(遊技機の構成)
スロットマシン1は、図1に示すように、直方体形状の筺体10を備えている。この筺体10は、正面に開口を有している。この開口には、前扉20が開閉可能かつロック可能に取り付けられている。
前扉20は、略中央部分に透光性の窓21を有している。この窓21は、後述する各回転リール41,42,43の表面に表示される複数の図柄を視認できるように、配置されている。
また、窓21の上部には、液晶表示装置22と、電飾装置23と、スピーカ24とが設けられている。液晶表示装置22は、遊技中に各種の演出画像(演出動画)を表示したり、所定の情報等を表示したりする。電飾装置23は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。スピーカ24は、所定の条件を満たした場合に、所定の音を出力する。すなわち、遊技中の各種の演出は、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24によって行われる。
一方、窓21の下部には、操作部30が設けられている。操作部30は、遊技媒体の一例としてのメダルを投入するためのメダル投入口31と、メダルをベットするためのベットスイッチ32と、各回転リール41,42,43を回転させるスタートスイッチ33と、各回転リール41,42,43に対して設けられ、回転中の各回転リール41,42,43を停止させるためのストップスイッチ34,35,36とで構成されている。これら操作部30の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。また、メダル投入口31には図示しないメダルセンサが設けられており、遊技者によるメダル投入口31へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
なお、操作部30には、他に、精算スイッチ(図示せず)、および、貯留メダル表示部(図示せず)等が設けられている。
さらに、操作部30の下部には、メダルを払い出すための払い出し口25と、払い出し口25から払い出されたメダルを貯留するための下皿26とが設けられている。
図2は、スロットマシン1の機能的な構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、図2に示すように、スロットマシン1全体を制御する制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、メダルを払い出すためのホッパーユニット50を備えている。制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44およびホッパーユニット50は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示せず)等と共に、筺体10の内部に配置されている。
回転リールユニット40は、3個の回転リール41,42,43と、この回転リール41,42,43を駆動するステッピングモータ61,62,63とで構成されている。この回転リールユニット40は、筺体10の内部の略中央に配置されている。回転リール41,42,43の表面には、図3に示すように配列された図柄が表示されると共に、基準点(図示せず)が設けられている。この基準点は、例えば、回転リール41,42,43のAの図柄(ベルA)の中心に配置されている。
ここで、スロットマシン1で行われる遊技の概要について説明する。スロットマシン1で遊技を行う場合、まず、メダルをメダル投入口31から投入する、あるいは、ベットスイッチ32を操作することにより貯留しているメダル(クレジット)を使用して、メダルをベットする。スロットマシン1の遊技状態(以下、単に「遊技状態」という)等に応じて設定されている規定の枚数のメダルがベットされると、有効ラインが有効化され、スタートスイッチ33の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。このとき、遊技状態等に応じて設定されている規定の枚数を超えて投入されたメダルは、クレジットとして貯留される。
有効ラインは、役の入賞を決定するための仮想ラインであり、この有効ラインによって、窓21に表示される各回転リール41,42,43の図柄が、1つずつ連結されている。このスロットマシン1では、有効ラインは、例えば、図4に示すように、上段ライン71、中段ライン72、および、下段ライン73の水平方向の3本と、右上がりライン74、および、右下がりライン75の斜め方向の2本とで構成され、ベットされたメダルの枚数(ベット枚数)に応じて有効化される。なお、このスロットマシン1の窓21に表示される図柄は、図4に示すように、各回転リールにつき3図柄である。
遊技が開始可能な状態でスタートスイッチ33が操作されると、スロットマシン1内で行われる電子計算機によるくじ(以下、内部抽せんという)が行われ、各回転リール41,42,43の回転が開始される。この状態で、いずれかのストップスイッチ34,35,36が操作されると、ストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43が停止し、窓21に、当せんした役に応じた結果が表示される。全ての回転リール41,42,43を停止させることで、1ゲームが終了し、有効ライン上に揃った図柄の組み合わせ、すなわち、入賞した役に応じて、所定の枚数のメダルが払い出される。
このように、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36を操作して、遊技の結果を得る一連の動作を遊技といい、遊技が行われる、または、行われた期間を遊技期間という。遊技の単位はゲームであり、1ゲームを単位遊技という。
また、スロットマシン1は、図5に示すように、通常状態0〜2(RT0,RT1,RT2)、ART(RT3)、および、一種BB実施状態(RT4)で構成された遊技状態を有している。
