JP2017067928A - シュリンクラベル - Google Patents

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Kazuya Takahashi
和也 高橋
大西 直樹
Naoki Onishi
直樹 大西
宮崎 彰
Akira Miyazaki
彰 宮崎
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Abstract

【課題】耐性を有し、熱収縮時の色調変化が起こりにくいシュリンクラベルを提供する。
【解決手段】本発明のシュリンクラベルは、熱収縮性フィルムを含むラベル基材と、前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層と、前記印刷層の少なくとも一部を覆うように設けられた保護層と、を有するシュリンクラベルであって、前記保護層が、ポリアクリルポリオール樹脂と硬化剤とを含有する硬化性組成物層が硬化した層であることを特徴とする。前記印刷層は、バインダー樹脂の主成分として、ウレタン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、シュリンクラベルに関する。より詳しくは、熱収縮時の色調変化が起こりにくいシュリンクラベルに関する。
現在、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、PETボトル等のプラスチック製ボトルや、ボトル缶等の金属製ボトル等が広く用いられている。これらの容器には、表示や装飾性、機能性の付与のためプラスチックラベルを装着する場合が多い。このようなプラスチックラベルとしては、例えば、装飾性、加工性(容器への追従性)、広い表示面積等のメリットから、シュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)に印刷層が設けられたシュリンクラベル等が広く使用されている。
上記シュリンクラベルに用いる印刷層としては、例えば、デザイン印刷層を構成するベース樹脂としてウレタン系樹脂を用いたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開昭61−130042号公報 特開2004−238578号公報
このようなウレタン系樹脂をベース樹脂とした印刷層を有するシュリンクラベルは、耐熱性、耐溶剤性、耐摩擦性等の耐性(以下、「耐性」と称する)を付与するために硬化剤を用いることが多かった。しかしながら、このような印刷層は、硬化剤を使用することに起因して、シュリンクフィルムの熱収縮に追従しにくく、熱収縮工程後に白化する現象(収縮白化)が起こり、色調が変化することがあった。
従って、本発明の目的は、耐性を有し、熱収縮時の色調変化が起こりにくいシュリンクラベルを提供することにある。
すなわち、本発明は、熱収縮性フィルムを含むラベル基材と、前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層と、前記印刷層の少なくとも一部を覆うように設けられた保護層と、を有するシュリンクラベルであって、前記保護層が、ポリアクリルポリオール樹脂と硬化剤とを含有する硬化性組成物層が硬化した層であることを特徴とするシュリンクラベルを提供する。
前記印刷層は、バインダー樹脂の主成分として、ウレタン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。
前記印刷層は、硬化剤に由来する構成単位を実質的に含有しない層であることが好ましい。
前記印刷層は、デジタル印刷層であってもよい。
前記硬化性組成物層中の硬化剤は、イソシアネート系硬化剤であることが好ましい。
前記硬化性組成物層中の硬化剤の含有量は、前記硬化性組成物層の総重量に対して1〜50重量%であることが好ましい。
本発明のシュリンクラベルは、前記ラベル基材、前記印刷層、及び前記保護層が少なくとも重なる領域において、厚み方向に透明な部分を少なくとも有することが好ましい。
本発明のシュリンクラベルは、上記構成を有することにより、耐性を有し、且つ熱収縮時の色調変化が起こりにくい。このため、本発明のシュリンクラベルは、例えば透明性が求められるシュリンクラベルである場合、熱収縮後において透明性が高く外観が良好であり、意匠性に優れる。また、本発明のシュリンクラベルは、耐熱性、耐溶剤性、耐摩擦性等の耐性のうちの少なくともいずれか1つの耐性に優れ、シュリンク加工の際に印刷層にインキ割れが生じにくい。
本発明のシュリンクラベルの一例を示す概略図(部分断面図)である。 本発明のシュリンクラベルの一実施形態である筒状シュリンクラベルの一例を示す概略図である。 本発明のシュリンクラベルの一実施形態である筒状シュリンクラベルの一例を示す概略図(図2のA−A’断面の要部拡大図)である。
本発明のシュリンクラベルは、熱収縮性フィルムを含むラベル基材、ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層、及び前記印刷層の少なくとも一部を覆うように設けられた保護層を少なくとも有する。また、上記保護層は、ポリアクリルポリオール樹脂と硬化剤とを少なくとも含む硬化性組成物層が硬化した層である。本明細書において、上記保護層を、「本発明の保護層」と称する場合がある。本発明のシュリンクラベルは、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記ラベル基材、上記印刷層、本発明の保護層以外の層(他の層)を含んでいてもよい。
[本発明の保護層]
本発明の保護層は、本発明のシュリンクラベルにおける必須の層であり、ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられている。本発明の保護層は、ポリアクリルポリオール樹脂及び硬化剤を必須成分として含有する硬化性組成物層を硬化させて得られる層である。本発明のシュリンクラベルは、このような保護層を上記印刷層の少なくとも一部を覆うように設けられていることにより、耐性に優れながら、熱収縮時に色調変化が起こりにくい。また、耐熱性に優れ当該印刷層のインキ割れが起こりにくいため、上記印刷層がデジタル印刷層である場合に特に有用である。なお、本明細書において、ポリアクリルポリオール樹脂及び硬化剤を含有する硬化性組成物層を、「本発明の硬化性組成物層」と称する場合がある。
本発明の保護層は、本発明の硬化性組成物層を硬化させることによって形成される。このように形成された本発明の保護層は、ポリアクリルポリオール樹脂と硬化剤とが架橋した構造を有する。
本発明の硬化性組成物層を硬化させる方法としては、例えば、活性エネルギー線照射による硬化、熱による硬化(熱硬化)、2液反応型の硬化等が挙げられる。即ち、本発明の硬化性組成物層は、活性エネルギー線硬化性組成物層、熱硬化性組成物層、2液反応硬化性組成物層等が挙げられる。上記硬化性組成物層としては、中でも、活性エネルギー線硬化性組成物層、2液反応硬化性組成物層が好ましく、特に好ましくは2液反応硬化性組成物層である。
本発明の硬化性組成物層は、ポリアクリルポリオール樹脂を、本発明の保護層中のバインダー樹脂を形成する樹脂として含むことが好ましい。上記ポリアクリルポリオール樹脂は、2個以上のヒドロキシ基を有するアクリル系樹脂である。上記ポリアクリルポリオール樹脂は、例えば、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル等のヒドロキシ基を有するモノマー成分及びアクリル系モノマーを必須のモノマー成分として構成された重合体、即ち、ヒドロキシ基を有するモノマー成分及びアクリル系モノマーに由来する構成単位を少なくとも有する重合体(共重合体)が挙げられる。なお、上記ヒドロキシ基を有するモノマー成分と上記アクリル系モノマーは同一のモノマー成分(例えば、ヒドロキシ基を有するアクリル系モノマー)であってもよい。また、上記ポリアクリルポリオール樹脂を構成するモノマー成分には、ヒドロキシ基を有するモノマー成分及びアクリル系モノマー以外のモノマー成分が含まれていてもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」、あるいはその両方を意味する。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸;カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類等が挙げられる。上記アクリル系モノマーは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記ヒドロキシ基を有するモノマー成分としては、ヒドロキシ基を有するアクリル系モノマーが好ましく、例えば上述のアクリル系モノマーとして例示されたヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。上記ヒドロキシ基を有するモノマー成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記ヒドロキシ基を有するモノマー成分及びアクリル系モノマー以外のポリアクリルポリオール樹脂を構成するモノマー成分としては、特に限定されないが、例えば、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシ基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレン等のオレフィン類やジエン類等が挙げられる。
上記ポリアクリルポリオール樹脂を構成するモノマー成分全量(100重量%)中のアクリル系モノマーの含有量、即ち、ポリアクリルポリオール樹脂(100重量%)中のアクリル系モノマーに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、ラベル基材や印刷層との密着性の観点から、80重量%以上(例えば、80〜100重量%)が好ましく、より好ましくは90重量%以上(例えば、90〜100重量%)である。なお、上記アクリル系モノマーの含有量におけるアクリル系モノマーには、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルも含まれる。
