JP2017068526A - 図面作成装置及び図面作成プログラム - Google Patents

図面作成装置及び図面作成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】様々な形状を有する複数の図面要素を、より狭い範囲に効率よく自動配置する。【解決手段】図面に表示されている情報と重なる全てのセルを含む連続した領域を図面要素として検出し、第二の図面要素の頂点セルが第一の図面要素の外枠のセルに外側から沿うように、第二の図面要素の頂点セルを移動させながら、第一の図面要素と第二の図面要素とを含む図形が内接する内接矩形の面積が最小となる配置パターンを検出し、この配置パターンで配置された第一の図面要素と第二の図面要素とからなる図形を新たな第一の図面要素とし、他の図面要素を第二の図面要素として同様に内接矩形の面積が最小となる配置パターンを検出し、第二の図面要素として第一の図面要素を除く全ての図面要素を順に設定し、最後の図面要素が第二の図面要素として設定された状態での内接矩形の面積が最小となる配置パターンを最小配置パターンとする。【選択図】図9

Description

本発明は、図面作成装置及び図面作成プログラムに関する。
機械図面等を作成する場合、投影図の他に注記情報や詳細図等といった2D(二次元)図面を構成する様々な図面情報が、印刷領域を表す図枠内に共に表示される。そして、この図枠内に表示される投影図や注記情報、詳細図等の各種の図面情報が、指定された用紙サイズの一枚の用紙に印刷されることにより、投影図や注記情報、詳細図等の各種の図面情報が一つの図枠内に配置された機械図面が得られるようになっている。
ここで、機械図面等に含まれる各種図面情報には、例えば機械部品の製造に必要な情報として、投影図や、部品の一部の形状や寸法を部分拡大図や部分断面図で示した詳細図、部品の製造に係る特記事項が書かれた注記情報等を含む。これら図面情報は、例えば、3D(三次元)CADシステムにより作成した3Dオブジェクトをもとに個別に作成される。また、詳細図や注記情報などは、特に使用頻度の高いものは、予め作成されたものを用意しておき、適宜流用するようになっている。これら図面情報を所定の用紙サイズに対応した図枠内に配置することで、用紙サイズに対応した図面サイズで、機械部品の製造に必要な2D図面が作成される。
ところで、投影図のサイズは部品毎に異なり、必要な注記情報や詳細図は部品の形状等の仕様によって異なる。そのため、機械図面等に含まれる各種の図面情報を図枠内に配置する際の、配置パターンは多岐にわたる。
図枠内に各種の図面情報を配置する場合、図面情報どうしが重ならずに、且つ全ての図面情報が図面枠内に収まるように配置する必要がある。そのため、特に、図面枠内における図面情報の占有面積や図面枠内に配置すべき図面情報の数に対して図面枠、つまり印刷領域が比較的小さいときほど、手作業による配置作業には時間がかかる。
複数の図面情報を図面枠内に自動で配置する装置等も提案されており、このような装置では、複数の図面情報が図面枠内に収まる配置パターンを予め記憶しておくことにより、複数の図面情報を配置するようにしている。
しかしながら、詳細図や注記情報等は定期的にメンテナンスされるため、メンテナンスに伴って詳細図や注記情報が変更され、その結果、配置パターンで規定される領域内に収まらなくなる可能性がある。その場合には配置パターンを再度設定し直す必要があり、装置側のメンテナンスロードが大きくなる。
また、所定の図面情報を図枠内に配置することができない場合には、印刷領域を広くする必要がある。一般に、図面は用紙に印刷することが多いため、少しでも小さい用紙サイズの印刷用紙に印刷することは省資源活動となる。また、用紙サイズがA2以上となると、専用プリンタが必要になることが多い。また、モニタ上で図面を閲覧する場合、用紙サイズが大きくなるほど、図面枠内に表示される図面情報がより縮小されるため、詳細図等、比較的細かい図面の場合には、表示された情報を確認しづらい。つまり、モニタ上での図面の見易さの点からも印刷領域は狭い方が好ましく、そのためには、複数の図面情報が重ならずに小さくまとまって配置されることが好ましい。
このような問題を解決するために、一つの印刷領域内に配置されている、投影図、注記情報等の図面上に配置される各種の複数の図面情報を、図面情報毎に分割し、図形や寸法線の干渉を検知して、これらが重ならないように自動で修正する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、プレス金型に配置する単位形状の部材について、回転角度毎の材料取り面積を算出し、面積が最小となる回転角度を求めることにより、材料の歩留りが最小となるレイアウトを検出する方法等も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−43934号公報 特開平4−60875号公報
しかしながら、上述のように図形や寸法線の干渉を検知して配置を修正する方法は、予め一つの印刷領域内に配置されている投影図、注記情報等といった各種の図面情報どうしの干渉を修正するものであって、人手によって、予め各種の図面情報を配置しておく必要がある。
また、回転角度毎の材料取り面積を算出することで材料の歩留りが最小となるレイアウトを検出する方法は、単一形の部材を配置対象とし、単位形状の部材を回転させるものであるため、機械図面等のように様々な形状の投影図や、注記情報等の図面情報を有し、かつ回転させることのできない図面情報を含む図面の場合には、適用することが困難である。
本発明は、様々な形状を有する、投影図や注記情報等といった複数の図面情報を、より狭い範囲に効率よく自動配置することの可能な図面作成装置及び図面作成プログラムを提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、複数の図面を一枚の用紙に対応した一つの印刷領域内に配置する図面作成装置であって、前記複数の図面それぞれにおいて、前記図面間で同一ピッチの縦及び横のグリッド線を、表示されている情報全てを覆うように重畳させ、前記グリッド線で区切られるセルのうち前記図面に表示されている情報と重なる全てのセルを含む連続した領域を図面要素とし、前記連続した領域の外枠をなすセルを図面要素の外枠のセルとするグリッド処理部と、複数の前記図面要素のうちの一の図面要素を基準図面要素として設定する基準図面要素設定部と、当該図面要素のうちの二つの図面要素を第一の図面要素及び第二の図面要素として初期設定する初期設定部と、前記第二の図面要素の前記外枠のセルのうち頂点となるセルを頂点セルとして検出する頂点セル検出部と、前記第二の図面要素に含まれる一の頂点セルを移動セルとし、当該移動セルが前記第一の図面要