JP2017071073A - 熱可塑性樹脂製多層シート及び熱可塑性樹脂製段ボール構造体 - Google Patents

熱可塑性樹脂製多層シート及び熱可塑性樹脂製段ボール構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】静電気の放電を防止することができる熱可塑性樹脂製多層シートを提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂製多層シート20は、13重量%以上、20重量%以下の範囲内の濃度において導電性カーボンを含有している熱可塑性樹脂組成物から形成されている第一樹脂層21の2つの平面部のうちの少なくとも一方に、高分子型帯電防止剤を含有している熱可塑性樹脂組成物から形成されている第二樹脂層22、が積層されている。【選択図】図1

Description

本発明は、家電製品、電気・電子電機部品及びOA機器部品を製造するときに使用される熱可塑性樹脂製多層シート及び熱可塑性樹脂製段ボール構造体であって、長期に渡って使用するのに最適な、静電気の放電を防止するとことができ、且つ、湿度の変化に対して安定した静電気拡散性を維持することができる熱可塑性樹脂製多層シート及び熱可塑性樹脂製段ボール構造体に関する。
半導体回路基板、液晶パネル及びプラズマパネル等の製造現場では、静電気の発生が、不良品の発生及び工程トラブルの原因となる。しかしながら、これらの製造現場では、様々な場面で、作業上、部品や資材等の摩擦や剥離等が頻繁に繰り返される。このため、クリーンルーム内であるにも関わらず、静電気が高い頻度、且つ、高い帯電量で発生する。中でも、プラスチック等の絶縁体は、静電気を拡散させることができず、帯電しやすい物質である。このため、スイッチ、キーボード及びマウス等のプラスチック製の押ボタン部材、ダイヤル等の摺動部材、並びに、レバー部材等のプラスチック製の部材は、作業上、摩擦や剥離等の接触を繰り返すことで、静電気が非常に発生しやすく帯電量の多い部材として注視すべきである。
家電製品や電気・電子電機部品等を製造するときに使用される、プラスチック製の資材には、ポリオレフィン樹脂、塩ビ樹脂及び合成ゴム等の熱可塑性樹脂が主原料として用いられている。このようなプラスチック製の資材は、電気絶縁性であり、静電気が非常に帯電しやすく、静電気への対策が求められる。
静電気への対策としては、プラスチック製の資材に用いられる熱可塑性樹脂に導電剤又は帯電防止剤を添加することで、静電気拡散性を付与する方法が挙げられる。
ここで、導電剤には、一般に、導電性カーボンを挙げることができ、帯電防止剤には、一般的に、低分子型帯電防止剤及び高分子型帯電防止剤を挙げることができる。
カーボンブラックを熱可塑性樹脂に充填する方法(特開昭60−65064号公報及び特開昭55−31103号公報)は公知であるが、熱可塑性樹脂にカーボンブラックを配合するときに、カーボンブラックが飛散し作業環境を悪化させる。また、カーボンブラックを配合するときに生じるせん断発熱によって熱可塑性樹脂の分子量低下を起こす。このため、カーボンブラックを熱可塑性樹脂に分散するために、まず、高濃度のカーボンブラックを含有している熱可塑性樹脂のマスターバッチを製造し、その後、当該マスターバッチを熱可塑性樹脂に配合することが行われている。
低分子型帯電防止剤には、モノグリセリド及びアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等を挙げることができるが、このような低分子型帯電防止剤は分子量が小さいため、容易にブリードする。このため、電子部品の周辺で使用する帯電防止剤としては不向きである。また、低分子型帯電防止剤は、導電性カーボン及び高分子型帯電防止剤と比較して、帯電防止性能の持続性が低く、湿度依存性が高い。
特許文献1には、ポリフェニレンスルフィドに導電性カーボンブラック、天然鱗状黒鉛及び無機充填剤を配合した樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献2には、ポリフェニレンスルフィド樹脂に導電性カーボンブラック、グラファイト及び充填剤を配合した樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献3には、熱可塑性樹脂に導電性カーボンブラック及び人工黒鉛を配合した樹脂組成物が記載されている。
特開昭62−172059号公報(1987年7月29日公開) 特開平1−272665号公報(1989年10月31日公開) 特開平7−286103号公報(1995年10月31日公開)
しかしながら、特許文献1〜3に記載の技術のように、カーボンブラック等の導電性カーボンを配合して熱可塑樹脂製シートを成形すると、熱可塑性樹脂製シートの静電気拡散性を制御することが困難である。これは、熱可塑性樹脂に静電気拡散性を付与するためには、カーボンブラック等の導電性カーボンにより三次元網目構造を形成し、その網目構造を適度につなげて電極間を橋洛する導電通路を形成することによって導電性を制御しなければならないこと、及び、パーコレーション閾値以下の濃度にて導電性カーボンを熱可塑性樹脂に均一に分散することは困難であることによる。
ここで、パーコレーション閾値とは、熱可塑性樹脂の電気抵抗が大きく変化する変曲点における導電性カーボンの濃度のことを意味する。導電性カーボンの濃度がパーコレーション閾値以下では、成形機による混錬時において導電性カーボンの分散が不均一になり易い。このため、導電性カーボンによる三次元網目構造が密に形成された部分において、当該導電性カーボンを含有した熱可塑性樹脂の表面抵抗値が静電気拡散性領域より導電性が高い導電性領域の値を示すことがある。
