JP2017067630A - 外観検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラック、欠け又は疵の有無を安定的に検出できる外観検査装置を提供する。【解決手段】電子部品Wの検査面Pを外観検査する外観検査装置において、電子部品Wを支持する支持手段11と、検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して検査面Pをとらえた第1画像30pを撮像する第1の撮像手段12とを備え、検査面Pにおけるクラック、欠け又は疵の有無を検出する。検査面Pを斜めにとらえた第1画像30pを用いることで、検査面Pを正面からとらえた像を用いる場合に比べ、クラック等の検出精度が向上する。【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品の外観検査を行う外観検査装置に関する。
表面弾性波(SAW)フィルタ、受光素子、コンデンサ、インダクタ、CSP(Chip Size Package)等の各種電子部品は、出荷前に、外観検査によって、クラック、欠け及び疵の有無が調べられる。クラック、欠け及び疵の有無の検査は、出荷される電子部品の品質向上のため重要である。
特許文献1には、電子部品を撮像して外観検査する装置の具体例が記載されている。
特開2003−254726号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置によっては、発見できないクラック、欠け及び疵があり、これは検査面を正面視した画像を撮像することによるものであることが検証によって判明した。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、クラック、欠け又は疵の有無を安定的に検出できる外観検査装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る外観検査装置は、電子部品の検査面Pを外観検査する外観検査装置において、前記電子部品を支持する支持手段と、前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第1画像を撮像する第1の撮像手段とを備える。
本発明に係る外観検査装置において、前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第2画像を撮像する第2の撮像手段を、更に、備え、前記第1画像の前記検査面Pに対する撮像方向は、前記第2画像の前記検査面Pに対する撮像方向とは異なるのが好ましい。
本発明に係る外観検査装置において、前記検査面Pの前方に、中心が該検査面Pの中心位置に対向して配された該検査面Pに平行な仮想面を設け、前記第1の撮像手段は、前記第1画像で、前記仮想面の中心より一側の位置から該検査面Pをとらえ、前記第2の撮像手段は、前記第2画像で、前記仮想面の中心より他側の位置から前記検査面Pをとらえるのが好ましい。
本発明に係る外観検査装置において、前記第1画像で前記第1の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの一側に合わせられ、前記第2画像で前記第2の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの他側に合わせられるのが好ましい。
本発明に係る外観検査装置において、前記電子部品には、前記検査面Pに対向する検査面Qが設けられ、前記第1の撮像手段は、前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第3画像も撮像するのが好ましい。
本発明に係る外観検査装置において、前記第2の撮像手段は、前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第4画像も撮像し、前記第3画像の前記検査面Qに対する撮像方向は、前記第4画像の前記検査面Qに対する撮像方向とは異なるのが好ましい。
本発明に係る外観検査装置において、前記電子部品は、透光性を有し、前記第1の撮像手段が前記検査面Pを撮像する際に前記検査面Pの撮像方向とは逆の方向から前記電子部品に向かって光を照射する照明手段を、更に、備えるのが好ましい。
本発明に係る外観検査装置において、前記支持手段は、前記電子部品を前記第1画像が撮像される撮像位置に搬送する搬送機構に設けられ、支持している前記電子部品の該支持手段に対する配置を、前記撮像位置に搬送されるまで変えることなく維持するのが好ましい。
本発明に係る外観検査装置において、前記搬送機構は、前記撮像位置の上方で前記支持手段に支持された前記電子部品を、該支持手段と共に降下させて前記撮像位置に配するのが好ましい。
本発明に係る外観検査装置は、第1の撮像手段が電子部品の検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して検査面Pをとらえた第1画像を撮像するので、検査面Pを正面から撮像するのに比べ、検査面Pに生じているクラック等を安定的に検出することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る外観検査装置の平面図である。 撮像位置T1で電子部品の検査面P、Qが撮像される様子を示す説明図である。 撮像位置T2で電子部品の検査面P、Qが撮像される様子を示す説明図である。 撮像位置T1で電子部品の検査面P、Qが撮像される様子を示す説明図である。 撮像位置T3で電子部品の検査面R、Sが撮像される様子を示す説明図である。 (A)、(B)、(C)は、それぞれ、電子部品の検査面Pを撮像するパターンを示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る外観検査装置10は、電子部品Wを支持する支持手段11と、電子部品Wの検査面Pを一側から斜めにとらえた像を撮像する撮像手段12(第1の撮像手段)を備えて、電子部品Wの検査面Pを外観検査する装置である。以下、詳細に説明する。
本実施の形態において、外観検査の対象である電子部品Wは、図1〜図3に示すように、平面視して矩形状(正方形状を含む)の表面弾性波フィルタであり、透光性を有するが、これに限定されない。電子部品Wには、4つの側面が存在し、その4つの側面が、それぞれ外観検査の対象となる検査面P、Q、R、Sである。検査面P、Qは対向して(平面視して平行に)配置され、検査面R、Sも対向して(平面視して平行に)配されている。
外観検査装置10は、図1、図4、図5に示すように、複数(本実施の形態では、12個)の支持手段11が昇降可能に取り付けられた円形の回転テーブル13と、支持手段11をそれぞれ押し下げる複数の押下手段14を備えている。
水平配置された回転テーブル13は、図1に示すように、中心に回転軸15が連結され、図示しないサーボモータから回転軸15を介して駆動力を与えられ間欠的に所定角度回転する。本実施の形態において、回転テーブル13は、一回の回転動作で30°回転する。
支持手段11は、図4、図5に示すように、回転テーブル13の外周部に周方向に沿って等間隔に設けられたノズルであり、真空圧によって、電子部品Wの上面を吸着して電子部品Wを保持し、真空破壊によって電子部品Wを保持した状態を解除する。支持手段11によって保持された電子部品Wは、図1〜図3に示すように、検査面P、Qが回転テーブル13の径方法外側及び内側にそれぞれ配置され、検査面S、Rが回転テーブル13の回転方向の上流側及び下流側にそれぞれ配置される。
支持手段11は、回転テーブル13の間欠的な回転によって、回転テーブル13の周方向に沿った移動と一次停止を繰り返す。支持手段11によって保持された電子部品Wは、図1に示すように、回転テーブル13の回転によって、電子部品Wの撮像がなされる撮像位置T1、T2、T3、T4の上方に、順次、搬送され、一次停止する。
各押下手段14は、図1、図4、図5に示すように、支持手段11が一次停止する位置の回転テーブル13の上方に設けられ、図示しないサーボモータの駆動力を利用して支持手段11に下向きの力を作用させる。
支持手段11は、図示しないばねによって上方に付勢された状態で、回転テーブル13に取り付けられている。そのため、支持手段11は、押下手段14から下向きの力を与えられていない状態で、最上位置に配され、押下手段14から下向きの力を与えられることによって、所定の高さ位置まで押し下げられる。
電子部品Wは、最上位置に配された状態で、回転テーブル13の回転によって撮像位置T1の上方に搬送され、撮像位置T1の上方に設けられた押下手段14の作動によって、支持手段11と共に降下して撮像位置T1に配される。支持手段11は、支持している電子部品Wの支持手段11に対する配置を、電子部品Wが撮像位置T1に配されるまで変えることなく維持する。これによって、電子部品Wを撮像位置T1において、基準位置に安定的に配置することが可能である。
この撮像位置T1における電子部品Wの動きは、撮像位置T2、T3、T4においても同じであり、本実施の形態では、撮像位置T1、T2、T3、T4に電子部品Wが同じタイミングで配される。
電子部品Wは、撮像位置T1、T2で検査面P、Qが撮像され、撮像位置T3、T4で検査面R、Sが撮像されることとなる。
なお、本実施の形態では、電子部品Wを撮像位置T1、T2、T3、T4に搬送する搬送機構が、主として、支持手段11、回転テーブル13、回転テーブル13を回転させるサーボモータ、回転軸15及び押下手段14によって構成されているがこれに限定されないのは言うまでもない。
外観検査装置10は、図1〜図5に示すように、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、Qを撮像する撮像手段12、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、Qにそれぞれ光を照射する照明手段16p、16q、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面P、Qを撮像する撮像手段17(第2の撮像手段)、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面P、Qにそれぞれ光を照射する照明手段18p、18q、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面R、Sを撮像する撮像手段19、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面R、Sにそれぞれ光を照射する照明手段20r、20s、撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面R、Sを撮像する撮像手段21、及び、撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面R、Sにそれぞれ光を照射する照明手段22r、22sを備えている。
撮像手段12、17、19、21は、図1に示すように、平面視して、回転テーブル13の外側に設けられ、撮像方向が、回転テーブル13の内側に向けられている。
外観検査装置10は、更に、光の進行方向を変える光路調整手段23、24、25、26を具備している。光路調整手段23、24、25、26は、撮像位置T1、T2、T3、T4の近傍にそれぞれ配されている。
光路調整手段23は、図4に示すように、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pからの光を複数回反射して下向きに進行させるプリズムブロック27、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Qからの光を複数回反射して下向きに進行させるプリズムブロック28、及び、プリズムブロック27、28から下向きに進む光が進入するプリズム29を備えている。プリズム29内に進入した光は、反射によって進路が水平方向に変えられて撮像手段12に向かう。
プリズムブロック27は、図2、図4に示すように、撮像位置T1に配された電子部品Wと同じ高さに、同電子部品Wの検査面Pからの光が進入する側壁部27aを有している。プリズムブロック28も、撮像位置T1に配された電子部品Wと同じ高さに、同電子部品Wの検査面Qからの光が進入する側壁部28aを有している。側壁部27aと側壁部28aは平行である。
撮像位置T1において、電子部品Wは、側壁部27a、28aの間に配された状態で検査面P、Qが撮像される。
撮像位置T1において、電子部品Wは、図2に示すように、検査面P、Qが、側壁部27a、28aに対し、平面視してそれぞれ斜めに配される(非平行である)。本実施の形態において、平面視して、検査面Pは一側が他側に比べて側壁部27aまでの距離が短く、検査面Qは一側が他側に比べて側壁部28aまでの距離が短い。ここで、検査面Pに対する一側及び他側とは、それぞれ検査面Pを正面視した際の検査面Pの左側及び右側であり、検査面Qに対する一側及び他側とは、それぞれ検査面Qを正面視した際の検査面Qの左側及び右側である。
撮像手段12が、プリズム29及びプリズムブロック27を介し、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pを側壁部27aから撮像する撮像方向D1は、側壁部27aに対し垂直である。そのため、撮像方向D1は、検査面Pに対して斜めに配されていることとなり、撮像手段12は、同電子部品Wの検査面Pに対し撮像方向D1を斜めに(本実施の形態では、検査面Pに垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Pをとらえた画像30p(第1画像)を撮像する。
同様に、撮像手段12が、プリズム29及びプリズムブロック28を介し、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Qを側壁部28aから撮像する撮像方向D2は、側壁部28aに対し垂直である。そのため、撮像方向D2は、検査面Qに対して斜めに配されていることとなり、撮像手段12は、同電子部品Wの検査面Qに対し撮像方向D2を斜めに(本実施の形態では、検査面Pに垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Qをとらえた画像30q(第3画像)を撮像する。
撮像手段12がプリズムブロック27及びプリズム29によって光学経路を調整され、画像30pにおいて電子部品Wの検査面Pをとらえる撮像焦点F1は、電子部品Wの検査面Pの一側(中心より左側)に合わせられ、画像30pには、検査面P全体に加え、検査面Sもとらえられる。同様に、撮像手段12がプリズムブロック28及びプリズム29によって光学経路が調整され、画像30qにおいて電子部品Wの検査面Qをとらえる撮像焦点F2は、電子部品Wの検査面Qの一側(中心より左側)に合わせられ、画像30qには、検査面Q全体に加え、検査面Rもとらえられる。
なお、図2、図3において、C1は検査面Pの中心位置を示し、C2は検査面Qの中心位置を示す。
