JP2017064432A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来型の、トップシートに凹凸形状を付形していない吸収性物品において、粘度の高い経血を吸収した後であってもトップシートにべたつき感がなく、トップシートがサラサラしているものを提供すること。【解決手段】液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記液透過性のトップシート及び液不透過性のバックシートの間の吸収体とを有する吸収性物品であって、上記液透過性のトップシートが、排泄口当接域において、0.10〜0.30mmの厚さと、5〜30g/m2の坪量とを有し、上記液透過性のトップシートが、排泄口当接域の肌当接面に、血液改質剤を含み、そして上記血液改質剤が、ポリオキシプロピレングリコール系化合物であることを特徴とする吸収性物品。【選択図】なし

Description

本開示は、吸収性物品に関する。
吸収性物品、例えば、生理用ナプキン、パンティーライナー等では、長年積み重ねられてきた技術開発により基本的性能が向上し、以前と比較して、経血等の排泄物を吸収した後に、漏れ等が生ずることが少なくなってきており、現在は、さらなる高機能化、例えば、肌着に近い着用感を有すること、経血等の排泄物を吸収した後でもトップシートがサラサラしていること等に関する研究が行われている。
特に、月経時の経血は、子宮内膜等の成分が含まれることもあって、その粘度が高いが、当該粘度の高い経血を吸収した後であっても、トップシートにべたつき感がなく、サラサラしていること等が好ましい。また、粘度の高い経血は、トップシート上で、塊の状態で残存することが多く、使用者が、視覚的に不快感を覚えることが多く、その観点からも、粘度の高い経血を、トップシート上に残存させないことが好ましい。
近年、経血等の排泄物を吸収した後でもトップシートがサラサラしている吸収性物品として、トップシートの肌当接面に、凹凸形状、例えば、畝溝形状を付形したものが市販されている。その一方で、従来型の、トップシートがフラットである、すなわち、トップシートに凹凸形状を付形していない吸収性物品も、発展途上国を中心に市販され続けており、これらの吸収性物品においても、経血等の排泄物を吸収した後でもトップシートがサラサラしていることが好ましい。
例えば、特許文献1には、ポリプロピレングリコール材料を含むローション組成物を、トップシートの内表面(着衣側の面)、バックシートの内表面(身体側の面)、トップシートの内表面及びバックシートの内表面の間の基材等に配置した吸収性物品が開示されている。
また、特許文献2には、ポリプロピレングリコール材料を含むローション組成物を、トップシートの外表面(身体側の面)に適用した吸収性物品が開示されている。
特表2010−518918号公報 特表2011−510801号公報
しかし、特許文献1及び2に記載の発明では、トップシートの種類、形状等については触れられていない。
従って、本開示は、従来型の、トップシートに凹凸形状を付形していない吸収性物品において、粘度の高い経血を吸収した後であってもトップシートにべたつき感がなく、トップシートがサラサラしているものを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記液透過性のトップシート及び液不透過性のバックシートの間の吸収体とを有する吸収性物品であって、上記液透過性のトップシートが、排泄口当接域において、0.10〜0.30mmの厚さと、5〜30g/m2の坪量とを有し、上記液透過性のトップシートが、排泄口当接域の肌当接面に、血液改質剤を含み、そして上記血液改質剤が、ポリオキシプロピレングリコール系化合物であることを特徴とする吸収性物品を見出した。
本開示の吸収性物品は、粘度の高い経血を吸収した後であってもトップシートにべたつき感がなく、トップシートがサラサラしている。
図1は、本発明の吸収性物品の実施形態の1つである、生理用ナプキンの正面図である。 図2は、本開示の吸収性物品が、経血を吸収する状況を模式的に示す図である。 図3は、トップシートの肌当接面に界面活性剤がコーティングされている吸収性物品が、経血を吸収する状況を模式的に説明する図である。
本開示の吸収性物品について、以下、詳細に説明する。
[血液改質剤]
本開示の吸収性物品において、血液改質剤は、ポリオキシプロピレングリコール系化合物である。上記血液改質剤は、ポリオキシプロピレングリコール系化合物、すなわち、ポリオキシプロピレングリコール骨格を含む化合物であれば、特に制限されないが、例えば、以下の構造を有する物が好ましい。
上記血液改質剤は、好ましくは、次の(A)〜(E)、
(A)ポリオキシプロピレングリコール、
(B) (B1)ポリオキシプロピレングリコールと、(B2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのモノ又はジエーテル、
(C) (C1)ポリオキシプロピレングリコールと、(C2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのモノ又はジエステル、
(D) (D1)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物又はその脱水縮合物に、(D2)一又は複数のプロピレンオキシドを付加し、所望により(D3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物又はリン酸でエステル化することにより生成した化合物、及び
(E) (E1)アルキルアミド、アルキルアミン、メチルグルコースに、(E2)一又は複数のプロピレンオキシドを付加し、所望により(E3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物又はリン酸でエステル化することにより生成した化合物、
並びにそれらの任意の組み合わせ、
から成る群から選択される。
本明細書において、炭化水素部分における「炭化水素」は、炭素と水素とから成る化合物を意味し、鎖状炭化水素、例えば、パラフィン系炭化水素(二重結合及び三重結合を含まない、アルカンとも称される)、オレフィン系炭化水素(二重結合を1つ含む、アルケンとも称される)、アセチレン系炭化水素(三重結合を1つ含む、アルキンとも称される)、及び二重結合及び三重結合から成る群から選択される結合を2つ以上含む炭化水素、並びに環状炭化水素、例えば、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素を含む。
上記炭化水素としては、鎖状炭化水素及び脂環式炭化水素であることが好ましく、鎖状炭化水素であることがより好ましく、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、及び二重結合を2つ以上含む炭化水素(三重結合を含まない)であることがさらに好ましく、そしてパラフィン系炭化水素であることがさらに好ましい。
上記鎖状炭化水素には、直鎖状炭化水素及び分岐鎖状炭化水素が含まれる。
以下、(A)〜(E)に従う血液改質剤について詳細に説明する。
[(A)ポリオキシプロピレングリコール]
(A)ポリオキシプロピレングリコール(以下、「化合物(A)」と称する)は、次の式(1):
HO−(C36O)n−H (1)
により表わされる。
nは、好ましくは約4〜約50であり、より好ましくは約5〜約40であり、そしてさらに好ましくは約10〜約30である。
化合物(A)の市販品(全て、日油株式会社製)としては、例えば、以下が挙げられる。
・ユニオールD−250
ポリオキシプロピレングリコール,重量平均分子量:約250
・ユニオールD−400
ポリオキシプロピレングリコール,重量平均分子量:約400
・ユニオールD−700
ポリオキシプロピレングリコール,重量平均分子量:約700
・ユニオールD−1000
ポリオキシプロピレングリコール,重量平均分子量:約1,000
・ユニオールD−1200
ポリプロピレングリコール,重量平均分子量:約1,200
・ユニオールD−2000
