JP2017066482A - 銅製ステーブクーラーおよび製造方法 - Google Patents

銅製ステーブクーラーおよび製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋳込み時に冷却用配管に負荷される熱応力を抑制して製造できる銅製ステーブクーラーおよび製造方法を提供すること。【解決手段】銅製ステーブクーラー1は、ステーブ本体10と、冷却用配管20と、保護管8とを備える。冷却用配管20は、ステーブ本体10の内部に配置される冷却管部21と、冷却管部21に連続してステーブ本体10から突出する取出管部22,23とを有する。保護管8は、取出管部22,23の外周側に配置される。保護管8は、ステーブ本体10に接続される第一保護管30と、第一保護管30に接続される第二保護管40とによって構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、高炉内壁面に設置される銅製ステーブクーラーおよび製造方法に関する。
高炉においては、炉内の高温から鉄皮を保護するために、鉄皮の内面にステーブクーラーを設置している。ステーブクーラーは、内部に冷却水路が形成され、鉄皮外部から供給される冷却水を循環させることで、所期の冷却性能を得ている。
従来の鋳鉄製ステーブクーラーに代わって、近年、より冷却効率が高い銅製のステーブクーラー(銅合金製を含む)が採用されている。
銅製ステーブクーラーとしては、銅製または銅合金製のステーブ本体の内部に、冷却水路を形成する配管を埋め込んだ構造としたものが用いられている(特許文献1参照)。
このような銅製ステーブクーラーの製造は、所定形状に加工した配管を、鋳造用の砂型内に配置し、この砂型内に銅または銅合金の溶湯を注入して、当該配管をステーブ本体に鋳込むことで行われる。
特許文献1では、冷却水路を形成する配管(冷却用鋼管)のうち、ステーブクーラー本体から炉外側に突出する部分の外周側には、当該配管よりも径の大きい配管を外管(保護管)として配置する。このように冷却用鋼管と外管とによって2重管を構成することで、冷却用鋼管の前記突出する部分を補強している。
特許第4823444号公報
ところで、銅製ステーブクーラーの製造において、砂型内に銅または銅合金の溶湯を注入すると、溶湯の湯面は砂型の下側から徐々に上がるので、配管はその下側部分から先に溶湯に接触して加熱され、当該下側部分で大きく熱膨張変形、特に長手方向の熱膨張を生じる。
この熱膨張変形によって配管の前記突出する部分は傾動するが、当該突出する部分が外管に接触すると当該傾動が拘束されることとなる。
ここで、特許文献1の銅製ステーブクーラーでは、一つの外管が、配管を保護するために必要な長さ寸法を有して形成されるため、配管の前記突出する部分の傾動領域を拡げることが困難であり、傾動が拘束されて配管に熱応力が発生し、製作不良につながるおそれがある。
本発明の目的は、鋳込み時に冷却用配管に負荷される熱応力を抑制して製造できる銅製ステーブクーラーおよび製造方法を提供することにある。
本発明の銅製ステーブクーラーは、銅製のステーブ本体と、前記ステーブ本体の内部に冷却水路を形成する冷却用配管と、前記冷却用配管を保護する保護管とを備え、前記冷却用配管は、前記ステーブ本体の内部に配置される冷却管部と、前記冷却管部に連続して前記ステーブ本体から突出する取出管部とを有し、前記取出管部の外周側に前記保護管が配置される銅製ステーブクーラーであって、前記保護管は、前記ステーブ本体に接続される第一保護管と、前記第一保護管に接続される第二保護管とによって構成されることを特徴とする。
本発明の銅製ステーブクーラーは、次のように製造される。先ず、鋳込み用の砂型を準備し、砂型の上型に第一保護管を設置し、第一保護管に取出管部を挿通して冷却用配管を砂型内に配置する。次に、砂型内に、ステーブ本体を形成するための銅または銅合金の溶湯を注入して冷却管部および第一保護管の一方の端部を銅または銅合金内に鋳込む。鋳込み後、冷却され銅または銅合金が凝固した後、砂型が撤去され、第二保護管が第一保護管に接続される。このようにして、銅製ステーブクーラーが製造される。
