JP2017060581A - 前庭電気刺激装置及び仮想現実体感装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全ガイドラインに沿った電流値内で上下方向の加速度感覚を知覚する。【解決手段】前庭電気刺激装置1は、左右の乳様突起上の皮膚に設置される電極21と、左右の乳様突起の6cm直下位置に当たる首の皮膚に設置される電極22と、左右それぞれで電極21,22間に、両極性の往復電流信号を印加する回路部4とを備えている。往復電流信号は、一方極性でパルス幅2s(秒)の方形波状の刺激電流信号と、刺激電流信号の出力前に連続して出力される、逆極性でパルス幅3sの方形波状の事前電流信号とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、微弱電流を流して前庭を刺激することで擬似的な加速度感覚を人間に与える前庭電気刺激の技術に関する。
頭部に電流を印加する前庭電気刺激(GVS: Galvanic Vestibular Stimulation)は、加速度感覚を受容する器官である前庭を電流によって刺激することで、軽量安価な装置で加速度感覚提示や陽極側への身体動揺の誘発を可能にするものである。このことから、前庭系の異常を検査するための医療検査ツールや認知科学分野の研究に利用されている他、アミューズメントやシミュレーションにおいて、映像と同期した加速度感覚提示による臨場感の向上などに応用が期待されている技術である(非特許文献1,2,3)。
一般的に利用されるGVSは、耳の後ろの乳様突起上に電極を設置して電流を印加することによって左右方向に加速度感覚提示が可能な2極のGVSである(非特許文献1〜4)。
本発明者らは、GVSによってかかるバーチャルな加速度感覚の多自由度化を目指して、左右方向だけでなく、前後方向とヨー(Yaw)回転方向に加速度感覚を提示可能な4極GVSを提案した(非特許文献5,6)。この4極GVSでは、GVSの電流経路仮説に基づいた、頭部内の電流経路の4抵抗回路としてのモデル化と頭部に設置する電極の多電極化を行った。これらによって、前庭に流れ込む電流の方向を制御し、提示加速度感覚の多自由度化に成功した(非特許文献6,7)。この電流経路仮説とは、頭部に印加した電流が頭部内の電流経路を流れることによって前庭に流れる電流の向きが決まり、その電流の方向が提示されるバーチャルな加速度感覚の方向を決めることをいう。このように、本発明者らは、GVSによる多自由度な加速度感覚提示を実現してきたが、頭頂(上下)方向への加速度感覚提示は実現できていない。この方向の加速度感覚提示の実現は、前記した検査、研究に供し、またゲームなどへの応用時にさらに臨場感を高めると考えられる。
これまでの研究から、前庭に流れる電流の方向と提示される加速度感覚の方向とが一致しており、その時に陰極側から陽極側に向かっての身体動揺が誘発されることが示されている(非特許文献3,4,5,7)。よって、前庭に上下方向への電流を印加することで、上下方向への加速度感覚が提示可能であると考えられる(特許文献1)。
特開2008−188121号公報
Wardman, D. L. &Fitzpatrick, R. C.: What does galvanic vestibular stimulation stimulate?;Advances in Experimental Medicine and Biology Vol.508,119-128(2002) Utza, K. S., Dimovaa, V., Oppenlander,K. & Kerkhoff, G. Electrified minds: Transcranial direct currentstimulation (tDCS) and Galvanic Vestibular Stimulation (GVS) as methods of non-invasivebrain stimulation in neuropsychology-A review of current data and futureimplications; Neuropsychlogia Vol.48, 2789-2810(2010) 安藤英由樹,渡辺淳司,杉本麻樹,前田太郎:前庭感覚インタフェース技術の理論と応用;情報処理学会論文誌,Vol.48, No3,1326-1335(2007) Wardman, D. L., Day, B. L. &Fitzparick, R. C.: Position and velocity responses to galvanic vestibularstimulation in human subjects during standing; Journal of Physiology Vol.547, 293-299(2003) 前田太郎,安藤英由樹,雨宮智浩:加速度感提示のための前庭電気刺激における電流密度分布のモデル化;第11回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集,5-8(2006) 宮田祐樹,濱田和孝,加藤翼,北原悠樹,安藤英由樹,前田太郎: 4極前庭電気刺激における電流量と頭部姿勢との対応の実測; 第13回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集,234-237 (2008) Kazuma Aoyama,Hiroyuki Iizuka, Hideyuki Ando and Taro Maeda: Four-pole galvanic vestibularstimulation causes body sway about three axes, Scientific Reports.5,10168; doi:10.1038/srep10168 (2015) 青山一真,橋本悠希,近藤大祐,米村朋子,飯塚博幸,安藤英由樹,前田太郎:多極前庭電気刺激に置ける動的な電流印加手法の影響;第17回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集,628-631 (2007) 青山一真,安藤英由樹,飯塚博幸,前田太郎:前庭電気刺激における逆不感電流を用いた加速度感覚の増強,日本バーチャルリアリティ学会論文誌,vol.19, No.3 315-318 (2014) Iikka Laakso & Akimasa Hirata:Computational