいずれか)を示すコマンドである場合は(S243;N)、当該エントリの図柄指定コマンドから大当り種別を特定する(S244)。
そして、例えば図示しない乱数回路や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告演出用の乱数値を示す数値データとS244において特定した大当り種別に基づいて、図示しない大当り時保留表示予告演出決定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出を実行するか否かと、保留表示予告演出を実行する場合における表示パターンと、を決定する(S245)。
S245においては、例えば、図26(A)に示すような決定割合で保留表示予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。図26(A)に示す決定割合の設定例では、S244の処理において特定した大当り種別に応じて、保留表示予告演出の有無や表示パターン(予告種別)の決定割合を異ならせている。
具体的には、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)として、表示パターンα及び表示パターンβの2種類が設けられている。このうち、保留表示予告演出の表示パターンが表示パターンαに決定された場合には、後述するタッチ演出の演出結果として、保留記憶表示が白色の四角形(◇)で第1保留記憶表示エリア18cまたは第2保留記憶表示エリア18dに表示され、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)が表示パターンβに決定された場合には、後述するタッチ演出の演出結果として、保留記憶表示が白色の星形(☆)で第1保留記憶表示エリア18cまたは第2保留記憶表示エリア18dに表示される。
尚、変動表示結果が大当りとなる場合は、保留表示予告演出が非実行に決定される場合が無く、必ず保留表示予告演出の実行が決定されて表示パターン(予告種別)として表示パターンαまたは表示パターンβのどちらかの表示パターン(予告種別)が決定される。
また、図26(A)に示すように、大当り種別が「確変大当りA」である場合には、表示パターン(予告種別)として表示パターンβが決定される割合は、表示パターンαが決定される割合よりも高く設定されている。一方で、大当り種別が「確変大当りB」または「非確変大当り」である場合には、表示パターン(予告種別)として表示パターンβが決定される割合は、表示パターンαが決定される割合よりも低く設定されている。
このような設定により、変動表示結果が「大当り」であり、かつ表示パターン(予告種別)として表示パターンβの表示が実行された場合は、表示パターンαの表示が実行された場合よりも大当り種別が確変大当りAである割合が高くなり、遊技者の確変大当りAとなることに対する期待度を高めることができる。
尚、本実施例では、変動表示結果が「大当り」である場合は、必ず保留表示予告演出の実行を決定することで保留記憶表示を白色の四角(◇)に表示する表示パターンαまたは白色の星形(☆)に表示する表示パターンβのいずれか一方の表示パターンを実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が「大当り」である場合であっても、変動表示結果が「ハズレ」である場合と同様に保留表示予告演出の非実行を決定する場合を設けても良い。
また、S243において、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドである場合、つまり、ハズレを示すコマンドである場合は(S243;Y)、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリの変動カテゴリ指定コマンドが示す変動カテゴリを特定する(S247)。具体的には、該エントリの変動カテゴリ指定コマンドがC600Hであれば、「非リーチ」の変動パターンのカテゴリであると特定し、C601Hであれば、「スーパーリーチ」の変動パターンのカテゴリであると特定し、C602Hであれば、ノーマルリーチを含む「その他」の変動パターンのカテゴリであると特定すれば良い。
そして、例えば図示しない乱数回路や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告演出用の乱数値を示す数値データと、S247において特定した変動パターンのカテゴリとに基づいて、図示しないハズレ時保留表示予告演出決定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出を実行するか否かと、保留表示予告演出を実行する場合における表示パターン(予告種別)と、を決定する(S248)。
S248においては、例えば、図26(B)に示すような決定割合で保留表示予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。図26(B)に示す決定割合の設定例では、S247の処理において特定した変動パターンのカテゴリに応じて、保留表示予告演出の実行の有無や表示パターン(予告種別)の決定割合を異ならせている。
具体的には、表示パターン(予告種別)として、表示パターンα及び表示パターンβの2種類が設けられている。このうち、表示パターン(予告種別)が表示パターンαに決定された場合には、後述するタッチ演出の演出結果として、保留記憶表示が白色の四角形(◇)で第1保留記憶表示エリア18cまたは第2保留記憶表示エリア18dに表示され、表示パターン(予告種別)が表示パターンβに決定された場合には、後述するタッチ演出の演出結果として、保留記憶表示が白色の星形(☆)で第1保留記憶表示エリア18cまたは第2保留記憶表示エリア18dに表示される。尚、保留表示予告演出が非実行に決定される場合は、保留記憶表示が丸型(○)で第1保留記憶表示エリア18cまたは第2保留記憶表示エリア18dに表示される。
図26(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であり、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合には、変動表示結果が「ハズレ」であり、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも保留表示予告演出が実行される割合(「予告演出なし」以外に決定される割合)が高く設定されている。また、変動表示結果が「ハズレ」であり、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動表示結果が「ハズレ」であり、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも保留表示予告演出が実行される割合(「予告演出なし」以外に決定される割合)が高く設定されている。
変動表示結果が「ハズレ」である場合において保留表示予告演出の実行が決定される際には、変動カテゴリが「その他」である場合には、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも表示パターンαが決定される割合が高く設定されている。また、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも表示パターンαが決定される割合が高く設定されている。更に、変動表示結果が「ハズレ」である場合において保留表示予告演出の実行が決定される際には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合には、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも表示パターンβが決定される割合が高く設定されており、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも表示パターンβが決定される割合が高く設定されている。
尚、変動表示結果が「ハズレ」である場合においては、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」、「その他」、「スーパーリーチ」のいずれにおいても、保留表示予告演出が非実行に決定される割合が最も高く設定されており、保留表示予告演出が実行に決定され、かつ表示パターンβが決定される割合が最も低く設定されている。
更に、図26(A)に示すように、変動表示結果が「大当り」である場合においては、保留表示予告演出が非実行(予告演出なし)に決定されることがないとともに、保留表示予告演出が実行に決定され、かつ表示パターンαまたは表示パターンβが決定される割合は、変動表示結果が「ハズレ」である場合の何れの変動パターンのカテゴリにおける表示パターンαまたは表示パターンβが決定される割合よりも高く設定されている。
更に、変動表示結果が「ハズレ(非リーチ)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」、「ハズレ(その他)」である場合において、保留表示予告演出の実行が決定される際には、表示パターンαが決定される割合が、表示パターンβが決定される割合よりも高く設定されている。一方、変動表示結果が「大当り(確変A)」である場合において、保留表示予告演出の実行が決定される際には、表示パターンβが決定される割合が、表示パターンαが決定される割合よりも高く設定されている。
このような設定により、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)として表示パターンαまたは表示パターンβが実行(表示)された場合には、表示パターンαまたは表示パターンβが実行(表示)されない場合よりも変動表示結果が「大当り」となる可能性が高く、特に表示パターンβが実行(表示)された場合には、変動表示結果が「大当り」であり、かつ大当り種別が「確変大当りA」となる割合が高まるため、遊技者の期待度を高めることができる。
S248の実行後、演出制御用CPU101は、S247において保留表示予告演出の実行が決定されたか否か、つまり、表示パターン(予告種別)を表示パターンαと表示パターンβのいずれかに決定したか否かを判定する(S249)。保留表示予告演出の実行が決定されていない場合は(S249;N)、S260に移行し、保留表示予告演出の実行が決定された場合は(S249;Y)、S246に移行する。
