以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2と、この冷蔵庫本体2の前面の開口を開閉する断熱構成の4枚の扉3a,3b,4a,4bと、を備えて構成されている。
扉3a,3bは、冷蔵庫本体2の上部に配置され、回動自在に支持された観音開き式のものである。扉4a,4bは、冷蔵庫本体2の下部に配置され、回動自在に支持された観音開き式のものである。扉3a,3bは、扉4a,4bよりも上下方向に長く形成されている。なお、冷蔵庫1の扉の構成は、4枚のものに限定されるものではなく、適宜変更することができる。
図2は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す縦断面図である。
図2に示すように、冷蔵庫本体2は、鋼板製の外箱2aと樹脂製の内箱2bとの間に外気との断熱を図るウレタン発泡断熱材及び真空断熱材(図示せず)を有し構成されている。
また、冷蔵庫本体2の内部は、冷蔵室5、チルド室6、野菜室7、冷凍室8に区画されている。冷蔵庫1においては、扉3a,3bの内側に形成される冷蔵空間に冷蔵室5、チルド室6、野菜室7がこの順に上方から配置されている。扉3a,3bの開扉によって、使用者が、冷蔵室5、チルド室6、野菜室7の各貯蔵室に貯蔵される貯蔵物を取り出し、または、各貯蔵室への貯蔵物の収納ができるようになっている。また、扉4a,4bの開扉によって、使用者が、冷凍室8の貯蔵室に貯蔵される貯蔵物を取り出し、または、各貯蔵室への貯蔵物の収納ができるようになっている。
冷蔵室5および野菜室7は、庫内温度が約3〜5℃の冷蔵温度帯に保たれる貯蔵室である。チルド室6は、室内温度が約0℃に保たれる貯蔵室である。
冷凍室8は、庫内温度が約マイナス18℃の冷凍温度帯に保たれて貯蔵物を冷凍状態で貯蔵する貯蔵室であり、冷凍温度帯室として構成されている。
冷蔵室5、チルド室6、野菜室7および冷凍室8の各貯蔵室は、冷蔵庫本体2の内面を覆うように備わる内箱2bによって、前方を除く周囲が囲まれて形成される。また、野菜室7と冷凍室8の間は、断熱性を有する隔壁9によって仕切られている。この構成によって、野菜室7と冷凍室8の間の熱交換が抑止されて冷蔵温度帯室と冷凍温度帯室の間が熱的に遮断される。
さらに、野菜室7と冷凍室8の後方には冷却器室10が形成されている。冷却器室10は、冷気を生成する冷却器11と、冷却器11が生成した冷気を送風する送風ファン12と、が収納されている。また、冷却器室10の下方には、機械室13が形成されて圧縮機14が配置される。
冷却器11は、圧縮機14で圧縮された冷媒を気化させ、そのときの気化熱で周囲の空気を冷却して冷気を生成するエバポレータである。冷却器11で生成された冷気は、送風ファン12によって冷蔵庫1の各貯蔵室に供給される。つまり、送風ファン12は、冷却器11が生成した冷気を冷却器室10から吸い上げて各貯蔵室に送風して供給する。
また、冷却器11の下方には霜取りヒータ15とドレンパイプ16が備えられ、冷却器11に着霜したときは霜取りヒータ15が冷却器11を加熱して除霜するように構成されている。さらに、このときに霜が融けて生じる水がドレンパイプ16を経由して排水されるように構成されている。
冷却器11の冷気は、送風ファン12によって、冷凍室背面パネル18に形成された冷気吹出し孔18a,18aから冷凍室8に送られる。また、ダンパ装置17を介した冷却器11の冷気は、送風ファン12によって、冷蔵室背面パネル19に形成された複数の冷気吹出し孔19aから冷蔵室5、チルド室6にそれぞれ送られる。冷蔵室5とチルド室6を冷却した冷気は、野菜室7を通り、野菜室7の背面に設けられた戻り孔(不図示)から冷却器室10に戻る。
図3は、製氷装置が設けられた扉を開いた状態を示す正面図である。なお、図3は、説明の便宜上、扉4aが実際よりも大きい角度で開いた状態で示している。
図3に示すように、扉4aの内側(閉扉したときに冷蔵庫本体2の内部側を向く面)には、製氷装置20と、この製氷装置20によって製氷された氷を貯める貯氷容器30A,30Bと、が設けられている。
製氷装置20は、手動式のものであり、扉4aの最上部に配置されている。貯氷容器30A,30Bは、製氷装置20の下方に上下に並んで配置されている。なお、本実施形態では、左側の扉4aに製氷装置20と貯氷容器30A,30Bが設けられている場合を例に挙げて説明するが、右側の扉4bに製氷装置20と貯氷容器30A,30Bを設ける構成であってもよく、左右両側の扉4a,4bにそれぞれ製氷装置20、貯氷容器30A,30Bを設ける構成であってもよい。
図4は、製氷装置が設けられた扉を示す斜視図、図5は、製氷装置を示す平面図、図6は、製氷装置を示す正面図である。なお、図4ないし図6は、給水タンク22が使用状態(通常状態、給水状態、第2姿勢)にある場合を示している。
図4に示すように、製氷装置20は、ケース21、給水タンク22(給水容器)、製氷皿23、連結部材24、離氷レバー25(レバー)などを備えて構成されている。
また、製氷装置20は、扉4aの幅方向の両側から扉4aの表面とは反対方向に延びる一対の壁部4a1,4a1を備えたパネル4p(筺体)に取り付けられている。また、貯氷容器30A,30Bも、パネル4p(筺体)に取り付けられている。
また、製氷装置20では、給水タンク22から製氷皿23に給水した後、扉4aを閉めて、製氷皿23内の水を凍結させる。その後、離氷レバー25を手前に操作することによって製氷皿23が反転し、貯氷容器30A内に貯氷されるように構成されている。
図5に示すように、給水タンク22、連結部材24および離氷レバー25は、扉4a(図4参照)の幅方向(水平方向)の中央よりも開口側に配置されている。開口側とは、扉4aを回動自在に支持するヒンジ(不図示)が取り付けられる側(回動軸側)とは反対側を意味している。また、離氷レバー25は、給水タンク22よりも開口側に配置されている。
製氷装置20は、扉4a(図4参照)の開口側からヒンジ側(左右方向という場合もある)に向けて順に、連結部材24、離氷レバー25、給水タンク22が配置されている。