analysis shows why transcranial alternating current stimulationinduces retinal phosphenes; Journal of Neural Engeering, Vol. 10, 046009(9pp),(2013) Myerson, M. C., Rubin, H. &Gilbert, J. G.: Anatomic studies of petrous portion of the temporal bone;Archives of Otolaryngology, Vol. 20, 195-210 (1934) Kazuma Aoyama, Hiroyuki Iizuka,Hideyuki Ando, Taro Maeda: Countercurrent Enhances Acceleration Sensation InGalvanic Vestibular Stimulation, International Conferenceon Artificialrealityand Telexistance, (2013)
前庭は、GVSによって惹起される加速度感覚と比べて非常に大きいと考えられる重力加速度の影響を受けているため、微弱な上下方向の加速度感覚は知覚できないと考えられる。GVSによる提示加速度の強度と刺激電流の電流値には正の相関があるため、大きな電流を前庭に流すことで上下方向への加速度感覚提示は可能であると考えられる(非特許文献3)。しかしながら、専門の医師を含む倫理審査の上で決定した安全ガイドラインにおいて、確実に安全であるとされる、安全レベルとしての電流値は最大で3mAであるとされている。さらに、本発明者らの予備実験から、加速度感覚を最も強力に提示可能である左右方向へのGVS提示において、3mAの直流電流を被験者に印加した時の被験者の体の傾きから、GVSによって提示される加速度感覚を試算すると、重力の約1/5程度であることが分かっている。よって、この電流値では上下方向に加速度感覚を提示できていたとしても、提示できる加速度感覚が微弱であるため、その検証は困難であると考えられる。
前記した安全レベルの電流値で強力な加速度感覚を生起させる刺激として、往復電流刺激がある。この刺激は電流印加を行う際に、前もって逆極性の電流を印加しておくことによる加速度感覚の増強が可能な刺激である(非特許文献8,9)。また、往復電流刺激の効果は、先行する逆電流区間の電流値とその印加時間の積と相関があることが示されている(非特許文献12)。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、効果的な電極位置の設定と、往復電流刺激を用いた上下方向前庭電気刺激とによって、安全ガイドラインに沿った電流値内でも上下方向の加速度感覚の知覚を可能とする前庭電気刺激装置及び仮想現実体感装置を提供するものである。
本発明に係る前庭電気刺激装置は、左右の乳様突起上の皮膚に設置される第1電極と、前記左右の乳様突起の下方位置であって胸鎖乳突筋及び肩甲拳筋の皮膚方向に直上となる皮膚の位置に設置される第2電極と、左右それぞれで前記第1、第2電極間に、両極性の往復電流信号を印加する電流出力部とを備え、前記往復電流信号は、一方極性で第1の時間幅を有する方形波状の刺激電流信号と、前記刺激信号の出力前に出力される、逆極性で第2の時間幅を有する方形波状の事前電流信号を含むものである。
従来のGVS研究において、頭部内の電流経路についてはあまり議論されてこなかった。しかしながら、頭蓋骨の電気的特性を考えると、皮膚等の軟組織に比べて頭蓋は低周波電流に対するインピーダンスが非常に高いと考えられる(非特許文献5)。また先行研究において、経頭蓋交流刺激(tACS: transcranialAlternate Current Stimulation)等の経頭蓋電気刺激下の電流経路を有限要素解析した結果、頭蓋を貫通せず眼球などの軟組織を流れる電流が多いことが示されている(非特許文献10)。これらの知見から、本発明者らは、眼窩と外耳道、内耳孔を電流経路とみなし、こめかみと乳様突起上に電極を設置することで、左右の前庭に独立に電流を印加することのできる4極GVSを開発し、左右方向、前後方向及びヨー(Yaw)回転方向への加速度感覚提示に成功した。これらの先行研究の知見から、GVSにおいて刺激電流はインピーダンスの高い頭蓋を貫通せず、頭蓋の穴を通って頭部内に流れるという電流経路が存在する可能性が高いと考えられる。そして、その頭部内の電流経路を流れる電流の方向と同じ方向に被験者は加速度感覚を知覚するという、経路仮説が有力であると考えられる。よって、上下方向への加速度感覚を誘発するためには、頭蓋骨の穴の位置を考慮した電極配置を行い、前庭に対して空間的に上下方向への電流を印加する必要があると考えられる。
これらのことを踏まえて、頭蓋骨の解剖学的な穴と前庭の位置関係について考える。前庭組織は頭蓋骨の側頭骨錐体尖の中にある。この側頭骨錐体尖周辺には複数の穴が開いている。側頭骨の外側には外耳道が開いている。側頭骨内側には内耳孔や前庭水管外孔などの穴があり、吻側(前側)には筋耳管管などの穴が開いている。このことから、すでに提示に成功している左右方向の加速度感覚提示おいては、外耳道、内耳孔などが電流経路となって、前庭に左右方向の電流が流れており、前後やYaw回転方向の加速度感覚提示においては、眼窩、筋耳管管、外耳道などの穴が電流経路を形成することで、前庭に前後方向の電流が流れていると考えられる。このことから、上下方向の加速度感覚提示のためには側頭骨錐体尖の頭側(以後、上または上側と表記する)と尾側(以後、下または下側と表記する)に穴があることが望ましい。側頭骨錐体尖の下側には茎乳突孔等の穴が存在し、頭蓋骨全体で見ても、下側には無数に穴が存在する。しかしながら、側頭骨錐体尖の上側には穴はなく、頭蓋骨全体としても外耳道と眼窩とを結ぶ線より上に穴はない(非特許文献11)及び(図3参照(骨骨格系;http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/osteologia/osteologia02.html))。
