JP2017068925A - 絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の接続部を封止する方法および封止接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】接続部の封止をより完全なものとすることのできる電気ヒーターコード20と電源コード30の接続部を封止処理する方法を提供する。
【解決手段】絶縁外皮19、34を備えた電気ヒーターコード20と電源コード30との端部同士の接続部を封止する方法であって、接続部に電気ヒーターコード20の絶縁外皮と主成分が同じ絶縁性樹脂からなる封止用シート40を上下に配置する。封止用シート40を配置した状態の接続部を、金型内で当該絶縁性樹脂の融点以上に加熱する。加熱により、絶縁外皮19、34と封止用シート40とは、ともに溶融して一体化する。それにより、界面のない封止接続構造が得られる。
【選択図】図4

Description

本発明は、絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の接続部を封止する方法と該端部同士の封止接続構造に関する。
通電により発熱する電気ヒーターコードは広く用いられている。使用に当たっては、電気ヒーターコードの端部を給電元である電源コードに接続する必要がある。一般に、電気ヒーターコードは平型であり、電源コードは円形の断面であることが多い。また、接続に当たっては、両コードの絶縁外皮を除去した後、双方の給電線同士およびアース線同士を互いに接続することとなるが、前記のように両コードの断面形状が異なることもあり、接続部の形状は凹凸を含んだ複雑な形状となるのを避けられない。
一方、前記端部同士の接続部において、使用の過程で絶縁破壊が生じることがないように、接続部内に外部から水分等が浸入するのを防止する処理、いわゆる封止処理が通常行われる。現在行われている一般的な封止方法は、接続部に熱収縮性のチューブを外挿するとともに、チューブ内に接着剤を挿入し、その状態で、接続部全体を加熱してチューブを熱収縮させる方法、あるいは、射出成形により接続部を絶縁性樹脂で被覆する方法等が行われている。他の方法として、特許文献1には、電力ケーブルの端部同士の接続方法として、未架橋のポリエチレンを加熱用ケース内で加熱して、架橋・溶融する方法が記載されている。
特開平6−38333号公報
従来行われている熱収縮性のチューブを用いる接続部の封止方法は、前記したように、通常接続部は凹凸のある複雑な形状をしており、チューブの熱収縮後にもその形状は外観としてほぼそのまま現れる不都合がある。また、接着剤を用いることから、接着剤の硬化により接続部の柔軟性が失われる。さらに、接合すべきコードと接着剤との間に界面ができるのを避けられず、絶縁封止性(防水性)に難があるといえる。射出成形による方法あるいは特許文献1に記載されるような方法は、大掛かりな設備が必要であり、コストも高騰するとともに、少量対応には適した方法ではない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、絶縁封止が求められるコード端部同士の接続部、特に、絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードと電源コードの端部同士の接続部を絶縁封止するためのより改良された封止方法を提案することを課題としており、具体的には、比較的簡単な設備を用いて、低コストでありながら、外観が綺麗であり、柔軟性も備え、かつ高い絶縁封止機能を備えた電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の接続部が得られる封止方法を提供することを課題とする。また、そのような封止構造を備えた電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の封止接続構造を提供することを課題とする。
本発明による接続部の封止方法は、絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の接続部を封止する方法であって、前記接続部に前記電気ヒーターコードの絶縁外皮と主成分が同じ絶縁性樹脂からなる封止用シートを配置し、前記封止用シートを配置した状態の前記接続部を前記絶縁性樹脂の融点以上に加熱し、それにより前記絶縁外皮と前記封止用シートとを溶融一体化させることを特徴とする。
本発明による接続部の封止方法では、加熱により封止用シートの絶縁性樹脂が溶融し、また、コードの絶縁外皮も溶融して、両者は融着状態で一体化する。そのために、封止用シートと絶縁外皮との間に継ぎ目や隙間が形成されることはなく、毛細管現象などによって接続部に水分が侵入するのを確実に防止することができる。また、封止には接着剤を用いないので、接続部の柔軟性が阻害されることもない。
電気ヒーターコードと電源コードとの接続部に前記封止用シートを配置する態様は任意であり特に制限はない。封止用シートで前記接続部を包み込むようにして配置する態様であってもよく、矩形状等をなす複数枚のシートで前記接続部を挟持するようにして配置する態様であってもよい。