また、製氷装置20は、給水タンク22のヒンジ側に、物品収容部43を備えており、製氷された氷をすくい取るスコップ26を物品収容部43に置くことができるように構成されている。これにより、簡単にスコップ26を手に取ることができ、またスコップ26を収納することができる。
図6に示すように、製氷装置20では、給水タンク22が使用状態(第2姿勢)において、離氷レバー25の先端(上端)25sが、第2姿勢の給水タンク22の上端22tよりも高くなるように構成されている。これにより、離氷レバー25の操作が給水タンク22によって邪魔されるのを抑制でき、離氷レバー25の操作性を向上させることができる。
また、製氷装置20では、物品収容部43が浅く形成され、スコップ26の一部が物品収容部43から上方に飛び出すようにして収納される。これにより、物品収容部43が深く形成されている場合に比べて、スコップ26を取り出すことが容易になる。
図7は、製氷装置を示す分解斜視図である。なお、図7では、給水タンク22を給水可能な第2姿勢の状態で示している。
図7に示すように、ケース21は、上ケース40と下ケース50とを組み合わせて構成されている。
上ケース40は、給水タンク22を保持するタンク保持部41と、離氷レバー25を上方に突出させるとともに前後方向に案内するレバー案内部42と、製氷された氷をすくい取るためのスコップ26(図4参照)などの物を置く物品収容部43と、を備えている。上ケース40には、開口側から順に、レバー案内部42、タンク保持部41、物品収容部43が配置されている。
タンク保持部41は、左右の側板41a,41bと、後板41cと、底板41dとによって、上面と手前が開放した凹形状を呈するように構成されている。
側板41a,41bには、給水タンク22を回動自在に支持する軸部41a1,41b1(一対の軸)がそれぞれ側方に向けて突出して形成されている。
底板41dには、給水タンク22から製氷皿23に給水するための供給孔41eが形成されている。また、底板41dには、側板41a,41b間の幅方向にかけて、手前側から奥側(前後方向という場合もある)に向けて上方にせり上がる土手部41d2が形成されている。
また、底板41dは、土手部41d2の奥側が手前側よりも高くなるように形成されている。供給孔41eは、土手部41d2の奥側の底板41dに形成されている。奥側の底板41dは、外周側から供給孔41eに向けて下る樋状の傾斜面41d3が形成されている。
レバー案内部42は、左右の側板42a,42bと、後板42cと、底板41dとによって、上面から手前側に向けて開放し、前後方向に(奥側から手前側にかけて)細長く形成されている。なお、右側の側板42bは、タンク保持部41の左側の側板41aと共通の板部で構成されている。
底板42dには、離氷レバー25を下方から上方に向けて貫通させる貫通孔42d1が形成されている。また、底板42dは、貫通孔42d1の手前側が、手前側に向けて降下する湾曲面を有している。
物品収容部43は、前板43aと、左右の側板43b,43cと、後板43dと、底板43e(屋根部材)と、を備えて、上面が開放した凹形状を呈するように構成されている。底板43eは、タンク保持部41の底板41dよりも高い位置に形成されている。なお、左側の側板43bは、タンク保持部41の右側の側板41bと共通の板部で構成されている。
下ケース50は、上ケース40を保持するとともに上下方向に貫通する枠部51を有している。枠部51は、前板51aと、左右の側板51b,51cと、後板51dとを備え、略四角筒形状を呈するように構成されている。
前板51aには、後記するトレイ52を進退自在に収納する凹状の切欠部51a1が形成されている。トレイ52は、製氷皿23を回動自在に支持する枠体52aと、この枠体52aの前面に形成されて前記切欠部51a1を閉塞する前カバー52bと、を備えて構成されている。また、前カバー52bの下端縁部には、使用者が手を入れてトレイ52を引き出すことができるようにした手掛け部52b1が形成されている。
左側(開口側)の側板51bには、製氷皿23と離氷レバー25とを連結する連結部材24が取り付けられている。右側(ヒンジ側)の側板51cには、トレイ52の右端をスライド可能に支持するガイドレール51c1が形成されている。
給水タンク22は、略四角箱型のタンク本体22aと、タンク本体22aを開閉する着脱式の蓋部22bと、を有している。また、タンク本体22aの左右側面には、前記軸部41a1,41b1によって支持される軸受部22c,22dが形成されている。
製氷皿23は、前後左右に配列された複数の製氷部23aを有している。製氷部23aの上端には、上方に延出する縁部材23bが形成されている。また、製氷皿23の側面には、連結部材24と連結される連結部23cが形成されている。
縁部材23bは、前後方向において対向する縁部23b1,23b2と、左右方向において対向する縁部23b3,23b4と、を有している。縁部23b1は、左右方向に沿って均一な高さH1で形成され、縁部23b2は、左右方向に沿って均一な高さH2(>H1)で形成されている。縁部23b3,23b4は、前後方向の奥側が高さH1に設定され、手前側が高さH2に設定されている。また、縁部23b2と、縁部23b3の手前側の一部と、縁部23b4の手前側の一部は、内壁が連続した面を有するように形成されている。
また、製氷皿23には、ねじりコイルばね23dが取り付けられ、製氷皿23を製氷姿勢(初期状態)から離氷姿勢にした後に、ねじりコイルばね23dの付勢力によって製氷皿23を初期状態に戻す力が働くようになっている。
このように、製氷皿23の手前側(扉4aを閉じたときの庫内に向く側)を高く形成することで、製氷皿23に給水後に扉4aを閉めたときの衝撃によって、製氷皿23内の水がこぼれ落ちるのを防止することができる。また、縁部23b3,23b4の手前側の一部を奥側よりも高く形成することで、扉4aを閉めたときに縁部23b3,23b4側に回り込む水が製氷皿23からこぼれ落ちるのを防止できる。さらに、縁部23b2の壁面を製氷皿23の内側へ向かって若干倒れるように形成した(図14〜図16参照)ことも、水がこぼれ落ちるのを防止するのに寄与している。