ポリプロピレングリコール,重量平均分子量:約2,030
・ユニオールD−3000
ポリプロピレングリコール,重量平均分子量:約3,000
・ユニオールD−4000
ポリプロピレングリコール,重量平均分子量:約4,000
[(B) (B1)ポリオキシプロピレングリコールと、(B2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエーテル]
(B) (B1)ポリオキシプロピレングリコールと、(B2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのモノ又はジエーテル(以下、「化合物(B)」と称する場合がある)において、(B1)ポリオキシプロピレングリコールとしては、化合物(A)として列挙されたものが挙げられる。
(B2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物としては、鎖状炭化水素モノオール、例えば、アルカンモノオール、例えば、C1〜C20脂肪族1価アルコールが挙げられる。
上記C1〜C20脂肪族1価アルコールとしては、例えば、C1〜C20飽和脂肪族1価アルコール及びC1〜C20不飽和脂肪族1価アルコールが挙げられる。
上記C1〜C20飽和脂肪族1価アルコールとしては、例えば、メチルアルコール(C1)(C1は、炭素数を示す、以下同じ)、エチルアルコール(C2)、プロピルアルコール(C3)及びその異性体、例えば、イソプロピルアルコール(C3)、ブチルアルコール(C4)及びその異性体、例えば、sec−ブチルアルコール(C4)及びtert−ブチルアルコール(C4)、ペンチルアルコール(C5)、ヘキシルアルコール(C6)、ヘプチルアルコール(C7)、オクチルアルコール(C8)及びその異性体、例えば、2−エチルヘキシルアルコール(C8)、ノニルアルコール(C9)、デシルアルコール(C10)、ドデシルアルコール(C12)、テトラデシルアルコール(C14)、ヘキサデシルアルコール(C16)、へプラデシルアルコール(C17)、オクタデシルアルコール(C18)、及びエイコシルアルコール(C20)、並びに列挙されていないこれらの異性体が挙げられる。
上記C1〜C20不飽和脂肪族1価アルコールとしては、上記飽和脂肪族1価アルコールのC−C単結合の1つを、C=C二重結合で置換したもの、例えば、オレイルアルコールが挙げられ、例えば、新日本理化株式会社から、リカコールシリーズ及びアンジェコオールシリーズの名称で市販されている。
化合物(B)の市販品(全て、日油株式会社製)としては、例えば、以下が挙げられる。なお、前段が商品名であり、後段が「化粧品原料の国際命名法」に従う名称である。
・ユニルーブMB−2,PPG−4ブチルエーテル
・ユニルーブMB−7,PPG−12ブチルエーテル
・ユニルーブMB−11,PPG−17ブチルエーテル
・ユニルーブMB−14,PPG−20ブチルエーテル
・ユニルーブMB−19,PPG−24ブチルエーテル
・ユニルーブMB−38,PPG−33ブチルエーテル
・ユニルーブMB−370,PPG−40ブチルエーテル
・ユニルーブMB−700,PPG−52ブチルエーテル
・ユニセーフMM−15K,PPG−3ミリスチルエーテル
・ユニルーブMP−60K,PPG−10セチルエーテル
・ユニルーブMS−65K,PPG−11ステアリルエーテル
・ユニルーブMS−70K,PPG−15ステアリルエーテル
・ユニルーブMLA−202P,PPG−2ラノリノルエーテル
・ユニルーブMLA−205P,PPG−5ラノリノルエーテル
・ユニルーブMLA−210P,PPG−10ラノリノルエーテル
・ユニルーブMLA−220P,PPG−20ラノリノルエーテル
[(C) (C1)ポリオキシプロピレングリコールと、(C2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのモノ又はジエステル]
(C) (C1)ポリオキシプロピレングリコールと、(C2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのモノ又はジエステル(以下、「化合物(C)」と称する場合がある)において、(C1)ポリオキシプロピレングリコールとしては、化合物(A)として列挙されたものが挙げられる。
(C2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物(以下、「化合物(C2)」と称する場合がある)としては、C2〜C30脂肪酸、例えば、C2〜C30飽和脂肪酸、及びC2〜C30不飽和脂肪酸が挙げられる。
上記C2〜C30飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸(C2)(C2は、炭素数を示す、以下同じ)、プロパン酸(C3)、ブタン酸(C4)及びその異性体、例えば、2−メチルプロパン酸(C4)、ペンタン酸(C5)及びその異性体、例えば、2−メチルブタン酸(C5)、2,2−ジメチルプロパン酸(C5)、ヘキサン酸(C6)、ヘプタン酸(C7)、オクタン酸(C8)及びその異性体、例えば、2−エチルヘキサン酸(C8)、ノナン酸(C9)、デカン酸(C10)、ドデカン酸(C12)、テトラデカン酸(C14)、ヘキサデカン酸(C16)、ヘプタデカン酸(C17)、オクタデカン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ドコサン酸(C22)、テトラコサン酸(C24)、ヘキサコサン酸(C26)、オクタコサン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等、並びに列挙されていないこれらの異性体が挙げられる。
上記C2〜C30不飽和脂肪酸としては、例えば、モノ不飽和脂肪酸、例えば、クロトン酸(C4)、ミリストレイン酸(C14)、パルミトレイン酸(C16)、オレイン酸(C18)、エライジン酸(C18)、バクセン酸(C18)、ガドレイン酸(C20)、エイコセン酸(C20)等、ジ不飽和脂肪酸、例えば、リノール酸(C18)、エイコサジエン酸(C20)等、トリ不飽和脂肪酸、例えば、リノレン酸、例えば、α-リノレン酸(C18)及びγ-リノレン酸(C18)、ピノレン酸(C18)、エレオステアリン酸、例えば、α-エレオステアリン酸(C18)及びβ-エレオステアリン酸(C18)、ミード酸(C20)、ジホモ-γ-リノレン酸(C20)、エイコサトリエン酸(C20)等、テトラ不飽和脂肪酸、例えば、ステアリドン酸(C20)、アラキドン酸(C20)、エイコサテトラエン酸(C20)等、ペンタ不飽和脂肪酸、例えば、ボセオペンタエン酸(C18)、エイコサペンタエン酸(C20)等、並びにこれらの部分水素付加物が挙げられる。
化合物(C)の市販品(全て日油株式会社製)としては、例えば、以下が挙げられる。なお、前段が商品名であり、後段が「化粧品原料の国際命名法」に従う名称である。
・ユニルーブO−1500,PPG−26オレエート
・ユニルーブO−2100,PPG−36オレエート
・ユニルーブCF−320,PPG−5.5キャストラート
[(D) (D1)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物又はその脱水縮合物に、(D2)一又は複数のプロピレンオキシドを付加し、所望により(D3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物又は(D4)リン酸でエステル化することにより生成した化合物]
(D) (D1)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物又はその脱水縮合物に、(D2)一又は複数のプロピレンオキシドを付加し、所望により(D3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物又は(D4)リン酸でエステル化することにより生成した化合物(以下、「化合物(D)」と称する場合がある)について、以下説明する。