通常状態は、一種BB終了後、あるいは、RAMクリア時に移行する遊技状態である通常状態0(RT0)と、遊技状態がRT0のときに、内部抽せんの結果、図6,図7に示すシングルボーナス(SB)に当せんし、かつ、SBが入賞しなかった場合(すなわち、SBを取りこぼした場合)に移行する遊技状態である通常状態1(RT1)と、遊技状態がRT1のときに、内部抽せんの結果、図6,図7に示すRT2移行リプレイに当せんし、かつ、RT2移行リプレイが入賞した場合に移行する遊技状態である通常状態2(RT2)とで構成されている。遊技状態がRT2のときにSBを取りこぼすと、遊技状態がRT2からRT1に移行する。
ART(RT3)は、遊技状態がRT2のときに、内部抽せんの結果、図6,図7に示すRT3移行リプレイに当せんし、かつ、RT3移行リプレイが入賞した場合に移行する遊技状態である。遊技状態がARTのときにSBを取りこぼすと、遊技状態がARTからRT1に移行する。
なお、ARTとは、通常状態0〜2よりも再遊技(リプレイ)の確率が上がり、メダルが減りにくい状態で、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順(押し順)で操作することで入賞可能な特定役(押し順役)を確実に獲得するための報知が行われる遊技状態である。一旦、遊技状態がARTに移行すると、ARTで遊技可能な遊技期間(ARTゲーム数)が経過してARTが終了するまで、遊技状態はARTであるとみなされる。すなわち、例えば、遊技状態がARTに移行した後、SBの取りこぼしにより遊技状態がRT1に移行したとしても、ART中であるとみなされる。
一種BB実施状態(RT4)は、図6,図7に示す一種BBに当せん後、一種BBが入賞し、かつ、一種BB中に所定の枚数のメダルが払い出される前の場合の遊技状態である。メダルの払い出し枚数は、例えば、480枚以内で任意に設定できる。一種BB実施状態中に所定のメダルが払い出されると、RT0に移行する。
なお、一種BBとは、一種特別役物に係る連続作動装置(いわゆるビッグボーナス)である。このスロットマシン1では、全ての回転リール41,42,43について、図3に示す10番の図柄“セブン”が一種BBの入賞に係る図柄として対応付けられている。
SB、RT2移行リプレイ、RT3移行リプレイ、および、一種BBは、所定の移行条件を満たす(すなわち、RT2移行リプレイ、RT3移行リプレイ、および、一種BBについては入賞する、また、SBについては取りこぼす)ことにより、遊技状態の移行を可能にする移行役の一例である。また、SB、RT2移行リプレイ、および、RT3移行リプレイは、ストップスイッチ34,35,36を所定の押し順で操作することにより入賞可能になる特定役の一例である。
(制御装置)
制御装置100は、図2に示すように、メイン制御部110とサブ制御部120とで構成されている。
メイン制御部110は、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶しておくROMおよびRAM等を備えており、遊技を進行させるための制御を行う。例えば、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36の操作に基づいてステッピングモータ61,62,63を制御して、回転リール41,42,43の回転を開始または終了させる。
また、サブ制御部120もメイン制御部110と同様に、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶しておくROMおよびRAM等を備えており、各種演出等を行うための制御を行う。例えば、メイン制御部110から送信された信号に基づいて演出内容を決定し、液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24を制御して、決定された演出内容を出力する。
なお、下に説明するメイン制御部110およびサブ制御部120を構成する各部は、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
[メイン制御部]
メイン制御部110は、図2に示すように、内部抽せん部111と、回転リール制御部112と、遊技結果判定部113と、ホッパー制御部114と、外部信号出力部115と、有利状態抽せん部116と、遊技状態移行部117と、ART制御部118と、計測部119とで構成されている。
内部抽せん部111は、複数の役抽せんテーブル1111を有し、スタートスイッチ33の操作信号に基づいて、回転リール41,42,43の所定の図柄の組み合わせが対応付けられている役の抽せんを行う。詳しくは、内部抽せん部111は、図5に示す遊技状態に応じて、図6に示す内部抽せんに用いる役抽せんテーブル1111を選択し、スタートスイッチ33の操作信号が出力されときに取得される乱数と選択された役抽せんテーブル1111とに基づいて内部抽せんを行い、この内部抽せんにより当せんした役を判定する。内部抽せんの結果は、内部抽せん部111により、内部抽せん結果信号として出力される。
なお、このスロットマシン1において、ベットスイッチ32の操作信号は、所定の枚数のメダルが貯留されており、かつ、ベット受付期間において、ベットスイッチ32の操作が行われ、受け付けられた場合(ベットスイッチ32がオンされた場合)に出力される。
スタートスイッチ33の操作信号は、ベットスイッチ32の操作信号または所定の枚数分のメダル投入センサの検出信号が出力された状態で、スタートスイッチ33の操作が行われ、受け付けられた場合(スタートスイッチ33がオンされた場合)に出力される。
ストップスイッチ34,35,36の操作信号は、回転リール41,42,43の回転が開始され定常回転になった以降、スタートスイッチ33の操作信号が出力された状態で、ストップスイッチ34,35,36の操作が行われ、受け付けられた場合(ストップスイッチ34,35,36がオンされた場合)に出力される。
また、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33、および、ストップスイッチ34,35,36の各スイッチの操作信号が出力されたか否かの判定は、1ゲーム毎に行われる。また、本明細書において、各スイッチの操作は、別途説明がある場合を除いて、各スイッチの操作信号が出力される操作を意味しているものとする。
