JP2017067601A - 放射線検出装置のコントローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線検出装置が高入射線量によって破壊されてしまう可能性を低減すること。【解決手段】反跳電子の飛跡を捕捉することによって放射線を検出する放射線検出装置のコントローラ310であって、放射線の検出レートを取得する検出レート取得部350と、取得された検出レートに応じて、放射線の検出条件を制御する検出条件制御部352と、を備えることを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、反跳電子の飛跡を捕捉することによって放射線を検出する放射線検出装置のコントローラに関する。
ピクセル型電極によるガス増幅を用いた放射線検出装置(MPGC:Micro Pixel Gas Chamber)の研究が進められている。MPGCを用いた放射線検出装置は、シンチレータとの組み合わせにより、電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC:Electron−Tracking Compton Camera)を構成する。この種のコンプトンカメラには、従来の検出器による放射線検出では不十分であった検出領域の、特に画像イメージングにおいて、大面積かつ、リアルタイムイメージングができるという特徴がある。
特許文献1には、MPGCを用いた放射線検出装置の構造の例が開示されている。また、特許文献2には、MPGCではなくMSGC(Micro Strip Gas Chamber)により構成したコンプトンカメラの例が開示されている。
特許第3354551号公報 特許第3535045号公報
ガス増幅を用いた放射線検出装置においては、入射線量が高くなってガス中におけるコンプトン散乱の頻度が高くなりすぎると、反跳電子の飛跡を取得できなくなることはもちろん、陽イオンの移動が滞って意図しない放電が発生し(イオンフィードバック現象)、それによって放射線検出装置が破壊されてしまうおそれが生ずる。
そこで、本発明の目的の一つは、放射線検出装置が高入射線量によって破壊されてしまう可能性を低減できる放射線検出装置のコントローラを提供することにある。
本発明の一実施形態に係る放射線検出装置のコントローラは、反跳電子の飛跡を捕捉することによって放射線を検出する放射線検出装置のコントローラであって、前記放射線の検出レートを取得する検出レート取得部と、前記検出レートに応じて、前記放射線の検出条件を制御する検出条件制御部と、を備えることを特徴とする。
前記放射線検出装置は、ドリフト電極、アノード電極、及びカソード電極を有するチャンバーを備え、前記検出条件制御部は、前記チャンバーの筐体と前記ドリフト電極の間の電位差であるドリフト電圧、及び、前記カソード電極と前記アノード電極の間の電位差であるアノード電圧のいずれか少なくとも一方を制御することにより、前記検出条件を制御することとしてもよい。
前記検出条件制御部は、前記検出レートが第1の高レート状態に達した場合に、前記ドリフト電圧及び前記アノード電圧のそれぞれを所定割合で減少させることとしてもよい。
前記放射線検出装置は、互いに遮蔽率の異なる複数の遮蔽板をさらに備え、
前記検出条件制御部は、前記検出レートに応じて前記複数の遮蔽板の中から一又は複数の遮蔽板を選択し、選択した前記一又は複数の遮蔽板により前記放射線の入射線量を制限することによって前記放射線の検出条件を制御することとしてもよい。
前記検出条件制御部は、前記検出レートが第2の高レート状態に達した場合に、前記一又は複数の遮蔽板による前記入射線量の制限を行うこととしてもよい。
前記検出条件制御部は、前記検出レートが前記第2の高レート状態よりも入射線量が多い状態に対応する第3の高レート状態に達した場合に、前記入射線量がゼロになるよう前記複数の遮蔽板の中から一又は複数の遮蔽板を選択することとしてもよい。
本発明の一実施形態によれば、放射線検出装置が高入射線量によって破壊されてしまう可能性を低減できる。
