JP2017058917A - アンテナ回路、無線通信装置及びその通信制御方法 - Google Patents

アンテナ回路、無線通信装置及びその通信制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】近距離無線通信システムにおける携帯端末等のアンテナとリーダ/ライタ装置のアンテナとの位置を容易に適切に整合させて、正常かつ良好にデータ通信を行う。【解決手段】積層された複数層のアンテナ群114A、114Bを備え、各層は平面状に配列されてアンテナ線を巻回して形成された複数のループアンテナRAを有し、複数のループアンテナRAは、互いに隣接して配列される2つのループアンテナRAの互いに対向する領域のアンテナ線に供給される電流の方向が同一になるように、アンテナ線の巻回方向が設定されており、各層のアンテナ群を排他的に選択しつつ、当該アンテナ群の複数のループアンテナRAを同時に通信が可能な状態に設定する動作を順次実行して携帯端末等200との通信状態を検知することにより、携帯端末等200とのデータ通信が確立する一つのアンテナ群を特定する。【選択図】図3

Description

本発明は、近距離無線通信技術を利用した通信システムに適用可能なアンテナ回路、該アンテナ回路を備えた無線通信装置及びその通信制御方法に関する。
近年、近距離無線通信(以下、「NFC(Near Field Communication)通信」と記す)技術を利用した機器やシステムの普及が著しい。例えば、鉄道や路線バスの自動改札、店輔等におけるカード決済、社員の認証や入退室管理、情報掲示板による関連情報の提供等、多岐にわたり利用されている。一般に、NFC通信システムは、通信対象物となるICカードやICタグ、あるいは、これらと同等の機能を搭載した携帯端末(以下、これらの通信対象物を、便宜的に「携帯端末等」と総称する)と、当該携帯端末等と通信を行って各種の情報の読取りや書込みを行うリーダ/ライタ装置と、を有している。通信対象物となる携帯端末等、及び、リーダ/ライタ装置はそれぞれループアンテナを有し、双方のループアンテナの位置が整合するように近接させて、電波(変調波)を送受信することにより双方の間でデータ通信が実行される。このようなNFC通信システム及びその通信方法については、例えば特許文献1に記載され、また、携帯端末等や電子機器に設けられるループアンテナについては、例えば特許文献2に記載されている。
特開2010−009353号公報 特開2011−066628号公報
上述したようなNFC通信システムにおいては、通信対象物となる携帯端末等のループアンテナと、リーダ/ライタ装置のループアンテナとの位置関係が非常に重要であり、これらの位置関係が良好に整合していないと、データが正常に送受信されなかったり、データ通信自体が失敗したりする場合があるという問題を有している。なお、このような問題は、NFC通信技術を利用して携帯端末等とリーダ/ライタ装置との間でデータ通信を行う場合に限らず、電磁誘導の原理を用いて給電装置から携帯端末等に無接触状態で電力を供給(無接触給電、又は、無接点充電)する場合においても同様に生じるものである。すなわち、無接触給電技術においても、給電装置の送電コイルと携帯端末等の受電コイルとの位置が良好に整合していないと、給電(給電時の制御信号等の送受信を含む)が正常に行われない場合があるという問題を有している。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、近距離無線通信システムにおける携帯端末等のアンテナとリーダ/ライタ装置のアンテナとの位置を容易に適切に整合させて、正常かつ良好にデータ通信を行うことができるアンテナ回路、該アンテナ回路を備えた無線通信装置及びその通信制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係るアンテナ回路は、
積層された複数のアンテナ群を有し、前記複数のアンテナ群の各々は、平面状に配列され、アンテナ線を巻回して形成されて前記アンテナ線に電流が流れる複数のループアンテナを有し、前記複数のループアンテナは、互いに隣接して配列される2つの前記ループアンテナの互いに対向する領域の前記アンテナ線に流れる前記電流の方向が同一になるように、前記アンテナ線の巻回方向及び前記電流の流れる方向が設定されているアンテナ部と、
前記複数のアンテナ群のうちの一つを選択するアンテナ制御部と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係る無線通信装置は、
上記のアンテナ回路と、
通信対象物が前記アンテナ部に近接している状態で、前記複数のアンテナ群のうちで、前記通信対象物との通信が確立する一つの第1のアンテナ群を特定する通信データ制御部と、
を備え、
前記通信データ制御部は、前記アンテナ制御部により前記複数のアンテナ群の各々を順次選択させ、選択させた前記複数のアンテナ群の各々が有する前記複数のループアンテナに前記電流を供給して電波を送信させ、前記電波に応じた前記通信対象物との通信状態を検知した結果に基づいて前記第1のアンテナ群を特定することを特徴とする。
本発明は、
無線通信装置の通信制御方法において、
前記無線通信装置は、積層された複数のアンテナ群を有し、前記複数のアンテナ群の各々は、平面状に配列され、アンテナ線を巻回して形成されて前記アンテナ線に電流が流れる複数のループアンテナを有し、前記複数のループアンテナは、互いに隣接して配列される2つの前記ループアンテナの互いに対向する領域の前記アンテナ線に供給される前記電流の方向が同一になるように、前記アンテナ線の巻回方向が設定されているアンテナ部を有し、
通信対象物が前記アンテナ部に近接している状態で、前記複数のアンテナ群の各々が有する前記複数のループアンテナに前記電流を一括して供給して電波を送信させる動作を、前記複数のアンテナ群の各々について順次実行し、
前記電波に応じた前記通信対象物との通信状態を検知した結果に基づいて、前記複数のアンテナ群のうちの前記通信対象物との通信が確立する一つの前記アンテナ群を特定する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、近距離無線通信システムにおける携帯端末等のアンテナとリーダ/ライタ装置のアンテナとの位置を容易に適切に整合させて、正常かつ良好にデータ通信を行うことができる。