(D1)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物(以下、「化合物(D1)」と称する場合がある)としては、鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物が挙げられる。
上記鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物としては、例えば、鎖状炭化水素ヘキサオール、例えば、アルカンヘキサオール、例えば、ソルビトール(グルシトール)、ガラクチトール、マンニトール等、鎖状炭化水素ペンタオール、例えば、アルカンペンタオール、例えば、キシリトール、リビトール等、鎖状炭化水素テトラオール、例えば、アルカンテトラオール、例えば、ペンタエリトリトール、鎖状炭化水素トリオール、例えば、アルカントリオール、例えば、グリセリン、及び鎖状炭化水素ジオール、例えば、アルカンジオール、例えば、グリコールが挙げられる。
化合物(D1)は、より好ましくは、ソルビトール、ペンタエリトリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、及びエチレングリコール、並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。
化合物(D1)において、ソルビトール(グルシトール)、ガラクチトール、マンニトール、キシリトール、リビトール、ペンタエリトリトール、及びグリセリンは、天然に産生するアルジトールであるため、安全性の観点から好ましい。
(D2)一又は複数のプロピレンオキシド(以下、「化合物(D2)」と称する場合がある)としては、1,2−プロピレンオキシド、及び1,3−プロピレンオキシドが挙げられる。
化合物(D)としては、化合物(D1)1モルに対し、化合物(D2)を、好ましくは約1〜約60モル、より好ましくは約2〜約50モル、そしてさらに好ましくは約3〜約40モル付加させたものが挙げられる。
(D3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物は、所望による成分であり、例えば、化合物(C)において化合物(C2)として列挙されるもの、例えば、C2〜C30脂肪酸、例えば、C2〜C30飽和脂肪酸、及びC2〜C30不飽和脂肪酸が挙げられる。
(D4)リン酸もまた、所望による成分である。
化合物(D)の市販品(全て、日油株式会社製)としては、例えば、以下が挙げられる。なお、前段が商品名であり、後段が「化粧品原料の国際命名法」に従う名称である。
・ユニオールTG−330,PPG−6グリセリルエーテル
・ユニオールSGP−65,PPG−8グリセリルエーテル
・ユニオールTG−700,PPG−10グリセリルエーテル
・ユニオールTG−1000,PPG−16グリセリルエーテル
・ユニルーブDGP−700,PPG−9ジグリセリルエーテル
・ユニルーブDGP−950,PPG−14ジグリセリルエーテル
・ユニオールHS−1600D,PPG−25ソルビトール
・ユニオールHS−2000D,PPG−33ソルビトール
[(E) (E1)脂肪族アミド、脂肪族アミン又はアルキルグルコースに、(E2)一又は複数のプロピレンオキシドを付加し、所望により(E3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物又は(E4)リン酸でエステル化することにより生成した化合物]
(E) (E1)脂肪族アミド、脂肪族アミン又はアルキルグルコースに、(E2)一又は複数のプロピレンオキシドを付加し、所望により(E3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物又は(E4)リン酸でエステル化することにより生成した化合物(以下、「化合物(E)」と称する場合がある)について、以下説明する。
化合物(E)において、上記脂肪族アミドは、次の式(2):
1−C(=O)NH2 式(2)
(式中、R1は、鎖状炭化水素基である)
を有する。
上記脂肪族アミドとしては、例えば、C1〜C20脂肪族アミド、例えば、C1〜C20飽和脂肪族アミド、例えば、C1〜C20アルキルアミドが挙げられる。
上記C1〜C20アルキルとしては、次の式(2’):
2−C(=O)NH2 式(2’)
(式中、R2は、炭素数1〜20のアルキル基である)
が挙げられる。
2としては、メチル(C1)(C1は、炭素数を示す、以下同じ)、エチル(C2)、プロピル(C3)及びその異性体、例えば、イソプロピル(C3)、ブチル(C4)及びその異性体、例えば、sec−ブチル(C4)及びtert−ブチル(C4)、ペンチル(C5)、ヘキシル(C6)、ヘプチル(C7)、オクチル(C8)及びその異性体、例えば、2−エチルヘキシル(C8)、ノニル(C9)、デシル(C10)、ドデシル(C12)、テトラデシル(C14)、ヘキサデシル(C16)、へプラデシル(C17)、オクタデシル(C18)、及びエイコシル(C20)、並びに列挙されていないこれらの異性体が挙げられる。
化合物(E)において、上記脂肪族アミンは、次の式(3):
3−NH2 式(3)
(式中、R3は、鎖状炭化水素基である)
を有する。
上記脂肪族アミンとしては、例えば、C1〜C20脂肪族アミン、例えば、C1〜C20飽和脂肪族アミン、例えば、C1〜C20アルキルアミンが挙げられる。
上記C1〜C20アルキルアミンとしては、次の式(3’):
4−NH2 式(3’)
(式中、R4は、炭素数1〜20のアルキル基である)
が挙げられる。
4としては、メチル(C1)(C1は、炭素数を示す、以下同じ)、エチル(C2)、プロピル(C3)及びその異性体、例えば、イソプロピル(C3)、ブチル(C4)及びその異性体、例えば、sec−ブチル(C4)及びtert−ブチル(C4)、ペンチル(C5)、ヘキシル(C6)、ヘプチル(C7)、オクチル(C8)及びその異性体、例えば、2−エチルヘキシル(C8)、ノニル(C9)、デシル(C10)、ドデシル(C12)、テトラデシル(C14)、ヘキサデシル(C16)、へプラデシル(C17)、オクタデシル(C18)、及びエイコシル(C20)、並びに列挙されていないこれらの異性体が挙げられる。
上記アルキルグルコースとしては、例えば、メチルグルコース、エチルグルコース、プロピルグルコース等が挙げられる。
(E2)一又は複数のプロピレンオキシドとしては、化合物(D2)と同一のものが挙げられ。
(E3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物としては、所望による成分であり、例えば、化合物(C)において化合物(C2)として列挙されるもの、例えば、C2〜C30脂肪酸、例えば、C2〜C30飽和脂肪酸、及びC2〜C30不飽和脂肪酸が挙げられる。
(E4)リン酸もまた、所望による成分である。
上記血液改質剤は、さらに好ましくは、PPG−4ブチルエーテル、PPG−12ブチルエーテル、PPG−17ブチルエーテル、PPG−20ブチルエーテル、PPG−24ブチルエーテル、PPG−33ブチルエーテル、PPG−40ブチルエーテル、PPG−52ブチルエーテル、PPG−3ミリスチルエーテル、PPG−10セチルエーテル、PPG−11ステアリルエーテル、PPG−15ステアリルエーテル、PPG−2ラノリノルエーテル、PPG−5ラノリノルエーテル、PPG−10ラノリノルエーテル、PPG−20ラノリノルエーテル、PPG−26オレエート、PPG−36オレエート、PPG−5.5キャストラート、PPG−6グリセリルエーテル、PPG−8グリセリルエーテル、PPG−10グリセリルエーテル、PPG−16グリセリルエーテル、PPG−9ジグリセリルエーテル、PPG−14ジグリセリルエーテル、PPG−25ソルビトール、及びPPG−33ソルビトール、並びにそれらの任意の組み合わせからから成る群から選択される。
