JP2017066011A - 酸化物皮膜形成用材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた性能を有する皮膜を均一に形成することができ、しかも安価に得ることができる皮膜形成用材料を得る。【解決手段】 Zn2+イオンを含み、Z2+イオン源として酢酸亜鉛を溶解させた水溶液に、中和当量未満のアルカリ水溶液を滴下して亜鉛酢酸水和物の沈殿物を生成させ、この沈殿物を回収する。このようにして得られる皮膜形成用材料は、これを含む溶液を基板面に付着させて焼成することにより、配向性多結晶構造を有する高品質・高性能の酸化物を得ることができ。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、太陽電池パネルの透明導電材、ZnO系透明導電材スパッタ膜形成用のシード層(スパッタ膜の下地層)、色素増感型太陽電池電極材、ガスセンサー、触媒などを構成する薄膜や厚膜を形成するための材料及びその製造方法に関する。
多結晶シリコンなどの太陽電池パネルは、太陽光から電気エネルギーを取り出す導電体(電極)として機能する透明導電膜を有している。従来、この種の透明導電膜の多くは、ITO(インジウム−スズ酸化物)、ATO(アンチモン−スズ酸化物)、GZO(ガリウム−亜鉛酸化物)、及びAZO(アルミニウム−亜鉛酸化物)などを材料とし、スパッタ法により製膜されるのが通常である(例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献1など)。
特開平7−84274号公報 特開2000−40429号公報
牧野久雄、外5名、「無機ナノシート上に成膜したGa添加ZnO薄膜の構造および電気特性」、第58回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集、社団法人応用物理学会、2011年、p.21-010
しかし、ITO系透明導電膜は、原料となるインジウムが高価であり、製造コストが高くなる。また、ITO系材料の代替材としてATO系材料やAZO系材料などが期待されているが、ATO系材料は着色が生じたり、電気抵抗が大きくなるなどの問題がある。また、GZO系材料やAZO系材料は、スパッタ法による製膜では皮膜の均一性を確保することが難しく、高品質な極薄膜が得られにくい難点があり、膜厚を厚くしないと十分な電気伝導性が得られない。このため従来では、透明導電材としてはITO系材料を用いるのが一般的である。
一方、酸化亜鉛粉末などをペーストやインクとして用いる印刷法などの湿式製膜法が知られており、特に印刷法による製膜技術は、ZnO系透明導電材スパッタ膜形成用のシード層(スパッタ膜の下地層)、色素増感型太陽電池電極材、ガスセンサー、触媒などを構成する薄膜や厚膜を形成するのに好適な技術であるといえる。しかし、従来の印刷法などの湿式製膜法は、スパッタ法のような真空系の装置が不要であるため、安価に製膜できる利点はあるものの、酸化亜鉛の導電性を改善するために、還元性の雰囲気中で焼成したり、焼成に高温を必要とするなどの問題があった。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、透明導電膜などとして利用できる高品質な酸化物皮膜を安価に製膜することができる酸化物皮膜形成用材料及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、特定の方法により沈殿物として得られる特定の水酸化物(亜鉛酢酸水和物)が、湿式製膜法による製膜用材料として好適であり、この製膜用材料を含む溶液を基板面に付着させて焼成することにより、導電性の良好な配向性多結晶構造を有する高品質の酸化物皮膜を安価に製膜できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]Zn2+イオン源として酢酸亜鉛を溶解させた、Zn2+イオンを含む酸性水溶液に、中和当量未満のアルカリ水溶液を滴下して亜鉛酢酸水和物の沈殿物を生成させ、該沈殿物を回収することを特徴とする酸化物皮膜形成用材料の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、酸性水溶液中のZn2+イオン量をm(モル)、該酸性水溶液に滴下するアルカリ水溶液中のOHイオン量をx(モル)とした時、下記(1)式を満足するように、酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下することを特徴とする酸化物皮膜形成用材料の製造方法。
