JP2017057757A - 診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の暖機完了後においても、温度調整弁の診断を的確に行うことができる診断装置を提供する。【解決手段】温度調整弁であるサーモスタットは、サーモスタットが正常である場合に、排出冷却水の温度が開弁閾値Tc2以上となったことに基づいて開弁し、車両に備えられるラジエータに排出冷却水を供給するように構成されている。診断装置であるECUの推定部は、排出冷却水の温度の実測値Taが開弁閾値Tc2よりも低い場合のみ、内燃機関であるエンジン、及び車両の運転状態に基づいて排出冷却水の温度に関する推定を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、車両のエンジンに供給する冷却水の温度を調整する温度調整弁の診断装置に関する。
車両のエンジンは、その燃焼行程において発生する多量の燃焼熱によって高温になる。このため、車両には、エンジンを適温に維持する冷却装置が搭載される。このような冷却装置としては、循環流路によってエンジンに冷却水を供給するとともに、当該エンジンから排出された冷却水(以下、「排出冷却水」とも称する)をラジエータによって冷却するものが一般的となっている。
一方、エンジンの始動時においては、燃焼効率を高めるために、エンジンを暖機して適当な温度まで可及的速やかに昇温させることが要求される。暖機中は、排出冷却水をラジエータで冷却せずにエンジンに還流することで、エンジンの温度上昇を速めることが可能となる。このため、排出冷却水をラジエータに循環させる循環流路と、排出冷却水をラジエータに循環させずにエンジンに還流させるバイパス流路と、が設けられている。循環流路には、エンジンに供給する冷却水の温度を調整するために、温度調整弁が設けられている。エンジンの暖機や冷却を適切に行うために、この温度調整弁には高い信頼性が要求される。
下記特許文献1には、排出冷却水の温度の実測値と推定値とに基づいて、温度調整弁であるサーモスタットの異常の有無の診断を行う診断装置が記載されている。具体的には、当該診断装置は、排出冷却水の温度の実測値と推定値との偏差を算出するとともに、この偏差が閾値よりも大きい場合に、サーモスタットに異常があると診断する。
特開2000−104549号公報
上記特許文献1に記載された診断装置は、エンジンの暖機中にサーモスタットの診断を行う。しかしながら、サーモスタットの異常はエンジンの冷却に大きな影響を及ぼすため、サーモスタットの診断はエンジンの暖機完了後も行うことが好ましい。
しかしながら、暖機後の排出冷却水の温度は、サーモスタットの開度やエンジンの運転状態等の種々の原因に基づいて複雑に変化する。したがって、サーモスタットの異常以外の原因によって排出冷却水の温度の実測値と推定値とが変化することがあり、この場合はサーモスタットの診断を的確に行うことができなかった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の暖機完了後においても、温度調整弁の診断を的確に行うことができる診断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る診断装置は、車両(1)の内燃機関(20)に供給する冷却水の温度を調整する温度調整弁(45)の診断装置(10,10A)であって、
前記内燃機関から排出された冷却水である排出冷却水の温度の実測値を取得する水温取得部(11)と、前記内燃機関及び前記車両の運転状態に基づいて前記排出冷却水の温度に関する推定を行う推定部(13,13A)と、前記実測値、及び前記推定部による推定の結果に基づいて、前記温度調整弁の異常の有無を診断する診断部(14,14A)と、を備える。前記温度調整弁は、前記温度調整弁が正常である場合に、前記排出冷却水の温度が開弁閾値以上となったことに基づいて開弁し、前記車両に備えられるラジエータ(46)に該排出冷却水を供給するように構成されている。前記推定部は、前記実測値が前記開弁閾値よりも低い場合のみ、前記推定を行う。
この構成によれば、排出冷却水の温度の実測値が、温度調整弁が開弁する温度である開弁閾値よりも低い場合のみ、排出冷却水の温度に関する推定を行う。これにより、排出冷却水の温度に関する推定を、温度調整弁が正常であれば排出冷却水がラジエータにおいて放熱しない条件下で行うことができる。したがって、診断部が、排出冷却水の温度の実測値と、排出冷却水の温度に関する推定の結果に基づいて温度調整弁を診断する場合でも、温度調整弁の診断を的確に行うことが可能となる。
本発明によれば、エンジンの暖機完了後においても、温度調整弁の診断を的確に行うことができる診断装置を提供することができる。