役抽せんテーブル1111は、図6に示すように、RT0〜RT4の遊技状態毎に設けられており、図7に示す内部抽せん部111の内部抽せんにより当せんの可能性がある当せん領域の情報を有している。この当せん領域には、図柄の組み合わせが対応付けられている役が、少なくとも1つ設定されている。
図6に示す各役抽せんテーブルでは、遊技状態毎に、当せんする可能性のある当せん領域が“○”で示され、当せんする可能性のない当せん領域が“×”で示されている。役抽せんテーブル1111には、スタートスイッチ33の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域(置数の領域)が設けられており、この領域の各々が、“○”で示されている当せん領域に対応付けられている。
なお、図7では、押し順役が入賞可能となるストップスイッチ34,35,36の操作の順番を表の上部の3個の数字で示している。この数字は、“1”は左リール、“2”は中リール、“3”は右リールに対応するストップスイッチ34,35,36の操作を意味している。例えば、“123”であれば、左リール41に対応するストップスイッチ34、中リール42に対応するストップスイッチ35、右リール43に対応するストップスイッチ36の順にストップスイッチ34,35,36を操作することを示している。押し順役の押し順は、所定の条件を満たした場合に報知されるようになっている。
スロットマシン1では、当せんした当せん領域に設定されている役が、全て同時に当せんするように設定されている。例えば、内部抽せん部111の役抽せんの結果、当せん領域“中ベル1〜4”および“右ベル1〜4”に当せんした場合、中段ベルと、中ベル1〜4あるいは右ベル1〜4に同時に当せんする。
例えば、“中ベル1”に当せんした場合、ストップスイッチ34,35,36の操作の順番が“213”および“231”の中段ベルと、ストップスイッチ34,35,36の操作の順番が“123”、“132”、“312”および“321”の中ベル1に同時に当せんする。“213”の中段ベルと“231”の中段ベルは、同一の図柄の組み合わせが対応付けられている。また、“123”、“132”、“312”および“321”の中ベル1は、全て同一の図柄の組み合わせが対応付けられている。
また、中段ベル、中ベル1〜4および右ベル1〜4は、メダルの払い出しのある小役であると共に、入賞したときに払い出されるメダルが中ベル1〜4および右ベル1〜4よりも中段ベルのほうが多くなるように設定されている。このスロットマシン1では、3枚のメダルをベットしたとき、中段ベルの入賞で8枚のメダルが払い出され、中ベル〜4および右ベル1〜4の入賞で1枚のメダルが払い出される。
回転リール制御部112は、スタートスイッチ33の操作信号に基づいて回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、各回転リール41,42,43の回転を開始させる回転開始制御が行われる。また、回転リール制御部112は、ストップスイッチ34,35,36の操作信号に基づいて、回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、回転している各回転リール41,42,43の回転を停止させる回転停止制御が行われる。
回転停止制御では、内部抽せん部111により出力された内部抽せん結果信号等に基づいて、各回転リール41,42,43の停止位置を決定し、例えば、当せんした役に対応する図柄が有効ライン上に揃うように回転リール41,42,43の回転を停止させたり(いわゆる引き込み制御)、あるいは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ライン上に揃わないように回転リール41,42,43の回転を停止させたりする(いわゆる蹴飛ばし制御)。回転リール41,42,43の回転停止制御の結果は、回転リール制御部112によって、回転リール停止信号として出力される。
遊技結果判定部113は、内部抽せん部111から出力された役抽せん結果信号、および、回転リール制御部112から出力された回転リール停止信号に基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果には、例えば、有効ライン上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かの判定が含まれる。ここでは、遊技結果判定部113は、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが所定の図柄と一致した場合に、役が入賞したと判定し、この判定結果を遊技結果判定信号として出力する。
ホッパー制御部114は、遊技結果判定部により出力された遊技結果判定信号、あるいは、操作部30の精算スイッチを操作することにより出力される操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御し、メダルの払い出しを行う。遊技結果判定信号に基づいて払い出されたメダル(役の当せん、入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。そして、メダルを貯留した結果、クレジットの上限(例えば50枚)を超えた場合には、その上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、貯留されているメダルがホッパーユニット50から払い出される。
外部信号出力部115は、遊技状態が所定の有利状態に移行した場合に、ホールコンピュータに、遊技状態が所定の有利状態へ移行したこと表す信号を出力する。また、外部信号出力部115は、スロットマシン1が設定変更またはリセットされた場合に、サブ制御部120等に、スロットマシン1が設定変更されたことを表す設定変更信号、または、スロットマシン1がリセットされたことを表すリセット信号、または、スロットマシン1の電源がオンされたことを表す電源オン信号を出力する。
なお、有利状態とは、現在の遊技状態よりもメダル獲得の期待度が直接的または間接的に高い遊技者にとって有利な状態をいい、例えば、ART、および、一種BB実施状態のほか、通常状態におけるART当せん高確率状態も含まれる。