本発明に係る無線通信装置、及び、その通信対象物である携帯端末等の第1の実施形態を示す概略外観図である。 第1の実施形態に係る無線通信装置及び携帯端末等の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態に係る無線通信装置に適用されるアンテナ回路の一例を示す概略回路図である。 第1の実施形態に係るアンテナ回路に適用されるアンテナ部の具体例を示す概略図である。 第1の実施形態に係る無線通信装置におけるデータ通信時の制御方法の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る無線通信装置に適用されるアンテナ回路の変形例(その1)を示す概略図である。 第1の実施形態に係る無線通信装置に適用されるアンテナ回路の変形例(その2)を示す概略図である。 第2の実施形態に係る無線通信装置に適用されるアンテナ回路の具体例を示す概略図である。
以下、本発明に係るアンテナ回路、該アンテナ回路を備えた無線通信装置及びその通信制御方法について、実施形態を示して詳しく説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る無線通信装置、及び、その通信対象物である携帯端末等の第1の実施形態を示す概略外観図である。図1(a)は、ICカード等の携帯端末等とタッチパッド型の無線通信装置(リーダ/ライタ装置)との間で通信を行う場合を示し、図1(b)は、スマートフォン等の携帯端末等と載置台型の無線通信装置(リーダ/ライタ装置)との間で通信を行う場合を示す。また、図2は、本実施形態に係る無線通信装置及び携帯端末等の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。図3は、本実施形態に係る無線通信装置に適用されるアンテナ回路の一例を示す概略回路図であり、図4は、本実施形態に係るアンテナ回路に適用されるアンテナ部の具体例を示す概略図である。
(無線通信装置)
本実施形態に係る無線通信装置100は、例えば図1(a)、(b)に示すように、アンテナ部112が内蔵されたタッチパッド102や載置台104を備えたリーダ/ライタ装置であって、ICカードやスマートフォン等の携帯端末等200を、タッチパッド102や載置台104のアンテナ部112に近接させることにより、NFC通信技術を利用してデータ通信を実行する。ここで、図1(a)に示す無線通信装置100は、電車やバス等の公共交通機関の自動改札機や、自動販売機、店舗の決済機等に適用されるカードタッチ型又は端末タッチ型のリーダ/ライタ装置の形態を有している。また、図1(b)に示す無線通信装置100は、携帯端末等200との間でデータや情報の送受信や、携帯端末等の充電を行う際に適用される端末載置型のリーダ/ライタ装置の形態を有している。また、無線通信装置100は、タッチパッド102や載置台104に内蔵されたアンテナ部112が、通信対象物である携帯端末等200に内蔵されたループアンテナ212(詳しくは後述する)に比較して、広い面積の通信可能領域を有するように構成されている。
無線通信装置100は、例えば図2(a)に示すように、概略、アンテナ回路110と、無線通信用回路120と、演算処理回路130と、メモリ部140と、電源供給部150と、を有している。
アンテナ回路110は、例えば図3に示すように、アンテナ部112と、スイッチ部(アンテナ制御部)116とを有している。アンテナ部112は、互いに絶縁されて積層された複数の層(図では2層)のそれぞれに、例えば図4(a)に示すように、アンテナ線を矩形状に巻回した複数のループアンテナRAが所定の形態(形状や大きさ、アンテナ線の巻回数、配置間隔等)を有して、平面状に格子状に規則的に配列されたアンテナ群114A、114Bを有し、これらのアンテナ群114A、114Bが所定の位置関係で積層されている。
図4(a)においては、アンテナ群114A、114Bの各々に、複数のループアンテナRAが、平面状に互いに同等の形態で規則的に配列された場合を示す。ここで、ループアンテナRAの形状や大きさ等の形態は、例えば通信対象物である携帯端末等200に内蔵されたループアンテナ212の形態に応じて設定される。また、本実施形態においては、アンテナ群114A、114Bに配列されるループアンテナRAとして、図4(a)にアンテナ線を矩形状(正方形状)に巻回した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の多角形状や環状(いわゆるループ状)、楕円形状等に巻回した形状を有するものであってもよい。
ここで、アンテナ部112は、例えば図4(a)に示すように、アンテナ群114A、114Bを平面視した場合に、積層された各層間で複数のループアンテナRAの位置が互いに一致しないように、アンテナ群114Aとアンテナ群114Bとが互いに位置をずらして積層されている(図中、両矢印OS参照)。又は、各層のアンテナ群114A、114Bに配列される複数のループアンテナRAの位置が、互いに位置をずらして形成されているものであってもよい。すなわち、本実施形態においては、データ通信時に各ループアンテナRAにおいて発生する磁界の位置が、各層のアンテナ群114A、114B間で互いに一致せずに異なり、互いに補完し合って通信可能領域内で均一化されるように、アンテナ群114A、114Bの積層時の位置関係、又は、各ループアンテナRAの位置が設定されている。
具体的には、例えば図4(a)に示したように、アンテナ群114A、114Bを平面視した場合に、アンテナ群114Aに配列されたループアンテナRAが、アンテナ群114Bに配列されたループアンテナRAに部分的に重なるように、各層のアンテナ群114A、114Bの積層時の位置関係、又は、各ループアンテナRAの位置が設定されている。より好ましくは、アンテナ群114Aに配列された複数のループアンテナRA相互の境界部を含む領域に、アンテナ群114Bに配列された各ループアンテナRAの中心部(磁界の発生位置)近傍が配置されるように、各層のアンテナ群114A、114Bの積層時の位置関係、又は、各ループアンテナRAの位置が設定されている。
