JP7401762B2 - ステーブの交換方法及びステーブ - Google Patents
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Description
(1)
コーミング構造以外のガスシール構造を有する交換前ステーブを、交換用ステーブに交換するステーブの交換方法であって、
前記交換用ステーブは、冷却水路を内部に備えるステーブ本体と、前記ステーブ本体に接合された少なくとも1つの給排水管と、前記給排水管を包囲するように前記ステーブ本体及び前記給排水管に接合された保護管とを備えており、かつ、
高炉鉄皮から前記交換前ステーブを取り外す工程、
前記給排水管及び前記保護管を、炉内側から前記交換前ステーブ用の前記高炉鉄皮の開口部に挿入する工程、並びに、
炉外側において、前記保護管を包囲するように側板の一端を前記高炉鉄皮の開口部の外周部に接合し、シールプレートを前記側板の他端及び前記保護管に接合してコーミング構造を形成する工程を含み、
前記保護管が、前記ステーブ本体と前記高炉鉄皮の炉内側面との間で、前記ステーブ本体から前記高炉鉄皮の炉内側面に向けて縮径しており、
前記給排水管が、前記ステーブ本体と前記高炉鉄皮の炉内側面との間で、前記ステーブ本体から前記高炉鉄皮の炉内側面に向けて縮径しており、
前記開口部を貫通する位置において、前記給排水管の外径が前記ステーブ本体側よりも小さくなっていることを特徴とする、ステーブの交換方法。
(2)
前記シールプレートの板厚が5mm未満であることを特徴とする、(1)に記載のステーブの交換方法。
(3)
前記給排水管のうち少なくとも1つが、前記ステーブ本体の上下端部近傍に配置されていることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のステーブの交換方法。
(4)
前記交換用ステーブが備える前記給排水管の外径が、前記交換前ステーブが備える給排水管の外径に比べて小さいことを特徴とする、(1)~(3)のいずれかに記載のステーブの交換方法。
(5)
前記ステーブ本体が銅又は銅合金製であることを特徴とする、(1)~(4)のいずれかに記載のステーブの交換方法。
(6)
前記ステーブ本体の長さが2.5m超であることを特徴とする、(1)~(5)のいずれかに記載のステーブの交換方法。
本発明に係るステーブの交換方法(以下、「本交換方法」と称する)は、コーミング構造以外のガスシール構造を有する交換前ステーブを、交換用ステーブに交換する方法である。コーミング構造以外のガスシール構造としては、特に限定されないが、例えば、図4に示されるような伸縮管12が挙げられる。以下、交換前ステーブが伸縮管式ステーブ11であり、交換用ステーブがコーミング構造式ステーブ1である場合を例として説明する。
本工程において、交換前ステーブを高炉鉄皮5から取り外す。交換前ステーブとは、コーミング構造以外のガスシール構造を有するものであり、例えば、図4に示されるような伸縮管式ステーブ11である。伸縮管式ステーブ11を取り外す場合は、炉外側において伸縮管12を取り外した後、炉内側において、給排水管4を高炉鉄皮5の開口部6から引き抜いて伸縮管式ステーブ11を高炉鉄皮5から取り外すことができる。
上述したように交換前ステーブを取り外した後、交換用ステーブの配管を炉内側から高炉鉄皮5の開口部6に挿入する。この高炉鉄皮5の開口部6は、交換前ステーブ用の開口部6である。すなわち、本交換方法においては、交換前ステーブで使用されていた高炉鉄皮5の開口部6の寸法を変更することなく、交換用ステーブを取り付ける際にもその開口部6をそのまま流用することができる。換言すると、本交換方法は、高炉鉄皮5の開口部6の外径又は寸法を変更する工程を含まないことができる。
より具体的には、例えば伸縮管式ステーブ11をコーミング構造式ステーブ1に交換する際は、ステーブ本体2に十分な流速で冷媒を流すために、伸縮管式ステーブ11が備える給排水管4の内径と同一の内径を有する給排水管4を用いるのが通常である。この場合、コーミング構造式ステーブ1は給排水管4と保護管7の二重管構造を有するため、開口部6に通す配管の外径が大きくなり、配管を挿入するために開口部6を拡大する必要が生じ得る。しかしながら、開口部6の加工には多くの時間を要するため、施工性の観点から好ましくない。これに対して、本交換方法においては、上述したように、開口部6の寸法を変更することなく伸縮管式ステーブ11で用いられていた開口部6をそのまま流用するため、開口部6の加工が特に必要なく、施工性が大きく向上する結果となる。また、保護管7は、伸縮管式ステーブ11が備える給排水管4と同等程度の外径を有するため、給排水管4の破損を防止可能である。
