JP2017055334A - 無線測位装置および無線測位システム - Google Patents

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Abstract

【課題】送信電力が変化しても測位を可能とする【解決手段】移動端末3は、自動車に搭載され、OFDM受信装置42を備える。受信装置42は、データを無線送信するサーバから送信される電波を受信する。受信装置42の伝搬路推定部56は、伝搬路特性を算出する。この伝搬路特性は、電波を受信装置42で受信した場合における伝搬路の伝達関数の周波数特性である。移動端末3の制御部33は、伝搬路特性について周波数方向における微分を行い、微分値の周波数特性を取得する。制御部33は、伝搬路特性における微分値の周波数特性と、基準移動距離との対応関係が予め設定された基準軌跡情報を記憶する。制御部33は、記憶された基準軌跡情報において取得された微分値の周波数特性と一致する一致部位があるか否かを判断し、基準軌跡情報において一致部位に対応する基準移動距離に基づいて、移動端末3の現在の位置を決定する。【選択図】図3

Description

本発明は、無線通信により測位を行う無線測位装置および無線測位システムに関する。
特許文献1のように、基準局付近の道路上を移動する移動体に搭載された無線通信装置(以下、移動体通信装置という)が、基準局から定期的に送信される無線ビーコンを受信したときの受信信号強度を検出することにより、移動体通信装置の現在位置を計測する技術が知られている。
特開2013−257306号公報
しかし、基準局が送信電力制御を行うことにより無線ビーコンの送信電力が変化すると、移動体通信装置で受信した無線ビーコンの受信電力の変化が、送信電力の変化によるものであるのか、移動体の移動によるものであるのかを移動体通信装置側で区別することができない。このため、無線ビーコンの受信信号強度に基づいて現在位置を計測することができなくなるおそれがあった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、送信電力が変化しても測位を可能とする技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた第1発明は、移動体に搭載される無線測位装置であって、無線受信部と、特性算出部と、傾斜情報取得部と、基準情報記憶部と、位置決定部とを備える。
無線受信部は、データを無線送信する無線通信機から送信される電波を受信する。
特性算出部は、電波を無線受信部で受信した場合における伝搬路特性を算出する。なお、第1発明の伝搬路特性とは、電波を無線受信部で受信した場合における伝搬路の特性を示すものであり、例えば、伝搬路の伝達関数の周波数特性または時間特性、送信信号に伝搬路の伝達関数が乗算された受信信号の周波数特性または畳み込み積分された時間特性が挙げられる。
傾斜情報取得部は、特性算出部が算出した伝搬路特性における傾きに関する情報である特性傾斜情報を取得する。
基準情報記憶部は、伝搬路特性の特性傾斜情報と、無線測位装置の位置に関連する情報である位置関連情報との対応関係が予め設定された測位基準情報を記憶する。
位置決定部は、基準情報記憶部により記憶された測位基準情報において、傾斜情報取得部で取得された特性傾斜情報と一致する一致部位があるか否かを判断し、一致部位があると判断された場合に、測位基準情報において一致部位に対応する位置関連情報に基づいて、無線測位装置の現在の位置を決定する。
このように構成された第1発明の無線測位装置は、測位基準情報に対応する1機の無線通信機と無線通信を行うことにより、当該無線通信装置の現在の位置を決定することができる。
そして、第1発明の無線測位装置は、測位基準情報において、伝搬路特性の特性傾斜情報と一致する一致部位に対応する位置関連情報に基づいて、無線測位装置の現在の位置を決定する。
無線通信機から送信される電波の送信電力が変化しても伝搬路は変化せず、伝搬路特性は、その値が、その値に依存せず且つ送信電力の変化に応じた一定の大きさで増減する。すなわち、無線通信機から送信される電波の送信電力が変化しても、伝搬路特性における傾きは変化しない。
これにより、第1発明の無線測位装置は、無線通信機から送信される電波の送信電力が変化しても測位基準情報を用いて測位を行うことができる。
上記目的を達成するためになされた第2発明は、上記の無線通信機と、第1発明の無線測位装置とを備える無線測位システムである。
このように構成された第2発明の無線測位システムは、第1発明の無線測位装置を備えたものであり、第1発明の無線測位装置と同様の効果を得ることができる。
無線測位システム1の構成を示す図である。 サーバ2の構成を示すブロック図である。 移動端末3の構成を示すブロック図である。 測定端末4の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の位置推定処理を示すフローチャートである。 先行波PWと遅延波DWを説明する図である。 送信局から送信される電波の送信電力と、受信局での周波数特性と、微分値の周波数特性を示す図である。 測定処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の軌跡更新処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における位置推定の具体例を示す図である。 ディップと基準ディップマップを示す図である。 第2実施形態の位置推定処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるディップの検出方法を示す図である。 第2実施形態のディップ検出処理を示すフローチャートである。 第3実施形態におけるディップの検出方法を示す図である。 第3実施形態のディップ検出処理を示すフローチャートである。 基準軌跡における伝搬路特性と、移動端末3により取得される伝搬路特性と、基準軌跡における変換後の伝搬路特性を示す図である。 第4実施形態の位置推定処理を示すフローチャートである。 第5実施形態の位置推定処理を示すフローチャートである。 第5実施形態の軌跡更新処理を示すフローチャートである。 送信局から送信される電波の送信電力と、受信局でのインパルス応答と、微分値の時間特性を示す図である。
