以下、実施の形態を図面に基づき説明する。なお、図1〜図4及び図6〜図12では、移動可能な各部材の移動方向を把握しやすくするために、X1、X2、Y1、Y2方向を矢印でそれぞれ図示し、図示した移動方向を本文中の説明で引用する。また、図1〜図4及び図6〜図12では、液圧操作装置内の各部を流動する作動液が高圧であるか低圧であるかを把握しやすくするために、高圧になっているアキュムレータ内に文字“H”(High)を図示し、低圧になっている低圧タンク内に文字“L”(Low)を図示する。
<第1の実施の形態>
図1〜図5に示すように、本実施形態の液圧操作装置10は、送電系統(電力系統)に設けられる遮断器を、開路動作及び閉路動作させるための駆動源として作動液(油などの作動流体)を適用する装置である。すなわち、液圧操作装置10は、液圧制御ユニット61及び電極駆動ユニット14を備えている。液圧制御ユニット61は、開路用電磁弁ユニット(開路用アクチュエータユニット)15と、閉路用電磁弁ユニット(閉路用アクチュエータユニット)16と、パイロット弁ユニット(切換弁ユニット)68と、主操作弁ユニット(給排液弁ユニット)9と、を有している。一方、電極駆動ユニット14は、圧力スイッチユニット(圧力監視ユニット)8を備えている。
ここで、上述した開路用電磁弁ユニット15と閉路用電磁弁ユニット16とパイロット弁ユニット68、さらに、パイロット弁ユニット68と主操作弁ユニット9、さらに、主操作弁ユニット9と電極駆動ユニット14(さらに、圧力スイッチユニット8と電極駆動ユニット14本体)は、図6及び図1に示すように、それぞれ、着脱自在(組み付け及び取り外し可能)に構成されている。また、電極駆動ユニット14は、低圧タンク17、液圧ポンプ18、アキュムレータ19及び電極移動機構12をさらに備えている。また、パイロット弁ユニット68は、インターロック機構64を備えている。
電極移動機構12は、第1の制御ポート21を介して作動液が出入りする第1の液室31内の圧力に応じて、遮断器の可動電極3が、遮断器の固定電極2から離間する図1に示す第1の開路位置と固定電極2に接触する図3に示す第1の閉路位置との間で、可動電極3を矢印Y1−Y2方向に移動させる。より具体的には、可動電極3は、液圧操作装置10の開路動作の完了時に第1の開路位置に移動し、一方、閉路動作の完了時に第1の閉路位置に移動する。
図1〜図4に示すように、電極移動機構12は、駆動シリンダ5、駆動ピストン6及び駆動ロッド7を備えている。駆動シリンダ5は、矢印Y1−Y2方向に移動可能な状態で駆動ピストン6を内部に収容している。駆動ロッド7は、一端部に可動電極3を支持していると共に、一端部と他端部との間に駆動ピストン6を保持している。
図2及び図4に示すように、駆動シリンダ5は、駆動ピストン6によって区画される他方の領域に第1の液室31を有し、駆動ピストン6によって区画される一方の領域に第6の液室36を有している。なお、駆動ピストン6の周縁部と駆動シリンダ5の内壁部分との間には、互いの境界部分をシールするシール部が設けられている。
ここで、駆動ピストン6及び駆動ロッド7が第1の液室31内で作動液と接触して圧力を受ける受圧面積は、駆動ピストン6及び駆動ロッド7が第6の液室36内で作動液と接触して圧力を受ける受圧面積よりも大きくなるように、駆動ピストン6及び駆動ロッド7が形成されている。つまり、パスカルの原理を応用するこのような構成により、第1の液室31内の圧力と第6の液室36内の圧力とが例えば互いに等しい場合、図3に示すように、駆動ピストン6及び駆動ロッド7と共に可動電極3は、固定電極2側(矢印Y2方向)に移動することになる。
なお、上述した電極移動機構は、可動電極を移動させて、可動電極と固定電極との各電極を接触又は離間させるものであるが、これに代えて、移動させる側を固定電極側にして各電極を接触又は離間させるようにしてもよいし、さらにこれに代えて、可動電極側と固定電極側との双方を移動させて、各電極を接触又は離間させるようにしてもよい。
低圧タンク17は、第1の排液ポート23を介して低圧の作動液を回収して貯留する。液圧ポンプ18は、低圧タンク17内に回収された作動液を昇圧してアキュムレータ19側に移送する。アキュムレータ19は、昇圧された作動液を高圧のまま蓄え、また、この昇圧された高圧の作動液を第1の給液ポート22側に向けて給液する。
図1〜図4に示すように、アキュムレータ19と第1の給液ポート22との間は、高圧流路52で接続されている。つまり、アキュムレータ19は、高圧流路52を介して高圧の作動液を第1の給液ポート22側に向けて給液する。また、高圧流路52は、途中で分岐し、駆動シリンダ5の第6の液室36にも接続されている。