また、例えば、熱可塑性樹脂に導電性カーボンを含有したマスターバッチを配合し、熱可塑性樹脂製シートを成形する場合においても、導電性カーボンの濃度が、局所的にパーコレーション閾値よりも高くなることがある。このとき、導電性カーボンを含有した熱可塑性樹脂の表面抵抗値が静電気拡散性領域より導電性が高い導電性領域の値を示す。
このように、導電性カーボンを含有した熱可塑性樹脂の表面抵抗値が導電性領域の値を示すときにおいて、例えば、静電気を蓄積した基板が、導電性領域の表面抵抗値を示す部位に接触すると、急激に放電する。この放電は、静電気に脆弱なIC、トランジスタ、又は、回路基板等を破壊するなど極めて重大な障害をもたらす原因となる。
なお、導電性カーボンの濃度がパーコレーション閾値以上になるように熱可塑性樹脂に配合すると、導電性カーボンを含有した熱可塑性樹脂組成物は、導電性領域の表面抵抗値を示す。このため、静電気を蓄積した基板が接触すると、急激に放電する。
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電気の放電を防止するとことができる熱可塑性樹脂製多層シートを提供することにある。
上記の課題を解決すべく、本発明者が鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂製多層シートは、13重量%以上、30重量%以下の範囲内の濃度において導電性カーボンを含有している熱可塑性樹脂組成物から形成されている第一樹脂層の2つの平面部のうちの少なくとも一方に、高分子型帯電防止剤を含有している熱可塑性樹脂組成物から形成されている第二樹脂層が積層されていることを特徴としている。
本発明によれば、静電気の放電を防止することができる熱可塑性樹脂製多層シートを提供することができる。
本発明に係る熱可塑性樹脂製多層シートの一実施形態及びその変形例の概略を説明する図である。
<熱可塑性樹脂製多層シート>
本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂製多層シートは、13重量%以上、30重量%以下の範囲内の濃度において導電性カーボンを含有している熱可塑性樹脂組成物から形成されている第一樹脂層の一方の平面部に、高分子型帯電防止剤を含有している熱可塑性樹脂組成物から形成されている第二樹脂層が積層されている。
例えば、熱可塑性樹脂製シートを連続バッチ式で押出成形する場合、押出成形した後のシートの端部から得られたリペレット、及び、導電性カーボンを含んでいるマスターバッチを、バージン樹脂と混合して再利用することがある。このとき、パーコレーション閾値以下の濃度にて導電性カーボンを含むよう熱可塑性樹脂製シートを製造すると、成形機による混錬では導電性カーボンの濃度にバラつきを生じやすい。このため、熱可塑性樹脂製シートの全面において表面抵抗値が、後述する静電気拡散性領域の値を示すように成形することは困難である。
しかしながら、本実施形態に係る熱可塑樹脂製多層シートによれば、第一樹脂層において、導電性領域の表面抵抗値を有する部位が存在しても、第一樹脂層に積層された第二樹脂層によって、当該導電性領域の表面抵抗値を示す部位に静電気が放出されることを防止することができる。また、第一樹脂層における導電性カーボンの含有量を、当該第一樹脂層の表面抵抗値が導電性領域の値を示す量にしても、第一樹脂層に静電気が放出されることを防止することができる。つまり、本実施形態に係る熱可塑性樹脂製多層シートは、製造時において導電性カーボンの分散性及び濃度を過度に管理せずとも、安定して静電気の放出を防止ことができる熱可塑性樹脂製多層シートである。
また、熱可塑性樹脂に高分子型帯電防止剤を添加した資材等の場合、当該資材における湿度の変化に伴う表面抵抗値の変化は大きい。例えば、冬の湿度が低い環境に置かれると、高分子型帯電防止剤を含んだ熱可塑性樹脂の表面抵抗値は高くなる。より具体的には、高分子型帯電防止剤を含んだ熱可塑性樹脂の表面抵抗値は、静電気拡散性領域を超えた帯電防止性領域の値を示す。これにより、静電気を緩やかに消散させることができず、高分子型帯電防止剤を含んだ熱可塑性樹脂により形成された製品は帯電しやすくなる。このため、例えば、当該製品が帯電し、帯電していない基盤に接触したときに放電する虞がある。
しかしながら、本実施形体に係る熱可塑性樹脂製多層シートでは、導電性カーボンを含有している第一樹脂層と、高分子型帯電防止剤を含有している第二樹脂層とを積層することによって、湿度に対して安定した表面抵抗値を維持することができる。このため、例えば、クリーンルームの外部等における湿度の高い環境下において使用する場合においても、第二樹脂層が摩擦又は剥離するときに生じる静電気を第一樹脂層及び第二樹脂層において拡散することができる。
このため、本実施形態に係る熱可塑性樹脂製多層シートは、作業者が繰り返し作業することにより帯電しやすい部材であるクリーンルーム内の資材(作業台の敷板、棚板、及び作業区画を作る仕切り板)として好適に使用することができる。また、クリーンルーム内において発生する静電気を好適に減衰させることができるため、クリーンルーム内の汚染を低減することができる。また、湿度が管理されているか否かによらず、クリーンルーム又はその他の作業場において静電気の放電を防止することができる。
一般に、熱可塑性樹脂により形成される資材は、配合する導電剤、及び、帯電防止剤の種類や量等によって、その表面抵抗値が変化する。ここで、熱可塑性樹脂は、表面抵抗値の範囲より以下の(1)〜(3)に分離されている。
(1)導電性(conductive)樹脂組成物は、1×10Ω/sq.未満の表面抵抗値を有している樹脂組成物である。導電性樹脂組成物は、高い導電性(低い抵抗値)を有しており、帯電した物体が導電性樹脂組成物に接触した場合に激しく静電気の放電を引き起こす。なお、本明細書中において、導電性領域の表面抵抗値とは、1×10Ω/sq.未満の範囲内の表面抵抗値のことを意味する。
