JP2017065184A - 平版印刷版ダミー版、その製造方法、及びそれを用いる印刷方法 - Google Patents

平版印刷版ダミー版、その製造方法、及びそれを用いる印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エッジ汚れの発生が防止された平版印刷版ダミー版、その製造方法、及びそれを用いた印刷方法を提供すること。また、エッジ汚れの発生が防止され、且つ機上現像に対応できる平版印刷版ダミー版、その製造方法、及びそれを用いた印刷方法を提供すること。【解決手段】アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m2以上多い平版印刷版ダミー版、その製造方法、及びそれを用いた印刷方法。【選択図】なし

Description

本発明は、平版印刷版ダミー版、その製造方法、及びそれを用いる印刷方法に関する。
多色印刷の分野においては、印刷機の版胴の印刷を必要としない部分に、印刷版の替わりダミー版を取り付けて印刷が行われている。このようなダミー版(捨版、水版、ブランク版と称されることもある)としては、アルミニウムなどのベース材上にインク付着防止用の保護層を有する捨版(特許文献1)、アルミニウムなどの親水性表面を有する金属支持体上に、水溶性化合物の下塗層及び水不溶性の非感光性樹脂層を有する捨版(特許文献2)、支持体上に、アルカリ可溶性のバインダーポリマー及び染料を含有し、350〜450nmに吸収極大を有し、その吸収極大における吸光度が0.2以上である非感光層を有するダミー版(特許文献3)が知られている。特許文献3には、支持体と非感光性層との間に、水溶性化合物を含有する下塗層を設けることも記載されている。
日本国特開平3−175090号公報 日本国特開平11−240266号公報 日本国特許第4005578号公報
しかしながら、これらのダミー版を用いて新聞印刷のように輪転機を用いてロール状の紙に連続して印刷を行う場合、ダミー版の端部はロール紙面内にあるため、端部に付着したインキが紙に転写されて線状の汚れ(エッジ汚れ)を発生させ、印刷物の商品価値を著しく損ねることが判明した。
また、地球環境への配慮から、最近では、平版印刷版原版の現像方法として、従来の現像液を用いる湿式処理を行わず、印刷工程の初期の段階で、印刷機上で不要な非画像部を除去する、いわゆる「機上現像」と呼ばれる方法が実用化されており、平版印刷版ダミー版も、このような機上現像に対応できることが望まれている。特に、機上現像においては、平版印刷版原版と平版印刷版ダミー版を印刷機の版胴に装着し、平版印刷版原版に対しては印刷インキと湿し水を供給し、平版印刷版ダミー版に対しては湿し水のみ又は少量の印刷インキと湿し水を供給して機上現像を行う場合があり、平版印刷版ダミー版は湿し水のみにより不要部分が除去されることが望ましい。
本発明の目的は、エッジ汚れの発生が防止された平版印刷版ダミー版、その製造方法、及びそれを用いた印刷方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、エッジ汚れの発生が防止され、且つ機上現像に対応できる平版印刷版ダミー版、その製造方法、及びそれを用いた印刷方法を提供することである。
(1)アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版。
(2)上記親水化成分が、水溶性化合物である(1)に記載の平版印刷版ダミー版。
(3)上記親水化成分が、アルミニウム支持体吸着性基を有する化合物である(1)又は(2)に記載の平版印刷版ダミー版。
(4)上記アルミニウム支持体吸着性基を有する化合物が、リン酸化合物及びホスホン酸化合物の少なくとも1つである(3)に記載の平版印刷版ダミー版。
(5)上記リン酸化合物又は上記ホスホン酸化合物が、高分子化合物である(4)に記載の平版印刷版ダミー版。
(6)上記親水化成分が、微粒子である(1)に記載の平版印刷版ダミー版。
(7)上記微粒子が、有機樹脂微粒子である(6)に記載の平版印刷版ダミー版。
(8)上記微粒子が、ミクロゲルである(6)に記載の平版印刷版ダミー版。
(9)上記微粒子が、無機微粒子である(6)に記載の平版印刷版ダミー版。
(10)上記無機微粒子が、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム又はこれらの混合物である(9)に記載の平版印刷版ダミー版。
(11)上記非感光性親水層上に、更に非感光性樹脂層を有する(1)〜(10)のいずれか1項に記載の平版印刷版ダミー版。
(12)上記非感光性樹脂層が、低分子親水性化合物を含有する(11)に記載の平版印刷版ダミー版。
(13)上記低分子親水性化合物が、アルキレンオキシ基を有するアニオン性界面活性剤である(12)に記載の平版印刷版ダミー版。
(14)上記非感光性樹脂層が、可塑剤を含有する(11)〜(13)のいずれか1項に記載の平版印刷版ダミー版。
(15)上記非感光性樹脂層の上に、更に保護層を有する(11)〜(14)のいずれか1項に記載の平版印刷版ダミー版。
(16)上記平版印刷版ダミー版の端部が、ダレ量Xが35〜150μm、ダレ幅Yが70〜300μmのダレ形状を有する(1)〜(15)のいずれか1項に記載の平版印刷版ダミー版。
(17)アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
上記親水化成分を含有する塗布液を、a工程で形成される上記非感光性親水層の一部の領域と重なるように塗布する塗布工程b、及び、
上記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程cを、
上記支持体に、a工程、b工程の順で行うか、又は、b工程、a工程の順で行い、その後c工程を行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
(18)アルミニウム支持体上に非感光性親水層及び非感光性樹脂層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
上記親水化成分を含有する塗布液を、a工程で形成される上記非感光性親水層の一部の領域と重なるように塗布する塗布工程b、
上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程d、及び、
上記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程cを、
上記支持体に、a工程、b工程、d工程の順で行うか、b工程、a工程、d工程の順で行うか、又は、a工程、d工程、b工程の順で行い、その後c工程を行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
(19)アルミニウム支持体上に非感光性親水層、非感光性樹脂層及び保護層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
上記親水化成分を含有する塗布液を、a工程で形成される上記非感光性親水層の一部の領域と重なるように塗布する塗布工程b、
上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程d、
上記保護層を形成する保護層形成工程e、及び、
上記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程cを、
上記支持体に、a工程、b工程、d工程、e工程の順で行うか、b工程、a工程、d工程、e工程の順で行うか、a工程、d工程、b工程、e工程の順で行うか、又は、a工程、d工程、e工程、b工程の順で行い、その後c工程を行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
(20)アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、及び
上記親水化成分を含有する塗布液を、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程fを、
上記支持体に、a工程、f工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
(21)アルミニウム支持体上に非感光性親水層及び非感光性樹脂層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
上記親水化成分を含有する塗布液を、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程f、及び
上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程dを、
上記支持体に、a工程、d工程、f工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
(22)アルミニウム支持体上に非感光性親水層、非感光性樹脂層及び保護層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
上記親水化成分を含有する塗布液を、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程f、
上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程d、及び、
上記保護層を形成する保護層形成工程eを、
上記支持体に、a工程、d工程、e工程、f工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
(23)アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
上記非感光性親水層を有するアルミニウム支持体を裁断する工程g、
上記親水化成分を含有する塗布液を、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程f、
上記親水化成分を含有する塗布液を、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲になるよう塗布する塗布工程h、及び、
上記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程cを、
上記支持体に、a工程、g工程、f工程の順で行うか、又は、h工程、c工程、a工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
(24)アルミニウム支持体上に非感光性親水層及び非感光性樹脂層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
上記非感光性親水層を有するアルミニウム支持体を裁断する工程g、
上記親水化成分を含有する塗布液を、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程f、
上記親水化成分を含有する塗布液を、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲になるよう塗布する塗布工程h、
上記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程c、及び、
上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程dを、
上記支持体に、a工程、d工程、g工程、f工程の順で行うか、a工程、g工程、d工程、f工程の順で行うか、h工程、c工程、a工程、d工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
(25)アルミニウム支持体上に非感光性親水層、非感光性樹脂層及び保護層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
上記非感光性親水層を有するアルミニウム支持体を裁断する工程g、
上記親水化成分を含有する塗布液を、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程f、
上記親水化成分を含有する塗布液を、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲になるよう塗布する塗布工程h、
上記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程c、
上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程d、及び、
上記保護層を形成する保護層形成工程eを、
上記支持体に、a工程、d工程、e工程、g工程、f工程の順で行うか、a工程、g工程、d工程、e工程、f工程の順で行うか、又はh工程、c工程、a工程、d工程、e工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
(26)アルミニウム支持体上に少なくとも非感光性親水層及び非感光性樹脂層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の印刷方法であって、
上記非感光性樹脂層を、印刷機上で印刷インキ及び/又は湿し水を供給して除去する機上現像処理工程を含む平版印刷版ダミー版の印刷方法。
(27)アルミニウム支持体上に少なくとも非感光性親水層及び非感光性樹脂層を有する平版印刷版ダミー版であって、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製版方法であって、
上記非感光性樹脂層を、界面活性剤を含むpHが3〜12の現像液より除去する溶液現像処理工程を含む平版印刷版ダミー版の製版方法。
本発明によれば、エッジ汚れの発生が防止された平版印刷版ダミー版、その製造方法、及びそれを用いた印刷方法を提供することができる。
また、本発明によれば、エッジ汚れの発生が防止され、且つ機上現像に対応できる平版印刷版ダミー版、その製造方法、及びそれを用いた印刷方法を提供することができる。
裁断された平版印刷版ダミー版の端部の断面形状の一例を示す模式図である。 スリッター装置の裁断部の一例を示す概念図である。 平版印刷版用支持体の製造における機械粗面化処理に用いられるブラシグレイニングの工程の概念を示す側面図である。 平版印刷版用支持体の製造における交流を用いる電気化学的粗面化処理におけるラジアル型セルの一例を示す側面図である。 平版印刷版用支持体の製造における陽極酸化処理に用いられる陽極酸化処理装置の概略図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る平版印刷版ダミー版は、アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多いことを特徴としている。
〔アルミニウム支持体〕
本発明に係る平版印刷版ダミー版は、アルミニウム支持体を有する。平版印刷版ダミー版のアルミニウム支持体としては、平版印刷版原版に用いられる公知のアルミニウム支持体(アルミニウム合金支持体を含む)が用いられる。なかでも、公知の方法で粗面化処理され、陽極酸化処理されたアルミニウム板が好ましく用いられる。
粗面化処理及び陽極酸化処理については、例えば、特開2014−198453号公報の段落番号[0045]−[0064]及び[0069]−[0077]に記載されている平版印刷版原版用アルミニウム支持体に適用される粗面化処理及び陽極酸化処理を用いることもできる。
アルミニウム板には、必要に応じて、更に、特開2001−253181号公報や特開2001−322365号公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や封孔処理、及び米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケートあるいは米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号及び同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸などによる表面親水化処理を適宜選択して行うことができる。
アルミニウム支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであることが好ましい。
アルミニウム支持体には、必要に応じて、裏面に、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物あるいは特開平6−35174号公報に記載されているケイ素のアルコキシ化合物を含むバックコート層を設けることができる。
〔非感光性親水層〕
本発明に係る平版印刷版ダミー版は、非感光性親水層を有する。本明細書において、「非感光性」とは、本発明に係る平版印刷版ダミー版と共に印刷工程に供される通常の平版印刷版原版の画像露光工程において用いられる光源の光に対して、実質的に感光性を有さないことを意味する。実質的に感光性を有さないとは、平版印刷版ダミー版が通常用いられる範囲において、重合反応が生じないことを意味する。
非感光性親水層は、親水性成分を含有する。親水性成分とは、アルミニウム支持体上に存在することで、アルミニウム支持体上に存在しなかった場合よりも、表面の親水性を向上させうる成分のことをいう。なお、表面の親水性は、公知の空中水滴法による接触角により評価することができる。親水性成分としては、アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基を有する化合物を挙げることができる。アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基としては、フェノール性ヒドロキシ基、カルボキシ基、−PO32、−OPO32、−CONHSO2−、−SO2NHSO2−及び−COCH2COCH3が好ましい。アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基を有する化合物は、更に、親水性基を有していてもよい。親水性基としては、スルホ基が好ましい。アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基を有する化合物は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。高分子化合物である場合は、アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基を有するモノマー及び親水性基を有するモノマーから得られる共重合体が好ましい。
アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基を有する化合物としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載のシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のリン化合物が好適に挙げられる。また、特開2005-238816号公報、特開2005−125749号公報、特開2006−239867号公報、特開2006−215263号公報に記載のアルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基及び親水性基を有する低分子又は高分子化合物も好ましく用いられる。
