JP2017071531A - 管状体および管状体の製造方法 - Google Patents

管状体および管状体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017071531A
JP2017071531A JP2015199525A JP2015199525A JP2017071531A JP 2017071531 A JP2017071531 A JP 2017071531A JP 2015199525 A JP2015199525 A JP 2015199525A JP 2015199525 A JP2015199525 A JP 2015199525A JP 2017071531 A JP2017071531 A JP 2017071531A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
end plug
tubular body
cylindrical member
ceramic
sic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015199525A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6491990B2 (ja
Inventor
義幸 岩田
Yoshiyuki Iwata
義幸 岩田
高木 俊
Takashi Takagi
俊 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2015199525A priority Critical patent/JP6491990B2/ja
Publication of JP2017071531A publication Critical patent/JP2017071531A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6491990B2 publication Critical patent/JP6491990B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

【課題】高い強度と耐熱性を有し、管状体の端部から内部に固体、液体、ガスなどを封入した後、閉鎖し、密閉する気密構造を有する管状体を提供する。【解決手段】管状体10は、セラミック繊維44からなる筒状の組紐体21と、組紐体21を覆うセラミックマトリックス22とからなる筒部材20を有しているので、筒部材20は、セラミック/セラミック複合材であり、高い強度と耐熱性を有し、過酷な環境下でも使用することができる。また、筒部材20の第一端部23に挿入された第一の端栓31と、筒部材20の第二端部24に挿入された第二の端栓32とを有しているので、管状体10を密閉したり、第一の端栓31または第二の端栓32に管などを接続したりして使用することができ、気密構造を有する管状体10を得ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、管状体および管状体の製造方法に関し、特には核燃料を挿入して使用する被覆管として用いることができる管状体および管状体の製造方法に関する。
今日、多くの原子炉では、密閉金属チューブからなる被覆管に核燃料が収納されて用いられている。大部分の被覆管は、ジルコニウム合金、または鋼合金で製造されている。被覆管は、原子炉の稼動時、あるいは事故の際であっても放射性ガス、核分裂生成物が被覆管内に保持され、外部に放出されないように設計されている。
しかしながら、沸騰水型の原子炉であっても稼働中に水を喪失すると、発熱した核燃料の冷却が追いつかず、被覆管を溶融させ、さらには金属と水との反応により水素を発生させる。
このような課題を解決するため、特許文献1では、ワインディング法あるいは組紐法で形成されたSiC繊維からなる骨材と該SiC繊維間に充填された熱分解炭素とからなる管状の繊維強化炭素質基材と、該繊維強化炭素質基材の少なくとも外表面に形成されたSiC層と、からなる核燃料被覆管であって、該SiC層は、該繊維強化炭素質基材表面の熱分解炭素を反応転化し形成されたCVR−SiC層と、該CVR−SiC層上に形成されたCVD−SiC層と、からなり、該核燃料被覆管は、該繊維強化炭素質基材の該SiC層との境界領域から該繊維強化炭素質基材の内部に向かってケイ素原子が拡散してなることを特徴とする核燃料被覆管が記載されている。
このような核燃料被覆管によれば、セラミック繊維の表面が炭素質に接しているため、熱応力により発生するクラックを、セラミック繊維表面で止めることができるので、管状体の内外を貫通するクラックが発生しにくい。その上、個々のセラミック繊維に被覆を設ける前処理が必要ないため工程が簡略化でき、性能向上によりさらには原子炉をより高温で運転できるため、エネルギー効率の高い原子炉を提供することができると共に使用寿命が長期化可能であることが記載されている。
特開2013−210372号公報
しかしながら、上記記載された発明では、SiCよりなる部分は、核燃料被覆管の胴部のみであり、両端の開口部分の構造には、何の検討もなされていない。このため、核燃料被覆管の有効な端部の封止方法は提供されず、一般的な接続構造を適用するより他に方法がない。
本発明では、前記課題を鑑み、高い強度と耐熱性を有し、管状体の端部から内部に固体、液体、ガスなどを封入した後、閉鎖し、密閉する気密構造を形成可能な管状体および管状体の製造方法を提供することを目的とする。
(1)前記課題を解決するための本発明の管状体は、セラミック繊維からなる筒状の組紐体と前記組紐体を覆うセラミックマトリックスとからなる筒部材と、前記筒部材の第一端部に挿入された第一の端栓と、前記筒部材の第二端部に挿入され貫通孔を有する第二の端栓と、からなり、前記組紐体は、前記第一の端栓および/または前記第二の端栓の外表面に沿って前記筒部材の末端側が狭窄した狭窄部を有するとともに、前記セラミックマトリックスは前記第一の端栓および前記第二の端栓と接合している。
本発明の管状体によれば、セラミック繊維からなる筒状の組紐体と、組紐体を覆うマトリックスとからなる筒部材を有しているので、筒部材は、セラミック/セラミック複合材であり、高い強度と耐熱性を有し、過酷な環境下でも使用することができる。
また、筒部材の第一端部に挿入された第一の端栓と、筒部材の第二端部に挿入された第二の端栓とを有しているので、管状体を密閉したり、第一の端栓または第二の端栓に管などを接続したりして使用することができ、気密構造を有する管状体を得ることができる。
また、組紐体は、第一の端栓および/または第二の端栓の外表面に沿って筒部材の末端側が狭窄した狭窄部を有しているので、筒部材の内圧が高まっても第一の端栓または第二の端栓が筒部材から抜けない構造をとることができ、第一の端栓または第二の端栓と筒部材との接続信頼性を高めることができる。
また、セラミックマトリックスは第一の端栓および第二の端栓と接合しているので、筒部材と第一の端栓および第二の端栓との間の気密性を確保することができる。
さらに、第二の端栓に、貫通孔を有しているので、管状体の内部に固体、液体、ガスなどを封入した後、閉鎖し、密閉することができる。例えば、核燃料、パージガスなどを封入することができる。
さらに、本発明の管状体は、以下の態様であることが望ましい。
