JP2017060995A - 抵抗スポット溶接継手、抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法 - Google Patents

抵抗スポット溶接継手、抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017060995A
JP2017060995A JP2016181379A JP2016181379A JP2017060995A JP 2017060995 A JP2017060995 A JP 2017060995A JP 2016181379 A JP2016181379 A JP 2016181379A JP 2016181379 A JP2016181379 A JP 2016181379A JP 2017060995 A JP2017060995 A JP 2017060995A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistance spot
plate
steel plate
nugget
aluminum plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016181379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6794006B2 (ja
Inventor
央海 澤西
Chikaumi Sawanishi
央海 澤西
松田 広志
Hiroshi Matsuda
広志 松田
池田 倫正
Tomomasa Ikeda
倫正 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JP2017060995A publication Critical patent/JP2017060995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6794006B2 publication Critical patent/JP6794006B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】自動車生産ラインで一般的に用いられている溶接装置が出力可能な電流範囲で、かつ、鋼板同士の接合と同じ生産工程により、鋼板とアルミニウム板の良好な継手特性を確保する。
【解決手段】本発明に係る抵抗スポット溶接継手は、鋼板とアルミニウム板を重ね合わせた板組みが抵抗スポット溶接された継手であって、重ね合わせた板組みのうち最も薄い板の板厚をtとしたときに、鋼板のナゲット径が、7√t以下である抵抗スポット溶接継手である。
【選択図】図2