素の前記外枠のセルに外側から沿うように前記第二の図面要素を移動させながら、前記第二の図面要素が前記第一の図面要素と重ならない領域に配置される配置パターンを検索し、一の頂点セルについて前記配置パターンを検出した後、前記移動セルを他の頂点セルに切り替えて再度前記配置パターンを検索する処理を、前記移動セルとして全ての前記頂点セルが設定されるまで繰り返し行って、前記頂点セル毎に前記配置パターンを検出する配置パターン検出部と、前記配置パターン検出部で検出した前記頂点セル毎の配置パターンのうち、当該配置パターンで配置された前記第一の図面要素と前記第二の図面要素とを含む図形が内接する矩形の面積が最小となる配置パターンを最小配置パターン候補として検出する最小配置パターン候補検出部と、前記最小配置パターン候補で配置された前記第一の図面要素と前記第二の図面要素とからなる図形を新たな前記第一の図面要素とし、前記図面要素のうちの、前記第二の図面要素として既に設定された図面要素を除く一の図面要素を新たな前記第二の図面要素として設定する更新処理を、全ての前記図面要素が前記第二の図面要素として設定されるまで繰り返し行う図面要素更新部と、前記第二の図面要素として前記複数の図面要素のうちの最後の図面要素が設定された状態で前記最小配置パターン候補検出部において検出される最小配置パターン候補を、最小配置パターンとする最小配置パターン検出部と、を備える図面作成装置が提供される。
本発明の一態様によれば、限られた領域内に、図面要素をコンパクトに配置することができ且つ効率よく自動で配置することができる。
本発明の一実施形態に係る図面作成装置の一例を示す構成図である。 個別図面の一例である。 本発明の一実施形態に係る図面作成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 グリッド線を重畳した個別図面の一例である。 制御装置で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。 配置可能領域の設定方法の一例を説明するための説明図である。 図面要素の検出方法の一例を説明するための説明図である。 頂点セルの検出方法の一例を説明するための説明図である。 配置パターン検索処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 配置パターン検索処理の動作の一例を説明するための説明図である。 配置パターン検索処理の動作の一例を説明するための説明図である。 配置パターン検索処理の動作の一例を説明するための説明図である。 図枠内に配置された最小配置パターンの一例である。 図枠内に配置された最小配置パターンにおいて、図面要素を明示したものである。 図面要素の外枠のセルの外側に空白セルを設けた場合の一例である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部について記載される。しかしながら、かかる特定の細部がなくても1つ以上の実施形態が実施できることは明らかである。他にも、図面を簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
(構成)
本発明の一実施形態に係る図面作成装置1は、図1に示すように、表示装置2と、入力装置3と、制御装置4と、を備える。
表示装置2は、CRT、液晶ディスプレイ等の画像を表示する装置であって、図面作成装置1での処理を実現するプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。
入力装置3は、マウス、キーボード等であり、利用者の入力操作、選択操作等を受け付け、入力信号を制御装置4に出力する。
制御装置4は、パーソナルコンピュータ(PC)等であり、入出力インタフェース部、演算処理部(CPU)、ROM、RAM等の記憶部を備える。図面作成装置1での処理を実現するプログラムは記憶部に格納され、演算処理部では、記憶部に格納されたプログラムにしたがって、図面作成装置1に係る機能を実現し、図面データベース5に格納された各種図面データに基づき図面作成を行う。
図面データベース5には、この図面作成装置1によって作成される、複数の個別図面を一枚の用紙に対応した一つの印刷領域内に配置してなる統合図面(例えば2D図面)や、この統合図面に含まれる複数の個別図面等の図面データが格納される。図面データベース5は、制御装置4が有する記憶領域に設けられていてもよく、図面作成装置1の外部に設けられていてもよい。
個別図面としては、例えば図2に示すように、正面図、平面図、側面図、背面図、底面図等の投影図や断面図、各種の注記情報、投影図で表される物体の詳細図等を含む。個別図面は、個別図面単位で作成される。
制御装置4は、図3に示すように、基準図面設定部11と、配置可能領域設定部12と、グリッド処理部13と、配置パターン検索処理部14と、出力処理部15と、を備える。
基準図面設定部11は、作成対象の統合図面に含まれる個別図面を図面データベース5から読み出し、これら個別図面のうちのいずれかの個別図面を基準図面として設定する。例えば作成対象の統合図面に含まれる個別図面を表示装置2に表示し、利用者の入力装置3での選択操作に応じて選択された個別図面を基準図面として設定する。
配置可能領域設定部12は、基準図面設定部11で設定された基準図面に対して、他の個別図面の配置位置を規定する配置可能領域を設定する。
グリッド処理部13は、作成対象の統合図面に含まれる個別図面のそれぞれについて、図4に示すように、個別図面間で共通ピッチの縦及び横のグリッド線を、個別図面に表示されている情報を全て覆うように重畳させて、各個別図面を縦及び横のグリッド線でセルに区切る。ここでいう個別図面に表示されている情報とは、個別図面に表示される注記情報等の文字情報や、詳細図等の各種図面を構成する線分や符号、等、図面として必要な個別図面に表示されている情報をいう。
そして、個別図面毎に、個別図面に表示されている情報と重なるセル全てを含む連続した領域を図面要素とし、この図面要素としての連続した領域の外周をなす全てのセルを、図面要素の外枠のセルとして検出すると共に、外枠のセルの中から図面要素の頂点となる頂点セルを検出する。
配置パターン検索処理部14は、個別図面に含まれる図面要素どうしが重ならない配置パターンのうち、この配置パターンで配置された全ての図面要素を含む図形が内接する矩形(以下、内接矩形ともいう。)の面積が最小となる配置パターンを検索し、これを面積最小パターンとする。
出力処理部15は、利用者により指定された用紙サイズに対応する図枠内に、作成対象の統合図面に含まれる個別図面を、面積最小パターンとして設定された配置パターンで配置する。図枠は、利用者が設定すること等によって、例えば用紙サイズA0〜A4のいずれかに対応したサイズに予め設定される。