(2)前記第一の端栓および/または前記第二の端栓は、前記筒部材の狭窄部に沿ったテーパ面を有する。
第一の端栓および/または第二の端栓と筒部材の狭窄部とは、テーパ面で接しているので、筒部材を構成するセラミック繊維にかかる曲げ応力を緩和する。さらに、テーパ面で接するので、第一の端栓または第二の端栓と筒部材との接する面積を大きく取ることができ、接続信頼性を高めることができる。
(3)前記第一の端栓および/または前記第二の端栓は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなる。
これらの素材は、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有しているので管状体の第1の端栓または第二の端栓として好適に利用することができる。SiCまたはTiSiCは、セラミックであるので特に高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有しているので、好適に利用することができる。Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlは、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有する金属であるとともに、容易に溶接、ロウ付けすることができ、好適に利用することができる。
(4)前記セラミック繊維は、SiC繊維である。
SiC繊維は、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有するセラミック繊維であるので好適に利用することができる。
(5)前記セラミックマトリックスは、SiCである。
SiCは、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有するセラミック繊維であるので好適に利用することができる。
(6)前記第一の端栓は、前記筒部材の開口端側が面取りされた円柱形状である。
第一の端栓は、筒部材の開口端側が面取りされた円柱形状であるので、筒部材は第一の端栓の面取りの部分まで筒部材と同じ内径で構成することができる。このため、応力集中の起こりやすい屈曲部を管状体の内部空間に接しないようにすることができ、高強度の管状体を得ることができる。
(7)前記第二の端栓は、両側にテーパ面を有し中央部が膨らんだ樽形状である。
第二の端栓は、両側にテーパ面を有し中央部が膨らんだ樽形状であるので、両側にテーパ面を有する。このため、内圧または外圧のいずれが端栓にかかっても、より強固に結合することができる。
(8)前記第二の端栓は、前記貫通孔の内面と筒部材の中央側のテーパ面とが接するエッジを有し、前記筒部材は、前記エッジに接する。
第二の端栓は、貫通孔の内面と筒部材の中央側のテーパ面とが接するエッジを有するとともに、筒部材は、エッジに接する構造であるので、貫通孔の内径と、筒部材の内径とをほぼ同一にすることができる。これにより、固体を挿入する際に、貫通孔との干渉をなくすことができる。例えば、筒部材に挿入できる最大サイズの固体を貫通孔の大きさの影響なく、挿入することができる。これは、核燃料ペレットを挿入する際に好都合である。
(9)前記貫通孔には、さらに第三の端栓が挿入されている。
貫通孔に第三の端栓が挿入されているので、互いに高い寸法精度で勘合させることができ、高い気密性を確保することができる。
次に、前記課題を解決するための本発明の被覆管について説明する。
(10)本発明の被覆管は、前記管状体を用いた原子炉用の被覆管である。
本発明の被覆管は、セラミック繊維からなる筒状の組紐体と、組紐体を覆うマトリックスからなる筒部材と、筒部材の第一端部に挿入された第一の端栓と、筒部材の第二端部に挿入された第二の端栓と、からなり、組紐体は、第一の端栓および/または第二の端栓の外表面に沿って筒部材の末端側が狭窄した狭窄部を有するとともに、セラミックマトリックスは第一の端栓および/または第二の端栓と接合している。このため、高い気密性を有するとともに、高い耐熱性、高強度、耐食性を備え、原子炉用の被覆管として好適に利用することができる。
次に、前記課題を解決するための本発明の管状体の製造方法について説明する。
(11)本発明の管状体の製造方法は、マンドレルの第一端部に第一の端栓を組み合わせ、前記マンドレルの第二端部に貫通孔を有する第二の端栓を挿入し、マンドレル組立体を準備するマンドレル準備工程と、前記マンドレル組立体の表面にセラミック繊維を製織して組紐体を形成するブレーディング工程と、前記組紐体のセラミック繊維間にセラミックマトリックスを形成して筒部材を形成するマトリックス形成工程と、前記筒部材から前記第一の端栓および前記第二の端栓を残してマンドレルを抜き取るマンドレル抜取り工程と、からなり、前記筒部材には、前記第一の端栓および/または前記第二の端栓の外表面に沿って狭窄部を有する。
なお、別途作製した組紐体をマンドレル組立体に組み合わせてもよい。
本発明の管状体の製造方法によれば、マンドレルの第一端部に第一の端栓を組み合わせ、貫通孔を有する第二の端栓にマンドレルの第二端部を挿入して、マンドレル組立体を準備するマンドレル準備工程を有しているので、管状体の両端に第一の端栓および第二の端栓を正確に配置することができる。
また、マンドレル組立体の表面にセラミック繊維を製織して組紐体を形成するブレーディング工程を有しているので、第一の端栓から第二の端栓に及ぶ筒部材を寸法精度よく形成することができる。
さらに、組紐体のセラミック繊維間にセラミックマトリックスを形成して筒部材を形成するマトリックス形成工程を有しているので、強度の高いセラミック繊維強化セラミック複合材を得ることができる。
マトリックス形成工程は、どのようなプロセスでもよく特に限定されない。
マトリックス形成工程では、セラミック前駆体を液中に浸漬し、セラミック前駆体を焼成してセラミックマトリックスを形成する前駆体法を用いることができる。
またマトリックス形成工程では、CVD炉中で、原料ガスを導入してCVD被膜を形成するCVD法を用いることができる。
さらに、CVD法、前駆体法を組み合わせて用いることもできる。
また、筒部材から第一の端栓および第二の端栓を残してマンドレルを抜き取るマンドレル抜取り工程を有しているので、管状体の内部に固体、液体、ガスなどを封入した後、閉鎖し、密閉構造を形成することができる。なお、第二の端栓は貫通孔を有しているので、マンドレルを容易に抜き取ることができる。
筒部材には、第一の端栓および/または第二の端栓の外表面に沿って狭窄部を有する。
また、こうして得られた管状体は、セラミック繊維からなる筒状の組紐体と、組紐体を覆うマトリックスとからなる筒部材を有しているので、筒部材は、セラミック/セラミック複合材であり、高い強度と耐熱性を有し、過酷な環境下でも使用することができる。
また、筒部材の第一端部に挿入された第一の端栓と、筒部材の第二端部に挿入された第二の端栓とを有しているので、管状体を密閉したり、第一の端栓または第二の端栓に管などを接続したりして使用することができ、気密構造を有する管状体を得ることができる。
また組紐体は、第一の端栓および/または第二の端栓の外表面に沿って筒部材の末端側が狭窄した狭窄部を有しているので、第一の端栓または第二の端栓が筒部材から抜けない構造をとることができ、第一の端栓または第二の端栓と筒部材との接続信頼性を高めることができる。