Description

本発明は、抵抗スポット溶接継手、抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法に関する。
近年の自動車産業では、車体軽量化による燃費向上を目的として、車体へのアルミニウム合金等の軽金属の適用が進められている。現在、車体における鋼板同士の接合には、他の溶接方法に比べてコストや効率面で優位にある抵抗スポット溶接法が最も多く用いられており、車1台あたりの打点数は3000点から6000点に及ぶ。これは重ね合わせた2枚以上の鋼板を挟んでその上下から一対の電極で加圧しつつ、上下電極間に高電流の溶接電流を短時間通電して抵抗発熱により接合する方法である。
車体の生産工程のコストと効率の維持という観点からは、鋼板同士の場合と同様に、アルミニウム板が混在する場合の接合においても抵抗スポット溶接法を用いることが有効である。なお、以下の説明において、アルミニウム板とは、純アルミニウム板とアルミニウム合金板を総称したものを意味する。しかし、鋼とアルミニウムの異種材料接合においては、電極の加圧により軟質なアルミニウム板が大きく減厚したり、接合界面に脆弱な金属間化合物が形成したりすることで継手強度が確保できないという課題がある。
上記の課題を解決するため、以下に述べるような技術が提案されている。例えば、特許文献1には、溶接を極短時間化し、高電流を付与することで微小な溶融部分を形成し、同時に高加圧力を加えることで、溶融部分を周囲に飛散させて清浄な金属面同士の接触と原子の拡散による接合を達成させる抵抗スポット溶接方法が記載されている。
特許文献2には、鋼板とアルミニウム板の間に鉄/アルミニウムクラッド薄板を同種材同士が向かい合うようにインサートさせることで、低電流でも高強度の継手が得られる抵抗スポット溶接方法が記載されている。
特許文献3には、鋼板とアルミニウム板の両側に当て板を1枚以上添えて溶接を行うことで、当て板と被接合材料との界面が抵抗発熱し、鋼とアルミニウムが抵抗拡散接合されて高強度の継手が得られる抵抗スポット溶接方法が記載されている。
特許文献4には、鋼材とアルミニウム材をスポット溶接するにあたり、鋼板および鋼板表面酸化皮膜におけるMnおよびSiの各量を適正化することで、大きいナゲット径を得つつ散り発生を抑制することができると記載されている。
特許第3941001号 特許第3117053号 特許第3504790号 特開2005−152958号公報
しかしながら、特許文献1に記載の抵抗スポット溶接方法では、一般的な鋼板同士の抵抗スポット溶接方法と比較して大電流を付与する必要があるため、既存の自動車生産ラインで用いられている溶接トランスの電源容量では電流値が不足するという問題点がある。
また、特許文献2および3に記載の抵抗スポット溶接方法では、車体の構造上不要である当て板やクラッド薄板の使用、さらには車体の生産ラインの工程変更が必要となるため、大幅なコスト増や重量低減が十分に図れないなどの問題がある。
また、特許文献4では、鋼板および酸化皮膜中の合金元素量および分布を限定する必要があるため、要求性能を満たす鋼板の使用が制限されるなどの課題があり、特に最近の鋼板での高強度化に伴う高合金化が進んでいる状況下では発明の適用は極めて制限される。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、自動車生産ラインで一般的に用いられている溶接装置が出力可能な電流範囲で、かつ、鋼板同士の接合と同じ生産工程により、鋼板とアルミニウム板の良好な継手特性を確保することができる抵抗スポット溶接継手および抵抗スポット溶接方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下のような特徴を有している。
[1] 鋼板とアルミニウム板を重ね合わせた板組みが抵抗スポット溶接された継手であって、
重ね合わせた板組みのうち最も薄い板の板厚をtとしたときに、鋼板のナゲット径が、7√t以下である抵抗スポット溶接継手。
[2] 抵抗スポット溶接の際にアルミニウム板と接する電極は先端が曲面である電極であり、
鋼板のナゲット径が、該アルミニウム板と接する電極の先端の曲率半径以下である[1]に記載の抵抗スポット溶接継手。
[3] 鋼板のナゲット径が、抵抗スポット溶接の際にアルミニウム板と接する電極の先端径以下である[1]または[2]に記載の抵抗スポット溶接継手。
[4] 鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲において、ブローホールの面積率が50%以下である[1]〜[3]のいずれか一つに記載の抵抗スポット溶接継手。
[5] 鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲において、金属間化合物の平均厚さが、0.001μm以上、20μm以下である[1]〜[4]のいずれか一つに記載の抵抗スポット溶接継手。
[6] 鋼板はナゲットを有さない[1]〜[5]のいずれか一つに記載の抵抗スポット溶接継手。
[7] 鋼板とアルミニウム板を重ね合わせた板組みを一対の電極で挟みこんで加圧しつつ、電極間を通電させて、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の抵抗スポット溶接継手を製造するための抵抗スポット溶接方法であって、
溶接中の電流値が20kA以下である抵抗スポット溶接方法。
[8] 先端に凹部を有する電極を最も外側に配置された鋼板に接触させて、板組みを挟みこんで加圧しつつ、電極間を通電する[7]に記載する抵抗スポット溶接方法。
[9] [7]または[8]に記載の抵抗スポット溶接方法を用いた抵抗スポット溶接継手の製造方法。
本発明によれば、自動車生産ラインで一般的に用いられている溶接装置が出力可能な電流範囲で、かつ、鋼板同士の接合と同じ生産工程により、鋼板とアルミニウム板の良好な継手特性を確保することができる。
本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接方法を示す図である。 本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接継手を示す図および拡大図である。 本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接継手を示す図である。 本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接継手を示す図である。 本発明の抵抗スポット溶接方法で用いる電極例を示す断面図および上面図である。
以下、添付した図面を参照し、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接方法を示す図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接継手を示す図(図2(a))および拡大図(図2(b))であり、図3および図4は本発明の実施の形態に係る抵抗スポット溶接継手を示す図である。本発明では、アルミニウム板1と、鋼板2とを重ね合わせた板組み3を、一対の電極(上電極4、下電極5)で挟んで加圧しつつ、上下電極4、5間に溶接電流を短時間通電して抵抗発熱により接合して、アルミニウム板1と鋼板2との抵抗スポット溶接継手を得るようにしている。