(2)静電気拡散性(static dissipative)樹脂組成物は、1×10Ω/sq.以上、1×10Ω/sq.未満の表面抵抗値を有している樹脂組成物である。静電気拡散性樹脂組成物は、速やかにその帯電を消散する導電性を示すのみならず、帯電した物体が当該熱可塑性樹脂に接触した場合に激しい静電気の放電を防止することができる。なお、静電気拡散性樹脂組成物は、静電場を遮蔽できるほどの導電性を持たない。
(3)帯電防止性(antistatic)樹脂組成物は、1×10Ω/sq.以上、1×1014Ω/sq.未満の表面抵抗値を有している樹脂組成物である。それ自身の帯電をある程度防止できる導電性を有するものの、帯電した物体の静電気を速やかに拡散させるほどの導電性を持たない。なお、本明細書中において、帯電防止性領域の表面抵抗値とは、1×10Ω/sq.以上、1×1014Ω/sq.未満の表面抵抗値のことを意味する。
上記3つの電気特性を備えている樹脂組成物のなかでも、IEC(国際電気標準会議)61340―5−1/5−2における表面抵抗値等で設定されている1×10Ω/sq.以上、1×10Ω/sq.未満の範囲内の表面抵抗値を満たす静電気拡散性樹脂組成物であれば、帯電した物体からの静電気の放電を防止することができ、かつ、静電気拡散性樹脂組成物自身における帯電も防止することができる。このため、第二樹脂層は、静電気拡散性脂組成物により形成されている。なお、本明細書中において、静電気拡散性領域の表面抵抗値とは、1×10Ω/sq.以上、1×10Ω/sq.未満の範囲内の表面抵抗値のことを意味する。また、第一樹脂層は、導電性樹脂組成物、又は、静電気拡散性樹脂組成物により形成することができ、導電性樹脂組成物により形成することがより好ましい。第一樹脂層が、導電性樹脂組成物により形成されていれば、よりすみやかに、静電気を拡散させることができるからである。
〔第一樹脂層〕
第一樹脂層は、13重量%以上、30重量%以下の範囲内の濃度において導電性カーボンを含有している熱可塑性樹脂組成物から形成されている。
なお、第一樹脂層の厚みは特に限定されるものではないが、第一樹脂層の厚みは、10μm以上、2000μm以下の範囲内であることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂には、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、及びポリスチレン系樹脂等を挙げることができ、ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、これらを併用してもよい。ポリエチレン系樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。また、ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンと少量のエチレン及び/又はα−オレフィン等のコモノマーとの共重合体、又はこれらに非晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体が分散している重合体などが挙げられる。特に、剛性や耐熱性の観点でポリプロピレン系樹脂が好ましい。
(導電性カーボン)
導電性カーボンには、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブに代表される炭素フィブリル、カーボンナノファイバー及びグラファイト等を挙げることができる。
導電性カーボンを熱可塑性樹脂に配合することにより、金属を用いて熱可塑性樹脂の導電性を制御する場合よりも、より安価に表面抵抗値を導電性領域の値に調整することができる。
また、導電性カーボンには、カーボンブラック、カーボンナノチューブ又はカーボンナノファイバーを用いることがより好ましく、コスト面からカーボンブラックを用いることがより好ましい。
カーボンブラックは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が250ml/100g以上のものであることが好ましく、より好ましくはDBP吸油量が300ml/100g以上、更に好ましくは350ml/100g以上のカーボンブラックである。ここで言うDBP吸油量とは、ASTM D2414に定められた方法で測定した値である。また、カーボンブラックはBET表面積が200cm/g以上のものであることが好ましく、更には400cm/g以上のものがより好ましい。市販されているカーボンブラックには、例えば、ケッチェンブラックインターナショナルのケッチェンブラックEC及びケッチェンブラックEC−600JD等を挙げることができる。
カーボンナノチューブには、例えば、米国特許4663230号明細書、米国特許4663230号明細書、米国特許5165909号明細書、米国特許5171560号明細書、米国特許5578543号明細書、米国特許5589152号明細書、米国特許5650370号明細書及び米国特許6235674号明細書等に記載されている繊維径が75nm未満で中空構造をした分岐の少ない炭素系繊維を挙げることができる。また、カーボンナノチューブには、1μm以下のピッチでらせんが一周するコイル状形状のものも含まれる。市販されているカーボンナノチューブには、ハイペリオンキャタリスト社のハイペリオンを挙げることができる。
カーボンナノファイバーには、例えば、繊維径が75nm以上で中空構造を有し、分岐構造の多い炭素系繊維を挙げることができる。カーボンナノファイバーの市販品には、例えば、昭和電工(株)のVGCF、VGNF等を挙げることができる。