第1実施形態及び第2実施形態に係るECU、及び当該ECUが搭載された車両の構成を示す模式図である。 図1のECUを示す機能ブロック図である。 図1のECUが実行する処理を示すフローチャートである。 図1のECUによる診断の許可又は保留の変化を示すタイムチャートである。 第2実施形態に係るECUを示す機能ブロック図である。 図1のエンジンの運転領域を示す説明図である。 図5のECUによる診断の許可又は保留の決定ロジックを示す説明図である。 図5のECUによる診断の許可又は保留の変化を示すタイムチャートである。 図5のECUが実行する処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照しながら、第1実施形態に係るECU10と、ECU10を搭載した車両1について説明する。車両1は、内燃機関であるエンジン20を動力源として搭載している。尚、図1では、後述する第2実施形態に係るECUの符号10Aが括弧書きで図示されている。
エンジン20は、例えばガソリンを燃料とするレシプロエンジンである。エンジン20は、シリンダヘッド21と、シリンダブロック22と、を有している。エンジン20は、不図示の気筒を複数有している。各気筒は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、及び排気行程の各行程を繰り返し行うことによってトルクを発生させる。当該トルクは、エンジン20が有する不図示のクランク軸を介して出力され、車両1の走行に用いられる。
この他にも、車両1は、冷却装置40と、暖房装置60と、を搭載している。
冷却装置40は、燃焼行程において多量の燃焼熱を発生させるエンジン20を冷却し、適温に維持する装置である。冷却装置40は、ウォータポンプ41と、エンジン冷却流路42と、循環流路43と、バイパス流路44と、ラジエータ46と、を有している。
ウォータポンプ41は、冷却水を圧送する流体機械である。当該冷却水は、不凍液であるLLCを含有している。ウォータポンプ41は、エンジン20の出力の一部を、クランク軸を介して受けることで回転駆動する。ウォータポンプ41の回転駆動により、ウォータポンプ41の上流側から供給される冷却水は加圧されて下流側に供給される。
エンジン冷却流路42は、エンジン20の内部に形成された冷却水の流路である。例えば、シリンダブロック22の内部には、各気筒の周囲を包み込むようにエンジン冷却流路42が形成されている。
循環流路43は、配管の内部に形成された冷却水の流路である。当該配管は、その一端がエンジン冷却流路42の下流端に接続され、他端がウォータポンプ41に接続されている。これにより、循環流路43は、エンジン冷却流路42とともにエンジン20に冷却水を循環させる流路となっている。循環流路43は、エンジン冷却流路42の下流端から後述するラジエータ46まで延びる第1循環流路431と、ラジエータ46からウォータポンプ41まで延びる第2循環流路432と、からなる。
バイパス流路44は、配管の内部に形成された冷却水の流路である。当該配管は、第1循環流路431を形成する配管の途中にその一端が接続され、第2循環流路432を形成する配管の途中にその他端が接続されている。これにより、バイパス流路44は、第1循環流路431から分岐するとともに、ラジエータ46を迂回して第2循環流路432の途中に合流する流路となっている。
ラジエータ46は、循環流路43に設けられた熱交換器である。ラジエータ46は、いずれも不図示のチューブとコルゲートフィンとを有している。チューブは、内部に冷却水を流す金属製の管状部材である。コルゲートフィンは、金属製の板を折り曲げることで形成されている。ラジエータ46は、複数のコルゲートフィンと複数のコルゲートフィンとを交互に積層することで形成されている。
ラジエータファン47は、ラジエータ46に隣接して設けられた送風機である。ECU10が送信する制御信号を受信してラジエータファン47が回転駆動すると、矢印AFで示されるように、車両1の不図示のグリルを介して空気が取り込まれる。この空気は、ラジエータ46の隣り合うチューブ間を流れることでラジエータ46を通過し、当該チューブの内部を流れる冷却水と熱交換を行う。これにより、ラジエータ46を流れる冷却水の放熱が行われ、その温度が低下する。
暖房装置60は、車両1の車室内の暖房を行う装置である。暖房装置60は、ヒータコア61と、暖房ブロア62と、を有している。
ヒータコア61はバイパス流路44の途中に設けられた熱交換器である。ヒータコア61は、いずれも不図示のチューブとコルゲートフィンとを有している。チューブは、内部に冷却水を流す金属製の管状部材である。コルゲートフィンは、金属製の板を折り曲げることで形成されている。ヒータコア61は、複数のコルゲートフィンと複数のコルゲートフィンとを交互に積層することで形成されている。
暖房ブロア62は、ヒータコア61の近傍に設けられた送風機である。ECU10が送信する制御信号を受信して暖房ブロア62が回転駆動すると、車室内又は車外から空気が取り込まれ、ヒータコア61に供給される。この空気は、ヒータコア61を通過する際に熱交換を行い、その温度が調整される。温度調整されたこの空気は、車室内に供給される。