より好ましくは、特開2005−125749号公報及び特開2006−188038号公報に記載のアルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基及び親水性基を有する高分子化合物が挙げられる。
アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基を有する化合物の含有量は、非感光性親水層固形分の、0.01〜100質量%が好ましく、10〜100質量%がより好ましく、30〜100質量%が更に好ましい。
親水性成分としては、界面活性剤を用いることもできる。親水性成分として用いられる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられ、アニオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などが挙げられる。これらアニオン性界面活性剤の中でも、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩類、及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
具体的には、下記式(I−A)又は式(I−B)で表されるアニオン性界面活性剤を挙げることができる。
Figure 2017065184
上記式(I−A)中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、pは0、1又は2を表し、Arは炭素原子数6〜10のアリール基を表し、qは1、2又は3を表し、M はNa、K、Li又はNH を表す。pが2の場合、複数存在するRは互いに同じでも異なっていてもよい。
上記式(I−B)中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、mは0、1又は2を表し、Arは炭素原子数6〜10のアリール基を表し、Yは単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、nは1〜100の整数を表し、M はNa、K、Li又はNH を表す。mが2の場合、複数存在するRは互いに同じでも異なっていてもよく、nが2以上の場合には、複数存在するRは互いに同じでも異なっていてもよい。
式(I−A)及び式(I−B)中、R及びRの好ましい例としては、CH、C、C又はCが挙げられる。Rの好ましい例としては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)−が挙げられ、より好ましい例としては−CHCH−が挙げられる。p及びmは0又は1であることが好ましく、pは0であることが特に好ましい。Yは単結合であることが好ましい。nは1〜20の整数であることが好ましい。
式(I−A)又は式(I−B)で表されるアニオン性界面活性剤の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
Figure 2017065184
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどが挙げられる。これら非イオン性界面活性剤の中でも、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体類などが好ましい。
具体的には、例えば、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレートなどのポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレートなどのモノグリセリドアルキルエステル類などの非イオン界面活性剤が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、好ましくは、下記式(II−A)又は式(II−B)で表される界面活性剤が挙げられる。
Figure 2017065184
上記式(II−A)中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜100のアルキル基を表し、n及びmはそれぞれ0〜100の整数を表し、n及びmの双方が0であることはない。
上記式(II−B)中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜100のアルキル基を表し、n及びmはそれぞれ0〜100の整数を表し、n及びmの双方が0であることはない。
式(II−A)で表される化合物としては、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが挙げられる。式(II−B)で表される化合物としては、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルナフチルエーテル、ホリオキシエチレンノニルナフチルエーテルなどが挙げられる。
上記式(II−A)又は式(II−B)で表される化合物において、n(オキシエチレン鎖の繰り返し単位数)は、好ましくは3〜50、より好ましくは5〜30である。m(オキシプロピレン鎖の繰り返し単位数)は、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜5である。ポリオキシエチレン部とポリオキシプロピレン部はランダムで存在してもよくブロックで存在してもよい。
式(II−A)又は式(II−B)で表される非イオン性界面活性剤の具体例を以下に示す。下記例示化合物「Y−5」におけるオキシエチレン繰り返し単位及びオキシプロピレン繰り返し単位は、ランダム結合、ブロック結合のいずれの態様であってよい。
Figure 2017065184
Figure 2017065184
上記界面活性剤のうち、アニオン性界面活性剤が特に好ましく使用される。上記界面活性剤のうち、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム又はポリオキシエチレンアリールエーテルを用いることが好ましく、ナフタレンスルホン酸ナトリウム又はt−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを用いることがより好ましい。
界面活性剤は2種以上併用することもできる。例えば、互いに異なる2種以上のアニオン界面活性剤の併用やアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の併用が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類、ポリオキシアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などが挙げられる。
界面活性剤の含有量は、非感光性親水層固形分の、0.01〜100質量%が好ましく、10〜100質量%がより好ましく、30〜100質量%が更に好ましい。
親水性成分としては、リン酸化合物を用いることもできる。親水性成分として用いられるリン酸化合物としては、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが挙げられる。中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムが好ましく使用できる。
リン酸化合物の含有量は、非感光性親水層固形分の、0.01〜100質量%が好ましく、10〜100質量%がより好ましく、30〜100質量%が更に好ましい。
親水性成分としては、ホスホン酸化合物を用いることもできる。親水性成分として用いられるホスホン酸化合物としては、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、i−プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、2-ヒドロキシエチルホスホン酸及びこれらのナトリウム塩又はカリウム塩、メチルホスホン酸メチル、エチルホスホン酸メチル、2-ヒドロキシエチルホスホン酸メチルなどのアルキルホスホン酸モノアルキルエステル及びこれらのナトリウム塩又はカリウム塩、メチレンジホスホン酸、エチレンジホスホン酸等のアルキレンジホスホン酸及びこれらのナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。
ホスホン酸化合物の含有量は、非感光性親水層固形分の、0.01〜100質量%が好ましく、10〜100質量%がより好ましく、30〜100質量%が更に好ましい。
上記リン酸化合物及びホスホン酸化合物は、上記アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基を有する化合物の中の低分子化合物の例でもある。
親水性成分としては、特表2007−538279号公報の段落番号[0016]−[0028]に記載の「ゴム溶液」を使用することもできる。
親水性成分は必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。親水性成分としては、アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基を有するモノマー及び親水性基を有するモノマーから得られる共重合体が好ましい。
非感光性親水層は、上記親水性成分以外に、キレート剤、第2級又は第3級アミン、重合禁止剤、アミノ基又は重合禁止能を有する官能基とアルミニウム支持体表面と相互作用する基とを有する化合物等(例えば、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、2,3,5,6−テトラヒドロキシ−p−キノン、クロラニル、スルホフタル酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸など)を含有することができる。上記成分を用いると経時における汚れ防止に優れる。
非感光性親水層は、上記各成分を、水又は水と有機溶剤の混合溶剤に溶解又は分散して非感光性親水層用塗布液を調製し、この塗布液をアルミニウム支持体上に、公知の方法で塗布することにより形成することができる。塗布方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
非感光性親水層の厚さは、0.1〜10000μmが好ましく、0.5〜1000μmがより好ましく、1〜50μmが更に好ましい。
本発明に係る平版印刷版ダミー版においては、平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有すること、及び上記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性層側版面の領域に含まれる上記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、上記領域以外の領域における上記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多いことも特徴である。
上記平版印刷版ダミー版の端部とは、平版印刷版ダミー版の製造過程において、シート状に裁断される工程などにより形成される縁の部分を意味する。シート状平版印刷版ダミー版は上下左右4つの端部を有する。本発明に係るシート状平版印刷版ダミー版における親水化成分を含有するエッジ処理層を有する端部の数は、エッジ汚れ防止の観点から、印刷用紙の大きさとの関連で1〜4である。例えば、新聞印刷の場合には、通常、印刷用紙面内となる平版印刷版ダミー版の対向する2辺が端部に該当する。
端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の領域には、非感光性親水層のみならず、アルミニウム支持体の非感光性親水層側に設けられる全ての層(例えば、後述する、非感光性樹脂層、保護層など)が含まれる。従って、端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の領域における親水化成分の単位面積当たりの含有量とは、平版印刷版ダミー版の非感光性親水層側における端部から平版印刷版ダミー版の内側方向に5mmまでの領域において単位面積当たり存在する親水化成分の総含有量を意味する。同様に、上記領域以外の領域における親水化成分の単位面積当たりの含有量は、当該領域おいて単位面積当たり存在する親水化成分の総含有量を意味する。
以下、本発明に係る平版印刷版ダミー版において、端部から内側に5mmまでの領域を端部領域ともいう。また、端部領域以外の領域をその他の領域ともいう。
〔エッジ処理層〕
平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に存在する親水化成分を含有するエッジ処理層は独立の層として存在していてもよいし、親水化成分を含有するエッジ処理層の少なくとも一部が非感光性親水層を含むアルミニウム支持体の非感光性親水層側に設けられる全ての層(例えば、後述する、非感光性樹脂層、保護層など)の少なくとも1つと混合した状態で存在していてもよい。
親水化成分を含有するエッジ処理層は、平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に少なくとも存在すればよく、平版印刷版ダミー版の端部から5mm以上内側にまで存在していてもよい。
〔親水化成分〕
エッジ処理層に含有される親水化成分は、水溶性の化合物が好ましい。水溶性化合物としては、20℃の水100gに0.5g以上溶解する化合物であれば、どのような化合物でも用いることができる。20℃の水100gに2g以上溶解する化合物がより好ましい。
親水化成分は、アルミニウム支持体吸着性基を有することが好ましい。アルミニウム支持体吸着性基は、アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基であり、好ましい例としては、フェノール性ヒドロキシ基、カルボキシ基、−PO32基、−OPO32基、−CONHSO2−基、−SO2NHSO2−基及び−COCH2COCH3基が挙げられる。この中で、−PO32基及び−OPO32基が特に好ましい。以下に、−PO32基及び−OPO32基を有する化合物である、リン酸化合物及びホスホン酸化合物について詳しく記載する。
(リン酸化合物)
リン酸化合物は、リン酸、その塩、そのエステルなどを含む。例えば、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが挙げられる。中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
リン酸化合物としては、高分子化合物が好ましく、リン酸モノエステル基を有する高分子化合物がより好ましい。
リン酸エステル基を有する高分子化合物としては、分子内にリン酸エステル基を有する単量体の1種以上からなる重合体、又は、リン酸エステル基を含む1種以上の単量体及びリン酸エステル基を含まない1種以上の単量体との共重合体、リン酸エステル基を有さない高分子にポリマー反応によりリン酸エステル基を導入した高分子などが挙げられる。
リン酸エステル基を有する単量体としては、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−メタクリロイルオキシポリオキシエチレングリコール)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、アリルアルコールアシッドホスフェートなどが挙げられる。上記単量体の中でも、エッジ汚れ防止を助成する観点から、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートが好ましく用いられる。代表的な市販品としては、ライトエステルP−1M(共栄化学(株)製)、ホスマーPE(ユニケミカル(株)製)が挙げられる。
上記共重合体におけるリン酸エステル基を有さない単量体としては、親水性基を有する単量体が好ましい。親水性基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルキレンオキシド構造、アミノ基、アンモニウム基、アミド基が挙げられ、中でも、ヒドロキシ基、アルキレンオキシド構造、アミド基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレンオキシド単位を1〜20個有するアルキレンオキシド構造がより好ましく、エチレンオキシド単位を2〜10個有するポリエチレンオキシド構造が更に好ましい。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ポリ(オキシエチレン)メタクリレート、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド等が挙げられる。
リン酸エステル基を有する高分子化合物において、リン酸エステル基を有する繰り返し単位の割合は、好ましくは1〜100モル%、より好ましくは5〜100モル%、更に好ましくは10〜100モル%である。
リン酸エステル基を有する高分子化合物の質量平均分子量は、5,000〜1,000,000が好ましく、7,000〜700,000がより好ましく、10,000〜500,000が特に好ましい。
(ホスホン酸化合物)
ホスホン酸化合物は、ホスホン酸、その塩、そのエステルなどを含む。例えば、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、2−ヒドロキシエチルホスホン酸及びこれらのナトリウム塩又はカリウム塩、メチルホスホン酸メチル、エチルホスホン酸メチル、2−ヒドロキシエチルホスホン酸メチルなどのアルキルホスホン酸モノアルキルエステル及びこれらのナトリウム塩又はカリウム塩、メチレンジホスホン酸、エチレンジホスホン酸等のアルキレンジホスホン酸及びこれらのナトリウム塩又はカリウム塩、ポリビニルホスホン酸が挙げられる。
ホスホン酸化合物としては高分子化合物が好ましい。
ホスホン酸化合物として好ましい高分子化合物としては、ポリビニルホスホン酸、分子内にホスホン酸基又はホスホン酸モノエステル基を有する1種以上の単量体からなる重合体、ホスホン酸基又はホスホン酸モノエステル基を有する1種以上の単量体及びホスホン酸基又はホスホン酸モノエステル基を含まない1種以上の単量体との共重合体等が挙げられる。
ホスホン酸基を有する単量体としては、ビニルホスホン酸、エチルホスホン酸モノビニルエステル、アクリロイルアミノメチルホスホン酸、3−メタクリロイルオキシプロピルホスホン酸などが挙げられる。
上記高分子化合物としては、ホスホン酸エステル基を有する単量体の単独重合体、共重合体のどちらも用いられる。共重合体としては、例えば、ホスホン酸エステル基を有する単量体と親水性基を有する単量体との共重合体や、ホスホン酸エステル基を有する単量体とホスホン酸エステル基と親水性基のどちらも含まない単量体との共重合体が使用できる。