上記ポリアクリルポリオール樹脂を構成するモノマー成分全量(100重量%)中のヒドロキシ基を有するモノマー成分(特に、ヒドロキシ基を有するアクリル系モノマー)の含有量、即ち、ポリアクリルポリオール樹脂(100重量%)中のヒドロキシ基を有するモノマー成分(特に、ヒドロキシ基を有するアクリル系モノマー)に由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、1〜20重量%が好ましく、より好ましくは3〜15重量%である。上記含有量が上記範囲内であると、シュリンクラベルの耐性がより優れ、且つ熱収縮時の色調変化がより起こりにくい。
上記ポリアクリルポリオール樹脂の水酸基価は、特に限定されないが、10mgKOH/g以上(例えば、10〜100mgKOH/g)が好ましく、より好ましくは15〜80mgKOH/g、さらに好ましくは20〜70mgKOH/gである。上記水酸基価が10〜100mgKOH/gであると、シュリンクラベルの耐性がより優れ、且つ熱収縮時の色調変化がより起こりにくい。なお、本明細書において、水酸基価は、JIS K 0070に準拠して電位差滴定法により測定することができる。また、本発明の硬化性組成物層が2種以上のポリアクリルポリオール樹脂を含有する場合、上記ポリアクリルポリオール樹脂の水酸基価は、トータルのポリアクリルポリオール樹脂の水酸基価である。
上記ポリアクリルポリオール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1000〜150000が好ましく、より好ましくは2000〜100000、さらに好ましくは5000〜50000である。上記重量平均分子量が1000以上であると、シュリンクラベルの熱収縮時の色調変化がより起こりにくい。一方、上記重量平均分子量が150000以下であると、硬化性組成物の塗工性が向上する。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、GPCにより標準ポリスチレン換算で測定することができる。また、本発明の硬化性組成物層が2種以上のポリアクリルポリオール樹脂を含有する場合、上記ポリアクリルポリオール樹脂の重量平均分子量は、トータルのポリアクリルポリオール樹脂の重量平均分子量である。
上記ポリアクリルポリオール樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、本発明の保護層の耐摩耗性、耐熱性向上の観点から、0〜150℃が好ましく、より好ましくは30〜120℃、さらに好ましくは40〜100℃である。
本明細書において、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、JIS K 7121に準拠して、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、セイコーインスツル(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。
本発明の硬化性組成物層は、ポリアクリルポリオール樹脂を1種単独で含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。中でも、上記ポリアクリルポリオール樹脂として、重量平均分子量が20000〜150000であり水酸基価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g未満であるポリアクリルポリオール樹脂(「ポリアクリルポリオール樹脂(A)」と称する場合がある)と、重量平均分子量が1000以上20000未満であり水酸基価が45〜100mgKOH/gであるポリアクリルポリオール樹脂(「ポリアクリルポリオール樹脂(B)」と称する場合がある)を少なくとも含むことが好ましい。ポリアクリルポリオール樹脂としてポリアクリルポリオール樹脂(A)及びポリアクリルポリオール樹脂(B)を用いることにより、シュリンクラベルの耐性がより優れ、且つ熱収縮時の色調変化がよりいっそう起こりにくくなる。また、印刷層のインキ割れもよりいっそう起こりにくくなる。さらに、ラベル基材への密着性もよりいっそう向上する。
ポリアクリルポリオール樹脂(A)の重量平均分子量は、上述のように、20000〜150000であり、好ましくは21000〜50000、より好ましくは22000〜30000である。また、ポリアクリルポリオール樹脂(A)の水酸基価は、上述のように、10mgKOH/g以上45mgKOH/g未満であり、好ましくは15〜40mgKOH/g、より好ましくは20〜35mgKOH/gである。
ポリアクリルポリオール樹脂(B)の重量平均分子量は、上述のように、1000以上20000未満であり、好ましくは5000〜19000、より好ましくは10000〜18000である。また、ポリアクリルポリオール樹脂(B)の水酸基価は、上述のように、45〜100mgKOH/gであり、好ましくは50〜80mgKOH/g、より好ましくは55〜70mgKOH/gである。
ポリアクリルポリオール樹脂(A)及びポリアクリルポリオール樹脂(B)の含有量(総量)は、特に限定されないが、本発明の硬化性組成物層中の全ポリアクリルポリオール樹脂(100重量%)に対して、50重量%以上(例えば、50〜100重量%)が好ましく、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
ポリアクリルポリオール樹脂(A)とポリアクリルポリオール樹脂(B)の割合[ポリアクリルポリオール樹脂(A):ポリアクリルポリオール樹脂(B)](重量比)は、特に限定されないが、1:99〜99:1が好ましく、より好ましくは10:90〜90:10、さらに好ましくは30:70〜70:30である。
上記硬化剤は、ポリアクリルポリオール樹脂中のヒドロキシ基と反応して硬化性組成物層を硬化させる役割を担う。上記硬化剤としては、ヒドロキシ基と反応性を有する公知乃至慣用の硬化剤を用いることができ、例えば、イソシアネート系硬化剤、アジリジン系硬化剤等が挙げられる。中でも、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記イソシアネート系硬化剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類が挙げられる。また、必要に応じて3官能以上のポリイソシアネート類やポリイソシアネートアダクト体を上記ジイソシアネート類と混合して用いることもできる。上記イソシアネート系硬化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記イソシアネート系硬化剤は、市販品を用いることも可能である。例えば、東ソー(株)製「コロネートシリーズ」等が市場で入手可能である。
上記アジリジン系硬化剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニルプロピオネート)]、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシド)、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシド)、トリエチレンメラミン、ビスイソプロタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキシド、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサメチレンジエチレンウレア、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。上記アジリジン系硬化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明の硬化性組成物層の総重量(100重量%)に対するポリアクリルポリオール樹脂の含有量、即ち、本発明の保護層の総重量(100重量%)に対するポリアクリルポリオール樹脂に由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、10重量%以上が好ましい。本発明の保護層が着色顔料(着色剤)を含む場合、上記含有量は、特に限定されないが、10〜60重量%がより好ましい。一方、着色顔料を含まない無色透明の保護層である場合、上記含有量は、特に限定されないが、40重量%以上がより好ましく、さらに好ましくは45重量%以上、特に好ましくは50重量%以上である。上記含有量の上限は、特に限定されないが、99重量%が好ましく、より好ましくは97重量%、さらに好ましくは95重量%、特に好ましくは90重量%である。
本発明の硬化性組成物層の総重量(100重量%)に対する硬化剤の含有量、即ち、本発明の保護層の総重量(100重量%)に対する硬化剤に由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好ましく、より好ましくは3〜45重量%、さらに好ましくは5〜35重量%である。上記含有量が1重量%以上であると、耐性がより優れ、隣接する層との密着性を向上できる。上記含有量が50重量%以下であると、硬化性組成物層を形成する硬化性組成物の塗工性が向上し、また、本発明の保護層を本発明のシュリンクラベルの最表面に有する場合は、ブロッキング防止性を有し、好ましい。また、本発明の保護層が着色顔料を含む場合、上記含有量は、特に限定されないが、1〜30重量%がより好ましく、さらに好ましくは3〜25重量%、特に好ましくは5〜20重量%である。一方、着色顔料を含まない無色透明の保護層である場合、上記含有量は、特に限定されないが、3〜50重量%がより好ましく、さらに好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは10〜35重量%である。