グラファイトには、例えば、無煙炭・ピッチ等をアーク炉で高温加熱して得られるもの及び、天然に産出される石墨などを挙げることができる。なお、これらグラファイトも、カーボンブラックと同様に、安価に第一樹脂層をすることができる導電剤である。
これら導電性カーボンの熱可塑性樹脂中における濃度は、導電性カーボンの種類及び導電性等に応じて適宜調整すればよいが、例えば、熱可塑性樹脂及び導電性カーボンの合計を100重量%としたとき、13重量%以上、30重量%以下の範囲内の濃度であればよく、より好ましくは15重量%以上、20重量%以下の範囲内の濃度である。導電性カーボンが、13重量%以上、30重量%以下の範囲内の濃度であれば、導電性領域又は静電気拡散性領域の表面抵抗値を備えた、熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
(その他の組成)
本実施形態で使用する熱可塑性樹脂には、成形加工性、及び、熱可塑性樹脂製段多層シートの導電性及び機械的強度を損なわない限りにおいて必要に応じ、シリカ、マイカ及びタルク等の充填剤、ガラス繊維、アラミド繊維及び超高分子量ポリエチレン繊維等の補強材、熱安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤並びに着色剤等の各種添加剤を含んでもよい。
〔第二樹脂層〕
第二樹脂層は、高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物により形成されている。なお、第二樹脂層においても、第一樹脂層と同様に、充填剤、補強材、熱安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤及び着色剤等の各種添加剤を含んでよい。
第二樹脂層は、第一樹脂層の一方の面を被覆するように積層されている。このため、第二樹脂層は、第一樹脂層の表面抵抗値が局所的に導電性領域の表面抵抗値を示す部位をも被覆する。よって、第一樹脂層によって部材等に帯電した静電気が放出されることを防止することができる。
また、第二樹脂層は、第一樹脂層の一方の面を被覆することにより、当該一方の面から、第一樹脂層に含まれている導電性カーボンが脱離することを防ぐことができる。このため、脱離した導電性カーボンによる作業環境の汚染を防止することができる。さらに、第二樹脂層は、導電性カーボンのような黒色系の顔料を含んでいないため、顔料の添加によって所望の色調の成形品とすることができる。
なお、第二樹脂層における熱可塑性樹脂には、上述の熱可塑性樹脂と同様の熱可塑性樹脂を挙げることができる。また、熱可塑性樹脂製多層シートにおいて、第二樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂と、第一樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂とは、異なる熱可塑性樹脂であってもよいが、成形性後の熱膨張率の差に起因する反りを防止するため、及び、第一樹脂層と第二樹脂層との密着性を高めるため、同じ熱可塑性樹脂を用いることがより好ましい。
第二樹脂層の厚みは特に限定されるものではないが、第二樹脂層の厚みは、5μm以上、100μm以下の範囲内であればよい。第二樹脂層は、第一樹脂層に密着するように積層されているため、第二樹脂層において発生した静電気を第一樹脂層にまで伝導することができる。従って、第二樹脂層の膜厚を過度に厚くすることなく、熱可塑性樹脂製多層シートに発生した静電気を拡散することができる。よって、高分子型帯電防止剤の使用量を低減することができ、熱可塑性樹脂製多層シートのコストを低減することができる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂製多層シートの製造方法としては、特に限定されるものではなく、帯電減衰層と導電性樹脂層とを公知の成形加工技術又は公知の貼り合わせ技術で貼り合わせて多層構成とすることによって製造してもよいが、生産性の観点からは、押出成形法が好ましく、公知の多層ダイを用いた多層共押出法によって製造することがより好ましい。
(高分子型帯電防止剤)
高分子型帯電防止剤としては公知のものを使用することができ、例えば、疎水性ブロックと親水性ブロックとのブロック共重合体を用いることができる。高分子型帯電防止剤は、疎水性ブロックと親水性ブロックとが、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合及びウレア結合等によってブロック共重合体を形成している。
疎水性ブロックには、例えば、ポリオレフィンブロックを挙げることができ、ポリオレフィンブロックには、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体からなるブロック等を挙げることができる。ここで、ポリオレフィンブロックは、フッ素変性されていてもよい。また、疎水性ブロックは、疎水性であればよく、例えば、アルキレン基や芳香族基等の疎水性基を有している疎水性アミン、疎水性エステル、疎水性アミド、疎水性イミド、及び、疎水性エステルアミド等であってもよい。また、疎水性ブロックは、例えば、アルキル基等の疎水性の側鎖を有していてもよい。
ポリオレフィンブロック等の疎水性ブロックは、その両末端にカルボニル基、水酸基、及び、アミノ基等の極性基を有している。疎水性ブロックが両末端に有している極性基を、親水性ブロックの両末端に存在するカルボニル基、水酸基、及び、アミノ基等に重合させるか、或いは、ジイソシアネートやジグリシジルエーテル等によって架橋させることにより、疎水性ブロックと親水性ブロックとのブロック共重合体を得ることができる。