図1〜図5に示すように、圧力スイッチユニット8は、アキュムレータ19内の高圧液の液圧(作動液の圧力)を監視する圧力監視部である。圧力スイッチユニット8は、圧力検出部8a、高圧閉止弁8b、安全弁8cを備えている。圧力検出部8aは、第1の給液ポート22から分岐した圧力スイッチ給液ポート(圧力検出用給液ポート)28に接続されており、圧力スイッチ給液ポート28における作動液の液圧を検出する。高圧閉止弁8bは、圧力スイッチ給液ポート28における作動液の液圧を放圧する。安全弁8cは、圧力スイッチ給液ポート28における作動液の液圧が所定の設定値(閾値)を超えたときに、高圧流路(第1の給液ポート22につながる圧力スイッチ給液ポート28)と低圧流路である圧力スイッチ排液ポート29(圧力スイッチ給液ポート28と低圧タンク17との間を接続するための圧力検出用排液ポート)とを連通させて高圧の作動液を高圧流路から前記低圧流路へと放出する。
図1〜図4に示すように、主操作弁ユニット9は、主操作弁ケース43、ガイドケース43a、第2の液室33、給液弁45、排液弁46、給液弁用バネ47、排液弁用バネ48を主に備えている。主操作弁ケース43及びガイドケース43aは、給液弁45、排液弁46、給液弁用バネ47、排液弁用バネ48を内部に収容している。排液弁46は、有底円筒状に構成されている。給液弁45は、排液弁46に対して同軸的に配置される状態で排液弁46の内部に収容されている。
図1〜図4に示すように、第2の液室33は、主操作弁ケース43及びガイドケース43aの内壁と排液弁46の内壁と給液弁45の外形部分との間に包囲された空間によって構成されている。また、第2の液室33は、排液弁46に形成された開口部及び第2の制御ポート24を通じて第5の液室32と接続されている。
給液弁45は、第2の制御ポート24を介して作動液が出入りする第2の液室33内の圧力に応じて、図1に示す第3の開路位置と図2に示す第3の閉路位置との間を矢印X1−X2方向(給液弁45自身の軸方向)に移動し、第3の開路位置に移動したときに、排液弁46に形成された開口部を通じて、第1の制御ポート21と第1の給液ポート22との間を接続する。
つまり、切換弁41の第2の閉路位置への移動により第2の制御ポート24と第2の給液ポート25とが接続されて第2の液室33内の圧力が高圧になっている状態では、給液弁45は、図2に示すように、第3の閉路位置に移動し、第1の制御ポート21と第1の給液ポート22との間を接続する。この場合、第1の給液ポート22から第1の制御ポート21を通じて高圧の作動液が第1の液室31内に導入され、この第1の液室31内が高圧となり、これにより、図3に示すように、可動電極3は、第1の閉路位置に移動し固定電極2と接触することになる。
給液弁用バネ47は、給液弁45の一端部側に配置された圧縮コイルバネであり、給液弁45を第3の開路位置側(給液弁45を閉じる矢印X2方向)に付勢する。図1に示すように、第3の開路位置に移動した給液弁45は、排液弁46の内壁部分に形成されたシート部(弁座部分)49と接触して、第1の制御ポート21と第1の給液ポート22との間を閉鎖する。
一方、排液弁46は、第2の液室33内の圧力に応じて、給液弁45と一体となって図4に示す第4の開路位置と図2に示す第4の閉路位置との間を矢印X1−X2方向(排液弁46自身の軸方向)に移動し、第4の開路位置に移動したときに、第1の制御ポート21と第1の排液ポート23との間を接続する。
つまり、切換弁41の第2の開路位置への移動により第2の制御ポート24と第2の排液ポート26とが接続されて第2の液室33内の圧力が低圧になっている状態では、排液弁46は、図4に示すように、第4の開路位置に移動し、第1の制御ポート21と第1の排液ポート23との間を接続する。この場合、第1の液室31内から制御ポート21及び第1の排液ポート23を通じて作動液が低圧タンク17側に排出されて、第1の液室31内が低圧となり、これにより、図1に示すように、可動電極3は、第1の開路位置に移動し固定電極2側から大きく離間することになる。
排液弁用バネ48は、排液弁46の一端部側に配置された圧縮コイルバネであり、排液弁46を第4の開路位置側(排液弁46を閉じる矢印X1方向)に付勢する。図2に示すように、第4の開路位置に移動した排液弁46は、主操作弁ケース43の内壁部分に形成されたシート部(弁座部分)51と接触して、第1の制御ポート21と第1の排液ポート23との間を閉鎖する。
図1〜図4に示すように、開路用電磁弁ユニット15は、開路用ソレノイド(開路用アクチュエータ)75、可動片75f、弁ケース15a、弁押圧シャフト75a、弁本体部75b、開路弁用バネ75c、シート部75d、リンクレバー75eを備えている。閉路用電磁弁ユニット16は、閉路用ソレノイド(閉路用アクチュエータ)76、可動片76f、弁ケース16a、弁押圧シャフト76a、弁本体部76b、閉路弁用バネ76c、シート部76d、リンクレバー76eを備えている。
開路用ソレノイド75は、液圧操作装置10に与えられる(入力される)開路指令に応じて、液圧操作装置10(遮断器)の開路動作を始動させるための開路用アクチュエータである。一方、閉路用ソレノイド76は、液圧操作装置10に与えられる閉路指令に応じて、液圧操作装置10の閉路動作を始動させるための閉路用アクチュエータである。
