JP2017066369A - 硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物、並びにこれらを用いた光半導体装置 - Google Patents

硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物、並びにこれらを用いた光半導体装置 Download PDF

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Tasuku Matsuno
佑 松野
勝宏 秋山
Katsuhiro Akiyama
勝宏 秋山
亘 河合
Wataru Kawai
亘 河合
真 情野
Makoto Seino
真 情野
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Abstract

【課題】気泡を含まず、かつ、タック性のない光半導体装置用封止材を与える付加硬化型の硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物、並びにこれらを用いた光半導体装置の提供。
【解決手段】[1]〜[3]で表されるアルコキシシラン化合物を加水分解重縮合して得られる、Mwが3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂、、Si−H基を有する第2のシリコーン樹脂、及びヒドロシリル化触媒、を少なくとも含む、硬化性シリコーン樹脂組成物。
Figure 2017066369

【選択図】図1

Description

本発明は、光半導体素子の封止材または接着剤の原料として好適に用いることができる硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物、並びにこれらを用いた光半導体装置に関する。
発光ダイオード(略称:LED)などの光半導体素子を利用した発光装置の封止材には、エポキシ樹脂組成物やシリコーン樹脂組成物などの硬化物が用いられる。これらの封止材には、長期間高温度で曝されても透明性を維持することができる、すなわち、「耐熱透明性」に優れることが要求される。
一般的にエポキシ樹脂組成物は、硬化物の硬度が高いため、ハンドリング性に優れており、例えば低出力の白色LED用封止用途では、必要な耐久性が得られることから、低出力用途において多く用いられている。
しかし、近年LEDがますます高輝度化、高出力化するのに伴い、従来の透明エポキシ樹脂組成物の硬化物では、パワー半導体、高輝度発光素子(例えば、自動車のヘッドライトや液晶テレビのバックライト用高輝度LED)または青色レーザー等の短波長半導体レーザーの封止材に用いるには耐熱性が不充分であり、高温劣化による電流のリーク、または黄変等が生じることが知られている。
最近では、これらの問題を解決するためにエポキシ樹脂に替わって、耐熱性に優れるシリコーン樹脂をベースにした樹脂組成物の硬化物がLEDの封止材に使用されるようになってきた。例えば、特許文献1では、光デバイス又は半導体デバイスを保護封止する材料として、Si−H基とアルケニル基との付加反応(ヒドロシリル化反応)を利用する付加硬化型シリコーン樹脂組成物の報告がなされている。
特開2000−198930号公報
従来の光半導体装置用の封止材において、付加硬化型シリコーン樹脂を用いた封止材では、光半導体装置用の封止材の作製時に、脱泡性が低いことがある。さらに、この封止材により半導体素子を封止したときにも、脱泡性が低く、硬化した封止材中に発泡が観測される(気泡が含まれる)ことがある。硬化した封止材中に気泡が含まれると、得られた光半導体装置から取り出される光の明るさが低下する。
さらに、シリコーン樹脂は、エポキシ樹脂に比べ機械特性、接着性が劣ることからゲルという状態での封止形態しか選択できなかった。そのため封止後に表面のタック(ベタつき)や変形が発生するという課題が市場で指摘されていた。
このように、シリコーン樹脂を用いた封止材の作製時における、脱泡性の低さ、表面のタックの発生などの課題を解決して、歩留まり、生産性を向上させることが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、気泡を含まず、かつ、タック性のない光半導体装置用封止材を与える付加硬化型の硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物、並びにこれらを用いた光半導体装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を行った。その結果、所定の成分を少なくとも含む硬化性シリコーン樹脂組成物を使用することにより、上記課題を達成できることを見出し、脱泡性に優れ、かつ、表面タックの抑制に優れる光半導体装置用封止材を与える付加硬化型の硬化性シリコーン樹脂組成物を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の各発明を含む。
[発明1]
下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも含む、硬化性シリコーン樹脂組成物。
(A)成分: 下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合することで得られる、質量平均分子量が3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂、
Figure 2017066369
(一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
(B)成分: H−Si基を有する第2のシリコーン樹脂、
(C)成分: ヒドロシリル化触媒。
[発明2]
第1のアルコキシシラン組成物が、下記一般式[4]で表されるテトラアルコキシシランをさらに含む、発明1に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
Figure 2017066369
(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
[発明3]
第1のアルコキシシラン組成物において、一般式[1]で表されるトリアルコキシシランおよび一般式[2]で表されるジアルコキシシランのモル比が85:15〜15:85であり、一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランの配合量が、該トリアルコキシシランおよび該ジアルコキシシランの総量100モルに対し、1〜40モルである、発明1または2に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
[発明4]
第1のアルコキシシラン組成物の加水分解重縮合を、pKa(20℃、水中)が9以上である塩基性有機化合物の存在下で行う、発明1〜3の何れかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
[発明5]
塩基性有機化合物が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、グアニジン、テトラメチルグアニジン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンおよび1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、発明4に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
[発明6]
(B)成分が、下記(B−1)成分である、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
(B−1)成分: 下記一般式[5]で表されるトリアルコキシシランおよび一般式[6]で表されるジアルコキシシランを少なくとも含む第2のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合することで得られる、HO−Si基を有する加水分解重縮合物と、
下記一般式[8−1]、[8−2]、[8−3]または[8−4]で表されるシラン化合物の少なくとも一種とを反応させて得られる、Si−H基を有するシリコーン樹脂。
Figure 2017066369
(一般式[5]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[6]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、R10は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
Figure 2017066369
(式中、R12は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R13は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
[発明7]
第2のアルコキシシラン組成物が、下記一般式[7]で表されるテトラアルコキシシランをさらに含む、発明6に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
Figure 2017066369
(式中、R11は炭素数1〜3のアルキル基である。)
[発明8]
第2のアルコキシシラン組成物において、一般式[5]で表されるトリアルコキシシランおよび一般式[6]で表されるジアルコキシシランのモル比が、85:15〜15:85である、発明6または7に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
[発明9]
(B)成分が、下記(B−2)成分である、発明1〜5のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
(B−2)成分: H−Si基を有する環状シロキサン。
[発明10]
(B)成分が、下記(B−3)成分である、発明1〜5のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
(B−3)成分: 下記一般式[9]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[10]で表されるジアルコキシヒドロシランを少なくとも含む第3のアルコキシシラン組成物を加水分解縮合させて得られる、Si−H基を有するシリコーン樹脂。
Figure 2017066369
(一般式[9]中、R14は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、2つのR14は互いに同じまたは異なる種類であってもよく、R15は炭素数1〜3のアルキル基を表し、2つのR15は互いに同じまたは異なる種類であってもよく、一般式[10]中、R16は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、R17は炭素数1〜3のアルキル基を表し、2つのR17は互いに同じまたは異なる種類であってもよい。)
[発明11]
硬化遅延剤、接着付与剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光体、無機粒子、離型剤、樹脂改質剤、着色剤、希釈剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤およびタレ防止剤からなる群より選ばれる少なくとも一種をさらに含む、発明1〜10の何れかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
[発明12]
発明1〜11の何れかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化してなる、硬化物。
[発明13]
光半導体素子と、
該光半導体素子を封止するように設けられた発明12に記載の硬化物とを少なくとも備える、光半導体装置。
[発明14]
下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合することで得られる、質量平均分子量が3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂。
Figure 2017066369
(一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
[発明15]
第1のアルコキシシラン組成物の加水分解重縮合を、pKa(20℃、水中)が9以上である塩基性有機化合物の存在下で行う、発明14に記載の第1のシリコーン樹脂。
[発明16]
下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合して、質量平均分子量が3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂を製造する方法。
Figure 2017066369
(一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
[発明17]
第1のアルコキシシラン組成物が、下記一般式[4]で表されるテトラアルコキシシランをさらに含む、発明16に記載の方法。
Figure 2017066369
(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
[発明18]
第1のアルコキシシラン組成物において、一般式[1]で表されるトリアルコキシシランおよび一般式[2]で表されるジアルコキシシランのモル比が85:15〜15:85であり、一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランの配合量が、該トリアルコキシシランおよび該ジアルコキシシランの総量100モルに対し、1〜40モルである、発明16または17に記載の方法。
[発明19]
第1のアルコキシシラン組成物の加水分解重縮合を、pKa(20℃、水中)が9以上である塩基性有機化合物の存在下で行う、発明16〜18の何れかに記載の方法。
[発明20]
塩基性有機化合物が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、グアニジン、テトラメチルグアニジン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンおよび1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、発明19に記載の方法。
[発明21]
下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも配合して、硬化性シリコーン樹脂組成物を製造する方法。
(A)成分: 下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合することで得られる、質量平均分子量が3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂、
Figure 2017066369
(一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
(B)成分: H−Si基を有する第2のシリコーン樹脂、
(C)成分: ヒドロシリル化触媒。
[発明22]
下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも配合して、硬化性シリコーン樹脂組成物を製造する方法。
(A)成分: 下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、グアニジン、テトラメチルグアニジン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンおよび1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、塩基性有機化合物の存在下で、
加水分解重縮合することで得られる、質量平均分子量が3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂、
Figure 2017066369
(一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
(B)成分: H−Si基を有する第2のシリコーン樹脂、
(C)成分: ヒドロシリル化触媒。
[用語の説明、略称、総称など]
本明細書において、pKaは、水中20℃における酸解離定数の逆数の対数値を意味する。pKaは、公知の滴定法(ブレンステッドの定義に基づく酸解離定数の測定方法)によって求められる値である。
本明細書において、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基の具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
本明細書において、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、置換または非置換であってもよく、水素原子の一部または全部がフッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のフルオロアルキル基に置換されていてもよい。具体例として、フェニル基、ナフチル基、キシリル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基などが挙げられる。
本明細書において、炭素数1〜3のアルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
本明細書において、炭素数1〜3のフルオロアルキル基の具体例として、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基などが挙げられる。
