JP2017058230A - 材料試験機用つかみ具および材料試験機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 試験片のつかみ代が小さい場合であっても、試験片を確実に把持することが可能な材料試験機用つかみ具およびこのつかみ具を備えた材料試験機を提供する。【解決手段】 上つかみ具11および下つかみ具12は、ベース部材69と、試験片100を両側から把持するための一対のつかみ歯31と、このつかみ歯31の外側に配設された一対の押圧部材41と、一対の押圧部材41に形成された凹部内に配設された一対の支持部材と、一対のつかみ歯31間に隙間を形成するための一対の支持部材により支持されたスペーサボルト52と、一対の押圧部材41間の距離を変更するための2本の付勢用ボルト51とを備える。【選択図】 図3

Description

この発明は、材料試験機において試験片を把持するための材料試験機用つかみ具に関する。
このようなつかみ具の一例としては、試験片の両側に配設された一対のつかみ歯をボルトにより締め付けることで、一対のつかみ歯を互いに近接させることにより、これら一対のつかみ歯によって試験片を把持する構成がある。
特許文献1には、試験片の一方の端部を挟持する2枚の把持片と、この両把持片の他端側間に介設され支点を構成するスペーサと、両把持片の試験片を把持する把持端側とスペーサとの間に2枚の把持片を互いに引き寄せ締め付ける締付機構とを備えた試験片の把持具が開示されている。
特開2009−36785号公報
近年、小型で高強度の試験片に対して材料試験を実行したいという要請が増加している。このような試験片に対して材料試験を実行するときには、つかみ歯による試験片のつかみ代(つかみ歯部分に差し込まれる試験片の長さ)が小さな領域となるため、つかみ歯に発生する撓みによりつかみ歯の先端部に開きが生じ、十分な把持力で試験片を把持することができないばかりではなく、試験片を不均一な状態で把持することになってチャック切れと呼称される把持部分での試験片の破断が生じる場合がある。
特許文献1に記載の試験片の把持具は、スペーサの作用により試験片を簡便かつ確実に把持できる優れたものではあるが、試験片のつかみ代が極めて小さな領域となった場合には、従来同様、把持片に撓みが生じ、十分な把持力を得ることができないという問題が生ずる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、試験片のつかみ代が小さい場合であっても、試験片を確実に把持することが可能な材料試験機用つかみ具およびこのつかみ具を備えた材料試験機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、材料試験機において試験片を把持するための材料試験機用つかみ具において、端部に試験片との当接領域を有し、当該当接領域により試験片を両側から把持する一対のつかみ歯と、前記一対のつかみ歯における前記当接領域から離隔した位置に配設され、前記一対のつかみ歯間に隙間を形成するためのスペーサ部材と、前記一対のつかみ歯の両側に配設され、前記一対のつかみ歯における前記当接領域の裏側の領域と、前記一対のつかみ歯における前記当接領域から離隔した位置の裏側の領域とにおいて、前記一対のつかみ歯に当接する一対の押圧部材と、前記一対のつかみ歯における前記当接領域と、前記一対のつかみ歯における前記スペーサ部材により距離を一定に維持された領域との間の領域において、前記一対の押圧部材を互いに近接する方向に付勢する付勢部材と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の材料試験機用つかみ具において、前記スペーサ部材は、前記一対のつかみ歯間の隙間の大きさを変更可能である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の材料試験機用つかみ具において、前記スペーサ部材は、前記一対のつかみ歯における一方のつかみ歯に螺合する第1のネジ部と、前記一対のつかみ歯における他方のつかみ歯に螺合する前記第1のネジ部とは逆ネジである第2のネジ部と、を備えるボルトである。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具において、前記付勢部材は、前記一対の押圧部材と係合することにより、前記一対の押圧部材間の距離を変更するボルトである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具を備えた材料試験機である。
請求項1および請求項5に記載の発明によれば、押圧部材の作用によりつかみ歯における当接領域を試験片方向に移動させることで、試験片のつかみ代が小さい場合であっても、試験片を確実に把持することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、試験片のサイズが変わった場合においても、つかみ歯間のスペースを調整して、試験片を確実に把持することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、ボルトを回転させることだけで、つかみ歯間のスペースを容易に調整することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、簡易な構造でありながら、押圧部材によりつかみ歯における当接領域を試験片方向に移動させることが可能となる。