そこで、本発明では、設置される電極の位置を、図2(c)に示すように、第1電極を乳様突起上とし、第2電極を乳様突起から約6cm(5〜7cm)直下乃至は下方の首の上とした。この首の位置は、胸鎖乳突筋及び肩甲拳筋の皮膚方向に直上となる皮膚の位置とほぼ対応している。これによって、刺激電流が頭蓋骨の下側から頭部内に流れ、側頭骨錐体尖の下側の穴である茎乳突孔などから前庭に流れ込み、外耳道や内耳孔から出ることで前庭に上下方向の成分を持った電流を流すことができるようにした。
すなわち、前庭感覚器のある側頭骨錐体尖は、頭皮から数cm程度内側にあることから、かかる電極配置にしても電極間をつなぐ直線上に前庭は存在しない。電極間に電流を流すと、電流の大部分は電極間の最短距離を通る。一方、この距離を離せば離すほど電流は空間的な広がりを持ち、頭部のより内側へ多くの電流が通る。逆に近づければ近づけるほど多くの電流が皮膚を流れることになる。すなわち、電流の広がりが大きくなり過ぎる(電極を離しすぎる)と電流の密度が小さくなり、前庭に流れる刺激量が減ってしまい、電極を近づけすぎると電流が皮膚を流れすぎて、同様に前庭に流れる電流が減ってしまうというトレードオフの関係にある。ところで、茎乳突孔内には、通電性を有するリンパ液、また顔面神経、頸動脈の一部が上下方向に亘って存在している。そこで、トレードオフの関係も考慮しつつ、第2電極の位置を乳様突起から約6cm(5〜7cm)直下乃至は下方の首の位置、すなわち胸鎖乳突筋及び肩甲拳筋の皮膚方向に直上となる皮膚の位置とした。第1、第2電極を前記のように配置しても、刺激電流の一部が前庭に流れる有効電流となるものの、残りの電流は頭皮を流れると考えられる。このため、前庭に影響を与える有効電流は小さいものとなり、そのままでは上下方向電流を印加しても微弱な加速度感覚しか提示できないと考えられる。
そこで、本発明では、上下方向電流によって強力な加速度感覚知覚を惹起させるために、往復電流刺激を利用する。先行研究によれば、あらかじめ逆極性の電流(事前電流信号)を被験者に印加することで、後続する電流(刺激電流信号)により惹起される加速度感覚と誘発される身体動揺を増大させることが可能である。往復電流刺激の効果は、先行する逆電流区間の電流値とその印加時間の積と相関があることが分かっている。従って、強力な上下方向の加速度感覚提示のためには、電流値及び逆電流印加時間を、安全の範囲内でそれぞれ可能な限り最大化させた往復電流刺激を印加すればよい。これによって、上下方向においても、左右方向、前後方向、Yaw方向と同様なレベルで加速度感覚の提示が可能となる。
また、前記第2電極は、前記乳様突起の5〜7cm直下位置に当たる皮膚に設置されることを特徴とする。直下位置とすることで、設置位置が分かりやすい。
また、前記第2電極は、前記乳様突起の6cm直下位置に当たる皮膚に設置されることを特徴とする。この構成とすれば、最大の加速度感覚提示が得られる。
また、前記第1、第2電極をヘッドセットに取り付けられる構成とすることで、電極の取付位置の再現性が高くなる。
また、前記電流出力部は、前記事前電流信号と前記刺激電流信号とを連続して出力することを特徴とする。両信号を連続して出力することで、刺激電流信号の印加開始時までの時間がより短縮化される。
また、前記第2の時間幅は、前記第1の時間幅と等しいか長いことを特徴とする。この構成によれば、加速度感覚の提示の増強が図れる。
また、前記電流出力部は、前記刺激電流信号及び前記事前電流信号として、前記第1、第2電極間に予め設定された安全レベルの電流値を出力するものである。この構成によれば、加速度感覚の提示が最大化される。
また、前記電流出力部は、左右方向への加速度感覚の提示用として前記左右の第1電極間に、方向に対応する極性で第3の時間幅を有する方形波状の刺激電流信号を出力するものである。この構成によれば、上下方向以外である左右方向に対しては方形波状の刺激電流信号のみで事前電流信号を印加しなくても済むので、その分、加速度感覚の提示が早くなる。
また、本発明に係る仮想現実体感装置は、請求項1〜8のいずれかに記載の前庭電気刺激装置と、モニタに表示される、少なくとも鉛直方向に移動する主キャラクタの画像の動きから、前記主キャラクタの画像の重力方向の仮想的な加速度を得る演算部とを備え、前記電流出力部は、前記演算部で得られた加速度に対応する往復電流信号を出力するものである。
また、本発明に係る仮想現実体感装置は、請求項1〜8のいずれかに記載の前庭電気刺激装置と、モニタに表示される、少なくとも鉛直方向に移動する主キャラクタの画像に対して鉛直方向の動きを指示する操作部と、前記操作部の指示内容から前記主キャラクタの画像の重力方向の仮想的な加速度を得る演算部とを備え、前記往復電流信号出力部は、前記演算部で得られた加速度に対応する往復電流信号を出力するものである。
これらの発明によれば、加速度要素のあるゲームやシミュレータ等の体感装置を簡易に提供することが可能となる。
本発明によれば、安全ガイドラインに沿った電流値内でも上下方向の加速度感覚を知覚することができる前庭電気刺激装置及び仮想現実体感装置を提供することができる。
前庭電気刺激装置の一例を示す構成図である。 電極および前庭電気刺激装置の電極装着部(ヘッドセット)の説明図で、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)はヘッドセット装着時の右側面図である。 側頭骨の穴の配置を説明する図である。 刺激電流信号の一例を示す波形図で、(a)は刺激電流信号、(b)は往復電流信号(事前電流信号+刺激電流信号)を示す図である。 加速度感覚の方向の選択率を説明する図表である。 立位姿勢、右傾き姿勢及び前傾き姿勢での上下加速度方向を示す図である。 上下定電流刺激時の各姿勢における身体動揺の変化の俯瞰図と時間変化(A:立位姿勢、B:右傾き姿勢、C :前傾き姿勢、D:左右方向の身体動揺の時間変化、E:前後方向の身体動揺の時間変化)を示す図表である。 上下往復電流刺激時の各姿勢における身体動揺の変化の俯瞰図と時間変化(A:立位姿勢、B:右傾き姿勢、C:前傾き姿勢、D:左右方向の身体動揺の時間変化、E:前後方向の身体動揺の時間変化)を示す図表である。 左右刺激時の各姿勢における身体動揺の変化の俯瞰図と時間変化(A:立位姿勢、B:右傾き姿勢、C:左右方向の身体動揺の時間変化、D:前後方向の身体動揺の時間変化)を示す図表である。 前後刺激時の各姿勢における身体動揺の変化の俯瞰図と時間変化(A:立位姿勢、B:右傾き姿勢、C:左右方向の身体動揺の時間変化、D:前後方向の身体動揺の時間変化)を示す図表である。 往復電流刺激と定電流刺激条件における各姿勢での頭部の移動量の絶対値の平均値を示す図表である。 上下往復電流刺激時の各姿勢条件における頭部移動量の絶対最大値の平均値を示す図表である。 左右刺激時の各姿勢条件における頭部移動量の絶対最大値の平均値を示す図表である。 前後方向刺激条件下での姿勢条件に対する頭部位置変化の絶対最大値を示す図表である。 各姿勢における刺激なし条件での身体動揺の俯瞰図と時間変化(A:俯瞰図、B:時間変化のパターン、C:絶対最大値の平均値)を示す図表である。 前庭電気刺激装置の一適用例を示す仮想現実体感装置の構成図である。
