JP2017054738A - 金属空気電池用電解液、及び、金属空気電池 - Google Patents

金属空気電池用電解液、及び、金属空気電池 Download PDF

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Abstract

【課題】金属空気電池の自己放電を抑制することができる金属空気電池用電解液、及び、当該電解液を用いた金属空気電池を提供する。【解決手段】Ca2+カチオンを含む自己放電抑制剤を含有し、且つ、LiCl、NaCl、KCl、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、及び、CsOHからなる群より選ばれる少なくとも一種の電解質化合物を含有する水溶液からなり、アルミニウム又はマグネシウムから選ばれる少なくとも一種の金属元素を含む負極を有する金属空気電池に用いられる金属空気電池用電解液。【選択図】図1

Description

本発明は、金属空気電池用電解液、及び、金属空気電池に関する。
活物質として酸素を利用する空気電池は、エネルギー密度が高い等の多くの利点を有している。空気電池としては、例えば、アルミニウム空気電池やマグネシウム空気電池等の金属空気電池が知られている。
このような空気電池に関する技術として、例えば特許文献1には、正極(空気極)、電解液、アルミニウム金属を用いた負極を備えるアルミニウム空気電池が開示されている。
特開2014−139878号公報
しかしながら、アルミニウム、マグネシウム等の金属元素を負極に用いた金属空気電池では、自己放電が起こってしまうという問題がある。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本発明の目的は、金属空気電池の自己放電を抑制することができる金属空気電池用電解液、及び、当該電解液を用いた金属空気電池を提供することである。
本発明の金属空気電池用電解液は、Ca2+カチオンを含む自己放電抑制剤を含有し、且つ、LiCl、NaCl、KCl、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、及び、CsOHからなる群より選ばれる少なくとも一種の電解質化合物を含有する水溶液からなり、アルミニウム又はマグネシウムから選ばれる少なくとも一種の金属元素を含む負極を有する金属空気電池に用いられる。
本発明の金属空気電池用電解液において、前記自己放電抑制剤は、H 2−アニオンを含むことが好ましい。
本発明の金属空気電池用電解液において、前記自己放電抑制剤は、Ca(OH)、及び、CaClからなる群より選ばれる少なくとも一種、並びに、Naを含むことが好ましい。
本発明の金属空気電池用電解液において、前記水溶液中に含まれるカルシウムイオン濃度は、0.005mol/L以上、0.01mol/L以下であることが好ましい。
本発明の金属空気電池は、酸素が供給される空気極と、
アルミニウム又はマグネシウムから選ばれる少なくとも一種の金属元素を含む負極と、
前記空気極と前記負極に接触する電解液と、を備え、
前記電解液は、前記金属空気電池用電解液であることを特徴とする。
本発明によれば、金属空気電池の自己放電を抑制することができる。
本発明の金属空気電池の概略的な構成を示す断面図である。
1.金属空気電池用電解液
本発明の金属空気電池用電解液は、Ca2+カチオンを含む自己放電抑制剤を含有し、且つ、LiCl、NaCl、KCl、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、及び、CsOHからなる群より選ばれる少なくとも一種の電解質化合物を含有する水溶液からなり、アルミニウム又はマグネシウムから選ばれる少なくとも一種の金属元素を含む負極を有する金属空気電池に用いられる。
アルミニウム又はマグネシウムから選ばれる少なくとも一種の金属元素を含む負極を有する金属空気電池においては、当該負極が電解液と接触した際に、金属空気電池が激しく自己放電するため、当該電池の容量損失が大きいという問題がある。
金属空気電池の自己放電反応は、負極に含まれる金属(以下、負極金属と称する場合がある)の主元素(Al、Mg)と、当該金属中に含まれる鉄等の不純物元素との電位差により、局部電池を形成することにより生じる。例えば、上記金属の主元素がアルミニウムの場合、不純物元素の鉄が正極(カソード)となり、当該正極では、鉄表面での水の還元分解反応が進行し、負極では、アルミニウムの酸化反応(すなわち、イオン化による溶出反応)が進行する。
一方、負極に用いる金属として、純度の高い金属を用いると自己放電は生じにくくなるが、コストが増大し、実用化が困難になるという問題がある。
本発明者らは、上記自己放電抑制剤を電解液中に添加することによって、金属空気電池の自己放電を抑制することができることを見出した。
