JP2017070894A - 含油排水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生物阻害性をもつ水溶性油分を含有する高濃度の含油排水を、より効率的かつ簡便に処理することが可能な、含油排水処理方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る含油排水処理方法は、油排水を処理する際に、生物分解性を有する水溶性油分を微生物分解するとともに、非生物分解性の水溶性油分を汚泥に吸着させて系外へ排出し、かつ、非水溶性油分を膜により分離することを一つの処理槽内で実施する、膜分離活性汚泥法による含油排水処理方法であり、処理開始時の前記処理槽内の汚泥濃度(MLSS濃度)を、15000mg/L以上とした後に、水溶性油濃度が500mg/L〜2000mg/Lである前記含油排水を前記処理槽へと通水し、前記処理槽内における平均汚泥滞留時間(SRT)を、40日以上とする。【選択図】図2

Description

本発明は、含油排水処理方法に関する。
環境問題への関心の高まりから、水処理の分野においても、水質保全や環境負荷軽減を目指して各種の技術が開発されている。かかる技術の一つに、環境へと排出される排水に対する排水処理技術がある。
排水中には、その発生源となる施設の種別等に応じて、様々な物質が含有されており、含有されている物質に応じた排水処理を行うことが重要である。例えば、油分が含まれている排水(以下、「含油排水」とも称する。)に対する排水処理として、従来、以下のような処理技術が提案されている。
例えば以下の特許文献1には、含油排水に含まれる非水溶性油分を除去するための技術として、油分分離に最適な素材を用いた分離膜モジュールが提案されている。しかしながら、かかる特許文献1に提案されている技術は、物理的処理を用いて含油排水から非水溶性油分を除去する技術であるため、含油排水に含まれる水溶性油分を分離除去することはできない。
含油排水に含まれる水溶性油分を分離除去する技術としては、以下の特許文献2に提案されているように、膜分離活性汚泥法を利用し、生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand:BOD)による生物分解性の評価や最適なBOD汚泥負荷を適切に行うことで、非水溶性油分及び水溶性油分を処理可能とする技術がある。
また、以下の特許文献3には、含油排水中に生息する微生物を単離培養するなどして得られる特殊な微生物を利用し、かつ、この特殊な微生物が活動的になる条件を再現することで、水溶性油分を含む含油排水を安定的に処理する技術が提案されている。
国際公開第2011/101961号 特開2011−177608号公報 特開2000−271589号公報
しかしながら、上記特許文献2に提案されている技術は、含油排水中の易生分解性油分が300mg/L程度、又は、低生物分解性の油分が30mg/L程度と、水溶性油分の濃度が低濃度である場合の処理方法であり、上記の濃度以上の高濃度領域では、含油排水が生物阻害性を発現して生物反応槽中活性汚泥の活性を低下させることで処理能力が低下してしまう。そのため、希釈や前処理等といった工程が必要となり、非効率的であるという問題がある。
また、上記特許文献3に提案されている技術では、排水毎に特殊な微生物を単離培養することが必要となるため、莫大な時間と費用を要するとともに、処理水量が小さくなるため、非効率的であるという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、生物阻害性をもつ水溶性油分を含有する高濃度の含油排水を、より効率的かつ簡便に処理することが可能な、含油排水処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、含油排水を処理する際に、生物分解性を有する水溶性油分を微生物分解するとともに、非生物分解性の水溶性油分を汚泥に吸着させて系外へ排出し、かつ、非水溶性油分を膜により分離することを一つの処理槽内で実施する、膜分離活性汚泥法による含油排水処理方法であって、処理開始時の前記処理槽内の汚泥濃