また、セラミックマトリックスは第一の端栓および第二の端栓と接合しているので、筒部材と第一の端栓および第二の端栓との間の気密性を確保することができる。
さらに、第二の端栓に、貫通孔を有しているので、管状体の内部に固体、液体、ガスなどを封入した後、閉鎖し、密閉することができる。例えば、核燃料、パージガスなどを封入することができる。
さらに、本発明の管状体の製造方法は、以下の態様であることが望ましい。
(12)前記第一の端栓および/または前記第二の端栓は、前記筒部材の狭窄部に沿ったテーパ面を有する。
第一の端栓および/または第二の端栓と筒部材の狭窄部とは、テーパ面で接しているので、筒部材を構成するセラミック繊維にかかる曲げ応力を緩和する。さらに、テーパ面で接するので、第一の端栓または第二の端栓と筒部材との接する面積を大きく取ることができ、接続信頼性を高めることができる。
(13)前記第一の端栓および/または前記第二の端栓は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなる。
これらの素材は、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有しているので管状体の第1の端栓または第二の端栓として好適に利用することができる。SiCまたはTiSiCは、セラミックであるので特に高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有しているので、好適に利用することができる。Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlは、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有する金属であるとともに、容易に溶接、ロウ付けすることができ、好適に利用することができる。
(14)前記セラミック繊維は、SiC繊維である。
SiC繊維は、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有するセラミック繊維であるので好適に利用することができる。
(15)前記セラミックマトリックスは、SiCである。
SiCは、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有するセラミック繊維であるので好適に利用することができる。
(16)前記第一の端栓は、前記筒部材の開口端側が面取りされた円柱形状である。
第一の端栓が、筒部材の開口端側が面取りされた円柱形状であるので、筒部材は第一の端栓の面取りの部分まで筒部材と同じ内径で構成することができる。このため、応力集中の起こりやすい屈曲部を管状体の内部空間に接しないようにすることができ、高強度の管状体を得ることができる。
(17)前記第二の端栓は、両側にテーパ面を有し中央部が膨らんだ樽形状である。
第二の端栓が、両側にテーパ面を有し中央部が膨らんだ樽形状であるので、両側にテーパ面を有している。このため、内圧または外圧のいずれが端栓にかかっても、より強固に結合することができる。
(18)前記第二の端栓は、貫通孔の内面と筒部材の中央側のテーパ面とが接するエッジを有し、前記筒部材は、前記エッジに接する。
第二の端栓は、貫通孔の内面と筒部材の中央側のテーパ面とが接するエッジを有し、筒部材は、エッジに接する構造であるので、貫通孔の内径と、筒部材の内径とをほぼ同一にすることができ、固体を挿入する際に、貫通孔との干渉をなくすことができる。例えば、筒部材に挿入できる最大サイズの固体を貫通孔の大きさの影響なく、挿入することができる。これは、核燃料ペレットを挿入する際に好都合である。
また、第二の端栓と筒部材の内径を同一にすることができるので、ストレートのマンドレルを用いても筒部材の内面を精度よく保持することができる。このため、得られる管状体の寸法精度を高めることができる。
(19)前記貫通孔には、さらに第三の端栓が挿入されている。
貫通孔に第三の端栓が挿入されているので、互いに高い寸法精度で勘合させることができ、高い気密性を確保することができる。
次に、前記課題を解決するための本発明の被覆管の製造方法について説明する。
(20)本発明の被覆管の製造方法では、前記管状体を用いて原子炉用の被覆管を製造する。
本発明の被覆管の製造方法で製造される被覆管は、セラミック繊維からなる筒状の組紐体と、組紐体を覆うマトリックスからなる筒部材と、筒部材の第一端部に挿入された第一の端栓と、筒部材の第二端部に挿入された第二の端栓と、を有する。組紐体は、第一の端栓および/または第二の端栓の外表面に沿って筒部材の末端側が狭窄した狭窄部を有するとともに、セラミックマトリックスは第一の端栓および/または第二の端栓と接合しているので、高い気密性を有するとともに、高い耐熱性、高強度、耐食性を備え、原子炉用の被覆管として好適に利用することができる。
本発明の管状体によれば、セラミック繊維からなる筒状の組紐体と、組紐体を覆うマトリックスとからなる筒部材を有しているので、筒部材は、セラミック/セラミック複合材であり、高い強度と耐熱性を有し、過酷な環境下でも使用することができる。また、筒部材の第一端部に挿入された第一の端栓と、筒部材の第二端部に挿入された第二の端栓とを有しているので、管状体を密閉したり、第一の端栓または第二の端栓に管などを接続したりして使用することができ、気密構造を有する管状体を得ることができる。また、組紐体は、第一の端栓および/または第二の端栓の外表面に沿って筒部材の末端側が狭窄した狭窄部を有しているので、第一の端栓または第二の端栓が筒部材から抜けない構造をとることができ、第一の端栓または第二の端栓と筒部材との接続信頼性を高めることができる。また、セラミックマトリックスは第一の端栓および第二の端栓と接合しているので、筒部材と第一の端栓および第二の端栓との間の気密性を確保することができる。さらに、第二の端栓に、貫通孔を有しているので、管状体の内部に固体、液体、ガスなどを封入した後、閉鎖し、密閉することができ、例えば、核燃料、パージガスなどを封入することができる。
(A)は本実施形態に係る管状体の断面図であり、(B)は(A)中“B”部分の拡大図であり、(C)は(A)中“C”部分の拡大図である。 管状体の製造方法を示す工程図である。 (A)マンドレル準備工程におけるマンドレル組立体を示す断面図であり、(B)は正面図である。 (A)はブレーディング工程において組紐体を形成する状態を示す説明図であり、(B)はセラミック繊維をマンドレル組立体に巻きつけて組紐体を形成する装置の全体図であり、(C)は形成された組紐体の斜視図である。 マトリックス形成工程を示す正面図である。 マンドレル抜取り工程を示す正面図である。 (A)〜(D)は第一端部および第一の端栓の変形例を示す断面図である。 (A)〜(C)は第二端部および第二の端栓の変形例を示す断面図である。
本発明の管状体について説明する。
本発明の管状体は、例えば円筒形状の筒部材を有する。筒部材は、例えばSiC繊維等のセラミック繊維からなる筒状の組紐体と、組紐体を覆う例えばSiC等のセラミックマトリックスとを有する。
組紐体は、長手方向に沿って中空部を有し、一方の端部である第一端部および他方の端部である第二端部において開口している。組紐体の第一端部は、長手方向外側に向かって縮径する円錐台形状のテーパ面で形成される狭窄部を有する。また、組紐体の第二端部は、長手方向外側に向かって一旦拡径する第一のテーパと、第一のテーパに連続し中空部と同心円状の平行部と、平行部に連続して縮径する第二のテーパを有する。従って、第二端部は、中央部が膨らんだ樽形状を呈している。
