JP2017054409A - バルブ診断方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】テスト時間の短縮を図る。【解決手段】ポジショナ1へステップ入力を与え、このステップ入力に応答して変化する所定の収集パラメータ(PV,Po1,Po2,Pn,MV)のデータをステップ応答テストのテストデータ(第1のテストデータ)として取得する。この取得したステップ応答テストのテストデータから、予め定められている関係(例えば、PV(VS)=PV(SR)*A+I)を利用して、バルブシグネチャテストのテストデータ(第2のテストデータ)を推定する。バルブシグネチャテストのテストデータを取得し、この取得したバルブシグネチャテストのテストデータから、予め定められている関係(例えば、PV(SR)=(PV(VS)−I)/A)を利用して、ステップ応答テストのテストデータを推定するようにしてもよい。【選択図】 図1
Description
この発明は、ポジショナを介してその弁開度が制御されるバルブの正常異常を診断するバルブ診断方法および装置に関するものである。
従来より、化学プラント等においては、その流量プロセスに用いられるバルブ(調節弁)に対してポジショナを設け、このポジショナによってバルブの弁開度を制御するようにしている。
図5に特許文献1に示されたバルブ診断システム(オフライン診断システム)の構成を示す。同図において、1はポジショナ、2はバルブ(調節弁)、3は機器管理システム、4はコントローラであり、機器管理システム3とコントローラ4とは双方向の通信ライン5を介して接続され、コントローラ4とポジショナ1とはHARTやフィールドバスなど、情報通信が可能な伝送路、ここではHART信号を重畳して通信可能に構成された4〜20mAの2線の伝送路6を介して接続されている。
このバルブ診断システムにおいて、機器管理システム3は、バルブ2のオフライン診断時、オペレータからの指示にしたがって、ステップ応答テストの実施命令としてステップ入力(ステップ状に変化する弁開度の設定値SP)をコントローラ4へ送る。コントローラ4は、機器管理システム3からのステップ入力を受信し、その受信したステップ入力を4〜20mAの電流信号に変換してポジショナ1へ送る。
ポジショナ1は、この4〜20mAの電流信号として送られてくるステップ入力を空気圧信号に変換し、この変換した空気圧信号をバルブ2の操作器2−1へ与えて、バルブ2の弁開度を制御する。この弁開度の制御中、バルブ2の弁開度(実開度)は、ポジショナ1にフィードバックされる。これにより、ポジショナ1において、ステップ入力に応答して変化するバルブ2の弁開度を示すデータ(実開度値PV)がステップ応答として得られる。
図6に、ポジショナ1へのステップ入力と、バルブ2から得られるステップ応答を例示する。図6に示すステップ状の波形I(記録時間(横軸)−入力信号(SP値〔%〕)(縦軸))がステップ入力であり、この波形Iに対して遅れて変化している波形II(記録時間(横軸)−弁開度(PV値〔%〕)(縦軸))がステップ応答(ステップ応答テストのテストデータ)である。
ポジショナ1は、バルブ2から得られたステップ応答を検査結果データとしてコントローラ4へ送る。コントローラ4は、ポジショナ1から送られてきた検査結果データを機器管理システム3へ送る。機器管理システム3は、コントローラ4から送られてくる検査結果データに基づいて、バルブ2の正常異常を診断する。
例えば、検査結果データから得られる無駄時間Td(ステップ入力後、ステップ幅の10%に達するまでの時間)と遅れ時間T86(ステップ入力後、ステップ応答がステップ幅の86.5%に達するまでの時間)との比α(α=Td/T86)や無駄時間Tdと整定時間Tss(ステップ入力後、ステップ応答がステップ幅の±1%以内になるまでの時間)との比β(β=Td/Tss)を指標値として求め、この求めた指標値に基づいてバルブ2の正常異常を診断する。
特許文献1に示されたバルブ診断システムでは、ステップ応答テストを行うようにしているが、ステップ応答テストとは別のテストとしてバルブシグネチャ(Valve Signature)と呼ばれるテストもある(例えば、特許文献2参照)。バルブシグネチャテストでは、ポジショナ1へ時間軸に沿って連続的に変化する入力をバルブシグネチャ入力として与え、このバルブシグネチャ入力に応答して変化するデータをバルブ2の診断に用いるテストデータ(バルブシグネチャテストのテストデータ)として取得する。