上記共重合体における親水性基を有する単量体の親水性基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルキレンオキシド構造、アミノ基、アンモニウム基、アミド基が挙げられ、中でも、ヒドロキシ基、アルキレンオキシド構造、アミド基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレンオキシド単位を1〜20個有するアルキレンオキシド構造がより好ましく、エチレンオキシド単位を2〜10個有するポリエチレンオキシド構造が更に好ましい。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ポリ(オキシエチレン)メタクリレート、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミドなどが挙げられる。
ホスホン酸エステル基を有する高分子化合物において、ホスホン酸エステル基を有する繰り返し単位の割合は、1〜100モル%、より好ましくは3〜100モル%、更に好ましくは5〜100モル%である。
ホスホン酸エステル基を有する高分子化合物の質量平均分子量は、5,000〜1,000,000が好ましく、7,000〜700,000がより好ましく、10,000〜500,000が特に好ましい。
(微粒子)
エッジ処理層に含有される親水化成分としては、微粒子を用いることもできる。エッジ処理層に含有される微粒子は、平版印刷版ダミー版中で微粒子状に存在する限り、有機微粒子及び無機微粒子のいずれでもよい。通常の平版印刷版原版の構成層、例えば、下塗り層、画像記録層、保護層に含有されることが知られている各種の微粒子を用いてもよい。微粒子の存在により、平版印刷版ダミー版が機上現像に供される場合、湿し水の浸透性が向上し、機上現像が促進されることで、エッジ汚れが解消されると考えられる。
<有機微粒子>
本発明に係る微粒子の中で、有機微粒子としては、有機樹脂微粒子、例えば、ミクロゲル(架橋ポリマー微粒子)、熱可塑性微粒子が好ましく用いられる。
<ミクロゲル>
ミクロゲルは、水性媒体に分散された反応性又は非反応性の樹脂粒子である。ミクロゲルは、その粒子中又は粒子表面に、好ましくは粒子表面に重合性基を有することにより、反応性ミクロゲルとした態様であってもよい。
粒子を構成する樹脂は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物が好ましく、ポリウレア及びポリウレタンがより好ましく、ポリウレタンが特に好ましい。
ミクロゲルは公知の方法で調製することができる。例えば、多価アルコールとジイソシアネートの付加体にエチレン性不飽和基を有する1価アルコールを反応させて、少量の界面活性剤と共に酢酸エチルに溶解して油性成分を調製する。水性成分として、ポリビニルアルコールの水溶液を調製する。油性成分及び水性成分を混合し、機械式撹拌機により高速撹拌して乳化分散し、固形分濃度を調整してミクロゲルが得られる。
<熱可塑性微粒子>
熱可塑性微粒子としては、例えば、1992年1月のResearch Disclosure No.33303、特開平9−123387号公報、同9−131850号公報、同9−171249号公報、同9−171250号公報及び欧州特許第931647号公報などに記載の熱可塑性微粒子を好ましく挙げることができる。
熱可塑性微粒子を構成するポリマーの具体例としては、エチレン、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾール、ポリアルキレン構造を有するアクリレート又はメタクリレートなどのモノマーのホモポリマーあるいはコポリマー又はこれらの混合物を挙げることができる。この中で、ポリスチレン、スチレン及びアクリロニトリルを含む共重合体、ポリメタクリル酸メチルが好ましい。
<無機微粒子>
本発明に係る微粒子の中で、無機微粒子としては、金属並びに金属化合物、例えば、酸化物、複合酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、有機酸塩、窒化物、炭化物、硫化物及びこれらの少なくとも2種以上の複合化物等が挙げられる。具体的には、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム、酸化ジルコン、酸化錫、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、硼酸アルミニウム、硼酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化チタン、塩基性硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ、炭化珪素、炭化チタン、硫化亜鉛及びこれらの少なくとも2種以上の複合化物等が挙げられる。好ましくは、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム又はこれらの混合物等が挙げられる。
本発明に係る微粒子の形状は、球状、針状、平板状、羽毛状、鎖状(数珠状)、不定形等如何なる形状のものでもよいが、球状のものが好ましい。
微粒子の粒子径は、平均粒子径として、5μm以下が好ましく、0.005〜3μmがより好ましく、0.01〜2μmが特に好ましい。
粒子径の測定には、公知の方法を使用することができる。具体的には、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、静的光散乱法、動的画像法、静的画像法、画像解析法、電子顕微鏡法などが挙げられる。例えば、微粒子含有液を粒子濃度が0.1〜1重量%になるように蒸留水などで希釈して、市販の平均粒子サイズ測定機(例えば、LA-910((株)堀場製作所製))で容易に測定することができる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であり好ましい。また、平版印刷版ダミー版においては、例えば、平版印刷版ダミー版の切片を電子顕微鏡等で観察する方法や画像解析する方法などが容易に粒子サイズを測定できるため好ましい。
上記微粒子の粒子径は、レーザー回折・散乱法(測定装置:LA−910、(株)堀場製作所製)を用いて測定した数値である。
親水化成分は、上記非感光性親水層に含有される親水性成分と同じであってもよい。
親水化成分は必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。例えば、上記リン酸化合物あるいはホスホン酸化合物と上記微粒子を併用することができる。
親水化成分としては、アルミニウム支持体表面に吸着可能な吸着性基を有するモノマー及び親水性基を有するモノマーから得られる共重合体と微粒子を併用して使用するのが好ましい。
従来の平版印刷版ダミー版において、その構成層、例えば、上記特開平3−175090号公報に記載の保護層又は上記特開平11−240266号公報及び特許第4005578号公報に記載の下塗り層に、親水化成分を含有させることは知られているが、いずれの場合も、親水化成分は平版印刷版ダミー版の面内においてほぼ均一に存在している。即ち、平版印刷版ダミー版の中央部分と端部分において、親水化成分の含有量は実質的に差がない。
これに対して、本発明に係る平版印刷版ダミー版においては、平版印刷版ダミー版の端部領域のみに上記親水化成分含有する塗布液を塗布するなどの手段を用いることにより、端部領域における親水化成分の含有量が、端部領域以外の領域に比べて意図的に多くなっていることが特徴である。具体的には、上述のとおり、平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の領域における単位面積当たりの親水化成分の含有量が、上記領域以外の領域における単位面積当たりの親水化成分の含有量より10mg/m以上多いことが特徴である。平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の領域における単位面積当たりの親水化成分の含有量と上記領域以外の領域における単位面積当たりの親水化成分の含有量との差を、上記の様に特定することにより、優れたエッジ汚れ防止性を有する平版印刷版ダミー版が得られる。
上記親水化成分の含有量の差は、10〜5000mg/m、より好ましくは30〜2000mg/m、特に好ましくは50〜1000mg/mである。
上記微粒子含有量の差は、好ましくは10〜3000mg/m、より好ましくは30〜1000mg/m、特に好ましくは50〜500mg/mである。
上記端部領域及びその他の領域おける単位面積当たりの親水化成分の含有量は、以下のようにして定めることができる。
親水性成分がリンを含有する場合には、対向する長辺2辺に当該親水化成分を含有する塗布液を塗布した平版印刷版ダミー版から、当該親水化成分を含有する塗布液を塗布した端部領域を幅2mm、0.1°の角度で斜め切削してサンプルAを得る。一方、当該親水化成分を含有する塗布液を塗布していないその他の領域から同様に斜め切削してサンプルBを得る。
サンプルA及びサンプルBの斜め切削面を、0.5mm×0.5mm角の視野で、走査型X線光電分光分析装置(PHI Quantera2000、ULVAC−PHI(株)製)を用いてP−Ox結合を定量し、単位面積(m)当たりに換算することにより、単位面積当たりの当該親水化成分の含有量を求めることができる。
親水化成分が硫黄を含有する場合には、上記と同様にしてS−Ox結合を定量し、当該親水化成分の含有量を定めることができる。
親水化成分が界面活性剤の場合には、平版印刷版ダミー版の端部領域及びその他の領域に該当する試料を準備し、各試料についてアルミニウム支持体上の全塗布膜を水、有機溶剤又はこれらの混合物などの溶媒を用いて脱膜する。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Prominence、(株)島津製作所製)により脱膜溶液中の界面活性剤を分離し、コロナ荷電化粒子検出器(Corona CAD、Thermo Fisher Scientific社製)で定量し、単位面積(m)当たりに換算することにより単位面積当たりの界面活性剤の含有量を決定することができる。
また、親水化成分が微粒子の場合には、含有量は以下のようにして定めることができる。
平版印刷版ダミー版の端部領域及びその他の領域に該当する試料を準備し、各試料についてアルミニウム支持体上の全塗布膜を水、有機溶剤又はこれらの混合物などの溶媒を用いて脱膜し、脱膜溶液に遠心分離操作を施して微粒子を分離し、微粒子の質量を測定し、質量を単位面積(m)当たりに換算することにより端部領域及びその他の領域の単位面積当たりの微粒子の含有量を決定することができる。
脱膜溶液から微粒子を分離するには、通常の微粒子分離方法が用いられる。例えば、フィルタなどによりろ過する方法、遠心分離機によって微粒子を沈降させて濃縮する方法などが挙げられる。フィルタろ過の装置は、例えば、減圧あるいは加圧ろ過のような装置を用いることができる。好ましいフィルタとしては、ろ紙、ナノフィルタ、ウルトラフィルタなどを挙げることができる。遠心分離機は微粒子を沈降させることができる装置であればよく、例えば、汎用の装置の他にもスキミング機能(回転中に上澄み層を吸引し、系外に排出する機能)付きのものや、連続的に固形物を排出する連続遠心分離機などが挙げられる。
遠心分離に使用する溶剤は、微粒子を溶解せず、他の塗布成分を溶解する溶剤が適当である。特に、水、水に可溶な有機溶剤などの非感光性親水層の形成時に用いられる溶剤が好ましい。例えば、水に可溶な有機溶剤としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン溶剤、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル溶剤、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。特に、沸点が120℃以下であって、水に対する溶解度(水100gに対する溶解量)が10g以上の有機溶剤が好ましく、20g以上の有機溶剤がより好ましい。
遠心分離条件は、遠心力(重力加速度の何倍の遠心加速度がかかるかを表す値)で50〜50000が好ましく、100〜40000がより好ましく、150〜30000が特に好ましい。遠心分離時の温度は、使用する溶媒種によるが、−10〜80℃が好ましく、−5〜70℃がより好ましく、0〜60℃が特に好ましい。
また、溶剤の除去工程としては、デカンテーションによる除去が一般的であるが、真空凍結乾燥により溶剤を昇華させて濃縮する方法、加熱ないし減圧による溶剤を乾燥させて濃縮する方法、これらを組合せた方法などを用いることもできる。
親水化成分を含有するエッジ処理層は、平版印刷版ダミー版を構成するアルミニウム支持体上から最上層上までのいずれかの位置に含有させることができる。例えば、平版印刷版ダミー版がアルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する場合、エッジ処理層は、アルミニウム支持体と非感光性親水層の間、非感光性親水層中及び非感光性親水層上のいずれの位置に存在していてもよい。また、エッジ処理層は複数の位置に存在していてもよく、上記構成の平版印刷版ダミー版の場合、例えば、アルミニウム支持体と非感光性親水の間及び非感光性親水層中、アルミニウム支持体と非感光性親水の間、非感光性親水層中及び非感光性親水層上に存在していてもよい。
親水化成分を含有するエッジ処理層は、エッジ汚れの原因と推定されるアルミニウム支持体上での非感光性樹脂層の残存を防止するため、アルミニウム支持体と非感光性樹脂層との間に存在することが好ましい。具体的には、アルミニウム支持体と非感光性親水層の間、非感光性親水層中、非感光性親水層と非感光性樹脂の間、アルミニウム支持体と非感光性親水層の間及び非感光性親水層中、又は、アルミニウム支持体と非感光性親水層の間、非感光性親水層中及び非感光性親水層と非感光性樹脂層の間に存在することが好ましい。
エッジ処理層を平版印刷版ダミー版の特定位置に存在させるには、親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の特定位置に適用することにより行うことができる。具体的な方法については、平版印刷版ダミー版の製造方法として後述する。
〔非感光性樹脂層〕
本発明に係る平版印刷版ダミー版は、非感光性親水層上に、更に、非感光性樹脂層を有することができる。非感光性樹脂層を有することにより、平版印刷版ダミー版を取り扱う際の耐傷性が向上する効果が得られる。
非感光性樹脂層は、印刷機上で酸性〜アルカリ性の湿し水及び印刷インキの少なくとも一方により除去され得る層である。
非感光性樹脂層は、樹脂を含有する。樹脂は、主として非感光性樹脂層の膜強度を向上させる目的で用いられる。非感光性樹脂層に含有される樹脂は、通常の平版印刷版原版の画像記録層においてバインダーポリマーとして用いられる従来公知の樹脂を用いることができ、皮膜性を有する樹脂が好ましい。なかでも、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂などが好ましい。
また、非感光性樹脂層に含有される樹脂は親水性基を有することが好ましい。親水性基は非感光性樹脂層に機上現像性を付与するのに寄与する。
親水性基としては、たとえば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルキレンオキシド構造、アミノ基、アンモニウム基、アミド基、スルホ基、リン酸基等などがあり、なかでも、炭素数2又は3のアルキレンオキシド単位を1〜9個有するアルキレンオキシド構造が好ましい。バインダーポリマーに親水性基を付与するには、例えば、親水性基を有するモノマーを共重合することにより行うことできる。
非感光性樹脂層に含有される樹脂は、質量平均分子量(Mw)が2000以上であることが好ましく、5000以上であることがより好ましく、1万〜30万であることが更に好ましい。
非感光性樹脂層に含有される樹脂の含有量は、非感光性樹脂層の全固形分に対して、3〜90質量%が適当であり、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。
非感光性樹脂層に含有される樹脂の好ましい例として、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物が挙げられる。ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物(以下、特定高分子化合物ともいう)を非感光性樹脂層に含有させることにより、湿し水の浸透性が促進され、機上現像性が向上する。
特定高分子化合物の主鎖を構成する樹脂としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられ、特にアクリル樹脂が好ましい。
特定高分子化合物は、パーフルオロアルキル基を実質的に含まないものである。「パーフルオロアルキル基を実質的に含まない」とは、高分子化合物中のパーフルオロアルキル基として存在するフッ素原子の質量比が0.5質量%より少ないものであり、含まないものが好ましい。フッ素原子の質量比は元素分析法により測定される。
また、「パーフルオロアルキル基」とは、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子で置換され基である。
ポリオキシアルキレン鎖におけるアルキレンオキサイド(オキシアルキレン)としては炭素原子数が2〜6のアルキレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド(オキシエチレン)又はプロピレンオキサイド(オキシプロピレン)がより好ましく、エチレンオキサイドが更に好ましい。
ポリオキシアルキレン鎖、すなわち、ポリ(アルキレンオキサイド)部位におけるアルキレンオキサイドの繰返し数は2〜50が好ましく、4〜25がより好ましい。
アルキレンオキサイドの繰り返し数が2以上であれば湿し水の浸透性が十分向上し、また、繰り返し数が50以下であれば摩耗による耐刷性が低下することがなく、好ましい。
ポリ(アルキレンオキサイド)部位は、高分子化合物の側鎖として、下記一般式(1)で表される構造で含有されることが好ましい。より好ましくは、アクリル樹脂の側鎖として、下記一般式(1)で表される構造で含有される。
Figure 2017065184
一般式(1)中、yは2〜50が好ましく、4〜25の範囲がより好ましい。Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rは水素原子又は有機基を表す。有機基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。
一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。Rは水素原子又はメチル基が特に好ましい。
