JP2017058587A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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【課題】高画質を実現可能な小粒径トナーであり、かつ高耐久性を有する静電荷像現像用トナー、及び該トナーが良好な生産性で得られる静電荷像現像用トナーの製造方法に関すること。【解決手段】工程1:結着樹脂及び着色剤を含有する原料を溶融混練する工程、工程2:工程1で得られた混練物を粉砕し、最大径が2mm以下の粉砕物を得る工程、工程3:工程2で得られた粉砕物を、流動化剤の存在下、さらに粉砕する工程、及び工程4:工程3で得られた粉砕物を、分級する工程を含む方法により製造される静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂が、粉砕性指数が異なる2種以上の樹脂を含有し、粉砕性指数が最も低い樹脂の粉砕性指数が10以下である、静電荷像現像用トナー及びその製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
近年、高画質・高耐久のトナーが求められており、高画質については粉砕時にシリカ等の流動化剤を添加し、小粒径のトナーを効率よく製造する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、耐環境性を改善するため、それぞれ特定の酸価を有する粉砕性指数の異なる2種類の樹脂を結着樹脂として用いる方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2006−106226号公報 特開2004−309873号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、高画質、かつ高耐久なトナーを得るには不十分である。
本発明は、高画質を実現可能な小粒径トナーであり、かつ高耐久性を有する静電荷像現像用トナー、及び該トナーが良好な生産性で得られる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明は、
〔1〕 工程1:結着樹脂及び着色剤を含有する原料を溶融混練する工程、
工程2:工程1で得られた混練物を粉砕し、最大径が2mm以下の粉砕物を得る工程、
工程3:工程2で得られた粉砕物を、流動化剤の存在下、さらに粉砕する工程、及び
工程4:工程3で得られた粉砕物を、分級する工程
を含む方法により製造される静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂が、粉砕性指数が異なる2種以上の樹脂を含有し、粉砕性指数が最も低い樹脂の粉砕性指数が10以下である、静電荷像現像用トナー、並びに
〔2〕 工程1:結着樹脂及び着色剤を含有する原料を溶融混練する工程、
工程2:工程1で得られた混練物を粉砕し、最大径が2mm以下の粉砕物を得る工程、
工程3:工程2で得られた粉砕物を、流動化剤の存在下、さらに粉砕する工程、及び
工程4:工程3で得られた粉砕物を、分級する工程
を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂が、粉砕性指数が異なる2種以上の樹脂を含有し、粉砕性指数が最も低い樹脂の粉砕性指数が10以下である、静電荷像現像用トナーの製造方法
に関する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、高画質を実現可能な小粒径トナーであり、かつ高耐久性を有するものである。
本発明の静電荷像現像用トナーは、原料を溶融混練し、粗粉砕及び微粉砕し、分級する方法において、流動化剤の存在下で微粉砕する工程を含む方法により得られるトナーであり、結着樹脂として粉砕性指数が異なる2種以上の樹脂を含むものである。
一般的に、粉砕性指数が高い樹脂(硬い樹脂又は靱性の高い樹脂)を使用することで、トナーの耐久性が向上するが、粉砕工程で樹脂が割れにくく生産性が低下する。一方で、粉砕性指数が低い樹脂を使用することで、トナーの生産性は向上するが、耐久性が劣る。さらに、粉砕性指数が高い樹脂と粉砕性指数が低い樹脂を併用した場合においては、粉砕時に粉砕性指数の低い樹脂の部位で割れるため、トナー表面に粉砕性指数が低い部位が多く存在し耐久性が劣る。例えば、特許文献2の実施例8及び比較例1では、低粉砕性指数樹脂の粉砕性指数が3及び8であり耐久性は「○」の結果であるが、これは、特許文献2ではトナー粒径が8.0μmであるため比較的容易に粉砕可能であり、トナー表面の低粉砕性樹脂の部位が比較的少ないためと考えられる。しかしながら、トナーの粒径を小さくしようとするほど、大きな粉砕エネルギーが必要になり粉砕時に粉砕性指数の低い部位で割れやすくなり耐久性が大きく低下し、トナーの粒径が6.5μm以下である場合にその傾向がより顕著に現れる。また、粉砕性指数が10以下の樹脂を含まない場合は粉砕性が大きく低下する。
このように良好な生産性と耐久性は相反するが、本発明者らは、粉砕性指数が異なる2種以上の樹脂を使用し流動化剤の存在下で粉砕、分級することにより、良好な生産性と良好な耐久性の両立が可能であることを見出した。
生産性と耐久性が両立する詳細なメカニズムは不明であるが、粉砕性指数が異なる2種以上の樹脂を使用した場合、粉砕工程では粉砕性指数が最も低い樹脂の部分で割れやすくトナー表面には粉砕性指数が低い部分が多く存在するが、流動化剤の存在下で粉砕しているため、トナー表面の粉砕性指数が低い部分に流動化剤が選択的に埋没する。トナー表面の粉砕性指数が低い部分に流動化剤が埋没することで、トナー表面の粉砕性指数の低い部分は流動化剤でコーティングされた状態になり耐久性が向上するものと推察される。
工程1は、結着樹脂及び着色剤を含有する原料を溶融混練する工程である。
結着樹脂は、粉砕性指数が異なる2種以上の樹脂を含有する。
粉砕性指数が最も低い樹脂の粉砕性指数は、小粒径のトナーを良好な生産性で得る観点から、10以下であり、小粒径のトナーであっても良好な耐久性を維持する観点から、好ましくは1以上、より好ましくは5以上である。