図7にポジショナ1の要部の構成を示す。このポジショナ1は、制御部11と、電空変換器(EPM)12と、パイロットリレー13と、圧力センサ14−1,14−2,14−3とを備えている。パイロットリレー13は空気圧の出力ポートを2つ有しており、電空変換器12およびパイロットリレー13には外部からの供給空気圧Psが供給される。バルブ2にはその弁開度(実開度)を検出する開度センサ15が設けられている。
このポジショナ1において、制御部11は、上位装置(図5に示すコントローラ4)からの弁開度の設定値SPと開度センサ15が検出する実開度値PVとの偏差を求め、この偏差にPID制御演算を施して得られる電気信号を制御出力MVとして出力する。電空変換器12は、制御部11からの制御出力MVを空気圧信号(ノズル背圧)Pnに変換する。パイロットリレー13は、電空変換器12からの空気圧信号Pnを増幅し、第1のポートから空気圧Po1を出力し、第2のポートから空気圧Po2を出力する。これにより、バルブ2の操作器2−1に空気圧Po1とPo2との差に応じた空気圧信号が与えられ、この空気圧信号によってバルブ2の開度が調整される。
このポジショナ1は、複動型のポジショナであり、バルブ2を正動作(制御出力MVに対応した方向に駆動)させる場合には第1のポートの空気圧Po1が第2のポートの空気圧Po2よりも高くされ、バルブ2を逆動作(制御出力MVに対して反対の方向に駆動)させる場合には第2のポートの空気圧Po2が第1のポートの空気圧Po1よりも高くされる。
また、このポジショナ1では、パイロットリレー13からのバルブ2への第1のポートの空気圧(出力空気圧)Po1が第1の圧力センサ14−1によって検出され、パイロットリレー13からのバルブ2への第2のポートの空気圧(出力空気圧)Po2が第2の圧力センサ14−2によって検出され、電空変換器12からのノズル背圧Pnが圧力センサ14−3によって検出され、制御部11へフィードバックされる。
この複動型のポジショナ1を用いたシステムにおいて、ステップ応答テストでは、開度センサ15が検出するバルブ2の実開度値PVが収集パラメータとされ、バルブシグネチャテストでは、開度センサ15が検出するバルブ2の実開度値PVと、圧力センサ14−1が検出するバルブ2への空気圧Po1と、圧力センサ14−2が検出するバルブ2への空気圧Po2と、圧力センサ14−3が検出するパイロットリレー13へのノズル背圧Pnと、制御部11からの電空変換器12への制御出力MVとが収集パラメータとされる(図8参照)。
また、この複動型のポジショナ1を用いたシステムにおいて、ステップ応答テストでは、そのセットポイント(弁開度の設定値SP)の与え方を図9に波形IIIとして例示するように、時間軸に沿ってステップ状に変化する弁開度の設定値SPを入力(ステップ入力)としてポジショナ1に与える。また、バルブシグネチャテストでは、そのセットポイント(弁開度の設定値SP)の与え方を図9に波形IVとして例示するように、時間軸に沿って連続的に変化する弁開度の設定値SPを入力(バルブシグネチャ入力)としてポジショナ1に与える。
図9に示されるように、ステップ応答テストとバルブシグネチャテストとではセットポイントの与え方が大きく異なり、単純に同じセットポイントのテストデータを用いることはできない。
このため、従来においては、ステップ応答テストとバルブシグネチャテストとを別々に行うようにしており、個々にテスト時間が必要であった。これらのテストは、バルブのサイズにもよるが、長いものでは数時間を要することもあり、2つのテストを別々に行うようにすると、過大な時間が掛かる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、片方のテストデータから、もう片方のテストデータを推測することで、テスト時間の短縮を図ることが可能なバルブ診断方法および装置を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、ポジショナを介してその弁開度が制御されるバルブの正常異常を診断するバルブ診断方法において、ポジショナへ第1の入力を与え、この第1の入力に応答して変化する所定の収集パラメータのデータをバルブの診断に用いる第1のテストデータとして取得する第1のテストデータ取得ステップと、ポジショナへ第2の入力を与えた際にこの第2の入力に応答して変化する所定の収集パラメータのデータをバルブの診断に用いる第2のテストデータとし、取得された第1のテストデータから予め定められている関係を利用して第2のテストデータを推定する第2のテストデータ推定ステップとを備えることを特徴とする。