次に、図面作成装置1の制御装置4で実行される処理手順の一例を、図5のフローチャートを伴って説明する。
例えば、図面データベース5に登録されている個別図面の一覧が表示装置2に表示されること等によって、個別図面の一覧の中から利用者によって作成対象の統合図面に含まれる個別図面が選択されると、基準図面設定部11は、選択された個別図面の図面データを図面データベース5から取得する(ステップS2)。
基準図面設定部11は、図面データベース5から取得した図面データをもとに、作成対象の統合図面に含まれる複数の個別図面を、図2に示すように表示装置2に表示する(ステップS4)。
基準図面設定部11は、表示装置2に表示された個別図面のうち、いずれかの個別図面が例えば入力装置3での選択操作に応じて選択されると、この個別図面を基準図面として認識し、基準図面に含まれる図面要素を基準図面要素として設定する。(ステップS6)。
配置可能領域設定部12は、利用者による入力装置3の操作に応じて、作成対象の統合図面に含まれる個別図面のうち、基準図面を除く他の個別図面それぞれについて、図6に示すように、これら個別図面を基準図面に対してどの位置に配置するかを表す配置可能領域を設定し所定の記憶領域に記憶する(ステップS8)。例えば、図6に示すように、基準図面としての正面図等に対して、例えばある注記情報は基準図面の上領域又は右上領域に配置するとして設定し、ある詳細図は、基準図面の右上領域、右領域、右下領域のいずれかの領域に配置する等として設定する。また、別の注記情報は下領域に配置するとして設定し、別の詳細図は基準図面の左上領域、左領域、左下領域のいずれかの領域に配置する等として設定する。
なお、正面図、平面図等の投影図や断面図等、配置位置がJISで定められている図面要素については、JISの規定にしたがった配置領域が設定される。JISで配置位置が定められている図面要素については、例えば、配置位置を対応付ける配置位置情報を個別図面に含めておき、個別図面の図面データに配置位置情報が含まれる図面要素については、配置位置情報により対応付けられた位置関係となるように、図面要素の配置位置を制限するようにすればよい。或いはJISで配置位置が定められている図面については、定められた配置にしたがって配置した一つの図形として取り扱うようにしてもよい。
一方、グリッド処理部13は、作成対象の統合図面に含まれる個別図面それぞれに対して、図4に示すように個別図面間で共通ピッチの縦及び横のグリッド線を、個別図面に表示されている情報全てを覆うように重畳させて、個別図面を、縦及び横のグリッド線でセルに区切る(ステップS10)。
なお、個別図面の縮尺は、個別図面間で同一である必要はなく個別に設定されていてもよく、統合図面として図枠内に表示する際の各図面要素の縮尺に合わせて設定すればよい。
縦及び横のグリッド線のピッチは、予め設定した所定のピッチを設定してもよく、注記情報に含まれる文字のフォント等に基づき設定してもよい。また、縦及び横のグリッド線で区切られるセルを最小単位として図面要素どうしが組み合わせられるため、例えば、図面要素の形状等に基づいて利用者が縦及び横のグリッド線のピッチを設定するようにしてもよい。
次に、グリッド処理部13は、表示されている情報と重なる全てのセルを含む領域を図面要素として検出する。具体的には、個別図面毎に、図7に示すように個別図面に表示されている情報と重なるセルを全て検出し、検出されたセル全てを含む連続した領域を設定する。例えば、環状部材の詳細図等、個別図面の、情報が表示されている領域の内側に、情報が表示されていない領域が存在する場合には、個別図面に表示されている情報と重なるセルに囲まれた情報と重ならないセルも含めて、個別図面に表示されている情報と重なるセル全てを含む連続した領域を図面要素とする。
この検出されたセル全てを含む連続した図面要素としての領域は、例えば、個別図面に表示されている情報と重なるセル全てのみを含む領域であってよい。或いは、図面要素として、個別図面に表示されている情報と重なるセル全てのみを含む領域とした場合、この図面要素としての領域の外周に凸凹とが生じるような場合には、凹んでいるセルも個別図面に表示されている情報と重なるセルとみなして、図面要素としての領域の外周の形状を簡略化するようにしてもよい。図面要素としての領域は、少なくとも、個別図面に表示されている情報と重なる全てのセルを含んでいればよい。
グリッド処理部13は、このようにして設定した図面要素としての領域の外枠に対応するセルを、図面要素の外枠のセルc1として検出する(ステップS12)。
さらに、グリッド処理部13は、頂点セルを検出し所定の記憶領域に記憶する(ステップS14)。頂点セルは、図面要素に重ならないセルを空白セルとしたとき、例えば図8(a)に示すように、図面要素の外枠のセルのうち、2辺以上に空白セルが接しているセルc11、c12をいう。図8(b)の場合、6個の頂点セル(c11〜c16)を有している。
配置パターン検索処理部14は、後述の配置パターン検索処理を行う(ステップS16)。
そして、出力処理部15は、配置パターン検索処理で検出した配置パターンを面積最小パターンとし、この面積最小パターンの配置にしたがって、利用者によって指定された用紙サイズに対応する図枠内に個別図面を配置し、例えば表示装置2に表示する(ステップS18)。
次に、ステップS16における配置パターン検索処理の処理手順の一例を、図9に示すフローチャートを伴って説明する。
配置パターン検索処理部14では、図9に示すように、まず、図面要素それぞれに対し、識別番号を付与する(ステップS22)。
ステップS24では、ループAの変数更新処理を行う。ループAでは、検索パターンを決定し、この検索パターンにしたがって、固定図形と、検索対象の移動図形とを設定する。
検索対象の図面要素としては、図面要素の個数の合計n個の中からn個を取り出す(nPn)/2 通りの順列で表される、n個の図面要素の並びを検索パターンとし、検索パターンにおける図面要素の並び順にしたがって、検索対象の図面要素として順に設定する。