(第1実施形態)
以下に本発明の第1実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態の無線測位システム1は、図1に示すように、GPS(Global Positioning System)圏外領域に分散して設置されて路車間通信を行う複数のサーバ2と、自動車に搭載されて路車間通信を行う複数の移動端末3と、自動車に搭載されて路車間通信を行う複数の測定端末4とを備える。なお図1は、1台のサーバ2と1台の移動端末3と1台の測定端末4を示している。
サーバ2は、図2に示すように、路車間通信装置11、データ記憶装置12および制御部13を備える。
路車間通信装置11は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送方式を用いて、移動端末3および測定端末4との間で無線通信を行う。データ記憶装置12は、後述の基準軌跡を示す基準軌跡情報を記憶する。
制御部13は、CPU21、ROM22およびRAM23を備える。制御部13は、ROM22が記憶するプログラムに基づく処理をCPU21が実行することにより、路車間通信装置11とデータ記憶装置12を制御する。
サーバ2は、サーバ2自身の識別情報を含む無線ビーコンを、路車間通信により、周囲の自動車へ定期的に送信する。
移動端末3は、図3に示すように、位置検出器31、路車間通信装置32および制御部33を備える。
位置検出器31は、GPS衛星からの衛星信号を受信するGPS受信機、車輪の回転から自車の走行距離を検出する距離センサ、および自車の方位を検出する方位センサ等を備え、これらから得られる信号に基づき、自車の位置および進行方位を検出する。位置検出器31の検出結果は制御部33へ入力される。
路車間通信装置32は、OFDM伝送方式を用いてサーバ2との間で無線通信を行う装置であり、OFDM送信装置41とOFDM受信装置42を備える。
OFDM送信装置41は、制御部33から入力されるデータをOFDM変調方式で変調することによりOFDM信号を生成し、生成したOFDM信号を無線送信する。
OFDM受信装置42は、アンテナ51、RF(Radio Frequency)部52、直交復調部53、アナログデジタル変換部54、FFT(Fast Fourier Transform)部55、伝搬路推定部56、伝搬路補償部57、位相誤差補正部58およびサブキャリア復調部59を備える。
アンテナ51は、サーバ2により無線送信されて伝搬路を伝搬してきたOFDM信号を受信する。
RF部52は、アンテナ51が受信したOFDM信号を、信号処理に適した周波数帯の受信信号にダウンコンバートする。
直交復調部53は、RF部52がダウンコンバートした受信信号から、I成分およびQ成分を表す二つのベースバンド信号を生成する。
アナログデジタル変換部54は、直交復調部53が生成した二つのベースバンド信号をそれぞれサンプリングして、I成分およびQ成分を表す二つのデータ列を生成する。
FFT部55は、アナログデジタル変換部54が生成した二つのデータ列について高速フーリエ変換処理を行い、OFDM信号のサブキャリアを含む周波数領域の信号(以下、周波数領域信号という)に変換する。
伝搬路推定部56は、FFT部55によって変換された周波数領域信号から、送受信側の双方で既知となっている既知信号(例えば、パイロットシンボル)を抽出し、抽出した既知信号を用いて伝搬路特性を推定する。
伝搬路補償部57は、伝搬路推定部56で推定された伝搬路特性を用いて、伝搬路に起因した周波数領域信号の歪みを補償する。
位相誤差補正部58は、伝搬路補償部57で補償された信号の位相を補正する。
サブキャリア復調部59は、位相誤差補正部58から出力された信号をサブキャリア毎に復調してデータ列を生成する。
制御部33は、CPU61、ROM62およびRAM63を備える。制御部33は、ROM62が記憶するプログラムに基づく処理をCPU61が実行することにより、路車間通信装置32を制御する。
測定端末4は、図4に示すように、位置検出器71、路車間通信装置72および制御部73を備える。
位置検出器71は、位置検出器31と同様にして、自車の位置および進行方位を検出する。位置検出器71の検出結果は制御部73へ入力される。
路車間通信装置72は、OFDM伝送方式を用いてサーバ2との間で無線通信を行う装置であり、OFDM送信装置81とOFDM受信装置82を備える。
OFDM送信装置81は、制御部73から入力されるデータをOFDM変調方式で変調することによりOFDM信号を生成し、生成したOFDM信号を無線送信する。
OFDM受信装置82は、OFDM受信装置42と同様に、アンテナ91、RF部92、直交復調部93、アナログデジタル変換部94、FFT部95、伝搬路推定部96、伝搬路補償部97、位相誤差補正部98およびサブキャリア復調部99を備え、OFDM受信装置42と同様に動作する。
制御部73は、CPU101、ROM102およびRAM103を備える。制御部73は、ROM102が記憶するプログラムに基づく処理をCPU101が実行することにより、路車間通信装置72を制御する。
このように構成された無線測位システム1において、移動端末3は、後述する位置推定処理を実行する。測定端末4は、後述する測定処理を実行する。サーバ2は、後述する軌跡更新処理を実行する。
まず、移動端末3のCPU61が実行する位置推定処理の手順を説明する。この位置推定処理は、CPU61の動作中において繰り返し実行される処理である。