度(MLSS濃度)を、15000mg/L以上とした後に、水溶性油濃度が500mg/L〜2000mg/Lである前記含油排水を前記処理槽へと通水し、前記処理槽内における平均汚泥滞留時間(SRT)を、40日以上とする、含油排水処理方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、処理開始時の処理槽内の汚泥濃度を所定濃度以上とし、かつ、処理槽内における平均汚泥滞留時間を所定の日数以上とすることで、生物阻害性をもつ水溶性油分を含有する高濃度の含油排水を、膜分離活性汚泥法を利用して、より効率的かつ簡便に処理することが可能となる。
本発明の実施形態に係る含油排水処理装置の構成の一例を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る含油排水処理方法の流れの一例を示した流れ図である。 試験例における混合液懸濁物質濃度の推移を示したグラフ図である。 試験例における化学的酸素要求量除去率の推移を示したグラフ図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(含油排水処理装置の構成について)
以下では、まず、本発明の実施形態に係る含油排水処理方法について説明するに先立ち、本実施形態に係る含油排水処理方法で利用される含油排水処理装置について、図1を参照しながら簡単に説明する。図1は、本実施形態に係る含油排水処理装置の構成の一例を模式的に示した説明図である。
本実施形態に係る含油排水処理装置10は、図1に示したように、処理槽101と、曝気装置103と、膜ろ過装置105と、吸引ポンプ107と、排泥弁109と、を主に備える。
処理槽101は、本実施形態に係る含油排水処理装置10において、膜分離活性汚泥法における生物反応槽兼膜分離水槽として機能する槽である。処理槽101の大きさについては、特に限定されるものではなく、かかる処理槽101を用いて処理を行いたい含油排水の量に応じて、適宜設定すればよい。この処理槽101の内部には、一般的な汚泥(例えば、下水汚泥等)が保持されており、かかる汚泥中には、排水中の有機物を分解する微生物等といった様々な微生物が存在している。
本実施形態に係る含油排水処理方法の処理対象となる含油排水は、かかる処理槽101へと通水され、処理槽101中に存在する微生物によって微生物分解される。
かかる処理槽101の例えば底部には、曝気装置103が設けられている。曝気装置103は、処理槽101中に保持されている汚泥に対して酸素を供給することで、汚泥中に存在する微生物が増殖するために必要な酸素を供給するとともに、後述する膜ろ過装置105における分離膜表面に汚泥が付着することを防止する。
かかる曝気装置103としては、公知のものを利用することが可能である。また、曝気装置103から供給される酸素量についても、特に限定されず、後述する膜ろ過装置105の膜表面に汚泥が堆積せず、かつ、微生物増殖のために必要な一般的な酸素量を供給すればよい。このような酸素量として、例えば、溶存酸素量(Dissolved Oxygen:DO)が0.1mg/L以上となるような酸素量を挙げることができる。
本実施形態に係る含油排水処理装置10では、曝気装置103から供給される酸素により、汚泥中の微生物による水溶性油分の微生物分解が促進される。これにより、含油排水のうち、生物分解性を有する水溶性油分は、活性汚泥によって分解される。また、含油排水のうち、生物分解性を有しない水溶性油分(非生物分解性の油分)は、活性汚泥では分解されずに活性汚泥に吸着されて、後述する排泥弁109から汚泥とともに系外へと排出される。
更に、含油排水のうち、非水溶性油分は、膜ろ過装置105によって物理的に分離される。
処理槽101内に配設された曝気装置103の上方には、膜ろ過装置105が配設される。膜ろ過装置105は、膜ろ過装置105内に侵入した排水を固液分離する装置である。この膜ろ過装置105の表面及び内部には、非水溶性油分を吸着するとともに、これら油分の除去された処理水を透過させる分離膜が設けられている。膜ろ過装置105に接続された吸引ポンプ107によって、膜ろ過装置105の内部を吸引ろ過することで、含油排水から水溶性油分及び非水溶性油分の除去された処理水が、系外へと排出されることとなる。
