以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯機の全体斜視図、図2は、同ドラム式洗濯機の蓋体を開いた全体斜視図、図3は、同ドラム式洗濯機の縦断面図である。
図3において、ドラム式洗濯機の本体1内には、水槽2が図示しない緩衝手段により揺動可能に支持されている。水槽2内には、有底円筒形に形成された回転ドラム3が軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて、回転自在に配設されている。水槽2
の正面側には、回転ドラム3の開口端に通じる衣類出入口4が形成されている。本体1の前面を構成する前部枠体5の前部には、開口部6が形成され、蓋体9を開放することにより開口部6から衣類出入口4を通じて回転ドラム3内に洗濯物を出し入れすることができるよう構成されている。
回転ドラム3の周面には、水槽2内に通じる多数の透孔10が形成され、水槽2の背面側に取り付けられたモータ11によって回転ドラム3が正転及び逆転方向に回転駆動される。水槽2には、注水管路12及び排水管路13が配管接続され、注水弁14および排水弁15の制御によって水槽2内への注水及び排水がなされる。
本体1の上部には、洗剤投入ケース17が配置されている。洗剤投入ケース17は、本体1の側面側に配置することにより、水槽2を上方に配置することを可能にしている。使用者は運転に先立ち、本体1の天面に配置された洗剤投入ケース蓋18を開放し、洗剤や柔軟剤を洗剤投入ケース17に投入する。
本体1の前部枠体5は、略垂直な平面に形成され、前部枠体5に蓋体9が回動自在に支持される。蓋体9は、略矩形状に形成され、横幅寸法が本体1の横幅寸法と略同一に形成されている。蓋体9は、蓋体9を閉塞した状態で、蓋体9の上面が本体1の上面と略同一面となり、蓋体9の両側面が本体1の両側面と略同一面となるように構成している。
本体1の前部枠体5には、蓋体9の下方位置に、水槽2からの排水をろ過する排水フィルター79を覆う下部パネル40が回動自在に支持されている。蓋体9と下部パネル40の閉塞状態で、蓋体9の前面と下部パネル40の前面が略同一面となるように構成している。下部パネル40は、蓋体9と同様に、横幅寸法が本体1の横幅寸法と略同一寸法に形成し、下部パネル40の両側面が本体1の両側面と略同一面となるように構成している。
蓋体9の上部には、操作表示部16が配置されている。操作表示部16は、入力手段と表示手段を備えている。使用者は、必要に応じて操作表示部16の入力手段を操作することにより希望する運転内容の設定、運転スタート、一時停止を行うことができる。また、使用者は、操作表示部16の表示手段により運転の設定状態や進行状態を確認することができる。操作表示部16を蓋体9上部に配置することにより、本体1上部から操作表示部をなくすことができるので、水槽2を上方に配置することができ、回転ドラム3への洗濯物の出し入れ作業性を向上することができる。
略四角形状をした蓋体9を開いて、回転ドラム3内に洗濯物を投入し、操作表示部16を操作して運転を開始させる。運転の開始により、注水弁14が開き、洗剤投入ケース17内に水が注水され、洗剤投入ケース17中に投入されていた洗剤を流しながら、注水管路12を介して水槽2内に所定量の注水がなされる。そして、モータ11により回転ドラム3が回転駆動して、洗濯行程が開始される。洗濯行程中の洗濯物は、回転ドラム3の回転により回転方向に持ち上げられ、落下する撹拌動作が繰り返され、洗濯がなされる。
所要の洗濯時間の後、排水弁15が開き、汚れた洗濯液は排水管路13から排出され、回転ドラム3を高速回転させる脱水動作により、洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽2内に注水管路12から注水され、すすぎ行程が実施される。このすすぎ行程においても、洗濯物は回転ドラム3の回転により撹拌動作が繰り返され、すすぎ洗いが実施される。
(本体1と蓋体9との連結部の説明)
蓋体9を本体1の前部枠体5に回動自在に支持する連結部の構成を、図4から図14を参照しながら以下に詳述する。
図4に示すように、本体1の前部枠体5の左端上部には、上連結部材21が、前部枠体5の下部には下連結部材22が配設される。上連結部材21及び下連結部材22は、本体1のフレーム構造体(図示せず)に固定され、前部枠体5を貫通して本体1前方に突出する。