本発明において、例えば、第1の入力を時間軸に沿ってステップ状に変化する入力(ステップ入力)とし、第2の入力を時間軸に沿って連続的に変化する入力(バルブシグネチャ入力)とし、所定の収集パラメータのデータをバルブの弁開度を示すデータとした場合、第1の入力(ステップ入力)に応答して変化する所定の収集パラメータのデータ(バルブの弁開度を示すデータ)が第1のテストデータとして取得される。そして、この取得された第1のテストデータから、予め定められている関係を利用して、第2の入力(バルブシグネチャ入力)に応答して変化する所定の収集パラメータのデータ(バルブの弁開度を示すデータ)が第2のテストデータとして推定される。
この場合、第1のテストデータをステップ応答テストのテストデータ、第2のテストデータをバルブシグネチャテストのテストデータとすると、ステップ応答テストのテストデータからバルブシグネチャテストのテストデータが推定されるものとなり、バルブシグネチャテストのテストデータの取得を不要として、テスト時間の短縮を図ることが可能となる。
また、本発明において、例えば、第1の入力を時間軸に沿って連続的に変化する入力(バルブシグネチャ入力)とし、第2の入力を時間軸に沿ってステップ状に変化する入力(ステップ入力)とし、所定の収集パラメータのデータをバルブの弁開度を示すデータとした場合、第1の入力(バルブシグネチャ入力)に応答して変化する所定の収集パラメータのデータ(バルブの弁開度を示すデータ)が第1のテストデータとして取得される。そして、この取得された第1のテストデータから、予め定められている関係を利用して、第2の入力(ステップ入力)に応答して変化する所定の収集パラメータのデータ(バルブの弁開度を示すデータ)が第2のテストデータとして推定される。
この場合、第1のテストデータをバルブシグネチャテストのテストデータ、第2のテストデータをステップ応答テストのテストデータとすると、バルブシグネチャテストのテストデータからステップ応答テストのテストデータが推定されるものとなり、ステップ応答テストのテストデータの取得を不要として、テスト時間の短縮を図ることが可能となる。
なお、本発明は、第1のテストデータを取得し、この取得した第1のテストデータから第2のテストデータを推定することで、テスト時間の短縮を図ろうとするものであるが、当然、第2のテストデータは実際には取得しないため、簡易的なテストデータとしてしか得ることができない。しかし、バルブの用途によっては、これで十分な場合もある。
また、本発明において、所定の収集パラメータは、バルブの弁開度(PV)に限られるものではなく、ポジショナ内における制御出力(MV)やノズル背圧(Pn)、ポジショナからバルブへ出力される空気圧(Po1,Po2)などであってもよい。また、第1の入力や第2の入力も、ステップ入力やバルブシグネチャ入力に限られるものでもない。
本発明によれば、ポジショナへ第1の入力を与え、この第1の入力に応答して変化する所定の収集パラメータのデータをバルブの診断に用いる第1のテストデータとして取得し、ポジショナへ第2の入力を与えた際にこの第2の入力に応答して変化する所定の収集パラメータのデータをバルブの診断に用いる第2のテストデータとし、取得された第1のテストデータから予め定められている関係を利用して第2のテストデータを推定するようにしたので、例えばステップ応答テストとバルブシグネチャテストの両方を行うような場合、片方のテストデータの取得を不要として、テスト時間の短縮を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1は本発明に係るバルブ診断装置の第1の実施の形態(実施の形態1)の要部を示すブロック図である。このバルブ診断装置100は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現され、本実施の形態特有の機能部として、ステップ応答テストのテストデータ取得部101と、バルブシグネチャテストのテストデータ推定部102とを備えている。