図1は、前庭電気刺激装置1の一例を示す構成図で、設定部2、制御部3、回路部4及び電極21,22,23を備えている。電極21,22,23は、人体の左右対称位置に貼付(設置)するものである。
図2は、電極および前庭電気刺激装置の電極装着部(ヘッドセット)の説明図で、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)はヘッドセット装着時の右側面図である。電極21,22,23はそれぞれ左右一対であり、図2に示す貼付位置に貼付される。電極21は、電極21R,21Lで構成され、人体頭部Heの左右の乳様突起(図3参照)上の皮膚に貼られる。電極22は、電極22R,22Lで構成され、左右の乳様突起(すなわち電極21R,21Lの貼付位置)の6cm直下位置、すなわち胸鎖乳突筋及び肩甲拳筋の皮膚方向に直上となる皮膚の位置である首Ne上の皮膚に貼られる。電極23は、電極23R,23Lで構成され、人体頭部Heの左右のこめかみ位置の皮膚に貼られる。
図2(c)は、ヘッドセット10の一例を示す。ヘッドセット10は、左右対称構造を有し、半円形状を有し、頭部Heを左右両側から押圧する弾性の頭部装着部11、頭部装着部11の両端に取り付けられた環状の耳掛け部12、及び先端に電極が取り付けられた弾性を有するアーム13,14を備えている。電極21は、耳掛け部12の下部後方部が乳様突起上に対向することから、当該位置に取り受けられている。アーム13は、その先端に取り付けられる電極22が電極21の6cm直下に位置の首Ne上にくるような長さ及び向きを有する。アーム14は、その先端に取り付けられる電極23が頭部Heのこめかみ上に位置する長さ及び向きを有する。各電極21,22,23は、所定形状、例えば円形形状を有し、頭部He及び首Neに電極面が押圧するようになっている。
図1に戻り、設定部2は、外部から操作可能な構成を有し、刺激電流信号を印加する電極を選択し、また印加動作を指示するものである。制御部3は、回路部4の動作を制御するものである。回路部4は、刺激電流生成回路41及び切替部42を備えている。刺激電流生成回路41は、例えば定電流出力回路を備え、所定レベルの電流値を出力するものである。所定レベルとしては、安全レベルである3mAである。切替部42は、選択内容に対応して電流印加対象の電極間に刺激電流を出力するものである。なお、刺激電流生成回路41が、各電極に対応して出力ラインを有している態様では、切替部42は省略してもよい。
なお、左右の電極21R,21L間に電流を印加することで、左右方向の加速度感覚が提示される。電極21Rと電極23R間に、かつ電極21Lと電極23L間に同方向の電流を印加することで、前後方向の加速度感覚が提示される。電極21Rと電極23R間に、かつ電極21Lと電極23L間に互いに逆方向の電流を印加することで、Yaw回転方向の加速度感覚が提示される。加速度感覚の提示方向は、印加電流の正極側に誘起される。そして、電極21Rと電極22R間に、かつ電極21Lと電極22L間に同方向の電流を印加することで、上下方向の加速度感覚が提示される。
図4に示すように、刺激電流は、2種類あり、図4(a)は通常の刺激電流信号であり、図4(b)は往復電流信号である。通常の刺激電流信号は、2s(秒)のパルス幅を有する定電流(3mA)の電流信号P1である。往復電流信号は、2s(秒)のパルス幅を有する定電流(3mA)の電流信号(刺激電流信号)P11と、この刺激電流信号P11の出力前に連続して乃至は隣接して出力される、逆極性で3s(秒)のパルス幅を有する定電流(−3mA)の電流信号(事前電流信号)P10とからなる。図4(b)における往復電流信号の場合、逆極性の事前電流信号P10の印加時間と電流レベルとの積が大きい程、順極性の刺激電流信号P11印加時の加速度感覚が増強する。なお、事前電流信号の印加時間は、時間的な余裕に応じて長短設定することができる。同様に、刺激電流信号の印加時間も一定でなくてもよい。事前電流信号の印加時間を刺激電流信号の印加時間に比して少なくとも長く設定する態様では、加速度感覚の提示の増強が効果的に図れる。
次に、電流刺激による上下方向加速度感覚の提示に関する実験について説明する。
(1)上下方向GVSにおける定電流刺激と往復電流刺激とが主観的加速度感覚に及ぼす効果の検証
上下方向のGVSが主観的な上下方向の加速度感覚を惹起するかどうかを検証するために、被検者に上下定電流刺激、上下往復電流刺激、左右刺激の3種類の刺激を印加した時の、被験者の加速度感覚(感じた力)の方向を回答させる実験を行った。
(1.1)実験方法
被験者は、前庭に病歴のない健常な成人男性5名(23〜25才)であった。大阪大学大学院情報科学研究科倫理審査委員会において承認された規定に基づき、全ての被験者から十分にインフォームドコンセントを得た上で参加してもらった。
実験は静かな実験室で行った。図2(c)に示すように、エタノールで拭いた被験者の左右の乳様突起上に電極(クリアローデ、フクダ電子社製)を貼付し、イヤマフを用いて固定した。さらに乳様突起から直下約6cmの首上にも同電極を設置した。被験者には水平な床の上のマーカーにつま先を合わせて裸足でロンベルグ立位姿勢をとらせた。そして、正面にある注視点を注視した後、目を閉じさせて実験を行った。実験者の合図で電流の印加を開始した。
印加電流は電流値3mA、持続時間2000msの上下定電流刺激と電流値3mAと持続時間2000msの左右定電流刺激、逆電流値3mA、逆電流印加時間3000ms、順方向電流の電流値3mA、持続時間2000msの上下往復電流刺激の3種類とした。各刺激を極性を持たせて2試行ずつランダムに提示し、合計12試行(=3×2×2)行った。また、試行間には3分の休憩を入れた。
被験者は刺激が終了した時に、その刺激によって最も強く惹起された主観的な加速度感覚(感じた力)の方向を左右、前後、Yaw回転、上下の中から強制選択で回答させた。
(1.2)実験結果