この位置推定処理が実行されると、CPU61は、図5に示すように、まずS10にて、無線ビーコンを検出したか否かを判断する。ここで、無線ビーコンを検出していない場合には、S90に移行する。一方、無線ビーコンを検出した場合には、S20にて、検出した無線ビーコンに含まれる識別情報により特定されるサーバ2が、移動端末3が基準軌跡を取得しているサーバであるか否かを判断する。ここで、既に基準軌跡を取得しているサーバである場合には、S40に移行する。
一方、基準軌跡を取得していないサーバである場合には、S30にて、基準軌跡情報の送信を要求する基準軌跡要求指令を、検出した無線ビーコンに対応するサーバ2へ送信し、S40に移行する。
そしてS40に移行すると、路車間通信装置32の伝搬路補償部57から伝搬路特性を取得する。
ここで、伝搬路特性について説明する。図6に示すように、送信局TSから電波を送信する場合に、受信局RSは、送信局TSから受信局RSへ直接到達する先行波PWと、建物BL等で反射した後に受信局RSへ到達する遅延波DWを受信する。
S40で取得する伝搬路特性は、図7(A)のグラフG2で示すように、送信局TS(すなわち、サーバ2)から送信された電波を受信局RS(すなわち、移動端末3)で受信した場合における伝搬路の伝達関数の周波数特性である。
そしてS40の処理が終了すると、図5に示すように、S50にて、S40で取得された伝搬路特性について周波数方向における微分を行い、微分値の周波数特性を作成する。図7(A)のグラフG3は、微分値の周波数特性を示す。
そしてS60にて、検出した無線ビーコンに対応する基準軌跡情報を既に取得している場合に、この基準軌跡情報で示される基準軌跡(図10の基準軌跡TRを参照)上に、S50で作成した周波数特性を重ね合わせて(図10の微分値周波数特性DFを参照)、一致している部位があるか否かを判断する。基準軌跡は、サーバ2付近の道路上でサーバ2から最も近い地点を基点としてこの道路上を走行した距離(以下、基準移動距離という)と、微分値の周波数特性との対応関係を示すものである(図10の基準軌跡TRを参照)。なおS60では、検出した無線ビーコンに対応する基準軌跡情報が取得されていない場合には、一致している部位がないと判断される。
ここで、一致している部位がある場合には、S70にて、一致している部位に対応する基準移動距離(図10の現時点移動距離DN1を参照)に基づいて、走行している道路上における自車両の現在位置を算出し、S90に移行する。一方、一致している部位がない場合には、S80にて、位置検出器31の検出結果に基づいて自車両の現在位置を算出し、S90に移行する。
そしてS90に移行すると、検出した無線ビーコンに対応するサーバ2から基準軌跡情報を受信したか否かを判断する。ここで、基準軌跡情報を受信していない場合には、位置推定処理を一旦終了する。一方、基準軌跡情報を受信した場合には、S100にて、受信した基準軌跡情報をRAM63に記憶し、位置推定処理を一旦終了する。
次に、測定端末4のCPU101が実行する測定処理の手順を説明する。この測定処理は、CPU101の動作中において繰り返し実行される処理である。
この測定処理が実行されると、CPU101は、図8に示すように、まずS210にて、無線ビーコンを検出したか否かを判断する。ここで、無線ビーコンを検出していない場合には、測定処理を一旦終了する。一方、無線ビーコンを検出した場合には、S220にて、S40と同様にして、OFDM受信装置82の伝搬路補償部97から伝搬路特性を取得する。
さらにS230にて、S50と同様にして、S220で取得された伝搬路特性について周波数方向における微分を行い、微分値の周波数特性を作成する。またS240にて、位置検出器71の検出結果に基づいて自車両の現在位置を算出する。
そしてS250にて、S230で作成された微分値の周波数特性を示す情報に、S240で算出された現在位置を示す位置情報を付加した軌跡作成用情報を作成する。その後S260にて、S250で作成された軌跡作成用情報を、路車間通信によりサーバ2へ送信し、測定処理を一旦終了する。
次に、サーバ2のCPU21が実行する軌跡更新処理の手順を説明する。この軌跡更新処理は、CPU21の動作中において繰り返し実行される処理である。
この軌跡更新処理が実行されると、CPU21は、図9に示すように、まずS310にて、移動端末3から基準軌跡要求指令を受信したか否かを判断する。ここで、基準軌跡要求指令を受信していない場合には、S330に移行する。一方、基準軌跡要求指令を受信した場合には、S320にて、データ記憶装置12に記憶されている基準軌跡情報を、路車間通信により移動端末3へ送信し、S330に移行する。
そしてS330に移行すると、測定端末4から軌跡作成用情報を受信したか否かを判断する。ここで、軌跡作成用情報を受信していない場合には、軌跡更新処理を一旦終了する。一方、軌跡作成用情報を受信した場合には、S340にて、受信した軌跡作成用情報に基づいて、データ記憶装置12に記憶されている基準軌跡情報を更新し、軌跡更新処理を一旦終了する。具体的には、S340では、まず、受信した軌跡作成用情報に付加されている位置情報が示す位置に基づいて、この位置に対応する基準移動距離を特定する。位置と基準移動距離との対応関係を示す情報は、予めデータ記憶装置12に記憶されている。そしてS340では、特定された基準移動距離に対応する微分値の周波数特性を、受信した軌跡作成用情報が示す微分値の周波数特性に置換することにより、基準軌跡情報を更新する。
このように構成された移動端末3は、自動車に搭載される無線測位装置であって、OFDM受信装置42を備える。
OFDM受信装置42は、データを無線送信するサーバ2から送信される電波を受信する。
OFDM受信装置42の伝搬路推定部56は、伝搬路特性を算出する。この伝搬路特性は、電波をOFDM受信装置42で受信した場合における伝搬路の伝達関数の周波数特性である。