本発明による接続部の封止方法の一態様では、前記封止用シートとして、単シートを2枚以上積層させた積層シートを用いることを特徴とする。封止用シートとして一枚のシート、すなわち厚みの厚い一枚のシートを用いてもよいが、上記の態様のように、厚さの薄い単シートを2枚以上積層させた積層シートを用いることで、接続部の凹凸形状等に応じて、単シートの形状を調整したり、枚数を変えたりすることが可能となり、より確実な封止性能を備え、かつ外観も綺麗な接続部の封止接続構造を得ることができる。
本発明による接続部の封止方法の一態様では、前記接続部の加熱を、熱盤を備えた熱プレス機に取り付けた一対の金型により前記接続部を挟み込んで行うことを特徴とする。この態様では、加熱および封止処理を容易に行うことができる。また、金型の成形用キャビティに沿った綺麗な外観を備えた封止接続構造を得ることができる。
本発明による接続部の封止方法の一態様では、前記金型として、パーティング面に凹溝を形成した金型を用い、前記凹溝内の真空引きを行いながら前記加熱を行うことを特徴とする。
この態様では、真空引きを行うことにより、金型内、特に成形用キャビティ内に存在するガスをパーティング面を通して凹溝内に吸引し、該凹溝から積極的に型外に排出することが可能となる。それにより、溶融一体化するときに、絶縁外皮と封止用シートとの間、あるいは封止用シートとして積層シートを用いる場合に各単シートの間に、ガス(空気)が残ってしまうのを確実に回避することができ、封止性能にバラツキがなくかつ外観が綺麗な封止接続構造を得ることができる。
上記のパーティング面に凹溝を成形した金型を用いる処理方法において、より好ましくは、金型として、前記凹溝の外側にパッキング材を配置した金型を用いることを特徴とする。この態様では、真空引き時に、外気が凹溝内に入り込むのを阻止することができるので、型内真空引きの効果を一層確実に遂行できるようになる。
本発明による接続部の封止方法の一態様では、前記金型として、金型端面に前記金型の材料よりも熱伝導性の低い材料からなる耐熱性のコード保持冶具を備えた金型を用いることを特徴とする。
金型を用いた上記の接続部の封止方法において、加熱処理中の前記接続部では金型内の溶融した樹脂や残留ガスの膨張により金型内の圧力が上昇し、かつ金型は前記絶縁外皮および封止用シートの樹脂の融点以上に加熱されているために、各コードが金型の外側に押し出される現象が生じることがある。上記のコード保持冶具を備えた金型を用いる態様は、この外側に押し出される現象が生じるのを防止するためのものであり、金型端面、すなわち金型の各コードを咥える口金部に、金型材料より熱伝導の低い材料、例えば、金型材料より熱伝導の低い耐熱樹脂あるいはセラミックスなどによる耐熱性のコード保持部を取り付け、この耐熱性の保持部によって各コードを押えることで、上記の各コードが外側に押し出される現象を防止することができる。
本発明による接続部の封止方法の一態様では、前記金型として、金型端面に前記コードが前記熱盤に触れるのを防止する接触防止板を備えた金型を用いることを特徴とする。この態様では、加熱処理時に、各コードが垂れ下がって熱盤に不用意に接触するのを効果的に阻止することができ、各コードが熱による損傷を受けるのを回避することができる。
本発明は、さらに、絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の封止接続構造であって、その接続部では、前記電気ヒーターコードの絶縁外皮と主成分が同じ絶縁性樹脂からなる封止用シートと前記絶縁外皮とが溶融一体化していることを特徴とする封止接続構造をも開示する。
上記の封止接続構造では、各コードの絶縁外皮と封止用シートとは融着状態で一体化しており、そのために、封止用シートと絶縁外皮との間に継ぎ目や隙間が形成されることはない。それにより、毛細管現象などによって接続部に水分等が侵入するのを確実に防止することができ、長期にわたって信頼性の高い封止接続構造が得られる。また、封止には接着剤を用いないので、接続部の柔軟性がそのまま維持される利点もある。
なお、本発明において、絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードは、給電されることで発熱する任意の電気ヒーターコードを含む。一例として、給電線の間で並列に接続されている複数の正温度係数特性を備えた発熱体と前記給電線および発熱体を包囲する絶縁性樹脂からなる絶縁被覆を少なくとも含む長尺PTCヒーターコードを挙げることができる。
本発明により、比較的簡単な設備を用いて、低コストでありながら、柔軟性も備え、かつ高い絶縁封止機能を備えた、電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の封止構造を得ることができる。