連結部材24は、離氷レバー25の操作によって製氷皿23を製氷姿勢と離氷姿勢との間で回動動作させるものであり、ギヤケース24a、ギヤカバー24b、大歯車24cと、小歯車24dと、連結板24eと、を備えて構成されている。なお、大歯車24cと小歯車24dとでギヤ部材が構成されている。
ギヤケース24aは、大歯車24cと小歯車24dとが噛合した状態で収容される収容部24a1を有し、前記した側板51bと一体に形成されている。この収容部24a1の上部には大歯車24cが収容され、下部には小歯車24dが収容されている。
また、収容部24a1には、大歯車24cの回転中心と対向する位置に、円形の貫通孔24a2が形成されている。また、収容部24a1には、小歯車24dの回転中心と対向する位置に円形の貫通孔24a3が形成されている。
ギヤカバー24bは、大歯車24cと小歯車24dとを保持した状態で、収容部24a1の全体を覆うように構成されている。なお、図示していないが、ギヤカバー24bには、大歯車24cを回動自在に支持する軸突起と、小歯車24dを回動自在に支持する軸突起と、が形成されている。
大歯車24cは、平歯車で形成され、小歯車24dよりも歯数が多く形成されている。また、大歯車24cの回転軸24c1は、貫通孔24a2を介して離氷レバー25の基端部25bと連結(固定)されている。
小歯車24dは、平歯車で形成され、小歯車24dの回転軸24d1が貫通孔24a3を介して連結板24eの突起部24e2と連結(固定)されている。
連結板24eは、枠部51の内側に配置され、貫通孔24a3よりも大径の円板24e1を有している。円板24e1には、小歯車24d側に突起部24e2が形成され、それとは反対側に製氷皿23の連結部23cが挿入されて保持されるガイド部24e3が形成されている。ガイド部24e3は、U字状に形成され、離氷レバー25が上向き(初期状態)のときに、U字の開放側の向きが手前側(連結部23c側)を向くように設定されている。
離氷レバー25は、使用者が手で触れて操作する操作部25aと、大歯車24cに連結される円筒形状の基端部25bと、を備えて構成されている。操作部25aは、基端部25bにおける軸方向の幅W1よりも幅広い幅W2(図10参照)を有する幅広部25a1を有している。また、幅広部25a1は、基端部25bの端面よりも製氷皿23側に突出している。すなわち、幅広部25a1は、上下方向において製氷皿23と重なる(ラップする)ように構成されている。
図8は、給水タンクを示す斜視図、図9は、図8のC−C線断面図である。
図8に示すように、給水タンク22は、略四角箱形状を呈し、タンク本体22aの側面に給水口22sが形成されている。また、給水口22sは、蓋部22bの下縁22b1の近傍に位置している。このような位置に給水口22sを設定することにより、タンク本体22a内に多くの水を入れることができ、給水タンク22内の容積を有効に利用することができる。なお、給水口22sの開口面積は、給水タンク22からの給水時に、水が勢いよく出過ぎて、タンク保持部41(図7参照)から水があふれない大きさに設定される。
給水タンク22の軸受部22dは、上端に軸部41b1(図7参照)が当接する円弧部22d1と、この円弧部22d1から図示下方に向けて延在する直線部22d2,22d3と、を有している。また、一方の直線部22d2の端部には、他方の直線部22d3から離れる方向に延在する傾斜部22d4が連続して形成されている。なお、軸受部22cについても、軸受部22dと同様な形状となるように形成されている(図7参照)。このように、傾斜部22d4を設けることにより、軸部41b1(図7参照)を軸受部22dに挿入し易くなり、給水タンク22をタンク保持部41に載置(セット)し易くなる。
図9に示すように、給水口22sには、突出部22eが形成されている。この突出部22eは、下面22e1と、側面22e2とで構成され、上面が開放するようにU字状(凹状)に形成されている。また、突出部22eは、タンク本体22aの前面22a1(側面)から側方(前面22a1に直交する方向)に突出して形成されている。このような突出部22eを設けることにより、給水時に、給水タンク22をゆっくり倒したときにも給水タンク22の前面22a1から水が下に伝い落ちるのを防止することができる。なお、突出部22eの向きは、前面22a1に直交する方向に限定されるものではなく、例えば突出部22eが上向きになるように傾斜させてもよい。
なお、突出部22eの形状は、U字状に限定されるものでなく、V字状、円弧状などの凹形状で、少なくとも一面側が切り欠かれた形状であればよい。また、突出部22eでは、底面側と左右側面側の3面で構成されている場合を例に挙げて説明したが、底面側のみで形成されたものであってもよい。
また、蓋部22b(給水タンク22の上面)には、給水タンク22内の空間と連通する空気取入口22b2が形成されている。この空気取入口22b2は、左右方向の中央部で、かつ、給水口22sとは反対側の位置に形成されている(図8参照)。この空気取入口22b2を設けることにより、給水時に空気取入口22b2から空気を取り込むことで、給水口22sからの給水を阻害しないようになっている。また、給水した給水タンク22を、ケース21(図7参照)のタンク保持部41(図7参照)まで運ぶ際に、空気取入口22b2を指で塞いで運ぶことで、運搬時の揺れによって給水口22sから水が漏れるのを防止できる。
図8に戻って、タンク本体22aの左右の側面22a2には、軸受部22c,22dが形成されている。軸受部22dは、略逆U字状に形成され、タンク本体22aの下部に形成されている。また、軸受部22dは、タンク本体22aの側面22a2において給水口22s側に位置している。なお、軸受部22cは、軸受部22dとほぼ同様な形状および位置となるように構成されている。
