JP2017065481A - 整流装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カウルから車幅方向外側へ流出する気流がフロントピラー周囲で乱れを形成することを防止した整流装置を提供する。【解決手段】フード50の後端部51とフロントシールド10の下端部12との間に設けられたカウル部60と、フード及びカウル部の車幅方向外側に設けられたフェンダ70とを有する車両1に設けられる整流装置であって、フェンダの側面部であってフードの後縁部と隣接する領域に設けられ、車両の走行時の気流によって後方側に負圧を発生させる負圧発生部を有する整流部材100を備え、負圧発生部の少なくとも一部は、フェンダの表面における車幅方向内側の端部から屈曲点73までの間に配置される構成とする。【選択図】図4

Description

本発明は、自動車のフロントフェンダから突出して設けられる整流装置に関し、特にフードとフロントシールドとの間に設けられるカウルから車幅方向外側へ流出する気流がフロントピラー周囲で乱れを形成することを防止したものに関する。
乗用車等の自動車の車体においては、車室前部に設けられるガラスであるフロントシールドの両端部を、柱状部材であるフロントピラー(Aピラー)によって支持する構成が一般的である。
車両の走行によって車体の周囲に形成される気流である走行風がフロントシールドの中央側から側端側へ流れ、フロントピラーの周囲で縦渦等の乱れが生じると、いわゆる風切り音などの空力的騒音の原因となり、車両の静粛性、質感、快適性などが損なわれてしまう。
Aピラー周囲の走行風を整流することによる静粛性向上に関する従来技術として、例えば特許文献1には、フロントピラーの表面部にウインドシールドガラス(フロントシールド)の側端部を覆うモール部を有するアウタモールを装着することが記載されている。
また、特許文献2には、フロントピラー周囲の空力性能の向上を図るため、フロントピラーとその外側に取り付けられるピラーアウターカバーとの間に空気が流通する所定形状の流通路を形成することが記載されている。
特開2011−255758号公報 特開2014− 69611号公報
車室の前方に、フロントフードが設けられた車両においては、フロントフードの後縁部とフロントシールドとの間に、ワイパブレード等が収容されるカウル部が設けられる。
カウル部は、通常フロントフードの後縁部に対して下方に凹ませた凹部として形成され、フロントシールド下端部の実質的に全幅にわたって形成されている。
このようなカウル部を有する車両においては、前方からの気流がカウル部内に流入し、カウル部内を中央部から左右サイド部へ流れた気流が車幅方向側端部でフェンダを乗り越えて後方に吹き流され、フロントピラー後方の縦渦に巻き込まれることによって、フロントピラー後方の風切音を悪化させる場合がある。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、フードとフロントシールドとの間に設けられるカウルから車幅方向外側へ流出する気流がフロントピラー周囲で乱れを形成することを防止した整流装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、車室前部に設けられたフロントシールドと、前記フロントシールドの前方側に設けられたフードと、前記フードの後縁部と前記フロントシールドの下端部との間に設けられたカウル部と、前記フード及び前記カウル部の車幅方向外側に設けられたフェンダとを有する車両に設けられる整流装置であって、前記フェンダの側面部であって前記フードの後縁部と隣接する領域に設けられ、車両の走行時の気流によって後方側に負圧を発生させる負圧発生部を有する整流部材を備え、前記フェンダは、前記フードの側端部近傍に正面視の断面形状において曲率が局所的に大きくなる屈曲点が形成され、前記負圧発生部の少なくとも一部は、前記フェンダの表面における車幅方向内側の端部から前記屈曲点までの間に配置されることを特徴とする整流装置である。
これによれば、カウル部からフェンダ側へ吹き出してフェンダの上面に沿って流れる気流が整流手段の負圧発生部が発生する負圧によって下方へ誘導されるため、フロントピラーの基部側へ吹き流されてフロントピラーの周囲で縦渦等の乱れを形成することを防止でき、車両走行時の空力的騒音(いわゆる風切音)を低減することができる。
請求項2に係る発明は、前記負圧発生部の前記フェンダ表面からの突出量は、車両走行時に車室内において測定される空力騒音を含む全ての音と、空力騒音との音圧レベルの差が3dBとなる車速において前記フェンダの表面に形成される境界層の厚さ以上であることを特徴とする請求項1に記載の整流装置である。
