JP2017065138A - インクジェット駆動装置 - Google Patents

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Yosuke Nakano
陽介 中野
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Abstract

【課題】ノズルの高密度配置に支障を来たすことなく、ノズルの近傍のインクを確実に攪拌して、インクの乾燥および成分の沈降を確実に抑え、これによって、装置の小型化および高解像度化を図りつつ、インクの吐出特性を確実に向上させるインクジェット駆動装置を提供する。
【解決手段】インクジェット駆動装置2は、インクを収容する圧力室21aと、ノズル基板30と、駆動素子27とを備える。ノズル基板30は、圧力室21aと連通するノズル30aを有する。駆動素子27は、圧力室21aに圧力変動を与えることにより、圧力室21a内のインクをノズル30aから吐出させる。ノズル基板30は、変位部材40を有している。変位部材40は、熱膨張係数が互いに異なる第1の層基材41および第2の層基材42と、第1の層基材41および第2の層基材42を加熱する加熱体43とを含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えばインクジェットヘッドやインクジェットプリンタとして構成されるインクジェット駆動装置に関するものである。
従来から、液体インクを吐出する複数のチャネルを有するインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタが知られている。用紙や布などの記録メディアに対してインクジェットヘッドを相対的に移動させながら、インクの吐出を制御することにより、記録メディアに対して二次元の画像を出力することができる。インクの吐出は、圧力式のアクチュエータ(圧電式、静電式、熱変形など)を利用したり、熱によって管内のインクに気泡を発生させることで行うことができる。中でも、圧電式のアクチュエータは、出力が大きい、変調が可能、応答性が高い、インクを選ばない、などの利点を有しており、近年よく利用されている。
圧電式のアクチュエータに用いられる圧電体には、チタン酸バリウム(BaTiO3やチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)などのペロブスカイト型の金属酸化物が広く用いられている。また、上記の圧電体には、セラミックタイルのように焼成するバルク状の圧電体と、基板に成膜する薄膜の圧電体(圧電薄膜)とがある。バルク状の圧電体を用いるか、圧電薄膜を用いるかは、用途に応じて選択すればよい。
図14Aは、従来の圧電式のアクチュエータを備えたインクジェットヘッド200の概略の構成を示す平面図であり、図14Bは、図14AにおけるB−B’線矢視断面図である。インクジェットヘッド200は、圧力室100aを有するヘッド基板100の一方の面側にアクチュエータ101を配置し、他方の面側にノズル基板102を配置して構成されている。ノズル基板102には、液滴量を制御するための吐出孔であるノズル102aが形成されている。ノズル102aは圧力室100aと連通している。
アクチュエータ101は、ヘッド基板100側から順に、振動板(従動膜)201、絶縁層202、下部電極203、圧電体層204、上部電極205を積層して構成されている。下部電極203および上部電極205は、駆動回路206と接続されている。また、図示しない貯蔵室から圧力室100aにインクを供給するためのインク供給口301が、振動板201および絶縁層202を貫通して形成されている。このインク供給口301は、ヘッド基板100において圧力室100aと並んで形成された副室100bを介して圧力室100aと連通している。
上記の構成において、下部電極203および上部電極205に駆動回路206から電圧を印加すると、圧電体層204が厚さ方向に垂直な方向(ヘッド基板100の面に平行な方向)に伸縮する。そして、圧電体層204と振動板201との長さの違いにより、振動板201に曲率が生じ、振動板201が厚さ方向に変位(湾曲)する。このようなアクチュエータ101の上下運動により、圧力室100a内に導入したインクに圧力を加えて、ノズル102aからインク滴を吐出することができる。
このように、アクチュエータ101、ヘッド基板100およびノズル基板102を組み合わせることで、インクチャネル(インク吐出部)が構成される。そして、このようなインクチャネルを縦横に並べることで、インクジェットヘッド200が構成される。
また、インクの吐出特性を安定させるためには、インクジェットヘッド200内のインクを、最適な粘度に保つ必要がある。インクジェットヘッド200にはヒーター(図示せず)が設けられており、これによって、インクが最適な温度および粘度に保たれている。
ところで、画像形成用の液体インクは、顔料インクと染料インクとに分類される。顔料インクは、顔料と言われる色材粒子を、溶媒中に分散状態で存在させたインクである。顔料インクは、染料インクよりも色純度は低いものの、色分子の集合体である顔料が安定して存在するため、耐光性に優れているという特徴を持つ。染料インクは、色材となる染料を、水や溶剤などの溶媒に溶解させた状態で存在させたインクである。染料インクは、透明で鮮明な色相を持ち、色純度が高いが、拡散による滲みが見られる、日光に当たって褪色する、といった特徴を持つ。
インクジェットヘッドでは、顔料インクを用いた場合でも、染料インクを用いた場合でも、インクが長時間吐出されない場合には、インクがノズルに詰まる、いわゆるノズル詰まりが起きやすく、このノズル詰まりによってインクの吐出特性が低下することが懸念される。
より詳しくは、顔料インクを用いた場合、インクが長時間吐出されない状態が続くと、顔料が沈降し、流路の底面やノズル近傍に溜まってしまう。特に、二酸化チタンなど金属系の顔料は沈降しやすい。沈降した顔料は、凝集して固化するため、ノズル詰まりを起こす原因となる。なお、インクの吐出特性を上げるために、インクを加温し、粘度を低下させると、顔料はさらに沈降しやすくなり、ノズル詰まりがより発生しやすくなる。
また、染料インクを用いた場合、インクが長時間吐出されない状態が続くと、ノズル内のインク(特に空気と接している部分)が乾燥し、インクの粘度が増大する。この増粘したインクにより、ノズル詰まりが起きやすくなる。
そこで、例えば特許文献1では、圧力室よりもノズルに近い位置に循環流路を設け、この循環流路を介して、ノズル近傍のインクを循環させることにより、吐出直前のインクの乾燥や、インクに含まれる成分の沈降を抑制するようにしている。また、例えば特許文献2では、圧力室の底面の少なくとも一部に変形部を設け、圧力室内のインクの圧力変動によって、底面の変形部を変動(振動)させることにより、圧力室内のインクを攪拌させて、顔料等の沈降を防止するよう試みている。なお、特許文献2には、インクの吐出時のみならず、非吐出時であっても、インクが吐出しない程度に変形部を微振動させることにより、インクを攪拌させることも開示されている。
特開2012−143948号公報(請求項1、段落〔0008〕、〔0009〕、図3等参照) 特開2013−059971号公報(請求項1、段落〔0007〕〜〔0009〕、〔0028〕、図4、図5等参照)
ところが、特許文献1の構成において、インクの乾燥および沈殿の抑制の効果を得るためには、インクの循環流量を相当量確保することが必要となる。このためには、例えば基板に設けられるインクの循環流路を大型化することが必要となる。しかし、循環流路の大型化は、基板におけるノズルの高密度配置の妨げとなり、ヘッドの小型化や高解像度化に支障を来たす。