ところで、突出部22eを、円筒や四角筒状のように全体が囲まれた筒形状にすると、表面張力によって筒形状の軸方向g(図9参照)の長さ程度の水の膜(塊)が形成されてしまい、この膜(塊)が製氷中に凍結することで給水口22sが詰まる虞がある。そこで、図8および図9に示すように、突出部22eをU字状などの筒形状の一面を切り欠いた形状にすることで、前記のような水の膜が形成されるのを抑制でき、また仮に水の膜が形成されたとしても給水タンク22の前面22a1の板厚分の膜が形成されるだけであるので、給水口22sの凍結を容易に解消することができる。
図10は、図5のA−A線断面図である。なお、図10は、給水タンク22が給水可能な状態(第2姿勢)の状態である。
図10に示すように、タンク保持部41の軸部41a1,41b1は、円筒形状を呈し、給水タンク22の軸受部22c,22dを支持している。軸部41a1(一方の軸)の直径寸法をD1とし、軸部41b1(他方の軸)の直径寸法をD2としたときに、D2>D1に設定され、つまり軸部41a1と軸部41b1とが非対称の形状となるように構成されている。また、軸受部22cの幅は、軸部41a1と摺動可能な幅で形成され、軸受部22dは、軸部41b1と摺動可能な幅で形成されている。
これにより、給水タンク22をタンク保持部41に取り付ける際に、仮に給水タンク22を左右逆向きで取り付けようとしても、幅の狭い軸受部22cをそれよりも太い直径の軸部41b1に取り付けることができないので、給水タンク22の誤装着を確実に防止できる。なお、前記とは逆に、軸部41a1の直径を軸部41b1の直径よりも大きくしてもよい。
製氷皿23は、連結部材24とは逆側の端部に、側方に向けて突出する軸突起23eが形成されている。この軸突起23eは、トレイ52の枠体52aに形成された軸受52a1によって回動自在に支持されている。また、軸突起23eと枠体52aとの間には、製氷皿23を製氷可能な姿勢(図10に示す状態)に付勢するねじりコイルばね23dが取り付けられている。これにより、離氷レバー25を操作して、製氷皿23が離氷可能な姿勢に回動したとしても、ねじりコイルばね23dの付勢力によって製氷可能な姿勢に復帰できるようになっている。
離氷レバー25の先端(上端)25sは、ギヤ部材(大歯車24cおよび小歯車24d)の上端24sよりも上方に位置している。これにより、離氷レバー25の操作がギヤ部材によって邪魔されることがないので、離氷レバー25の操作性が向上し、製氷皿23を離氷姿勢にすることが容易になる。また、離氷レバー25の先端25sは、給水姿勢(第2姿勢)の給水タンク22の上面(上端部)22tよりも上方に突出するように構成されている。これにより、離氷レバー25の操作が給水タンク22によって邪魔されることがないので、離氷レバー25の操作性が向上し、製氷皿23を離氷姿勢することが容易になる。
図11は、給水タンクが第1姿勢のときの製氷装置を示す平面図、図12は、給水タンクが第1姿勢のときの製氷装置を示す正面図、図13は、図11のD−D線断面図である。なお、図11ないし図13は、給水タンク22を給水口22sの位置で半分に切断した状態を示している。また、図13は、タンク保持部41と物品収容部43との境界付近において切断面を前後にずらした状態を図示している。
図11に示すように、製氷装置20では、給水した給水タンク22を、給水口22sが側方を向くように立てた状態(第1姿勢)でタンク保持部41に載置する。このとき、給水タンク22は、土手部41d2よりも手前側に位置している。また、給水口22sの前後方向(手前側⇔奥側)の延長線上に供給孔41eが位置している。また、給水タンク22の側方に位置する離氷レバー25の先端25sは、鉛直方向上方を向いている。
また、給水タンク22と離氷レバー25とが前後方向にずれて配置されているので、給水タンク22をタンク保持部41にセットする際に、離氷レバー25が邪魔になることがない。
図12に示すように、離氷レバー25の先端(上端)25sは、連結部材24の上端24tよりも上方に位置している。このような配置にすることで、連結部材24によって離氷レバー25の操作が邪魔されることがないので、離氷操作する際の離氷レバー25の操作性を向上できる。
図13に示すように、給水タンク22をタンク保持部41に載置したときに、軸部41a1,41b1は、軸受部22cの上端面22c5(他方の軸受部の図示省略)に当接している。
また、離氷レバー25は、図示上下方向において基端部25bよりも軸方向に幅広く形成された幅広部25a1が形成されているので、離氷レバー25の操作性を向上させつつ、製氷皿23の製氷部23aの容量を大きく確保することが可能になる。
図14は、図12のE−E線断面図、図15は、図6のB−B線断面図である。
図14に示すように、タンク保持部41に形成された供給孔41eには、下方(製氷皿23)に向けて突出する注ぎ口41e1が形成されている。この注ぎ口41e1は、奥側の製氷部23aの上方に位置している。また、注ぎ口41e1は、下方に向けて先細り形状となるように形成されている。このような形状の注ぎ口41e1を備えることで、注ぎ口41e1から水が広がるのを防止でき、製氷皿23から外れた位置に給水されるのを防止できる。また、注ぎ口41e1は、奥側が手前側よりも長くなるように形成されている。これにより、給水タンク22の水が製氷皿23から外れて注がれるのを確実に防止できる。
また、給水タンク22の給水口22sが形成された側面(前面22a1)と底面22a3との境界の角部22a4は円弧状に湾曲して形成されている。また、角部22a4が対向する土手部41d2は、角部22a4の円弧に沿うように湾曲して形成されている。また、給水タンク22の底面22a3は、底板41dの上面と平行になるように形成されている。これにより、給水タンク22が手前側に倒れることがなく、給水タンク22を第1姿勢で起立させることができる。また、給水タンク22を、第1姿勢から軸部41a1を中心として奥側に向けて倒すことができる。
図14に示す第1姿勢の給水タンク22をF方向(奥側)に押すことで、軸部41a1(軸部41b1)を中心として奥側に向けて回動し、図15に示す第2姿勢に至る。この場合、給水タンク22をF方向に向けて押し倒すことで、給水された給水タンク22の自重によって奥側に倒れ込み、図15に示す第2姿勢を維持する。