例えば図面要素の識別番号を1〜nとしたとき、n個の図面要素の並びのパターンが検索パターンとなる。例えば、基準図面要素を含む図面要素の個数の合計が4つであり、識別番号を「基準」、「要素1」、「要素2」、「要素3」としたとき、検索パターンは、「基準」「要素1」「要素2」「要素3」、「基準」「要素1」「要素3」「要素2」、「基準」「要素2」「要素1」「要素3」、「基準」「要素2」「要素3」「要素1」、「基準」「要素3」「要素1」「要素2」、「基準」「要素3」「要素2」「要素1」、「要素3」「要素1」「要素2」「基準」「要素3」、「要素1」「要素2」「要素3」「基準」、「要素1」「要素3」「基準」「要素2」、「要素1」「要素3」「要素2」「基準」、「要素2」「要素3」「基準」「要素1」、「要素2」「要素3」「要素1」「基準」、の12パターンである。この各パターンが検索パターンとなる。ここで、上記の検索パターンについて、図面要素4個の内から4個を取り出す順列組合せは24パターンであるが、その内、1番目の要素と2番目の要素との配置パターンは、配置の順序が入れ替わっても変わらないため、そのような検索パターンは半分に省略される。例えば、検索パターン「基準」「要素1」「要素2」「要素3」に対して、検索パターン「要素1」「基準」「要素3」「要素2」は省略される。
そして、まず、1番目の検索パターン(「基準」「要素1」「要素2」「要素3」)にしたがって、検索対象の固定図形として「基準」、移動図形として「要素1」を設定する。固定図形「基準」と移動図形「要素1」とからなる図形について、後述のステップS42までの処理が行われ、固定図形と移動図形とからなる図形の内接矩形が面積最小となる配置パターンが検出されて後述の最小面積記憶領域に記憶されたならば、配置パターン検索処理部14は、最小面積記憶領域に記憶された面積最小となる配置パターンを読み出し、この配置パターンで配置された固定図形「基準」の図面要素と移動図形「要素1」とからなる図形を新たな固定図形(「基準」+「要素1」の図面要素)とし、次に、「要素2」を検索対象の移動図形とする。そして、同様にして、内接矩形が面積最小となる配置パターンが検出されると、最小面積記憶領域に記憶された面積最小となる配置パターンで配置された「要素2」と固定図形とからなる図形を新たな固定図形((「基準」+「要素1」の図面要素)+「要素2」の図面要素)とし、次に、「要素3」を検索対象の移動図形とする。同様にして、内接矩形が面積最小となる配置パターンが検出され、このときの配置パターン、つまり、 “((「基準」+「要素1」の図面要素)+「要素2」の図面要素)+「要素3」の図面要素)”からなる図形の内接矩形が面積最小となる配置パターンが最小配置パターンとして検出されると、1番目の検索パターンに対する処理が終了する。
配置パターン検索処理部14は、同様の手順で、2番目の検索パターン(「基準」「要素1」「要素3」「要素2」)に対する処理を実行する。まず、固定図形として「基準」を設定し、検索対象の移動図形として「要素1」を設定する。そして、移動図形「要素1」と固定図形(基準図面要素)とからなる図形について、内接矩形が面積最小となる配置パターンが検出され最小面積記憶領域に記憶されたならば、配置パターン検索処理部14は、最小面積記憶領域に記憶された内接矩形が面積最小となる配置パターンを読み出し、この配置パターンで配置された移動図形「要素1」と固定図形とからなる図形を新たな固定図形([基準]+「要素1」からなる固定図形)とし、次に、「要素3」を検索対象の移動図形とする。そして、同様にして、内接矩形が面積最小となる配置パターンが検出されると、最小面積記憶領域に記憶された面積最小となる配置パターンで配置された移動図形「要素3」と固定図形とからなる図形を新たな固定図形(「基準」+「要素1」+「要素3」からなる固定図形)とし、次に、「要素2」を検索対象の移動図形とする。そして、同様にして内接矩形の面積が最小となる配置パターン、つまり、“「基準」+「要素1」+「要素3」からなる固定図形と移動図形「要素2」”からなる図形の内接矩形が面積最小となる配置パターンが、最小配置パターンとして検出されると、2番目の検索パターンに対する処理が終了する。
配置パターン検索処理部14は、同様にして他の検索パターンに対する処理を行い、検索パターンを変更する毎に、固定図形を検索パターンで指定される一番目の要素に更新し、検索対象の移動図形を検索パターンで指定される二番目の図面要素に更新する。そして、検索対象の移動図形を検索パターンにしたがって順次更新すると共に、固定図形に検索対象の移動図形を加えた図形を新たな固定図形として更新し、固定図形と検索対象の移動図形とを順に更新して検索パターン毎に最小配置パターンを検索する。
なお、配置パターン検索処理部14は、最小面積記憶領域に、内接矩形が面積最小となる配置パターンが複数記憶されているときには、それぞれの配置パターンで配置された図形を固定図形とする。これによって、内接矩形が面積最小となる配置パターンが複数記憶されている場合には、各配置パターンで配置された固定図形それぞれについて、固定図形と新たな移動図形とについて面積最小となる配置パターンが行われることになる。
例えば、“「基準」+「要素1」”からなる図形の内接矩形が面積最小となる配置パターンとして2つのパターンp1とp2とがある場合には、パターンp1で配置された“「基準」+「要素1」”からなる図形を第一の固定図形とし、さらに、パターンp2で配置された“「基準」+「要素1」”からなる図形を第二の固定図形とする。
そして、第一の固定図形と移動図形「要素2」とからなる図形の内接矩形が面積最小となる配置パターンが検索され、最終的に、“パターンp1で配置された「基準」+「要素1」の図面要素と、「要素2」の図面要素と、「要素3」の図面要素”からなる図形の内接矩形が面積最小となる配置パターンが、最小配置パターンとして検出され、同様に、第二の固定図形と移動図形「要素2」とからなる図形の内接矩形が面積最小となる配置パターンが検索され、最終的に、“パターンp2で配置された「基準」+「要素1」の図面要素と「要素2」との図面要素と、「要素3」の図面要素”からなる図形の内接矩形が面積最小となる配置パターンが、最小配置パターンとして検出されると、このときの検索パターンに対する処理が終了する。
このとき、例えば第一の固定図形と移動図形「要素2」とからなる図形の内接矩形が面積最小となる配置パターンが複数(例えばパターンp11とパターンp12の2つ)ある場合には、複数の配置パターンを記憶しておき、第一の固定図形と移動図形「要素2」とが第一のパターンp11で配置された場合と、第二のパターンp12で配置された場合のそれぞれについて、新たな固定図形を設定し、各固定図形について上記と同様の手順で配置パターンの検索を行う。
ステップS26では、ループBの変数更新処理を行う。具体的には、ステップS24で設定された検索対象の移動図形が有する頂点セルを、検索対象の頂点セルとして順に設定する。
ステップS28では、ループCの変数更新処理を行う。具体的には、固定図形の外周となる固定図形に含まれる基準図面要素又は複数の図面要素の外枠のセルに対して、外側から接する空白セルを、外接セルとして検索する。図10(a)に示すように、例えば固定図形m11について、固定図形m11の外枠のセルc21それぞれに対し、図10(b)に示すように、その外側から接する全てのセルを外接セルc22として検出する。そして、外接セルc22を、検索対象の外接セルとして順に設定する。