また、循環流路43を形成する配管からバイパス流路44を形成する配管が分岐する部分よりも下流側であって、ラジエータ46側には、サーモスタット45が配置されている。サーモスタット45は、不図示の弁体を内部に有している。サーモスタット45の内部の弁体は、その近傍の冷却水の温度に感応して移動するように構成されている。サーモスタット45は、冷却水の温度が開弁閾値Tc2(例えば、80℃)以上になったことに基づいて開弁し、弁体の移動によって閉状態と開状態とに切り替えられるように構成されている。そして、サーモスタット45は、冷却水の温度に基づいて、ラジエータ46を介してエンジン20に供給される冷却水の流量と、バイパス流路44を介してエンジン20に供給される冷却水の流量との比を調整する。
引き続き図1を参照しながら、以上のように構成された冷却装置40及び暖房装置60の動作について説明する。
燃料の供給を受けてエンジン20が始動すると、燃焼行程において発生する多量の燃焼熱によってエンジン20の温度が徐々に上昇する。ウォータポンプ41は、クランク軸を介してエンジン20の出力を受け、回転駆動する。これにより、第2循環流路432の冷却水が加圧され、エンジン20のエンジン冷却流路42に供給される。
冷却水は、エンジン冷却流路42を流れる間に、シリンダヘッド21やシリンダブロック22と熱交換を行う。これにより、シリンダヘッド21やシリンダブロック22は熱を奪われて冷却される一方で、冷却水は受熱して温度が上昇する。
エンジン20が始動して間もない状態では、エンジン20の温度は比較的低いため、エンジン冷却流路42から排出されて第1循環流路431を流れる冷却水(以下、「排出冷却水」とも称する)の温度も比較的低いものとなる。この場合、サーモスタット45の弁体は、第1循環流路431の下流側を閉塞するとともに、バイパス流路44側を開放する位置に配置される。
これにより、排出冷却水は、ラジエータ46に供給されることなく、バイパス流路44を流れ、第2循環流路432に供給される。すなわち、エンジン20の温度が比較的低い状態では、冷却水はラジエータ46を迂回しながら循環する。この場合、排出冷却水はラジエータ46によって冷却されないため、エンジン20が冷却水によって過度に冷却することはない。したがって、エンジン20の始動時における暖機が冷却水によって阻害されることはない。
一方、エンジン20の温度が適温以上となった状態では、排出冷却水の温度も比較的高いものとなる。この場合、サーモスタット45の弁体は、第1循環流路431の下流側及びバイパス流路44の双方を開放する位置に配置される。
これにより、排出冷却水は、その一部がラジエータ46に供給され、残部がバイパス流路44を流れて第2循環流路432に供給される。すなわち、エンジン20が適温以上となった状態では、ラジエータ46に供給された一部の排出冷却水は冷却されるとともに、残部の排出冷却水はラジエータ46を迂回して流れる。これらの冷却水は、第2循環流路432において合流し、ウォータポンプ41によって加圧されて再びエンジン冷却流路42に供給される。
前述したように、バイパス流路44を流れる冷却水は、ヒータコア61を通過する際に空気と熱交換する。この熱交換によって加熱されて温度上昇した空気は、不図示のダクトによって車両1の車室内に導かれ、車室内の暖房に用いられる。
続いて、図2を参照しながら、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)10について説明する。ECU10は、その一部又は全部が、アナログ回路で構成されるか、デジタルプロセッサとして構成される。いずれにしても、受信した信号に基づいて制御信号を出力する機能を果たすため、ECU10には機能的な制御ブロックが構成される。
図2は、ECU10を機能的な制御ブロック図として示している。尚、ECU10を構成するアナログ回路又はデジタルプロセッサに組み込まれるソフトウェアのモジュールは、必ずしも図2に示される制御ブロックのように分割されている必要はない。すなわち、実際のアナログ回路やモジュールは、図2に示される複数の制御ブロックの働きをするものとして構成されていても構わず、更に細分化されていても構わない。後述する処理を実行できるように構成されていれば、ECU10の内部の実際の構成は当業者が適宜変更できるものである。
ECU10は、水温センサ51、外気温センサ52、空燃比センサ53、クランク角センサ54、及び車速センサ55の各センサと電気的に接続されている。水温センサ51は、第1循環流路431に配置され(図1参照)、排出冷却水の温度の実測値Taに対応する信号を生成して送信するセンサである。外気温センサ52は、車両1のうち外気に触れる部位に配置され(図1参照)、外気温に対応する信号を生成して送信するセンサである。空燃比センサ53は、不図示の排出ガス流路に設けられ(図1参照)、エンジン20から排出されるガスの酸素濃度に対応する信号を生成して送信するセンサである。クランク角センサ54は、エンジン20に取り付けられ(図1参照)、クランク軸の角度に対応する信号を生成して送信するセンサである。車速センサ55は、車両1の不図示の車軸に取り付けられ(図1参照)、当該車軸の回転数に対応する信号を生成して送信するセンサである。