これによれば、車両全体の騒音において空力騒音の影響が顕著となる速度域において、確実に上述した効果を得て静粛性を向上することができる。
請求項3に係る発明は、前記整流部材は、車両側面視において上方に負圧を発生する方向に配置された翼型を有し、前記負圧発生部は、前記翼型の上面部に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の整流装置である。
これによれば、整流部材が翼型を有することによって走行風を利用して効率よく強い負圧を発生することができ、上述した効果を促進することができる。
請求項4に係る発明は、前記翼型は迎角がプラスとなるよう配置されることを特徴とする請求項3に記載の整流装置である。
これによれば、翼型上面部に形成される負圧をより大きくすることができる。
請求項5に係る発明は、前記翼型の翼厚が最大となる部位が、前記フェンダの車幅方向内側の端部から前記屈曲点までの間に配置されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の整流装置である。
これによれば、カウル部から車幅方向に吹き出す気流を、翼型が発生し得る最大の負圧で下方へ誘導することができ、上述した効果をよりいっそう促進することができる。
請求項6に係る発明は、前記翼型の後縁部は、上下方向における位置がドアミラーの下端部よりも下方に配置され、前後方向における位置がドア前端縁部近傍に配置されることを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の整流装置である。
これによれば、カウル部から吹き出した気流が翼型が発生する負圧によって下方に誘導された後、ドアミラーの下方を抜けてドアパネル側面部に沿ってスムースに流れるようにすることができる。
請求項7に係る発明は、前記整流部材に車両外部の状況を撮像する撮像手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の整流装置である。
請求項8に係る発明は、前記撮像手段は、車両の後方、側方、下方の少なくとも一方を撮像することを特徴とする請求項7に記載の整流装置である。
これらの各発明によれば、撮像手段を設置するために整流装置の他に専用の突起物等を設ける必要がなく、車両の空力性能や、意匠性などの外観品質を向上することができる。
また、部品点数の増加を抑制して車両全体としての構造の簡素化、軽量化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、フードとフロントシールドとの間に設けられるカウルから車幅方向外側へ流出する気流がフロントピラー周囲で乱れを形成することを防止した整流装置を提供することができる。
本発明を適用した整流装置の実施例1を有する車両の車体前部の模式的側面図である。 図1のII部拡大図である。 図1のIII−III部を模式的に示す図である。 図3のIV−IV部模式的断面図であって、図4(a)は実施例1の構成を示し、図4(b)はその変形例の構成を示している。 本発明の参考例である車両における走行時のカウル部周囲の気流を模式的に示す図である。 実施例1の整流装置を有する車両における走行時のカウル部周囲の気流を模式的に示す図である。 本発明を適用した整流装置の実施例2を有する車両の車体前部の模式的側面図である。 本発明を適用した整流装置の実施例3を有する車両の車体前部の模式的側面図である。 本発明を適用した整流装置の実施例4を有する車両の車体前部の模式的側面図である。
本発明は、フードとフロントシールドとの間に設けられるカウルから車幅方向外側へ流出する気流がフロントピラー周囲で乱れを形成することを防止した整流装置を提供する課題を、カウル部側方のフェンダの側面部から突出し走行風によって負圧を発生する負圧発生部を設けるとともに、負圧発生部の一部をフェンダ上面部の車幅方向内側の端部から側面部との境界である変曲点までの間に設けることによって解決した。
以下、本発明を適用した整流装置の実施例1について説明する。
実施例1の整流装置は、例えば、車室前方にエンジンルームが設けられる、いわゆる2ボックス又は3ボックスの車型を有する乗用車等の自動車に設けられるものである。
図1は、実施例1の整流装置を有する車両の車体前部の模式的側面視図である。
図2は、図1のII部拡大図である。
図3は、図1のIII−III部を模式的に示す図である。
図4(a)は、図3のIV−IV部模式的断面図である。
なお、各図において、車両1の走行時に形成される気流(走行風)Fを太線破線矢印において模式的に図示する。
車両1は、フロントシールド10、フロントピラー20、ルーフ30、フロントドア40、フード50、カウル60、フェンダ70、バンパフェイス80、フロントコンビネーションランプ90、整流部材100等を有して構成されている。