また、特許文献2では、圧力室上部の振動板を圧電素子によって振動させ、その振動を圧力室内のインクを介して変形部に伝達することにより、変形部を振動させる。インクの非吐出時においては、変形部を微振動させて、インクを攪拌させるが、変形部を微振動させるような振動板の振動は、通常のインク吐出時の振動と比べて小さいため、圧力室内のインクを介して変形部に伝達されにくい。このため、変形部の微振動による、ノズル近傍のインクの攪拌は、実際には困難であると考えられる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ノズルの高密度配置に支障を来たすことなく、ノズル近傍のインクを確実に攪拌して、インクの乾燥および成分の沈降を確実に抑えることができ、これによって、装置の小型化および高解像度化を図りつつ、インクの吐出特性を確実に向上させることができるインクジェット駆動装置を提供することにある。
本発明の一側面に係るインクジェット駆動装置は、インクを収容する圧力室と、前記圧力室と連通するノズルを有するノズル基板と、前記圧力室に圧力変動を与えることにより、前記圧力室内のインクを前記ノズルから吐出させる駆動素子とを備えたインクジェット駆動装置であって、前記ノズル基板は、変位部材を有しており、前記変位部材は、熱膨張係数が互いに異なる第1および第2の層基材と、前記第1および第2の層基材を加熱する加熱体とを含んでいる。
上記の構成によれば、加熱体によって第1および第2の層基材が加熱されると、第1および第2の層基材は熱膨張係数が互いに異なっているために、膨張量(伸び量)に差が生じ、その結果、変位部材に反りが生じる。この変位部材の反り、つまり、変位部材の変位により、変位部材を有するノズル基板のノズル近傍のインクが攪拌される。しかも、変位部材の変位は、変位部材自身が有する第1および第2の層基材の熱膨張によって起こり、他の部材(例えば駆動素子)の駆動に従動して起こるわけではない。このような変位部材自身の変位により、ノズル近傍のインクを確実に攪拌することができる。
このように、ノズル基板が変位部材を有していることにより、循環流路部を設けてインクを循環させなくても、インクの攪拌によってインクの乾燥およびインクに含まれる成分(例えば顔料)の沈降を抑えることができる。また、循環流路部を設ける場合でも、上述した変位部材の変位によってインクを攪拌できるため、インクを攪拌するために循環流量を増大させる必要はなく、循環流路部を大型化する必要がない。したがって、循環流路部を設ける場合でも、ノズルの高密度化を妨げることはない。
したがって、上記構成によれば、ノズルの高密度配置に支障を来たすことなく、ノズル近傍のインクを確実に攪拌して、インクの乾燥および成分の沈降を確実に抑えることができる。その結果、装置の小型化および高解像度化を図りつつ、インクの吐出特性を確実に向上させることができる。
前記第1および第2の層基材と前記加熱体とは、前記ノズル基板の厚み方向に並んで位置していることが望ましい。この場合、第1および第2の層基材を加熱体によって加熱したときに、変位部材が圧力室側に凸または凹となるように反るため、ノズル近傍のインクを確実に攪拌することができる。
前記加熱体は、前記第1の層基材と前記第2の層基材との間に位置していることが望ましい。この場合、加熱体が、第1および第2の層基材の両方を直接加熱して熱膨張させることができるため、第1および第2の層基材の熱膨張による変位部材の反りを確実に生じさせることができる。
前記ノズル基板は、前記変位部材のみで構成されており、前記変位部材は、前記ノズルを有していてもよい。この場合、変位部材が反ると、ノズルが移動するとともに、ノズル内のインクも移動する。これにより、ノズル内のインクの乾燥を確実に抑えて、インクの吐出特性を確実に向上させることができる。
前記加熱体は、前記インクの前記ノズルからの非吐出時において、前記第1および第2の層基材を加熱することが望ましい。第1および第2の層基材の加熱によって変位部材が反るのは、インクの非吐出時であるため、変位部材の反りによってノズルが移動しても、ノズルからインクが吐出されることはない。したがって、ノズルの移動による吐出特性の低下は生じない。
前記ノズル基板は、前記ノズルと、開口部とを有する剛性基板をさらに有しており、前記変位部材は、前記開口部を覆うように前記剛性基板に設けられていてもよい。この場合、変位部材は、第1および第2の層基材の熱膨張により、開口部側に凸または凹となるように反ることができる。これにより、ノズル近傍のインクを攪拌することができる。また、変位部材ではなく、剛性基板がノズルを有しており、変位部材が変位しても、剛性基板のノズルの位置は変化しない。このため、インク吐出時において、変位部材を変位させることにより、インクの吐出特性を低下させることなく、ノズル近傍のインクを攪拌させて、インクの乾燥および成分の沈降を抑えることができる。
前記変位部材は、前記開口部を前記圧力室側から覆うように前記剛性基板に設けられていることが望ましい。剛性基板の開口部に対して圧力室とは反対側に変位部材が位置していると、変位部材の変位によってインクが攪拌されても、インクに含まれる沈降成分が上記開口部内に留まることが懸念される。変位部材が、剛性基板の開口部を圧力室側から覆っている構成では、開口部内にインクが入ることはないため、インクに含まれる沈降成分が上記開口部内に留まる心配がない。
前記変位部材は、前記剛性基板の前記圧力室側の面と面一となるように、前記開口部内に位置していてもよい。この場合でも、変位部材の変位によってインクが攪拌されたときに、インクに含まれる沈降成分が上記開口部内に留まる心配がない。
前記剛性基板は、前記開口部を、前記ノズルの周囲に複数有しており、前記変位部材は、前記複数の開口部のそれぞれに対応して位置していてもよい。ノズルの周囲に複数の変位部材が位置しているため、各変位部材の変位によって、ノズル近傍のインクを確実に攪拌させることができる。
前記加熱体は、前記インクの前記ノズルからの非吐出時および吐出時の少なくとも一方において、前記第1および第2の層基材を加熱してもよい。剛性基板がノズルを有しているため、変位部材を変位させても、それに伴ってノズルの位置が変化することはない。このため、インクの非吐出時は勿論のこと、インクの吐出時であっても、第1および第2の層基材の加熱による変位部材の変位により、インクの吐出特性を低下させることなく、ノズル近傍のインクを攪拌させることができる。
前記インクジェット駆動装置は、前記加熱体に電気信号を与えることにより、前記加熱体を発熱させる加熱体駆動部をさらに備えていてもよい。加熱体駆動部を用いることにより、加熱体を容易に発熱させ、第1および第2の層基材の熱膨張によって、変位部材を容易に変位させることができる。
前記加熱体駆動部は、周期的なパルス波形を持つ前記電気信号を前記加熱体に与えることにより、前記加熱体を発熱させてもよい。この場合、加熱体が周期的に発熱し、第1および第2の層基材が周期的に加熱されるため、変位部材の変位(反り)が周期的に繰り返される。つまり、変位部材が振動する。したがって、このような変位部材の振動によって、ノズル近傍のインクを確実に攪拌させることができる。
前記インクジェット駆動装置は、熱を発生させる発熱部と、前記発熱部にて発生した熱を、前記加熱体に伝導する伝熱部材とをさらに備えていてもよい。加熱体は、伝熱部材を介して伝導される発熱体の熱によって、第1および第2の層基材を加熱し、熱膨張させることができる。したがって、このような構成であっても、変位部材を変位させることができる。