粉砕性指数が最も高い樹脂の粉砕性指数は、耐久性の観点から、好ましくは15以上、より好ましくは20以上であり、生産性の観点から、好ましくは35以下、より好ましくは30以下である。
粉砕性指数が最も高い樹脂と最も低い樹脂の粉砕性指数の差は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上であり、耐久性及び生産性の観点から、好ましくは25以下、より好ましくは20以下である。
樹脂の粉砕性指数はモノマー種とその比率、架橋度、分子量等により調整することができる。例えば、粉砕性指数が高い樹脂を得る観点からは、原料モノマーとして、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような反応性の低いアルコール成分を用いたり、無水トリメリット酸のような3価以上の原料モノマーを用いたりして、樹脂の軟化点又は分子量を高くすることが好ましい。一方、粉砕性指数が低い樹脂を得る観点からは、原料モノマーとして、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のような反応性の高いアルコール成分を用いたり、無水トリメリット酸のような3価以上の原料モノマーの使用量をなるべく少なくしたりして、樹脂の軟化点又は分子量を低くすることが好ましい。
粉砕性指数が最も高い樹脂と最も低い樹脂の粉砕性指数の比(粉砕性指数が最も高い樹脂/粉砕性指数が最も低い樹脂)は、好ましくは5/4以上、より好ましくは5/3以上、さらに好ましくは5/2以上であり、耐久性及び生産性の観点から、好ましくは20/1以下、より好ましくは10/1以下である。
粉砕性指数が10以下の樹脂の含有量は、結着樹脂中、耐久性及び生産性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、耐久性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
粉砕性指数が15以上の樹脂の含有量は、結着樹脂中、耐久性の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、耐久性及び生産性の観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルポリアミド等の重縮合系樹脂、スチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられるが、本発明では、耐久性及び低温定着性の観点から、ポリエステルが好ましい。
ポリエステルは、2価以上のアルコールを含有するアルコール成分と2価以上のカルボン酸系化合物を含有するカルボン酸成分とを含む原料モノマーの重縮合により得られるものが好ましい。
アルコール成分としては、耐久性及び帯電安定性の観点から、式(I):
Figure 2017058587
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは4以下である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。
他のアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、グリセリン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
一方、カルボン酸成分において、2価のカルボン酸系化合物としては、耐久性の観点から、芳香族ジカルボン酸系化合物が好ましい。また、低温定着性の観点からは、脂肪族ジカルボン酸系化合物が好ましい。
芳香族ジカルボン酸系化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸;それらの酸の無水物又はそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中では、テレフタル酸又はイソフタル酸がより好ましく、テレフタル酸がさらに好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なお、本発明において、カルボン酸系化合物には、遊離酸だけでなく、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び炭素数1〜3のアルキルエステルも含まれる。
芳香族ジカルボン酸系化合物の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは10モル%以上、より好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上である。
脂肪族ジカルボン酸系化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;それらの酸の無水物又はそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
脂肪族ジカルボン酸系化合物の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上であり、帯電安定性の観点から、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下である。
また、カルボン酸成分は、生産性の観点から、3価以上のカルボン酸系化合物を含有していることが好ましい。
3価以上のカルボン酸系化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸又はこれらの酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中では、トリメリット酸系化合物が好ましい。
3価以上のカルボン酸系化合物の含有量、好ましくはトリメリット酸系化合物の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上であり、低温定着性の観点から、好ましくは50モル%以下、より好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは35モル%以下である。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸系化合物が、分子量調整の観点から、適宜含有されていてもよい。
カルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、ポリエステルの軟化点を調整する観点から、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下である。
アルコール成分とカルボン酸成分の重縮合は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、180℃以上250℃以下程度の温度で行うことができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒とともに用い得るエステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.6質量部以下である。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
ポリエステルの軟化点は、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは105℃以上であり、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは130℃以下である。2種以上のポリエステルを含有する場合は、軟化点の加重平均値が上記範囲にあることが好ましい。
ポリエステルのガラス転移温度は、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上、さらに好ましくは60℃以上であり、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、さらに好ましくは70℃以下である。
ポリエステルの酸価は、トナーの帯電量の環境安定性を向上させる観点から、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下、さらに好ましくは20mgKOH/g以下であり、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは2mgKOH/g以上である。
本発明のトナーは、耐高温オフセット性及び低温定着性の観点から、軟化点が20℃以上異なる2種のポリエステルを含むことが好ましく、耐久性の観点から、粉砕性指数が高い方のポリエステルが、粉砕性指数が低い方のポリエステルよりも軟化点が高い、即ち粉砕性指数の高い方のポリエステルがポリエステルHであり、粉砕性指数の低い方のポリエステルがポリエステルLであることが好ましい。
軟化点の高い方のポリエステルHの軟化点は、低温定着性の観点から、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下であり、耐高温オフセット性の観点から、好ましくは110℃以上、より好ましくは130℃以上である。
軟化点の低い方のポリエステルLの軟化点は、耐久性の観点から、好ましくは80℃以上、より好ましくは95℃以上であり、低温定着性の観点から、好ましくは125℃以下、より好ましくは115℃以下である。
ポリエステルHとポリエステルLの軟化点の差は、耐高温オフセット性と低温定着性の観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上であり、帯電性の観点から、好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下である。
ポリエステルHとポリエステルLの質量比(ポリエステルH/ポリエステルL)は、耐久性及び生産性の観点から、好ましくは20/80以上、より好ましくは40/60以上、さらに好ましくは55/45以上であり、低温定着性の観点から、好ましくは80/20以下、より好ましくは60/40以下、さらに好ましくは45/55以下である。
結着樹脂中のポリエステルの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは実質的に100質量%、さらに好ましくは100質量%である。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、トナーの画像濃度及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、好ましくは40質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
原料は、結着樹脂及び着色剤以外に、離型剤、荷電制御剤等を含有していてもよい。
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス;マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス又はそれらの酸化物;カルナウバワックス、モンタンワックス又はそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス;脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
離型剤の融点は、トナーの転写性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、低温定着性の観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは140℃以下である。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点及び結着樹脂中への分散性の観点から、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、さらに好ましくは1.5質量部以上であり、同様の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは7質量部以下である。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエント化学工業(株)製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業(株)製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業(株)製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成工業(株)製)等;スチレン−アクリル系樹脂、例えば「FCA-701PT」(藤倉化成(株)製)等が挙げられる。