交換前ステーブ用の高炉鉄皮5において、稼動面の冷却を広範囲に実施するため、ステーブ本体2の長さ方向に沿って冷却水路3が設けられ、ステーブ本体2の上下端近傍に複数の給排水管4が接合されている、すなわち、高炉鉄皮5の複数の開口部6がステーブ本体2の上下端近傍においてミシン目状に直線的な配置となっている場合がある。特にこのようなミシン目状に高炉鉄皮5の開口部6が配置されている場合、高炉鉄皮5の強度の観点から開口部6の外径拡大は実施しづらいという設計制約があるが、本交換方法においては、交換前ステーブが備える給排水管4の外径とほぼ等しい外径を有する保護管7を用いることにより、高炉鉄皮5の開口部6の寸法を変更することなくコーミング構造10を取り付け、高炉鉄皮5の強度を担保することが可能となる。
配管を炉内側から高炉鉄皮5の開口部6に挿入した後、炉外側において、保護管7を包囲するように側板8の一端を高炉鉄皮5の開口部6の外周部に接合する。配管の挿入前に本工程を行うことも可能であるが、配管を挿入後に行う方が配管の位置に応じて側板8の位置を決定できるため、配管と側板との位置関係を調整できる点で好ましい。上述したように、本交換方法では、高炉鉄皮5の開口部6を拡大しないため、隣接する開口部6に対して干渉せずに側板8を設置することができる。
側板8の一端を高炉鉄皮5の開口部6の外周部に接合した後、シールプレート9を側板8の他端及び保護管7に接合して、コーミング構造10を形成する。したがって、コーミング構造10は、側板8及びシールプレート9を備える。本工程により、図1~図3に示されるコーミング構造式ステーブ1が高炉鉄皮5に設置される。
ステーブ本体2は、内部に冷媒(例えば水)を流すための冷却水路3を備える。冷却水路の3の経路及び寸法などは、ステーブ本体2の寸法や要求される冷却能力により任意に決定することができる。ステーブ本体2は、熱伝導率等の観点から銅又は銅合金製であると好ましい。また、ステーブ本体2の長さ寸法(図1における上下方向の寸法)は、特に限定されないが、例えば1.0m超3.0m未満である。ステーブ本体2の長さは、好ましくは2.5m超である。ステーブ本体2の長さ寸法が大きい、及び/又は、ステーブ本体2が銅又は銅合金であると、高炉操業時の熱変形がより大きくなり配管のずれが生じやすくなるため、ガスシール構造として、伸縮管12を用いる場合に比べてコーミング構造10を用いることが有利になる。ステーブ本体2の幅寸法(長さ寸法に垂直な方向の寸法)及び板厚は、特に限定されない。
給排水管4は、図3(b)に示されるように、ステーブ本体2と高炉鉄皮5の炉内側面との間で、ステーブ本体2から高炉鉄皮5の炉内側面に向けて縮径(高炉鉄皮5の炉内側面からステーブ本体2に向けて拡径)していることが好ましい。この場合、ステーブ本体2に接合される位置での給排水管4の外径は、開口部6を貫通する位置での給排水管4の外径の1.1~2.0倍であると好ましく、1.3~1.7倍であるとより好ましい。給排水管4の外径が、ステーブ本体2との接合部で大きくなっていると、給排水管4の内部を流れる冷媒の当該接合部での圧損を低減することができる。さらに、開口部6を貫通する位置での給排水管4を小さくすると、開口部6をそのまま流用した状態で配管を開口部6に挿入するのが容易になる。
保護管7は、給排水管4を包囲するように設置され、その一端がステーブ本体2に接合され、他端が給排水管4に接合される。保護管7は、炉内の高温ガスに給排水管4が直接曝されるのを防止するために機能することができる。したがって、保護管7は、典型的に、炉内においては給排水管4の全てを包囲するように設置されるとよい。ここで、「包囲する」とは、保護管7が、少なくとも炉内側において、給排水管4の外周全体を一定の隙間を有した状態で囲っていることを意味する。なお、「包囲する」という用語は、他の部材間において使用される場合も同様である。保護管7の材質は、特に限定されないが、ステンレス鋼又は高温配管用の炭素鋼からなることが好ましい。また、熱膨張差を低減するために、給排水管4と保護管7の材質が同一であるとより好ましい。
本発明において、コーミング構造10は側板8及びシールプレート9を備える。コーミング構造10は、側板8及びシールプレート9のみから構成されてもよい。また、側板8とシールプレート9の間に、高炉鉄皮5の開口部6と配管との位置ずれを吸収する、例えばドーナツ状のフランジ状板を設けてもよい。
側板8は、一般的に筒状の板であり、配管を開口部6に挿入した後に、その一端が高炉鉄皮5の外面であって開口部6の外周部に接合され、他端がシールプレート9に接合される。なお、筒状とは円筒状に限定されず、例えば角筒状であってもよい。2本の配管に対して1つのコーミング構造10を形成する場合、側板8は楕円筒状であることができ、3本の配管に対して1つのコーミング構造10を形成する場合、側板8は三角筒状であることができる。側板8の材質は特に限定されないが、鋼であると好ましい。また、側板8の板厚は、特に限定されないが、6~10mmであると好ましく、例えば9mmである。