本実施の形態において、撮像手段12は、照明手段16qが点灯され、照明手段16pが消灯された状態で、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pを撮像し、次に、照明手段16pが点灯され、照明手段16qが消灯された状態で、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Qを撮像する。即ち、撮像手段12は、タイミングをずらして、画像30p、30qを撮像する。照明手段16pは、検査面Qの撮像の際に検査面Qの撮像方向とは逆の方向(検査面P側)からプリズムブロック27越しに電子部品Wに向かって光を照射し、照明手段16qは、検査面Pの撮像の際に検査面Pの撮像方向とは逆の方向(検査面Q側)からプリズムブロック28越しに電子部品Wに向かって光を照射する。
本実施の形態では、電子部品Wの検査面Pにおいて撮像手段12の撮像中心がとらえる部分から、プリズムブロック27及びプリズム29を経て撮像手段12に到達する光の光路長と、電子部品Wの検査面Qにおいて撮像手段12の撮像中心がとらえる部分から、プリズムブロック28及びプリズム29を経て撮像手段12に到達する光の光路長は同じであるため、画像30pを撮像してから画像30qを撮像するまでに、撮像の焦点を変える必要がない。本実施の形態においては、撮像手段12、17、19、21に、単焦点のカメラが採用されている。
撮像位置T1で検査面P、Qの撮像が完了した電子部品Wは、最上位置に配された後、回転テーブル13の回転によって撮像位置T2の上方に搬送され、撮像位置T2の上方に設けられた押下手段14の作動によって、撮像位置T2に配される。撮像手段12によって撮像された画像30p、30qは、撮像手段12に接続された情報処理機に転送され、クラック等の有無の判定に用いられる。
撮像位置T1に配された電子部品W、照明手段16p、16q、光路調整手段23及び撮像手段12の関係と、撮像位置T2に配された電子部品W、照明手段18p、18q、光路調整手段24及び撮像手段17の関係は、図2、図3に示すように、電子部品Wの向きを除いて、原則、同じである。
光路調整手段24も、光路調整手段23と同様に、プリズムブロック27、28及びプリズムブロック27、28の下方に配されたプリズムを備えている。
撮像位置T2において、電子部品Wは、図3に示すように、検査面P、Qが、側壁部27a、28aに対し、平面視してそれぞれ斜めに配される(非平行である)。本実施の形態では、撮像位置T2で、電子部品Wは、検査面Pの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部27aまでの距離が長くなるように、検査面Pが側壁部27aに対し平面視して斜めに配され、検査面Qの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部28aまでの距離が長くなるように、検査面Qが側壁部27aに対し平面視して斜めに配されている。
撮像手段17が、プリズム29及びプリズムブロック27を介し、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面Pを側壁部27aから撮像する撮像方向D3は、側壁部27aに対し垂直で、検査面Pに対して傾斜している。そのため、撮像手段17は、同電子部品Wの検査面Pに対し撮像方向D3を斜めに(本実施の形態では、検査面Pに対して垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Pをとらえた画像31p(第2画像)を撮像する。
同様に、撮像手段17が、プリズム29及びプリズムブロック28を介し、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面Qを側壁部28aから撮像する撮像方向D4は、側壁部28aに対し垂直で、検査面Qに対して傾斜している。そのため、撮像手段17は、同電子部品Wの検査面Qに対し撮像方向D4を斜めに(本実施の形態では、検査面Qに対して垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Qをとらえた画像31q(第4画像)を撮像する。
撮像手段17がプリズムブロック27及びプリズム29によって光学経路を調整され、画像31pにおいて電子部品Wの検査面Pをとらえる撮像焦点F3は、電子部品Wの検査面Pの他側(右側)に合わせられ、画像31pには、検査面P全体に加え、検査面Rもとらえられる。同様に、撮像手段17がプリズムブロック28及びプリズム29によって光学経路が調整され、画像31qにおいて電子部品Wの検査面Qをとらえる撮像焦点F4は、電子部品Wの検査面Qの他側(右側)に合わせられ、画像31qには、検査面Q全体に加え、検査面Sもとらえられる。
図2、図3に示すように、電子部品Wの検査面Pの前方に、中心C1’が検査面Pの中心位置C1に対向して配された検査面Pに平行な仮想面G1を設けたとして、撮像手段12は、画像30pで仮想面G1の中心C1’より一側の位置(本実施の形態では、検査面P側から仮想面G1を見て仮想面G1の中心C1’より右側の位置)から検査面Pをとらえ、撮像手段17は、画像31pで仮想面G1の中心C1’より他側の位置(本実施の形態では、検査面P側から仮想面G1を見て仮想面G1の中心C1’より左側の位置)から検査面Pをとらえる。
電子部品Wが、図2、図3に示すように、撮像位置T1で検査面Pの一側に撮像焦点F1が合わせられ、撮像位置T2で検査面Pの他側に撮像焦点F3が合わせられるのは、検査面Pをとらえる画像30p、31pを合わせることで、検査面Pの全体に万遍なく焦点が合った画像データを、クラック等の検出に利用するためである。この点、電子部品Wの検査面Qについても同様である。
また、電子部品Wの検査面Qの前方に、図2、図3に示すように、中心C2’が検査面Qの中心位置C2に対向して配された検査面Qに平行な仮想面G2を設けたとして、撮像手段12は、図2に示すように、画像30qで仮想面G2の中心C2’より一側の位置(本実施の形態では、検査面Q側から仮想面G2を見て仮想面G2の中心C2’より右側の位置)から検査面Qをとらえ、撮像手段17は、図3に示すように、画像31qで仮想面G2の中心C2’より他側の位置(本実施の形態では、検査面Q側から仮想面G2を見て仮想面G2の中心C2’より左側の位置)から検査面Qをとらえる。
撮像手段12が、電子部品Wの検査面Pを仮想面G1の中心C1’より一側の位置からとらえ、撮像手段17が、電子部品Wの検査面Pを仮想面G1の中心C1’より他側の位置(即ち、撮像手段12が検査面Pをとらえる位置の逆側の位置)からとらえるのは、検査面Pのクラック、欠け、疵を安定的に発見するためであり、これは、検査面Qに対しても同様である。実験によって、クラック等の発見率が、本実施の形態は、電子部品Wの検査面P、Qを正面のみから撮像する場合に比べ、2〜3倍に上昇することが確認されている。
そして、撮像位置T2に配された電子部品Wは、照明手段18qが点灯され照明手段18pが消灯されて検査面Pの撮像方向とは逆の方向(検査面Q側)から照らされた状態で、検査面Pが撮像され、照明手段18pが点灯され照明手段18qが消灯されて検査面Qの撮像方向とは逆の方向(検査面P側)から照らされた状態で、検査面Qが撮像される。撮像手段17によって撮像された画像31p、31qは、情報処理機に転送され、検査面P、Qに対するクラック等の有無の判定に用いられる。
撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、Qの撮像と照明手段16p、16qの点灯、消灯のタイミング、及び、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面P、Qの撮像と照明手段18p、18qの点灯、消灯のタイミングが、それぞれ上述したような関係にあるのは、本実施の形態の電子部品Wが、透光性を有するためである。撮像する検査面P(検査面Q)の撮像方向とは逆の方向から、照明手段16q、18q(照明手段16p、18p)で光を照射して、検査面Q(検査面P)から電子部品W内に光を進入させることで、検査面P(検査面Q)から電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックが、クラックの無い部分とは異なる明度で撮像される。
本実施の形態では、クラックが影となって撮像される。検査面Pから電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックは、その形成方向と撮像手段(撮像手段12、17)の撮像方向(撮像方向D1、D3)の角度が垂直に近いほど、長い影として画像(画像30p、31p)にとらえられる。
従って、撮像位置T1で電子部品Wの検査面Pを撮像する撮像方向D1に沿って検査面Pから電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックは、画像30pにおいて、小さな影として撮像される。そのため、画像30pでは、そのクラックが発見されない可能性がある。
ここで、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pに対する撮像方向D1と、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面Pに対する撮像方向D3とは、検査面Pに対する方向が異なるので、検査面Pから撮像方向D1に沿って電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックは、撮像位置T2で検査面Pをとらえた画像31pで、大きな影となって撮像される。よって、そのクラックは、画像31pを用いた解析処理によって発見されることとなる。この点、電子部品Wの検査面Qについても同様である。
そして、このクラックの発見を安定的に行う作用効果は、2つの撮像手段が、電子部品の検査面を仮想面の中心より一側及び他側の位置からそれぞれとらえる場合に限定されるものではなく、電子部品の検査面を、その検査面に対して異なる撮像方向で撮像することによって享受される。
例えば、図6(A)に示すように、2つの画像のいずれにおいても、電子部品Wの検査面Pの右側前方から検査面Pを斜めにとらえるようにし、その2つの画像において、検査面Pに対する撮像角度を変えるようにしてもよい。
また、図6(B)に示すように、一の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の上方から検査面Pを撮像し、他の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の下方から検査面Pを撮像するようにしてもよい。更に、図6(C)に示すように、一の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の電子部品Wと同じ高さ位置から検査面Pを撮像し、他の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の上方から検査面Pを撮像するようにしてもよい。
ところで、透光性が実質的に無い電子部品に対しては、検査面を照明手段によって照らした状態で撮像することとなる。この場合においても、クラック等の発見率の向上の観点において、検査面を斜めから撮像することが、検査面を正面から撮像することよりも好ましく、検査面を異なる方向から撮像することでクラック等の発見率が更に向上することを確認している。ここで、透光性が実質的に無い電子部品に対し、検査面に対する撮像方向を固定した上で、照明手段が検査面を照らす角度を変えて撮像した画像を得ることでも、クラック等の発見率が向上することを確認している。これは、検査面に対する照明方向が異なることで、検査面に現れる影が異なることによるものと考えられる。
また、撮像位置T3に配された電子部品Wに対応する光路調整手段25は、図5に示すように、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sからの光を反射によって下向きに進行させるプリズムブロック33、同電子部品Wの検査面Rからの光を反射によって下向きに進行させるプリズムブロック34、及び、プリズムブロック33、34から下向きに進む光が進入するプリズム35を備えている。プリズム35内に進入した光は、反射によって進路が水平方向に変えられ、撮像手段19に向かう。
撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面S、プリズムブロック33及び照明手段20rの関係は、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、プリズムブロック27及び照明手段16qの関係と同様であり、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面R、プリズムブロック34及び照明手段20sの関係は、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Q、プリズムブロック28及び照明手段16pの関係と同様である。
一方、光路調整手段23のプリズムブロック27、28が、回転テーブル13の略径方向に沿って配されているのに対し、光路調整手段25のプリズムブロック33、34は、回転テーブル13の略周方向に沿って配されている点で異なり、図4、図5に示すように、プリズム29の光を反射する方向とプリズム35の光を反射する方向は相異する。
プリズムブロック33は、図5に示すように、撮像位置T3に配された電子部品Wの高さ位置に、同電子部品Wの検査面Sからの光が進入する側壁部33aを備え、プリズムブロック34も、同電子部品Wの高さ位置に、同電子部品Wの検査面Rからの光が進入する側壁部34aを備えている。
ここで、電子部品Wは、撮像位置T3の上方に搬送された後、押下手段14によって支持手段11と共に降下して撮像位置T3に配されるため、プリズムブロック33、34に接触することなく、撮像位置T3に配される。
プリズムブロック33及びプリズム35は、撮像手段19が、側壁部33aに垂直な方向から撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sを撮像するように光路を調整し、プリズムブロック34及びプリズム35は、撮像手段19が、側壁部34aに垂直な方向から撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Rを撮像するように光路を調整する。
撮像位置T3において、電子部品Wは、検査面Sの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部33aまでの距離が短くなるように、検査面Sが側壁部33aに対し平面視して斜めに配され、検査面Rの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部34aまでの距離が短くなるように、検査面Rが側壁部34aに対し平面視して斜めに配されている。
撮像手段19が、プリズム35及びプリズムブロック33を介し、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sを側壁部33aから撮像する撮像方向は、検査面Sに対して傾斜し、プリズム35及びプリズムブロック34を介し、同電子部品Wの検査面Rを側壁部34aから撮像する撮像方向も、検査面Rに対して傾斜している。