0.2×2m≦x<0.9×2m …(1)
[3]上記[2]の製造方法において、下記(2)式を満足するように、酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下することを特徴とする酸化物皮膜形成用材料の製造方法。
0.3×2m≦x≦0.8×2m …(2)
[4]上記[2]の製造方法において、下記(3)式を満足するように、酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下することを特徴とする酸化物皮膜形成用材料の製造方法。
0.4×2m≦x≦0.8×2m …(3)
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、回収した沈殿物を乾燥し、粉体とすることを特徴とする酸化物皮膜形成用材料の製造方法。
[6]沈殿法により沈殿物として得られる亜鉛酢酸水和物であって、測定されるX線回折ピークがc値=39.2419±0.9361Åで特定されることを特徴とする酸化物皮膜形成用材料。
[7]上記[6]の酸化物皮膜形成用材料において、亜鉛酢酸水和物が短冊状の層状水酸化物であることを特徴とする酸化物皮膜形成用材料。
[8]上記[6]又は[7]の酸化物皮膜形成用材料において、亜鉛酢酸水和物が、ゲル状物質又は該ゲル状物質を乾燥させた粉体であることを特徴とする酸化物皮膜形成用材料。
[9]上記[6]〜[8]のいずれかの酸化物皮膜形成用材料を含む溶液を基板面に付着させた後、焼成することにより、基板面に配向性多結晶構造の亜鉛系酸化物皮膜を形成することを特徴とする酸化物皮膜の形成方法。
[10]上記[1]〜[5]のいずれかの製造方法により得られた酸化物皮膜形成用材料を含む溶液を基板面に付着させた後、焼成することにより、基板面に配向性多結晶構造の亜鉛系酸化物皮膜を形成することを特徴とする酸化物皮膜の形成方法。
[11]上記[9]又は[10]の形成方法において、酸化物皮膜形成用材料が、ゲル状物質又は該ゲル状物質を乾燥させた粉体であり、該材料を添加した溶液を用いることを特徴とする酸化物皮膜の形成方法。
本発明の酸化物皮膜形成用材料は、これを含む溶液を基板面に付着させて焼成することにより、配向性多結晶構造を有する高品質・高性能の酸化物皮膜を得ることができ、且つ製膜法は湿式法であるため、目的とする酸化物皮膜を安価に得ることがきる。
また、本発明の製造方法によれば、上記のような酸化物皮膜形成用材料を安定して効率的且つ低コストに製造することができる。
沈殿法により、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1Lに、OH濃度が0.1モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物である亜鉛酢酸水和物のXRDチャートと、XRDライブラリーデータにある亜鉛アルミ酢酸水和物(ZnAl(OH)(C・2.6HO))のXRDチャートと、XRDライブラリーデータにある塩基性酢酸亜鉛(Zn(OH)1.58(CHCOO)0.43・0.31HO)のXRDチャート 図1のXRDチャートの主ピーク付近の拡大図 図1にXRDチャートを示した亜鉛酢酸水和物のSEM写真 図1及び図3に示した亜鉛酢酸水和物を含む水溶液をガラス基板上にコーティングした後、焼成して得られた酸化物皮膜のSEM写真であり、図4(A)は、水溶液をディップコート法でコーティングして得られた酸化物皮膜のSEM写真、図4(B)は水溶液をバーコート法でコーティングして得られた酸化物皮膜のSEM写真 図1及び図3に示した亜鉛酢酸水和物を含む水溶液をガラス基板上にコーティングした後、焼成して得られた酸化物皮膜のXRDチャートであり、図5(A)は、水溶液をディップコート法でコーティングして得られた酸化物皮膜のXRDチャート、図5(B)は水溶液をバーコート法でコーティングして得られた酸化物皮膜のXRDチャート 沈殿法により、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1Lに、OH濃度が0.02〜0.22モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物のSEM写真 