ここで、膜ろ過装置105に設けられる分離膜については、特に限定するものではなく、平膜や中空糸膜等の形状を有する公知の各種精密ろ過膜を利用することが可能である。このような分離膜の素材となる多孔質膜の具体例としては、例えば、ポリアクリロニトリル多孔質膜、ポリイミド多孔質膜、ポリエーテルスルホン多孔質膜、ポリフェニレンスルフィドスルホン多孔質膜、ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜、ポリフッ化ビニリデン多孔質膜、ポリプロピレン多孔質膜、ポリエチレン多孔質膜等を挙げることができる。また、これらの多孔質膜に対して、機能層として、架橋型シリコーン、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリルブタジエン、エチレンプロピレンラバー、ネオプレンゴム等のゴム状高分子を複合化した複合膜を利用することも可能である。
ここで、処理槽101に通水される含油排水の流量は、処理槽101の大きさに応じて、処理槽101が溢れないような流量を適宜設定すればよい。処理槽101に対して一定流量の含油排水が連続通水されるように、処理槽101の前段に、含油排水を一定量切り出して処理槽101へと通水させる流量調整槽を設けるようにしてもよい。
以上、図1を参照しながら、本実施形態に係る含油排水処理方法で用いられる含油排水処理装置10の構成について、簡単に説明した。
(含油排水処理方法について)
続いて、図2を参照しながら、本発明の実施形態に係る含油排水処理方法について、詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る含油排水処理方法の流れの一例を示した流れ図である。
本発明者は、水溶性油濃度が500mg/L〜2000mg/Lという、高濃度の含油排水を、膜分離活性汚泥法を利用して排水処理することを目的として、鋭意検討を行った。ここで、活性汚泥を利用して高い水溶性油濃度を有する含油排水を処理する際には、先だって言及したように、含油排水が生物阻害性を発現して、処理槽中の活性汚泥の活性を低下させることが問題となる。そのため、本発明者は、処理開始時における処理槽中の汚泥濃度(Mixed Liquor Suspended Solids:MLSS濃度)を高い値としておくことで、含油排水中の生物阻害物質の影響を低減し、活性汚泥の活性低下を抑制できるのではないかと考えた。そこで、かかる知見を検証するために、処理開始時における処理槽中の汚泥濃度(MLSS濃度)を高い値として高濃度の含油排水を処理したものの、活性汚泥の活性低下を抑制できなかった。
しかしながら、本発明者は、活性汚泥の活性は低下したものの、汚泥濃度(MLSS濃度)が高い場合は、処理槽内の微生物汚泥滞留時間を長期化することで、活性汚泥の活性を回復させることができるのではないかと考えた。すなわち、活性汚泥の活性を回復させるためには、処理槽内の微生物汚泥滞留時間(換言すれば、微生物の馴養時間)を長期化することで、汚泥由来の含油排水好食微生物の増殖時間を確保して、含油排水好食微生物を増殖させることができるのではないかと考えた。そこで、本発明者は、実験に基づき検討を行った結果、上記のような処理開始時における処理槽中の汚泥濃度の調整に加えて、処理槽内における平均汚泥滞留時間(Sludge retention time:SRT)を長期化すればよいことを新たに知見した。
ここで、本実施形態において、着目する含油排水の水溶性油濃度は、以下のようにして特定することが可能である。まず、含油排水中に含まれるn−ヘキサン抽出物の量をJIS K 0102に基づき測定する。また、同じ含油排水中に含まれる懸濁物質(Suspended Solids:SS)濃度もJIS K 0102に基づき測定する。その上で、n−ヘキサン抽出物量からSS濃度を差し引くことで得られた値を、含油排水の水溶性油濃度として取り扱うことができる。すなわち、本実施形態において、n−ヘキサン抽出物の量は、含油排水中に含まれる油分全体の量に対応しており、含油排水に含まれる非水溶性油分は、懸濁物質として抽出されると考えられる。そのため、n−ヘキサン抽出物量からSS濃度を差し引くことで、含油排水中の水溶性油濃度を得ることが可能となる。
