JP2017072130A - ガスタービンベーン - Google Patents
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Abstract
【課題】ベーンプラットフォームとベーンキャリアとの間の境界面における、応力減少に通ずる改善された柔軟性を備えた革新的なガイドベーンを提供する。【解決手段】ガスタービン用のガイドベーン1であって、ベーンプラットフォーム2と、それに接続されたベーン翼3とを有しており、ベーンプラットフォームは、ガスタービンの周方向で延在し、かつガイドベーンキャリア溝内に収容されるようになっている細長いフック4を有しており、ガイドベーンはさらに、細長いフックの外面41の遠位端部411、412に位置し、かつガイドベーンキャリア溝に当接するように配置された第1の突出パッド42と第2の突出パッド43とを有している。【選択図】図5
Description
本発明は概して、ガスタービン用のガイドベーンに関し、本発明は特に、ベーンプラットフォームとベーンキャリアとの間の境界面における応力の減少に通ずる改善された柔軟性を備えた革新的なガイドベーンを提供する。
背景
公知のように、ガスタービン用の標準的な構成は、回転軸に取り付けられたブレードによってガイドされる回転軸を取り囲む外側ケーシング又はベーンキャリアに堅く接続された複数のベーンを想定している。特に、各ベーンは、ベーンプラットフォームに接続された翼を有しており、このプラットフォームは外側ケーシング内に保持されている。高温の燃焼ガスが、回転軸を駆動するためにケーシングを通るとき、ベーンは高温にさらされる。
公知のように、ガスタービン用の標準的な構成は、回転軸に取り付けられたブレードによってガイドされる回転軸を取り囲む外側ケーシング又はベーンキャリアに堅く接続された複数のベーンを想定している。特に、各ベーンは、ベーンプラットフォームに接続された翼を有しており、このプラットフォームは外側ケーシング内に保持されている。高温の燃焼ガスが、回転軸を駆動するためにケーシングを通るとき、ベーンは高温にさらされる。
一般的に、ベーンは、その外径において外側ケーシングに、カンチレバー式に固定することができ、又はその外径及び内径において固定することができる(外径及び内径における固定の場合の設計は、ロッキングベーンとして公知である)。
図1には、従来技術によるカンチレバー式に設計されたステータベーン100が概略的に示されており、このベーン100は、ベーンプラットフォーム104に取り付けられた翼103を有している。ベーンプラットフォーム104は、前縁フック102と後縁フック101とを有していて、これらのフックはベーンキャリア105に取り付けられている。軸方向及び周方向の固定は、前縁フック102又は後縁フック101上で操作することができる。
続く図2には、従来技術による「ロッキングベーン」構造のステータベーン200が示されている。この場合、ベーン200は、ベーンプラットフォーム204に取り付けられた翼203を含み、この場合のベーンプラットフォーム204は、1つの外側フック201を有していて、この外側フック201は、ベーンキャリアの収容部分205内に嵌め込まれている。フック201は、軸方向外側、周方向、半径方向の支持を提供し、軸方向、半径方向、周方向でのベーン負荷をベーンキャリア205へと伝達する。
さらに、ベーン200は、軸方向ではその内径202で、内側の軸方向支持を提供する内側の構造的要素208によって支持されている。構成要素202は、概略的に図示したように、ベーンキャリア205に嵌め込まれている。ベーン200は、翼203にかけられるガスによる軸方向負荷により、外側及び内側の軸方向ベーンキャリア支持体205,208に対して押し付けられる。
過渡モードにおけるガスタービンエンジンの構造部品の熱膨張が異なることにより、ベーン200の内側及び外側の軸方向支持体205,208は、軸方向で互いに変化するだろう。これにより、図3に示したようにベーン200はベーンキャリア205に対して傾けられる場合がある。さらに、ベーン自体の熱応力により、フック201は任意の方向で曲げられる場合がある。
一般的に、従来技術の教示によれば、ベーン200は周方向のフック201を有しており、このフックは外面に円筒状の空間を、内面に平らな表面を有している。ベーンキャリア205に設けられた収容溝は、外側と内側の円筒面を有しており、これにより図4に示したように、外面おける表面接触206と、内面における軸方向の線接触207とが形成されている。ベーンキャリア205の収容溝内における周方向でのフック201の好ましくない傾動を阻止するために、ベーンフック201とベーンキャリア205との間の隙間は通常は、できるだけ小さく維持されている。
特に、ロッキング形式のベーンには、従来技術のいくつかの欠点がある。