図15に示すように、給水タンク22を軸部41a1を支点として奥側に倒すことにより、給水口22sが下向き姿勢となる。また、給水口22sの突出部22eは、供給孔41eと対向する。これにより、給水口22sから供給孔41eを介して製氷皿23の製氷部23aに給水される。製氷皿23には、前後方向(図示左右方向)に隣接する製氷部23aと製氷部23aとの境界に、凹状に切り欠かれた溝23f、そして左右方向(開口側⇔ヒンジ側)に隣接する製氷部23aと製氷部23aとの境界に、凹状に切り欠かれた溝23gによって、製氷皿23のすべての製氷部23aに水が均等に流れ込み、溜まるようになっている。
また、給水タンク22と底板41dの傾斜面41d3との間には隙間(空間)が形成されている。これにより、供給孔41eの周囲の底板41dに給水されたとしても、確実に供給孔41eに向けて給水できる。また、土手部41d2の上端41d4に給水タンク22の前面22a1が接しているので、仮に給水タンク22から供給された水が、土手部41d2を乗り越えるように流れたとしても、土手部41d2から手前側に漏れ出るのを抑制できる。また、給水可能な第2姿勢の場合、給水タンク22の内壁面は、給水口22sに向けて下向きに傾斜する傾斜面22a5となるように構成されているので、給水タンク22内に水が残留するのを極力抑えることができる。
図16は、製氷装置の動作説明図を示し、操作前の状態、図17は、製氷装置の動作説明図を示し、操作後の状態である。なお、図16および図17では、連結板24eおよびケース21の図示を省略し、製氷皿23を断面図で示している。
図16に示すように、製氷装置20は、離氷操作を行う前において、製氷皿23の製氷部23aの開口が鉛直方向上向きの状態となっている。また、前後方向(図示左右方向)に並ぶ製氷部23aと製氷部23aとの境界に、小歯車24dの回転中心Pが位置し、この回転中心Pを基準として製氷皿23が回動するようになっている。よって、製氷皿23は、回転中心Pを基準として回動するようになっている。
大歯車24cは、小歯車24dの真上に位置しており、大歯車24cの回転中心と小歯車24dの回転中心Pとが鉛直方向において重なるように構成されている。また、離氷レバー25の先端(上端)25sは、大歯車24cの上端よりも上方に突出している。
離氷操作を行う場合には、使用者が離氷レバー25の先端に指を掛けて、図17に示すように、離氷レバー25を手前側に向けて倒す。これにより、離氷レバー25に連結(固定)されている大歯車24cが図示時計回り方向R1に回動する。大歯車24cが回動することで、小歯車24dが図示反時計回り方向R2に回動する。製氷皿23は、連結板24e(図7参照)を介して小歯車24dに連結(固定)されているので、小歯車24dが回動することで、製氷皿23も一緒に図示反時計回り方向に回動する。
このように、離氷レバー25からの入力側を大歯車24c(歯数29枚)とし、出力側を小歯車24d(歯数15枚)として、ギヤ比を高く(ギヤ比の値を小さく)設定することで、離氷レバー25の操作角度αに対して、製氷皿23の回動角度β(>α)を大きく確保することができる。つまり、離氷レバー25を製氷皿23に直結した場合には非常に大きな操作角度が必要になり、操作性が損なわれる。しかし、大歯車24cと小歯車24dからなるギヤ部材を用いることで、離氷レバー25の少ない操作量で、製氷皿23の動作量を大きくできるので、操作性を向上できる。
また、離氷レバー25を手前側に倒した場合に製氷皿23をそれとは逆の奥側に向けて倒すことで、製氷皿23の縁部23b2(図16参照)によって離氷が阻害されるのを防止できる。つまり、ギヤ部材(大歯車24cおよび小歯車24d)を用いて、離氷レバー25の操作方向と製氷皿23の回動方向を互いに逆向きに設定することで、操作性の向上ととともに、縁部23b2による離氷阻害の発生を防止することができる。
このように、製氷装置20では、給水口22sが側方を向く第1姿勢となるように給水タンク22をケース21に載置した後、給水口22sが下向きの第2姿勢となるように給水タンク22を回動させることで、給水口22sから製氷皿23に給水するように構成している。これによれば、従来のように、上面に給水口が設けられた給水タンクのように、給水後の給水タンク22を逆さまにする必要がないので、給水タンク22をケース21に載置する際に水こぼれが発生するのを防止でき、使い勝手を向上できる。
なお、本実施形態では、第1姿勢で給水口22sが側方を向く状態としたが、これに限定されるものではなく、第1姿勢で給水口22sを上方を向く状態にし、そして第1姿勢から給水口22sが下向きの第2姿勢となるように給水タンク22を回動させる構成であってもよい。ただし、本実施形態のように第1姿勢で給水口22sが側方を向くように構成することで、第1姿勢から第2姿勢に至る回動角度を小さくすることができ、使い勝手をさらに向上できる。
また、製氷装置20では、回動可能に支持される製氷皿23と、製氷皿23を離氷させる回動式の離氷レバー25と、製氷皿23と離氷レバー25とを連結するギヤ部材(大歯車24cおよび小歯車24d)と、が備えられ、操作前(離氷操作前)の離氷レバー25の先端25sがギヤ部材の上端24sよりも上方に位置するように構成されている(図10、図13参照)。これにより、離氷レバー25の操作性について、離氷レバーを製氷皿に直結する場合よりも向上させることができる。また、ギヤ部材(大歯車24cおよび小歯車24d)を設けることで、離氷レバー25の操作量を少なくできるので、操作性をさらに向上させることができる。