また、上記の平均汚泥滞留時間(SRT)とは、処理槽の容量[単位:m]を、汚泥引抜流量[単位:m/日]で除した値であり、運転日数とは異なる概念として取り扱われるものである。
以上のような知見に基づき完成された、本実施形態に係る含油排水処理方法は、含油排水を処理する際に、生物分解性を有する水溶性油分を微生物分解するとともに、非生物分解性の水溶性油分を汚泥に吸着させて系外へ排出し、かつ、非水溶性油分を膜により分離することを一つの処理槽内で実施する、膜分離活性汚泥法による含油排水処理方法である。この際、本実施形態に係る含油排水処理方法では、処理開始時の処理槽内の汚泥濃度(MLSS濃度)を、15000mg/L以上とした後に、水溶性油濃度が500mg/L〜2000mg/Lである含油排水を処理槽へと通水し、処理槽内における平均汚泥滞留時間(SRT)を、40日以上とする。かかる処理を行うことで、生物阻害性を有する高濃度の含油排水を、特別な種汚泥や薬品を用いることなく、より効率的かつ簡便に安定して処理することが可能となる。
ここで、本実施形態に係る含油排水処理方法では、図1に示したような含油排水処理装置10を利用するが、処理槽101の内部には、活性汚泥として、一般的な下水汚泥が保持されている。また、処理槽101に通水される含油排水や、処理槽101に保持されている下水汚泥の温度(水温)については、特に限定されるものではなく、15℃以上の常温であればよい。
本実施形態に係る含油排水処理方法では、図2に示したように、含油排水の処理槽101への通水に先立って、処理槽101内の汚泥濃度が調整される(ステップS101)。具体的には、処理開始時における処理槽101内の汚泥濃度(MLSS濃度)が、15000mg/L以上となるように、処理槽101内に存在する汚泥が必要に応じて濃縮される。
ここで、処理開始時の汚泥濃度(MLSS濃度)が15000mg/L未満である場合には、高い水溶性油濃度を有する含油排水が処理槽101へと通水された際に、活性汚泥の活性の低下が顕著となり、含油排水を効率的に処理することができない。一方、処理開始時の汚泥濃度(MLSS濃度)が15000mg/L以上であれば、高い水溶性油濃度を有する含油排水が通水された際に一時的に活性汚泥の活性が低下したとしても、後述する平均汚泥滞留時間(SRT)を適切な範囲に設定することで、活性汚泥の活性を回復させることが可能となる。その結果、高い水溶性油濃度を有する含油排水が通水された場合であっても、かかる含油排水を処理することが可能となる。なお、処理開始時の汚泥濃度(MLSS濃度)は、15000mg/L以上であれば、高ければ高いほど良く、その上限は特に規定するものではない。なお、後述の通り、膜ろ過装置105では、吸引ポンプ107により膜ろ過装置105の内部が連続的に吸引されているが、処理開始時の汚泥濃度(MLSS濃度)は、吸引ポンプ107で吸引可能な濃度の範囲内で設定されることが現実的である。
本実施形態に係る含油排水処理方法では、処理槽101内の汚泥濃度(MLSS濃度)が15000mg/L以上となった後に、水溶性油濃度が500〜2000mg/Lである含油排水を、処理槽101内へと連続的に通水する(ステップS103)。ここで、水溶性油濃度が500mg/L未満の場合は、活性汚泥の活性がほとんど低下しないため、本発明の対象としない。一方、水溶性油濃度が2000mg/L超の場合は、活性汚泥の活性が回復しないこともあるため、水溶性油濃度の上限を2000mg/Lと規定した。
含油排水が処理槽101内へと通水された後、曝気装置103を用いて微生物増殖に必要な酸素を供給して、水溶性油分の微生物分解を促進させるとともに、曝気装置103から供給される酸素を利用して、膜ろ過装置の膜表面に堆積する膜閉塞物質を除去していく。これにより、含油排水中に含まれる水溶性油分のうち生物分解性の油分は、微生物によって分解される。また、含油排水中に含まれる水溶性油分のうち非生物分解性の油分は、処理槽101に保持されている活性汚泥に吸着される。