放電後のアルミニウム負極表面のエネルギー分散型X線(EDX)分析の結果、Ca系の析出物が、アルミニウム負極の不純物である鉄表面に存在している様子が確認できた。このことから、本発明の電解液によれば、金属空気電池の放電の際に、自己放電抑制剤に含まれるカルシウムイオンが、アルミニウム金属表面よりも、アルミニウム負極に含まれる不純物金属である鉄の表面に引き寄せられて、当該鉄の表面で電子を受け取って、当該鉄表面に優先的にカルシウムが析出すると考えられる。これにより、鉄等の不純物金属の電解液への直接の接触が抑制される。結果として、局部電池の形成が抑制され、金属空気電池の自己放電が抑制されると考えられる。
負極にマグネシウム金属を用いた場合であっても、マグネシウムは、アルミニウム同様、鉄よりも電気化学的に卑な金属であるため、自己放電抑制剤に含まれるカルシウムイオンはマグネシウム金属表面よりも、マグネシウム負極に含まれる不純物である鉄の表面に引き寄せられ、当該鉄の表面で電子を受け取って、当該鉄表面に優先的にカルシウムが析出すると考えられる。
本発明の電解液に含まれる自己放電抑制剤は安価であり、費用対効果が高い。
水溶液は、少なくとも自己放電抑制剤と、電解質化合物を含む。
自己放電抑制剤に含まれるアニオンとしては、OH、BH 、F、Cl、Br、I、CO 2−、NCN2−、FPO 2−、HPO 2−、PO 3−、P 4−、NO 、NO 、ClO 、IO 、OCl、HPO 、SO 2−、S2−、SCN、及び、H 2−等が挙げられ、OH及び/又はClと、H 2−が含まれていることが好ましい。
自己放電抑制剤に含まれるカチオンとしては、少なくともCa2+カチオンが含まれていればよく、その他、Li、K、Na、Rb、Cs、Fr、Sr、Ba、及び、Ra等の金属のカチオンが含まれていてもよい。上記カチオンは、アルミニウム及びマグネシウムよりも電気化学的に卑な金属のカチオンである。そのため、上記カチオンは、電解液中で負極金属であるアルミニウム及びマグネシウムとは反応し難い。したがって、上記カチオンであれば、自己放電抑制のための、負極金属中に含まれる鉄等の不純物への上記アニオンの優先的な吸着を阻害し難いと考えられる。
自己放電抑制剤の具体例としては、Ca(OH)、Ca(BH、CaF、CaCl、CaBr、CaI、CaCO、CaNCN、CaFPO、CaHPO、Ca(PO、Ca、Ca(NO、Ca(NO、Ca(ClO、Ca(IO、Ca(OCl)、Ca(HPO、CaSO、CaS、Ca(SCN)、及び、Na等の化合物が挙げられ、Ca(OH)及び/又はCaClと、Naの混合物であることが好ましい。
水溶液中に含まれるカルシウムイオン濃度は、特に限定されないが、下限として0.001mol/L以上、特に0.005mol/L以上であることが好ましく、上限として0.1mol/L以下、特に0.01mol/L以下であることが好ましい。0.001mol/L未満では、自己放電抑制効果が得られにくくなるおそれがある。0.1mol/Lを超えると、自己放電抑制剤が電解液中に溶解せずに、電池の放電反応を阻害するおそれがある。
水溶液中に含まれるH 2−アニオン濃度は、特に限定されないが、下限として0.001mol/L以上、特に0.005mol/L以上であることが好ましく、上限として0.1mol/L以下であることが好ましい。
電解質化合物は、水に対して溶解性を有し、所望のイオン伝導性を発現するものであれば特に限定されないが、水溶液が、中性又は塩基性になるものであることが好ましく、電極の反応性向上の観点から、塩基性になるものが特に好ましい。
電解質化合物としては、LiCl、NaCl、KCl、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、及び、CsOH等が挙げられ、NaOH、KOHが好ましく、特にNaOHが好ましい。
電解質化合物の濃度は、特に限定されないが、下限としては、好ましくは0.01mol/L以上、特に0.1mol/L以上、さらに1mol/L以上であり、上限としては、好ましくは20mol/L以下、特に10mol/L以下、さらに8mol/L以下である。
電解質化合物の濃度が0.01mol/L未満の場合は、負極金属の溶解性が低下するおそれがある。一方、電解質化合物の濃度が、20mol/Lを超える場合は、金属空気電池の自己放電が加速され、電池特性が低下するおそれがある。
電解液のpHは7以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、14以上であることが特に好ましい。
2.金属空気電池
本発明の金属空気電池は、酸素が供給される空気極と、
アルミニウム又はマグネシウムから選ばれる少なくとも一種の金属元素を含む負極と、
前記空気極と前記負極に接触する電解液と、を備え、
前記電解液は、前記金属空気電池用電解液であることを特徴とする。
本発明において、金属空気電池とは、空気極において、活物質である酸素の還元反応が行われ、負極において、金属元素の酸化反応が行われ、空気極と負極との間に配置される電解液によってイオンが伝導される電池を指す。金属空気電池の種類としては、例えば、マグネシウム空気一次電池、アルミニウム空気一次電池等を挙げることができる。