電気ヒーターコードの一例である長尺PTCヒーターコードにおける発熱体の一例を説明するための図。 電気ヒーターコードの一例である長尺PTCヒーターコードの全体を示す図。 電気ヒーターコードの一例である長尺PTCヒーターコードと電気ヒーターコードの端部同士の接続態様を説明する図(写真)。 本発明による接続部の封止方法の一実施の形態を説明する正面図。 本発明による接続部の封止方法の一実施の形態を説明する平面図。 図4および図5に示す実施の態様で用いる封止用シートの2つの例を示す図。 本発明による接続部の封止方法を実施するのに好適に用いられる熱プレス機を説明する図。 本発明で用いる金型の一例を示す斜視図。 図8に示す金型の詳細図。 図8に示す金型を用いて本発明による接続部の封止方法を実施する状態を示す図。 本発明による接続部の封止方法を実施して得られた電気ヒーターコードと電源コードとの封止接続構造の一例を示す図。 本発明で用いる金型の他の形態を示す図。 本発明で用いる金型のさらに他の形態を示す図。 図13に示した金型で用いている耐熱性のコード保持冶具を説明する図。 図13に示した金型で用いている接触防止板を説明する図。
以下、本発明による、絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の接続部を封止する方法、およびその封止接続構造の幾つかの実施の形態を、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードとして、正温度係数(PTC)特性を備えた発熱体を備えた長尺PTCヒーターコードを例として説明するが、前記したように絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードはこれに限らない。
[電気ヒーターコードの一例である長尺PTCヒーターコードの説明]
最初に、本発明による絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードの一例である長尺PTCヒーターコード20の一例について説明する。図1は、図2に示す長尺PTCヒーターコード20の発熱部10を説明するための斜視図であり、好ましくは銅単線のより線または編組線である第1の給電線11と第2の給電線12とを給電線として備え、第1の給電線11と第2の給電線12の間には複数の正温度係数特性を備えたチップ状の発熱体13の複数個が並列に接続されている。
チップ状の発熱体13は、チタン酸バリウムに添加物を加えたセラミックスからなるものであってもよく、カーボンブラックのような導電体粉末を含む樹脂組成物からなるものであってもよい。後者の場合、導電体粉末としては、カーボンブラック、ニッケルなどの導電体粉末が挙げられる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラックおよびファーネスブラックで表面積が大きいもの、例えば、バルカンXC−72(キャポット社製品)、コンチネックスN330(カポット社製品)などが挙げられる。導電体粉末の平均粒径は40〜70μmであるか、それより大きな平均粒径のものあるいはそれより小さい平均粒径のものと混合したものでもよい。樹脂組成物とは、ポリマーとして一般に使用されている高分子材料であってよく、ポリエチレン、ポリエチレン共重合体、ポリエステル、フッ素樹脂、フッ素系ゴム、アクリルゴム、ポリ塩化ビニルなどを挙げることができる。
導電体粉末の樹脂組成物に対する添加量は、樹脂組成物100質量部に対して、15〜30質量部であることが好ましい。導電体粉末の添加量が少なすぎると抵抗値が大きくなりすぎて発熱しなくなる。逆に多くなりすぎると抵抗が低くなると同時に、抵抗値の温度依存性がなくなりPTC特性を示さなくなる。
第1の給電線11および第2の給電線12とチップ状の発熱体13とは、両者を機械的および電気的に接続するための金属端子14によってかしめられて一体化している。チップ状の発熱体13の形状に制限はないが、この例では、幅がD、長さがL、厚みがHの直方体をなしており、一例として、幅D:8mm、長さL:6mm、厚みH:1.6mmの寸法である。可撓性を向上させるために、発熱体13での幅D/長さLの値Pが1または1以上であることが望ましい。金属端子14の素材としては、銅、リン青銅、鉄、鉄ニッケル合金、金、銀、アルミニウムなどを用いることができる。また、好ましくは、発熱体13と金属端子14との間には、導電ペースト15が塗布される。
なお、隣接するチップ状の発熱体13、13間の距離は、所要の加熱環境が得られることを条件に任意であってよいが、通常は、30〜100mm程度の範囲である。また、隣接するチップ状の発熱体13、13の距離はすべて同じであってもよく、異なった間隔で配置されていてもよい。
図1に示す発熱部10は、一般に、図示しない巻き取りドラムにロール状に巻き取られており、巻き取りドラムから引き出し、それを従来知られた押し出し成形法を用いて、全体を絶縁性樹脂からなる第1の絶縁外皮16(図2参照)で覆うことにより、PTCヒーター線17とされる。絶縁性樹脂としては、例として、電気絶縁性および可撓性を有する軟質塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。さらに、PTCヒーター線17の全長に対して、例えばスズメッキ軟銅線のような金属の編組線による、アース線としても機能するシールド18が巻き付けられ、さらにその上に、適宜の手段により(例えば、従来知られた押し出し成形法を用いて)、好ましくは前記第1の絶縁外皮16と同じあるいは主成分が同じ絶縁性樹脂による第2の絶縁外皮19で覆うことで、絶縁外皮が2層構造とされた、図2に示す長尺PTCヒーターコード20とされる。長尺PTCヒーターコード20は、例えば30〜3000m程度の長さに製造されて、図示しない巻き取りドラムなどに巻き取られて保管される。