フロントシールド10は、車室前部に設けられたウインドウガラスである。
フロントシールド10は、ほぼ矩形状に形成されるとともに、上端部11が下端部12に対して車両後方側となるように後傾して配置されている。
下端部12は、図3に示すように、平面視において車両前方側が凸となる曲線状に形成されている。
フロントシールド10の側端部13は、フロントピラー20に沿って配置されている。
フロントシールド10は、車両前方側が凸となるように湾曲(ラウンド)して形成された2次曲面の合わせガラスである。
フロントピラー(Aピラー)20は、フロントシールド10の側端部13に沿って延在する車体構造部材である。
フロントピラー20の後縁部は、フロントドア40上部のフロントドアガラスの周囲に形成されたサッシュ部と隣接して配置されている。
ルーフ30は、車室の上面部を構成するパネル状の部分である。
ルーフ30は、フロントシールド10の上端部から車両後方側へ延在している。
フロントドア40は、車室前部の側面部に設けられた開閉扉である。
フロントドア40は、前端部に設けられた図示しないヒンジ回りに揺動して開閉する。
フロントドア40は、フロントドアガラス41、ドアサッシュ42、ドアミラー43等を有する。
フロントドアガラス41は、フロントドア40の上方に設けられている。
ドアサッシュ42は、フロンドドアガラス41の前縁部、上縁部等に沿って形成され、フロントドアガラス41を保持する枠体である。
ドアサッシュ42の前縁部は、フロントピラー20に沿って配置され、上縁部はルーフ30の側端部に設けられたルーフサイドフレームに沿って配置されている。
ドアミラー43は、フロントドア40の本体部の外表面部を構成するドアアウタパネルにおける前方上部の領域に設けられた後方確認装置である。
ドアミラー43は、ドアアウタパネルから突出したステーによって支持されている。
ドアミラー43は、ミラー本体、角度調節機構、可倒式格納機構等をハウジング内に収容して構成されている。
フード50は、エンジンルームの上部を覆って設けられる外装部材であって、開閉式の蓋状体として構成されている。
フード50は、車両平面視において実質的に矩形状に形成され、前端部が後端部に対してやや低くなるように傾斜して配置されている。なお、この傾斜角はフロントシールド10の傾斜角に対して小さい。
フード50は、後端部に設けられたヒンジ回りに前端部が昇降する方向に揺動して開閉する。
フード50の後縁部51は、フロントシールド10の下端部12の前方側に、車両前後方向に間隔を隔てて配置されている。
後縁部51は、図3に示すように、平面視において車両前方が凸となる曲線状に形成されている。
フード50の側縁部52は、フェンダ70の上面部71の車幅方向内側の端縁と、不可避的に設けられる隙間を介して隣接して配置されている。
カウル60は、フード50の後縁部51よりも後方側であって、フロントシールド10の下端部12よりも前方側の領域に設けられ、フード50の表面に対して下方に凹んで形成された凹部である。
カウル60は、例えば樹脂系材料によって下方に凹んだトレイ状に形成されたカウルトップパネル内に、ワイパアーム等を収容して構成されている。
カウル60の車幅方向における側端部は、フェンダ70の上面部71の後端部近傍の領域と隣接して配置されている。
フェンダ70は、エンジンルームの側面部等を構成する車両の外装部材である。
フェンダ70は、図4に示すように、上面部71、側面部72等を有して構成されている。
上面部71は、フード50の側縁部52、及び、カウル60の側端部と隣接する領域であって、フード50の表面部を形成する曲面を車幅方向外側に延長した曲面にほぼ沿って形成されている。
側面部72は、上面部71の車幅方向外側の端部近傍から、下方へ延びて形成されている。
側面部72は、車体外側が凸となる緩曲面として形成されている。
上面部71と側面部72との境界部には、曲面の曲率が局所的に大きくなり、フェンダ70のいわゆる稜線(屈曲線)を形成する変曲点73が、車両前後方向に連続して形成されている。
また、側面部72には、前輪FWが収容されるホイールハウスの開口74が形成されている。
バンパフェイス80は、車両前端部の下部に設けられる樹脂製の外装部材である。
バンパフェイス80は、フェンダ70における開口74の前方側に設けられている。
フロントコンビネーションランプ90は、前照灯、車幅灯、ターンシグナル灯などの各種灯火装置を、共通のハウジング内に収容しユニット化したものである。
フロントコンビネーションランプ90は、車両前端部においてフード50の下方側であってバンパフェイス80の上方側に配置されている。
整流部材100は、実施例1の整流装置の本体部を構成するものである。