図5は、刺激ごとの各方向に対する被験者の選択確率を示している。図5におけるerror barは、標準誤差を示しており、*は、刺激ごとに方向の選択確率に対してKruskal-Wallis ANOVAとScheffeの多重比較検定を行った時の有意差のある箇所を示している(上下定電流刺激:F(3.16)=12.84, p<0.05、上下往復電流刺激:F(3.16)=16.8, p<0.05、左右刺激:F(3.16)=16.8, p<0.05)
図5から、上下往復電流刺激において、被験者は有意に高い確率で上下方向を選択しており、左右定電流刺激においては、有意に高い確率で左右を回答していることが分かる。上下定電流刺激においては、最も高い確率で選択されるのは上下方向であり、その確率は前後やYaw回転が選択される確率よりは有意に高いが、左右が選ばれる確率との間には、有意差は見られず、有意傾向(p<0.10)のみが見られた。
(2)上下方向GVSにおける定電流刺激と往復電流刺激が身体動揺に及ぼす効果
GVSによって生起される加速度感覚は電流と同じ方向であり、陽極側に体が傾く身体動揺が誘発される。このことから、先行研究においては、GVSによる提示加速度感覚の方向と強度についての客観的な評価指標として身体動揺が利用されている(非特許文献3、6、さらに、(i)Omar S. Mian, Christopher J.Dakin, Jean-Sebastien Blouin, Richard C. Fitzpatrick and Brian L. Day:Lack of otolith involvement inbalance responses evoked by mastoid electrical stimulation;Journal of Physiology,588, 22, 4441-4451(2010)、(ii) Cathers, I., Day, B. L. & Fitzpatrick, R. C. : Otolith and canal reflexes in human standing;Journal of Physiology, Vol. 563, 229-234 (2005)、(iii) Mian, O. S., Dakin, C. J., Blouin,J. S., Fitzpatrick, R. C. & Day, B. L.: Lack of otolith involvement inbalance responses evoked by mastoid electrical stimulation; Journal ofPhysiology Vol. 588, 4441-4451 (2010)の各文献にも記載されている。)。
しかし、上下方向への加速度感覚が生起されたとしても、その加速度感覚のベクトルが身体の中心軸上にあるならば、通常の立位状態では、身体動揺は起こらないと考えられる。
GVSによって誘発される身体動揺は、前庭入力に対して人が立位を維持するための姿勢反射によるものと考えられる。中でも、Fitzpatrickらの研究グループは、GVS時の頭部初期姿勢が、誘発される身体動揺方向に寄与することを示した(前記文献(i),(ii),(iii))。これは、頭部姿勢が前庭入力に統合された上で姿勢反射が生じることを示唆している。すなわち、鉛直ではない頭部姿勢をとることで、従来は難しかった上下方向加速度提示時の身体動揺計測が可能になると考えられる。
そこで、図6に示すように、両足のつま先を揃えて立つロンベルグ立位姿勢と両足のつま先を揃えた上で、体と首を曲げて頭部を右側に90°傾けた右傾き姿勢、体と首を曲げて頭部を90°前に傾けた前傾き姿勢をとらせた被験者に対して定電流刺激と往復電流刺激によって、上下方向電流を印加した時の身体動揺を計測した。これによって、上下方向の加速度感覚を左右方向、あるいは前後方向への身体動揺として計測することができると考えられる。
一方で、右傾き姿勢において、左右方向に身体動揺を誘発しうるのは、上下方向の加速度感覚以外では、Roll方向の角加速度感覚を惹起された時である。このRoll方向の角加速度感覚を惹起する可能性のあるGVSの刺激パターンは、乳様突起間に電流を印加する左右方向刺激(2極GVS)のみである。また、前傾き姿勢において、上下方向への加速度感覚は、前後方向への身体動揺を誘発すると考えられる。この前傾き姿勢において、前後方向への身体動揺を誘発されるのは、前後Pitch方向の角加速度感覚が惹起された時であり、その方向の角加速度感覚を惹起する可能性のある刺激は前後方向刺激のみである。この左右方向刺激と前後方向刺激は、前庭器官のうち、耳石器と半規管の両方を刺激することで、RollあるいはPitch回転角加速度と左右あるいは前後方向の直線加速度の両方をそれぞれ惹起すると考えられる(前記文献(i))。よって、本実験では上下方向刺激に加えて、左右刺激と前後刺激を行った時の、各姿勢における被験者の身体動揺を計測した。
(2.1)実験方法
被験者は前庭に病歴のない健常な成人男性5名(23〜25才)であった。大阪大学大学院情報科学研究科倫理審査委員会において承認された規定に基づき、全ての被験者から十分にインフォームドコンセントを得た上で参加してもらった。
実験は静かな実験室で行った。図2(c)に示すように、エタノールで拭いた被験者の左右の乳様突起上に電極(クリアローデ、フクダ電子社製)を貼付しイヤマフを用いて固定した。さらに、乳様突起から直下約6cmの首上とこめかみにも同電極を設置した。3次元位置計測装置(Liberty, Polhemus社製)によって身体動揺を計測し、受信端をイヤマフ上に設置した。被験者には水平な床の上のマーカーにつま先を合わせて裸足でロンベルグ立位姿勢と、ロンベルグ立位姿勢をとった後、体と頭を右に傾け、頭部が90°傾く様な姿勢(右傾き姿勢)、体と頭を前に傾け、頭部が90°傾く様な姿勢(前傾き姿勢)をとらせた。そして、正面にある注視点を注視した後、目を閉じさせて実験を行った。各姿勢をとらせた後、実験者の合図で電流の印加を開始し、刺激終了の合図があるまでその姿勢を維持する様に被験者に指示した。
ここでは、上下往復電流刺激条件と上下定電流刺激条件、左右定電流刺激条件及び前後定電流刺激条件とを比較するが、往復電流は、逆電流区間においても身体動揺を引き起こす可能性が考えられる。そこで、被験者には、定電流刺激時には力を抜くように教示した。一方で往復電流刺激時では2つの刺激が連続して提示されることを予め伝えた上で、第一刺激では体を動かさないように姿勢を維持するよう指示し、第二刺激では力を抜くように教示した。