移動端末3の制御部33は、伝搬路特性について周波数方向における微分を行い、微分値の周波数特性を取得する(S50)。
移動端末3の制御部33は、伝搬路特性における微分値の周波数特性と、基準移動距離との対応関係が予め設定された基準軌跡情報を記憶する(S100)。
移動端末3の制御部33は、記憶された基準軌跡情報において取得された微分値の周波数特性と一致する一致部位があるか否かを判断し、一致部位があると判断された場合に、基準軌跡情報において一致部位に対応する基準移動距離に基づいて、移動端末3の現在の位置を決定する(S60,S70)。
このように移動端末3は、基準軌跡情報に対応する1機のサーバ2と無線通信を行うことにより、移動端末3の現在の位置を決定することができる。
そして移動端末3は、基準軌跡情報において、伝搬路特性における微分値の周波数特性と一致する一致部位に対応する基準移動距離に基づいて、移動端末3の現在の位置を決定する。
サーバ2から送信される電波の送信電力が変化しても伝搬路は変化せず、伝搬路特性は、その値(すなわち、伝達関数の強度)が、その値に依存せず且つ送信電力の変化に応じた一定の大きさで増減する。すなわち、サーバ2から送信される電波の送信電力が変化しても、伝搬路特性について周波数方向における傾きは変化しない。
図7(B)のグラフG11で示すように、送信局TS(すなわち、サーバ2)から送信された電波の送信電力が小さくなった場合には、図7(B)のグラフG12で示すように、受信局RS(すなわち、移動端末3)で受信した場合における伝搬路特性は、形状は変化せずにレベルが全体的に低くなる(矢印AL1を参照)。このため、図7(A)のグラフG3と図7(B)のグラフG13で示すように、送信電力が変化しても、微分値の周波数特性は変化しない。図7(B)のグラフG13は、送信電力が小さくなった場合における微分値の周波数特性を示す。
これにより、移動端末3は、サーバ2から送信される電波の送信電力が変化しても基準軌跡情報を用いて測位を行うことができる。
またサーバ2は、予め設定された設置位置に固定して設置されている。そして、基準軌跡情報における基準移動距離は、サーバ2の付近に敷設されている道路上の位置を示す情報である。これにより、測位を行う領域を道路上に限定することができ、移動端末3の測位に必要な基準軌跡情報の情報量を低減することができる。なお、「道路上の位置を示す情報」とは、道路上における移動端末3の位置を特定可能な情報をいう。
以上説明した実施形態において、移動端末3は本発明における無線測位装置、サーバ2は本発明における無線通信機、OFDM受信装置42は本発明における無線受信部、伝搬路推定部56は本発明における特性算出部である。
また、S50の処理は本発明における傾斜情報取得部、S100の処理は本発明における基準情報記憶部、S60,S70の処理は本発明における位置決定部である。
また、伝搬路特性について周波数方向における微分値は本発明における特性傾斜情報、基準軌跡情報は本発明における測位基準情報、基準移動距離は本発明における位置関連情報である。
(第2実施形態)
以下に本発明の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。
第2実施形態の無線測位システム1は、サーバ2のデータ記憶装置12が、基準軌跡を示す基準軌跡情報を記憶する代わりに、基準ディップマップを示す基準マップ情報を記憶する点が第1実施形態と異なる。
ディップは、図11(A)に示すように、伝搬路特性において、深くて鋭いレベルの落ち込みが生じている部分である(ディップDP1,DP2を参照)。
基準ディップマップは、図11(B)に示すように、サーバ2付近の道路上でサーバ2から最も近い地点を基点としてこの道路上を走行した距離(基準移動距離)と、ディップが生じている周波数との対応関係を示すものである。
また、第2実施形態の位置推定処理、測定処理および軌跡更新処理が第1実施形態と異なる。
まず、第2実施形態の移動端末3のCPU61が実行する位置推定処理の手順を説明する。
この位置推定処理が実行されると、CPU61は、図12に示すように、まずS410にて、無線ビーコンを検出したか否かを判断する。ここで、無線ビーコンを検出していない場合には、S510に移行する。一方、無線ビーコンを検出した場合には、S420にて、検出した無線ビーコンに含まれる識別情報により特定されるサーバ2は、移動端末3が基準ディップマップを取得しているサーバであるか否かを判断する。ここで、既に基準ディップマップを取得しているサーバである場合には、S440に移行する。
一方、基準ディップマップを取得していないサーバである場合には、S430にて、基準マップ情報の送信を要求する基準マップ要求指令を、検出した無線ビーコンに対応するサーバ2へ送信し、S440に移行する。
そしてS440に移行すると、第1実施形態のS40と同様に、伝搬路特性を取得する。さらにS450にて、後述のディップ検出処理を実行し、S440で取得された伝搬路特性の中からディップを検出する。
そしてS460にて、検出した無線ビーコンに対応する基準マップ情報を既に取得している場合に、この基準マップ情報で示される基準ディップマップ(図11(B)の基準ディップマップDMを参照)上に、S450で検出したディップを重ね合わせて(図11(B)の検出ディップDD1,DD2,DD3を参照)、一致している部位があるか否かを判断する。
ここで、一致している部位がある場合には、S470にて、基準ディップマップ上に、現時点より前に検出したディップ(図11(B)の検出ディップDD11,DD12を参照)を重ね合わせて一致している部位があるか否かを判断する。なお、現時点より前に検出したディップに対応する基準移動距離は、位置検出器31の検出結果に基づいて特定することができる。