本発明の保護層及び本発明の硬化性組成物層は、ポリアクリルポリオール樹脂及び硬化剤、又はこれらに由来する成分以外の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。上記成分としては、特に限定されないが、ポリアクリルポリオール樹脂以外の樹脂、顔料や染料等の着色剤(色材)、添加剤(例えば、滑剤、可塑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤、スリップ剤等)等が挙げられる。上記成分は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記顔料としては、特に限定されず、例えば、公知の印刷層、印刷インキにおいて用いられる顔料を用いることができる。上記顔料は、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍顔料、縮合アゾ系顔料などの赤色顔料、アゾレーキ系顔料等の黄色顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)、その他着色顔料等を用途に合わせて選択、使用できる。また、上記顔料として、その他にも、光沢調整等の目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。
本発明の硬化性組成物層は、硬化性を有する組成物層であり、ポリアクリルポリオール樹脂及び硬化剤を含有する硬化性組成物(「本発明の硬化性組成物」と称する場合がある)を塗布し、必要に応じて、加熱等により乾燥又は乾燥固化して溶剤を除去することにより形成される。本発明の硬化性組成物層は、特に限定されないが、溶剤乾燥型の印刷インキによって形成される溶剤乾燥型の印刷層であることが好ましい。
本発明の保護層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。上記厚みが0.1μm以上であると、上記印刷層を十分に保護できるため、シュリンク加工時のインキ割れの発生をより起こりにくくすることができる。また、保護層を均一に設けることが容易となる。一方。上記厚みが10μm以下であると、保護層がもろくなり剥離しやすくなったりすることを抑制でき、また、シュリンク加工時に熱収縮性フィルムの熱収縮に保護層がより追従しやすくなり、熱収縮時の色調変化がより起こりにくくなる。また、硬化性組成物の消費を最小限とすることができ、コストを抑えることができる。さらに、均一に塗布することがより容易となる。
[印刷層]
上記印刷層としては、特に限定されず、例えば、シュリンクラベルにおいて用いられる公知乃至慣用の印刷層等が挙げられる。また、上記印刷層としては、例えば、商品名、イラスト、取り扱い注意事項等の図やデザイン等の意匠印刷層(カラー印刷層等)、白等の単一色で形成された背景印刷層、フィルムと印刷層の密着性を高めるために設けられるプライマー印刷層等が挙げられる。上記印刷層は、中でも、意匠印刷層であることが好ましい。上記印刷層は、特に限定されないが、上記ラベル基材の片面側のみに設けられていてもよいし、上記ラベル基材の両面側に設けられていてもよい。また、上記印刷層は、上記ラベル基材の表面の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。さらに、上記印刷層は、特に限定されないが、単層であってもよいし、複層であってもよい。また、上記印刷層は、周知乃至慣用の印刷方法により設けることができる。より具体的には、上記印刷層は、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷等の周知又は公知の印刷法によって設けられることが好ましい。
上記印刷層の種類は、特に限定されないが、溶剤乾燥型の印刷インキによって形成される溶剤乾燥型の印刷層、活性エネルギー線硬化型の印刷インキによって形成される活性エネルギー線硬化型の印刷層、トナー印刷層等が挙げられる。中でも、溶剤乾燥型の印刷層、トナー印刷層が好ましく、より好ましくは溶剤乾燥型の印刷層である。
上記印刷層は、バインダー樹脂を必須成分として含むことが好ましい。さらに、必要に応じて、顔料や滑剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を含んでいてもよい。上記顔料としては、本発明の保護層に含まれていてもよい顔料として例示及び説明された顔料が挙げられる。上記バインダー樹脂等は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記バインダー樹脂は、特に限定されず、公知乃至慣用の印刷層、印刷インキ用のバインダー樹脂を用いることができる。上記バインダー樹脂は、特に限定されないが、上記印刷層を形成する主たる樹脂成分としての役割を担う。上記バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂等)、イソシアネート系樹脂、ロジン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA系樹脂)、イミン系樹脂等が挙げられる。中でも、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。特に、上記印刷層が溶剤乾燥型の印刷層である場合、上記バインダー樹脂はウレタン系樹脂であることが好ましい。上記印刷層がトナー印刷層である場合、上記バインダー樹脂はポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。上記バインダー樹脂は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記溶剤乾燥型の印刷層は、例えば、上記バインダー樹脂、溶媒、必要に応じて、上記着色顔料及びその他添加剤等を混合することにより製造された印刷インキを、印刷機を用いて塗布した後、溶媒を揮発させて設けられる。一方、上記活性エネルギー線硬化型の印刷層は、例えば、上記バインダー樹脂を構成する単量体成分、必要に応じて、上記着色顔料、溶剤、及びその他添加剤等を混合することにより製造された印刷インキを、印刷機を用いて塗布した後、活性エネルギー線(例えば、紫外線)照射により上記単量体成分を重合し硬化させて設けられる(単量体成分が重合してバインダー樹脂となる)。
上記トナー印刷層はトナーにより形成される。上記トナー印刷層表面を光学顕微鏡等で観察すると、層を形成するトナー粒子に起因するドット形状が確認できる。
上記トナーは、少なくともトナー粒子を含有する。上記トナー粒子は、上記トナー印刷層を形成する粒子であり、例えば、バインダー樹脂、ワックス、荷電制御剤(CCA)、及び必要に応じて顔料や添加剤等を含有する粒子が挙げられる。上記バインダー樹脂(上記トナー粒子に含まれるバインダー樹脂)は、上記ワックス、上記CCA、上記顔料、上記添加剤等をバインドする役割を担うものである。上記バインダー樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合系樹脂、スチレン−共役ジエン共重合体も含まれるものとする)、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、イソシアネート系樹脂、ロジン樹脂、ポリスチレン−ポリエステルグラフト共重合体等が挙げられ、耐ブロッキング性、低温定着性に優れる樹脂が好ましい。上記スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合系樹脂を構成する(メタ)アクリル酸エステルとしては、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が一般的に用いられる。上記ポリエステル系樹脂を構成するジオールに由来する成分としてはビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が、上記ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分(ジカルボン酸無水物も含まれるものとする)としてはテレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメリット酸等が一般的に用いられる。また、圧力定着によってトナー印刷層を形成する場合の上記バインダー樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(特に、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル(EVA))が好ましい。上記CCAは、帯電性を調整する役割を担い、特に限定されないが、例えば、クロム錯体等の負帯電型CCA、ニグロシン等の正帯電型CCA等が挙げられる。上記ワックスは、低温定着性や定着時における離型性をトナーに付与する役割を担う。上記ワックスは、特に限定されず、天然ワックス、石油ワックス、合成ワックスのいずれを使用してもよい。
上記トナーとしては、粉体トナーを使用してもよいし、液体トナーを使用してもよい。なお、上記トナーは、汎用性の観点からは、粉体トナーが好ましい。他方、液体トナーは粉体トナーに比べて粒子径が小さいトナー粒子を用いることでき、且つ、トナー印刷層の厚みを薄くすることができるため、トナー印刷層がシュリンク加工の際に追従性に優れ、シュリンクラベルの熱収縮時の色調変化をより起こりにくくすることができ、好ましい。
上記トナーが粉体トナーの場合、粉体トナーに含まれる上記トナー粒子の平均粒径(体積平均粒子径)は、特に限定されないが、5〜6μm程度が好ましい。また、上記トナーが液体トナーの場合、液体トナーに含まれる上記トナー粒子の粒径(体積平均粒子径)は、特に限定されないが、1〜2μm程度が好ましい。なお、上記体積平均粒子径は、体積基準分布におけるメディアン径(D50)であり、例えば、レーザー回折法により測定することができる。
上記バインダー樹脂(溶剤乾燥型の印刷層中のバインダー樹脂、活性エネルギー線硬化型の印刷層中のバインダー樹脂、及びトナー粒子に含まれるバインダー樹脂等)は、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含むことが好ましい。ウレタン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂をバインダー樹脂の主成分とする印刷層は、シュリンク加工した際に印刷層にインキ割れが発生しやすかった。また、ウレタン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂をバインダー樹脂の主成分とする印刷層は、耐性を向上させるために硬化剤を含有する場合には熱収縮時に色調変化が起こりやすかった。これに対し、本発明の保護層を設けることにより、このような印刷層は硬化剤を必要とせず、シュリンクラベルの熱収縮時の色調変化が起こりにくくなり、さらに耐性にも優れる。また、トナー印刷層におけるトナー中のバインダー樹脂の主成分としてポリオレフィン系樹脂を用いた場合や、溶剤乾燥型の印刷層におけるバインダー樹脂の主成分としてウレタン系樹脂を用いた場合、このような印刷層を有するシュリンクラベルをシュリンク加工した際にインキ割れが起こりやすかった。しかしながら、本発明の保護層が上記印刷層を覆うように設けられている場合、本発明のシュリンクラベルは、シュリンク加工の際に、印刷層にインキ割れが生じにくく、また、色調変化がより起こりにくい。