定電流刺激条件(上下定電流刺激、左右刺激、前後刺激)は、電流値3mA、電流印加時間2000msの方形波電流とした。往復電流刺激条件は、逆電流値3mAの逆電流印加時間3000msの方形波電流、順電流値3mAの順電流印加時間2000msの方形波電流とした。
実験は、上下定電流刺激と上下往復電流刺激とを姿勢3条件(立位姿勢・右傾き姿勢・前傾き姿勢)に対して行い、左右方向定電流刺激は、立位条件と右傾き条件の姿勢2条件、前後方向定電流刺激は、立位条件と前傾き姿勢条件とに対して行い、各条件を極性を持たせて2試行の合計56{=(3×2+2×2+2×2)×2×2}試行を行った。実験は上下方向定電流刺激を提示するセッションと、上下方向往復電流刺激、左右定電流刺激(以降、左右方向刺激)を提示するセッション、前後定電流刺激(以降、前後方向刺激)を提示するセッション に分けて行った。また、試行間には3分の休憩を入れた。
計測は、刺激開始の1000ms前から連続して3000ms間、サンプリング周波数200Hzにて行った。計測したデータは、5Hzのローパスフィルタ(LPF)をかけて高周波ノイズを除去した。
(2.2)実験結果
図7〜図10は、世界座標系における各姿勢条件での各刺激印加時の頭部位置変化の俯瞰図と左右方向と前後方向の頭部移動量の時間変化を示している。俯瞰図には刺激開始1000ms前から刺激終了後2000msまでの頭部位置変化を250msごとにプロットし、時間変化の図には刺激開始1000ms前から刺激終了後2000msまでをプロットした。世界座標系とは、立位姿勢において被験者の正面を縦軸に、左右方向に横軸を取る座標系として定義した。初期姿勢は、それぞれ図7A〜図10Aでは立位姿勢、図7B〜図9Bでは右傾き姿勢、図7C〜図8Cと図10Bでは前傾き姿勢である。プロットの種別は、それぞれ刺激極性、刺激手法を示しており、黒プロットはそれぞれ下方向電流または右方向電流、後方向電流を示しており、白プロットはそれぞれ上方向電流または左方向電流、前方向電流を示している。上向き三角印は上下方向定電流条件を、丸印は上下方向往復電流条件を、右向き三角印は左右方向刺激条件を、四角印は前後方向刺激を示している。また、図7D〜図8Dと図9C〜図10Cとは左右方向の頭部移動量(右方向が正)を示しており、図7E〜図8Eと図9D〜図10Dとは前後方向の頭部移動量(前方向が正)を示している。これらの図において、細い実線は立位姿勢条件、太い実線は右傾き姿勢条件、破線は前傾き姿勢を示している。
図11は、定電流刺激条件と往復電流刺激条件とにおける各試行の頭部の移動量の左右方向と前後方向それぞれの絶対値をとり、その最大値を平均化した結果を、姿勢条件ごとに示している。この図において、error barは標準誤差を示している。また、図12に、上下往復電流刺激の各姿勢における身体動揺の絶対最大値の平均値を、図13に、左右刺激の各姿勢における身体動揺の最大絶対値の平均値を、図14に、前後刺激の各姿勢における身体動揺の最大絶対値の平均値を、それぞれ左右方向と前後方向ごとに示す。図中のerror barは標準誤差を示している。図12以外の図における*と†とは、それぞれWelchの検定による有意差と有意傾向のある箇所を示しており、図12における*は、立位条件を対照条件としたノンパラメトリックな2郡間比較検定手法であるSteelの検定による有意差のある箇所を示している。
図11より、右傾き姿勢においても、前傾き姿勢においても、上下往復電流刺激によって誘発された身体動揺は上下定電流刺激によって誘発された身体動揺よりも大きいことが分かる(図11、立位姿勢条件左右方向:t(34.5)=0.37, p>0.05、立位姿勢条件前後方向:t(30.0)= -1.71, p>0.05、右傾き姿勢条件左右方向:t(27.1)=2.27, p<0.05、右傾き姿勢条件前後方向:t(27.7)=2.60, p<0.05、前傾き姿勢条件左右方向:t(37.9)=1.70 p<0.10、前傾き姿勢条件前後方向:t(30.7)=3.18, p<0.05、Welchの検定)。
図12から、上下往復電流刺激においては、右傾き姿勢では、左右方向への頭部移動量が大きく、前傾き姿勢では、前後方向への頭部移動量が大きいことが分かる(図12、左右方向立位-右傾き:t(38) = -1.81, p<0.05、左右方向立位-前傾き:t(38)=-0.054, p>0.05、前後方向立位-右傾き:t(38) =-0.89, p>0.05、前後方向立位-前傾き:t(38)=-2.00, p<0.05、Steelの多重比較検定)。
図13から、左右刺激条件においては、立位姿勢における左右方向の頭部移動量は右傾き姿勢における左右方向の頭部移動量よりも有意に大きいことが分かる(図13、左右方向:t(23.2)=2.72,p<0.05、前後刺激:t(31.2)=0.16,p>0.05、Welchの検定)。
図14から,前後刺激条件においては,立位姿勢における前後方向の頭部移動量は前傾き姿勢における前後方向の頭部移動量よりも有意に大きい事が分かる(図14、左右方向:t(23.2)=2.72,p<0.05,前後刺激:t(27.4)=2.16,p<0.05,Welchの検定)。
(3)考察
(3.1)上下方向電流が惹起する加速度感覚の方向
図5より、上下方向電流刺激の時には、定電流刺激でも往復電流刺激でも上下方向の選択率が最も高かった。これは、上下刺激において、被験者は上下方向の加速度感覚を最も強く知覚しているということを示している。よって、上下方向電流は、上下方向の加速度感覚を強く惹起していることが示された。また、左右刺激においては、従来の知見どおり被験者は左右方向への加速度感覚を感じていることが示された。
図11より、右傾き姿勢条件における左右方向と前後方向への身体動揺の絶対最大値の平均値を比較すると、上下方向往復電流刺激は、上下方向定電流刺激よりも有意に大きい身体動揺を誘発していることが分かる。よって、上下方向往復電流刺激は、上下方向定電流刺激よりも強力な加速度感覚を提示できていると言える。