この発明に係る材料試験機用つかみ具を備えた材料試験機の概要図である。 上つかみ具11および下つかみ具12により試験片100を把持した状態を示す正面図である。 上つかみ具11および下つかみ具12により試験片100を把持した状態を示す側面図である。 つかみ歯31の概要図である。 押圧部材41の概要図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る材料試験機用つかみ具を備えた材料試験機の概要図である。
この材料試験機は、支持台24上のテーブル21により支持された一対のコラム22と、これら一対のコラム22により支持された架台23とを備える。この架台23には、試験片100に試験力を負荷するための油圧シリンダ15が配設されている。この油圧シリンダ15のシリンダロッド16には、試験片100の上端を把持するためのこの発明に係る材料試験機用つかみ具としての上つかみ具11が、上部アダプタ13を介して取り付けられている。
一方、テーブル21の上には、試験片100に付与される試験力を検出するためのロードセル17が配設されている。このロードセル17には、試験片100の下端を把持するためのこの発明に係る材料試験機用つかみ具としての下つかみ具12が、下部アダプタ14を介して取り付けられている。
この材料試験機においては、試験片100の両端を上つかみ具11および下つかみ具12により把持した状態で、油圧シリンダ15の駆動により上つかみ具11が昇降することにより、試験片100に試験力が付与されて材料試験が実行される。
次に、この発明に係る材料試験機用つかみ具の構成について説明する。図2は、この発明に係る材料試験機用つかみ具としての上つかみ具11および下つかみ具12により試験片100を把持した状態を示す正面図であり、図3は、その側面図である。また、図4は、つかみ歯31の概要図である。ここで、図4(a)はつかみ歯31の正面を示し、図4(b)はつかみ歯31の側面を示している。さらに、図5は、押圧部材41の概要図である。ここで、図5(a)は押圧部材41の正面を示し、図5(b)は押圧部材41の側面を示している。
この発明に係る材料試験機用つかみ具としての上つかみ具11および下つかみ具12は、ベース部材69と、試験片100を両側から把持するための一対のつかみ歯31と、このつかみ歯31の外側に配設された一対の押圧部材41と、一対の押圧部材41に形成された凹部49(図5(a)参照)内に配設された一対の支持部材61(図2参照)と、一対のつかみ歯31間に隙間を形成するための一対の支持部材61により支持されたスペーサボルト52と、一対の押圧部材41間の距離を変更するための2本の付勢用ボルト51とを備える。
一対のつかみ歯31は、図4に示すように、本体34の端部に、試験片100との当接領域33を備える。この当接領域33の表面には、試験片100との摩擦係数を大きくするための筋目加工が施されている。この本体34における当接領域33から離隔した位置には、スペーサボルト52の外周部のネジ部と螺合するネジ孔36が形成されている。ここで、一対のつかみ歯31におけるネジ孔36は、互いに逆ネジとなっている。すなわち、図3に示す右側のつかみ歯31におけるネジ孔36は右ネジとなっており、図3に示す左側のつかみ歯31におけるネジ孔36は左ネジとなっている。従って、スペーサボルト52の外周部に形成されたネジ部も、図3に示す右側のつかみ歯31に螺合するネジ部54は右ネジとなっており、図3に示す左側のつかみ歯31に螺合するネジ部53は左ネジとなっている。また、当接領域33とネジ孔36との間には、付勢用ボルト51を貫通させるための貫通孔35(所謂「バカ孔」)が形成されている。
右ネジのネジ部54と左ネジのネジ部53とを備えたスペーサボルト52は、この発明に係るスペーサ部材を構成するものであり、上述したように一対の押圧部材41に形成された凹部49(図5(a)参照)内に配設され、ベース部材69に固定された支持部材61に対して、回転可能に支持されている。このため、このスペーサボルト52を回転させたときには、一対のつかみ歯31は、互いに同期して、互いに近接する方向または互いに離隔する方向に移動する。これにより、スペーサボルト52と螺合する位置における一対のつかみ歯31間の距離を変更することが可能となる。
一対の押圧部材41は、図5に示すように、本体44の両端部に形成された凸部47、48を備える。凸部47は、つかみ歯31における当接領域33の裏側の領域37(図4(b)参照)と当接する。また、凸部48は、つかみ歯31における当接領域33から離隔した位置である当接領域33とは逆側の端部の裏側の領域38と当接する。この押圧部材41の本体44には、一対の付勢用ボルト51を貫通させるための一対の孔部45が形成されている。この孔部44のうち、図3に示す右側の押圧部材41における孔部44は、付勢用ボルト51の頭部以外を通過させるための貫通孔(所謂「バカ孔」)となっている。一方、この孔部45のうち、図3に示す左側の押圧部材41における孔部45は、付勢用ボルト51の外周部のネジ部と螺合するネジ孔となっている。
このため、付勢用ボルト51を、一方の押圧部材41の貫通孔である孔部45を貫通させ、一対のつかみ歯31における貫通孔35を貫通させた後、他方の押圧部材41のネジ孔である孔部45と螺合させた状態で回転させることにより、一対の押圧部材41間の距離を変更することが可能となる。この付勢用ボルト51は、この発明に係る付勢部材を構成する。
