(第1の実施の形態)
以下、実施の形態の外力検出装置、外力検出方法、およびプログラムを、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の外力検出装置10の模式図である。外力検出装置10は、被検体Hに荷重を付加した時に、関節部24に作用する外力を検出する装置である。なお、外力とは、被検体Hに荷重を付加したときに、関節部24に外部から作用する力を示す。
本実施の形態では、外力検出装置10による検出対象の関節部24が、被検体Hの膝関節である場合を、一例として説明する。しかし、外力検出装置10による検出対象の関節部24は、被検体Hの何れかの関節部であればよく、膝関節に限定されない。
外力検出装置10は、制御部12と、UI(ユーザ・インターフェース)部14と、駆動部61と、支持台62と、ガイド部材63と、付加部64と、荷重センサ65と、固定部材66と、変位部材70と、検出部72と、を備える。
制御部12は、外力検出装置10を制御する。制御部12は、UI部14、検出部72、駆動部61、および、荷重センサ65に、データや信号授受可能に接続されている。
支持台62は、被検体Hを支持する台である。本実施の形態では、被検体Hは、支持台62上に横たわった状態で、該支持台62によって支持される。
支持台62には、支持台62の長手方向(矢印X方向参照)に沿って長い、ガイド部材63が設けられている。ガイド部材63には、駆動部61、固定部材66、付加部64、および荷重センサ65が設けられている。
固定部材66は、被検体Hの身体の一部を支持台62に固定するための部材である。固定部材66は、支持台62に固定されている。本実施の形態では、固定部材66は、支持台62上に横たわった被検体Hの腰部を固定可能な位置に、配置されている。なお、固定部材66の位置は、図1に示す位置に限定されない。
付加部64は、被検体Hに荷重を付加する。付加部64は、ガイド部材63の長手方向(矢印X方向参照)に沿って移動可能に設けられている。駆動部61は、付加部64を、ガイド部材63の長手方向に往復移動させる(矢印XA方向、矢印XB方向参照)。
本実施の形態では、付加部64は、支持台62上に横たわった被検体Hの足裏側から頭部側に向かって、該被検体Hに荷重を付加可能な位置に配置されている。
例えば、支持台62上に被検体Hが横たわったとする。そして、被検体Hの腰部を、固定部材66によって固定する。この状態で、制御部12の制御によって、付加部64を固定部材66に近づく方向(矢印XA方向)に移動させる。すると、被検体Hには、荷重が付加された状態となる。
また、制御部12の制御によって、付加部64を固定部材66から離れる方向(矢印XB方向)に移動させる。すると、被検体Hは、荷重の付加された状態から解放される。
荷重センサ65は、付加部64における、固定部材66側の面に配置されている。荷重センサ65は、被検体Hに付加された荷重を検知する。荷重センサ65は、荷重を検知可能な公知のセンサである。
本実施の形態では、被検体Hの足裏が荷重センサ65に接する。このため、付加部64が固定部材66側へ移動することで(矢印XA方向参照)、被検体Hに荷重が付加されると、被検体Hの足裏によって荷重センサ65に圧力が加えられる。これによって、荷重センサ65は、荷重を検知する。
UI部14は、入力部14Aと、表示部14Bと、を含む。入力部14Aは、ユーザからの各種指示や情報の入力を受け付ける。入力部14Aは、例えば、キーボード、マウス、スイッチ、マイクなどである。
表示部14Bは、画像を表示する。表示部14Bは、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイなどである。
なお、UI部14は、入力部14Aと表示部14Bとを一体的に構成したタッチパネルであってもよい。
変位部材70は、被検体Hの関節部24の屈曲に応じて変位する部材である。変位部材70は、例えば、被検体Hにおける、検出対象の関節部24を含む領域を覆うシート状の部材や、検出対象の関節部24に連続する一対の骨部の一部を外側から覆う部材である。
図2は、変位部材70の一例を示す模式図である。本実施の形態では、変位部材70は、被検体Hの腰部から足先までを外側から覆う筒状の、シート状の部材で場合を一例として説明する。
すなわち、本実施の形態では、被検体Hは、筒状の変位部材70の内側に下肢を挿入することで、変位部材70を装着する。これにより、変位部材70は、被検体Hの関節部24および関節部24に連続する一対の骨部を外側から覆った状態となる。
なお、変位部材70は、被検体Hの検出対象の関節部24を覆う形状および大きさであればよい。このため、変位部材70は、被検体Hの関節部24および関節部24の上下の骨部の少なくとも覆う形状および大きさであればよく、腰部から足先までを連続して覆う形状に限定されない。
変位部材70の材質は、X線や核磁気共鳴信号により得られる画像に、鮮明度劣化などの悪影響を与えにくい材質であることが好ましい。変位部材70の材質は、例えば、非金属であることが好ましい。
本実施の形態では、変位部材70の外周面には、マークMが設けられている。マークMは、少なくとも、検出対象の関節部24に連続する骨部の、長尺方向(図2中、矢印L方向参照)に対して交差する交差方向(矢印C方向)に沿って、配置されている(マークM1参照)。
マークMは、後述する検出部72によって検出可能であればよい。詳細には、マークMの色、材質、形状、大きさ、および、変位部材70における配置位置は、検出部72によって検出可能であればよい。また、マークMの色、材質、形状、大きさ、および、変位部材70における配置位置は、X線や核磁気共鳴信号により得られる画像に、鮮明度劣化などの悪影響を与えにくい形態であることが好ましい。
図2には、マークMの形状が、線状である場合を示した。また、図2に示す例では、変位部材70の外周面には、該交差方向(矢印C方向)に沿った線状のマークM1と、該長尺方向(矢印L方向)に沿った線状のマークM2と、が格子状に配置されている。
なお、マークMの形状は、点状であってもよい。図3には、マークMの形状が、点状である場合を示した。また、図3に示す例では、変位部材70の外周面には、該交差方向(矢印C方向)に沿った点状のマークMと、該長尺方向(矢印L方向)に沿った線点状のマークMと、の各々が、互いに間隔を隔てて複数配置されている。
マークMの材質は、限定されない。マークMの材質は、例えば、金などの金属である。
図1に戻り、検出部72は、変位部材70の変位量の算出に用いるパラメータ(以下、変位パラメータと称する)を検出する。すなわち、検出部72は、荷重を付加する前の変位部材70に対する、荷重を付加したときの変位部材70の変位量の、変位パラメータを検出する。本実施の形態では、検出部72は、荷重を付加したときの変位部材70の長さの変化を検出することで、変位パラメータを検出する。
なお、変位部材70の長さとは、変位部材70における、関節部24に連続する骨部の長尺方向(図2中、矢印L方向参照)と、該長尺方向に対して交差する交差方向(図2中、矢印C方向)と、の各々の長さを示す。なお、本実施の形態では、関節部24に連続する骨部の長尺方向(図2中、矢印L方向参照)と、支持台62の長尺方向(図1中、矢印X方向)と、は一致するものとして説明する。
検出部72は、変位部材70を撮影するデジタルカメラや、変位部材70のマークMの位置を検出可能な公知の検出器である。本実施の形態では、一例として、検出部72がデジタルカメラである場合を説明する。
検出部72は、固定部材66と付加部64との間の領域を撮影可能な位置に配置されている。このため、検出部72は、変位部材70を装着した被検体Hを撮影することによって、変位部材70を撮影する。そして、変位部材70の撮影画像を、変位パラメータとして、制御部12へ出力する。
次に、外力検出装置10の機能構成を説明する。図4は、外力検出装置10の機能構成を示すブロック図である。
外力検出装置10は、検出部72と、荷重センサ65と、駆動部61と、UI部14と、記憶部16と、制御部12と、を備える。制御部12は、検出部72、荷重センサ65、駆動部61、UI部14、および記憶部16と、データや信号授受可能に接続されている。
記憶部16は、ハードディスク装置等の種々の記憶媒体である。記憶部16は、各種データや画像を記憶する。
制御部12は、外力検出装置10を制御する。本実施の形態では、制御部12は、第1受付部12Aと、第1取得部12Bと、第1算出部12Cと、第2算出部12Dと、駆動制御部12Eと、第2受付部12Fと、生成部12Gと、表示制御部12Hと、を備える。
第1受付部12A、第1取得部12B、第1算出部12C、第2算出部12D、駆動制御部12E、第2受付部12F、生成部12G、および、表示制御部12Hの一部またはすべては、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)などのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
第1受付部12Aは、検出部72から検出結果を受け付ける。本実施の形態では、制御部12は、検出部72から、変位部材70の撮影画像を受け付ける。また、荷重センサ65から、被検体Hに付加された荷重の検知結果を受け付ける。
第1取得部12Bは、被検体Hに荷重を付加したときの、変位部材70の変位量を取得する。被検体Hに荷重を付加したとき、とは荷重センサ65から受け付けた検知結果によって示される荷重を、被検体Hに付加したとき、を示す。