ステップS30では、図10(c)に示すように、ステップS28で設定された検索対象の外接セルc22と、ステップS26で設定された検索対象の頂点セルc23とが重なるように、向きはそのままで検索対象の移動図面要素m12を配置する。
このとき、検索対象の移動図形と固定図形とが、例えば図10(c)に示すように重なる場合には、ステップS32からステップS40に移行し、重ならない場合には、ステップS34に移行する。
ステップS34では、検索対象の移動図形が、配置可能領域として設定された領域内に位置するかどうかを判断し、配置可能領域内に位置するときにはステップS36に移行して、このときの検索対象の移動図形と固定図形との配置状態において、固定図形と検索対象の移動図形とからなる図形が内接する矩形(内接矩形)を求める。そして、内接矩形の縦及び横の長さが予め設定されたしきい値以下である内接矩形について、その面積を求める。そして、求めた面積が、最小面積記憶領域に記憶されている、最小面積以下であるとき、求めた面積を新たな最小面積として、このときの固定図形と検索対象の移動図形との配置パターンとを対応付けて、最小面積記憶領域に更新記憶する(ステップS38)。なお、内接矩形が最小面積となるときの固定図形と検索対象の移動図形との配置パターン及び最小面積は、検索パターン毎に、最小面積記憶領域に記憶されるようになっている。
内接矩形の縦及び横の長さのしきい値は、内接矩形が用紙サイズに応じた図枠内に収まるか否かを判定するためのしきい値であって、利用者によって指定される用紙サイズの縦及び横の長さに応じて設定される。
内接矩形の縦及び横の長さがしきい値を上回るときには、内接矩形すなわち固定図形と検索対象の移動図形とからなる図形が図枠内に収まらないため、しきい値以内を満足する内接矩形についてのみ、その面積を演算する。
なお、内接矩形の面積が、最小面積記憶領域に格納されている最小面積と等しい場合には、最小面積記憶領域に格納されている最小面積及びこれに対応する、固定図形と検索対象の移動図形との配置パターンと共に、今回演算した内接矩形の面積とこれに対応する固定図形と検索対象の移動図形との配置パターンも最小面積記憶領域に記憶する。
一方、ステップS34で検索対象の移動図形が配置可能領域として設定された領域の外に位置するとき、つまり、例えば、図11(a)に示すように、検索対象の移動図形の配置可能領域として、基準図面要素の左上領域、左領域、左下領域、上領域、下領域が設定されている場合、図11(b)に示すように、検索対象の移動図形を、基準図面要素の右上領域、右領域、右下領域には、この領域への配置は行わず、ステップS40に移行する。
また、ステップS36で得られた内接矩形の面積が、最小面積記憶領域に記憶されている最小面積よりも大きいときには、記憶されている最小面積や配置パターンの更新は行わずそのままステップS40に移行する。
ステップS40では、固定図形について外接セルとして検出した全てのセルについて、検索対象の頂点セルと重ね合わせる処理を行ったか否かを判断し、全ての外接セルについて処理を行っていない場合には、ステップS28に移行し、検索対象の外接セルを更新し、全ての外接セルについて処理を行った場合にはステップS42に移行する。
ステップS42では、検索対象の移動図形が有する頂点セル全てを検索対象の頂点セルとして設定したかを判断し、検索対象の頂点セルとして全ての頂点セルを設定していない場合には、ステップS26に戻り、検索対象の頂点セルとして次の頂点セルに更新する。
そして、ステップS42で、検索対象の頂点セルとして全ての頂点セルを設定したならばステップS44に移行し、検索パターンで設定されている順に各図面移動要素を検索対象の図面移動要素として設定していないと判断されるとき、又は検索パターンで設定されている順に、各図面移動要素を検索対象の図面移動要素として設定する処理を、全ての検索パターンについて行っていないときには、ステップS24に戻って、現在の検索パターンにしたがって、検索対象の移動図形として次の移動図形を設定するか、又は次の検索パターンにしたがって、検索対象の移動図形を設定する。
ステップS44で、全ての検索パターンについて移動図形を、検索対象の移動図形として設定したならばステップS46に移行し、ステップS38の処理で最小面積及び配置パターンを記憶した最小面積記憶領域に記憶されている、検索パターン毎の、配置パターンのうち、面積最小の配置パターンを最小配置パターンとして設定する。
つまり、ループCでは、図12(a)に示すように、検索対象の移動図形m12に含まれる頂点セルc23と、固定図形m11の外接セルc22とが重なるように移動図形m12を順にずらし、向きはそのままで移動図形m12を頂点セルc23が固定図形m11の外周に沿って固定図形m11を一周するように移動させる。これによって、移動図形m12の頂点セルc23と固定図形m11の外接セルc22とが重なる状態で、移動図形m12そのものと固定図形m11そのものとが重ならない状態にあるときの、移動図形m12と固定図形m11とからなる図形について、この図形が内接する内接矩形(図12(a)に破線で示す)の縦横の長さがしきい値を満足するとき、内接矩形の面積を演算し、内接矩形の面積が最も小さい配置パターンを検出する。
ループBでは、ループCでの処理を、移動図形m12に含まれる全ての頂点セルについて実行することによって、移動図形m12の全ての頂点セルそれぞれと固定図形m11の外接セルc22とが重なる状態で、移動図形m12そのものと固定図形m11そのものとが重ならない状態にあるときの、移動図形m12と固定図形m11とからなる図形が内接する内接矩形のうち、内接矩形の縦横の長さがしきい値を満足し且つ最も面積の小さい配置パターンを検出する。
つまり、図12(b)に示すように、まず、移動図形m12の頂点セルc31について、頂点セルc31を固定図形m11の外周に沿って移動するように移動図形m12を移動させ、移動図形m12と固定図形m11とが重ならない状態にあるときの、移動図形m12と固定図形m11とからなる図形について、この図形が内接する内接矩形s1の縦横の長さがしきい値を満足するとき内接矩形s1の面積を演算する。頂点セルc31について、移動図形m12と固定図形m11とが重ならない状態にあるときの、移動図形m12と固定図形m11とからなる図形について、内接矩形s1の面積を順次演算しつつ、頂点セルc31が固定図形m11の周囲を一周するよう移動図形m12を移動させる。次に移動図形m12の頂点セルc32についても同様に処理を行って、移動図形m12と固定図形m11とからなる図形が内接する内接矩形s2についてその面積を演算し、同様に、他の頂点セルc33、c34、c35、c36についても順に、移動図形m12と固定図形m11とが重ならない状態にあるときの、移動図形m12と固定図形m11とからなる図形それぞれについて内接矩形の面積を演算する。
