JP2017056166A - 遊技場における異常検知システム - Google Patents

Abstract

【課題】バカラゲームにおいてディーラがカードをテーブル上に引き出した後の、カードをプレーヤ側とバンカー側に振り分ける際のミスや、振り分けた後にゲーム参加者にカードを渡す際のミスなどを検知するシステムを提供する。
【解決手段】画像分析装置１２による画像分析結果を用いて、バカラゲームにおいてディーラ５がカードをゲームテーブル４上に引き出した後に、カードをプレーヤ側とバンカー側に振り分ける際のミスや、振り分けた後に客にカードを渡す際のミスなどの異常状態や不正行為を検知して、警告あるいは阻止する。
【選択図】図１

Description

本発明は、遊技場でのゲームにおける異常や不正行為の検知システムに関する。

カジノなどの遊技場において行われる多くのテーブルゲームの中にはバカラやブラックジャックがある。これらのゲームは５２枚のプレイングカードからなる標準的なデッキを使用し、あらかじめシャッフルされている複数のデッキ（６から９あるいは１０デッキ）を備えるカード配布装置からゲームテーブル上にプレイングカードが配布される。

カジノなどの遊技場では、これらのテーブルゲームにおける様々な異常や不正行為を防止する試みが行われている。既存の技術は、主に不正行為を監視するための監視カメラを備えて、監視カメラより得た画像からゲーム中のカードのすり替えやゲーム中の不正なチップの移動などの、客（ゲーム参加人）による不正を判定し、防止するものであった。

特許文献１に記載のカードゲームモニタリングシステムでは、ディーラによってカード配布装置から遊技テーブル上に配布されたプレイングカードの数字を、監視カメラを用いて識別し、これをカード配布装置が読み取ったプレイングカードの数字と一致するかどうか判定し、異常や不正行為のモニタリングが行われる。
国際公開ＷＯ２０１５／１０７９０２

バカラゲームにおいては、まず客がバカラゲームの勝敗結果として、プレーヤとバンカーのどちらが勝利するかを賭ける。その後、ディーラはカード配布装置からカードを裏面が上向きの状態で１枚ずつゲームテーブルに引き出す。カードはまず４枚引き出され、１枚目のカードはプレーヤ、２枚目のカードはバンカー、３枚目のカードはプレーヤ、４枚目のカードはバンカーの手となり、それぞれプレーヤエリアとバンカーエリアに振り分けられる。従来の不正行為のモニタリングシステムでは、このカードの振り分けをディーラがミスしてしまった場合に、それを把握できない、という課題が存在する。

ディーラのディーリングミスがゲーム終了後に分かると、カジノ側のミスとなり、カジノに損失が生じる可能性がある。

また、プレーヤの手として振り分けられた１枚目と３枚目のカードと、バンカーの手として振り分けられた２枚目と４枚目のカードはそれぞれ、プレーヤが勝利すると賭けた客（複数いる場合は原則として一番高額を賭けた客）、バンカーが勝利すると賭けた客（複数いる場合は原則として一番高額を賭けた客）に、裏面が上向きの状態のままで渡されるが、この渡す先をディーラがミスしてしまった場合に、それを把握できず、プレーヤエリアとバンカーエリアに配られたカードが入れかわる可能性がある、という課題が存在する。

上記種々の課題を解決するため、本願発明の遊技テーブルを有する遊技場における異常検知システムは、
バカラゲームの異常検知システムであって、
遊技テーブルで行われるバカラゲームの進行状況をカメラを用いてモニタリングするゲームモニタリング装置と、
前記カメラより得た映像を画像分析する画像分析装置と、
前記遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、
前記画像分析装置の分析結果を用いて前記遊技テーブル上にディーラが配布するカードの配布順と位置を特定するカード配布検知装置と、
バカラゲームのルールを記憶するとともに、前記カード配布検知装置より得たカードの配布順と位置が、遊技テーブル上のプレーヤエリア及びバンカーエリアにそれぞれバカラゲームのルールに基づいて配布されたか否かを判定する制御装置と、を備え、
前記制御装置はバカラゲームのルールに従わない異常判定時に異常判定結果を出力する機能と、を備える。

さらに、前記カード配布装置は、前記異常判定結果出力を受けてカードの配布を阻止する配布制限装置を更に備えた構造、であってもよい。

さらに、前記制御装置は、毎ゲームにおいてディーラが配布するカード枚数が３枚以内のタイミングで配布の異常を判定し、判定結果を受けてカードの配布を阻止する前記配布制限装置を作動させ、異常判定時には４枚以上のカードがテーブル上に配布されないよう制御する機能を備えた構造、であってもよい。