〔実施の形態1〕
図1は本発明に係るバルブ診断装置の第1の実施の形態(実施の形態1)の要部を示すブロック図である。このバルブ診断装置100は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現され、本実施の形態特有の機能部として、ステップ応答テストのテストデータ取得部101と、バルブシグネチャテストのテストデータ推定部102とを備えている。
なお、図1において、図5と同一符号は図5を参照して説明した構成要素と同一或いは同等の構成要素を示し、その説明は省略する。また、このバルブ診断装置100において、ステップ応答テストのテストデータ取得部101が本発明でいう第1のテストデータ取得ステップを実行する機能部に相当し、バルブシグネチャテストのテストデータ推定部102が本発明でいう第2のテストデータ推定ステップを実行する機能部に相当する。以下、ステップ応答テストのテストデータ取得部101を第1のテストデータ取得部と呼び、バルブシグネチャテストのテストデータ推定部102を第2のテストデータ推定部と呼ぶ。
このバルブ診断装置100において、第1のテストデータ取得部101は、ポジショナ1へ時間軸に沿ってステップ状に変化する弁開度の設定値SP(図9に示す波形III)をステップ入力として与え、このステップ入力に応答して変化する所定の収集パラメータのデータをステップ応答テストのテストデータ(第1のテストデータ)として取得する。
第2のテストデータ推定部102は、ポジショナ1へ時間軸に沿って連続的に変化する弁開度の設定値SP(図9に示す波形IV)をバルブシグネチャ入力として与えた際にこのバルブシグネチャ入力に応答して変化する所定の収集パラメータのデータをバルブシグネチャテストのテストデータとし、第1のテストデータ取得部101によって取得されたステップ応答テストのテストデータから予め定められている関係を利用してバルブシグネチャテストのテストデータ(第2のテストデータ)を推定する。
図2に、第1のテストデータ取得部101が取得するステップ応答テストのテストデータと、第2のテストデータ推定部102が推定するバルブシグネチャテストのテストデータとの関係を示す。
本実施の形態において、第1のテストデータ取得部101は、バルブ2の実開度値PV、ポジショナ1からのバルブ2への空気圧Po1,Po2、ポジショナ1内におけるノズル背圧Pnおよび制御出力MVを所定の収集パラメータとし、この収集パラメータのデータをステップ応答テストのテストデータ(第1のテストデータ)として取得する。図2中、PV(SR),Po1(SR),Po2(SR),Pn(SR),MV(SR)は、時間tにおけるステップ応答テストのテストデータとして取得される各収集パラメータのデータを示す。
本実施の形態において、第2のテストデータ推定部102は、バルブ2の実開度値PV、ポジショナ1からのバルブ2への空気圧Po1,Po2、ポジショナ1内におけるノズル背圧Pnおよび制御出力MVを所定の収集パラメータとし、この収集パラメータのデータをバルブシグネチャテストのテストデータ(第2のテストデータ)として推定する。図2中、PV(VS),Po1(VS),Po2(VS),Pn(VS),MV(VS)は、時間tにおけるバルブシグネチャテストのテストデータとして推定される各収集パラメータのデータを示す。
第2のテストデータ推定部102において、PV(VS)とPV(SR)との間には、PV(VS)=PV(SR)*A+Iという関係が定められており、Po1(VS)とPo1(SR)との間には、Po1(VS)=Po1(SR)*B+Jという関係が定められている。また、Po2(VS)とPo2(SR)との間には、Po2(VS)=Po2(SR)*C+Kという関係が、Pn(VS)とPn(SR)との間には、Pn(VS)=Pn(SR)*D+Lという関係が、MV(VS)とMV(SR)との間には、MV(VS)=MV(SR)*E+Mという関係が定められている。