また、本実施形態においては、各層のアンテナ群114A、114Bにおいて、例えば図4(a)に示すように、複数のループアンテナRAが互いに近接して配列されている場合には、隣接するループアンテナRAの各々におけるアンテナ線の巻回方向が交互に反転する向きとなるように設定されている。具体的には、各層のアンテナ群114A、114Bには、1本(単一)の連続する線状又はリボン状の導体からなるアンテナ線により(いわゆる一筆書きの要領で)、図面右巻きと左巻きのループアンテナが直列に交互に隣接するように規則的に配列されている。これは換言すると、例えば図4(b)に示すように、隣接して配列されたループアンテナRA11、RA12、RA21、RA22、・・・が相互に対向する領域(図中、楕円で表記)に形成された各アンテナ線において、データ通信時に流れる電流の方向(図中、矢印I11、I12、I21、I22、・・・参照)が互いに同一になるように、各ループアンテナRA11、RA12、RA21、RA22、・・・におけるアンテナ線の巻回方向が設定されていることを意味する。これにより、データ通信時に各ループアンテナRA11、RA12、RA21、RA22、・・・において同時に発生する磁界同士が干渉することがなく、良好にデータ通信を行うことができる。
このように、複数のアンテナ群114A、114Bが積層されたアンテナ部112は、各層のアンテナ群114A、114Bに配列された複数のループアンテナRAの平面的な広がりに対応する通信可能領域を有することになり、例えば図1(a)、(b)に示したタッチパッド102や載置台104に内蔵されたアンテナ部112の略全域において、携帯端末等200とのデータ通信を行うことができる。
スイッチ部116は、例えば図3に示すように、アンテナ部112の各層のアンテナ群114A、114Bと、後述する無線通信用回路120との接続状態を切り換え設定するためのスイッチSW11、SW12、SW21、SW22、・・を有している。スイッチ部116は、無線通信用回路120のスイッチ切換制御部122からの制御信号に基づいて、アンテナ群114A、114Bのうちのいずれか一方を選択して、無線通信用回路120の通信データ制御部124に接続する。
具体的には、スイッチ部116は、例えば図3に示すように、スイッチSW11、SW12、SW21、SW22、・・としてp型の電界効果型トランジスタ(p−MOSFET)を適用することができる。図3に示すスイッチ部116においては、アンテナ群114Aと通信データ制御部124との間にスイッチSW11、SW12が設けられ、アンテナ群114Bと通信データ制御部124との間にスイッチSW21、SW22が設けられた構成を有している。そして、スイッチ切換制御部122からハイレベル又はローレベルの制御信号を出力することにより、スイッチSW11、SW12のゲート端子に制御信号の反転信号が印加されるとともに、スイッチSW21、SW22のゲート端子に制御信号の非反転信号が印加される。これにより、アンテナ群114A又はアンテナ群114Bが排他的に選択されて通信データ制御部124に接続される。すなわち、複数積層されたアンテナ群のうち、スイッチ部116により選択された一のアンテナ群に配列された複数のループアンテナにのみ、データ通信時に電流が流れることになる。
無線通信用回路120は、無線通信装置100と通信対象となる携帯端末等200との間でデータ通信を行う際に、上述したアンテナ回路110を介して電波(変調波)を送受信することにより、携帯端末等200とのデータ通信を確立して、携帯端末等200に保存されたデータや情報の読取りや、携帯端末等200へのデータや情報の書込み(更新)を行う。
無線通信用回路120は、図4(a)に示したように、スイッチ切換制御部122と、通信データ制御部124と、を有し、スイッチ切換制御部122からスイッチ部116に制御信号を出力することにより、アンテナ群114A、114Bのうちのいずれか一方を選択して、通信データ制御部124に接続する。通信データ制御部124は、スイッチ部116を介して接続されたアンテナ群に配列された複数のループアンテナの各々に対して、携帯端末等200への送信データに応じた電流を一括して供給したり、携帯端末等200からの受信データに応じてループアンテナに流れる電流を読み取ったりすることにより、データ通信を実行する。ここで、アンテナ回路110を介して送受信されるデータは、例えば後述するメモリ部140の所定の記憶領域に格納される。
また、無線通信用回路120は、上記の携帯端末等200とのデータ通信の実行に先立って、携帯端末等200のアンテナ部210を、上述したアンテナ回路110に近接させた状態で、スイッチ切換制御部122により選択されたアンテナ群に配列された複数のループアンテナの各々に対して、所定の電流を一括して供給して携帯端末等200に所定の電波(通信確立用信号を含む電波)を送信する動作を、各アンテナ群を切り換えて順次実行する。そして、無線通信用回路120は、この送信電波に応じて携帯端末等200から受信する電波(通信確立応答信号を含む電波)に基づいてループアンテナに流れる電流を読み取って、携帯端末等200とのデータ通信が良好に安定して確立しているアンテナ群を特定する。すなわち、無線通信用回路120は、携帯端末等200のアンテナ部210と無線通信装置100のアンテナ回路110とが近接した状態で、双方のループアンテナにおける磁界の発生位置が良好に整合(一致又は近接)した位置にあるアンテナ群を、データ通信が良好に安定して確立した(データ通信を良好に安定して行うことができる)アンテナ群であると判定する。無線通信用回路120は、携帯端末等200とのデータ通信が確立したアンテナ群をスイッチ切換制御部122により選択して、上述したデータ通信を実行する。
演算処理回路130は、CPU(中央演算処理装置)やMPU(マイクロプロセッサ)等の演算処理装置であって、所定のプログラムを実行することにより、携帯端末等200とのデータ通信や、メモリ部140への書込み、読出し等の、各種の動作を制御する。特に、本実施形態においては、演算処理回路130は、上述した無線通信用回路120を制御することにより、アンテナ群114A、114Bを順次選択して、アンテナ群に配列された複数のループアンテナの各々に対して、所定の電流を一括して供給し、携帯端末等200とのデータ通信が確立したアンテナ群を特定する一連の処理動作を実行させる。これにより、演算処理回路130は、携帯端末等200とのデータ通信が確立したアンテナ群を使用して、携帯端末等200とのデータ通信を実行させる。