撮像手段19の撮像焦点は、プリズムブロック33及びプリズム35によって、電子部品Wの検査面Sの一側に合わせられ、検査面Sをとらえた画像には、検査面S全体と検査面Qがとらえられる。同様に、撮像手段19の撮像焦点は、プリズムブロック34及びプリズム35によって、電子部品Wの検査面Rの一側に合わせられ、検査面Rをとらえた画像には、検査面R全体と検査面Pがとらえられる。
撮像位置T3に配された電子部品Wは、照明手段20rが点灯され、照明手段20sが消灯された状態で、検査面Sが撮像され、照明手段20sが点灯され、照明手段20rが消灯された状態で、検査面Rが撮像される。撮像手段19によって撮像された検査面Sをとらえた像及び検査面Rをとらえた像は、情報処理機に転送され、検査面S、Rに対するクラック等の有無の判定に用いられる。
撮像位置T4に配された電子部品W、照明手段22s、22r、光路調整手段26及び撮像手段21の関係と、撮像位置T3に配された電子部品W、照明手段20s、20r、光路調整手段25及び撮像手段19の関係は、電子部品Wの向きを除いて、原則、同じである。
撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Sからの光及び検査面Rからの光は、光路調整手段26を経由して撮像手段21に向かう。
撮像手段21が、光路調整手段26を介し、撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Sを撮像する撮像する撮像方向は、検査面Sに対して傾斜し、光路調整手段26を介し、同電子部品Wの検査面Rを撮像する撮像方向も、検査面Rに対して傾斜している。
そして、撮像手段19が撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sを撮像する撮像方向と、撮像手段21が撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Sを撮像する撮像方向は検査面Sに対する方向が異なり、撮像手段19が撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Rを撮像する撮像方向と、撮像手段21が撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Rを撮像する撮像方向も、検査面Rに対する方向が異なる。
撮像手段21の撮像焦点は、光路調整手段26によって光学経路が調整されて、電子部品Wの検査面Sの他側(撮像手段19が検査面Sに撮像焦点を合わせている位置とは逆側)及び検査面Rの他側(撮像手段19が検査面Rに撮像焦点を合わせている位置とは逆側)に合わせられている。撮像手段21は、検査面S全体をとらえる像に検査面Pもとらえ、検査面R全体をとらえる像に検査面Qもとらえる。
撮像位置T4に配された電子部品Wは、照明手段22rが点灯され、照明手段22sが消灯された状態で、検査面Sが撮像され、次に、照明手段22sが点灯され、照明手段22rが消灯された状態で、検査面Rが撮像される。撮像手段21によって撮像された2つの像は、情報処理機に転送され、検査面S、Rに対するクラック等の有無の判定に用いられる。
外観検査装置10には、図1に示すように、回転テーブル13の回転方向に沿って撮像位置T4の下流側に、検査面P、Q、R、Sにクラック等が発見されなかった電子部品Wをテーピングに収容するテーピングユニット37、及び、検査面P、Q、R、Sにクラック等が発見された電子部品Wを不良品として排出するソータ38が設けられている。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、電子部品は、透光性を有する表面弾性波フィルタに限定されず、透光性を有さないものでもよく、コンデンサやインダクタ等の他の種類のものであってもよい。
また、回転テーブルは水平配置されていなくてもよく、円形である必要もない。
そして、電子部品の検査面Pを撮像する撮像位置と検査面Qを撮像する撮像位置とを別々に設け、1つの検査位置で1つの検査面のみを撮像するようにしてもよい。
10:外観検査装置、11:支持手段、12:撮像手段、13:回転テーブル、14:押下手段、15:回転軸、16p、16q:照明手段、17:撮像手段、18p、18q:照明手段、19:撮像手段、20r、20s:照明手段、21:撮像手段、22r、22s:照明手段、23〜26:光路調整手段、27:プリズムブロック、27a:側壁部、28:プリズムブロック、28a:側壁部、29:プリズム、30p、30q、31p、31q:画像、33:プリズムブロック、33a:側壁部、34:プリズムブロック、34a:側壁部、35:プリズム、37:テーピングユニット、38:ソータ、W:電子部品、P:検査面、Q:検査面、R:検査面、S:検査面、T1〜T4:撮像位置、D1、D2、D3、D4:撮像方向、F1、F2、F3、F4:撮像焦点、C1、C2:中心位置、G1、G2:仮想面、C1’、C2’:中心
本発明は、電子部品の外観検査を行う外観検査装置に関する。
表面弾性波(SAW)フィルタ、受光素子、コンデンサ、インダクタ、CSP(Chip Size Package)等の各種電子部品は、出荷前に、外観検査によって、クラック、欠け及び疵の有無が調べられる。クラック、欠け及び疵の有無の検査は、出荷される電子部品の品質向上のため重要である。
特許文献1には、電子部品を撮像して外観検査する装置の具体例が記載されている。
特開2003−254726号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置によっては、発見できないクラック、欠け及び疵があり、これは検査面を正面視した画像を撮像することによるものであることが検証によって判明した。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、クラック、欠け又は疵の有無を安定的に検出できる外観検査装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る外観検査装置は、透光性を有する電子部品の対向する側面で左右方向に長い検査面P、Qを外観検査する外観検査装置において、前記電子部品を支持する支持手段と、前記支持手段が昇降可能に取り付けられ、該支持手段に支持された前記電子部品を、回転によって、撮像位置T1、T2の上方に順次搬送する回転テーブルと、前記支持手段を押し下げて、前記電子部品を前記撮像位置T1、T2にそれぞれ配する複数の押下手段と、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面P、Qにそれぞれ光を照射する第1の照明手段p、qと、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第1画像を、前記第1の照明手段qが点灯され、前記第1の照明手段pが消灯された状態で撮像し、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第3画像を、前記第1の照明手段pが点灯され、前記第1の照明手段qが消灯された状態で撮像する第1の撮像手段と、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面P、Qからのそれぞれの光を前記第1の撮像手段に向かわせる第1の光路調整手段と、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面P、Qにそれぞれ光を照射する第2の照明手段p、qと、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第2画像を、前記第2の照明手段qが点灯され、前記第2の照明手段pが消灯された状態で撮像し、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第4画像を、前記第2の照明手段pが点灯され、前記第2の照明手段qが消灯された状態で撮像する第2の撮像手段と、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面P、Qからのそれぞれの光を前記第2の撮像手段に向かわせる第2の光路調整手段とを備え、前記検査面Pの前記第1の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第1の光路調整手段を経て該第1の撮像手段に到達する光の光路長と、前記検査面Qの前記第1の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第1の光路調整手段を経て該第1の撮像手段に到達する光の光路長は同じであり、前記検査面Pの前記第2の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第2の光路調整手段を経て該第2の撮像手段に到達する光の光路長と、前記検査面Qの前記第2の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第2の光路調整手段を経て該第2の撮像手段に到達する光の光路長は同じであり、前記第1の撮像手段の前記検査面Pに対する撮像方向は、前記第2の撮像手段の前記検査面Pに対する撮像方向とは異なり、前記第1の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの左側に合わせられ、前記第2の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの右側に合わせられ、前記第1の撮像手段の前記検査面Qに対する撮像方向は、前記第2の撮像手段の前記検査面Qに対する撮像方向とは異なり、前記第1の撮像手段が前記検査面Qをとらえる撮像焦点は、該検査面Qの左側に合わせられ、前記第2の撮像手段が前記検査面Qをとらえる撮像焦点は、該検査面Qの右側に合わせられる。
第1の発明に係る外観検査装置において、前記検査面Pの前方に、中心が該検査面Pの中心位置に対向して配された該検査面Pに平行な仮想面を設け、前記第1の撮像手段は、前記第1画像で、前記検査面Pから前記仮想面を見て該仮想面の中心より右側の位置から該検査面Pをとらえ、前記第2の撮像手段は、前記第2画像で、前記検査面Pから前記仮想面を見て該仮想面の中心より左側の位置から前記検査面Pをとらえるのが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る外観検査装置は、透光性を有する電子部品の対向する検査面P、Qを外観検査する外観検査装置において、前記電子部品を支持する支持手段と、前記支持手段が昇降可能に取り付けられ、該支持手段に支持された前記電子部品を、回転によって、撮像位置T1、T2の上方に順次搬送する回転テーブルと、前記支持手段を押し下げて、前記電子部品を前記撮像位置T1、T2にそれぞれ配する複数の押下手段と、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面P、Qにそれぞれ光を照射する第1の照明手段p、qと、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第1画像を、前記第1の照明手段qが点灯され、前記第1の照明手段pが消灯された状態で撮像し、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第3画像を、前記第1の照明手段pが点灯され、前記第1の照明手段qが消灯された状態で撮像する第1の撮像手段と、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面P、Qからのそれぞれの光を前記第1の撮像手段に向かわせる第1の光路調整手段と、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面P、Qにそれぞれ光を照射する第2の照明手段p、qと、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第2画像を、前記第2の照明手段qが点灯され、前記第2の照明手段pが消灯された状態で撮像し、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第4画像を、前記第2の照明手段pが点灯され、前記第2の照明手段qが消灯された状態で撮像する第2の撮像手段と、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面P、Qからのそれぞれの光を前記第2の撮像手段に向かわせる第2の光路調整手段とを備え、前記検査面Pの前記第1の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第1の光路調整手段を経て該第1の撮像手段に到達する光の光路長と、前記検査面Qの前記第1の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第1の光路調整手段を経て該第1の撮像手段に到達する光の光路長は同じであり、前記検査面Pの前記第2の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第2の光路調整手段を経て該第2の撮像手段に到達する光の光路長と、前記検査面Qの前記第2の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第2の光路調整手段を経て該第2の撮像手段に到達する光の光路長は同じであり、前記第1の撮像手段の前記検査面Pに対する撮像方向は、前記第2の撮像手段の前記検査面Pに対する撮像方向とは異なり、前記第1の撮像手段の前記検査面Qに対する撮像方向は、前記第2の撮像手段の前記検査面Qに対する撮像方向とは異なる
第2の発明に係る外観検査装置において、前記検査面Pの前方に、中心が該検査面Pの中心位置に対向して配された該検査面Pに平行な仮想面を設け、前記第1の撮像手段は、前記第1画像で、前記仮想面の中心より一側の位置から該検査面Pをとらえ、前記第2の撮像手段は、前記第2画像で、前記仮想面の中心より他側の位置から前記検査面Pをとらえるのが好ましい。
第2の発明に係る外観検査装置において、前記第1画像で前記第1の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの一側に合わせられ、前記第2画像で前記第2の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの他側に合わせられるのが好ましい。
前記目的に沿う第3の発明に係る外観検査装置は、電子部品の側面で左右方向に長い検査面Pを外観検査する外観検査装置において、前記電子部品を支持する支持手段と、前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第1画像を撮像する第1の撮像手段と、前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第2画像を撮像する第2の撮像手段とを備え、前記第1の撮像手段の前記検査面Pに対する撮像方向は、前記第2の撮像手段の前記検査面Pに対する撮像方向とは異なり、前記第1の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの左側に合わせられ、前記第2の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの右側に合わせられる