ECU10は、エンジン20、ラジエータファン47、暖房ブロア62、及び報知装置70の各車載機器とも電気的に接続されている。報知装置70は、車両1の乗員に対して種々の報知を行うための装置である。報知装置70は、例えば表示パネルやブザー等、公知の機器によって構成される。ECU10は、制御信号を送信することによって各車載機器の動作を制御する。
尚、本願において「電気的に接続」とは、信号線によって互いに接続された形態に限定されるものではなく、無線で互いに通信可能とされた形態をもその意味に含みうるものとする。
ECU10は、演算部11、記憶部12、推定部13、及び診断部14を有している。
演算部11は、各車載機器の制御に必要となる種々の演算を行う部分である。具体的には、演算部11は、運転者による不図示のアクセルの踏み込みに応じて、エンジン20にトルクを発生させるための演算を行う。また、演算部11は、水温センサ51から受信する信号に基づいて所定の演算を行い、排出冷却水の温度の実測値Taを取得する。また、演算部11は、外気温センサ52から受信する信号に基づいて所定の演算を行い、外気温を取得する。また、演算部11は、空燃比センサ53から受信する信号に基づいて所定の演算を行い、エンジン20の気筒内における空燃比を算出する。また、演算部11は、不図示のエアーフローセンサから受信する信号に基づいて所定の演算を行い、エンジン20が取り込む空気の流量を算出する。また、演算部11は、クランク角センサ54から受信する信号に基づいて所定の演算を行い、エンジン20の回転数を取得する。また、演算部11は、車速センサ55から受信する信号に基づいて所定の演算を行い、路面に対する車両1の移動速度(以下、「車速」とも称する)を取得する。
記憶部12は、種々の情報を記憶する部分である。記憶部12は、例えば不揮発性メモリによって構成される。記憶部12にはマップ等の情報が予め記憶されている。当該情報は演算部11によって読み出されて演算に用いられる。また、記憶部12は、演算部11の演算結果を記憶することができる。
推定部13は、排出冷却水の温度の値を推定する部分である。以下、推定部13によって推定された排出冷却水の温度の値を「推定値Te」とも称する。推定部13は、演算部11によって取得されたエンジン20が取り込む空気の流量、エンジン20の回転数、外気温、及び車速の各値に基づいて、公知の手法によって推定値Teを算出する。詳細には、推定部13は、各値を記憶部12に記憶されているマップと参照するとともに、参照の結果取得される値を用いて種々の演算を行うことによって推定値Teを算出する。
診断部14は、サーモスタット45の診断を行う部分である。具体的には、診断部14は、サーモスタット45の弁体が正常に移動できず、前述した閉状態と開状態とを切り替えられない異常があるか否かの診断を行う。
続いて、図3及び図4を参照しながら、ECU10が実行する処理の流れについて説明する。図3は、エンジン20の暖機完了後に、ECU10が実行する処理を示したフローチャートである。尚、以下では簡便のため、詳細にはECU10の演算部11等が実行している処理も、総括してECU10が実行するものとして説明する。
まず、ECU10は、図3に示されるステップS11で、排出冷却水の温度の実測値Taが、予め定められた開弁閾値Tc2よりも低いか否かを判定する。前述したように、この開弁閾値Tc2は、サーモスタット45が開弁する冷却水の温度である。図4に示される時刻t11よりも前の状態のように、実測値Taが開弁閾値Tc2以上であると判定した場合、ECU10はステップS17の処理に進み、サーモスタット45は正常と診断する。一方、図4に示される時刻t11以降の状態のように、実測値Taが開弁閾値Tc2よりも低いと判定した場合、ECU10は、図3に示されるステップS12の処理に進む。
次に、ECU10は、ステップS12で、排出冷却水の温度の推定値Teの算出を開始する。図4に示されるように、ECU10は時刻t11よりも前では推定値Teを算出していない。ECU10は、実測値Taが開弁閾値Tc2よりも低いと判定したことをトリガとして、推定値Teの算出を開始する。ECU10は、実測値Taを初期値として用いる推定アルゴリズムに基づいて推定値Teを算出する。このため、図4に示されるように、時刻t11においては、推定値Teは実測値Taと等しい値となっている。
次に、ECU10は、ステップS13で、実測値Taが予め定められた診断閾値Tc1(例えば、60℃)よりも低いかを判定する。この診断閾値Tc1は、開弁閾値Tc2よりも低い値に設定されている。また、診断閾値Tc1は、排出冷却水の実際の温度の値がこの値を下回った場合に、燃料システム、触媒等に関する診断が適切に行われなくなる値に設定されている。図4に示される時刻t11から時刻t12までの状態のように、実測値Taが診断閾値Tc1よりも低くないと判定した場合、ECU10はステップS17の処理に進み、サーモスタット45は正常と診断する。一方、図4に示される時刻t12以降の状態のように、実測値Taが診断閾値Tc1よりも低いと判定した場合、ECU10は、図3に示されるステップS14の処理に進む。