前述した鋳込みの際、溶湯の湯面は砂型内で下から徐々に上がってくるため、冷却管部は下側から先に加熱され、当該下側部分が他部分に比べて大きく熱膨張変形し、冷却管部に連続する取出管部に傾動が生じる。
ここで、冷却用配管を保護する保護管が第一保護管と第二保護管とに分けられているので、第二保護管を第一保護管に接続していない状態で冷却用配管を鋳込むことができる。
第一保護管の長さ寸法は、取出管部を保護するために必要とされる保護管全体の必要長さ寸法よりも短いので、冷却用配管の熱膨張変形によって取出管部が傾動可能な領域を拡げることができる。従って、取出管部の第一保護管への接触による当該取出管部の傾動の拘束を低減でき、当該接触に基づく冷却用配管の熱応力の発生を抑制できる。
また、鋳込み後に、第二保護管を第一保護管に接続することで、取出管部を保護するのに必要とされる必要長さ寸法を確保できる。
本発明の銅製ステーブクーラーでは、前記第一保護管の外径は、前記第二保護管の外径よりも大きく設定され、前記第一保護管の内径は、前記第二保護管の外径よりも小さく設定されることが好ましい。
このような構成によれば、第一保護管と第二保護管との突き合せ部分に段部が形成されるので、第一保護管および第二保護管の長さ方向側から隅肉溶接できる。このため、例えば、第一保護管および第二保護管の長さ方向に直交する方向側から溶接等による固定ができない程度に複数の取出管部同士の間隔が狭く配置される場合であっても、第一保護管と第二保護管とを簡単に接続できる。
本発明の銅製ステーブクーラーでは、前記第一保護管の外径および内径は、前記第二保護管の外径よりも大きく設定されることが好ましい。
このような構成によれば、第二保護管を第一保護管に差し込んで接続できる。このため、例えば、高炉内で使用される銅製ステーブクーラーの熱変形などによって、第一保護管および第二保護管に曲げ応力が負荷されて当該接続部分に亀裂等が発生した場合であっても、第二保護管の差込み部分が第一保護管の内面に当たることによって、取出管部に第一保護管や第二保護管が当たることを防止できる。このため、取出管部が第二保護管と当ることによって冷却用配管に過大な曲げ応力が発生することがなく、冷却用配管の疲労亀裂の発生を抑制できる。
また、第一保護管および第二保護管の長さ方向側から隅肉溶接できる。
さらに、第一保護管の内径は第二保護管の外径よりも大きく設定されるので、冷却用配管と第一保護管とのクリアランスを大きく形成できる。このため、例えば第一保護管と第二保護管とが同径である場合と比べて、鋳込み時における冷却用配管の熱膨張変形による取出管部の傾動可能な領域を大きく確保できる。
本発明の銅製ステーブクーラーでは、前記第一保護管は、前記ステーブ本体を高炉に設置した際に炉内に収まる長さ寸法とされ、かつ前記第一保護管の外径は、前記冷却用配管の取出し部および前記第二保護管が挿通する高炉鉄皮の開口径よりも大きくされることが好ましい。
このような構成によれば、銅製ステーブクーラーが高炉に設置された状態で、第一保護管は炉内に位置する。このため、銅製ステーブクーラーが過大に変形しようとしたとき、第一保護管端部が鉄皮の炉内面に当たることで、銅製ステーブクーラーの過大な変形を抑制できる。