図1は、本発明の金属空気電池の概略的な構成を示す断面図である。
図1に示すように、金属空気電池10は、負極11と、負極11と離隔されて設けられている空気極12と、負極11と空気極12との間に配置される電解液13を保持するセパレータ14と、負極11に接続された負極集電体15と、空気極12に接続された空気極集電体16と、これらを収容する外装体17とを備え、外装体17の一部が撥水膜18で構成されている。金属空気電池10は、撥水膜18等を用いて、電解液13が外装体17から漏洩しないように構成されている。
本発明の金属空気電池に使用できる電解液は、上記「1.金属空気電池用電解液」と同様のため、ここでの説明は省略する。
本発明の金属空気電池は、必要に応じ、空気極と負極との絶縁性を確保するためのセパレータを有する。セパレータは、電解液を保持する観点から、多孔質構造を有することが好ましい。セパレータの多孔質構造は、電解液を保持することができれば特に限定されず、例えば、構成繊維が規則正しく配列されたメッシュ構造、構成繊維がランダムに配列された不織布構造、独立孔や連結孔を有する三次元網目構造等が挙げられる。セパレータは、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、セルロース等の多孔膜や、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等が挙げられる。
セパレータの厚さは、特に限定されるものではなく、例えば、0.1〜200μmの範囲が好ましい。
セパレータの多孔度としては、30〜90%であることが好ましく、45〜70%であることがより好ましい。多孔度が低すぎるとイオン拡散を阻害する傾向があり、高すぎると強度が低下する傾向がある。
空気極は、少なくとも導電性材料を含む。
導電性材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料、ペロブスカイト型導電性材料、多孔質導電性ポリマー及び金属体等を挙げることができる。
炭素材料は、多孔質構造を有するものであってもよく、多孔質構造を有しないものであってもよいが、多孔質構造を有するものであることが好ましい。比表面積が大きく、多くの反応場を提供することができるからである。多孔質構造を有する炭素材料としては、具体的にはメソポーラスカーボン等を挙げることができる。一方、多孔質構造を有しない炭素材料としては、具体的にはグラファイト、アセチレンブラック、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、及び、カーボンファイバー等を挙げることができる。
金属体は、電解液に対して安定な公知の金属によって構成することができる。金属体は、具体的には、例えばNi、Cr、及び、Alからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含有する金属層(被覆膜)が表面に形成されているものであっても、その全体がNi、Cr、及び、Alからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなる金属材料によって、構成されているものであってもよい。金属体の形態は、例えば、金属メッシュ、穴開け加工された金属箔、又は、発泡金属体等の公知の形態にすることができる。
空気極における導電性材料の含有量としては、例えば、空気極全体の質量を100質量%としたとき、10〜99質量%、中でも50〜95質量%であることが好ましい。
空気極は、電極反応を促進する触媒を含有していてもよく、触媒は上記導電性材料に担持されていてもよい。
触媒は、金属空気電池に使用可能な、酸素還元能を有する公知の触媒を適宜用いることができる。触媒としては、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、及び、白金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属;Co、Mn、又は、Fe等の遷移金属を含むペロブスカイト型酸化物;ポルフィリン骨格又はフタロシアニン骨格を有する金属配位有機化合物;二酸化マンガン(MnO)及び酸化セリウム(CeO)等の無機セラミックス;これらの材料を混合した複合材料等を挙げることができる。
空気極における触媒の含有量は、例えば、空気極全体の質量を100質量%としたとき、0〜90質量%、中でも1〜90質量%であることが好ましい。
空気極は、必要に応じ、導電性材料を固定化する結着剤を含有する。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。
空気極における結着剤の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、空気極全体の質量を100質量%としたとき、1〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることが特に好ましい。