第3の発明に係る外観検査装置において、前記検査面Pの前方に、中心が該検査面Pの中心位置に対向して配された該検査面Pに平行な仮想面を設け、前記第1の撮像手段は、前記第1画像で、前記検査面Pから前記仮想面を見て該仮想面の中心より右側の位置から該検査面Pをとらえ、前記第2の撮像手段は、前記第2画像で、前記検査面Pから前記仮想面を見て該仮想面の中心より左側の位置から前記検査面Pをとらえるのが好ましい。
第3の発明に係る外観検査装置において、前記電子部品には、前記検査面Pに対向する検査面Qが設けられ、前記第1の撮像手段は、前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第3画像も撮像するのが好ましい。
第3の発明に係る外観検査装置において、前記第2の撮像手段は、前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第4画像も撮像し、前記第3画像の前記検査面Qに対する撮像方向は、前記第4画像の前記検査面Qに対する撮像方向とは異なるのが好ましい。
第3の発明に係る外観検査装置において、前記電子部品は、透光性を有し、前記第1の撮像手段が前記検査面Pを撮像する際に前記検査面Pの撮像方向とは逆の方向から前記電子部品に向かって光を照射する照明手段を、更に、備えるのが好ましい。
第3の発明に係る外観検査装置において、前記支持手段は、前記電子部品を前記第1画像が撮像される撮像位置に搬送する搬送機構に設けられ、支持している前記電子部品の該支持手段に対する配置を、前記撮像位置に搬送されるまで変えることなく維持するのが好ましい。
第3の発明に係る外観検査装置において、前記搬送機構は、前記撮像位置の上方で前記支持手段に支持された前記電子部品を、該支持手段と共に降下させて前記撮像位置に配するのが好ましい。
第1、第2、第3の発明に係る外観検査装置は、第1の撮像手段が電子部品の検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して検査面Pをとらえた第1画像を撮像するので、検査面Pを正面から撮像するのに比べ、検査面Pに生じているクラック等を安定的に検出することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る外観検査装置の平面図である。 撮像位置T1で電子部品の検査面P、Qが撮像される様子を示す説明図である。 撮像位置T2で電子部品の検査面P、Qが撮像される様子を示す説明図である。 撮像位置T1で電子部品の検査面P、Qが撮像される様子を示す説明図である。 撮像位置T3で電子部品の検査面R、Sが撮像される様子を示す説明図である。 (A)、(B)、(C)は、それぞれ、電子部品の検査面Pを撮像するパターンを示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る外観検査装置10は、電子部品Wを支持する支持手段11と、電子部品Wの検査面Pを一側から斜めにとらえた像を撮像する撮像手段12(第1の撮像手段)を備えて、電子部品Wの検査面Pを外観検査する装置である。以下、詳細に説明する。
本実施の形態において、外観検査の対象である電子部品Wは、図1〜図3に示すように、平面視して矩形状(正方形状を含む)の表面弾性波フィルタであり、透光性を有するが、これに限定されない。電子部品Wには、4つの側面が存在し、その4つの側面が、それぞれ外観検査の対象となる検査面P、Q、R、Sである。検査面P、Qは対向して(平面視して平行に)配置され、検査面R、Sも対向して(平面視して平行に)配されている。
外観検査装置10は、図1、図4、図5に示すように、複数(本実施の形態では、12個)の支持手段11が昇降可能に取り付けられた円形の回転テーブル13と、支持手段11をそれぞれ押し下げる複数の押下手段14を備えている。
水平配置された回転テーブル13は、図1に示すように、中心に回転軸15が連結され、図示しないサーボモータから回転軸15を介して駆動力を与えられ間欠的に所定角度回転する。本実施の形態において、回転テーブル13は、一回の回転動作で30°回転する。
支持手段11は、図4、図5に示すように、回転テーブル13の外周部に周方向に沿って等間隔に設けられたノズルであり、真空圧によって、電子部品Wの上面を吸着して電子部品Wを保持し、真空破壊によって電子部品Wを保持した状態を解除する。支持手段11によって保持された電子部品Wは、図1〜図3に示すように、検査面P、Qが回転テーブル13の径方法外側及び内側にそれぞれ配置され、検査面S、Rが回転テーブル13の回転方向の上流側及び下流側にそれぞれ配置される。
支持手段11は、回転テーブル13の間欠的な回転によって、回転テーブル13の周方向に沿った移動と一次停止を繰り返す。支持手段11によって保持された電子部品Wは、図1に示すように、回転テーブル13の回転によって、電子部品Wの撮像がなされる撮像位置T1、T2、T3、T4の上方に、順次、搬送され、一次停止する。
各押下手段14は、図1、図4、図5に示すように、支持手段11が一次停止する位置の回転テーブル13の上方に設けられ、図示しないサーボモータの駆動力を利用して支持手段11に下向きの力を作用させる。
支持手段11は、図示しないばねによって上方に付勢された状態で、回転テーブル13に取り付けられている。そのため、支持手段11は、押下手段14から下向きの力を与えられていない状態で、最上位置に配され、押下手段14から下向きの力を与えられることによって、所定の高さ位置まで押し下げられる。
電子部品Wは、最上位置に配された状態で、回転テーブル13の回転によって撮像位置T1の上方に搬送され、撮像位置T1の上方に設けられた押下手段14の作動によって、支持手段11と共に降下して撮像位置T1に配される。支持手段11は、支持している電子部品Wの支持手段11に対する配置を、電子部品Wが撮像位置T1に配されるまで変えることなく維持する。これによって、電子部品Wを撮像位置T1において、基準位置に安定的に配置することが可能である。
この撮像位置T1における電子部品Wの動きは、撮像位置T2、T3、T4においても同じであり、本実施の形態では、撮像位置T1、T2、T3、T4に電子部品Wが同じタイミングで配される。
電子部品Wは、撮像位置T1、T2で検査面P、Qが撮像され、撮像位置T3、T4で検査面R、Sが撮像されることとなる。
なお、本実施の形態では、電子部品Wを撮像位置T1、T2、T3、T4に搬送する搬送機構が、主として、支持手段11、回転テーブル13、回転テーブル13を回転させるサーボモータ、回転軸15及び押下手段14によって構成されているがこれに限定されないのは言うまでもない。
外観検査装置10は、図1〜図5に示すように、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、Qを撮像する撮像手段12、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、Qにそれぞれ光を照射する照明手段16p、16q、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面P、Qを撮像する撮像手段17(第2の撮像手段)、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面P、Qにそれぞれ光を照射する照明手段18p、18q、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面R、Sを撮像する撮像手段19、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面R、Sにそれぞれ光を照射する照明手段20r、20s、撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面R、Sを撮像する撮像手段21、及び、撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面R、Sにそれぞれ光を照射する照明手段22r、22sを備えている。
撮像手段12、17、19、21は、図1に示すように、平面視して、回転テーブル13の外側に設けられ、撮像方向が、回転テーブル13の内側に向けられている。
外観検査装置10は、更に、光の進行方向を変える光路調整手段23、24、25、26を具備している。光路調整手段23、24、25、26は、撮像位置T1、T2、T3、T4の近傍にそれぞれ配されている。
光路調整手段23は、図4に示すように、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pからの光を複数回反射して下向きに進行させるプリズムブロック27、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Qからの光を複数回反射して下向きに進行させるプリズムブロック28、及び、プリズムブロック27、28から下向きに進む光が進入するプリズム29を備えている。プリズム29内に進入した光は、反射によって進路が水平方向に変えられて撮像手段12に向かう。
プリズムブロック27は、図2、図4に示すように、撮像位置T1に配された電子部品Wと同じ高さに、同電子部品Wの検査面Pからの光が進入する側壁部27aを有している。プリズムブロック28も、撮像位置T1に配された電子部品Wと同じ高さに、同電子部品Wの検査面Qからの光が進入する側壁部28aを有している。側壁部27aと側壁部28aは平行である。
撮像位置T1において、電子部品Wは、側壁部27a、28aの間に配された状態で検査面P、Qが撮像される。
撮像位置T1において、電子部品Wは、図2に示すように、検査面P、Qが、側壁部27a、28aに対し、平面視してそれぞれ斜めに配される(非平行である)。本実施の形態において、平面視して、検査面Pは一側が他側に比べて側壁部27aまでの距離が短く、検査面Qは一側が他側に比べて側壁部28aまでの距離が短い。ここで、検査面Pに対する一側及び他側とは、それぞれ検査面Pを正面視した際の検査面Pの左側及び右側であり、検査面Qに対する一側及び他側とは、それぞれ検査面Qを正面視した際の検査面Qの左側及び右側である。
撮像手段12が、プリズム29及びプリズムブロック27を介し、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pを側壁部27aから撮像する撮像方向D1は、側壁部27aに対し垂直である。そのため、撮像方向D1は、検査面Pに対して斜めに配されていることとなり、撮像手段12は、同電子部品Wの検査面Pに対し撮像方向D1を斜めに(本実施の形態では、検査面Pに垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Pをとらえた画像30p(第1画像)を撮像する。
同様に、撮像手段12が、プリズム29及びプリズムブロック28を介し、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Qを側壁部28aから撮像する撮像方向D2は、側壁部28aに対し垂直である。そのため、撮像方向D2は、検査面Qに対して斜めに配されていることとなり、撮像手段12は、同電子部品Wの検査面Qに対し撮像方向D2を斜めに(本実施の形態では、検査面Pに垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Qをとらえた画像30q(第3画像)を撮像する。
撮像手段12がプリズムブロック27及びプリズム29によって光学経路を調整され、画像30pにおいて電子部品Wの検査面Pをとらえる撮像焦点F1は、電子部品Wの検査面Pの一側(中心より左側)に合わせられ、画像30pには、検査面P全体に加え、検査面Sもとらえられる。同様に、撮像手段12がプリズムブロック28及びプリズム29によって光学経路が調整され、画像30qにおいて電子部品Wの検査面Qをとらえる撮像焦点F2は、電子部品Wの検査面Qの一側(中心より左側)に合わせられ、画像30qには、検査面Q全体に加え、検査面Rもとらえられる。
なお、図2、図3において、C1は検査面Pの中心位置を示し、C2は検査面Qの中心位置を示す。
本実施の形態において、撮像手段12は、照明手段16qが点灯され、照明手段16pが消灯された状態で、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pを撮像し、次に、照明手段16pが点灯され、照明手段16qが消灯された状態で、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Qを撮像する。即ち、撮像手段12は、タイミングをずらして、画像30p、30qを撮像する。照明手段16pは、検査面Qの撮像の際に検査面Qの撮像方向とは逆の方向(検査面P側)からプリズムブロック27越しに電子部品Wに向かって光を照射し、照明手段16qは、検査面Pの撮像の際に検査面Pの撮像方向とは逆の方向(検査面Q側)からプリズムブロック28越しに電子部品Wに向かって光を照射する。
本実施の形態では、電子部品Wの検査面Pにおいて撮像手段12の撮像中心がとらえる部分から、プリズムブロック27及びプリズム29を経て撮像手段12に到達する光の光路長と、電子部品Wの検査面Qにおいて撮像手段12の撮像中心がとらえる部分から、プリズムブロック28及びプリズム29を経て撮像手段12に到達する光の光路長は同じであるため、画像30pを撮像してから画像30qを撮像するまでに、撮像の焦点を変える必要がない。本実施の形態においては、撮像手段12、17、19、21に、単焦点のカメラが採用されている。
撮像位置T1で検査面P、Qの撮像が完了した電子部品Wは、最上位置に配された後、回転テーブル13の回転によって撮像位置T2の上方に搬送され、撮像位置T2の上方に設けられた押下手段14の作動によって、撮像位置T2に配される。撮像手段12によって撮像された画像30p、30qは、撮像手段12に接続された情報処理機に転送され、クラック等の有無の判定に用いられる。
撮像位置T1に配された電子部品W、照明手段16p、16q、光路調整手段23及び撮像手段12の関係と、撮像位置T2に配された電子部品W、照明手段18p、18q、光路調整手段24及び撮像手段17の関係は、図2、図3に示すように、電子部品Wの向きを除いて、原則、同じである。
光路調整手段24も、光路調整手段23と同様に、プリズムブロック27、28及びプリズムブロック27、28の下方に配されたプリズムを備えている。