S246において、演出制御用CPU101は、例えば図示しない乱数回路や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出したタッチ演出決定用乱数を判定値として抽出し、該判定値と、図27(A)に示すタッチ演出実行決定テーブル(予告演出時用)にもとづいてタッチ演出の実行の有無を決定する(S246)。
図27(A)に示すタッチ演出実行決定テーブル(予告演出時用)においては、タッチ演出決定用乱数として取り得る100個の判定値のうち、タッチ演出の実行に80個の判定値が設定されており、タッチ演出の非実行に20個の判定値が設定されている。つまり、本実施例においては、保留表示予告演出の実行を決定している場合は、80%の割合でタッチ演出の実行が決定されるようになっている。
S246の実行後、演出制御用CPU101は、S246においてタッチ演出の実行を決定したか否かを判定する(S250)。タッチ演出の実行を決定していない場合は(S250;N)、表示未決定フラグが「1」のエントリの最終保留表示フラグと保留表示フラグとに、S245またはS248において決定した表示パターンに決定する値(白色の四角形(◇)を示す「1」または白色の星形(☆)を示す「2」)をセットし(S251)、S252に移行する。
また、タッチ演出の実行を決定している場合は(S250;Y)、表示未決定フラグが「1」のエントリの最終保留表示フラグに、S245またはS248において決定した表示パターンに決定する値(白色の四角形(◇)を示す「1」または白色の星形(☆)を示す「2」)をセットし(S253)、タッチ演出実行決定フラグをセットする(S254)。また、表示未決定フラグが「1」のエントリの保留表示フラグに「0」をセットし、S252に移行する(S255)。そして、S252において、演出制御用CPU101は、表示未決定フラグに「0」をセットして保留表示予告演出決定処理を終了する(S252)。
尚、本実施例では、タッチ演出を実行するか否かに拘らず、S255にて表示未決定フラグが「1」のエントリの保留表示フラグに「0」をセットする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、S250、S253、S254を経由してS255を実行する場合、S253で最終保留表示フラグが「2」にセットされていれば、S55において保留表示フラグに「1」をセットするようにすることで、通常表示される保留記憶表示の表示態様(○)よりも大当り期待度が高いことを予め示すようにしても良い。
尚、S260において、演出制御用CPU101は、表示未決定フラグが「1」のエントリの最終保留表示フラグに「保留表示予告なし」に対応する「0」をセットし(S260)、例えば図示しない乱数回路や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出したタッチ演出決定用乱数を判定値として抽出し、該判定値と、図27(B)に示すタッチ演出実行決定テーブル(非予告演出時用)にもとづいてタッチ演出の実行の有無を決定する(S261)。
図27(B)に示すタッチ演出実行決定テーブル(非予告演出時用)においては、タッチ演出決定用乱数として取り得る100個の判定値のうち、タッチ演出の実行に10個の判定値が設定されており、タッチ演出の非実行に90個の判定値が設定されている。つまり、本実施例においては、保留表示予告演出の非実行を決定している場合は、10%の割合でタッチ演出の実行が決定されるようになっている。
S261の実行後、演出制御用CPU101は、S261においてタッチ演出の実行を決定したか否かを判定する(S262)。S261においてタッチ演出の実行を決定した場合は(S262;Y)、タッチ演出実行決定フラグをセットするとともに(S254)、保留表示フラグを「0」にセットし(S255)、表示未決定フラグを「0」にセットして保留表示予告演出決定処理を終了する(S252)。また、S261においてタッチ演出の実行を決定していない場合は(S262;N)、保留表示フラグを「0」にセットし(S255)、表示未決定フラグを「0」にセットして保留表示予告演出決定処理を終了する(S252)。
尚、本実施例では、S242において始動入賞時のコマンドの新たな格納が有ることを条件に該始動入賞における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行を決定しているが、第1始動入賞口13への始動入賞と第2始動入賞口14への始動入賞が同時に発生したことによりS242において1特図と第2特図との双方で始動入賞時のコマンドの新たな格納が有ると判定された場合、つまり、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが第1特図保留記憶にも第2特図保留記憶にも存在する場合には、双方のエントリを保留表示予告演出の実行と非実行の決定対象としている。第1特図における始動入賞時のコマンドが新たに格納された保留記憶と第2特図における始動入賞時のコマンドが新たに格納された保留記憶の双方を保留表示予告演出の実行と非実行の決定対象とする場合は、保留表示予告演出の実行を示す「1」または「2」の保留表示フラグのエントリが存在しなければ第1特図の保留記憶の保留表示と第2特図の保留表示の双方において保留表示予告演出が同時に実行される場合がある。
尚、本実施例では、上述のように第1始動入賞口13への始動入賞と第2始動入賞口14への始動入賞が同時に発生した場合には、第1特図における始動入賞時のコマンドが新たに格納された保留記憶と第2特図における始動入賞時のコマンドが新たに格納された保留記憶の双方を保留表示予告演出の実行と非実行の決定の対象としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、このような場合は、第1特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行、第2特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行を、いずれか一方のみで決定するようにしても良い。
具体的には、遊技状態が、高開放制御が行われない通常状態である場合は、第1特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行の決定を第2特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行の決定よりも優先して行う。そして、第1特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行を決定した場合は、第2特図における保留記憶の保留表示予告演出の実行を一義的に非実行に決定し、第1特図における保留記憶での保留表示予告演出の非実行を決定した場合は、第2特図における保留記憶の保留表示予告演出の実行と非実行を決定すれば良い。
一方、遊技状態が、高開放制御が行われる時短状態(高確高ベース状態・低確高ベース状態)である場合は、第2特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行の決定を第1特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行の決定よりも優先して行う。そして、第2特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行を決定した場合は、第1特図における保留記憶の保留表示予告演出の実行を一義的に非実行に決定し、第2特図における保留記憶での保留表示予告演出の非実行を決定した場合は、第1特図における保留記憶の保留表示予告演出の実行と非実行を決定すれば良い。
図25(A)は、S72において実行される保留表示更新処理の処理内容を示すフローチャートである。本実施例の保留表示更新処理においては、まず、図9(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている始動口入賞指定コマンドとして、第1始動入賞口13を示す「B100(H)」のコマンドが記憶されている数に基づいて、第1始動入賞に対応する保留記憶数(第1特図保留記憶数)を特定し(S261)、その時点において第1保留記憶表示エリア18cにおける保留記憶の表示数と一致しているか否か、つまり、保留記憶数に変化(増加または減少)があったか否かを判定する(S262)。該判定において一致している場合(保留記憶数に変化がない場合)には、S265に進む一方、一致していない場合(保留記憶数に変化がある場合)には、S264に進んで、第1保留記憶表示エリア18cの表示を行うための表示バッファデータを、その時点で始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のそれぞれのエントリに格納されている保留表示フラグから特定される表示態様の表示データに上書き更新することにより、第1保留記憶表示エリア18cの表示を更新し、その後、S265に進む。
S265では、S261と同様に、図9(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている始動口入賞指定コマンドとして、第2始動入賞口14を示す「B200(H)」のコマンドが記憶されている数に基づいて、第2始動入賞に対応する保留記憶数(第2特図保留記憶数)を特定し、その時点において第2保留記憶表示エリア18dにおける保留記憶の表示数と一致しているか否か、つまり、保留記憶数に変化(増加または減少)があったか否かを判定する(S266)。該判定において一致している場合(保留記憶数に変化がない場合)には、処理を終了する一方、一致していない場合(保留記憶数に変化がある場合)には、S268に進んで、第2保留記憶表示エリア18dの表示を行うための表示バッファデータを、その時点で始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のそれぞれのエントリに格納されている保留表示フラグから特定される表示態様の表示データに上書き更新することにより、第2保留記憶表示エリア18dの表示を更新し、その後、当該処理を終了する。