なお、この関係において、「A,B,C,D,E」はステップ応答テストのテストデータから求めた補正係数であり、また「I,J,K,L,M」はステップ応答テストのテストデータから求めた補正定数であり、これらの値は時間tに対応する値として定められている。すなわち、これらの値は、時間軸に沿って一定の値をとるのでなく、時間tが異なる場合、異なる値をとる場合もある。また、この補正係数および補正定数は、実験を繰り返すことによって、時間tに対応する適切な値として定められたものである。
第2のテストデータ推定部102は、このバルブシグネチャテストのテストデータPV(VS),Po1(VS),Po2(VS),Pn(VS),MV(VS)とステップ応答テストのテストデータPV(SR),Po1(SR),Po2(SR),Pn(SR),MV(SR)との間に定められている関係から、各時間tにおけるバルブシグネチャテストのテストデータPV(VS),Po1(VS),Po2(VS),Pn(VS),MV(VS)を推定する。
なお、上記の関係から推定することが難しい区間が存在するような場合には、すなわちステップ応答テストのテストデータの補正ではバルブシグネチャテストのテストデータを推定することが難しい区間が存在するような場合には、その区間内のデータを補間するなどして推定するものとする。すなわち、補正と補間とを組み合わせて、バルブシグネチャテストのテストデータを推定するようにする。
このようにして、実施の形態1のバルブ診断装置100によれば、ステップ応答テストのテストデータを取得するのみで、ステップ応答テストだけではなく、バルブシグネチャテストも行う(簡易的ではあるが)ことができ、バルブシグネチャテストのテストデータの取得を不要として、テスト時間の短縮を図ることができるようになる。
〔実施の形態2〕
図3は本発明に係るバルブ診断装置の第2の実施の形態(実施の形態2)の要部を示すブロック図である。このバルブ診断装置200は、バルブシグネチャテストのテストデータ取得部201と、ステップ応答テストのテストデータ推定部202とを備えている。
図3は本発明に係るバルブ診断装置の第2の実施の形態(実施の形態2)の要部を示すブロック図である。このバルブ診断装置200は、バルブシグネチャテストのテストデータ取得部201と、ステップ応答テストのテストデータ推定部202とを備えている。
このバルブ診断装置200において、バルブシグネチャテストのテストデータ取得部201が本発明でいう第1のテストデータ取得ステップを実行する機能部に相当し、ステップ応答テストのテストデータ推定部202が本発明でいう第2のテストデータ推定ステップを実行する機能部に相当する。以下、バルブシグネチャテストのテストデータ取得部201を第1のテストデータ取得部と呼び、ステップ応答テストのテストデータ推定部202を第2のテストデータ推定部と呼ぶ。
このバルブ診断装置200において、第1のテストデータ取得部201は、ポジショナ1へ時間軸に沿って連続的に変化する弁開度の設定値SP(図9に示す波形IV)をバルブシグネチャ入力として与え、このバルブシグネチャ入力に応答して変化する所定の収集パラメータのデータをバルブシグネチャテストのテストデータ(第1のテストデータ)として取得する。
第2のテストデータ推定部202は、ポジショナ1へ時間軸に沿ってステップ状に変化する弁開度の設定値SP(図9に示す波形III)をステップ入力として与えた際にこのステップ入力に応答して変化する所定の収集パラメータのデータをステップ応答テストのテストデータとし、第1のテストデータ取得部201によって取得されたバルブシグネチャテストのテストデータから予め定められている関係を利用してステップ応答テストのテストデータ(第2のテストデータ)を推定する。
図4に、第1のテストデータ取得部201が取得するバルブシグネチャテストのテストデータと、第2のテストデータ推定部202が推定するステップ応答テストのテストデータとの関係を示す。
本実施の形態において、第1のテストデータ取得部201は、バルブ2の実開度値PV、ポジショナ1からのバルブ2への空気圧Po1,Po2、ポジショナ1内にけるノズル背圧Pnおよび制御出力MVを所定の収集パラメータとし、この収集パラメータのデータをバルブシグネチャテストのテストデータ(第1テストデータ)として取得する。図4中、PV(VS),Po1(VS),Po2(VS),Pn(VS),MV(VS)は、時間tにおけるバルブシグネチャテストのテストデータとして取得される各収集パラメータのデータを示す。