撮像位置T2において、電子部品Wは、図3に示すように、検査面P、Qが、側壁部27a、28aに対し、平面視してそれぞれ斜めに配される(非平行である)。本実施の形態では、撮像位置T2で、電子部品Wは、検査面Pの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部27aまでの距離が長くなるように、検査面Pが側壁部27aに対し平面視して斜めに配され、検査面Qの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部28aまでの距離が長くなるように、検査面Qが側壁部27aに対し平面視して斜めに配されている。
撮像手段17が、プリズム29及びプリズムブロック27を介し、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面Pを側壁部27aから撮像する撮像方向D3は、側壁部27aに対し垂直で、検査面Pに対して傾斜している。そのため、撮像手段17は、同電子部品Wの検査面Pに対し撮像方向D3を斜めに(本実施の形態では、検査面Pに対して垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Pをとらえた画像31p(第2画像)を撮像する。
同様に、撮像手段17が、プリズム29及びプリズムブロック28を介し、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面Qを側壁部28aから撮像する撮像方向D4は、側壁部28aに対し垂直で、検査面Qに対して傾斜している。そのため、撮像手段17は、同電子部品Wの検査面Qに対し撮像方向D4を斜めに(本実施の形態では、検査面Qに対して垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Qをとらえた画像31q(第4画像)を撮像する。
撮像手段17がプリズムブロック27及びプリズム29によって光学経路を調整され、画像31pにおいて電子部品Wの検査面Pをとらえる撮像焦点F3は、電子部品Wの検査面Pの他側(右側)に合わせられ、画像31pには、検査面P全体に加え、検査面Rもとらえられる。同様に、撮像手段17がプリズムブロック28及びプリズム29によって光学経路が調整され、画像31qにおいて電子部品Wの検査面Qをとらえる撮像焦点F4は、電子部品Wの検査面Qの他側(右側)に合わせられ、画像31qには、検査面Q全体に加え、検査面Sもとらえられる。
図2、図3に示すように、電子部品Wの検査面Pの前方に、中心C1’が検査面Pの中心位置C1に対向して配された検査面Pに平行な仮想面G1を設けたとして、撮像手段12は、画像30pで仮想面G1の中心C1’より一側の位置(本実施の形態では、検査面P側から仮想面G1を見て仮想面G1の中心C1’より右側の位置)から検査面Pをとらえ、撮像手段17は、画像31pで仮想面G1の中心C1’より他側の位置(本実施の形態では、検査面P側から仮想面G1を見て仮想面G1の中心C1’より左側の位置)から検査面Pをとらえる。
電子部品Wが、図2、図3に示すように、撮像位置T1で検査面Pの一側に撮像焦点F1が合わせられ、撮像位置T2で検査面Pの他側に撮像焦点F3が合わせられるのは、検査面Pをとらえる画像30p、31pを合わせることで、検査面Pの全体に万遍なく焦点が合った画像データを、クラック等の検出に利用するためである。この点、電子部品Wの検査面Qについても同様である。
また、電子部品Wの検査面Qの前方に、図2、図3に示すように、中心C2’が検査面Qの中心位置C2に対向して配された検査面Qに平行な仮想面G2を設けたとして、撮像手段12は、図2に示すように、画像30qで仮想面G2の中心C2’より一側の位置(本実施の形態では、検査面Q側から仮想面G2を見て仮想面G2の中心C2’より右側の位置)から検査面Qをとらえ、撮像手段17は、図3に示すように、画像31qで仮想面G2の中心C2’より他側の位置(本実施の形態では、検査面Q側から仮想面G2を見て仮想面G2の中心C2’より左側の位置)から検査面Qをとらえる。
撮像手段12が、電子部品Wの検査面Pを仮想面G1の中心C1’より一側の位置からとらえ、撮像手段17が、電子部品Wの検査面Pを仮想面G1の中心C1’より他側の位置(即ち、撮像手段12が検査面Pをとらえる位置の逆側の位置)からとらえるのは、検査面Pのクラック、欠け、疵を安定的に発見するためであり、これは、検査面Qに対しても同様である。実験によって、クラック等の発見率が、本実施の形態は、電子部品Wの検査面P、Qを正面のみから撮像する場合に比べ、2〜3倍に上昇することが確認されている。
そして、撮像位置T2に配された電子部品Wは、照明手段18qが点灯され照明手段18pが消灯されて検査面Pの撮像方向とは逆の方向(検査面Q側)から照らされた状態で、検査面Pが撮像され、照明手段18pが点灯され照明手段18qが消灯されて検査面Qの撮像方向とは逆の方向(検査面P側)から照らされた状態で、検査面Qが撮像される。撮像手段17によって撮像された画像31p、31qは、情報処理機に転送され、検査面P、Qに対するクラック等の有無の判定に用いられる。
撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、Qの撮像と照明手段16p、16qの点灯、消灯のタイミング、及び、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面P、Qの撮像と照明手段18p、18qの点灯、消灯のタイミングが、それぞれ上述したような関係にあるのは、本実施の形態の電子部品Wが、透光性を有するためである。撮像する検査面P(検査面Q)の撮像方向とは逆の方向から、照明手段16q、18q(照明手段16p、18p)で光を照射して、検査面Q(検査面P)から電子部品W内に光を進入させることで、検査面P(検査面Q)から電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックが、クラックの無い部分とは異なる明度で撮像される。
本実施の形態では、クラックが影となって撮像される。検査面Pから電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックは、その形成方向と撮像手段(撮像手段12、17)の撮像方向(撮像方向D1、D3)の角度が垂直に近いほど、長い影として画像(画像30p、31p)にとらえられる。
従って、撮像位置T1で電子部品Wの検査面Pを撮像する撮像方向D1に沿って検査面Pから電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックは、画像30pにおいて、小さな影として撮像される。そのため、画像30pでは、そのクラックが発見されない可能性がある。
ここで、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pに対する撮像方向D1と、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面Pに対する撮像方向D3とは、検査面Pに対する方向が異なるので、検査面Pから撮像方向D1に沿って電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックは、撮像位置T2で検査面Pをとらえた画像31pで、大きな影となって撮像される。よって、そのクラックは、画像31pを用いた解析処理によって発見されることとなる。この点、電子部品Wの検査面Qについても同様である。
そして、このクラックの発見を安定的に行う作用効果は、2つの撮像手段が、電子部品の検査面を仮想面の中心より一側及び他側の位置からそれぞれとらえる場合に限定されるものではなく、電子部品の検査面を、その検査面に対して異なる撮像方向で撮像することによって享受される。
例えば、図6(A)に示すように、2つの画像のいずれにおいても、電子部品Wの検査面Pの右側前方から検査面Pを斜めにとらえるようにし、その2つの画像において、検査面Pに対する撮像角度を変えるようにしてもよい。
また、図6(B)に示すように、一の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の上方から検査面Pを撮像し、他の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の下方から検査面Pを撮像するようにしてもよい。更に、図6(C)に示すように、一の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の電子部品Wと同じ高さ位置から検査面Pを撮像し、他の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の上方から検査面Pを撮像するようにしてもよい。
ところで、透光性が実質的に無い電子部品に対しては、検査面を照明手段によって照らした状態で撮像することとなる。この場合においても、クラック等の発見率の向上の観点において、検査面を斜めから撮像することが、検査面を正面から撮像することよりも好ましく、検査面を異なる方向から撮像することでクラック等の発見率が更に向上することを確認している。ここで、透光性が実質的に無い電子部品に対し、検査面に対する撮像方向を固定した上で、照明手段が検査面を照らす角度を変えて撮像した画像を得ることでも、クラック等の発見率が向上することを確認している。これは、検査面に対する照明方向が異なることで、検査面に現れる影が異なることによるものと考えられる。
また、撮像位置T3に配された電子部品Wに対応する光路調整手段25は、図5に示すように、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sからの光を反射によって下向きに進行させるプリズムブロック33、同電子部品Wの検査面Rからの光を反射によって下向きに進行させるプリズムブロック34、及び、プリズムブロック33、34から下向きに進む光が進入するプリズム35を備えている。プリズム35内に進入した光は、反射によって進路が水平方向に変えられ、撮像手段19に向かう。
撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面S、プリズムブロック33及び照明手段20rの関係は、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、プリズムブロック27及び照明手段16qの関係と同様であり、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面R、プリズムブロック34及び照明手段20sの関係は、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Q、プリズムブロック28及び照明手段16pの関係と同様である。
一方、光路調整手段23のプリズムブロック27、28が、回転テーブル13の略径方向に沿って配されているのに対し、光路調整手段25のプリズムブロック33、34は、回転テーブル13の略周方向に沿って配されている点で異なり、図4、図5に示すように、プリズム29の光を反射する方向とプリズム35の光を反射する方向は相異する。
プリズムブロック33は、図5に示すように、撮像位置T3に配された電子部品Wの高さ位置に、同電子部品Wの検査面Sからの光が進入する側壁部33aを備え、プリズムブロック34も、同電子部品Wの高さ位置に、同電子部品Wの検査面Rからの光が進入する側壁部34aを備えている。
ここで、電子部品Wは、撮像位置T3の上方に搬送された後、押下手段14によって支持手段11と共に降下して撮像位置T3に配されるため、プリズムブロック33、34に接触することなく、撮像位置T3に配される。
プリズムブロック33及びプリズム35は、撮像手段19が、側壁部33aに垂直な方向から撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sを撮像するように光路を調整し、プリズムブロック34及びプリズム35は、撮像手段19が、側壁部34aに垂直な方向から撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Rを撮像するように光路を調整する。
撮像位置T3において、電子部品Wは、検査面Sの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部33aまでの距離が短くなるように、検査面Sが側壁部33aに対し平面視して斜めに配され、検査面Rの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部34aまでの距離が短くなるように、検査面Rが側壁部34aに対し平面視して斜めに配されている。
撮像手段19が、プリズム35及びプリズムブロック33を介し、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sを側壁部33aから撮像する撮像方向は、検査面Sに対して傾斜し、プリズム35及びプリズムブロック34を介し、同電子部品Wの検査面Rを側壁部34aから撮像する撮像方向も、検査面Rに対して傾斜している。
撮像手段19の撮像焦点は、プリズムブロック33及びプリズム35によって、電子部品Wの検査面Sの一側に合わせられ、検査面Sをとらえた画像には、検査面S全体と検査面Qがとらえられる。同様に、撮像手段19の撮像焦点は、プリズムブロック34及びプリズム35によって、電子部品Wの検査面Rの一側に合わせられ、検査面Rをとらえた画像には、検査面R全体と検査面Pがとらえられる。
撮像位置T3に配された電子部品Wは、照明手段20rが点灯され、照明手段20sが消灯された状態で、検査面Sが撮像され、照明手段20sが点灯され、照明手段20rが消灯された状態で、検査面Rが撮像される。撮像手段19によって撮像された検査面Sをとらえた像及び検査面Rをとらえた像は、情報処理機に転送され、検査面S、Rに対するクラック等の有無の判定に用いられる。
撮像位置T4に配された電子部品W、照明手段22s、22r、光路調整手段26及び撮像手段21の関係と、撮像位置T3に配された電子部品W、照明手段20s、20r、光路調整手段25及び撮像手段19の関係は、電子部品Wの向きを除いて、原則、同じである。
撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Sからの光及び検査面Rからの光は、光路調整手段26を経由して撮像手段21に向かう。
撮像手段21が、光路調整手段26を介し、撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Sを撮像する撮像する撮像方向は、検査面Sに対して傾斜し、光路調整手段26を介し、同電子部品Wの検査面Rを撮像する撮像方向も、検査面Rに対して傾斜している。
そして、撮像手段19が撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sを撮像する撮像方向と、撮像手段21が撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Sを撮像する撮像方向は検査面Sに対する方向が異なり、撮像手段19が撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Rを撮像する撮像方向と、撮像手段21が撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Rを撮像する撮像方向も、検査面Rに対する方向が異なる。