前記第1および第2の層基材は、ガラス、樹脂、金属のいずれかで構成されていてもよい。上記いずれかの材料を用いることにより、熱膨張係数が互いに異なる第1および第2の層基材を確実に実現することができる。
前記インクジェット駆動装置は、前記圧力室を有するヘッド基板をさらに備え、前記駆動素子は、前記ヘッド基板によって支持されていてもよい。この場合、駆動素子によって、ヘッド基板の圧力室に圧力変動を確実に与えて、圧力室内のインクをノズルから吐出させることができる。
前記ノズル基板は、前記ノズルが前記圧力室と連通するように、前記ヘッド基板に貼り合わされていてもよい。ノズル基板がヘッド基板に直接貼り合わされた構成において、上述の効果を得ることができる。
前記ヘッド基板は、前記圧力室から排出されたインクを循環させるための流路となる循環流路部をさらに有していてもよい。この構成では、変位部材の変位によって攪拌されたノズル近傍のインクを、循環流路部を介して循環させることができるため、インクの乾燥および沈降をより確実に抑えることができる。なお、上述したように、循環流路部を設ける構成であっても、変位部材の変位により、ノズル近傍のインクを攪拌できるため、循環流路部は小型で済み、少ない循環流量で、インクの乾燥および沈降をより確実に抑えることができる。
前記駆動素子は、圧電薄膜を一対の電極で挟んだ圧電素子であってもよい。圧電素子を用いることにより、電圧印加によって変位する圧電薄膜の圧電効果を利用して、圧力室に圧力変動を容易に与えることができる。
上記の構成によれば、ノズルの高密度配置に支障を来たすことなく、ノズル近傍のインクを確実に攪拌して、インクの乾燥および成分の沈降を確実に抑えることができる。その結果、装置の小型化および高解像度化を図りつつ、インクの吐出特性を確実に向上させることができる。
本発明の実施の一形態に係るインクジェットプリンタの概略の構成を示す説明図である。 上記インクジェットプリンタが備えるインクジェットヘッドの概略の構成を示す断面図である。 図2AにおけるA−A’線矢視断面図である。 上記インクジェットヘッドのノズル基板を構成する変位部材が有する加熱体のパターニング形状を示す平面図である。 上記インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。 上記製造工程の続きを示す断面図である。 上記変位部材の変位によって、インクが攪拌される様子を模式的に示す説明図である。 上記加熱体に印加される電気信号と、ノズル面の温度変化および変位量の変化とを示すグラフである。 上記インクジェットヘッドの他の構成を示す説明図である。 上記インクジェットヘッドのさらに他の構成を示す断面図である。 上記インクジェットヘッドのさらに他の構成を示す断面図である。 図10のインクジェットヘッドの剛性基板を圧力室側から見たときの平面図である。 上記インクジェットヘッドのさらに他の構成を示す断面図である。 上記インクジェットヘッドのさらに他の構成を示す断面図である。 従来の圧電式のアクチュエータを備えたインクジェットヘッドの概略の構成を示す平面図である。 図14AにおけるB−B’線矢視断面図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をA〜Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。
〔インクジェットプリンタの構成〕
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略の構成を示す説明図である。インクジェットプリンタ1は、インクジェットヘッド2から記録媒体Pに向けてインクを吐出させることにより、記録媒体P上に画像を形成するものである。このインクジェットプリンタ1は、例えば、インクジェットヘッド2が記録媒体の幅方向にライン状に設けられた、いわゆるラインヘッド方式のインクジェット記録装置で構成されている。
インクジェットプリンタ1は、上記のインクジェットヘッド2と、繰り出しロール3と、巻き取りロール4と、2つのバックロール5・5と、中間タンク6と、送液ポンプ7と、貯留タンク8と、定着機構9とを備えている。
インクジェットヘッド2は、記録媒体Pに向けてインクを吐出するものであり、本実施形態では、一方のバックロール5から定着機構9に向かって搬送される記録媒体Pと対向する位置に配置されている。インクジェットヘッド2は、異なる色(例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のインクに対応して複数設けられてもよい。
繰り出しロール3、巻き取りロール4および各バックロール5は、軸回りに回転可能な円柱形状からなる部材である。繰り出しロール3は、周面に幾重にも亘って巻回された長尺状の記録媒体Pを、インクジェットヘッド2との対向位置に向けて繰り出すロールである。この繰り出しロール3は、モータ等の図示しない駆動手段によって回転することで、記録媒体Pを図1のX方向へ繰り出して搬送する。
巻き取りロール4は、繰り出しロール3より繰り出されて、インクジェットヘッド2によってインクが吐出された記録媒体Pを周面に巻き取る。
各バックロール5は、繰り出しロール3と巻き取りロール4との間に配設されている。記録媒体Pの搬送方向上流側に位置する一方のバックロール5は、繰り出しロール3によって繰り出された記録媒体Pを、周面の一部に巻き付けて支持しながら、インクジェットヘッド2との対向位置に向けて搬送する。他方のバックロール5は、インクジェットヘッド2との対向位置から巻き取りロール4に向けて、記録媒体Pを周面の一部に巻き付けて支持しながら搬送する。
中間タンク6は、貯留タンク8より供給されるインクを一時的に貯留する。また、中間タンク6はインクチューブ10と接続されており、インクジェットヘッド2におけるインクの背圧を調整して、インクジェットヘッド2にインクを供給する。
送液ポンプ7は、貯留タンク8に貯留されたインクを中間タンク6に供給するものであり、供給管11の途中に配設されている。貯留タンク8に貯留されたインクは、送液ポンプ7によって汲み上げられ、供給管11を介して中間タンク6に供給される。
定着機構9は、インクジェットヘッド2によって記録媒体Pに吐出されたインクを当該記録媒体Pに定着させる。この定着機構9は、吐出されたインクを記録媒体Pに加熱定着するためのヒータや、吐出されたインクにUV(紫外線)を照射することによりインクを硬化させるためのUVランプ等で構成されている。
上記の構成において、繰り出しロール3から繰り出される記録媒体Pは、バックロール5により、インクジェットヘッド2との対向位置に搬送され、インクジェットヘッド2から記録媒体Pに対してインクが吐出される。その後、記録媒体Pに吐出されたインクは定着機構9によって定着され、インク定着後の記録媒体Pが巻き取りロール4によって巻き取られる。このようにラインヘッド方式のインクジェットプリンタ1では、インクジェットヘッド2を静止させた状態で、記録媒体Pを搬送しながらインクが吐出され、記録媒体Pに画像が形成される。
なお、インクジェットプリンタ1は、シリアルヘッド方式で記録媒体に画像を形成する構成であってもよい。シリアルヘッド方式とは、記録媒体を搬送しながら、その搬送方向と直交する方向にインクジェットヘッドを移動させてインクを吐出し、画像を形成する方式である。この場合、インクジェットヘッドは、キャリッジ等の構造体に支持された状態で、記録媒体の幅方向に移動する。また、記録媒体としては、長尺状のもの以外にも、予め所定の大きさ(形状)に裁断されたシート状のものを用いてもよい。