上記したインターロック機構64を含むパイロット弁ユニット68は、図1〜図4に示すように、弁ケース78、開路用ポート72、閉路用ポート74、分岐流路73、オリフィス79aを含む流路79、第2の排液ポート26、第4の液室35、第3の液室37、第5の液室32、第8の液室38、切換弁41、インターロック弁71、インターロック用バネ71b、を備えている。
上述した各ポート及び各液室は、ブロック化された弁ケース78の内部に形成されている。インターロック用バネ71b、開路弁用バネ75c、閉路弁用バネ76cは、圧縮コイルバネである。また、第4の液室35は、閉路用ポート74と接続されており、この閉路用ポート74を介して作動液が出入りする。
閉路用ソレノイド76は、分岐流路73を介して、第2の排液ポート26と閉路用ポート74との間を開閉する。つまり、閉路用ソレノイド76は、閉路指令に応じて励磁された場合、閉路弁用バネ76cの付勢力に抗しつつ、可動片76f、弁押圧シャフト76a、リンクレバー76eを介して、弁本体部76bを、シート部(弁座部分)76dから離間させて矢印X2方向に移動し、第2の排液ポート26と閉路用ポート74との間を開放する。
また、図1〜図4に示すように、第3の液室37は、開路用ポート72と接続されており、この開路用ポート72を介して作動液が出入りする。開路用ソレノイド75は、第2の排液ポート26と開路用ポート72との間を開閉する。すなわち、開路用ソレノイド75は、開路指令に応じて励磁された場合、開路弁用バネ75cの付勢力に抗しつつ、可動片75f、弁押圧シャフト75a、リンクレバー75eを介して、弁本体部75bを、シート部(弁座部分)75dから離間させて矢印X1方向に移動し、第2の排液ポート26と開路用ポート72との間を開放する。
切換弁41は、第2の排液ポート26と第2の制御ポート24とを接続する図4に示す第2の開路位置と、第2の給液ポート25と第2の制御ポート24とを接続する図2に示す第2の閉路位置との間で、矢印X1−X2方向に移動する。詳述すると、切換弁41は、開路用ポート72を介して作動液が出入りする第3の液室37内の圧力と閉路用ポート74を介して作動液が出入りする第4の液室35内の圧力とに応じて、第2の開路位置と第2の閉路位置との間を移動する。
ここで、切換弁41の一端部が第4の液室35内で作動液と接触して圧力を受ける受圧面積は、切換弁41の他端部が第3の液室37内で作動液と接触して圧力を受ける受圧面積よりも大きくなるように、当該切換弁41の形状が適宜構成されている。つまり、パスカルの原理を応用するこのような構成によって、第4の液室35内の圧力と第3の液室37内の圧力とが例えば互いに等しい場合、切換弁41は、矢印X2方向に押されて図1に示す第2の開路位置に移動することになる。また、切換弁41は、第4の液室35内の圧力が、第2の圧力(本実施形態では、第3の液室37内の圧力)よりも低いときに、図2に示す第2の閉路位置へ移動する。
切換弁41の内部には、第2の給液ポート25と第3の液室37とを接続する流路41bと、第2の給液ポート25と第4の液室35とを接続する流路41cと、がそれぞれ形成されている。したがって、例えば、開路用ソレノイド75と閉路用ソレノイド76との双方が閉じられている場合、第3の液室37内及び第4の液室35内の圧力は、高圧の状態に維持される。
つまり、この状態において、閉路用ソレノイド76が開いた場合、分岐流路73を介して、第2の排液ポート26と閉路用ポート74との間が開放され、第4の液室35内から作動液が閉路用ポート74、分岐流路73及び第2の排液ポート26を介して排出される。これにより、第4の液室35内の圧力が低下して、第4の液室35内が低圧となることから、切換弁41は、矢印X1方向に押されて図2に示す第2の閉路位置に移動する。
また、第3の液室37内及び第4の液室35内の圧力が高圧の状態において、開路用ソレノイド75が開いた場合、第2の排液ポート26と開路用ポート72との間が開放され、第3の液室37内から作動液が開路用ポート72及び第2の排液ポート26を介して排出される。これによって、第3の液室37内の圧力が低下して、第3の液室37内が低圧となることから、切換弁41は、矢印X2方向に押されて図1に示す第2の開路位置に移動する。
なお、切換弁41の第2の開路位置への移動完了後、開路用ソレノイド75が閉じられると、第3の液室37内には、第2の給液ポート25及び切換弁41内の流路41bを介して作動液が供給され、第3の液室37内は、圧力が上昇する。ただし、上述したように、第4の液室35側にある切換弁41の一端部の受圧面積は、第3の液室37側にある切換弁41の他端部の受圧面積よりも大きいため、第4の液室35内の圧力と第3の液室37内の圧力とが例えば互いに等しい場合、切換弁41は、そのまま第2の開路位置に保持される。