親水性ブロックには、例えば、ポリエーテルブロック、ポリエーテル含有親水性ポリマーブロック、カチオン性ポリマーブロック及びアニオン性ポリマーブロックを挙げることができる。ポリエーテルブロックは、典型的には、ポリエーテルジオールであり、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体などを挙げることかできる。ポリエーテル含有親水性ポリマーブロックとは、ポリエーテルセグメントを有するものであり、ポリエーテルジアミン、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド及びエーテルウレタン等を挙げることができる。また、ポリエーテルブロック及びポリエーテルのセグメントは、直鎖状であってもよく、分岐していてもよい。また、カチオン性ポリマーブロックには、BF 、PF 、BFCl、及び、PFCl等の超強酸アニオンを対イオンする4級アンモニウム塩構造、又は、はホスホニウム塩構造が、非イオン性分子鎖で隔てられたているカチオン性ポリマーブロックを挙げることができる。また、アニオン性ポリマーブロックには、スルホニル基のみが塩となったスルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸と、ジオール又はポリエーテとが共重合したポリマーブロックを挙げることができる。このような高分子帯電防止剤については、例えば、特開2001−278985号公報、特開2003−048990号公報、及び、特開2012−031395号公報に詳細に記載されている。
以上のような構造を示す高分子型帯電防止剤のうち、例えば、ポリオレフィン−ポリエーテルブロック共重合体、ポリエーテルと疎水性エステルアミドとのブロック共重合体であるポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルと疎水性アミドとのブロック共重合体であるポリエーテルアミド、又は、ポリエーテルと疎水性アミドイミドとのブロック共重合体であるポリエーテルアミドイミド、或いは、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体をより好ましく用いることができる。また、例えば、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂を用いる場合、高分子型帯電防止剤には、相溶性の観点からポリプロピレン−ポリエーテルブロック共重合体に例示される、特開2008−274031号公報に記載されたポリオレフィン部及び親水性ポリマー部の各々のブロックが繰り返し交互に結合した構造を有するブロック共重合体を用いることが好ましい。
なお、高分子型帯電防止剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、更に帯電防止性向上させるために、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、4級アンモニウム塩、界面活性剤及びイオン性液体等が配合されていいてもよい。
ポリエーテルエステルアミドの市販品としては、富士化成工業株式会社製のTPAEが挙げられる。ポリプロピレン−ポリエーテルブロック共重合体の市販品としては、三洋化成工業株式会社製のペレスタット300、ペレスタット230及びペレクトロンPVL等が挙げられる。
これら高分子型帯電防止剤の少なくとも1種を用いることにより、第二樹脂層における静電気拡散性を好適に持続させることができる。
高分子型帯電防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂、高分子型帯電防止剤の種類、並びに、熱可塑性樹脂多層シートの形状によって適宜調整すればよく、限定されるものではないが、熱可塑性樹脂及び高分子型帯電防止剤の合計を100重量%とするとき、10重量%以上、60重量%以下の範囲内であることが好ましく、10重量%以上、50重量%以下の範囲内であることがより好ましい。第二樹脂層における高分子型帯電防止剤の濃度が10重量%以上であれば、第一樹脂層に積層したときに、静電拡散領域の表面抵抗値を示す熱可塑性樹脂製多層シートを得ることができる。また、高分子型帯電防止剤の濃度が60重量%以下であれば、熱可塑性樹脂多層シートの形状を安定して保持性することができ、好適な表面平滑性を得ることができる。
〔別の実施形態に係る熱可塑性樹脂製多層シート〕
熱可塑性樹脂製多層シートは、上記実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態に係る熱可塑性樹脂製多層シートは、第一樹脂層の2つの平面部の一方に、第二樹脂層が積層されており、当該第一樹脂層における第二樹脂層が積層されている平面部の裏側の平面部に、さらに、別の第二樹脂層が積層されている。
上記の構成によれば、第一樹脂層の2つの平面部を第二樹脂層によって被覆することができる。従って、熱可塑性樹脂製多層シートの両面において、帯電した部材からの静電気の放出を防止することができる。また、第一樹脂層の両面から、導電性カーボンが脱離することを防ぐことができる。
さらに、別の実施形態に係る熱可塑性樹脂製多層シートは、3種5層、すなわち、第二樹脂層、第一樹脂層、熱可塑性樹脂層、別の第一樹脂層、及び、別の第二樹脂層がこの順に積層されている構成である。なお、熱可塑性樹脂層とは、高分子型帯電防止剤及び導電性カーボンを含んでいない樹脂層のことを指す。
熱可塑性樹脂製多層シートは、少なくとも一方の表層が第二樹脂層であり、かつ、当該第二樹脂層と第一樹脂層とが密接するように積層されていれば、その構成は限定されない。
<プラスチック段ボール>
本発明の一実施形態に係るプラスチック段ボール(熱可塑性樹脂製段ボール構造体)について、図1を用いてより詳細に説明する。