上記血液改質剤の別の例として、PPG−30セチルエーテル、PPG−15イソヘキサデシルエーテル、PPG−4ラウリルエーテル、PPG−20ジステアラート、PPG−12ジラウラート、PPG−15ジココアート、PPG−10セチルホスフェート、PPG−9ラウラート、PPG−8ジオクタート、PPG−15ステアラート、PPG−8ジエチルヘキシラート、PPG−10グリセリルステアラート、PPG−2コカミド、PPG−10タローアミン、PPG−10オレアミド、PPG−5スクロースココアート、PPG−20メチルグルコースエーテルジステアラート、PPG−20メチルグルコースエーテルアセタート、PPG−20ソルビタントリステアラート、PPG−20メチルグルコースエーテルジステアラート、PPG−15ステアリルエーテルベンゾアート、PPG−10ソルビタンモノステアラート、PPG−10硬化ヒマシ油、PPG−10セチルエーテルホスフェート、PPG−10ジノニルフェノラート、PPG−7ラウリルエーテル、PPG−5ラノリンワックスエーテル、PPG−5ラノリンワックス、PPG−4ホホバアルコールエーテル、PPG−3ミリスチルエーテルプロピオナート、PPG−3ベンジルエーテルミリスタート、PPG−3硬化ヒマシ油、PPG−3−ヒドロキシエチルソヤミド、PPG−2ラノリンアルコールエーテル、PPG−1ヤシ脂肪酸イソプロパノールアミド等が挙げられる。
上記血液改質剤は、好ましくは約1.5〜約40.0質量%の抱水率を有し、より好ましくは約1.6〜約30.0質量%の抱水率を有し、そしてさらに好ましくは約1.8〜約20.0質量%の抱水率を有する。
本明細書において、「抱水率」は、物質が保持することができる水の比率を意味し、以下の通りに測定されうる。
(1)40℃の恒温室に、試験管、ゴム栓、測定すべき物質及び脱イオン水を一昼夜静置する。
(2)上記恒温室で、20mLの試験管に、測定すべき物質5.0gと、脱イオン水5.0gを投入する。
(3)上記恒温室で、試験管の口をゴム栓にて栓をし、1回転させ、5分間静置する。
(4)上記恒温室で、測定すべき物質の層(通常は、上層)3.0gを、直径90mmのガラス製シャーレ(質量:W0)に採取する。
(5)上記シャーレを、オーブン内で、105℃で3時間加熱し、水分を蒸発させ、シャーレごと、質量を測定する(質量:W1)。
(6)抱水率を、以下の式に従って算出する。
抱水率(%)=100×(W0−W1)/3.0
測定は3回実施し、平均値を採用する。
上記抱水率が低くなると、血液改質剤と、経血との親和性が低下し、トップシートの肌当接面に到達した経血が、トップシートの肌当接面において薄く拡がりにくくなり、経血のトップシート内部への浸透が遅くなる傾向があり、その結果、経血が吸収体から引き込まれにくくなる傾向がある。一方、上記抱水率が高くなると、界面活性剤と同様に、経血と血液改質剤との親和性が非常に高くなり、トップシートの肌当接面に、経血が残存しやすく、その結果、トップシートの肌当接面が赤く着色しやすくなる。
上記抱水率は、a)血液改質剤の分子量が小さくなるほど、そしてb)極性基、例えば、カルボニル結合(−CO−)、エーテル結合(−O−)、カルボキシル基(−COOH)、ヒドロキシル基(−OH)等の比率が高いほど、値が大きくなる傾向がある。血液改質剤が、より親水性を有するからである。
上記血液改質剤は、その重量分子量に特に制限はないが、好ましくは約3,000未満の重量平均分子量を有し、より好ましくは約2,000未満の重量平均分子量を有し、そしてさらに好ましくは約1,000未満の重量平均分子量を有する。上記重量平均分子量が高くなると、血液改質剤そのものにタック性が生じ、着用者に不快感を与える傾向があるからである。また、重量平均分子量が高くなると、血液改質剤の粘度が高くなる傾向があるため、加温により、血液改質剤の粘度を、塗工に適した粘度に下げることが難しくなる。その結果、血液改質剤を、溶媒で希釈しなければならない場合が生ずる。
上記血液改質剤は、約100以上の重量平均分子量を有することが好ましく、そして約200以上の重量平均分子量を有することがより好ましい。上記重量平均分子量が小さくなると、上記血液改質剤の蒸気圧が高くなり、保存中に気化し、量の減少、着用時の臭気等の問題が発生する場合があるからである。
なお、本明細書において、「重量平均分子量」は、多分散系の化合物(例えば、逐次重合により製造された化合物、複数の脂肪酸と、複数の脂肪族1価アルコールとから生成されたエステル)と、単一化合物(例えば、1種の脂肪酸と、1種の脂肪族1価アルコールから生成されたエステル)とを含む概念であり、Ni個の分子量Miの分子(i=1、又はi=1,2・・・)からなる系において、次の式:
w=ΣNii 2/ΣNii
により求められるMwを意味する。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる、ポリスチレン換算の値を意味する。
GPCの測定条件としては、例えば、以下が挙げられる。
機種:(株)日立ハイテクノロジーズ製 高速液体クロマトグラム Lachrom Elite
カラム:昭和電工(株)製 SHODEX KF−801、KF−803及びKF−804
溶離液:THF
流量 :1.0mL/分
打込み量:100μL
検出:RI(示差屈折計)
なお、本明細書の実施例に記載される重量平均分子量は、上記条件により測定したものである。
上記血液改質剤は、45℃以下の融点を有することが好ましい。血液改質剤が45℃超の融点を有すると、体温〜40℃付近において、血液改質剤が固形物を含み、経血に作用しにくくなる場合があるからである。
本明細書において、「融点」は、示差走査熱量分析計において、昇温速度10℃/分で測定した場合の、固形状から液状に変化する際の吸熱ピークのピークトップ温度を意味する。上記融点は、例えば、島津製作所社製のDSC−60型DSC測定装置を用いて測定することができる。
上記血液改質剤は、室温(約25℃)で液体であっても、又は固体であってもよい、すなわち、融点が約25℃以上でも、又は約25℃未満でもよく、そして例えば、約−5℃、約−20℃等の融点を有することができる。
上記血液改質剤は、その融点に下限は存在しないが、その蒸気圧が低いことが好ましい。上記血液改質剤の蒸気圧は、1気圧及び25℃で約0.00〜約0.01Paであることが好ましく、約0.000〜約0.001Paであることがより好ましく、そして約0.0000〜約0.0001Paであることがさらに好ましい。
本開示の吸収性物品が、人体に接して用いられることを考慮すると、上記蒸気圧は、1気圧及び40℃で約0.00〜約0.01Paであることが好ましく、約0.000〜約0.001Paであることがより好ましく、そして約0.0000〜約0.0001Paであることがさらに好ましい。上記血液改質剤の蒸気圧が高いと、保存中に気化し、量の減少、着用時の臭気等の問題が発生する場合があるからである。
また、血液改質剤の融点を、気候、着用時間の長さ等に応じて選択することができる。例えば、平均気温が約10℃以下の地域では、約10℃以下の融点を有する血液改質剤を採用することにより、経血が排泄された後、周囲温度によって冷却された場合であっても、血液改質剤が機能しやすいと考えられる。
また、吸収性物品が長時間にわたって使用される場合には、血液改質剤の融点は、約45℃以下の範囲で高い方が好ましい。汗、着用時の摩擦等の影響を受けにくく、長時間着用した場合であっても、血液改質剤が偏りにくいからである。
[液透過性のトップシート]
液透過性のトップシートは、排泄口当接域において、約0.10mm〜約0.30mmの厚さを有し、そして好ましくは約0.15mm〜約0.30mmの厚さを有する。本開示の吸収性物品では、トップシートの肌当接面に、経血と親和性が高い血液改質剤が存在するため、トップシートの肌当接面に到達した経血は、薄く拡がり、経血とトップシートとの接触面積が増え、そして経血がトップシートの内部に移動し、次いで吸収体がトップシート内部の経血を吸収体内部に迅速に引き込むことができる。しかし、トップシートの厚さが約0.3mmを超えると、トップシート内部の経血を、吸収体がその内部に引き込むことが難しくなる。
本開示の吸収性物品では、液透過性のトップシートの素材は、特に限定されず、例えば、不織布、織布又は開孔フィルムが挙げられる。
なお、トップシートを含む、各資材の厚さは、キーエンス株式会社製 高精度2次元レーザ変位計 LJ−Gシリーズ(型式:LJ−G030)等のレーザ変位計により測定することができる。