特定高分子化合物は、膜強度などの諸性能を向上させる目的で、特定高分子化合物本来の効果を損なわない限りにおいて、更に、共重合成分を含んでいてもよい。好ましい共重合成分としては、下記一般式(2)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2017065184
一般式(2)において、R21は水素原子又はメチル基を表す。R22は置換基を表す。
22の好ましい例としては、エステル基、アミド基、シアノ基、ヒドロキシ基、又はアリール基が挙げられる。なかでも、エステル基、アミド基、又は置換基を有してよいフェニル基が好ましい。フェニル基の置換基としては、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アセトキシメチル基などが挙げられる。
一般式(2)で表される共重合成分としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、N−置換アクリルアミド類、N−置換メタクリルアミド類、N,N−2置換アクリルアミド類、N,N−2置換メタクリルアミド類、スチレン類、アクリロニトリル類、メタクリロニトリル類などが挙げられる。好ましくは、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、N−置換アクリルアミド類、N−置換メタクリルアミド類、N,N−2置換アクリルアミド類、N,N−2置換メタクリルアミド類、スチレン類、などが挙げられる。
また、特定高分子化合物は架橋性官能基を有していてもよい。架橋性官能基としては、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基、スチリル基などのエチレン性不飽和基やエポキシ基等が好ましく、架橋性官能基は高分子反応や共重合によって特定高分子化合物に導入することができる。例えば、カルボキシ基を側鎖に有するアクリルポリマーやポリウレタンとグリシジルメタクリレートとの反応、あるいはエポキシ基を有するポリマーとメタクリル酸などのエチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応を利用できる。
特定高分子化合物を構成する全繰り返し単位に対する、ポリ(アルキレンオキサイド)部位を有する繰り返し単位の比率は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜80モル%、より好ましくは0.5〜50モル%である。
以下に特定高分子化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお繰り返し単位の比はモル比である。下記具体例中、Meはメチル基を表す。
Figure 2017065184
特定高分子化合物は必要に応じて、特開2008−195018号公報に記載のポリアクリル酸、ポリビニルアルコールなどの親水性高分子化合物を併用することができる。また、親油的な高分子化合物と親水的な高分子化合物を併用することもできる。
特定高分子化合物の画像記録層中での形態は、画像記録層成分のつなぎの機能を果たすバインダーとして存在する以外に、微粒子の形状で存在してもよい。微粒子形状で存在する場合には、平均粒径は10〜1000nmの範囲であり、好ましくは20〜300nmの範囲であり、特に好ましくは30〜120nmの範囲である。
非感光性樹脂層に含有される樹脂の他の好ましい例として、6官能以上10官能以下の多官能チオールを核として、この核に対しスルフィド結合により結合したポリマー鎖を有する高分子化合物(以下、星型高分子化合物ともいう)が挙げられる。星型高分子化合物としては、湿し水の浸透性が促進され、機上現像性が向上することから、特開2012−148555号公報に記載の化合物を好ましく用いることができる。
非感光性樹脂層に含有される樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし2種類以上を混合して使用してもよい。
非感光性樹脂層には、機上現像性を向上させるために、低分子親水性化合物を含有させることができる。
低分子親水性化合物としては、例えば、水溶性有機化合物として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のポリオール類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等の有機アミン類及びその塩、アルキルスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及びその塩、アルキルスルファミン酸等の有機スルファミン酸類及びその塩、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸等の有機硫酸類及びその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類及びその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類及びその塩、ベタイン類、等が挙げられる。
これらの中でも、ポリオール類、有機硫酸塩類、有機スルホン酸塩類、ベタイン類の群から選ばれる少なくとも一つを含有させることが好ましい。
有機スルホン酸塩の具体的な化合物としては、特開2007−276454号公報の段落番号[0026]〜[0031]、特開2009−154525号公報の段落番号[0020]〜[0047]に記載の化合物などが挙げられる。塩は、カリウム塩、リチウム塩でもよい。
有機硫酸塩としては、特開2007−276454号公報の段落番号[0034]〜[0038]に記載の化合物が挙げられる。
ベタイン類としては、窒素原子への炭化水素置換基の炭素原子数が1〜5である化合物が好ましく、具体例としては、トリメチルアンモニウムアセタート、ジメチルプロピルアンモニウムアセタート、3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニオブチラート、4−(1−ピリジニオ)ブチラート、1−ヒドロキシエチル−1−イミダゾリオアセタート、トリメチルアンモニウムメタンスルホナート、ジメチルプロピルアンモニウムメタンスルホナート、3−トリメチルアンモニオ−1−プロパンスルホナート、3−(1−ピリジニオ)−1−プロパンスルホナートなどが挙げられる。
低分子親水性化合物としては、アルキレンオキシ基を有するアニオン性界面活性剤を用いることができる。アルキレンオキシ基を有するアニオン性界面活性剤としては、エチレンオキシド基を含有した有機スルホン酸塩が挙げられ、エチレンオキシド単位は1〜4が好ましく、塩はナトリウム塩、カリウム塩又はリチウム塩が好ましい。具体例としては、特開2007−276454号公報の段落番号[0034]〜[0038]に記載の化合物が挙げられる。
低分子親水性化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
低分子親水性化合物の含有量は、非感光性樹脂層全固形分の0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%が更に好ましい。
非感光性樹脂層には、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を含有させることができる。可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸ジエステル類、ジオクチルアジペート、ブチルグリコールアジペート、ジオクチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルセバケートなどの脂肪族二塩基酸エステル類、エポキシ化大豆油などのエポキシ化トリグリセリド類、トリクレジルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリスクロルエチルフォスフェートなどの燐酸エステル類、安息香酸ベンジルなどの安息香酸エステル類などが挙げられる。
また、通常の平版印刷版原版の画像記録層において重合性化合物として用いられる従来公知のモノマー、プレポリマー(二量体、三量体、オリゴマーなど)も可塑剤として用いられる。
可塑剤は2種以上組み合わせても用いてもよい。可塑剤の含有量は、非感光性樹脂層固形分の0.1%〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
非感光性樹脂層には、更に、マイクロカプセル、ミクロゲルなどの微粒子形状の高分子化合物を含有することができる。
マイクロカプセルとしては、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、非感光性樹脂層の構成成分の少なくとも一部をマイクロカプセルに内包させたものである。非感光性樹脂層の構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。マイクロカプセルを含有する非感光性樹脂層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性の構成成分をマイクロカプセル外に含有する構成が好ましい態様である。
ミクロゲル(架橋ポリマー微粒子)は、その表面又は内部の少なくとも一方に、非感光性樹脂層の構成成分の一部を含有することができる。
非感光性樹脂層の構成成分をマイクロカプセル化又はミクロゲル化するには、公知の方法が適用できる。
微粒子形状の高分子化合物の平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましく、0.03〜2.0μmがより好ましく、0.10〜1.0μmが更に好ましい。この範囲で良好な機上現像性が得られる。
微粒子形状の高分子化合物の含有量は、非感光性樹脂層全固形分の5〜90質量%が好ましい。
非感光性樹脂層は、必要に応じて、更に、界面活性剤、着色剤、焼き出し剤、重合禁止剤、高級脂肪酸誘導体、可塑剤、無機微粒子、無機質層状化合物、共増感剤、連鎖移動剤などを含有することができる。具体的には、特開2008−284817号公報の段落番号[0114]〜[0159]、特開2006−091479号公報の段落番号[0023]〜[0027]、米国特許公開2008/0311520号明細書の段落番号[0060]に記載の化合物及び添加量を好ましく用いることができる。
非感光性親水層は、上記各成分を、水又は水と有機溶剤の混合溶剤に溶解又は分散して非感光性樹脂層用塗布液を調製し、この塗布液を非感光性親水層上に、公知の方法で塗布することにより形成することができる。塗布方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
非感光性樹脂層の厚さは、0.1〜5.0μmが好ましく、0.5〜2.0μmがより好ましい。
〔保護層〕
本発明に係る平版印刷版ダミー版は、非感光性樹脂層上に、更に、保護層を有することができる。保護層を有することにより、平版印刷版ダミー版を重ね合わせた場合に発生するあるアルミニウム支持体裏面への非感光性樹脂層の転写を抑制すると共に、平版印刷版ダミー版を取り扱う際の耐傷性が更に向上する効果が得られる。
保護層は、印刷機上で酸性〜アルカリ性の湿し水及び印刷インキの少なくとも一方により除去され得る層である。
保護層は、皮膜性を含有するポリマーを含有する。保護層に含有されるポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
変性ポリビニルアルコールとしては、カルボキシ基又はスルホ基を有する酸変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。具体的には、特開2005−250216号及び特開2006−259137号の各公報に記載の変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
保護層に含有されるポリマーは、1種類を単独で使用してもよいし2種類以上を混合して使用してもよい。
保護層には、多糖類を含有させることもできる。多糖類としては、澱粉誘導体(例えばデキストリン、酵素分解デキストリン、ヒドロキシプロピル化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、ポリオキシアルキレングラフト化澱粉、サイクロデキストリン)、セルロース類(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルプロピルセルロース等)、その他、カラギーナン、アルギン酸、グァーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、大豆多糖類などが挙げられる。
なかでもデキストリン、ポリオキシアルキレングラフト化澱粉といった澱粉誘導体、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類などが好ましく用いられる。
多糖類は、保護層の固形分に対して、1〜20質量%の範囲で使用することが好ましい。
更に、保護層は、可撓性付与のための可塑剤、塗布性を向上させための界面活性剤、表面の滑り性を制御するための無機微粒子など通常の平版印刷版原版の保護層に用いられる公知の添加物を含むことができる。また、画像記録層の説明に記載した感脂化剤を保護層に含有させることもできる。
保護層は、上記各成分を、水又は水と有機溶剤の混合溶剤に溶解又は分散して保護層用塗布液を調製し、この塗布液を非感光性樹脂層上に、公知の方法で塗布することにより形成することができる。塗布方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
非感光性樹脂層の厚さは、0.01〜10μmが好ましく、0.02〜3μmがより好ましく、0.02〜1μmが特に好ましい。
本発明に係る平版印刷版ダミー版は、構成層(非感光性親水層、非感光性樹脂層及び保護層)の少なくとも1つに着色剤を含有することができる。構成層に着色剤を含有させることのより、セッターのカラーセンサーによる識別適性を付与することができる。
平版印刷版ダミー版に含有される着色剤としては、水溶性染料が好ましい。水溶性染料としては、水への溶解性に優れるアニオン性染料又はカチオン性染料が挙げられる。
水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料、ナフトール染料、トリアリールメタン染料、ピラニン染料等を挙げることができる。
水溶性染料の色は、特に限定されないが、セッターのカラーセンサーで平版印刷版原版と平版印刷版ダミー版を識別する上で、色差が大きいことが好ましい。平版印刷版原版が青系に着色されていることが多いことを考慮すると、橙系、黄色系が好ましく、赤系が特に好ましい。
水溶性染料としては、アニオン性染料がより好ましい。アニオン性染料の中でも、親水性基として、−SOX(XはLi、Na又はKを表す)又は−COOX(XはLi、Na又はKを表す)を有しているものが好ましい。
アニオン性染料としては、例えば、〔C.I.アシッドレッド〕1、6、8、9、13
、14、18、27、35、37、52、54、57、73、82、87、88、92、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、〔C.I.アシッドオレンジ〕56、〔C.I.アシッドイエロー〕1、42、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用黄色4号(タートラジン)、食用黄色5号等が挙げられる。
また、アゾ染料は、モノアゾ染料よりもジスアゾ染料の方が光、熱、酸に安定であるため、平版印刷版ダミー版の経時による色変化が少ないため、カラーセンサーによる識別適性上より好ましい。
〔平版印刷版ダミー版の製造方法〕
上述のとおり、本発明に係る平版印刷版ダミー版は、端部領域が、その他の領域に比べて高い含有量の親水化成分を含有する構成を有することが特徴である。この様な構成を有する平版印刷版ダミー版が得られる限り、平版印刷版ダミー版の製造方法は特に限定されるものではない。以下に、本発明に係る平版印刷版ダミー版の製造方法を例示する。
親水化成分を平版印刷版ダミー版の端部領域に導入するには、平版印刷版ダミー版の製造過程において、上記親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に適用することにより行うことができる。親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に適用する時期は、平版印刷版ダミー版の製造過程のいずれでもよく、各構成層を形成する工程の前後、即ち、最下層(例えば、非感光性親水層)の塗布前から、最上層(例えば、保護層)の乾燥後までが好ましい。平版印刷版ダミー版の裁断は、親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に適用する前に行ってもよく、後に行ってもよい。
即ち、平版印刷版ダミー版の構成層を形成する工程において、親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に対応する位置に適用した後で、平版印刷版ダミー版の端部領域が形成されるように裁断することにより平版印刷版ダミー版を製造することができる。また、平版印刷版ダミー版の全ての構成層を形成する工程を経て製造された平版印刷版ダミー版を裁断した後で、親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に適用することにより平版印刷版ダミー版を製造することができる。更に、平版印刷版ダミー版の構成層を形成する工程及び親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に適用する工程の一部を行い、平版印刷版ダミー版の端部領域が形成されるように裁断し、その後、平版印刷版ダミー版の構成層を形成する工程、親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に適用する工程の残部を行うことにより平版印刷版ダミー版を製造することができる。
ここで、端部領域に対応する位置とは、裁断後の平版印刷版ダミー版において、端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の領域を形成し得る位置を意味する。従って、端部領域に対応する位置は、平版印刷版ダミー版の製造過程においては、平版印刷版ダミー版の端付近の位置であっても、平版印刷版ダミー版の中央付近の位置であってもよい。後者の場合、親水化成分塗布領域に従って端部領域が形成されるように裁断することにより、端部領域を有する2枚の平版印刷版ダミー版が得られる。
平版印刷版ダミー版の構成層を形成する工程において、親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に対応する位置に適用した後で、平版印刷版ダミー版の端部領域が形成されるように裁断することにより平版印刷版ダミー版を製造する態様としては、例えば、以下の方法が好ましく例示される。
アルミニウム支持体上に、非感光性親水層を有する平版印刷版ダミーにおいては、