〔インクジェットヘッドの構成〕
次に、上記したインクジェットヘッド2の構成について説明する。図2Aは、インクジェットヘッド2の概略の構成を示す断面図であり、図2Bは、図2AにおけるA−A’線矢視断面図である。
インクジェットヘッド2は、ヘッド基板21上に、圧電アクチュエータ2aを有している。圧電アクチュエータ2aは、ヘッド基板21側から、振動板22、熱酸化膜23、下部電極24、圧電薄膜25、上部電極26をこの順で有している。なお、圧電アクチュエータ2aは、下部電極24と圧電薄膜25との間に、圧電薄膜25の結晶配向性を制御するための配向制御層(シード層、バッファ層)をさらに有していてもよい。
ヘッド基板21と振動板22とは、ボディプレートを構成している。このボディプレートは、厚さが例えば100〜300μm程度の単結晶Si(シリコン)単体からなる半導体基板またはSOI(Silicon on Insulator)基板で構成されている。図2Aでは、ボディプレートをSOI基板で構成した場合を示している。ボディプレートは、厚さ750μm程度の基板を研磨処理によって厚さ100〜300μm程度に調整したものである。ボディプレートの厚さは、適用するデバイスに応じて適宜調整されればよい。
上記のSOI基板は、酸化膜を介して2枚のSi基板を接合したものである。ヘッド基板21は、一方のSi基板(支持層)に相当し、振動板22は、他方のSi基板(活性層)に対応している。ヘッド基板21と振動板22との間には、酸化膜21d(図4参照)が設けられているが、図2Aでは、その酸化膜21dの図示を省略している。
ヘッド基板21には、インクを収容する複数の圧力室21aと、個別インク流路21bと、共通インク流路21cとが形成されている。中間タンク6(図1参照)より供給されるインクは、共通インク流路21c、個別インク流路21bを介して、各圧力室21aに供給される。なお、各圧力室21aに供給されるインクは、顔料インクであってもよいし、染料インクであってもよい。
振動板22は、圧力室21aの上壁(圧力室21aよりも圧電薄膜形成側に位置する壁)を構成しており、圧電薄膜25の駆動(伸縮)に伴って変位(振動)する従動膜である。圧電薄膜25の駆動に伴う振動板22の振動により、圧力室21a内のインクに圧力が付与される。
熱酸化膜23は、例えば厚さが0.1μm程度のSiO2(酸化シリコン)からなり、ボディプレートの保護および絶縁の目的で形成されている。
下部電極24は、複数の圧力室21aに共通して設けられるコモン電極であり、Ti(チタン)層とPt(白金)層とを積層して構成されている。Ti層は、熱酸化膜23とPt層との密着性を向上させるために形成されている。Ti層の厚さは例えば0.02μm程度であり、Pt層の厚さは例えば0.1μm程度である。なお、図2Aでは、下部電極24は、圧力室21aの上方にのみ位置しているが、熱酸化膜23の表面全体にわたって形成されていてもよい。
圧電薄膜25は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの強誘電体薄膜(特にペロブスカイト型構造の酸化物からなる膜)で構成されており、各圧力室21aに対応して設けられている。圧電薄膜25の膜厚は、例えば1μm以上10μm以下である。圧電薄膜25は、PZTにランタン(La)やニオブ(Nb)などの添加物を添加したもので構成されていてもよい。
上部電極26は、各圧力室21aに対応して設けられる個別電極であり、Ti層とPt層とを積層して構成されている。Ti層は、圧電薄膜25とPt層との密着性を向上させるために形成されている。Ti層の厚さは例えば0.02μm程度であり、Pt層の厚さは例えば0.1〜0.2μm程度である。上部電極26は、下部電極24との間で圧電薄膜25を膜厚方向から挟むように設けられている。なお、Pt層の代わりに、金(Au)からなる層を形成してもよい。
下部電極24、圧電薄膜25および上部電極26は、圧力室21aに圧力変動を与えることにより、圧力室21a内のインクをノズル30aから吐出させる圧電素子27(駆動素子)を構成している。圧電薄膜25は、駆動回路28から下部電極24および上部電極26に印加される電圧(駆動信号)に基づいて駆動される。この圧電素子27は、振動板22および熱酸化膜23を介してヘッド基板21に支持されている。インクジェットヘッド2は、圧電素子27および圧力室21aを縦横に並べることにより形成される。
ヘッド基板21に対して圧電素子27とは反対側には、ノズル30aを有するノズル基板30が位置している。ノズル30aは、圧力室21a内のインクを外部する吐出するための吐出孔であり、圧力室21aと連通している。したがって、ノズル基板30は、圧力室21aとノズル30aとが連通するように、ヘッド基板21に貼り合わされていると言うことができる。なお、ノズル基板30の詳細については後述する。
上記の構成において、駆動回路28により、下部電極24と上部電極26との間に電位差を付与すると、圧電薄膜25が、下部電極24と上部電極26との電位差に応じて、厚さ方向に垂直な方向に伸縮する。そして、圧電薄膜25と振動板22との長さの違いにより、振動板22に曲率が生じ、振動板22が厚さ方向に変位(湾曲、振動)する。
したがって、圧力室21a内にインクを収容しておけば、上述した振動板22の振動により、圧力室21a内のインクに圧力波が伝搬される。その結果、圧力室21a内のインクが、ノズル30aを介して、インク滴として外部に吐出される。
〔ノズル基板の詳細について〕
次に、ノズル基板30の詳細について説明する。図2Aに示すように、ノズル基板30は、変位部材40で構成されている。変位部材40は、外部から電気信号または熱が付与されることにより、反りや振動などの変位が生じる部材であり、第1の層基材41、第2の層基材42および加熱体43を備えている。
第1の層基材41および第2の層基材42は、互いに熱膨張係数の異なる材料で構成されており、ともに可撓性を有している。上記材料としては、ガラス、樹脂、金属などから選択可能である。より具体的には、例えば、ガラス材料としては、パイレックス(登録商標)などのホウケイ酸ガラス(熱膨張係数;3.3×10-6/K)、樹脂材料としては、ポリイミド(熱膨張係数;15×10-6/K)、アクリル樹脂であるPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂、熱膨張係数;70×10-6/K)、金属材料としては、アルミニウム(熱膨張係数;24×10-6/K)、ニッケル(熱膨張係数;13×10-6/K)、の中から、異なる2種の材料を選択して、第1の層基材41および第2の層基材42を構成することが可能である。第1の層基材41および第2の層基材42の厚さは、例えば50μm〜200μm程度である。
加熱体43は、駆動回路44から供給される電気信号に応じてジュール熱を発生させ、このジュール熱によって第1の層基材41および第2の層基材42を加熱する。このような加熱体43は、抵抗のある導体で構成される。例えば、ニクロムやステンレス鋼などの金属、セラミックス、炭素材料などで加熱体43を構成することができる。加熱体43の厚さは、例えば100nm程度であり、第1の層基材41および第2の層基材42と比べると非常に薄い。
第1の層基材41、第2の層基材42および加熱体43は、ノズル基板30の厚み方向に並んで位置している(つまり、上記厚み方向に積層されている)。図2Aでは、加熱体43は、積層方向において、第1の層基材41と第2の層基材42との間に位置している。第1の層基材41、第2の層基材42、加熱体43の積層順序は特に限定されず、例えば、圧力室21a側から、第2の層基材42、第1の層基材41、加熱体43の順序で積層されていてもよいし、加熱体43、第2の層基材42、第1の層基材41の順序で積層されていてもよい。