図1の(a)は、本発明の一実施形態に係るプラスチック段ボール10の概略を説明する図である。図1の(a)に示すように、ライナー部(平板部)20とリブ部(連結部)30とを備えており、ライナー部20は、第一層21及び第二層22から構成されている。ここで、2つの第一層21は、第二樹脂層により構成されている。また、2つの第二層22と複数のリブ部30とは、第一樹脂層を形成する熱可塑性樹脂組成物を押出成形することによって一体的に成形されている。つまり、プラスチック段ボール10は、2種3層の熱可塑性樹脂製多層シートの一形態である。
複数のリブ部30は、2つの第二層22において互いに対向する2つ平面部と、当該2つの平面部の間の空間部を平行に仕切り、かつ、当該2つの平面部における互いに対向する2面を架け渡している。これにより、軽量性と強度とを備えた通い箱及び建材等に使用することができるプラスチック段ボールを一体的に成形することができる。よって、プラスチック段ボールは、静電気対策が必要な電子機器基盤、部品の搬送用の函及びトレー等に使用することができる。
〔変形例に係るプラスチック段ボール〕
本発明に係るプラスチック段ボールは、上記の実施形態に限定されない。例えば、図1の(b)に示すように、一変形例に係るプラスチック段ボール11は、2つのライナー部20における第二層22の間において、波状に折り曲げられた1枚のリブ部31を配置する構成である。ここで、リブ部31は、第二層22と同様に、第一樹脂層により形成されている。なお、プラスチック段ボール11において、リブ部31と互いに対向する第二層22とは、熱により融着することで架け渡されていてもよく、静電気拡散性を備えた接着剤によって接着することで架け渡されていてもよい。
また、図1の(c)に示すように、別の変形例に係るプラスチック段ボール12では、斜めに折り曲げられた1枚のリブ部32により、2つの第二層22を架け渡す構成である。
プラスチック段ボールにおいて、リブ部の形状は、ライナー部同士を連結し補強機能を有するものであれば限定されるものではなく、例えば、リブ部は、ハニカム構造を備えていてもよい。
プラスチック段ボールを構成するライナー部及びリブ部に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂のなかでも、ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂が好ましく、特に剛性や耐熱性等の観点からポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。
また、プラスチック段ボールのライナー部における第二層を形成する熱可塑性樹脂組成物において、高分子型帯電防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂、高分子型帯電防止剤の種類、並びに、熱可塑性樹脂多層シートの形状によって適宜調整すればよく、限定されるものではないが、熱可塑性樹脂及び高分子型帯電防止剤の合計を100重量%とするとき、10重量%以上、30重量%以下の範囲内であることが好ましく、10重量%以上、20重量%以下の範囲内であることがより好ましい。第一層における高分子型帯電防止剤の濃度が10重量%以上であれば、第二層が静電拡散性領域の表面抵抗値を示すプラスチック段ボールを得ることかできる。また、高分子型帯電防止剤の濃度が30重量%以下であれば、好適な表面平滑性を有するプラスチック段ボールを得ることができる。
また、プラスチック段ボールの目付(単位面積当たりの重量)並びにライナー部及びリブ部の厚さ等は特に限定されるものではなく、用途に応じて選択すればよい。熱可塑性樹脂製段ボール構造体1の目付は200g/m以上、10000g/m以下の範囲内であることが好ましく、ライナー部及びリブ部の厚さはそれぞれ1mm以上、20mm以下の範囲内であることが好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂を用いたプラスチックダンボールを通い箱に用いる場合には、その目付は500〜2000g/mであることが好ましく、ライナー部及びリブ部の厚さはそれぞれ3mm以上、7mm以下の範囲内のであることが好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例に何ら限定されるものではない。
<実施例>
実施例1及び2、並びに比較例として、各層の構成及び組成のことなるシートを作製し、これらシートの表層における表面抵抗値のmax、min、Δmax−min、及び、湿度依存性を評価した。
〔実施例1〕
実施例1では、2種3層(スキン層/コア層/スキン層)の熱可塑性樹脂製多層シートを作製した。ここで、コア層とは、2種3層の熱可塑性樹脂製シートの中心となる層であり、第一樹脂層のことを意味し、スキン層とは、コア層の両面に積層されている層であり、第二樹脂層のことを意味する。
(実施例1−1)
まず、実施例1−1の多層シートとして、コア層における導電性カーボンの濃度が、16.5重量%であり、スキン層における高分子型帯電防止剤の割合が20重量%である2種3層の多層シートを作製した。
コア層における導電性カーボンには、商業的に入手可能なファーネスブラック(カーボンブラック)を使用し、スキン層における高分子型帯電防止剤には、ポリエーテルエステルプロピレン共重合体である、三洋化成工業株式会社製のペレクトロンPVLを使用した。また、コア層及びスキン層には、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン系樹脂である住友化学株式会社製のノーブレンAS171L(メルトフローレート(MFR):1.0g/10分、230℃)を使用した。