その際に、アルミニウム板1と鋼板2の良好な継手特性(継手強度)を確保するためには、入熱量を抑えて、アルミニウム板1と鋼板2の接合界面(アルミニウム板1と鋼板2の合わせ面)におけるアルミニウム板1のブローホール(気孔)の面積率を小さくすることが重要である。ブローホールの面積率を小さくすることで、継手に応力が付与された際、接合界面に発生したき裂が伝播することを防ぐことができるため、継手強度が高い抵抗スポット溶接継手になる。
そこで、本発明では、ブローホールの面積率を小さくするために、鋼板2のナゲット径を、7√t(tは重ね合わせた板組み3のうち最も薄い板の板厚(mm))以下と規定する。なお、板厚tは単位としてmmを用い、このtを代入した7√tの単位もmmとする。勿論、鋼板2がナゲットを有さない場合は鋼板2のナゲット径は0であり、鋼板2のナゲット径が7√t以下という上記規定を満たす。鋼板2のナゲット径とは、鋼板2のナゲット7がアルミニウム板1との合わせ面に形成されている場合は、アルミニウム板1との合わせ面における最大径である。また、鋼板2のナゲット7がアルミニウム板1と接しない位置に形成されている場合は、鋼板2のナゲット径は、板厚方向に対して直角方向の面における最大径である。例えば、図2や図3で示される長さである。なお、「ナゲット」とは、重ね抵抗溶接において溶接部に生じる溶融凝固した部分であるが、本明細書においては、凝固するとナゲットになる溶融部(すなわち凝固する前の溶融部)もナゲットと呼ぶ場合がある。
アルミニウム板1と鋼板2の抵抗スポット溶接においては、通電開始後、固有抵抗の高い鋼板2中で先に発熱が開始し、その熱伝導によってアルミニウム板1が溶融凝固しアルミニウム板1にナゲット6が形成されて、接合が達成される。そのため、鋼板2のナゲット径が大きいと、アルミニウム板1への入熱量も大きくなる。
アルミニウム板1への入熱量が大きいと、発生するブローホールの量は増大し、接合界面における金属間化合物も成長しやすくなる。そのため、上記のように鋼板2のナゲット径を一定値以下とすることが、継手強度の確保に重要である。
なお、鋼板2のナゲットは、板組みや溶接条件に応じて図2のようにアルミニウム板1との界面に形成される場合もあるし、図3のようにアルミニウム板1と接しない位置に形成される場合もある。また、図4のように鋼板2のナゲットは形成されなくてもよい。いずれにしても、鋼板2のナゲット径が7√t以下であればよい。
要求される継手強度が高い場合は、鋼板2のナゲット径を、6√t以下とすることが好適である。
また、抵抗スポット溶接の際にアルミニウム板1と接する電極4は先端が曲面である電極であり、鋼板2のナゲット径が、アルミニウム板1と接する電極4の先端の曲率半径以下であることが好ましく、アルミニウム板1と接する電極4の先端の曲率半径×0.8以下であることがさらに好ましい。そして、鋼板2のナゲット径が、抵抗スポット溶接の際にアルミニウム板1と接する電極4の先端径以下であることが好ましく、抵抗スポット溶接の際にアルミニウム板1と接する電極4の先端径×0.8以下であることがさらに好ましい。
また、アルミニウム板1と鋼板2の合わせ面(以下、「合わせ面」ともいう)におけるアルミニウム板1のナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲(以下、ナゲット6の「外周部」ともいう)におけるブローホールの面積率、すなわち、合わせ面の外周部に対する該合わせ面の外周部に存在するブローホールの面積率を、50%以下とすることが好ましい。合わせ面におけるアルミニウム板1のナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲のブローホールの面積率を50%以下と限定した理由は、一般的に、抵抗スポット溶接継手においてはナゲット6の外周部が最も応力集中しやすく、このナゲット6の外周部にブローホールが多く存在すると、き裂が伝播しやすくなり、継手の破壊が発生しやすいためである。
応力集中を低減させて溶接継手の破壊を防ぐためには、ナゲット6の外周部でブローホールの面積率を50%以下とし接合面積を確保することが重要となる。なお、要求される継手強度が高い場合は、合わせ面におけるアルミニウム板1のナゲット6の外周部のブローホールの面積率を40%以下とすることが好適である。
この合わせ面におけるアルミニウム板1のナゲット6の外周部のブローホールの面積率は、溶接継手の板厚方向の断面観察によって算出することができる。なお、溶接継手を界面(合わせ面)ではく離させ、アルミニウム板1の鋼板2に接合していた側の表面を観察して、外周部におけるブローホールの面積の合計値を外周部の面積で除すことにより算出される面積率は、上記板厚方向の断面観察によって算出されるブローホールの面積率と同様の値になる。
また、アルミニウム板1と鋼板2の界面には、図2(b)に示すように、金属間化合物20が存在していてもよい。金属間化合物20が存在する場合は、強度確保のためには、さらに、鋼板2とアルミニウム板1の合わせ面におけるアルミニウム板1のナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲において、金属間化合物20の平均厚さが、0.001μm以上20μm以下であることが効果的である。一般的に、抵抗スポット溶接継手においては、ナゲット6の外周部に最も応力集中しやすく、このナゲット6の外周部に脆弱な金属間化合物が厚く成長すると、き裂が伝播しやすくなり、溶接継手の破壊が発生しやすい。そのため、鋼板2とアルミニウム板1の合わせ面におけるアルミニウム板1のナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲において、金属間化合物20の厚さを上記のようにすることが好ましい。該金属間化合物の平均厚さが0.001μm未満の場合は、アルミニウム板1と鋼板2の間の良好な接合が達成されていない状態となり、逆に金属間化合物が20μmよりも厚く成長すると、応力が加わった際に継手の脆化を引き起こしやすいためである。要求される継手強度が高い場合は、該金属間化合物の平均厚さを10μm以下とすることが好適である。はく離方向の負荷がより顕著となる場合は、該金属間化合物の平均厚さを5μm以下とすることがさらに好適である。なお、金属間化合物とは、鋼板に由来するFeとアルミニウム板に由来するAlを含有する化合物であり、Si等が含まれていてもよい。また、該金属間化合物の平均厚さは、溶接継手の板厚方向の断面観察によって算出することができる。
次に、このように構成された抵抗スポット溶接継手を製造するための抵抗スポット溶接方法を、図1および図2等を用いて説明する。
まず、鋼板2とアルミニウム板1を重ね合わせて板組み3とする。そして、電極4をアルミニウム板1に接触させ、電極5を鋼板2に接触させて、板組み3を電極4、5で挟みこんで加圧しつつ、電極間を通電する。通電により抵抗発熱が生じアルミニウム板1の溶接部の一部が溶融して溶融部を形成し、溶融部が凝固することによりナゲット6が形成されると共にアルミニウム板1と鋼板2とが接合され、抵抗スポット溶接継手を製造することができる。そして、溶接中の電流値を20kA以下とすることで、鋼板の溶融が過剰となることが抑えられ、前記効果を有効に得ることができる。
アルミニウム板1に接触させる電極4は、先端が曲面であり、先端の曲率半径が40mm超えとすることで、合わせ面におけるアルミニウム板1のナゲット外周部のブローホールの面積率を50%以下とし、かつ、この外周部における金属間化合物の平均厚さを0.001μm以上20μm以下とすることができる。電極4の先端の形式は、例えば、JIS C 9304:1999に記載されるDR形(ドームラジアス形)、R形(ラジアス形)、D形(ドーム形)である。なお、DR形の電極は先端側の曲面が2段の曲率を有するが、上記40mm超えと規定する曲率半径は、先端の曲率半径であるので、抵抗スポット溶接する板に最初に接する部分(中心側の曲面)の曲率半径である。