本開示の吸収性物品は、排泄口当接域において、約5〜約30g/m2の坪量を有し、好ましくは約10〜約25g/m2の坪量を有し、そしてより好ましくは約15〜約20g/m2の坪量を有する。上記坪量が5g/m2を下回ると、トップシートとしての強度が不十分になる傾向があり、そして上記坪量が30g/m2を上回ると、トップシートの嵩が高くなり、吸収体が、経血を引き込みにくくなる傾向がある。また、トップシートが不織布又は織布の場合には、単位堆積当たりの繊維の本数が多くなり、経血と親和性が高い血液改質剤が、不織布又は織布の各繊維間に経血を保持してしまう傾向がある。
液透過性のトップシートが不織布又は織布である実施形態では、上記液透過性のトップシートが、排泄口当接域において、好ましくは約50mm〜約100mmの耐水圧を有し、そしてより好ましくは約55mm〜約65mmの耐水圧を有する。上記耐水圧が約50mmを下回ると、トップシートとしての強度が不十分になる傾向があり、そして上記耐水圧が約100mmを上回ると、トップシートが硬くなり、触感が劣る傾向がある。
なお、上記耐水圧は、JIS L 1092:2009、繊維製品の防水性試験方法、「7.1 耐水度試験(静水圧法)」、「7.1.1 A法(低水圧法)」に従って測定された耐水圧を意味する。
本開示の吸収性物品の実施形態の1つでは、上記液透過性のトップシートが不織布であり、そして、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブローン不織布、又はこれらの組み合わせ(例えば、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(SMS))が挙げられる。
本開示の吸収性物品の実施形態の1つでは、上記液透過性のトップシートは、スパンボンド不織布であるか、又は3層構造のスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド不織布(SMS不織布)である。スパンボンド不織布及びSMS不織布は、衛剤向け汎用不織布として世界で生産されているため、比較的安価で調達でき、発展途上国を含め、吸収性物品のトップシートとして広く用いられている。従って、スパンボンド不織布及びSMS不織布から形成されたトップシートに、べたつき感がなく、サラサラ感をもたらすことができる本開示は、非常に有用である。
本開示の吸収性物品の実施形態の1つでは、上記液透過性のトップシートが開孔フィルムであり、例えば、特開昭64−34365、特公昭57−17081等に記載のものが挙げられる。
本開示の吸収性物品が、粘度の高い経血を吸収した後であってもトップシートにべたつき感がなく、トップシートがサラサラしている理由について説明する。
図1は、本発明の吸収性物品の実施形態の1つである、生理用ナプキンの正面図であり、肌当接面側から観察した図である。図1に示される生理用ナプキン1は、向かって左側が、前方である。図1に示される生理用ナプキン1は、液透過性のトップシート2と、吸収体3と、液不透過性のバックシート(図示せず)とを有する。図1に示される生理用ナプキン1にはまた、サイドシート4、及び圧搾部5が示されている。
なお、図1に示される実施形態では、サイドシート4及び圧搾部5が示されているが、本開示の吸収性物品の別の実施形態では、吸収性物品がサイドシート及び圧搾部を有しない。
図2は、本開示の吸収性物品が、経血を吸収する様子を模式的に示す図である。図2は、図1に示される生理用ナプキン1のA部分のX−X断面における断面図である。図2に示される生理用ナプキン1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート6と、液透過性のトップシート2及び液不透過性のバックシート6の間の吸収体3とを有する。図2において、トップシート2は、約0.3mm以下の厚さを有し、トップシート2の肌当接面7には、血液改質剤8が塗工されている。なお、図2では、便宜上、血液改質剤8が、トップシート2の肌当接面7の上に液滴として示されているが、本開示の吸収性物品では、血液改質剤の形状及び分布は、当該図面に示されるものに限定されるものではない。
図2(a)に示されるように、粘度の高い経血9は、トップシート2の肌当接面7に到達すると、血液改質剤8と接触する。所定の構造を有する血液改質剤8は、経血と高い親和性を有し、経血は、図2(b)において経血9'として示されるように、トップシート上で薄く拡がり、経血とトップシートとの接触面積を増やすことができる。その際、所定の構造を有する血液改質剤8の一部が、経血に移行すると考えられる。
本願発明者が確認したところ、本開示の血液改質剤よりも疎水性の高い、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル(パナセート810s)のデータではあるが、パナセート810sが、ウマ脱繊維血の粘度を最大約90%低下させ、健常ボランティアの経血中の赤血球を安定に分散させ、連銭を防止し、そしてヒツジ脱繊維血の表面張力を下げることが見出された。本願請求項に規定の血液改質剤も、パナセート810sと同様の作用を有することが示唆される。
次いで、経血9'は、図2(c)に経血9''として示されるように、その接触面積の大きさを利用して、トップシート2の内部に迅速に浸透し、次いで、図2(d)に経血9'''として示されるように、その全体が吸収体3の作用により引き込まれる。
なお、図2では、説明のため、トップシート2と、吸収体3との間に空隙があるが、実際の吸収性物品では、通常は、当該空隙は存在しない。従って、所定の厚さ及び坪量を有するトップシート2は、経血をその内部に留めにくく、吸収体3が、経血9''を迅速に引き込むことができる。
血液改質剤8は、経血との親和性が過度に高くなく、適度な親和性を有するため、経血をトップシート2、特にトップシート2の肌当接面7に残すことなく、経血全体を吸収体3に移行させることができると考えられる。その結果、本開示の吸収性物品は、経血を吸収した後に、粘度の高い経血を吸収した後であってもトップシートにべたつき感がなく、トップシートがサラサラしていることができる。また、トップシートの肌当接面に経血が残存しにくいため、経血を吸収した後であっても、トップシートの肌当接面が、赤く着色しにくい。
当技術分野では、血液の表面張力等を変化させ、血液を迅速に吸収することを目的として、トップシートの肌当接面を、界面活性剤でコーティングすることが行われている。上記血液改質剤と、界面活性剤とのメカニズムの相違を、以下に説明する。
図3は、トップシートの肌当接面に界面活性剤がコーティングされている吸収性物品が、経血を吸収する状況を模式的に説明する図である。図3に示される生理用ナプキン1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート6と、液透過性のトップシート2及び液不透過性のバックシート6の間の吸収体3とを有する。
図3(a)に示されるように、粘度の高い経血9は、トップシート2の肌当接面7に到達すると、界面活性剤10と接触する。界面活性剤10は、経血9との親和性が非常に高く、また経血9の表面張力を下げるため、図3(b)に示されるように、経血9'が、トップシート上で広範囲に拡がり、トップシートとの接触面積を増やすことができる。しかし、界面活性剤10がコーティングされたトップシート2は、経血9''中の親水性成分(血漿等)と親和性が非常に高く、それらを引き寄せ、むしろ経血9''をトップシート2の肌当接面7に残存させるようにはたらく。その結果、図3(d)に示されるように、一部の経血9'''は、吸収体3に浸透するものの、一部の経血9''''が、トップシート2の肌当接面7に残存し、トップシートの赤さ、ベタベタ感につながる。
上記液不透過性のバックシートとしては、PE、PP等を含むフィルム、通気性を有する樹脂フィルム、スパンボンド又はスパンレース等の不織布に通気性を有する樹脂フィルムを接合したもの、SMS等の複層不織布等が挙げられる。吸収性物品の柔軟性を考慮すると、例えば、坪量約15〜約30g/m2の低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムが好ましい。