撮像手段21の撮像焦点は、光路調整手段26によって光学経路が調整されて、電子部品Wの検査面Sの他側(撮像手段19が検査面Sに撮像焦点を合わせている位置とは逆側)及び検査面Rの他側(撮像手段19が検査面Rに撮像焦点を合わせている位置とは逆側)に合わせられている。撮像手段21は、検査面S全体をとらえる像に検査面Pもとらえ、検査面R全体をとらえる像に検査面Qもとらえる。
撮像位置T4に配された電子部品Wは、照明手段22rが点灯され、照明手段22sが消灯された状態で、検査面Sが撮像され、次に、照明手段22sが点灯され、照明手段22rが消灯された状態で、検査面Rが撮像される。撮像手段21によって撮像された2つの像は、情報処理機に転送され、検査面S、Rに対するクラック等の有無の判定に用いられる。
外観検査装置10には、図1に示すように、回転テーブル13の回転方向に沿って撮像位置T4の下流側に、検査面P、Q、R、Sにクラック等が発見されなかった電子部品Wをテーピングに収容するテーピングユニット37、及び、検査面P、Q、R、Sにクラック等が発見された電子部品Wを不良品として排出するソータ38が設けられている。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、電子部品は、透光性を有する表面弾性波フィルタに限定されず、透光性を有さないものでもよく、コンデンサやインダクタ等の他の種類のものであってもよい。
また、回転テーブルは水平配置されていなくてもよく、円形である必要もない。
そして、電子部品の検査面Pを撮像する撮像位置と検査面Qを撮像する撮像位置とを別々に設け、1つの検査位置で1つの検査面のみを撮像するようにしてもよい。
10:外観検査装置、11:支持手段、12:撮像手段、13:回転テーブル、14:押下手段、15:回転軸、16p、16q:照明手段、17:撮像手段、18p、18q:照明手段、19:撮像手段、20r、20s:照明手段、21:撮像手段、22r、22s:照明手段、23〜26:光路調整手段、27:プリズムブロック、27a:側壁部、28:プリズムブロック、28a:側壁部、29:プリズム、30p、30q、31p、31q:画像、33:プリズムブロック、33a:側壁部、34:プリズムブロック、34a:側壁部、35:プリズム、37:テーピングユニット、38:ソータ、W:電子部品、P:検査面、Q:検査面、R:検査面、S:検査面、T1〜T4:撮像位置、D1、D2、D3、D4:撮像方向、F1、F2、F3、F4:撮像焦点、C1、C2:中心位置、G1、G2:仮想面、C1’、C2’:中心
本発明は、電子部品の外観検査を行う外観検査装置に関する。
表面弾性波(SAW)フィルタ、受光素子、コンデンサ、インダクタ、CSP(Chip Size Package)等の各種電子部品は、出荷前に、外観検査によって、クラック、欠け及び疵の有無が調べられる。クラック、欠け及び疵の有無の検査は、出荷される電子部品の品質向上のため重要である。
特許文献1には、電子部品を撮像して外観検査する装置の具体例が記載されている。
特開2003−254726号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置によっては、発見できないクラック、欠け及び疵があり、これは検査面を正面視した画像を撮像することによるものであることが検証によって判明した。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、クラック、欠け又は疵の有無を安定的に検出できる外観検査装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る外観検査装置は、透光性を有する電子部品の対向する側面で左右方向に長い検査面P、Qを外観検査する外観検査装置において、前記電子部品を支持する支持手段と、前記支持手段が昇降可能に取り付けられ、該支持手段に支持された前記電子部品を、回転によって、撮像位置T1、T2の上方に順次搬送する回転テーブルと、前記支持手段を押し下げて、前記電子部品を前記撮像位置T1、T2にそれぞれ配する複数の押下手段と、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面P、Qにそれぞれ光を照射する第1の照明手段p、qと、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第1画像を、前記第1の照明手段qが点灯され、前記第1の照明手段pが消灯された状態で撮像し、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第3画像を、前記第1の照明手段pが点灯され、前記第1の照明手段qが消灯された状態で撮像する第1の撮像手段と、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面P、Qからのそれぞれの光を前記第1の撮像手段に向かわせる第1の光路調整手段と、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面P、Qにそれぞれ光を照射する第2の照明手段p、qと、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第2画像を、前記第2の照明手段qが点灯され、前記第2の照明手段pが消灯された状態で撮像し、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第4画像を、前記第2の照明手段pが点灯され、前記第2の照明手段qが消灯された状態で撮像する第2の撮像手段と、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面P、Qからのそれぞれの光を前記第2の撮像手段に向かわせる第2の光路調整手段とを備え、前記検査面Pの前記第1の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第1の光路調整手段を経て該第1の撮像手段に到達する光の光路長と、前記検査面Qの前記第1の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第1の光路調整手段を経て該第1の撮像手段に到達する光の光路長は同じであり、前記検査面Pの前記第2の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第2の光路調整手段を経て該第2の撮像手段に到達する光の光路長と、前記検査面Qの前記第2の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第2の光路調整手段を経て該第2の撮像手段に到達する光の光路長は同じであり、前記第1の撮像手段の前記検査面Pに対する撮像方向は、前記第2の撮像手段の前記検査面Pに対する撮像方向とは異なり、前記第1の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの左側に合わせられ、前記第2の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの右側に合わせられ、前記第1の撮像手段の前記検査面Qに対する撮像方向は、前記第2の撮像手段の前記検査面Qに対する撮像方向とは異なり、前記第1の撮像手段が前記検査面Qをとらえる撮像焦点は、該検査面Qの左側に合わせられ、前記第2の撮像手段が前記検査面Qをとらえる撮像焦点は、該検査面Qの右側に合わせられる。
第1の発明に係る外観検査装置において、前記検査面Pの前方に、中心が該検査面Pの中心位置に対向して配された該検査面Pに平行な仮想面を設け、前記第1の撮像手段は、前記第1画像で、前記検査面Pから前記仮想面を見て該仮想面の中心より右側の位置から該検査面Pをとらえ、前記第2の撮像手段は、前記第2画像で、前記検査面Pから前記仮想面を見て該仮想面の中心より左側の位置から前記検査面Pをとらえるのが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る外観検査装置は、透光性を有する電子部品の対向する検査面P、Qを外観検査する外観検査装置において、前記電子部品を支持する支持手段と、前記支持手段が昇降可能に取り付けられ、該支持手段に支持された前記電子部品を、回転によって、撮像位置T1、T2の上方に順次搬送する回転テーブルと、前記支持手段を押し下げて、前記電子部品を前記撮像位置T1、T2にそれぞれ配する複数の押下手段と、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面P、Qにそれぞれ光を照射する第1の照明手段p、qと、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第1画像を、前記第1の照明手段qが点灯され、前記第1の照明手段pが消灯された状態で撮像し、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第3画像を、前記第1の照明手段pが点灯され、前記第1の照明手段qが消灯された状態で撮像する第1の撮像手段と、前記撮像位置T1に配された前記電子部品の前記検査面P、Qからのそれぞれの光を前記第1の撮像手段に向かわせる第1の光路調整手段と、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面P、Qにそれぞれ光を照射する第2の照明手段p、qと、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第2画像を、前記第2の照明手段qが点灯され、前記第2の照明手段pが消灯された状態で撮像し、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第4画像を、前記第2の照明手段pが点灯され、前記第2の照明手段qが消灯された状態で撮像する第2の撮像手段と、前記撮像位置T2に配された前記電子部品の前記検査面P、Qからのそれぞれの光を前記第2の撮像手段に向かわせる第2の光路調整手段とを備え、前記検査面Pの前記第1の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第1の光路調整手段を経て該第1の撮像手段に到達する光の光路長と、前記検査面Qの前記第1の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第1の光路調整手段を経て該第1の撮像手段に到達する光の光路長は同じであり、前記検査面Pの前記第2の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第2の光路調整手段を経て該第2の撮像手段に到達する光の光路長と、前記検査面Qの前記第2の撮像手段の撮像中心がとらえる部分から、前記第2の光路調整手段を経て該第2の撮像手段に到達する光の光路長は同じであり、前記第1の撮像手段の前記検査面Pに対する撮像方向は、前記第2の撮像手段の前記検査面Pに対する撮像方向とは異なり、前記第1の撮像手段の前記検査面Qに対する撮像方向は、前記第2の撮像手段の前記検査面Qに対する撮像方向とは異なる。
第2の発明に係る外観検査装置において、前記検査面Pの前方に、中心が該検査面Pの中心位置に対向して配された該検査面Pに平行な仮想面を設け、前記第1の撮像手段は、前記第1画像で、前記仮想面の中心より一側の位置から該検査面Pをとらえ、前記第2の撮像手段は、前記第2画像で、前記仮想面の中心より他側の位置から前記検査面Pをとらえるのが好ましい。
第2の発明に係る外観検査装置において、前記第1画像で前記第1の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの一側に合わせられ、前記第2画像で前記第2の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの他側に合わせられるのが好ましい。
第1、第2の発明に係る外観検査装置は、第1の撮像手段が電子部品の検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して検査面Pをとらえた第1画像を撮像するので、検査面Pを正面から撮像するのに比べ、検査面Pに生じているクラック等を安定的に検出することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る外観検査装置の平面図である。 撮像位置T1で電子部品の検査面P、Qが撮像される様子を示す説明図である。 撮像位置T2で電子部品の検査面P、Qが撮像される様子を示す説明図である。 撮像位置T1で電子部品の検査面P、Qが撮像される様子を示す説明図である。 撮像位置T3で電子部品の検査面R、Sが撮像される様子を示す説明図である。 (A)、(B)、(C)は、それぞれ、電子部品の検査面Pを撮像するパターンを示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る外観検査装置10は、電子部品Wを支持する支持手段11と、電子部品Wの検査面Pを一側から斜めにとらえた像を撮像する撮像手段12(第1の撮像手段)を備えて、電子部品Wの検査面Pを外観検査する装置である。以下、詳細に説明する。
本実施の形態において、外観検査の対象である電子部品Wは、図1〜図3に示すように、平面視して矩形状(正方形状を含む)の表面弾性波フィルタであり、透光性を有するが、これに限定されない。電子部品Wには、4つの側面が存在し、その4つの側面が、それぞれ外観検査の対象となる検査面P、Q、R、Sである。検査面P、Qは対向して(平面視して平行に)配置され、検査面R、Sも対向して(平面視して平行に)配されている。
外観検査装置10は、図1、図4、図5に示すように、複数(本実施の形態では、12個)の支持手段11が昇降可能に取り付けられた円形の回転テーブル13と、支持手段11をそれぞれ押し下げる複数の押下手段14を備えている。
水平配置された回転テーブル13は、図1に示すように、中心に回転軸15が連結され、図示しないサーボモータから回転軸15を介して駆動力を与えられ間欠的に所定角度回転する。本実施の形態において、回転テーブル13は、一回の回転動作で30°回転する。
支持手段11は、図4、図5に示すように、回転テーブル13の外周部に周方向に沿って等間隔に設けられたノズルであり、真空圧によって、電子部品Wの上面を吸着して電子部品Wを保持し、真空破壊によって電子部品Wを保持した状態を解除する。支持手段11によって保持された電子部品Wは、図1〜図3に示すように、検査面P、Qが回転テーブル13の径方法外側及び内側にそれぞれ配置され、検査面S、Rが回転テーブル13の回転方向の上流側及び下流側にそれぞれ配置される。
支持手段11は、回転テーブル13の間欠的な回転によって、回転テーブル13の周方向に沿った移動と一次停止を繰り返す。支持手段11によって保持された電子部品Wは、図1に示すように、回転テーブル13の回転によって、電子部品Wの撮像がなされる撮像位置T1、T2、T3、T4の上方に、順次、搬送され、一次停止する。
各押下手段14は、図1、図4、図5に示すように、支持手段11が一次停止する位置の回転テーブル13の上方に設けられ、図示しないサーボモータの駆動力を利用して支持手段11に下向きの力を作用させる。