空気極の作製方法としては、例えば、導電性材料等の上記空気極用材料を混合して圧延する方法や、上記空気極用材料と溶媒とを含むスラリーを塗布する方法が挙げられる。スラリーの調製に用いられる溶媒としては、例えば、アセトン、エタノール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられる。スラリーの塗布方法としては、スプレー法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ダイコート法、ドクターブレード法、インクジェット法等が挙げられる。具体的には、スラリーを後述する空気極集電体又はキャリアフィルムに塗布した後、乾燥させ、必要に応じて、圧延、切断することで、空気極を成形することができる。
空気極の厚さは、金属空気電池の用途等により異なるものであるが、例えば2〜500μmの範囲内、特に30〜300μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の金属空気電池は、必要に応じ、空気極の集電を行う空気極集電体を有する。空気極集電体としては、所望の電子伝導性を有していれば、多孔質構造を有するものであっても、或いは緻密構造を有するものであってもよいが、空気(酸素)の拡散性の観点から、メッシュ状等の多孔質構造を有するものが好ましい。空気極集電体の形状としては、例えば箔状、板状、メッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。多孔質構造を有する集電体の気孔率は特に限定されないが、例えば、20〜99%の範囲であることが好ましい。
空気極集電体の材料としては、例えば、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銅、金、銀、パラジウム等の金属材料、カーボンファイバー、カーボンペーパー等のカーボン材料、窒化チタン等の高電子伝導性セラミックス材料等が挙げられる。
空気極集電体の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜1000μm、特に20〜400μmであることが好ましい。また、後述する外装体が空気極集電体としての機能を兼ね備えていてもよい。
空気極集電体は、外部との接続部となる端子を有していてもよい。
負極は、少なくとも負極活物質を含有する。
負極活物質としては、アルミニウム金属、マグネシウム金属、アルミニウム合金、マグネシウム合金、アルミニウム化合物、及び、マグネシウム化合物等が挙げられ、アルミニウム金属が好ましい。
アルミニウム合金としては、バナジウム、ケイ素、マグネシウム、鉄、亜鉛、及び、リチウムからなる群より選ばれる金属材料との合金等が挙げられ、アルミニウム合金を構成するアルミニウム以外の金属は1種でも2種以上でもよい。
アルミニウム化合物としては、例えば、硝酸アルミニウム(III)、アルミニウム(III)クロリドオキシド、シュウ酸アルミニウム(III)、臭化アルミニウム(III)、及びヨウ化アルミニウム(III)等を挙げることができる。
負極がアルミニウム金属の場合のアルミニウムの純度は、特に限定されない。アルミニウム金属中に含まれるアルミニウムの元素比は、下限としては、50%以上、特に80%以上、さらに95%以上、中でも99.5%以上であることが好ましい。また、アルミニウム金属中に含まれるアルミニウムの元素比は、上限としては、99.999%未満であってもよく、99.99%以下であってもよく、99.9%以下であってもよい。さらに、アルミニウム金属中には、鉄が含まれていてもよい。アルミニウム金属中に含まれる鉄の元素比は、特に限定されず、0.001%未満であってもよく、0.01%未満であってもよく、0.1%未満であってもよい。
アルミニウム合金は、合金全体の質量を100質量%としたときのアルミニウムの含有割合が50質量%以上であることが好ましい。
負極の形状は、特に限定されず、板、棒、粒子状等が挙げられ、金属空気電池の性能を高めやすい形態にする観点から、粒子状が好ましい。形状が粒子状の場合の粒子の粒径は、下限としては、1nm以上、特に10nm以上、さらに100nm以上であることが好ましく、上限としては、100mm以下、特に10mm以下、さらに1mm以下であることが好ましい。
本発明における粒子の平均粒径は、常法により算出される。粒子の平均粒径の算出方法の例は以下の通りである。まず、適切な倍率(例えば、5万〜100万倍)の透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;以下、TEMと称する。)画像又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;以下、SEMと称する。)画像において、ある1つの粒子について、当該粒子を球状と見なした際の粒径を算出する。このようなTEM観察又はSEM観察による粒径の算出を、同じ種類の200〜300個の粒子について行い、これらの粒子の平均を平均粒径とする。