本明細書において、メチル基をMeと表すことがあり、フェニル基をPhと表すことがあり、ビニル基(−CH=CH基)をViと表すことがある。
本明細書において、一般式[1]で表されるトリアルコキシシランを、「トリアルコキシシラン[1]」と表すことがあり、以下同様に、一般式[2]で表されるジアルコキシシランなどについても、「ジアルコキシシラン[2]」などとそれぞれ表すことがある。また、一般式[8−1]で表されるシラン化合物を、「シラン化合物[8−1]」と表すことがあり、[8−2]で表されるシラン化合物乃至[8−4]で表されるシラン化合物についても同様に、「シラン化合物[8−2]」乃至「シラン化合物[8−4]」とそれぞれ表すことがあり、これらを区別せずに総称する際には、「シラン化合物[8]」と表すことがある。
本明細書において、(B−1)成分、(B−2)成分および(B−3)成分に関して共通する項目については「(B)成分」と総称して説明することがある。
本発明によれば、気泡を含まず、かつ、タック性のない光半導体装置用封止材を与える付加硬化型の硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物、並びにこれらを用いた光半導体装置を提供することができる。
本発明の光半導体装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明は、以下に示す実施の形態およ
び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
[硬化性シリコーン樹脂組成物]
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物(本明細書において、単に「本発明の組成物」と称することがある。)は、(A)成分として第1のシリコーン樹脂、(B)成分として第2のシリコーン樹脂、(C)成分としてヒドロシリル化触媒とを少なくとも含む。本発明の組成物は、本発明の光半導体装置を製造するのに好適に使用される。また、本発明の組成物は、その他の成分をさらに含んでいてもよい。
以下、本発明の組成物に含まれる(A)〜(C)成分について説明する。
<(A)成分: 第1のシリコーン樹脂>
(A)成分は、下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合することで得られる、質量平均分子量が3,800〜20,000である、シリコーン樹脂(第1のシリコーン樹脂)である。
Figure 2017066369
一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、3つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。
は、メチル基、エチル基、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
は、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、2つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、2つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。
は、メチル基、エチル基、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
は、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、3つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。
は、メチル基、エチル基が好ましい。
トリアルコキシシラン[1]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、
n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、
イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、
n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリイソプロポキシシラン、
t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリプロポキシシラン、t−ブチルトリイソプロポキシシラン、
イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリプロポキシシラン、イソブチルトリイソプロポキシシラン、
n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリプロポキシシラン、n−ペンチルトリイソプロポキシシラン、
シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリプロポキシシラン、シクロペンチルトリイソプロポキシシラン、
n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリプロポキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、
シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、シクロヘキシルトリイソプロポキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、
ナフチルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、ナフチルトリプロポキシシラン、ナフチルトリイソプロポキシシラン、
トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、トリルトリプロポキシシラン、トリルトリイソプロポキシシラン、
キシリルトリメトキシシラン、キシリルトリエトキシシラン、キシリルトリプロポキシシラン、キシリルトリイソプロポキシシラン、
3−トリフルオロメチルフェニルトリメトキシシラン、3−トリフルオロメチルフェニルトリエトキシシラン、3−トリフルオロメチルフェニルトリプロポキシシラン、3−トリフルオロメチルフェニルトリイソプロポキシシラン、
4−トリフルオロメチルフェニルトリメトキシシラン、4−トリフルオロメチルフェニルトリエトキシシラン、4−トリフルオロメチルフェニルトリプロポキシシラン、4−トリフルオロメチルフェニルトリイソプロポキシシラン、
3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルトリプロポキシシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルトリイソプロポキシシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシランが挙げられ、
特に好ましい化合物として、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが挙げられる。
ジアルコキシシラン[2]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、
ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、
ジ(n−プロピル)ジメトキシシラン、ジ(n−プロピル)ジエトキシシラン、ジ(n−プロピル)ジプロポキシシラン、ジ(n−プロピル)ジイソプロポキシシラン、
ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジプロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、
ジ(n−ブチル)ジメトキシシラン、ジ(n−ブチル)ジエトキシシラン、ジ(n−ブチル)ジプロポキシシラン、ジ(n−ブチル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(t−ブチル)ジメトキシシラン、ジ(t−ブチル)ジエトキシシラン、ジ(t−ブチル)ジプロポキシシラン、ジ(t−ブチル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(イソブチル)ジメトキシシラン、ジ(イソブチル)ジエトキシシラン、ジ(イソブチル)ジプロポキシシラン、ジ(イソブチル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(n−ペンチル)ジメトキシシラン、ジ(n−ペンチル)ジエトキシシラン、ジ(n−ペンチル)ジプロポキシシラン、ジ(n−ペンチル)ジイソプロポキシシラン、
ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジプロポキシシラン、ジシクロペンチルジイソプロポキシシラン、
ジ(n−ヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(n−ヘキシル)ジエトキシシラン、ジ(n−ヘキシル)ジプロポキシシラン、ジ(n−ヘキシル)ジイソプロポキシシラン、
ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジプロポキシシラン、ジシクロヘキシルジイソプロポキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、
フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポキシシラン、フェニルメチルジイソプロポキシシラン、
ジナフチルジメトキシシラン、ジナフチルジエトキシシラン、ジナフチルジプロポキシシラン、ジナフチルジイソプロポキシシラン、
ジトリルジメトキシシラン、ジトリルジエトキシシラン、ジトリルジプロポキシシラン、ジトリルジイソプロポキシシラン、
ジキシリルジメトキシシラン、ジキシリルジエトキシシラン、ジキシリルジプロポキシシラン、ジキシリルジイソプロポキシシラン、
ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジプロポキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジプロポキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジプロポキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジイソプロポキシシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランが挙げられ、
特に好ましい化合物として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが挙げられる。
ビニルトリアルコキシシラン[3]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
本発明に係る第1のアルコキシシラン組成物において、トリアルコキシシラン[1]、ジアルコキシシラン[2]およびビニルトリアルコキシシラン[3]の組み合わせは特に限定されない。トリアルコキシシラン[1]、ジアルコキシシラン[2]およびビニルトリアルコキシシラン[3]はそれぞれ一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。好ましい組み合わせとしては、
トリアルコキシシラン[1]は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシランおよび3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ジアルコキシシラン[2]は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ビニルトリアルコキシシラン[3]は、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択される。
これらの中でも、特に好ましい組み合わせとしては、
トリアルコキシシラン[1]は、フェニルトリメトキシシランおよびフェニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ジアルコキシシラン[2]は、ジメチルジメトキシシランおよびジメチルジエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ビニルトリアルコキシシラン[3]は、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択される。
本発明に係る第1のアルコキシシラン組成物は、下記一般式[4]で表されるテトラアルコキシシランをさらに含んでいてもよい。テトラアルコキシシラン[4]を含むことで、本発明の硬化物の機械的強度が良くなる点で好ましい。
Figure 2017066369
一般式[4]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。
は、メチル基、エチル基が好ましい。
テトラアルコキシシラン[4]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。
本発明に係る第1のアルコキシシラン組成物において、トリアルコキシシラン[1]、ジアルコキシシラン[2]、ビニルトリアルコキシシラン[3]およびテトラアルコキシシラン[4]の組み合わせは特に限定されない。トリアルコキシシラン[1]、ジアルコキシシラン[2]、ビニルトリアルコキシシラン[3]およびテトラアルコキシシラン[4]はそれぞれ一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。好ましい組み合わせとしては、
トリアルコキシシラン[1]は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシランおよび3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ジアルコキシシラン[2]は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ビニルトリアルコキシシラン[3]は、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
テトラアルコキシシラン[4]は、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランからなる群より一種以上が選択される。
これらの中でも、特に好ましい組み合わせとしては、
トリアルコキシシラン[1]は、フェニルトリメトキシシランおよびフェニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ジアルコキシシラン[2]は、ジメチルジメトキシシランおよびジメチルジエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ビニルトリアルコキシシラン[3]は、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
テトラアルコキシシラン[4]は、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランからなる群より一種以上が選択される。
本発明に係る第1のアルコキシシラン組成物において、トリアルコキシシラン[1]、ジアルコキシシラン[2]およびビニルトリアルコキシシラン[3]の配合比は、特に限定されない。トリアルコキシシラン[1]およびジアルコキシシラン[2]をモル比で85:15〜15:85で配合することが好ましく、85:15〜30:70で配合することが特に好ましい。この範囲内であれば、加水分解重縮合反応が進行しやすく、所望の平均分子量の加水分解重縮合物を得ることができる。また、トリアルコキシシラン[1]およびジアルコキシシラン[2]の総量100モルに対し、ビニルトリアルコキシシラン[3]の配合量が1〜40モルであることが好ましく、3〜20モルであることが特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物は良好な硬化反応性を示し、良好な耐熱性を示す硬化物を得ることができる。
本発明に係る第1のアルコキシシラン組成物がテトラアルコキシシラン[4]をさらに含む場合、トリアルコキシシラン[1]、ジアルコキシシラン[2]、ビニルトリアルコキシシラン[3]およびテトラアルコキシシラン[4]の配合比は、特に限定されない。トリアルコキシシラン[1]、ジアルコキシシラン[2]およびビニルトリアルコキシシラン[3]の総量100モルに対し、テトラアルコキシシラン[4]の配合量が1〜30モルであることが好ましく、5〜20モルであることが特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物は良好な硬化反応性を示し、良好な耐熱性を示す硬化物を得ることができる。
本発明に係る第1のシリコーン樹脂の質量平均分子量は、下限は3,800以上であればよく、4,000以上が好ましく、5,000以上が特に好ましく、上限は20,000以下であればよく、15,000以下が好ましく、10,000以下が特に好ましい。本発明に係る第1のシリコーン樹脂の質量平均分子量は、3,800〜20,000であってもよく、この範囲内であれば、本発明の組成物は、発泡、クラック、タックが抑制された良好な硬化物を与えることができ、また、本発明の組成物は取扱が容易な適度な粘度を有する。4,000〜15,000が好ましく、中でも、機械的強度に優れた硬化物を与えることができることから、5,000〜10,000が特に好ましい。ここで、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線により換算して得られる値である。