本開示の吸収性物品の実施形態の1つでは、吸収性物品が、液透過性のトップシートと、吸収体との間に、セカンドシートを含むことができる。上記セカンドシートとしては、液透過性のトップシートにおいて挙げられた不織布と同一のものが挙げられる。
上記吸収体の第1の例としては、吸収コアが、コアラップで覆われているものが挙げられる。
上記吸収コアの構成要素としては、例えば、親水性繊維、例えば、粉砕パルプ、コットン等のセルロース、レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、粒子状ポリマー、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維、及び親水化処理された熱可塑性疎水性化学繊維、並びにこれらの組み合わせ等が挙げられる。また、上記吸収コアの構成要素として、高吸収性ポリマー、例えば、アクリル酸ナトリウムコポリマー等の粒状物が挙げられる。
上記コアラップとしては、液透過性で高分子吸収体が透過しないバリアー性を有する物であれば、特に制限されず、例えば、織布、不織布等が挙げられる。上記織布及び不織布としては、天然繊維、化学繊維、ティッシュ等が挙げられる。
上記吸収体の第2の例としては、吸収シート又はポリマーシートから形成されたものが挙げられ、その厚さは、約0.3〜約5.0mmであることが好ましい。上記吸収シート及びポリマーシートとしては、通常、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。
液透過性のトップシートが血液改質剤を含む平面方向の領域に関して、本開示の吸収性物品の実施形態の1つでは、液透過性のトップシートが、その排泄口当接域に、血液改質剤を含む。本開示の吸収性物品の別の実施形態では、液透過性のトップシートが、排泄口当接域に加え、排泄口当接域以外の場所にも血液改質剤を含み、例えば、トップシートの全面に血液改質剤を含む。
液透過性のトップシートが血液改質剤を含む厚さ方向の領域に関して、本開示の吸収性物品の実施形態の1つでは、液透過性のトップシートが、その肌側の表面、すなわち、肌当接面に、血液改質剤を含む。トップシートの肌当接面に血液改質剤が存在することにより、経血がトップシート上で薄く拡がることができる。本開示の吸収性物品の別の実施形態では、液透過性のトップシートが不織布又は織布であり、そして肌当接面と、肌当接面及び着衣側表面の間の内部とに血液改質剤を含む。本開示の吸収性物品のさらに別の実施形態では、液透過性のトップシートが不織布又は織布であり、そしてその厚さ方向全体、すなわち、肌当接面と、肌当接面及び着衣側表面の間の内部と、着衣側表面とに血液改質剤を含む。
液透過性のトップシートが不織布又は織布である実施形態では、上記血液改質剤は、不織布又は織布の繊維間の空隙を閉塞しないことが好ましく、上記血液改質剤は、例えば、不織布又は織布の繊維の表面に、液滴状又は粒子状で付着しているか、又は繊維の表面を覆うことができる。また、上記血液改質剤は、トップシートに到達した経血に迅速に作用するために、その表面積が大きいことが好ましく、液滴状又は粒子状で存在する血液改質剤は、粒径が小さいことが好ましい。
一方、液透過性のトップシートが開孔フィルムである実施形態では、上記血液改質剤は、開孔フィルムの開孔を閉塞しないことが好ましく、上記血液改質剤は、例えば、開孔フィルムの肌当接面に、液滴状又は粒子状で付着していることができる。上記血液改質剤が、開孔フィルムの開孔を閉塞すると、吸収した液体の吸収体への移行を阻害することがあるからである。また、上記血液滑性付与剤は、一部が経血に移行するために、その表面積が大きいことが好ましく、液滴状又は粒子状で存在する血液滑性付与剤は、粒径が小さいことが好ましい。
本開示の吸収性物品の別の実施形態では、吸収性物品が、血液改質剤を含むセカンドシートを有する。また、本開示の吸収性物品の別の実施形態では、吸収性物品が、血液改質剤を含む吸収体を有する。
上記吸収性物品において、トップシートは、上記血液改質剤を、好ましくは約1〜約30g/m2、より好ましくは約2〜約20g/m2、そしてさらに好ましくは約3〜約10g/m2の坪量の範囲で含む。血液改質剤の坪量が、約1g/m2を下回ると、血液改質剤の量が不足し、吸収した経血がトップシートに残存する傾向があり、そして血液改質剤の坪量が多くなると、着用中のべたべた感が増加する傾向がある。
上記血液改質剤の塗布方法は、特に制限されるものではなく、必要に応じて加熱され、例えば、非接触式のコーター、例えば、スパイラルコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ディップコーター等、接触式のコーター等により塗布されることができる。液滴状又は粒子状の改質剤が全体に均一に分散される点、及び資材にダメージを与えない観点から、非接触式のコーターが好ましい。また、上記血液改質剤は、室温で液体の場合にはそのまま、又は粘度を下げるために加熱し、そして室温で固体の場合には液化するように加熱して、コントロールシームHMAガンから塗布することができる。コントロールシームHMAガンのエアー圧を高くすることにより、微粒子状の血液改質剤を塗布することができる。
上記血液改質剤は、トップシートの素材、すなわち、不織布、織布又は開孔フィルムを製造する際に塗布されることができ、又は吸収性物品を製造する製造ラインにおいて塗布されることもできる。設備投資を抑制する観点からは、吸収性物品の製造ラインにおいて、血液改質剤を塗布することが好ましく、さらに、血液改質剤が脱落し、ラインを汚染することを抑制するためには、製造ラインの川下工程、具体的には、製品を個包装に封入する直前に、血液改質剤を塗布することが好ましい。
上記血液改質剤は潤滑剤としても作用しうる。従って、トップシートが不織布又は織布である場合には、血液改質剤が、トップシートを構成する繊維同士の摩擦を低減させ、不織布又は織布全体のしなやかさを向上させることができる。また、トップシートが開孔フィルムの場合には、血液改質剤がトップシートと肌との摩擦を低減することができる。
本開示の吸収性物品の好ましい実施形態では、吸収性物品が、血液を吸収することを目的とするもの、例えば、生理用ナプキン、パンティーライナー等である。
なお、本開示の吸収性物品は、従来公知のスキンケア組成物、ローション組成物等を含む吸収性物品とは異なり、エモリエント剤、固定化剤等の成分が不要であり、血液改質剤は、単体で、トップシートに適用されうる。
以下、例を挙げて本開示を説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
[例1]
[血液の接触角及び血液残存率の測定]
血液改質剤に関して、血液の接触角、及び血液残存率を評価した。試験に用いられた試料、評価方法等は、以下の通りである。
[血液改質剤種]
・ユニルーブMS−70K,日油株式会社製
PPG−15ステアリルエーテル,重量平均分子量:約1,140
・ユニオールD−400,日油株式会社製
ポリオキシプロピレングリコール,重量平均分子量:約400
・ユニオールD−1000,日油株式会社製
ポリオキシプロピレングリコール,重量平均分子量:約1,000
・パナセート810s,日油株式会社製
8の脂肪酸:C10の脂肪酸がおおよそ85:15の重量比で含まれている、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル,重量平均分子量:約480
・パールリーム6,日油株式会社製
流動イソパラフィン、イソブテン及びn-ブテンを共重合し、次いで水素を付加することにより生成された分岐鎖炭化水素、重合度:約5〜約10,重量平均分子量:約330
[不織布種]
・スパンボンド(SB),旭化成株式会社製
エルタス,厚さ:0.22mm,坪量:20.8g/m2
・スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(SMS),三井化学社製
TPQ,厚さ:0.12mm,坪量:13.5g/m2
・エアスルー(AT),ユニチャーム株式会社製