さらに、前記制御装置は、毎ゲームにおいてディーラがカードを配布する毎にカードの配布の異常を判定し、判定結果を受けてカードの配布を阻止する前記配布制限装置を作動させ、異常判定以降カードがテーブル上に配布されないよう制御する機能を備えた構造、であってもよい。

さらに、前記制御装置は、毎ゲームにおいて前記画像分析装置の分析結果を用いて、ゲーム参加人が前記遊技テーブル上のプレーヤ側もしくはバンカー側どちらにチップを賭けたかを特定するチップ検知機能を備え、前記カード配布検知装置は配布済みの各２枚カードの移動位置を検知する機能を備え、前記制御装置は、プレーヤエリアに配布された２枚のカードが、プレーヤ側に賭けたゲーム参加人の前に移動し、バンカーエリアに配布された２枚のカードがバンカー側に賭けたゲーム参加人の前に移動されスクイーズのために提供されたか否かを判定する機能をさらに備えた構造、であってもよい。

さらに、前記制御装置は、スクイーズのためにゲーム参加人の前に提供された各２枚のカードが、元の遊技テーブル上のプレーヤエリア及びバンカーエリアに正しく返されたか否かを更に判定する機能を備えた構造、であってもよい。

さらに、前記制御装置は、異常判定時に前記カード配布装置もしくは前記遊技テーブルあるいはその両方に設けた異常表示ランプを点灯させるように構成されてもよい。

本発明のシステムによれば、バカラゲームにおいてディーラがカードをテーブル上に引き出した後に、カードをプレーヤ側とバンカー側に振り分ける際のミスや、振り分けた後に客にカードを渡す際のミスなどの異常状態や不正行為を検知して、警告あるいは阻止することができる。

図１は、本発明の実施の形態のゲームテーブルにおけるバカラゲームの概要を示す図。 図２は、本発明の実施の形態のバカラゲームにおける正しいカードの配布順およびバカラゲームにおける誤ったカードの配布順の例を示す説明図。 図３は、本発明の実施の形態においてプレーヤ側とバンカー側のカードをゲーム参加人に渡す様子を示す説明図。 図４は、本発明の実施の形態のカード配布装置の側断面図。 図５は、本発明の実施の形態のカードの例を示す図。 図６は、本発明の実施の形態のカード配布装置のカードガイド部を一部破断した状態の要部平面図。 （ａ）本発明の実施の形態のカード配布装置のカード収納部からのカードの出入りを制限する配布制限装置を示す要部側断面図、（ｂ）本発明の実施の形態のカード配布装置のカード収納部からのカードの出入りを制限する配布制限装置の変形例を示す要部側断面図。 図８は、本発明の実施の形態のカード配布装置におけるセンサ類の出力波形とマークの関係を示す図。

実施の形態の詳細な説明に入る前に、カジノなどの遊技場において行われるバカラゲームの流れについて、説明する。

図１に示すとおり、ゲームテーブル４において、ディーラ５と向かい合うように客（ゲーム参加人）６が椅子７に着席する。そして客（ゲーム参加人）６は、バカラゲームの勝敗結果として、プレーヤ（ＰＬＡＹＥＲ）とバンカー（ＢＡＮＫＥＲ）のどちらが勝利するか、または引き分け（ＴＩＥ）となるかを、目の前のベットエリア８にチップ９を配置することにより賭ける（以下、これを「ベット」とする）。そしてディーラ５は、客（ゲーム参加人）６によるベットを終了させるためタイミングを計り″Ｎｏ Ｍｏｒｅ Ｂｅｔ（ベットの受付終了）″とコールし、手を横方向に動かす等を行う。その後、カード配布装置３からプレイングカード１を１枚ずつ裏面が上向きの状態でゲームテーブル４に引き出す。まずは４枚引き出し、図１の▲１▼〜▲４▼に示すとおり、１枚目のカードはプレーヤ（ＰＬＡＹＥＲ）、２枚目のカードはバンカー（ＢＡＮＫＥＲ）、３枚目のカードはプレーヤ（ＰＬＡＹＥＲ）、４枚目のカードはバンカー（ＢＡＮＫＥＲ）の手となり、ゲームテーブル４上のディーラ５から見た手前のエリア１０（プレーヤエリア１０Ｐとバンカーエリア１０Ｂ）に振り分けて配置される（第一ステップ）。

次にカジノによっては、プレーヤにベットをした客６と、バンカーにベットをした客６への「スクイーズ」のサービスを行っている。具体的には、まず図３に示すとおり、エリア１０（プレーヤエリア１０Ｐとバンカーエリア１０Ｂ）において、プレーヤ側の手として振り分けられた１枚目と３枚目のカード１と、バンカー側の手として振り分けられた２枚目と４枚目のカード１は、それぞれディーラ５によって裏面が上向きの状態のままで、プレーヤにベットをした客６（プレーヤにベットをした客６が複数いる場合は原則として一番高額を賭けた客６）、バンカーにベットをした客６（バンカーにベットをした客６が複数いる場合は原則として一番高額を賭けた客６）に渡される（第二ステップ）。