整流部材100は、フェンダ70の側面部72における上端部近傍から、車幅方向外側に突出して形成されている。
図2に示すように、整流部材100は、車幅方向から見た形状が翼型(フォイル)を有し、上面部101、下面部102、前縁部103、後縁部104、翼端部105等を有する。
上面部101、下面部102は、それぞれ上方が凸となるように湾曲して形成された曲面である。
上面部101は、下面部102の上方側に配置されるとともに、曲率が下面部102に対して大きく形成されている。
上面部101、下面部102の前端部及び後端部は、それぞれ前縁部103、後縁部104によって接続されている。
前縁部103、後縁部104は、上面部101、下面部102に対して曲率が小さい凸曲面状に形成されている。
翼端部105は、整流部材100の突端部(翼端)に形成された平板状の表面部である。
整流部材100において、上面部101と下面部102との中点を順次結んで得られる曲線である翼型中心線CLは、上方が凸となる曲線状に設定されている。
また、整流部材100は、前縁部103を後縁部104に対して上方に配置することによって、プラスの迎角を有するよう配置されている。
迎角は、図1に示すように、左側を前方とした車両側面視において、水平方向を0°として時計回りをプラスとする。
このような整流部材100において、車両の走行時に車両前方側(図1,2における左側)から気流を受けると、上面部101の表面部に負圧が発生する。この箇所は、本発明にいう負圧発生部として機能する。
上面部101において、特に、翼厚が最大となる箇所101aにおいて負圧は実質的に最大となる。この箇所は、本発明にいう負圧発生部として機能する。
また、整流部材100は、外表面の一部を透明な材料によって構成するとともに、その内部にCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子を有するカメラを設けることができる。
このようなカメラは、車両の側方、下方、後方等の周囲の状況を撮影し、得られた画像をドライバが目視可能な画像表示装置に表示することによって、ドアミラーに代わる後方確認手段として用いたり、例えば障害物検出、車線検出、駐車区画検出などの他の用途に用いることができる。
図1に示すように、整流部材100の後端部は、高さ方向における位置がドアミラー43の下端部よりも下方に配置されるとともに、前後方向における位置がフロントドア40の前端部近傍に配置されている。
図3に示すように、実施例1においては、車両1を鉛直方向上方から見た平面視において、フロントシールド10の下端部12の曲率が、フード50の後縁部51の曲率よりも大きく(ラウンドが急に)なっている。
ここで、フロントシールド10の下端部12を、同一の曲率のまま車幅方向外側へ延長して、第1の仮想線(シールド延長仮想曲線)L1を設定する。
また、フロントシールド10の下端部12における接線を、車幅方向外側へ延長して、第2の仮想線(シールド延長仮想直線)L2を設定する。
また、第1の仮想線L1を、フード50の後縁部51の車幅方向外側の端部を通るよう前進させて、第3の仮想線(フード延長仮想曲線)L3を設定する。
また、第2の仮想線L2を、フード50の後縁部51の車幅方向外側の端部を通るよう前進させて、第4の仮想線(フード延長仮想直線)L4を設定する。
実施例1においては、整流部材100の負圧発生部(最大翼厚箇所)は、上述した第1乃至第4の仮想線L1〜L4に対して、車両前方側に配置されている。
図4(a)に示すように、整流部材100における負圧発生部(上面部101)の一部は、フェンダ70の上面部71の表面を正面視したときの曲線を車幅方向外側に延長した仮想線Lfに対して、上方へ突出して配置されている。
ここで、例えば、車室内における運転席の運転者耳部位置にマイクを設置して測定される車両1の車室内騒音全て(空力騒音に加えてエンジン、駆動系のノイズ、タイヤのロードノイズ、パターンノイズ等を含む)に対して、空力騒音(風切音)のみの音圧レベルの差が3dBとなる車速(車種などにより異なるが、一例として、約80km/h程度)で走行したときに、カウル60からフェンダ70側へ吹き出し、上面部71に沿って変曲点73側へ流れる気流によって上面部71の表面に形成される境界層の厚さをδとすると、仮想線Lfからの整流部材100の負圧発生部の突出量hは、δよりも大きく設定されている。
なお、上記車速の設定時には、車両1の全騒音は、例えば、道路表面の凹凸を表す指標であって、3m区間で計測する平坦度が、例えば0.8mm以内となる路面において測定する。
ここで、境界層の厚さδは、以下の式1によって求めることができる。

Figure 2017065481

δ:境界層厚さ(m)
ν:空気の動粘性係数(常温20℃で1.512(10−5m/sec))