変位部材70の変位量とは、荷重を付加する前に対する、変位部材70の長さの変化量を示す。
本実施の形態では、第1取得部12Bは、変位部材70の変位量として、変位部材70の変位分布を取得する場合を説明する。変位部材70の変位分布とは、荷重を付加する前に対する、変位部材70を複数領域に分割した各領域の各々の位置の変位量を示す。
例えば、第1取得部12Bは、検出部72から受け付けた変位部材70の撮影画像を解析し、変位部材70の長さの変化量を算出する。具体的には、第1取得部12Bは、荷重を付加する前に検出部72が撮影した変位部材70の撮影画像と、荷重を付加したときに検出部72が撮影した変位部材70の撮影画像と、の各々を取得する。
そして、第1取得部12Bは、荷重を付加する前の変位部材70に対する、荷重を付加したときの変位部材70の、関節部24に連続する骨部の長尺方向(矢印X方向、図1参照)の長さの変化量を算出する。また、第1取得部12Bは、荷重を付加する前の変位部材70に対する、荷重を付加したときの変位部材70の、該長尺方向に対して交差する交差方向(図2中、矢印C方向)の長さの変化量を算出する。なお、これらの該変化量の算出には、公知の画像解析技術を用いればよい。
なお、荷重を付加する前に検出部72が撮影した変位部材70の撮影画像は、予め記憶部16に記憶してもよい。本実施の形態では、荷重を付加する前に検出部72が撮影した変位部材70の撮影画像は、予め記憶部16に記憶されているものとして説明する。
そして、第1取得部12Bは、変位部材70を複数の領域に分割した各領域の各々について、変位部材70の長さの変化量を算出する。
そして、第1取得部12Bは、この変化量を、変位部材70の変位量として用いる。これにより、第1取得部12Bは、変位部材70の変位分布を取得する。
なお、第1取得部12Bは、付加部64が荷重を付加する前に検出部72が撮影した変位部材70の撮影画像と、荷重を付加したときに検出部72が撮影した変位部材70の撮影画像と、を用いて、変位部材70の変位分布を取得してもよい。
また、第1取得部12Bは、変位部材70に設けられたマークMの変位から、変位部材70の変位分布を取得してもよい。
例えば、第1取得部12Bは、荷重を付加する前に検出部72が撮影した変位部材70の撮影画像と、荷重を付加したときに検出部72が撮影した変位部材70の撮影画像と、の各々を取得する。そして、第1取得部12Bは、これらの撮影画像に含まれる変位部材70のマークMの各々の位置を解析する。そして、第1取得部12Bは、これらの撮影画像に含まれる変位部材70のマークMの各々について、互いに対応する位置(変位部材70における位置が同じ位置)のマークMごとに、変位量を算出する。これによって、第1取得部12Bは、変位部材70の変位分布を取得してもよい。
なお、第1取得部12Bは、CT装置やMRI装置などの外部装置で撮影された画像に含まれるマークMを解析することで、変位部材70の変位分布を取得してもよい。この場合、外力検出装置10を、検出部72を備えない構成とすることができる。
第1算出部12Cは、第1取得部12Bが取得した変位分布から、荷重を付加したときに被検体Hの関節部24に作用する外力を算出する。
例えば、第1算出部12Cは、変位量と外力との対応を示す第1テーブルを予め記憶部16へ記憶する。そして、第1算出部12Cは、変位部材70を複数領域に分割した各領域について、変位量に対応する外力を第1テーブルから読取る。これによって、第1算出部12Cは、変位部材70を複数領域に分割した各領域の各々について、外力を算出する。
第2算出部12Dは、第1取得部12Bが取得した変位量から、関節部24の関節角を算出する。
例えば、第2算出部12Dは、変位量と関節角との対応を示す第2テーブルを、予め記憶部16へ記憶する。なお、第2テーブルは、変位分布と関節角との対応を示すものであってもよい。
そして、第2算出部12Dは、第1取得部12Bが取得した変位量(または変位分布)に対応する関節角を第2テーブルから読取る。これによって、第2算出部12Dは、荷重を付加したときの、関節部24の関節角を算出する。
駆動制御部12Eは、駆動部61の駆動、および、検出部72による検出(本実施の形態では撮影)を制御する。第2受付部12Fは、ユーザからの各種操作指示をUI部14から受け付ける。
生成部12Gは、関節部24に作用する外力を示す外力画像を生成する。外力画像は、被検体Hの関節部24に作用する外力を、外力の強さに応じた色濃度で示した画像である。本実施の形態では、色濃度は、色および濃度の少なくとも一方を示す。
本実施の形態では、生成部12Gは、被検体Hの検出対象の関節部24および関節部24に連続する骨部を模式的に示す模式画像に、外力の作用する外力領域を、外力の強さに応じた色濃度で示す、外力画像を生成する。
表示制御部12Hは、各種画像を記憶部16に表示する。本実施の形態では、表示制御部12Hは、生成部12Gが生成した外力画像を、表示部14Bに表示する。
図5は、外力画像17の一例を示す模式図である。例えば、外力画像17は、被検体Hにおける、下肢を模式的に示す画像H1における、外力の作用する外力領域P1を、外力の強さに応じた色濃度で示した画像である。なお、外力画像17は、外力の値を示す文字情報P2を更に含んでも良い。
また、外力画像17に含まれる画像H1は、第2算出部12Dで算出された関節角と一致する角度に曲げた下肢を模式的に示す画像であってもよい。また、外力画像17は、第2算出部12Dで算出された関節角を示す文字情報を更に含んでもよい。また、外力画像17は、外力の強さに対応する色濃度を示すゲージを含んでもよい。
次に、本実施の形態の外力検出装置10で実行する外力検出処理の手順を説明する。
図6は、本実施の形態の外力検出装置10で実行する外力検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、第2受付部12Fが入力部14Aから外力検出指示を受付けたか否かを判断する(ステップS100)。例えば、ユーザは、入力部14Aを操作することによって、外力件検出を指示する。すると、入力部14Aは、外力検出を示す信号を制御部12へ出力する。第1受付部12Aは、入力部14Aから外力検出を示す信号を受け付けると、外力検出指示を受付けたと判断する(ステップS100:Yes)。
ステップS100で肯定判断すると(ステップS100:Yes)、ステップS102へ進む。ステップS102では、駆動制御部12Eが、被検体Hに荷重を付加するように、駆動部61を制御する(ステップS102)。
詳細には、駆動制御部12Eは、駆動部61を制御することで、付加部64を固定部材66に近づく方向(図1中、矢印XA方向)にガイド部材63に沿って移動させる。そして、駆動制御部12Eは、荷重センサ65によって、予め定めた所望の荷重が検知されるまで、付加部64を固定部材66側へ移動させる。この所望の荷重は、例えば、立位状態のときに被検体Hに加わる荷重である。
次に、第1受付部12Aは、検出部72から、変位部材70の撮影画像を受け付ける(ステップS104)。また、第1受付部12Aは、荷重センサ65から、被検体Hに付加された荷重の検知結果を受け付ける。
次に、第1取得部12Bが、被検体Hに荷重を付加したときの、変位部材70の変位量を取得する(ステップS106)。本実施の形態では、上述したように、第1取得部12Bは、変位部材70の変位分布を取得する。
次に、第1算出部12Cが、ステップS106で第1取得部12Bが取得した変位量から、荷重を付加したときに被検体Hの関節部24に作用する外力を算出する(ステップS108)。
次に、第2算出部12Dが、ステップS106で第1取得部12Bが取得した変位量から、荷重を付加したときの関節部24の関節角を算出する(ステップS110)。
次に、生成部12Gが、ステップS108で算出された外力を示す外力画像17を生成する(ステップS112)。
次に、生成部12Gは、生成した外力画像17を、対応する検出対象の被検体Hの識別情報に対応づけて、記憶部16へ記憶する(ステップS114)。
この識別情報は、外力画像17の生成日時を含んでいてもよい。
なお、生成部12Gは、被検体Hの識別情報に対応づけて、ステップS104で受け付けた変位部材70の撮影画像、荷重センサ65から受け付けた荷重の検知結果、ステップS106で取得した変位量、ステップS108で算出した外力、および、ステップS110で算出した関節角の少なくとも1つを、記憶部16へ更に記憶してもよい。そして、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップS100で否定判断すると(ステップS100:No)、ステップS116へ進む。ステップS116では、第2受付部12Fが、入力部14Aから、外力画像の表示指示を示す信号を受付けたか否かを判断する(ステップS116)。
ステップS116で否定判断すると(ステップS116:No)、本ルーチンを終了する。ステップS116で肯定判断すると(ステップS116:Yes)、ステップS118へ進む。
ステップS118では、表示制御部12Hは、記憶部16に記憶されている外力画像17を読取る(ステップS118)。そして、表示制御部12Hは、読取った外力画像17を、表示部14Bへ表示する(ステップS120)。そして、本ルーチンを終了する。