本発明に係る第1のシリコーン樹脂の粘度は特に限定されない。取扱作業上、25℃における粘度が0.001〜1,000,000cP(センチポイズ)であることが好ましく、さらに好ましくは、0.001〜50,000cPである。粘度が1,000,000cP超だと成形性に劣ることがあるが、加温して粘度を下げる処置をすることもできる。ここで、粘度は回転粘度計などにより測定することができる。
本発明に係る第1のシリコーン樹脂におけるCH=CH−Si基の含有量は、特に限定されない。0.1〜5.0mmol/gが好ましく、0.5〜3.0mmol/gが特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物の硬化反応を進行させやすく、また、本発明の硬化物は、波長365nm、405nmまたはその両方において良好な光透過率を示す。ここで、CH=CH−Si基の含有量は、核磁気共鳴装置を用いて本発明に係る第1のシリコーン樹脂のH−NMRスペクトルを、内部標準を加えて測定し、算出することができる。本発明に係る第1のシリコーン樹脂におけるHO−Si基の含有量は、特に限定されない。0.5〜5.0mmol/gが好ましく、1.0〜3.5mmol/gが特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の硬化物中に気泡が生じ難い。ここで、HO−Si基の含有量は、核磁気共鳴装置を用いて本発明に係る第1のシリコーン樹脂の29Si−NMRスペクトルとH−NMRスペクトルを測定し、これらを相補的に組み合わせて用いて算出することができる。
((A)成分の製造方法)
本発明に係る第1のシリコーン樹脂の製造方法は、本発明に係る第1のアルコキシシラン組成物を、本発明に係る塩基性化合物を用いて加水分解重縮合して、シリコーン樹脂(第1のシリコーン樹脂)を製造する方法である。
第1のアルコキシシラン組成物の加水分解重縮合において、反応を効率的に進行させるために、触媒を用いることもできる。使用する触媒の種類としては、酸性触媒であってもよく、塩基性触媒であってもよい。酸性触媒の種類は特に限定されず、例えば、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。また、塩基性触媒の種類は特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられる。第1のアルコキシシラン組成物の分子量制御が容易なことから、pKa(20℃、水中)が9以上である塩基性有機化合物の使用が好ましい。
pKaが9以上である塩基性有機化合物(以下、「本発明に係る塩基性化合物」と称することがある。)の種類は、pKaが9以上を示す有機化合物であれば、特に限定されない。本発明に係る塩基性化合物は、具体的には、以下の化合物が挙げられる:
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(以下、「ジアザビシクロウンデセン」または「DBU」と称することがある。)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(以下、「ジアザビシクロノネン」または「DBN」と称することがある。)、グアニジン、テトラメチルグアニジン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセン。
これらの中でも好ましくはジアザビシクロウンデセン、グアニジンが挙げられ、さらに好ましくはジアザビシクロウンデセンが挙げられる。
本発明に係る第1のシリコーン樹脂の製造において、触媒の使用量は、特に限定されない。系中のアルコキシ基の総モル量、すなわち、第1のアルコキシシラン組成物に含まれるアルコキシ基の総モル量に対して0.05〜1.0モル%使用することが好ましい。中でも、0.1〜0.5モル%が好ましく、0.2〜0.4モル%が特に好ましい。この範囲内であれば、得られる加水分解縮合物の分子量を制御しやすく、所望の分子量の加水分解縮合物を得ることができる。
本発明に係る第1のシリコーン樹脂の製造において、水を用いてもよく、反応効率の観点から、第1のアルコキシシラン組成物に含まれるアルコキシシランのアルコキシ基の総モル量、すなわち、トリアルコキシシラン[1]、ジアルコキシシラン[2]、ビニルトリアルコキシシラン[3]、テトラアルコキシシラン(4)に含まれるアルコキシ基の合計モル量に対して、0.5〜5倍の量を用いることが好ましい。この範囲内であれば、アルコキシシランの加水分解が十分に進行し、また、反応器の単位容積あたりの収率が良好である。
本発明に係る第1のシリコーン樹脂の製造において、反応溶媒を用いてもよく、分子量制御の観点から用いることが好ましい。この反応溶媒の種類は、第1のシリコーン樹脂を製造するための反応を阻害しなければ特に限定されない。親油性有機溶媒、親水性有機溶媒などが挙げられ、これらは一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよく、反応系を均一に保つ観点から新油性有機溶媒と親水性有機溶媒を併用することが好ましい。併用する場合の溶媒比率は特に限定されず、溶媒の種類は親油性有機溶媒が芳香族炭化水素であり、親水性有機溶媒がアルコール類であることが好ましい。
親油性有機溶媒は、具体的にはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられるが、これらに限定されない。
親水性有機溶媒は、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類が挙げられるが、これらに限定されない。反応溶媒を用いる場合の使用量は特に限定されない。第1のアルコキシシラン組成物に含まれるアルコキシシランの総量、すなわち、トリアルコキシシラン[1]、ジアルコキシシラン[2]、ビニルトリアルコキシシラン[3]、テトラアルコキシシラン(4)に含まれるアルコキシ基の合計量に対して、0.1〜1000質量%が好ましく、1〜300質量%が特に好ましい。
本発明に係る第1のシリコーン樹脂の製造において、反応時間は特に限定されないが、1時間以上であってもよく、48時間以下であってもよい。また、反応温度は特に限定されないが、20℃以上であってもよく、30℃以上が好ましく、120℃以下であってもよく、70℃以下が好ましい。中でも、20〜120℃が好ましく、30〜70℃が特に好ましい。
本発明に係る第1のシリコーン樹脂の製造方法について、好ましい態様の一例を以下に示す。
まず、トリアルコキシシラン[1]、ジアルコキシシラン[2]およびビニルトリアルコキシシラン[3]、所望によりテトラアルコキシシラン[4]を、室温(特に加熱または冷却しない雰囲気温度を言い、通常、15〜30℃である。以下同じ。)にて反応容器内に加え、さらに、本発明に係る塩基性化合物を加え、水、反応溶媒を加えて、配合溶液とする。このときの投入順序はこれに限定されず、任意の順序で投入することができる。次いで、この配合溶液を攪拌しながら、所定時間、所定温度で反応を進行させることで、加水分解重縮合物を得ることができる。この際、反応系中の未反応原料のアルコキシシラン化合物、水、反応溶媒、本発明に係る塩基性化合物などが、反応系外へ留去されることを防ぐため、反応容器に還流装置を具備させてもよく、そうすることが好ましい。
本発明に係る第1のシリコーン樹脂のハンドリングの観点から、反応後は、反応系内から該シリコーン樹脂を分離して精製することが好ましい。この分離方法は特に限定されない。分離方法としては、例えば抽出する方法が挙げられる。具体的には、前述の反応後の反応溶液を室温まで降温させた後、抽出溶媒と接触させることで反応系中に存在する本発明に係る第1のシリコーン樹脂を抽出する。抽出後の溶液に本発明に係る塩基性化合物が含まれる場合、その除去を行う。その除去方法は特に限定されないが、例えば、抽出後の溶液を、希塩酸などの酸で洗浄することで除去できる。次いで、抽出溶媒の減圧除去を経ることで、本発明に係る第1のシリコーン樹脂を高純度で分離することができる。
ここで、抽出溶媒としては、非水性有機溶媒を用いることができ、具体的には、芳香族炭化水素類、エーテル類などが挙げられる。より具体的には、トルエン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
<(B)成分>
(B)成分は、H−Si基を有するシリコーン樹脂(第2のシリコーン樹脂)である。(B)成分はH−Si基を有するシリコーン樹脂であれば、特に限定されない。以下の「(B−1)成分」、「(B−2)成分」または「(B−3)成分」であってもよく、(A)成分と混和しやすい点で(B−1)成分が好ましい。これらは、一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
「(B−1)成分」
下記一般式[5]で表されるトリアルコキシシランおよび一般式[6]で表されるジアルコキシシランを少なくとも含む第2のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合することで得られる、Si−OH基を有する加水分解重縮合物と、
下記一般式[8−1]、[8−2]、[8−3]または[8−4]で表されるシラン化合物の少なくとも一種とを反応させて得られる、Si−H基を有するシリコーン樹脂。本明細書において、「第2のアルコキシシラン組成物を加水分解縮合することで得られる、Si−OH基を有する加水分解重縮合物」を「加水分解重縮合物[B−1−I]」と表すことがある。
Figure 2017066369
Figure 2017066369
一般式[5]、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、3つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。
は、メチル基、エチル基、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
は、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式[6]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、2つのRは互いに同じまたは異なる種類であってもよい。R10は炭素数1〜3のアルキル基を表し、2つのR10は互いに同じまたは異なる種類であってもよい。
は、メチル基、エチル基、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
10は、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式[8−1]〜[8−4]中、R12は炭素数1〜3のアルキル基を表し、各式中の2つのR12は互いに同じまたは異なる種類であってもよい。R13は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
トリアルコキシシラン[5]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、
n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、
イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、
n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリイソプロポキシシラン、
t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリプロポキシシラン、t−ブチルトリイソプロポキシシラン、
イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリプロポキシシラン、イソブチルトリイソプロポキシシラン、
n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリプロポキシシラン、n−ペンチルトリイソプロポキシシラン、
シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリプロポキシシラン、シクロペンチルトリイソプロポキシシラン、
n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリプロポキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、
シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、シクロヘキシルトリイソプロポキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、
ナフチルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、ナフチルトリプロポキシシラン、ナフチルトリイソプロポキシシラン、
トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、トリルトリプロポキシシラン、トリルトリイソプロポキシシラン、
キシリルトリメトキシシラン、キシリルトリエトキシシラン、キシリルトリプロポキシシラン、キシリルトリイソプロポキシシラン、
3−トリフルオロメチルフェニルトリメトキシシラン、3−トリフルオロメチルフェニルトリエトキシシラン、3−トリフルオロメチルフェニルトリプロポキシシラン、3−トリフルオロメチルフェニルトリイソプロポキシシラン、
4−トリフルオロメチルフェニルトリメトキシシラン、4−トリフルオロメチルフェニルトリエトキシシラン、4−トリフルオロメチルフェニルトリプロポキシシラン、4−トリフルオロメチルフェニルトリイソプロポキシシラン、
3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルトリプロポキシシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルトリイソプロポキシシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシランが挙げられ、
特に好ましい化合物として、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが挙げられる。
ジアルコキシシラン[6]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、
ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、
ジ(n−プロピル)ジメトキシシラン、ジ(n−プロピル)ジエトキシシラン、ジ(n−プロピル)ジプロポキシシラン、ジ(n−プロピル)ジイソプロポキシシラン、
ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジプロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、
ジ(n−ブチル)ジメトキシシラン、ジ(n−ブチル)ジエトキシシラン、ジ(n−ブチル)ジプロポキシシラン、ジ(n−ブチル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(t−ブチル)ジメトキシシラン、ジ(t−ブチル)ジエトキシシラン、ジ(t−ブチル)ジプロポキシシラン、ジ(t−ブチル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(イソブチル)ジメトキシシラン、ジ(イソブチル)ジエトキシシラン、ジ(イソブチル)ジプロポキシシラン、ジ(イソブチル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(n−ペンチル)ジメトキシシラン、ジ(n−ペンチル)ジエトキシシラン、ジ(n−ペンチル)ジプロポキシシラン、ジ(n−ペンチル)ジイソプロポキシシラン、
ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジプロポキシシラン、ジシクロペンチルジイソプロポキシシラン、
ジ(n−ヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(n−ヘキシル)ジエトキシシラン、ジ(n−ヘキシル)ジプロポキシシラン、ジ(n−ヘキシル)ジイソプロポキシシラン、
ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジプロポキシシラン、ジシクロヘキシルジイソプロポキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、
フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポキシシラン、フェニルメチルジイソプロポキシシラン、
ジナフチルジメトキシシラン、ジナフチルジエトキシシラン、ジナフチルジプロポキシシラン、ジナフチルジイソプロポキシシラン、
ジトリルジメトキシシラン、ジトリルジエトキシシラン、ジトリルジプロポキシシラン、ジトリルジイソプロポキシシラン、
ジキシリルジメトキシシラン、ジキシリルジエトキシシラン、ジキシリルジプロポキシシラン、ジキシリルジイソプロポキシシラン、
ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジプロポキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジプロポキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジプロポキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジイソプロポキシシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランが挙げられ、