カード１はカード配布装置３からすべて裏面が上向きの状態で引き出されるため、ランク（数）やスート（ハート・ダイヤ・スペード・クラブ）はディーラ５からも客６からも把握することはできない。４枚目のカード１が引き出された後、カード１が渡された客６は、渡されたカード１を表面に返す（第三ステップ）。一般に、この裏面が上向きのカードを表面に返すことを、「スクイーズ」と呼ぶ。「スクイーズ」は、客６にとってゲームの中で醍醐味となる行為である。

そして１から４枚目のカード１のランク（数）と、バカラゲームの詳細なルールにおける条件にもとづいて、ディーラ５により５枚目のカード１、さらに６枚目のカード１が引き出され、これらはプレーヤ（ＰＬＡＹＥＲ）またはバンカー（ＢＡＮＫＥＲ）の手となり、同様にプレーヤ（ＰＬＡＹＥＲ）の手となるカード１をプレーヤにベットした客６が、バンカー（ＢＡＮＫＥＲ）の手となるカード１をバンカー（ＢＡＮＫＥＲ）にベットをした客６に提供され、スクイーズされる。そして、１から４枚目の（場合によって５枚目、６枚目も合わせた）カード１のランク（数）と、バカラゲームの詳細なルールにもとづいて、ゲームの勝敗が判定される。ここで、前記カード配布装置３には、あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカード１の情報（ランク（数）やスート）を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。前記カード配布装置３により判定された勝敗判定結果（勝敗結果）は、上記のとおりディーラ等により判定された勝敗結果と一致しているか否か判定される。

以下に、本発明の実施の形態の遊技場でのゲームにおける異常や不正行為の検知システムの全体の概要を説明する。図１は同システムの全体の概要を示す図であって、遊技場でのゲームにおける異常や不正行為の検知システムは、ゲームテーブル４で行われるゲームの進行状態を客（ゲーム参加人）６およびディーラ５を含めカメラ２を介して映像として記録するゲームモニタリング装置１１、および記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置１２、さらに遊技テーブル４において各ゲームの勝敗結果を判定し表示する機能を有するカード配布装置３を備える。カード配布装置３は、すでに当業者で使われている、いわゆる電子シューであり、あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカード１の情報（ランク（数）やスート）を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。たとえばバカラゲームでは、バンカーの勝、プレーヤの勝、タイ（引き分け）が、基本的に２−３枚のカードのランクにより決定され、判定結果（勝敗結果）は表示ランプ１３にて表示される。

本検知システムは、さらに画像分析装置１２による画像分析結果により、ディーラ５によってカード配布装置３から引き出され、ゲームテーブル４上のディーラ５から見た手前のエリア１０（プレーヤエリア１０Ｐとバンカーエリア１０Ｂ）に、プレーヤ側の手（プレーヤエリア１０Ｐ）またはバンカー側の手（バンカーエリア１０Ｂ）として振り分けられて配置されたカード１の有無を検知する制御装置１４を備える。エリア１０（プレーヤエリア１０Ｐとバンカーエリア１０Ｂ）におけるプレーヤ側の手またはバンカー側の手として配置されたカード１の有無は、画像分析装置１２により既存の技術として多く用いられている技術を使用して行われる。たとえばプレーヤエリア１０Ｐとバンカーエリア１０Ｂの色とカードの色とのコントラストによる画像分析によって行われる。ただし、カード１の有無を検知する構造はこのような画像処理による構造に限定されず、例えば光等を用いて特定の対象物の有無を検知するセンサ等であってもよい。本検知システムにおける画像分析装置１２および制御装置１４は、一体もしくは複数の構成からなるコンピュータおよびプログラム、メモリを複合的に備えた構造となっている。