[電気ヒーターコードと電源コードとの接続]
電気ヒーターコードの一例である長尺PTCヒーターコード20は、使用に当たって、図3に示すように、適宜の電源コード30とその端部同士で接続される。通常、電源コード30は、断面ほぼ円形であり、第1の給電線31と第2の給電線32とアース線33を有し、その全体が絶縁性樹脂による絶縁外皮34で被覆されている。絶縁外皮34のための絶縁性樹脂としては、電気絶縁性および可撓性を有する軟質塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を用いるのが通常であり、前記した長尺PTCヒーターコード20での絶縁外皮16、19と同様、一般の電気ヒーターコードでも同じ樹脂材料の絶縁外皮を備えている。
長尺PTCヒーターコード20と電源コード30の接続に当たっては、双方の端部から絶縁外皮19、34を除去した後、第1の給電線11と31同士、第2の給電線12と32同士、アース線18と33同士を結線する。結線には、必要に応じて、圧着端子35が用いられる。図3に示すように、通常の場合、結線箇所が3か所となること、長尺PTCヒーターコード20は断面矩形状であり、電源コード30は断面円形であることから、両者の接続部は、凹凸部が多く、かつ長手方向に均一な形状にはなっていない。
[本発明による接続部を封止処理する方法の説明]
本発明による絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の接続部を封止処理する方法は、図3に示した接続部を水密に封止するための方法である。封止処理に当たっては、最初に、図3に示した2つのコード20、30の接続部の領域に、当該電気ヒーターコード20と電源コード30の絶縁外皮19、34と主成分が同じ絶縁性樹脂からなる封止用シートを配置する。配置する態様は、前記したように任意であり特に制限はない。前記接続部を包み込むようにして長尺状の封止用シートを巻き付けるような態様でもよく、図4、図5に示すように、矩形状等をなす複数枚のシート40で前記接続部を上下から挟持するようにして配置するような態様であってもよい。
[封止用シートの一例]
図4、図5に示す例において、封止用シート40は全体が矩形状であり、長さaは、結線された領域での給電線およびアースが露出している領域、すなわち、両コード20、30での絶縁外皮19、34が除去されている領域の軸方向の長さAよりも大きいことが望ましい。封止用シート40の横幅bは、電気ヒーターコード20の横幅と電源コード30の横幅のいずれか大きい方の横幅よりも大きいことが望ましい。封止用シート40の厚みcは、接続部を上下に挟持したときの上下のシートのトータルの厚みが、後記するように、溶融して結線部の間の空間に流入しその間を溶融樹脂で埋め込んだ状態で、なお、前記接続部の全体を絶縁性樹脂で包み込むことのできるだけの容量が得られるだけの厚みとなるように設定される。
その容量が得られることを条件に、封止用シート40は、図6(a)に示すように、一枚のシートであってもよく、図6(b)に示すように、厚さの薄い単シート41・・の積層体であってもよい。積層体である場合には、各単シートはすべて同じ平面視形状であってもよく、異なる平面視形状のものを含んでいてもよい。前記した各結線部の間に形成される空間を埋めるためのより小さな形状の封止用シートと併用することもできる。
封止用シート40の材料には、両コード20、30の絶縁外皮19、34を構成する絶縁性樹脂と主成分が同じ絶縁性樹脂が用いられる。より好ましくは、軟質塩化ビニル樹脂である。なお、ここで主成分が同じとは、着色用材料などの他の成分が相互の融着性を阻害しない程度に混入していてもよいことを意味している。
後に詳しく説明するように、長尺PTCヒーターコード20および電源コード30の接続部領域を上下から上記の封止用シート40、40で挟持し(図4参照)、その後、接続部の全体を、当該絶縁性樹脂の融点以上に加熱して、両コード20、30の絶縁性樹脂19、34と封止用シート40とを溶融一体化することで、本発明による方法による封止方法で封止処理された電気ヒーターコード20と電源コード30との端部同士の封止接続構造が得られる。
前記したように、上下から挟持するのではなく、接続部を封止用シートで包み込むように巻き込んだ状態とし、それを加熱して両コード20、30の絶縁性樹脂19、34と封止用シートとを溶融一体化することでも、結果として、同様な封止接続構造が得られる。
[熱プレス機の説明]
上記した本発明による電気ヒーターコードと電源コードとの接続部の封止方法は、接続部に配置した封止用シート40をその融点以上の温度に加熱できることを条件に、任意の加熱手段を用いて実施することができる。より好ましくは、熱盤を備えた熱盤プレス機と加熱可能な金型を用いて実施する方法である。以下、その一例を説明する。
