JP2017071558A - 錠剤の衝撃耐性改善賦形剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低成形圧で高硬度かつ割れやカケなどが発生しづらい錠剤であって、特殊な物性の粒子が大量に必要となるコストの面の問題も有さない賦形剤を提供する。【解決手段】 マンニトールからなる打錠用賦形剤であって、該マンニトールが、噴霧乾燥によって得られた安息角が30〜50度であることを特徴とする球形結晶粒子と、晶析により得られた析出結晶粒子とを、1:99から50:50の割合で混合したものであることを特徴とする打錠用賦形剤。【選択図】なし

Description

本発明は、粒子の形状、特性の異なるマンニトールを混合した賦形剤に関する。また当該賦形剤を使用することで、錠剤の割れやカケなど、包装時や輸送段階で錠剤に発生する損傷を低減させることができる方法及びその方法を用いた錠剤に関する。
マンニトールは、その安定性、カロリーの低さ、医薬成分との反応性の低さから錠剤の賦形剤として広く使用されている。しかしながら飽和水溶液から晶出したマンニトールは、粒子同士の結合性が低く、マンニトールを賦形剤として使用した錠剤は、硬度が低いと言われており、実用的な硬度を得るためには高成形圧での打錠や、他の結合剤の配合が必要であった。しかしながら高成形圧での打錠では打錠機の杵臼の消耗につながるし、結合剤を多く配合すると、特に錠剤の中でも口腔内崩壊錠では、崩壊性に影響を及ぼし、好ましくなかった。
そこで従来、高い硬度を得ることができる直接打錠用のマンニトールが開発されてきたが、硬度が高い錠剤であっても、錠剤分包機などの使用に伴い、割れやカケなどの問題は多くなっていた。
さらに本出願人は、このような状況を鑑み、国際公開第2008/146590号(特許文献1)や国際公開第2010/021300号(特許文献2)に開示されるような、高い錠剤硬度の得られる特殊な物性のマンニトールの球形結晶粒子を開発していた。
国際公開第2008/146590号 国際公開第2010/021300号
しかしながら、依然として、低成形圧で高硬度かつ割れやカケなどが発生しづらいという課題の解決法が望まれており、一般的に求められる錠剤硬度を得るために、特許文献1や特許文献2のような特殊な物性の粒子が大量に必要となることは、コストの面からも問題となっていた。
そこで、本発明者らは、直接打錠用に開発されたマンニトールではない、一般的な晶出法で得られる、従来のマンニトールの析出結晶粒子を主成分として用いつつ、硬度が高く、かつ、錠剤の割れやカケなどを防止できる賦形剤を得るよう、各種物性のマンニトール粒子を配合し、特定の製法で得られるマンニトールを、従来のマンニトールの析出結晶粒子に特定の割合で混合した賦形剤により、課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の解決手段は下記の通りである。
第一に、マンニトールからなる打錠用賦形剤であって、該マンニトールが、噴霧乾燥によって得られた安息角が30〜50度であることを特徴とする球形結晶粒子と、析出結晶粒子とを、1:99から50:50の割合で混合したものであることを特徴とする打錠用賦形剤である。
第二に、前記球形結晶粒子が、アスペクト比が1.0〜1.2、試験法Aによる吸油率1が25〜40%、吸油率2が15〜30%、ゆるみかさ密度が0.4〜0.6g/ml、平均粒径が30〜50μmであることを特徴とする、上記第一に記載の打錠用賦形剤である。
第三に、前記析出結晶粒子が、平均粒径が70〜200μmであることを特徴とする、上記第一または第二に記載の打錠用賦形剤である。
第四に、上記第一から第三のいずれか一つに記載の打錠用賦形剤を使用した錠剤落下破損率低下方法である。
第五に、上記第一から第三のいずれか一つに記載の打錠用賦形剤を用いた落下破損率が低下した口腔内崩壊錠剤である。