x:フェンダ70の上面部71の気流に沿った長さ(m)
:空気の流速(m/sec)
例えば、x=0.05m、U=22.2m/s(80km/h)である場合には、境界層の厚さδ≒0.0003(m)となる。
整流部材100の負圧発生部が、この境界層厚さδを超えて突出することによって、気流Fに対して効果的に負圧の影響を及ぼし、下方に誘導することができる。
なお、図4(a)に示す構成に代えて、図4(b)に示す変形例のように、整流部材100の上端が、仮想線Lfより上方に突出していない場合、すなわち、h≦0である場合であっても、整流部材100のフェンダ70の表面からの突出量h’(例えば、変曲点73よりも下方かつ車幅方向外側の側面部72から垂線を引いたときの整流部材100の最大距離h’)が、境界層厚さδよりも大きく設定されている構成とすることによって、実質的に同様の効果を得ることができる。
以下、実施例1の整流装置の効果を、本発明の参考例と対比して説明する。
本発明の参考例における車両は、実施例1の整流装置を有する車両から、整流装置(整流部材100)のみを除去したものである。
図5は、参考例の車両における走行時のカウル部周囲の気流を模式的に示す図である。
図5に示す参考例においては、フード50に沿って流れる気流Fの一部は、フロントシールド10との干渉によってカウル60に流入し、カウル60の凹部内を車幅方向内側から外側へ流れる。
カウル60の車幅方向側端部からフェンダ70の上面部71を乗り越えて車幅方向外側へ吹き出した気流Fは、後方に噴き流されてフロントピラー20の周囲の縦渦と合流し、フロントピラー20の周囲の空気の乱れのエネルギを増大させ、空力騒音(風切音)を悪化させてしまう。
図6は、実施例1の整流装置を有する車両における走行時のカウル部周囲の気流を模式的に示す図である。
実施例1の整流装置を有する車両の場合には、走行風によって整流部材100の上面部101の近傍に、他の領域に対して相対的に負圧となる領域が形成される。
カウル60の車幅方向側端部からフェンダ70の上面部71を乗り越えて車幅方向外側へ吹き出した気流Fは、整流部材100の後方側に形成される負圧によって、上面部101にほぼ沿って下方へ誘導され、整流部材100の後縁部104付近から車両後方側へ吹き流されることによって、ドアミラー43の下方を通ってフロンドドア40のアウタパネル(車体側面部)に沿って車両後方側へ進行する。
このため、実施例1の整流装置を有する車両1においては、フロントピラー20の周囲の空気の乱れのエネルギが参考例に対して抑制され、空力騒音を低減することができる。
次に、本発明を適用した整流装置の実施例2について説明する。
以下説明する各実施例において、従前の実施例と実質的に共通する箇所には同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図7は、実施例2の整流装置を有する車両の車体前部の模式的側面図である。
実施例2の整流装置は、実施例1の整流部材100に代えて、以下説明する整流部材100Aを有する。
整流部材100Aは、実施例1の整流部材100と実質的に同様にフェンダ70から突出して形成された平板状の部材である。
整流部材100Aは、前端部が後端部に対して高くなるよう傾斜して配置されている。
整流部材100Aの後端部は、高さ方向における位置がドアミラー43の下端部よりも下方に配置されるとともに、前後方向における位置がフロントドア40の前端部近傍に配置されている。
以上説明した実施例2においても、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用した整流装置の実施例3について説明する。
図8は、実施例3の整流装置を有する車両の車体前部の模式的側面図である。
実施例3の整流装置は、実施例1の整流部材100に代えて、以下説明する整流部材100Bを有する。
整流部材100Bは、車幅方向から見た形状が実質的に楕円状となる突起を、フェンダ70の側面部72に上下方向に配列したものである。
各突起の正面視における形状は、例えば、実質的に半円状に形成されている。
突起は、上段に対して下段が車両後方側となるように、配列方向を前傾させて配置されている。
最上段の突起の前端部は、実施例1における整流部材100の前縁部103と実質的に同じ位置に配置されている。
最下段の突起の後端部は、実施例1における整流部材100の後縁部104と実質的に同じ位置に配置されている。
最下段の突起の後端部は、高さ方向における位置がドアミラー43の下端部よりも下方に配置されるとともに、前後方向における位置がフロントドア40の前端部近傍に配置されている。