鋼板2に接触させる電極5は、先端に凹部を有する電極であることが好ましく、図5のように円筒状の穴(凹部)を先端に有する電極であることが好ましい。図5は、本発明の抵抗スポット溶接方法で用いる電極例を示す断面図(図5(a))および上面図(図5(b))である。図5に示すように、電極10は、鋼板2に接触させる先端の中心に円筒状の凹部11を有する。鋼板2に接触させる電極5としてこのような先端に凹部を有する電極10を用いることで、ナゲット中心に加わる圧力が小さくなるため、ナゲット中心部で生じた気孔が外側に押し出されることが抑制され、形成されるナゲットの外周部にブローホールが生じるのを防ぐ効果が得られる。電極10の凹部11の寸法に制限は無いが、連続打点により電極10が損耗した際にも上記有効に効果を得るためには、凹部11の直径(凹部が円柱状の場合は図5に示すX)は1mm以上10mm、以下、凹部の深さ(凹部が円柱状の場合は図5に示すY)は2.5mm以上とするのが望ましい。電極5として先端に凹部が形成されていない電極を用いることもできる。すなわち、電極5の先端の形式としては、例えば、JIS C 9304:1999に記載されるDR形(ドームラジアス形)、R形(ラジアス形)、D形(ドーム形)等の凹部を有さないものでもよいが、該DR形(ドームラジアス形)、R形(ラジアス形)、D形(ドーム形)等の電極の先端に、凹部が形成されたものが好ましい。なお、DR形の電極は先端側の曲面が2段の曲率を有するが、上記先端に凹部を形成する場合は、凹部は抵抗スポット溶接する板に最初に接する部分(中心側の曲面)内に設ける。また、鋼板2と接触する電極5の先端の曲率半径については特に制限はない。
アルミニウム板1と接する電極4にも同様の凹部が形成されていても問題は無いが、アルミニウム板1の熱膨張による板表面からの散り発生を防ぐため、電極4の凹部の直径は2mm以下とするのが望ましい。
電極4および電極5の先端径には特に制限が無いが、先端径は4mm以上かつ12mm以下とするのが好適である。
以上、この実施形態では、アルミニウム板1と鋼板2の2枚重ねの板組み3を溶接した溶接継手を例として説明したが、本発明は、その2枚の板間にさらにもう1枚以上の鋼板あるいはアルミニウム板を挟んだ3枚重ね以上の板組みの溶接継手についても適用可能である。その場合は、鋼板と接しているアルミニウム板の全てにおいて、上記の関係が成り立つことが好ましい。
また、溶接中の通電時間および加圧力には特に制限はないが、電流値は10kA以上20kA以下、通電時間は20ms以上400ms以下、加圧力は1kN以上5kN以下とするのが好適である。また、電流値や加圧力を溶接中に2段階以上に変化させてもよい。
また、溶接中の抵抗値・電圧値といったパラメータを監視し、その変動に応じて電流値や通電時間を変化させる制御方法を用いても何ら問題ない。
また、本発明は、鋼板とアルミニウム板における表面のめっきの有無や厚さ、酸化皮膜の組成や厚さ、母材強度、板厚によらず適用することができる。
本発明の実施例を以下に示す。なおこの実施例で用いた板組みや溶接条件、電極形状は、本発明の効果を示すために適用した一例であるため、他の条件を用いてもよいのは言うまでもない。
供試材料として、鋼板2としての軟鋼板とアルミニウム板1としての5000系アルミニウム合金板とを重ね合わせて抵抗スポット溶接することにより、溶接継手を作製した。溶接機はインバータ直流式抵抗スポット溶接機を用い、アルミニウム合金板と接する電極4の先端径および溶接条件を変化させて溶接を行い、鋼板のナゲット径とブローホールの面積率、金属間化合物の平均厚さがそれぞれ異なる種々の継手を作製した。なお、電流値は、20kA以下とした。用いた軟鋼板およびアルミニウム合金板の板厚、アルミニウム合金板と接する電極4の先端径および溶接条件を表1に示す。アルミニウム合金板と接する電極4は、クロム銅製、DR形、先端曲率半径200mmの電極(凹部無し)を用いた。軟鋼板と接する電極5は、クロム銅製、DR形、先端径8mm、先端曲率半径40mmの電極を用いた。また、軟鋼板と接する電極5には、本発明例では図5に示す電極のように直径4mm、深さ5mmの円柱状の凹部を先端の中心に加え、比較例では凹部は無しとした。
軟鋼板(鋼板2)とアルミニウム合金板(アルミニウム板1)の合わせ面におけるアルミニウム合金板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲でのブローホールの面積率を、光学顕微鏡(倍率100倍)による溶接継手の断面観察から算出した。具体的には、溶接継手の板厚方向の断面であって、アルミニウム合金板に形成されたナゲットの、合わせ面における長さが最も長くなる断面を、光学顕微鏡により観察した。該断面において、外縁部(アルミニウム合金板と軟鋼板の合わせ面におけるアルミニウム合金板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲)で観察されるブローホールの長さの合計値を求め、該ブローホールの合計値を、外縁部の長さの合計値(すなわち2mm)で除すことにより求めた。
また、軟鋼板(鋼板2)のナゲット径は、同様に断面観察を行い、鋼板2のナゲット7が合わせ面に形成されている場合は、合わせ面における最大径を測定し、鋼板2のナゲット7がアルミニウム板1と接しない位置に形成されている場合は、板厚方向に対する直角方向の面における最大径を測定した。なお、条件No.4では軟鋼板(鋼板2)にナゲットが形成されていなかった。
また、軟鋼板(鋼板2)とアルミニウム合金板(アルミニウム板1)の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲における金属間化合物の平均厚さを、走査型電子顕微鏡(SEM、倍率2000倍)による溶接継手の断面観察から算出した。具体的には、溶接継手の板厚方向の断面であって、アルミニウム合金板に形成されたナゲットの、合わせ面における長さが最も長くなる断面(上記ブローホールの面積率を求める際に使用した断面)を、走査型電子顕微鏡により観察すると、図2(b)に示すように、アルミニウム合金板(アルミニウム板)と鋼板の界面に金属間化合物が観察された。そして、観察された金属間化合物20のうち、外縁部(アルミニウム合金板と軟鋼板の合わせ面におけるアルミニウム合金板のナゲット6の外周から内側へ1mmまでの範囲)を底面とする部分(図2(b)におけるa1およびa2)の厚さ(図2(b)におけるa)を、該外縁部において0.1mm毎に測定し、平均値を求め、この平均値を、軟鋼板(鋼板2)とアルミニウム合金板(アルミニウム板1)の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲における金属間化合物の平均厚さとした。
溶接後は得られた溶接継手の引張せん断試験を行い、継手強度を評価した。なお引張せん断試験方法はJIS Z 3136:1999に基づく。継手強度の評価としては、引張せん断強度が2.5kN以上の場合を○、2.5kN未満の場合を×とした。この結果を表1に示す。本発明例では、全てのケースで評価は○であった。
Figure 2017060995
1 アルミニウム板
2 鋼板
3 板組み
4 上電極
5 下電極
6 アルミニウム板のナゲット
7 鋼板のナゲット
10 電極
11 凹部
20 金属間化合物
X 凹部の直径
Y 凹部の深さ