本発明の製造方法は、前述した本発明の銅製ステーブクーラーを製造する製造方法であって、砂型の上型に第一保護管を設置し、前記第一保護管に冷却用配管の取出管部を挿通して当該冷却用配管を砂型内に配置し、前記砂型内に、ステーブ本体を形成するための銅または銅合金の溶湯を注入して、前記冷却用配管の冷却管部および前記第一保護管の一方の端部を鋳込み接続し、鋳込み後、第二保護管を第一保護管の他方の端部に接続することを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、冷却管部および第一保護管の一方の端部を銅または銅合金内に鋳込む際、溶湯の湯面は砂型内で下から徐々に上がってくるため、冷却用配管は下側から先に加熱され、当該下側部分が他部分に比べて大きく熱膨張し、冷却管部に連続する取出管部が傾動する。この傾動により、取出管部は、第一保護管の内面に接近するが、第一保護管は、第二保護管と分けられており、取出管部を保護するために必要とされる保護管の必要長さ寸法よりも短い長さ寸法であるので、冷却用配管の熱膨張変形によって取出管部が傾動可能な領域を拡げることができる。従って、取出管部の第一保護管への接触による当該取出管部の傾動の拘束を低減でき、当該接触に基づく冷却用配管の熱応力の発生を抑制できる。なお、第二保護管は、前述した鋳込み時には第一保護管に接続されていないので、取出管部と干渉することがない。
また、鋳込み後に、第二保護管を第一保護管に接続することで、取出管部を保護するのに必要とされる必要長さ寸法を確保できる。
本発明によれば、鋳込み時に冷却用配管に負荷される熱応力を抑制して製造できる銅製ステーブクーラーおよび製造方法を提供できる。
本発明の実施形態に係る銅製ステーブクーラーを示す縦断面図。 前記実施形態に係る銅製ステーブクーラーを示す平面図。 前記実施形態に係る銅製ステーブクーラーの要部を炉外側から示す説明図。 前記実施形態に係る銅製ステーブクーラーの要部を示す縦断面図。 前記実施形態に係る銅製ステーブクーラーの製造工程を示すフロー図。 前記実施形態に係る銅製ステーブクーラーの鋳込み状態を示す縦断面図。 本発明の他の実施形態に係る銅製ステーブクーラーの要部を示す平面図。 前記他の実施形態に係る銅製ステーブクーラーの鋳込み状態を示す縦断面図。
[本実施形態の構成]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示す第1実施形態に係る銅製ステーブクーラー1は、高炉内の高温ガスから鉄皮4を保護するために、鉄皮4の内側に設置されて冷却している。
鉄皮4と銅製ステーブクーラー1との間および銅製ステーブクーラー1同士の間には、銅製ステーブクーラー1を据え付けるための隙間が設けてあり、当該隙間にはキャスタブル等の充填材が充填される。
銅製ステーブクーラー1は、ステーブ本体10と、複数の冷却用配管20と、保護管8とを備える。
ステーブ本体10の内部には複数の冷却用配管20が鋳込まれており、複数の冷却用配管20の後述する取出管部22,23の外周側には、保護管8がそれぞれ配置される。
保護管8は、第一保護管30と第二保護管40とによって、取出管部22,23を保護するのに必要とされる必要長さ寸法を有して構成される。
ステーブ本体10は、高炉の鉄皮4に沿って湾曲して形成されている。ステーブ本体10の炉内側の表面には、炉体内向きに棚状に突き出した複数の突出し部11が形成されている。複数の突出し部11間には溝部が形成されている。
ステーブ本体10の炉外側の表面には、第一保護管30の一方の端部31(図4(A)参照)が鋳込まれる鋳込み膨出部12と、固定ボルト2が固定される固定用膨出部13とが形成される。鋳込み膨出部12は、ステーブ本体10の上側部分および下側部分にそれぞれ配置される。固定用膨出部13は、上下の鋳込み膨出部12間に配置される。固定用膨出部13にナットが鋳込まれており、図1に示すように固定ボルト2によって鉄皮4に固定される。
複数の冷却用配管20は、断面円筒状であり、図2に示す左右方向に所定間隔を隔てて配置される。本実施形態では五つの冷却用配管20が配置される。
各冷却用配管20は、図1に示すように略コ字形状に形成されており、冷却管部21と、冷却管部21に連続する取出管部22,23とを備える。
冷却管部21は、ステーブ本体10の内部に上下方向に延びて設けられ、当該ステーブ本体10の内部に冷却水路3を形成する。