図1〜図4に示すように、インターロック機構64は、作動液が出入りする第5の液室32内の圧力が、閾値として定めた第1の圧力を超えるときに、切換弁41の第2の閉路位置への移動を、機械的に阻止する。インターロック機構64は、引き外し優先機能及びポンピング防止機能を実現する。具体的には、インターロック機構64は、図1〜図4に示すように、主に、上述した閉路用ポート74、第4の液室35、第5の液室32、第8の液室38、インターロック用バネ71b、インターロック弁71によって構成される。
インターロック弁71は、閉路用ポート74を閉じる図3に示す閉塞位置と閉路用ポート74を開放する図1に示す開放位置との間を移動可能であって、第5の液室32内の圧力が、第1の圧力を超えるときに(本実施形態では、閉路用ポート74内の圧力以上のときに)、図3に示す閉塞位置に移動する。インターロック用バネ71bは、インターロック弁71を、開放位置から閉塞位置へと移動させる方向(矢印X1方向)に付勢している。
図1〜図4に示すように、インターロック弁71の内部には、第4の液室35及び流路41cを介して第2の給液ポート25につながっている閉路用ポート74と、第8の液室37と、を接続している流路41bが形成されている。したがって、図1に示すように、開路用ソレノイド75と閉路用ソレノイド76との双方が例えば閉じられている場合、第8の液室38内の圧力は、第4の液室35内及び閉路用ポート74内と共に、それぞれ高圧の状態に維持されている。
なお、上記したインターロック弁71、インターロック用バネ71bなどを含むインターロック機構64については、オリフィス79aなどと共にこれを削除し、第4の液室35に通じている閉路用ポート74を、閉路用電磁弁ユニット16の高圧導入側に直接接続する構成にしてもよい。
ここで、インターロック機構64により実現される引き外し優先機能及びポンピング防止機能について説明する。まず、引き外し優先機能は、例えば、閉路動作の完了後さらに閉路指令が継続されていて、閉路用ソレノイド76が開いたままになっている状況であっても、開路指令がさらに与えられて開路用ソレノイド75が開いた場合に、閉路状態から開路状態へと優先的に移行させることを可能とするものである。
つまり、第3の液室37内が低圧であると共に第4の液室35内が高圧である図1に示す開路状態において、図2に示すように、閉路指令に応じて閉路用ソレノイド76が開いた場合、分岐流路73と閉路用ポート74との間が開放され、第4の液室35内及び閉路用ポート74内の作動液が分岐流路73及び第2の排液ポート23を介して排出される。これにより、第4の液室35内及び閉路用ポート74内が低圧となることから、切換弁41は、矢印X1方向に押されて図2に示す第2の閉路位置に移動する。
切換弁41が第2の閉路位置に移動したことで、これに伴い、給液弁45も、図2に示すように、第3の閉路位置に移動し、これにより、第1の給液ポート22と第2の給液ポート25と第2の制御ポート24とが接続される。この結果、第1、第2の給液ポート22、25及び第2の制御ポート24を介して高圧の作動液が第5の液室32内に導入され、第2の液室35内が高圧となることから、インターロック弁71は、矢印X1方向に押されて図3に示す閉塞位置に移動する。これによって、閉路用ポート74が閉じられる。
図3に示すように、閉路動作が完了したこの状態において、さらに閉路指令が継続されていて、閉路用ソレノイド76が開いたままであっても、インターロック弁71によって閉路用ポート74が閉じられていることから、第4の液室35内は、低圧にはならず、この結果、切換弁41の第2の閉路位置への移動が阻止される。したがって、閉路動作が完了した後に閉路指令が継続されている場合に、閉路動作が再び実行されることを防止することができる。
また、閉路指令が継続されているこの状況においても、開路指令をさらに与え、図4に示すように、開路用ソレノイド75を開くと、開路用ポート72と第2の排液ポート26との間が接続され、第3の液室37内から作動液が開路用ポート72及び第2の排液ポート26を介して排出される。これによって、第3の液室37内が低圧となることから、切換弁41が、矢印X2方向に押されて図4に示す第2の開路位置に移動し、開路動作が実行される。このようにして引き外し優先機能が実現される。
一方、ポンピング防止機能は、例えば、液圧操作装置10の閉路状態から開路状態への移行中に、閉路指令が継続的に与えられていた場合、開路動作完了後に続いて閉路動作が実行されてしまうことなどを防止する機能である。
つまり例えば、閉路動作完了後にさらに開路動作が完了した状況において、閉路指令が継続されている場合、インターロック弁71は閉塞位置にあり、閉路用ポート74は閉じられたままであることから、第4の液室35内を低圧にできない状況である。これによって、切換弁41の第2の閉路位置への動作が阻止されることから、閉路動作が再度実行されず、これによりポンピング動作の発生を防止することができる。このようにしてポンピング防止機能が実現される。