有利状態抽せん部116は、遊技状態、および、メイン制御部110の内部抽せん部111から出力される内部抽せん結果信号等に基づいて、例えば、有利状態抽せんの一例のART抽せん、あるいは、高確率状態移行抽せんを行う。
ART抽せんは、遊技状態がRT0〜RT2であり(ART中を除く)、かつ、内部抽せんにより所定の役に当せんした場合に行われる、ARTを発生させるか否かの抽せんである。有利状態抽せん部116には、抽せん状態(例えば、高確率状態または低確率状態)に応じて選択される複数のテーブルが設けられており、このテーブルと内部抽せんにより当せんした役とに基づいて、ART抽せんの当せん確率が決定される。有利状態抽せん部116は、決定された当せん確率に基づいて、ART抽せんに当せんしたか否かを判定し、ART抽せんに当せんしたと判定された場合には、併せて、ARTで遊技可能な遊技期間(ARTゲーム数)等を決定する。ART抽せんの結果は、有利状態抽せん部116によってART抽せん結果信号として出力される。
高確率状態移行抽せんは、抽せん状態が低確率状態のときに行われる、抽せん状態を低確率状態から高確率状態へ移行させるか否かの抽せんである。この高確率状態移行抽せんは、内部抽せんにより当せんした役に基づいて当せん確率が決定され、遊技状態の移行を伴わない。高確率状態移行抽せんの結果は、有利状態抽せん部116によって高確率状態抽せん結果信号として出力される。
遊技状態移行部117は、内部抽せんにより遊技状態毎に設定されている移行役に当せんし、この移行役に設定されている移行条件が満たされている場合に、遊技状態を移行役毎に設定された遊技状態に移行させる。
図5に示すように、遊技状態移行部117は、遊技状態がRT0、RT2、あるいは、RT3のときにSBを取りこぼした場合に、遊技状態をRT1に移行させ、遊技状態がRT1のときにRT2移行リプレイが入賞した場合に、遊技状態をRT2に移行させ、遊技状態がRT2のときにRT3移行リプレイが入賞した場合に、遊技状態をRT3に移行させる。すなわち、SBの移行条件は、取りこぼすことであり、RT2移行リプレイおよびRT3移行リプレイの移行条件は、入賞させることである。また、遊技状態移行部117は、遊技状態がRT0〜RT3のときに一種BBが入賞した場合、遊技状態をRT4に移行させる。すなわち、一種BBの移行条件は、入賞させることである。なお、遊技状態をRT4に移行させた後、所定の枚数のメダルが払い出されると、遊技状態移行部117は、遊技状態をRT4からRT0に移行させる。
また、遊技状態移行部117は、遊技状態をARTに移行させるための遊技期間(移行準備期間)において、移行役毎に設定されている移行条件を満たすことができる報知を発生させる。詳しくは、遊技状態移行部117は、複数の報知モードを有し、この複数の報知モードの中から選択されたいずれか1つの報知モードと、滞在している遊技状態とに基づいて、移行役を含む押し順役の押し順の報知を発生させる。
報知モードの選択は、次のように行われる。すなわち、ART抽せんに当せんした場合、あるいは、移行準備期間中に一種BBが入賞して所定の枚数のメダルが払い出された場合、滞在する遊技状態に対応する報知モードが選択される。
また、移行準備期間中に、内部抽せんによって、滞在している遊技状態に設定されている特定移行役に当せんした場合、特定移行役に設定されている遊技状態に対応する報知モードが選択される。ここで、特定移行役とは、各遊技状態に設定されている移行役のうち、RT0からRT3に向かって遊技状態を移行させるための移行役をいう。
すなわち、移行準備期間中に、第1の遊技状態に滞在し、かつ、第1の遊技状態に対応する第1の報知モードが選択されている場合、内部抽せんによって、第1の遊技状態に設定されている特定移行役に当せんした後は、この特定移行役に設定されている第2の遊技状態に対応する第2の報知モードが選択される。
報知モードは、移行準備期間に滞在する遊技状態、すなわち、RT0〜RT2のそれぞれに対応付けられた報知モード0〜報知モード2で構成されている。報知モード0が選択されると、図8に示すテーブル0が参照され、報知モード1が選択されると、図8に示すテーブル1が参照され、報知モード2が選択されると、図8に示すテーブル2が参照される。なお、図8に示すテーブルでは、押し順の報知を発生させる特定役が“○”で示され、押し順の報知を発生させない特定役が“×”で示されている。なお、図8に示す“ベルナビ”は、図6,図7に示す当せん領域“中ベル1〜4”および“右ベル1〜4”の中段ベルを入賞させる押し順の報知に対応し、“SBナビ”は、図6,図7に示す当せん領域“シングルボーナス1〜6”の押し順の報知に対応し、“リプナビ”は、図6,図7に示す“RT2(RT3)移行リプレイ”の押し順の報知に対応している。
報知モード0は、遊技状態がRT0のときにART抽せんに当せんした場合、あるいは、あるいは、移行準備期間中に一種BBが入賞し、RT4を介してRT0に移行した場合に選択される。報知モード0では、遊技状態移行部117は、当せん領域“中ベル1〜4”および“右ベル1〜4”の中段ベルを入賞させる押し順の報知と、“SB”を取りこぼす押し順の報知とを発生させる。
報知モード1は、遊技状態がRT1のときにART抽せんに当せんした場合、あるいは、遊技状態がRT0であるときに内部抽せんによってSBに当せんした場合に選択される。報知モード1では、遊技状態移行部117は、遊技状態がRT1の場合、“中ベル1〜4”および“右ベル1〜4”の中段ベルを入賞させる押し順の報知と、“RT2移行リプレイ”を入賞させる押し順の報知とを発生させる。また、遊技状態がRT0の場合、“SB”を取りこぼす押し順の報知のみを発生させる。
報知モード2は、内部抽せんによってRT2移行リプレイに当せんした場合に選択される。報知モード2では、遊技状態移行部117は、遊技状態がRT2の場合、“中ベル1〜4”および“右ベル1〜4”の中段ベルを入賞させる押し順の報知と、“SB”を入賞させる押し順の報知合と、“RT3移行リプレイ”を入賞させる押し順の報知と、押し順の報知とを発生させる。また、遊技状態移行部117は、遊技状態がRT1の場合、 “RT2移行リプレイ”を入賞させる押し順の報知のみを発生させる。