取出管部22は、冷却管部21の下端部に連続して形成されており、ステーブ本体10の下側部分の鋳込み膨出部12から炉体外向きに突き出した給水取出管部として構成される。
取出管部23は、冷却管部21の上端部に連続して形成されており、ステーブ本体10の上側部分の鋳込み膨出部12から炉体外向きに突き出した排水取出管部として構成される。
第一保護管30は、断面円筒状の配管によって形成されている。
各第一保護管30の端部31は、ステーブ本体10の上側部分の鋳込み膨出部12および下側部分の鋳込み膨出部12にそれぞれ鋳込まれており、各鋳込み膨出部12から炉体外向きに突出して配置される。
図4(A)に示すように、第一保護管30の外径寸法は、第二保護管40の外径寸法よりも大きい寸法とされ、かつ、第一保護管30の内径寸法は、第二保護管40の内径寸法よりも大きい寸法であって当該第二保護管40の外径寸法よりも小さい寸法とされる。このため、第一保護管30の他方の端部32と第二保護管40の端部41(第一保護管30側の端部)とが当接して段部33が形成される。この段部33が上方から隅肉溶接されることで、第二保護管40が第一保護管30に接続される。
なお、第一保護管30の内径寸法は、図4(B)に示すように、第二保護管40の外径寸法以上とされてもよい。この場合、第二保護管40の端部41は第一保護管30の端部32から差し込まれ、第二保護管40の外周面と第一保護管30の端部32とが隅肉溶接によって接続される。
第一保護管30の一端面から他端面までの長さ寸法L1(図4(A)参照)は、銅製ステーブクーラー1の高炉への設置状態における鋳込み膨出部12の表面から鉄皮4の炉内面までの距離A(図1参照)よりも短く設定され、かつ第一保護管30の外径は、冷却用配管20の取出し部および第二保護管40が挿通する鉄皮4の開口径よりも大きく設定される。このため、第一保護管30は、銅製ステーブクーラー1の高炉への設置状態では鉄皮4よりも炉内側に収まる。なお、第一保護管30は、鋳込み膨出部12から突出した部分の長さ寸法が距離A以下であればよく、このように設定されていれば、第一保護管30の一端面から他端面までの長さ寸法L1が距離A以上に設定されてもよい。
第一保護管30は、例えば第一保護管30と第二保護管40とによって形成される保護管8の全長が200〜300mm程度である場合には、その全長の半分以下の長さ寸法であってもよい。また、第一保護管30の長さ寸法L1は、後述する上型51に設置可能とするため、100mm以上の長さ寸法とされる。
第二保護管40は、断面円弧状の配管によって形成されている。
各第二保護管40の端部41は、第一保護管30の端部32に溶接によって接続されており、第一保護管30の長手方向に沿って延設される。
第二保護管40の外径寸法は前述した通りの寸法であるので、ここでの説明を省略する。第二保護管40の内径寸法は、取出管部22,23の外径寸法よりも大きい寸法とされる。従って、第二保護管40の内周面と取出管部22,23の外周面との間にはクリアランスが形成される。なお、本実施形態では、第二保護管40の肉厚は第一保護管30の肉厚と同じである。また、第一保護管30の内周面と取出管部22,23の外周面とのクリアランスは、第二保護管40の内周面と取出管部22,23の外周面との間のクリアランスよりもさらに大きいものとなる。
第二保護管40の一端面から他端面までの長さ寸法L2(図4(A)参照)は、第一保護管30の長さ寸法L1とあわせて、取出管部22,23を保護するのに必要とされる必要長さ寸法となる程度の長さ寸法とされる。本実施形態では、第二保護管40の長さ寸法L2は、第一保護管30よりも長い寸法とされる。
[本実施形態の製造方法]
以下、本実施形態に係る銅製ステーブクーラー1の製造方法について説明する。
銅製ステーブクーラー1は、図5に示す工程に沿って製造する。
図5において、ステップS1は冷却用配管20の製造工程であり、ステップS2は冷却用配管20の配置工程であり、ステップS3は鋳込み工程であり、ステップS4は第二保護管40の延設工程である。