以下に本発明の詳細を説明する。
本発明において、マンニトールの球形結晶粒子は噴霧乾燥によって得られたものであり、噴霧乾燥とは乾燥塔内の熱風気流中にマンニトールの溶液や懸濁液を微細噴霧し、溶媒を蒸発させて粒子を得る方法である。この方法で得られた粒子は、溶媒の蒸発によって、粒子内に空洞を有することを特徴とし、また乾燥塔内に噴霧された液滴が空中で乾燥し粒子化するため、球形の粒子構造を有するために、流動性の良い粒子を得ることが出来る。
ここで、本発明においては、球形結晶粒子とは、噴霧乾燥によって得られた球状の構造を内包する粒子のことを意味する。粒子そのものの形状が球状であってもいいし、球状の構造がいくつか寄り集まったような粒子の形状であってもよい。
また、流動性は安息角で表すことが出来る。安息角は、粉体を円盤上に自然落下させた状態で形成される山の角度であり、以下のように設定したパウダーテスタPT−X(ホソカワミクロン株式会社製)により測定する。試料用ホッパーは振動幅1mmの設定でホッパーを振動させ、目開き710μmの網、排出ロート、ノズル(内径7.8mm)を通し、安息角試料台の円盤上に落下させ山を作る。この条件により形成された粉体の山の角度が、パウダーテスタPT−Xによる画像解析の結果、測定値としてあらわされる。
本発明においては、マンニトールの球形結晶粒子と析出結晶粒子を混合することから、2種の粒子を混合した際に析出結晶粒子中に球形結晶粒子が均一にいきわたるために、球形結晶粒子の流動性は重要である。このような理由から本発明に係る球形結晶粒子において、安息角は30〜50度が好ましく、より好ましくは35〜45度である。
また、球形結晶粒子がより真球度が高く、空隙を多く有する中空構造でありながら、微細な粒子であるほうが、本発明の効果を顕著に得ることが出来る。これは、中空構造であるほうが塑性変形しやすいことから、打錠時に、粒子表面における隣接粒子間のみならず、中空構造の内部においても粒子間の接着面が付与されるため、打錠性が良くなることに起因すると考えられる。また、微細粒子であるほど、比表面積が広くなるため、この特性も粒子間の接着面の増加に寄与し、錠剤硬度が上がりやすい。
したがって、球形結晶粒子の真球度を表すアスペクト比が1.0〜1.2であることが好ましく、粒子の空隙を表す吸油率について、以下に表す方法で測定した吸油率1が25〜40%、吸油率2が15〜30%であることが好ましい。
本発明におけるアスペクト比とは、粒子の長軸と短軸との比であり、真球度を示す目安となるものである。長軸、短軸の比は、試料粒子を電子顕微鏡(TM−3000、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて拡大倍率200倍程度で写真撮影し、30個の球形結晶粒子について長軸の長さ(長径)と長軸の中点から垂直に引いた短軸の長さ(短径)を各々測定し、各々について短径に対する長径の比を求め、30個の平均値で示したものである。
アスペクト比が1.0〜1.2であれば、球形結晶粒子の流動性はさらに好ましいものとなり、析出結晶粒子との混合が均一になるし、真球度の高い粒子を析出結晶粒子と混合した賦形剤は、他成分との均一混合が可能となり、含量均一性に優れる。
なお、本発明における試験法Aによる吸油率とは以下の通りである。中鎖脂肪酸トリグリセライド(花王株式会社製、ココナードMT)30gと試料マンニトール15gを100mLのガラス製ビーカーに入れ、粉体を破砕しないように穏やかにスパチュラで油と粉末試料とをかき混ぜたのち、真空定温乾燥機(VOS−300D、EYELA社製)に入れ、室温で0.67Paまで減圧して3時間油を含浸させる。
次に、目開き45μm(325メッシュ)のろ布を敷いた遠沈管(底に孔のあるもの)に移し、遠心分離機(株式会社コクサン製、H−500R)を1300Gに設定して10分間遠心分離する。遠心分離後の試料入り遠沈管重量と遠沈管風袋重量の測定値から遠心分離後に遠沈管内に残った粉末試料の重量(重量a)を求め、下記式1により計算された値を吸油率1とする。