第1に、フックの熱変形(例えば、屈曲)により、溝内でベーンが押しつぶされる場合がある。これによりベーンやキャリアに高い力が加えられることになり、結果として耐用寿命は減じられる。
このような問題に対して行うことができる部分的な解決策は、前記隙間を増大させることであろうが、これにより、周方向でのベーンの相当の傾動が生じる恐れがある。さらには、軸方向の線接触及び面接触によっては不可能な相対的な外側及び内側の支持運動を補償するために、ベーンはフックの周りで、約数度(最大±5°)、自由に回転する恐れがある。
発明の概要
本発明の課題は、独立請求項1に実質的に定義されたようなガスタービンガイドベーンを提供することによって前述の技術的課題を解決することである。
本発明の課題は、独立請求項1に実質的に定義されたようなガスタービンガイドベーンを提供することによって前述の技術的課題を解決することである。
さらに、本発明によれば、独立請求項8に実質的に定義されたようなガイドベーンキャリアも提供される。好適な実施の形態は、対応する従属請求項に定義されている。
以下に詳細に説明するがそれは単なる一例であり限定する目的にはない好適な態様によれば、本解決手段は、ガスタービン用のガイドベーンであって、ベーンプラットフォームと、前記ベーンプラットフォームに接続されたベーン翼とを有しており、前記ベーンプラットフォームは、前記ガスタービンの周方向で延在しかつガイドベーンキャリア溝内に収容されるようになっている細長いフックを有しており、前記ガイドベーンはさらに、前記細長いフックの外面の遠位端部に位置しかつ前記ガイドベーンキャリア溝に当接するように配置された第1の突出パッドと第2の突出パッドとを有している、ガイドベーンであって、前記突出パッドは丸み付けられた表面形状を有している、ガスタービン用のガイドベーンを提供する。
本発明の好適な態様によれば、前記ガイドベーンは、前記細長いフックの前記外面の反対側にある前記細長いフックの内面の遠位端部に位置し、前記ガイドベーンキャリア溝に当接するように配置された第3の突出パッドと第4の突出パッドとをさらに有している。
本発明の好適な態様によれば、前記第3の突出パッドと、前記第4の突出パッドとはほぼ平らな表面形状を有している。
本発明の好適な態様によれば、前記第1の突出パッドと前記第2の突出パッドとはそれぞれ、前記細長いフックの周方向に沿って長さLにわたって延在していて、前記長さLは、前記細長いフックの周方向の全長の5%〜25%の範囲で選択されている。
本発明の好適な態様によれば、この長さLは、細長いフックの周方向の全長の10%〜15%のサブ範囲で選択されたものである。
本発明の好適な態様によれば、前記長さLは、前記細長いフックの周方向の全長の12.5%である。
本発明の好適な態様によれば、前記細長いフックは、前記外面に位置するスロットを有していて、前記スロットは、半径方向のロックピンを収容するようになっている。
本発明の別の態様によれば、ガイドベーンキャリアであって、前記ガスタービンの周方向で延在し、ガイドベーンのベーンプラットフォームに設けられた対応する細長いフックを収容するようになっている溝を有しており、前記溝は、前記細長いフックの外面に対向する前記溝の上方の内面の、それぞれ上方の遠位端部に位置する第1の接触部分と第2の接触部分とを有している、ガイドベーンキャリアであって、前記第1の接触部分と前記第2の接触部分とは、軸方向に沿った断面図で見てほぼ平らな表面を有しているガイドベーンキャリアが提供される。
本発明の好適な態様によれば、ガイドベーンキャリアが、前記細長いフックの内面に対向する前記溝の下方の内面の、前記上方の遠位端部に対向する下方の遠位端部に位置する、第3の接触部分と第4の接触部分とをさらに有しており、前記第3の接触部分と前記第4の接触部分とは、ほぼ丸み付けられた表面形状を有している。
従って、ガイドベーンとガイドベーンキャリアとの間に周方向の線接触又は点接触のみを提供する新規性のある概念が発明された。
フックは、中央部分でキャリア溝よりも細く設計されていて、これにより、フックを押しつぶすことなく屈曲させることが可能になる。フックの周方向の2つの端部の内面と外面とに、キャリアとの局所的な接触を提供するためにパッドが配置されている。
外側のパッドは、軸方向で丸み付けられた表面形状であり、エンジンの中心軸線に対して同様に回転対称的である。これにより、外側のパッドとキャリア溝外面との線状の接触が提供される。
内側のパッドは、扁平でキャリア溝内面に対して接線状である。しかしながらキャリア溝内面は、軸方向で丸み付けられた形状である。これにより、軸方向の接線と周方向の接線との交点において内側のパッドとキャリアとの点接触が提供される。
本発明の態様によれば、ガイドベーンにより、接触個所で限定的な隙間でありながら、フックの周方向端部における規定された接触を維持しつつフックを中心として傾動することのできるガイドベーンが提供される。このような限定的な隙間は、周方向でのベーンの傾動を最小化するために必要である。