負極は、必要に応じて、導電性材料及び負極活物質を固定化する結着剤の少なくとも一方を含有する。例えば、負極活物質が板状である場合は、負極活物質のみを含有する負極とすることができる。一方、負極活物質が粉末(球)状である場合は、導電性材料及び結着剤の少なくとも一方と負極活物質とを含有する負極とすることができる。なお、導電性材料の種類及び使用量、結着剤の種類及び使用量等については、上述した空気極に記載した内容と同様とすることができる。
本発明の金属空気電池は、必要に応じ、負極の集電を行う負極集電体を有する。負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス、ニッケル、銅、カーボン等を挙げることができる。負極集電体の形状としては、例えば箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。負極集電体の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜1000μm、特に20〜400μmであることが好ましい。また、後述する外装体が負極集電体としての機能を兼ね備えていてもよい。
負極集電体は、外部との接続部となる端子を有していてもよい。
本発明の金属空気電池は、通常、空気極、負極及び電解液等を収納する外装体を有する。
外装体の形状としては、例えば、コイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。
外装体の材質は、電解液に安定なものであれば特に限定されないが、Ni、Cr、及び、Alからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む金属体、並びに、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び、アクリル樹脂等の樹脂が挙げられる。外装体が金属体の場合は、外装体の表面のみが金属体で構成されるものであっても、外装体全体が金属体で構成されるものであってもよい。
外装体は、大気開放型であっても、密閉型であってもよい。大気開放型の外装体は、外部から酸素を取り込むための孔を有し、少なくとも空気極が十分に大気と接触可能な構造を有する。酸素取り込み孔には、酸素透過膜、撥水膜等を設けてもよい。密閉型の電池ケースは、酸素(空気)の導入管及び排気管を有していてもよい。
撥水膜としては電解液が漏液せず、空気を空気極へ到達させることが可能な材質であれば特に限定されない。撥水膜としては、例えば、多孔性のフッ素樹脂シート(PTFE等)、撥水処理を施した多孔性セルロース等が挙げられる。
空気極に供給される酸素含有ガスとしては、空気、乾燥空気、純酸素等が挙げられ、乾燥空気、純酸素であることが好ましく、純酸素であることが特に好ましい。
(実施例1)
まず、1mol/LのNaOH(関東化学株式会社製)水溶液を準備した。そして、恒温槽:LU−113(エスペック株式会社製)中で、上記水溶液を25℃、8時間保持した。その後、自己放電抑制剤として、Ca(OH)(Aldrich社製)を0.005mol/Lになるように上記水溶液に添加した。次に、上記水溶液を超音波洗浄機で15分攪拌した。そして、恒温槽中で、上記水溶液を25℃、3時間保持し、金属空気電池用電解液を得た。
(実施例2)
自己放電抑制剤として、Ca(OH)に変えてCaCl(Aldrich社製)を0.01mol/Lになるように上記水溶液に添加したこと以外は、実施例1と同様に金属空気電池用電解液を製造した。
(実施例3)
自己放電抑制剤として、Ca(OH)を0.005mol/Lになるように上記水溶液に添加し、さらに、Na(Aldrich社製)を0.01mol/Lになるように上記水溶液に添加したこと以外は、実施例1と同様に金属空気電池用電解液を製造した。
(比較例1)
Ca(OH)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に金属空気電池用電解液を製造した。
(比較例2)
Ca(OH)に変えてMg(OH)(Aldrich社製)を0.01mol/Lになるように上記水溶液に添加したこと以外は、実施例1と同様に金属空気電池用電解液を製造した。
[自己放電抑制評価]
(電極の準備)
作用極として、純度99.5%のアルミニウム板(Al2N 株式会社ニラコ製)を25mm×25mm×1mmのサイズに切り出したものを準備した。そして、上記アルミニウム板の表面をアセトンで拭いた。その後、ニッケルメッシュ(20mesh 株式会社ニラコ製)を準備し、上記ニッケルメッシュで上記アルミニウム板を挟み、上記ニッケルメッシュの端部を溶接した。そして、上記ニッケルメッシュにニッケルリボン(株式会社ニラコ製)を溶接し、当該ニッケルリボンを集電配線とした。