なお、ステップS118の処理において、表示制御部12Hは、記憶部16に記憶されている外力画像17の一覧、および、外力画像17に対応する、被検体Hの識別情報の一覧、の少なくとも一方を読取り、表示部14Bに表示してもよい。そして、ユーザは、入力部14Aを操作することにより、表示対象の外力画像17、または、表示対象の被検体Hの識別情報を選択する。第2受付部12Fが、表示対象の外力画像17、または、被検体Hの識別情報を示す信号を入力部14Aから受け付けると、表示制御部15Hは、受付けた外力画像17を示す信号、または、受け付けた識別情報を示す信号に対応する、外力画像17を記憶部16から読取り、表示部14Bに表示してもよい。
以上説明したように、本実施の形態の外力検出装置10は、変位部材70と、付加部64と、第1取得部12Bと、第1算出部12Cと、を備える。変位部材70は、被検体Hの関節部24の屈曲に応じて変位する。付加部64は、被検体Hに荷重を付加する。第1取得部12Bは、被検体Hに荷重を付加したときの、変位部材70の変位量を取得する。第1算出部12Cは、変位量から、荷重を付加したときに関節部24に作用する外力を算出する。
このように、本実施の形態の外力検出装置10は、変位部材70の変位量から、関節部24に作用する外力を算出する。このため、被検体Hに付加した荷重や、被検体HのX線画像などから外力を算出する場合に比べて、精度良く外力を算出することができる。
従って、本実施の形態の外力検出装置10H、被検体Hに荷重をかけたときに、被検体Hの関節部に加わる外力を精度良く算出することができる。
また、変位部材70は、非金属であることが好ましい。変位部材70が非金属であると、外力検出装置10を、CT(Computed Tomography)装置やMRI(magnetic resonance imaging)装置に適用した場合であっても、これらの装置によって得られた画像の精度に変位部材70が影響を与えることを抑制することができる。
また、変位部材70は、関節部24に連続する骨部の長尺方向(矢印L方向、図2参照)に対して交差する交差方向(矢印C方向、図2参照)に沿って配置されたマークMを有することが好ましい。第1取得部12Bは、被検体Hに荷重を付加したときの、変位部材70のマークMの変位から、変位部材70の変位量を取得することが好ましい。
マークMの変位から変位部材70の変位量を取得することによって、第1取得部12Bは、更に精度良く、変位部材70の変位量を取得することができる。マークMは、線状または点状である。
本実施の形態の外力検出装置10は、第2算出部12Dを備えてもよい。第2算出部12Dは、変位量から、関節部24の関節角を算出する。変位量から関節部24の関節角を算出することによって、被検体Hの撮影画像などから関節角を算出する場合に比べて、精度良く且つ容易に関節角を算出することができる。
このため、本実施の形態の外力検出装置10は、関節部24に加える外力を精度良く検出することができると共に、関節部24の関節角を精度良く且つ容易に検出することができる。
また、本実施の形態の外力検出装置10は、第1取得部12Bと、第1算出部12Cと、表示制御部12Hと、を備える。第1取得部12Bは、被検体Hに荷重を付加したときの、被検体Hの関節部24の屈曲に応じて変位する変位部材70の変位量を取得する。第1算出部12Cは、変位量から、荷重を付加したときに関節部24に作用する外力を算出する。表示制御部12Hは、外力を示す外力画像を表示部14Bに表示する。
このため、本実施の形態の外力検出装置10は、上記効果に加えて、被検体Hに荷重を付加したときに、該被検体Hの関節部24に作用する外力を、ユーザに対して容易に提供することができる。
なお、本実施の形態の外力検出装置10は、例えば、CT装置やMRI装置に適用することができる。例えば、外力検出装置10をCT装置やMRI装置に搭載する。これによって、荷重を付加した状態で被検体Hを撮影することができるとともに、CT装置やMRI装置で演算する各種情報に、外力検出装置10で検出した外力や関節角を用いることができる。このため、CT装置やMRI装置では、高精度な診断を行うことの可能な情報を演算することが可能となる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、変位部材70が、複数の部材を含む形態を説明する。
図7は、本実施の形態の外力検出装置10Bの模式図である。外力検出装置10Bは、制御部13と、UI部14と、駆動部61と、支持台62と、ガイド部材63と、付加部64と、荷重センサ65と、固定部材66と、変位部材71と、検出部67と、固定部材69と、を備える。制御部13は、駆動部61と、荷重センサ65と、検出部67と、UI部14と、にデータや信号授受可能に接続されている。
UI部14、駆動部61、支持台62、ガイド部材63、付加部64、荷重センサ65、および、固定部材66は、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態の外力検出装置10Bは、第1の実施の形態の変位部材70に代えて、変位部材71を備える。
変位部材71は、第1の実施の形態の変位部材70と同様に、被検体Hの関節部24の屈曲に応じて変位する部材である。変位部材71は、非金属であることが好ましい。
変位部材71は、複数の部材を含む。本実施の形態では、変位部材71は、第1変位部材71Aと、第2変位部材71Bと、連結部材71Cと、を含む。なお、変位部材71は、2つ、または、4つ以上の部材から構成されていてもよい。
第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bは、検知対象の関節部24を挟んで、間隔を隔てて配置されている。本実施の形態では、第1変位部材71Aは、支持台62上に横たわった被検体Hにおける、関節部24より足先側(矢印XB方向側)に装着される。第2変位部材71Bは、支持台62上に横たわった被検体Hにおける、関節部24より頭側(矢印XA方向側)に装着される。
第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bは、被検体Hの身体に装着可能な形状となっている。すなわち、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bは、被検体Hの身体の外側の形状に沿った形であることが好ましい。
本実施の形態では、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bは、筒状部材である場合を説明する。なお、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bの形状は、筒状に限定されない。
連結部材71Cは、第1変位部材71Aと第2変位部材71Bとを連結する。連結部材71Cは、第1変位部材71Aと第2変位部材71Bとを、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bの各々が互いに変位可能に連結する。
このため、変位部材71が被検体Hの下肢に装着されることによって、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bの各々の位置は、下肢の関節部24の屈曲に応じて変位する。
検出部67は、連結部材71Cに設けられている。検出部67は、変位部材71の変位量の算出に用いる、変位パラメータを検出する。すなわち、検出部67は、荷重を付加する前の変位部材71に対する、荷重を付加したときの変位部材71の変位量の、変位パラメータを検出する。
本実施の形態では、検出部67は、第1変位部材71Aと第2変位部材71Bとの相対距離の収縮量を、変位パラメータとして検出する。そして、検出部67は、変位部材71の収縮量を、制御部13へ出力する。
検出部67は、第1変位部材71Aと第2変位部材71Bとの相対距離を検出可能な、公知のセンサである。
また、検出部67は、角度検出機能を備えた構成であってもよい。本実施の形態では、検出部67は、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bの各々の、連結部材71Cに対する傾きを検出する。そして、検出部67は、角度検出結果を、制御部13へ出力する。この場合、検出部67は、公知の角度検出センサに相当する機能を備えた構成であればよい。
制御部13は、外力検出装置10Bを制御する。
次に、外力検出装置10Bの機能構成を説明する。図8は、外力検出装置10Bの機能構成を示すブロック図である。
外力検出装置10Bは、検出部67と、荷重センサ65と、駆動部61と、UI部14と、記憶部16と、制御部13と、を備える。制御部13は、検出部67、荷重センサ65、駆動部61、UI部14、および記憶部16と、データや信号授受可能に接続されている。
制御部13は、外力検出装置10Bを制御する。本実施の形態では、制御部13は、第1受付部13Aと、第1取得部13Bと、第1算出部12Cと、第2算出部13Dと、駆動制御部12Eと、第2受付部12Fと、生成部12Gと、表示制御部12Hと、を備える。
第1受付部13A、第1取得部13B、第1算出部12C、第2算出部13D、駆動制御部12E、第2受付部12F、生成部12G、および、表示制御部12Hの一部またはすべては、例えば、CPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、ICなどのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