画像イメージング装置300の構成を示すブロック図である。 コンプトンカメラ200の概略構成図である。 放射線検出装置100の概略構成図である。 (a)は放射線検出装置100の断面を示す模式図であり、(b)は放射線検出装置100のドリフト電圧を示す図であり、(c)は放射線検出装置100のアノード電圧を示す図である。 遮蔽板400a〜400cによって放射線検出装置100を覆った状態を示す図である。 遮蔽板400dによって放射線検出装置100を覆った状態を示す図である。 コントローラ310の機能ブロックを示す略ブロック図である。 コントローラ310の処理フローを示すフロー図である。 放射線検出装置100の具体的な構造の一例を示す断面斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明のコントローラについて詳細に説明する。なお、本発明のコントローラは以下の実施形態に限定されることはなく、種々の変形を行ない実施することが可能である。全ての実施形態においては、同じ構成要素には同一符号を付して説明する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上、実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
本実施形態にかかる画像イメージング装置300の構成を図1に示す。画像イメージング装置300は、コンプトンカメラ200、コントローラ310、入力デバイス312及び出力デバイス314を備える。画像イメージング装置300は、例えば医療の現場において、患者の体内に投与した放射線源の位置を特定するために使用されるもので、より具体的には、PET(Positron Emission Tomography)又はSPECT(Single Photon Emission CT)と呼ばれる核医学検査を実施するために用いられる。
コンプトンカメラ200はETCCであり、MPGCを用いた放射線検出装置100及び検出モジュール202を含む。ここでいう検出モジュール202には、シンチレータ及びシンチレータに散乱γ線が入射して生じた発光を電気信号に変換する光電子増倍管を含む。複数の光電子増倍管が設置されることによって、発光位置が特定できるようになっている。図2(a)に示すように、検出モジュール202は放射線検出装置100を5方向から取り囲むように設けられている。図2(a)においては、5箇所の検出モジュールにそれぞれ符号202a〜202eを付している。尚、必ずしも5方向から取り囲むように設置しなくともよく、少なくとも1方向(例えば、ピクセル電極部101の下方向)に設けてあればよい。放射線検出装置100の構造については後述する。
コントローラ310は、コンプトンカメラ200から出力される検出信号S1,S2に基づいた演算を行うことにより3次元画像を再構成し、放射線源の位置を特定する。オペレータによるコントローラ310への指示は、入力デバイス312を用いて行うことができる。また、コントローラ310によって再構成された3次元画像は、出力デバイス314を介してオペレータに提示される。
図2(a)に示すように、放射線検出装置100はチャンバー111を有する。チャンバー111の内部には、アルゴンやキセノンなどの希ガスと、エタン、メタンなどの常温でガスのアルカンもしくは二酸化炭素を含む消光作用を有するガス(クエンチングガス)との混合ガス」が封入されている。どちらか単体のガスでも良く、かつ二種以上の混合ガスでも良い。チャンバー111の底面には、複数のピクセルが二次元的にレイアウトされたピクセル電極部101が設けられている。チャンバー111の上面には、ドリフト電極110が設けられている。チャンバー111の側面には、ドリフトケージ112が設けられている。ドリフトケージ112は、ドリフト電極110とピクセル電極部101との間の電界分布を均一化するために設けられている。
コンプトンカメラ200の原理は次の通りである。まず、外部から放射線検出装置100にγ線が入射すると、ある確率で入射γ線がチャンバー111内の気体と衝突し、γ線の散乱が発生する。図2(a)に示す符号Aは、衝突位置である。衝突により進行方向が変化した散乱γ線は、放射線検出装置100を透過して検出モジュール202に入射する。検出モジュール202に散乱γ線が入射すると発光が生じ、この発光が光電子増倍管によって電気信号に変換される。このようにして得られた電気信号は、図1に示す検出信号S1に相当し、散乱γ線の入射した位置及びその時刻を示す情報がコントローラ310に提供される。このとき、散乱γ線のエネルギーも取得してコントローラ310に提供される。
一方、入射γ線と衝突したチャンバー111内の気体は、符号Aの位置から所定の方向に反跳電子e(荷電粒子)を放出する。すると、反跳電子の飛跡に沿って電子雲が発生する。電子雲を構成する電子は、ドリフト電極110とピクセル電極部101との間の電場によって、ピクセル電極部101へ引き寄せられる。このとき、ピクセル電極部101の近傍まで引き寄せられた電子はピクセル電極部101の近傍の非常に高い電場により気体と衝突し、気体を電離させる。さらに電離された電子は雪崩的に増殖し、ピクセル電極部101にて検出される。このようにして得られた電気信号は、図1に示す検出信号S2に相当し、コントローラ310に提供される。検出信号S2は、電子が検出されたピクセルの位置及び当該ピクセルにおいて電子を検出した時刻を特定可能な信号である。