吸油率1(%)=[(重量a−15)/15]×100 (式1)
更に、100mLのガラス製ビーカーに遠心分離後の試料入り遠沈管を入れ、n−ヘキサン20gを粉末試料の上から加え、遠心分離機を1300Gに設定して10分間遠心分離する。次に、遠心分離後の試料入り遠沈管重量と遠沈管風袋重量の測定値から遠心分離後に遠沈管内に残った粉末試料の重量(重量b)を求め、下記式2により計算された値を吸油率2とする。
吸油率2(%)=[(重量b−15)/15]×100 (式2)
また、球形結晶粒子の平均粒径は30〜50μmであることが好ましい。平均粒径が30μmより小さくなると、混合物を得る際に偏析が起こりやすくなるし、また混合物をそのまま打錠した際に、微細な粒子が打錠機内で杵臼間のクリアランスに入りこみ、打錠障害がおこりやすい。一方、平均粒径が50μmより大きくなると、得られる錠剤の硬度はわずかに下がる。これは粒子同士の接点が多いほど、結着点が増えることに起因すると考えられる。
ここで、上記の平均粒径は粉体のメジアン径を表し、レーザー回折式の粒度分布計で知ることが出来る。レーザー回折式の粒度分布計としてはマイクロトラック・ベル株式会社のMicrotrac MT3000を好適な例として使用することが出来、水溶性のマンニトールを測定する方法として、イソプロパノールを溶媒として、溶媒中で分散した湿式状態で測定を行うことがよい。
また、本発明の球形結晶粒子は、ゆるみかさ密度が0.4〜0.6g/mlとなるものが好ましい。本発明の球形結晶粒子は、空隙を多く有する構造であるが、ゆるみかさ密度が0.4より低いものは得難いし、0.6より高いものは、空隙が少なく本発明の効果を奏さない。
本発明におけるゆるみかさ密度とは、粉体を所定の容器内に自然落下させた状態の充填密度であり、パウダーテスタPT−X(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて以下の方法で測定する。
測定円台に試料容器(容積100mL)を置き、試料用ホッパーは振動幅1mmの設定でホッパーを振動させ、目開き710μmの網を通して試料を落下させ試料容器に山盛りに充填し、試料容器の上部においてすり切りヘラですり切りし、その重量を測定する。一種類の試料について同じ操作を3度繰り返し、その平均値をゆるみかさ密度とする。
次に、本発明の析出結晶粒子は、当業者によって従来知られている飽和水溶液からの結晶化方法で得ることが出来る。
つまり、マンニトールを水、アルコールなどの溶媒に溶解させ飽和溶液を準備したのち、加熱状態または冷却状態にすることにより過飽和をもたらし、種結晶を添加又は添加せず、結晶を析出させ、さらに結晶成長段階を経てもよく、溶媒中に結晶が得られるよう制御する。その後、濾過や遠心分離などで溶媒から結晶体のみを分離することで結晶を回収し、回収した結晶を乾燥し析出結晶粒子が得られる。得られた析出結晶粒子の結晶型はα、β、γのいずれの結晶型でも構わないが、β型結晶が最も安定で、一般的に入手しやすい。また、その結晶形状は針状であり、結晶化の際に溶媒中に析出した細長い形状の結晶、およびその長辺方向で配向した結晶の寄り集まりであることが多く、粉砕機などによる物理的微細化を受けていないものを本発明の析出結晶粒子という。
析出結晶粒子の平均粒径は70〜200μmであることが好ましい。平均粒径が70μmより小さいものは、流動性が悪く、混合などの作業効率が劣るし、平均粒径が200μmより大きくなると、球形結晶粒子同様、得られる錠剤の硬度が下がる。
また、析出結晶粒子は安息角が35〜55度であることが好ましい。溶液から析出させたマンニトールの結晶は針状の長細い形状の多面体であり、55度より大きくなると流動性が非常に悪く、混合の際、粒子が偏析するため好ましくない為である。