第1受付部13Aは、検出部67から検出結果を受け付ける。本実施の形態では、第1受付部13Aは、検出部67から、変位部材71の収縮量を受け付ける。また、第1受付部13Aは、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bの各々の、連結部材71Cに対する傾きの検出結果を、検出部67から受け付ける。また、第1受付部13Aは、荷重センサ65から荷重の検知結果を受け付ける。
第1取得部13Bは、被検体Hに荷重を付加したときの、変位部材71の変位量を取得する。
本実施の形態では、第1取得部13Bは、検出部67から受け付けた変位部材71の収縮量を、変位部材71の変位量として取得する。
第1算出部12Cは、第1取得部12Bで取得した変位量に代えて、第1取得部13Bで取得した変位量を用いて、関節部24に作用する外力を算出する以外は、第1の実施の形態と同様である。
第2算出部13Dは、第1取得部13Bが取得した変位量から、関節部24の関節角を算出する。第2算出部13Dは、第1の実施の形態の第2算出部12Dと同様にして、関節部24の関節角を算出すればよい。
なお、第2算出部13Dは、検出部67から受け付けた、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bの各々の、連結部材71Cに対する傾きの検出結果を用いて、関節部24の関節角を算出してもよい。
例えば、第2算出部13Dは、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bの各々の、連結部材71Cに対する傾きと、関節部24の関節角と、を対応づけた第3テーブルを予め記憶部16へ記憶する。そして、第2算出部13Dは、検出部67から受け付けた、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bの各々の、連結部材71Cに対する傾きに対応する関節角を、第3テーブルから読取る。これにより、第2算出部13Dは、関節部24の関節角を算出する。
次に、本実施の形態の外力検出装置10Bで実行する外力検出処理の手順を説明する。
図9は、本実施の形態の外力検出装置10Bで実行する外力検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、制御部13は、第1の実施の形態におけるステップS100〜ステップS102と同様にして、ステップS200〜ステップS202の処理を実行する。すなわち、まず、第2受付部12Fが入力部14Aから外力検出指示を受付けたか否かを判断する(ステップS200)。
ステップS200で肯定判断すると(ステップS200:Yes)、ステップS202へ進む。ステップS202では、駆動制御部12Eが、被検体Hに荷重を付加するように、駆動部61を制御する(ステップS202)。
次に、第1受付部13Aが、検出結果を受け付ける(ステップS204)。ステップS204では、第1受付部13Aは、検出部67から、変位部材71の収縮量を受け付ける。また、第1受付部13Aは、第1変位部材71Aおよび第2変位部材71Bの各々の、連結部材71Cに対する傾きの検出結果を、検出部67から受け付ける。また、第1受付部13Aは、検出部67から荷重の検知結果を受け付ける。
次に、第1取得部13Bが、ステップS204で受け付けた、変位部材71の収縮量から、変位部材70の変位量を取得する(ステップS206)。
次に、第1算出部12Cが、ステップS206で第1取得部12Bが取得した変位量から、被検体Hの関節部24に作用する外力を算出する(ステップS208)。
次に、第2算出部13Dが、関節部24の関節角を算出する(ステップS210)。次に、生成部12Gが、ステップS108で算出された外力を示す外力画像17を生成する(ステップS212)。次に、生成部12Gは、生成した外力画像17を、対応する検出対象の被検体Hの識別情報に対応づけて、記憶部16へ記憶する(ステップS214)。
ステップS208〜ステップS214の処理は、第1の実施の形態のステップS108〜ステップS114と同様である(図6参照)。そして、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップS200で否定判断すると(ステップS200:No)、ステップS216へ進む。そして、制御部13は、第1の実施の形態におけるステップS116〜ステップ120(図6参照)と同様にして、ステップS216〜ステップS220の処理を行う。そして、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の外力検出装置10Bは、第1の実施の形態の変位部材70に代えて、変位部材71を備える。そして、複数の部材を含む変位部材71を備えた場合についても、第1の実施の形態と同様に、変位部材71の変位量から、荷重を付加したときに関節部24に作用する外力を算出する。
従って、本実施の形態の外力検出装置10Bは、第1の実施の形態と同様に、被検体Hに荷重をかけたときに被検体Hの関節部に加わる外力を、精度良く算出することができる。
<変形例>
上記実施の形態では、付加部64がガイド部材63に沿って移動することで、被検体Hに荷重を付加する形態を説明した。
しかし、付加部64は、被検体Hに荷重を付加可能な構成であればよく、上記実施の形態で説明した形態に限定されない。例えば、付加部64は、ペダル式、シリンダ式、てこ式、の何れを採用したものであってもよい。
図10、図11、および図12は、付加部64の他の形態の一例を示す模式図である。
図10は、付加部644の一例を示す模式図である。付加部644は、ペダル式の構造である。詳細には、付加部644は、第1板状部材644Aと、ばね部材644Cと、第2板状部材644Bと、を備える。
第1板状部材644Aは、板状の部材である。第1板状部材644Aは、板面が支持部材642に接触配置されている。すなわち、第1板状部材644Aは、支持部材642によって支持されている。支持部材642は、支持台62に固定されている。
第2板状部材644Bは、板状部材である。第2板状部材644Bは、固定部材66に向かい合うように配置されている。固定部材66は、第1の実施の形態と同様である。第2板状部材644Bにおける、固定部材66側の面には、荷重センサ65が設けられている。荷重センサ65は、第1の実施の形態と同様である。
第1板状部材644Aと第2板状部材644Bとは、ばね部材644Cによって連結されている。ばね部材644Cは、長尺状のばねである。ばね部材644Cの長尺方向は、支持台62の被検体Hを載置する載置面における、支持台62の長尺方向に対して直交する方向に一致する。
第2板状部材644Bは、ばね部材644Cを回転軸として、第1板状部材644Aに接触する方向(矢印YB方向)、または、第1板状部材644Aから離れる方向(矢印YA方向)に、回動可能に設けられている。また、ばね部材644Cは、第2板状部材644Bに対して、矢印YA方向に復元力を与える。
このため、支持台62上に横たわった被検体Hには、ばね部材644Cの復元力によって、第2板状部材644Bから固定部材66側に向かう荷重(矢印XA方向の荷重)が付加される。
付加部644の材質は限定されない。付加部644の材質は、例えば、ABSなどの合成樹脂であることが好ましい。付加部644の材質が合成樹脂であると、外力検出装置10をCT装置やMRI装置に適用した場合に、これらの装置によって得られた画像の精度に付加部644が影響を与えることを抑制することができる。
図11は、シリンダ式の付加部646の一例を示す模式図である。
付加部646は、第1板状部材646A、支持部材646B、シリンダ646D、管状部材646E、制御弁646F、管状部材646G、およびコンプレッサ646Hを備える。
第1板状部材646Aは、板状部材である。第1板状部材646Aにおける、固定部材66側の面には、荷重センサ65が設けられている。支持台62上には、支持部材642および支持部材646Bがこの順に積層されている。支持部材646Bは、第1板状部材646Aを支持する。支持部材642は、支持部材646Bを、支持台62の長尺方向(矢印X方向)に沿って移動可能に支持する。このため、第1板状部材646Aは、支持部材642の長尺方向(矢印X方向)移動可能に支持されている。
第1板状部材646Aにおける、固定部材66の反対側の面には、シリンダ646Dが設けられている。第1板状部材646Aにおける、固定部材66の反対側の面は、シリンダ646Dのロッド646Cに連結されている。シリンダ646Dの内部空間は、管状部材646E、制御弁646F、および管状部材646Gを介して、コンプレッサ646Hに連通されている。
コンプレッサ646Hは、圧縮空気を生成する。圧縮空気は、管状部材646G、制御弁646F、および管状部材646Eを介して、シリンダ646Dへ送られる。ロッド646Cは、シリンダ646Dの内部空間に送られた圧縮空気によって、固定部材66に近づく方向(矢印XA方向)へ第1板状部材646Aを押す。このため、第1板状部材646Aによって、被検体Hに荷重が付加される。
なお、外力検出装置10の適用対象の装置の構成に応じて、管状部材646Eおよび管状部材646Gの長さ(矢印X方向の長さ)を調整することが好ましい。
図12は、てこ式の付加部648の一例を示す模式図である。てこ式とは、てこの原理を用いた構成である。
付加部648は、第1板状部材648Aと、支持部材648Bと、支持部材648Cと、回転軸648Dと、軸部材648Eと、重り648Fと、を備える。