図6に示す沈殿物のうちの一部の沈殿物のXRDチャートであり、a)はZn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1LにOHイオン濃度が0.1モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物のXRDチャート、b)は同じくOHイオン濃度が0.18モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物のXRDチャート、c)は同じくOHイオン濃度が0.22モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物のXRDチャート 沈殿法により、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1Lにアルカリ水溶液(NaOH水溶液)1Lを滴下して沈殿物を得る場合において、滴下したアルカリ水溶液のOHイオン濃度とZn歩留まりとの関係を示すグラフ 沈殿法により、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1Lに、OHイオン濃度が0.04〜0.16モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物(亜鉛酢酸水和物)について、XRDチャートのピーク解析により格子定数のc値を求め、そのc値をNaOH水溶液のOHイオン濃度との関係を示すグラフ
本発明者は、太陽電池パネル用の透明導電膜などに好適な材料(皮膜形成用材料)を見出すべく検討を行った。この材料の製造に関しては、スパッタ法などの乾式法では実現困難な分子サイズでの高い均一性と結晶形状のコントロールを実現するため、湿式法について検討を行った。配向性多結晶体からなる皮膜は、一般的に多結晶体である酸化物バルク(厚膜材料を含む)において単結晶なみの特性発現が期待できると考えられるが、湿式法による結晶形状のコントロールにより、そのような配向性多結晶体の前駆体となる亜鉛水和物の合成が期待できる。
具体的には、湿式法の1つである沈殿法によって、配向性多結晶構造を有する酸化物(特に、膜厚がナノサイズの薄膜〜数十μmサイズの厚膜)を得るための前駆体である亜鉛水和物を得ること、この前駆体を用いて基板に製膜(塗布・焼成して酸化物皮膜とする)し、所望の性能を有する酸化物皮膜を得ることを狙いとして、以下のような試験、検討を行った。
まず、沈殿による亜鉛水和物の合成(沈殿物の生成)を以下の試験条件で行った。
Zn2+イオンを含む酸性水溶液(以下、便宜上「金属溶液」という場合がある。)の作成には、亜鉛源として無水酢酸亜鉛(Zn(CHCOO))を用いた。また、アルカリ水溶液(鉱化材)としては、NaOH水溶液を用いた。
金属溶液は、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lとなるように作成した。送液は、金属溶液へのアルカリ水溶液の滴下とし、送液速度は1L/1時間とした。NaOH水溶液のOHイオン濃度を、中和当量と考えられる約0.2モル/L前後(0.04〜0.4モル/L)で変化させ、金属溶液1Lにアルカリ水溶液1Lを滴下して沈殿物を得た。
沈殿反応後の白色の沈殿物を含む溶液は、6〜24時間撹拌養生した後、吸引濾過で沈殿物を回収した。この沈殿物(ゲル状物質)は、蒸留水を加えて遠心分離により洗浄(3回)した後、30℃での真空乾燥を行うことで乾燥粉を得ることができた。なお、40℃×12hrの乾燥によっても乾燥粉を得ることができた。
以上のようにして得られた沈殿物(固形分)について、XRD(BRUKER社;D8 ADVANCE)による鉱物相の同定、SEM(HITACHI社;S-4300)による形状観察を行った。
XRDによる鉱物相の同定では、OHイオン濃度が0.04〜0.4モル/LのNaOH水溶液の滴下で得られた沈殿物の鉱物相は、OHイオン濃度の低い方から順に、i)亜鉛酢酸水和物、ii)水酸化亜鉛、及びiii)酸化亜鉛と同定された。また、i)とii)の混相、ii)とiii)の混相も、それぞれ中間領域において観察された。
上記沈殿物(固形分)のうち、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの金属溶液にOHイオン濃度が0.1モル/L(中和当量相当の1/2)のNaOH水溶液を滴下して得られた沈殿物は、本発明材(酸化物皮膜形成用材料)となる亜鉛酢酸水和物である。図1に、この亜鉛酢酸水和物のXRDチャートと、XRDライブラリーデータにある亜鉛アルミ酢酸水和物(ZnAl(OH)(C・2.6HO))のXRDチャートと、XRDライブラリーデータにある塩基性酢酸亜鉛(Zn(OH)1.58(CHCOO)0.43・0.31HO)のXRDチャートを示す。図2は、図1のXRDチャートの主ピーク付近の拡大図である。