また、製氷装置20では、回動可能に支持される製氷皿23と、製氷皿23を離氷させる回動式の離氷レバー25と、製氷皿23と離氷レバー25とを連結するギヤ部材(大歯車24cおよび小歯車24d)と、が備えられ、離氷レバー25が離氷レバー25の基端部25bよりも軸方向に幅広く形成された幅広部25a1を備えるように構成されている(図10、図13参照)。このように幅広部25a1を設けることで、指で押される面積が増えるので、離氷レバー25を倒し易くなり、操作性を向上させることができる。また、幅広部25a1と製氷皿23とが上下方向において重なるように配置することで(図10、図13参照)、限られた小さなスペースにおいて、製氷皿23の製氷部23aの容量を最大限に確保することができる。
また、製氷装置20では、回動可能に支持される製氷皿23と、製氷皿23を離氷させる回動式の離氷レバー25と、製氷皿23と離氷レバー25とを連結するギヤ部材(大歯車24cおよび小歯車24d)と、が備えられ、離氷レバー25が製氷皿23よりも上方に延び、離氷レバー25を手前に倒すことで、製氷皿23から離氷させるように構成されている(図17参照)。これにより、離氷レバー25をケース21の側面に設けるよりも、操作性を向上できる。つまり、本実施形態のようにボトムフリーザタイプであって、使用者の膝の高さ程度の位置に製氷装置20が位置している場合において、かがむことなく、真上から操作できるので、操作性を向上させることが可能になる。
また、製氷装置20は、大歯車24cと小歯車24dとが噛合して成るギヤ部材を備えるので、少ない操作量で製氷皿23を離氷可能な位置(90度以上)まで回動させることができる。また、離氷レバー25の操作方向とは反対側に製氷皿23を回動させることができるので、閉扉時における製氷皿23からの水こぼれを防止するために背の高い(寸法H2)縁部23b2(図16参照)を設けたとしても、縁部23b2が上側に位置するようになり、縁部23b2が離氷の邪魔になることがない。
また、製氷装置20では、離氷レバー25が、給水タンク22に対して扉4aの開口側に位置している(図4参照)。これにより、扉4aを開いたときに直ちに離氷レバー25を操作できるので、操作性を向上できる。なお、本実施形態では、左側の扉4aに製氷装置20が設けられた場合を例に挙げて説明したが、右側の扉4bに製氷装置20を設けた場合も、給水タンク22に対して扉4bの開口側に配置することで、操作性を向上させることができる。
また、製氷装置20では、離氷レバー25の上端25sが、給水タンク22が給水状態(第2姿勢)にあるときに、給水タンク22の上端22tよりも上方に突出している。これにより、給水タンク22に邪魔されることなく離氷レバー25の操作が可能になる。
また、製氷装置20では、製氷皿23の上方を覆う底板43e(屋根部材)が備えられ、底板43eが後記する貯氷容器30A,30Bから氷をすくい取るスコップ26を置くスペースとして使用されるように構成されている。これにより、製氷装置20の空きスペースを有効に活用することができるとともに、使用する際にスコップ26を直ちに手に取ることができ、また収納する際にスコップ26を直ちに収納することができる。また、底板43eを設けることで、製氷皿23にゴミなどの異物が侵入するのを防止できる。
図18は、貯氷容器が全閉した状態を示す扉の断面図である。なお、図18以降の断面図では、扉4aに設けられる断熱層の図示を省略している。
図18に示すように、扉4aの内側(手前側)には、製氷装置20の下方に貯氷容器(アイスバンク)30A,30Bが上下に位置するように設けられている。また、貯氷容器30A,30Bは、高さ寸法H10(最小値)が奥行寸法D10(最小値)よりも長く形成されている。これにより、小型で奥行寸法の小さい扉4aに多くの氷を収容することが可能になる。なお、貯氷容器30Bは、貯氷容器30Aと同様の構成であるので、以下では、上側の貯氷容器30Aを参照して説明する。
貯氷容器30Aは、製氷された氷を貯める収容部31を有している。収容部31は、上面に開口30aを有し、前板31a、後板31b(一方のみ図示)、側板31c、底板31dによって四角箱状に形成されている。また、貯氷容器30Aは、扉4aの一方の壁部4a1から他方の壁部4a1にかけて横長に形成されている(図4参照)。また、開口30aは、製氷皿23の下方に位置し、製氷皿23が離氷方向に回動したときに(図17参照)、貯氷容器30A内に氷がそのまま落下して貯氷されるように構成されている。
前板31aは、断面視において鉛直方向に延びて形成され、前面31aの上端中央に、指を下側から挿入可能な手掛け部32が形成されている。後板31bは、前板31aよりも上下寸法が短く形成され、後板31bの上端縁31b1(側壁上端)が、前板31aの上端縁31a1よりも下方に位置している。
次に、貯氷容器30Aを回動させる機構について図19ないし図23を参照して説明する。図19は、図3のF−F線断面図、図20は、貯氷容器の開放途中を示す断面図、図21は、貯氷容器の全開状態を示す断面図、図22は、貯氷容器を取り外す状態を示す断面図、図23は、貯氷容器が全開した状態を示す扉の断面図である。なお、図19ないし図22は、図3のF−F線で切断したときの断面図を示している。
図19に示すように、貯氷容器30Aは、収容部31の側板31cの外面に、ガイド部材33と、軸突起34とが形成されている。
ガイド部材33は、全閉状態と全開状態との間で収容部31を保持するものであり、側板31cの外面に、前後方向に略円弧状に延びて形成されている。軸突起34は、収容部31を揺動させる際の回動支点として機能するものであり、側板31cの下部の前寄り(手前側)に形成されている。
また、ガイド部材33は、前後方向に略湾曲して延びる案内部33aと、案内部33aの前端において軸突起34側に延びる曲げ部33bと、案内部33aの後端において軸突起34側に延びる曲げ部33cと、曲げ部33bの近傍において軸突起34側に突出する突起部33dと、を有している。
案内部33aは、突起部33dを除く曲げ部33bと曲げ部33cとの間の下面33a1が、軸突起34を中心とする円弧形状を呈するように構成されている。また、案内部33aの前寄りの上面33a2に対応する側は、下面33a1との間の厚みが薄く形成され、かつ、略直線状に形成されている。また、案内部33aの後寄りの上面33a3に対応する側は、前記上面33a2の位置での厚みよりも厚く形成され、かつ、下面33a1と平行になるように湾曲して形成されている。換言すると、前寄りの上面33a2に対応する厚みは、後寄りの上面33a3に対応する厚みよりも薄肉に形成されている。