次に、ECU10は、ステップS14で、推定値Teと実測値Taとの偏差(Te−Ta)が、予め定められた偏差閾値C1よりも大きいか否かを判定する。図4に示される時刻t12から時刻t13までの状態のように、偏差(Te−Ta)が偏差閾値C1よりも大きくないと判定した場合、ECU10はステップS17の処理に進み、サーモスタット45は正常と診断する。
一方、図4に示される時刻t13以降の状態のように、偏差(Te−Ta)が偏差閾値C1よりも大きいと判定した場合、サーモスタット45の内部の弁体は適切に移動できない状態にあると推定できる。すなわち、サーモスタット45からラジエータ46に必要以上の流量の排出冷却水が供給され、ラジエータ46において排出冷却水が冷却されていると推定できる。したがってこの場合、ECU10は、ステップS15の処理に進み、サーモスタット45は異常と診断する。さらに、ECU10は、ステップS16で報知装置70を動作させ、車両1のユーザに点検等を促すことができる。
以上説明したように、第1実施形態に係るECU10は、排出冷却水の温度の実測値Taが、サーモスタット45が開弁する温度である開弁閾値Tc2よりも低い場合のみ、排出冷却水の温度に関する推定を行う。これにより、排出冷却水の温度に関する推定を、サーモスタット45が正常であれば排出冷却水がラジエータ46において放熱しない条件下で行うことができる。したがって、診断部14が、排出冷却水の温度の実測値Taと、排出冷却水の温度に関する推定の結果である推定値Teに基づいてサーモスタット45を診断する場合でも、サーモスタット45の診断を的確に行うことが可能となる。
また、ECU10では、推定部13は、排出冷却水の温度の値を推定する。そして、診断部14は、推定値Teと実測値Taとの偏差(Te−Ta)が偏差閾値C1よりも大きい場合に、サーモスタット45が異常であると診断する。
エンジン20の暖機後の排出冷却水の温度は、サーモスタット45の開度やエンジン20の運転状態等の種々の原因に基づいて複雑に変化する。したがって、エンジン20の暖機後に推定値Teを正確に算出しようとすると、複雑な推定アルゴリズムを用いる必要があるとともに、それに伴うECU10の処理負荷も大きなものとなる。
これに対し、ECU10では、サーモスタット45が正常であれば排出冷却水がラジエータ46において放熱しない条件下で推定値Teを算出する。したがって、用いる推定アルゴリズムを比較的簡便なものとし、算出に伴うECU10の処理負荷を軽減することが可能となる。また、このようにして算出した推定値Teに基づいて、実測値Taとの偏差(Te−Ta)を算出するとともに、当該実測値Taとの偏差(Te−Ta)を偏差閾値C1と比較することで、サーモスタット45の診断を行うことが可能となる。すなわち、偏差(Te−Ta)が偏差閾値C1よりも大きい場合は、サーモスタット45の内部の弁体が適切に移動できず、サーモスタット45からラジエータ46に必要以上の流量の排出冷却水が供給される異常が生じていると診断できる。
また、ECU10では、診断部14は、開弁閾値Tc2よりも低く設定された診断閾値Tc1よりも実測値Taが低く、且つ、偏差(Te−Ta)が偏差閾値C1よりも大きい場合に、サーモスタット45が異常であると診断する。
この構成によれば、燃料システム、触媒等に関する診断が適切に行われなくなる診断閾値Tc1に排出冷却水の温度が達し、且つ、サーモスタット45からラジエータ46に必要以上の流量の排出冷却水が供給されていることに基づいて、サーモスタット45が異常であると診断することが可能となる。推定部13は開弁閾値Tc2で推定値Teの算出を開始している。したがって、推定部13は、実測値Taが診断閾値Tc1に達した場合に迅速に偏差(Te−Ta)を算出するとともに、その偏差(Te−Ta)を偏差閾値C1と比較することが可能となる。
続いて、第2実施形態に係るECU10Aについて、図5乃至図9を参照しながら説明する。このECU10Aは、第1実施形態に係るECU10と同様に車両1に搭載され(図1参照)、温度調整弁であるサーモスタット45の診断を行う電子制御装置である。ECU10Aのうち、第1実施形態に係るECU10と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。
図5に示されるように、第2実施形態に係るECU10Aは、前述したECU10と同様に演算部11、及び記憶部12を有している。さらに、ECU10Aは、推定部13A、診断部14A、カウンタ部15、受熱量算出部16、及び放熱量算出部17を有している。
推定部13Aは、排出冷却水の温度の変化の傾向を推定する部分である。後述するように、推定部13Aは、冷却水の熱収支に基づいて、排出冷却水の温度が上昇又は低下することを推定する。
診断部14Aは、サーモスタット45の診断を行う部分である。具体的には、診断部14は、サーモスタット45の弁体が正常に移動できず、前述した閉状態と開状態とを切り替えられない異常があるか否かの診断を行う。