特に好ましい化合物として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが挙げられる。
本発明に係る第2のアルコキシシラン組成物において、トリアルコキシシラン[5]およびジアルコキシシラン[6]の組み合わせは特に限定されない。トリアルコキシシラン
[5]およびジアルコキシシラン[6]はそれぞれ一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。好ましい組み合わせとしては、
トリアルコキシシラン[5]は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシランおよび3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ジアルコキシシラン[6]は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシランからなる群より一種以上が選択される。
これらの中でも、特に好ましい組み合わせとしては、
トリアルコキシシラン[5]は、フェニルトリメトキシシランおよびフェニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ジアルコキシシラン[6]は、ジメチルジメトキシシランおよびジメチルジエトキシシランからなる群より一種以上が選択される。
本発明に係る第2のアルコキシシラン組成物は、下記一般式[7]で表されるテトラアルコキシシランをさらに含んでいてもよい。テトラアルコキシシラン[7]を含むことで、本発明の硬化物の機械的強度が向上するため好ましい。
Figure 2017066369
一般式[7]中、R11は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
11は、メチル基、エチル基が好ましい。
テトラアルコキシシラン[7]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。
本発明に係る第2のアルコキシシラン組成物において、トリアルコキシシラン[5]、ジアルコキシシラン[6]およびテトラアルコキシシラン[7]の組み合わせは特に限定されない。トリアルコキシシラン[5]、ジアルコキシシラン[6]およびテトラアルコキシシラン[7]はそれぞれ単種類を用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。好ましい組み合わせとしては、
トリアルコキシシラン[5]は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシラン、4−(トリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシラン3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリメトキシシランおよび3,5−(ジトリフルオロメチル)フェニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ジアルコキシシラン[6]は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
テトラアルコキシシラン[7]は、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランからなる群より一種以上が選択される。
これらの中でも、特に好ましい組み合わせとしては、
トリアルコキシシラン[5]は、フェニルトリメトキシシランおよびフェニルトリエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ジアルコキシシラン[6]は、ジメチルジメトキシシランおよびジメチルジエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
テトラアルコキシシラン[7]は、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランからなる群より一種以上が選択される。
本発明に係る第2のアルコキシシラン組成物において、トリアルコキシシラン[5]およびジアルコキシシラン[6]の配合比は、特に限定されない。トリアルコキシシラン[5]およびジアルコキシシラン[6]をモル比で85:15〜15:85で配合することが好ましく、85:15〜30:70で配合することが特に好ましい。この範囲内であれば、加水分解重縮合反応が進行しやすく、所望の平均分子量の加水分解重縮合物[B−1−I]を得ることができる。
本発明に係る第2のアルコキシシラン組成物がテトラアルコキシシラン[7]をさらに含む場合、トリアルコキシシラン[5]、ジアルコキシシラン[6]およびテトラアルコキシシラン[7]の配合比は、特に限定されない。
トリアルコキシシラン[5]およびジアルコキシシラン[6]の総量100モルに対し、テトラアルコキシシラン[7]の配合量が1〜60モルであることが好ましく、1〜30モルであることが特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物は良好な硬化反応性を示し、良好な耐熱性を示す硬化物を得ることができる。
シラン化合物[8−1]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
ジメチルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、ジ(n−プロピル)クロロシラン、ジイソプロピルクロロシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、ジメチルクロロシラン、ジエチルクロロシランが挙げられる。
シラン化合物[8−2]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
ジメチルシラノール、ジエチルシラノール、ジ(n−プロピル)シラノール、ジイソプロピルシラノール。
これらの中でも好ましい化合物として、ジメチルシラノール、ジエチルシラノールが挙げられる。
シラン化合物[8−3]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルイソプロポキシシラン、
ジエチルメトキシシラン、ジエチルエトキシシラン、ジエチルプロポキシシラン、ジエチルイソプロポキシシラン、
ジ(n−プロピル)メトキシシラン、ジ(n−プロピル)エトキシシラン、ジ(n−プロピル)プロポキシシラン、ジ(n−プロピル)イソプロポキシシラン、
ジイソプロピルメトキシシラン、ジイソプロピルエトキシシラン、ジイソプロピルプロポキシシラン、ジイソプロピルイソプロポキシシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、ジメチルメトキシシラン、ジメチルメトキシシランが挙げられる。
シラン化合物[8−4]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
テトラメチルジシロキサン、テトラエチルジシロキサン、テトラ(n−プロピル)ジシロキサン、テトライソプロピルジシロキサン。
これらの中でも好ましい化合物として、ジメチルジシロキサン、ジエチルジシロキサンが挙げられる。
(加水分解重縮合物[B−1−I]の製造方法)
加水分解重縮合物[B−1−I]は、第2のアルコキシシラン組成物を加水分解縮合することで得られる。
加水分解重縮合物[B−1−I]の製造方法は、第2のアルコキシシラン組成物を加水分解縮合することであり、それ以外の条件等は特に限定されない。
加水分解重縮合物[B−1−I]の製造において、水を用いてもよく、反応効率の観点から、第2のアルコキシシラン組成物に含まれるアルコキシシランのアルコキシ基の総モル量、すなわち、トリアルコキシシラン[5]、ジアルコキシシラン[6]、テトラアルコキシシラン(7)に含まれるアルコキシ基の合計モル量に対して、0.5〜5倍の量を用いることが好ましい。この範囲内であれば、アルコキシシランの加水分解が十分に進行し、また、反応器の単位容積あたりの収率が良好である。
加水分解重縮合物[B−1−I]の製造において、反応溶媒を用いてもよく、分子量制御の観点から用いることが好ましい。この反応溶媒の種類は、加水分解重縮合物[B−1−I]を製造するための反応を阻害しなければ特に限定されない。親油性有機溶媒、親水性有機溶媒などが挙げられ、これらは一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよく、反応系を均一に保つ観点から新油性有機溶媒と親水性有機溶媒を併用することが好ましい。併用する場合の溶媒比率は特に限定されず、溶媒の種類は、親油性有機溶媒が芳香族炭化水素類であり、親水性有機溶媒がアルコール類であることが好ましい。
親油性有機溶媒は、具体的にはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられるが、これらに限定されない。
親水性有機溶媒は、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類が挙げられるが、これらに限定されない。反応溶媒を用いる場合の使用量は特に限定されない。第2のアルコキシシラン組成物に含まれるアルコキシシランの総量、すなわち、トリアルコキシシラン[5]、ジアルコキシシラン[6]、テトラアルコキシシラン(7)に含まれるアルコキシ基の合計量に対して、10〜1000質量%が好ましく、30〜300質量%が特に好ましい。
加水分解重縮合物[B−1−I]の製造において、反応時間は特に限定されないが、2時間以上であってもよく、48時間以下であってもよい。また、反応温度は特に限定されないが、60℃以上であってもよく、80℃以上が好ましく、120℃以下であってもよく、100℃以下が好ましい。中でも、60〜120℃が好ましく、80〜100℃が特に好ましい。
加水分解重縮合物[B−1−I]の製造において、反応を効率的に進行させるために、触媒を用いることもできる。使用する触媒の種類としては、酸性触媒であってもよく、塩基性触媒であってもよい。加水分解重縮合物[B−1−I]の分子量制御が容易なことから、酸性触媒の使用が好ましい。この酸性触媒の種類は特に限定されない。例えば、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。中でも、反応終了後の酸触媒の除去処理が容易なことから、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸が好ましく、より好ましくは酢酸である。また、塩基性触媒の種類は特に限定されない。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられる。
触媒を用いる場合の使用量は特に限定されない。第2のアルコキシシラン組成物、反応溶媒および水の合計量に対して0.001〜5質量%が好ましく、特に好ましくは0.005〜1質量%である。
加水分解重縮合物[B−1−I]の製造方法について、好ましい態様の一例を以下に示す。
まず、トリアルコキシシラン[5]およびジアルコキシシラン[6]、所望によりテトラアルコキシシラン[7]を、室温にて反応容器内に加え、さらに、水を加え、所望により触媒、所望により反応溶媒を加えて、配合溶液とする。このときの投入順序はこれに限定されず、任意の順序で投入することができる。
次いで、この配合溶液を攪拌しながら、所定時間、所定温度で反応を進行させることで、加水分解重縮合物[B−1−I]を得ることができる。この際、反応系中の未反応原料のアルコキシシラン化合物、水、反応溶媒、触媒などが、反応系外へ留去されることを防ぐため、反応容器に還流装置を具備させてもよく、そうすることが好ましい。
反応後は、加水分解重縮合物[B−1−I]のハンドリングの観点から、反応後は、反応系内から加水分解重縮合物[B−1−I]を分離して精製することが好ましい。この分離方法は特に限定されない。分離方法としては、例えば抽出する方法が挙げられる。具体的には、前述の反応後の反応溶液を室温まで降温させた後、抽出溶媒と接触させることで反応系中に存在する加水分解重縮合物[B−1−I]を抽出する。抽出後の溶液に触媒が含まれる場合、その除去を行う。その除去方法は特に限定されないが、例えば、使用した触媒(例えば、酢酸)が水溶性であれば、抽出後の溶液を水で洗浄することでこの触媒を除去することができる。この後、所望により乾燥剤を加える等の乾燥処理により、系中に溶解している水を除去してもよい。次いで、抽出溶媒の減圧除去を経ることで、加水分解重縮合物[B−1−I]を高純度で分離することができる。
ここで、抽出溶媒としては、非水性有機溶媒を用いることができ、具体的には、芳香族炭化水素類、エーテル類などが挙げられる。より具体的には、トルエン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
分離精製した加水分解重縮合物[B−1−I]は、溶媒中で加熱還流または無溶媒下で加熱撹拌を行うことで、さらに縮合反応を進行させてもよい。これにより、加水分解重縮合物[B−1−I]の分子量を増加させることができる。
溶媒を用いる場合には、加熱還流が可能な反応容器に加水分解重縮合物[B−1−I]と溶媒を投入し、溶解液とする。この溶解液を加熱還流して、縮合の進行とともに系中に生成する水と共沸させる。この際、溶解液中にトシル酸、パラトルエンスルホン酸等を加えて加熱還流させてもよい。使用する溶媒の種類としては、加水分解重縮合物[B−1−I]を溶解させることができ、加熱還流が可能な溶媒であれば特に限定されない。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類が挙げられる。
また、無溶媒下の場合には、加熱攪拌が可能な反応容器に加水分解重縮合物[B−1−I]を投入し、100〜150℃で加熱して6〜18時間攪拌する。このとき、加水分解重縮合物[B−1−I]の組成比の変化を抑えるために、反応容器に還流装置を具備させることが好ましい。加熱攪拌後に内容液を室温まで降温させる。これらの一連の操作は繰り返し行うことができ、繰り返す回数は特に限定されない。1〜4回行うことが好ましい。
((B−1)成分の製造方法)
次に、加水分解重縮合物[B−1−I]から(B−1)成分を製造する方法について説明する。
(B−1)成分の製造方法は、加水分解重縮合物[B−1−I]と、シラン化合物[8]とを反応させること以外の条件等は特に限定されない。例えば、後述する第一の方法と第二の方法の2つの方法が挙げられる。第一の方法とは、加水分解重縮合物[B−1−I]と、シラン化合物[8]の一種であるクロロシラン化合物[8−1]とを、非水溶性有機溶媒中で反応させて(B−1)成分を製造する方法を指す。第二の方法とは、加水分解重縮合物[B−1−I]と、シラン化合物[8]の一種であるシラノール化合物[8−2]、モノアルコキシシラン化合物[8−3]またはジシロキサン化合物[8−4]とを、酸存在下、非水溶性有機溶媒とアルコール性溶媒との混合溶媒中で反応させて(B−1)成分を製造する方法を指す。この2つの方法について、以下に具体的に説明する。
“第一の方法”
第一の方法においては、まず、加水分解重縮合物[B−1−I]と、非水性有機溶媒を反応容器内に所定量入れて、加水分解重縮合物[B−1−I]を溶解させる。次いでこの溶解液に対して、約0〜約10℃で撹拌しながら、所定量のクロロシラン化合物[8−1]を添加する。添加方法は特に限定されないが、滴下が好ましい。添加終了後、0℃〜室温を維持しながら0.5〜18時間攪拌して反応を進行させる。その後、反応を終了させることで、(B−1)成分を得ることができる。
第一の方法において、加水分解重縮合物[B−1−I]とクロロシラン化合物[8−1]の使用量は、特に限定されない。(B−1)成分の物性の観点から、加水分解重縮合物[B−1−I]1gに対して、クロロシラン化合物[8−1]を0.2〜10mmol使用することが好ましい。
第一の方法において、使用する非水溶性有機溶媒の種類としては、非水溶性であって、(B−1)成分を製造するための反応を阻害しなければ、特に限定されない。中でも、芳香族炭化水素類、エーテル類などが好ましい。具体的には、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどを例示することができるが、これらに限定されない。非水溶性有機溶媒の使用量としては、加水分解重縮合物[B−1−I]1gに対して、50〜1000質量%が好ましく、特に好ましくは300〜700質量%である。
第一の方法において、反応を終了させる方法は特に限定されない。通常、反応系に水(好ましくはイオン交換水)を滴下することで反応を終了させる。反応後は、(B−1)成分のハンドリングの観点から、反応系内から(B−1)成分を分離して精製することが好ましい。この分離精製方法は特に限定されない。例えば抽出する方法が挙げられる。具体的には、前述の反応後の反応溶液から有機層を分取し、次いで、その有機層を酸で洗浄し、さらに水で洗浄する。次いで、洗浄後の有機層に乾燥剤を加えて、系中に溶解している水を除去する。さらに、乾燥剤の除去、非水性有機溶媒の減圧除去を経ることで、(B−1)成分を高純度で分離することができる。このとき、乾燥剤を用いずに、非水性有機溶媒を減圧除去する過程で、水を同時に減圧除去してもよい。分離後の(B−1)成分は、無溶媒、減圧下で加熱攪拌することで、(B−1)成分中に含まれる水分をさらに除去することが好ましい。このときの加熱温度は特に限定されないが、通常、100〜130℃である。
“第二の方法”