(a)上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程、
(b)上記親水化成分を含有する塗布液を、a工程で形成される上記非感光性親水層の一部の領域と重なるように塗布する塗布工程、及び、
(c)上記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程を、
上記支持体に、a工程、b工程の順で行うか、又は、b工程、a工程の順で行い、その後c工程を行う平版印刷版ダミー版の製造方法が挙げられる。
アルミニウム支持体上に、非感光性親水層及び非感光性樹脂層をこの順に有する平版印刷版ダミー版においては、
(a)上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程、
(b)上記親水化成分を含有する塗布液を、a工程で形成される上記非感光性親水層の一部の領域と重なるように塗布する塗布工程、
(d)上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程、及び、
(c)上記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程を、
上記支持体に、a工程、b工程、d工程の順で行うか、b工程、a工程、d工程の順で行うか、又は、a工程、d工程、b工程の順で行い、その後c工程を行う平版印刷版ダミー版の製造方法が挙げられる。
アルミニウム支持体上に、非感光性親水層、非感光性樹脂層及び保護層をこの順に有する平版印刷版ダミー版においては、
(a)上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程、
(b)上記親水化成分を含有する塗布液を、a工程で形成される上記非感光性親水層の一部の領域と重なるように塗布する塗布工程、
(d)上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程、
(e)上記保護層を形成する保護層形成工程、及び、
(c)上記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程を、
上記支持体に、a工程、b工程、d工程、e工程の順で行うか、b工程、a工程、d工程、e工程の順で行うか、a工程、d工程、b工程、e工程の順で行うか、又は、a工程、d工程、e工程、b工程の順で行い、その後c工程を行う平版印刷版ダミー版の製造方法が挙げられる。
平版印刷版ダミー版の構成層を形成する工程を経て製造された平版印刷版ダミー版を裁断した後で、親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に適用することにより平版印刷版ダミー版を製造する態様としては、例えば、以下の方法が好ましく例示される。
アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する平版印刷版ダミー版においては、
(a)上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程、及び
(f)上記親水化成分を含有する塗布液を、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程を、
上記支持体に、a工程、f工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法が挙げられる。
アルミニウム支持体上に、非感光性親水層及び非感光性樹脂層この順に有する平版印刷版ダミー版においては、
(a)上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程、
(f)上記親水化成分を含有する塗布液を、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程、及び
(d)上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程を、
上記支持体に、a工程、d工程、f工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法が挙げられる。
アルミニウム支持体上に、非感光性親水層及び非感光性樹脂層及び保護層をこの順に有する平版印刷版ダミー版においては、
(a)上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程、
(f)上記親水化成分を含有する塗布液を、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程、
(d)上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程、及び、
(e)上記保護層を形成する保護層形成工程を、
上記支持体に、a工程、d工程、e工程、f工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法が挙げられる。
平版印刷版ダミー版の構成層を形成する工程及び親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に適用する工程の一部を行い、平版印刷版ダミー版の端部領域が形成されるように裁断し、その後、平版印刷版ダミー版の構成層を形成する工程及び親水化成分を含有する塗布液を平版印刷版ダミー版の端部領域に適用する工程の残部を行うことにより平版印刷版ダミー版を製造する態様としては、例えば、以下の方法が好ましく例示される。
アルミニウム支持体上に、非感光性親水層を有する平版印刷版ダミーにおいては、
(a)上記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程、
(g)上記非感光性親水層を有するアルミニウム支持体を裁断する工程、
(f)上記親水化成分を含有する塗布液を、上記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程、
(h)上記親水化成分を含有する塗布液を、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲になるよう塗布する塗布工程、及び、
(c)上記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程を、
上記支持体に、a工程、g工程、f工程の順で行うか、又は、h工程、c工程、a工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法が挙げられる。
アルミニウム支持体上に、非感光性親水層及び非感光性樹脂層この順に有する平版印刷版ダミー版においては、
上記a工程、g工程、f工程、h工程及びc工程に加えて、
(d)上記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程を、
上記支持体に、a工程、d工程、g工程、f工程の順で行うか、a工程、g工程、d工程、f工程の順で行うか、h工程、c工程、a工程、d工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法が挙げられる。
アルミニウム支持体上に、非感光性親水層及び非感光性樹脂層及び保護層をこの順に有する平版印刷版ダミー版においては、
上記a工程、g工程、f工程、d工程、h工程、c工程及びd工程に加えて、
(e)上記保護層を形成する保護層形成工程を、
上記支持体に、a工程、d工程、e工程、g工程、f工程の順で行うか、a工程、g工程、d工程、e工程、f工程の順で行うか、又はh工程、c工程、a工程、d工程、e工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法が挙げられる。
上記構成層を形成する工程は、少なくとも、構成層を塗布する工程を含む。構成層を塗布した後、塗布層を乾燥する工程は、構成層を形成する工程には必ずしも必要ではない。例えば、アルミニウム支持体上に非感光性親水層を塗布した後、乾燥することなく、親水化成分を含有する塗布液を塗布することができる。この場合、親水化成分は非感光性親水層の上だけでなく、非感光性親水層の中にも存在すると考えられる。
(親水化成分含有塗布液)
親水化成分含有塗布液は、先に記載した親水化成分を含有する塗布液である。親水化成分含有塗布液は、主として水からなる媒体中に親水化成分が溶解又は分散した水系水溶液又は分散液の形態を有する。
親水化成分含有塗布液は、また、水溶性樹脂を含有することが好ましい。水溶性樹脂としては、多糖類として分類される水溶性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
多糖類としては、澱粉誘導体(例えば、デキストリン、酵素分解デキストリン、ヒドロキシプロピル化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、ポリオキシアルキレングラフト化澱粉、サイクロデキストリン)、セルロース類(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルプロピルセルロース)、カラギーナン、アルギン酸、グァーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、大豆多糖類等が挙げられる。
水溶性樹脂の中で、デキストリン、ポリオキシアルキレングラフト化澱粉等の澱粉誘導体、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類等が好ましく用いられる。
水溶性樹脂は2種以上組み合わせても用いてもよい。水溶性樹脂の含有量は、親水化成分含有塗布液の全質量に基づいて、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜10質量%である。この範囲で、上記水溶性樹脂の効果が良好に達成される。
親水化成分含有塗布液は、更に、界面活性剤、有機溶剤、可塑剤、その他の添加剤を含有していてもよい。
(界面活性剤)
親水化成分含有塗布液に用いられる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、微粒子の分散安定性を向上させ、微粒子の凝集、沈降を防止する効果がある。
界面活性剤の具体例は、非感光性親水層に含有される親水性成分として記載した界面活性剤の具体例と同様である。
界面活性剤は2種以上併用することもできる。例えば、互いに異なる2種以上のアニオン性界面活性剤の併用、互いに異なる2種以上の非イオン性界面活性剤の併用、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の併用が挙げられる。
親水化成分含有塗布液における界面活性剤の含有量は、塗布液の全質量に基づいて、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましい。
(有機溶剤)
有機溶剤は、水溶性樹脂の溶解度調整、非感光性樹脂層の膨潤を促進する目的で含有させることができる。有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。有機溶剤の中で、アルコール系溶剤及び炭化水素系溶剤が好ましく用いられる。
アルコール系溶剤としては、1価のアルコールでも多価アルコールでもよい。1価のアルコールとしては、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−ドデカノール、トリメチルノニルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
好ましくは、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フルフリルアルコール、グリセリンである。
炭化水素系溶剤としては、石油留分の芳香族又は脂肪族化合物(ミネラルスピリット)、スクワラン等が挙げられる。
有機溶剤は2種以上組み合わせても用いてもよい。有機溶剤の含有量は、親水化成分含有塗布液の全質量に基づいて、好ましく0.5〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。この範囲で、上記有機溶剤の効果が、良好に達成される。
(可塑剤)
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸ジエステル類、ジオクチルアジペート、ブチルグリコールアジペート、ジオクチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルセバケートなどの脂肪族二塩基酸エステル類、エポキシ化大豆油などのエポキシ化トリグリセリド類、トリクレジルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリスクロルエチルフォスフェートなどの燐酸エステル類、安息香酸ベンジルなどの安息香酸エステル類などの凝固点が15℃以下の可塑剤が含まれる。
可塑剤は2種以上組み合わせても用いてもよい。可塑剤の含有量は親水化成分含有塗布液の全質量に基づいて、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
(その他の添加剤)
親水化成分含有塗布液は、上記の他に、硝酸塩、硫酸塩などの無機塩、防腐剤、消泡剤等を含有してもよい。
無機塩としては、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケル等が挙げられる。
防腐剤としては、フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が挙げられる。
消泡剤としては一般的なシリコン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、HLB5以下のノニオン性界面活性剤を使用することができる。
(親水化成分含有塗布液の塗布)
親水化成分含有塗布液は、上記のように、平版印刷版ダミー版の製造過程において、端部領域に対応する位置に塗布される。塗布幅については、端部又は端部に相当する位置から5mmまでの領域が好ましく、3mmまでの領域がより好ましい。
親水化成分含有塗布液の塗布には、ダイコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、インクジェット法、ディスペンサー法、スプレー法等の公知の方法を利用することができる。塗布液を特定の位置に塗布する観点からは、インクジェット法又はディスペンサー法が好ましい。
裁断後に親水化成分含有塗布液を塗布する態様では、上記塗布方法に加えて、親水化成分含有塗布液を含浸させた布やモルトンロールを用いる塗布方法も利用できる。
親水化成分含有塗布液の塗布量は、乾燥後の固形分として、0.01〜6.0g/m2が好ましく、0.03〜3.0g/m2がより好ましく、0.05〜2.0g/m2が特に好ましい。
親水化成分含有塗布液の塗布後、乾燥が行われる。乾燥は、親水化成分含有塗布液の塗布後に行ってもよいし、更に、平版印刷版ダミー版の構成層形成用塗布液を塗布した後に行ってもよい。
乾燥は、オーブンを用いる、乾燥風を吹き付けるなどにより行うことができる。乾燥温度は60〜220℃が好ましく、80〜180℃がより好ましい。
〔平版印刷版ダミー版の裁断〕
平版印刷版ダミー版は、上記のように、平版印刷版ダミー版の製造過程において、裁断される。裁断は、公知の裁断方法を利用して行うことができる。好ましくは、特開平8−58257号公報、特開平9−211843号公報、特開平10−100556号公報、特開平11−52579号公報に記載の方法が使用できる。
平版印刷版ダミー版は、その端部がダレ形状を有していることが好ましい。端部にダレ形状を有する平版印刷版ダミー版は、本発明に係る微粒子含有端部領域と相まってエッジ汚れ防止効果に優れる。
図1は、平版印刷版ダミー版の断面形状を模式的に示す図である
図1において、平版印刷版ダミー版1はその端部にダレ2を有している。平版印刷版ダミー版1の端面1cの上端(ダレ2と端面1cとの境界点)と、非感光性親水層面1aの延長線との距離Xを「ダレ量」といい、平版印刷版ダミー版1の非感光性親水層面1aがダレ始める点と端面1cの延長線上との距離Yを「ダレ幅」という。平版印刷版ダミー版における端部のダレ量は35μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましい。ダレ量の上限は、端部表面状態の悪化による機上現像性の劣化を防止する観点から150μmが好ましい。機上現像性が劣化すると残存する非感光性親水層にインキが付着しエッジ汚れ発生の原因となる。ダレ量が35μmを下回ると、端部に付着したインキがブランケットに転写しやすくなりエッジ汚れ発生の原因となる場合がある。ダレ量の範囲が35〜150μmの場合、ダレ幅が小さいと、端部にクラックが入り、そこに印刷インキが溜まることにより汚れが発生する原因となる。このようなクラックの発生を減らすため、ダレ幅は70〜300μmの範囲が適当であり、80〜250μmの範囲が好ましい。なお、上記ダレ量とダレ幅の好ましい範囲は、平版印刷版ダミー版1のアルミニウム支持体面1bのエッジ形状には関わらない。
通常、平版印刷版ダミー版1の端部において、非感光性親水層とアルミニウム支持体との境界B、及び、アルミニウム支持体面1bも、非感光性親水層面1aと同様に、ダレが発生している。
上記ダレを有する端部の形成は、例えば、平版印刷版ダミー版の裁断条件を調整することにより行うことができる。
具体的には、平版印刷版ダミー版の裁断時に使用するスリッター装置における上側裁断刃と下側裁断刃の隙間、噛み込み量、刃先角度などの調整により行うことができる。
例えば、図2は、スリッター装置の裁断部を示す断面図である。スリッター装置には、上下一対の裁断刃10、20が左右に配置されている。裁断刃10、20は円板上の丸刃からなり、上側裁断刃10a及び10bは回転軸11に、下側裁断刃20a及び20bは回転軸21に、それぞれ同軸上に支持されている。上側裁断刃10a及び10bと下側裁断刃20a及び20bとは、相反する方向に回転される。平版印刷版ダミー版30は、上側裁断刃10a、10bと下側裁断刃20a,20bとの間を通されて所定の幅に裁断される。スリッター装置の裁断部の上側裁断刃10aと下側裁断刃20aとの隙間及び上側裁断刃10bと下側裁断刃20bとの隙間を調整することによりダレを有する端部を形成することができる。
[機上現像及び印刷]
本発明に係る平版印刷版ダミー版は、通常の機上現像型平版印刷版原版と同様に、常法により機上現像及び印刷を行うことができる。即ち、平版印刷版ダミー版を印刷機の版胴に装着し、湿し水と印刷インキとを供給すると、供給された湿し水及び/又は印刷インキによって、平版印刷版ダミー版の非感光性親水層が溶解又は分散して除去され、その部分に親水性のアルミニウム表面が露出する。その結果、湿し水は露出した親水性の表面に付着し、印刷インキの付着は阻止される。
ここで、最初に平版印刷版ダミー版の表面に供給されるのは、湿し水でもよく印刷インキでもよいが、湿し水を浸透させ非感光性親水層の機上現像性を促進するために、最初に湿し水を供給することが好ましい。