キャリアにおけるベーンの周方向でのロックのために、フックの中央に設けられたスロットに半径方向ピンが係合する。通常、このピンは、軸方向又は半径方向の負荷を支持するのではなく、周方向の負荷をキャリアへと伝達するだけである。
本発明の上述した対象とそれに伴う多くの利点とは、以下の詳細な説明を図面との関連で参照することにより、より分かり易く、良好に理解できるようになる。
図面の詳細な説明
図5には、本発明によるガスタービン用のガイドベーン1が示されている。ガイドベーン1は、参照符号2で示すベーンプラットフォームを有しており、このベーンプラットフォームには翼3が接続されている。ベーンプラットフォーム2は、ガスタービンの周方向Cに沿って延在する細長いフック4を有している。ベーンプラットフォーム2は、細長いフック4を収容するように構成された周方向溝を備えたガイドベーンキャリア(図示せず)内に収容されるようになっている。次いで、複数のガイドベーン1が、周方向Cに沿ってベーンキャリア溝内に順次に挿入されて、これにより半径方向Rに沿って複数の翼3が配置されて、ガスタービンの1つのガイドベーン段を構成している。次いで、図面において軸線Aで示したガスタービンの軸方向に沿って複数の段が形成される。
図5には、本発明によるガスタービン用のガイドベーン1が示されている。ガイドベーン1は、参照符号2で示すベーンプラットフォームを有しており、このベーンプラットフォームには翼3が接続されている。ベーンプラットフォーム2は、ガスタービンの周方向Cに沿って延在する細長いフック4を有している。ベーンプラットフォーム2は、細長いフック4を収容するように構成された周方向溝を備えたガイドベーンキャリア(図示せず)内に収容されるようになっている。次いで、複数のガイドベーン1が、周方向Cに沿ってベーンキャリア溝内に順次に挿入されて、これにより半径方向Rに沿って複数の翼3が配置されて、ガスタービンの1つのガイドベーン段を構成している。次いで、図面において軸線Aで示したガスタービンの軸方向に沿って複数の段が形成される。
細長いフック4はさらに、細長いフック4の外面41のそれぞれ遠位端部411及び412に配置された第1の突出パッド42と第2の突出パッド43とを有している。本発明の態様によれば、突出パッド42と43は実質的に丸み付けられた表面形状を有している。好適な態様によれば、突出パッド42,43の丸み付けられた表面形状は、約40mmの曲率半径を有している。
続く図6には、細長いフック4が別の角度から示されていて、外面41の反対側にある、同じフック4の内面44が示されている。特に、細長いフック4は、細長いフック4の内面に位置し、ベーンキャリア溝(図示せず)に当接するように配置された第3の突出パッド45と第4の突出パッド46とを有している。突出パッド45,46は、内面44のそれぞれ遠位端部441,442に配置されている。突出パッド45,46はほぼ平らな形状であって、形状的に、平行6面体と類似のものであってよい。
続く図7には、周方向Cに沿って延在する、ガイドベーンキャリア溝5内に挿入された細長いフック4の半径方向の一平面に沿った断面の一部が示されている。図面には、細長いフック4の外面41が溝5の上方の内面51に面していて、フック4の内面44が溝5の下方の内面56に面していることが明確に示されている。
キャリア溝5は、上方の内面51のそれぞれ遠位端部511及び512に配置された第1の接触部分52と第2の接触部分53とを有している。接触部分52,53はそれぞれ、細長いフック4の突出パッド42,43に対して当接する。
同様に、キャリア溝5は、下方の内面56のそれぞれ遠位端部561及び562に配置された第3の接触部分54と第4の接触部分55とを有している。キャリア溝5の接触部分54,55はそれぞれ、突出パッド45,46に当接する。
次の図8には、ガイドベーンキャリア溝5内に挿入された細長いフック4の同様の図が示されている。好適な形状によれば、突出パッド43と42は、それぞれ周方向Cに沿って長さLにわたって延在している。この長さLは、細長いフック4の周方向の全長Hの5%〜25%のレンジ内で選択されたものである。さらに好適には、長さLは、細長いフック4の全長Hの10%〜15%のサブレンジ内で選択される。より好適には、長さLは、全長Hの12.5%にほぼ等しい。
さらに図8を参照すると、細長いフック4は、外面41に位置するスロット48を有していて、このスロットは、半径方向ピン60を収容するようになっている。次いで、半径方向ピン60が、キャリア溝5の上方の内面に位置する対応するスロット内に挿入される。ピン60には、キャリア溝5に沿った周方向でベーンプラットフォームが摺動するのを阻止するロック機能を有している。