第二の方法においては、まず、加水分解重縮合物[B−1−I]と、非水性有機溶媒と、所望によりアルコール性溶媒とを反応容器内に所定量入れて、加水分解重縮合物[B−1−I]を溶解させる。次いで、この溶解液に、所定量のシラノール化合物[8−2]、モノアルコキシシラン化合物[9−3]またはジシロキサン化合物[9−4]を加える。さらに、加水分解および脱水縮合反応を進行させるための触媒を反応系に加え、反応系を1〜48時間、室温で攪拌して反応を進行させる。その後、反応を終了させることで(A)成分を得ることができる。
第二の方法において、加水分解重縮合物(I)と、シラノール化合物[8−2]、モノアルコキシシラン化合物[8−3]またはジシロキサン化合物[8−4]の使用量は、特に限定されない。(B−1)成分の物性の観点から、加水分解重縮合物[B−1−I]1gに対して、シラノール化合物[8−2]、モノアルコシシラン化合物[8−3]またはジシロキサン化合物[8−4]におけるSi−H基の総含有量が0.2〜10mmolとなる範囲で使用することが好ましい。
第二の方法において、使用する非水溶性有機溶媒の種類としては、(B−1)成分を製造するための反応を阻害しなければ、特に限定されない。中でも、芳香族炭化水素類、エーテル類などが好ましい。具体的には、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどを例示することができるが、これらに限定されない。非水溶性有機溶媒の使用量は、加水分解重縮合物[B−1−I]1gに対して、50〜1000質量%が好ましく、特に好ましくは100〜500質量%である。
第二の方法において、使用するアルコール系溶媒の種類としては、(B−1)成分を製造するための反応を阻害しなければ、特に限定されない。中でも、炭素数1〜4のアルコールが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノールなどを例示することができるが、これらに限定されない。アルコール系溶媒の使用量は、加水分解重縮合物(I)1gに対して、10〜500質量%が好ましく、特に好ましくは50〜300質量%である。
第二の方法においては、使用する触媒の種類に応じて、非水溶性有機溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒を用いることが好ましい。プロトン酸触媒を使用する場合には、この混合溶媒を用いることで反応性を向上させることができる。
第二の方法において、使用する触媒の種類としては、(B−1)成分を製造するための反応を促進する作用があれば、特に限定されない。中でも、無機酸が好ましい。具体的には、硝酸、塩酸、硫酸などを例示することができるが、これらに限定されない。触媒の使用量は、加水分解重縮合物[B−1−I]1gに対して、0.0001〜10mmol%が好ましく、特に好ましくは0.005〜5mmol%である。
第二の方法において、反応を終了させる方法は特に限定されない。通常、反応系に水(好ましくはイオン交換水)を加えて攪拌することで反応を終了させる。反応後は、(B−1)成分のハンドリングの観点から反応系内から(B−1)成分を分離して精製することが好ましい。この分離精製方法は特に限定されない。例えば、抽出する方法が挙げられる。具体的には、前述の反応後の溶液から有機層を分取する。次いで、その有機層を水(好ましくは、イオン交換水)で洗浄し、さらに乾燥剤を加えて、系中に溶解している水を除去する。その後、有機層中から乾燥剤を除去し、非水溶性有機溶媒の減圧除去を経ることで、(B−1)成分を高純度で分離することができる。このとき、乾燥剤を用いずに、非水性有機溶媒を減圧除去する過程で、水を同時に減圧除去してもよい。分離後の(B−1)成分は、無溶媒、減圧下で加熱攪拌することで、(B−1)成分中に含まれる水分をさらに除去することが好ましい。このときの加熱温度は特に限定されないが、通常、100〜130℃である。
「(B−2)成分」
Si−H基を有する環状シロキサン。
(B−2)成分は、Si−H基を有する環状シロキサンであれば特に限定されず、具体的には以下の化合物が挙げられる:
2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8,−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、2,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチルシクロヘプタシロキサン。
中でも、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8,−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタメチルシクロペンタシロキサンが好ましい。
「(B−3)成分」
下記一般式[9]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[10]で表されるジアルコキシヒドロシランを少なくとも含む第3のアルコキシシラン組成物を加水分解縮合させて得られる、Si−H基を有するシリコーン樹脂。
Figure 2017066369
一般式[9]中、R14は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、2つのR14は互いに同じまたは異なる種類であってもよい。R15は炭素数1〜3のアルキル基を表し、2つのR15は互いに同じまたは異なる種類であってもよい。
14は、メチル基、エチル基、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、メチル基、フェニル基が特に好ましい。
15は、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式[10]中、R16は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。R17は炭素数1〜3のアルキル基を表し、2つのR17は互いに同じまたは異なる種類であってもよい。
16は、メチル基、エチル基、フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチルフェニル)基が好ましく、メチル基、フェニル基が特に好ましい。
17は、メチル基、エチル基が好ましい。
ジアルコキシシラン[9]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、
ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、
ジ(n−プロピル)ジメトキシシラン、ジ(n−プロピル)ジエトキシシラン、ジ(n−プロピル)ジプロポキシシラン、ジ(n−プロピル)ジイソプロポキシシラン、
ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジプロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、
ジ(n−ブチル)ジメトキシシラン、ジ(n−ブチル)ジエトキシシラン、ジ(n−ブチル)ジプロポキシシラン、ジ(n−ブチル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(t−ブチル)ジメトキシシラン、ジ(t−ブチル)ジエトキシシラン、ジ(t−ブチル)ジプロポキシシラン、ジ(t−ブチル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(イソブチル)ジメトキシシラン、ジ(イソブチル)ジエトキシシラン、ジ(イソブチル)ジプロポキシシラン、ジ(イソブチル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(n−ペンチル)ジメトキシシラン、ジ(n−ペンチル)ジエトキシシラン、ジ(n−ペンチル)ジプロポキシシラン、ジ(n−ペンチル)ジイソプロポキシシラン、
ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジプロポキシシラン、ジシクロペンチルジイソプロポキシシラン、
ジ(n−ヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(n−ヘキシル)ジエトキシシラン、ジ(n−ヘキシル)ジプロポキシシラン、ジ(n−ヘキシル)ジイソプロポキシシラン、
ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジプロポキシシラン、ジシクロヘキシルジイソプロポキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、
フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポキシシラン、フェニルメチルジイソプロポキシシラン、
ジナフチルジメトキシシラン、ジナフチルジエトキシシラン、ジナフチルジプロポキシシラン、ジナフチルジイソプロポキシシラン、
ジトリルジメトキシシラン、ジトリルジエトキシシラン、ジトリルジプロポキシシラン、ジトリルジイソプロポキシシラン、
ジキシリルジメトキシシラン、ジキシリルジエトキシシラン、ジキシリルジプロポキシシラン、ジキシリルジイソプロポキシシラン、
ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジプロポキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジプロポキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジイソプロポキシシラン、
ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジプロポキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジイソプロポキシシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランが挙げられ、
特に好ましい化合物として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランが挙げられる。
ジアルコキシヒドロシラン[10]は、具体的には以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
メチルジメトキシヒドロシラン、メチルジエトキシヒドロシラン、メチルジプロポキシヒドロシラン、メチルジイソプロポキシヒドロシラン、
エチルジメトキシヒドロシラン、エチルジエトキシヒドロシラン、エチルジプロポキシヒドロシラン、エチルジイソプロポキシヒドロシラン、
n−プロピルジメトキシヒドロシラン、n−プロピルジエトキシヒドロシラン、n−プロピルジプロポキシヒドロシラン、n−プロピルジイソプロポキシヒドロシラン、
イソプロピルジメトキシヒドロシラン、イソプロピルジエトキシヒドロシラン、イソプロピルジプロポキシヒドロシラン、イソプロピルジイソプロポキシヒドロシラン、
n−ブチルジメトキシヒドロシラン、n−ブチルジエトキシヒドロシラン、n−ブチルジプロポキシヒドロシラン、n−ブチルジイソプロポキシヒドロシラン、
t−ブチルジメトキシヒドロシラン、t−ブチルジエトキシヒドロシラン、t−ブチルジプロポキシヒドロシラン、t−ブチルジイソプロポキシヒドロシラン、
イソブチルジメトキシヒドロシラン、イソブチルジエトキシヒドロシラン、イソブチルジプロポキシヒドロシラン、イソブチルジイソプロポキシヒドロシラン、
n−ペンチルジメトキシヒドロシラン、n−ペンチルジエトキシヒドロシラン、n−ペンチルジプロポキシヒドロシラン、n−ペンチルジイソプロポキシヒドロシラン、
シクロペンチルジメトキシヒドロシラン、シクロペンチルジエトキシヒドロシラン、シクロペンチルジプロポキシヒドロシラン、シクロペンチルジイソプロポキシヒドロシラン、
n−ヘキシルジメトキシヒドロシラン、n−ヘキシルジエトキシヒドロシラン、n−ヘキシルジプロポキシヒドロシラン、n−ヘキシルジイソプロポキシヒドロシラン、
シクロヘキシルジメトキシヒドロシラン、シクロヘキシルジエトキシヒドロシラン、シクロヘキシルジプロポキシヒドロシラン、シクロヘキシルジイソプロポキシヒドロシラン、
フェニルジメトキシヒドロシラン、フェニルジエトキシヒドロシラン、フェニルジプロポキシヒドロシラン、フェニルジイソプロポキシヒドロシラン、
ナフチルジメトキシヒドロシラン、ナフチルジエトキシヒドロシラン、ナフチルジプロポキシヒドロシラン、ナフチルジイソプロポキシヒドロシラン、
トリルジメトキシヒドロシラン、トリルジエトキシヒドロシラン、トリルジプロポキシヒドロシラン、トリルジイソプロポキシヒドロシラン、
キシリルジメトキシヒドロシラン、キシリルジエトキシヒドロシラン、キシリルジプロポキシヒドロシラン、キシリルジイソプロポキシヒドロシラン、
3−トリフルオロメチルフェニルジメトキシヒドロシラン、3−トリフルオロメチルフェニルジエトキシヒドロシラン、3−トリフルオロメチルフェニルジプロポキシヒドロシラン、3−トリフルオロメチルフェニルジイソプロポキシヒドロシラン、
4−トリフルオロメチルフェニルジメトキシヒドロシラン、4−トリフルオロメチルフェニルジエトキシヒドロシラン、4−トリフルオロメチルフェニルジプロポキシヒドロシラン、4−トリフルオロメチルフェニルジイソプロポキシヒドロシラン、
3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルジメトキシヒドロシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルジエトキシヒドロシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルジプロポキシヒドロシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルジイソプロポキシヒドロシラン。
これらの中でも好ましい化合物として、メチルジメトキシヒドロシラン、メチルジエトキシヒドロシラン、エチルジメトキシヒドロシラン、エチルジエトキシヒドロシラン、フェニルジメトキシヒドロシラン、フェニルジエトキシヒドロシラン、3−トリフルオロメチルフェニルジメトキシヒドロシラン、3−トリフルオロメチルフェニルジエトキシヒドロシラン、4−トリフルオロメチルフェニルジメトキシヒドロシラン、4−トリフルオロメチルフェニルジエトキシヒドロシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルジメトキシヒドロシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルジエトキシヒドロシランが挙げられ、
特に好ましい化合物として、メチルジメトキシヒドロシラン、メチルジエトキシヒドロシラン、フェニルジメトキシヒドロシラン、フェニルジエトキシヒドロシランが挙げられる。
本発明に係る第3のアルコキシシラン組成物において、ジアルコキシシラン[9]およびジアルコキシヒドロシラン[10]の組み合わせは特に限定されない。ジアルコキシシラン[9]およびジアルコキシヒドロシラン[10]はそれぞれ一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。好ましい組み合わせとしては、
ジアルコキシシラン[9]は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジメトキシシラン、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ジエトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジメトキシシラン、ジ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ジアルコキシヒドロシラン[10]は、メチルジメトキシヒドロシラン、メチルジエトキシヒドロシラン、エチルジメトキシヒドロシラン、エチルジエトキシヒドロシラン、フェニルジメトキシヒドロシラン、フェニルジエトキシヒドロシラン、3−トリフルオロメチルフェニルジメトキシヒドロシラン、3−トリフルオロメチルフェニルジエトキシヒドロシラン、4−トリフルオロメチルフェニルジメトキシヒドロシラン、4−トリフルオロメチルフェニルジエトキシヒドロシラン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルジメトキシヒドロシランおよび3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルジエトキシヒドロシランからなる群より一種以上が選択される。
これらの中でも特に好ましい組み合わせとしては、
ジアルコキシシラン[9]は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシランからなる群より一種以上が選択され、
ジアルコキシヒドロシラン[10]は、メチルジメトキシヒドロシラン、メチルジエトキシヒドロシラン、フェニルジメトキシヒドロシランおよびフェニルジエトキシヒドロシランからなる群より一種以上が選択される。
本発明に係る第3のアルコキシシラン組成物において、ジアルコキシシラン[9]およびジアルコキシヒドロシラン[10]の配合比は、特に限定されない。ジアルコキシシラン[9]およびジアルコキシヒドロシラン[10]をモル比で95:5〜5:95で配合することが好ましく、80:20〜20:80で配合することが特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物は良好な硬化反応性を示し、良好な耐熱性を示す硬化物を得ることができる。