先ず、冷却用配管20の製造工程(ステップS1)では、配管を所定形状に折り曲げ加工し、冷却管部21および取出管部22,23を有する冷却用配管20を複数製造する。
次に、冷却用配管20の配置工程(ステップS2)では、図6(A)に示すように、砂型5の上型51および下型52を準備する。上型51には孔が形成され、当該孔に第一保護管30をそれぞれ設置する。第一保護管30の端部31は、上型51の内面から突出して配置される。
続いて、冷却用配管20の取出管部22,23を各第一保護管30の端部31からそれぞれ挿通し、端部32から突き出た取出管部22,23の部分に治具6を装着する。これにより、冷却用配管20は、第一保護管30の端部32に乗せ掛けられた状態となる。
この状態で、上型51と下型52とを組み合わせて砂型5内に銅または銅合金の溶湯が注入される空間を形成する。このとき、当該空間には冷却用配管20の冷却管部21が配置される。
次に、鋳込み工程(ステップS3)では、砂型5内に銅または銅合金の溶湯を注入して、冷却管部21および第一保護管30の端部31を鋳込む。
ここで、溶湯の湯面7(図6(B)参照)は、砂型5内の下側から徐々に上がってくるので、冷却用配管20は下側から先に加熱される。このため、冷却管部21の下側部分の熱膨張が上側部分よりも大きくなり、図6(B)に示すように、冷却管部21が上に向かって凹状に湾曲変形し、かつ、取出管部22,23の先端が互いに接近するように傾動する。
このとき、取出管部22,23は各第一保護管30の内周面に接近するが、各第一保護管30の内周面と取出管部22,23の外周面とのクリアランスは前述した通りに大きく形成されているので、取出管部22,23の第一保護管30への接触による傾動の拘束は弱められ、当該接触に基づく冷却用配管20の熱応力の発生は抑制され、鋳造中に冷却用配管20が破損し、製作不良につながることが防止される。
なお、溶湯の温度低下とともに、冷却用配管20の熱膨張変形は徐々に元の形状(図6(A)に示す形状)に戻る。溶湯がさらに冷却され、銅または銅合金が凝固した後、砂型5を撤去する。
次に、延設工程(ステップS4)では、前述した鋳込み工程後、各第二保護管40を各第一保護管30の端部32に溶接固定することで、第一保護管30に延設する。また、各第二保護管40の他方の端部42は、取出管部22,23の外周面に隅肉溶接によって接続される。
このように第一保護管30と第二保護管40とを組み合わせることによって、取出管部22,23を保護するのに必要な長さ寸法を確保する。
なお、銅製ステーブクーラー1を高炉に設置した状態では、第二保護管40は鉄皮4にシール溶接される。
[本実施形態の効果]
(1)本実施形態では、銅製ステーブクーラー1は、銅製のステーブ本体10と、ステーブ本体10の内部に冷却水路3を形成する冷却用配管20と、冷却用配管を保護する保護管8とを備え、冷却用配管20は、ステーブ本体10の内部に配置される冷却管部21と、冷却管部21に連続してステーブ本体10から突出する取出管部22,23とを有し、取出管部22,23の外周側に保護管8が配置される銅製ステーブクーラー1であって、保護管8は、ステーブ本体10に接続される第一保護管30と、第一保護管30に接続される第二保護管40とによって構成されることを特徴とする。
上記構成を有するため、前述した製造方法によって銅製ステーブクーラー1を製造できる。冷却用配管20の鋳込みの際、溶湯の湯面7は砂型5内で下から徐々に上がってくるため、冷却管部21は下側から先に加熱され、当該下側部分が他部分に比べて大きく熱膨張変形し、冷却管部21に連続する取出管部22,23に傾動が生じる。
ここで、冷却用配管20を保護する保護管8が第一保護管30と第二保護管40とに分けられているので、第二保護管40を第一保護管30に接続していない状態で冷却用配管20を鋳込むことができる。