筒部材は、このように形成された組紐体をセラミックマトリックスにより覆って形成されているので、筒部材の長手方向両端部は、組紐体の第一端部および第二端部と同様の形状をしている。
筒部材の第一端部には、第一の端栓が挿入されている。
第一端部は長手方向外側に向かって縮径する狭窄部を有するので、第一の端栓の先端部は狭窄部に対応した形状となっている。すなわち、第一の端栓の先端には、狭窄部のテーパ面に沿ったテーパ面を有する。また、第一の端栓の内側端部(先端部と反対側端部)には、先端部側に凹んだ凹部が設けられている。第一の端栓は、セラミックマトリックスと接合している。
なお、第一の端栓は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなることが望ましい。
筒部材の第二端部には、第二の端栓が挿入されている。
第二端部は中央部が膨らんだ樽形状を呈しており、第二の端栓は第二端部に対応した樽形状となっている。すなわち、第二の端栓は、組紐体の第二端部の第一のテーパに沿った第一のテーパ面と、組紐体の平行部に沿った平行部と、組紐体の第二のテーパに沿った第二のテーパ面を有する。そして、第二の端栓は、中央部を貫通する貫通孔を有する。貫通孔の内面の長手方向中央側端部(エッジ)は、筒部材の第一のテーパに接している。ここでは、エッジは、筒部材の第一のテーパと中空部の内面との接合点に一致しており、中空部と貫通孔とは、スムーズに連続している。なお、第二の端栓は、セラミックマトリックスと接合している。
なお、第二の端栓は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなることが望ましい。
第二の端栓の貫通孔には、第三の端栓が取り付けられる。第三の端栓は着脱可能であり、且つ、貫通孔に取り付けられて筒部材の中空部を密閉することができる。
なお、第三の端栓は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなることが望ましい。
このような筒部材は、原子炉用の被覆管として用いることができる。
次に、本発明の管状体の製造方法について説明する。
管状体の製造方法は、マンドレル準備工程と、ブレーディング工程と、マトリックス形成工程と、マンドレル抜取り工程とを有する。
マンドレル準備工程では、マンドレルの第一端部側に第一の端栓を組み合わせる。このとき、マンドレルの第一端部側の端面に、第一の端栓に設けられている凹部に嵌合する凸部を設けておき、凸部を凹部に嵌合させて組み合わせる。さらに、マンドレルの第二端部側に第二の端栓を組み合わせる。このとき、第二の端栓の貫通孔にマンドレルの第二端部側を挿入してマンドレル組立体を作製する。
ブレーディング工程では、組紐体形成装置を用いてマンドレル組立体の表面にセラミック繊維を製織して組紐体を形成する。組紐体形成装置では、水平な円盤上を走行する複数のボビンから組糸(セラミック繊維)をマンドレル組立体上に交絡させて配列させると同時に、円盤の中心孔を通過するタテ糸(セラミック繊維)をマンドレル組立体の軸心方向に沿うように配列させて、三軸織りの組紐体を形成する。
なお、マンドレル組立体の周面に糸状のセラミック繊維を編み込むようにして組紐体を形成したが、予めセラミック繊維を筒状に編み込んだものをマンドレル組立体に被せて組紐体を形成することも可能である。
マトリックス形成工程では、組紐体のセラミック繊維間にセラミックマトリックスを形成して筒部材を形成する。
そして、マンドレル抜取り工程では、セラミックマトリックスを形成した筒部材から、第一の端栓および第二の端栓を残してマンドレルを抜き取る。さらに筒部材の両端の不要部分を適宜カットする。
以上の工程により、管状体が製造される。管状体は、原子炉用の被覆管として用いられる。
以下、発明を実施するための形態を説明する。
図1(A)に示すように、本実施形態の管状体10は、例えば円筒形状の筒部材20を有する。図1(B)および図1(C)に示すように、筒部材20は、例えばSiC繊維等のセラミック繊維からなる筒状の組紐体21と、組紐体21を覆う例えばSiC等のセラミックマトリックス22とを有する。
組紐体21は、長手方向に沿って中空部211を有し、一方の端部(図1(A)において右端)である第一端部23および他方の端部(図1(A)において左端)である第二端部24において開口している。組紐体21の第一端部23は、長手方向外側に向かって縮径する円錐台形状のテーパ面251で形成される狭窄部25を有する。また、組紐体21の第二端部24は、長手方向外側に向かって一旦拡径する第一のテーパ241と、第一のテーパ241に連続し中空部211と同心円状の平行部242と、平行部242に連続して縮径する第二のテーパ243を有する。従って、第二端部24は、中央部が膨らんだ樽形状を呈している。
筒部材20は、このように形成された組紐体21をセラミックマトリックス22により覆って形成されているので、筒部材20の長手方向両端部は、組紐体21の第一端部23および第二端部24と同様の形状をしている。
なお、以後の説明においては、組紐体21の第一端部23および第二端部24の表示を、筒部材20の第一端部23および第二端部24と共通して使用することとする。また、組紐体21の狭窄部25の表示も、筒部材20の狭窄部25と共通して使用することとする。
図1(C)に示すように、筒部材20の第一端部23には、第一の端栓31が挿入されている。
第一端部23は長手方向外側に向かって縮径する狭窄部25を有するので、第一の端栓31の先端部は狭窄部25に対応した形状となっている。すなわち、第一の端栓31の先端には、狭窄部25のテーパ面251に沿ったテーパ面311を有する。また、第一の端栓31の内側端部(先端部と反対側端部)には、先端部側に凹んだ凹部312が設けられている。第一の端栓31は、セラミックマトリックス22と接合している。
なお、第一の端栓31は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなることが望ましい。
図1(B)に示すように、筒部材20の第二端部24には、第二の端栓32が挿入されている。
第二端部24は中央部が膨らんだ樽形状を呈しており、第二の端栓32は第二端部24に対応した樽形状となっている。すなわち、第二の端栓32は、組紐体21の第二端部24の第一のテーパ241に沿った第一のテーパ面321と、組紐体21の平行部242に沿った平行部322と、組紐体21の第二のテーパ243に沿った第二のテーパ面323を有する。そして、第二の端栓32は、中央部を貫通する貫通孔324を有する。貫通孔324の内面の長手方向中央側端部(エッジ325)は、筒部材20の第一のテーパ241に接している。ここでは、エッジ325は、筒部材20の第一のテーパ241と中空部211の内面212との接合点に一致しており、中空部211と貫通孔324とは、スムーズに連続している。なお、第二の端栓32は、セラミックマトリックス22と接合している。
なお、第二の端栓32は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなることが望ましい。
第二の端栓32の貫通孔324には、第三の端栓33が取り付けられる。第三の端栓33は着脱可能であり、且つ、貫通孔324に取り付けられて筒部材20の中空部211を密閉することができる。