尚、本実施例では、上記したように、保留記憶数に変化がある場合には、第1保留記憶表示エリア18cや第2保留記憶表示エリア18dの表示を更新し、保留記憶数に変化がない場合には、第1保留記憶表示エリア18cや第2保留記憶表示エリア18dの表示を更新しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶数の増減に関係なく、第1保留記憶表示エリア18cや第2保留記憶表示エリア18dの表示を更新するようにしても良いし、或いは、保留記憶数が減少する場合、つまり、保留記憶の表示が中央側にスライドする場合には、第1保留記憶表示エリア18cや第2保留記憶表示エリア18dの表示が大きく変更するので、これら第1保留記憶表示エリア18cや第2保留記憶表示エリア18dの表示を全て一旦消去(表示バッファデータを消去)してから、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶または第2特図保留記憶のそれぞれのエントリに格納されている保留表示フラグから特定される表示態様の表示データを表示バッファデータに描画することにより、第1保留記憶表示エリア18cや第2保留記憶表示エリア18dの表示を変更するようにしても良い。
このような処理を行うことにより、変動表示の開始時に実行される、後述する演出図柄変動開始処理において保留記憶が消費されて、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留記憶がシフトされた場合には、シフト後の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留記憶に基づいて、図25(B)に示すように、第1保留記憶表示エリア18cや第2保留記憶表示エリア18dにおける保留記憶表示もシフトされて表示されるとともに、始動入賞により、新たな保留記憶があった場合には、該保留表示更新処理の前に実行される前述した保留表示予告演出決定処理にて、当該保留記憶の表示パターンが決定されて保留表示フラグにセットされ、該保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた表示態様にて、第1保留記憶表示エリア18cや第2保留記憶表示エリア18dに表示されるようになる。
具体的には、図25(B)に示すように、第1特図保留記憶数が1つであれば1つの保留記憶表示を表示する。この保留記憶表示の表示態様としては、該保留記憶に対応する保留表示フラグのフラグ値が「0」である場合には、図25(B)に示すように「○」の表示態様にて表示され、保留表示フラグのフラグ値が「1」である場合には、「◇」の表示態様にて表示され、保留表示フラグのフラグ値が「2」である場合には、「☆」の表示態様にて表示される。尚、第1特図保留記憶数が2つであれば、2つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて第1保留記憶表示エリア18cに表示される。また、第1特図保留記憶数が3つであれば、3つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて第1保留記憶表示エリア18cに表示される。また、第1特図保留記憶数が4つであれば、4つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて第1保留記憶表示エリア18cに表示される。
また、第2特図保留記憶数が1つであれば1つの保留記憶表示を表示する。この保留記憶表示の表示態様としては、第1特図の場合と同じく、該保留記憶に対応する保留表示フラグのフラグ値が「0」である場合には、「○」の表示態様にて表示され、保留表示フラグのフラグ値が「1」である場合には、「◇」の表示態様にて表示され、保留表示フラグのフラグ値が「2」である場合には、「☆」の表示態様にて表示される。尚、第2特図保留記憶数が2つであれば、例えば、図25(B)に示すように、2つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様として、例えば、1の保留記憶表示が「○」の表示態様、1の保留記憶表示が「☆」の表示態様にて保留記憶表示エリア18c,18dに表示される。また、第2特図保留記憶数が3つであれば、3つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて保留記憶表示エリア18c,18dに表示される。また、保留記憶数が4つであれば、4つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて保留記憶表示エリア18c,18dに表示される。
そして、変動表示が実行される毎に、保留記憶が減少(消費)されることに応じて、図25(B)に示すように、保留記憶表示も、所定のシフト方向(本実施例では画面の中央方向)にシフトする。
図28は、図23に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU101は、図29に示す予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S277)。尚、本実施例では、予告演出決定処理において、後述するようにキャラクタが登場するキャラクタ予告演出のみを決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの予告演出として、キャラクタ予告演出以外のその他の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしても良く、これら異なる態様の予告演出を決定する場合には、予告演出を開始するタイミングが予告演出の態様に応じて異なるので、後述する予告演出開始待ちタイマに、予告演出の態様に応じた異なる期間を設定すれば良い。
本実施例の予告演出決定処理において演出制御用CPU101は、まず、タッチ演出実行決定フラグがセットされているか否かを判定する(S290)。タッチ演出実行決定フラグがセットされていない場合は(S290;N)、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板31から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。尚、本実施例では、予告演出の対象が、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)、スーパーリーチ、ノーマルリーチであるので、具体的には、変動表示結果が大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)であるのか否かを変動表示結果指定コマンドにより特定し、変動パターンがスーパーリーチであるのか否か、ノーマルリーチであるのか否かを変動パターン指定コマンドにて特定すれば良い。
そして、予告演出決定用乱数を抽出するとともに、図30に示す予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する(S292)。
尚、本実施例では、予告演出決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告演出決定用乱数を生成するための予告演出決定用乱数カウンタが図示しないRAMに設定されており、該予告演出決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
本実施例では、予告演出として、キャラクタAが登場する予告演出Aと、キャラクタBが登場する予告演出Bが実行可能とされている。
予告演出種別決定用テーブルにおいては、図30に示すように、「予告演出A」、「予告演出B」、「予告演出なし」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図30に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「予告演出A」に対して25個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して65個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して10個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合については、「予告演出A」に対して40個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して40個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して20個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出A」に対して60個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して10個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して30個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンが非リーチはずれである場合については、「予告演出A」に対して10個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して0個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して90個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれとなる場合よりも予告演出が実行され易くなるとともに、「予告演出B」が実行され易くなっている。また、スーパーリーチはずれである場合については、「予告演出A」が実行され易くなっている。ノーマルリーチはずれや非リーチはずれである場合については、「予告演出なし」が、大当りとなる場合やスーパーリーチはずれの場合よりも決定されやすくなっている。