本明細書において、「主成分」とは、材料を構成する成分の中で、重量換算で最も多い成分をいう。例えば、バインダー樹脂がウレタン系樹脂を主成分として含むという場合、バインダー樹脂を構成する樹脂の中で、ウレタン系樹脂が重量換算で最も多い成分であることをいう。なお、最も多い成分が2種以上存在する場合は、原則として、上記2種以上の成分それぞれを主成分とするいずれの材料にも該当する。
上記印刷層は、硬化剤(架橋剤)を実質的に含まない印刷インキにより形成された層(即ち、硬化剤(架橋剤)に由来する構成単位を実質的に含有しない層)であることが好ましい。上記印刷層(特に、バインダー樹脂としてウレタン系樹脂を含む印刷層)を形成する印刷インキが硬化剤を含む場合、形成された印刷層は硬度が比較的高く耐性に優れるが、シュリンク加工の際に、熱収縮性フィルムの熱収縮に追従しにくく、色調変化が起こりやすかった。しかしながら、本発明の保護層を設けることによりこのような印刷層は硬化剤を必要とせず、熱収縮時に色調変化が起こりにくくなり、さらには耐性にも優れる。このため、本発明のシュリンクラベルにおいて、上記印刷層が硬化剤を実質的に含まない印刷インキにより形成された層である場合、特に効果的である。さらに、硬化剤を含まないことにより、上記印刷インキはリサイクル適性にも優れ、経済的である。
なお、上記の実質的に含まないとは、具体的には、印刷インキ中の不揮発成分の総重量(100重量%)に対する含有量が、例えば5重量%未満(下限は、例えば、0重量%以上)、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満であることをいう。
上記印刷インキに含まれないことが好ましい硬化剤としては、具体的には、イソシアネート系硬化剤が好ましく、より好ましくはイソシアネート系硬化剤、アジリジン系硬化剤である。
上記印刷層は、また、デジタル印刷によって設けられた印刷層(「デジタル印刷層」と称する場合がある。好ましくはトナー印刷層)であることが好ましい。デジタル印刷層(特に、トナー印刷層)を内側に有する筒状シュリンクラベル(裏印刷筒状シュリンクラベル)は、シュリンク加工の際にインキ割れが発生しやすかった。しかしながら、例えば上記印刷層がトナー印刷層である場合、該トナー印刷層を覆うように本発明の保護層が設けられることになるため、熱収縮時にはトナー印刷層にインキ割れが起こりにくく、また色調変化が生じにくい。このため、本発明のシュリンクラベルにおいて、上記印刷層がデジタル印刷層(特に、トナー印刷層)である場合、特に効果的である。
上記印刷層及び上記印刷層を形成する印刷インキは、上述の各成分以外の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。上記成分としては、特に限定されないが、顔料や染料等の着色剤(色材)、添加剤(例えば、滑剤、可塑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤、スリップ剤等)等が挙げられる。また、上記トナーに含まれていてもよい添加剤としては、さらに、表面処理剤、上記トナー粒子を搬送するためのキャリア剤、離型剤、流動性向上剤、金属酸化物(例えば、シリカ、アルミナ、チタニア等)微粒子の表面をシランカップリング剤で処理して疎水化したもの等が挙げられる。上記成分は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記印刷層中のバインダー樹脂の含有量は、特に限定されないが、印刷層の総重量(100重量%)に対して、10重量%以上(例えば、10〜100重量%)が好ましく、より好ましくは20〜95重量%、さらに好ましくは30〜90重量%である。上記印刷層が着色顔料を含む場合、上記バインダー樹脂の含有量は、特に限定されないが、10〜90重量%がより好ましい。
上記印刷層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜15μmが好ましく、より好ましくは0.2〜10μmである。上記厚みが0.1μm未満では、印刷層を均一に設けることが困難である場合があり、部分的な「かすれ」が起こり、装飾性が損なわれる場合や、デザイン通りの印刷が困難となる場合がある。また、上記厚みが15μmを超えると、印刷インキを多量に消費するため、コストが高くなったり、均一に塗布することが困難となったり、印刷層がもろくなり剥離しやすくなったりする場合がある。
[ラベル基材]
本発明のシュリンクラベルにおけるラベル基材は、上記印刷層及び本発明の保護層の支持体となり、ラベルの強度、剛性や収縮特性に主たる影響を及ぼす。
上記ラベル基材は、熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム)を少なくとも含む。上記熱収縮性フィルムとしては、特に限定されないが、公知乃至慣用のシュリンクラベルのラベル基材として用いられる熱収縮性フィルムを用いることができる。上記熱収縮性フィルムを形成する樹脂の種類は、要求物性、用途、コスト等に応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。さらに、同種又は異種の樹脂を積層して積層フィルムとして用いてもよい。中でも、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好ましい。即ち、上記熱収縮性フィルムは、ポリエステル系樹脂を主成分とするポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするポリオレフィン系フィルム、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系フィルム、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした異種積層フィルムが好ましい。上記のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、特開2008−170822号公報、特開2008−170697号公報、特開2008−163215号公報、特開2008−163231号公報に記載のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を用いることができる。
上記ポリエステル系フィルムに用いられるポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ乳酸(PLA)等が挙げられる。中でも好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂である。上記PET系樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(CHDM共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(NPG共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ジエチレングリコールを共重合成分として用いた共重合ポリエステル等のジオール変性PET;ジカルボン酸成分として、テレフタル酸を主成分、イソフタル酸及び/又はアジピン酸を共重合成分として用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いた共重合ポリエステル等のジカルボン酸変性PET等が挙げられる。
上記ポリスチレン系フィルムに用いられるポリスチレン系樹脂としては、構成モノマーとして、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体を1種又は2種以上含む樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、汎用ポリスチレン(GPPS)、スチレン−ブタジエン共重合体(例えば、SBS等)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体(SBIS)、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系フィルムに用いられるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒系LLDPE(mLLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のポリプロピレン系樹脂;環状オレフィン樹脂等が挙げられる。特に、上記ポリオレフィン系フィルムとしては、環状オレフィン樹脂を外層とするものが好ましく、例えば、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層(中心層)とするものが好ましい。
上記熱収縮性フィルムは、単層構成であってもよいし、積層構成を有していてもよい。即ち、上記熱収縮性フィルムは、単層フィルムであってもよいし、要求物性、用途等に応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合、同種の樹脂からなるフィルム層を積層していてもよいし、異なる樹脂からなるフィルム層を積層していてもよい。積層フィルムの場合、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした積層フィルムや、ポリスチレン系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又は外層とは組成が異なるポリスチレン系樹脂を内層とした積層フィルム、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層とした積層フィルムが好ましい。