なお、第三の端栓33は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなることが望ましい。
このような筒部材20は、原子炉用の被覆管として用いることができる。
次に、本実施形態の管状体10の製造方法について説明する。
図2に示すように、管状体10の製造方法は、マンドレル準備工程S1と、ブレーディング工程S2と、マトリックス形成工程S3と、マンドレル抜取り工程S4とを有する。
図3(A)および図3(B)に示すように、マンドレル準備工程S1では、マンドレル41の第一端部23側に第一の端栓31を組み合わせる。このとき、マンドレル41の第一端部23側の端面に、第一の端栓31に設けられている凹部312に嵌合する凸部42を設けておき、凸部42を凹部312に嵌合させて組み合わせる。さらに、マンドレル41の第二端部24側に第二の端栓32を組み合わせる。このとき、第二の端栓32の貫通孔324にマンドレル41の第二端部24側を挿入してマンドレル組立体43を作製する。
図4(A)に示すように、ブレーディング工程S2では、マンドレル組立体43の表面にセラミック繊維44を製織して組紐体21を形成する。図4(B)には、組紐体21を形成する組紐体形成装置45の一例が示されている。この組紐体形成装置45では、水平な円盤46上を走行する複数のボビン47から組糸441(セラミック繊維44)をマンドレル組立体43上に交絡させて配列させると同時に、円盤46の中心孔461を通過するタテ糸442(セラミック繊維44)をマンドレル組立体43の軸心方向に沿うように配列させて、三軸織りの組紐体21(図4(C)参照)を形成する。
なお、図4においては、マンドレル組立体43の周面に糸状のセラミック繊維44を編み込むようにして組紐体21を形成したが、予めセラミック繊維を筒状に編み込んだものをマンドレル組立体43に被せて組紐体21を形成することも可能である。
図5に示すように、マトリックス形成工程S3では、組紐体21のセラミック繊維44間にセラミックマトリックス22を形成して筒部材20を形成する。
そして、図6に示すように、マンドレル抜取り工程S4では、セラミックマトリックス22を形成した筒部材20から、第一の端栓31および第二の端栓32を残してマンドレル41を抜き取る。さらに筒部材の両端の不要部分を適宜カットする。
以上の工程により、管状体10が製造される。管状体10は、原子炉用の被覆管として用いられる。
次に、本実施形態の管状体10の作用・効果について説明する。
本実施形態の管状体10によれば、セラミック繊維44からなる筒状の組紐体21と、組紐体21を覆うセラミックマトリックス22とからなる筒部材20を有している。筒部材20は、セラミック/セラミック複合材であり、高い強度と耐熱性を有するので、過酷な環境下でも使用することができる。
また、筒部材20の第一端部23に挿入された第一の端栓31と、筒部材20の第二端部24に挿入された第二の端栓32とを有しているので、管状体10を密閉したり、第一の端栓31または第二の端栓32に管などを接続したりして使用することができ、気密構造を有する管状体10を得ることができる。
また、組紐体21は、第一の端栓31の外表面に沿って筒部材20の末端側が狭窄した狭窄部25を有しているので、筒部材20の内圧が高まっても第一の端栓31が筒部材20から抜けない構造をとることができ、第一の端栓31と筒部材20との接続信頼性を高めることができる。
また、セラミックマトリックス22は第一の端栓31および第二の端栓32と接合しているので、筒部材20と第一の端栓31および第二の端栓32との間の気密性を確保することができる。
さらに、第二の端栓32に、貫通孔324を有しているので、管状体10の内部に固体、液体、ガスなどを封入した後、閉鎖し、密閉することができる。例えば、核燃料、パージガスなどを封入することができる。
本実施形態の管状体10によれば、第一の端栓31と筒部材20の狭窄部25とは、テーパ面251で接しているので、筒部材20を構成するセラミック繊維44にかかる曲げ応力を緩和する。さらに、テーパ面251で接するので、第一の端栓31と筒部材20との接する面積を大きく取ることができ、接続信頼性を高めることができる。
本実施形態の管状体10によれば、第一の端栓31および第二の端栓32は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなる。これらの素材は、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有しているので、管状体10の第一の端栓31または第二の端栓32として好適に利用することができる。SiCまたはTiSiCは、セラミックであるので特に高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有しているので、好適に利用することができる。Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlは、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有する金属であるとともに容易に溶接、ロウ付けすることができ、好適に利用することができる。
本実施形態の管状体10によれば、セラミック繊維44は、SiC繊維である。SiC繊維は、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有するセラミック繊維44であるので好適に利用することができる。
本実施形態の管状体10によれば、セラミックマトリックス22は、SiCである。SiCは、高い耐熱性を有するとともに、高強度、耐食性を有するセラミック繊維44であるので好適に利用することができる。
本実施形態の管状体10によれば、第一の端栓31が、筒部材20の開口端側が面取りされた円柱形状であるので、筒部材20は第一の端栓31の面取りの部分まで筒部材20と同じ内径で構成することができる。このため、応力集中の起こりやすい屈曲部を管状体10の中空部211に接しないようにすることができ、高強度の管状体10を得ることができる。
本実施形態の管状体10によれば、第二の端栓32は、両側にテーパ面251を有し中央部が膨らんだ樽形状であるので、両側に第一のテーパ241および第二のテーパ243を有する。このため、内圧または外圧のいずれが第二の端栓32にかかってもより強固に結合することができ、筒部材20から抜けない構造をとることができるので、第二の端栓32と筒部材20との接続信頼性を高めることができる。
本実施形態の管状体10によれば、第二の端栓32は、貫通孔324の内面と筒部材20の中央側のテーパ面251とが接するエッジ325を有するとともに、筒部材20は、エッジ325に接する構造であるので、貫通孔324の内径と、筒部材20の内径とをほぼ同一にすることができる。これにより、固体を挿入する際に、貫通孔324との干渉をなくすことができる。例えば、筒部材20に挿入できる最大サイズの固体を貫通孔324の大きさの影響なく、挿入することができる。これは、核燃料ペレットを挿入する際に好都合である。
本実施形態の管状体10によれば、貫通孔324に第三の端栓33が挿入されているので、互いに高い寸法精度で勘合させることができ、高い気密性を確保することができる。