ここで、一致している部位がある場合には、S480にて、S460において判断した一致部位に対応する基準移動距離(図11(B)の現時点移動距離DN2を参照)に基づいて、走行している道路上における自車両の現在位置を算出する。さらにS480では、算出した現在位置に対して、「高」の信頼度を設定し、S510に移行する。信頼度は、高いことを示す「高」と、低いことを示す「低」の2種類が設けられている。
一方、一致している部位がない場合には、S490にて、S460において判断した一致部位に対応する基準移動距離(図11(B)の現時点移動距離DN2を参照)に基づいて、走行している道路上における自車両の現在位置を算出する。さらにS490では、算出した現在位置に対して、「低」の信頼度を設定し、S510に移行する。
またS460にて、一致している部位がない場合には、S500にて、位置検出器31の検出結果に基づいて自車両の現在位置を算出する。さらにS500では、算出した現在位置に対して、「低」の信頼度を設定し、S510に移行する。
そしてS510に移行すると、検出した無線ビーコンに対応するサーバ2から基準マップ情報を受信したか否かを判断する。ここで、基準マップ情報を受信していない場合には、位置推定処理を一旦終了する。一方、基準マップ情報を受信した場合には、S520にて、受信した基準マップ情報をRAM63に記憶し、位置推定処理を一旦終了する。
次に、S450で実行されるディップ検出処理の手順を説明する。
このディップ検出処理は、図13に示すように、伝搬路特性において、伝達関数の値(以下、伝達関数値という)が判定値Ithを下回る減少側周波数f1と、伝達関数値が判定値Ithを上回る増加側周波数f2を検出することにより、ディップが生じる周波数を検出する。
このディップ検出処理が実行されると、CPU61は、図14に示すように、まずS610にて、検出周波数Fdを予め設定された検出開始周波数fsに設定する。そしてS620にて、伝搬路特性について、検出周波数Fdでの伝達関数値が予め設定された判定値Ith未満であるか否かを判断する。ここで、検出周波数Fdでの伝達関数値が判定値Ith以上である場合には、S630にて、検出周波数Fdに予め設定された周波数増加量Δfを加算した加算値を新たな検出周波数Fdとして設定し、S620に移行する。一方、検出周波数Fdでの伝達関数値が判定値Ith未満である場合には、S640にて、減少側周波数f1を検出周波数Fdに設定する。
そしてS650にて、検出周波数Fdに周波数増加量Δfを加算した加算値を新たな検出周波数Fdとして設定する。その後S660にて、伝搬路特性について、検出周波数Fdでの伝達関数値が判定値Ithを超えているか否かを判断する。ここで、検出周波数Fdでの伝達関数値が判定値Ith以下である場合には、S650に移行する。
一方、検出周波数Fdでの伝達関数値が判定値Ithを超えている場合には、S670にて、増加側周波数f2を検出周波数Fdに設定する。そしてS680にて、減少側周波数f1と増加側周波数f2との平均値を算出し、S690にて、S680で算出された平均値をディップ周波数として記憶する。
次にS700にて、検出周波数Fdが予め設定された検出終了周波数fe以上であるか否かを判断する。ここで、検出周波数Fdが検出終了周波数fe未満である場合には、S710にて、検出周波数Fdに周波数増加量Δfを加算した加算値を新たな検出周波数Fdとして設定し、S620に移行する。一方、検出周波数Fdが検出終了周波数fe以上である場合には、ディップ検出処理を終了する。
また、第2実施形態の測定処理および軌跡更新処理は、微分値の周波数特性の代わりに、ディップを用いる点が第1実施形態と異なる。
このように構成された移動端末3の制御部33は、伝搬路特性についてディップが生じる周波数を検出し、ディップの周波数特性を取得する(S450)。
移動端末3の制御部33は、伝搬路特性におけるディップの周波数特性と、基準移動距離との対応関係が予め設定された基準マップ情報を記憶する(S520)。
移動端末3の制御部33は、記憶された基準軌跡情報において取得されたディップの周波数特性と一致する一致部位があるか否かを判断し、一致部位があると判断された場合に、基準マップ情報において一致部位に対応する基準移動距離に基づいて、移動端末3の現在の位置を決定する(S460〜S490)。
このように移動端末3は、伝搬路特性において極小値となる周波数を用いて、測位を行う。これにより、検出されたディップの周波数と、基準マップ情報において設定されているディップの周波数とが一致しているか否かという簡便な方法で、一致部位があるか否かを判断することができ、制御部33の処理負荷を低減することができる。
以上説明した実施形態において、S450の処理は本発明における傾斜情報取得部、S520の処理は本発明における基準情報記憶部、S460〜S490の処理は本発明における位置決定部である。
また、ディップは本発明における周波数傾斜情報および特性傾斜情報、基準マップ情報は本発明における測位基準情報、ディップの周波数は本発明における極小値となる周波数である。
(第3実施形態)
以下に本発明の第3実施形態を図面とともに説明する。なお第3実施形態では、第2実施形態と異なる部分を説明する。
第3実施形態の無線測位システム1は、ディップ検出処理が変更された点が第2実施形態と異なる。
次に、第3実施形態のディップ検出処理の手順を説明する。
このディップ検出処理は、図15に示すように、まず、伝搬路特性(グラフG21を参照)について周波数方向における微分を行い、微分値の周波数特性(グラフG22を参照)を作成する。
そしてディップ検出処理は、微分値の周波数特性について、極小値となる極小周波数f11と、極大値となる極大周波数f12を検出する。さらにディップ検出処理は、極小値と極大値との差ΔDが予め設定されたディップ判定値Dthを超えている場合に、極小周波数f11と極大周波数f12との中間の周波数を、ディップが生じる周波数として検出する。
このディップ検出処理が実行されると、CPU61は、図16に示すように、まずS810にて、S50と同様にして、S440で取得された伝搬路特性について周波数方向における微分を行い、微分値の周波数特性を作成する。