カウンタ部15は、種々のカウントを行う部分である。例えば、カウンタ部15は、複数に区分されたエンジン20の運転領域のうち、エンジン20が特定の運転領域で運転した時間長等のカウントを行う。
受熱量算出部16は、単位時間あたりにエンジン20から冷却水に伝達される熱量(以下、「受熱量」とも称する)を算出する部分である。後述するように、受熱量算出部16は、エンジン20の回転数等に基づいて受熱量を算出する。
放熱量算出部17は、単位時間あたりに冷却水から外部に放出される熱量(以下、「放熱量」とも称する)を算出する部分である。後述するように、放熱量算出部17は、外気温等に基づいて放熱量を算出する。
図6は、エンジン20の回転数が横軸にプロットされ、エンジン20が取り込む空気の量が縦軸にプロットされた受熱量Qrcマップを図示している。当該受熱量Qrcマップは、ECU10Aの記憶部12に記憶されている。エンジン20が各回転数において取り込む空気量は、実線WOT(Wide Open throttle:スロットル弁の全開状態)で示される値が上限となる。
エンジン20が、実線Qrc1,Qrc2,Qrc0,Qrc3に沿って運転する場合、冷却水の受熱量QrcはそれぞれQrc1,Qrc2,Qrc0,Qrc3となる。受熱量Qrc1,Qrc2,Qrc0,Qrc3は、この順序で小さくなる値である。すなわち、図6に示されるマップでは、エンジン20が運転している領域が右上にあるほど、冷却水の受熱量Qrcは大きな値となる。また、図6に示されるマップは、エンジン20が取り込む空気量に代えて、エンジン20が発生させるトルクをその縦軸にプロットすることでも、同様のものを作成することができる。
ここで、冷却水の受熱量QrcがQrc0よりも大きな値となり、且つ実線WOTよりも小さな値となるA領域(すなわち、受熱量Qrc1,Qrc2が属する領域)でエンジン20が運転している場合、冷却水の受熱量Qrcは放熱量Qrdよりも大きくなる。この場合、その熱収支に基づいて、排出冷却水の温度が上昇する傾向がある。
これに対し、冷却水の受熱量QrcがQrc0よりも小さな値となり、且つ実線WOTよりも小さな値となるB領域(すなわち、受熱量Qrc3が属する領域)でエンジン20が運転している場合、冷却水の受熱量Qrcは放熱量Qrdよりも小さくなる。この場合、その熱収支に基づいて、排出冷却水の温度が低下する傾向がある。すなわち、受熱量Qrc0は、それを境として排出冷却水の温度が上昇又は低下に転じる閾値となる。
エンジン20がB領域で運転しており、排出冷却水の温度が低下している状態では、それがサーモスタット45の異常によるものか、又は、それ以外の原因によるものかの判別が困難となる。したがって、このような状態でサーモスタット45の診断を行うと、その診断結果が誤ったものとなる懸念が高まる。エンジン20がB領域で運転している頻度が高い場合は、サーモスタット45の診断を保留することが好ましい。
続いて、図7及び図8を参照しながら、サーモスタット45の診断の許可と保留の決定について説明する。
ECU10Aの受熱量算出部16は、図7に示されるように、エンジン20の回転数とエンジン20が取り込むと空気量とを、記憶部12に記憶された受熱量Qrcマップと照合する。これにより、そのエンジン20の運転状態における冷却水の受熱量Qrcが得られる。
また、ECU10Aの放熱量算出部17は、エンジン20の回転数を熱通過率hマップと照合する。熱通過率hは、冷却水から外気に伝達される熱を算出する際に用いられる定数である。熱通過率hは、循環流路33やバイパス流路34を形成する配管の材料特性や形状を考慮して予め実験的に同定されており、冷却水の流速と相関を有するものである。本実施形態では、冷却水を圧送するウォータポンプ41は、エンジン20の出力を受けて回転駆動するものであるから、冷却水の流速はエンジン20の回転数と相関を有する。したがって、ここでの熱通過率hマップは、エンジン20の回転数と、当該回転数における熱通過率hとを対応させたものとなっている。エンジン20の回転数を熱通過率hマップと照合することにより、熱通過率hが得られる。
さらに、放熱量算出部17は、外気温と冷却水の温度との差分である温度差ΔTを算出する。そして、放熱量算出部17は、この温度差ΔTと熱通過率hとを乗じることによって、冷却水の放熱量Qrdを得る。
ECU10Aは、以上のようにして得た冷却水の受熱量Qrcと、放熱量Qrdとの比較を行う。放熱量Qrdが受熱量Qrcよりも大きい場合、エンジン20は図6に示されるB領域で運転していることとなり、排出冷却水の温度が低下する傾向がある。