以上のような構成を有する上つかみ具11または下つかみ具12により試験片100を把持するときには、最初に、スペーサボルト52を回転させることにより、一対のつかみ歯31間の距離を、試験片100のサイズ(把持する方向の厚さ)に対応させて調整する。このとき、上述したように、図3に示す右側のつかみ歯31におけるネジ孔36は右ネジであり、図3に示す左側のつかみ歯31におけるネジ孔36は左ネジであるとともに、スペーサボルト52の外周部に形成されたネジ部も、図3に示す右側のつかみ歯31に螺合するネジ部54は右ネジであり、図3に示す左側のつかみ歯31に螺合するネジ部53は左ネジである。このため、スペーサボルト52をいずれかの方向に回転させたときには、一対のつかみ歯31は、互いに同期して、互いに近接する方向または互いに離隔する方向に移動する。これにより、一対のつかみ歯31間の距離を、それらの中央の位置を一定に維持したままの状態で、任意に変更することが可能となる。なお、このときには、一対の付勢用ボルト51は、緩めた状態としておく。
次に、一対のつかみ歯31の間に試験片100を配置する。しかる後、一対の付勢用ボルト51を締め付ける。このときには、一対のつかみ歯31間にはスペーサボルト52により隙間が形成されており、また、付勢用ボルト51は、つかみ歯31における当接領域33の裏側の領域37と当接する凸部47と、凸部48の位置およびスペーサボルト52により一対のつかみ歯31に隙間が調整された位置との間の領域において押圧部材41を互いに近接する方向に付勢することになる。
これにより、一対のつかみ歯31は、押圧部材41によりつかみ歯31における当接領域33の裏側の領域37に対して付勢力を受けることになる。このため、一対のつかみ歯31における当接領域33においてのみ、試験片100に対する挟持力が発生することになり、また、つかみ歯31に撓みが発生することを防止することが可能となる。そして、スペーサボルト52の作用により、付勢用ボルト51による付勢力は、テコの原理によってつかみ歯31における当接領域33の裏側の領域37に作用する。これにより、試験片100のつかみ代が小さい場合であってもつかみ代部分だけに把持力が作用するから、付勢用ボルト51に付勢力が押圧部材41の中央部を多少撓ませたとしても試験片100を確実かつ均一に把持することが可能となる。
なお、上述した実施形態においては、右ネジと左ネジとが形成されたスペーサボルト52をスペーサ部材として利用することにより一対のつかみ歯31間に隙間を形成する構成を採用しているが、つかみ歯31間の間隔を押しネジと引きネジを組み合わせて調節する構成を採用してもよい。また、試験片100のサイズが一定である場合等においては、スペーサ部材により形成される隙間を一定としてもよい。
11 上つかみ具
12 下つかみ具
15 油圧シリンダ
16 シリンダロッド
17 ロードセル
21 テーブル
22 コラム
23 架台
31 つかみ歯
33 当接領域
34 本体
35 貫通孔
36 ネジ孔
41 押圧部材
44 本体
45 孔部
47 凸部
48 凸部
51 付勢用ボルト
52 スペーサボルト
53 ネジ部
54 ネジ部
61 支持部材
100 試験片

Claims (5)

  1. 材料試験機において試験片を把持するための材料試験機用つかみ具において、
    端部に試験片との当接領域を有し、当該当接領域により試験片を両側から把持する一対のつかみ歯と、
    前記一対のつかみ歯における前記当接領域から離隔した位置に配設され、前記一対のつかみ歯間に隙間を形成するためのスペーサ部材と、
    前記一対のつかみ歯の両側に配設され、前記一対のつかみ歯における前記当接領域の裏側の領域と、前記一対のつかみ歯における前記当接領域から離隔した位置の裏側の領域とにおいて、前記一対のつかみ歯に当接する一対の押圧部材と、
    前記一対のつかみ歯における前記当接領域と、前記一対のつかみ歯における前記スペーサ部材により距離を一定に維持された領域との間の領域において、前記一対の押圧部材を互いに近接する方向に付勢する付勢部材と、
    を備えたことを特徴とする材料試験機用つかみ具。
  2. 請求項1に記載の材料試験機用つかみ具において、
    前記スペーサ部材は、前記一対のつかみ歯間の隙間の大きさを変更可能である材料試験機用つかみ具。
  3. 請求項2に記載の材料試験機用つかみ具において、
    前記スペーサ部材は、前記一対のつかみ歯における一方のつかみ歯に螺合する第1のネジ部と、前記一対のつかみ歯における他方のつかみ歯に螺合する前記第1のネジ部とは逆ネジである第2のネジ部と、を備えるボルトである材料試験機用つかみ具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具において、
    前記付勢部材は、前記一対の押圧部材と係合することにより、前記一対の押圧部材間の距離を変更するボルトである材料試験機用つかみ具。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具を備えた材料試験機。
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