図1のXRDチャートによれば、亜鉛酢酸水和物は、X線回折による主ピーク(001)の格子定数d=12.56000Åであり、塩基性酢酸亜鉛(主ピーク(001)の格子定数d=14.68000Å)の主ピークに対してはそれよりも高角側に、また、比較的一致性の見られる亜鉛アルミ酢酸塩(主ピーク(001)の格子定数d=11.50000Å)の主ピークに対してはそれよりも低角側に、主ピークが見られる。このことから、本発明材である亜鉛酢酸系水酸化物(亜鉛酢酸水和物)は塩基性酢酸亜鉛水和物に属するものであるが、既知(XRDライブラリー)の類似水酸化物の構造とは異なった層状化合物であることが分かる。
本発明材となる亜鉛酢酸水和物の結晶構造は、本来pHの高い条件(高OHイオン濃度)であればOHイオンが入るところに、pHが低い条件(低OHイオン濃度)であるために、不足分を補う形でCHCOOイオンが入るものと考えられる。その結晶構造は、LDH(Layered Double Hydroxide)とは異なり、OH以外の陰イオンが層間ではなく基本層に入った構造となった塩基性塩のものと考えられる。考えられる組成としては、Znx(CHCOO)y(OH)zにおいてx:y:z=2:1:3であるが、本発明材である亜鉛酢酸水和物においては、OHイオン濃度が低いことから、2:1+α:3−αであると推定される。図1にXRDチャートを示した塩基性酢酸亜鉛(Zn(OH)1.58(CHCOO)0.43・0.31HO)は、XRDライブラリーデータからは組成比がx:y:z=2:0.86:3.16で与えられており、本発明材である亜鉛酢酸水和物よりもOHイオン濃度が高い条件で得られるものと推定される。
図3に、図1にXRDチャートを示した本発明材である亜鉛酢酸水和物のSEM写真を示す。XRDライブラリーに示されるZn(OH)1.58(CHCOO)0.43・0.31HOやハイドロタルサイト((Mg0.667Al0.333)(OH)(CO0.167(HO)0.5;Magnesium Aluminum Hydroxide Carbonate Hydrate)などの層状水酸化物(層状複水酸化物)は、鱗片状の粒子として観察されることが多いが、本発明材である亜鉛酢酸水和物は短冊状の外形を有する層状構造となっていることが分かる。
図1及び図3に示された本発明材である亜鉛酢酸水和物の水溶液を、ディップコート法とバーコート法でそれぞれガラス基板面に塗布し、450℃で焼成して酸化物皮膜を形成し、その性状を調べた。なお、ディップコート法では固形分比率5質量%の水溶液を、バーコート法では固形分比率25質量%の水溶液を、それぞれ用いた。
製膜するのに用いたガラス基板(コーニング社製#1737)はアセトンで表面を洗浄したものを用いた。
ディップコート法では、ディップコーターとしてあすみ技研社製「MX115S」を用い、コーティング条件は、浸漬速度を5mm/秒、浸漬時停止時間を5秒、引き揚げ速度を5mm/秒、引き揚げ時停止時間を240秒(乾燥定着)とし、浸漬回数は10回とした。
バーコート法では、バーコーターとしてヨシミツ精機社製「YBA-1型」を用いて塗膜を形成した。
上記のようにディップコート法及びバーコート法によって本発明材である亜鉛酢酸水和物の水溶液をコーティングしたガラス基板を、100℃で乾燥した後、大気中450℃×4hrの焼成を行い、酸化物皮膜を得た。
酸化物皮膜を形成したガラス基板は、切断加工し、SEMによる表面及び断面の観察と、XRDによる結晶性調査を行った。
SEM写真を図4(A)、(B)に示す。図4(A)は、ディップコート法でコーティングして得られた酸化物皮膜(膜厚30nm程度の薄膜)、図4(B)は、バーコート法でコーティングして得られた酸化物皮膜(膜厚300nm程度の厚膜)である。また、図4(A)、(B)において、各上段のSEM写真は皮膜面を撮影したもの、各下段のSEM写真は皮膜断面を撮影したものである。これによれば、図4(A)に示される酸化物皮膜は、亜鉛酢酸水和物の短冊形状の痕跡が残り、ランダムに重なり合い、ガラス基板上に均一に付着している。膜厚は厚いところでも50nmで、観察範囲内では30nm程度ときわめて薄く、且つポーラスなものであった。一方、図4(B)に示される酸化物皮膜は、同じく短冊形状の痕跡が残り、表面は凹凸が大きいことが分かる。