本発明は、これまで説明したような球形結晶粒子と析出結晶粒子を特定の割合で混合し賦形剤とする。その混合割合は、球形結晶粒子:析出結晶粒子が質量比で1:99から50:50であり、好ましくは30:70から50:50である。球形結晶粒子のごく少量の添加でも、本発明の効果である錠剤の割れやカケを低減することが出来るが、球形粒子が析出結晶粒子間に、適度に存在することで、球形結晶粒子の微細結晶が錠剤の割れやカケを低減する効果に寄与すると考えられる。
また、球形結晶粒子:析出結晶粒子の混合比率において、50:50の割合よりも球形結晶粒子が多い場合は、球形結晶粒子の特性により、錠剤の割れやカケを低減することはできるが、賦形剤中に析出結晶粒子が多い場合に、球形結晶粒子を少量添加するだけで、錠剤の割れやカケを顕著に低減できることは、驚くべきことであった。
また、本発明の賦形剤の使用態様としては、球形結晶粒子と析出結晶粒子を混合したものを、そのまま賦形剤として、他の錠剤の原料である、薬理活性成分や他の賦形剤、崩壊剤、滑沢剤などと混合して直接打錠してもよいが、球形結晶粒子と析出結晶粒子を混合したあとに造粒してから、錠剤用賦形剤として使用することが好ましい。これは、形状・大きさの異なる球形結晶粒子と析出結晶粒子の混合物中で、球形結晶粒子が偏在することを防ぎ、均一に球形結晶粒子が存在することで、本発明の効果をより得られる状態となるためである。
なお、球形結晶粒子と析出結晶粒子の混合は、粉体を均一に混合できる方法であれば、任意の方法でよく、タンブラー型混合機やV型混合機などを用いることが出来る。また、球形結晶粒子と析出結晶粒子の造粒は、撹拌造粒機、流動層造粒乾燥機や押出し造粒機など従来知られた方法で良いが、流動層造粒乾燥機で任意の結着剤をバインダーとして噴霧しながら造粒することが、球形結晶粒子が析出結晶粒子の粒子間に均一に分散した状態で固定され、適度な凝集をもたらすことから好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明の内容を詳細に説明するが、本発明の技術範囲は以下の例に限定されるものではない。
析出結晶粒子のみを賦形剤として用いた錠剤と、析出結晶粒子に球形結晶粒子を混合した賦形剤を用いた錠剤を作成し、本発明の効果である錠剤の割れやカケの程度を比較した。
比較の方法は次のようにした。錠剤45錠を15錠ずつに分けて各1回、1.5mの高さから大理石平面へ落下させ、割れやカケが発生した錠剤の数を、試験に供した錠剤の全数で除した値を落下破損率とした。対照となる析出結晶粒子のみを賦形剤として用いた場合の錠剤の落下破損率を求め、同目標硬度の試験区で比較し、球形結晶粒子と析出結晶粒子を混合した場合、どの程度落下破損率が改善されたかを以下の式で求めた。
落下破損改善率(%)=[1−(実施例落下破損率/対照例落下破損率)]×100
ただし、高硬度の錠剤となるよう成形圧を設定して、対照となる析出結晶粒子のみを賦形剤として用いた場合の錠剤を製造した場合に、打錠時に既に割れなどが起きるキャッピングなどが起きた条件では、全数破損とみなして落下破損率を100%とし、同目標硬度の試験区で、球形結晶粒子と析出結晶粒子を混合した場合の錠剤の落下破損率の改善率について上記の式で求めた。
[対照例1]
析出結晶粒子として、三菱商事フードテック社製のマンニットSを用いた。粉体の平均粒径などの物性を表1に示す。この析出結晶粒子のみを賦形剤として使用して錠剤を作成した。錠剤は、賦形剤を流動層造粒機によってヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達社製「HPC−SSL」)8%溶液をバインダーとして、賦形剤となる粉体仕込み重量に対してヒドロキシプロピルセルロースの固形量を1%となるように噴霧して造粒した賦形剤造粒物を99質量部、崩壊剤(BASFジャパン社製「コリドンCL−F」)1質量部を均一に混合したのちに、この混合物と滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウム1質量部とを混合し、φ8mm隅丸の形状で重量180mgとなるよう単発式打錠機(ナノシーズ社製「NS−T100」)を用いて打錠した。打錠圧は、硬度が5kgfとなるよう打錠時の荷重・厚みを適宜変更して錠剤を製造する打錠条件とした。なお、錠剤硬度は、打錠して得られた錠剤から5錠について硬度計(富山産業社製「TH−303MP」)を用いて測定し、平均値を採用した。