図8Aと図12とから、立位条件においては左右、前後ともに上下往復電流刺激電流による身体動揺量は大きくなく、刺激極性による移動方向の変化はみられない。しかし、図8B、図8Dに示すように、右傾き姿勢における下方向電流往復電流刺激条件と上方向電流往復電流刺激条件とにおける頭部位置が、それぞれ右方向と左方向に移動している。さらに、図12が示すように、体を右に傾ける姿勢における左右方向の身体動揺量は、立位条件における左右方向の身体動揺量よりも有意に大きい。また、図8C、図8Eに示すように、前傾き姿勢における下方向電流往復電流刺激条件と上方向電流往復電流刺激条件とおける頭部位置が、それぞれ前方向と後ろ方向に移動している。さらに、図12に示すように、前傾き姿勢における前後方向の身体動揺量は、立位条件における前後方向の身体動揺量よりも有意に大きい。よって、上下方向往復電流刺激は、立位姿勢をとった時にはほぼ身体動揺を誘発せず、右傾き姿勢をとった時に左右方向への身体動揺を誘発し、前傾き姿勢をとった時に前後方向への身体動揺を誘発するような方向の加速度感覚を惹起していることが示された。
一方で,図9と図13とから、左右刺激は、立位姿勢条件において非常に大きな左右方向への身体動揺を惹起しているが、体を右に傾けるとその身体動揺は小さくなることが分かる。さらに、図10と図14とから、前後刺激は、立位姿勢条件において大きな前後方向への身体動揺を惹起するが、前傾き姿勢条件においては、その身体動揺は小さいことが分かる。
これらのことから、上下方向往復電流刺激が惹起する加速度感覚の方向を考える。右傾き姿勢において、上下往復電流刺激によって誘発される身体動揺の方向は、図8Bと図12とから、左右方向である。この右傾き姿勢において左右方向への身体動揺を誘発する加速度感覚の方向は、上下方向かRoll回転方向かが考えられる。Roll回転方向の加速度感覚を惹起しうる刺激として左右刺激が挙げられるが、この左右刺激によって誘発される身体動揺は、図9、図13より、立位姿勢の条件において、右傾き姿勢の時よりも大きい。一方で、上下方向往復電流刺激は、立位姿勢時には左右方向の身体動揺は見られないが、右傾き姿勢においては左右方向の身体動揺が見られる。よって、上下方向往復電流刺激は、Roll回転方向の加速度感覚を惹起しているのではなく、上下方向の加速度感覚を惹起していると考えられる。同様に、前傾き姿勢においては、上下方向往復電流刺激が誘発する身体動揺は前後方向である。前傾き姿勢において、前後方向の身体動揺を誘発する加速度感覚は、Pitch方向の角加速度であり、このPitch方向の角加速度を惹起しうる刺激は前後刺激である。前後刺激によって誘発される身体動揺は、図10、図14より、立位姿勢条件における前後方向の身体動揺が、前傾き姿勢における前後方向の身体動揺よりも有意に大きい。このことから、上下往復電流刺激は、前後刺激とは異なる加速度感覚を惹起していることが示され、その加速度感覚の方向はPitch方向ではないと考えられる。これらのことから、上下方向往復電流刺激は、従来のGVS手法では提示できていなかった方向の加速度感覚を惹起しており、その方向は上下方向であると考えられる。
図11から、右傾き姿勢における上下方向往復電流刺激が誘発する前後方向の身体動揺は上下方向定電流が誘発する前後方向の身体動揺よりも有意に大きいことが分かる。また、図12から、有意差は無いが、上下方向往復電流刺激が誘発する右傾き姿勢における前後方向の身体動揺は、立位姿勢おける前後方向の身体動揺よりも大きいことが分かる。
本実験は、安全な電流値である3mAを刺激電流として利用した。よって、身体動揺として数センチメートル(cm)程度の動揺を引き起こすだけの微弱な加速度であるが、上下方向への往復電流刺激はGVSの安全ガイドラインにおいて確実に安全とされている電流値で、従来提示ができなかった上下方向への加速度感覚を提示と、身体反射応答の誘発が可能であることとが示された。
(3.2)姿勢条件が身体動揺に及ぼす影響
以上では、3つの姿勢を被験者にとらせた時の身体動揺を計測することで、GVSの惹起する加速度感覚の方向を調査した。各姿勢を被験者にとらせた時の姿勢が身体動揺に及ぼす影響を見るために、被験者5名に3つの姿勢条件をとらせ、刺激を提示しなかった時の身体動揺の時間変化(各姿勢、各被験者4試行分)の俯瞰図と各方向への身体動揺の時間変化、身体動揺の絶対最大値の平均値を図15に示した。図15から、GVS提示を行わない条件は、GVS提示を行った時と比較して身体動揺が非常に小さいことが分かる。また、図15Cにおいて、前傾き姿勢における前後方向の頭部移動量が、立位姿勢におけるそれよりも有意に小さかった(F(2.57)=7.98, p<0.05)。このことから、立位姿勢に比べて、前傾き姿勢は、前後方向の身体動揺が惹起されにくい姿勢であるといえる。この姿勢において、上下往復電流刺激が前後方向の身体動揺を誘発したことは、上下往復電流刺激が、上下方向の加速度感覚を惹起していることを支持している。
(3.3)経路仮説に対する考察
解剖学的知見から、頭部内の電流経路は、頭蓋骨の穴によって形成されると仮定し、その穴の位置関係を調査した。その知見を用いて、前庭に上下方向の方向成分を持った電流を印加することで、上下方向への加速度感覚提示が可能な電極の配置を行った。
(4)結論
上下方向への加速度感覚提示を目指して、頭部内の電流経路を考慮し、前庭に上下方向の電流を流すことが可能な電極配置として、乳様突起上と、その電極から約6cm直下の首上、すなわち胸鎖乳突筋及び肩甲拳筋の皮膚方向に直上となる皮膚の位置に電極を設置する電極配置を提案した。さらに、この電極配置においてGVSの安全ガイドラインに沿った電流値で強力な加速度感覚提示を実現するために、GVSによって惹起される加速度感覚の増強と誘発される身体動揺の増大効果があることが示されている往復電流刺激方を採用した。その結果、従来、加速度感覚提示ができなかった上下方向への加速度感覚の生起を実験的に確認した。
これによって、安全とされている電流値範囲においても提示可能となった上下方向加速度感覚提示は、ゲームやシミュレータ等において画像(映像)の動き等に、多自由度な加速度感覚を付加することを可能とするため、自身がその環境にいる場合と近い感覚情報を提示することによる高い臨場感を持ったVR(Virtual Reality)環境が構築できる。