なお、第1の遊技状態に滞在しているときに、内部抽せんに第1の遊技状態に設定されている特定移行役に当せんしたが、この特定移行役の移行条件を満たすことができなかった場合、第2の遊技状態に対応する第2の報知モードが選択される。このように、滞在している遊技状態と選択されている報知モードとが異なっている場合、遊技状態移行部117は、ペナルティの原因となった特定移行役に設定されている遊技状態に移行するまで、遊技者にとって不利となるペナルティを課す。
例えば、RT0に滞在しているときに、内部抽せんによりSBが当せんしたが、このSBを入賞させてしまった場合、次のゲームからRT1に対応する報知モード1が選択されるが、滞在している遊技状態はRT0のままである。この場合、図8に示すように、SBを取りこぼしてRT1に移行していれば発生していた“ベルナビ”が発生しないというペナルティが課せられる。このペナルティは、ペナルティの原因となった特定移行役であるSBに設定されている遊技状態、すなわち、遊技状態をRT1に移行させることで解消される。
なお、所定の押し順役の押し順の報知を発生させることが決定されると、遊技状態移行部117によって報知信号が出力され、後述するサブ制御部120の演出制御部121により、所定の押し順役の押し順が報知される。
遊技状態が移行すると、遊技状態移行部117によって、遊技状態が移行したことを表す移行信号が出力される。すなわち、遊技状態移行部117は、遊技状態をRT0に移行させると、遊技状態がRT0に移行したことを表すRT0信号を出力し、遊技状態をRT1に移行させると、遊技状態がRT1に移行したことを表すRT1信号を出力し、遊技状態をRT2に移行させると、遊技状態がRT2に移行したことを表すRT2移行信号を出力し、遊技状態をRT3に移行させると、遊技状態がRT3に移行したことを表すART信号を出力し、また、遊技状態をRT4に移行させると、遊技状態がRT4に移行したことを表す一種BB信号を出力する。
また、遊技状態移行部117は、遊技状態を所定の有利状態への移行に要する遊技数の上限値(天井ゲーム数)を設定し、計測部119から出力された天井計測信号に基づいて、計測された天井消化ゲーム数が、設定された天井ゲーム数に到達したか否かを判定する。そして、計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達したと判定された場合、遊技状態移行部117は、遊技状態を所定の有利状態に移行させる。例えば、計測部119により計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達したと判定された場合、遊技状態移行部117は、強制移行信号を出力し、遊技状態をARTに強制的に移行させる。
なお、天井ゲーム数は、例えば、予め定められた遊技数であり、計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達した場合に加え、スロットマシン1が設定変更またはリセットされた場合等に、再設定される。
ART制御部118は、移行準備期間中に、内部抽せんによってRT3移行リプレイに当せんした後、ARTゲーム数が経過するまで、内部抽せんにより当せんした押し順役の押し順の報知を発生させる。押し順役の押し順の報知は、液晶表示装置22等を介して行われる。
移行準備期間中に、内部抽せんによってRT3移行リプレイに当せんすると、ART制御部118は、ARTモードを選択する。ARTモードが選択されると、図9に示すARTテーブルが参照され、このARTテーブルと滞在している遊技状態とに基づいて、押し順役の押し順の報知が行われる。なお、図9に示すテーブルでは、図8に示す報知モードと同様に、報知を発生させる押し順が“○”で示され、報知を発生させない押し順が“×”で示されている。
また、ART制御部118は、有利状態抽せん部116により出力されたART抽せん結果信号と、計測部119により出力されたART計測信号とに基づいて、ARTモードが選択された後経過した遊技数(ART消化ゲーム数)が、ARTゲーム数に達したか否かを判定する。ART消化ゲーム数がARTゲーム数に達したと判定された場合、ART制御部118は、押し順役の押し順の報知を停止させ、ARTを終了させる。
計測部119は、遊技結果判定部113から出力される遊技結果判定信号に基づいて、ART消化ゲーム数を計測する。計測されたART消化ゲーム数は、計測部119によりART計測信号として出力される。ART中に一種BBに当せんした場合、計測部119によるART消化ゲーム数の計測は、遊技状態がRT4を介してRT0に移行した後、再びRT3移行リプレイに当せんするまで中断する。
なお、一旦、ART制御部118によりARTモードが選択されると、例えば、SBを取りこぼすことにより遊技状態がRT3からRT1に移行したとしても、計測部119によるART消化ゲーム数の計測は中断されない。すなわち、遊技状態を再びRT3に移行させるまでリプレイ確率上昇の効果が得られず、メダルの獲得枚数あるいは獲得期待値が減少する。
また、計測部119は、遊技結果判定部113から出力された遊技結果判定信号に基づいて、所定の有利状態終了後、この有利状態に移行することなく経過した遊技期間を計測する。具体的には、例えば、ARTが終了し、遊技状態がRT3からRT1に移行した後、ART抽せんに当せんすることなく経過した遊技期間(天井消化ゲーム数)を計測する。計測された天井消化ゲーム数は、計測部119により天井計測信号として出力される。
なお、計測部119は、ART信号、あるいは、RT4移行信号を受信した場合、すなわち、有利状態に移行した場合に、天井消化ゲーム数をゼロリセットする。また、設定変更信号、リセット信号、あるいは、電源オン信号を受信した場合、すなわち、スロットマシン1が設定変更またはリセットまたは電源オンされた場合も、天井消化ゲーム数をゼロリセットする。
[サブ制御部]
サブ制御部120は、図2に示すように、演出制御部121で構成されている。