ただし、第1の層基材41、第2の層基材42、加熱体43のうち、最も圧力室21a側に位置する層は、圧力室21a内のインクと接触するため、インクと反応して特性が劣化しないインク耐性を有していることが必要である。この点では、変位部材40において最も圧力室21a側の層は、樹脂材料やガラス材料からなる第1の層基材41または第2の層基材42であることが望ましい。
ここで、図3は、加熱体43のパターニング形状を示している。加熱体43は、通電時の抵抗を増大させてジュール熱を発生しやすくするため、細く、かつ、電流の流れる経路が長くなるような形状にパターンニングされている。加熱体43は、上述したように、第1の層基材41および第2の層基材42に比べて非常に薄いため、第1の層基材41と第2の層基材42とは、加熱体43が存在しない位置においてほとんど密着している。なお、図2Aでは、薄い加熱体43のパターニングされた断面を図示するのが困難であるため、加熱体43の断面を便宜的に直線状で示している。なお、加熱体43は、パターニングされていなくてもよい。
また、ノズル基板30のノズル30aは、変位部材40に設けられている。図2Aでは、便宜的に、ノズル30aは加熱体43を貫通するように図示されているが、実際には、変位部材40において、パターニングによって加熱体43が存在しなくなった位置で、第1の層基材41および第2の層基材42を厚み方向に貫通するように設けられている。つまり、ノズル30aは、加熱体43が介在せずに密着した第1の層基材41および第2の層基材42を貫通するように設けられている。なお、加熱体43がパターニングされていない場合、ノズル30aは、第1の層基材41、第2の層基材42、加熱体43を全て貫通することになる。
加熱体43と電気的に接続される駆動回路44は、加熱体43に電気信号を与えることにより、加熱体43を発熱させる加熱体駆動部を構成している。この駆動回路44は、インクジェットヘッド2に設けられていてもよいし、インクジェットヘッド2の外部で、かつ、インクジェットプリンタ1の内部に設けられていてもよい。駆動回路44がインクジェットヘッド2に設けられている場合、その駆動回路44を備えたインクジェットヘッド2のことを、インクジェット駆動装置と呼ぶことができる。また、駆動回路44がインクジェットヘッド2の外部に設けられて加熱体43と接続されている場合、駆動回路44およびインクジェットヘッド2を備えたインクジェットプリンタ1のことを、インクジェット駆動装置と呼ぶことができる。
〔インクジェットヘッドの製造方法〕
次に、上記構成のインクジェットヘッド2の製造方法について説明する。インクジェットヘッド2の製造方法は、(A)ヘッド基板21上に圧電アクチュエータ2aを形成する工程と、(B)ノズル基板30を作製する工程と、(C)ヘッド基板21にノズル基板30を貼り合わせる工程、とを含んでいる。下記の(1)〜(6)の工程は、上記(A)の工程に対応し、下記の(7)〜(9)の工程は、上記(B)の工程に対応し、下記の(10)の工程は、上記(C)の工程に対応する。図4および図5は、インクジェットヘッド2の製造工程を示す断面図である。
(1)まず、ボディプレートを用意する。ボディプレートとしては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)に多く利用されている結晶シリコン(Si)を用いることができ、ここでは、ヘッド基板21および振動板22を構成する2枚のSi基板が、酸化膜21dを介して接合されたSOI構造のものを用いている。
(2)上記ボディプレートを加熱炉に入れ、1500℃程度に所定時間保持して、一方のSi基板(振動板22)の表面にSiO2からなる熱酸化膜23aを形成し、他方のSi基板(ヘッド基板21)の表面に熱酸化膜23bを形成する。熱酸化膜23aは、図2Aの熱酸化膜23と同じである。
(3)次に、上記熱酸化膜23上に、TiおよびPtの各層をスパッタ法で順に成膜し、下部電極24を形成する。なお、ここでは、下部電極24のパターニングを行っていないが、下部電極24を所望の形状にパターニングしてもよい。続いて、ボディプレートを600℃程度に再加熱し、PZTの層25aをスパッタ法で成膜する。
(4)次に、ボディプレートに感光性樹脂51をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、エッチングすることによって感光性樹脂51の不要な部分を除去し、形成する圧電薄膜25の形状を転写する。その後、感光性樹脂51をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて層25aの形状を加工し、圧電薄膜25とする。
(5)次に、圧電薄膜25を覆うように、下部電極24上にTiおよびPtの各層をスパッタ法で順に成膜し、層26aを形成する。続いて、層26a上に感光性樹脂52をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、エッチングすることによって感光性樹脂52の不要な部分を除去し、形成する上部電極26の形状を転写する。その後、感光性樹脂52をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて層26aの形状を加工し、上部電極26を形成する。
(6)次に、ボディプレートの裏面(熱酸化膜23b側)に感光性樹脂53をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、エッチングすることによって、感光性樹脂53の不要な部分を除去し、形成しようとする圧力室21a、個別インク流路21b、共通インク流路21cの形状を転写する。そして、反応性イオンエッチング法により、感光性樹脂53をマスクとしてボディプレートの除去加工を行って、圧力室21a、個別インク流路21b、共通インク流路21cを形成し、その後、熱酸化膜23bを除去する。これにより、圧電アクチュエータ2aが完成する。
(7)上記した圧電アクチュエータ2aの作製前、作製後、または圧電アクチュエータ2aの作製と並行して、ノズル基板30を作製する。つまり、図5に示すように、例えばポリイミドからなる第1の層基材41上に、ニクロムからなる加熱体43をスパッタ法で成膜する。
(8)次に、感光性樹脂(図示せず)をマスクとして、反応性イオンエッチング法やリフトオフ法などを用い、必要に応じて加熱体43をパターニングする。
(9)続いて、接着剤などを用いて、加熱体43に、PMMAからなる第2の層基材42を貼り付ける。その後、レーザー加工法などを用い、少なくとも第1の層基材41および第2の層基材42を貫通するノズル30aを形成し、ノズル基板30を完成させる。
(10)最後に、ヘッド基板21の圧力室21aと、ノズル基板30のノズル30aとが連通するように、ヘッド基板21とノズル基板30とを接着剤などで接合する。これにより、インクジェットヘッド2が完成する。なお、図5では、ノズル基板30の第1の層基材41が圧力室21a側となるように、ヘッド基板21とノズル基板30とを接合しているが、第2の層基材42が圧力室21a側となるように、ヘッド基板21とノズル基板30とを接合してもよい。
〔インクの攪拌について〕