本実施の形態において、第2のテストデータ推定部202は、バルブ2の実開度値PV、ポジショナ1からのバルブ2への空気圧Po1,Po2、ポジショナ1内におけるノズル背圧Pnおよび制御出力MVを所定の収集パラメータとし、この収集パラメータのデータをステップ応答テストのテストデータ(第2のテストデータ)として推定する。図4中、PV(SR),Po1(SR),Po2(SR),Pn(SR),MV(SR)は、時間tにおけるステップ応答テストのテストデータとして推定される各収集パラメータのデータを示す。
第2のテストデータ推定部202において、PV(SR)とPV(VS)との間には、PV(SR)=(PV(VS)−I)/Aという関係が定められており、Po1(SR)とPo1(VS)との間には、Po1(SR)=(Po1(VS)−J)/Bという関係が定められている。また、Po2(SR)とPo2(VS)との間には、Po2(SR)=(Po2(VS)−K)/Cという関係が、Pn(SR)とPn(VS)との間には、Pn(SR)=(Pn(VS)−L)/Dという関係が、MV(SR)とMV(VS)との間には、MV(SR)=(MV(VS)−M)/Eという関係が定められている。
なお、この関係において、「A,B,C,D,E」はバルブシグネチャテストのテストデータから求めた補正係数であり、また「I,J,K,L,M」はバルブシグネチャテストのテストデータから求めた補正定数であり、これらの値は時間tに対応する値として定められている。すなわち、これらの値は、時間軸に沿って一定の値をとるのでなく、時間tが異なる場合、異なる値をとる場合もある。また、この補正係数および補正定数は、実験を繰り返すことによって、時間tに対応する適切な値として定められたものである。
第2のテストデータ推定部202は、このステップ応答テストのテストデータPV(SR),Po1(SR),Po2(SR),Pn(SR),MV(SR)とバルブシグネチャテストのテストデータPV(VS),Po1(VS),Po2(VS),Pn(VS),MV(VS)との間に定められている関係から、各時間tにおけるステップ応答テストのテストデータPV(SR),Po1(SR),Po2(SR),Pn(SR),MV(SR)を推定する。
なお、上記の関係から推定することが難しい区間が存在するような場合には、すなわちバルブシグネチャテストのテストデータの補正ではステップ応答テストのテストデータを推定することが難しい区間が存在するような場合には、その区間内のデータを補間するなどして推定するものとする。すなわち、補正と補間とを組み合わせて、ステップ応答テストのテストデータを推定するようにする。
このようにして、実施の形態2のバルブ診断装置200によれば、バルブシグネチャテストのテストデータを取得するのみで、バルブシグネチャテストだけではなく、ステップ応答テストも行う(簡易的ではあるが)ことができ、ステップ応答テストのテストデータの取得を不要として、テスト時間の短縮を図ることができるようになる。
なお、上述した実施の形態1,2では、ステップ応答テストとバルブシグネチャテストを例にとって説明したが、ステップ応答テストやバルブシグネチャテストに限られるものではなく、バルブ2の診断を行う際の各種のテストに対して同様にして適用することが可能である。
また、上述した実施の形態1,2において、バルブ診断装置100,200は、図5における機器管理システム3に設けられていてもよく、コントローラ4に設けられていてもよい。また、ポジショナ1内にバルブ診断装置100,200を設けるようにしてもよい。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1…ポジショナ、2…バルブ(調節弁)、100…バルブ診断装置、101…ステップ応答テストのテストデータ取得部(第1のテストデータ取得部)、102…バルブシグネチャテストのテストデータ推定部(第2のテストデータ推定部)、200…バルブ診断装置、201…バルブシグネチャテストのテストデータ取得部(第1のテストデータ取得部)、202…ステップ応答テストのテストデータ推定部(第2のテストデータ推定部)。