そして、ECU10Aは、エンジン20が運転している所定期間において、放熱量Qrdが受熱量Qrcよりも大きい状態になった期間の時間長Tbを算出する。また、ECU10Aは、当該所定期間の時間長Tdに対する時間長Tbの比率(Tb/Td)を算出する。ECU10Aは、この比率(Tb/Td)が比率閾値である50%以上か否かを判断する。この比率(Tb/Td)が50%以上である場合(すなわち、Tb/Tdが0.5以上である場合)、エンジン20が頻繁にB領域で運転しており、サーモスタット45の診断結果が誤ったものとなる懸念が大きいことから、ECU10Aの診断部14はサーモスタット45の診断を保留する。一方、比率(Tb/Td)が50%に満たない(すなわち、Tb/Tdが0.5に満たない場合)場合、サーモスタット45の診断結果が誤ったものとなる懸念は小さいことから、ECU10Aの診断部14は診断を保留しない(すなわち、診断を許可する)。
図8には、サーモスタット45の診断の許可と保留との変化が、時間の変化とともに図示されている。ECU10Aのカウンタ部15は、実測値Taが開弁閾値Tc2よりも低くなった時刻t21からのエンジン20の運転期間の時間長Tdをカウントする。時刻t21から時刻t23の間は、エンジン20が図6に示されるB領域で運転することがないため、比率(Tb/Td)は比率閾値である50%に満たない。この場合、ECU10Aの診断部14は診断を保留しない(すなわち、診断を許可する)。
時刻t23で、例えばエンジン20において発生する新たな燃焼熱が少なくなると、冷却水の受熱量が減少し、エンジン20がB領域で運転する頻度が徐々に高まる。ECU10Aのカウンタ部15は、エンジン20がB領域で運転している期間の時間長Tbのカウントを開始する。
時刻t24で、時間長Tdに対する時間長Tbの比率(Tb/Td)が比率閾値である50%に達すると、ECU10Aの診断部14は診断を保留する。これにより、誤診断が生じる懸念が高い状況でのサーモスタット45の診断が保留される。すなわち、時刻t24以降のエンジン20の運転条件は、時刻t24までのエンジン20の運転条件よりも排出冷却水の温度が低下するものになっている。
続いて、図8及び図9を参照しながら、ECU10Aが実行する処理の流れについて説明する。図9は、エンジン20の暖機完了後に、ECU10Aが実行する処理を示したフローチャートである。尚、以下では簡便のため、詳細にはECU10Aの演算部11等が実行している処理も、総括してECU10Aが実行するものとして説明する。
まず、ECU10Aは、図9に示されるステップS21で、排出冷却水の温度の実測値Taが、予め定められた開弁閾値Tc2よりも低いか否かを判定する。このステップS21でECU10Aが実行する処理は、前述したステップS11でECU10が実行する処理と同様のものである。図8に示される時刻t21よりも前の状態のように、実測値Taが開弁閾値Tc2以上であると判定した場合、ECU10AはステップS27の処理に進み、サーモスタット45は正常と診断する。一方、図8に示される時刻t23以降の状態のように、実測値Taが開弁閾値Tc2よりも低いと判定した場合、ECU10は、図9に示されるステップS22の処理に進む。
次に、ECU10Aは、ステップS22で、時間長Tdに対する時間長Tbの比率(Tb/Td)の算出を開始する。図8に示されるように、ECU10Aは、時刻t21よりも前では時間長Td及び時間長Tbをカウントしておらず、比率(Tb/Td)を算出していない。ECU10Aは、実測値Taが開弁閾値Tc2よりも低いと判定したことをトリガとして、比率(Tb/Td)の算出を開始する。
次に、ECU10Aは、ステップS23で、実測値Taが予め定められた診断閾値Tc1(例えば、60℃)よりも低いかを判定する。このステップS23でECU10Aが実行する処理は、前述したステップS13でECU10が実行する処理と同様のものである。図8に示される時刻t21から時刻t22までの状態のように、実測値Taが診断閾値Tc1よりも低くないと判定した場合、ECU10AはステップS28の処理に進み、サーモスタット45は正常と診断する。一方、図8に示される時刻t22以降の状態のように、実測値Taが診断閾値Tc1よりも低いと判定した場合、ECU10Aは、図9に示されるステップS24の処理に進む。
次に、ECU10Aは、ステップS24で、比率(Tb/Td)が比率閾値である50%以上か否かを判定する。比率(Tb/Td)が50%以上であると判定した場合、ECU10AはステップS25の処理に進む。
次に、ECU10Aは、ステップS25で、サーモスタット45の診断を保留する。すなわち、前述したステップS24で、エンジン20が頻繁にB領域で運転しており、当該診断の結果が誤ったものとなる懸念が大きいと推測されることから、ECU10Aは当該診断を保留する。
一方、ステップS24で、比率(Tb/Td)が比率閾値である50%以上ではないと判定した場合、ECU10Aは、次にステップS26の処理に進む。次に、ステップS26で、ECU10Aは、サーモスタット45に異常があると診断する。さらに、ECU10Aは、ステップS27で報知装置70を動作させ、車両1のユーザに点検等を促すことができる。
以上説明したように、第2実施形態に係るECU10Aは、エンジン20の暖機完了後の冷却水の受熱量Qrcを算出する受熱量算出部16と、エンジン20の暖機完了後の冷却水の放熱量Qrdを算出する放熱量算出部17と、を備える。推定部13Aは、受熱量算出部16によって算出された受熱量Qrcと、放熱量算出部17によって算出された放熱量Qrdとに基づいて、排出冷却水の温度の上昇又は低下を推定する。