第一保護管30の長さ寸法は、取出管部22,23を保護するために必要とされる保護管8全体の必要長さ寸法よりも短いので、冷却用配管20の熱膨張変形によって取出管部22,23が傾動可能な領域を拡げることができる。従って、取出管部22,23の第一保護管30への接触による当該取出管部22,23の傾動の拘束を低減でき、当該接触に基づく冷却用配管20の熱応力の発生を抑制できる。
また、鋳込み後に、第二保護管40を第一保護管30に接続することで、取出管部22,23を保護するのに必要とされる必要長さ寸法を確保できる。
さらに、本実施形態では、以下の各効果を発揮できる。
(2)第一保護管30の外径は、第二保護管40の外径よりも大きく設定され、第一保護管30の内径は、第二保護管40の外径よりも小さく設定される。このため、第一保護管30の他方の端部32と第二保護管40との突き合せ部分に段部33が形成されるので、第一保護管30および第二保護管40の長さ方向側から隅肉溶接できる。従って、例えば、第一保護管30および第二保護管40の長さ方向に直交する方向側から溶接等による固定ができない程度に複数の冷却用配管20同士の図2に示す左右方向の間隔が狭く配置される場合であっても、第一保護管30と第二保護管40とを簡単に接続できる。
(3)また、図4(B)に示すように、第一保護管30の外径および内径が第二保護管40の外径よりも大きく設定される場合には、第二保護管40を第一保護管30に差し込んで接続できる。このため、例えば、高炉内で使用される銅製ステーブクーラー1の熱変形などによって、第一保護管30および第二保護管40に曲げ応力が負荷されて当該接続部分に亀裂等が発生した場合であっても、第二保護管40の差込み部分が第一保護管30の内面に当たることによって、取出管部22,23に第一保護管30や第二保護管40が当たることを防止できる。このため、取出管部22,23に第一保護管30や第二保護管40が当たることを防止できる。このため、取出管部22,23が第一保護管30や第二保護管40と当ることによって冷却用配管20に過大な曲げ応力が発生することがなく、冷却用配管20の疲労亀裂の発生を抑制できる。
また、第一保護管30および第二保護管40の長さ方向側から隅肉溶接できる。
さらに、第一保護管30の内径は第二保護管40の外径よりも大きく形成されるので、冷却用配管20と第一保護管30とのクリアランスを大きく形成できる。このため、例えば第一保護管30と第二保護管40とが同径である場合と比べて、鋳込み時における冷却用配管20の熱膨張変形による取出管部22,23の傾動可能な領域を大きく確保できる。
(4)第一保護管30は、ステーブ本体10を高炉に設置した際に炉内に収まる長さ寸法L1とされ、かつ第一保護管30の外径は、冷却用配管20の取出し部および第二保護管40が挿通する鉄皮4の開口径よりも大きくされる。このため、銅製ステーブクーラー1が高炉に設置された状態で、第一保護管は炉内に位置する。従って、炉内の温度変化の影響により銅製ステーブクーラー1が過大に変形しようとしたとき、第一保護管30の端部32が鉄皮4の炉内面に当たることで、銅製ステーブクーラー1の過大な変形を抑制できる。
[変形例]
本発明は、以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、第一保護管30の外径は、第二保護管40の外径よりも大きいが、これに限られない。例えば、本発明の他の実施形態として、図7に示すように、第一保護管30の外径および内径は、第二保護管40の外径および内径と同径とされてもよい。このように同径とされる場合には、冷却用配管20を保護するのに必要とされる必要長さ寸法を有する一つの保護管をカットすることで、第一保護管30と第二保護管40とを簡単に製作できる。
また、冷却用配管20の鋳込み後に、第二保護管40の端部41を第一保護管30の端部32に突き合せ溶接することで簡単に接続できる。