繊維径:2.2dtex,厚さ:0.93mm,坪量:27.2g/m2
[血液の接触角の測定方法]
1.アクリル板上にポリエチレンフィルムを固定し、PEフィルムに、ピペット及びスクレーパーを用いて、血液改質剤を約10g/m2の坪量で塗工する。
2.ピペットから、血液改質剤上に、ウマ脱繊維血(株式会社生物材料センター)を1滴(約0.1mL)滴下し、接触角を測定する。
3.接触角を、ウマ脱繊維血の液滴の断面画像から測定する。
なお、接触角の測定は、20℃の恒温室で実施する。
また、ポリエチレンフィルムを用いた理由は、トップシートの材料として一般的であるためである。
[血液残存率の測定方法]
1.不織布の上に、血液改質剤を、室温で、コントロールシームHMAガンを用いて塗工する。坪量は、SB,SMS及びATにおいて、それぞれ、約10,15及び15g/m2とする。次いで、不織布の当初質量(WN0)を測定する。
2.アクリル板の上に、質量を測定した濾紙5枚(WP0)を配置し、その上に、血液改質剤の塗工面を上にして、不織布を配置する。
3.ピペットから、ウマ脱繊維血(株式会社生物材料センター)を、不織布の血液改質剤の塗工面に1滴(約0.1mL)滴下する。
4.ウマ脱繊維血の滴下から約10秒後、ウマ脱繊維血を、血液改質剤の塗工面の別の場所にさらに1滴(約0.1mL)滴下し、その約1秒後、アクリル板を15°傾斜する。
5.2回目の滴下から1分後、不織布の試験後質量(WN1)と、ろ紙の試験後質量(WP1)を測定し、血液残存率を、下記式に従って算出する。
血液残存率(%)=100×(WN1−WN0)/[(WN1−WN0)+(WP1−WP0)]
なお、アクリル板を15°傾けるのは、重力の影響を少なくし、血液改質剤の効果、及びろ紙(吸収体に相当)がウマ脱繊維血を引き込む力を評価するためである。
なお、血液残存率の測定は、20℃の恒温室で実施する。
血液の接触角及び血液残存率の測定結果を、血液改質剤の特性と共に、下記表1にまとめる。
Figure 2017064432
表1から、No.1−1〜1−3は、接触角が小さく、各不織布上での血液残存率が低いが、No.1−4及び1−5は、接触角及び血液残存率が高いことがわかる。これは、No.1−4及び1−5では、血液が拡がりにくく、不織布内部に進入しにくく、そしてろ紙が血液を引き込みにくいことを示唆していると考えられる。
[例2]
[吸収性物品の製造及び試験]
トップシートとしての例1に示されるSBと、エアスルー不織布(ポリエステル及びポリエチレンテレフタレートから成る複合繊維、坪量:30g/m2)から形成されたセカンドシートと、パルプ(坪量:150〜450g/m2、中央部ほど多い)、アクリル系高吸収ポリマー(坪量:15g/m2)及びコアラップとしてのティッシュを含む吸収体と、撥水剤処理されたサイドシートと、ポリエチレンフィルムから成るバックシートとを準備した。
血液改質剤として、例1に示される5種を、それぞれ、室温において、コントロールシームHMAガンから、上記トップシートの肌当接面に、5.0g/m2の坪量で塗工した。血液改質剤は、トップシートの肌当接面のほぼ全面に塗工された。
次いで、バックシート、吸収体、セカンドシート、そして血液改質剤の塗工面を上にしたトップシートを順に重ね合わせることにより、血液改質剤の異なる生理用ナプキン5枚を形成した。また、対照として、血液改質剤の塗工されていない吸収性物品1枚を作成し、計6枚の吸収性物品を準備した。
トップシートを、SBから、SMS又はTAに変更して、生理用ナプキン(2種×6枚)を製造し、計3種×6枚の生理用ナプキンを準備した。
上記操作を繰り返して、トップシート及び血液改質剤の異なる複数のサンプルを、それぞれ、複数枚作成した。
上記サンプルを、複数の被験者に着用してもらったところ、上記血液残存率のデータとおおむね同様の結果が得られ、MS−70Kにおいて、経血を吸収した後に、他と比較して、トップシートがサラサラしていたとの回答を得た。また、サラサラ感は、SMS及びSBが高く、SMSが特に高いとの回答を得た。
本開示は、以下の(J1)〜(J12)に関する。
[J1]
液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記液透過性のトップシート及び液不透過性のバックシートの間の吸収体とを有する吸収性物品であって、
上記液透過性のトップシートが、排泄口当接域において、0.10〜0.30mmの厚さと、5〜30g/m2の坪量とを有し、
上記液透過性のトップシートが、排泄口当接域の肌当接面に、血液改質剤を含み、そして
上記血液改質剤が、ポリオキシプロピレングリコール系化合物である、
ことを特徴とする、上記吸収性物品。
[J2]
上記液透過性のトップシートが、スパンボンド不織布又はSMS不織布である、J1に記載の吸収性物品。
[J3]
上記液透過性のトップシートが、開孔フィルムである、J1に記載の吸収性物品。
[J4]
上記血液改質剤が、次の(A)〜(E)、
(A)ポリオキシプロピレングリコール、
(B) (B1)ポリオキシプロピレングリコールと、(B2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのモノ又はジエーテル、
(C) (C1)ポリオキシプロピレングリコールと、(C2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのモノ又はジエステル、
(D) (D1)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物又はその脱水縮合物に、(D2)一又は複数のプロピレンオキシドを付加し、所望により(D3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物又は(D4)リン酸でエステル化することにより生成した化合物、及び
(E) (E1)脂肪族アミド、脂肪族アミン又はアルキルグルコースに、(E2)一又は複数のプロピレンオキシドを付加し、所望により(E3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物又は(E4)リン酸でエステル化することにより生成した化合物、
並びにそれらの任意の組み合わせ、
から成る群から選択される、J1〜J3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
[J5]
(B2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物が、C1〜C20脂肪族1価アルコールである、J4に記載の吸収性物品。
[J6]
(C2)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物が、C2〜C30脂肪酸である、J4又はJ5に記載の吸収性物品。
[J7]
(D1)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物又はその脱水縮合物が、鎖状炭化水素ヘキサオール、鎖状炭化水素ペンタオール、鎖状炭化水素テトラオール、鎖状炭化水素トリオール、及び鎖状炭化水素ジオール、並びにそれらの脱水縮合物から成る群から選択される、J4〜J6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
[J8]
(D1)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物又はその脱水縮合物が、ソルビトール、ペンタエリトリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、及びエチレングリコール、並びにそれらの脱水縮合物から成る群から選択される、J4〜J7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
[J9]
(D3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物、又は(E3)炭化水素部分と、上記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物が、C2〜C30脂肪酸である、J4〜J8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