この構成によれば、サーモスタット45が正常であれば排出冷却水がラジエータ46において放熱しない条件下で、冷却水の受熱量Qrc及び放熱量Qrdを算出する。したがって、冷却水の受熱量Qrc及び放熱量Qrdを算出する際のアルゴリズムを比較的簡便なものとし、算出に伴うECU10Aの処理負荷を軽減することが可能となる。また、このようにして算出した冷却水の受熱量Qrc及び放熱量Qrdに基づいてサーモスタット45の診断を保留することで、誤診断が生じる懸念が高い状況でのサーモスタット45の診断を回避することが可能となる。
また、ECU10Aでは、診断部14Aは、放熱量算出部17によって算出された放熱量Qrdが受熱量算出部16によって算出された受熱量Qrcよりも大きい場合に、診断を保留する。
この構成によれば、放熱量Qrdが受熱量Qrcよりも大きいことに基づいて、サーモスタット45が正常であっても排出冷却水の温度が低下することを推定することが可能となる。したがって、放熱量Qrdが受熱量Qrcよりも大きい場合は診断部14Aによる診断を保留することで、サーモスタット45の診断を的確に行うことが可能となる。
また、ECU10Aでは、診断部14Aは、エンジン20の暖機完了後の所定期間の時間長Tdに対する、該所定期間において放熱量算出部17によって算出された放熱量Qrdが受熱量算出部16によって算出された受熱量Qrcよりも大きい状態である期間の時間長Tbの比率(Tb/Td)が、比率閾値である50%よりも大きい場合に診断を保留する。
この構成によれば、所定期間の時間長Tdに対する、放熱量Qrdが受熱量Qrcよりも大きい状態である期間の時間長Tbの比率(Tb/Td)が50%よりも大きいことに基づいて、サーモスタット45が正常であっても排出冷却水の温度が低下することを推定することが可能となる。したがって、比率(Tb/Td)が50%よりも大きい場合は診断部14Aによる診断を保留することで、サーモスタット45の診断を的確に行うことができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
1:車両
10,10A:ECU(診断装置)
11:演算部(水温取得部)
13,13A:推定部
14,14A:診断部
16:受熱量算出部
17:放熱量算出部
20:エンジン(内燃機関)
45:サーモスタット(温度調整弁)
46:ラジエータ

Claims (6)

  1. 車両(1)の内燃機関(20)に供給する冷却水の温度を調整する温度調整弁(45)の診断装置(10,10A)であって、
    前記内燃機関から排出された冷却水である排出冷却水の温度の実測値を取得する水温取得部(11)と、
    前記内燃機関及び前記車両の運転状態に基づいて前記排出冷却水の温度に関する推定を行う推定部(13,13A)と、
    前記実測値、及び前記推定部による推定の結果に基づいて、前記温度調整弁の異常の有無を診断する診断部(14,14A)と、を備え、
    前記温度調整弁は、前記温度調整弁が正常である場合に、前記排出冷却水の温度が開弁閾値以上となったことに基づいて開弁し、前記車両に備えられるラジエータ(46)に該排出冷却水を供給するように構成されており、
    前記推定部は、前記実測値が前記開弁閾値よりも低い場合のみ、前記推定を行う診断装置。
  2. 前記推定部(13)は、前記排出冷却水の温度の値を推定し、
    前記診断部は、前記推定部によって推定された前記排出冷却水の温度の値と、前記実測値と、の偏差が偏差閾値よりも大きい場合に、前記温度調整弁が異常であると診断する、請求項1に記載の診断装置。
  3. 前記診断部は、前記開弁閾値よりも低く設定された診断閾値よりも前記実測値が低く、且つ、前記偏差が前記偏差閾値よりも大きい場合に、前記温度調整弁が異常であると診断する、請求項2に記載の診断装置。
  4. 前記内燃機関の暖機完了後の冷却水の受熱量を算出する受熱量算出部(16)と、
    前記内燃機関の暖機完了後の冷却水の放熱量を算出する放熱量算出部(17)と、を備え、
    前記推定部(13A)は、前記受熱量算出部によって算出された前記受熱量と、前記放熱量算出部によって算出された前記放熱量とに基づいて、前記排出冷却水の温度の上昇又は低下を推定する、請求項1に記載の診断装置。
  5. 前記診断部は、前記放熱量算出部によって算出された前記放熱量が前記受熱量算出部によって算出された前記受熱量よりも大きい場合に、診断を保留する、請求項4に記載の診断装置。
  6. 前記診断部は、前記内燃機関の暖機完了後の所定期間の時間長に対する、該所定期間において前記放熱量算出部によって算出された放熱量が前記受熱量算出部によって算出された受熱量よりも大きい状態である期間の時間長の比率が、比率閾値よりも大きい場合に診断を保留する、請求項5に記載の診断装置。
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