図6は、上記したインクジェットヘッド2において、ノズル基板30(変位部材40)の変位によって、インクが攪拌される様子を模式的に示している。駆動回路44により、変位部材40の加熱体43に電気信号を与えると、加熱体43にてジュール熱が発生し、このジュール熱によって第1の層基材41および第2の層基材42が加熱される。圧力室21a側の第1の層基材41が加熱されることにより、ノズル基板30において圧力室21a側の面(以下、ノズル面とも称する)の温度は上昇する。ノズル面の温度は、圧力室21a内のインクに伝わり、インクは最適な温度に保たれる。
このとき、上記電気信号として、図7に示すような周期的なパルス波形を持つ電気信号を加熱体43に与えると、ノズル面の温度は、上記パルス波形とほぼ同期して、上昇、下降を繰り返す。また、第1の層基材41および第2の層基材42が加熱体43によって同時に加熱されるため、上記のノズル面の温度変化とほぼ同期して、第1の層基材41および第2の層基材42の熱膨張による伸縮変形が起こる。
ここで、第1の層基材41および第2の層基材42の熱膨張係数は異なっているため、第1の層基材41および第2の層基材42の伸縮度合いが異なる。変位部材40の圧力室21a側と、圧力室21aとは反対側とで、変位部材40の伸縮度合いが異なると、変位部材40に反りが発生する。この変位部材40の反りは、上記パルス波形にほぼ同期して周期的に発生するため、結果として、変位部材40が振動することになる(ノズル面が周期的に変位することになる)。上記パルス波形の周期を短くすることにより、インク温度を安定させたまま、変位部材40(ノズル基板30)を振動させることができる。
このような変位部材40の振動により、圧力室21a内のインクは攪拌され、ノズル面付近に沈降していたインク成分(例えば顔料F)も攪拌される。また、変位部材40の振動により、ノズル30a内のインクも振動したり、攪拌によるインクの流れに乗るようにノズル30a内のインクが圧力室21a側に移動する。このため、ノズル30a内のインクの乾燥も低減される。その結果、顔料Fの沈降やインクの乾燥によるノズル詰まりが低減される。
ここで、表1は、変位部材40の実施例に相当する変位部材40a〜40h、比較例に相当する変位部材40iの温度変化による反り量について調べた結果を示している。なお、ここでは、変位部材40a〜40iを構成する加熱体43の材料として、厚み100nmのPtを使用した。また、変位部材40a〜40iを構成する第1の層基材41および第2の層基材42の材質の組み合わせは、表1の通りである。反り量については、第1の層基材41または第2の層基材42の変位前の位置からの変位量で規定し、反り量の正負については、第2の層基材42から第1の層基材41に向かう方向を正とし、その反対方向を負とした。
Figure 2017065138
第1の層基材41および第2の層基材42の板厚および長さを表1に示した値とし、加熱体43に電気信号を印加して、加熱体43を発熱させ、40〜100℃の範囲内で変位部材40a〜40iの温度を制御すると、材質の熱膨張係数が第1の層基材41と第2の層基材42とで異なる変位部材40a〜40hは、表1で示した反り量で周期的に振動することがわかった。このとき、変位部材40a・40b・40d・40eについては、反り量が絶対値で4μmよりも大きく(判定は“○”)、他の変位部材40c・40f・40g・40hについては、反り量が絶対値で4μm未満と少ないが(判定は“△”)、いずれの変位部材40a〜40hにおいても、反りが生じていることに変わりはなかった。これに対して、材質の熱膨張係数が第1の層基材41と第2の層基材42とで同じ変位部材40iでは、温度変化を与えても反りが生じず、振動も生じなかった。したがって、いずれの変位部材40a〜40h(第1の層基材41および第2の層基材42の材質の組み合わせ)をノズル基板30に適用しても、上述したインクの攪拌による乾燥および成分の沈降を抑えることができると考えられる。
以上のように、ノズル基板30の変位部材40が、熱膨張係数が互いに異なる第1の層基材41および第2の層基材42と、加熱体43とを含んでいるので、加熱体43が第1の層基材41および第2の層基材42を加熱したときに、変位部材40に反りが生じ、これによって、ノズル30aの近傍のインクが確実に攪拌される。したがって、例えばヘッド基板21に循環流路部を設けてインクを循環させなくても、上記した変位部材40によるインクの攪拌によって、インクの乾燥およびインクに含まれる成分の沈降を抑えることができる。よって、ヘッド基板21において、圧力室21aを高密度に配置することが可能となり、ノズル基板30においても、圧力室21aと連通するノズル30aを高密度に配置することが可能となる。
つまり、ノズル基板30が変位部材40を有していることにより、ノズル30aの高密度配置に支障を来たすことなく、ノズル30aの近傍のインクを確実に攪拌して、インクの乾燥および成分の沈降を確実に抑えることができる。その結果、インクジェット駆動装置の小型化および高解像度化を図りつつ、インクの吐出速度の低下や吐出不良を確実に抑えて、インクの吐出特性を確実に向上させることができる。
また、第1の層基材41、第2の層基材42および加熱体43は、ノズル基板30の厚み方向に並んで位置しているため、第1の層基材41および第2の層基材42が熱膨張したときに、変位部材40が圧力室21a側に凸または凹となるように反る。このような変位部材40の変位により、ノズル30aの近傍のインクを確実に攪拌することができる。
また、加熱体43は、第1の層基材41と第2の層基材42との間に位置しているため、加熱体43によって第1の層基材41および第2の層基材42を同時に、かつ、直接加熱して熱膨張させることができる。これにより、第1の層基材41および第2の層基材42の熱膨張および熱膨張係数の差によって、変位部材40の反りを確実に生じさせることができる。
また、ノズル基板30は、変位部材40のみで構成されており、変位部材40がノズル0aを有しているため、変位部材40が反ると、ノズル30aが移動するとともに、ノズル30a内のインクが移動する。これにより、変位部材40の反りによる成分の沈降を抑える効果と、ノズル30a内のインクの乾燥を抑える効果とを確実に得ることができ、インクの吐出特性を確実に向上させることができる。
ところで、変位部材40の反り(変位)によるノズル面の振動は、インク滴の吐出時、非吐出時(吐出待機時)のいずれにおいても行うことができる。つまり、加熱体43は、ノズル30aからのインクの吐出時であっても、非吐出時であっても、第1の層基材41および第2の層基材42を加熱して、変位部材40を変位させ、これによって、上述の効果を得ることができる。
特に、加熱体43は、ノズル30aからのインクの非吐出時において、第1の層基材41および第2の層基材42を加熱することが望ましい。この場合、第1の層基材41および第2の層基材42の加熱によって変位部材40が反り、ノズル30aが移動しても、ノズル30aからインクが吐出されることはないので、ノズル30aの移動によって、吐出方向が変化したり、記録媒体上のインクの着弾位置が変化するなど、インクの吐出特性の低下が生じることはない。
また、駆動回路44を用いることにより、駆動回路44から加熱体43に電気信号を与えて、加熱体43を容易に発熱させることができる。これにより、第1の層基材41および第2の層基材42を容易に熱膨張させて、変位部材40を容易に変位させることができる。
特に、駆動回路44は、図7で示したような周期的なパルス波形を持つ電気信号を加熱体43に与えることで、加熱体43を発熱させるため、第1の層基材41および第2の層基材42を周期的に加熱して、変位部材40を振動させることができる。このような変位部材40の振動により、ノズル30a近傍のインクを確実に攪拌させることができる。