Claims (9)

  1. 鋼板とアルミニウム板を重ね合わせた板組みが抵抗スポット溶接された継手であって、
    重ね合わせた板組みのうち最も薄い板の板厚をtとしたときに、鋼板のナゲット径が、7√t以下である抵抗スポット溶接継手。
  2. 抵抗スポット溶接の際にアルミニウム板と接する電極は先端が曲面である電極であり、
    鋼板のナゲット径が、該アルミニウム板と接する電極の先端の曲率半径以下である請求項1に記載の抵抗スポット溶接継手。
  3. 鋼板のナゲット径が、抵抗スポット溶接の際にアルミニウム板と接する電極の先端径以下である請求項1または2に記載の抵抗スポット溶接継手。
  4. 鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲において、ブローホールの面積率が50%以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の抵抗スポット溶接継手。
  5. 鋼板とアルミニウム板の合わせ面におけるアルミニウム板のナゲットの外周から内側へ1mmまでの範囲において、金属間化合物の平均厚さが、0.001μm以上20μm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の抵抗スポット溶接継手。
  6. 鋼板はナゲットを有さない請求項1〜5のいずれか一項に記載の抵抗スポット溶接継手。
  7. 鋼板とアルミニウム板を重ね合わせた板組みを一対の電極で挟みこんで加圧しつつ、電極間を通電させて、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抵抗スポット溶接継手を製造するための抵抗スポット溶接方法であって、
    溶接中の電流値が20kA以下である抵抗スポット溶接方法。
  8. 先端に凹部を有する電極を最も外側に配置された鋼板に接触させて、板組みを挟みこんで加圧しつつ、電極間を通電する請求項7に記載する抵抗スポット溶接方法。
  9. 請求項7または8に記載の抵抗スポット溶接方法を用いた抵抗スポット溶接継手の製造方法。
JP2016181379A 2015-09-25 2016-09-16 抵抗スポット溶接継手、抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法 Active JP6794006B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015188022 2015-09-25
JP2015188022 2015-09-25