またS820にて、検出周波数Fdを予め設定された検出開始周波数fsに設定する。そしてS830にて、微分値の周波数特性について、検出周波数Fdでの微分値が極小値であるか否かを判断する。ここで、検出周波数Fdでの微分値が極小値でない場合には、S840にて、検出周波数Fdに予め設定された周波数増加量Δfを加算した加算値を新たな検出周波数Fdとして設定し、S840に移行する。
一方、検出周波数Fdでの微分値が極小値である場合には、S850にて、極小周波数f11を検出周波数Fdに設定する。さらにS860にて、極小値d1を検出周波数Fdでの微分値に設定する。
そしてS870にて、検出周波数Fdに周波数増加量Δfを加算した加算値を新たな検出周波数Fdとして設定する。その後S880にて、検出周波数Fdでの微分値が極大値であるか否かを判断する。ここで、検出周波数Fdでの微分値が極大値でない場合には、S870に移行する。
一方、検出周波数Fdでの微分値が極大値である場合には、S890にて、極大周波数f12を検出周波数Fdに設定する。さらにS900にて、極大値d2を検出周波数Fdでの微分値に設定する。
そしてS910にて、極大値d2から極小値d1を減算した減算値を差ΔDとして設定する。次にS920にて、差ΔDが予め設定されたディップ判定値Dthを超えているか否かを判断する。ここで、差ΔDがディップ判定値Dth以下である場合には、S930にて、検出周波数Fdに周波数増加量Δfを加算した加算値を新たな検出周波数Fdとして設定し、S830に移行する。
一方、差ΔDがディップ判定値Dthを超えている場合には、S940にて、極小周波数f11と極大周波数f12との平均値を算出し、S950にて、S940で算出された平均値をディップ周波数として記憶する。
次にS960にて、検出周波数Fdが予め設定された検出終了周波数fe以上であるか否かを判断する。ここで、検出周波数Fdが検出終了周波数fe未満である場合には、S930に移行する。一方、検出周波数Fdが検出終了周波数fe以上である場合には、ディップ検出処理を終了する。
このように構成された移動端末3の制御部33は、極大値d2から極小値d1を減算した差ΔDが予め設定されたディップ判定値Dthを超えている場合に、極小周波数f11と極大周波数f12との平均値をディップ周波数とする。これにより、急傾斜で減少から増加に変化する箇所をディップとして検出することができる。
以上説明した実施形態において、S920の判断条件は本発明における急傾斜判定条件である。
(第4実施形態)
以下に本発明の第4実施形態を図面とともに説明する。なお第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。
第4実施形態の無線測位システム1では、図17(A)と図17(B)に示すように、基準軌跡における微分値の周波数特性と、移動端末3により取得される微分値の周波数特性との間で、帯域と、周波数分解サンプル数と、分解能帯域幅(RBW:resolution bandwidth)とが異なる。
基準軌跡における微分値の周波数特性は、図17(A)に示すように、帯域が10MHz、周波数分解サンプル数が8192ポンント、RBWが1220.7Hzである。
移動端末3により取得される微分値の周波数特性は、図17(B)に示すように、帯域が5MHz、周波数分解サンプル数が1024ポンント、RBWが4882.8Hzである。
軌跡変換処理は、図17(C)に示すように、基準軌跡における微分値の周波数特性のRBWを、移動端末3により取得される微分値の周波数特性のRBWと一致するように変換する。
第4実施形態の無線測位システム1は、位置推定処理が変更された点が第1実施形態と異なる。
第4実施形態の位置推定処理は、S92,S94,S96の処理が追加された点と、S100の処理が省略された点が第1実施形態と異なる。
すなわち、図18に示すように、S90にて、基準軌跡情報を受信した場合には、S92にて、変換パラメータを算出する。具体的には、まず、移動端末3により取得される微分値の周波数特性の帯域を周波数分解サンプル数で除算した値を変換後RBWとして算出する。なお、上記の微分値の周波数特性の帯域と周波数分解サンプル数は、移動端末3内に予め設定されている。例えば、移動端末3により取得される微分値の周波数特性の帯域が5MHzであり、周波数分解サンプル数が1024ポンントである場合には、変換後RBWは4882.8Hzである。そして、変換後RBWを、基準軌跡における微分値の周波数特性のRBWで除算し、この除算値を変換パラメータとして算出する。なお、基準軌跡における微分値の周波数特性のRBWを示すRBW情報は、基準軌跡情報に付加されており、受信した基準軌跡情報から取得することができる。例えば、RBW情報が示すRBWが1220.7Hzである場合には、変換パラメータは4ポイントである。
そしてS94にて、基準軌跡情報が示す基準軌跡において、変換パラメータが示すポイント分を1ポイント分にまとめる変換を行う(図17(C)を参照)。さらにS96にて、変換後の基準軌跡を示す情報を変換後の基準軌跡情報としてRAM63に記憶し、位置推定処理を一旦終了する。
このように構成された移動端末3のOFDM受信装置42は、サーバ2から送信される基準軌跡情報を受信する。
移動端末3の制御部33は、記憶する基準軌跡情報の分解能帯域幅と一致するように、OFDM受信装置42で受信した基準軌跡情報の分解能帯域幅を変換する(S92,S94)。
移動端末3の制御部33は、分解能帯域幅が変換された後の基準軌跡情報を記憶する(S96)。
これにより移動端末3は、サーバ2から送信される基準軌跡情報の分解能帯域幅と、伝搬路推定部56が伝搬路特性を算出するときの分解能帯域幅とが異なる場合であっても、両者の分解能帯域幅を一致させた状態で、一致部位があるか否かを判断することができる。