まず、商業的に入手可能なポリプロピレン樹脂に対して、ファーネスブラックが飛散しないように、30重量%となるように配合することで、ファーネスブラックのマスターバッチを作製した。次に、得られたマスターバッチとノーブレンAS171Lとを、ファーネスブラックの濃度が16.5重量%となるように溶融混合することで、コア層を形成する熱可塑性樹脂組成物を得た。
なお、スキン層を形成する熱可塑性樹脂組成物は、濃度が20重量%になるようにペレクトロンPVLをノーブレンAS171Lに溶融混合することにより得た。
実施例1−1の多層シートは、100mm×100mmのサイズであり、熱可塑性樹脂製多層シートにおける、スキン層の厚さが30μmであり、コア層の厚さが100μmとなるようにモダンマシナリー社製のラミネーターを使用して引き取り速度を調整しながら試験片を作製した。つまり、各層の厚みの比は、スキン層:コア層:スキン層=3:100:3である。
加工条件は、コア層用押出機及びスキン層用押出機におけるシリンダー温度は、共に230℃である。また、スキン層用押出機における吐出量は、6kg/hであり、コア層用押出機における吐出量は16〜17kg/hである。また、スキン層用押出機における引き取り速度は、4.7m/minであり、コア層用押出機における引き取り速度は、4.7m/minである。
(実施例1−2)
実施例1−2の多層シートは、スキン層におけるペレクトロンPVLの濃度を50重量%に調製したい以外は、実施例1−1と同じ条件にて作製した。
〔実施例2〕
次に、実施例2として、図1の(a)に示す、中空樹脂構造を備えたプラスチック段ボールを形成した。
コア層部(第二層22及びリブ部30)の組成は実施例1−1におけるコア層の組成と同じであり、スキン層部(第一層)の組成は、実施例1−1におけるスキン層の組成と同じである。
スキン層と、コア層部(ライナー部の内層及びリブ部)とを含むプラスチック段ボールを、第一押出機、第二押出機及び多層Tダイを用いて作製した。第一押出機には、単軸押出機(直径Φ=50mm)を採用し、スキン層部の材料を押し出た。また、第二押出機には、単軸押出機(直径Φ=115mm)を採用し、コア層部用の材料を押し出した。多層Tダイには、フィードブロック方式の押出幅2000mmのものを採用した。
押出機及び多層Tダイの温度を200〜230℃、第一押出機及び第二押出機の押出量を各々310kg/h及び22kg/h、引取速度を2.8m/minとして、多層押出成形を行なうことで、プラスチック段ボールを作製した。
〔比較例1〕
次に、比較例1として、導電性カーボンの濃度が異なる単層(第一樹脂層のみ)の単層シートを作製した。
(比較例1−1)
比較例1−1の単層シートは、ファーネスブラックの濃度が5重量%である以外は、実施例1−1のコア層と同じ条件にて熱可塑性樹脂組成物を調製した。
比較例1−1の単層シートは、厚さ100μのシートとなるように、モダンマシナリー社製のラミネーターを使用して、シリンダー温度230度、吐出量16kg/h及び引き取り速度4.7m/minの条件で成形加工した。
(比較例1−2)
比較例1−2の単層シートは、ファーネスブラックの濃度が10重量%となるように調製以外は、比較例1−1のシートと同じ条件で作製した。
(比較例1−3)
比較例1−3の単層シートは、ファーネスブラックの濃度が13重量%となるように調製した以外は、比較例1−1のシートと同じ条件で作製した。
(比較例1−4)
比較例1−4の単層シートは、ファーネスブラックの濃度が16.5重量%となるように調製した以外は、比較例1−1のシートと同じ条件で作製した。
(比較例1−5)
比較例1−5の単層シートは、ファーネスブラックの濃度が20重量%となるように調製した以外は、比較例1−1のシートと同じ条件で作製した。
〔比較例2〕
次に、比較例2として、スキン層に高分子型帯電防止剤を含有し、コア層において導電性カーボンを含有していない2種3層の多層シートを作製した。
(比較例2−1)
比較例2−1の多層シートでは、実施例1−1において使用した、ノーブレンAS171Lを単独にてコア層として使用した以外は、実施例1−1と同じ条件で実験を行った。結果を表1に示す。
(比較例2−2)
比較例2−2の多層シートは、ペレクトロンPVLの濃度が50重量%となるように調製した以外は、比較例2−1と同じ条件で作製した。
〔比較例3〕
次に、比較例3として、スキン層に高分子型帯電防止剤を含有せず、コア層において導電性カーボンを含有している2種3層の多層シートを作製した。
比較例3の多層シートは、スキン層においてペレクトロンPVLを含有していない以外は、実施例1−1と同じ条件で実験を行った。
表1に、各実施例及び比較例の製造条件を示す。
Figure 2017071073
〔表面抵抗値の評価〕
次に、上記実施例及び比較例の各シートについて、これらシートのスキン層における表面抵抗値を測定し、これら表面抵抗値のmax、min、Δmax−min、及び、湿度依存性を評価した。
表面抵抗値の測定は、ESD Association standardsに順応した表面抵抗測定が可能なトレックジャパン株式会社製の表面抵抗/堆積抵抗計(MODEL:152−1)及びトレックジャパン株式会社製のCRプローブ(MODEL:152P−CR)を使用して、印加電圧100v、測定時間を60secの条件にて測定した。ここで、湿度20%における表面抵抗値は、electro−tech systems社(ETS社)の環境チャンバー(MODEL5532)を使用して調整し、温度24.8℃で、実施例及び比較例の夫々において、15点ずつ測定した。また、湿度60%における表面抵抗値は、楠本化成株式会社製の低温恒温恒湿機FX421Pを使用して調整し、23℃で、実施例及び比較例の夫々において15点ずつ測定した。