図7は、金型Cを用いて本発明の方法を実施するのに好適な熱プレス機Bの一例を示している。熱プレス機Bは、上熱盤B1と下熱盤B2を備え、双方の熱盤B1、B2は接近離間自在となっている。上熱盤B1と下熱盤B2には対をなす成形用金型C1、金型C2が取り付けられており、図示の例では、上熱盤B1が下降することで、両熱盤は接近して型締めがなされる。成形用金型C1、C2は熱盤B1、B2から伝熱され、型締めされた状態で金型C内にセットされた被成形品Eの加熱処理が進行する。所要の加熱処理が終了した後、型が開かれ、成形品が取り出される。
[熱プレス機とともに用いる成形金型の説明−その1]
以下に、図8、図9を用いて、前記成形用金型Cの一例を説明する。成形用金型Cは伝熱性の良い金属で作られるのが好ましく、より好ましくはアルミ合金製である。この例において、上金型C1と下金型C2は鏡面対称の形状であるので、下金型C2を例にとり説明する。図8は金型C全体の斜視図を、図9(a)は下金型C2の平面図、図9(b)は図9(a)のb−b線に沿う断面図、図9(c)は図9(a)のc−c線に沿う断面図である。
下金型C2は、パーティング面50のほぼ中央部に成形用キャビティとして機能する成形用凹部51を有する。成形用凹部51は平面視でほぼ長方形状であり、図9(b)に示すように、短手方向の断面において、底面51a側の両角部は丸みを有している。下金型C2の一方の端面caと前記成形用凹部51の一方の長手方向端面51bとの間には電気ヒーターコード20を咥えるための第1の口金部52が形成されており、下金型C2の他方の端面cbと前記成形用凹部51の他方の長手方向端面51cとの間には電源コード30を咥えるための第2の口金部53が形成されている。
前記第1の口金部52の深さは電気ヒーターコード20の厚みの1/2が入り込む深さである。また、図示の例において、第1の口金部52の横幅方向の中央部に突条54が形成されている。この突条54は、図2に示す、第2の絶縁外皮19と第1の絶縁外皮16との間に形成される空間(長手方向に凹部19a)の形状とほぼ同じ形状である。なお、突条54は省略することもできる。第2の口金部53の横断面形状は電源コード30断面の下半分の横断面形状と同じであり、この例では半円形である。
前記成形用凹部51における両端面51b、51c間の距離は、図4に示した距離A、すなわち、接続部における、両コード20、30での絶縁外皮19、34が除去されている領域の軸方向の長さAよりも長いことを条件に、任意である。本発明者らの実験では、前記長さAよりも外側両方向に10mm程度延長した長さであれば、十分に所期の目的を達成した封止接続構造を成形することができた。また、前記成形用凹部51の容積は、成形用金型C1、C2を型合わせしたときに上下の成形用凹部51、51で形成される成形用キャビティ内に前記接続部を収容しても、なお所要の空間が残るだけの容積とされる。
前記のように上金型C1は下金型C2と鏡面対称の形状であり、同じ形状の成形用凹部51および口金部52、53を備えている。また、下金型C2の4隅には孔55が形成され、上金型C1における型合わせしたときに前記孔55に対応する箇所には、孔55内に嵌入する脚56が形成されている。
[接続部の封止を実施するときの前作業の説明]
本発明による接続部の封止方法を実施するに当たっては、最初に、電気ヒーターコード20と電源コード30との端部同士を、図3〜図5に例を示したように、電気的に接続した状態とする。また、前記絶縁外皮の絶縁性樹脂と主成分が同じ絶縁性樹脂からなる封止用シートであって、前記した金型の成形用凹部51の平面視形状にほぼ一致した形状に切断した封止用シート40の適数枚を用意する。用意する封止用シート40は、図6に基づき説明したように、厚みの厚い1枚ものでもよく、厚みの薄いシートを積層した積層物でもよい。
[加熱処理の説明]
最初に、図7に示した熱プレス機Bの上熱盤B1に上金型C1を、下熱盤B2に下金型C2を取り付け、図10に示すように、型を開いた状態する。なお、図10は図9(b)に相当する図であり、図10では上金型C1と下金型C2の双方を図示している。次に、用意した封止用シート40を下金型C2の成形用凹部51内に配置し、その上に、電気ヒーターコード20と電源コード30との接続体をその接続部が成形用凹部51のほぼ中央部となるようにしてセットする。セットされた電気ヒーターコード20と電源コード30との接続体における前記接続部の上に、さらに同じ形状の封止用シート40を配置する。
その状態で、加熱した金型Cの型締めを行う。型締めにより熱盤B1、B2からの熱が金型C1、C2に伝達され、上下の封止用シート40と電気ヒーターコード20および電源コード30の絶縁外皮は、それらを構成する絶縁性樹脂の溶融温度以上の温度にまで加熱される。その加熱により、上下の封止用シート40、40は溶融した状態となり、接続部に存在する結線部間の空所内に入り込んでいき、空所内は溶融した絶縁性樹脂によって埋められる。また、絶縁外皮も同時に溶融しており、封止用シート40と絶縁外皮19、34は界面のない状態で溶融一体化する。それにより、接続部の完全な封止状態が形成される。上記の加熱溶融処理が完了した後、型を開き、処理品を取り出す。
封止処理後の成形品が図11に示される。図11(a)は全体の斜視図であり、図11(b)は図11(a)のb−b線に沿う断面図である。図11(b)に示すように、3つの結線部の間にあった空間は、封止用シート40が溶融した絶縁性樹脂によって埋め尽くされている。また、接続部の一方の端部領域では、封止用シート40と電気ヒーターコード20の絶縁外皮19が、他方の端部領域では、封止用シート40と電源コード30の絶縁外皮34が、それぞれ溶融一体化した状態となっている。それにより、封止部での水密性は確実に確保される。