カード配布検知装置１４Ｃは、制御装置１４に内蔵されており、画像分析装置１２の分析結果を用いてゲームテーブル４上にディーラ５が配布するカードの配布順（▲１▼〜▲４▼等）と位置（プレーヤエリア１０Ｐかバンカーエリア１０Ｂか）を特定する。制御装置１４はバカラゲームのルールを記憶するとともに、カード配布検知装置１４Ｃより得たカードの配布順と位置が、ゲームテーブル４上のプレーヤエリア１０Ｐかバンカーエリア１０Ｂにそれぞれバカラゲームのルールに基づいて配布されたか否かを判定する。なおカード１の配布に際してカード１が何枚目の配布に該当するかを、カード配布装置３が把握しているので、カード配布装置３から、カードの配布順（▲１▼〜▲４▼等）を把握して、カード配布検知装置１４Ｃの情報と合わせて、それらのカード１が、プレーヤエリア１０Ｐかバンカーエリア１０Ｂのいずれに配布されるかを判定することもできる。制御装置１４はバカラゲームのルールに従わないカード１の配布順序を検出した異常判定時に異常判定結果１５を出力しカジノのピットマネージャや管理部門に異常を知らせる機能を備える。さらに、制御装置１４は、異常検知時にカード配布装置３もしくはゲームテーブル４の両方にそれぞれ設けた異常表示ランプ１６を点灯させる。

ディーラ５はバカラゲームに従った正しい配布を行うときは、図２に示すように、カード配布装置３からまず１枚目のカード１をプレーヤ、２枚目のカード１はバンカー、３枚目のカード１はプレーヤ、４枚目のカード１はバンカーの手として、ゲームテーブル４上のディーラ５から見た手前のエリア１０（プレーヤエリア１０Ｐとバンカーエリア１０Ｂ）に振り分けて配布する（第一ステップ）。

この際、図２に示すように、ディーラ５がカード１の振り分けを誤る（または故意による不正）ことが考えられる。図２の（Ｉ）は、１枚目のカード１をプレーヤの手として振り分けるべきところを、バンカーの手として振り分けてしまう例である。（ＩＩ）は、１枚目のカード１をプレーヤの手として正しく振り分けた後、２枚目はバンカーの手として振り分けるべきところを、２枚目のカード１もプレーヤの手として振り分けてしまう例である。（ＩＩＩ）は、１枚目のカード１をプレーヤの手として正しく振り分け、２枚目のカード１をバンカーの手として正しく振り分けた後、３枚目のカード１をプレーヤの手として振り分けるべきところを、バンカーの手として振り分けてしまう例である。これらの他に、３枚目のカード１まで正しく振り分けた後、４枚目のカード１を振り分ける際に３枚目までのカードのいずれかの振り分けを故意に変えたり、これ以外のタイミングで振り分けを故意によりまたは誤って変えてしまうことが考えられる。カード配布検知装置１４Ｃは（制御装置１４に内蔵）、画像分析装置１２の分析結果を用いてゲームテーブル４上にディーラ５が配布するカードの配布順（▲１▼〜▲４▼等）と位置（プレーヤエリア１０Ｐかバンカーエリア１０Ｂか）を特定することで、制御装置１４は、毎ゲームにおいて以上のようなディーラ５が配布するカードが３枚以内の各タイミングで配布された時の異常を判定し、判定結果の出力１５を受けてそれ以上のカードの配布を阻止するべく、後述するカード配布装置３の配布制限装置を作動させ、異常判定時には４枚以上のカード１がゲームテーブル４上に配布されないよう制御する機能を備えている。さらに制御装置１４は、各ゲームにおいてディーラがカードを配布する毎に各カード１の配布の異常（図２の（Ｉ）や（ＩＩ））を検知し、検知結果を受けてカード１の配布を阻止する配布制限装置を作動させ、異常判定以降カードがゲームテーブル４上にこれ以上配布されないよう制御するようにしてもよい。

本システムは、さらに画像分析装置１２による画像分析結果により、プレーヤ側の手またはバンカー側の手として振り分けられて配置されたカード１が、ディーラ５によって、プレーヤにベットをした客６（プレーヤにベットをした客６が複数いる場合は原則として一番高額を賭けた客６）、バンカーにベットをした客６（バンカーにベットをした客６が複数いる場合は原則として一番高額を賭けた客６）に正しく提供されたか否かを検知することができるように構成されている。このため、制御装置１４は、毎ゲームにおいて画像分析装置１２の分析結果を用いて、客６（ゲーム参加人）がゲームテーブル４上のプレーヤ側もしくはバンカー側どちらのベットエリア８にチップ９を賭けたかを特定するチップ検知機能を備えている。また、カード配布検知装置１４Ｃは配布済みの各２枚カードの移動位置を検知する機能を備え、制御装置１４は、プレーヤエリア１０Ｐに配布された２枚のカード１が、正しくプレーヤ側に賭けたゲーム参加人６の前に移動（Ｘ）し、バンカーエリア１０Ｂに配布された２枚のカード１がバンカー側に賭けたゲーム参加人の前に移動（Ｙ）されスクイーズのために提供されたか否かを判定する機能を備えている。