メモリ部140は、上述したアンテナ回路110を介してデータ通信により携帯端末等200との間で送受信されるデータや情報を所定の記憶領域に保存する。また、メモリ部140は、上述した無線通信用回路120において実行される、データ通信に関連する一連の処理動作を実行するためのプログラムを保存するものであってもよい。
電源供給部150は、無線通信装置100内部の各構成に駆動用の電力を供給する。電源供給部150は、無線通信装置100が据置型の構成を有する場合には、例えば商用交流電源が適用され、可搬型の構成を有する場合には、例えばリチウムイオン電池等の二次電池や環境発電技術による電源等が適用される。
なお、本実施形態に係る無線通信装置100は、図2(a)に示した各構成に加えて、例えば表示部や音響部等の出力手段や、操作スイッチやタッチパネル、キーボード等の入力手段、入出力インターフェース等を備えているものであってもよい。ここで、出力手段は、例えば携帯端末等200とのデータ通信の状態に関する情報や、後述する通信制御方法に関する設定情報等をユーザに通知する機能を有している。また、入力手段は、データ通信機能のオン、オフや各種の設定等を入力操作する機能を有している。入出力インターフェースは、無線通信装置100と外部の機器(例えばパーソナルコンピュータ)やネットワーク等との間でデータや情報の送受信等を行う機能を有している。
(携帯端末等)
本実施形態に適用される携帯端末等200は、例えば図1(a)、(b)に示すように、アンテナ部210やNFC通信における通信対象物としての機能が内蔵されたICカードやICタグ、あるいは、これらと同等の機能を搭載したスマートフォンやタブレット端末、デジタルカメラ、スマートウォッチ等の携帯端末であって、上述した無線通信装置100のアンテナ部112の通信可能領域内に携帯端末等200を近接させることによりデータ通信が実行される。
携帯端末等200は、ICカードやICタグの形態を有する場合には、例えば図2(b)に示すように、概略、アンテナ部210と、無線通信用回路220と、演算処理回路230と、メモリ部240と、を有している。また、携帯端末等200は、スマートフォン等の形態を有する場合には、上記の構成の他に、例えば表示部や音響部等の出力手段や、操作スイッチやタッチパネル、キーボード等の入力手段、入出力インターフェース等を備えているものであってもよい。ここで、上述した無線通信装置100と同等の構成については、その説明を簡略化する。
アンテナ部210は、例えば図1(a)、(b)、図2(b)に示すように、携帯端末等200の部材や筐体の特定の領域に設けられたループアンテナ212を有している。上述したように、無線通信装置100と携帯端末等200との間で、NFC通信技術を利用してデータ通信を行う場合には、双方のアンテナ部112、210を近接させるとともに、双方のループアンテナRA、212における磁界の発生位置を互いに良好に整合(一致又は近接)させることにより、データ通信が良好に安定して実行される。
無線通信用回路220及び演算処理回路230は、アンテナ部210を介して電波(変調波)が送受信されることにより、無線通信装置100との間でデータ通信を行って、後述するメモリ部240に保存されたデータや情報の読出しや、受信したデータや情報の書込み(更新)を行う。また、無線通信用回路220は、上記の無線通信装置100とのデータ通信の実行に先立って、無線通信装置100のアンテナ回路110に設けられたアンテナ群を順次切り換えて送信される所定の電波の受信状態を判定し、当該受信状態が良好で、データ通信が安定して可能な場合に、通信確立応答信号を含む電波を無線通信装置100に送信してデータ通信を確立する。また、メモリ部240は、例えばユーザ固有の認証情報や決済情報、各種のテキストデータや画像データ等を所定の記憶領域に保存する。これらの情報は、無線通信装置100とデータ通信を行うことにより適宜読出しや書込み(更新)が行われる。
(無線通信装置の通信制御方法)
次に、上述した構成を有する無線通信装置の通信制御方法について、図面を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る無線通信装置におけるデータ通信時の制御方法の一例を示すフローチャートである。ここで、本実施形態に係る無線通信装置と携帯端末等との間でデータ通信を行う際の近接動作については、図1(a)、(b)を参照する。
本実施形態に係る無線通信装置100の通信制御方法は、例えば図5のフローチャートに示すように、まず、ユーザが無線通信装置100の電源を投入したり、所定の入力操作を行ったりすることにより、演算処理回路130はNFC通信機能を起動する(ステップS102)。これにより、演算処理回路130は所定のプログラムを実行して、無線通信用回路120を制御して、携帯端末等200がアンテナ部112の通信可能領域内に近接した状態にあり、良好に安定してデータ通信が可能な状態にあるか否かを判定する処理を実行する。
具体的には、演算処理回路130は、無線通信用回路120を制御して、まず、スイッチ部116においてスイッチSW11、SW12をオン動作させるとともに、スイッチSW21、SW22をオフ動作させて、アンテナ群114Aと通信データ制御部124とを接続させる。
次いで、演算処理回路130は、無線通信用回路120の通信データ制御部124からアンテナ群114Aに配列された複数のループアンテナRAの各々に、通信確立用信号に応じた所定の電流を直列的に一括して供給することにより、ループアンテナRAの各々において所定の電波を送信させる。すなわち、スイッチ部116により選択されたアンテナ群114Aを使用して、携帯端末等200との通信を確立するための動作が実行される(ステップS104)。
ここで、無線通信装置100と携帯端末等200との間でデータ通信を行うために、例えば図1(a)、(b)に示したように、ユーザが携帯端末等200を無線通信装置100のアンテナ部112の通信可能領域内に近接させた状態においては、携帯端末等200の無線通信用回路220は、上記のアンテナ群114Aから送信された電波の受信状態を判定する。