さらに、接続部の外観形状は、金型の成形用凹部51で形成されるキャビティに沿った形状となり、外観の綺麗な封止接続構造が得られると同時に、成形用凹部51の形状を適宜変更することで、任意の外観形状を備えた接続部を得ることもできる。なお、封止用シート40の容量によって、内部に隙間が残ったり、キャビティ形状に沿わない形状となったり、キャビティから樹脂がはみ出したりすることが生じる。事前に計算により、あるいは試行を繰り返すことにより、最適な樹脂量となるように、封止用シート40あるいは単シート41の厚みや枚数を設定することが望まれる。
また、上記の例において、金型の第1の凹陥部52には突条54が形成されており、その突条によって押圧されることで、電気ヒーターコード20における第2の絶縁外皮19と第1の絶縁外皮16との間に形成される空間(長手方向に凹部19a)、および封止用シート40と第2の絶縁外皮19との間に形成される空間は、閉じた状態となる。これによっても、封止部での水密性はより確実に担保される。さらに、接続部に接着剤を使用することを要しないので、柔軟性を備えた接続部構造を得ることができる。
[他の成形金型の説明]
図12を用いて、成形金型の第2の形態を説明する。第2の形態の成形金型Dにおいて、成形用凹部51の形状、および電気ヒーターコード20を咥える第1の口金部52と電源コード30を咥える第2の口金部53の形状は、第1の形態の金型Cと同じであり、同じ符号を付すことで、それらの説明は省略する。また、第2の形態の成形金型Dも、上金型D1と下金型D2を備えており、下金型D2の形状のみが、前記した下金型C2と相違している。
図12(a)は下金型D2の斜視図を、図12(b)は図12(a)のb−b線での断面図を示している。下金型D2は、図示のように、成形用凹部51の両側方におけるパーティング面50に、所要深さの第1の凹溝60が形成されている。そして、前記第1の凹溝60には外部に連通する横穴61が適数、図示のものでは、左右に2個、形成されている。さらに、省略も可能であるが、第1の凹溝60の外側には、第1の凹溝60に沿うようにして、第1の凹溝60よりは浅い深さの第2の凹溝62が形成されている。
成形金型Dを用いて熱成形処理を行うに当たっては、下金型D2に形成した前記横穴61に図示しない真空引き装置からの配管を接続する。さらに、第2の凹溝62内には耐熱性パッキン(不図示)を装着する。その状態で、前記した上金型C1と下金型C2を用いて処理する場合と同様に、型締めと加熱を行う。
型締めの後、図示しない真空引き装置を作動し、横穴61を介して第1の凹溝60の真空引きを行う。第1の凹溝60はパーティング面50を介して成形空間である凹陥部51につながっており、凹陥部51内も負圧になる。その負圧によって、電気ヒーターコード20と電源コード30との接続部に存在するガス(空気)は強制的に外部に引き抜かれる。それにより、より水密性の高い封止処理が可能となる。
なお、第2の凹溝62内に装着する耐熱性パッキンは、真空引きにより外気が第1の凹溝60内に入り込むのを防止するためのものであり、外気の流入が生じない、あるいは生じても格別の問題がない場合には、第2の凹溝62を省略することもできる。
図示しないが、成形金型Dとして、上金型D1にも同様な第1の凹溝60と横穴61およびまたは第2の凹溝62を備えた上金型を用いることもできる。
[コード保持冶具および接触防止板の説明]
次に、上記した成形金型CまたはDと共に好適に用いられるコード保持冶具70および接触防止板80を説明する。
[コード保持冶具70]
図14はコード保持冶具70の一例を示す。コード保持冶具70は、図13に示すように、上金型C1(D1)と下金型C2(D2)の端面に、その上面71がそれぞれのパーティング面50と面一となるようにして取り付けられるものであり、上面71には、装着時に金型に形成した前記第1の口金部52と対応する箇所に、第1の口金部52と同形状の凹部72および突条73を備えた凹部74が形成されている。コード保持冶具70は、成形金型C(D)の材料よりも熱伝導性の低い耐熱性材料、例えば、成形金型C(D)がアルミ合金製である場合には、セラミックスやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような耐熱性樹脂で作られる。なお、図13では、後記する接触防止板80と共にコード保持冶具70が金型C2に取り付けられている状態を示しているが、接触防止板80を用いずにコード保持冶具70を単独で使用することも可能である。
第2の口金部53に対しても、コード保持冶具70と同様なコード保持冶具75(図13参照)が用いられる。コード保持冶具75は、その上面76に形成された凹部77が第2の口金部53における凹所と同じ形状である点のみで、コード保持冶具70と相違しており、金型への取り付け方はコード保持冶具70と同じである。