なお、インターロック弁71を図4に示す開放位置に復帰させるには、第5の液室32内を低圧し、閉路用ポート74と流路79とにおけるオリフィス79aよりも上部側を高圧にすることである。つまり、継続されている閉路指令を解除して閉路用ソレノイド76を閉じると、第2の給液ポート25、切換弁41内の流路41c、オリフィス79aを含む流路79を介して、閉路用ポート74と流路79とにおけるオリフィス79aよりも上部側に高圧の作動液が導入されて当該閉路用ポート74の上部側が高圧になる。
さらにこの状態で、開路動作が実行されると第5の液室32内が低圧となる。これにより、インターロック弁71は、インターロック用バネ71bの付勢力に抗しつつ、矢印X2方向に押されて開放位置に復帰する。インターロック弁71が開放位置に復帰したことで、閉路用ポート74が開き、さらに、開路動作が完了した後、閉路用ソレノイド76を開くことで、切換弁41が図2に示す第2の閉路位置に移動し、これにより閉路動作が実行される。
したがって、液圧操作装置10は、閉路動作よりも開路動作を優先的に実行させることができると共にポンピング動作の発生を防止することができる。また、液圧操作装置10は、図1〜図4に示すように、部品の設置スペースの有効な活用によって、装置本体の小型化を図ることができる。
次に、本実施形態の液圧操作装置10における一連の動作を図1〜図4に基づき説明する。まず、液圧操作装置10が開路状態から閉路状態へ移行する際の動作について説明する。図1に示すように、液圧操作装置10の開路状態において、液圧操作装置10に与えられる閉路指令に応じて閉路用ソレノイド76が励磁される。図2に示すように、可動片76fが矢印Y2方向に移動すると、リンクレバー76e、弁押圧シャフト76aを介して弁本体部76bが矢印X2方向に移動する。この際、分岐流路73を介して閉路用ポート74と第2の排液ポート26とが接続されて、第4の液室35内が低圧になることから、図2に示すように、切換弁41は、矢印X1方向に押されて第2の閉路位置まで移動する。これにより、第2の制御ポート24と第2の給液ポート25とが接続される。
また、この際、アキュムレータ19からの高圧の作動液は、高圧流路52、第1の給液ポート22、第2の給液ポート25及び第2の制御ポート24を経て、第2の液室33内に給液され、第2の液室33内の圧力を上昇させる。このように第2の液室33内の圧力が高圧になっている状態では、給液弁45は、図2に示すように、給液弁用バネ47の付勢力に抗しつつ、矢印X1方向に押されて第3の閉路位置に移動し、第1の制御ポート21と第1の給液ポート22との間を接続する。
この場合、第1の給液ポート22から第1の制御ポート21を通じて高圧の作動液が第1の液室31内に導入され、第1の液室31内の圧力は上昇して高圧となる。この際、可動電極3は、図3に示すように、上記したパスカルの原理によって矢印Y2方向に押されて第1の閉路位置に移動し固定電極2と接触することになる。このようにして、液圧操作装置10は、閉路状態への移行を完了したことになる。
次に、液圧操作装置10が閉路状態から開路状態へ移行する際の一般的な動作について説明する。図3に示すように、液圧操作装置10の閉路状態において、液圧操作装置10への開路指令の入力に応じて開路用ソレノイド75が励磁される。図4に示すように、可動片75fが矢印Y2方向に移動すると、リンクレバー75e、弁押圧シャフト75aを介して弁本体部75bが矢印X1方向に移動する。この際、開路用ポート72と第2の排液ポート26とが接続されて、第3の液室37内が低圧になることから、図4に示すように、切換弁41は、矢印X2方向に押されて第2の開路位置まで移動する。これにより、第2の制御ポート24と第2の排液ポート26とが接続される。
この際、第2の液室33内の作動液は、第2の制御ポート24及び第2の排液ポート26を経て、低圧タンク17内に回収される。これにより、第2の液室33内の圧力は低下する。このようにして第2の液室33内が低圧になっている状態では、排液弁46は、図4に示すように、排液弁用バネ48の付勢力に抗しつつ、給液弁45と一体となって矢印X2方向に押されて第4の開路位置に移動し、第1の制御ポート21と第1の排液ポート23との間を接続する。
この場合、第1の制御ポート21及び第1の排液ポート23を通じて第1の液室31内の作動液は、低圧タンク17内に回収される。これにより、第1の液室31内の圧力が低下することになる。第1の液室31内の圧力が低下したことにより、図1に示すように、可動電極3は、矢印Y1方向に上昇して第1の開路位置に移動し固定電極2から離間することになる。このようにして、液圧操作装置10は、開路状態への移行を完了したことになる。