図5に示すように、上連結部材21は、本体1の前方に延伸する上アーム部23を有している。上アーム部23の先端近傍には、本体1の上方に延伸する上支軸部24が設けられる。図6に示すように、下連結部材22も同様に、本体1の前方に延伸する下アーム部25を有し、下アーム部25の先端近傍には、本体1の上方に延伸する下支軸部26が設けられる。
図1に示すように、蓋体9は略四角形状を成し、蓋体9の横幅寸法W1は、本体1の横幅寸法W2とほぼ等しい大きさに形成しており、蓋体9の閉塞状態で、蓋体9の両側面が本体1の両側面と略同一面となるように形成している。
図12に示すように、上支軸部24が蓋体9の上部に締結された上軸受け部材27に挿入される。なお、図12は、上軸受け部材27のみを示しており、蓋体9は省略した状態を示している。
図11に示すように、下支軸部26が蓋体9の下部に締結された下軸受け部材28に挿入される。このように、蓋体9は、蓋体9の上部、及び下辺に設けた2つの軸受け部材27、28が、お互いに離れた位置に設けた2つの上連結部材21と下連結部材22によって、下方から支えられながら、本体1に対して回動して開口部6を回動自在に覆う。
図13は、蓋体9の閉塞時の上連結部材21部分を示す断面図、図14は、蓋体9の開放時の上連結部材21部分を示す断面図を示している。
上アーム部23は、蓋体9の開放状態で、蓋体9の側壁29先端が当接しないような湾曲形状に形成している。また、蓋体9の閉塞時の前部枠体5との前後方向隙間(図13中aにて示す)、及び蓋体9の開放状態から閉塞状態への回転軌跡における蓋体9前面端部の回転軌跡の蓋体9側面からの幅方向の出代(図13中bにて示す)を小さく抑えるために、上支軸部24は、蓋体9の内部に配設し、前面31及び側壁29に近い位置に配設される。前後方向隙間aは、斜めから見た時の外観隙間であり、上記構成により、前後方向隙間aを小さくすることができ、デザイン性を向上できる。また、上記構成により、幅方向の出代bを小さくすることができ、製品設置時に家屋の壁に近付けて設置でき、狭い場所にも設置することができるようになるという利点がある。
一方、下連結部材22の下アーム部25は、図6に示すように、上アーム部23のような湾曲形状を取ることなく、本体1の前方に延伸している。これは、下連結部材22は、図9に示すように、蓋体9の下辺32を下方から支えるために、蓋体の側壁29の回動軌跡を逃がす必要がないからである。
図3に示すように、蓋体9の閉塞時には、蓋体9に設けられた窓ガラス33が、水槽2に取り付けられた窓パッキン34と水封的に当接し、水槽2内の洗濯液が機外に漏れないようにしている。また、蓋体9の開放時から閉塞する時には、図2に示すように、蓋体9に設けられたラッチ35が本体1に設けられた蓋ロック孔36に係合し、運転中は電気的にロックし、蓋体9を開放できないようにしている。
図2に示すように、蓋体9の開放時に、蓋体9に下方にF1の外力が加えられた場合に
は、加えられた荷重を上連結部材21及び下連結部材22によって支えることになる。従って、上連結部材21および下連結部材22の強度が充分でないと、上連結部材21及び下連結部材22が変形して蓋体9の位置がずれ、蓋体9閉塞時に蓋体9と窓パッキン34との水封が崩れて水槽2内の洗濯液が機外に漏れる、或いは、蓋体9を閉める時に、ラッチ35の位置が蓋ロック孔36に対してずれて閉まり難くなる虞がある。
例えば、従来例のような円形形状の蓋体では、連結部材同士を離して配置しようとしても、蓋体の中心線から遠く離すことはできない。そのため、連結部材の厚みを厚くする、或いは、補強材を設けるなど、蓋体の連結部分の強度を高める為に多大なコストが必要になる。
しかしながら、本実施の形態では、蓋体9を略四角形状に形成することで、2つの上連結部材21と下連結部材22はお互いに充分離して配置できる。これにより、図2に示すように、蓋体9に外力F1が加わった場合に、上連結部材21と下連結部材22に作用する力を低減できる。
なお、上連結部材21は、湾曲形状をしており、下方向の外力F1に対して弱そうにみえるが、下方向の荷重に対しては、下連結部材22により十分な強度で支持することができる。よって、特別な補強策を必要とすることなく、上連結部材21と下連結部材22の変形を防止でき、蓋体9の位置がずれることによって発生する洗濯液の水漏れ、或いは、蓋体9の閉塞操作時の操作性の悪化などの弊害を防止できる。