なお、変位部材40の変位の仕方は、上記の振動(短期的な上下動)に限定されるわけではない。例えば、電気信号のパルス波形の周期を長くすることにより、上記電気信号を加熱体43に印加したときに、変位部材40を圧力室21a側に反らせて一定時間静止させ、その後、変位部材40を元の状態に戻して一定時間静止させる、という動作を繰り返すことが可能となる。このような変位部材40の変位の仕方でも、ノズル30a近傍のインクを攪拌することができるため、上述した本実施形態の効果を得ることができる。
また、第1の層基材41および第2の層基材42が、ガラス、樹脂、金属のいずれかで構成されていることにより、熱膨張係数が互いに異なる第1の層基材41および第2の層基材42を確実に実現することができる。
また、圧電素子27は、ヘッド基板21によって支持されているため、圧電素子27によって、ヘッド基板21の圧力室21aに圧力変動を確実に与えて、圧力室21a内のインクをノズル30aから吐出させることができる。また、上記の圧電素子27は、圧電薄膜25を一対の電極(上部電極26、下部電極24)で挟んで構成されているので、圧電薄膜25の圧電効果を利用して、圧力室21aに圧力変動を容易に与えることができる。
ところで、ノズル基板30は、中間基板(図示せず)を介してヘッド基板21と貼り合わされていてもよい。ただし、上述したノズル基板30(変位部材40)の変位によって、圧力室21a内およびノズル30aの近傍のインクを効率よく攪拌させる観点では、ノズル基板30は、ノズル30aが圧力室21aと連通するように、ヘッド基板21に接着剤等によって直接貼り合わされていることが望ましい。
〔インクジェットヘッドの他の構成〕
ところで、図8は、インクジェットヘッド2の他の構成を示している。同図に示すように、インクジェットヘッド2は、加熱体43に電気信号を与える駆動回路44の代わりに、ヒータ61と、伝熱部材62とを有していてもよい。ヒータ61は、熱を発生させる発熱部である。伝熱部材62は、発熱部61にて発生した熱を、加熱体43に伝導する部材である。伝熱部材62は、熱伝導率の高い材料で構成される。例えば、カーボンナノチューブ(熱伝導率;3000〜5500W/(m・K))、銅(熱伝導率;398W/(m・K))、金(熱伝導率;320W/(m・K))、アルミニウム(熱伝導率;236W/(m・K))、ステンレス鋼(熱伝導率;16.7〜20.9W/(m・K))、などの材料で伝熱部材62を構成することにより、ヒータ61で発生した熱を効率よく発熱体43に伝導することができる。
加熱体43は、伝熱部材62を介して伝導されるヒータ61の熱によって、第1の層基材41および第2の層基材42を加熱し、熱膨張させることができる。したがって、このような構成であっても、変位部材40を変位させることができる。
また、図9は、インクジェットヘッド2のさらに他の構成を示している。上述したヘッド基板21は、圧力室21aから排出されたインクを循環させるための流路となる循環流路部21mをさらに有していてもよい。循環流路部21mは、図示しないポンプと接続されており、ポンプの駆動により、圧力室21a内のインクが循環流路部21mを介して圧力室21aの外部との間で循環する。
この構成では、変位部材40の変位によるインクの攪拌と、循環流路部21mを介したインクの循環とを組み合わせることにより、ノズル30aの近傍のインクの成分の沈降およびインクの乾燥をより確実に抑えることができる。なお、変位部材40を用いることにより、インクを攪拌できるため、循環流路部21mを設ける構成であっても、インクの攪拌のために循環流路部21mを大型化する必要がない。したがって、循環流路部21mは小型で済み、ヘッド基板21の流路構成が複雑になることもない。よって、循環流路部21mを設ける構成であっても、ノズル30aの高密度配置による高解像度化および装置の小型化を図りながら、インクの乾燥および沈降を抑えることができる。
また、図10は、インクジェットヘッド2のさらに他の構成を示している。同図に示すように、ノズル基板30は、上述した変位部材40と、剛性基板70とで構成されていてもよい。
剛性基板70は、例えば厚さが150μm程度のSi基板で構成されており、ヘッド基板21に貼り合わされている。Si基板は、剛性が高く、また、熱膨張係数も低いため(熱膨張係数;2.4×10-6/K)、加熱体43の加熱によって変位部材40が変位しても、剛性基板70が熱によって反ったり、振動することはない。なお、剛性基板70は、剛性を有する基板であればよく、Si基板には限定されない。
剛性基板70には、インク吐出孔となる上述したノズル30aと、変位部材40によって覆われる開口部70aとが設けられている。開口部70aは、ノズル30aの周囲に複数(例えば2つ)設けられている。なお、開口部70aの個数は1つであってもよい。
図11は、剛性基板70を圧力室21a側から見たときの平面図である。各開口部70aは、ノズル30aに対して点対称となる位置に設けられている。そして、変位部材40は、各開口部70aのそれぞれに対応して位置している。つまり、変位部材40は、対応する開口部70aを圧力室21a側から覆っている。変位部材40の剛性基板70に対する固定は、例えば接着剤によって行われる。
駆動回路44と加熱体43(図6等参照)とは、開口部70aを通る配線によって電気的に接続されている。なお、剛性基板70を貫通するように上記配線を設けて、駆動回路44から加熱体43に電気信号を印加する構成としてもよい。
変位部材40は、剛性基板70の開口部70aを覆っているため、加熱体43の加熱による第1の層基材41および第2の層基材42の熱膨張により、開口部70a側に凸または凹となるように反ることができる。これにより、ノズル30aの近傍のインクを攪拌することができる。また、変位部材40ではなく、剛性基板70がノズル30aを有しているため、変位部材40が変位しても、剛性基板70のノズル30aの位置は変化しない。このため、インク吐出時において、変位部材40を変位させ、ノズル30aの近傍のインクを攪拌させても、ノズル30aの位置が変化しないため、インクの吐出特性(例えば吐出方向や着弾位置)が安定する。
また、変位部材40は、剛性基板70の開口部70aを圧力室21a側から覆っているため、開口部70a内にインクが入ることは全くなく、インクに含まれる沈降成分が上記開口部70a内に留まる心配が全くない。
また、剛性基板70において、ノズル30aの周囲に開口部70aが複数設けられており、変位部材40が、複数の開口部70aのそれぞれに対応して位置しているため、各開口部70aに対応する変位部材40の変位によって、ノズル30aの近傍のインクを確実に攪拌させることができる。
また、ノズル30aは、変位部材40とは別部材である剛性基板70に設けられており、変位部材40が変位しても、ノズル30aが変位することはないため、インクの非吐出時は勿論のこと、インクの吐出時であっても、変位部材40の変位により、インクの吐出特性を低下させることなく、ノズル30aの近傍のインクを攪拌させることができる。以上のことから、加熱体43は、インクの非吐出時および吐出時の少なくとも一方において、第1の層基材41および第2の層基材42を加熱して、変位部材40を変位させればよいと言える。
ところで、ノズル基板30が変位部材40と剛性基板70とを有する構成では、変位部材40の位置は、図10の位置には限定されない。例えば、図12に示すように、変位部材40は、剛性基板70の圧力室21a側の面70b(ノズル面)と面一となるように、開口部70a内に位置していてもよいし、図13に示すように、圧力室21aとは反対側から開口部70aを覆うように剛性基板70に貼り付けられていてもよい。ただし、図13のように変位部材40が位置していると、変位部材40の変位によってインクが攪拌されても、インクに含まれる沈降成分が開口部70a内に留まるおそれがある。このような不都合を確実に回避する観点では、変位部材40は、図10のように、圧力室21a側から開口部70aを覆うように設けられるか、図12のように、面70bと面一となるように開口部70a内に設けられることが望ましい。