第1板状部材648Aは、板状部材である。第1板状部材648Aにおける、固定部材66側の面には、荷重センサ65が設けられている。支持台62上には、支持部材642および支持部材648Bがこの順に積層されている。支持部材648Bは、第1板状部材648Aおよび支持部材648Cを回転可能に支持する。支持部材642は、支持部材642上に固定されている。
第1板状部材646Aにおける、固定部材66の反対側の面は、軸部材648Eに連結されている。軸部材648Eは、支持台62の長尺方向(矢印X方向)に長い、棒状部材である。軸部材648Eの長尺方向(矢印X方向)の一端面は、第1板状部材648Aに連結されている。軸部材648Eの長尺方向(矢印X方向)の他端側には、重り648Fが設けられている。
また、軸部材648Eは、回転軸648Dによって、該回転軸648Dを軸として回転可能に支持されている(矢印Z1方向、矢印Z2方向参照)。
このため、軸部材648Eは、回転軸648Dを支点とし、重り648Fを作用点とし、第1板状部材648Aとの連結部を力点とした、“てこ”として機能する。
すなわち、軸部材648Eにおける、重り648Fの設けられたに作用点において、鉛直方向(矢印Z1方向)に力が働くことで、第1板状部材648Aを介して被検体Hに、矢印XA方向に向かう荷重を付加することができる。
てこ式の付加部648を用いることによって、質量の小さい重り648Fであっても、該重り648Fの重量より大きな荷重を、被検体Hに付加することができる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、上記実施の形態の外力検出装置10または外力検出装置10Bで検出した外力を用いて、関節部24に作用する応力を算出する形態を説明する。
本実施の形態における、関節部24に作用する応力とは、上記外力に、関節部24に筋によって作用する作用力を加味したものである。
本実施の形態では、一例として、第1の実施の形態の外力検出装置10で検出した外力を用いて、応力領域42へ作用する応力を算出する形態を説明する。なお、第2の実施形態の外力検出装置10Bで検出した外力を用いてもよい。
図13は、本実施の形態の外力検出装置10Cの模式図である。
外力検出装置10Cは、制御部15と、UI部14と、駆動部61と、支持台62と、ガイド部材63と、付加部64と、荷重センサ65と、固定部材66と、変位部材70と、検出部72と、外部装置18と、を備える。
制御部15は、外力検出装置10Cを制御する。制御部15は、UI部14、検出部72、駆動部61、荷重センサ65、および外部装置18に、データや信号授受可能に接続されている。
UI部14、駆動部61、支持台62、ガイド部材63、付加部64、荷重センサ65、固定部材66、変位部材70、および検出部72は、第1の実施の形態と同様である。
外部装置18は、解析対象の画像を取得する装置である。解析対象の画像は、被検体Hの関節部24および関節部に連続する骨部に関する画像である。具体的には、解析対象の画像は、被検体Hの関節部24と、関節部24に連続する骨部と、筋部と、を含む。筋部は、筋を含む。
外部装置18は、例えば、被検体HをX線や磁気などを用いてスキャンすることにより、被検体Hの時系列のCT画像や、被検体Hの時系列のMRI画像を得る。なお、外力検出装置10Cと、外部装置18と、を別体として構成してもよい。また、外力検出装置10Cと、外部装置18と、を一体的に構成してもよい。
以下、本実施の形態で扱う解析対象の画像は、CT画像である場合を説明する。しかし、解析対象の画像は、CT画像に限定されない。例えば、解析対象の画像は、MRI画像や超音波エコー画像であってもよい。
CT画像は、CT値の二次元空間分布を表現するスライスデータや、CT値の三次元空間分布を表現するボリュームデータである。以下、CT画像は、ボリュームデータであるとする。外部装置18は、時系列のCT画像を、制御部15へ出力する。
なお、制御部15は、他の装置や、外部記憶部などから、解析対象のCT画像を取得してもよい。なお、解析対象の画像は、時系列の画像に限定されない。なお、以下では、解析対象の画像を、単に、画像、またはCT画像と称して説明する。
本実施の形態では、外力検出装置10Cは、支持台62上に横たわった被検体Hに、付加部64によって荷重を付加した状態で、検出部72による(撮影)、荷重センサ65による荷重の検知、外部装置18によるCT画像の撮影、を行う。このため、外部装置18が撮影するCT画像は、荷重センサ65で検知される荷重を付加部64によって付加された状態の被検体Hを撮影した画像である。
図14は、外力検出装置10Cの機能ブロック図の一例である。外力検出装置10Cは、検出部72と、荷重センサ65と、駆動部61と、外部装置18と、UI部14と、記憶部16と、制御部15と、を備える。検出部72、荷重センサ65、駆動部61、外部装置18、UI部14、および、記憶部16は、制御部15にデータや信号授受可能に接続されている。
制御部15は、外力検出装置10Cを制御する。外力検出装置10Cは、第1受付部12Aと、第1取得部12Bと、第1算出部12Cと、第2算出部12Dと、駆動制御部12Eと、第2受付部12Fと、生成部15Gと、表示制御部15Hと、第2取得部15Iと、構築部15Jと、第3算出部15Kと、第4算出部15Lと、第5算出部15Mと、を備える。
第1受付部12A、第1取得部12B、第1算出部12C、第2算出部12D、駆動制御部12E、第2受付部12F、生成部15G、表示制御部15H、第2取得部15I、構築部15J、第3算出部15K、第4算出部15L、および第5算出部15Mの一部またはすべては、例えば、CPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、ICなどのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
第1受付部12A、第1取得部12B、第1算出部12C、第2算出部12D、駆動制御部12E、第2受付部12Fは、第1の実施の形態と同様である。
第2取得部15Iは、被検体Hの関節部24および関節部24に連続する骨部に関する画像を取得する。本実施の形態では、第2取得部15Iは、外部装置18から、CT画像を取得することによって、被検体Hの関節部24および関節部24に連続する骨部に関するCT画像を取得する。なお、記憶部16に被検体HのCT画像を予め記憶してもよい。この場合、第2取得部15Iは、記憶部16から解析対象の被検体HのCT画像を読取ることによって、CT画像を取得すればよい。
第2取得部15Iは、取得したCT画像を、第3算出部15Kおよび構築部15Jへ出力する。
構築部15Jは、第2取得部15Iが取得したCT画像から、骨部および関節部24の三次元形状と、骨部および関節部24の各々の荷重と変形との関係特性と、を構築する。
本実施の形態では、構築部15Jは、一例として、骨部および関節部24の三次元形状と、荷重と変形との関係特性と、を少なくとも示す力学モデルを構築する場合を説明する。力学モデルは、骨部および関節部24の三次元形状を示す骨関節形状モデルに、骨部および関節部の各々の荷重と変形との関係特性などを付加したデータである。荷重と変形との関係特性とは、荷重に対する変形の関係を示す。荷重と変形との関係特性は、例えば、硬さを示す。
なお、以下では、説明を簡略化するために、荷重と変形との関係特性を、単に「硬さ」と称して説明する場合がある。しかし、本実施の形態で称する「硬さ」とは、上述したように、荷重と変形との関係特性の一例であり、該関係特性は硬さに限定されない。
具体的には、構築部15Jは、第2取得部15Iで取得したCT画像から、骨部領域を抽出する。例えば、解析対象の画像がCT画像である場合、硬い骨のCT値は1000HU程度であり、腱、靭帯、筋などの骨を除く結合組織である軟組織のCT値は0〜100HU前後である。このため、構築部15Jは、骨部と軟組織とを識別するためのCT値の閾値を予め設定する。なお、この閾値は、ユーザによる入力部14Aの操作などによって調整可能としてもよい。
そして、構築部15Jは、第2取得部15Iで取得したCT画像から、CT値が閾値以上の領域を抽出することで、関節部領域および骨部領域を抽出し、関節部および骨部の三次元形状を示す骨関節形状モデルを生成する。
例えば、外力検出装置10Cにおいて、有限要素法(FEM:Finite Element Method)を用いた数値解析により、関節部24の構造解析を行う場合には、構築部15Jは、三次元有限要素モデルを関節部および骨部の骨関節形状モデルとして生成する。有限要素法とは、解析対象領域を節点で囲まれたメッシュ状の領域(要素と称する)に分割し、変形を近似的に解く手法である。
さらに、構築部15Jは、骨関節形状モデルに、骨部および関節部24の各々の荷重と変形との関係特性などを付加した力学モデルを生成する。ここで、CT値は、物性によって異なる。このため、構築部15Jは、CT値に応じて、骨部および関節部24の硬さなどの、荷重と変形との関係特性を要素ごとに算出し、骨関節形状モデルの対応する位置の各要素に付加することで、力学モデルを生成する。さらに,得られた形状モデルに対し、不連続な箇所を除去するようなフィルタ処理をかけてもよい。
ここで、関係特性における変位には、剛体変位による変位と、各部の材料変形による変位と、が含まれる。このため、構築部15Jは、剛体変位による変位と、各部の材料変形による変位と、を分離して、各々の荷重と変形との関係特性を要素ごとに算出してもよい。