図30に示すように予告演出種別決定用テーブルが設定されていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれ、ノーマルリーチはずれ、非リーチはずれとなる場合に比較して、「予告演出B」が決定され易くなるように設定されているとともに、スーパーリーチはずれである場合については、その他のノーマルリーチはずれ、非リーチはずれである場合よりも、「予告演出B」が決定され易くなるように設定されている。一方、当該変動表示においてノーマルリーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれ、非リーチはずれとなる場合よりも「予告演出A」が決定され易くなるように設定されている。更に、当該変動表示において非リーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれ、ノーマルリーチはずれとなる場合よりも「予告演出なし」が決定され易くなるように設定されている。
このように設定されていることにより、予告演出が実行されないときよりも、予告演出が実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。更に、予告演出においては、予告演出Aが実行されるときよりも、予告演出Bが実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。
尚、各予告演出の大当り期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて大当りとなる確率を、各予告演出が実行されて大当りとなる確率と各予告演出が実行されてハズレとなる確率の和で除算した数値である。
図29に戻り、S293においては、S292において、いずれかの予告演出の実行を決定したか否か、つまり「予告演出A」、「予告演出B」のいずれかを決定したか否かを判定する。ここで、「予告演出A」、「予告演出B」のいずれの予告演出も決定していない場合、つまり、「予告演出なし」を決定した場合には、当該予告演出決定処理を終了する。一方、「予告演出A」、「予告演出B」のいずれかを決定した場合には、S294に進んで、決定した予告演出の種別を図示しないRAMの所定領域に記憶する。そして、S295に進んで、予告演出実行決定フラグをセットし(S295)、図示しない乱数回路等からチャンスアップ画像決定用乱数を判定値として抽出し、該判定値とS291において特定した変動表示結果、図31に示すチャンスアップ画像決定用テーブルを用いて、予告演出中にサブ液晶にチャンスアップ画像を表示するか否か及び表示するチャンスアップ画像の種別を決定する(S296)。
図31に示すチャンスアップ画像決定用テーブルにおいては、変動表示結果が大当りである場合、チャンスアップ画像決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、「画像A」に20個の判定値が設定されており、「画像B」に80個の判定値が設定されており、「チャンスアップなし」に0個の判定値が設定されている。
また、変動表示結果がスーパーリーチはずれである場合、チャンスアップ画像決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、「画像A」に40個の判定値が設定されており、「画像B」に40個の判定値が設定されており、「チャンスアップなし」に20個の判定値が設定されている。
また、変動表示結果がノーマルリーチはずれである場合、チャンスアップ画像決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、「画像A」に30個の判定値が設定されており、「画像B」に10個の判定値が設定されており、「チャンスアップなし」に60個の判定値が設定されている。
また、変動表示結果が非リーチはずれである場合、チャンスアップ画像決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、「画像A」に0個の判定値が設定されており、「画像B」に0個の判定値が設定されており、「チャンスアップなし」に100個の判定値が設定されている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれ、非リーチはずれとなる場合よりもチャンスアップ画像の表示が実行され易くなるとともに、「予告演出B」が実行され易くなっている。また、スーパーリーチはずれである場合については、「予告演出A」が実行され易くなっている。ノーマルリーチはずれや非リーチはずれである場合については、「予告演出なし」が、大当りとなる場合やスーパーリーチはずれの場合よりも決定されやすくなっている。
図31に示すようにチャンスアップ画像決定用テーブルが設定されていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれ、ノーマルリーチはずれ、非リーチはずれとなる場合に比較して、「予告演出B」が決定され易くなるように設定されているとともに、スーパーリーチはずれである場合については、その他のノーマルリーチはずれ、非リーチはずれである場合よりも、「予告演出A」が決定され易くなるように設定されている。一方、当該変動表示においてノーマルリーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合よりも「チャンスアップ画像なし」が決定される安くなるように設定されている。更に、当該変動表示において非リーチはずれとなる場合には、一義的に「チャンスアップなし」が決定されるように設定されている。
このため、本実施例では、チャンスアップ画像が表示される場合は、チャンスアップ画像が表示されない時よりも大当り期待度が高くなっている。更に、チャンスアップ画像においては、画像Aが表示されるときよりも、画像Bが表示されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。
S296の実行後、演出制御用CPU101は、S296においてチャンスアップ画像の表示を決定したか否かを判定する(S297)。チャンスアップ画像の表示を決定していない場合は(S297;N)、予告演出決定処理を終了し、チャンスアップ画像の表示を決定している場合は(S297;Y)、該決定したチャンスアップ画像の種別(画像Aまたは画像B)を記憶し、予告演出決定処理を終了する(S298)。
尚、タッチ演出実行決定フラグがセットされている場合は(S290;Y)、タッチ演出実行決定フラグをクリアするとともに、予告演出種別をタッチ演出として記憶する(S299a)。そして、タッチ演出実行決定フラグをクリアするとともに、予告演出実行決定フラグをセットし、予告演出決定処理を終了する(S299b)。
図28に戻り、S277の予告演出決定処理の後に、S278において演出制御用CPU101は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、S277の予告演出決定処理において「予告演出A」、「予告演出B」のいずれかの予告演出、またはタッチ演出の実行が決定されたか否かを判定する。
予告演出実行決定フラグがセットされている場合には、S279に進んで、予告演出開始待ちタイマに、予告演出開始までの期間として予告演出開始までの期間に対する値を設定し(S279)、予告演出実行決定フラグをクリアして(S280)、S281に進む。一方、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279経由することなくS281に進む。
S281において演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置9及びサブ液晶の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ27L,27Rから出力する音の制御するための音制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、サブ液晶、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27L,27R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27L,27Rからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S286)。
図32は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。また、演出制御用CPU101は、予告演出開始待ちタイマがセットされている(予告演出を行うことに決定されている)か、または予告演出実行中フラグがセットされている(予告演出の実行中である)場合には(S304;Y)、図33に示す予告演出処理を実行する(S305)。予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305の予告演出処理を実施することなく、S306に進む。
S306において演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、サブ液晶、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27L,27R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))に対する制御状態を変更する(S309)。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S310)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S310;Y)、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP109は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S306;N)、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S310;N)、S312の実行後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S314;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