シールプレート9は、内部に開口を有する板であり、例えばドーナツ状の板であることができる。シールプレート9は、交換用ステーブの配管を開口部6に挿入して、側板8の一端を高炉鉄皮5の開口部6の外周部に設置した後、シールプレート9の炉内側面の一部が側板8に接合され、開口の端面が保護管7に接合される。シールプレート9の材質は特に限定されないが、鋼であると好ましい。シールプレート9の板厚は、特に限定されないが、5mm未満であると好ましく、例えば4.5mmである。5mm未満であると、ステーブ本体2の大きな熱変形に伴う配管の変位、特に、配管の長手方向の変位が発生した場合に、配管のステーブ本体2との接合部で破損が生じる前にシールプレート9が破損するようにすることができる。このようにシールプレート9が優先的に破損するようにしておくと、補修が、炉外からアクセス可能なシールプレート9の交換だけでよく、補修作業時間を大きく低減でき施工性が改善される。
ステーブ本体2と高炉鉄皮5をより強固に固定するための固定部材13を設けることができる。固定部材13は、高炉操業中のステーブ本体2の熱変形を抑制するために機能することができる。図1~図5には、それぞれ、同様の位置に1つの固定部材13が示されているが、固定部材13の位置及び本数については、ステーブ本体2の寸法等に応じて適宜設定することができる。ステーブ本体2が長尺(2.5m超)である場合、高炉操業時の熱変形が大きいため、固定部材13の本数を増加させるとよく、例えば、ボルトの数を8本とすることができる。
本交換方法において、高炉鉄皮5は、交換前ステーブ(例えば伸縮管式ステーブ11)に使用されていた開口部6を有する。また、本交換方法の全工程を通じて、開口部6の寸法は変更されない。
本発明に係るステーブ(以下、「本ステーブ」と称する)は、冷却水路3を内部に備えるステーブ本体2と、ステーブ本体2に接合された少なくとも1つの給排水管4と、給排水管4を包囲するように、一端がステーブ本体2に、他端が給排水管4に接合された保護管7と、側板8及びシールプレート9を備えたコーミング構造10とを備える。また、本ステーブにおいて、保護管7が、ステーブ本体2から保護管7の延在方向に向けて縮径している。ここで、保護管7の「延在方向」とは、ステーブ本体2から高炉鉄皮5の方向に向かう方向であって、図3上で左側から右側に向かう方向である。
2 ステーブ本体
3 冷却水路
4 給排水管
5 高炉鉄皮
6 開口部
7 保護管
8 側板
9 シールプレート
10 コーミング構造
11 伸縮管式ステーブ
12 伸縮管
13 固定部材
Claims (6)
- コーミング構造以外のガスシール構造を有する交換前ステーブを、交換用ステーブに交換するステーブの交換方法であって、
前記交換用ステーブは、冷却水路を内部に備えるステーブ本体と、前記ステーブ本体に接合された少なくとも1つの給排水管と、前記給排水管を包囲するように前記ステーブ本体及び前記給排水管に接合された保護管とを備えており、かつ、
高炉鉄皮から前記交換前ステーブを取り外す工程、
前記給排水管及び前記保護管を、炉内側から前記交換前ステーブ用の前記高炉鉄皮の開口部に挿入する工程、並びに、
炉外側において、前記保護管を包囲するように側板の一端を前記高炉鉄皮の開口部の外周部に接合し、シールプレートを前記側板の他端及び前記保護管に接合してコーミング構造を形成する工程を含み、
前記保護管が、前記ステーブ本体と前記高炉鉄皮の炉内側面との間で、前記ステーブ本体から前記高炉鉄皮の炉内側面に向けて縮径しており、
前記給排水管が、前記ステーブ本体と前記高炉鉄皮の炉内側面との間で、前記ステーブ本体から前記高炉鉄皮の炉内側面に向けて縮径しており、
前記開口部を貫通する位置において、前記給排水管の外径が前記ステーブ本体側よりも小さくなっていることを特徴とする、ステーブの交換方法。 - 前記シールプレートの板厚が5mm未満であることを特徴とする、請求項1に記載のステーブの交換方法。
- 前記給排水管のうち少なくとも1つが、前記ステーブ本体の上下端部近傍に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステーブの交換方法。
- 前記交換用ステーブが備える前記給排水管の外径が、前記交換前ステーブが備える給排水管の外径に比べて小さいことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のステーブの交換方法。
- 前記ステーブ本体が銅又は銅合金製であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のステーブの交換方法。
- 前記ステーブ本体の長さが2.5m超であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のステーブの交換方法。
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