加熱処理をするときに、金型C(D)の端面にコード保持冶具70、80を取り付けることにより、処理しようとする電気ヒーターコード20および電源コード30を自由には移動しない状態で押さえ付けることができる。それにより、前記したように、一般に、金型を用いた上記のような加熱処理において、処理中の電気ヒーターコード20および電源コード30の端部は、型内の溶融した樹脂や残留ガスの膨張により型内の圧力が上昇し、かつ金型は電気ヒーターコード20および電源コード30の絶縁外皮19、34および封止用シート40の樹脂材料の融点以上に加熱されているために、金型の外側に押し出される現象が生じるが、この現象が生じるのを確実に阻止することが可能となる。
[接触防止板80]
図15は、接触防止板80の一例を示す。接触防止板80は、上金型と下金型で電気ヒーターコード20と電源コード30との接続体を挟持して、前記した加熱処理を行うときに、電気ヒーターコード20あるいは電源コード30の本体部が垂れ下がり、金型を固定している高温環境にある熱盤(図7における熱盤B2参照)に接触するのを防止するためのものであり、水平版81とその端部に立設する垂直板82を備える。垂直板82の上端面には、装着時に金型C(D)に形成された前記第1の口金部52と対応する箇所に、第1の口金部52と同形状の凹部83が形成されている。さらに、水平版81の中央部にはシリコーンのような熱伝導性の低い耐熱性材料からなる受け座84が取り付けられている。
接触防止板80は、図13に一例を示すように、前記したコード保持冶具70と共に、上金型C1と下金型C2の一方側の端面ca側に取り付けられる。図示しないが、上金型C1と下金型C2の他方の端面cb側にも、接触防止板80と同様な接触防止板であるが、その上面に第2の口金部53における凹所53と同じ形状の凹部を備えた接触防止板が取り付けられる。
加熱時に電気ヒーターコード20あるいは電源コード30が自重で下方に垂れ下がる場合でも、そのコードは接触防止板80に取り付けた受け座84で支持されることとなり、熱盤B2に直接的に接するのを回避できるので、電気ヒーターコード20あるいは電源コード30が熱損傷を受けるのを効果的に回避することができる。なお、上金型C1に接触防止板80を取り付けるのは、処理中に跳ね上がりなどによってコードが熱盤に接するのを防止するためであり、そのような危険が予測できない場合には、使用を省略することもできる。
[他の実施の形態]
上記の説明では、加熱に当たって、前記接続部の領域に封止用シート40を上下から配置するようにしたが、封止用シート40を配置する態様はこれに限らない。図示しないが、例えば長尺状あるいは幅の広い封止用シートを用いる場合には、前記接続部の全体を封止用シートで包み込むようにし、その状態で両コード20、30の接続部を前記成形用凹部51にセットした後、加熱処理を行うようにしてもよい。包み込んだあるいは巻き付けた状態での形状および容積が、成形用金型C1、C2を型合わせしたときに上下の成形用凹部51、51で形成される成形用キャビティの形状および容積とほぼ同じかやや大きくなるように封止用シートでの包み込みあるいは巻き付け行うことが好ましい。それにより、溶融後の成形品の形状を成形用キャビティの形状に沿った綺麗な形状のものとすることができる。
(使用材料)
長尺PTCヒーターコード20として、図2に示した長尺PTCヒーターコード20と同様な構成を備えたセキスイセラミックスヒーター(積水化成品工業株式会社製)(発熱体:チタン酸バリウムに添加物を加えたセラミックス)を用いた。横幅18mm、厚み8mmであり、第1の絶縁外皮16と第2の絶縁外皮19は、共に耐熱性塩化ビニル樹脂である。また、電源コード30として、直径が11mmである図3に示した形状のビニルキャブタイヤケーブル(VCT)を用いた。絶縁外皮34は、長尺PTCヒーターコード20の絶縁外皮と同じ耐熱性塩化ビニル樹脂である。
長尺PTCヒーターコード20の第1の絶縁外皮16と第2の絶縁外皮19、および電源コード30の絶縁外皮34を、それぞれ端部から40mm除去した後、図4および図5に示すように、それぞれの給電線とアース線とを結線した。結線部には圧着端子35を固定した。その結果、長尺PTCヒーターコード20と電源コード30とは、図4での距離Aが60mmである接続部でもって、互いに接続された。
封止用シート40として、第1の絶縁被膜16および第2の絶縁外皮22と同じ塩化ビニル樹脂シートであって厚み1mmのシートから、図6(b)に示すように、矩形状の単シート41を多数枚裁断し、それを5枚積層した積層シートを用意した。封止用シート40の平面視形状は長方形であり、図6(b)での長さa=80mm、幅b=24mm、厚みc=8mmである。単シート41のうちの3枚には、長手方向の端部中央に、図8に示した金型における突条54の平面視に相当する形状の切欠きを設けた。
(製造装置)
図7で説明した形状の熱プレス機Bを用いた。上下2枚の熱盤B1、B2を所定の温度に加熱し、かつ所定の圧力で熱プレスする装置である。
(金型)
成形用金型として、図8に示した、アルミ合金からなる金型Cを用いた。金型の成形用凹部51の寸法は、長さは80mm、パーティング50の面での幅は24mm、最大深さは8mmとした。また、金型における突条54の成形用凹部51内への突出距離は5mmである。
(製造条件)