上記したように、本実施形態の液圧操作装置10は、主操作弁ユニット9の第1の制御ポート21の圧力を増減させることで、接続されている第1の液室31内の圧力を制御し、電極移動機構12の動作を制御している。この動作を繰り返すことで、可動電極3による開閉動作を連続的に行うことが可能である。なお、アキュムレータ19内の液圧は低下するが、一定の圧力を下回ると液圧ポンプ18が動作して圧力を再上昇させる。圧力検出部8aは、この変動する圧力を監視している。
また、本実施形態の液圧操作装置10は、第1の給液ポート22、第1の排液ポート23及び第1の制御ポート21を含むポート組と、第2の給液ポート25、第2の排液ポート26及び第2の制御ポート24を含むポート組と、のうちの少なくとも一方のポート組の各ポート上にそれぞれ設けられた後述する複数の閉止弁(第1の閉止弁)及び複数の第2の閉止弁を、ストップバルブ(Closed Nozzle Shutoff Valve)として備えている。
つまり、本実施形態では、上記した少なくとも一方のポート組の各ポートを前記閉止弁を用いて閉止する工程と、前記閉止弁による閉止状態で、電極駆動ユニット14とパイロット弁ユニット(切換弁ユニット)68と主操作弁ユニット(給排液弁ユニット)9とのうちの少なくとも一つのユニット内の損傷を検出する工程と、を有する液圧操作装置の検査方法が実行可能となる。
具体的には、液圧操作装置10は、パイロット弁ユニット68の弁ケース78の開路用ポート72上に設けられた開路ポート閉止弁81と、閉路用ポート74上に設けられた閉路ポート閉止弁82と、を第2の閉止弁として備えている。これらの閉止弁は、通常時は開放して使用するものの、外部から液圧操作装置10へ与えられる閉止指令などに応じて閉止させることで、図6に示すように、開路用ポート72と開路用電磁弁ユニット15、及び、閉路用ポート74と閉路用電磁弁ユニット16、をそれぞれ切り離すことが可能なように構成されている。
例えば、弁本体部75b、76b若しくはシート部75d、76dのいずれかが損傷し、開路用電磁弁ユニット15及び閉路用電磁弁ユニット16で高圧の作動液を保持できなくなった場合に、開路ポート閉止弁81、又は、閉路ポート閉止弁82を閉止することで、損傷部側がアキュムレータ19側から切り離されるため、高圧の作動液を保持することが可能となる。この場合、高圧の作動液のリーク箇所が、開路用電磁弁ユニット15、又は、閉路用電磁弁ユニット16にあると特定することができる。一方、開路ポート閉止弁81、又は、閉路ポート閉止弁82を閉止しても高圧の作動液を保持できない場合、リーク箇所は、開路用電磁弁ユニット15及び閉路用電磁弁ユニット16とは別の箇所にあると判断できる。
また、第2の排液ポート26上(閉止弁として後述する切換弁排液ポート閉止弁 の設置位置とは異なる第2の排液ポート26上の所定位置)には、電磁弁排液ポート閉止弁83が第2の閉止弁として設けられている。この電磁弁排液ポート閉止弁83は、通常時では開放して使用するものの、外部からの閉止指令などに応じて閉止することで、第2の排液ポート26と開路用電磁弁ユニット15及び閉路用電磁弁ユニット16とが、図6に示すように、低圧タンク17側から切り離されるため、低圧タンク17内に蓄えられている低圧の作動液の流出を防止することができる。以上により、開路用電磁弁ユニット15及び閉路用電磁弁ユニット16で作動液のリーク(漏洩)などがあった場合でも、高圧の作動液や、低圧タンク17内の低圧の作動液を残したままでも、開路用電磁弁ユニット15及び閉路用電磁弁ユニット16を取り外すことが可能となる。
同様に、主操作弁ユニット9の主操作弁ケース43、ガイドケース43a内において、第2の制御ポート24上と、第2の給液ポート25上と、第2の排液ポート26上と、にそれぞれ、切換弁制御ポート閉止弁84、切換弁給液ポート閉止弁85、切換弁排液ポート閉止弁86が閉止弁(第1の閉止弁)として設けられている。これらの閉止弁は、通常時では開放して使用するものの、外部からの閉止指令などに応じて閉止することで、主操作弁ユニット9内における第2の制御ポート24、第2の給液ポート25及び第2の排液ポート26と、パイロット弁ユニット68とを、図6に示すように、切り離すことを可能とする。
例えば、切換弁41、若しくは、シート部42などで損傷が生じ、高圧の作動液が保持できなくなったときに、切換弁制御ポート閉止弁84、切換弁給液ポート閉止弁85を用いて、第2の制御ポート24、第2の給液ポート25を閉止することで、損傷部側とアキュムレータ19側とを切り離することが可能となるため、高圧の作動液を保持することができる。この場合、高圧の作動液のリーク箇所がパイロット弁ユニット68内にあるものとして特定できる。一方、第2の制御ポート24と第2の給液ポート25とを閉止しても高圧の作動液を保持できない場合、リーク箇所は、パイロット弁ユニット68と、高圧の作動液の流路が下流にある開路用電磁弁ユニット15や閉路用電磁弁ユニット16とは、別の箇所にあると判断できる。また、切換弁排液ポート閉止弁86を閉止することで、パイロット弁ユニット68と第2の排液ポート26が、低圧タンク17側から切り離されるため、低圧タンク17内に蓄えられている低圧の作動液の流出防止を図れる。以上により、パイロット弁ユニット68でリークがあった場合に高圧の作動液や、低圧タンク17内の低圧の作動液を残したままでも、パイロット弁ユニット68の取り外しが可能となる。