なお、散乱γ線が検出モジュール202に入射してからピクセル電極部101で電子が検出されるまでの時間によって、そのピクセル電極部101から電子雲が生じた位置までの距離(z方向の位置)が算出できる。
ここで、図9は、放射線検出装置100の具体的な構造の一例を示す断面斜視図を示している。図9に示すように、放射線検出装置100は、筐体としてのチャンバー111の内部に、ドリフト電極110及びドリフトケージ112によってピクセル電極部101を覆うような構造となっている。ドリフトケージ112は、異なる電位を与えることが可能な複数の電極がドリフト電極110に対して平行に設けられた構造を有する。ドリフト電極110とピクセル電極部101との間に形成された電場は、ドリフトケージ112によって電界分布が均一になるように制御される。このような構造の放射線検出装置は、容器モジュールと呼ばれる場合がある。
コントローラ310は、検出信号S1の活性化(散乱γ線の検出モジュール202への入射)をトリガとして検出信号S2を時系列的に解析し、電子が検出されたピクセルの位置及び当該ピクセルにおいて電子を検出した時刻(以下、検出時刻という場合がある)を用いて、反跳電子の飛跡を算出する。検出時刻は、トリガからピクセル電極部101での電子の検出までの時間(以下、ドリフト時間という場合がある)に対応する。そして、図2(b)に示す角度αを算出すれば、入射γ線が入射した方向を特定することができる。コントローラ310は、こうして特定した方向から、放射線源の位置を示す3次元座標を取得する。また、コントローラ310は、検出信号S1,S2から放射線源の強さを示すカウントレートも取得する。こうして取得された3次元座標及びカウントレートからなる4次元のデータがコンプトンカメラ200の指示値となる。
図3に示すように、ピクセル電極部101は、絶縁部材102、カソード電極104、アノード電極106及びアノード電極パターン108を有している。
カソード電極104は、絶縁部材102の上面においてy方向に複数延在する。カソード電極104には複数の開口部105が設けられており、開口部105において絶縁部材102の上面が露出している。
アノード電極106は、絶縁部材102の裏面から絶縁部材102をz方向に貫通し、複数の開口部105のそれぞれにおいて先端が露出している。
y方向に配列された複数のアノード電極106は、それぞれ異なるアノード電極パターン108に接続されている。アノード電極パターン108は、絶縁部材102の裏面においてx方向に複数延在する。カソード電極104が延在するy方向とアノード電極パターン108が延在するx方向とは、概略垂直である。なお、本実施形態においては、アノード電極106とアノード電極パターン108とは別に設けられ、それぞれが電気的に接続されている形態について説明しているが、これに限定されるわけではなく、アノード電極106とアノード電極パターン108が一体であっても構わない。
カソード電極104とアノード電極106との間には電圧(アノード電圧)が印加され、電場が形成される。これにより、ピクセル電極部101の方向へ引き寄せられた電子は、アノード電極106に捕捉される。これによって、このピクセルにおいて電子が検出されることになる。
図4(c)には、アノード電圧Vaの例を図示している。同図は、横軸を時間軸として、縦軸に電位を図示している。同図に示すように、アノード電圧Vaは、0Vであるカソード電極104の電位と、正電位であるアノード電極106の電位との差分(正の値)によって示される。同図に示す電位HVa(HVa>0)は、通常状態におけるアノード電極106の電位(規格値)である。同図では、時刻tでアノード電極106の電位が低下し、それに伴ってアノード電圧Vaも低下しているが、これについては後述する。
ドリフト電極110はxy平面を有し、ピクセル電極部101を構成するxy平面からz方向に所定の距離だけ離れて設けられている。ドリフト電極110とチャンバー111の筐体の間にも電圧(ドリフト電圧)が印加され、このドリフト電圧によって、ドリフト電極110とカソード電極104及びアノード電極106との間に電場が形成される。