NFC通信技術を用いたデータ通信においては、上述したように、携帯端末等200側のループアンテナ212と無線通信装置100側のループアンテナRAとの位置(より具体的には、双方のループアンテナにおける磁界の発生位置)が良好に整合(一致又は近接)した状態のとき、データ通信を安定して良好に実行することができる。一方、双方のループアンテナにおける磁界の発生位置が良好に整合していない状態のときは、データ通信を正常に行えずにエラーが発生したり、データ通信自体が行えなかったりして、データ通信を安定して実行することができないことが多い。このことから、無線通信用回路220は、アンテナ群114Aから送信された電波の受信状態に基づいて、携帯端末等200側のループアンテナ212と無線通信装置100側のループアンテナRAとの位置関係が良好に整合して、データ通信が安定して良好に実行することが可能な状態にあるか否かを判定する。そして、上記の電波の受信状態に基づいてデータ通信が可能な状態にある場合には、無線通信用回路220は、通信確立応答信号を含む電波をループアンテナ212から無線通信装置100に送信する。無線通信用回路120は、携帯端末等200から送信された通信確立応答信号を含む電波に基づいて、携帯端末等200との通信を確立する。
すなわち、演算処理回路130は、アンテナ群114Aから送信された通信確立用信号を含む電波に対して、携帯端末等200から送信された通信確立応答信号を含む電波を受信した場合には、携帯端末等200との通信が確立したものと判定し、上記の通信確立応答信号を含む電波を受信しなかった場合には、携帯端末等200との通信が確立していないものと判定する(ステップS106)。
携帯端末等200との通信が確立したものと判定された場合(ステップS106のYes)には、演算処理回路130は、スイッチ部116により選択されているアンテナ群114Aを、データ通信に使用可能なアンテナ群であると特定して、携帯端末等200とのデータ通信を実行する(ステップS108)。
ここで、携帯端末等200との通信が確立した状態においては、スイッチ部116により選択されたアンテナ群114Aに配列された複数のループアンテナRAの全てにおいて、アンテナ部112の通信可能領域内に近接させた携帯端末等200との通信の確立が可能な状態にあるが、これらのループアンテナRAのうち、携帯端末等200側のループアンテナ212と磁界の発生位置が良好に整合しているループアンテナRAは、一つのみとなる。すなわち、アンテナ部112に近接された携帯端末等200は、選択されたアンテナ群114Aに配列された複数のループアンテナRAのうちの、一つのループアンテナRAとのみ通信が確立されて実際にデータ通信が実行される。
一方、携帯端末等200との通信が確立していないものと判定された場合(ステップS106のNo)には、演算処理回路130は、無線通信用回路120を制御して、スイッチ部116においてスイッチSW11、SW12をオフ動作させるとともに、スイッチSW21、SW22をオン動作させて、アンテナ群114Bと通信データ制御部124とを接続させるように、アンテナ群を切り換える(ステップS110)。
次いで、上述したステップS104と同様に、無線通信用回路120は、スイッチ部116により選択されたアンテナ群114Bを使用して、携帯端末等200との通信を確立するための動作を実行する(ステップS112)。すなわち、ステップS104において通信に使用されたアンテナ群114Aとは異なる位置に磁界が発生するように、ループアンテナRAが配列されたアンテナ群114Bを使用して通信確立動作が実行される。
そして、上述したステップS106と同様に、演算処理回路130は、アンテナ群114Bから送信された通信確立用信号を含む電波に対して、携帯端末等200からの通信確立応答信号を含む電波を受信したか否かの結果に基づいて、携帯端末等200との通信が確立したか否かを判定する(ステップS114)。
携帯端末等200との通信が確立したものと判定された場合(ステップS114のYes)には、演算処理回路130は、スイッチ部116により選択されているアンテナ群114Bを、データ通信に使用可能なアンテナ群であると特定して、携帯端末等200とのデータ通信を実行する(ステップS116)。
一方、携帯端末等200との通信が確立していないものと判定された場合(ステップS114のNo)には、演算処理回路130は、アンテナ部112に設けられた、いずれのアンテナ群114A、114Bにおいても携帯端末等200とのデータ通信が不可能であると判定して、上述した一連の通信制御処理を終了する。
なお、本実施形態に係る通信制御方法は、図5のフローチャートに示した処理手順に限定されるものではなく、ステップS114において、いずれのアンテナ群114A、114Bにおいても携帯端末等200とのデータ通信が不可能であると判定された場合には、ステップS104に戻って、上述した一連の通信制御処理を繰り返し実行するものであってもよい。この場合、例えば、NFC通信機能が起動中は、一連の通信制御処理を常時、又は、定期的に繰り返し実行するものであってもよいし、一連の通信制御処理を複数回繰り返しても、携帯端末等200とのデータ通信が不可能であると判定された場合には、表示部や音響部等の出力手段を介して、ユーザにデータ通信が不可能である旨を通知した後、一連の通信制御処理を終了するようにしてもよい。
このように、本実施形態においては、複数のループアンテナが規則的に配列された複数のアンテナ群を、ループアンテナにおける磁界の発生位置が一致しないように、平面視してループアンテナ相互の位置をずらして積層した構成を有し、各層のアンテナ群が排他的に選択されて、当該アンテナ群に配列された複数のループアンテナに対して直列的に一括して所定の電流が供給されて、同時に通信が可能な状態に設定される。
ここで、NFC通信技術を用いたデータ通信において、上述した背景技術に示したように、リーダ/ライタ装置のアンテナ部に唯一つのループアンテナを配置しただけの構成を適用した場合、携帯端末等のループアンテナとの位置関係が良好に整合していないと、データが正常に送受信されなかったり、データ通信自体が失敗したりする場合がある。すなわち、リーダ/ライタ装置のアンテナ部の通信可能領域が、ループアンテナの位置に限定されてしまい、非常に狭い領域に設定されることになる。