本発明に係る平版印刷版ダミー版の製版においては、通常の現像液による処理に用いられる製版システムを用いることもできる。即ち、平版印刷版ダミー版の非感光性親水層を自動現像機で除去する現像処理部、平版印刷版ダミー版を印刷機に装着するためにパンチ・ベンダーで加工を行う加工部をこの順に有する製版システムが利用できる。用いられる現像液としては、界面活性剤を含む、pHが3〜12の現像液が適当である。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤が用いられる。好ましくはナフタレン骨格を有するアニオン性界面活性剤又はナフタレン骨格を有するノニオン性界面活性剤である。ナフタレン骨格を有するアニオン性界面活性剤又はナフタレン骨格を有するノニオン性界面活性剤については、例えば、WO2014/002835号公報の段落番号[0025]〜[0038]の記載を参照することができる。
機上現像の場合には、現像処理部は必要がないので、現像処理部を除いたシステムで製版してもよいし、現像処理部を残したままで製版を行うこともできる。現像処理部を残したまま製版を行う場合には、現像処理部の現像部、水洗部、及びフィニッシャー部で使用される現像液、水、及びガム液を仕込まずに動作させることにより、現像処理部を加工部への搬送装置として使用することができる。
また、現像処理部の挿入ローラー部と排版ローラー部を、ベルトコンベアーのような搬送する平版印刷版ダミー版の非感光性親水層側の面が搬送経路中の如何なる部分とも接触せずに搬送できるような搬送装置で接続することにより、現像部、水洗部、フィニッシャー部をスキップすることにより、加工部への搬送装置として使用することができる。
更には、特開2006−65169号公報に記載されているような現像部、水洗部、フィニッシャー部へ平版印刷版原版を搬送する経路とは別の搬送経路を有する現像処理部を使用することもできる。
本発明に係る平版印刷版ダミー版は、エッジ汚れの発生が防止され、また、機上現像に対応することができる。特に、新聞印刷のように、平版印刷版ダミー版の幅よりも広い印刷用紙を用いて印刷する場合に、本発明に係る平版印刷版ダミー版はその優れた特性を発揮する。この場合、平版印刷版ダミー版の幅は、印刷機の版胴に取り付けられた時の平版印刷版ダミー版の横方向の長さに相当する。
従って、本発明に係る平版印刷版ダミー版は、新聞印刷用に用いられる機上現像型平版印刷版ダミー版として、特にその優れた特性を発揮する。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、高分子化合物において、特別に規定したもの以外は、分子量は質量平均分子量(Mw)であり、繰り返し単位の比率はモル百分率である。
[実施例1〜19及び比較例1〜2]
〔平版印刷版ダミー版の作製〕
<アルミニウム支持体の作製>
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質JIS A 1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm)を用いアルミニウム板表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。アルミニウム板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、更に60℃で20質量%硝酸水溶液に20秒間浸漬し、水洗した。砂目立て表面のエッチング量は約3g/mであった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。電解液は硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温は50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。
続いて、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dmの条件で、硝酸電解と同様の方法で電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、アルミニウム板に15質量%硫酸水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dmで2.5g/mの直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥した。
その後、非画像部の親水性を確保するため、アルミニウム板に2.5質量%3号ケイ酸ソーダ水溶液を用いて60℃で10秒間シリケート処理を施し、その後、水洗してアルミニウム支持体を作製した。Siの付着量は10mg/mであった。アルミニウム支持体の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
<非感光性親水層塗布液の調製>
下記組成の非感光性親水層塗布液a−1を調製した。
(非感光性親水層塗布液a−1)
・化合物(1)(下記構造) 0.18g
・ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 0.05g
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.03g
・水 28.0g
Figure 2017065184
<親水化成分含有塗布液の調製>
下記表1に記載した成分を純水に加えて撹拌し、親水化成分含有塗布液b-1〜b-9を調製した。化合物名の右に記載した、括弧内の数字は当該成分の質量%濃度を表す。
表1に記載した化合物P−1及び化合物P−2は下記のとおりである。
・化合物P−1(下記式P−1で表される化合物)(商品名:ポリホスマー PE−201、DAP(株)製、粘度:10〜300mPa・s、理論酸価:311)
・化合物P−2(下記式P−2で表される化合物)(Mw:100,000)
Figure 2017065184
Figure 2017065184
式P−1、P−2中、M、M、M及びMは、それぞれ水素原子又はナトリウム原子を表す。また、括弧の右の数字は、重合体の全モノマー単位に対する当該モノマー単位の含有率(モル%)を表す。
微粒子I、II、III及びIVは以下の通りである。
微粒子I:有機樹脂微粒子
以下の方法で作製した有機樹脂微粒子を使用した。
<有機樹脂微粒子の作製>
1000mlの三口フラスコに、スチレン8g、ジビニルベンゼン1g、ドデシル硫酸ナトリウム0.45gを秤取り、蒸留水28gに溶かし、65℃、窒素気流下にて30分間攪拌した。この溶液に、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド18.6mgを蒸留水2gに溶かした溶液を加え、同温度で6時間攪拌した。反応終了後、反応混合物をグラスフィルターで濾過し、有機樹脂微粒子水分散液を得た。有機樹脂微粒子水分散液の固形分濃度は20質量%であり、光散乱法により測定した有機樹脂微粒子の平均粒径は87nmであった。
微粒子II:ミクロゲル
以下の方法で作製したミクロゲルを使用した。
<ミクロゲルの作製>
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井化学ポリウレタン(株)製、タケネートD−110N)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15g及びアルキルベンゼンスルホン酸塩(竹本油脂(株)製、パイオニンA−41C)0.1gを酢酸エチル17gに溶解した。水相成分としてポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA−205)の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分及び水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分撹拌後、50℃で3時間撹拌した。このようにして得られたミクロゲル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈し、ミクロゲルを作製した。光散乱法により測定したミクロゲルの平均粒径は0.2μmであった。
微粒子III:熱可塑性微粒子
以下の方法で作製した熱可塑性微粒子を使用した。
<熱可塑性微粒子水分散液の作製>
1000mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつつ、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均繰返し単位数:20)10g、蒸留水200g及びn−プロパノール200gを加えて内温が70℃となるまで加熱した。次に予め混合されたスチレン(St)10g、アクリロニトリル(AN)80g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8gの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後5時間そのまま反応を続けた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを添加し、内温を80℃まで上昇させた。続いて、0.5gの2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを6時間かけて添加した。合計で20時間反応させた段階でポリマー化は98%以上進行しており、質量比でPEGMA/St/AN=10/10/80の熱可塑性微粒子水分散液が得られた。この熱可塑性微粒子の粒径分布は、体積平均粒子径150nmに極大値を有していた。
ここで、粒径分布は、熱可塑性微粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、写真上で微粒子の粒径を総計で5,000個測定し、得られた粒径測定値の最大値から0の間を対数目盛で50分割して各粒径の出現頻度をプロットして求めた。なお非球形粒子については写真上の粒子面積と同一の粒子面積を持つ球形粒子の粒径値を粒径とした。
微粒子IV:無機微粒子
市販のコロイダルシリカMP1040(日産化学工業(株)製/平均粒径0.1μm/40質量%水分散液)を使用した。
<塗布液の塗布及び裁断>
上記各塗布液の塗布及び裁断は表2の工程順欄に示す順序で実施した。工程順欄における「a」は、非感光性親水層の塗布工程を、「b」は、親水化成分含有塗布液の塗布工程を、「c」は裁断工程を示す。「→」は、その方向の順番に工程が進行することを示す。例えば、実施例4においては、アルミニウム支持体に対して、非感光性親水層塗布液(処方a−1)の塗布工程、次に、親水化成分含有塗布液(処方b−1)の塗布工程、その後、裁断工程が行われて平版印刷版ダミー版が製造された。
非感光性親水層の塗布工程は、非感光性親水層塗布液を乾燥塗布量が20mg/mになるようバー塗布することにより実施した。乾燥はエスペック(株)製恒温器PH−201を用いて100℃で1分間行った。
親水化成分含有塗布液の塗布工程は、親水化成分含有塗布液をディスペンサー法に係る塗布装置である、兵神装備(株)製2NL04を使用し、クリアランス0.3mm、送液量5ml/分で搬送速度を調整して所定の固形分塗布量になるように塗布することにより実施した。裁断工程前に親水化成分含有塗布液の塗布工程を行う場合には、親水化成分含有塗布液の塗布は、平版印刷版ダミー版の対向する2辺の両端部からそれぞれ3cmの位置において幅10mmの領域に行った。乾燥はエスペック(株)製恒温器PH−201を用いて100℃で1分間行った。
裁断工程は、平版印刷版ダミー版を、図2に示すような回転刃を用いて、上側裁断刃と下側裁断刃の隙間、噛み込み量及び刃先角度を調整して、所望のダレ量及びダレ幅を有する端部の形状となるように実施した。下記の方法でダレ形状の測定を行ったところ、ダレ量は表1に示す値であった。親水化成分含有塗布液の塗布工程の後に裁断工程を行う場合は、親水化成分含有塗布液の塗布領域の中央の位置を裁断位置とし、平版印刷版原版の2箇所を裁断した。
ダレ形状の測定は、東京精密(株)製の表面粗さ計(サーフコム)を用いて行った。表面粗さ計は型番480Aを使用し、触針は直径2μmのものを使用した。触針を平版印刷版原版端部の内側約1mmから端部に向かって、3mm/secのスピードで移動させ、形状の測定を行った。
〔親水化成分含有量の測定〕
対向する長辺2辺に親水化成分を含有する塗布液を塗布した平版印刷版ダミー版から、当該親水化成分を含有する塗布液を塗布した端部領域を幅2mm、0.1°の角度で斜め切削してサンプルAを得た。一方、当該親水化成分を含有する塗布液を塗布していないその他の領域から同様に斜め切削してサンプルBを得た。
サンプルA及びサンプルBの斜め切削面を、0.5mm×0.5mm角の視野で、走査型X線光電分光分析装置(PHI Quantera2000、ULVAC−PHI(株)製)を用いてP−Ox結合を定量し、単位面積(m)当たりに換算することにより、単位面積当たりの当該親水化成分の含有量を求めた。
〔微粒子含有量の測定〕
対向する長辺2辺がエッジ処理された平版印刷版ダミー版(400mm×1100mm)25枚から、エッジ処理した端部を1辺とする5mm×1100mmの長方形を50枚切断し、サンプルAとした。一方、エッジ処理した端部を切断した残りの平版印刷版ダミー版(390mm×1100mm)1枚を、サンプルBとした。
サンプルAおよびサンプルBを5mm×1cm角に更に切断し、メチルエチルケトン(MEK)/プロピレングリコールモノメチルエーテル/メタノール/水の混合溶媒(3/6/1/1(質量比))(溶媒A)360mlに1時間浸漬、塗布膜成分を脱膜し、アルミニウム支持体を取除いて、脱膜溶液Aおよび脱膜溶液Bを得た。
脱膜溶液Aおよび脱膜溶液Bのそれぞれについて、遠心分離機(SRX−201、(株)トミー精工製)を用いて、11,000rpmで1時間遠心分離を行った後、上澄み液をデカンテーションで除去した。更に、溶媒Aを300ml添加し、遠心分離および上澄み液のデカンテーションを行った。その後、メタノールを300ml添加し、遠心分離および上澄み液のデカンテーションを行った。沈降物を減圧乾燥(1kPa、60℃、2時間)し、重量を測定した。脱膜溶液Aから得られた沈降物Aの重量と脱膜溶液Bから得られた沈降物Bの重量から、サンプルAおよびサンプルBに含まれる単位面積当たりの微粒子含有量(mg/m)を計算により求めた。
<平版印刷版ダミー版の印刷>
上記のようにして作製された平版印刷版ダミー版をオフセット輪転印刷機に装着し、新聞用印刷インキとしてインクテック(株)製 ソイビーKKST−S(紅)、湿し水として東洋インキ(株)製東洋ALKYを用い、100,000枚/時のスピードで印刷を行った。
<平版印刷版ダミー版の評価>
<エッジ汚れ防止性能の評価>
上記印刷過程において、1,000枚目の印刷物をサンプリングし、エッジ部の線状汚れの程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。5〜3が許容水準である。評価結果を表2に示す。
5:汚れは全く認められない。
4:5と3の中間レベル。
3:汚れがうっすらと認められる。
2:3と1の中間レベル
1:汚れがはっきりと認められる。
Figure 2017065184
表2に示す結果から、本発明に係る平版印刷版ダミー版は、エッジ汚れ防止性に優れていることが分かる。実施例1〜19の平版印刷版ダミー版は、従来の現像液を用いる湿式処理を行わず、印刷機に装着して、印刷を行うことが可能であった。即ち、機上現像に対応可能であった。
[実施例20〜55]
〔平版印刷版ダミー版の作製〕
アルミニウム支持体、非感光性親水層塗布液、親水化成分含有塗布液は、実施例1〜19の記載と同様のものを使用した。
<非感光性樹脂層塗布液の調製>
(非感光性樹脂層塗布液c−1の調製)
非感光性樹脂層塗布液c−1は下記塗布液(1)及びミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し撹拌することにより調製した。
(塗布液(1))
・バインダーポリマー(1)(下記構造) 0.240g
(Mw:55,000、n:2(EO単位数))
・重合性化合物 0.192g
トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
(NKエステルA−9300、新中村化学(株)製)
・アニオン性界面活性剤1(下記構造) 0.050g
・フッ素系界面活性剤(1)(下記構造) 0.008g
・2−ブタノン 1.091g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609g
(ミクロゲル液(1))
・ミクロゲル(1) 2.640g
・蒸留水 2.425g
Figure 2017065184
Figure 2017065184
(ミクロゲル(1)の作製)
油相成分として、下記構造の多官能イソシアナート(三井化学(株)製;75質量%酢酸エチル溶液)4.46g、トリメチロールプロパン(6モル)とキシレンジイソシアナート(18モル)を付加させ、これにメチル片末端ポリオキシエチレン(1モル、オキシエチレン単位の繰り返し数:90)を付加させた付加体(三井化学ポリウレタン(株)製;50質量%酢酸エチル溶液)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15g及びパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを酢酸エチル17gに溶解した。水相成分としてポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA−205)の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分及び水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、50℃で3時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈して、ミクロゲル(1)を作製した。光散乱法により測定したミクロゲルの平均粒径は0.2μmであった。
Figure 2017065184
(非感光性樹脂層塗布液c−2の調製)
非感光性樹脂層塗布液c−1より、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート及びアニオン性界面活性剤1を除く以外は同様にして非感光性樹脂層塗布液c−2を調製した。
(非感光性樹脂層塗布液c−3の調製)
非感光性樹脂層塗布液c−1より、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを除く以外は同様にして非感光性樹脂層塗布液c−3を調製した。
(非感光性樹脂層塗布液c−4の調製)
・カルボキシメチルセルロース(下記構造) 0.500g
(セロゲン7A、第一工業製薬(株)製)
・アニオン性界面活性剤1(上記) 0.050g