なお、以上では、駆動素子として圧電素子27を用い、この圧電素子27によって圧力室21a内のインクに圧力を付与する構成について説明したが、熱や静電気を利用して、圧力室21a内のインクに圧力を付与する構成であってもよい。つまり、圧力室21a内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル30aからインクを吐出させる構成や、振動板22と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板22を変形させ、ノズル30aからインクを吐出させる構成のインクジェットヘッド2にも、上述した変位部材40を適用して本実施形態の効果を得ることができる。
なお、以上では、画像形成用のインクを吐出するインクジェットヘッド2およびインクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、吐出するインクは、画像形成用のインクには限定されない。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材、有機ELディスプレイやFED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料、等の液体をインクとして用いてもよい。
本発明のインクジェット駆動装置は、例えばインクジェットヘッドやインクジェットプリンタに利用可能である。
1 インクジェットプリンタ(インクジェット駆動装置)
2 インクジェットヘッド(インクジェット駆動装置)
21 ヘッド基板
21a 圧力室
21m 循環流路部
24 下部電極(電極)
25 圧電薄膜
26 上部電極(電極)
27 圧電素子(駆動素子)
30 ノズル基板
30a ノズル
40 変位部材
41 第1の層基材
42 第2の層基材
43 加熱体
44 駆動回路(加熱体駆動部)
61 ヒータ(発熱部)
62 伝熱部材
70 剛性基板
70a 開口部
70b 面

Claims (18)

  1. インクを収容する圧力室と、
    前記圧力室と連通するノズルを有するノズル基板と、
    前記圧力室に圧力変動を与えることにより、前記圧力室内のインクを前記ノズルから吐出させる駆動素子とを備えたインクジェット駆動装置であって、
    前記ノズル基板は、変位部材を有しており、
    前記変位部材は、
    熱膨張係数が互いに異なる第1および第2の層基材と、
    前記第1および第2の層基材を加熱する加熱体とを含んでいることを特徴とするインクジェット駆動装置。
  2. 前記第1および第2の層基材と前記加熱体とは、前記ノズル基板の厚み方向に並んで位置していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット駆動装置。
  3. 前記加熱体は、前記第1の層基材と前記第2の層基材との間に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット駆動装置。
  4. 前記ノズル基板は、前記変位部材のみで構成されており、
    前記変位部材は、前記ノズルを有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット駆動装置。
  5. 前記加熱体は、前記インクの前記ノズルからの非吐出時において、前記第1および第2の層基材を加熱することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット駆動装置。
  6. 前記ノズル基板は、前記ノズルと、開口部とを有する剛性基板をさらに有しており、
    前記変位部材は、前記開口部を覆うように前記剛性基板に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット駆動装置。
  7. 前記変位部材は、前記開口部を前記圧力室側から覆うように前記剛性基板に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット駆動装置。
  8. 前記ノズル基板は、前記ノズルと、開口部とを有する剛性基板をさらに有しており、
    前記変位部材は、前記剛性基板の前記圧力室側の面と面一となるように、前記開口部内に位置していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット駆動装置。
  9. 前記剛性基板は、前記開口部を、前記ノズルの周囲に複数有しており、
    前記変位部材は、前記複数の開口部のそれぞれに対応して位置していることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のインクジェット駆動装置。
  10. 前記加熱体は、前記インクの前記ノズルからの非吐出時および吐出時の少なくとも一方において、前記第1および第2の層基材を加熱することを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載のインクジェット駆動装置。
  11. 前記加熱体に電気信号を与えることにより、前記加熱体を発熱させる加熱体駆動部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のインクジェット駆動装置。
  12. 前記加熱体駆動部は、周期的なパルス波形を持つ前記電気信号を前記加熱体に与えることにより、前記加熱体を発熱させることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット駆動装置。
  13. 熱を発生させる発熱部と、
    前記発熱部にて発生した熱を、前記加熱体に伝導する伝熱部材とをさらに備えていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のインクジェット駆動装置。
  14. 前記第1および第2の層基材は、ガラス、樹脂、金属のいずれかで構成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のインクジェット駆動装置。
  15. 前記圧力室を有するヘッド基板をさらに備え、
    前記駆動素子は、前記ヘッド基板によって支持されていることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のインクジェット駆動装置。
  16. 前記ノズル基板は、前記ノズルが前記圧力室と連通するように、前記ヘッド基板に貼り合わされていることを特徴とする請求項15に記載のインクジェット駆動装置。
  17. 前記ヘッド基板は、前記圧力室から排出されたインクを循環させるための流路となる循環流路部をさらに有していることを特徴とする請求項15または16に記載のインクジェット駆動装置。
  18. 前記駆動素子は、圧電薄膜を一対の電極で挟んだ圧電素子であることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載のインクジェット駆動装置。
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