これに対して、本実施形態においては、複数のループアンテナが配列された複数のアンテナ群が互いに位置をずらして、例えばループアンテナ相互の位置が部分的に重なるように積層された構成を有し、かつ、各層のアンテナ群を排他的に選択しつつ、当該アンテナ群の複数のループアンテナを同時に通信が可能な状態に設定する動作を順次実行することを特徴としている。これにより、アンテナ部に唯一つのループアンテナを配置した場合や、複数のループアンテナを唯一層のみ設けた場合に比較して、通信可能領域を広く設定することができるとともに、ループアンテナにより通信可能領域内に発生する磁界を、実質的に密に(高い密度で)、かつ、均質に設定することができる。したがって、無線通信装置と携帯端末等との間で、無線通信装置に対する携帯端末等の位置を厳密に指定することなく、相互のループアンテナの位置関係を比較的高い確率で良好に整合させることができ、容易に正常かつ良好に安定したデータ通信を行うことができる。
また、本実施形態においては、複数のアンテナ群をスイッチ部により排他的に選択し、当該アンテナ群に配列された複数のループアンテナに対して一括して電流の供給や読み取りを行うことにより、複数のループアンテナを切り換えて個別に通信を行う場合に比較して、スイッチ部の構成を簡素化することができるとともに、簡易な通信制御方法により無線通信装置と携帯端末等との間で通信を確立するまでの処理速度を向上させることができる。
<変形例>
次に、上述した第1の実施形態に係る無線通信装置の変形例について、図面を参照して説明する。ここで、上述した第1の実施形態と同等の構成や制御方法については、その説明を簡略化する。
図6、図7は、本実施形態に係る無線通信装置に適用されるアンテナ回路の変形例を示す概略図である。ここで、図6(b)、図7(a)においては、図示を簡明化するために、各層のアンテナ群に配列されるループアンテナの配置のみを概略的に示して、スイッチ部との配線を省略した。
上述した第1の実施形態においては、無線通信装置100のアンテナ部112として、複数のループアンテナRAが配列された2層のアンテナ群114A、114Bを備え、各層のループアンテナRAの位置が平面視して一致しないように、アンテナ群114Aとアンテナ群114Bとをずらして積層した構成について説明した。第1の実施形態の変形例においては、アンテナ部112が、3層以上のアンテナ群を備え、各層のループアンテナの位置が平面視して一致しないように各アンテナ群を積層した構成を有している。
本実施形態の変形例に係る無線通信装置100に適用されるアンテナ回路110は、例えば図6(a)、(b)に示すように、1本(単一)のアンテナ線が環状(ループ状)に巻回された複数のループアンテナRAが、例えば格子状に規則的に配列された3層のアンテナ群114C〜114Eが所定の位置関係で積層されたアンテナ部112を有している。また、本実施形態の他の変形例に係るアンテナ回路110は、例えば図7(a)に示すように、複数のループアンテナRAが格子状に規則的に配列された4層のアンテナ群114C〜114Fが所定の位置関係で積層されたアンテナ部112を有している。
ここで、アンテナ部112は、図6(b)、図7(a)に示すように、アンテナ群114C〜114E、又は、114C〜114Fを平面視した場合に、積層された各層間でループアンテナRAの位置が一致せず、部分的に重なるように、各層のアンテナ群114C〜114E、又は、114C〜114Fがずらして積層されている。すなわち、これらの変形例においても、上述した第1の実施形態と同様に、データ通信時に各ループアンテナRAにおいて発生する磁界の位置が、各層のアンテナ群114C〜114E間、又は、114C〜114F間で一致せず異なり、互いに補完し合って通信可能領域内で均一化されるように、アンテナ群114C〜114E、又は、114C〜114Fの積層時の位置関係、又は、各ループアンテナRAの位置が設定されている。
また、本変形例においても、各層のアンテナ群114C〜114E、又は、114C〜114Fにおいて、上述した第1の実施形態と同様に、1本(単一)のアンテナ線により、隣接するループアンテナRAのアンテナ線の巻回方向が交互に反転するように設定されている。すなわち、例えば図7(b)に示すように、隣接して配列されたループアンテナRA11、RA12、RA21、RA22、・・・が相互に対向する領域(図中、楕円で表記)に形成された各アンテナ線において、データ通信時に流れる電流の方向(図中、矢印参照)が同一になるように、各ループアンテナRA11、RA12、RA21、RA22、・・・におけるアンテナ線の巻回方向が設定されている。
このような構成を有するアンテナ回路において、積層された各層のアンテナ群を排他的に選択しつつ、当該アンテナ群の複数のループアンテナに直列的に一括して所定の電流を供給して、複数のループアンテナを同時に通信が可能な状態に設定する動作を順次実行する。これにより、上述した第1の実施形態と同様に、アンテナ部の通信可能領域を広く設定することができるとともに、ループアンテナにより通信可能領域内に発生する磁界を、実質的により密に(より高い密度で)、かつ、より均質に設定することができる。したがって、無線通信装置と携帯端末等との間で、無線通信装置に対する携帯端末等の位置を厳密に指定することなく、相互のループアンテナの位置関係をより高い確率で良好に整合させることができ、より容易に正常かつ良好に安定したデータ通信を行うことができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係るアンテナ回路を備えた無線通信装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、上述した第1の実施形態及び変形例と同等の構成や制御方法については、その説明を簡略化する。
図8は、第2の実施形態に係る無線通信装置に適用されるアンテナ回路の具体例を示す概略図である。
上述した第1の実施形態及び変形例においては、各層のアンテナ群114A〜114Fにおいて、1本(単一)のアンテナ線により複数のループアンテナRAを形成し、無線通信用回路120から所定の電流を直列的に一括して供給することにより、複数のループアンテナRAを同時に通信が可能な状態に設定する場合について説明した。すなわち、第1の実施形態及び変形例においては、各層のアンテナ群114A〜114Fに配列された複数のループアンテナRAが通信データ制御部124に対して直列に接続された構成を有していた。第2の実施形態においては、各層のアンテナ群114A〜114Fに配列された複数のループアンテナの各々が、個別のアンテナ線により形成されて、通信データ制御部124に対して並列に接続された構成を有している。