以上説明した実施例3においても、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用した整流装置の実施例4について説明する。
図9は、実施例4の整流装置を有する車両の車体前部の模式的側面図である。
実施例4の整流装置は、実施例3の整流部材100Bに代えて、以下説明する整流部材100Cを有する。
整流部材100Cは、車幅方向から見た形状が、楕円の後部を鉛直方向及び車幅方向にほぼ沿った平面に沿ってカットした実質的に釣鐘型あるいは弾丸型の突起を、フェンダ70の側面部における上下方向に配列したものである。
各突起の正面視における形状は、例えば、実質的に半円状に形成されている。
各突起の配列は、実施例3の整流部材100Bと実質的に同様である。
以上説明した実施例4においても、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
整流装置及び車両の各部を構成する各要素の形状、構造、材質、配置、数量、製法等は、上述した各実施例に限定されず、適宜変更することが可能である。
例えば、整流部材の形状、数量、配置等は、車両の走行時に後方側に負圧を発生可能である限り、適宜変更することができる。
また、整流部材の内部に後方撮影用の撮像手段を内装する場合には、ドアミラーを設けない構成とすることもできる。
1 車両
10 フロントシールド 11 上端部
12 下端部 13 側端部
20 フロントピラー(Aピラー) 30 ルーフ
40 フロントドア 41 フロントドアガラス
42 ドアサッシュ 43 ドアミラー
50 フード 51 後縁部
52 側端部 60 カウル
70 フェンダ 71 上面部
72 側面部 73 変曲点
74 開口 80 バンパフェイス
90 フロントコンビネーションランプ
100 整流部材(実施例1) 101 上面部
101a 翼厚最大箇所 102 下面部
103 前縁部 104 後縁部
105 翼端部 CL 翼型中心線
100A 整流部材(実施例2)
100B 整流部材(実施例3)
100C 整流部材(実施例4)

Claims (8)

  1. 車室前部に設けられたフロントシールドと、
    前記フロントシールドの前方側に設けられたフードと、
    前記フードの後縁部と前記フロントシールドの下端部との間に設けられたカウル部と、
    前記フード及び前記カウル部の車幅方向外側に設けられたフェンダと
    を有する車両に設けられる整流装置であって、
    前記フェンダの側面部であって前記フードの後縁部と隣接する領域に設けられ、車両の走行時の気流によって後方側に負圧を発生させる負圧発生部を有する整流部材を備え、
    前記フェンダは、前記フードの側端部近傍に正面視の断面形状において曲率が局所的に大きくなる屈曲点が形成され、
    前記負圧発生部の少なくとも一部は、前記フェンダの表面における車幅方向内側の端部から前記屈曲点までの間に配置されること
    を特徴とする整流装置。
  2. 前記負圧発生部の前記フェンダ表面からの突出量は、車両走行時に車室内において測定される空力騒音を含む全ての音と、空力騒音との音圧レベルの差が3dBとなる車速において前記フェンダの表面に形成される境界層の厚さ以上であること
    を特徴とする請求項1に記載の整流装置。
  3. 前記整流部材は、車両側面視において上方に負圧を発生する方向に配置された翼型を有し、
    前記負圧発生部は、前記翼型の上面部に設けられること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の整流装置。
  4. 前記翼型は迎角がプラスとなるよう配置されること
    を特徴とする請求項3に記載の整流装置。
  5. 前記翼型の翼厚が最大となる部位が、前記フェンダの車幅方向内側の端部から前記屈曲点までの間に配置されること
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の整流装置。
  6. 前記翼型の後縁部は、上下方向における位置がドアミラーの下端部よりも下方に配置され、前後方向における位置がドア前端縁部近傍に配置されること
    を特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の整流装置。
  7. 前記整流部材に車両外部の状況を撮像する撮像手段を設けたこと
    を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の整流装置。
  8. 前記撮像手段は、車両の後方、側方、下方の少なくとも一方を撮像すること
    を特徴とする請求項7に記載の整流装置。
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