以上説明した実施形態において、S92,S94の処理は本発明における測位側変換部、S96の処理は本発明における基準情報記憶部である。
(第5実施形態)
以下に本発明の第5実施形態を図面とともに説明する。なお第5実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。
第5実施形態の無線測位システム1は、移動端末3が実行する位置推定処理と、サーバ2が実行する軌跡更新処理が変更された点が第1実施形態と異なる。
まず、第5実施形態の位置推定処理の手順を説明する。
第5実施形態の位置推定処理は、図19に示すように、S30の代わりにS35の処理を実行する点が第1実施形態と異なる。
すなわち、S20にて、基準軌跡を取得していないサーバである場合には、S35にて、基準軌跡要求指令と軌跡変換用情報を、検出した無線ビーコンに対応するサーバ2へ送信し、S40に移行する。軌跡変換用情報は、移動端末3により取得される微分値の周波数特性の帯域を示す帯域情報と、周波数分解サンプル数を示すサンプル数情報とを含む。
次に、第5実施形態の軌跡更新処理の手順を説明する。
第5実施形態の軌跡更新処理は、図20に示すように、S320の代わりにS312,S314,S316の処理を実行する点が第1実施形態と異なる。
すなわち、S310にて、基準軌跡要求指令を受信した場合には、S312にて、変換パラメータを算出する。具体的には、まず、基準軌跡要求指令とともに受信した軌跡変換用情報に含まれる帯域情報とサンプル数情報を用いて、第4実施形態のS92と同様にして、変換後RBWを算出する。そして、変換後RBWを、基準軌跡における微分値の周波数特性のRBWで除算し、この除算値を変換パラメータとして算出する。なお、基準軌跡における微分値の周波数特性のRBWを示すRBW情報は、サーバ2内に予め設定されている。
そしてS314にて、第4実施形態のS94と同様にして、データ記憶装置12に記憶されている基準軌跡情報が示す基準軌跡において、変換パラメータが示すポイント分を1ポイント分にまとめる変換を行う。その後S316にて、変換後の基準軌跡を示す基準軌跡情報を、路車間通信により移動端末3へ送信し、S330に移行する。
このように構成された移動端末3のOFDM受信装置42は、サーバ2から送信される基準軌跡情報を受信する。
移動端末3の制御部33は、OFDM受信装置42で受信した基準軌跡情報を記憶する(S100)。
移動端末3の制御部33は、記憶する基準軌跡情報の分解能帯域幅を特定可能な軌跡変換用情報をサーバ2へ送信する(S35)。
サーバ2は、移動端末3から受信した軌跡変換用情報を用いて、軌跡変換用情報により特定される分解能帯域幅と一致するように、サーバ2に記憶されている基準軌跡情報の分解能帯域幅を変換する(S312,S314)。そしてサーバ2は、分解能帯域幅が変換された後の軌跡変換用情報を移動端末3へ送信する(S316)。
これにより移動端末3は、移動端末3が軌跡変換用情報の分解能帯域幅を変換する処理を省略することができ、移動端末3の処理負荷を低減することができる。
以上説明した実施形態において、S35の処理は本発明における変換用情報送信部、S312,S314の処理は本発明における送信側変換部である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
(変形例1)
例えば上記実施形態では、伝搬路の伝達関数の周波数特性を伝搬路特性として取得するものを示した。しかし、図21(A)のグラフG4で示すように、伝搬路の伝達関数の強度と、送信信号が伝搬路を伝搬することにより遅延する伝搬遅延時間との関係を示すインパルス応答を、伝搬路特性として取得するようにしてもよい。図21(A)および図21(B)に示すように、送信局TS(すなわち、サーバ2)から送信された電波の送信電力が小さくなった場合には(グラフG1とグラフG11を参照)、受信局RS(すなわち、移動端末3)で受信した場合におけるインパルス応答は、形状は変化せずにレベルが全体的に低くなる(グラフG4およびグラフG14と矢印AL2を参照)。このため、グラフG5とグラフG15で示すように、送信電力が変化しても、微分値の時間特性は変化しない。なお、インパルス応答について時間方向における微分値は本発明における特性傾斜情報である。
またインパルス応答は、遅延波が少ないと情報量が少なくなるため、遅延波が少ない場合に、上記の位置推定処理および測定処理における処理負荷を低減することができる。
(変形例2)
また上記実施形態では、無線測位システム1がOFDM伝送方式を用いて無線通信を行うものを示した。しかし、無線測位システム1が、パルス幅が非常に短い信号を繰り返し送信するウルトラワイドバンド(Ultra Wide Band)伝送方式で無線通信を行う場合には、上記の位置推定処理および測定処理においてインパルス応答を用いるとよい。ウルトラワイドバンド伝送方式では、サーバ2が、インパルスと呼ばれる非常に短い信号を用いて無線ビーコンを送信することになるからである。
(変形例3)
また上記実施形態では、伝搬路の伝達関数の周波数特性を伝搬路特性として取得し、この伝搬路特性の微分値の周波数特性を作成するものを示した。しかし、路車間通信装置32で受信した受信信号について高速フーリエ変換処理とIQ信号二乗和による電力値算出を行うことにより、受信信号の電力値の周波数特性を取得し、この受信信号の電力値の周波数特性について周波数方向における微分を行い、微分値の周波数特性を作成するようにしてもよい。なお、受信信号の電力値の周波数特性は、本発明における受信電力周波数特性である。
(変形例4)
また、上記のインパルス応答の代わりに、受信信号の電力値と伝搬遅延時間との関係を示す受信信号の電力値の時間特性を取得し、この受信信号の電力値の時間特性について時間方向における微分を行い、微分値の時間特性を作成するようにしてもよい。
(変形例5)