上記熱収縮性フィルムは、シュリンク特性(熱収縮性)を発揮する観点から、少なくとも一方向に配向したフィルム(例えば、一方向に配向したフィルムや、一方向及び一方向と異なる方向に配向したフィルム)であることが好ましい。熱収縮性フィルムが積層フィルムの場合には、積層フィルム中の少なくとも1層のフィルム層が配向していることが好ましく、全てのフィルム層が少なくとも一方向に配向したフィルムであることが好ましい。全てのフィルム層が無配向の場合には、十分なシュリンク特性を発揮できない場合がある。熱収縮性フィルムとしては、特に一方向に配向したフィルム(1軸配向フィルム)又は一方向及び一方向と直交する方向に配向したフィルム(2軸配向フィルム)が用いられることが多く、中でも、1軸配向フィルム(一方向に主に延伸され、当該一方向と直交する方向にわずかに延伸された、実質的に一方向に延伸されたフィルムを含む)が一般的に用いられる。
上記少なくとも一方向に配向したフィルムは、未延伸フィルムを、少なくとも一方向に延伸することで得られる。例えば、上記少なくとも一方向に配向したフィルムが1軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを一方向に延伸することで得られ、2軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを一方向及び当該一方向と直交する方向に延伸することで得られる。なお、本発明のシュリンクラベルは、熱収縮性フィルムの配向方向に主に熱収縮できる。
上記熱収縮性フィルムは、溶融製膜または溶液製膜等の慣用の方法によって作製することができる。また、市販の熱収縮性フィルムを用いることも可能である。積層構成の熱収縮性フィルムを作製する場合、積層の方法としては、慣用の方法、例えば、共押出法、ドライラミネート法等を用いることが可能である。熱収縮性フィルムに配向を施す方法としては、例えば、長手方向(フィルムの製造ライン方向。縦方向又はMD方向とも称する)及び幅方向(長手方向と直交する方向。横方向又はTD方向とも称する)の2方向への延伸、長手方向又は幅方向の一方向への延伸等を用いることができる。延伸方式は、例えば、ロール方式、テンター方式、チューブ方式等を用いることができる。例えば、幅方向に実質的に一方向に延伸されたフィルムの延伸処理は、70〜100℃程度の温度で、必要に応じて長手方向に例えば1.01〜1.5倍、好ましくは1.05〜1.3倍程度延伸した後、幅方向に3〜8倍、好ましくは4〜7倍程度延伸することにより行うことができる。
上記熱収縮性フィルムの、主収縮方向の、90℃、10秒における熱収縮率(「熱収縮率(90℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、15〜90%が好ましく、より好ましくは20〜85%である。上記熱収縮性フィルムの、主収縮方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜15%が好ましい。なお、上記「主収縮方向」とは最も熱収縮率が大きい方向であり、一般的には主に延伸処理された方向であり、例えば、幅方向に実質的に一方向に延伸されたフィルムの場合には幅方向である。
上記ラベル基材として用いられる熱収縮性フィルムは、市販品を用いることも可能である。例えば、東洋紡績(株)製「スペースクリーン S7042」、「SV−808」、三菱樹脂(株)製「LX−10S」、「LX−18S」、「LX−61S」(以上、ポリエステル系フィルム);シーアイ化成(株)製「ボンセット」、グンゼ(株)製「GMLS」(以上、ポリスチレン系フィルム);グンゼ(株)製「FL」(ポリオレフィン系フィルム);三菱樹脂(株)製「エコロージュ」(ポリ乳酸系フィルム);三菱樹脂(株)製「DL」、グンゼ(株)製「HGS」(以上、表層がポリエステル系樹脂、中心層がポリスチレン系樹脂の積層フィルム)等が挙げられる。
上記ラベル基材は、熱収縮性フィルム以外の層を有していてもよい。上記熱収縮性フィルム以外の層としては、例えば、アンカーコート層、プライマーコート層、保護層、帯電防止層、滑り層、断熱層、金属や金属酸化物の蒸着層等が挙げられる。また、上記熱収縮性フィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理、プライマー処理、帯電防止コーティング処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。
上記熱収縮性フィルムが透明である場合には、上記熱収縮性フィルムのヘイズ(ヘーズ)値[JIS K 7136準拠、厚み40μm換算、単位:%]は、特に限定されないが、10%以下が好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。ヘイズ値が10%を超える場合には、ラベル基材の内側(シュリンクラベルを容器に装着したときに容器側になる面側)に印刷を施し、ラベル基材を通して印刷を見せるシュリンクラベル(裏印刷シュリンクラベル)用途においては、製品とした際に、印刷が曇り、装飾性が低下することがある。ただし、ヘイズ値が10%を超える場合であっても、ラベル基材を通して印刷を見せる上記用途以外の用途(表印刷シュリンクラベル)においては不透明であってもよく、十分に使用可能である。また、不透明のラベル基材における熱収縮性フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、乳白フィルム、金属蒸着フィルム等を用いることができる。
上記熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、より好ましくは12〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmである。
[他の層]
上記他の層(上記ラベル基材、上記印刷層、本発明の保護層以外の層)は、特に限定されないが、例えば、本発明の保護層以外の保護層、接着剤層(感圧性接着剤層、感熱性接着剤層等)、アンカーコート層、プライマーコート層、コーティング層、インナーコート層、帯電防止層、金属や金属酸化物の蒸着層、遮光層、断熱層、バリア層、滑り層等が挙げられる。
[シュリンクラベル]
本発明のシュリンクラベルは、上記ラベル基材の少なくとも一方の面に、印刷層及び本発明の保護層を有する。より具体的には、上記印刷層が上記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられており、本発明の保護層は、上記印刷層の少なくとも一部を覆うように設けられている。
本発明のシュリンクラベルは、熱収縮時の色調変化が起こりにくいことから、ラベル基材、印刷層、及び本発明の保護層の少なくとも3層が重なる領域において、厚み方向に透明な部分を少なくとも有することが好ましい。なお、透明とは、当該領域を通して向こう側を視認することができる程度の透明性を有することをいう。上記透明な部分は、例えば、透明なラベル基材と、透明な印刷層と、透明な本発明の保護層とが重なって形成される。また、上記透明な部分は、有色、無色のどちらでもよい。
本発明のシュリンクラベルがラベル基材、印刷層、及び本発明の保護層の少なくとも3層が重なる領域において、厚み方向に透明な部分を少なくとも有する場合、当該透明な部分のヘイズ(ヘーズ)値[JIS K 7136準拠、単位:%]の、熱収縮率50%の収縮前後の差[(50%熱収縮後のヘイズ(%))−(50%熱収縮前のヘイズ(%))]は、特に限定されないが、50以下が好ましく、より好ましくは30以下、さらに好ましくは20以下である。本発明のシュリンクラベルは、熱収縮時の色調変化が起こりにくいため、50%もの高収縮率での熱収縮後においてもこのような性質を有することが可能である。
本発明のシュリンクラベルは、表印刷シュリンクラベルであってもよいし、裏印刷シュリンクラベルであってもよいし、両面印刷シュリンクラベルであってもよいが、熱収縮時の色調変化が起こりにくくシュリンク加工後の外観に優れる観点から、裏印刷シュリンクラベルとして好ましく使用できる。なお、本明細書において、表印刷ラベルとは、ラベル基材を通さず印刷を見せるラベルであり、ラベルを見る際に、ラベル基材よりも手前に意匠印刷層があるラベルをいう。また、裏印刷ラベルとは、ラベル基材を通して印刷を見せるラベルであり、ラベルを見る際に、ラベル基材よりも奥側に意匠印刷層があるラベルをいう。また、両面印刷ラベルとは、ラベル基材の両面側に意匠印刷層を有するラベルをいう。
本発明のシュリンクラベルの好ましい構成について、図を用いて説明する。図1は、本発明のシュリンクラベルの一実施形態を示す概略図(部分断面図)である。図1に記載の本発明のシュリンクラベル1は、ラベル基材2、意匠印刷層3、背景印刷層4、意匠印刷層5、及び本発明の保護層6を有する。なお、図1に記載の本発明のシュリンクラベル1は、ラベル基材2が透明(好ましくは無色透明)であり、ラベル基材2を通して印刷を見せる裏印刷シュリンクラベルである。
本発明のシュリンクラベル1において、意匠印刷層3は、ラベル基材2の一方の表面に、部分的に設けられている。意匠印刷層3としては、上述の印刷層であり、バインダー樹脂及び着色顔料を含有することが好ましい。より具体的には、意匠印刷層3は、所望のデザインとなるように着色顔料の異なる複数の印刷層によって形成されている。また、意匠印刷層3は、透明であっても不透明であってもよい。意匠印刷層3の厚みは、特に限定されないが、0.1〜8μmが好ましい。
背景印刷層4は、ラベル基材2の一方の表面に、意匠印刷層3を覆うように設けられている。具体的には、背景印刷層4は意匠印刷層3より広い領域で形成され、意匠印刷層3の全面を覆うように設けられている。なお、図1では意匠印刷層3の全面を覆うように設けられているが、一部のみを覆うように設けられていてもよい。また、背景印刷層4は、ラベル基材2の一方の表面に、部分的に設けられているが、全面に設けられていてもよい。背景印刷層4は、本発明のシュリンクラベルを筒状シュリンクラベルとした際、筒の外側から観察したときの意匠印刷層3の背景となる印刷層である。図1に係る実施形態では、背景印刷層4は不透明な印刷層で、背景印刷層4が設けられた領域は不透明な領域となる(即ち、意匠印刷層3が設けられた領域は不透明な領域である)。背景印刷層4としては、上述の印刷層が使用できる。背景印刷層4が不透明な印刷層の場合には、着色顔料として酸化チタンを20〜80重量%含有する白色の印刷層等の背景印刷層が好ましい。背景印刷層4の厚みは、特に限定されないが、0.5〜10μmが好ましい。なお、図1の実施形態では背景印刷層4を不透明としたが、透明であってもよい。