得られた錠剤について、硬度と落下破損率を表2に示す。
噴霧乾燥で得られた球形結晶粒子として三菱商事フードテック社製のマンニットQを、析出結晶粒子として対照例1と同じマンニットSを用い、1:99の比率で混合して賦形剤として用いて錠剤を製造した。使用したマンニットQの平均粒径などの物性を表1に示す。錠剤は、対照例1と同様に賦形剤を造粒したのち、他の錠剤原料と混合して打錠して得た。得られた錠剤について、硬度と落下破損率、落下破損改善率を表2に示す。
球形結晶粒子と析出結晶粒子の比率を、5:95とした以外は、実施例1と同様にして、錠剤を得た。得られた錠剤について、硬度と落下破損率、落下破損改善率を表2に示す。
球形結晶粒子と析出結晶粒子の比率を、10:90とした以外は、実施例1と同様にして、錠剤を得た。得られた錠剤について、硬度と落下破損率、落下破損改善率を表2に示す。
球形結晶粒子と析出結晶粒子の比率を、30:70とした以外は、実施例1と同様にして、錠剤を得た。得られた錠剤について、硬度と落下破損率、落下破損改善率を表2に示す。
球形結晶粒子と析出結晶粒子の比率を、50:50とした以外は、実施例1と同様にして、錠剤を得た。得られた錠剤について、硬度と落下破損率、落下破損改善率を表2に示す。
Figure 2017071558
Figure 2017071558
[対照例2]
析出結晶粒子として、対照例1とは別のロットのマンニットSを用い、対照例1と同様に造粒し、賦形剤造粒物を得た。この賦形剤造粒物98.5質量部、崩壊剤(コリドンCL−F)を1質量部、導水剤として二酸化ケイ素(日本アエロジル社製「アエロジル200」)0.5質量部を均一に混合したのちに、この混合物と滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウム1質量部とを混合し、対照例1と同様に単発式打錠機を用いて打錠した。打錠圧は、硬度が5kgfとなるよう打錠時の荷重・厚みを適宜変更して錠剤を製造する打錠条件とした。なお、使用したマンニットSの物性を表3に示し、得られた錠剤について、硬度と、落下破損率を表4に示す。
噴霧乾燥で得られた球形結晶粒子として実施例1とは別のロットのマンニットQを、析出結晶粒子として対照例2と同じロットのマンニットSを用い、10:90の比率で混合して賦形剤として用いた。使用した球形結晶粒子と析出結晶粒子の物性を表3に示す。錠剤は、対照例2と同様に賦形剤を造粒したのち、他の錠剤原料と混合して打錠して得た。得られた錠剤について、硬度と、落下破損率、落下破損改善率を表4に示す。
球形結晶粒子と析出結晶粒子の比率を、30:70とした以外は、実施例6と同様にして、錠剤を得た。得られた錠剤について、硬度と、落下破損率、落下破損改善率を表4に示す。
球形結晶粒子と析出結晶粒子の比率を、50:50とした以外は、実施例6と同様にして、錠剤を得た。得られた錠剤について、硬度と、落下破損率、落下破損改善率を表4に示す。
Figure 2017071558
Figure 2017071558
[対照例3]
析出結晶粒子として、対照例1、2とは別のロットのマンニットSを用い、錠剤条件としての目標硬度を8kgfとなるよう変更したほかは対照例2と同様にして錠剤を得た。得られた錠剤はすべてキャッピングしており、硬度は測定できなかった。そのため落下破損率は、前述のとおり、100%とした。なお、使用したマンニットSの物性を表5に示す。