具体的には、構築部15Jは、骨部および関節部以外の生体組織であって、荷重以外の要因による変形が生じにくく、且つ、荷重による変形が抽出可能な生体組織について、荷重と変形との第2関係特性を更に構築してもよい。荷重以外の要因とは、具体的には、筋繊維内の血液の充血度合や、筋繊維を構成するフィラメントのすべり運動などの、荷重以外の要因である。このような生体組織は、例えば、腱、靭帯、および軟骨である。
この場合、構築部15Jは、CT画像に含まれる、上記骨部または関節部24に連続または付随する、腱、靭帯、軟骨について、画像解析および追尾技術により、荷重と変形との関係特性(第2関係特性とする)を要素ごとに算出すればよい。
そして、構築部15Jは、骨関節形状モデルの対応する位置の各要素に、骨部および関節部24の各々の関係特性と、腱や靭帯や軟骨などの生体組織の第2関係特性と、を付加することで、力学モデルを構築すればよい。
図15は、力学モデル20の一例を模式的に示す図である。力学モデル20は、関節部24と、関節部24に連続する骨部22としての骨部22Aおよび骨部22Bと、の各々の三次元形状を示す骨関節形状モデルに、これらの関節部24および骨部22の荷重と変形との関係特性を付加したデータである。
図14に戻り、本実施の形態では、構築部15Jは、CT値に応じて、骨部22および関節部24の硬さなどの、荷重と変形との関係特性を算出し、骨関節形状モデルの対応する位置の各要素に付加することで、力学モデルを生成する。
ここで、構築部15Jが算出する、要素ごとの、荷重と変形との関係特性の算出方法の一例を説明する。
構築部15Jは、骨部22や関節部24(上述した、腱や靭帯や軟骨などの生体組織を含んでいてもよい)を対象として、腱部および骨端部には荷重条件を与える。また、構築部15Jは、骨端部(骨部の端部)および関節部に変位境界条件を与える。また、構築部15Jは、各生体組織に材料構成式を与える。そして、構築部15Jは、連続体力学(参考文献:”First Course in Continuum Mechanics (3rd Edition)”, Y.C. Fung)に基づいて、大変形・応力解析を行う。
大変形・応力解析とは、例えば、有限要素法により連続体力学の方程式を離散化したうえで、数値計算により各部の応力、ひずみ、圧力、変形といった物理量、およびその時間的変化を求めることを示す。大変形・応力解析は、等方的な変形の弾性解析だけではなく、骨部の異方性変形特性を考慮した均質化法による解析でもよく、また生体組織の非弾性変形特性や時間依存変形特性を考慮した非線形解析でもよく、静解析でも動解析でもよい。
そして、構築部15Jは、第2取得部15Iで取得したCT画像から、大変形・応力解析により、骨部22および関節部24における各要素の、荷重と変形との関係特性を算出する。また、構築部15Jは、骨部22および関節部24以外の生体組織であって、荷重以外の要因による変形が生じにくく、且つ、荷重による変形が抽出可能な生体組織である軟組織(腱、軟骨、靭帯など)について、画像解析および追尾技術により、荷重と変形(軟組織の膜厚変位や軟組織の)との第2関係特性を更に構築(算出)する。
すなわち、構築部15Jは、関節部24の内部の軟組織の膜厚変位、または、該軟組織のひずみに基づいて、関係特性(第2関係特性)を構築する。
そして、構築部15Jは、算出した関係特性と、第2関係特性と、を、骨関節形状モデルにおける対応する位置の各要素に付加することで、力学モデルを生成する。
なお、構築部15Jは、関係特性を、骨関節形状モデルにおける対応する位置の各要素に付加した(すなわち、第2関係特性を含まない)力学モデルを構築してもよい。しかし、第2関係特性を含む力学モデルを構築することが、後述する第1応力の算出精度向上の観点から好ましい。
図14に戻り、第3算出部15Kは、第2取得部15Iから受け付けたCT画像を用いて、関節部24に連続する骨部22の位置関係を算出する。
関節部24に連続する骨部22の位置関係は、関節部24に連続する骨部22間の、関節部24を中心とする角度(関節角)や、骨部の中心座標系、慣性モーメント、骨部の質量、筋ヤコビアン、などを含む。
本実施の形態では、第3算出部15Kは、第2取得部15Iから受け付けたCT画像を用いて、位置関係を算出し、筋骨格モデルを生成する。
筋骨格モデルとは、関節部24と骨部22の三次元形状を示す骨関節形状モデルに、筋部の三次元形状を配置し、上記位置関係を付与したものである。なお、筋骨格モデルは、更に、靭帯や腱の三次元形状を配置したモデルであってもよい。本実施の形態における筋部は、関節部24に連続する2つの骨部22の一方を起始部とし他方を停止部として結合した筋を意味する。
このため、筋骨格モデルは、関節部24と関節部24に連続する骨部22との位置関係を少なくとも示すものとなる。なお、筋骨格モデルは、更に、骨部22、関節部24、および骨部22に連結する筋部の各々の硬さや、重さ、などを含んでいてもよい。
例えば、第3算出部15Kは、CT画像から、以下の手法を用いて筋骨格モデルを生成する。
具体的には、第3算出部15Kは、構築部15Jと同様にして、第2取得部15Iで取得したCT画像から、CT値が閾値以上の領域を抽出することで、関節部領域および骨部領域を抽出し、関節部24および骨部22の三次元形状を示す骨関節形状モデルを生成する。また、第3算出部15Kは、CT画像から、軟組織(筋部)を示すCT値の領域を抽出することで、筋部領域を抽出し、骨関節形状モデルに筋部の三次元形状を配置する。
そして、更に、第3算出部15Kは、CT画像から、関節部24と関節部24に連続する骨部22との位置関係としての、関節角、骨部の中心座標系、慣性モーメント、骨部の質量、筋ヤコビアンを算出する。
例えば、第3算出部15Kは、生成した骨関節形状モデルから、骨部22および関節部24の各々について、特徴的な形状の箇所を数点抽出する。そして、第3算出部15Kは、それらの重心位置を中心とした座標系を、各骨部22および関節部24の各々の中心座標系として算出する。
また第3算出部15Kは、上記各骨部22および関節部24の各々について、上記算出した中心座標系のそれぞれの軸回りで、下記式(1)を用いて慣性モーメントIを算出する。
I=Σmiri2 ・・・式(1)
式(1)中、Iは慣性モーメントを示し、miは骨部22および関節部24をメッシュ状に細分化したときの要素の質量を示し、riは座標軸までの距離を示す。要素の質量は、予め記憶していた標準の密度と要素の体積から算出してよい。また、riは、骨関節形状モデルから算出すればよい。
また、第3算出部15Kは、関節角については、関節部に連続する隣り合う2つの骨部22の座標系を座標変換することによって算出する。例えば、体幹に近い側の骨の座標系(同次変換行列)をTaとし、先端側の骨の座標系を表す同次変換行列をTbとすると、下記式(2)の関係が成り立つ。これらの座標系は、骨関節形状モデルから算出すればよい。
T=TbTa −1 ・・・式(2)
第3算出部15Kは、式(2)を用いて、x軸、y軸、およびz軸回りにそれぞれα,β,γで回転した時の行列と、Tと、を比較することによって、関節角α,β,γを算出する(オイラー角の定義)。
また、第3算出部15Kは、筋ヤコビアンについては、下記式(3)を用いて算出する。
L=dl/dθ ・・・式(3)
式(3)中、Lは筋ヤコビアンを示し、dlは筋長の微小変化量を示し、dθは関節角の微小変化を示す。dlおよびdθは、予め定めた値を用いてもよいし、CT画像より抽出した筋と関節中心との幾何的関係から算出してもよい。
なお、慣性モーメント、骨部22および関節部24の質量、および筋ヤコビアンは、制御部12で予め標準的な値を算出し、標準位置関係として予め記憶部16に記憶してもよい。そして、第3算出部15Kは、記憶部16に記憶されている、慣性モーメント、骨部22および関節部24の質量、および筋ヤコビアンを用いてもよい。また、第3算出部15Kは、新たに慣性モーメント、骨部22の質量、関節部24の質量、および筋ヤコビアンの少なくとも1つを算出した場合には、算出後の値を新たな値として、記憶部16に記憶することによって、記憶部16を更新してもよい。
そして、第3算出部15Kは、関節部24と骨部22の三次元形状を示す骨関節形状モデルに、筋部の三次元形状を配置し、算出した位置関係(関節角、骨部22の中心座標系、慣性モーメント、骨部22や関節部24の質量、筋ヤコビアンなど)を付与することによって、筋骨格モデルを生成する。
なお、第3算出部15Kが、時系列のCT画像の各々から筋骨格モデルを生成することで、第3算出部15Kは、時系列の筋骨格モデルを生成することとなる。すなわち、第3算出部15Kは、時系列の筋骨格モデルを生成することによって、時系列で取得されたCT画像から抽出した骨部22の位置の時間変化から、関節角の変化や筋の長さ変化も算出可能である。
なお、第3算出部15Kは、変位量から算出した関節角を第2算出部12Dから取得することによって、関節角を算出してもよい。すなわち、第3算出部15Kは、変位部材70の変位量から算出された関節部24の関節角を、位置関係として算出してもよい。
第4算出部15Lは、第3算出部15Kが算出した位置関係、外力、および付加部64が付加した荷重、を用いて、逆動力学計算を行う。逆動力学計算によって、第4算出部15Lは、関節部24に筋によって作用する作用力を算出する。