扉4aの壁部4a1には、支持突起4cと、抜け止め突起4dと、軸受部4eとが、ガイド部材33と軸突起34が形成された側板31cに向けて突出して形成されている。なお、本実施形態では、軸受部4eと軸突起34とによって揺動支持部が構成されている。
支持突起4cは、断面視において四角形状を呈し、軸突起34よりも前方(手前側)に位置している。また、支持突起4cは、ガイド部材33よりも下側に位置し、下面33a1と接する位置に形成されている。また、支持突起4cは、貯氷容器30Aを全閉したときに、ガイド部材33の曲げ部33bと突起部33dとの間に位置している。これにより、貯氷容器30Aの揺動動作が規制され、扉4aを開けたときに貯氷容器30Aが不用意に飛び出すのを防止できる。
抜け止め突起4dは、断面視において四角形状を呈し、支持突起4cよりも後方(奥側)に位置している。さらに、抜け止め突起4dと支持突起4cとの間の間隔は、曲げ部33cの回動方向の厚み分または厚み分よりも大きくなるように構成されている。また、抜け止め突起4dは、ガイド部材33よりも上方に位置し、上面33a2と接触しない位置(図19参照)、かつ、上面33a3と接触する位置(図20参照)に形成されている。また、抜け止め突起4dは、突起部33dが支持突起4cを乗り越えることができるように、支持突起4cとの間の上下方向の隙間(間隔)が設定されている。
軸受部4eは、貯氷容器30Aの軸突起34を揺動自在に支持するものであり、断面視J字状に形成されている。すなわち、軸受部4eは、軸突起34の下部(半円部)を保持する円弧部4e1を有し、円弧部4e1の後側(奥側)の端部4e3の方が、円弧部4e1の前側(手前側)の端部4e2よりも上方に向けて長く形成されている。
また、軸受部4eにおいて、軸突起34が接する下端から端部4e2までの高さをAとし、軸突起34が接する下端から端部4e3までの高さをCとし、ガイド部材33において、突起部33dの引掛かり代をBとした場合、C>A>Bの関係が成立するように設定されている。
このように構成された貯氷容器30Aでは、貯氷容器30Aが全閉状態において、軸突起34が軸受部4eによって支持され、支持突起4cが曲げ部33bと突起部33dとの間に位置して貯氷容器30Aの前後方向の動作が規制されている。
図19に示す状態から、貯氷容器30Aを開く場合には、手掛け部32に手を掛け、貯氷容器30Aを持ち上げることにより、軸突起34が軸受部4eから浮き上がるとともに、突起部33dと支持突起4cとの係合が解除される。そして、収容部31を手前に引くことにより、突起部33dが支持突起4cを乗り越える。そして、支持突起4cとガイド部材33の下面33a1とを摺動させながら、貯氷容器30Aを手前側に揺動させることで、貯氷容器30Aが軸突起34を支点として回動しながら、図20に示す開放途中の状態に至る。なお、ガイド部材33の上方に抜け止め突起4dが設けられているので、貯氷容器30Aが持ち上がり過ぎるのを防止することができ、また、軸受部4eと突起部33dとの間においてA>Bの関係が成立しているので、軸突起34が軸受部4eから外れるのを防止できる。これにより、貯氷容器30Aの開放時において貯氷容器30Aが間違って扉4aから外れるのを防止することができる。
図20に示すように、ガイド部材33は、下面33a1が支持突起4cと摺動し、上面33a3が抜け止め突起4dと微小な隙間を形成しながら、支持突起4cと抜け止め突起4dとの間を移動する。このような位置に抜け止め突起4dを設けることで、貯氷容器30Aの開放途中において、貯氷容器30Aが外れて脱落するのを防止できる。
図20に示す状態から、貯氷容器30Aをさらに手前側に回動させると、ガイド部材33の下面33a1が支持突起4cをさらに摺動し、曲げ部33cが支持突起4cに当接することで、図21に示す全開状態に至り、貯氷容器30Aの回動動作が規制される。このとき、貯氷容器30Aは、開口30aの全体が扉4aのパネル4pから突出する位置まで回動する。
貯氷容器30Aを扉4aから取り外す場合には、図21に示す状態から、貯氷容器30Aを斜め手前上方に引き上げることにより、図22に示すように、曲げ部33cが支持突起4cと抜け止め突起4dとの間を通り抜ける。つまり、曲げ部33cが支持突起4cに引っ掛かっている場合、抜け止め突起4dが曲げ部33cよりも後方(奥側)に位置するように支持突起4cと抜け止め突起4dとの間隔が設定されている。また、軸受部4eが上方に開放した断面視J字状に形成されているので、軸突起34を軸受部4eから抜き出すことができる。これにより、貯氷容器30Aを手前に引き上げることが可能になり、扉4aから貯氷容器30Aを取り外すことが可能になる。
このように、貯氷容器30Aを取り外し可能にすることで、例えば、貯氷容器30Aに氷が満たされた場合、貯氷容器30Aと貯氷容器30Bの上下の位置を入れ替えることで、貯氷容器30B内に新たに氷を貯めることが可能になる。このように、貯氷容器30A,30Bを上下に複数設けることにより、大容量の氷を貯めることが可能になる。
このように構成された貯氷容器30Aでは、深さ寸法H10が奥行寸法D10よりも長く形成されるとともに上面に開口30aを有する収容部31と、収容部31の側面下部に設けられて扉4aのパネル4pに対して収容部31を揺動自在に支持する揺動支持部(軸突起34および軸受部4e)とが備えられ、収容部31を手前側に揺動(全開)させたときに、収容部31の奥側の上端縁31b1(側壁上端)が、パネル4pの前端4p1より手前側に位置するように構成されている。これによれば、奥行の狭い扉4aを備えた冷蔵庫1においても氷の取り出しが容易になり、使い勝手を向上できる。