評価結果を以下の表2に示す。なお、表2におけるmaxは15点において測定した表面抵抗値のうちの最大値であり、minは15点において測定した表面抵抗値のうちの最小値である。Δmax−minは、各湿度における表面抵抗値の最大値と最小値との差である。また、湿度依存差max−minは、湿度条件の違いにおいて生じ得る表面抵抗値の差の最大幅であり、20%の湿度における表面抵抗値のmax及びminと、60%の湿度における表面抵抗値のmax及びminとの4データの中での最大差である。表2の湿度依存差では、max−minを10又は1010で割ったときの値を左の欄に記載し、10又は1010の何れで割ったかを右欄に記載している。例えば、10で割ったときは、「5乗」として記載し、1010で割ったときは、「10乗」として記載している。
Figure 2017071073
表2に示すように、実施例1−1及び1−2の多層シートは、スキン層における静電気拡散性領域の表面抵抗値を示している。また、実施例1−1及び1−2の多層シートは、湿度の変化に対する表面抵抗値のバラツキ(湿度依存差)が小さい。また、実施例2のプラスチック段ボールは、断面形状が多層中空板であるが、実施例1−1及び1−2と同様に湿度に対する表面抵抗値の変化が小さい値を示した。
一方、比較例1−1及び比較例1−2の単層シートは、ファーネスブラックの含有量が10重量%以下であり、表面抵抗値が静電気拡散性領域よりも高い帯電防止性領域の値を示した。また、比較例1−3の単層シートは、実施例1−1及び1−2の多層シート、並びに、実施例2のプラスチック段ボールと比較して、湿度の変化に対する表面抵抗値のバラツキが大きい結果となった。また、ファーネスブラックの含有量が20重量%である比較例1−4の単層シートは、湿度の変化に対して表面抵抗値のバラツキが少なく、静電気拡散性領域の下限値に近い値を示した。しかしながら、比較例1−4の単層シートは、カーボン添加量が数重量%ばらつくことで表面抵抗値が1/10倍以上低下し、1×10Ω/sq.未満の導電性領域になり得る。このため、帯電した部材等への急激な放電が懸念される。
なお、比較例1−5の単層シートは、導電性領域の表面抵抗値を示すため、静電気の放電を誘発すると判断される。
また、比較例2−1及び比較例2−2の多層シートは、表面抵抗値は静電気拡散性領域の値を示しているが、スキン層における高分子型帯電防止剤の含有量が同じである実施例1−1及び実施例1−2よりも湿度依存性が高い結果となった。
また、比較例3の多層シートは、スキン層に高分子型帯電防止剤が含まれておらず、帯電防止性の条件を満たしていないことが確認された。
以上の結果から、スキン層に高分子型帯電防止剤を含み、コア層に導電性カーボンを含んでいる多層シート、及び、プラスチック段ボールでは、静電気拡散性領域の表面抵抗値を示し、当該表面抵抗値は湿度に対する変化が小さいことが確認できた。
本発明は、作業台の敷板、棚板、及び作業区画を作る仕切り板等のクリーンルーム内の資材並びにプラスチック段ボール等に好適に利用することができる。
10 プラスチック段ボール(熱可塑性樹脂製段ボール構造体)
11 プラスチック段ボール(熱可塑性樹脂製段ボール構造体)
12 プラスチック段ボール(熱可塑性樹脂製段ボール構造体)
20 ライナー部(平板部)
21 第一層(平板部、第二樹脂層)
22 第二層(平板部、第一樹脂層)
30 リブ部(連結部、第一樹脂層)
31 リブ部(連結部、第一樹脂層)
32 リブ部(連結部、第一樹脂層)

Claims (8)

  1. 13重量%以上、30重量%以下の範囲内の濃度において導電性カーボンを含有している熱可塑性樹脂組成物から形成されている第一樹脂層の2つの平面部のうちの少なくとも一方に、高分子型帯電防止剤を含有している熱可塑性樹脂組成物から形成されている第二樹脂層が積層されていることを特徴とする熱可塑性樹脂製多層シート。
  2. 上記導電性カーボンは、カーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂製多層シート。
  3. 上記熱可塑性樹脂組成物が含んでいる熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂製多層シート。
  4. 上記ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性樹脂製多層シート。
  5. 上記高分子型帯電防止剤がポリエーテルと疎水性エステルアミドとのブロック共重合体、及び、ポリオレフィン−ポリエーテルブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂製多層シート。
  6. 上記第二樹脂層における高分子型帯電防止剤の濃度は、10重量%以上、60重量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂製多層シート。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂製多層シートが備えている第一樹脂層を形成する熱可塑性樹脂組成物と、第二樹脂層とによって形成されている熱可塑性樹脂製段ボール構造体であって、
    上記第一樹脂層を形成する熱可塑性樹脂組成物は、2つ平板部と、当該2つの平板部の間の空間部を仕切り、かつ、当該2つの平板部における互いに対向する2面を架け渡す連結部を形成し、
    上記2つの平板部が対向する面の裏側の2面のうちの少なくとも一方の面に、第二樹脂層が積層されていることを特徴とする熱可塑性樹脂製段ボール構造体。
  8. 上記第二樹脂層における高分子型帯電防止剤の濃度は、10重量%以上、30重量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項7に記載の熱可塑性樹脂製段ボール構造体。
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