(B−3)成分の製造方法は、第3のアルコキシシラン組成物を加水分解縮合することであり、それ以外の条件等は特に限定されない。例えば、前述の加水分解重縮合物[B−1−I]の製造方法に準じて(B−3)成分を製造することができる。すなわち、前述の本発明に係る加水分解重縮合物[B−1−I]の製造方法において、「トリアルコキシシラン[5]、ジアルコキシシラン[6]およびテトラアルコキシシラン[7]」を「ジアルコキシシラン[9]およびジアルコキシヒドロシラン[10]」に置き換え、「第2のアルコキシシラン組成物」を「第3のアルコキシシラン組成物」に置き換え、「加水分解重縮合物[B−1−I]」を「(B−3)成分」に置き換えることで、(B−3)成分の製造方法の一例を説明することができる。
(B)成分は、(B−1)成分、(B−2)成分、(B−3)成分の他に、以下の市販品のシリコーン樹脂であってもよい:
メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体,トリメチルシロキシ末端(Gelest社製): HMS−013、HMS−031、HMS−064、HMS−071、HMS−082、HMS−151、HMS−301、HMS−501、
メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体,ヒドリド末端(Gelest社製): HMS−H271、
ポリメチルヒドロシロキサン,トリメチルシロキシ末端(Gelest社製): HMS−991、HMS−992、HMS−993、
ポリエチルヒドロシロキサン,トリエチルシロキシ末端(Gelest社製): HES−992、
ポリフェニル−(ジメチルヒドロキシ)シロキサン,ヒドリド末端(Gelest社製):HDP−111、
メチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサン共重合体,ヒドリド末端(Gelest社製): HPM−502。
(B)成分の質量平均分子量は特に限定されないが、600〜20,000が好ましく、900〜10,000が特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の硬化物は、良好な機械強度を有する。
(B)成分の粘度は特に限定されない。取扱作業性の観点から、25℃における粘度が0.001〜1,000,000cP(センチポイズ)であることが好ましく、さらに好ましくは、0.001〜50,000cPである。粘度が1,000,000cP超だと成形性に劣ることがあるが、加温して粘度を下げる処置をすることもできる。
(B)成分はH−Si基を必ず有し、その含有量は特に限定されない。0.1〜5.0mmol/gが好ましく、0.5〜3.0mmol/gが特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物は良好な成形性を有する。ここで、H−Si基の含有量は、核磁気共鳴装置を用いて(B)成分のH−NMRスペクトルを、内部標準装置を用いて測定し、算出することができる。
(B)成分におけるHO−Si基の含有量は、特に限定されない。0.5〜5.0mmol/gが好ましく、1.0〜3.5mmol/gが特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の硬化物中に気泡が生じ難い。ここで、HO−Si基の含有量は、核磁気共鳴装置を用いて(B)成分の29Si−NMRスペクトルとH−NMRスペクトルを測定し、これらを相補的に組み合わせて用いて算出することができる。
<(C)成分>
(C)成分は、ヒドロシリル化触媒であり、(A)成分中のCH=CH−Si基と(B)成分中のH−Si基との付加硬化反応(ヒドロシリル化反応)を促進するために配合される。(C)成分は、ヒドロシリル化反応を促進させる各種の触媒を用いることができる。(C)成分は、一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。(C)成分としては、例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒およびパラジウム系触媒などが挙げられる。中でも、封止材の透明性を高くすることができるため、白金系触媒が好ましい。
この白金系触媒としては、白金粉末、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金−アルケニルシロキサン錯体、白金−カルボニル錯体などが挙げられる。白金−カルボニルビニルメチル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(カーステッド触媒)、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド錯体、白金−ホスフィン錯体、ジカルボニルジクロロ白金などが挙げられる。中でも、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(カーステッド触媒)、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体などが好ましい。
<(A)成分、(B)成分および(C)成分の配合量>
本発明の組成物における(A)成分と(B)成分の配合比は、特に限定されない。(A)成分中のCH=CH−Si基と、(B)成分中のH−Si基のモル比を基準として配合することが好ましい。具体的には、(A)成分中のCH=CH−Si基のモル数:(B)成分中のH−Si基のモル数の比が、1:4〜1:1の範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物は良好な成形性を示し、また、良好な耐熱透明性を示す。
本発明の組成物における(C)成分の配合量は、特に限定されない。(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計質量に基づいて、(C)成分中の白金系、ロジウム系、またはパラジウム系の金属原子が、質量単位で0.003〜10.0ppmであることが好ましく、0.003〜5.0ppmであることが特に好ましい。この範囲内であれば、本発明の組成物は良好な硬化反応性を示し、また、本発明の硬化物は良好な耐熱透明性を示す。この範囲内においても、(C)成分の配合量が少ないほど耐熱透明性に優れる傾向があることから、(C)成分の配合量が少ないほど好ましい。
<その他の成分>
本発明の組成物には、(A)〜(C)成分に加えて、当該組成物の保存安定性・取扱作業性の向上、硬化過程でのヒドロシリル化反応性を調整することを目的として、硬化遅延剤を配合してもよい。本発明の組成物は、比較的低温で硬化物とすることができるため、熱に弱い光半導体部材への塗布・封止に好適に採用することができる。一方で、塗布・封止の作業環境によっては、組成物の保存経時安定性や取扱作業性の観点から、硬化速度を調整するために硬化遅延剤を配合することが好ましいこともある。硬化遅延剤の種類としては、上記(C)成分に対して硬化遅延効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることもできる。例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、窒素含有化合物、有機硫黄化合物、有機過酸化物などが挙げられる。これらの化合物は単種類を用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、具体的には2−メチル−3−ブチン−2−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールなどのプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチルなどのマレイン酸エステル類などが挙げられる。
有機リン化合物としては、具体的にはトリオルガノホスフィン類、ジオルガノホスフィン類、オルガノホスフォン類、トリオルガノホスファイト類などが挙げられる。
窒素含有化合物としては、具体的にはN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミンなどのN,N,N’,N’−四置換アルキレンジアミン類、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミンなどのN,N−二置換アルキレンジアミン類、トリブチルアミンなどの三置換アミン、ベンゾトリアゾール、2,2’−ビピリジンなどが挙げられる。
有機硫黄化合物としては、具体的にはオルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイドなどが挙げられる。
有機過酸化物としては、具体的にはジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、過安息香酸tert−ブチルなどが挙げられる。
これらの硬化遅延剤の中でも、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、窒素含有化合物が好ましく、マレイン酸エステル類、プロパギルアルコール類、N,N,N’,N’−四置換アルキレンジアミン類が好ましく、マレイン酸ジメチル、2−メチル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンが特に好ましい。
これらの硬化遅延剤の配合量は、特に限定されない。本発明の組成物に含有される(C)成分中の白金原子1当量に対して、硬化遅延剤を20〜200当量配合させてもよい。硬化遅延剤による硬化遅延効果の度合は、その硬化遅延剤の化学構造によって異なる。したがって、使用する硬化遅延剤の種類によって、その配合量を最適な量に調整することが好ましい。最適な量の硬化遅延剤を添加することにより、組成物は室温での長期貯蔵安定性及び加熱硬化性に優れたものとなる。
本発明の組成物には、その接着性を向上させることを目的として、接着付与剤をさらに配合してもよい。この接着付与剤としては、シランカップリング剤やその加水分解縮合物等が例示される。シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤等公知のものが例示される。
この接着付与剤の配合量は、特に限定されない。本発明の組成物の合計質量に対して、1〜20質量%であってもよく、5〜15質量%が好ましい。
硬化物の着色、酸化劣化などの発生を抑えるために、本発明の組成物に酸化防止剤をさらに配合してもよい。このような酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などが挙げられる。より具体的には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
この酸化防止剤の配合量は、本発明の硬化物の透明性などの特徴を損なわない範囲で、かつ酸化防止剤としての有効量であれば特に限定されない。本発明の組成物の合計質量に対して、0.1〜1,000ppmであってもよく、10〜500ppmが好ましい。この範囲内であれば、酸化防止能力が十分発揮され、着色、白濁、酸化劣化などの発生がなく工学的特性に優れた硬化物を得ることができる。
太陽光線、蛍光灯などの光エネルギーによる光劣化に抵抗性を付与するために、本発明の組成物に光安定剤をさらに配合してもよい。この光安定剤としては、光酸化劣化で生成するラジカルを捕捉するヒンダードアミン系安定剤が好適に用いられ、前述の酸化防止剤と併用することで、酸化防止効果をより向上させることもできる。この光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、アデカスタブLA−77Y(株式会社ADEKA製)、アデカスタブLA−52(株式会社ADEKA製)などが挙げられる。
この光安定剤の配合量は、本発明の硬化物の透明性などの特徴を損なわない範囲で、かつ光安定剤としての有効量であれば特に限定されない。本発明の組成物の合計質量に対して、0.01〜5.0質量%であってもよく、0.05〜0.5質量%が好ましい。
本発明の組成物に、蛍光体をさらに配合してもよい。この蛍光体の種類は特に限定されない。例えば、発光ダイオード(LED)に広く利用されている、酸化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体、窒化物系蛍光体、硫化物系蛍光体、酸硫化物系蛍光体などからなる黄色、赤色、緑色、青色発光蛍光体が挙げられる。
酸化物系蛍光体としては、セリウムイオンを包含するイットリウム、アルミニウム、ガーネット系のYAG系緑色〜黄色発光蛍光体、セリウムイオンを包含するテルビウム、アルミニウム、ガーネット系のTAG系黄色発光蛍光体、セリウムやユーロピウムイオンを包含するシリケート系緑色〜黄色発光蛍光体などが挙げられる。
酸窒化物蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するケイ素、アルミニウム、酸素、窒素系のサイアロン系赤色〜緑色発光蛍光体などが挙げられる。
窒化物系蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するカルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、ケイ素、窒素系のカズン系赤色発光蛍光体などが挙げられる。
硫化物系としては、銅イオンやアルミニウムイオンを包含するZnS系緑色発色蛍光体などが挙げられる。
酸硫化物系蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するYS系赤色発光蛍光体などが挙げられる。
これらの蛍光体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
この蛍光体の配合量は、特に限定されない。本発明の組成物の合計質量に対して、10〜70質量%であってもよく、20〜50質量%が好ましい。
本発明の組成物には、その硬化物における光学的特性や作業性、機械的特性、物理化学的特性を向上させることを目的として、無機粒子をさらに配合してもよい。
配合する無機粒子の種類は目的に応じて選択すればよく、また、単種類を配合してもよく、複数種類を組み合わせて配合してもよい。また、分散性を改善するために、無機粒子はシランカップリング剤などの表面処理剤で表面処理されていてもよい。
配合する無機粒子の種類としては、シリカ、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化イットリウムなどの無機酸化物粒子や、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウムなどの窒化物粒子や、炭素化合物粒子、ダイヤモンド粒子などが例示されるが、目的に応じて他の物質を選択することもでき、これらに限定されるものではない。
配合する無機粒子の形態は、紛体状、スラリー状等、目的に応じていかなる形態であってもよい。透明性を保つ必要がある場合には、本発明の硬化物と屈折率を同等としたり、水系・溶媒系の透明ゾルとして本発明の組成物に配合することが好ましい。
配合する無機粒子の平均粒径は特に限定されず、目的に応じた平均粒径のものが用いられる。通常、後述する蛍光体の粒子の1/10以下程度である。なお、粒子径は、SEM(走査型電子顕微鏡)観察により、粒子の短径および長径を測定し、(短径+長径)/2を計算して得られた値である。この作業を、SEM画像中の一定区画中の粒子について行い、得られた各々の粒子径の算術平均値を無機粒子の平均粒子径とする。
この無機粒子の配合量は、本発明の硬化物の耐熱透明性などの特徴を損なわない限り、任意である。無機粒子の配合量が少なすぎると所望の効果が得られなくなることがあり、多すぎると硬化物の耐熱透明性、密着性、透明性、成形性、硬度などの諸特性に悪影響を及ぼすことがある。本発明の組成物の合計質量に対して、1〜50質量%であってもよく、5〜35質量%が好ましい。
これらの他にも、本発明の組成物には、硬化物の透明性などの特徴を損なわない範囲で、離型剤、樹脂改質剤、着色剤、希釈剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、タレ防止剤などを配合してもよい。
<硬化性シリコーン樹脂組成物の調製方法>
本発明の組成物は、(A)成分、(B)成分および(C)成分、必要に応じてその他の成分を配合することで調製することができる。(A)成分、(B)成分、(C)成分、必要に応じて加えたその他の成分は混合により、実質的に均一に分散していることが好ましい。混合方法は特に限定されない。例えば、万能混練機、ニーダーなどの混合方法を採用することができる。また、(C)成分は予め(A)成分または(B)成分と混合させてもよい。また、安定に長期間貯蔵するために、(A)成分と(C)成分とを別々の容器に保存し、例えば(B)成分の一部と(C)成分とを含む第一組成物と、(B)成分の残部と(A)成分とを含む第二組成物を、それぞれ別の容器に保存しておき、使用直前に混合して本発明の組成物としてもよい。このようにして調製した本発明の組成物はそのまま使用に供してもよいし、減圧で脱泡してから使用に供してもよい。
[硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物]
本発明の硬化物は、本発明の組成物を硬化してなる。
本発明の硬化物は、半導体装置用の封止材として利用することができ、中でも光半導体装置用、パワー半導体装置用の封止材として好適である。光半導体装置用の封止材としては、LED用光学部材の封止材や半導体レーザー用光学部材の封止材などとして好適に利用することができ、中でも、LED用光学部材の封止材として特に好適である。
一般的に、光半導体装置は各種の技術によりその光取り出し効率が高められているが、光半導体素子の封止材の透明度が低いと、当該封止材が光を吸収してしまい、これを用いた光半導体装置の光取り出し効率が低下する。その結果、高輝度な光半導体装置製品を得にくくなる傾向にある。さらに、光取り出し効率が低下した分のエネルギーは熱に変わり、光半導体装置の熱劣化の原因となるため好ましくない。