第一保護管30と第二保護管40とが前述したように同径である場合であっても、取出管部22,23の傾動領域を拡大できる。具体的には、砂型5内に銅または銅合金の溶湯が注入され、冷却用配管20は図8(A)に示す状態から図8(B)に示す状態に熱膨張変形しても、第一保護管30の長さ寸法L1は、取出管部22,23を保護するのに必要とされる必要長さ寸法よりも短い寸法であるため、取出管部22,23の傾動領域を拡大できる。従って、取出管部22,23の第一保護管30への接触に基づく冷却用配管20の熱応力の発生を抑制できる。
また、第一保護管30と取出管部22,23との間に、冷却用配管20の熱応力の発生を抑制するのに十分なクリアランスが確保されていれば、第二保護管40の内径が第一保護管30の外径よりも大きく形成されてもよい。
前記実施形態では、前記第一保護管30は、ステーブ本体10を高炉に設置した際に炉内に収まる長さ寸法とされるが、これに限らず、さらに長い寸法とされてもよい。
また、各冷却用配管20は、略コ字形状に形成されるとされるが、これに限らない。鉄皮4の開口位置等によりステーブ本体10の平面の中で適宜、曲げを入れることもできる。
なお、前記実施形態に係る銅製ステーブクーラー1の数、配置、各形状や各材料は本発明の要旨の範囲内において適宜設定可能である。
1…銅製ステーブクーラー、10…ステーブ本体、11…突出し部、12…鋳込み膨出部、13…固定用膨出部、2…固定ボルト、3…冷却水路、4…鉄皮、5…砂型、51…上型、52…下型、6…治具、7…湯面、8…保護管、20…冷却用配管、21…冷却管部、22,23…取出管部、30…第一保護管、31,32,41,42…端部、33…段部、40…第二保護管、A…距離、L1,L2…長さ寸法、S1〜S4…ステップ。

Claims (5)

  1. 銅製のステーブ本体と、前記ステーブ本体の内部に冷却水路を形成する冷却用配管と、前記冷却用配管を保護する保護管とを備え、前記冷却用配管は、前記ステーブ本体の内部に配置される冷却管部と、前記冷却管部に連続して前記ステーブ本体から突出する取出管部とを有し、前記取出管部の外周側に前記保護管が配置される銅製ステーブクーラーであって、
    前記保護管は、前記ステーブ本体に接続される第一保護管と、前記第一保護管に接続される第二保護管とによって構成される
    ことを特徴とする銅製ステーブクーラー。
  2. 請求項1に記載の銅製ステーブクーラーにおいて、
    前記第一保護管の外径は、前記第二保護管の外径よりも大きく設定され、
    前記第一保護管の内径は、前記第二保護管の外径よりも小さく設定される
    ことを特徴とする銅製ステーブクーラー。
  3. 請求項1に記載の銅製ステーブクーラーにおいて、
    前記第一保護管の外径および内径は、前記第二保護管の外径よりも大きく設定される
    ことを特徴とする銅製ステーブクーラー。
  4. 請求項2または請求項3に記載の銅製ステーブクーラーにおいて、
    前記第一保護管は、前記ステーブ本体を高炉に設置した際に炉内に収まる長さ寸法とされ、かつ前記第一保護管の外径は、前記冷却用配管の取出し部および前記第二保護管が挿通する高炉鉄皮の開口径よりも大きくされる
    ことを特徴とする銅製ステーブクーラー。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の銅製ステーブクーラーを製造する製造方法であって、
    砂型の上型に第一保護管を設置し、
    前記第一保護管に冷却用配管の取出管部を挿通して当該冷却用配管を砂型内に配置し、
    前記砂型内に、ステーブ本体を形成するための銅または銅合金の溶湯を注入して、前記冷却用配管の冷却管部および前記第一保護管の一方の端部を鋳込み接続し、
    鋳込み後、第二保護管を第一保護管の他方の端部に接続する
    ことを特徴とする製造方法。
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