意匠印刷層5は、ラベル基材2の一方の表面に設けられている。具体的には、意匠印刷層5は、背景印刷層4が設けられていない領域に形成されている。意匠印刷層5としては、上述の印刷層であり、意匠印刷層3と同様に、バインダー樹脂及び着色顔料を含有する。より具体的には、意匠印刷層5は、所望のデザインとなるように着色顔料の異なる複数の印刷層によって形成されている。図1の実施形態において、意匠印刷層5は透明である。意匠印刷層5の厚みは、特に限定されないが、0.1〜8μmが好ましい。
図1の実施形態における本発明の保護層6は、透明な層であり、ラベル基材2の一方の表面に、背景印刷層4及び意匠印刷層5を覆うように設けられている。なお、図1では背景印刷層4及び意匠印刷層5の全面を覆うように設けられているが、一部のみを覆うように設けられていてもよい。また、本発明の保護層6は、ラベル基材2の一方の表面に、部分的に設けられているが、全面に設けられていてもよい。本発明の保護層6は、中でも、筒状シュリンクラベルを形成した際にシール部となる部分付近以外の全面に設けられていることが好ましい。
なお、本実施形態では、ラベル基材2、意匠印刷層5、及び本発明の保護層6が透明であるので、本発明のシュリンクラベル1の、ラベル基材、意匠印刷層、及び本発明の保護層の3層が重なる領域(「領域E」と称する場合がある)は、厚み方向に透明な領域となる。従って、この場合、本発明のシュリンクラベル1は厚み方向に透明な部分を少なくとも有する。また、背景印刷層4は不透明であるので、本発明のシュリンクラベル1の、背景印刷層4が設けられている領域は、厚み方向に不透明な部分となる。なお、本実施形態では、透明な部分と不透明な部分とを有する本発明のシュリンクラベル1を示したが、透明な部分のみから構成されていてもよい(例えば、背景印刷層4が透明な部分であってもよい)し、不透明な部分のみから構成されていてもよい(例えば、領域Eが不透明な部分であってもよい)。但し、熱収縮時の、透明な部分において色調変化が顕著であるため、少なくとも透明な部分を有するシュリンクラベルであることが好ましい。
本発明のシュリンクラベルは、例えば、ラベル両端を溶剤や接着剤でシールし筒状にして容器に装着されるタイプの筒状シュリンクラベルや、ラベルの一端を容器に貼り付け、ラベルを巻き回した後、他端を一端に重ね合わせて筒状にする巻き付け方式のシュリンクラベルとして用いることができる。本発明のシュリンクラベルは、耐性に優れ、且つ熱収縮時に色調変化しにくいため、筒状シュリンクラベルに特に好ましく用いられる。即ち、本発明のシュリンクラベルは、筒状シュリンクラベルであることが好ましい。以下、本発明のシュリンクラベルを用いた筒状シュリンクラベルを、「本発明の筒状シュリンクラベル」と称する場合がある。
図2及び3を用いて、本発明のシュリンクラベルの好ましい実施形態である筒状シュリンクラベルの一例について説明をする。図2に記載の本発明の筒状シュリンクラベル7は、矩形状に形成された、ラベル基材、印刷層、及び本発明の保護層を含む本発明のシュリンクラベルを、当該シュリンクラベルの一端部の外側に他端部を重ね合わせて筒状とし、他端部の内面と一端部の外面とを溶剤又は接着剤で接合しシール部8が形成された筒状体である。筒状シュリンクラベル7は、熱収縮性フィルムの主収縮方向が筒状シュリンクラベルの周方向Dとなるように筒状にされており、当該方向に熱収縮可能である。
図3は、図2におけるA−A’断面、即ち、本発明の筒状シュリンクラベル7のシール部8付近の要部拡大図である。具体的には、本発明のシュリンクラベルは、ラベル基材2の一方の面(筒状体の内側の面)の他端部の端32から所定幅の領域を除いた領域に意匠印刷層3及び意匠印刷層5が形成され、その意匠印刷層3を覆うように、ラベル基材2の一方の面の他端部の端32から所定幅の領域を除いた領域に背景印刷層4が形成されている。さらに、背景印刷層4及び意匠印刷層5を覆うように、ラベル基材2の一方の面の他端部の端32から所定幅の領域を除いた領域の略全域に本発明の保護層6が形成されている。このため、本発明のシュリンクラベルには、他端部の端32から所定幅の領域は、意匠印刷層3、背景印刷層4、意匠印刷層5、及び本発明の保護層6が形成されておらず、ラベル基材2が露出し、ラベル基材露出面が形成されている。本発明の筒状シュリンクラベル7は、具体的には、本発明のシュリンクラベルの他端部の内面側に形成されたラベル基材露出面と、一端部の外面側に形成されたラベル基材露出面とを、溶剤又は接着剤9によって接合されている。なお、意匠印刷層3、背景印刷層4、意匠印刷層5、及び本発明の保護層6は、単層であってもよいし、複層であってもよい。
上記シール部の幅は、特に限定されないが、0.2〜10mmが好ましく、より好ましくは0.3〜5mm、さらに好ましくは0.4〜2mmである。
なお、図3における本発明の筒状シュリンクラベル7では、一端部は、その端31が他端部の本発明の保護層6と重なる位置まで延びてきており、一端部と他端部の本発明の保護層6同士が重なる領域が形成されている。このため、厚み方向においていずれの印刷層も存在しない領域は存在しない。本発明の筒状シュリンクラベルは、図3に示すような、一端部の端31と他端部側の本発明の保護層6と重なる構造であってもよいし、一端部の端が他端部のラベル基材露出面と重なる領域まで延び、一端部の端が他端部側の本発明の保護層6と重なる位置まで延びてきていない、一端部の端と他端部側の本発明の保護層6とが重ならない構造であってもよい。
本発明のシュリンクラベルは、熱収縮性フィルムを含むラベル基材の少なくとも一方の面に、印刷層と、該印刷層の少なくとも一部を覆うように設けられた保護層とを有している。そして、上記保護層が、ポリアクリルポリオール樹脂と硬化剤とを含有する硬化性組成物層を硬化させて形成された層である。本発明のシュリンクラベルは、このような構成を有することにより、シュリンク加工時の追従性に優れるためシュリンク加工時に微細なインキ割れが生じにくく、収縮白化が起こりにくいため、シュリンク加工前後で色調変化が小さい。また、印刷層が比較的軟らかい場合であっても、筒状シュリンクラベルをシュリンク加工する際において、一端部の端が他端部に設けられた本発明の保護層に接触しても印刷層及び本発明の保護層にインキ割れが起こりにくく、本発明のシュリンクラベルは耐熱性及びシュリンク加工時の追従性に優れる。さらに、印刷層上に本発明の保護層が設けられているため、本発明のシュリンクラベルは耐溶剤性や耐摩擦性等の耐性にも優れる。
[本発明のシュリンクラベルの製造方法、加工方法]
本発明のシュリンクラベルの製造方法は、ラベル基材の少なくとも一方の面に印刷層を形成する工程(印刷層形成工程)、及び、ラベル基材の少なくとも一方の面に本発明の保護層を形成する工程(本発明の保護層形成工程)を少なくとも含む。
(印刷層形成工程)
上記印刷層形成工程では、ラベル基材の少なくとも一方の面上に、印刷インキを塗布し、乾燥や硬化等によって固化させることにより印刷層が形成される。上記印刷インキを塗布する方法としては、公知慣用の方法を用いることができ、中でも、グラビア印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷が好ましい。上記印刷層が意匠印刷層である場合、意匠印刷層を設ける段階では、一般的に、上記印刷インキの塗布は、色ごとに、複数回行われ、複層である印刷層が形成される。
溶剤乾燥型の印刷インキを用いる場合、上記印刷層は、当該印刷インキを塗布して塗膜を形成し、当該塗膜から上記溶媒を乾燥除去し、塗膜を固化させることによって形成できる。
上記溶剤乾燥型の印刷インキは、例えば、上記バインダー樹脂(即ち、上記印刷層に含まれるバインダー樹脂)、上記着色顔料(即ち、上記印刷層に含まれる着色顔料)、溶媒及びその他添加剤等を、必要に応じて、混合することにより製造される。混合は、公知慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー等のミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミル等のミル、ニーダー等の混合装置が用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた印刷インキは、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(バインダー樹脂、着色顔料、溶媒、その他の添加剤)は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記溶媒としては、グラビア印刷やフレキソ印刷等に使用される印刷インキに通常用いられる水や有機溶剤等を用いることができる。上記有機溶剤としては、例えば、酢酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル)等のエステル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル等が挙げられる。上記溶媒は、印刷インキを上記ラベル基材に塗布した後、乾燥により除去することができる。なお、上記溶媒には、「分散媒」の意味も含む。
活性エネルギー線硬化型の印刷インキを用いる場合、上記印刷層は、当該印刷インキを塗布して塗膜を形成し、当該塗膜に紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射し硬化させて、塗膜を固化させることによって形成できる。