チップ９の位置と総額（プレーヤ側もしくはバンカー側どちらのベットエリア８にチップ９が賭けられたか）は、チップ９がずれて重なったり、カメラ２の位置からは死角になる場合など、通常では読み取れないことが想定される。制御装置１４は、既存の人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング（構造）技術による、自己学習機能等を用いて、チップ９の死角による隠れ等（一枚のチップの一部が隠れる場合、あるいはチップ全体が隠れる場合）を認識して、正確に位置と枚数等を把握可能なように構成されている。さらに、チップ９のベットエリア８における位置８および種類を検知する構造はこれに限定されず、例えばチップに埋め込まれたＩＤを読取って検知するように構成されていてもよい。

制御装置１４は、以上に説明したようにカメラ２、画像分析装置１２を介して各プレーヤ６が賭けるチップ９の位置８（プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置）、種類（チップ９は色毎に異なる額の値が割り付けられている）および枚数を把握することが可能であり、プレーヤにベットをしたのはどの客６か（プレーヤにベットをした客６が複数いる場合は、一番高額を賭けたのはどの客６か）、バンカーにベットをしたのはどの客６か（バンカーにベットをした客６が複数いる場合は、一番高額を賭けたのはどの客６か）を、検知することができる。

スクイーズのために提供されたカード１を客６が裏向きから表向きに返した後に、バカラゲームの詳細なルールにおける条件にもとづいて、ディーラ５により５枚目のカード１、さらに６枚目のカード１が引き出され、プレーヤ（ＰＬＡＹＥＲ）またはバンカー（ＢＡＮＫＥＲ）の手となり、同様にプレーヤ（ＰＬＡＹＥＲ）の手となるカード１をプレーヤにベットした客６に、バンカー（ＢＡＮＫＥＲ）の手となるカード１をバンカー（ＢＡＮＫＥＲ）にベットをした客６に提供され、スクイーズされる。スクイーズされたあと、１から４枚目の（場合によって５枚目、６枚目も合わせた）カード１は、元の位置（プレーヤエリア１０Ｐとバンカーエリア１０Ｂ）戻される。この場合も、配布された各２枚のカード１（場合によって５枚目、６枚目も合わせた）がゲームテーブル４の元の位置（プレーヤエリア１０Ｐとバンカーエリア１０Ｂ）に正しく戻されたか否かが制御装置１４（カメラ２、画像分析装置１２を介し）により判定される。さらにカード１のランク（数）が読まれ、バカラゲームの詳細なルールにもとづいて、ゲームの勝敗が判定される。

画像分析装置１２は画像分析結果により、各カード１のランクを認識した結果得られる勝敗結果と、カード配布装置３が判定する勝敗結果とを比較し、遊技テーブル１で行われる異常状態（配布されたカード１のランク合計と勝敗結果の不一致など）を検知する。カード配布装置３は、ディーラ５により手動で配布されるカード１のランク（Ａ，２，３，−Ｑ，Ｋ）とスート（ハート、スペードなど）を読取り可能な構造であって、制御装置１４は、ゲームテーブル４において配布された各カード１の映像（カメラ２を使って）から画像分析装置１２が得るランクとスートの情報と、カード配布装置３が読取ったランクとスートの情報とを照合して一致不一致を判定可能な構造となっている。各ゲームにおいてカード配布装置３が判定するゲームの勝敗結果に従って、客（ゲーム参加人）６の賭けた負けチップ９の回収および勝った客（ゲーム参加人）６への勝ちチップへの支払がゲームの勝敗結果に従って適正に行われたか否かを、制御装置１４は、画像分析装置１２を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。

画像分析装置１２および制御装置１４は、ゲームテーブル４において配布され客６によってスクイーズ時に折曲げられもしくは汚れたカード１であっても、カード１のランクの情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する。チップ９の位置および色や額も、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング（構造）技術を用いた画像の分析、判定により、それらの判別が可能となる。また、バカラゲーム等においてしばしば行われるプレーヤによるカードのスクイーズによりカードが曲がってしまっても、多数の画像の変形例の自己学習等を利用して、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング（構造）技術により、変形前のカードが有していたスートやランクを認識可能となる。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング（構造）技術は当業者ですでに既知で利用可能であるため、詳細な説明を略する。

続いて、本検知システムによる異常や不正行為の検知および防止する仕組みについて、バカラゲームの流れに沿って説明する。客６がバカラゲームの勝敗結果として、プレーヤとバンカーのどちらが勝利するかを賭けた後、ディーラ５はカード配布装置３からまず４枚のカード１を裏面が上向きの状態で１枚ずつゲームテーブル４上に引き出し、１枚目のカード１はプレーヤ、２枚目のカード１はバンカー、３枚目のカード１はプレーヤ、４枚目のカード１はバンカーの手として、ゲームテーブル４上のディーラ５から見た手前のエリア１０（プレーヤエリア１０Ｐとバンカーエリア１０Ｂ）に振り分けて配置される（第一ステップ）。