図4(b)には、ドリフト電圧Vdの例を図示している。同図も、横軸を時間軸として、縦軸に電位を図示している。同図に示すように、ドリフト電圧Vdは、0Vであるチャンバー111の筐体の電位と、負電位であるドリフト電極110の電位との差分(正の値)によって示される。同図に示す電位−HVd(HVd>0)は、通常状態におけるドリフト電圧Vdの電位(規格値)である。同図では、時刻tでドリフト電極110の電位が上昇し、それに伴ってドリフト電圧Vdが低下しているが、これについても後述する。
本実施形態に係る本発明の放射線検出装置100は、上述したような構成を採ることにより、ピクセル電極部101において、アノード電極106がマトリクス状に配置された構成を有することになる。絶縁部材102の上面に露出するアノード電極106が1個のピクセルを構成する。したがって、複数のカソード電極104及び複数のアノード電極パターン108に現れる電気信号の電圧の変化を時系列的に解析すれば、電子が検出されたピクセルの位置及び検出時刻が特定でき、そのピクセルにおける電子の検出結果が得られるため、既に説明したとおり、反跳電子の飛跡を算出することが可能となる。
放射線検出装置100には、以上の構成の他、図5及び図6に示すように、互いに遮蔽率の異なる複数の遮蔽板400a〜400dと、これら複数の遮蔽板400a〜400dの位置を制御するための位置コントローラ410とが設けられる。遮蔽板400a〜400dは、放射線検出装置100への入射線量を制限するために用いられるもので、例えば板状に加工した鉛によって構成される。なお、以下の説明では、遮蔽板400a〜400dを特に区別する必要がない場合、まとめて遮蔽板400と表記する場合がある。
遮蔽板400a〜400dは厚みの点で互いに異なっており、これにより互いに異なる遮蔽率が実現されている。具体的には、遮蔽板400aから遮蔽板400dの順で厚くなっており、一例では、遮蔽板400a,400b,400cはそれぞれ、100μm、1mm、1cmである。遮蔽板400dの厚みは、放射線検出装置100への入射線量がゼロとすることのできる厚みに設定される。このような構成を有することによって、高線量状態でのセンシングが可能になる。そして、高線量の程度によっても最適な遮蔽を選択することができる。
図7は、コントローラ310の機能ブロックを示す略ブロック図である。同図に示すように、コントローラ310は機能的に、検出レート取得部350及び検出条件制御部352を備えている。同図に示す線量計120は、放射線検出装置100の近傍にオプションで設置されるもので、放射線検出装置100とは異なり簡易なもの、例えば単純なガイガーミュラー計数管で構わない。
検出レート取得部350は、上述した検出信号S1,S2を参照することによって放射線の検出レートを取得する機能を有する。具体的には、検出レートとして上述したカウントレートを取得することとすればよい。
検出条件制御部352は、検出レート取得部350によって取得された検出レートに応じて、コンプトンカメラ200における放射線の検出条件を制御するよう構成される。この制御は検出レートを引き下げる方向での制御であり、具体的には、図4に示したドリフト電極110及びアノード電極106それぞれの電位の制御によって雪崩増幅の増幅率を規格値未満に引き下げることと、図5及び図6に示した遮蔽板400の制御によって入射線量を制限することとにより実行される。
また、検出条件制御部352は、線量計120によって示される放射線量によっても、コンプトンカメラ200における放射線の検出条件を制御するよう構成される。この制御は、上記のようにして引き下げた検出レートを元に戻すための制御であり、具体的には、図4に示したドリフト電極110及びアノード電極106それぞれの電位の制御によって雪崩増幅の増幅率を上記規格値に戻すとともに、図5及び図6に示した遮蔽板400を除去することによって入射線量の制限を解除することにより実行される。
以下、図8に示したフロー図も参照しながら、検出条件制御部352の機能についてより詳しく説明する。
前提として、検出条件制御部352には、図8に示す第1乃至第3の高レート状態(ステップS6,S3,S1)及び低レート状態(ステップS8)が予め設定される。第1の高レート状態は、例えば、コンプトンカメラ200のカウントレート(検出レート取得部350によって取得された検出レート)が所定の規格値に対して100%となっている状態が1秒以上続いた状態とすることが好適である。第2の高レート状態は、第1の高レート状態と同じでもよいし、或いは、第1の高レート状態よりもカウントレートが高い状態に対応するものとしてもよい。第3の高レート状態は、第1及び第2の高レート状態よりもカウントレートが高い状態に対応するもので、放置すると放射線検出装置100自体が放射化してしまうような高放射線量に対応する。低レート状態は、コンプトンカメラ200のカウントレートが第1の高レート状態よりも十分低い状態となることが期待できる程度に、線量計120によって示される放射線量が低い値となった状態とすることが好適である。