演出制御部121は、例えば、内部抽せん部111から出力される役抽せん結果信号、有利状態抽せん部116から出力されるART抽せん結果信号、あるいは、遊技状態移行部117から出力される各移行信号に応じて、1ゲーム毎に、演出パターンを選択する。演出パターンの選択は、遊技状態、あるいは、内部抽せんにより当せんした役等に対応する演出の内容が記憶されているテーブル(図示せず)に基づいて行われる。演出制御部121は、選択された演出パターンに基づいて、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を制御して、演出を出力する。
演出制御部121に記憶されている演出テーブルには、例えば、所定の役に当せんした場合、あるいは、ART抽せんに当せんした場合に選択される可能性がある前兆演出テーブルを含んでいる。前兆演出テーブルとは、前兆演出が行われる所定の遊技期間(前兆演出期間)にのみ選択される演出テーブルに記憶されている領域の1つであり、前兆演出とは、遊技状態が有利状態に移行する期待度を示唆する演出の1つである。
前兆演出テーブルが選択された場合、演出制御部121は、例えば、前兆演出が行われる遊技数(前兆ゲーム数)を決定し、記憶する。そして、演出制御部121は、前兆演出の開始から経過した前兆演出期間の遊技数(前兆消化ゲーム数)を計測し、この前兆消化ゲーム数が、記憶された前兆ゲーム数に達したか否かを判定する。前兆消化ゲーム数が、記憶された前兆ゲーム数に達したと判定された場合、演出制御部121は、前兆演出を終了する。
また、演出制御部121は、遊技状態移行部117によって出力された報知信号に基づいて、押し順役の押し順を報知する。押し順役の押し順の報知は、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を介して行われる。
(遊技制御処理)
次に、図10〜図12を参照して、スロットマシン1の移行準備期間における遊技状態の移行制御処理について説明する。なお、以下に説明する処理は、制御装置100が所定のプログラムを実行することで実施される。
[移行準備期間のRT0からRT1への遊技状態の移行処理]
図10に示すように、遊技状態移行部117により報知モード0が選択され(ステップS101)、内部抽せん部111により内部抽せんが行われる(ステップS102)。
内部抽せん部111により内部抽せんが行われると、遊技状態移行部117は、内部抽せんにより当せんした役が、一種BBであるか否かを判定する(ステップS103)。内部抽せんにより当せんした役が一種BBではないと判定されると、遊技状態移行部117は、当せんした役がSBであるか否かを判定する(ステップS104)。
内部抽せんの結果、当せんした役がSBであると判定されると、遊技状態移行部117は、選択されている報知モードが報知モード0である場合、報知モード1を選択し(ステップS105)、当せんしたSBを取りこぼす押し順を報知すると共に、当せんしたSBが入賞しなかったか否か、すなわち、SBを取りこぼしたか否かを判定する(ステップS106)。SBを取りこぼしたと判定された場合、遊技状態移行部117は、遊技状態をRT0からRT1に移行させて(ステップS107)、遊技状態の移行処理を終了する。
また、ステップS104で、内部抽せんにより当せんした役が一種BBであると判定された場合、遊技状態移行部117は、一種BBの入賞と共に、遊技状態をRT0からRT4に移行させ(ステップS108)、遊技状態の移行処理を終了する。
また、ステップS105で、内部抽せんにより当せんした役がSBではないと判定された場合、あるいは、ステップS107で、内部抽せんにより当せんしたSBが入賞してしまった場合は、そのままステップS103に戻り、再度内部抽せんが行われる。
なお、SBの入賞によりステップS103に戻った場合、報知モード1が選択されているので、遊技状態がRT1に移行するまで、図8に示すテーブル1のRT0の欄が参照される。これにより、ベルナビが発生しないペナルティが課せられる。
[移行準備期間のRT1からRT2への遊技状態の移行処理]
図11に示すように、遊技状態移行部117は、移行準備期間中に、報知モードが既に選択されているか否かを判定する(ステップS201)。報知モードが既に選択されていない場合、遊技状態移行部117により報知モード1が選択され(ステップS202)、内部抽せん部111により内部抽せんが行われる(ステップS203)。
一方、報知モードが既に選択されていると判定された場合、選択されている報知モードを変更することなく、内部抽せん部111により内部抽せんが行われる(ステップS203)。
内部抽せん部111により内部抽せんが行われると、遊技状態移行部117は、内部抽せんにより当せんした役が一種BBであるか否かを判定する(ステップS204)。内部抽せんにより当せんした役が一種BBではないと判定されると、遊技状態移行部117は、当せんした役がRT2移行リプレイであるか否かを判定する(ステップS205)。
内部抽せんの結果、当せんした役がRT2移行リプレイであると判定されると、遊技状態移行部117は、選択されている報知モードが報知モード1である場合、報知モード2を選択し(ステップS206)、当せんしたRT2移行リプレイが入賞したか否かを判定する(ステップS207)。RT2移行リプレイが入賞したと判定された場合、遊技状態移行部117は、遊技状態をRT1からRT2に移行させて(ステップS208)、遊技状態の移行処理を終了する。
また、ステップS204で、内部抽せんにより当せんした役が一種BBであると判定された場合、遊技状態移行部117は、一種BBの入賞と共に、遊技状態をRT1からRT4に移行させ(ステップS209)、遊技状態の移行処理を終了する。
また、ステップS205で、内部抽せんにより当せんした役がRT2移行リプレイではないと判定された場合、あるいは、ステップS207で、内部抽せんにより当せんしたRT2移行リプレイを取りこぼした場合は、そのままステップS203に戻り、内部抽せんが行われる。
なお、RT2移行リプレイの取りこぼしによりステップS203に戻った場合、報知モード2が選択されているので、遊技状態がRT2に移行するまで、図8に示すテーブル2のRT1の欄が参照される。これにより、ベルナビが発生しないペナルティが課せられる。
[移行準備期間のRT2からRT3への遊技状態の移行処理]