・フッ素系界面活性剤(1)(上記) 0.008g
・水 13.000g
カルボキシメチルセルロース
Figure 2017065184
(非感光性樹脂層塗布液c−9の調製)
特開平11−240266号公報の実施例2の処方に従って、非感光性樹脂層塗布液c−9を調製した。
<保護層塗布液の調製>
下記組成の保護層塗布液d−1を調製した。
(保護層用塗布液d−1)
・無機層状化合物分散液(1)(下記) 1.5g
・親水性ポリマー(1)(下記構造、Mw:3万)(固形分) 0.03g
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、CKS50、 0.10g
スルホン酸変性、けん化度99モル%以上、重合度300)
6質量%水溶液
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA−405、 0.03g
けん化度81.5モル%、重合度500)6質量%水溶液
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.86g
(下記構造)1質量%水溶液
・イオン交換水 6.0g
Figure 2017065184
(無機層状化合物分散液(1)の調製)
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて体積平均粒子径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
[比較例3]
〔平版印刷版ダミー版の作製〕
下記組成の非感光性親水層塗布液a−2を、乾燥後塗布量が0.1g/mになるようにアルミニウム支持体上に塗布した。
(非感光性親水層塗布液a−2)
メチルメタクリレート/エチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(仕込重量比65/20/15)共重合体の一部をナトリウム塩としたポリマーの1.0質量%メタノール/水(90/10容量比)溶液
<塗布液の塗布及び裁断>
上記各塗布液の塗布及び裁断は表3の工程順欄に示す順序で実施した。工程順欄における「a」、「b」、「c」、「→」の意味は実施例1〜19における説明と同様である。「d」は、非感光性樹脂層の塗布工程を、「 e」は、保護層の塗布工程を示す。
非感光性樹脂層の塗布工程は、非感光性樹脂層用塗布液を乾燥塗布量が1.0g/m2になるようバー塗布することにより実施した。塗布後の乾燥は、オーブンで100℃、60秒間実施した。
保護層の塗布工程は、保護層塗布液を乾燥塗布量が乾燥塗布量0.15g/m2になるようバー塗布することにより実施した。塗布後の乾燥は、オーブンで120℃、60秒間実施した。
また、非感光性親水層の塗布工程(乾燥条件を含む)、親水化成分含有塗布液の塗布工程は(乾燥条件を含む)、裁断工程、ダレ形状の測定、親水化成分含有量の測定、微粒子含有量の測定についても実施例1〜19と同様である。
<平版印刷版ダミー版の評価>
上記のようにして作製された平版印刷版について、下記の評価を行った。評価結果を表3に示す。
<エッジ汚れ防止性能の評価>
実施例1〜19と同様にして、エッジ汚れ防止性能の評価を行った。
<機上現像性の評価>
実施例1〜19と同様にして、平版印刷版ダミー版の印刷を行い、その過程において、インキ供給後50枚目の印刷物をサンプリングし、汚れの程度を目視で観察し、下記の基準で機上現像性の評価を行った。5〜3が許容水準である。
5:汚れは全く認められない。
4:5と3の中間レベル。
3:汚れがうっすらと認められる。
2:3と1の中間レベル
1:汚れがはっきりと認められる。
<耐傷性の評価>
耐傷性の評価は、平版印刷版ダミー版の引っ掻き試験により行った。即ち、平版印刷版ダミー版の非感光性親水層側版面に対して、連続加重式引っ掻き強度試験器(SB−53、新東科学(株)製)を用いて、サファイヤ針0.4mmφ、針の移動速度10cm/秒の条件下、加重100gで引っ掻き試験行った後、上記と同様にして、平版印刷版ダミー版の印刷を行い、印刷紙面における傷由来の汚れの程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。5〜3が許容水準である。
5: 紙面に傷汚れが全く認めらない。
4: 5と3の中間レベル。
3: 紙面に傷汚れが僅かに認められる。
2: 3と1の中間レベル。
1: 紙面に傷汚れが明確に認められる。
Figure 2017065184
表3に示す結果から、本発明に係る平版印刷版ダミー版は、エッジ汚れ防止性に優れていることが分かる。また、機上現像適性を有している。更に、非感光性樹脂層、更には、保護層を有することにより、耐傷性に優れることが分かる。
[実施例56〜63]
<非感光性親水層塗布液の調製>
非感光性親水層塗布液(a−1)に、下記の化合物A−1(Acid Red 73)(商品名:WATER RED 3、オリエント化学工業(株)製)を0.100g添加して非感光性親水層塗布液(a−3)を調製した。
Figure 2017065184
<非感光性樹脂層塗布液の調製>
非感光性樹脂層塗布液(c−1)に、上記化合物A−1(Acid Red 73)を0.010g添加して非感光性樹脂層塗布液(c−5)を調製した。
非感光性樹脂層塗布液(c−1)に、下記化合物A−2(Acid Red 18)(商品名:WATER RED 1、オリエント化学工業(株)製)を0.010g添加して非感光性樹脂層塗布液(c−6)を調製した。
Figure 2017065184
非感光性樹脂層塗布液(c−1)に、下記化合物A−3(Acid Yellow 42)(商品名:WATER Yellow 6C、 オリエント化学工業(株)製)を0.023g添加して非感光性樹脂層塗布液(c−7)を調製した。
Figure 2017065184
非感光性樹脂層塗布液(c−1)に、下記化合物A−4(タートラジン、(株)アイゼン製)を0.033g添加して非感光性樹脂層塗布液(c−8)を調製した。
Figure 2017065184
<保護層塗布液の調製>
保護層塗布液(d−1)に、上記化合物A−1(Acid Red 73)を0.100g添加して保護層塗布液(d−2)を調製した。
Figure 2017065184
<塗布液の塗布及び裁断>
上記各塗布液の塗布及び裁断は表4の工程順欄に示す順序で実施した。工程順欄における「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、「→」の意味は実施例20〜55における説明と同様である。
<平版印刷版ダミー版の評価>
上記のようにして作製された平版印刷版ダミー版について、下記の評価を行った。評価結果を表4に示す。
<カラーセンサー識別適性の評価>
カラーセンサー識別適性の評価を、日本国特許第4005578号公報の段落番号[0081]〜[0084]の記載された方法に準じて実施した。
使用した当てボール紙(新富士製紙(株)製のテンカラー( オレンジ)) 及び合紙(第一コンテナー(株)製のF合紙)は日本国特許第4005578号公報の段落番号「0081」に記載のものと同じであった。
また、平版印刷版原版としては、以下に記載の方法で作製された平版印刷版原版を用いた。
〔平版印刷版原版の作製〕
<支持体の作製>
厚さ0.3mmの表Aに示す組成のアルミニウム合金板に対し、下記(a)〜(m)の処理を施し、支持体を作製した。なお、全ての処理工程の間には水洗処理を施し、水洗処理の後にはニップローラで液切りを行った。
Figure 2017065184
(a)機械的粗面化処理(ブラシグレイン法)
図3に示すような装置を使って、パミスの懸濁液(比重1.1g/cm3)を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転する束植ブラシにより機械的粗面化処理を行った。図3において、41はアルミニウム板、42及び44はローラ状ブラシ(束植ブラシ)、43は研磨スラリー液、45、46、47及び48は支持ローラである。
機械的粗面化処理は、研磨材パミスのメジアン径を30μm、束植ブラシの数を4、束植ブラシの回転数を250rpmとして行った。束植ブラシの材質は6・10ナイロンで、ブラシ毛の直径0.3mm、毛長50mmであった。束植ブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛したものである。束植ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。束植ブラシはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、束植ブラシをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して10kWプラスになるまで押さえつけた。束植ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。
(b)アルカリエッチング処理
アルミニウム板に、カセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%のカセイソーダ水溶液を、温度70℃でスプレー管により吹き付けてエッチング処理を行った。その後、スプレーによる水洗を行った。アルミニウム溶解量は、10g/mであった。
(c)酸性水溶液中でのデスマット処理
次に、硝酸水溶液中でデスマット処理を行った。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、次工程の電気化学的粗面化に用いた硝酸電解液を用いた。液温は35℃であった。デスマット液をスプレーにて吹き付けて3秒間デスマット処理を行った。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。電解液は、温度35℃、硝酸10.4g/Lの水溶液に硝酸アルミニウムを添加してアルミニウムイオン濃度を4.5g/Lに調整した電解液を用いた。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間tpが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図4に示すものを使用した。図4において、アルミニウム板Wは主電解槽50中に浸漬して配置されたラジアルドラムローラ52に巻装され、搬送過程で交流電源51に接続する主極53a、53bにより電解処理された。電解液55は電解液供給口54からスリット56を通じてラジアルドラムローラ52と主極53a、53bとの間の電解液通路57に供給された。主電解槽50で処理されたアルミニウム板Wは次いで補助陽極槽60で電解処理された。この補助陽極槽60には補助陽極58がアルミニウム板Wと対向配置されており、電解液55が補助陽極58とアルミニウム板Wとの間の空間を流れるように供給された。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で185C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板に、カセイソーダ濃度5質量%、アルミニウムイオン濃度0.5質量%のカセイソーダ水溶液を、温度50℃でスプレー管により吹き付けてエッチング処理を行った。その後、スプレーによる水洗を行った。アルミニウム溶解量は、0.5g/m2であった。
(f)酸性水溶液中でのデスマット処理
次に、硫酸水溶液中でデスマット処理を行った。デスマット処理には、硫酸濃度170g/L、アルミニウムイオン濃度5g/Lの硫酸水溶液を用いた。液温は60℃であった。デスマット液をスプレーにて吹き付けて3秒間デスマット処理を行った。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。電解液は、液温35℃、塩酸6.2g/Lの水溶液に塩化アルミニウムを添加してアルミニウムイオン濃度を4.5g/Lに調整した電解液を用いた。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間tpが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図4に示すものを使用した。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2であり、塩酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で63C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板に、カセイソーダ濃度5質量%、アルミニウムイオン濃度0.5質量%のカセイソーダ水溶液を、温度50℃でスプレー管により吹き付けてエッチング処理を行った。その後、スプレーによる水洗を行った。アルミニウム溶解量は、0.1g/m2であった。
(i)酸性水溶液中でのデスマット処理
次に、硫酸水溶液中でデスマット処理を行った。陽極酸化処理工程で使用する硫酸水溶液(硫酸170g/L水溶液中にアルミニウムイオン5g/Lを含有)を用い、液温35℃で4秒間デスマット処理を行った。デスマット液はスプレーにて吹き付けて3秒間デスマット処理を行った。
(j)第1陽極酸化処理
図5に示す構造の直流電解による陽極酸化装置を用いて第1段階の陽極酸化処理を行った。表Bに示す条件にて陽極酸化処理を行い、所定の皮膜厚の陽極酸化皮膜を形成した。電解液には、表Bに示す成分を含む水溶液を用いた。表B〜Dにおいて、「成分濃度」は、「液成分」欄に記載の各成分の含有濃度(g/l)を表す。
Figure 2017065184
図5に示す陽極酸化処理装置610において、アルミニウム板616は、図5中矢印で示すように搬送される。電解液618が貯溜された給電槽612にてアルミニウム板616は給電電極620によって(+)に荷電される。そして、アルミニウム板616は、給電槽612においてローラ622によって上方に搬送され、ニップローラ624によって下方に方向変換された後、電解液626が貯溜された電解処理槽614に向けて搬送され、ローラ628によって水平方向に方向転換される。ついで、アルミニウム板616は、電解電極630によって(−)に荷電されることにより、その表面に陽極酸化皮膜が形成され、電解処理槽614を出たアルミニウム板616は後工程に搬送される。陽極酸化処理装置610において、ローラ622、ニップローラ624及びローラ628によって方向転換手段が構成され、アルミニウム板616は、給電槽612と電解処理槽614との槽間部において、上記ローラ622、624及び628により、山型及び逆U字型に搬送される。給電電極620と電解電極630とは、直流電源634に接続されている。
(k)第2陽極酸化処理
図5に示す構造の直流電解による陽極酸化装置を用いて第2段階の陽極酸化処理を行った。表Cに示す条件にて陽極酸化処理を行い、所定の皮膜厚の陽極酸化皮膜を形成した。電解液には、表Cに示す成分を含む水溶液を用いた。
Figure 2017065184
(l)第3陽極酸化処理
図5に示す構造の直流電解による陽極酸化装置を用いて第3段階の陽極酸化処理を行った。表Dに示す条件にて陽極酸化処理を行い、所定の皮膜厚の陽極酸化皮膜を形成した。電解液には、表Dに示す成分を含む水溶液を用いた。
Figure 2017065184
(m)親水化処理
非画像部の親水性を確保するため、2.5質量%3号ケイ酸ソーダ水溶液を用いて50℃で7秒間ディップしてシリケート処理を施した。Siの付着量は8.5mg/m2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
上記で得られたマイクロポアを有する陽極酸化皮膜中の大径孔部の陽極酸化皮膜表面における平均径(表層平均径)、大径孔部の連通位置における平均径(底部平均径)、小径孔部の連通位置における平均径(小径孔部径)、大径孔部及び小径孔部の平均深さ、小径孔部の底部からアルミニウム板表面までの陽極酸化皮膜の厚み(バリア層厚)、小径孔部の密度などを表Eに示す。上記小径孔部は、深さが異なる第1の小径孔部及び第2の小径孔部を含み、深い方を第1の小径孔部と称する。
Figure 2017065184
Figure 2017065184
表Eにおいて、バリア層厚として、平均値と最小値とを示す。平均値は、第1の小径孔部の底部からアルミニウム板表面までの陽極酸化皮膜の厚みを50箇所測定し、それらを算術平均したものである。
マイクロポアの平均径(大径孔部及び小径孔部の平均径)は、大径孔部表面及び小径孔部表面を倍率15万倍のFE−SEMでN=4枚観察し、得られた4枚の画像において、400×600nmの範囲に存在するマイクロポア(大径孔部及び小径孔部)の径を測定し、平均した値である。なお、大径孔部の深さが深く、小径孔部の径が測定しづらい場合は、陽極酸化皮膜上部を切削し、その後各種径を求めた。
大径孔部の平均深さは、支持体(陽極酸化皮膜)の断面を倍率50万倍のFE−TEMで観察し、得られた画像において、任意のマイクロポアの表面から連通位置までの距離を60個(N=60)測定し、それらを平均した値である。また、小径孔部の平均深さは、支持体(陽極酸化皮膜)の断面をFE−SEMで観察し(5万倍)、得られた画像において、任意のマイクロポア25個の深さを測定し、平均した値である。
「連通部密度」は、連通位置における陽極酸化皮膜断面の小径孔部の密度を意味する。「表面積増加倍率」は、下記式(A)に基づいて計算した値を意味する。
式(A)
表面積増加倍率 = 1+ポア密度×(π×(表層平均径/2+底部平均径/2)×((底部平均径/2−表層平均径/2)+深さA1/2+π×(底部平均径/2)−π×(表層平均径/2)
小径孔部の「平均深さ(nm)」欄において、第2の小径孔部の平均深さを左側に、第1の小径孔部の平均深さを右側に示す。表E中の小径孔部の「連通部密度」欄において、小径孔部の連通部密度と共に、第1の小径孔部の密度をカッコ書き中に示す。
また、第2の小径孔部の底部から第1の小径孔部の底部までに位置する第1の小径孔部の平均径は、12nm程度であった。
<下塗り層の形成>
支持体上に、下記組成の下塗り層塗布液(1)を乾燥塗布量が20mg/mになるよう塗布して、下塗り層を形成した。
(下塗り層塗布液(1))
・下塗り層用化合物(1)(下記構造) 0.18g
・ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 0.05g
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)
0.03g
・水 28.0g
Figure 2017065184
<画像記録層の形成>
下塗り層上に、下記組成の画像記録層塗布液(1)をバー塗布した後、100℃で60秒オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像記録層を形成した。
画像記録層塗布液(1)は下記感光液(1)及びミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し撹拌することにより得た。
(画像記録層塗布液(1))
(感光液(1))
・バインダーポリマー(1)(下記構造) 0.240g