図16は、前庭電気刺激装置の一適用例を示す仮想現実(VR)体感装置の構成図である。図16では仮想現実体感装置100としてゲーム装置を想定している。仮想現実体感装置100は、前庭電気刺激装置1と、制御部110、記憶部120、操作部130及びモニタ140を備えている。記憶部120は、ゲームプログラムを記憶するメモリエリア及び処理内容を一時的に記憶するワークエリアを有する。操作部130は、ゲームに登場する主キャラクタの動きを支持するコントローラである。ゲームとしては、例えば主キャラクタがハングライダーで飛行して目的地に着陸するものでよい。より詳細には、飛行空間内で、予め設定された風発生プログラム等に従って、絶えず変化するような風が仮想的に吹いており、その中を主キャラクタがハングライダーを仮想的に操作しながら飛行して最終的に降下する操作を楽しむものである。風が、左右、前後、上下方向の内の少なくとも上下方向から吹き付けることで主キャラクタに少なくとも上下方向の加速度を体感させ、臨場感を醸し出すものである。
制御部110は、ゲームプログラムを実行することで、表示制御部111、ゲーム進行制御部112及び主キャラクタ加速度算出部113として機能する。ゲーム進行制御部112は、ゲーム空間内で風を吹かせ、かつハングライダーと風の強さ情報及び方向情報を経時方向に生成して、ハングラダーを飛行させ、かつ操作部130からの方向指示情報を利用してハングライダーの飛行状況を制御する。表示制御部111は、ゲーム進行制御部112で生成される飛行状況のゲーム情報から表示空間に表示する画像を形成し、モニタ140に出力して表示する。主キャラクタ加速度算出部113は、前述した風発生プログラムによって生成される風力及び風向情報を利用して、主キャラクタに体感される加速度情報を便宜的に算出し、例えば加速度が発生したと判断されると、加速度の有無と方向の情報を前庭電気刺激装置1に出力する。
前庭電気刺激装置1の部分は、制御部3で処理される情報に従って、例えば電極21Rと電極22Rとの間、かつ電極21Lと電極22Lとの間に同方向の往復電流(図4(b)参照)を出力する。例えば、下方向への加速度を体感させる場合には、電極21を正極とし、上方向への加速度を体感させる場合には、電極22側を正極とすればよい。なお、その他の方向に対して加速度を体感させる態様では、図4(b)の往復電流信号を適用してもよいが、充分な提示レベルが得られる場合等には、対応する電極間に刺激電流(図4(a)参照)を印加するように使い分けてもよい。なお、主キャラクタ加速度算出部113は、風力の大小に応じた加速度を算出し、制御部3は算出された加速度情報に対応した(安全レベルを超えない範囲の)レベルの電流値を電極に印加する態様としてもよい。このように動画画像と同期して加速度感覚提示を利用者に付与することで、簡易な構成で、高い臨場感を有する装置が提供可能となる。
なお、本実施形態では、アミューズメント用のゲーム装置としたが、操作部130の有無に関わらず、ハングライダーシミュレーション装置であってもよい。また、ゲーム及びシミュレータの種類は、ハングライダーに限定されず、フライトシュミレータをはじめ、少なくとも上下方向の加速度成分を含み、この加速度感覚を利用者に提示し、身体動揺を惹起させるものであれば適用可能である。この場合、モニタ140は頭部に装着し、目前に画像を表示可能にするゴーグルタイプでもよい。さらに、前庭電気刺激装置1は、前庭系の異常を検査するための医療検査ツールとして、また認知科学分野の研究に利用することができる。
1 前庭電気刺激装置
11 ヘッドセット
21,21R,21L 電極(第1電極)
22,22R,22L 電極(第2電極)
23,23R,23L 電極
4 回路部(電流出力部)
41 刺激電流生成回路
100 仮想現実体感装置
113 主キャラクタ加速度算出部
P1、P11 刺激電流信号
P10 事前電流信号

Claims (10)

  1. 左右の乳様突起上の皮膚に設置される第1電極と、前記左右の乳様突起の下方位置であって胸鎖乳突筋及び肩甲拳筋の皮膚方向に直上となる皮膚の位置に設置される第2電極と、左右それぞれで前記第1、第2電極間に、両極性の往復電流信号を印加する電流出力部とを備え、
    前記往復電流信号は、一方極性で第1の時間幅を有する方形波状の刺激電流信号と、前記刺激電流信号の出力前に出力される、逆極性で第2の時間幅を有する方形波状の事前電流信号を含むものである前庭電気刺激装置。
  2. 前記第2電極は、前記乳様突起の5〜7cm直下位置に当たる皮膚に設置されることを特徴とする請求項1に記載の前庭電気刺激装置。
  3. 前記第2電極は、前記乳様突起の6cm直下位置に当たる皮膚に設置されることを特徴とする請求項2に記載の前庭電気刺激装置。
  4. 前記第1、第2電極は、ヘッドセットに取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の前庭電気刺激装置。
  5. 前記電流出力部は、前記事前電流信号と前記刺激電流信号とを連続して出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の前庭電気刺激装置。
  6. 前記第2の時間幅は、前記第1の時間幅と等しいか長いことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の前庭電気刺激装置。
  7. 前記電流出力部は、前記刺激電流信号及び前記事前電流信号として、前記第1、第2電極間に予め設定された安全レベルの電流値を出力するものである請求項1〜6のいずれかに記載の前庭電気刺激装置。
  8. 前記電流出力部は、左右方向への加速度感覚の提示用として前記左右の第1電極間に、方向に対応する極性で第3の時間幅を有する方形波状の刺激電流信号を出力するものである請求項1〜7のいずれかに記載の前庭電気刺激装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の前庭電気刺激装置と、モニタに表示される、少なくとも鉛直方向に移動する主キャラクタの画像の動きから、前記主キャラクタの画像の重力方向の仮想的な加速度を得る演算部とを備え、前記電流出力部は、前記演算部で得られた加速度に対応する往復電流信号を出力する仮想現実体感装置。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の前庭電気刺激装置と、モニタに表示される、少なくとも鉛直方向に移動する主キャラクタの画像に対して鉛直方向の動きを指示する操作部と、前記操作部の指示内容から前記主キャラクタの画像の重力方向の仮想的な加速度を得る演算部とを備え、前記往復電流信号出力部は、前記演算部で得られた加速度に対応する往復電流信号を出力する仮想現実体感装置。
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