本実施形態の被覆管は、管状体10を用いている。従って、セラミック繊維44からなる筒状の組紐体21と、組紐体21を覆うセラミックマトリックス22からなる筒部材20と、筒部材20の第一端部23に挿入された第一の端栓31と、筒部材20の第二端部24に挿入された第二の端栓32と、を有する。組紐体21は、第一の端栓31の外表面に沿って筒部材20の末端側が狭窄した狭窄部25を有するとともに、第二の端栓32は樽形状を呈している。また、セラミックマトリックス22は第一の端栓31および第二の端栓32と接合している。このため、高い気密性を有するとともに、高い耐熱性、高強度、耐食性を備え、原子炉用の被覆管として好適に利用することができる。
本実施形態の管状体10の製造方法によれば、マンドレル準備工程S1を有している。マンドレル準備工程S1では、マンドレル41の第一端部23に第一の端栓31を組み合わせ、貫通孔324を有する第二の端栓32にマンドレル41の第二端部24を挿入して、マンドレル組立体43を準備する。このため、管状体10の両端に第一の端栓31および第二の端栓32を正確に配置することができる。
また、マンドレル組立体43の表面にセラミック繊維44を製織して組紐体21を形成するブレーディング工程S2を有しているので、第一の端栓31から第二の端栓32に及ぶ筒部材20を寸法精度よく形成することができる。
さらに、組紐体21のセラミック繊維44間にセラミックマトリックス22を形成して筒部材20を形成するマトリックス形成工程S3を有しているので、強度の高いセラミック繊維強化セラミック複合材を得ることができる。
マトリックス形成工程S3は、どのようなプロセスでもよく特に限定されない。
マトリックス形成工程では、セラミック前駆体を液中に浸漬し、セラミック前駆体を焼成してセラミックマトリックス22を形成する前駆体法を用いることができる。またマトリックス形成工程では、CVD炉中で、原料ガスを導入してCVD被膜を形成するCVD法を用いることができる。さらに、CVD法、前駆体法を組み合わせて用いることもできる。
また、筒部材20から第一の端栓31および第二の端栓32を残してマンドレル41を抜き取るマンドレル抜取り工程S4を有しているので、管状体10の内部に固体、液体、ガスなどを封入した後、閉鎖し、密閉構造を形成することができる。なお、第二の端栓32は貫通孔324を有しているので、マンドレル41を容易に抜き取ることができる。
筒部材20は、第一端部23に第一の端栓31の外表面に沿って狭窄部25を有するので、マンドレル41を第二端部24側に引き抜くことができる。
また、こうして得られた管状体10は、セラミック繊維44からなる筒状の組紐体21と、組紐体21を覆うセラミックマトリックス22とからなる筒部材20を有しているので、筒部材20は、セラミック/セラミック複合材であり、高い強度と耐熱性を有し、過酷な環境下でも使用することができる。
また、筒部材20の第一端部23に挿入された第一の端栓31と、筒部材20の第二端部24に挿入された第二の端栓32とを有しているので、管状体10を密閉したり、第一の端栓31または第二の端栓32に管などを接続したりして使用することができ、気密構造を有する管状体10を得ることができる。
また、組紐体21は、第一の端栓31の外表面に沿って筒部材20の末端側が狭窄した狭窄部25を有しているので、第一の端栓31が筒部材20から抜けない構造をとることができ、第一の端栓31と筒部材20との接続信頼性を高めることができる。
また、第二の端栓32は、両側にテーパ面251を有し中央部が膨らんだ樽形状であるので、両側に第一のテーパ241および第二のテーパ243を有する。このため、内圧または外圧のいずれが第二の端栓32にかかってもより強固に結合することができ、筒部材20から抜けない構造をとることができるので、第二の端栓32と筒部材20との接続信頼性を高めることができる。
また、セラミックマトリックス22は第一の端栓31および第二の端栓32と接合しているので、筒部材20と第一の端栓31および第二の端栓32との間の気密性を確保することができる。
さらに、第二の端栓32に、貫通孔324を有しているので、管状体10の内部に固体、液体、ガスなどを封入した後、閉鎖し、密閉することができる。例えば、核燃料、パージガスなどを封入することができる。
なお、本発明の管状体10は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、本実施形態においては、管状体10の第一端部23に狭窄部25を設けたが、第二端部24に設けることもできる。さらに、第一端部23および第二端部24の両側に設けることも可能である。
また、第一の端栓31および第二の端栓32の形状も、前述の実施形態の形状に限定するものではない。
以下に、管状体10の第一端部23および第一の端栓31の変形例を示す。
図7(A)に示す管状体101では、第一端部23の形状は前述した実施形態と変わらないが、第一の端栓31Aの内側端面に凹部312(図1(C)参照)が設けられず平坦となっている。このようにしても、前述した実施形態の管状体10と同様の作用・効果を得ることができる。
また、図7(B)に示す管状体102では、第一端部23Aの外周面に、外側に突出する拡径部231が設けられており、筒部材20の内面には凹部232が設けられている。前述した狭窄部25(図1(C)参照)は設けられていない。これに対応して、第一の端栓31Bには、凹部232に嵌合する凸部313が設けられている。このようにしても、前述した実施形態の管状体10と同様の作用・効果を得ることができるとともに、さらに、第一の端栓31Bを筒部材20の中心側へ押す力が作用しても、移動するのを防止できる。
また、図7(C)に示す管状体103は前述した実施形態の管状体10と同様の形状をしているが、第一の端栓31Cの中心部に管状体103の内部と外部とを連通する連通孔314が設けられている。先端に突起421を有するマンドレル41を用いる場合に適する。
さらに、図7(D)に示す管状体104では、第一の端栓31Dの内面に、前述した凹部312(図1(C)参照)に代わって凸部315が設けられている。
次に、管状体10の第二端部24および第二の端栓32の変形例を示す。
図8(A)に示す管状体105では、第二の端栓32Aの貫通孔324の大きさが、筒部材20の中空部211(図1(B)参照)の内径に比べて小さい。この場合、第二の端栓32Aを製造する際に、第二の端栓32Aの厚さに相当する部分213に例えば可燃物や砂等を充填しておき、中心に貫通孔324の大きさに相当する棒部材34を挿入して第二の端栓32Aを製造することができる。第二の端栓32Aを製造した後、棒部材34を抜取り、可燃物や砂等を除去する。
図8(B)に示す管状体106では、第二の端栓32Bの断面形状が、前述した実施形態における樽形状の第二の端栓32に比べて扁平である。
図8(C)に示す管状体107では、第二の端栓32Cの貫通孔324の内面に、ねじ部326が形成されている。ねじ部326は、図8(A)の棒部材34にねじ山を設けることにより設けることができる。あるいは、第二の端栓32Cの作成後にねじ部326を形成することも可能である。
これにより、他部材を容易に第二の端栓32Cに着脱することができる。
本発明は、例えば核燃料を挿入して使用する被覆管として用いることができる管状体に適用可能である。
10 管状体
20 筒部材
21 組紐体
22 セラミックマトリックス
23 第一端部
24 第二端部