さらに、低圧タンク17に通じる第1の排液ポート23上、第1の制御ポート21上、第1の給液ポート22上、にはそれぞれ主操作弁排液ポート閉止弁87、主操作弁制御ポート閉止弁88、主操作弁給液ポート閉止弁89が設けられている。これらの閉止弁(第1の閉止弁)は、通常時では開放して使用するものの、外部からの閉止指令などに応じて閉止することで、第1の排液ポート23、第1の制御ポート21及び第1の給液ポート22と、主操作弁ユニット9と、を切り離すことが可能となるように構成されている。
排液弁46やシート部51、若しくは給液弁45やシート部49にて損傷が生じ、高圧の作動液が保持できなくなったときに、主操作弁制御ポート閉止弁88、主操作弁給液ポート閉止弁89を閉止させることで、損傷部側がアキュムレータ19側から切り離されるため、高圧の作動液が保持されるようになる。この場合、高圧の作動液のリーク箇所が主操作弁ユニット9内にあると特定することができる。一方で、主操作弁制御ポート閉止弁88と主操作弁給液ポート閉止弁89を閉止しても、高圧の作動液が保持できない場合には、リーク箇所が、開路用電磁弁ユニット15、閉路用電磁弁ユニット16、パイロット弁ユニット68、主操作弁ユニット9とは別の箇所にあると判断できる。また、主操作弁排液ポート閉止弁87を閉止することで、主操作弁ユニット9が低圧タンク17側から切り離されるため、低圧タンク17内に蓄えられている低圧の作動液の流出防止を図ることができる。以上により、主操作弁ユニット9でリークがあった場合に高圧の作動液や、低圧タンク17内の作動液を維持したままでも、主操作弁ユニット9の取り外しが可能となる。
したがって、各種の弁やシート部などの損傷によって高圧の作動液を保持できなくなった際に、上記した各閉止弁を用いてリーク箇所を特定することができる。さらに、アキュムレータ19内の高圧の作動液と低圧タンク17の低圧の作動液とをそれぞれ保持したまま、図6に示すように、開路用電磁弁ユニット15、閉路用電磁弁ユニット16、パイロット弁ユニット68、主操作弁ユニット9の取外しが可能となる。また、このような閉止弁は、上記した各ポート上に組み込むことができるので、閉止弁設置のために新たに流路を設ける必要がなく、液圧操作装置10の小型化などを可能とする。
また、これらの閉止弁は、流路を閉止する過程でそれぞれの流路を絞っていくことができるため、これを可動絞りとしての利用することも可能である。開路ポート閉止弁81及び閉路ポート閉止弁82を、可動絞りとして流路を絞ることで、切換弁41の動作する速度が遅くなるため、開路動作及び閉路動作のタイミング調整が可能である。さらに、主操作弁制御ポート閉止弁88及び主操作弁給液ポート閉止弁89を可動絞りとして流路を絞ることで、第1の液室31に供給される高圧の作動液の供給及び排出の際の損失が増加し、駆動ピストン6の速度の調整が可能になる。
既述したように、第1の実施形態によれば、保守性の向上及び小型化を図れる液圧操作装置10及びその検査方法を提供することができる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施形態を図7に基づき説明する。なお、図7において、図6に示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
図7に示すように、第2の実施形態の液圧操作装置30は、第1の実施形態の液圧操作装置10が備えていた電磁弁排液ポート閉止弁83、切換弁排液ポート閉止弁86、主操作弁排液ポート閉止弁87に代えて、電磁弁排液ポート逆止弁83a、切換弁排液ポート逆止弁86a、主操作弁排液ポート逆止弁87aを、複数の第1の逆止弁(Check Valve/逆流防止弁)として備えている。低圧タンク17にそれぞれ接続された分岐流路73、第2の制御ポート24、第1の排液ポート23を流れる作動液の流れの方向は、常に低圧タンク17側へ向っている。
したがって、第2の実施形態の液圧操作装置30によれば、図7に示すように、個々のユニットを取り外す際に、低圧タンク17内に蓄えられた低圧の作動液の流出防止を図ることができる。また、開放している閉止弁を閉止させるといった作業などが必要なく、さらには、復旧後に閉止弁を再度開放させるといった作業なども必要ないため、メンテナンス時の作業効率のさらなる向上を図れる。また、閉止弁の開放忘れなどよる動作不良を防止できるため、装置の信頼性の向上に寄与する。
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施形態を図8、図9に基づき説明する。なお、図8、図9において、図1〜6に示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