カード１をプレーヤの手またはバンカーの手に振り分ける際の不正または誤りは、制御装置１４により検知され、検知された時点または適切なタイミングで、カード配布装置３の表示ランプ１３や異常表示ランプ１６や側面モニタ１１２またはゲームテーブル４上などに設けられたモニタ（図示せず）や異常表示ランプ１６に表示信号を出したり、警告を行うほか、不正または誤りが検知された時点以降のカードの配布を阻止する。

前記第一ステップにおいてゲームテーブル４上のディーラ５から見た手前のエリア１０（プレーヤエリア１０Ｐとバンカーエリア１０Ｂ）にプレーヤ側の手またはバンカー側の手として振り分けたカード１は、その後ディーラ５によってそれぞれプレーヤにベットをした客６（プレーヤにベットをした客６が複数いる場合は原則として一番高額を賭けた客６）、バンカーにベットをした客６（バンカーにベットをした客６が複数いる場合は原則として一番高額を賭けた客６）に提供される（第二ステップ）。この際、ディーラ５がカード１を客６に渡すのをミス（または故意による不正）してしまうことが考えられる。例えば、プレーヤ側の手として振り分けられたカード１をバンカーにベットをした客６に提供してしまったり、またはプレーヤ側の手として振り分けられたカード１をプレーヤにベットした客６の中で最も高額を賭けていない客６に提供してしまったり、さらには客に提供する際に故意にカード１の振り分けをすり替えたりすることなどが考えられる。制御装置１４によりこれらのミス（または故意による不正）が検知された場合、検知された時点または適切なタイミングで、カード配布装置３の表示ランプ１３や異常表示ランプ１６や側面モニタ１１２またはゲームテーブル４上などに設けられたモニタ（図示せず）や異常表示ランプ１６に表示信号を出したり、警告を行うほか、不正または誤りが検知された時点以降のカードの配布を阻止することができる。

前記第二ステップにおいて、カード１が裏面が上向きの状態のまま渡された客６は、渡されたカード１を表面に返してスクイーズする（第三ステップ）。客６が表面に返したカード１のランクやスートが、このカード１がカード配布装置３から引き出された際に読み取られたランクおよびスートと異なることが制御装置１４により検知された場合、検知された時点または適切なタイミングで、カード配布装置３の表示ランプ１３や異常表示ランプ１６や側面モニタ１１２またはゲームテーブル４上などに設けられたモニタ（図示せず）や異常表示ランプ１６に表示信号を出したり、警告を行うほか、不正または誤りが検知された時点以降のカードの配布を阻止することができる。

以下に、本発明のテーブルゲームシステムに使用する、カード配布装置３の一実施形態について、図４および図６を用いて説明する。カード配布装置３は複数枚のシャッフルプレイングカード１ｓを収容するカード収容部１０２と、ディーラ５等により前記カード収容部１０２からシャッフルプレイングカード１を手動で１枚ずつゲームテーブル４に向けて引き出される際に、シャッフルプレイングカード１を案内するカードガイド部１０５と、前記カードガイド部１０５より案内されたカード１を取り出すための開口部１０６と、前記シャッフルプレイングカード１が引き出される際に、前記シャッフルプレイングカード１が引き出されたことを検知するカード検知部（カード検知センサ２２および２３）と、シャッフルプレイングカード１の少なくとも数（ランク）を表す情報を読み取るカード読取部１０８と、カード読取部１０８により順次読み取られるシャッフルプレイングカード１の数（ランク）に基づいて、カードゲームの勝敗を判定する制御部１０９と、前記制御部１０９により判定された勝敗結果を表示する結果表示ランプ１３と、前記開口部１０６に設けられ前記カード収納部１０２からのカード１の出入りを制限する配布制限装置３０と、制御装置１４と同等の機能を有する管理制御部１１４と、を含み、これらは一体化されており、前記制御装置１４によりゲームにおけるディーラのミスや不正行為が検知システムが検知された場合、検知された時点以降のまたは所定のタイミングで、カード配布装置３から更にカードが引き出されることを阻止する機能を有している。

次に、カード収納部１０２からのカード１の出入を制限する配布制限装置３０について、図７により説明する。図７（ａ）において、配布制限装置３０は、カード収納部１０２の前方の開口１０６から１枚ずつ取り出されるカード１をゲームテーブル４の上に案内するカードガイド部１０５のカードガイド１０７に設けられている。配布制限装置３０は、カード１がカードガイド部１０５とカードガイド１０７のガイドカバーとの間のスロット３３を通過する際にロック部材３４がカード１を押圧してスロット３３内のカード１の出入を阻止する構造を備えている。ロック部材３４は、電磁ソレノイドや圧電素子などの駆動部３５により、カード１を押圧する位置（制限位置）と、カード１の通過を可能にする通過可能位置との２つの状態を取り得るように矢印ｍに示すように移動する。駆動部３５は、制御装置１４と有線または無線で直接または間接的に接続された制御部１０９により制御され、ロック部材３４をカード１を押圧する位置と、カード１の通過を可能にする通過可能位置との２つの状態に移動させる。制御部１０９にはバカラゲームのルールが予めプログラムされ記憶されている。