図12に示すように、遊技状態移行部117により報知モード2が選択され(ステップS301)、内部抽せん部111により内部抽せんが行われる(ステップS302)。
内部抽せん部111により内部抽せんが行われると、遊技状態移行部117は、内部抽せんにより当せんした役が一種BBであるか否かを判定する(ステップS303)。内部抽せんにより当せんした役が一種BBではないと判定されると、遊技状態移行部117は、当せんした役がSBであるか否かを判定する(ステップS304)。当せんした役がSBではないと判定されると、遊技状態移行部117は、当せんした役がRT3移行リプレイであるか否かを判定する(ステップS305)。
内部抽せんにより当せんした役がRT3移行リプレイであると判定されると、遊技状態移行部117は、当せんしたRT3移行リプレイが入賞したか否かを判定する(ステップS306)。RT3移行リプレイが入賞したと判定された場合、遊技状態移行部117は、遊技状態をRT2からRT3に移行させて(ステップS307)、遊技状態の移行処理を終了する。
一方、RT3移行リプレイが入賞しなかった(取りこぼした)と判定された場合、遊技状態移行部117は、遊技状態がARTに移行したとみなし(ステップS308)、遊技状態の移行処理を終了する。これにより、遊技状態がRT2のまま、計測部119によるART消化ゲーム数の計測が開始される。
また、ステップS303で、内部抽せんにより当せんした役が一種BBであると判定された場合、遊技状態移行部117は、一種BBの入賞と共に、遊技状態をRT2からRT4に移行させ(ステップS309)、遊技状態の移行処理を終了する。
また、ステップS304で当せんした役がSBであると判定された場合、遊技状態移行部117は、当せんしたSBを取りこぼしたか否かを判定する(ステップS310)。SBを取りこぼしたと判定された場合、遊技状態移行部117は、遊技状態をRT1に移行させ(ステップS311)、遊技状態の移行処理を終了する。
また、ステップS305で当せんした役がRT3移行リプレイではないと判定された場合、あるいは、ステップS310で当せんしたSBを取りこぼしていないと判定された場合は、そのままステップS302に戻り、内部抽せんが行われる。
このように、移行準備期間において、例えば、遊技状態がRT0のときに内部抽せんによってSBに当せんしたが、SBを入賞させてしまうと、遊技状態はRT0のまま、RT1に対応する報知モード1が選択される。この場合、遊技者にペナルティが課せられ、押し順ベルの報知が発生しないが、再び内部抽せんによりSBに当せんし、かつ、SBを取りこぼして、遊技状態をRT0からRT1に移行させることで、このペナルティを解除できる。
すなわち、前記スロットマシン1では、ペナルティの設定および解除の判断が移行準備期間中に滞在する遊技状態毎に行われるため、ペナルティ解除までのゲーム数が少なくなり、移行準備期間中に課せられたペナルティにより遊技者が被る損失を低減できる。
また、各報知モードが選択された際に参照される図8の各テーブルには、選択される可能性がある遊技状態毎に、特定移行役の押し順に加えて、特定移行役以外の特定役、ここでは、押し順ベルの押し順の報知に関する情報が予め定められている。このため、制御装置100の処理負担を軽減できる。
(その他の実施形態)
制御装置100は、ソフトウェアと協働して所定の機能を実行するCPUに代えて、ハードウェアのみで所定の機能を実現するように専用に設計されているFPGA(field-programmable gate array)、あるいは、ASIC(application specific integrated circuit)を含んでいてもよい。
メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれ異なる基板に設けてもよいし、同一基板上に設けてもよい。すなわち、メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれがCPU、ROMおよびRAM等を備えていてもよいし、CPU、ROMおよびRAM等を共有していてもよい。
移行準備期間中のペナルティは、ペナルティが課せられていない場合と比較して、メダルの獲得枚数または獲得期待値が小さくなるものであれば、任意に設定できる。例えば、例えば、通常、100%報知される押し順役が、ペナルティが課せられた状態では、50%の確率で報知されるようにしてもよいし、内部抽せんにより所定の回数当せんするまで、報知を行われないようにしてもよい。
特定役は、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞する場合に限らない。特定役は、例えば、所定の位置(所定のタイミング)でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよいし、所定の位置(所定のタイミング)に加え、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよい。
遊技状態移行部117が遊技状態を移行させる条件は、移行役を入賞または取りこぼした場合に限らず、例えば、内部抽せんにより当せんした場合に遊技状態を移行させてもよい。
SBは、必ずしも設ける必要はなく、また、SBの取りこぼしにより遊技状態をRT1に移行させなくてもよい。
内部抽せんにより特定移行役に当せんしたときに、当せんした特定移行役に設定された遊技状態に対応する報知モードが選択されているが、これに限らない。例えば、内部抽せんにより特定移行役に当せんし、かつ、この特定移行役に設定されている移行条件を満たしたときに、当せんした特定移行役に設定された遊技状態に対応する報知モードが選択されるようにしてもよい。
報知モードが選択された際に参照されるテーブルは1つに限らず、抽せんにより複数のテーブルの中から1つの選択するようにしてもよい。例えば、報知モード1が選択された場合に、押し順ベルの報知を発生させるテーブルと、押し順ベルの報知を発生させないテーブルとを抽せんにより選択するようにしてもよい。
テーブルには、報知を発生させる押し順役の情報に限らず、報知を発生させる確率に関する情報を含んでいてもよい。これにより、例えば、報知モード1では、内部抽せんにより当せんしたSBの80%で取りこぼす押し順の報知を発生させ、報知モード2では、内部抽せんにより当せんしたRT2移行リプレイの75%で入賞する押し順の報知を発生させるようにしてもよい。