上記活性エネルギー線硬化型の印刷インキは、上記バインダー樹脂(即ち、上記印刷層に含まれるバインダー樹脂)を構成する単量体成分、上記着色顔料(即ち、上記印刷層に含まれる着色顔料)、溶媒、及びその他添加剤等を、必要に応じて、混合することにより製造される。混合は、公知慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、上述の溶剤乾燥型の印刷インキの混合装置として例示及び説明された混合装置等が使用できる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた印刷インキは、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(単量体成分、着色顔料、溶媒、その他の添加剤)は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記印刷層がトナー印刷層である場合、上記印刷層を形成する印刷インキ(トナー)を用いて、電子写真方式の印刷機により形成される。電子写真方式の印刷機は、例えば、感光体ドラムに電荷を与えた後、トナーを載せたくない部分をレーザー等で描画して電荷を除去し、所望のパターンでトナーを感光体ドラム上に付着させ、ブランケットを介して該トナーを上記ラベル基材の面上に転写してトナー印刷層を形成する。上記トナー印刷層が複数の色を有する複層である場合は、上記の形成方法を繰り返し、1色ずつラベル基材に転写して表示を形成してもよいが、各色のトナーをブランケット上に1色ずつ転写して乾燥させた後、全ての色が載ったブランケットをラベル基材に押しつけて転写し、表示を形成してもよい。このとき、ハロゲンヒーター等によりラベル基材上に転写されたトナーが加熱されて溶融し、ラベル基材上に定着する。
上記電子写真方式の印刷機は、市販品を用いることができる。上記市販品としては、例えば、セイコーエプソン(株)製「LP−S9000シリーズ」、(株)リコー製「SPC831/831M」、「SPC830/830M」、「SPC810−ME」、「SPC731/731M」、「SPC730/730M」、ヒューレット・パッカード社製「HP Indigo WS20000」、「HP Indigo WS6600」、「HP Indigo WS6000」、「HP Indigo WS4600」、富士ゼロックス(株)製「DocuPrint C5000」、「DocuPrint C4000」、「DocuPrint C3360」、「DocuPrint C3350」等が挙げられる。
(本発明の保護層形成工程)
本発明の保護層形成工程では、印刷層を有する側のラベル基材の面上に、該印刷層の少なくとも一部を覆うように本発明の硬化性組成物層を設け、当該本発明の硬化性組成物層を硬化させて形成される。
本発明の硬化性組成物層が溶剤乾燥型の印刷層である場合、本発明の硬化性組成物層は、印刷層を有する側のラベル基材の面上に本発明の硬化性組成物を塗布し、必要に応じて乾燥又は乾燥固化することにより形成される。上記塗布された本発明の硬化性組成物の層(塗布層)を加熱、送風(例えば、冷風、常温の風、温風)等により乾燥する際には、印刷装置上で乾燥が可能な、一般的な加熱装置、送風装置を好ましく用いることができる。安全性、乾燥効率の観点から、上記加熱装置としては、好ましくは、温風ヒーター等を用いることができる。
本発明の硬化性組成物を塗布する方法としては、コストや生産性等の観点から、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式が好ましく、中でも、グラビア印刷方式が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、例えば、ポリアクリルポリオール樹脂、硬化剤、溶媒、必要に応じて他の成分を混合することによって製造される。混合は、公知乃至慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、上述の印刷層を形成する印刷インキの混合装置として例示及び説明された混合装置等が使用できる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた硬化性組成物は、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(ポリアクリルポリオール樹脂、硬化剤、溶媒、他の成分)は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記溶媒としては、印刷インキに通常用いられる有機溶剤等を用いることができる。上記溶媒としては、例えば、上述の印刷層を形成する印刷インキ中に含まれていてもよい有機溶剤として例示及び説明された有機溶剤等が挙げられる。上記溶媒は、本発明の硬化性組成物をラベル基材に塗布した後、乾燥により除去することができる。
本発明の硬化性組成物の粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えば、グラビア印刷により塗工される場合には、10〜1000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜500mPa・sである。本発明の硬化性組成物の粘度は、ポリアクリルポリオール樹脂、硬化剤やその他の各成分の種類や配合量(含有量)、増粘剤、減粘剤等によって制御することが可能である。なお、本明細書では、「粘度」とは、特に限定しない限り、E型粘度計(円錐平板形回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転数50回転の条件下、JIS Z 8803に準じて測定した値を意味している。
上記のようにして、本発明の硬化性組成物層が形成される。なお、本発明の硬化性組成物層が形成された段階における積層体は、硬化が完了する前であるため、熱収縮性フィルムを含むラベル基材と、前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層と、前記印刷層の少なくとも一部を覆うように設けられた硬化性組成物層と、を有するシュリンクラベル用積層体であって、前記硬化性組成物層が、ポリアクリルポリオール樹脂と硬化剤とを含有するシュリンクラベル用積層体である。当該シュリンクラベル用積層体は、硬化性組成物層を硬化させる(硬化性組成物層の硬化が完了する)ことによって本発明の保護層が形成されることにより、耐性に優れ且つ熱収縮時の色調変化が起こりにくい本発明のシュリンクラベルを得ることができる。
本発明の硬化性組成物層を硬化させる際の硬化としては、上述のように、活性エネルギー線硬化、熱硬化、2液反応硬化等が挙げられる。上記熱硬化は、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーター、恒温槽等の公知乃至慣用の加熱装置を用いて行うことができる。また、湿気硬化は、公知乃至慣用の調湿装置を用いて行うことができる。また2液反応硬化は、2液を混合する以外の操作は特に必要ないが、硬化反応を促進させるために加熱装置や調湿装置を用いてもよい。
上記活性エネルギー線硬化における活性エネルギー線は、特に限定されないが、例えば、可視光、紫外線、電子線等が挙げられる。中でも、紫外線、電子線が好ましい。紫外線照射は、具体的には、例えば、紫外線(UV)ランプ、紫外線LEDや紫外線レーザー等を用いて行うことができる。照射する活性エネルギー線は、硬化性組成物層の組成によっても異なり、特に限定されないが、硬化性の観点から、波長が200〜460nmの紫外線(近紫外線)が好ましく、また、積算光量は50〜2000mJ/cm2が好ましい。
活性エネルギー線硬化又は熱硬化により硬化する場合、本発明の保護層を形成する際の硬化は、本発明の硬化性組成物層を形成した後に行って、本発明の保護層を形成する。本発明の硬化性組成物層が2液硬化型の硬化性組成物層である場合、本発明の硬化性組成物の作製と同時に硬化が進行してもよい。
上記のようにして、ラベル基材の少なくとも一方の面に、印刷層及び本発明の保護層が形成された本発明のシュリンクラベルを作製することができる。
(筒状シュリンクラベルの製造方法)
本発明の筒状シュリンクラベルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、下記の通りである。長尺状の本発明のシュリンクラベルを、所定の幅にスリットして、本発明のシュリンクラベルが長尺方向(長手方向)に複数個連なったラベル長尺体を得る。このラベル長尺体を、熱収縮可能な方向(即ち、シュリンクフィルムの熱収縮方向)が周方向となるように、他端部が一端部の外側になるように重ね合わせて筒状に形成し、当該重ね合わせた部分を所定幅で帯状にシールして両端部を接合して、長尺筒状のラベル連続体(長尺筒状シュリンクラベル)を得ることができる。この長尺筒状シュリンクラベルを周方向に切断することで、高さ方向に所定の長さを有する1つの筒状シュリンクラベル(本発明の筒状シュリンクラベル)を得ることができる。
[ラベル付き容器]
本発明のシュリンクラベルは、特に限定されないが、容器に装着して、ラベル付き容器として用いられる。なお、本発明のシュリンクラベルは、容器以外の被着体に用いられてもよい。例えば、本発明のシュリンクラベル(特に、筒状シュリンクラベル)を容器の周りに、本発明のシュリンクラベルが筒状となるように配置し、加熱処理により熱収縮させることによって容器に装着することにより、ラベル付き容器(本発明のシュリンクラベルを有するラベル付き容器)が得られる。上記容器には、例えば、PETボトル等のソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳瓶、調味料等の食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレー等の化学製品の容器、トイレタリー用の容器、カップ麺容器等が含まれる。上記容器の形状としては、特に限定されないが、例えば、円筒状、角形等のボトルタイプや、カップタイプ等の様々な形状が挙げられる。また、上記容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、PET等のプラスチック、ガラス、金属等が挙げられる。
上記ラベル付き容器は、例えば、筒状シュリンクラベルを、所定の容器に外嵌した後、加熱処理によって筒状シュリンクラベルを熱収縮させ、容器に追従密着させること(シュリンク加工)によって作製できる。上記加熱処理の方法としては、例えば、熱風トンネルやスチームトンネルを通過させる方法、赤外線等の輻射熱で加熱する方法等が挙げられる。特に、80〜100℃のスチームで処理する(スチーム及び湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)方法が好ましい。また、101〜140℃のドライスチームを用いることもできる。上記加熱処理は、特に限定されないが、熱収縮性フィルムの温度が85〜100℃(特に、90〜97℃)となる温度範囲で実施することが好ましい。また、加熱処理の処理時間は、生産性、経済性の観点から、4〜20秒が好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、表1に、実施例及び比較例で作製したシュリンクラベルの構成及び評価結果等を示した。また、表2には、実施例及び比較例で用いた印刷インキ中の原料の詳細(商品名、メーカー名、不揮発分、重量平均分子量など)などを示した。