支持手段11は、図示しないばねによって上方に付勢された状態で、回転テーブル13に取り付けられている。そのため、支持手段11は、押下手段14から下向きの力を与えられていない状態で、最上位置に配され、押下手段14から下向きの力を与えられることによって、所定の高さ位置まで押し下げられる。
電子部品Wは、最上位置に配された状態で、回転テーブル13の回転によって撮像位置T1の上方に搬送され、撮像位置T1の上方に設けられた押下手段14の作動によって、支持手段11と共に降下して撮像位置T1に配される。支持手段11は、支持している電子部品Wの支持手段11に対する配置を、電子部品Wが撮像位置T1に配されるまで変えることなく維持する。これによって、電子部品Wを撮像位置T1において、基準位置に安定的に配置することが可能である。
この撮像位置T1における電子部品Wの動きは、撮像位置T2、T3、T4においても同じであり、本実施の形態では、撮像位置T1、T2、T3、T4に電子部品Wが同じタイミングで配される。
電子部品Wは、撮像位置T1、T2で検査面P、Qが撮像され、撮像位置T3、T4で検査面R、Sが撮像されることとなる。
なお、本実施の形態では、電子部品Wを撮像位置T1、T2、T3、T4に搬送する搬送機構が、主として、支持手段11、回転テーブル13、回転テーブル13を回転させるサーボモータ、回転軸15及び押下手段14によって構成されているがこれに限定されないのは言うまでもない。
外観検査装置10は、図1〜図5に示すように、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、Qを撮像する撮像手段12、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、Qにそれぞれ光を照射する照明手段16p、16q、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面P、Qを撮像する撮像手段17(第2の撮像手段)、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面P、Qにそれぞれ光を照射する照明手段18p、18q、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面R、Sを撮像する撮像手段19、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面R、Sにそれぞれ光を照射する照明手段20r、20s、撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面R、Sを撮像する撮像手段21、及び、撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面R、Sにそれぞれ光を照射する照明手段22r、22sを備えている。
撮像手段12、17、19、21は、図1に示すように、平面視して、回転テーブル13の外側に設けられ、撮像方向が、回転テーブル13の内側に向けられている。
外観検査装置10は、更に、光の進行方向を変える光路調整手段23、24、25、26を具備している。光路調整手段23、24、25、26は、撮像位置T1、T2、T3、T4の近傍にそれぞれ配されている。
光路調整手段23は、図4に示すように、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pからの光を複数回反射して下向きに進行させるプリズムブロック27、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Qからの光を複数回反射して下向きに進行させるプリズムブロック28、及び、プリズムブロック27、28から下向きに進む光が進入するプリズム29を備えている。プリズム29内に進入した光は、反射によって進路が水平方向に変えられて撮像手段12に向かう。
プリズムブロック27は、図2、図4に示すように、撮像位置T1に配された電子部品Wと同じ高さに、同電子部品Wの検査面Pからの光が進入する側壁部27aを有している。プリズムブロック28も、撮像位置T1に配された電子部品Wと同じ高さに、同電子部品Wの検査面Qからの光が進入する側壁部28aを有している。側壁部27aと側壁部28aは平行である。
撮像位置T1において、電子部品Wは、側壁部27a、28aの間に配された状態で検査面P、Qが撮像される。
撮像位置T1において、電子部品Wは、図2に示すように、検査面P、Qが、側壁部27a、28aに対し、平面視してそれぞれ斜めに配される(非平行である)。本実施の形態において、平面視して、検査面Pは一側が他側に比べて側壁部27aまでの距離が短く、検査面Qは一側が他側に比べて側壁部28aまでの距離が短い。ここで、検査面Pに対する一側及び他側とは、それぞれ検査面Pを正面視した際の検査面Pの左側及び右側であり、検査面Qに対する一側及び他側とは、それぞれ検査面Qを正面視した際の検査面Qの左側及び右側である。
撮像手段12が、プリズム29及びプリズムブロック27を介し、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pを側壁部27aから撮像する撮像方向D1は、側壁部27aに対し垂直である。そのため、撮像方向D1は、検査面Pに対して斜めに配されていることとなり、撮像手段12は、同電子部品Wの検査面Pに対し撮像方向D1を斜めに(本実施の形態では、検査面Pに垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Pをとらえた画像30p(第1画像)を撮像する。
同様に、撮像手段12が、プリズム29及びプリズムブロック28を介し、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Qを側壁部28aから撮像する撮像方向D2は、側壁部28aに対し垂直である。そのため、撮像方向D2は、検査面Qに対して斜めに配されていることとなり、撮像手段12は、同電子部品Wの検査面Qに対し撮像方向D2を斜めに(本実施の形態では、検査面Pに垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Qをとらえた画像30q(第3画像)を撮像する。
撮像手段12がプリズムブロック27及びプリズム29によって光学経路を調整され、画像30pにおいて電子部品Wの検査面Pをとらえる撮像焦点F1は、電子部品Wの検査面Pの一側(中心より左側)に合わせられ、画像30pには、検査面P全体に加え、検査面Sもとらえられる。同様に、撮像手段12がプリズムブロック28及びプリズム29によって光学経路が調整され、画像30qにおいて電子部品Wの検査面Qをとらえる撮像焦点F2は、電子部品Wの検査面Qの一側(中心より左側)に合わせられ、画像30qには、検査面Q全体に加え、検査面Rもとらえられる。
なお、図2、図3において、C1は検査面Pの中心位置を示し、C2は検査面Qの中心位置を示す。
本実施の形態において、撮像手段12は、照明手段16qが点灯され、照明手段16pが消灯された状態で、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pを撮像し、次に、照明手段16pが点灯され、照明手段16qが消灯された状態で、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Qを撮像する。即ち、撮像手段12は、タイミングをずらして、画像30p、30qを撮像する。照明手段16pは、検査面Qの撮像の際に検査面Qの撮像方向とは逆の方向(検査面P側)からプリズムブロック27越しに電子部品Wに向かって光を照射し、照明手段16qは、検査面Pの撮像の際に検査面Pの撮像方向とは逆の方向(検査面Q側)からプリズムブロック28越しに電子部品Wに向かって光を照射する。
本実施の形態では、電子部品Wの検査面Pにおいて撮像手段12の撮像中心がとらえる部分から、プリズムブロック27及びプリズム29を経て撮像手段12に到達する光の光路長と、電子部品Wの検査面Qにおいて撮像手段12の撮像中心がとらえる部分から、プリズムブロック28及びプリズム29を経て撮像手段12に到達する光の光路長は同じであるため、画像30pを撮像してから画像30qを撮像するまでに、撮像の焦点を変える必要がない。本実施の形態においては、撮像手段12、17、19、21に、単焦点のカメラが採用されている。
撮像位置T1で検査面P、Qの撮像が完了した電子部品Wは、最上位置に配された後、回転テーブル13の回転によって撮像位置T2の上方に搬送され、撮像位置T2の上方に設けられた押下手段14の作動によって、撮像位置T2に配される。撮像手段12によって撮像された画像30p、30qは、撮像手段12に接続された情報処理機に転送され、クラック等の有無の判定に用いられる。
撮像位置T1に配された電子部品W、照明手段16p、16q、光路調整手段23及び撮像手段12の関係と、撮像位置T2に配された電子部品W、照明手段18p、18q、光路調整手段24及び撮像手段17の関係は、図2、図3に示すように、電子部品Wの向きを除いて、原則、同じである。
光路調整手段24も、光路調整手段23と同様に、プリズムブロック27、28及びプリズムブロック27、28の下方に配されたプリズムを備えている。
撮像位置T2において、電子部品Wは、図3に示すように、検査面P、Qが、側壁部27a、28aに対し、平面視してそれぞれ斜めに配される(非平行である)。本実施の形態では、撮像位置T2で、電子部品Wは、検査面Pの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部27aまでの距離が長くなるように、検査面Pが側壁部27aに対し平面視して斜めに配され、検査面Qの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部28aまでの距離が長くなるように、検査面Qが側壁部27aに対し平面視して斜めに配されている。
撮像手段17が、プリズム29及びプリズムブロック27を介し、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面Pを側壁部27aから撮像する撮像方向D3は、側壁部27aに対し垂直で、検査面Pに対して傾斜している。そのため、撮像手段17は、同電子部品Wの検査面Pに対し撮像方向D3を斜めに(本実施の形態では、検査面Pに対して垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Pをとらえた画像31p(第2画像)を撮像する。
同様に、撮像手段17が、プリズム29及びプリズムブロック28を介し、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面Qを側壁部28aから撮像する撮像方向D4は、側壁部28aに対し垂直で、検査面Qに対して傾斜している。そのため、撮像手段17は、同電子部品Wの検査面Qに対し撮像方向D4を斜めに(本実施の形態では、検査面Qに対して垂直な方向を0°として、3〜40°の範囲で斜めに)配して同電子部品Wの検査面Qをとらえた画像31q(第4画像)を撮像する。
撮像手段17がプリズムブロック27及びプリズム29によって光学経路を調整され、画像31pにおいて電子部品Wの検査面Pをとらえる撮像焦点F3は、電子部品Wの検査面Pの他側(右側)に合わせられ、画像31pには、検査面P全体に加え、検査面Rもとらえられる。同様に、撮像手段17がプリズムブロック28及びプリズム29によって光学経路が調整され、画像31qにおいて電子部品Wの検査面Qをとらえる撮像焦点F4は、電子部品Wの検査面Qの他側(右側)に合わせられ、画像31qには、検査面Q全体に加え、検査面Sもとらえられる。
図2、図3に示すように、電子部品Wの検査面Pの前方に、中心C1’が検査面Pの中心位置C1に対向して配された検査面Pに平行な仮想面G1を設けたとして、撮像手段12は、画像30pで仮想面G1の中心C1’より一側の位置(本実施の形態では、検査面P側から仮想面G1を見て仮想面G1の中心C1’より右側の位置)から検査面Pをとらえ、撮像手段17は、画像31pで仮想面G1の中心C1’より他側の位置(本実施の形態では、検査面P側から仮想面G1を見て仮想面G1の中心C1’より左側の位置)から検査面Pをとらえる。
電子部品Wが、図2、図3に示すように、撮像位置T1で検査面Pの一側に撮像焦点F1が合わせられ、撮像位置T2で検査面Pの他側に撮像焦点F3が合わせられるのは、検査面Pをとらえる画像30p、31pを合わせることで、検査面Pの全体に万遍なく焦点が合った画像データを、クラック等の検出に利用するためである。この点、電子部品Wの検査面Qについても同様である。
また、電子部品Wの検査面Qの前方に、図2、図3に示すように、中心C2’が検査面Qの中心位置C2に対向して配された検査面Qに平行な仮想面G2を設けたとして、撮像手段12は、図2に示すように、画像30qで仮想面G2の中心C2’より一側の位置(本実施の形態では、検査面Q側から仮想面G2を見て仮想面G2の中心C2’より右側の位置)から検査面Qをとらえ、撮像手段17は、図3に示すように、画像31qで仮想面G2の中心C2’より他側の位置(本実施の形態では、検査面Q側から仮想面G2を見て仮想面G2の中心C2’より左側の位置)から検査面Qをとらえる。
撮像手段12が、電子部品Wの検査面Pを仮想面G1の中心C1’より一側の位置からとらえ、撮像手段17が、電子部品Wの検査面Pを仮想面G1の中心C1’より他側の位置(即ち、撮像手段12が検査面Pをとらえる位置の逆側の位置)からとらえるのは、検査面Pのクラック、欠け、疵を安定的に発見するためであり、これは、検査面Qに対しても同様である。実験によって、クラック等の発見率が、本実施の形態は、電子部品Wの検査面P、Qを正面のみから撮像する場合に比べ、2〜3倍に上昇することが確認されている。
そして、撮像位置T2に配された電子部品Wは、照明手段18qが点灯され照明手段18pが消灯されて検査面Pの撮像方向とは逆の方向(検査面Q側)から照らされた状態で、検査面Pが撮像され、照明手段18pが点灯され照明手段18qが消灯されて検査面Qの撮像方向とは逆の方向(検査面P側)から照らされた状態で、検査面Qが撮像される。撮像手段17によって撮像された画像31p、31qは、情報処理機に転送され、検査面P、Qに対するクラック等の有無の判定に用いられる。
撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、Qの撮像と照明手段16p、16qの点灯、消灯のタイミング、及び、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面P、Qの撮像と照明手段18p、18qの点灯、消灯のタイミングが、それぞれ上述したような関係にあるのは、本実施の形態の電子部品Wが、透光性を有するためである。撮像する検査面P(検査面Q)の撮像方向とは逆の方向から、照明手段16q、18q(照明手段16p、18p)で光を照射して、検査面Q(検査面P)から電子部品W内に光を進入させることで、検査面P(検査面Q)から電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックが、クラックの無い部分とは異なる明度で撮像される。