最後の図9には、ガイドベーンキャリア溝5内に挿入された細長いフック4の横方向の断面図が示されている。特に、図面には、接触部分52に当接する丸み付けられた突出パッド42と、接触部分54に当接する平らな突出パッド46とが示されている。
好適には、溝5とフック4との間の直線的な周方向接触を形成するために、上方の内面51に位置し、丸み付けられたパッド42に接触する接触部分52は、軸方向に沿った断面図でほぼ平らな表面を有している。特に、接触部分52に対応する溝の曲率半径は軸方向に沿って一定である。
さらに、下方の内面56に位置し、平らな突出パッド46に接触する接触部分54は、ほぼ丸み付けられた表面を有している。同じジオメトリが、突出パッド43と46にそれぞれ当接する接触面53,55に適用される(図9には図示せず)。
本発明を好適な実施例につき十分に説明したが、勿論、本発明の範囲内で変更が加えられてよく、本発明の適用はこれらの実施態様に限定されるものではなく、以下の請求項の内容によって限定されるものである。
Claims (11)
- ガスタービン用のガイドベーン(1)であって、ベーンプラットフォーム(2)と、前記ベーンプラットフォームに接続されたベーン翼(3)とを有しており、前記ベーンプラットフォーム(2)は、前記ガスタービンの周方向で延在しかつガイドベーンキャリア溝(5)内に収容されるようになっている細長いフック(4)を有しており、前記ガイドベーン(1)はさらに、前記細長いフック(4)の外面(41)の遠位端部(411,412)に位置しかつ前記ガイドベーンキャリア溝(5)に当接するように配置された第1の突出パッド(42)と第2の突出パッド(43)とを有している、前記ガイドベーン(1)において、
前記突出パッド(42,43)は丸み付けられた表面形状を有していることを特徴とする、ガスタービン用のガイドベーン(1)。 - 前記細長いフック(4)の前記外面(41)の反対側にある前記細長いフック(4)の内面(44)の遠位端部(441,442)に位置し、前記ガイドベーンキャリア溝(5)に当接するように配置された第3の突出パッド(45)と第4の突出パッド(46)とをさらに有している、請求項1記載のガイドベーン(1)。
- 前記第3の突出パッド(45)と、前記第4の突出パッド(46)とはほぼ平らな表面形状を有している、請求項2記載のガイドベーン(1)。
- 前記第1の突出パッド(42)と前記第2の突出パッド(43)とはそれぞれ、前記細長いフック(4)の周方向に沿って長さLにわたって延在していて、前記長さLは、前記細長いフック(4)の周方向の全長の5%〜25%の範囲で選択されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のガイドベーン(1)。
- 前記長さLは、前記細長いフック(4)の周方向の全長の10%〜15%の範囲で選択されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のガイドベーン(1)。
- 前記長さLは、前記細長いフック(4)の周方向の全長の12.5%である、請求項5項記載のガイドベーン(1)。
- 前記細長いフック(4)は、前記外面(41)に位置するスロット(48)を有していて、前記スロット(48)は、半径方向のロックピン(60)を収容するようになっている、請求項1から6までのいずれか1項記載のガイドベーン(1)。
- ガスタービン用のガイドベーンキャリア(11)であって、前記ガスタービンの周方向で延在し、ガイドベーン(1)のベーンプラットフォーム(2)に設けられた対応する細長いフック(4)を収容するようになっている溝(5)を有しており、前記溝(5)は、前記細長いフック(4)の外面(41)に対向する前記溝の上方の内面(51)の、それぞれ上方の遠位端部(511,512)に位置する第1の接触部分(52)と第2の接触部分(53)とを有している、ガイドベーンキャリアにおいて、
前記第1の接触部分(52)と前記第2の接触部分(53)とは、ほぼ平らな表面を有していることを特徴とする、ガスタービン用のガイドベーンキャリア(11)。 - 前記細長いフック(4)の内面(44)に対向する前記溝(5)の下方の内面(56)の、前記上方の遠位端部(511,512)に対向する下方の遠位端部(513,514)に位置する、第3の接触部分(54)と第4の接触部分(55)とをさらに有している、ガイドベーンキャリア(11)であって、
前記第3の接触部分(54)と前記第4の接触部分(55)とは、ほぼ丸み付けられた表面を有していることを特徴とする、請求項8記載のガイドベーンキャリア(11)。 - 請求項8又は9記載のガイドベーンキャリア(11)を有していることを特徴とする、ガスタービン。
- 請求項1から7までのいずれか1項記載のガイドベーン(1)を有していることを特徴とする、ガスタービン。
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