25 狭窄部
251 テーパ面
31 第一の端栓
32 第二の端栓
321 第一のテーパ面(テーパ面)
323 第二のテーパ面(テーパ面)
324 貫通孔
325 エッジ
33 第三の端栓
41 マンドレル
43 マンドレル組立体
44 セラミック繊維
S1 マンドレル準備工程
S2 ブレーディング工程
S3 マトリックス形成工程
S4 マンドレル抜取り工程

Claims (20)

  1. セラミック繊維からなる筒状の組紐体と前記組紐体を覆うセラミックマトリックスとからなる筒部材と、前記筒部材の第一端部に挿入された第一の端栓と、前記筒部材の第二端部に挿入され貫通孔を有する第二の端栓と、からなり、
    前記組紐体は、前記第一の端栓および/または前記第二の端栓の外表面に沿って前記筒部材の末端側が狭窄した狭窄部を有するとともに、前記セラミックマトリックスは前記第一の端栓および前記第二の端栓と接合していることを特徴とする管状体。
  2. 前記第一の端栓および/または前記第二の端栓は、前記筒部材の狭窄部に沿ったテーパ面を有することを特徴とする請求項1に記載の管状体。
  3. 前記第一の端栓および/または前記第二の端栓は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の管状体。
  4. 前記セラミック繊維は、SiC繊維であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の管状体。
  5. 前記セラミックマトリックスは、SiCであることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の管状体。
  6. 前記第一の端栓は、前記筒部材の開口端側が面取りされた円柱形状であることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の管状体。
  7. 前記第二の端栓は、両側にテーパ面を有し中央部が膨らんだ樽形状であることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の管状体。
  8. 前記第二の端栓は、前記貫通孔の内面と筒部材の中央側のテーパ面とが接するエッジを有し、前記筒部材は、前記エッジに接することを特徴とする請求項7に記載の管状体。
  9. 前記貫通孔には、さらに第三の端栓が挿入されていることを特徴とする請求項8に記載の管状体。
  10. 請求項1〜請求項9のうちのいずれか一項に記載の管状体を用いた原子炉用の被覆管。
  11. マンドレルの第一端部に第一の端栓を組み合わせ、前記マンドレルの第二端部に貫通孔を有する第二の端栓を挿入し、マンドレル組立体を準備するマンドレル準備工程と、
    前記マンドレル組立体の表面にセラミック繊維を製織して組紐体を形成するブレーディング工程と、
    前記組紐体のセラミック繊維間にセラミックマトリックスを形成して筒部材を形成するマトリックス形成工程と、
    前記筒部材から前記第一の端栓および前記第二の端栓を残してマンドレルを抜き取るマンドレル抜取り工程と、からなり、
    前記筒部材には、前記第一の端栓および/または前記第二の端栓の外表面に沿って狭窄部を有することを特徴とする管状体の製造方法。
  12. 前記第一の端栓および/または前記第二の端栓は、前記筒部材の狭窄部に沿ったテーパ面を有することを特徴とする請求項11に記載の管状体の製造方法。
  13. 前記第一の端栓および/または前記第二の端栓は、SiC、TiSiC、Mo、W、ジルカロイまたはFeCrAlのいずれかからなることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の管状体の製造方法。
  14. 前記セラミック繊維は、SiC繊維であることを特徴とする請求項11〜請求項13のうちのいずれか一項に記載の管状体の製造方法。
  15. 前記セラミックマトリックスは、SiCであることを特徴とする請求項11〜請求項14のうちのいずれか一項に記載の管状体の製造方法。
  16. 前記第一の端栓は、前記筒部材の開口端側が面取りされた円柱形状であることを特徴とする請求項11〜請求項15のうちのいずれか一項に記載の管状体の製造方法。
  17. 前記第二の端栓は、両側にテーパ面を有し中央部が膨らんだ樽形状であることを特徴とする請求項11〜請求項15のうちのいずれか一項に記載の管状体の製造方法。
  18. 前記第二の端栓は、貫通孔の内面と筒部材の中央側のテーパ面とが接するエッジを有し、前記筒部材は、前記エッジに接することを特徴とする請求項17に記載の管状体の製造方法。
  19. 前記貫通孔には、さらに第三の端栓が挿入されていることを特徴とする請求項18に記載の管状体の製造方法。
  20. 請求項11〜請求項19のうちのいずれか一項に記載の管状体を用いた原子炉用の被覆管の製造方法。
JP2015199525A 2015-10-07 2015-10-07 管状体および管状体の製造方法 Active JP6491990B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015199525A JP6491990B2 (ja) 2015-10-07 2015-10-07 管状体および管状体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015199525A JP6491990B2 (ja) 2015-10-07 2015-10-07 管状体および管状体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017071531A true JP2017071531A (ja) 2017-04-13
JP6491990B2 JP6491990B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=58538592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015199525A Active JP6491990B2 (ja) 2015-10-07 2015-10-07 管状体および管状体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6491990B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019070370A3 (en) * 2017-10-06 2019-05-31 Westinghouse Electric Company Llc A removable mandrel for automating process to manufacture ceramic composite nuclear fuel cladding tubes
JP2021024758A (ja) * 2019-08-05 2021-02-22 国立大学法人京都大学 接合部材およびそれを備えた接合構造体
CN115171920A (zh) * 2022-06-14 2022-10-11 中国核动力研究设计院 一种核燃料用双层复合包壳管、核燃料及制备方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54124186A (en) * 1978-03-22 1979-09-26 Toshiba Corp Fuel element