本実施の形態では、クラックが影となって撮像される。検査面Pから電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックは、その形成方向と撮像手段(撮像手段12、17)の撮像方向(撮像方向D1、D3)の角度が垂直に近いほど、長い影として画像(画像30p、31p)にとらえられる。
従って、撮像位置T1で電子部品Wの検査面Pを撮像する撮像方向D1に沿って検査面Pから電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックは、画像30pにおいて、小さな影として撮像される。そのため、画像30pでは、そのクラックが発見されない可能性がある。
ここで、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Pに対する撮像方向D1と、撮像位置T2に配された電子部品Wの検査面Pに対する撮像方向D3とは、検査面Pに対する方向が異なるので、検査面Pから撮像方向D1に沿って電子部品Wの内側に向かって形成されたクラックは、撮像位置T2で検査面Pをとらえた画像31pで、大きな影となって撮像される。よって、そのクラックは、画像31pを用いた解析処理によって発見されることとなる。この点、電子部品Wの検査面Qについても同様である。
そして、このクラックの発見を安定的に行う作用効果は、2つの撮像手段が、電子部品の検査面を仮想面の中心より一側及び他側の位置からそれぞれとらえる場合に限定されるものではなく、電子部品の検査面を、その検査面に対して異なる撮像方向で撮像することによって享受される。
例えば、図6(A)に示すように、2つの画像のいずれにおいても、電子部品Wの検査面Pの右側前方から検査面Pを斜めにとらえるようにし、その2つの画像において、検査面Pに対する撮像角度を変えるようにしてもよい。
また、図6(B)に示すように、一の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の上方から検査面Pを撮像し、他の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の下方から検査面Pを撮像するようにしてもよい。更に、図6(C)に示すように、一の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の電子部品Wと同じ高さ位置から検査面Pを撮像し、他の画像で、電子部品Wの検査面Pの右側前方の上方から検査面Pを撮像するようにしてもよい。
ところで、透光性が実質的に無い電子部品に対しては、検査面を照明手段によって照らした状態で撮像することとなる。この場合においても、クラック等の発見率の向上の観点において、検査面を斜めから撮像することが、検査面を正面から撮像することよりも好ましく、検査面を異なる方向から撮像することでクラック等の発見率が更に向上することを確認している。ここで、透光性が実質的に無い電子部品に対し、検査面に対する撮像方向を固定した上で、照明手段が検査面を照らす角度を変えて撮像した画像を得ることでも、クラック等の発見率が向上することを確認している。これは、検査面に対する照明方向が異なることで、検査面に現れる影が異なることによるものと考えられる。
また、撮像位置T3に配された電子部品Wに対応する光路調整手段25は、図5に示すように、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sからの光を反射によって下向きに進行させるプリズムブロック33、同電子部品Wの検査面Rからの光を反射によって下向きに進行させるプリズムブロック34、及び、プリズムブロック33、34から下向きに進む光が進入するプリズム35を備えている。プリズム35内に進入した光は、反射によって進路が水平方向に変えられ、撮像手段19に向かう。
撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面S、プリズムブロック33及び照明手段20rの関係は、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面P、プリズムブロック27及び照明手段16qの関係と同様であり、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面R、プリズムブロック34及び照明手段20sの関係は、撮像位置T1に配された電子部品Wの検査面Q、プリズムブロック28及び照明手段16pの関係と同様である。
一方、光路調整手段23のプリズムブロック27、28が、回転テーブル13の略径方向に沿って配されているのに対し、光路調整手段25のプリズムブロック33、34は、回転テーブル13の略周方向に沿って配されている点で異なり、図4、図5に示すように、プリズム29の光を反射する方向とプリズム35の光を反射する方向は相異する。
プリズムブロック33は、図5に示すように、撮像位置T3に配された電子部品Wの高さ位置に、同電子部品Wの検査面Sからの光が進入する側壁部33aを備え、プリズムブロック34も、同電子部品Wの高さ位置に、同電子部品Wの検査面Rからの光が進入する側壁部34aを備えている。
ここで、電子部品Wは、撮像位置T3の上方に搬送された後、押下手段14によって支持手段11と共に降下して撮像位置T3に配されるため、プリズムブロック33、34に接触することなく、撮像位置T3に配される。
プリズムブロック33及びプリズム35は、撮像手段19が、側壁部33aに垂直な方向から撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sを撮像するように光路を調整し、プリズムブロック34及びプリズム35は、撮像手段19が、側壁部34aに垂直な方向から撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Rを撮像するように光路を調整する。
撮像位置T3において、電子部品Wは、検査面Sの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部33aまでの距離が短くなるように、検査面Sが側壁部33aに対し平面視して斜めに配され、検査面Rの一側(左側)が他側(右側)に比べて側壁部34aまでの距離が短くなるように、検査面Rが側壁部34aに対し平面視して斜めに配されている。
撮像手段19が、プリズム35及びプリズムブロック33を介し、撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sを側壁部33aから撮像する撮像方向は、検査面Sに対して傾斜し、プリズム35及びプリズムブロック34を介し、同電子部品Wの検査面Rを側壁部34aから撮像する撮像方向も、検査面Rに対して傾斜している。
撮像手段19の撮像焦点は、プリズムブロック33及びプリズム35によって、電子部品Wの検査面Sの一側に合わせられ、検査面Sをとらえた画像には、検査面S全体と検査面Qがとらえられる。同様に、撮像手段19の撮像焦点は、プリズムブロック34及びプリズム35によって、電子部品Wの検査面Rの一側に合わせられ、検査面Rをとらえた画像には、検査面R全体と検査面Pがとらえられる。
撮像位置T3に配された電子部品Wは、照明手段20rが点灯され、照明手段20sが消灯された状態で、検査面Sが撮像され、照明手段20sが点灯され、照明手段20rが消灯された状態で、検査面Rが撮像される。撮像手段19によって撮像された検査面Sをとらえた像及び検査面Rをとらえた像は、情報処理機に転送され、検査面S、Rに対するクラック等の有無の判定に用いられる。
撮像位置T4に配された電子部品W、照明手段22s、22r、光路調整手段26及び撮像手段21の関係と、撮像位置T3に配された電子部品W、照明手段20s、20r、光路調整手段25及び撮像手段19の関係は、電子部品Wの向きを除いて、原則、同じである。
撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Sからの光及び検査面Rからの光は、光路調整手段26を経由して撮像手段21に向かう。
撮像手段21が、光路調整手段26を介し、撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Sを撮像する撮像する撮像方向は、検査面Sに対して傾斜し、光路調整手段26を介し、同電子部品Wの検査面Rを撮像する撮像方向も、検査面Rに対して傾斜している。
そして、撮像手段19が撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Sを撮像する撮像方向と、撮像手段21が撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Sを撮像する撮像方向は検査面Sに対する方向が異なり、撮像手段19が撮像位置T3に配された電子部品Wの検査面Rを撮像する撮像方向と、撮像手段21が撮像位置T4に配された電子部品Wの検査面Rを撮像する撮像方向も、検査面Rに対する方向が異なる。
撮像手段21の撮像焦点は、光路調整手段26によって光学経路が調整されて、電子部品Wの検査面Sの他側(撮像手段19が検査面Sに撮像焦点を合わせている位置とは逆側)及び検査面Rの他側(撮像手段19が検査面Rに撮像焦点を合わせている位置とは逆側)に合わせられている。撮像手段21は、検査面S全体をとらえる像に検査面Pもとらえ、検査面R全体をとらえる像に検査面Qもとらえる。
撮像位置T4に配された電子部品Wは、照明手段22rが点灯され、照明手段22sが消灯された状態で、検査面Sが撮像され、次に、照明手段22sが点灯され、照明手段22rが消灯された状態で、検査面Rが撮像される。撮像手段21によって撮像された2つの像は、情報処理機に転送され、検査面S、Rに対するクラック等の有無の判定に用いられる。
外観検査装置10には、図1に示すように、回転テーブル13の回転方向に沿って撮像位置T4の下流側に、検査面P、Q、R、Sにクラック等が発見されなかった電子部品Wをテーピングに収容するテーピングユニット37、及び、検査面P、Q、R、Sにクラック等が発見された電子部品Wを不良品として排出するソータ38が設けられている。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、電子部品は、透光性を有する表面弾性波フィルタに限定されず、透光性を有さないものでもよく、コンデンサやインダクタ等の他の種類のものであってもよい。
また、回転テーブルは水平配置されていなくてもよく、円形である必要もない。
そして、電子部品の検査面Pを撮像する撮像位置と検査面Qを撮像する撮像位置とを別々に設け、1つの検査位置で1つの検査面のみを撮像するようにしてもよい。
10:外観検査装置、11:支持手段、12:撮像手段、13:回転テーブル、14:押下手段、15:回転軸、16p、16q:照明手段、17:撮像手段、18p、18q:照明手段、19:撮像手段、20r、20s:照明手段、21:撮像手段、22r、22s:照明手段、23〜26:光路調整手段、27:プリズムブロック、27a:側壁部、28:プリズムブロック、28a:側壁部、29:プリズム、30p、30q、31p、31q:画像、33:プリズムブロック、33a:側壁部、34:プリズムブロック、34a:側壁部、35:プリズム、37:テーピングユニット、38:ソータ、W:電子部品、P:検査面、Q:検査面、R:検査面、S:検査面、T1〜T4:撮像位置、D1、D2、D3、D4:撮像方向、F1、F2、F3、F4:撮像焦点、C1、C2:中心位置、G1、G2:仮想面、C1’、C2’:中心

Claims (9)

  1. 電子部品の検査面Pを外観検査する外観検査装置において、
    前記電子部品を支持する支持手段と、
    前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第1画像を撮像する第1の撮像手段とを備えることを特徴とする外観検査装置。
  2. 請求項1記載の外観検査装置において、前記検査面Pに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Pをとらえた第2画像を撮像する第2の撮像手段を、更に、備え、前記第1画像の前記検査面Pに対する撮像方向は、前記第2画像の前記検査面Pに対する撮像方向とは異なることを特徴とする外観検査装置。
  3. 請求項2記載の外観検査装置において、前記検査面Pの前方に、中心が該検査面Pの中心位置に対向して配された該検査面Pに平行な仮想面を設け、前記第1の撮像手段は、前記第1画像で、前記仮想面の中心より一側の位置から該検査面Pをとらえ、前記第2の撮像手段は、前記第2画像で、前記仮想面の中心より他側の位置から前記検査面Pをとらえることを特徴とする外観検査装置。
  4. 請求項2又は3記載の外観検査装置において、前記第1画像で前記第1の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの一側に合わせられ、前記第2画像で前記第2の撮像手段が前記検査面Pをとらえる撮像焦点は、該検査面Pの他側に合わせられることを特徴とする外観検査装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載の外観検査装置において、前記電子部品には、前記検査面Pに対向する検査面Qが設けられ、前記第1の撮像手段は、前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第3画像も撮像することを特徴とする外観検査装置。
  6. 請求項5記載の外観検査装置において、前記第2の撮像手段は、前記検査面Qに対し撮像方向を斜めに配して該検査面Qをとらえた第4画像も撮像し、前記第3画像の前記検査面Qに対する撮像方向は、前記第4画像の前記検査面Qに対する撮像方向とは異なることを特徴とする外観検査装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1に記載の外観検査装置において、前記電子部品は、透光性を有し、
    前記第1の撮像手段が前記検査面Pを撮像する際に前記検査面Pの撮像方向とは逆の方向から前記電子部品に向かって光を照射する照明手段を、更に、備えることを特徴とする外観検査装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1に記載の外観検査装置において、前記支持手段は、前記電子部品を前記第1画像が撮像される撮像位置に搬送する搬送機構に設けられ、支持している前記電子部品の該支持手段に対する配置を、前記撮像位置に搬送されるまで変えることなく維持することを特徴とする外観検査装置。
  9. 請求項8記載の外観検査装置において、前記搬送機構は、前記撮像位置の上方で前記支持手段に支持された前記電子部品を、該支持手段と共に降下させて前記撮像位置に配することを特徴とする外観検査装置。
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