次に、ガラス基板面に製膜された上記酸化物皮膜の鉱物相をXRDで同定した結果を示す。XRDチャートを図5(A)、(B)に示す。図5(A)は、ディップコート法でコーティングして得られた酸化物皮膜、図5(B)は、バーコート法でコーティングして得られた酸化物皮膜である。図5(A)のディップコート法で得られた皮膜では、ガラス基板起因のハローが見られ、六方晶系ZnOの(002)に相当するピークのみが見られた。また、図5(B)のバーコート法で得られた皮膜では、六方晶系ZnOの3本の主ピーク(100)、(002)及び(101)に相当するピークが見られたが、(002)のピーク強度が著しく大きいことが分かる。バーコート法で形成した皮膜は、ディップコート法で形成した皮膜と比べて膜厚が厚いこと、表面の凹凸が大きいことから、皮膜の横方向の情報も採取され、(100)及び(101)面の情報も混在したものと考えられる。
短冊状の亜鉛酢酸水和物をガラス基板上に塗布し、焼成したものは、図4のSEM写真からも分かるように、焼成後も短冊形状を有しており、またXRDの情報からは、(002)面、すなわちc面が強調される構造となっていることが分かる。c面が並んだ状態、すなわちc軸がガラス基板に直立した状態となっているものと考えられる。以上のことから、本発明材である短冊形状の亜鉛酢酸水和物(前駆体)により、ガラス基板などの上で配向性多結晶構造の酸化物皮膜が得られることが分かった。
図1のXRDチャートによれば、本発明材である亜鉛酢酸水和物のX線回折ピークは、層状水酸化物である塩基性酢酸亜鉛(Zinc Acetate Hydrate;格子定数はa値=3.14700,c値=4.76900)に対して、高角度側に主ピークが見られるだけでなく、a値=3.1026±0.0412Å,c値=39.2419±0.9361Åとなっており、a値は近い値を持つものの、c値は大きく異なっている。本発明材である亜鉛酢酸水和物は、既知の塩基性酢酸亜鉛の構造とは異なった層状化合物であることが分かる。
次に、本発明の酸化物皮膜形成用材料(亜鉛酢酸水和物)の製造方法について詳細を説明する。
この酸化物皮膜形成用材料は、Zn2+イオン源として酢酸亜鉛を溶解させた、Zn2+イオンを含む酸性水溶液に、中和当量未満のアルカリ水溶液を滴下し、その水溶液を中和当量より低いpH(通常、pH6.0〜10.0、好ましくはpH6.25〜7.8、より好ましくはpH6.5〜7.8程度)に維持することで亜鉛酢酸水和物の沈殿物を生成させ、この沈殿物を回収することにより得ることができる。
より具体的な条件としては、使用する酸性水溶液中のZn2+イオン量をm(モル)、この酸性水溶液に滴下するアルカリ水溶液中のOHイオン量をx(モル)とした時、OHイオン量xとZn2+イオン量mが、下記(1)式を満足するように、好ましくは下記(2)式を満足するように、特に好ましくは下記(3)式を満足するように、酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下することが好ましい。
0.2×2m≦x<0.9×2m …(1)
0.3×2m≦x≦0.8×2m …(2)
0.4×2m≦x≦0.8×2m …(3)
ここで、本発明法で用いる酸性水溶液は、Zn2+イオン源として酢酸亜鉛を溶解させたpH6.0〜7.5程度の水溶液である。また、本発明法で用いるアルカリ水溶液は、pH12.0〜14.0程度の水溶液であり、例えば、NaOH水溶液、アンモニア水溶液などが挙げられる。
アルカリ水溶液中のOHイオン量x(モル)は、上記のように酸性水溶液のZn2+イオン量m(モル)によって規定される。一方、酸性水溶液のZn2+イオン濃度(モル/L)については、特に制限はないが、0.05〜0.5モル/L程度が好ましい。Zn2+イオン濃度が0.05モル/L未満では生産性が低く、一方、0.5モル/Lを超えると、沈殿物が高濃度、高粘性となるため撹拌養生に支障をきたすおそれがあり、また、沈殿物の均一性(沈殿物凝集粒のサイズなど)も低下する。
なお、上記(1)〜(3)式を満足するように酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下した場合の水溶液のpHは特に限定されないが、目安として、通常、上記(1)式を満足することにより水溶液がpH6.0〜10.0程度に、上記(2)式を満足することにより水溶液がpH6.25〜7.8程度に、上記(3)式を満足することにより水溶液がpH6.5〜7.8程度に、それぞれ維持される。
本発明の製造方法の特徴は、Zn2+イオン源として酢酸亜鉛を溶解させた、Zn2+イオンを含む酸性水溶液に対して、中和当量未満のアルカリ水溶液を加えること、すなわち、酸性水溶液の中和に必要なOHイオンよりも少ない量のOHイオンが供給されるようにアルカリ水溶液を加えることで、短冊状の水酸化物(亜鉛酢酸水和物)の沈殿物を生成させる点にある。先に述べたように、この水酸化物の結晶構造は、本来pHの高い条件(高OHイオン濃度)であればOHイオンが入るところに、pHが低い条件(低OHイオン濃度)であるために、不足分を補う形でCHCOOイオンが入るものと思われる。