また、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業(株)製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T-77」(保土谷化学工業(株)製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット(株)製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「ボントロンE-304」(以上、オリエント化学工業(株)製)、「TN-105」(保土谷化学工業(株)製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、同様の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
原料には、さらに、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜用いられていてもよい。
工程1において、溶融混練に供する原料は、ヘンシェルミキサー等により予備混合して、溶融混練工程に供するのが好ましい。原料の溶融混練には、常法に従い、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機の公知の混練機を用いて行うことができる。
例えば、オープンロール型混練機としては、少なくとも2本のロールを備え、溶融混練部がオープン型であるものをいい、少なくとも加熱ロールと冷却ロールとの2本のロールを備えた混練機を用いることが好ましい。かかるオープンロール型混練機は、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、オープンロール型混練機は、生産効率の観点から、連続式であるのが好ましい。
さらに、前記オープンロール型混練機において、2本のロールは並行に近接して配設されていることが好ましく、ロールの間隙は、0.01〜5mmが好ましく、0.05〜2mmがより好ましい。また、ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよい。
ロールの回転数、即ち周速度は、2〜100m/minであることが好ましい。冷却ロールの周速度は2〜100m/minが好ましく、10〜60m/minがより好ましく、15〜50m/minがさらに好ましい。また、2本のロールは、互いに周速度が異なっていることが好ましく、2本のロールの周速度の比(冷却ロール/加熱ロール)は、1/10〜9/10が好ましく、3/10〜8/10がより好ましい。
混練物が加熱ロールに張りつきやすくするために、加熱ロールの温度は結着樹脂の軟化点及びその他の原料の融点のいずれの温度よりも高いことが好ましく、冷却ロールの温度は結着樹脂の軟化点及びその他の原料の融点のいずれの温度よりも低く調整されているのが好ましい。具体的には、加熱ロールの温度は80〜200℃が好ましく、冷却ロールの温度は20〜140℃が好ましい。加熱ロールと冷却ロールの温度の差は、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。なお、ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
加熱ロール、特に原料投入側の温度は、結着樹脂の軟化点及びその他の原料の融点のいずれの温度よりも高いことが好ましく、そのいずれかの高い方の温度よりも、0〜80℃高いことがより好ましく、5〜50℃高いことがさらに好ましい。また、冷却ロールの温度は、結着樹脂の軟化点及びその他の原料の融点のいずれの温度よりも低いことが好ましく、そのいずれかの低い方の温度よりも、0〜80℃低いことがより好ましく、40〜80℃低いことがさらに好ましい。
工程1の後、得られた混練物を粉砕可能な硬度に達するまで適宜冷却し、工程2で粉砕する。ここで、冷却とは、混練物を0℃〜50℃まで冷却すること、または、混練物中の結着樹脂のガラス転移温度以下まで冷却することを言う。
工程2は、工程1で得られた混練物を粉砕し、最大径が2mm以下の粉砕物を得る工程である。以降、工程2の粉砕を粗粉砕ともいう。
粗粉砕に用いられる粉砕機としては、ハンマーミル、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられる。
工程1で得られた混練物を、粒径が0.1mm以上2mm以下程度になるまで適宜粗粉砕した後、目開きが2mmの篩に通し、篩を通過した粉砕物を、最大径が2mm以下の粉砕物として工程3に用いる。
工程3は、工程2で得られた粉砕物を、流動化剤の存在下、さらに粉砕する工程である。以降、工程3の粉砕を微粉砕ともいう。
流動化剤としては、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化錫等の無機微粒子が挙げられ、これらの中では、帯電性付与の観点から、シリカ又は二酸化チタンが好ましく、シリカがより好ましく、疎水化処理された疎水性シリカがさらに好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
流動化剤の平均粒子径は、トナー表面に流動化剤が付着し耐久性を向上させる観点から、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上であり、粉砕時のトナー粒子の流動性向上の観点から、好ましくは50nm以下、より好ましくは20nm以下である。