図33、図34、図35は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU101は、予告演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、予告演出が開始されている場合であるか否かを判定する(S321)。
予告演出実行中フラグがセットされていない場合には(S321;N)、S322において、演出制御用CPU101は、予告演出開始待ちタイマの値を−1する。尚、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる。予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしていなければ(S323;N)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしている場合、つまり、予告演出の開始タイミングである場合には(S323;Y)、S324に移行する。
S324では、演出制御用CPU101は、予告演出の実行中であることを示す予告演出実行中フラグをセットする。また、予告演出に該当する予告演出期間に相当する値を予告演出期間タイマにセットする(S325)。
次いで、演出制御用CPU101は、実行する予告演出(予告演出A、予告演出Bまたはタッチ演出)に対応した予告演出プロセステーブルを読み出してセットした後(S326)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における予告演出プロセスタイマをスタートさせる(S327)。尚、本実施例では、各予告演出(予告演出A、予告演出B、タッチ演出)の全ての組み合わせに対応する予告演出プロセステーブルが、予め図示しないROMに記憶されている。
そして演出制御用CPU101は、セットした予告演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、サブ液晶、演出用部品としての装飾LED25および演出用部品としてのスピーカ27L,27R)の制御を開始する(S328)。
また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9とサブ液晶において、実行する予告演出(予告演出A、予告演出Bまたはタッチ演出)の共通画像の表示を開始し(S328a)、予告演出の予告種別はタッチ演出であるか否かを判定する(S328b)。尚、本実施例における共通画像とは、演出表示装置9にて表示する画像とサブ液晶にて表示する画像とで大きさのみが異なり、アスペクト比と表示する内容(表示内容)は同一の画像を指すが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通画像としては、演出表示装置9にて表示する画像とサブ液晶にて表示する画像とで、大きさ、アスペクト比、表示内容の全てが同一のものの他、大きさまたは表示内容の一部が異なる類似画像も含まれる。
予告演出の予告種別が予告演出Aまたは予告演出Bである場合は(S328b;N)、予告演出処理を終了し、予告演出の予告種別がタッチ演出である場合は(S328b;Y)、演出表示装置9の下部において、第1保留記憶表示エリア18c及び第2保留記憶表示エリア18dにて表示されている保留記憶表示の表示態様を隠蔽する隠蔽画像の表示を開始し(S328c)、連続タッチ期間タイマの値が0であるか否かを判定する(S328d)。連続タッチ期間タイマの値が0である場合は(S328d;Y)、演出制御用CPU101は、連続タッチ期間タイマ及び演出用操作データをクリアして予告演出処理を終了し(S328e)、連続タッチ期間タイマの値が0でない場合は(S328d;N)、S328eを実行せずに予告演出処理を終了する。
また、予告演出実行中フラグがセットされている場合は(S321;Y)、タッチ演出中の遊技者によるタッチパネルの操作結果を演出表示装置9及びサブ液晶に表示するためのタッチ演出結果プロセステーブルの実行中であるか否かを判定する(329a)。タッチ演出結果プロセステーブルの実行中でない場合は(S329a;N)、予告演出のプロセスを変更するための予告演出プロセスタイマ及び予告演出期間の終了を計時するための予告演出期間タイマをそれぞれ1減算し(S329b,330)、予告演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S331)。
予告演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は(S331;N)、演出制御用CPU101は、予告演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S332)。予告演出プロセスタイマがタイマアウトしていたら(S332;Y)、予告演出の予告演出プロセスデータの切り替えを行う(S333)。すなわち、予告演出プロセステーブルにおける次に設定されている予告演出プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S334)。また、その次に設定されている予告演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、サブ液晶、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27L,27R、)に対する制御状態を変更し(S334a)、予告演出処理を終了する。
予告演出プロセスタイマがタイマアウトしていなければ(S332;N)、実行中の予告演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、サブ液晶、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27L,27R、)に対する制御状態を変更し(S335)、予告演出の予告種別がタッチ演出であるか否かを判定する(S335a)。
予告演出の予告種別が予告演出Aまたは予告演出Bである場合は(S335a;N)、演出制御用CPU101は、チャンスアップ画像(画像Aまたは画像B)の記憶が有るか否かを判定する(S335b)。チャンスアップ画像の記憶が無い場合は(S335b;N)、予告演出処理を終了し、チャンスアップ画像の記憶がある場合は(S335b;Y)、該チャンスアップ画像の表示開始タイミングであるか否かを判定する(S335c)。
チャンスアップ画像の表示開始タイミングである場合は(S335c;Y)、サブ液晶において、記憶されているチャンスアップ画像の表示を開始し(S335d)、予告演出処理を終了する。また、チャンスアップ画像の表示開始タイミングでない場合は(S335c;N)、チャンスアップ画像の表示終了タイミングであるか否かを判定する(S335e)。チャンスアップ画像の表示終了タイミングでない場合は(S335e;N)、予告演出処理を終了し、チャンスアップ画像の表示終了タイミングである場合は(S335e;N)、サブ液晶において実行中のチャンスアップ画像の表示を終了して、予告演出処理を終了する(S335f)。
また、予告演出期間タイマがタイマアウトしている場合は(S331;Y)、予告演出実行中フラグをクリアし(S336)、演出表示装置9とサブ液晶において表示中の共通画像の表示を終了する(S337)。そして、演出制御用CPU101は、実行した予告演出の予告種別はタッチ演出であるか否かを判定する(S338)。実行した予告演出の予告種別が予告演出Aまたは予告演出Bである場合は(S338;N)、予告演出処理を終了し、実行した予告演出の予告種別がタッチ演出である場合は(S338;Y)、隠蔽画像の表示を終了することで、第1保留記憶表示エリア18c及び第2保留記憶表示エリア18dの隠蔽を終了し(S339)、演出用操作データの記憶をクリアして予告演出処理を終了する(S340)。
また、予告演出の予告種別がタッチ演出である場合は(S335a;Y)、演出制御用CPU101は、演出用操作データの記憶が有るか否かを判定する(S341)。演出用操作データの記憶が無い場合は(S341;N)、予告演出処理を終了し、演出用操作データの記憶が有る場合は(S341;Y)、演出用操作データ内の特定した座標(座標位置)に対応するエントリの最終保留表示フラグを保留表示フラグにセットし(S342)、実行中のプロセスタイマを停止する(S343)。そして、演出制御用CPU101は、実行するプロセステーブルを、演出操作データに応じたタッチ演出結果プロセステーブルに切り替え(S344)、タッチ演出結果プロセスタイマをスタートさせる(S345)。
尚、本実施例では、S342において演出制御用CPU101が演出用操作データ内の特定した座標(座標位置)に対応するエントリの最終保留表示フラグを保留表示フラグにセットすることで、次の保留表示更新処理のS264またはS268の処理の実行時に保留表示フラグに最終保留表示フラグがセットされたエントリの保留記憶表示の表示態様が特別態様(本実施例では◇または☆)に更新されるが、この時点では保留記憶表示が隠蔽画像によって隠蔽されているため、遊技者からは表示態様が変化した保留記憶表示を視認することが不可能となっている
S345の実行後、演出制御用CPU101は、タッチ演出結果プロセステーブルの最初のプロセスデータの内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、サブ液晶、演出用部品としての装飾LED25および演出用部品としてのスピーカ27L,27R)の制御を開始する(S346)。また、S328aにおいて開始した演出表示装置9とサブ液晶におけるタッチ演出中の共通画像の表示を終了し、新たに演出表示装置9とサブ液晶におけるタッチ演出結果の共通画像の表示を開始し(S347)、予告演出処理を終了する。
また、タッチ演出結果プロセステーブルの実行中である場合(S329a;Y)、演出制御用CPU101は、タッチ演出結果プロセスタイマとタッチ演出期間タイマをそれぞれ1減算し(S361,S362)、タッチ演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S363)。タッチ演出期間タイマがタイマアウトしている場合は(S363;Y)、S336に移行し、タッチ演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は(S363;N)、タッチ演出結果プロセスタイマがタイマしたか否かを判定する(S364)。