第2の実施形態に係る無線通信装置100に適用されるアンテナ回路110は、例えば図8に示すように、個別のアンテナ線が矩形状に巻回された複数のループアンテナRBが、規則的に配列された2層のアンテナ群114G、114Hを備え、上述した第1の実施形態と同様に、各層のループアンテナRBの位置が平面視して一致しないように、アンテナ群114Gとアンテナ群114Hとをずらして積層したアンテナ部112を有している。
ここで、各層のアンテナ群114G、114Hにおいて、例えば図8(a)に示すように、複数のループアンテナRBの各々が、個別のアンテナ線により形成されて、スイッチ部116を介して通信データ制御部124に並列的に接続されている。すなわち、データ通信時に各層のアンテナ群114Gに配列された複数のループアンテナRBに対して、通信データ制御部124から所定の電流を供給する際に、スイッチ部116を介して複数のループアンテナRBの各々に当該電流が並列的に一括して供給される。
また、本実施形態においては、各層のアンテナ群114G、114Hにおいて、例えば図8(b)に示すように、隣接して配列されたループアンテナRB11、RB12、RB21、RB22、・・・が相互に対向する領域(図中、楕円で表記)に形成された各アンテナ線において、データ通信時に流れる電流の方向(図中、矢印参照)が同一になるように、各ループアンテナRBに供給される電流の方向が逆転するように設定されている。あるいは、隣接するループアンテナRBの各々におけるアンテナ線の巻回方向が交互に反転するように設定されている。
このような構成を有するアンテナ回路において、積層された各層のアンテナ群を排他的に選択しつつ、当該アンテナ群の複数のループアンテナに並列的に一括して所定の電流を供給して、複数のループアンテナを同時に通信が可能な状態に設定する動作を順次実行する。これにより、上述した第1の実施形態と同様に、アンテナ部の通信可能領域を広く設定することができるとともに、ループアンテナにより通信可能領域内に発生する磁界を、実質的に密に(高い密度で)、かつ、均質に設定することができる。
また、本実施形態においては、選択された各層のアンテナ群に配列されたループアンテナの各々に、所定の電流を個別かつ直接に供給することができるので、所望の強さの磁界を均一に発生させることができる。したがって、無線通信装置と携帯端末等との間で、無線通信装置に対する携帯端末等の位置を厳密に指定することなく、相互のループアンテナの位置関係を高い確率で良好に整合させることができ、より容易に正常かつ良好に安定したデータ通信を行うことができる。
なお、上述した各実施形態及び変形例においては、本発明に係るアンテナ回路を備えた無線通信装置と、通信対象物である携帯端末等との間で、NFC通信技術を用いたデータ通信を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図1(b)に示したように、アンテナ部112が内蔵された載置台104に携帯端末等200を載置する形態の無線通信装置100を、送電機能を備えた給電装置と読み替えて、当該給電装置のループアンテナ(送電側コイルとして機能する)と携帯端末等のループアンテナ(受電側コイルとして機能する)とを近接させて整合させることにより、電磁誘導の原理を用いて携帯端末等に無接触状態で給電(又は、無接点充電)を行う技術分野にも良好に適用することができる。
この場合においても、複数のループアンテナ(送電側コイル)が配列したアンテナ群(コイル群)を、各層のループアンテナの位置が平面視して一致しないように複数積層したアンテナ部において、積層された各層のアンテナ群を排他的に選択しつつ、当該アンテナ群の複数のループアンテナに一括して充電用の電流を供給して、複数のループアンテナを同時に充電が可能な状態に設定する動作を順次実行する。これにより、アンテナ部の充電可能領域を広く設定することができるとともに、ループアンテナにより充電可能領域内に発生する磁界を、実質的に密に(高い密度で)、かつ、均質に設定することができ、給電装置と携帯端末等との間で、相互のループアンテナの位置関係を高い確率で良好に整合させて、効率的に給電を行うことができる。なお、このような無接触給電において、給電装置と携帯端末等との間で、携帯端末等における給電状態(相互のループアンテナの位置が良好に整合して、良好に給電が可能な状態にあるか、また、給電が正常に行われているか等の動作状態)を示すデータや情報を送受信するデータ通信を行うものであってもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
[1]
積層された複数のアンテナ群を有し、前記複数のアンテナ群の各々は、平面状に配列され、アンテナ線を巻回して形成されて前記アンテナ線に電流が流れる複数のループアンテナを有し、前記複数のループアンテナは、互いに隣接して配列される2つの前記ループアンテナの互いに対向する領域の前記アンテナ線に流れる前記電流の方向が同一になるように、前記アンテナ線の巻回方向及び前記電流の流れる方向が設定されているアンテナ部と、
前記複数のアンテナ群のうちの一つを選択するアンテナ制御部と、
を備えることを特徴とするアンテナ回路。
[2]
前記各アンテナ群が有する前記複数のループアンテナは、互いに隣接して配列される2つの前記ループアンテナの各々における前記アンテナ線の巻回方向が相互に反転する向きとなるように形成されていることを特徴とする[1]に記載のアンテナ回路。
[3]
前記各アンテナ群が有する前記複数のループアンテナは、単一の前記アンテナ線により形成され、前記アンテナ線の一端から前記電流が前記複数のループアンテナに直列的に一括して供給されることを特徴とする[2]に記載のアンテナ回路。
[4]
前記各アンテナ群が有する前記複数のループアンテナの各々は、個別のアンテナ線により互いに同じ巻回方向に形成され、前記電流が前記各ループアンテナに並列的に一括して供給され、互いに隣接して配列される2つの前記ループアンテナの各々における前記アンテナ線に流れる前記電流の方向が互いに逆方向となるように形成されていることを特徴とする[1]に記載のアンテナ回路。
[5]