JPS63139292A (ja) * 1986-09-15 1988-06-11 ストウツヴイーク・エネルギーテクニク・アクチエボラーグ 核燃料要素
JPH05281397A (ja) * 1992-04-06 1993-10-29 Toshiba Corp 原子炉燃料ペレットの充填方法
JPH07246478A (ja) * 1994-03-09 1995-09-26 Mitsubishi Nuclear Fuel Co Ltd 燃料棒の端栓溶接方法
JP2008501977A (ja) * 2004-06-07 2008-01-24 ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー 原子力発電所における燃料格納容器障壁等に使用される多層セラミックチューブ
JP2009210266A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Ibiden Co Ltd 管状体
JP2012233734A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Toshiba Corp 燃料被覆管接合体およびその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54124186A (en) * 1978-03-22 1979-09-26 Toshiba Corp Fuel element
JPS63139292A (ja) * 1986-09-15 1988-06-11 ストウツヴイーク・エネルギーテクニク・アクチエボラーグ 核燃料要素
JPH05281397A (ja) * 1992-04-06 1993-10-29 Toshiba Corp 原子炉燃料ペレットの充填方法
JPH07246478A (ja) * 1994-03-09 1995-09-26 Mitsubishi Nuclear Fuel Co Ltd 燃料棒の端栓溶接方法
JP2008501977A (ja) * 2004-06-07 2008-01-24 ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー 原子力発電所における燃料格納容器障壁等に使用される多層セラミックチューブ
JP2009210266A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Ibiden Co Ltd 管状体
JP2012233734A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Toshiba Corp 燃料被覆管接合体およびその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019070370A3 (en) * 2017-10-06 2019-05-31 Westinghouse Electric Company Llc A removable mandrel for automating process to manufacture ceramic composite nuclear fuel cladding tubes
JP2021024758A (ja) * 2019-08-05 2021-02-22 国立大学法人京都大学 接合部材およびそれを備えた接合構造体
JP7350254B2 (ja) 2019-08-05 2023-09-26 国立大学法人京都大学 端栓が接合された燃料棒
CN115171920A (zh) * 2022-06-14 2022-10-11 中国核动力研究设计院 一种核燃料用双层复合包壳管、核燃料及制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6491990B2 (ja) 2019-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6491990B2 (ja) 管状体および管状体の製造方法
US8603579B2 (en) Tubular body and method for producing the same
US10734121B2 (en) Double-sealed fuel rod end plug for ceramic-containing cladding
JP6082810B2 (ja) 管状体および管状体の製造方法
US9982350B2 (en) Multilayer composite fuel clad system with high temperature hermeticity and accident tolerance
EP3117439B1 (en) Ceramic reinforced zirconium alloy nuclear fuel cladding with intermediate oxidation resistant layer
KR101189170B1 (ko) 다층구조 세라믹 보호층을 포함하는 핵연료봉 및 이의 제조방법
US10541057B2 (en) Light water reactor fuel rod having ceramic cladding tube and ceramic end plug
CN103732388A (zh) 改进的由陶瓷基体复合材料制成的多层管、产生的核燃料包壳及相关生产方法
KR101526305B1 (ko) 다층구조 금속-세라믹 복합체 핵연료 피복관 및 이의 제조방법
JP2013210372A (ja) 核燃料被覆管及びその製造方法
US8891724B2 (en) Dual-cooled nuclear fuel rod having annular plugs and method of manufacturing the same
EP3174063B1 (en) Channel box for a fuel assembly of a boiling water reactor
EP3002267A1 (fr) Procédé pour la réalisation d'une pièce monolithique composite thermostructurale à double paroi et pièce obtenue
CN201477256U (zh) 一种光纤馈通线
JP6385812B2 (ja) 燃料棒と燃料集合体、および燃料棒の製造方法
JP6460808B2 (ja) 管状体
RU2481654C1 (ru) Тепловыделяющий элемент для ядерных водо-водяных реакторов и способ его изготовления
CN201489167U (zh) 一种用于压水堆核电站安全壳光路连接的光纤馈通线
Pawliw et al. Fibre reinforced fuel sheath

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6491990

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250