球形結晶粒子として実施例6と同じロットのマンニットQを、析出結晶粒子として対照例3と同じロットのマンニットSを用い、50:50の比率で混合して賦形剤として用いた。使用した球形結晶粒子と析出結晶粒子の物性を表5に示す。錠剤は、対照例3と同様に賦形剤を造粒したのち、他の錠剤原料と混合して打錠して得た。得られた錠剤について、硬度と、落下破損率、落下破損改善率を表6に示す。
Figure 2017071558
Figure 2017071558
[対照例4]
析出結晶粒子として、ロケットフレール社製のPEARLITOL160Cを使用した以外は対照例2と同様にして、錠剤を得た。使用したPEARLITOL160Cの物性を表7に示し、得られた錠剤について、硬度と、落下破損率を表8に示す。
噴霧乾燥で得られた球形結晶粒子として実施例1と同じロットのマンニットQを、析出結晶粒子として対照例4と同じPEARLITOL160Cを用い、30:70の比率で混合して賦形剤として用いた。使用した球形結晶粒子と析出結晶粒子の物性を表7に示す。錠剤は、対照例2と同様に、賦形剤を造粒したのち、他の錠剤原料と混合して打錠して得た。得られた錠剤について、硬度と落下破損率、落下破損改善率を表8に示す。
球形結晶粒子と析出結晶粒子の比率を、50:50とした以外は、実施例10と同様にして、錠剤を得た。得られた錠剤について、硬度と落下破損率、落下破損改善率を表8に示す。
Figure 2017071558
Figure 2017071558
[対照例5]
錠剤条件としての目標硬度を8kgfとなるよう変更したほかは対照例4と同様にして錠剤を得た。使用した析出結晶粒子も対照例4と同様である。得られた錠剤について、硬度と落下破損率、落下破損改善率を表9に示す。
球形結晶粒子として実施例1と同じロットのマンニットQを、析出結晶粒子として対照例4と同じロットのマンニットSを用い、30:70の比率で混合して賦形剤として用いた。錠剤は、対照例5と同様に賦形剤を造粒したのち、他の錠剤原料と混合して打錠して得た。得られた錠剤について、硬度と、落下破損率、落下破損改善率を表9に示す。
球形結晶粒子と析出結晶粒子の比率を、50:50とした以外は、実施例12と同様にして、錠剤を得た。得られた錠剤について、硬度と落下破損率、落下破損改善率を表9に示す。
Figure 2017071558
以上の結果から、本発明に係る特定の混合割合のマンニトールの打錠用賦形剤を用いた錠剤は、対照である析出結晶粒子のみからなる賦形剤を用いた錠剤に比べて、顕著に落下破損改善率が向上することが分かる。

Claims (5)

  1. マンニトールからなる打錠用賦形剤であって、該マンニトールが、噴霧乾燥によって得られた安息角が30〜50度であることを特徴とする球形結晶粒子と、晶析により得られた析出結晶粒子とを、1:99から50:50の割合で混合したものであることを特徴とする打錠用賦形剤。
  2. 前記球形結晶粒子が、アスペクト比が1.0〜1.2、試験法Aによる吸油率1が25〜40%、吸油率2が15〜30%、ゆるみかさ密度が0.4〜0.6g/ml、平均粒径が30〜50μmであることを特徴とする、請求項1に記載の打錠用賦形剤。
  3. 前記析出結晶粒子が、平均粒径が70〜200μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の打錠用賦形剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の打錠用賦形剤を使用した錠剤落下破損率低下方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の打錠用賦形剤を用いた落下破損率が低下した口腔内崩壊錠剤。
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