そして、図12(c)に示すように、内接矩形の面積が最小となるときの移動図形m12と固定図形m11との配置パターンで、移動図形m12と固定図形m11とを組み合わせてなる図形を新たな固定図形m111とし、この新たな固定図形m111と次の移動図形m121とについて、内接矩形の面積が最小となる配置パターンが検索される。
つまり、ループAでは、ループB及びループCにより検索された、一の移動図形と一の固定図形との配置パターンのうち、面積最小となる配置パターンで配置された移動図形と固定図形とからなる図形を新たな固定図形とし、この固定図形と次の移動図形とについて、面積最小となる配置パターンを検索することによって、一の検索パターンに基づいて所定の順番で、固定図形に対して移動図形を加えていったときの面積最小となる配置パターンを検出する。さらに、検索パターンを更新して、nPn通りの順列に基づき設定される全ての検索パターンについて、検索パターンに基づいて所定の順番で、固定図形に対して移動図形を加えていったときの面積最小となる配置パターンを検出する。これにより、検索パターン毎に、固定図形に移動図形を順に加えていったときの面積最小となる配置パターンを検出する。そして、検出した検索パターン毎の面積最小となる配置パターンのうち、最も面積が小さい配置パターンを、最小配置パターンとする。つまり、各移動図形を固定図形に加えていくときの順番、また、移動図形と固定図形とがどの辺どうしで接するか等、を考慮して、面積最小となる、作成対象の統合図面に含まれる図面要素全てを含む配置パターンを検出する。
図13は、例えば表示装置2に表示される、図枠内に配置された最小配置パターンの一例、図14は、図13において、図面要素を網かけで示したものである。なお、図中の破線は、個別図面の枠を表す。
このように、本実施形態における図面作成装置1では、個別図面から図面要素を抽出し、図面要素どうしが重ならないように図面要素を配置している。つまり、個別図面の余白部分は重なるが、図面要素どうしは重ならないようにしているため、限られた領域内に、図面要素をコンパクトに配置することができ且つ効率よく自動で配置することができる。
また複数の図面を、より占有面積が小さくなるように図枠内に配置する方法として、例えば、図枠内の領域全てを対象として、図面要素を配置したときに取り得る全ての配置パターンについて検討する方法等も考えられるが、本実施形態における図面作成装置1では、移動図形の頂点セルが、固定図形の図面要素の外周に沿って移動するように移動図形を移動させ、固定図形と移動図形とからなる図形が図枠内に収まる配置パターンの中から、固定図形と移動図形とからなる図形の内接矩形の面積が最小となる配置パターンを検出するようにし、面積最小となる可能性があり且つ取り得る可能性のある配置パターンを対象として面積最小となる配置パターンを検索しているため、上述の従来の方法に比較して検討すべき配置パターンを削減することができ、配置パターンの検討を効率的に行うことができる。
また、内接矩形の面積が最小となる配置パターンを検出する方法として、移動図形の外枠のセル全てについて、外枠のセル毎に、固定図形の図面要素の外周に沿って移動させる方法も考えられる。
しかしながら、外枠のセルが直線上に配置されている場合等には、直線上の複数のセル間で、内接矩形の面積が同一となる場合が多い。また、外枠のセルが一つの空白セルの二辺と接する場合、すなわち、頂点セルとは逆に、移動図形の外周が凹んだ部分に相当する外枠のセル及びその近傍のセルの場合には、このセルを固定図形の図面要素の外周に沿わせたとしても、移動図形と固定図形の図面要素とが重なる場合が多い。
したがって、上述のように、移動図形の頂点セルを設定し、頂点セルについてのみを配置パターンの検討対象とすることによって、内接矩形の面積が同一となる配置パターンや、移動図形と固定図形の図面要素とが重なる配置パターン等について検討を行うことを省くことができ、内接矩形の面積が最小となる配置パターンの検出効率を向上させると共に、検出に要する処理時間の短縮、処理負荷の軽減を図ることができる。
また、固定図形と移動図形との配置パターンとして想定される全てのパターンについて、例えば、固定図形「基準」に、3つの移動図形「要素1」〜「要素3」のうち、「要素1」、「要素2」、「要素3」の順に加えるか、「要素2」、「要素1」、「要素3」の順に加えるか、「要素3」、「要素1」、「要素2」等のどの順に加えていくかという、移動図形を加えていく順番も考慮し、生じ得る全ての順番を考慮して内接矩形が面積最小となる配置パターンを検索し、さらに、各検索パターンにしたがって、基準図面要素に移動図形を加えたときに、内接矩形が面積最小となる配置パターンが複数存在する場合には、複数の配置パターンそれぞれについて固定図形を設定し、設定した固定図形それぞれについて、面積最小となる配置パターンを検索している。
そのため、面積最小となる可能性のある配置パターンを排除することなく面積最小となる配置パターンを検索することができ、より高精度な検索結果を得ることができる。また、配置パターンの検索は比較的単純な計算であり、また、各配置パターンで配置した場合の状況を表示装置2に実際に表示する必要はなく制御装置4での演算処理として行っているため、制御装置4の負荷の増大を抑制しつつ、比較的短時間で演算することができる。なお、最終的に得られる最小配置パターンが複数存在する場合には、各最小配置パターンを提示し、利用者が選択できるようにすればよい。
また、移動図面要素毎に配置可能領域を設定しているため、例えば、関連のある基準図面要素と移動図形とを近傍に配置することができる。注記情報等が図枠内の比較的中央部分に配置されたりすることを回避することができ、利用者の各図面要素の配置位置の希望を反映させつつ、図面要素を自動で配置することができる。
また、注記情報は基準図面要素の上領域に配置し、ある特定の部分を表す詳細図等の特定図面については基準図面要素に対して右下領域に配置する、等のルールを設定しておき、各利用者がこのルールにしたがって配置可能領域を設定することによって、どの利用者が作成したとしてもある程度の統一感のある統合図面を作成することができる。
(変形例)
(1)上記実施形態においては、基準図面要素に対して設定可能な移動図形の配置可能領域を設定する場合について説明したが、これに限るものではなく、配置不可領域を設定するようにしてもよく、配置可能領域及び配置不可領域のいずれも設定できるようにしてもよい。