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017060995A true JP2017060995A (ja) 2017-03-30
JP6794006B2 JP6794006B2 (ja) 2020-12-02

Family

ID=58428641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016181379A Active JP6794006B2 (ja) 2015-09-25 2016-09-16 抵抗スポット溶接継手、抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6794006B2 (ja)

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09174267A (ja) * 1995-12-26 1997-07-08 Nkk Corp 溶接鋼管の製造方法
JP2007222908A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Kobe Steel Ltd 鋼材とアルミニウム材との接合体、およびそのスポット溶接方法
JP2007301606A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Nissan Motor Co Ltd 抵抗スポット溶接による異種金属の接合方法及び接合構造
JP2008093707A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Daihatsu Motor Co Ltd 抵抗スポット溶接方法
JP2008200687A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Kobe Steel Ltd 鋼材とアルミニウム材との異材接合方法
JP2009061500A (ja) * 2007-08-10 2009-03-26 Nissan Motor Co Ltd 異種金属接合部材及び異種金属接合方法
JP2009226425A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Mazda Motor Corp 異種板材のスポット溶接方法
JP2013052427A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Honda Motor Co Ltd 片側スポット溶接方法および片側スポット溶接装置
JP2014124653A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Toyota Central R&D Labs Inc スポット溶接用電極、スポット溶接方法およびスポット溶接部材
JP2015066598A (ja) * 2013-10-01 2015-04-13 スズキ株式会社 金属板積層体の接合方法および金属板積層体
JP2015093283A (ja) * 2013-11-08 2015-05-18 新日鐵住金株式会社 鋼板とアルミニウム合金板との異種金属接合方法および異種金属接合継手
WO2015133099A1 (ja) * 2014-03-05 2015-09-11 Jfeスチール株式会社 抵抗スポット溶接方法
WO2015133096A1 (ja) * 2014-03-05 2015-09-11 Jfeスチール株式会社 抵抗スポット溶接方法
JP2017047449A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 本田技研工業株式会社 金属接合品及びその製造方法