作用力は、例えば、関節部24に連続する骨部22間に結合した筋の筋張力、および関節部24に作用するトルクの少なくとも1つを含む。関節部24に連続する骨部22間に結合した筋とは、関節部24に連続する2つの骨部22の一方の骨部22を起始部とし、他方の骨部22を停止部として、これらの骨部22に結合した筋を示す。
逆動力学計算には、関節部24と関節部24に連続する骨部22との位置関係としての、関節角、骨部の中心座標系、慣性モーメント、骨部の質量、筋ヤコビアンが必要である。また、逆動力学計算には、第1算出部12Cが算出した外力(すなわち、被検体Hに荷重を付加した時に関節部24に作用する外力)と、該被検体Hに付加した該荷重と、を用いる。
第4算出部15Lは、第3算出部15Kで算出された筋骨格モデルから、関節角、骨部の中心座標系、慣性モーメント、骨部の質量、および筋ヤコビアンを取得する。
また、第4算出部15Lは、第1算出部12Cから外力を取得する。また、第4算出部15Lは、第2算出部12Dから関節角を取得する。また、第4算出部15Lは、第1受付部12Aから、荷重の検出結果を取得する。
なお、第4算出部15Lは、筋骨格モデルから関節角を取得してもよいし、第2算出部12Dから関節角を取得してもよい。
そして、第4算出部15Lは、関節角、骨部の中心座標系、慣性モーメント、骨部の質量、筋ヤコビアン、外力、および荷重(荷重センサ65から受け付けた荷重)を用いて、下記式(4)〜式(6)により、逆動力学計算を行うことによって、関節部24に筋によって作用する作用力を算出する。なお、下記式(4)は、関節部24に作用するトルクの算出式である。
各関節における運動方程式は、式(4)で表される。
τ=Md2θ/dt2+Ddθ/dt+G(θ)+τe ・・・式(4)
式(4)中、τは関節部に作用するトルクを示し、θは関節角を示し、dθ/dtは、関節角速度を示す。また、d2θ/dt2は、関節角加速度を示し、Mは慣性モーメントを示し、Dは粘性抵抗を示し、G(θ)は重力項(姿勢によって変化)を示す。また、τeは、第1算出部12Cが算出した外力を示す。言い換えると、τeは、CT画像の撮影時に、荷重を付加された被検体Hの、関節部24に作用する外力である。
すなわち、第4算出部15Lは、第1算出部12Cが算出した外力を、式(4)のτeにあてはめる。
なお、第4算出部15Lは、関節角速度(dθ/dt)については、第3算出部15Kで算出された時系列の筋骨格モデルを用いて、関節角の角速度を算出することにより得ればよい。また、第4算出部15Lは、関節角加速度(d2θ/dt2)については、第3算出部15Kで算出された時系列の筋骨格モデルを用いて、関節角の角速度を算出することにより得ればよい。粘性抵抗(D)については、予め計測し、記憶部16に記憶しておけばよい。重力項(G(θ))については、骨部の質量と重心位置から算出すればよい。
なお、第2取得部15Iが取得したCT画像が、時系列の画像ではない場合(すなわち、ワンショットのCT画像である場合)、式(4)中の時間変化に関する項目を得ることはできない。このため、この場合には、第4算出部15Lは、τ=G(θ)として処理を進めればよい。
また、第4算出部15Lは、逆動力学計算を行うことにより、関節部に連続する骨部間に結合した筋の筋張力を算出する。
ここで、荷重Fが関節部に作用している場合、仮想仕事の原理により、下記式(5)が成り立つ。
JTF+τ=LTm ・・・式(5)
m=(LT)−1(JTF+τ) ・・・式(6)
式(5)および式(6)中、Jは、関節角ヤコビアン(位置と関節角の微分関係)を示し、Lは、筋ヤコビアン(関節角と筋長の微分関係)を示し、mは、筋張力を示す。上記式(5)において、LTの逆行列を左辺に乗算することによって(式(6)参照)、第4算出部15Lは、筋張力mを算出する。Fは、荷重を示し、荷重センサ65から受け付けた荷重の検知結果である。言い換えると、Fは、外部装置18によって撮影されたCT画像の、撮影時に被検体Hに付加されていた荷重である。
このため、第4算出部15Lは、荷重センサ65から受け付けた荷重(すなわち、CT画像の撮影時に被検体Hに付加されていた荷重)を、式(5)および式(6)のFにあてはめる。
なお、第4算出部15Lは、式(5)および式(6)中の関節角ヤコビアン(J)については、付加荷重(ベクトル)を関節角(ベクトル)で偏微分することによって得ればよい。
以上の処理により、第4算出部15Lは、第3算出部15Kが算出した位置関係(筋骨格モデル)と、CT画像の撮影時に被検体Hに付加した荷重と、該荷重を付加された被検体Hの関節部24に作用していた外力と、を用いて、逆動力学計算を行うことによって、関節部24に筋によって作用する作用力(筋張力や、関節部に作用するトルク)を算出する。
なお、第4算出部15Lは、筋の物理モデルとして、より実際の筋を模擬した粘弾性モデルを仮定することによって、作用力を算出してもよい。
次に、第5算出部15Mについて説明する。
第5算出部15Mは、構築部15Jが構築した三次元形状と、関係特性と、第4算出部15Lが算出した作用力と、に基づいて、関節部24に作用する応力を算出する。本実施の形態では、第5算出部15Mは、構築部15Jが構築した力学モデルと、第4算出部15Lが算出した作用力と、に基づいて、関節部24に作用する応力を算出する場合を説明する。
すなわち、第5算出部15Mは、骨部22と関節部24との接触面における各要素(FEMにおける各要素)ごとに、応力を算出する。
具体的には、第5算出部15Mは、第4算出部15Lによる逆動力学計算によって算出された、筋張力および関節部24に作用するトルクを、力学モデルに対する外荷重の境界条件として与える。これにより、第5算出部15Mは、関節部24を構造解析し、骨部22と関節部24との接触面である軟骨部に作用する応力を算出する。応力の算出には、公知の有限要素法(FEM)を用いた数値解析を用いればよい。
また、第5算出部15Mは、骨部22と関節部24との接触面における各要素の応力を算出することによって、関節部24(すなわち、骨部22と関節部24との接触面)に作用する応力の分布を算出する。
生成部15Gは、第1の実施の形態のUI部14と同様にして、外力画像17(図5参照)を生成する。
また、生成部15Gは、第5算出部15Mで算出された、関節部24に作用する応力を示す応力画像を含む解析画像を生成する。応力画像は、被検体Hの骨部22と関節部24との接触面における応力の作用する応力領域を、応力の強さに応じた色濃度で示した画像である。なお、本実施の形態では、色濃度は、色および濃度の少なくとも一方を示す。
本実施の形態では、生成部15Gは、骨部22の三次元形状を示す骨部画像に、骨部22と関節部24との接触面における、応力の作用する応力領域を、応力の強さに応じた色濃度で示す応力画像を、応力画像として生成する。
第2受付部12Fは、入力部14Aからユーザによる各種操作指示を受付ける。
表示制御部15Hは、各種画像を表示部14Bへ表示する。
本実施の形態では、表示制御部15Hは、外力画像17や、解析画像を、表示部14Bへ表示する。解析画像は、生成部15Gが生成した応力画像を含む。
図16は、解析画像34の一例を示す図である。例えば、解析画像34は、力学モデル画像32と、応力画像30と、を含む。なお、解析画像34は、少なくとも応力画像30を含む画像であればよい。解析画像34が力学モデル画像32を含む場合、生成部15Gは力学モデル画像32を生成し、力学モデル画像32と応力画像30を含む解析画像34を生成すればよい。
応力画像30は、骨部画像40と、骨部22と関節部24との接触面における応力の作用する応力領域42を、作用する応力の強さに応じた色濃度で示した応力画像である。
図16に示す例では、骨部22と関節部24との接触面における、応力領域421は、応力「8×10-1」を示す色濃度361で示されている。また、応力領域425は、応力「5.333×10−1」を示す色濃度365で示されている。また、応力領域428は、応力「4.0×10−1」を示す色濃度368で示され、最も外側の応力領域4214は、応力「0」を示す色濃度3614で示されている。
なお、応力画像30は、応力の強さに対応する色濃度を示すゲージ36を更に含んでいてもよい。
ゲージ36は、例えば、応力の強さに対応する色濃度の一覧と、各色濃度に対応する応力の値と、を対応づけて表示したものである。
解析画像34は、力学モデルを示す力学モデル画像32を更に含んでいてもよい。力学モデル画像32は、形状モデル画像44と、ゲージ38と、を含む。
形状モデル画像44は、骨部22と関節部24との接触面に作用する応力の分布および強さが、同じ解析画像34に含まれる応力画像30に示される応力の分布および強さであるときの、骨部22と関節部24との位置関係を三次元形状で示す画像である。
ゲージ38は、荷重と変形との関係特性の強さに応じた色濃度の一覧と、各色濃度に対応する関係特性の値と、を対応づけて表示した画像である。形状モデル画像44には、荷重と変形との関係特性の値に応じた色濃度が付与されている。
生成部15Gが、応力画像30を含む解析画像34を生成することで、表示部14Bには、例えば、図16に示す解析画像34が表示される。このため、外力検出装置10Cは、骨部22と関節部24との接触面における応力の作用する応力領域42を、応力の強さに応じた色濃度で示した応力画像30を表示することができる。よって、外力検出装置10Cは、骨部22と関節部24との接触面における、各強さの応力の作用する位置や範囲を、ユーザに対して解り易く提供することができる。