また、膜ろ過装置105では、吸引ポンプ107により膜ろ過装置105の表面及び内部が連続的に吸引されており、膜ろ過装置105が有する分離膜によって、排水から非水溶性油分が分離されて、分離膜に吸着される。その結果、これら油分の除去された処理水が、系外へと排出される。
その上で、本実施形態に係る含油排水処理方法では、処理槽101内での平均汚泥滞留時間(SRT)が40日以上となるように、排泥弁109からの排泥が実施される(ステップS105)。かかる排泥により、汚泥に吸着されている非生物分解性の油分が、系外へと排出される。
ここで、平均汚泥滞留時間(SRT)が40日未満である場合には、馴養時間が短すぎるために通水された含油排水によって減少した含油排水好食微生物を十分に増殖させることができずに、微生物が減少した状態で微生物が安定化してしまい、含油排水を効率的に処理することができない。一方、平均汚泥滞留時間(SRT)を40日以上とすることで、含油排水によって減少した含油排水好食微生物を含油排水に馴養させることができ、ひとたび減少した含油排水好食微生物の数を、再び増殖させることが可能となる。なお、処理槽101内の平均汚泥滞留時間(SRT)の上限については、特に規定するものではなく、排水処理全体に影響を与えない範囲で、長ければ長いほど良い。このような平均汚泥滞留時間(SRT)として、例えば、40日〜120日程度の期間を設定することが好ましい。
このように、本実施形態に係る含油排水処理方法では、処理開始時の汚泥濃度(MLSS濃度)を15000mg/L以上とし、かつ、平均汚泥滞留時間(SRT)を40日以上とすることで、生物阻害性を有する含油排水に対して、特殊な微生物の探索及び培養を行うことなく、含油排水の化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand:COD)やn−ヘキサン抽出物の安定処理が可能となる。
以下では、実施例及び比較例を示しながら、本発明に係る含油排水処理方法について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明に係る含油排水処理方法のあくまでも一例であって、本発明に係る含油排水処理方法が下記の例に限定されるものではない。
本試験例では、図1に示した含油排水処理装置10の処理槽101として、容量が5Lの処理槽を準備し、かかる処理槽101の内部に、曝気装置103及び膜ろ過装置105を設置した。
かかる処理槽101の内部に一般的な下水汚泥を注入し、膜ろ過装置105及び吸引ポンプ107を用いて、処理開始時の汚泥濃度(MLSS濃度)が15000mg/Lとなるまで、汚泥の濃縮を行った。なお、下水汚泥の温度は、23〜29℃に制御した。
かかる処理槽101に通水される含油排水として、薄板工場から排出される含油排水を利用した。薄板工場では、原板となる鋼材に対して各種の潤滑油等が利用され、製造される薄板を冷却する際にも各種の油分が利用されており、これらの油分が、排水に含有されている。かかる含油排水に含まれるCOD及びn−ヘキサン抽出物量を、JIS K 0102に基づき測定したところ、CODは、4500mg/Lであり、n−ヘキサン抽出物量は、1960mg/Lであった。別途、JIS K 0102に基づき測定した含油排水のSS濃度は、60mg/Lであったため、着目する含油排水の水溶性油濃度は、1900mg/Lとなる。
上記のような水溶性油濃度を有する含油排水(水温:23〜29℃)を、2.3mL/分の一定流量で、処理槽101に対して連続通水した。この際、曝気装置103から、溶存酸素量(DO)が0.1mg/L以上となるように酸素を供給し、膜分離活性汚泥法による排水処理を実施した。
ここで、平均汚泥滞留時間(SRT)が18日となる処理槽101と、平均汚泥滞留時間(SRT)が40日となる処理槽101と、平均汚泥滞留時間(SRT)が120日となる処理槽101という3系統の試験系を準備して、処理性の比較を行った。