(2)上記実施形態においては、基準図面要素を利用者が設定する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、面積の一番大きい図面要素を基準図面要素として、図面作成装置1側で自動的に設定してもよい。或いは、正面図を基準図面要素とする等というように、基準図面要素とする図面要素の種類及び優先順を予め設定しておき、作成対象の統合図面に含まれる個別図面が有する図面要素のうち、優先順の最も高い図面要素を図面作成装置1側で自動的に基準図面要素として設定するようにしてもよい。
(3)上記実施形態においては、各個別図面において、個別図面上に表示されている情報と重なる全てのセルを含む一つの連続した領域において、その最も外側に位置するセルを図面要素の外枠のセルとし、この図面要素の外枠のセルに外側から接するように図面要素どうしを配置する場合について説明したが、これに限るものではない。
例えば、個別図面上に表示されている情報と重なる全てのセルを含む一つの連続した領域において、図15に示すように、その最も外側に位置するセルである図面要素の外枠のセルc41のさらに外側に、この外枠のセルc41に沿って予め1つ分の空白セルc42を設けておき、この空白セルc42も含めて図面要素として処理を行うようにしてもよい。
つまり、図面要素の周囲に隙間を設けるための1セル分の余分な領域として、空白セルc42を設けることによって、上述の手順で図面要素どうしを配置した場合、図面要素としての文字や図形どうしが近接して配置されることを防止し、ある程度の間隔をもって図面要素どうしを配置することができる。このとき、図面要素の周囲に隙間を設けるための余分な領域として、1セル分に限らず、2セル分等、図面要素の形状、或いは、図面要素の縮尺等に応じて空白セルc42を設けることで、適度な間隔をもって図面要素どうしを配置するようにしてもよい。
また、図面要素の形状によっては、間隔を設けずとも、図面要素どうしの間にある程度の間隔が生成される場合もあることから、図面要素に対して隙間形成用の空白セルを設けるか設けないかを選択できるようにしてもよい。
例えば、個別図面に、平坦部を有する機械部品の外観図が表示されている場合、或いは、比較的長い引き出し線が表示されている場合等には、これら平坦部や引き出し線に相当する部分において、図面要素の外枠の形状が比較的直線的となる。このように、図面要素の外枠の形状が比較的直線的であり、他の図面要素と接するように配置した場合に図面要素間に生じる隙間が小さいと予測されるときには、図面要素に対して隙間形成用の空白セルを設けておけば、他の図面要素の形状に関係なく他の図面要素との間に間隔を形成することができる。逆に、個別図面に、複雑な形状を有する機械部品の外観図が表示されている場合には、図面要素の外枠の形状が凹凸を繰り返す形状となる。このように、図面要素の外枠の形状が凹凸を有し、他の図面要素の形状に関係なく図面要素間に間隔が生じると予測されるときには、隙間形成用の空白セルを設ける必要はない。したがって、図面要素の外枠の形状に応じて隙間形成用の空白セルを設けるか否かを利用者が設定するか、または図面作成装置1側で図面要素の外枠の形状を判断すること等により、図面要素に応じて隙間形成用の空白セルを設けるようにしてもよい。
また、図面要素どうしの間に間隔を設ける方法として、例えば、個別図面において、図面上に表示されている情報と重なる全てのセルを含む一つの連続した領域において、その最も外側に位置するセルを図面要素の外枠のセルとし、配置パターンの検索を行うときに、固定図形及び移動図形の外枠のセルの外側それぞれに隙間形成用の空白セルを設け、この空白セルを含む固定図形と空白セルを含む移動図形とについて、配置パターンの検索を行うようにしてもよく、固定図形又は移動図形のいずれか一方にのみ空白セルを設けて配置パターンの検索を行うようにしてもよい。
また、空白セルを設ける場合に限らず、図面要素どうしの間に間隔が生じるように、縦及び横のグリッド線のピッチを設定するようにしてもよい。
(4)上記実施形態においては、面積最小パターンを検索する際に、個別図面に含まれる図面要素を組み合わせてなる図形が、利用者により指定された用紙サイズ内に収まるパターンのみ、面積最小パターンとして検出する場合について説明したが、単に、内接矩形の面積が最小となる面積最小パターンを検出し、検出した面積最小パターンで配置された図形が、図枠内に収まり切らないときには、用紙サイズを調整すること等により対応するようにしてもよい。
(5)上記実施形態において、例えば、固定図形の外側から固定図形に沿って移動図形の頂点セルを移動させる場合、移動図形の頂点セルが移動図形の左端側にあり頂点セルを固定図形の左端側の外枠のセルに沿って移動させるときには、移動図形と固定図形とは重なる傾向にある。同様に、頂点セルが移動図形の右端側にあり、固定図形の右端側の外枠に沿って移動させるとき、また、頂点セルが移動図形の上端側にあり、固定図形の上端側の外枠に沿って移動させるとき、さらに頂点セルが移動図形の下端側にあり、固定図形の下端側の外枠に沿って移動させるときに、移動図形と固定図形とは重なる傾向にある。したがって、移動図形の検索対象の頂点セルと、固定図形の検索対象の外接セルとの位置関係について、配置パターンの検索を行う際に移動図形と固定図形とが重なる傾向にある位置関係を予め検出しておき、移動図形と固定図形とが、検出した位置関係となる領域については、配置パターンの検索を行わないようにすることによって、面積最小パターンの検索処理の処理時間の短縮を図るようにしてもよい。
(6)上記実施形態において、関連性のある図面要素について、配置位置関係を設定できるように構成し、配置位置関係が設定された図面要素については、その配置位置関係にしたがって組み合わせてなる複数の図面要素を一つの図面要素として取り扱うようにしてもよい。
(7)上記実施形態においては、基準図面設定部11では、作成対象の統合図面に含まれる複数の個別図面を表示装置2に表示し、表示された個別図面の中から基準図面を選択する場合について説明したが、作成対象の統合図面に含まれる個別図面を選択する際に、基準図面を指定するようにしてもよく、要は、作成対象の統合図面に含まれる個別図面の中から基準図面を設定できればよい。
なお、上記実施形態において、図5のステップS6の処理が基準図面要素設定部に対応し、ステップS10及びステップS12の処理がグリッド処理部に対応し、ステップS14の処理が頂点セル検出部に対応し、図9のステップS24の処理が初期設定部、移動図形更新部及び検索パターン設定部に対応し、ステップS26からステップS42の処理が配置パターン検出部に対応し、ステップS36及びステップS38の処理が最小配置パターン候補検出部に対応し、ステップS46の処理が最小配置パターン検出部に対応している。また、図5のステップS8の処理が配置可能領域設定部に対応している。