[J10]
(E1)脂肪族アミド、脂肪族アミン又はアルキルグルコースが、それぞれ、C1〜C20アルキルアミド、C1〜C20アルキルアミン又はメチルグルコースである。J4〜J9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
[J11]
上記血液改質剤が、PPG−4ブチルエーテル、PPG−12ブチルエーテル、PPG−17ブチルエーテル、PPG−20ブチルエーテル、PPG−24ブチルエーテル、PPG−33ブチルエーテル、PPG−40ブチルエーテル、PPG−52ブチルエーテル、PPG−3ミリスチルエーテル、PPG−10セチルエーテル、PPG−11ステアリルエーテル、PPG−15ステアリルエーテル、PPG−2ラノリノルエーテル、PPG−5ラノリノルエーテル、PPG−10ラノリノルエーテル、PPG−20ラノリノルエーテル、PPG−26オレエート、PPG−36オレエート、PPG−5.5キャストラート、PPG−6グリセリルエーテル、PPG−8グリセリルエーテル、PPG−10グリセリルエーテル、PPG−16グリセリルエーテル、PPG−9ジグリセリルエーテル、PPG−14ジグリセリルエーテル、PPG−25ソルビトール、及びPPG−33ソルビトール、並びにそれらの任意の組み合わせからから成る群から選択される、J1〜J10にいずれか一項に記載の吸収性物品。
[J12]
生理用ナプキン又はパンティーライナーである、J1〜J11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
1 生理用ナプキン
2 トップシート
3 吸収体
4 サイドシート
5 圧搾部
6 バックシート
7 肌当接面
8 血液改質剤
9 経血
10 界面活性剤

Claims (12)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記液透過性のトップシート及び液不透過性のバックシートの間の吸収体とを有する吸収性物品であって、
    前記液透過性のトップシートが、排泄口当接域において、0.10〜0.30mmの厚さと、5〜30g/m2の坪量とを有し、
    前記液透過性のトップシートが、排泄口当接域の肌当接面に、血液改質剤を含み、そして
    前記血液改質剤が、ポリオキシプロピレングリコール系化合物である、
    ことを特徴とする、前記吸収性物品。
  2. 前記液透過性のトップシートが、スパンボンド不織布又はSMS不織布である、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記液透過性のトップシートが、開孔フィルムである、請求項1に記載の吸収性物品。
  4. 前記血液改質剤が、次の(A)〜(E)、
    (A)ポリオキシプロピレングリコール、
    (B) (B1)ポリオキシプロピレングリコールと、(B2)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのモノ又はジエーテル、
    (C) (C1)ポリオキシプロピレングリコールと、(C2)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのモノ又はジエステル、
    (D) (D1)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物又はその脱水縮合物に、(D2)一又は複数のプロピレンオキシドを付加し、所望により(D3)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物又は(D4)リン酸でエステル化することにより生成した化合物、及び
    (E) (E1)脂肪族アミド、脂肪族アミン又はアルキルグルコースに、(E2)一又は複数のプロピレンオキシドを付加し、所望により(E3)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物又は(E4)リン酸でエステル化することにより生成した化合物、
    並びにそれらの任意の組み合わせ、
    から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. (B2)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物が、C1〜C20脂肪族1価アルコールである、請求項4に記載の吸収性物品。
  6. (C2)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物が、C2〜C30脂肪酸である、請求項4又は5に記載の吸収性物品。
  7. (D1)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物又はその脱水縮合物が、鎖状炭化水素ヘキサオール、鎖状炭化水素ペンタオール、鎖状炭化水素テトラオール、鎖状炭化水素トリオール、及び鎖状炭化水素ジオール、並びにそれらの脱水縮合物から成る群から選択される、請求項4〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  8. (D1)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する2〜6個のヒドロキシル基とを有する化合物又はその脱水縮合物が、ソルビトール、ペンタエリトリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、及びエチレングリコール、並びにそれらの脱水縮合物から成る群から選択される、請求項4〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  9. (D3)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物、又は(E3)炭化水素部分と、前記炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物が、C2〜C30脂肪酸である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  10. (E1)脂肪族アミド、脂肪族アミン又はアルキルグルコースが、それぞれ、C1〜C20アルキルアミド、C1〜C20アルキルアミン又はメチルグルコースである。請求項4〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  11. 前記血液改質剤が、PPG−4ブチルエーテル、PPG−12ブチルエーテル、PPG−17ブチルエーテル、PPG−20ブチルエーテル、PPG−24ブチルエーテル、PPG−33ブチルエーテル、PPG−40ブチルエーテル、PPG−52ブチルエーテル、PPG−3ミリスチルエーテル、PPG−10セチルエーテル、PPG−11ステアリルエーテル、PPG−15ステアリルエーテル、PPG−2ラノリノルエーテル、PPG−5ラノリノルエーテル、PPG−10ラノリノルエーテル、PPG−20ラノリノルエーテル、PPG−26オレエート、PPG−36オレエート、PPG−5.5キャストラート、PPG−6グリセリルエーテル、PPG−8グリセリルエーテル、PPG−10グリセリルエーテル、PPG−16グリセリルエーテル、PPG−9ジグリセリルエーテル、PPG−14ジグリセリルエーテル、PPG−25ソルビトール、及びPPG−33ソルビトール、並びにそれらの任意の組み合わせからから成る群から選択される、請求項1〜10にいずれか一項に記載の吸収性物品。
  12. 生理用ナプキン又はパンティーライナーである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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