移行準備期間に滞在する遊技状態は、ART抽せんに当せんした遊技状態を含めて複数であればよく、スロットマシンの設計に応じて、任意に設定できる。
一種BBの代わりに、擬似ボーナスを採用してもよい。擬似ボーナス終了後の遊技状態は、前記実施形態と同様に、通常状態0に移行するようにしてもよいし、擬似ボーナスに当せんした遊技状態に復帰するようにしてもよい。
一種BBに加えて、あるいは、一種BBの代わりに、二種BBを含んでいてもよい。二種BBは、二種特別役物に係る連続作動装置、いわゆるチャレンジタイムである。
役抽せんテーブル1111には、図6,図7に示されている情報を含むものに限らず、スロットマシンの設計に応じて、任意に変更できる。
有効ラインは、少なくとも1本設定されているが、スタートスイッチよい。また、図4に示す各回転リール41,42,43の図柄が一直線に並ぶライン71,72,73,74,75を有効ラインとする必要はなく、例えば、各回転リール41,42,43の図柄がV字状に並ぶラインを有効ラインとしてもよい。また、有効ラインは、ベット数に応じて有効化される場合に限らず、例えば、メダルを1枚ベットすることで、全ての有効ラインが有効化されるようにしてもよい。さらに、遊技状態に応じて、有効ラインが変動するようにしてもよい。
ARTは、セット型に限らず、毎ゲーム継続抽せんを行う継続ゲーム数不定型であってもよい。
有利状態は、ARTおよび一種BB実施状態に限らず、例えば、遊技状態の移行を伴わない通常状態におけるARTの高確率抽せん状態を含んでいてもよい。
可能であれば、スタートスイッチ、メイン制御部110の構成をサブ制御部120に設けてもよいし、サブ制御部120の構成をメイン制御部110に設けてもよい。
以上、説明した構成および機能等は、適宜、組み合わせてもよく、また、適宜、選択、置換、あるいは、削除してもよい。
本発明および実施形態を纏めると、次のようになる。
本発明の遊技機1は、
表面に複数の図柄が表示された複数の回転リール41,42,43と、
前記回転リール41,42,43を回転させるためのスタートスイッチ33と、
複数の前記回転リール41,42,43の各々に対して設けられ、回転中の前記回転リール41,42,43を停止させるための複数のストップスイッチ34,35,36と、
前記スタートスイッチ33の操作に基づいて、前記回転リール41,42,43の回転を開始させると共に、前記ストップスイッチ34,35,36の操作に基づいて、前記回転リール41,42,43の回転を停止させる制御装置100と、
を備え、
前記制御装置100が、
前記図柄の組み合わせに対応する役の内部抽せんを行う内部抽せん部111と、
所定の遊技状態で行われた前記内部抽せんにより当せんした役に応じて、遊技状態を現在の遊技状態よりも遊技者にとって有利な有利状態に移行させるか否かの有利状態抽せんを行う有利状態抽せん部116と、
前記内部抽せんにより遊技状態毎に少なくとも1つ設定された移行役に当せんし、かつ、前記移行役毎に設定されている移行条件を満たした場合に、遊技状態を前記移行役毎に設定された遊技状態に移行させる遊技状態移行部117と、
を有し、
前記遊技状態移行部117が、
前記有利状態抽せんに当せんした後、少なくとも1つの遊技状態を介して前記有利状態に遊技状態が移行するまでの移行準備期間に、前記内部抽せんにより前記移行準備期間に滞在する遊技状態毎に設定されている移行役のうち、遊技状態を前記有利状態に向かって移行させるための特定移行役に当せんし、かつ、前記特定移行役に設定されている前記移行条件が満たされている場合に、遊技状態を前記特定移行役に設定されている遊技状態に移行させ、
前記内部抽せんによって前記特定移行役に当せんしたが、前記移行条件が満たされていない場合に、遊技者にとって不利となるペナルティを課し、
前記ペナルティが課された後、前記内部抽せんにより前記ペナルティの原因となった前記特定移行役に設定されている遊技状態に移行したときに、前記ペナルティを解除する。
本発明の遊技機1によれば、有利状態抽せんに当せん後、少なくとも1つの遊技状態を介して遊技状態を有利状態に移行させるまでの移行準備期間中に、特定移行役の移行条件を満たすことができずペナルティが課せられたとしても、その後、ペナルティの原因となった特定移行役の移行条件を満たすことで、ペナルティを解除できる。すなわち、ペナルティの設定および解除の判断が移行準備期間に滞在する遊技状態毎に行われるため、ペナルティ解除までのゲーム数が少なくなり、移行準備期間中に課せられたペナルティにより遊技者が被る損失を低減できる。
一実施形態の遊技機1では、
前記遊技状態移行部117が、
前記移行準備期間に滞在する遊技状態の少なくとも1つに対応付けられ、前記内部抽せんが行われた遊技状態に応じて、前記移行条件を満たすことができる報知を発生させるための複数の報知モードを有し、
前記移行準備期間の第1の遊技状態に滞在し、前記第1の遊技状態に対応する第1の前記報知モードが選択されている場合、前記内部抽せんによって、前記第1の遊技状態に設定されている前記特定移行役に当せんするまでは、前記第1の前記報知モードに基づいて前記移行条件を満たすための報知を発生させ、
前記内部抽せんによって前記特定移行役に当せんした後は、前記特定移行役に設定されている第2の遊技状態に対応する第2の前記報知モードに基づいて、前記移行条件を満たすための報知を発生させ、
前記内部抽せんが行われた遊技状態と、前記報知モードに対応する遊技状態とが異なっている場合に、遊技者にとって不利となるペナルティを課す。
前記実施形態の遊技機1によれば、遊技状態移行部117が、移行準備期間に滞在する複数の遊技状態にそれぞれ対応付けられた複数の報知モードを有している。すなわち、特定移行役の移行条件を満たすことができずペナルティが課せられたとしても、その後、ペナルティの原因となった特定移行役の移行条件を満たすことで、ペナルティを解除できるので、ペナルティ解除までのゲーム数が少なくなり、移行準備期間中に課せられたペナルティにより遊技者が被る損失を低減できる。