Claims (8)
- ポジショナを介してその弁開度が制御されるバルブの正常異常を診断するバルブ診断方法において、
前記ポジショナへ第1の入力を与え、この第1の入力に応答して変化する所定の収集パラメータのデータを前記バルブの診断に用いる第1のテストデータとして取得する第1のテストデータ取得ステップと、
前記ポジショナへ第2の入力を与えた際にこの第2の入力に応答して変化する前記所定の収集パラメータのデータを前記バルブの診断に用いる第2のテストデータとし、前記取得された第1のテストデータから予め定められている関係を利用して前記第2のテストデータを推定する第2のテストデータ推定ステップと
を備えることを特徴とするバルブ診断方法。 - 請求項1に記載されたバルブ診断方法において、
前記第1の入力は、時間軸に沿ってステップ状に変化する入力であり、
前記第2の入力は、時間軸に沿って連続的に変化する入力である
ことを特徴とするバルブ診断方法。 - 請求項1に記載されたバルブ診断方法において、
前記第1の入力は、時間軸に沿って連続的に変化する入力であり、
前記第2の入力は、時間軸に沿ってステップ状に変化する入力である
ことを特徴とするバルブ診断方法。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載されたバルブ診断方法において、
前記所定の収集パラメータのデータは、前記バルブの弁開度を示すデータである
ことを特徴とするバルブ診断方法。 - ポジショナを介してその弁開度が制御されるバルブの正常異常を診断するバルブ診断装置において、
前記ポジショナへ第1の入力を与え、この第1の入力に応答して変化する所定の収集パラメータのデータを前記バルブの診断に用いる第1のテストデータとして取得する第1のテストデータ取得手段と、
前記ポジショナへ第2の入力を与えた際にこの第2の入力に応答して変化する前記所定の収集パラメータのデータを前記バルブの診断に用いる第2のテストデータとし、前記取得された第1のテストデータから予め定められている関係を利用して前記第2のテストデータを推定する第2のテストデータ推定手段と
を備えることを特徴とするバルブ診断装置。 - 請求項5に記載されたバルブ診断装置において、
前記第1の入力は、時間軸に沿ってステップ状に変化する入力であり、
前記第2の入力は、時間軸に沿って連続的に変化する入力である
ことを特徴とするバルブ診断装置。 - 請求項5に記載されたバルブ診断装置において、
前記第1の入力は、時間軸に沿って連続的に変化する入力であり、
前記第2の入力は、時間軸に沿ってステップ状に変化する入力である
ことを特徴とするバルブ診断装置。 - 請求項5〜7の何れか1項に記載されたバルブ診断装置において、
前記所定の収集パラメータのデータは、前記バルブの弁開度を示すデータである
ことを特徴とするバルブ診断装置。
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JP2015179284A JP2017054409A (ja) | 2015-09-11 | 2015-09-11 | バルブ診断方法および装置 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2017054409A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190051845A (ko) | 2017-11-07 | 2019-05-15 | 아즈빌주식회사 | 밸브 메인터넌스 지원 장치 및 방법 |
-
2015
- 2015-09-11 JP JP2015179284A patent/JP2017054409A/ja active Pending
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KR20190051845A (ko) | 2017-11-07 | 2019-05-15 | 아즈빌주식회사 | 밸브 메인터넌스 지원 장치 및 방법 |
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