実施例1
(保護層用印刷インキ)
ポリアクリルポリオール樹脂として商品名「LR−191A」(三菱レイヨン(株)製)25重量部、商品名「LR−2751」(三菱レイヨン(株)製)25重量部、ワックス2重量部、及びイソシアネート系硬化剤(商品名「デュラネート 24A−100」、旭化成(株)製)5重量部を、酢酸エチル24重量部、酢酸n−プロピル24重量部に混合し、ミキサーを用いて分散して、2液硬化型の保護層用印刷インキを得た。
(シュリンクラベル)
ポリエステル(PET)系フィルム(熱収縮性フィルム)(三菱樹脂(株)製、商品名「LX−18S」、厚み:40μm)の片面に、ウレタン系カラーインキ(商品名「NKFS 紅」、東洋インキ(株)製)を、卓上グラビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「GRAVO PROOF MINI」)を用いて塗布、乾燥固化し、シール部となる部分以外の全面に印刷層を形成した。次いで、上記印刷層の表面に、上記で得られた保護層用印刷インキを、上記卓上グラビア印刷機を用いて塗布、乾燥固化し、その後27±3℃で24時間のエージング処理を行って、シール部となる部分以外の全面に保護層を形成した。
上記のようにして、PET系フィルム(厚み:40μm)/印刷層(厚み:1μm)/保護層(厚み:1μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
比較例1〜3
保護層用印刷インキとして、表1に示す組成の保護層用印刷インキを用いたこと以外は実施例1と同様にして、PET系フィルム(厚み:40μm)/印刷層(厚み:1μm)/保護層(厚み:1μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
実施例2
(アンカーコート剤)
ウレタン系樹脂溶液(商品名「サンプレンIB−501」、三洋化成工業(株)製、不揮発分:約30重量%)60重量部を、酢酸エチル20重量部、酢酸n−プロピル20重量部に混合し、ミキサーを用いて分散して、アンカーコート剤を得た。
(シュリンクラベル)
ポリエステル(PET)系フィルム(熱収縮性フィルム)(三菱樹脂(株)製、商品名「LX−18S」、厚み:40μm)の片面に、上記で得られたアンカーコート剤を、上記卓上グラビア印刷機を用いて塗布、乾燥固化し、シール部となる部分付近以外の全面にプライマー層を形成した。次いで、カルボキシ基を有するポリオレフィン系樹脂をバインダー樹脂として含むトナー粒子を含有するトナーを、写真印刷方式のデジタル印刷機で印刷して、上記プライマー層上にトナー印刷層(デジタル印刷層)を形成した。続いて、実施例1で用いた保護層用印刷インキを、上記卓上グラビア印刷機を用いて塗布、乾燥固化し、その後27±3℃で24時間のエージング処理を行って、シール部となる部分以外の全面に保護層を形成した。
上記のようにして、PET系フィルム(厚み:40μm)/プライマー層(厚み:0.5μm)/トナー印刷層(厚み:1μm)/保護層(厚み:1μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルについて、以下の評価を行った。評価結果は表1に示した。
(1)インキ割れ試験(熱水浸漬収縮試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、210mm(主収縮方向;シュリンクフィルムの幅方向)×110mm(主収縮方向に対して直交方向;シュリンクフィルムの長手方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルを、測定用サンプルの主収縮方向(シュリンクフィルムの主収縮方向)が周方向、保護印刷層を設けた側の表面が内側となるように、さらに、図3に示すように一端部の端と他端部側の保護層とが重なる構造となるように一端部と他端部とを重ね合わせて筒状にし、当該一端部と他端部のシュリンクフィルム同士をTHFで、シール部の幅が3mmとなるようにシールし、筒状シュリンクラベルを得た(周長:200mm)。
また、直径62mm(周長194mm)、高さ108mmの円筒状ガラス瓶を準備した。さらに、10mm(主収縮方向)×110mm(主収縮方向に対して直交方向)のシュリンクフィルム(商品名「LX−18S」、三菱樹脂(株)製、厚み:45μm)の短冊を準備した。
上記短冊の幅方向(主収縮方向)が上記円筒状ガラス瓶の周方向となるように位置合わせをして、短冊の上下端と円筒状ガラス瓶の上下端とをセロファン粘着テープで固定した(上下端を除く短冊中央部では、短冊と円筒状ガラス瓶とは非接着である)。次いで、該円筒状ガラス瓶(短冊付き)の上から、保護層が短冊に接触するように、上記の筒状シュリンクラベルをかぶせ、90℃の熱水に20秒間浸漬させて、シュリンクラベルを熱収縮させ(この時、短冊も幅方向に熱収縮する)、ラベル付き容器を得た。
得られたラベル付き容器のラベルの外観(外側)を観察し、さらに、筒状シュリンクラベルをはがしてラベルの内側の印刷層を観察し、短冊に沿ってインキ割れ(容器の高さ方向に筋状のインキはがれ)が発生していないかを、目視にて観察した。下記の基準で評価した。
良好(○) : 外側からも、ラベルを剥がした内側からも、インキ割れは確認できない
使用可能(△) : 外側から観察してもインキ割れは確認できないが、ラベルを剥がすとラベルの内側にインキ割れが確認できる
不良(×) : 外側からインキ割れが確認できる
(2)色調変化(50%収縮)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの、PET系フィルム、印刷層、及び保護層の3層が重なる領域について、ヘイズ値を測定し、「熱収縮前のヘイズ値」とした。
次に、実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、150mm(主収縮方向)×100mm(主収縮方向に対して直交方向)の大きさのラベル片を切り出た。上記ラベル片を、該ラベル片の主収縮方向に100mm長さの部分を50mm間隔に固定できる治具に固定した(ラベル片の主収縮方向の両端からそれぞれ25mmの位置を固定し、その間の100mmの長さの部分を50mm間隔としている。熱収縮処理前はたるんだ状態である)。上記治具に固定したラベル片を、90℃の熱水に20秒間程度浸漬させて熱処理し、ラベル片を熱収縮処理前と比較して50%の長さになるように熱収縮させた(主収縮方向に50%熱収縮させた)。このようにして、主収縮方向に50%熱収縮させた測定用サンプルを得た。この測定用サンプルの、PET系フィルム、印刷層、及び保護層の3層が重なる領域について、ヘイズ値を測定し、「50%熱収縮後のヘイズ値」とした。なお、ヘイズ値の測定は、(株)東洋精機製作所製「ヘイズ−ガード II」を用いて、JIS K 7136に準拠して行った。
そして、下記式により、ヘイズ値の差を算出し、熱収縮後の色調変化を下記の基準で評価した。
ヘイズ値の差={50%熱収縮後のヘイズ値(%)}−{熱収縮前のヘイズ値(%)}
良好(○) : ヘイズ値の差が30未満
使用可能(△) : ヘイズ値の差が30以上50未満
不良(×) : ヘイズ値の差が50以上
Figure 2017067928
Figure 2017067928
評価結果からわかるとおり、本発明のシュリンクラベル(実施例)は、シュリンク加工時に印刷層のインキ割れが発生せず、追従性及び耐熱性に優れていた。また、熱収縮後の色調変化が比較的小さかった。一方、保護層の形成に硬化剤を用いなかったシュリンクラベル(比較例1)、及び、保護層において、ポリアクリルポリオール樹脂の代わりにアクリル系樹脂を用いたシュリンクラベル(比較例2及び3)は、シュリンク加工時に印刷層のインキ割れが発生し、追従性や耐熱性が劣るものであった。また、比較例2及び3のシュリンクラベルは、熱収縮後の色調変化も比較的大きかった。
1 本発明のシュリンクラベル
2 ラベル基材
3 意匠印刷層
4 背景印刷層
5 意匠印刷層
6 本発明の保護層
7 本発明の筒状シュリンクラベル
8 シール部
9 溶剤又は接着剤
31 一端部の端
32 他端部の端

Claims (7)

  1. 熱収縮性フィルムを含むラベル基材と、
    前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた印刷層と、
    前記印刷層の少なくとも一部を覆うように設けられた保護層と、
    を有するシュリンクラベルであって、
    前記保護層が、ポリアクリルポリオール樹脂と硬化剤とを含有する硬化性組成物層が硬化した層であることを特徴とするシュリンクラベル。
  2. 前記印刷層が、バインダー樹脂の主成分として、ウレタン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を含有する請求項1に記載のシュリンクラベル。
  3. 前記印刷層が、硬化剤に由来する構成単位を実質的に含有しない層である請求項1又は2に記載のシュリンクラベル。
  4. 前記印刷層が、デジタル印刷層である請求項1〜3のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
  5. 前記硬化性組成物層中の硬化剤が、イソシアネート系硬化剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
  6. 前記硬化性組成物層中の硬化剤の含有量が、前記硬化性組成物層の総重量に対して1〜50重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
  7. 前記ラベル基材、前記印刷層、及び前記保護層が少なくとも重なる領域において、厚み方向に透明な部分を少なくとも有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
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