図8に示すように、検出条件制御部352はまず、検出レート取得部350によって取得された検出レートが第3の高レート状態を示しているか否かを判定する(ステップS1)。ここで肯定的な判定結果を得た場合、検出条件制御部352は、図6に示した遮蔽板400dによって放射線検出装置100を覆うよう位置コントローラ410に対して指示する。ここで、上述したように、遮蔽板400dの厚みは放射線検出装置100への入射線量がゼロとなるように設定されている。したがって、遮蔽板400dによって放射線検出装置100を覆うことで、放射線検出装置100への入射線量がゼロとなる(ステップS2)。ステップS2が終了した後、検出条件制御部352はステップS1に戻って処理を継続する。
なお、医療用途で使用している限り、検出レート取得部350によって取得された検出レートが第3の高レート状態を示すような事態となることは想定しにくい。しかしながら、本実施形態にかかる画像イメージング装置300が物理実験や原子力発電所などにおいて使用されることも考えられ、ステップS1,S2を設けることは、そのような場合に対する対応として有効である。
ステップS1で否定的な判定結果を得た場合、検出条件制御部352は次に、検出レート取得部350によって取得された検出レートが第2の高レート状態を示しているか否かを判定する(ステップS3)。ここで肯定的な判定結果を得た場合、検出条件制御部352はまず、検出レートに応じて図5に示した遮蔽板400a〜400cの中の一又は複数の遮蔽板400を選択する(ステップS4)。そして、選択した一又は複数の遮蔽板400によって放射線検出装置100を覆うよう、位置コントローラ410に対して指示する。これにより、選択した遮蔽板400に応じた量だけ、放射線検出装置100への入射線量が制限されることになる(ステップS5)。
ステップS3〜S5の処理により、検出レートの大きさに応じて最適な入射線量を選択することが可能になる。具体的には、検出レートが大きいほど入射線量を小さくすることが可能になる。したがって、放射線源の放射線量が大きい場合であっても、好適にコンプトンカメラ200による画像イメージングの形成を実施可能となる。
なお、本実施形態では、上述したように遮蔽板400a〜400dを完全な板とし、厚みによって互いの遮蔽率を異ならせているが、他の方法によって遮蔽率を異ならせることも可能である。一例では、遮蔽板400a〜400cに開口部を設けることによって、互いの遮蔽率を異ならせることとしてもよい。この場合、例えば、遮蔽板400a〜400cそれぞれの開口率を10%、1%、0.1%とすればよい。
ステップS3〜S5の処理に続いて、検出条件制御部352は、検出レート取得部350によって取得された検出レートが第1の高レート状態を示しているか否かを判定する(ステップS6)。ここで肯定的な判定結果を得た場合、検出条件制御部352は、上述したドリフト電圧Vd及びアノード電圧Vaを制御することにより、雪崩増幅の増幅率を通常状態での値(規格値)未満に引き下げる処理を行う(ステップS7)。ステップS7が終了した後、検出条件制御部352はステップS1に戻って処理を継続する。
図4(b)(c)には、ステップS7によるドリフト電圧Vd及びアノード電圧Vaの制御の具体例を示している。これらの図では、時刻tでステップS7が実行されるものとしている。図示するように、検出条件制御部352は、検出レートが第1の高レート状態に達した場合に、ドリフト電圧Vd及びアノード電圧Vaのそれぞれを所定割合で減少させる。具体的には、ドリフト電極110の電位を上げ、アノード電極106の電位を下げる。これにより雪崩増幅の増幅率が引き下げられるので、チャンバー111内の陽イオンが減少し、反跳電子の飛跡を好適に取得することが可能になる。
なお、ステップS7の制御におけるドリフト電極110及びアノード電極106それぞれの電位の制御量は、制御後のドリフト電圧Vd及びアノード電圧Vaそれぞれの大きさが通常時の50〜80%となるように設定することが好ましい。ドリフト電極110及びアノード電極106の電位を0Vとすること(この場合、ドリフト電圧Vd及びアノード電圧Vaも0Vとなる)も考えられるが、そうすると、反跳電子の飛跡を取得できなくなることに加え、後述するステップS9で増幅率を上記規格値に安全に復帰させる(すなわち、放電を避けつつ復帰させる)ために時間を要してしまうので、好ましくない。