前記複数のアンテナ群の各々の前記複数のループアンテナは、平面視して、互いに一致せず、一部が互いに重なる位置に配置されていることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載のアンテナ回路。
[6]
[1]乃至[5]のいずれかに記載されたアンテナ回路と、
通信対象物が前記アンテナ部に近接している状態で、前記複数のアンテナ群のうちで、前記通信対象物との通信が確立する一つの第1のアンテナ群を特定する通信データ制御部と、
を備え、
前記通信データ制御部は、前記アンテナ制御部により前記複数のアンテナ群の各々を順次選択させ、選択させた前記複数のアンテナ群の各々が有する前記複数のループアンテナに前記電流を供給して電波を送信させ、前記電波に応じた前記通信対象物との通信状態を検知した結果に基づいて前記第1のアンテナ群を特定することを特徴とする無線通信装置。
[7]
無線通信装置の通信制御方法において、
前記無線通信装置は、積層された複数のアンテナ群を有し、前記複数のアンテナ群の各々は、平面状に配列され、アンテナ線を巻回して形成されて前記アンテナ線に電流が流れる複数のループアンテナを有し、前記複数のループアンテナは、互いに隣接して配列される2つの前記ループアンテナの互いに対向する領域の前記アンテナ線に供給される前記電流の方向が同一になるように、前記アンテナ線の巻回方向が設定されているアンテナ部を有し、
通信対象物が前記アンテナ部に近接している状態で、前記複数のアンテナ群の各々が有する前記複数のループアンテナに前記電流を一括して供給して電波を送信させる動作を、前記複数のアンテナ群の各々について順次実行し、
前記電波に応じた前記通信対象物との通信状態を検知した結果に基づいて、前記複数のアンテナ群のうちの前記通信対象物との通信が確立する一つの前記アンテナ群を特定する、
ことを特徴とする無線通信装置の通信制御方法。
100 無線通信装置
102 タッチパッド
104 載置台
110 アンテナ回路
112 アンテナ部
114A〜114H アンテナ群
116 スイッチ部
120 無線通信用回路
122 スイッチ切換制御部
124 通信データ制御部
130 演算処理回路
200 携帯端末等
210 アンテナ部
212 ループアンテナ
RA、RB ループアンテナ

Claims (7)

  1. 積層された複数のアンテナ群を有し、前記複数のアンテナ群の各々は、平面状に配列され、アンテナ線を巻回して形成されて前記アンテナ線に電流が流れる複数のループアンテナを有し、前記複数のループアンテナは、互いに隣接して配列される2つの前記ループアンテナの互いに対向する領域の前記アンテナ線に流れる前記電流の方向が同一になるように、前記アンテナ線の巻回方向及び前記電流の流れる方向が設定されているアンテナ部と、
    前記複数のアンテナ群のうちの一つを選択するアンテナ制御部と、
    を備えることを特徴とするアンテナ回路。
  2. 前記各アンテナ群が有する前記複数のループアンテナは、互いに隣接して配列される2つの前記ループアンテナの各々における前記アンテナ線の巻回方向が相互に反転する向きとなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ回路。
  3. 前記各アンテナ群が有する前記複数のループアンテナは、単一の前記アンテナ線により形成され、前記アンテナ線の一端から前記電流が前記複数のループアンテナに直列的に一括して供給されることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ回路。
  4. 前記各アンテナ群が有する前記複数のループアンテナの各々は、個別のアンテナ線により互いに同じ巻回方向に形成され、前記電流が前記各ループアンテナに並列的に一括して供給され、互いに隣接して配列される2つの前記ループアンテナの各々における前記アンテナ線に流れる前記電流の方向が互いに逆方向となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ回路。
  5. 前記複数のアンテナ群の各々の前記複数のループアンテナは、平面視して、互いに一致せず、一部が互いに重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のアンテナ回路。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載されたアンテナ回路と、
    通信対象物が前記アンテナ部に近接している状態で、前記複数のアンテナ群のうちで、前記通信対象物との通信が確立する一つの第1のアンテナ群を特定する通信データ制御部と、
    を備え、
    前記通信データ制御部は、前記アンテナ制御部により前記複数のアンテナ群の各々を順次選択させ、選択させた前記複数のアンテナ群の各々が有する前記複数のループアンテナに前記電流を供給して電波を送信させ、前記電波に応じた前記通信対象物との通信状態を検知した結果に基づいて前記第1のアンテナ群を特定することを特徴とする無線通信装置。
  7. 無線通信装置の通信制御方法において、
    前記無線通信装置は、積層された複数のアンテナ群を有し、前記複数のアンテナ群の各々は、平面状に配列され、アンテナ線を巻回して形成されて前記アンテナ線に電流が流れる複数のループアンテナを有し、前記複数のループアンテナは、互いに隣接して配列される2つの前記ループアンテナの互いに対向する領域の前記アンテナ線に供給される前記電流の方向が同一になるように、前記アンテナ線の巻回方向が設定されているアンテナ部を有し、
    通信対象物が前記アンテナ部に近接している状態で、前記複数のアンテナ群の各々が有する前記複数のループアンテナに前記電流を一括して供給して電波を送信させる動作を、前記複数のアンテナ群の各々について順次実行し、
    前記電波に応じた前記通信対象物との通信状態を検知した結果に基づいて、前記複数のアンテナ群のうちの前記通信対象物との通信が確立する一つの前記アンテナ群を特定する、
    ことを特徴とする無線通信装置の通信制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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