タッチ演出結果プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は(S364;N)、S369に移行し、タッチ演出結果プロセスタイマがタイマアウトしている場合は(S364;Y)、演出制御用CPU101は、実行していたタッチ演出結果プロセスデータが最後のタッチ演出結果プロセスデータであるか否かを判定する(S365)。実行していたタッチ演出結果プロセスデータが最後のタッチ演出結果プロセスデータであれば(S365;Y)、S336に移行し、実行していたタッチ演出結果プロセスデータが最後のタッチ演出結果プロセスデータでなければ(S365;N)、タッチ演出結果プロセスデータの切り替えを行う(S367)。すなわち、タッチ演出結果プロセステーブルにおける次に設定されているタッチ演出結果プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによって、次のタッチ演出結果プロセスタイマをあらためてスタートさせ、S369に移行する(S368)。
そして、演出制御用CPU101は、次に設定されているタッチ演出結果プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更し、予告演出処理を終了する(S369)。
このように、本実施例における予告演出処理においてタッチ演出を実行する場合は、遊技者がタッチパネルを操作することにより、該タッチパネルにおいて操作した位置に対応する保留記憶表示の表示態様が最終保留表示フラグの値に対応した表示態様に変化する一方で、遊技者がタッチパネルを操作しない場合は、保留記憶表示の表示態様は変化しないようになっている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者がタッチ演出においてタッチパネルを操作しなかった場合であっても、演出図柄の変動終了時や、保留記憶表示のシフトタイミング等のタッチ演出終了後の特定のタイミングにおいて、保留記憶表示の表示態様を最終保留表示フラグの値に対応した表示態様に変化させるようにしても良い。
次に、タッチ演出における演出表示装置9とサブ液晶における表示態様について説明する。まず、図36(A)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示中に新たな指導入賞が発生すると、図24の保留表示予告演出決定処理において示したように、タッチ演出を実行するか否かの決定を行う。タッチ演出を実行すると決定した場合は、該始動入賞における保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア18cまたは第2保留記憶表示エリア18dにて通常の表示態様(本実施例では白抜き○)にて表示される。
そして、図36(B)及び図36(C)に示すように、実行中の演出図柄がはずれを示す組合せで導出表示され、第1保留記憶表示エリア18cまたは第2保留記憶表示エリア18dにて表示されている保留記憶表示がシフトされた後に次の演出図柄の変動表示が開始されると、図36(D)及び図36(E)に示すように、演出表示装置9及びサブ液晶において、タッチ演出を実行すると決定した保留記憶表示が表示されている側の保留記憶表示エリアに表示されている保留記憶表示数の敵キャラクタの画像が共通画像として表示され、タッチ演出が開始される。例えば、図36(D)及び図36(E)に示すように、タッチ演出を実行すると決定した保留記憶表示が表示されている第1保留記憶表示エリア18cに表示されている保留記憶表示数が3つである場合は、演出表示装置9とサブ液晶において、表示画面の右から左にかけて変動表示が実行される保留記憶の保留記憶表示の順に計3体の敵キャラクタの画像が表示される。また、演出表示装置9及びサブ液晶におけるこれら敵キャラクタの下方には、遊技者に対してタッチパネルを操作(タッチ)していずれかの敵キャラクタを倒すよう指示する旨が表示される。
尚、このとき演出表示装置9とサブ液晶に表示される敵キャラクタは、それぞれが第1保留記憶表示エリア18cに表示されている保留記憶表示に対応して表示される。具体的には、図36(D)及び図36(E)に示す例では、演出表示装置9及びサブ液晶の右側に表示される敵キャラクタは、第1保留記憶表示エリア18cの右に表示されている1つ目の保留記憶表示(次の変動表示において消化される保留記憶の保留記憶表示)に対応して表示され、演出表示装置9及びサブ液晶の中央に表示される敵キャラクタは、第1保留記憶表示エリア18cの中に表示されている2つ目の保留記憶表示に対応して表示され、演出表示装置9及びサブ液晶の左側に表示される敵キャラクタは、第1保留記憶表示エリア18cの左に表示されている3つ目の保留記憶表示に対応して表示されている。つまり、演出表示装置9及びサブ液晶の右側に表示される敵キャラクタは1つ目の保留記憶表示、演出表示装置9及びサブ液晶の中央に表示される敵キャラクタは2つ目の保留記憶表示、演出表示装置9及びサブ液晶の左側に表示される敵キャラクタは3つ目の保留記憶表示にそれぞれ1対1の関係となって表示される。
尚、このとき、タッチ演出を実行すると決定した保留記憶表示が表示されている側の保留記憶表示エリアにおいて、表示中の保留記憶表示の表示態様を隠蔽するように、隠蔽画像の表示を開始する。
尚、特に図示はしないが、タッチ演出を実行すると決定した保留記憶表示が表示されている保留記憶表示エリアが第2保留記憶表示エリア18dである場合は、本実施例とは逆に、表示画面の左から右にかけて変動表示が実行される保留記憶の保留記憶表示の順に敵キャラクタの画像を表示すれば良い。
そして、図37(A)及び図37(H)に示すように、遊技者がタッチパネルを操作(タッチ)することで倒す敵キャラクタを選択すると、遊技者がタッチパネルを操作した位置に対応するサブ液晶における位置においてエフェクト画像の表示が実行される。このときサブ液晶に表示されるエフェクト画像は、図21(B)及び図21(C)に示すように、実行中の変動表示の表示結果が大当りとなるか否か、及び保留記憶内に変動表示結果が大当りとなるか否かに応じて異なる割合にて「白」、「青」、「赤」のいずれかの色で表示されるようになっている(図37(H)では赤のエフェクト画像を表示)。
また、図37(A)及び図37(H)に示すように、遊技者がタッチパネルを操作(タッチ)することで倒す敵キャラクタを選択すると、演出表示装置9及びサブ液晶に表示されている共通画像が、タッチ演出結果として遊技者が選択した敵キャラクタが倒された画像に切り替わる。
このとき、遊技者がタッチパネルを操作することで選択した敵キャラクタに対応する保留記憶のエントリ(図9に示す始動入賞時受信コマンドバッファのエントリ)の最終保留表示フラグが「1」または「2」である場合は、この最終保留表示フラグの値を該エントリの保留表示フラグの値としてセットすることで、次の保留表示更新処理の実行時に保留記憶表示の表示態様が特別態様(本実施例では◇または☆)に更新されるようになっている。尚、この時点では、保留記憶表示が隠蔽画像によって隠蔽されているため遊技者からは表示態様が変化した保留記憶表示を視認することが不可能となっている。
尚、遊技者がタッチパネルを操作することで選択した敵キャラクタに対応する保留記憶のエントリ(図9に示す始動入賞時受信コマンドバッファのエントリ)の最終保留表示フラグが「0」である場合は、既に「0」がセットされている保留表示フラグに最終保留表示フラグである「0」を再セットすることとなるので、次の保留表示更新処理の実行時に保留記憶表示の表示態様が変化することがないようになっている。
また、図37(I)に示すように、本実施例では、タッチ演出中に遊技者が一度タッチパネルを操作(タッチ)して倒す敵キャラクタを選択すると、該タッチ演出中における2回目以降の遊技者のタッチパネルの操作時には、遊技者がタッチパネルを操作した位置に対応するサブ液晶における位置においてエフェクト画像の表示は実行されるが、新たに倒す敵キャラクタを選択することは不可能となる。
尚、本実施例では、図37(I)に示すように、タッチ演出中に遊技者が一度タッチパネルを操作(タッチ)して倒す敵キャラクタを選択した後は、該タッチ演出中における2回目以降の遊技者のタッチパネルの操作時にエフェクト画像の表示のみ実行される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチ演出中に遊技者が一度タッチパネルを操作(タッチ)して倒す敵キャラクタを選択した後は、該タッチ演出が実行された変動表示中またはタッチ演出の実行期間内に2回目以降の遊技者のタッチパネルの操作が実行されたとしても、エフェクト画像も実行しないようにしても良い。
尚、本実施例における隠蔽とは、保留記憶表示の表示態様を遊技者から視認不能とする状態を指す。このため、本実施例では、タッチ演出実行中に隠蔽画像を表示することで保留記憶表示の表示態様を遊技者が視認不能な状態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1保留記憶表示エリア18c及び第2保留記憶表示エリア18dの前方位置と、演出表示装置9の左右や下方等の退避位置との間で移動可能なシャッターを設け、タッチ演出の実行時には該シャッターを前記退避位置から第1保留記憶表示エリア18c及び第2保留記憶表示エリア18dの前方位置に移動させることで、物理的に保留記憶表示を遊技者から視認不能な状態とするようにしても良く、また、タッチ演出の実行時は、一時的に第1保留記憶表示エリア18c及び第2保留記憶表示エリア18dの表示自体を実行しないようにしても良い。
また、本実施例では、タッチ演出中に遊技者がタッチパネルを操作すること保留記憶表示の表示態様が変化したとしても、隠蔽画像の表示が終了するまでは遊技者に該保留記憶表示の表示態様が変化したことが判別不可能である形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチ演出中に遊技者がタッチパネルを操作した時点で該操作に対応した保留記憶表示の隠蔽画像による隠蔽を終了することで、タッチパネルの操作により保留記憶表示の表示態様が変化したことを遊技者が即座に判別できるようにしても良い。