(Mw:55,000、n:2(EO単位数))
・赤外線吸収剤(1)(下記構造) 0.020g
・ボレート化合物(1) 0.010g
テトラフェニルホウ酸ナトリウム
・重合開始剤(1)(下記構造) 0.162g
・重合性化合物 0.192g
トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
(NKエステルA−9300、新中村化学(株)製)
・アニオン性界面活性剤1(下記構造) 0.050g
・感脂化剤 0.055g
ホスホニウム化合物(1)(下記構造)
・感脂化剤 0.018g
ベンジルジメチルオクチルアンモニウム・PF6
・感脂化剤 0.040g
アンモニウム基含有ポリマー(下記構造)
(Mw:50,000、還元比粘度 45ml/g)
・フッ素系界面活性剤(1)(下記構造) 0.008g
・2−ブタノン 1.091g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609g
(ミクロゲル液(1))
・ミクロゲル(1) 2.640g
・蒸留水 2.425g
Figure 2017065184
Figure 2017065184
(ミクロゲル(1)の作製)
油相成分として、下記構造の多官能イソシアナート(三井化学(株)製、75質量%酢酸エチル溶液)4.46g、トリメチロールプロパン(6モル)とキシレンジイソシアナート(18モル)を付加させ、これにメチル片末端ポリオキシエチレン(1モル、オキシエチレン単位の繰り返し数:90)を付加させた付加体(三井化学ポリウレタン(株)製、50質量%酢酸エチル溶液)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15g及びパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを酢酸エチル17gに溶解した。水相成分としてポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA−205)の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分及び水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、50℃で3時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈して、ミクロゲル(1)を作製した。光散乱法により測定したミクロゲルの平均粒径は0.2μmであった。
Figure 2017065184
<保護層の形成>
画像記録層上に、下記組成の保護層用塗布液(1)をバー塗布した後、120℃で60秒オーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/m2の保護層を形成して平版印刷版原版を作製した。
(保護層用塗布液(1))
・無機層状化合物分散液(1)(下記) 1.5g
・親水性ポリマー(1)(下記構造、Mw:3万)(固形分)0.03g
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、CKS50、
スルホン酸変性、けん化度99モル%以上、重合度300)
6質量%水溶液 0.10g
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA−405、
けん化度81.5モル%、重合度500)6質量%水溶液 0.03g
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)
(下記構造)1質量%水溶液 0.86g
・イオン交換水 6.0g
Figure 2017065184
(無機層状化合物分散液(1)の調製)
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて体積平均粒子径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
上記の平版印刷版ダミー版、平版印刷版原版、当てボール、合紙について、平版印刷版ダミー版とその他の材料がカラーセンサーで判別可能か否かを評価した。カラーセンサーは、(株)キーエンス製カラーセンサー(センサー部:CZ−41、アンプ部:CZ−V1)を用いた。判別が可能なものをA、不可能なものをXと表示した。
また、実施例20〜55と同様にして、エッジ汚れ防止性能の評価、機上現像性の評価及び耐傷性の評価を行った。
Figure 2017065184
表4に示す結果から、本発明に係る平版印刷版ダミー版は、エッジ汚れ防止性に優れていることが分かる。また、機上現像適性を有している。更に、非感光性樹脂層、更には、保護層を有することにより、耐傷性に優れる。また、カラーセンサー識別適性を有することが分かる
[実施例64]
実施例63で作製した平版印刷版ダミー版を、以下に示すようにして現像液処理を行った。
現像液(A)
・ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンナフタレンエーテル)(商品名:ニューコール B13、日本乳化剤(株)製、固形分100%)5.0質量%
・キレート剤((エチレンジアミンジコハク酸3ナトリウム塩)(商品名:キレストEDDS−35、キレスト(株)製)0.5質量%
・シリコーン系消泡剤(商品名:TSA739、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)0.1質量%
・防腐剤(商品名:Acticide LA1206、ソー・ジャパン(株)製) 0.1質量%
水を加えて全量を100質量%とした。(pH:9.4)
現像液温度:25℃
搬送速度:100cm/min.
現像部のブラシ回転速度: 100rpm
水洗部の水供給条件:水(25℃(室温)、供給量:10L/min)
不感脂化処理液:ガム液(商品名:FN−6、富士フイルム(株)製)/水道水=1/1 (pH:3.5)
不感脂化処理液温度:25℃(室温)、不感脂化処理液槽通過時間:10L/min)
処理された平版印刷版ダミー版は、エッジ汚れ、耐傷性、及び、カラーセンサー識別適性に関して、実施例63とほぼ同様の性能を示した。
1 平版印刷版ダミー版
1a 非感光性親水層面
1b アルミニウム支持体面
1c 端面
2 ダレ
X ダレ量
Y ダレ幅
B 非感光性親水層とアルミニウム支持体との境界
10 裁断刃
10a 上側裁断刃
10b 上側裁断刃
11 回転軸
20 裁断刃
20a 下側裁断刃
20b 下側裁断刃
21 回転軸
30 平版印刷版ダミー版
41 アルミニウム板
42、44 ローラ状ブラシ
43 研磨スラリー液
45、46、47、48 支持ローラ
50 主電解槽
51 交流電源
52 ラジアルドラムローラ
53a,53b 主極
54 電解液供給口
55 電解液
56 スリット
58 補助陽極
60 補助陽極槽
W アルミニウム板
610 陽極酸化処理装置
612 給電槽
614 電解処理槽
616 アルミニウム板
618、626 電解液
620 給電電極
622、628 ローラ
624 ニップローラ
630 電解電極
632 槽壁
634 直流電源

Claims (27)

  1. アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版。
  2. 前記親水化成分が、水溶性化合物である請求項1に記載の平版印刷版ダミー版。
  3. 前記親水化成分が、アルミニウム支持体吸着性基を有する化合物である請求項1又は2に記載の平版印刷版ダミー版。
  4. 前記アルミニウム支持体吸着性基を有する化合物が、リン酸化合物及びホスホン酸化合物の少なくとも1つである請求項3に記載の平版印刷版ダミー版。
  5. 前記リン酸化合物又は前記ホスホン酸化合物が、高分子化合物である請求項4に記載の平版印刷版ダミー版。
  6. 前記親水化成分が、微粒子である請求項1に記載の平版印刷版ダミー版。
  7. 前記微粒子が、有機樹脂微粒子である請求項6に記載の平版印刷版ダミー版。
  8. 前記微粒子が、ミクロゲルである請求項6に記載の平版印刷版ダミー版。
  9. 前記微粒子が、無機微粒子である請求項6に記載の平版印刷版ダミー版。
  10. 前記無機微粒子が、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム又はこれらの混合物である請求項9に記載の平版印刷版ダミー版。
  11. 前記非感光性親水層上に、更に非感光性樹脂層を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の平版印刷版ダミー版。
  12. 前記非感光性樹脂層が、低分子親水性化合物を含有する請求項11に記載の平版印刷版ダミー版。
  13. 前記低分子親水性化合物が、アルキレンオキシ基を有するアニオン性界面活性剤である請求項12に記載の平版印刷版ダミー版。
  14. 前記非感光性樹脂層が、可塑剤を含有する請求項11〜13のいずれか1項に記載の平版印刷版ダミー版。
  15. 前記非感光性樹脂層の上に、更に保護層を有する請求項11〜14のいずれか1項に記載の平版印刷版ダミー版。
  16. 前記平版印刷版ダミー版の端部が、ダレ量Xが35〜150μm、ダレ幅Yが70〜300μmのダレ形状を有する請求項1〜15のいずれか1項に記載の平版印刷版ダミー版。
  17. アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
    前記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、a工程で形成される前記非感光性親水層の一部の領域と重なるように塗布する塗布工程b、及び、
    前記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程cを、
    前記支持体に、a工程、b工程の順で行うか、又は、b工程、a工程の順で行い、その後c工程を行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
  18. アルミニウム支持体上に非感光性親水層及び非感光性樹脂層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
    前記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、a工程で形成される前記非感光性親水層の一部の領域と重なるように塗布する塗布工程b、
    前記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程d、及び、
    前記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程cを、
    前記支持体に、a工程、b工程、d工程の順で行うか、b工程、a工程、d工程の順で行うか、又は、a工程、d工程、b工程の順で行い、その後c工程を行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
  19. アルミニウム支持体上に非感光性親水層、非感光性樹脂層及び保護層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
    前記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、a工程で形成される前記非感光性親水層の一部の領域と重なるように塗布する塗布工程b、
    前記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程d、
    前記保護層を形成する保護層形成工程e、及び、
    前記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程cを、
    前記支持体に、a工程、b工程、d工程、e工程の順で行うか、b工程、a工程、d工程、e工程の順で行うか、a工程、d工程、b工程、e工程の順で行うか、又は、a工程、d工程、e工程、b工程の順で行い、その後c工程を行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
  20. アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
    前記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、及び
    前記親水化成分を含有する塗布液を、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程fを、
    前記支持体に、a工程、f工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
  21. アルミニウム支持体上に非感光性親水層及び非感光性樹脂層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
    前記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程f、及び
    前記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程dを、
    前記支持体に、a工程、d工程、f工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
  22. アルミニウム支持体上に非感光性親水層、非感光性樹脂層及び保護層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
    前記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程f、
    前記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程d、及び、
    前記保護層を形成する保護層形成工程eを、
    前記支持体に、a工程、d工程、e工程、f工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
  23. アルミニウム支持体上に非感光性親水層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
    前記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
    前記非感光性親水層を有するアルミニウム支持体を裁断する工程g、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程f、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲になるよう塗布する塗布工程h、及び、
    前記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程cを、
    前記支持体に、a工程、g工程、f工程の順で行うか、又は、h工程、c工程、a工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
  24. アルミニウム支持体上に非感光性親水層及び非感光性樹脂層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
    前記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
    前記非感光性親水層を有するアルミニウム支持体を裁断する工程g、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程f、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲になるよう塗布する塗布工程h、
    前記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程c、及び、
    前記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程dを、
    前記支持体に、a工程、d工程、g工程、f工程の順で行うか、a工程、g工程、d工程、f工程の順で行うか、h工程、c工程、a工程、d工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
  25. アルミニウム支持体上に非感光性親水層、非感光性樹脂層及び保護層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製造方法であって、
    前記非感光性親水層を形成する非感光性親水層形成工程a、
    前記非感光性親水層を有するアルミニウム支持体を裁断する工程g、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの領域に塗布する塗布工程f、
    前記親水化成分を含有する塗布液を、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲になるよう塗布する塗布工程h、
    前記塗布液を塗布した領域が、裁断後の平版印刷版ダミー版の端部から内側に5mmまでの非感光性親水層側版面の範囲にあるように裁断する裁断工程c、
    前記非感光性樹脂層を形成する非感光性樹脂層形成工程d、及び、
    前記保護層を形成する保護層形成工程eを、
    前記支持体に、a工程、d工程、e工程、g工程、f工程の順で行うか、a工程、g工程、d工程、e工程、f工程の順で行うか、又はh工程、c工程、a工程、d工程、e工程の順で行う平版印刷版ダミー版の製造方法。
  26. アルミニウム支持体上に少なくとも非感光性親水層及び非感光性樹脂層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の印刷方法であって、
    前記非感光性樹脂層を、印刷機上で印刷インキ及び/又は湿し水を供給して除去する機上現像処理工程を含む平版印刷版ダミー版の印刷方法。
  27. アルミニウム支持体上に少なくとも非感光性親水層及び非感光性樹脂層を有する平版印刷版ダミー版であって、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に親水化成分を含有するエッジ処理層を有し、前記平版印刷版ダミー版の端部から内側5mmまでの非感光性親水層側版面の領域に含まれる前記親水化成分の単位面積当たりの含有量が、前記領域以外の領域における前記親水化成分の単位面積当たりの含有量より、10mg/m以上多い平版印刷版ダミー版の製版方法であって、
    前記非感光性樹脂層を、界面活性剤を含むpHが3〜12の現像液より除去する溶液現像処理工程を含む平版印刷版ダミー版の製版方法。
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