次に、配布制限装置３０の変形例について、図７（ｂ）により説明する。変形例における、配布制限装置４０は、カード１がカードガイド部１０５とカードガイド１０７（ガイドカバー）との間のスロット３３を通過する際にロック部材３６がスロット３３内に突出てカード１の移動を阻止する構造を備えている。ロック部材３６は、電磁ソレノイドや圧電素子などの駆動部３７により、カード１の移動を阻止する位置（制限位置）と、カード１の通過を可能にする通過可能位置との２つの状態を取り得るように矢印ｍに示すように移動する。駆動部３７は、制御装置１４と接続された制御部１０９により制御され、ロック部材３６をカード１の移動を阻止する位置と、カード１の通過を可能にする通過可能位置との２つの状態に移動させる。

次に、カード収容部１０２からカード１が手動で引出される際にカード１の数字（数、ランク）を表すコード５２をカード１から読み取るコード読取部１０８の詳細について図６により説明する。図６は、カード配布装置３の要部平面図である。図において、コード読取部１０８はカード収納部１０２の前方の開口１０６から１枚ずつ手動で取出されるカード１をゲームテーブル４の上に案内するカードガイド部１０５に設けられている。カードガイド部１０５は、傾斜面であり、両側の縁部には、センサカバーを兼ねたカードガイド１０７が取り付けられている。また、２本のカードガイド１０７の各々は、ねじ等（図示せず）で取り付け着脱可能となっている。カードガイド１０７を取り外すと、コード読取部１０８のセンサ群１１５が露出する。センサ群１１５は、４つのセンサからなり、２つの紫外線反応センサ（ＵＶセンサ）２０，２１と、対象物検出センサ２２，２３とで構成される。

対象物検出センサ２２，２３は、カード１の有無を検知する光ファイバ式のセンサでありカード１の動きを検出することができる。対象物検出センサ２２は、カードガイド部１０５の、カード１の流れ方向に沿った上流側に位置し、もう一方の対象物検出センサ２３は下流側に位置している。図に示すように、両対象物検出センサ２２，２３は、ＵＶセンサ２０，２１を挟んで上流側と下流側に設けられている。ＵＶセンサ２０，２１は、紫外線を発するＬＥＤ（紫外ＬＥＤ）と検知器を備えている。カード１には、紫外線が当たると発色する紫外線発光インクでもって、コード５２のマークＭが印刷されており、紫外線（ブラックライト）がカード１に照射され、カード１のコード５２のマークＭの反射光が検知器で検知される。ＵＶセンサ２０，２１は、ケーブルを介してコード読取部１０８と制御部１０９に接続されている。コード読取部１０８では、ＵＶセンサ２０，２１の検知器の出力信号から、マークＭの組み合わせが判定され各コード５２に対応する数（ランク）が判定される。

コード読取部１０８は、対象物検出センサ２２、２３の検出信号に基づいて、ＵＶセンサ２０、２１の読取の開始と終了が制御部１０９により制御される。また、制御部１０９は、カード１が正常にカードガイド部１０５を通過したか否かも、対象物検出センサ２２、２３の検出信号に基づいて判定する。図５に示すように、カードのランク（数）およびスート（ハートやスペードなど）を表す四角形のマークＭがカード１の縁に２列、４行で配列されている。ＵＶセンサ２０，２１は、マークＭを検知すると、オン信号を出力する。コード読取部１０８では、２つのＵＶセンサ２０，２１から入力される両信号の相対関係を判定する。これにより、コード読取部１０８は、２つのＵＶセンサ２０，２１で検知された２つのマークＭの相対的な相違等によりコードを特定し、対応するカード１の数（ランク）と種類（スート）を特定する。