そして、遊技者のタッチパネルの操作により敵キャラクタが倒された画像が表示されると、図37(B)に示すように、保留記憶表示エリアを隠蔽している隠蔽画像の表示が終了し、遊技者はタッチパネルの操作により保留記憶表示が通常態様から特別態様に変化したか否かを視認することができるようになる。
以降は、図37(C)に示すように、演出表示装置9及びサブ液晶での共通画像の表示が終了することでタッチ演出が終了し、演出図柄がはずれまたは大当りの組合せで導出表示される。
次に、予告演出A及び予告演出Bにおける演出表示装置9とサブ液晶における表示態様について説明する。まず、図38(A)に示すように、演出図柄の変動表示中において予告演出Aまたは予告演出Bの開始時期となると、図38(B)に示すように、予告演出Aまたは予告演出Bとして、演出表示装置9において味方キャラクタと敵キャラクタが対峙して戦闘を行う画像の表示を開始する。
そして、この予告演出Aまたは予告演出Bの実行中は、図38(C)及び図38(G)に示すように、演出表示装置9とサブ液晶において同一の表示(共通画像の表示)が実行される一方で、チャンスアップ画像の表示が決定されている場合は、サブ液晶においては、チャンスアップ画像が表通画像に重ねて表示される。
尚、サブ液晶において表示するチャンスアップ画像としては、実行中の変動表示の表示結果が大当りとなるか否かに応じて異なる割合にて画像Aと画像Bのいずれかが表示されるようになっている(図38(G)では、画像Aよりも大当り期待度の高い画像Bとして、チャンスアップ用のキャラクタと、大当り期待度が高いことを示す「激アツ!」の文字とが表示されている)。
そして、サブ液晶におけるチャンスアップ画像の表示終了後、味方キャラクタが敵キャラクタを倒すことで演出表示装置9及びサブ液晶での共通画像の表示が終了し、予告演出Aまたは予告演出Bが終了する。以降は、図38(E)に示すように、例えば、演出表示装置9においてリーチ演出が実行され、演出図柄がはずれまたは大当りの組合せで導出表示される。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、遊技者がタッチ演出における1回目の操作と2回目の操作を連続タッチ期間タイマの実行中に実行しても、双方の操作に対応する報知が実行されるため、タッチパネル付きサブ液晶60における操作が正常に受付けられていることを確認することができるとともに、タッチ演出に関しては、1回目の操作と2回目の操作のうちいずれか一方にもとづいたタッチ演出が実行されるので、タッチ演出が重なって実行されることにより遊技者が混乱してしまうことを防止することができる。
また、大当り遊技状態に制御されるか否かの決定結果にもとづいて、遊技者がタッチパネル付きサブ液晶60において操作を行うことによるエフェクト画像の態様が異なるようになるので、エフェクト画像に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、変動表示が実行中であるか否かにかかわらず、遊技者がタッチパネルを操作することによりエフェクト画像の表示が実行されるので、遊技者はタッチパネル付きサブ液晶60への操作が正常に受付けられているか否かを変動表示に関係無く確認することができる。
また、演出表示装置9とサブ液晶のいずれかだけにチャンスアップ画像が表示されるので、どの表示装置にチャンスアップ画像が表示されるのかに注目させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出表示装置9に表示されている保留記憶表示の中から、通常態様または特別態様にて表示する保留記憶表示を遊技者が操作により選択することができるので、遊技者に遊技への参加を積極的に促すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、パチンコ遊技機1にタッチパネル付サブ液晶60を設け、遊技者のタッチパネル付サブ液晶60におけるタッチパネルの操作を受け付けることにより、保留記憶表示の表示態様を最終保留表示フラグにセットされている値に応じた表示態様に変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1にタッチパネル以外の遊技者の操作を受付ける操作手段を設け、遊技者から受付けた操作に応じて保留記憶表示の表示態様を変化させるようにしても良い。具体的には、パチンコ遊技機1に、パチンコ遊技機1前方の遊技者側の領域に向けて広がるように放射する赤外光放射部と、この赤外光放射部から放射されるパターン赤外光による撮像を行う赤外線撮像と、を備えた撮像ユニットを設け、赤外線撮像部にて撮像した遊技者の画像により、撮像した画像中に含まれる遊技者や該遊技者の各身体部位を抽出したり、これら遊技者や各身体部位までの距離や位置を特定することにより、これら遊技者や各身体部位までの距離や位置に応じて表示態様を最終保留表示フラグにセットされている値に応じた表示態様に変化させる保留記憶表示を選択するようにしても良い。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1に演出表示装置9とタッチパネル付サブ液晶60とを設け、タッチ演出の実行時は、タッチパネル付サブ液晶60のタッチパネルを操作することで演出表示装置9に表示されている保留記憶表示の表示態様を変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出表示装置9の正面に設けられているガラス扉枠2のガラス板をタッチパネルとすることで、タッチ演出時には、該演出表示装置9の正面に設けられたタッチパネルを操作することによって保留記憶表示の表示態様を変化させるようにしても良い。尚、このように、演出表示装置9の正面にタッチパネルを設ける場合は、演出表示装置9に各保留記憶表示に対応した敵キャラクタを表示し、該敵キャラクタを選択することで保留記憶表示の表示態様を変化させるのではなく、直接遊技者がタッチパネルにおける各保留記憶表示に対応する位置(例えば、タッチパネルにおける各保留記憶表示の正面位置)を操作することで保留記憶表示の表示態様を変化させるようにしても良い。また、このように、直接遊技者がタッチパネルにおける各保留記憶表示に対応する位置を操作することで保留記憶表示の表示態様を変化させる場合は、サブ液晶に第1保留記憶表示エリア及び第2保留記憶表示エリアを設け、これらサブ液晶に第1保留記憶表示エリア及び第2保留記憶表示エリアにて保留記憶表示を実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、タッチ演出実行時に遊技者がタッチパネルを複数回操作する場合は、1回目のタッチパネルの操作のみがタッチ演出結果に反映される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチ演出実行時に遊技者がタッチパネルを複数回操作する場合は、2回目以降のタッチパネルの操作のいずれか1回飲みがタッチ演出結果に反映されるようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技者がタッチパネルを操作することにより、遊技者がタッチパネルを操作した位置に対応するサブ液晶の位置にエフェクト画像を表示することで、タッチパネルにおける遊技者が操作した位置を特定可能とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者がタッチパネルを操作した位置に対応してスピーカ27L,27Rから異なる音量またはメロディーによる音出力や、装飾LED25から異なる色や発光パターンによる発光を実行するようにすることで、これらスピーカ27L,27Rからの音出力や装飾LED25からの光出力により、タッチパネルにおける遊技者が操作した位置を特定可能としてもよい。
また、前記実施例では、遊技者がタッチパネルを操作することにより、遊技者がタッチパネルを操作した位置に対応するサブ液晶の位置にエフェクト画像を表示することで、タッチパネルにおける遊技者が操作した位置を特定可能とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者がタッチパネルを操作することにより、遊技者がタッチパネルを操作した位置に関係なく、タッチパネルが操作されたことのみをサブ液晶におけるエフェクト画像の表示、スピーカ27L,27Rからの音出力、装飾LED25からの光出力等の他の演出装置により報知するようにしても良い。
また、前記実施例では、タッチ演出において遊技者がタッチパネルを操作することで、保留記憶表の表示態様を変化させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチ演出において遊技者がタッチパネルを操作することで、演出表示装置9やサブ液晶における画像表示、スピーカ27L,27Rによる音出力、装飾LED25からの光出力等を、大当り期待度を示唆する演出として実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、タッチ演出を、遊技者のタッチパネルの操作により保留記憶表の表示態様を変化させ、該保留記憶表示の表示態様により変動表示が開始されていない保留記憶の大当り期待度を示唆する演出としている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実行中の変動表示の変動表示結果が大当りとなる大当り期待度を示唆する演出としてタッチ演出を実行するようにしてもよい。このように、実行中の変動表示の変動表示結果が大当りとなる大当り期待度を示唆する演出としてタッチ演出を実行する場合は、例えば、予告演出A及び予告演出Bとして例示したチャンスアップ画像を、遊技者がタッチパネルを操作することにより演出表示装置9またはサブ液晶に表示するようにすれば良い。
また、前記実施例では、遊技者がタッチパネルを操作することによりサブ液晶に表示するエフェクト画像の色を、実行中の変動表示の変動表示結果が大当りとなるか否か、保留記憶内に大当りとなる保留記憶が有るか否かに応じて、異なる割合で「白」、「青」、「赤」から決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実行中の変動表示の変動表示結果が大当りとなるか否か、保留記憶内に大当りとなる保留記憶が有るか否かに応じて、異なる割合でエフェクト画像の大きさや形状を決定するようにしても良い。