Zn2+イオン源として酢酸亜鉛を溶解させた、Zn2+イオンを含む酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下して沈殿物を得る際に、滴下するアルカリ水溶液中のOHイオン濃度を変化させ、得られる沈殿物の組成及び形態の違いを調べた。図6は、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1Lに、OHイオン濃度が0.02〜0.22モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物、すなわち、酸性水溶液のZn2+イオン量m(モル)とNaOH水溶液のOHイオン量x(モル)とを[x=0.1×2m]〜[x=1.1×2m]とした条件で得られた沈殿物のSEM写真である。各SEM写真に表示した数値は、使用したNaOH水溶液のOHイオン濃度(モル/L)である。
Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1Lに対してOHイオン濃度が0.04〜0.16モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下した場合(通常、沈殿物が生じる水溶液のpH6.0〜7.8程度)には、得られる沈殿物は短冊状になる。そのなかで、NaOH水溶液のOHイオン濃度が高いほどZn歩留まりが高くなり、OHイオン濃度が0.08〜0.16モル/LのNaOH水溶液を滴下した場合(通常、沈殿物が生じる水溶液のpH6.5〜7.8程度)にはZn歩留まりも向上する(ほぼ60%以上)。これに対して、OHイオン濃度が0.18モル/LのNaOH水溶液を滴下した場合(通常、沈殿物が生じる水溶液のpH11程度)には、得られる沈殿物は六角鱗片状の水酸化亜鉛が主体で、これと粒状の酸化亜鉛との混相となる。さらに、滴下するNaOH水溶液のOHイオン濃度が0.2モル/L以上の場合(通常、沈殿物が生じる水溶液のpH12以上)には、得られる沈殿物は粒状の酸化亜鉛となる。一方、OHイオン濃度が0.02モル/LのNaOH水溶液を滴下した場合(通常、沈殿物が生じる水溶液のpH6.0程度)には、沈殿物の生成が極端に少なくなり、Zn歩留まりが極めて低くなる。
したがって、上記(1)〜(3)式に示したように、使用する酸性水溶液中のZn2+イオン量m(モル)とアルカリ水溶液中のOHイオン量x(モル)の関係は、0.2×2m≦x<0.9×2mが好ましく、0.3×2m≦x≦0.8×2mがより好ましく、0.4×2m≦x≦0.8×2mが特に好ましい。
図7は、図6に示す沈殿物のうちの一部の沈殿物のXRDチャートであり、a)はZn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1LにOHイオン濃度が0.1モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物のXRDチャート、b)は同じくOHイオン濃度が0.18モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物のXRDチャート、c)は同じくOHイオン濃度が0.22モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物のXRDチャートである。
これらのうち、a)は本発明材となる亜鉛酢酸水和物の短冊状の沈殿物である。これに対して、b)は六角鱗片状の水酸化亜鉛を主体とし、これに粒状の酸化亜鉛が混じった沈殿物であり、また、c)は酸化亜鉛の沈殿物である。
図8は、沈殿法により、Zn2+イオン源として酢酸亜鉛を溶解させた、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1Lにアルカリ水溶液(NaOH水溶液)1Lを滴下して沈殿物を得る場合において、滴下したアルカリ水溶液のOHイオン濃度とZn歩留まり(溶液中のZn2+が沈殿物となった質量割合)との関係を調べたものである。図8によれば、Zn歩留まりを60%以上とするにはOHイオン濃度が約0.08モル/L以上(すなわちx≧0.4×2m)であればよいことが分かる。また、OHイオン濃度が約0.18モル/L以上(すなわちx≧0.9×2m)ではZn歩留まりは100%に近くなるが、さきに述べたように、沈殿物は鱗片状の水酸化亜鉛となるか、或いは鱗片状の水酸化亜鉛と粒状の酸化亜鉛の混相となるか、或いは粒状の酸化亜鉛となってしまい、本発明材となる短冊状水酸化物(亜鉛酢酸水和物)が得られなくなる。