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例又は実施形態も網羅すると解すべきである。
1 図面作成装置
2 表示装置
3 入力装置
4 制御装置
5 図面データベース
11 基準図面設定部
12 配置可能領域設定部
13 グリッド処理部
14 配置パターン検索処理部
15 出力処理部

Claims (4)

  1. 複数の図面を一枚の用紙に対応した一つの印刷領域内に配置する図面作成装置であって、
    前記複数の図面それぞれにおいて、前記図面間で同一ピッチの縦及び横のグリッド線を、表示されている情報全てを覆うように重畳させ、
    前記グリッド線で区切られるセルのうち前記図面に表示されている情報と重なる全てのセルを含む連続した領域を図面要素とし、前記連続した領域の外枠をなすセルを図面要素の外枠のセルとするグリッド処理部と、
    複数の前記図面要素のうちの一の図面要素を基準図面要素として設定する基準図面要素設定部と、
    当該移動図面要素及び前記基準図面要素のうちの二つの図面要素を第一の図面要素及び第二の図面要素として初期設定する初期設定部と、
    前記第二の図面要素の前記外枠のセルのうち頂点となるセルを頂点セルとして検出する頂点セル検出部と、
    前記第二の図面要素に含まれる一の頂点セルを移動セルとし、当該移動セルが前記第一の図面要素の前記外枠のセルに外側から沿うように前記第二の図面要素を移動させながら、前記第二の図面要素が前記第一の図面要素と重ならない領域に配置される配置パターンを検索し、一の頂点セルについて前記配置パターンを検出した後、前記移動セルを他の頂点セルに切り替えて再度前記配置パターンを検索する処理を、前記移動セルとして全ての前記頂点セルが設定されるまで繰り返し行って、前記頂点セル毎に前記配置パターンを検出する配置パターン検出部と、
    前記配置パターン検出部で検出した前記頂点セル毎の配置パターンのうち、当該配置パターンで配置された前記第一の図面要素と前記第二の図面要素とを含む図形が内接する矩形の面積が最小となる配置パターンを最小配置パターン候補として検出する最小配置パターン候補検出部と、
    前記最小配置パターン候補で配置された前記第一の図面要素と前記第二の図面要素とからなる図形を新たな前記第一の図面要素とし、前記図面要素のうちの、前記第二の図面要素として既に設定された図面要素を除く一の図面要素を新たな前記第二の図面要素として設定する更新処理を、全ての前記図面要素が前記第二の図面要素として設定されるまで繰り返し行う図面要素更新部と、
    前記第二の図面要素として前記複数の図面要素のうちの最後の図面要素が設定された状態で前記最小配置パターン候補検出部において検出される最小配置パターン候補を、最小配置パターンとする最小配置パターン検出部と、
    を備えることを特徴とする図面作成装置。
  2. n(nは正の整数)個の図面要素を有し、
    前記n個の図面要素の中からn個の図面要素を取り出す順列のパターンを検索パターンとして一つずつ順に設定する検索パターン設定部をさらに備え、
    前記初期設定部は、前記検索パターンで一番目の移動図面要素を前記第二の図面要素として初期設定し、
    前記図面要素更新部は、前記検索パターンにしたがった順で前記移動図面要素を前記第二の図面要素として更新設定し、
    前記最小配置パターン検出部は、前記検索パターン毎の前記最小配置パターン候補のうち、最も面積が小さい最小配置パターン候補を、前記最小配置パターンとすることを特徴とする請求項1に記載の図面作成装置。
  3. 前記基準図面要素に対して、前記図面要素を配置することの可能な配置可能領域を前記図面要素毎に設定する配置可能領域設定部を有し、
    前記配置パターン検出部は、前記図面要素が、当該図面要素毎に設定された前記配置可能領域に存在するパターンのみ前記配置パターンとして検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の図面作成装置。
  4. 複数の図面を一枚の用紙に対応した一つの印刷領域内に配置する処理をコンピュータに実行させる図面作成プログラムであって、
    前記複数の図面それぞれにおいて、前記図面間で同一ピッチの縦及び横のグリッド線を、表示されている情報全てを覆うように重畳させ、前記グリッド線で区切られるセルのうち前記図面に表示されている情報と重なる全てのセルを含む連続した領域を図面要素とし、前記連続した領域の外枠をなすセルを図面要素の外枠のセルとするグリッド処理ステップと、
    複数の前記図面要素のうちの一の図面要素を基準図面要素として設定する基準図面要素設定ステップと、
    前記複数の図面要素のうちの、当該移動図面要素のうちの二つの図面要素を第一の図面要素及び第二の図面要素として初期設定する初期設定ステップと、
    前記外枠のセルのうち頂点となるセルを頂点セルとして検出する頂点セル検出ステップと、
    前記第二の図面要素に含まれる一の頂点セルを移動セルとし、当該移動セルが前記第一の図面要素の前記外枠のセルに外側から沿うように前記第二の図面要素を移動させながら、前記第二の図面要素が前記第一の図面要素と重ならない領域に配置される配置パターンを検索し、一の頂点セルについて前記配置パターンを検出した後、前記移動セルを他の頂点セルに切り替えて再度前記配置パターンを検索する処理を、前記移動セルとして全ての前記頂点セルが設定されるまで繰り返し行って、前記頂点セル毎に前記配置パターンを検出する配置パターン検出ステップと、
    前記配置パターン検出ステップで検出した前記頂点セル毎の配置パターンのうち、当該配置パターンで配置された前記第一の図面要素と前記第二の図面要素とを含む図形が内接する矩形の面積が最小となる配置パターンを最小配置パターン候補として検出する最小配置パターン候補検出ステップと、
    前記最小配置パターン候補で配置された前記第一の図面要素と前記第二の図面要素とからなる図形を新たな前記第一の図面要素とし、前記図面要素のうちの、前記第二の図面要素として既に設定された図面要素を除く一の図面要素を新たな前記第二の図面要素として設定する更新処理を、全ての前記図面要素が前記第二の図面要素として設定されるまで繰り返し行う図面要素更新ステップと、
    前記第二の図面要素として前記複数の図面要素のうちの最後の図面要素が設定された状態で前記最小配置パターン候補検出ステップにおいて検出される最小配置パターン候補を、最小配置パターンとする最小配置パターン検出ステップと、を含む処理をコンピュータに実行させるプログラムを含むことを特徴とする図面作成プログラム。
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