本発明の硬化物は透明性に優れる。具体的には、本発明の硬化物は、通常300nm以上、好ましくは350nm以上、また、通常900nm以下、好ましくは500nm以下の領域の波長において良好な光線透過率を有する。したがって、この領域に発光波長を有する光半導体装置に、本発明の硬化物を上記の封止材として用いれば、高輝度な光半導体装置を得られるため好ましい。なお、このことは、上記の領域外に発光波長を有する光半導体装置に、本発明の硬化物を封止材として用いることを妨げない。なお、上記の光線透過率は、紫外/可視分光光度計による透過率測定によって測定することができる。
また、本発明の硬化物は耐熱透明性に優れる。すなわち、本発明の硬化物は、高温条件下に長期間放置した場合でも、所定の波長を有する光における透過率が変動しにくい性質を有する。具体的には、本発明の硬化物は、200℃で100時間放置した前後において、通常300nm以上、好ましくは350nm以上、また、通常900nm以下、好ましくは500nm以下の領域の波長の光に対する透過率は良好な維持率を有する。したがって、この領域に発光波長を有する光半導体装置に、本発明の硬化物を封止材として用いれば、高輝度な光半導体装置を得られ、かつ、熱劣化しにくいため好ましい。なお、このことは、上記の領域外に発光波長を有する光半導体装置に、本発明の硬化物を封止材として用いることを妨げない。なお、透過率の変動比は、紫外/可視分光光度計による透過率測定によって測定することができる。
本発明の硬化物を製造する方法は、本発明の組成物を硬化させることであり、それ以外の条件等は特に限定されない。この硬化は、本発明の組成物を加熱することで行ってもよく、45〜300℃で加熱してもよく、60〜200℃で加熱することが好ましい。この範囲内であれば、得られる硬化物に粘着性や発泡が観測され難く、実用的である。加熱時間は、特に限定されないが、0.5時間〜12時間程度であってもよく、1時間〜10時間程度が好ましい。加熱時間が0.5時間以上であれば、硬化が充分に進行するが、LED封止用など精度が要求される場合は、硬化時間を長めにすることが好ましい。
本発明の硬化物は、本発明の組成物を成形して得られる硬化物であってもよい。この成形方法は、特に限定されない。所望の部位に本発明の組成物を注入、滴下、流延、注型、容器からの押出しなどの方法により、またはトランスファー成形や射出成形による一体成形によって、LEDのような封止対象物と組み合わせ、加熱することで、該組成物を硬化させて硬化物とし、該封止対象物を封止することができる。
[封止材]
本発明の硬化物は、半導体装置用の封止材として用いることができ、特に光半導体装置用、パワー半導体装置用などの封止材として好適である。本発明の硬化物からなる封止材は、上述のように耐熱透明性に優れる。また、通常従来の付加硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物と同様に、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れる。
[光半導体装置]
本発明の光半導体装置は、光半導体素子を少なくとも備える光半導体装置であって、本発明の硬化物によって該光半導体素子が少なくとも封止されてなる。本発明の光半導体装置におけるその他の構成は特に限定されず、光半導体素子のほかにも部材を備えていてもよい。そのような部材の一例としては、例えば、ベース基板、引き出し配線、ワイヤー配線、制御素子、絶縁基板、反射材、ヒートシンク、導電部材、ダイボンド材、ボンディングパッドなどが挙げられる。また、光半導体素子に加えて、部材の一部または全部が、本発明の硬化物で封止されていてもよい。
本発明の光半導体装置としては、具体的には、発光ダイオード(LED)装置、半導体レーザー装置およびフォトカプラなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の光半導体装置は、例えば、液晶ディスプレイなどのバックライト、照明、各種センサー、プリンターおよびコピー機などの光源、車両用計測器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライトならびにスイッチング素子などに好適に用いられる。
本発明の光半導体装置の一例を図1に示す。図1に例示するように、光半導体装置10は、封止材1と、光半導体素子2と、ボンディングワイヤー3とを光半導体基板6上に少なくとも備える。光半導体基板6は、リードフレーム5からなる底面と、反射材4からなる内周側面とから構成される凹部を有する。
光半導体素子2は、リードフレーム5上に、ダイボンド材(図示せず)を用いて接続されている。光半導体素子2に備えられたボンディングパッド(図示せず)とリードフレーム5とは、ボンディングワイヤー3により電気的に接続されている。反射材4は、光半導体素子2からの光を所定方向に反射させる作用を有する。光半導体基板6が有する上記凹部の領域内には、光半導体素子2を少なくとも封止するように封止材1が充填されている。このとき、ボンディングワイヤー3をも封止するように、封止材1が充填されていてもよい。封止材1は、本発明の硬化物からなる。封止材1の内部には、前述の蛍光体(図示せず)が含まれていてもよい。封止材1により、湿気、塵埃などから光半導体素子2を保護し、長期間に渡って信頼性を維持することができる。さらに、封止材1がボンディングワイヤー3をも封止することで、同時に、ボンディングワイヤー3が外れたり、切断したり、短絡したりすることによって生じる電気的な不具合を防止することができる。
本発明の硬化物は、後述するように、半導体用接着剤として用いることができる。したがって、上述のダイボンド材などとして採用することもできる。
光半導体装置10において、本発明の硬化物からなる封止材1によって封止される光半導体素子2としては、例えばLED、半導体レーザー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、CCD(電荷結合素子)などが挙げられる。なお、図1に示す構造は、本発明の光半導体装置の一例にすぎず、反射材の構造、リードフレームの構造、光半導体素子の実装構造などは適宜変形され得る。
図1で示される光半導体装置10を製造する方法は、特に限定されない。例えば、反射材4を備えたリードフレーム5に光半導体素子2をダイボンドし、この光半導体素子2とリードフレーム5とをボンディングワイヤー3によりワイヤーボンドし、次いで、光半導体素子の周囲に設けられた反射材の内側(リードフレームと反射材からなる凹部)に本発明の組成物を充填した後、50〜250℃で加熱することにより硬化させて封止材1とする方法が挙げられる。
[半導体装置用接着剤]
本発明の組成物は、良好な密着性を有するため、半導体装置用接着剤として用いることができる。具体的には、例えば、半導体素子とパッケージを接着する場合、半導体素子とサブマウントを接着する場合、パッケージ構成要素同士を接着する場合、半導体装置と外部光学部材とを接着する場合などに、本発明の組成物を塗布、印刷、ポッティングなどすることにより用いることができる。本発明の組成物は耐熱性に優れるため、長時間高温や紫外光にさらされる高出力の光半導体装置用接着剤として用いた場合、長期使用に耐え得る高い信頼性を有する光半導体装置を提供することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
後述の合成例で合成したシリコーン樹脂の物性評価は、以下に示す方法で行った。
<官能基(H−Si基、CH=CH−Si基)の定量>
6mLのサンプル管に合成したシリコーン樹脂を100〜150mg秤量し、0.8mLの重ジクロロメタンを加え、該シリコーン化合物を溶解させた。その溶液に5.0μL(0.0704mmol)のジメチルスルホキシドをマイクロシリンジで添加し、サンプル管を閉じ、溶液を攪拌して均一にして測定試料とした。その試料をH−NMRで測定し、ジメチルスルホキシドのプロトンと、官能基(H−Si基またはCH=CH−Si基)のプロトンとの比を算出して、測定試料中の官能基のモル数を決定した。次いで、以下の式に従って、測定試料1g中の官能基の含有量を算出した:
シリコーン樹脂中の官能基のモル数(mmol)/測定試料量(mg)×1000=測定試料1g中の官能基量(mmol/g)。
なお、シリコーン樹脂のH−NMR測定には、共鳴周波数400MHzの核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、型番:ECA−400)を使用した。シリコーン樹脂中の各官能基のケミカルシフトを以下に示す:
Me−Si:0.0〜0.5ppm(3H)、
H−Si:4.0〜5.0ppm(1H)、
CH=CH−Si:5.5〜6.5ppm(3H)、
Ph−Si:7.0〜8.0ppm(5H)。
<Si−OH基の定量>
シリコーン樹脂200mgに、0.5mLの重クロロホルムを加えて溶解させ、緩和剤としてクロム(III)アセチルアセトナート錯体を10mg加えた。これにより調製した溶液を29Si−NMRで測定した。検出したシグナルを、表1に示すように、ピーク(a)〜(p)に分類し、それぞれのピークの積分値を全積分値の和から百分率(積分比)として算出した。なお、シリコーン樹脂の29Si−NMR測定には、共鳴周波数400MHzの核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、型番:JNM−AL400)を使用した。
Figure 2017066369
HO−Si基の含有量(mmol/g)は、上述の方法で算出した積分比から以下の式に従って決定した:
[A]= ピーク(a)積分比+2×ピーク(c)積分比+ピーク(d)積分比+2×ピーク(f)積分比+ピーク(g)積分比+2×ピーク(n)積分比+ピーク(o)積分比、
[B]=ピーク(a)積分比×83.16+ピーク(b)積分比×74.15+ピーク(c)積分比×147.2+ピーク(d)積分比×138.2+ピーク(e)積分比×129.2+ピーク(f)積分比×78.10+ピーク(g)積分比×69.09+ピーク(h)積分比×60.08+ピーク(i)積分比×67.16+ピーク(j)積分比×97.15+ピーク(k)積分比×88.14+ピーク(l)積分比×79.13、
HO−Si基の含有量(mmol/g)=([A]/[B])×1000。
<質量平均分子量(Mw)の測定>
合成したシリコーン樹脂の質量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲル浸透クロマトグラフィー(略称:GPC)法により、ポリスチレンを基準物質として検量線を作成して値を算出した:
装置:HLC−8320GPC(商品名;東ソー株式会社製)、
カラム:TSK gel SuperHZ 2000x4, 3000x2(商品名;東ソー株式会社製)、
溶離液:テトラヒドロフラン。
<粘度の測定>
合成したシリコーン樹脂の粘度は、回転粘度計(ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ・インク製、品名:DV−II+PRO)と温度制御ユニット(ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ・インク製、品名:THERMOSEL)を使用し、25℃において測定した。なお、後述のシリコーン樹脂1−3および1−5の粘度は、50℃において測定した。
<屈折率の測定>
屈折率計(京都電子工業株式会社製、型式:RA−600)を使用して、合成したシリコーン樹脂の屈折率を測定した。
<合成例1:シリコーン樹脂(A)>
[合成例1−1]
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で被覆された攪拌子を備えた、500mLのナスフラスコに、178.46g(900mmol)のPh−Si(OMe)、108.20g(900mmol)のMe−Si(OMe)、17.79g(120mmol)のCH=CH−Si(OMe)を採取した。
次いで、トルエン(240g)、2−プロパノール(120g)、水(92g)をナスフラスコ内に加え、フラスコ内を40℃に加温したのち、1.48g(9.72mmol)のDBUを加えた。40℃のまま4時間撹拌し、反応を行った。その後、反応液を室温に戻し、2Lの分液ロートに移した。分液ロートに、3質量%塩酸900gを加え撹拌した後、二層分離した反応液の上層側有機層を回収した。同様の操作を3回繰り返した後、水900mLを用いて洗浄した。エバポレーターにて、有機層よりトルエンを減圧留去したところ、無色の粘性液体としてシリコーン樹脂(1−1)を192g得た。
シリコーン樹脂(1−1)の質量平均分子量(Mw)は7,100であり、屈折率は1.5115であり、粘度は520,000cPであり、CH=CH−Si基の含有量は0.62mmol/gであり、HO−Si基の含有量は1.4mmol/gであった。
[合成例1−2]
DBU(1.48g,9.72mmol)の代わりに12N塩酸(0.81mL)を用いた以外は実施例1と同様の操作により反応を行って、反応液を得た。この反応液を室温に戻し、1L−分液ロートに移した。二層分離した反応液の上層側有機層を回収し、該有機層を水(300mL)で洗浄した。エバポレーターにて、洗浄後の有機層からトルエンを減圧留去して、無色の粘性液体としてシリコーン樹脂(1−2)を183.76g得た。
シリコーン樹脂(1−2)の質量平均分子量(Mw)は860であり、屈折率は1.5019であり、粘度は2,900cPであり、CH=CH−Si基の含有量は0.73mmol/gであり、HO−Si基の含有量は7.8mmol/gであった。
[合成例1−3]
12N塩酸(0.81mL)の代わりに水酸化ナトリウム(0.39g,9.75mmol)を用いた以外は合成例1−2と同様の操作を行った。その結果、無色の粘性液体としてシリコーン樹脂(1−3)を135.9g得た。
シリコーン樹脂(1−3)の質量平均分子量(Mw)は3,600であり、屈折率は1.5110であり、粘度は360,000cPであり、CH=CH−Si基の含有量は0.59mmol/gであり、HO−Si基の含有量は1.4mmol/gであった。
[合成例1−4]
12N塩酸(0.81mL)の代わりにトリエチルアミン(NEt)(984mg,9.72mmol)を用いた以外は合成例1−2と同様の操作を行った。その結果、無色の粘性液体としてシリコーン樹脂(1−4)を191.15g得た。
シリコーン樹脂(1−4)の質量平均分子量(Mw)は1,000であり、屈折率は1.5000であり、粘度は2,500cPであり、CH=CH−Si基の含有量は0.74mmol/gであり、HO−Si基の含有量は10.0mmol/gであった。
[合成例1−5]
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で被覆された攪拌子を備えた、500mLのナスフラスコに、59.49g(300mmol)のPh−Si(OMe)、36.07g(300mmol)のMe−Si(OMe)、5.93g(40mmol)のCH=CH−Si(OMe)を採取した。
次いで、トルエン(100g)、2−プロパノール(500g)、水(30.65g)をナスフラスコ内に加え、フラスコ内を40℃に加温したのち、493mg(3.24mmol)のDBUを加えた。40℃のまま4時間撹拌し、反応を行った。その後、反応液を室温に戻し、1Lの分液ロートに移した。分液ロートに、3質量%塩酸300gを加え撹拌した後、二層分離した反応液の上層側有機層を回収した。同様の操作を3回繰り返した後、水300mLを用いて洗浄した。エバポレーターにて、有機層よりトルエンを減圧留去したところ、無色の粘性液体としてシリコーン樹脂(1−5)を61.52g得た。
シリコーン樹脂(1−5)の質量平均分子量(Mw)は4,000であり、屈折率は1.5104であり、粘度は310,000cPであり、CH=CH−Si基の含有量は0.60mmol/gであり、HO−Si基の含有量は1.1mmol/gであった。
<合成例2>
[合成例2−1]
フッ素樹脂製の撹拌翼、ジムロート型還流器を具備した容積2Lの3口フラスコに、120.2g(1.0mol)のMeSi(OMe)、198.3g(1.0mol)のPhSi(OMe)を採取した。次いで、239.6gの2−プロパノール、185.0gの水および0.12gの酢酸を該フラスコ内に加えて、該フラスコ内を6時間、連続的に100℃にて加温し、反応を行った。その後、反応液を室温に戻し、2Lの分液ロートに移し、400mLのトルエンおよび400mLの水を加え、分液操作を行った後、水層を除去した。次いで400mLの水により有機層の洗浄操作を2回行った。その後、有機層を回収し、エバポレーターにて、トルエンを減圧留去し、無色の粘性液体としてシリコーン樹脂(2−1)を160.8g得た。
シリコーン樹脂(2−1)の質量平均分子量(Mw)は1,200であり、組成比は(MeSiO2/20.49(PhSiO3/20.51であり、HO−Si基の含有量は6.1mmol/g(9.0質量%)であった。
[合成例2−2]
フッ素樹脂製の撹拌翼、ディーンスターク、ジムロート型還流器を具備した2L−4ツ口フラスコに、合成例2−1と同じ操作を繰り返して調製したシリコーン樹脂1,000gを採取した。次いで、250gのトルエンを加えて、該フラスコ内を24時間、連続的に130℃にて加温し、加水分解および縮合反応を行った。その後、反応液を室温に戻し、トルエンを含むシリコーン樹脂(2−2)を調製した。
シリコーン樹脂(2−2)の質量平均分子量(Mw)は3,400であり、組成比は(MeSiO2/20.49(PhSiO3/20.51であり、HO−Si基の含有量は4.9mmol/g(7.5質量%)であり、トルエン含有量は11.4質量%であった。
[合成例2−3]
130.00gのシリコーン樹脂(2−2)、288.91gのトルエン、103.36gのメタノール、10.25gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンおよび0.24mLの70%濃硝酸をフラスコ内に加え、室温で攪拌を行った。4時間後、分液ロートに反応溶液を移し、310gの水を加え、抽出操作をした後、有機層を回収した。同様の操作を4回繰り返すことにより、有機層を洗浄した。エバポレーターにより有機層からトルエンを留去した後、150℃、1時間の加熱による減圧留去を行った後、170℃、1時間の加熱による減圧留去を2回行い、無色透明な粘性液体としてシリコーン樹脂(2−3)を105.5g得た。