対極として、ニッケルメッシュ(200mesh 株式会社ニラコ製)を30mm×30mm×1mmのサイズに切り出したものを準備した。そして、上記ニッケルメッシュにニッケルリボン(株式会社ニラコ製)を溶接し、当該ニッケルリボンを集電配線とした。
参照極として、Hg/HgO電極(インターケミ株式会社製)を準備した。
(評価セルの作製)
電解液として実施例1〜3、及び、比較例1〜2の電解液を200mL準備した。
セル容器(容積220mL)を用意し、上記作用極、対極、参照極を当該セル容器内に配置した。上記セル容器は実施例1〜3、及び、比較例1〜2の電解液の数(5個)を用意した。そして、上記各電解液200mLをそれぞれ別のセル容器内に投入した。さらに、上記各セル容器に揮発抑制用の蓋を取り付け、評価セルを作製した。評価セルの作製は10分以内に行った。
(開回路電位保持時間の測定)
上記実施例1〜3、及び、比較例1〜2の電解液を用いた各評価セルを用いて、作用極であるアルミニウム電極の開回路電位(OCV)保持時間を測定した。具体的には、評価用セルの作用極及び対極をポテンシオスタット/ガルバノスタット(Biologic社製、VMP3)に接続し、雰囲気温度25℃で30時間開回路とし、作用極の電位が、測定初期の約−1.3V(vs.Hg/HgO)から急激な電位上昇を示すまで(−1.0V(vs.Hg/HgO)になるまで)の時間を測定した。
開回路電位保持時間は、自己放電反応が進行し、完全にアルミニウム電極が溶出しきるまでの時間を意味している。そのため、開回路電位保持時間が長くなるほど自己放電速度が低下し、自己放電が抑制されていると考えられる。開回路電位保持時間の測定結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜3及び比較例1〜2の電解液を用いた評価セルの開回路電位保持時間は、実施例1が12.6時間、実施例2が15.6時間、実施例3が16.5時間、比較例1が6.9時間、比較例2が6.3時間であった。
表1に示すように、実施例1〜3の開回路電位保持時間は、比較例1の開回路電位保持時間と比較して、1.8〜2.4倍長いことがわかる。
表1に示すように、周期表第二族の元素としてMg(比較例2)とCa(実施例1)について検討した結果、Ca(実施例1)のみに自己放電抑制効果が確認できた。また、水酸化物イオン(実施例1)以外での自己放電抑制効果の有無を検討するため、塩化物イオン(実施例2)での評価を実施したところ、塩化物イオンでも同様に自己放電抑制効果が確認できた。このことから、自己放電の抑制には、水酸化物イオン及び塩化物イオンは関与せず、カルシウムイオンのみが関与していると考えられる。
そのため、実施例1と2の開回路電位保持時間の違いについては、カルシウムイオンの添加濃度の違いによるものと考えられる。
また、実施例3では、自己放電抑制剤として、Ca(OH)及びNaを添加することにより、実施例1〜2と比較して開回路電位保持時間が1.1〜1.3倍長いことがわかる。これにより、カルシウムイオンのみ添加するよりも、H 2−アニオンを合わせて添加する方が、自己放電抑制効果が高くなることがわかる。
10 金属空気電池
11 負極
12 空気極
13 電解液
14 セパレータ
15 負極集電体
16 空気極集電体
17 外装体
18 撥水膜

Claims (5)

  1. Ca2+カチオンを含む自己放電抑制剤を含有し、且つ、LiCl、NaCl、KCl、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、及び、CsOHからなる群より選ばれる少なくとも一種の電解質化合物を含有する水溶液からなり、アルミニウム又はマグネシウムから選ばれる少なくとも一種の金属元素を含む負極を有する金属空気電池に用いられる金属空気電池用電解液。
  2. 前記自己放電抑制剤は、H 2−アニオンを含む、請求項1に記載の電解液。
  3. 前記自己放電抑制剤は、Ca(OH)、及び、CaClからなる群より選ばれる少なくとも一種、並びに、Naを含む、請求項1又は2に記載の電解液。
  4. 前記水溶液中に含まれるカルシウムイオン濃度は、0.005mol/L以上、0.01mol/L以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電解液。
  5. 酸素が供給される空気極と、
    アルミニウム又はマグネシウムから選ばれる少なくとも一種の金属元素を含む負極と、
    前記空気極と前記負極に接触する電解液と、を備え、
    前記電解液は、前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電解液であることを特徴とする金属空気電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114551913A (zh) * 2020-11-25 2022-05-27 中国科学院大连化学物理研究所 一种铝合金阳极材料用电解液及其缓释剂

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