また、さきに述べたように、本発明材となる亜鉛酢酸水和物は格子定数のc値が既知の塩基性酢酸亜鉛と大きく異なっており、このc値と亜鉛酢酸水和物の生成条件や短冊形状との関係を調べた。図6(SEM写真)に示す沈殿物のうち、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1Lに対して、OHイオン濃度が0.04モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物(x=0.2×2mの条件で得られた沈殿物)、同じくOHイオン濃度が0.06モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物(x=0.3×2mの条件で得られた沈殿物)、同じくOHイオン濃度が0.08モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物(x=0.4×2mの条件で得られた沈殿物)、同じくOHイオン濃度が0.1モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物(x=0.5×2mの条件で得られた沈殿物)、同じくOHイオン濃度が0.16モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物(x=0.8×2mの条件で得られた沈殿物)について、XRDチャートのピークを解析して格子定数のc値を求め、NaOH水溶液のOHイオン濃度との関係を調べた。その結果を図9に示す。これによれば、本発明材である亜鉛酢酸水和物を特徴づける短冊形状の沈殿物は、格子定数のc値がc=39.2419±0.9361Åの範囲になることが分かる。すなわち、測定されるX線回折ピークがc値=39.2419±0.9361Åで特定される水酸化物が短冊形状であり、本発明材である好ましい亜鉛酢酸水和物である。
本発明の製造方法では、Zn2+イオン源として酢酸亜鉛を溶解させた、Zn2+イオンを含む酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下することで水溶液中に生成した沈殿物を回収し、酸化物皮膜形成用材料(製品)とする。一般に、この酸化物皮膜形成用材料の形態は、沈殿状態から回収されたゲル状物質又はこのゲル状物質を乾燥(例えば真空乾燥など)させたものとなる。具体的には、(i)水溶液中から回収されたゲル状物質(沈殿物)を洗浄してウエットな状態のままで酸化物皮膜形成用材料とする、(ii)ゲル状物質を洗浄したものを乾燥させた粉体(乾燥粉)を酸化物皮膜形成用材料とする、などの利用形態があるが、これに限定されるものではない。
本発明の製造方法において、酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下した後、水溶液から沈殿物を回収するまでの操作や、沈殿物の回収方法については、特に制限はなく、一般的な方法でよい。
また、水溶液から回収された沈殿物(ゲル状物質)を乾燥させるには、送風乾燥機などのような一般的な乾燥手段を用いてもよいし、真空乾燥手段を用いてもよい。
上記のようにして製造された本発明の皮膜形成用材料により、基板面に皮膜(酸化物)を形成することができる。すなわち、その皮膜形成用材料を含む溶液を基板面に付着させた後、焼成することで皮膜を形成することができる。上述したように、皮膜形成用材料である水酸化物(亜鉛酢酸水和物)は、通常、沈殿状態から回収されたゲル状物質又はこのゲル状物質を乾燥させた粉体であり、このようなゲル状物質又は粉体を水などの溶媒に溶解又は分散させ、この溶液を基板面にコーティングした後、焼成する。コーティング法は、形成しようとする皮膜厚などに応じて、スクリーン印刷法、ディップコート法、バーコード法など任意の方法を採ることができる。焼成温度は、一般に250℃〜800℃程度が適当である。これにより基板面に配向性多結晶構造の酸化亜鉛皮膜を形成することができる。
また、溶液をコーティングした後、40〜100℃程度の温度で乾燥させ、しかる後、焼成するようにしてもよい。