コード５２と２つのＵＶセンサ２０，２１のオン信号の出力との関係を図８に示す。ＵＶセンサ２０，２１のオン信号の出力の相対変化の比較結果に基づいて、マークＭの所定の組み合わせが特定できる。結果として、上下２列のマークＭの組み合わせとして４種、これを４列印刷すると、４種の４乗で２５６種のコードが構成可能となる。トランプカードの５２種のカードを２５６種のコードのどれかにそれぞれ割り当てて、これを対照表としてメモリあるいはプログラムで記憶おき、コード読取部１０８は、各コード５２を特定することで、あらかじめ定めた対照表（図示せず）からカード１の数（ランク）と種類（スート）が特定される構成としている。また、２５６種のコードは、５２種のカードに自由な組み合わせで対応付けて対照表により記憶することできるので、組み合わせを複雑にでき、時間や場所により２５６種のコードと５２種のカードの組み合わせを変えることが出来る。コードは、紫外光を受けることにより可視化される塗料で印刷され、カードの種類表記やインデックス１０３と重ならない位置に印刷されていることが望ましい。

以上、本発明の各種の実施の形態を説明したが、上述の実施の形態は、本発明の範囲内で当業者により変形可能なことはもちろんであり、適用されるゲームでの必要に応じて、本実施の形態の装置が適当に変形されてよい。

１ プレイングカード
１ｓ 複数枚のシャッフルプレイングカード
２ 監視カメラ
３ カード配布装置
４ ゲームテーブル
５ ディーラ
６ 客（ゲーム参加人）
７ 椅子
８ ベットエリア
９ チップ
１０ 領域
１０Ｐ プレーヤエリア
１０Ｂ バンカーエリア
１１ ゲームモニタリング装置
１２ 画像分析装置
１３ 結果表示ランプ
１４ 制御装置
１４Ｃ カード配布検知装置
１５ 出力された異常判定結果
１６ 異常表示ランプ
３０ 配布制限装置
３３ スロット
３４ ロック部材
３５ 駆動部
３６ ロック部材
３７ 駆動部
４０ 配布制限装置
１０２ カード収納部
１０３ インデックス
１０５ カードガイド部
１０６ 開口部
１０７ カードガイド
１０９ 制御部
１１２ 側面モニタ

Claims (7)

1. 遊技テーブルで行われるバカラゲームの進行状況をカメラを用いてモニタリングするゲームモニタリング装置と、
   前記カメラより得た映像を画像分析する画像分析装置と、
   前記遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、
   前記画像分析装置の分析結果を用いて前記遊技テーブル上にディーラが配布するカードの配布順と位置を特定するカード配布検知装置と、
   バカラゲームのルールを記憶するとともに、前記カード配布検知装置より得たカードの配布順と位置が、遊技テーブル上のプレーヤエリア及びバンカーエリアにそれぞれバカラゲームのルールに基づいて配布されたか否かを判定する制御装置と、を備え、前記制御装置はバカラゲームのルールに従わない異常判定時に異常判定結果を出力する機能を備えた、バカラゲームの異常検知システム。
2. 前記カード配布装置は、前記異常判定結果出力を受けてカードの配布を阻止する配布制限装置を更に備える、請求項１に記載のバカラゲームの異常検知システム。
3. 前記制御装置は、毎ゲームにおいてディーラが配布するカード枚数が３枚以内のタイミングで配布の異常を判定し、判定結果を受けてカードの配布を阻止する前記配布制限装置を作動させ、異常判定時には４枚以上のカードがテーブル上に配布されないよう制御する機能を備える、請求項２に記載のバカラゲームの異常検知システム。
4. 前記制御装置は、毎ゲームにおいてディーラがカードを配布する毎にカードの配布の異常を判定し、判定結果を受けてカードの配布を阻止する前記配布制限装置を作動させ、異常判定以降カードがテーブル上に配布されないよう制御する機能を備える、請求項２に記載のバカラゲームの異常検知システム。
5. 前記制御装置は、毎ゲームにおいて前記画像分析装置の分析結果を用いて、ゲーム参加人が前記遊技テーブル上のプレーヤ側もしくはバンカー側どちらにチップを賭けたかを特定するチップ検知機能を備え、前記カード配布検知装置は配布済みの各２枚カードの移動位置を検知する機能を備え、前記制御装置は、プレーヤエリアに配布された２枚のカードが、プレーヤ側に賭けたゲーム参加人の前に移動し、バンカーエリアに配布された２枚のカードがバンカー側に賭けたゲーム参加人の前に移動されスクイーズのために提供されたか否かを判定する機能をさらに備えた、請求項１に記載のバカラゲームの異常検知システム。
6. 前記制御装置は、スクイーズのためにゲーム参加人の前に提供された各２枚のカードが、元の遊技テーブル上のプレーヤエリア及びバンカーエリアに正しく返されたか否かを更に判定する機能を備えた、請求項１から５のいずれかに記載のバカラゲームの異常検知システム。
7. 前記制御装置は、異常判定時に前記カード配布装置もしくは前記遊技テーブルあるいはその両方に設けた異常表示ランプを点灯させる、請求項１から６のいずれかに記載のバカラゲームの異常検知システム。

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