また、生成部15Gが、応力画像30と、力学モデル画像32と、を含む解析画像34を生成することで、表示部14Bには、例えば、図16に示す解析画像34が表示される。このため、外力検出装置10Cは、応力画像30によって示される応力が作用しているときの、関節部24と骨部22との関節角などの位置関係を解り易く提供することができる。
次に、外力検出装置10Cが実行する外力検出処理の手順を説明する。図17は、外力検出装置10Cが実行する外力検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、制御部15は、第1の実施の形態のステップS100〜ステップS120と同様にして、ステップ300〜ステップS320の処理を実行する。
そして、ステップS316で否定判断すると(ステップS316:No)、ステップS322へ進む。
ステップS322では、第2受付部12Fが入力部14Aから解析指示を受付けたか否かを判断する(ステップS322)。例えば、ユーザは、入力部14Aを操作することによって、画像解析を指示する。第2受付部12Fは、入力部14Aから画像解析を示す信号を受け付けると、解析指示を受付けたと判断する(ステップS322:Yes)。
ステップS322で肯定判断すると(ステップS322:Yes)、第2取得部15IがCT画像を取得する(ステップS324)。なお、ステップS324で取得するCT画像は、ステップS302の駆動制御によって、荷重が付加された被検体HのCT画像である。
次に、構築部15Jが、ステップS324で取得したCT画像から、力学モデルを構築する(ステップS326)。
次に、第3算出部15Kが、関節部24に連続する骨部22の位置関係を算出する(ステップS328)。
次に、第4算出部15Lが、逆動力学計算を行い、関節部32に筋によって作用する作用力を算出する(ステップS330)。
次に、第5算出部15Mが、構築部15JがステップS326で構築した力学モデルと、第4算出部15LがステップS330で算出した作用力と、に基づいて、関節部24に作用する応力を算出する(ステップS332)。
次に、生成部15Gが、ステップS332で算出した応力を示す応力画像を生成する(ステップS334)。本実施の形態では、上述したように、生成部15Gは、応力画像を含む解析画像を生成する。
次に、生成部15Gは、ステップS334で生成した解析画像を記憶部16に記憶する(ステップS336)。そして、本ルーチンを終了する。なお、ステップS336では、生成部15Gは、ステップS334で生成した解析画像を、該解析画像を識別する識別情報に対応づけて記憶部16に記憶することが好ましい。この識別情報は、例えば、ステップS324で取得したCT画像の被検体Hの被検体ID、CT画像の撮影日時、解析画像の生成日時、および該CT画像に含まれる関節部の関節角、の少なくとも1つを含むことが好ましい。
この場合、例えば、第2取得部15Iは、CT画像と共に、該CT画像の被検体Hの被検体IDと、CT画像の撮影日時と、を取得すればよい。そして、生成部15Gは、該被検体IDおよび撮影日時を、識別情報として用いればよい。また、生成部15Gは、解析画像に含まれる応力画像に含まれる関節部の関節角を、第4算出部15Lから受付ければよい。そして、生成部15Gは、受付けた関節角を識別情報として用いればよい。
一方、上記ステップS322で第2受付部12Fが否定判断すると(ステップS322:No)、ステップS338へ進む。例えば、第2受付部12Fは、入力部14Aから解析画像の表示を示す信号を受け付けると、ステップS338で否定判断する。
ステップS338では、第2受付部12Fが応力画像の表示指示を受付けたか否かを判断する。例えば、第2受付部12Fは、入力部14Aから、応力画像の表示指示を受付けたか否かを判断する。ステップS338で肯定判断すると(ステップS338:Yes)、ステップS340へ進む。一方、ステップS338で否定判断すると(ステップS338:No)、本ルーチンを終了する。
次に、表示制御部15Hは、記憶部16に記憶されている解析画像を読取る(ステップS340)。そして、表示制御部15Hは、読取った解析画像を表示部14Bに表示する(ステップS342)。そして、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の外力検出装置10Cは、変位部材70と、付加部64と、第1取得部12Bと、第1算出部12Cと、第2取得部15Iと、構築部15Jと、第3算出部15Kと、第4算出部15Lと、第5算出部15Mと、を備える。
変位部材70、付加部64、第1取得部12B、および、第1算出部12Cは、第1の実施の形態と同様である。
第2取得部15Iは、被検体Hの関節部24および関節部24に連続する骨部22に関する画像情報(CT画像)を取得する。構築部15Jは、画像情報(CT画像)から、骨部22および関節部24の三次元形状と、骨部22および関節部24における荷重と変形との関係特性と、を構築する。第3算出部15Kは、関節部24に連続する骨部22の位置関係を算出する。第4算出部15Lは、位置関係、外力、および付加部64が付加した荷重、を用いて逆動力学計算を行い、関節部24に筋によって作用する作用力を算出する。第5算出部15Mは、三次元形状と、関係特性と、作用力と、に基づいて、関節部24に作用する応力を算出する。
このように、本実施の形態の外力検出装置10Cは、第1算出部12Cで算出された変位量から算出された外力を用いて、逆動力学計算を行うことによって、関節部24に筋によって作用する作用力を算出する。そして、作用力を用いて、関節部24に作用する応力を算出する。
すなわち、本実施の形態の外力検出装置10Cは、第1算出部12Cで算出された変位量に基づいて応力を算出する。従って、本実施の形態の外力検出装置10Cは、第1の実施の形態の効果に加えて、関節部24に作用する応力を精度良く算出することができる。
次に、上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cの、ハードウェア構成を説明する。図18は、上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cのハードウェア構成例を示すブロック図である。
上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cは、CPU800、ROM(Read Only Memory)820、RAM(Random Access Memory)840、HDD(Hard Disk Drive)(図示省略)、および通信I/F(Interface)860を有する。CPU800、ROM820、RAM840、HDD(図示省略)、および通信I/F860は、バスにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cで実行される外力検出処理を実行するためのプログラムは、ROM820等に予め組み込んで提供される。
なお、上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cで実行される外力検出処理を実行するためのプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
また、上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cで実行される外力検出処理を実行するためのプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cで実行される外力検出処理を実行するためのプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cで実行される外力検出処理を実行するためのプログラムは、上述した各機能部を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU800がROM820等の記憶媒体から各プログラムを読み出して実行することにより上記各機能部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cは、被検体Hを撮影する撮影機構を装備する如何なる種類の装置にも適用可能である。上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cは、例えば、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)、磁気共鳴診断装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission CT)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、および放射線治療装置などに適宜利用可能である。
また、上記実施の形態では、被検体Hは、人体であるものと仮定して説明した。しかし、被検体Hは、人体以外の物体であってもよい。例えば、被検体Hは、骨格模型であってもよい。
すなわち、上記実施の形態の外力検出装置10、10B、10Cは、被検体Hとして人体以外の物体を用いた場合にも、適用可能である。
以上、実施の形態を説明したが、実施の形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施の形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。