図6に示す沈殿物のうち、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1Lに対してOHイオン濃度が0.1モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物を回収し、これを乾燥させて酸化物皮膜形成用材料(粉体)とし、この酸化物皮膜形成用材料を水に分散させた溶液(固形分比率30質量%)をバーコート法でガラス基板に塗布し、100℃で乾燥させた後、450℃×4hrで焼成し、酸化物皮膜を得た。この酸化物皮膜について、薄膜抵抗測定器(三菱化学アナリテック社製;ロレスタGP MCP−T610)で測定した体積抵抗率は約10Ω・cmであった。比較材として、Zn2+イオン濃度が0.1モル/Lの酸性水溶液1Lに対してOHイオン濃度が0.22モル/LのNaOH水溶液1Lを滴下して得られた沈殿物を回収して乾燥粉とし、これを用いて上記と同様の方法で製膜した皮膜は、体積抵抗率(上記薄膜抵抗測定器で測定)が200Ω・cmであった。このことから、本発明材である短冊状前駆体水酸化物(亜鉛酢酸水和物)は、電気伝導性においての優位性が認められる。これは、先に述べた配向性多結晶構造が実現されることによって、導電性に優れる6方晶系ZnOのc面がガラス基板と並行に有意差をもって形成されることによるものと説明できる。
本発明の皮膜形成用材料(前駆体)により形成される皮膜は、太陽電池パネルの透明導電材、ZnO系透明導電材スパッタ膜形成用のシード層(スパッタ膜の下地層)、色素増感型太陽電池電極材、ガスセンサー、触媒などとして好適なものである。
ZnOは、六方晶系ウルツ鉱型結晶であり、光透過性に優れるc軸方向(c面に直交)と電気伝導性に優れるc面方向を有する結晶構造である。本発明材である前駆体水酸化物(亜鉛酢酸水和物)を用いることで、製膜する基板において、c軸が基板と直交し、c面が基板と平行となる配向性多結晶体を得ることができる。

Claims (11)

  1. Zn2+イオン源として酢酸亜鉛を溶解させた、Zn2+イオンを含む酸性水溶液に、中和当量未満のアルカリ水溶液を滴下して亜鉛酢酸水和物の沈殿物を生成させ、該沈殿物を回収することを特徴とする酸化物皮膜形成用材料の製造方法。
  2. 酸性水溶液中のZn2+イオン量をm(モル)、該酸性水溶液に滴下するアルカリ水溶液中のOHイオン量をx(モル)とした時、下記(1)式を満足するように、酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下することを特徴とする請求項1に記載の酸化物皮膜形成用材料の製造方法。
    0.2×2m≦x<0.9×2m …(1)
  3. 下記(2)式を満足するように、酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下することを特徴とする請求項2に記載の酸化物皮膜形成用材料の製造方法。
    0.3×2m≦x≦0.8×2m …(2)
  4. 下記(3)式を満足するように、酸性水溶液にアルカリ水溶液を滴下することを特徴とする請求項2に記載の酸化物皮膜形成用材料の製造方法。
    0.4×2m≦x≦0.8×2m …(3)
  5. 回収した沈殿物を乾燥し、粉体とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸化物皮膜形成用材料の製造方法。
  6. 沈殿法により沈殿物として得られる亜鉛酢酸水和物であって、測定されるX線回折ピークがc値=39.2419±0.9361Åで特定されることを特徴とする酸化物皮膜形成用材料。
  7. 亜鉛酢酸水和物が短冊状の層状水酸化物であることを特徴とする請求項6に記載の酸化物皮膜形成用材料。
  8. 亜鉛酢酸水和物が、ゲル状物質又は該ゲル状物質を乾燥させた粉体であることを特徴とする請求項6又は7に記載の酸化物皮膜形成用材料。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の酸化物皮膜形成用材料を含む溶液を基板面に付着させた後、焼成することにより、基板面に配向性多結晶構造の亜鉛系酸化物皮膜を形成することを特徴とする酸化物皮膜の形成方法。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた酸化物皮膜形成用材料を含む溶液を基板面に付着させた後、焼成することにより、基板面に配向性多結晶構造の亜鉛系酸化物皮膜を形成することを特徴とする酸化物皮膜の形成方法。
  11. 酸化物皮膜形成用材料が、ゲル状物質又は該ゲル状物質を乾燥させた粉体であり、該材料を添加した溶液を用いることを特徴とする請求項9又は10に記載の酸化物皮膜の形成方法。
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