得られた結果を、図3及び図4に示した。図3は、試験例におけるMLSS濃度の推移を示したグラフ図であり、図4は、試験例におけるCOD除去率の推移を示したグラフ図である。ここで、図4に示したCOD除去率は、原水である含油排水中に含まれていたCODがどの程度除去されたかを示した指標であり、原水である含油排水中のCODの値に対する、各運転日数までに減少したCODの値の割合として算出される。
図3から明らかなように、平均汚泥滞留時間(SRT)が18日の条件では、含油排水処理開始からMLSS濃度の減少が進み、処理開始20日後には、MLSS濃度が約3600mg/Lまで大きく減少している。また、処理開始20日後以降も、MLSS濃度は大きく回復することなく、約4000mg/L程度で推移している。これは、SRTが18日と短く設定されているために、活性が阻害された状態で微生物が安定してしまったためと考えられる。また、図4に示したCOD除去率においても、平均汚泥滞留時間(SRT)が18日の条件では、含油排水処理開始からCOD除去率の減少が進み、処理開始20日後には、COD除去率が約60%まで減少している。また、処理開始20日後以降も、COD除去率は、約60%前後を推移していることがわかる。
一方、平均汚泥滞留時間(SRT)が40日の条件では、図3から明らかなように、含油排水処理開始からMLSS濃度の減少が進み、処理開始13日後には、MLSS濃度が約10000mg/L程度まで減少したが、その後、MLSS濃度は増加していることがわかる。かかる結果は、SRTが40日に設定されているために、微生物が含油排水に適切に馴養し、環境に馴養した微生物が増殖していることを示している。また、図4に示したCOD除去率についても、平均汚泥滞留時間(SRT)が40日の条件では、処理開始13日後には、COD除去率が約70%まで減少するものの、その後、COD除去率が約80%まで徐々に回復していることがわかる。
また、図3及び図4から明らかなように、平均汚泥滞留時間(SRT)が120日の条件におけるMLSS濃度及びCOD除去率の推移は、平均滞留時間(SRT)が40日の条件と同様の挙動を示していることがわかる。
一方、上記検証とあわせて、油分濃度を示すn−ヘキサン抽出物の除去率(%)の推移についても、上記3系統の試験系それぞれで測定を行った。その結果、平均汚泥滞留時間(SRT)が18日の条件では、処理開始25日後に50%近くまで低下したが、平均汚泥滞留時間(SRT)が40日の条件では、n−ヘキサン抽出物除去率80%以上を維持し、平均汚泥滞留時間(SRT)が120日の条件においても、平均汚泥滞留時間(SRT)が40日の条件と同様の挙動を示した。
なお、処理開始時の汚泥濃度(MLSS濃度)を15000mg/L超の値とした場合であっても、MLSS濃度やCOD除去率は、上記図3及び図4と同様の挙動を示した。一方、処理開始時の汚泥濃度(MLSS濃度)を15000mg/L未満とした場合には、平均汚泥滞留時間(SRT)を40日以上とした場合であっても、一旦減少したMLSS濃度やCOD除去率は回復せず、減少したままの値近傍で推移した。
以上のように、本発明に係る含油排水処理方法を利用することで、生物阻害性をもつ水溶性油分を含有する高濃度の含油排水を、膜分離活性汚泥法を利用して、より効率的かつ簡便に処理可能であることが分かった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 含油排水処理装置
101 生物反応槽兼膜分離水槽(処理槽)
103 曝気装置
105 膜ろ過装置
107 吸引ポンプ
109 排泥弁

Claims (1)

  1. 含油排水を処理する際に、生物分解性を有する水溶性油分を微生物分解するとともに、非生物分解性の水溶性油分を汚泥に吸着させて系外へ排出し、かつ、非水溶性油分を膜により分離することを一つの処理槽内で実施する、膜分離活性汚泥法による含油排水処理方法であって、
    処理開始時の前記処理槽内の汚泥濃度(MLSS濃度)を、15000mg/L以上とした後に、水溶性油濃度が500mg/L〜2000mg/Lである前記含油排水を前記処理槽へと通水し、前記処理槽内における平均汚泥滞留時間(SRT)を、40日以上とする、含油排水処理方法。

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