シリコーン樹脂(2−3)の質量平均分子量(Mw)は4,000であり、粘度は1,700cPであり、組成比は(MeSiO2/20.36(PhSiO3/20.46(H(Me)SiO1/20.18であり、H−Si基の含有量は1.58mmol/gであり、HO−Si基の含有量は2.4mmol/g(4.0質量%)であった。
シリコーン樹脂(1−1)〜(1−5)およびシリコーン樹脂(2−1)〜(2−3)における各物性値(H−Si基またはCH=CH−Si基の含有量、HO−Si基の含有量、質量平均分子量、屈折率および粘度)について、表2に示す。表2中、Vi−Si基はCH=CH−Si基を表し、「―」は未測定であることを表す。
Figure 2017066369
[実施例1〜2および比較例1〜3]
合成したシリコーン樹脂(1−1)〜(1−5)とシリコーン樹脂(2−3)とを、CH=CH−Si基とH−Si基のモル比が1:2となるように配合したものに対し、ヒドロシリル化触媒として白金触媒を混合して硬化性組成物(組成物1〜2および比較用組成物1〜3)をそれぞれ調製した。ここで、白金触媒としては、硬化性組成物全体量に対して、白金原子の含有量が質量単位で1ppmとなるように白金(0)−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体を用いた。調製した硬化性組成物についてまとめたものを表3に示す。
Figure 2017066369
調製した硬化性組成物から得られる硬化物の物性は、以下に示す方法に従って評価した。その結果を表4に示す。
[硬化物の接着強度]
調製した硬化性組成物と、直径50μmのジルコニアボールとを混合したものを、ガラス基板(50mm×50mm×3.0mm)またはアルミナ基板(50mm×50mm×2.0mm)の上にポッティングし、ガラスチップ(5.0mm×5.0mm×1.1mm)をポッティングした該組成物上に置き、挟みこんだ状態で空気中90℃で1時間加熱し、さらに150℃で4時間加熱して前記硬化性組成物を硬化させて検体を作製した。同様にして計10個の検体を作製した。各検体の接着力(接着強度)をボンドテスター(デイジ・ジャパン株式会社製、型式:Dage4000Plus)により測定し、10検体の接着力の平均値を算出した。
[硬化時の発泡、クラック、硬化物のタック性]
調製した硬化性組成物1gをガラスモールドレンズ(22mmφ)に薄く広げ、空気中90℃で1時間加熱し、さらに150℃で4時間加熱して硬化物を作製した。作製した硬化物を25℃に自然冷却した。同様にして、各組成物につき3個の硬化物を作製し、これらを試験体とした。これらの試験体について、硬化時の発泡、クラック、および硬化物のタック性を以下のように評価した。
発泡: 試験体の外観を目視で確認し、全ての試験体において、透明で、発泡が観測されない状態を「○」、いずれかの試験体に泡が観測される状態を「×」と評価した。
クラック: 全ての試験体において、硬化物にクラックが存在していない状態を「○」、いずれかの試験体にクラックが存在している状態を「×」と評価した。
タック性: 試験体の表面にガラス棒を押し当て、べたつきの全くないものを「◎」、べたつきがほとんどないものを「○」、べたつきがあるものを「△」、接着を伴うべたつきがあるものを「×」と評価した。
[弾性率、破断点応力、破断点ひずみ]
調製した硬化性組成物を型(90mm×90mm×2mm)に流し込み、空気中90℃で1時間加熱し、さらに150℃で4時間加熱して板状硬化物を作製した。JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、この板状硬化物からダンベル状8号形試験片を打ち抜き成形した。この試験片の弾性率、破断点応力、破断点ひずみを、JIS K 6251に規定の方法に準じて測定した。
[硬化物の硬度(ショア硬度)]
調製した硬化性組成物を型(25mmφ)に流し込み、空気中90℃で1時間加熱し、さらに150℃で4時間加熱して厚さが6〜7mmの硬化物を作製した。この硬化物のショア硬度を、デュロメーター(株式会社テクロック製、型式:GS−719R、GS−720R)を用いて、JIS K 7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法」に規定の方法に準じて測定した。
Figure 2017066369
表3に示されるように、実施例1〜2および比較例1〜3の全てにおいて、硬化物の発泡、クラックは確認されなかったが、比較例1〜3では硬化物のタック性が観測された。実施例1の硬化物は特にタック性のない良好なものだった。
弾性率、破断点応力は実施例1が最も高い値が得られた。比較例1および3では硬化物が非常にもろく、弾性率、破断点応力、破断点ひずみは測定することができなかった。ショア硬度は実施例1〜2および比較例1〜3において、実施例1で最も硬い硬化物が得られた。
以上のことから、実施例1で得られた硬化物は、発泡、クラックは観測されず、タック性もなく、さらに機械的強度に優れる結果となった。
1…封止材、 2…光半導体素子、 3…ボンディングワイヤー、 4…反射材、 5…リードフレーム、 6…光半導体基板、 10…光半導体装置。

Claims (22)

  1. 下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも含む、硬化性シリコーン樹脂組成物。
    (A)成分: 下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合することで得られる、質量平均分子量が3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂、
    Figure 2017066369
    (一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
    (B)成分: H−Si基を有する第2のシリコーン樹脂、
    (C)成分: ヒドロシリル化触媒。
  2. 第1のアルコキシシラン組成物が、下記一般式[4]で表されるテトラアルコキシシランをさらに含む、請求項1に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
    Figure 2017066369
    (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
  3. 第1のアルコキシシラン組成物において、一般式[1]で表されるトリアルコキシシランおよび一般式[2]で表されるジアルコキシシランのモル比が85:15〜15:85であり、一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランの配合量が、該トリアルコキシシランおよび該ジアルコキシシランの総量100モルに対し、1〜40モルである、請求項1または2に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  4. 第1のアルコキシシラン組成物の加水分解重縮合を、pKa(20℃、水中)が9以上である塩基性有機化合物の存在下で行う、請求項1〜3の何れかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  5. 塩基性有機化合物が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、グアニジン、テトラメチルグアニジン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンおよび1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項4に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  6. (B)成分が、下記(B−1)成分である、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
    (B−1)成分:
    下記一般式[5]で表されるトリアルコキシシランおよび一般式[6]で表されるジアルコキシシランを少なくとも含む第2のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合することで得られる、HO−Si基を有する加水分解重縮合物と、
    下記一般式[8−1]、[8−2]、[8−3]または[8−4]で表されるシラン化合物の少なくとも一種とを反応させて得られる、Si−H基を有するシリコーン樹脂。
    Figure 2017066369
    (一般式[5]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[6]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、R10は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
    Figure 2017066369
    (式中、R12は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R13は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
  7. 第2のアルコキシシラン組成物が、下記一般式[7]で表されるテトラアルコキシシランをさらに含む、請求項6に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
    Figure 2017066369
    (式中、R11は炭素数1〜3のアルキル基である。)
  8. 第2のアルコキシシラン組成物において、一般式[5]で表されるトリアルコキシシランおよび一般式[6]で表されるジアルコキシシランのモル比が、85:15〜15:85である、請求項6または7に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  9. (B)成分が、下記(B−2)成分である、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
    (B−2)成分: H−Si基を有する環状シロキサン。
  10. (B)成分が、下記(B−3)成分である、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
    (B−3)成分: 下記一般式[9]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[10]で表されるジアルコキシヒドロシランを少なくとも含む第3のアルコキシシラン組成物を加水分解縮合させて得られる、Si−H基を有するシリコーン樹脂。
    Figure 2017066369
    (一般式[9]中、R14は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、2つのR14は互いに同じまたは異なる種類であってもよく、R15は炭素数1〜3のアルキル基を表し、2つのR15は互いに同じまたは異なる種類であってもよく、一般式[10]中、R16は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、R17は炭素数1〜3のアルキル基を表し、2つのR17は互いに同じまたは異なる種類であってもよい。)
  11. 硬化遅延剤、接着付与剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光体、無機粒子、離型剤、樹脂改質剤、着色剤、希釈剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤およびタレ防止剤からなる群より選ばれる少なくとも一種をさらに含む、請求項1〜10の何れかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載の硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化してなる、硬化物。
  13. 光半導体素子と、
    該光半導体素子を封止するように設けられた請求項12に記載の硬化物とを少なくとも備える、光半導体装置。
  14. 下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合することで得られる、質量平均分子量が3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂。
    Figure 2017066369
    (一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
  15. 第1のアルコキシシラン組成物の加水分解重縮合を、pKa(20℃、水中)が9以上である塩基性有機化合物の存在下で行う、請求項14に記載の第1のシリコーン樹脂。
  16. 下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合して、質量平均分子量が3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂を製造する方法。
    Figure 2017066369
    (一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
  17. 第1のアルコキシシラン組成物が、下記一般式[4]で表されるテトラアルコキシシランをさらに含む、請求項16に記載の方法。
    Figure 2017066369
    (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
  18. 第1のアルコキシシラン組成物において、一般式[1]で表されるトリアルコキシシランおよび一般式[2]で表されるジアルコキシシランのモル比が85:15〜15:85であり、一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランの配合量が、該トリアルコキシシランおよび該ジアルコキシシランの総量100モルに対し、1〜40モルである、請求項16または17に記載の方法。
  19. 第1のアルコキシシラン組成物の加水分解重縮合を、pKa(20℃、水中)が9以上である塩基性有機化合物の存在下で行う、請求項16〜18の何れかに記載の方法。
  20. 塩基性有機化合物が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、グアニジン、テトラメチルグアニジン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンおよび1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項19に記載の方法。
  21. 下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも配合して、硬化性シリコーン樹脂組成物を製造する方法。
    (A)成分: 下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を加水分解重縮合することで得られる、質量平均分子量が3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂、
    Figure 2017066369
    (一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
    (B)成分: H−Si基を有する第2のシリコーン樹脂、
    (C)成分: ヒドロシリル化触媒。
  22. 下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を少なくとも配合して、硬化性シリコーン樹脂組成物を製造する方法。
    (A)成分: 下記一般式[1]で表されるトリアルコキシシラン、一般式[2]で表されるジアルコキシシランおよび一般式[3]で表されるビニルトリアルコキシシランを少なくとも含む第1のアルコキシシラン組成物を、
    1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、グアニジン、テトラメチルグアニジン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンおよび1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]−5−デセンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、塩基性有機化合物の存在下で、
    加水分解重縮合することで得られる、質量平均分子量が3,800〜20,000である、第1のシリコーン樹脂、
    Figure 2017066369
    (一般式[1]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[2]中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、一般式[3]中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
    (B)成分: H−Si基を有する第2のシリコーン樹脂、
    (C)成分: ヒドロシリル化触媒。
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