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09174267A (ja) * 1995-12-26 1997-07-08 Nkk Corp 溶接鋼管の製造方法
JP2007222908A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Kobe Steel Ltd 鋼材とアルミニウム材との接合体、およびそのスポット溶接方法
JP2007301606A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Nissan Motor Co Ltd 抵抗スポット溶接による異種金属の接合方法及び接合構造
JP2008093707A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Daihatsu Motor Co Ltd 抵抗スポット溶接方法
JP2008200687A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Kobe Steel Ltd 鋼材とアルミニウム材との異材接合方法
JP2009061500A (ja) * 2007-08-10 2009-03-26 Nissan Motor Co Ltd 異種金属接合部材及び異種金属接合方法
JP2009226425A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Mazda Motor Corp 異種板材のスポット溶接方法
JP2013052427A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Honda Motor Co Ltd 片側スポット溶接方法および片側スポット溶接装置
JP2014124653A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Toyota Central R&D Labs Inc スポット溶接用電極、スポット溶接方法およびスポット溶接部材
JP2015066598A (ja) * 2013-10-01 2015-04-13 スズキ株式会社 金属板積層体の接合方法および金属板積層体
JP2015093283A (ja) * 2013-11-08 2015-05-18 新日鐵住金株式会社 鋼板とアルミニウム合金板との異種金属接合方法および異種金属接合継手
WO2015133099A1 (ja) * 2014-03-05 2015-09-11 Jfeスチール株式会社 抵抗スポット溶接方法
WO2015133096A1 (ja) * 2014-03-05 2015-09-11 Jfeスチール株式会社 抵抗スポット溶接方法
JP2017047449A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 本田技研工業株式会社 金属接合品及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6794006B2 (ja) 2020-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101744427B1 (ko) 조인트 강도가 우수한 고강도 강판의 스폿 용접 방법
JP5599553B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP2008105087A (ja) 鉄部材とアルミニウム部材の接合方法及び鉄−アルミニウム接合体
JP6360056B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP6572986B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接の溶接条件判定方法
US20190329348A1 (en) Welding methods for joining light metal and high-strength steel using solid state and resistance spot welding processes
JP6094079B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP2006167801A (ja) 鋼材とアルミニウム材との異材接合体とその接合方法
JP6037018B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP7255652B2 (ja) ウェルドボンド継手の製造方法
JP7003806B2 (ja) 接合構造体およびその製造方法
JP6399266B1 (ja) 抵抗スポット溶接継手の製造方法
JP4469165B2 (ja) 鋼材とアルミニウム材との異材接合体とその接合方法
JP5906618B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP2017060995A (ja) 抵抗スポット溶接継手、抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法
JP6811063B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法および抵抗スポット溶接継手の製造方法
KR101871077B1 (ko) 저항 스폿 용접 방법 및 용접 구조물
JP4838491B2 (ja) 鋼材とアルミニウム材との異材接合体
JP2019177405A (ja) 接合構造体およびその製造方法
JP7335196B2 (ja) 抵抗溶接部材の製造方法
JP7299192B2 (ja) 抵抗溶接部材の製造方法
JP2018140431A (ja) 鋼板溶接部材、及びスポット溶接方法
JP2023132882A (ja) 溶接継手の製造方法
JPH067957A (ja) アルミニウム合金の抵抗スポット溶接方法
JP2023040930A (ja) 溶接継手およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180502

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20180502

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180904

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181102

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191213

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20191213

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20191224

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200107

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20200131

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20200204

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200407

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20200623

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200713

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20200901

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20201106

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20201111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6794006

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250