また、貯氷容器30Aでは、深さ寸法H10が奥行寸法D10よりも長く形成されるとともに上面に開口30aを有する収容部31と、収容部31の側面下部に設けられて扉4aのパネル4pに対して収容部31を揺動自在に支持する揺動支持部(軸突起34および軸受部4e)とが備えられ、貯氷容器30A,30Bが上下に複数配置されるように構成されている。これによれば、奥行の狭い扉4aを備えた冷蔵庫1においても氷の取り出しが容易になるとともに、氷の収納量を増加させることができ、使い勝手を向上できる。
また、貯氷容器30Aでは、支持突起4cが収容部31の軸受部4eよりも手前側に位置するように構成されている。これにより、貯氷容器30Aの開口30aを全開にしつつ、貯氷容器30Aを全開の状態で保持させることが可能になる。
また、貯氷容器30Aでは、軸受部4eが軸方向からの平面視において略U字状に形成されている。これにより、軸突起34を軸受部4eに対して着脱が容易になり、貯氷容器30Aの着脱を容易にできる。
なお、本実施形態では、貯氷容器30A,30Bを上下に配置した場合を例に挙げて説明したが、このような構成に限定されるものではなく、2つの貯氷容器を左右に配置する構成であってもよく、また4つの貯氷容器を上下および左右に配置する構成であってもよい。
また、図23に示すように、下側の貯氷容器30Bの回動角度を、上側の貯氷容器30Aの回動角度よりも大きく設定するようにしてもよい。例えば、壁部4a1に形成する支持突起4cの位置を、図21,図22に示す位置よりも前方に移動させることによって貯氷容器30Bの回動角度を大きくすることができる。これにより、双方の貯氷容器30A,30Bをそれぞれ全開にしたときに、上側の貯氷容器30Aだけではなく、下側の貯氷容器30Bの使い勝手も向上できる。
図24は、貯氷容器の変形例を示す断面図である。
図24に示すように、抜け止め突起4dは、略四角形状の抜け止め突起4d(図19参照)の手前側と下面側とで形成される角部が切り欠かれたテーパ面4d1を有している。これにより、支持突起4cと抜け止め突起4dとの間隔が広がることで、貯氷容器30Aを扉4aから取り外すときに、貯氷容器30Aを取り外し易くなり、また、貯氷容器30Aを扉4aに取り付けるときにも、貯氷容器30Aを取り付け易くなる。
ところで、貯氷容器30Aを扉4aに取り付ける場合には、左右それぞれのガイド部材33と軸突起34の4箇所を取り付ける必要があり、貯氷容器30Aの取り付け作業が煩雑になる。そこで、図25に示すように、支持突起4cにおいて、略四角形状の支持突起4c(図19参照)の手前側と上面側とで形成される角部を切り欠いて、テーパ面4c1を形成したものである。また、ガイド部材33の曲げ部33cの引掛け代の寸法をDとしたときに、寸法Dは、寸法A(図19参照)よりも短くなるように設定されている。
貯氷容器30Aを扉4aに取り付ける場合には、収容部31を傾斜させた状態で、先に左右の軸突起34を各軸受部4eに支持させ、その後に収容部31を奥側に回動させる。これにより、ガイド部材33の曲げ部33cが支持突起4cのテーパ面4c1に当接し、収容部31をさらに奥側に押し込むことによって、曲げ部33cがテーパ面4c1の表面を摺動しながら収容部31が持ち上がり、曲げ部33cが支持突起4cを乗り越える。このとき、曲げ部33cの引掛かり代の寸法Dが軸受部4eの寸法Aよりも短く形成されているので、曲げ部33cが支持突起4cを乗り越える際に、軸突起34が軸受部4eから脱落することがない。曲げ部33cが支持突起4cを乗り越えた後は、収容部31をさらに奥側に押し込むことで、ガイド部材33の下面33a1が支持突起4cと摺動しながら移動して、全閉状態となる。
図26は、図6のG−G線断面図である。
図26に示すように、軸部41b1と軸受部22dとは、給水タンク22が給水可能な姿勢(第2姿勢)において、面接触ではなく、点Q1で示すように、点接触するように構成されている。
これにより、軸部41b1や軸受部22dに水滴が付着した状態で製氷が行われた場合、軸部41b1と軸受部22dとの間が凍結し難くなる。また、仮に軸部41b1と軸受部22dとが凍結したとしても、面同士で接触している場合よりも凍結状態を容易に解消することができる。
図27は、図19の拡大断面図である。
図27に示すように、軸突起34と軸受部4eとは、面接触ではなく、点Q2で示すように、点接触するように構成されている。この場合も、図26と同様に、軸突起34と軸受部4eとの間が凍結し難くなり、また仮に軸突起34と軸受部4eとが凍結したとしても、面同士で接触している場合よりも凍結状態を容易に解消できる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更できる。例えば、本実施形態では、給水タンク22を扉4aの手前側から奥側に倒すことで給水する場合を例に挙げて説明したが、給水タンク22をヒンジ側から開口側または開口側から手前側に倒すことで給水するようにしてもよく、また給水タンク22を奥側から手前側に倒すことで給水するようにしてもよい。
また、本実施形態では、冷蔵庫1の正面視において左側の扉4aに製氷装置20や貯氷容器30A,30Bを設ける場合を例に挙げて説明したが、右側の扉4bに製氷装置20や貯氷容器30A,30Bを設けるようにしてもよく、扉4a,4bの双方に製氷装置20や貯氷容器30A,30Bを設けるようにしてもよい。
また、貯氷容器30A,30Bを上下に配置する構成において、貯氷容器30A,30Bの底板31dに例えば開閉可能な蓋を設けて、貯氷容器30Aの蓋を開けた状態で製氷皿23から氷を落とすことで、貯氷容器30Aから貯氷容器30Bに氷を落とすようにしてもよい。これにより、貯氷容器30A,30Bの上下の入れ替えを無くすことができる。
また、製氷装置20では、ケース21のタンク保持部41に軸部41a1,41b1を設け、給水タンク22に軸受部22c,22dを設けた場合を例に挙げて説明したが、タンク保持部41に軸受部を設け、給水タンク22に軸部を設ける構成であってもよい。
また、貯氷容器30A,30Bでは、揺動支持部として、収容部31に軸突起34を設け、パネル4p(筺体)に軸受部4eを設けた場合を例に挙げて説明したが、収容部31に軸受部を設け、パネル4p(筺体)に軸突起を設ける構成であってもよい。