図8、図9に示すように、第3の実施形態の液圧操作装置では、圧力スイッチユニット8の周辺における圧力スイッチ給液ポート28上及び圧力スイッチ排液ポート29上に、圧力スイッチ給液ポート閉止弁91及び圧力スイッチ排液ポート閉止弁92を、第3の閉止弁としてそれぞれ備えている。圧力スイッチユニット8内で高圧の作動液を保持できないリークが発生した場合、図8に示すように、平常時には開放している圧力スイッチ給液ポート閉止弁91を、図9に示すように、閉止することで、損傷部側がアキュムレータ19側から切り離されるため、高圧の作動液が保持されるようになる。
この場合、リーク箇所が圧力スイッチユニット8内にあると特定することができる。一方で、圧力スイッチ排液ポート閉止弁92を閉止しても高圧の作動液を保持できない場合には、リーク箇所が圧力スイッチユニット8とは別の箇所にあると判断できる。さらに、図9に示すように、圧力スイッチ排液ポート閉止弁92を閉止することで低圧タンク17内に蓄えられている低圧液の流出防止を図ることができる。
このように、第3の実施形態の液圧操作装置によれば、圧力スイッチユニット8の内部で高圧の作動液の保持ができなくなった際に、上記閉止弁によりリーク箇所を特定でき、さらに、アキュムレータ19側の高圧の作動液と、低圧タンク17内の低圧の作動液を残したまま、図9に示すように、圧力スイッチユニット8の取外しが可能となる。また、このような閉止弁は、上記した各ポート上に組み込むことができるので、閉止弁設置のために新たに流路を設ける必要がなく、液圧操作装置10の小型化などが可能となる。
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施形態を図10、図11に基づき説明する。なお、図10、図11において、図8、図9に示した第3の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
図10、図11に示すように、第4の実施形態の液圧操作装置は、第3の実施形態の圧力スイッチ排液ポート閉止弁92に代えて、圧力スイッチ排液ポート逆止弁92aを第3の逆止弁として備えている。低圧タンク17に接続された圧力スイッチ排液ポート29を流れる作動液の流れの方向は、常に低圧タンク17側へ向っている。
したがって、第4の実施形態の液圧操作装置によれば、図11に示すように、圧力スイッチユニット8を取り外す際に、低圧タンク17内に蓄えられた低圧の作動液の流出を抑制することができる。また、開放している閉止弁を閉止させるといった作業などが必要なく、さらには、復旧後に閉止弁を再度開放させるといった作業なども必要ないため、メンテナンス時の作業効率を向上させることができる。また、閉止弁の開放忘れなどよる動作不良を防止できるため、装置の信頼性を高めることが可能となる。
<比較例>
次に、図12に基づき比較例の液圧操作装置100について簡易的に説明する。比較例の液圧操作装置100は、小型化を実現するために電極駆動ユニット114の下部には、アキュムレータ119を備え、上部には、主操作弁ユニット109、パイロット弁ユニット168、低圧タンク117を備え、側部には、液圧ポンプ118を配置した構造としている。この構造では、各ユニットを集積化して小型化を図ると共に、排液ポート123、129の距離を短くできるため、大径で長尺な配管を設ける必要がなく、作動液の使用量も少なくなるため、製作コストの削減にもつなげることができる。
しかしながら、個々の弁体は、高圧の作動液による力やばねの付勢力によってシート部に押し付けられることで高圧の作動液を保持できるものの、それぞれの弁体とシート部とが接触する際に、作動液内の異物を噛み込むなどして、弁体の表面やシート部に傷がつき、高圧の作動液の保持が不能になることがある。
この場合、傷が付きリークが発生している箇所の特定を行い、異常個所のみを交換し、復旧させることが保守費用の低減につながるが、小型化を図った比較例の液圧操作装置100においては、各部が集約されているために、例えば異常音の測定などによって外部からリーク箇所を検出することなどが困難となる。
また、液圧制御ユニット161への空気の混入を防止するために低圧タンク117内の液面は、液圧制御ユニット161より高くなるため、交換のために液圧制御ユニット161や電磁弁ユニット175、176を取外す際には、低圧タンク117内の作動液をすべて排出する必要がある。以上より、多くの場合、異常を復旧させる際には、作動液を排出するポンプを用意するなど、大掛かりな作業が必要になるか、液圧操作装置100全体の交換が必要となる。
これに対して、第1〜第4の実施形態の液圧操作装置は、上記した各種のポート上に閉止弁や逆止弁を備えていることで、前述したように保守性の向上や小型化を図ることが可能となる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。