流動化剤の使用量は、工程2で得られた粉砕物100質量部に対して、耐久性及び生産性の観点から、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、さらに好ましくは1.5質量部以上であり、帯電安定性及び低温定着性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下である。
工程3では、工程2で得られた粉砕物と流動化剤を予め、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いて混合した後、微粉砕することが好ましい。
微粉砕に用いられる粉砕機としては、流動層式カウンタージェットミル、衝突板式ジェットミル、回転型機械式ミル等が挙げられる。
微粉砕の程度は、目的とするトナー粒径に応じて、適宜調整することが好ましいが、工程2で得られた粉砕物を、粒径が7μm以下程度になるまで適宜粉砕した後、粉砕物として工程4に用いることが好ましい。
工程4は、工程3で得られた粉砕物を、分級する工程である。
分級に用いられる分級機としては、気流式分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。
工程3で得られた粉砕物を、粒径が5μm以上7μm以下程度になるように分級した後、分級物として工程5に用いることが好ましい。
さらに、転写性を向上させるために、
工程5:工程4で得られた分級物を外添剤と混合する工程
を行うことが好ましい。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の樹脂粒子等の有機微粒子が挙げられ、2種以上が併用されていてもよい。これらの中では、シリカが好ましく、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであることがより好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
外添剤の平均粒子径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上であり、同様の観点から、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは90nm以下である。
外添剤の使用量は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、分級物100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、同様の観点から、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
工程4で得られた分級物と外添剤との混合には、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いることができる。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは6.5μm以下である。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、外添剤で処理する前のトナー粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定した。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔樹脂の粉砕性指数(PI)〕
樹脂を粗砕し、目開きが1mm、710μmのメッシュを重ね合わせた篩にかける。目開きが710μmのメッシュ上にたまった粗砕物、すなわち粒径が710μm以上1mm以下にそろった粗砕物20gを、コーヒーミル(National CARIOCA-MILL MK-51M)を用いて10秒間粉砕する。粉砕した粗砕物を目開きが500μmのメッシュで篩い、下式
[メッシュ上に残存した粗砕物の質量(g)/20(g)]×100
から算出される値を、粉砕性指数とする。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し測定する。そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度を離型剤の融点とする。
〔流動化剤及び外添剤の平均粒子径〕
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、外添剤の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定した、500個の粒子の粒径の数平均値とする。長径と短径がある場合は長径を指す。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター(株)製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター(株)製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター(株)製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例1〔樹脂A〕
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃から210℃まで5時間かけて昇温して反応させた後、8.3kPaにて1時間反応を行った。その後、無水トリメリット酸を投入し、1時間常圧で反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂Aを得た。
樹脂製造例2〔樹脂B〜D〕
表1に示す原料モノマーと、原料モノマーの総量100質量部に対して0.5質量部の2-エチルヘキサン酸錫(II)を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、それぞれ、樹脂B〜Dを得た。なお、反応率とは、[生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)]×100の値をいう。
Figure 2017058587
実施例1〜9及び比較例1〜9
〔工程1〕