図8に戻る。ステップS6で否定的な判定結果を得た場合、検出条件制御部352は、線量計120によって示される放射線量が低レート状態を示しているか否かを判定する(ステップS8)。ここで肯定的な判定結果を得た場合、検出条件制御部352は、すべての遮蔽板400を除去するよう位置コントローラ410に対して指示することによって放射線検出装置100への入射線量の制限を解除するとともに、ドリフト電圧Vd及びアノード電圧Vaを制御することによって雪崩増幅の増幅率を上記規格値に復帰させる処理を行う(ステップS7)。ドリフト電圧Vd及びアノード電圧Vaの制御は、ドリフト電極110の電位を図4(b)に示した電位−HVdまで下げ、アノード電極106の電位を図4(c)に示した電位HVaまで上げることによって行う。これにより、放射線源の放射線量が下がった場合に、放射線検出装置100を元の状態に戻すことが可能になる。
このように、本実施形態によれば、検出条件制御部352が検出レート取得部350によって取得された検出レートに応じてコンプトンカメラ200における放射線の検出条件を制御しているので、放射線検出装置100が高入射線量によって破壊されてしまう可能性を低減することが可能になる。
なお、上記実施形態では、放射線検出装置100の近傍に線量計120を設置し、放射線源の放射線量が下がった場合に放射線検出装置100が自動的に元の状態に戻るように構成したが、元の状態への復帰は手動によって行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、遮蔽板400による入射線量の制限と、ドリフト電圧Vd及びアノード電圧Vaの制御による雪崩増幅の増幅率の引き下げとの両方を行うこととしたが、いずれか一方のみを行う構成とすることも可能である。
100 放射線検出装置
101 ピクセル電極部
102 絶縁部材
104 カソード電極
105 開口部
106 アノード電極
108 アノード電極パターン
110 ドリフト電極
111 チャンバー
112 ドリフトケージ
120 線量計
200 コンプトンカメラ
202(202a〜202e) 検出モジュール
300 画像イメージング装置
310 コントローラ
312 入力デバイス
314 出力デバイス
350 検出レート取得部
352 検出条件制御部
400a〜400d 遮蔽板
410 位置コントローラ
S1,S2 検出信号
Va アノード電圧
Vd ドリフト電圧

Claims (6)

  1. 反跳電子の飛跡を捕捉することによって放射線を検出する放射線検出装置のコントローラであって、
    前記放射線の検出レートを取得する検出レート取得部と、
    前記検出レートに応じて、前記放射線の検出条件を制御する検出条件制御部と、
    を備えることを特徴とするコントローラ。
  2. 前記放射線検出装置は、ドリフト電極、アノード電極、及びカソード電極を有するチャンバーを備え、
    前記検出条件制御部は、前記チャンバーの筐体と前記ドリフト電極の間の電位差であるドリフト電圧、及び、前記カソード電極と前記アノード電極の間の電位差であるアノード電圧のいずれか少なくとも一方を制御することにより、前記検出条件を制御することを特徴とする請求項1に記載のコントローラ。
  3. 前記検出条件制御部は、前記検出レートが第1の高レート状態に達した場合に、前記ドリフト電圧及び前記アノード電圧のそれぞれを所定割合で減少させることを特徴とする請求項2に記載のコントローラ。
  4. 前記放射線検出装置は、互いに遮蔽率の異なる複数の遮蔽板をさらに備え、
    前記検出条件制御部は、前記検出レートに応じて前記複数の遮蔽板の中から一又は複数の遮蔽板を選択し、選択した前記一又は複数の遮蔽板により前記放射線の入射線量を制限することによって前記放射線の検出条件を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコントローラ。
  5. 前記検出条件制御部は、前記検出レートが第2の高レート状態に達した場合に、前記一又は複数の遮蔽板による前記入射線量の制限を行うことを特徴とする請求項4に記載のコントローラ。
  6. 前記検出条件制御部は、前記検出レートが前記第2の高レート状態よりも入射線量が多い状態に対応する第3の高レート状態に達した場合に、前記入射線量がゼロになるよう前記複数の遮蔽板の中から一又は複数の遮蔽板を選択することを特徴とする請求項5に記載のコントローラ。
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