また上記実施形態では、伝搬路の伝達関数の周波数特性を用いて無線測位を行うものを示した。しかし、伝搬路の伝達関数の周波数特性と、伝搬路の伝達関数の時間特性と、受信信号の電力値の周波数特性と、受信信号の電力値の時間特性の少なくとも2つを用いて無線測位を行うようにしてもよい。
(変形例6)
また上記実施形態では、移動端末3が、移動する物体(すなわち、移動体)のうち自動車に搭載されるものを示したが、自動車に限定されるものではなく、例えば二輪車および歩行者等に搭載されるようにしてもよい。
(変形例7)
また上記実施形態では、「道路上の位置を示す情報」として基準移動距離を用いたものを示したが、緯度および経度、または、2次元座標を用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
上述した移動端末3の他、当該移動端末3を構成要素とするシステム、当該移動端末3としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、無線測位方法など、種々の形態で本発明を実現することもできる。
1…無線測位システム、2…サーバ、3…移動端末、32…路車間通信装置、33…制御部、42…OFDM受信装置、56…伝搬路推定部、

Claims (9)

  1. 移動体に搭載される無線測位装置(3)であって、
    データを無線送信する無線通信機(2)から送信される電波を受信する無線受信部(42)と、
    前記電波を前記無線受信部で受信した場合における伝搬路特性を算出する特性算出部(56)と、
    前記特性算出部が算出した前記伝搬路特性における傾きに関する情報である特性傾斜情報を取得する傾斜情報取得部(S50,S450)と、
    前記伝搬路特性の前記特性傾斜情報と、前記無線測位装置の位置に関連する情報である位置関連情報との対応関係が予め設定された測位基準情報を記憶する基準情報記憶部(S96,S100,S520)と、
    前記基準情報記憶部により記憶された前記測位基準情報において、前記傾斜情報取得部で取得された前記特性傾斜情報と一致する一致部位があるか否かを判断し、前記一致部位があると判断された場合に、前記測位基準情報において前記一致部位に対応する前記位置関連情報に基づいて、前記無線測位装置の現在の位置を決定する位置決定部(S60,S70,S460〜S490)と
    を備える無線測位装置。
  2. 前記無線通信機は、予め設定された設置位置に固定して設置されており、
    前記測位基準情報における前記位置関連情報は、前記無線通信機の付近に敷設されている道路上の位置を示す情報である
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線測位装置。
  3. 前記特性傾斜情報は、前記伝搬路特性が周波数特性である場合には、周波数方向における微分を行うことにより算出される微分値であり、前記伝搬路特性が時間特性である場合には、時間方向における微分を行うことにより算出される微分値である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線測位装置。
  4. 前記特性傾斜情報は、前記伝搬路特性が周波数特性である場合には、前記伝搬路特性において極小値となる周波数であり、前記伝搬路特性が時間特性である場合には、前記伝搬路特性において極小値となる時間である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線測位装置。
  5. 前記伝搬路特性において極小値となる周波数と、前記伝搬路特性において極小値となる時間は、予め設定された急傾斜判定条件を満たす急傾斜で減少から増加に変化する箇所である
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線測位装置。
  6. 前記伝搬路特性は時間特性であり、
    前記無線受信部は、前記無線通信機からウルトラワイドバンド伝送方式で送信される電波を受信する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の無線測位装置。
  7. 前記無線受信部は、前記無線通信機から送信される前記測位基準情報を受信し、
    前記基準情報記憶部が記憶する前記測位基準情報の分解能帯域幅と一致するように、前記無線受信部で受信した前記測位基準情報の前記分解能帯域幅を変換する測位側変換部(S92,S94)とを備え、
    前記基準情報記憶部(S96)は、前記測位側変換部により前記分解能帯域幅が変換された後の前記測位基準情報を記憶する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の無線測位装置。
  8. 前記無線受信部は、前記無線通信機から送信される前記測位基準情報を受信し、
    前記基準情報記憶部は、前記無線受信部で受信した前記測位基準情報を記憶し、
    前記基準情報記憶部が記憶する前記測位基準情報の分解能帯域幅を特定可能な変換用情報を前記無線通信機へ送信する変換用情報送信部(S35)を備え、
    前記無線通信機は、前記変換用情報送信部から受信した前記変換用情報を用いて、前記変換用情報により特定される前記分解能帯域幅と一致するように、前記無線通信機に記憶されている前記測位基準情報の前記分解能帯域幅を変換する送信側変換部(S312,S314)を備え、前記送信側変換部により前記分解能帯域幅が変換された後の前記測位基準情報を前記無線測位装置へ送信する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の無線測位装置。
  9. 請求項1に記載の前記無線通信機と、請求項1に記載の前記無線測位装置とを備える無線測位システム(1)。
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