表2に示す結着樹脂100質量部、青色着色剤(ピグメント・ブルー 15:3)5質量部、ポリプロピレンワックス「NP-105」(三井化学(株)製、融点:140℃)2質量部、及び負帯電性荷電制御剤「ボントロン E-84」(オリエント化学工業(株)製)1質量部をヘンシェルミキサーに投入し、槽内温度40℃で2分間攪拌混合して原料混合物を得た。得られた原料混合物をオープンロール型混練機により120℃で溶融混練し、混練物を得た。
溶融混練には、連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業(株)製、ロール外径:14cm、有効ロール長:55cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度75r/min(32.4m/min)、低回転側ロール(バックロール)周速度35r/min(15.0m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が150℃及び混練物排出側が100℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の上記混練機への供給速度は10kg/h、上記混練機中の平均滞留時間は約3分間であった。
〔工程2〕
得られた混練物を空気中で25℃程度まで冷却したのち、アトマイザー(東京アトマイザー製造(株)製)にて粗粉砕し、目開き2mmの篩いに通し、最大径2mm以下の粗粉砕物を得た。
〔工程3〕
得られた粗粉砕物100質量部と、流動化剤として表2に示す量の疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル(株)製、疎水化処理剤:DMDS、平均粒子径:16nm)とをヘンシェルミキサーで2分間混合した。ここで得られた疎水性シリカが付着した粗粉砕物の一部を採取し、後述の試験例に用いた。
疎水性シリカが付着した粗粉砕物を、粉砕時の風圧を0.45MPaに調整したジェットミル粉砕機IDS-2型(日本ニューマチック(株)製)にて微粉砕し、体積中位粒径が5.2μmの微粉砕物を得た。このときの粉砕フィード量を表2に示す。粉砕フィード量が多いほど、生産性が良好であることを示す。
〔工程4〕
得られた微粉砕物をロータ式分級機 TTSP-100(ホソカワアルピネ社製)にて分級し、体積中位粒子径(D50)が5.5μm、粒径が3μm以下の粒子の含有量が3個数%のトナー粒子を得た。このときの分級収率(分級後のトナー粒子/分級前の微粉砕物×100)を表2に示す。分級収率が高いほど、生産性が良好であることを示す。
〔工程5〕
得られたトナー粒子100質量部と、疎水性シリカ「NAX50」(日本アエロジル(株)製、疎水化処理剤:HMDS、平均粒子径:30nm)2.0質量部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)にて2100r/min(周速度29m/sec)で3分間混合して、トナーを得た。
試験例〔耐久性〕
非磁性一成分現像装置「Microline5400」((株)沖データ製)のトナーカートリッジを外部モーターにより駆動できる空転機に装填し、A4用紙換算で40枚/min相当の印字速度に調整し、トナーを実装した。空転機を連続運転し1時間毎に、現像ローラー表面のスジの発生状況を目視で観察した。スジが発生しない最大の時間を耐久性として評価した。結果を表2に示す。
Figure 2017058587
以上の結果より、実施例1〜9では、小粒径、かつ耐久性の良好なトナーが、生産性よく得られていることが分かる。
これに対し、粗粉砕物の微粉砕工程で流動化剤を使用していない比較例1〜4で得られたトナーは、耐久性が低く、分級収率も低く生産性に欠けている。
粉砕性指数が10以下のポリエステルを使用していない比較例5〜8では、耐久性が良好なトナーが得られているものの、粉砕フィード量が少なく、生産性に欠けている。
粉砕性指数が10以下のポリエステルのみを使用した比較例9では、耐久性に欠けている。
本発明の静電荷像現像トナーは、静電荷像現像法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (6)

  1. 工程1:結着樹脂及び着色剤を含有する原料を溶融混練する工程、
    工程2:工程1で得られた混練物を粉砕し、最大径が2mm以下の粉砕物を得る工程、
    工程3:工程2で得られた粉砕物を、流動化剤の存在下、さらに粉砕する工程、及び
    工程4:工程3で得られた粉砕物を、分級する工程
    を含む方法により製造される静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂が、粉砕性指数が異なる2種以上の樹脂を含有し、粉砕性指数が最も低い樹脂の粉砕性指数が10以下である、静電荷像現像用トナー。
  2. 粉砕性指数の異なる2種以上の樹脂がポリエステルである、請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 粉砕性指数が最も高い樹脂の粉砕性指数が15以上である、請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 粉砕性指数が最も高い樹脂と最も低い樹脂の粉砕性指数の差が5以上である、請求項1〜3いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  5. トナーの体積中位粒径が6.5μm以下である、請求項1〜4いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 工程1:結着樹脂及び着色剤を含有する原料を溶融混練する工程、
    工程2:工程1で得られた混練物を粉砕し、最大径が2mm以下の粉砕物を得る工程、
    工程3:工程2で得られた粉砕物を、流動化剤の存在下、さらに粉砕する工程、及び
    工程4:工程3で得られた粉砕物を、分級する工程
    を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂が、粉砕性指数が異なる2種以上の樹脂を含有し、粉砕性指数が最も低い樹脂の粉砕性指数が10以下である、静電荷像現像用トナーの製造方法。
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