上記の熱プレス機の熱板に上記の金型を取り付け、型を開いた状態とした。下金型C2の成形用凹部51内に封止用シート40を、方向を一致させて挿入した。その上から、前記接続部が成形用凹部51に位置するようにして長尺PTCヒーターコード20と電源コード30の接続体を配置し、さらにその上から、下金型C2の成形用凹部51内に挿入したと同じ形状と厚みの封止用シート40を配置した。配置後、上金型C1を下降させて、型締めをした。型締め後に、熱盤設定温度を175℃(金型温度:170〜175℃)に調整して、15分間の加熱処理を行った。
加熱処理後、型を開き、長尺PTCヒーターコード20と電源コード30との連結体を取り出した。外観形状が図11に示したとおりである連結体が得られた。
(評価)
融着部の密着性(融着性)の確認を、断面を目視することで行った。断面は、封止用シート40が長尺PTCヒーターコード20の第2の絶縁外皮19と融着している領域(断面1)、封止用シート40が電源コード30の絶縁外皮34と融着している領域(断面2)、および、前記接続部の長手方向の中央部領域(断面3)の3か所とした。断面1では、封止用シート40と第2の絶縁外皮19および第1の絶縁外皮16とが完全に溶融一体化しており、隙間(空所)は見られなかった。断面2では、封止用シート40と絶縁外皮34とが完全に溶融一体化しており、隙間(空所)は見られなかった。また、断面3では溶融した封止用シート40によって空所の無い状態で各結線部の周囲は埋め尽くされていた。
さらに、電気特性(a.導通・短絡、b.絶縁抵抗、c.水中絶縁抵抗)を確認したところ、いずれも不都合は生じなかった。なお、電気特性のテストは、a.導通・短絡については、2本の給電線の間の抵抗を抵抗計で測定する方法で行い、b.絶縁抵抗については、給電線と編組線シールドの間の抵抗を500Vメガ抵抗計で測定する方法で行い、c.水中絶縁抵抗については、成形後の接続部が完全に水没した状態で水と編組線シールドの間の抵抗を500Vメガ抵抗計で測定する方法にて行った。
そして、a.導通・短絡については、抵抗計の表示が零あるいは∞になる場合に、b.絶縁抵抗については、メガ抵抗計の表示が1MΩ未満になる場合に、c.水中絶縁抵抗については、メガ抵抗計の表示が0.3MΩ未満になるような現象が生じた場合に、不具合が生じたものとした。
以上のことから、長尺PTCヒーターコードと電源コードの接続部に対して、本発明の方法による接続部の封止処理を行うことにより、水の侵入に対する確実な封止接続構造が得られることを確認できた。
B…熱プレス機、
B1…上熱盤、
B2…下熱盤、
C1、C2…成形用金型、
20…電気ヒーターコードの一例である長尺PTCヒーターコード、
30…電源コード、
40…封止用シート、
50…金型のパーティング面、
51…成形用凹部51、
52、53…口金部、
70…コード保持冶具、
80…接触防止板。

Claims (8)

  1. 絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の接続部を封止する方法であって、
    前記接続部に前記電気ヒーターコードの絶縁外皮と主成分が同じ絶縁性樹脂からなる封止用シートを配置し、前記封止用シートを配置した状態の前記接続部を前記絶縁性樹脂の融点以上に加熱し、それにより前記絶縁外皮と前記封止用シートとを溶融一体化させることを特徴とする電気ヒーターコードと電源コードとの接続部の封止方法。
  2. 前記封止用シートとして、単シートを2枚以上積層させた積層シートを用いることを特徴とする請求項1に記載の電気ヒーターコードと電源コードとの接続部の封止方法。
  3. 前記接続部の加熱を、熱盤を備えた熱プレス機に取り付けた一対の金型により前記接続部を挟み込んで行うことを特徴とする請求項1または2に記載の電気ヒーターコードと電源コードとの接続部の封止方法。
  4. 前記金型として、パーティング面に凹溝を形成した金型を用い、前記凹溝内の真空引きを行いながら前記加熱を行うことを特徴とする請求項3に記載の電気ヒーターコードと電源コードとの接続部の封止方法。
  5. 前記金型として、前記凹溝の外側にパッキング材を配置した金型を用いることを特徴とする請求項4に記載の電気ヒーターコードと電源コードとの接続部の封止方法。
  6. 前記金型として、金型端面に前記金型の材料よりも熱伝導性の低い材料からなる耐熱性のコード保持冶具を備えた金型を用いることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の電気ヒーターコードと電源コードとの接続部の封止方法。
  7. 前記金型として、金型端面に前記コードが前記熱盤に触れるのを防止する接触防止板を備えた金型を用いることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の電気ヒーターコードと電源コードとの接続部の封止方法。
  8. 絶縁外皮を備えた電気ヒーターコードと電源コードとの端部同士の封止接続構造であって、その接続部では、前記電気ヒーターコードの絶縁外皮と主成分が同じ絶縁性樹脂からなる封止用シートと前記絶縁外皮とが溶融一体化していることを特徴とする封止接続構造。
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