また、前記実施例では、タッチ演出の実行を決定した場合は、同一の変動表示中において予告演出Aと予告演出Bの実行を決定しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチ演出の実行の決定時であっても、同一の変動表示において予告演出Aまたは予告演出Bの実行を決定するようにしてもよい。尚、このようにタッチ演出と予告演出Aまたは予告演出Bを同一の変動表示において実行する場合は、予めタッチ演出の実行時に選択するプロセステーブルと予告演出A、予告演出Bの実行時に選択するプロセステーブルとを、タッチ演出と予告演出A、予告演出Bの実行期間が重ならないように設定しておけば良い。
また、前記実施例では、予告演出A及び予告演出Bの実行時には、演出表示装置9とサブ液晶において共通画像の表示を実行するとともに、サブ液晶のみにチャンスアップ画像を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、チャンスアップ画像は、演出表示装置9のみに表示してもよく、また、共通画像と同様に演出表示装置9とサブ液晶の両方に表示するようにしても良い。尚、本実施例のチャンスアップ画像は、チャンスアップ画像の表示期間中となれば自動的にサブ液晶に表示される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予告演出A及び予告演出Bの実行中に遊技者がタッチパネルを操作することによってチャンスアップ画像の表示されるようにしても良い。
また、前記実施例では、タッチ演出において遊技者が操作したタッチパネルの位置にもとづく保留記憶表示の表示態様を特別態様に変化させる例として、タッチ演出において遊技者がタッチパネルを操作することで倒す敵キャラクタを選択し、該選択した敵キャラクタに対応する保留記憶表示の表示態様を最終保留表示フラグにセットされている値に応じた表示態様に変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチ演出において遊技者が操作したタッチパネルの位置に関係なく保留記憶表示の表示態様を特別態様に変化させるようにしても良い。具体的には、例えば、前記実施例における図36(D)及び図36(E)に示すように、第1保留記憶表示エリア18cに3つの保留記憶表示が表示されており、演出表示装置9及びサブ液晶の左側、中央、右側に保留記憶表示と同数である計3体の敵キャラクタが表示されている場合、仮に遊技者がタッチパネルの操作により左側の敵キャラクタが選択(タッチ)されたとしても、始動入賞時受信コマンドバッファ194A内の全てのエントリの最終保留表示フラグを各エントリの保留表示フラグにセットするようにすれば良い。
また、前記実施例では、遊技者がタッチパネルを操作する演出として、保留記憶表示の表示態様を変化させるタッチ演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出図柄の変動表示中にサブ液晶に当該変動表示にて実行可能な演出の演出種別を表示し、遊技者がタッチパネルを操作して1の演出種別を選択することで、該選択した演出種別の演出が演出表示装置9において実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技者がタッチパネルを操作する演出として、保留記憶表示の表示態様を変化させるタッチ演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出図柄の変動表示中にサブ液晶に複数の敵キャラクタを表示するとともに、遊技者に対してこれら敵キャラクタを、タッチパネルを操作することで倒すよう指示する旨の表示を行い、遊技者のタッチパネルの操作結果として倒した敵キャラクタ数に応じてリーチや大当りとなる割合を示唆するようにしても良い。
また、前記実施例では、タッチ演出において遊技者がタッチパネルを操作することで倒す敵キャラクタを選択し、該選択した敵キャラクタに対応する保留記憶表示の表示態様を最終保留表示フラグにセットされている値に応じた表示態様に変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチ演出において遊技者が選択した敵キャラクタに対応する保留記憶表示の大当り期待度を直接数字(10%、30%、50%等)の表示で示唆するようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技者がタッチパネルを操作することによりサブ液晶に表示するエフェクト画像の色を、実行中の変動表示の変動表示結果が大当りとなるか否か、保留記憶内に大当りとなる保留記憶が有るか否かに応じて、異なる割合で「白」、「青」、「赤」から決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変制御が実行されているか否か等に応じて、エフェクト画像の色を異なる割合で「白」、「青」、「赤」から決定するようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り種別として、大当り遊技終了後に確変制御と時短制御が実行される大当り(確変大当りAと確変大当りB)と、大当り遊技終了後に時短制御のみが実行される非確変大当りと、を設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、大当り遊技終了後に確変制御のみが実行される大当り(確変大当りCとする)と、大当り遊技終了後に確変制御と時短制御ともに実行されない大当り(非確変大当りBとする)等を設けるようにしても良い。
このように大当り遊技終了後に確変制御のみが実行される確変大当りCと、大当り遊技終了後に確変制御と時短制御ともに実行されない非確変大当りBとを設ける場合は、ラウンド数を同一とするとともに、大当り遊技中と大当り遊技終了後の演出表示装置9の表示態様等を同一とすることで、遊技状態が確変状態に制御されているか否かを遊技者が判定し難くするようにしても良い。尚、このようにラウンド数が同一の確変大当りCと非確変大当りとを設ける場合は、更に、前述したように、確変制御が実行されているか否か等に応じて、エフェクト画像の色を異なる割合で「白」、「青」、「赤」から決定するようにすることで、遊技者に対してエフェクト画像の色により遊技状態を示唆するようにしても良い。
また、前記実施例では、演出図柄の変動表示中であるか否か、大当り遊技中であるか否かに拘らず遊技者がタッチパネルを操作することによりサブ液晶にエフェクト画像が表示される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者のタッチパネルの操作によりサブ液晶にエフェクト画像を表示する期間は、演出図柄の変動中、大当り遊技の実行中、つまり、演出制御プロセスフラグの値が変動パターン受信待ち処理以外の処理を示す値である場合のみとしても良い。
また、前記実施例では、タッチ検出処理において1のタッチパネルの操作が検出されたか否かを判定しているため、2以上のタッチパネルの操作が同時に実行された場合は、該2以上のタッチパネルの操作を同時に検出することが不可能な構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチ検出処理においては、これら2以上のタッチパネルの操作を同時に検出可能としてもよい。尚、このようにタッチ検出処理において2以上のタッチパネルの操作を同時に検出可能とする場合は、連続タッチ期間タイマが0であっても、これら2以上のタッチパネルの操作によりタッチパネルが連続して操作されたと判定すれば良い。
また、前記実施例では、始動入賞の発生によりタッチ演出を実行すると決定した場合は、次の変動表示中にタッチ演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、始動入賞時の保留記憶数にもとづいて、該始動入賞による保留記憶を含むいずれの保留記憶にもとづく変動表示中にタッチ演出を実行するかを決定するようにしても良い。このようにすることで、タッチパネルの操作により表示態様が変化する保留記憶表示を遊技者が判別することが困難となり、タッチ演出における興趣を向上させることができる。
また、前記実施例では、予告演出A及び予告演出Bの実行時にチャンスアップ画像(画像Aまたは画像B)を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、予告演出A、予告演出Bにおいてチャンスアップ画像を表示すると決定している場合は、変動表示結果が大当りとなるか否かにもとづいて、異なる割合でチャンスアップ画像を演出表示装置9とサブ液晶のどちらに表示するかを決定するようにしても良い。
なお、前記実施例において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%や
A:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、前記実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、前記実施例における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、前記実施例においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、前記実施例で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。
また、前記実施例では、遊技機としてパチンコ機の形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組み合わせが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。具体的には、スロット機に本実施例と同様に演出表示装置とタッチパネル付きサブ液晶とを設ける。そして、リールの変動中に図36(D)及び図36(E)に示すように、演出表示装置とサブ液晶とに共通画像を表示するようにし、タッチパネルの操作に応じてボーナスの当選期待度や当選役を示唆する演出等を実行するようにすれば良い。