また、図2に示すように、蓋体9の開放状態で蓋体9にさらに開く追い開き方向にF2の外力が加えられる場合が想定される。蓋体9の全開時には、図14に示すように、上軸受け部材27のストッパー片37が上連結部材21の突起部38に当接して、追い開き方向のストッパーを形成している。蓋体9に追い開き方向にF2の荷重が加えられた場合には、上アーム部23に作用する力の方向は、図14中、本体1の左方向となり、上軸受け部材27が変形しにくい方向となる。よって、上連結部材21及び下連結部材22の厚みを増加する、或いは、補強部材を設けるなどの特別な構成を採用してコストをかけることなく、比較的簡単に堅牢な蓋体9の連結構造を構成できる。
なお、図示はしないが、追い開き方向のストッパーは、下連結部材22においても上連結部材21と同様に形成され、上連結部材21と下連結部材22に作用する力を2つに分担させ、変形し難いよう配慮している。
(洗濯機の前面形状の説明)
図1に示すように、蓋体9は、略四角形状を成し、横幅寸法W1を、本体1の横幅寸法W2にほぼ等しい横幅に形成している。また、本体1の下部に収納された排水フィルター79を覆う下部パネル40が、本体1の横幅寸法W2にほぼ等しい横幅寸法に形成している。これにより、製品正面から見た時の前面形状はフラットな形状に形成できる。また、蓋体9と下部パネル40との分割隙間41が製品正面から見えるが、蓋体9は、水平方向に回動するだけなので、分割隙間41は5mm以内に抑制することができ、目立ちにくく形成することができる。なお、下部パネル40の下方は、部品を配置せず、本体1の前部枠体5まで本体1側に窪ますことにより、下部パネル40の下方に使用者の足が挿入できるよう構成している。これにより、本体1内への洗濯物の出し入れの際に、使用者がより本体1に近い位置に立って作業することが可能となる。
また、図1に示すように、本体1の上面と蓋体9の上面が略同一面となるように構成している。これにより、製品の上面をフラットな形状に形成でき、デザイン性を向上できる。
例えば、従来例のような円形形状の蓋体の場合では、蓋体の開閉時に蓋体と本体との干渉を防止するためには、蓋体周囲と本体との隙間をある程度広く、かつ蓋体表面を本体より突出させた形状に形成する必要が生じる。蓋体と本体との干渉は、蓋体の開閉支点と蓋体外周が交わる箇所が一番大きくなる。干渉を回避しようとすると、蓋体と本体の隙間、段差が大きくなり、デザイン的に蓋体を本体と同一フォルムに構成するのは難しくなる。
本実施の形態の蓋体9は、本体1の横幅寸法W2にほぼ等しい横幅寸法W1にすることで、本体1の前部枠体5が蓋体9に覆われるため、蓋体9周囲と本体1との分割がなくなり、製品の前面がフラットで分割隙間も少なくでき、デザイン性を向上できる。
また、図2に示すように、蓋体9が開いた状態では、上連結部材21は、前部枠体5から前方に延伸しているので、露出するが、下連結部材22は、図9に示すように、蓋体9の下辺32に隠れてほとんど見えない。よって、蓋体9の開放状態でも、すっきりした見た目になり、デザイン性を向上できる。洗濯物を開口部6から出し入れする際には、洗濯物の垂れ下がった部分が下連結部材22付近に触れることが想定されるが、下連結部材22は、蓋体9に覆われているので、洗濯物が下連結部材22に引っ掛かることがなく、また、下連結部材22が洗濯物から滴る水に触れることがなく、洗濯物からの洗濯液に濡れて腐食することを防止できる。
(蓋体の本体への組立についての説明)
図5は、蓋体9を取り外した状態の上連結部材21を示す斜視図である。図6は、蓋体9を取り外した状態の下連結部材22を示す斜視図である。
図5及び図6に示すように、蓋体9を本体1に取り付ける前の状態では、上連結部材21及び下連結部材22が前部枠体5から前方に延伸した位置で、上支軸部24及び下支軸部26が上方に10mm程度延伸している。また、図7に示すように、蓋体9には、蓋体9の裏面の上連結部材21に対応する位置に、開口部42が設けられている。
蓋体9を本体1に取り付ける際には、上連結部材21の上アーム部23を蓋体9の開口部42に差し込んだ後、力を抜けば蓋体9が自重で下方に下がり、上支軸部24が上軸受け部材27に挿入され、上連結部材21で下方から支えられながら、回動自在に取り付けられる。なお、下連結部材22は、蓋体9の下辺32を下方から支えるので、開口部に差し込む必要はなく、上連結部材21の上アーム部23を開口部42に差し込む作業の過程で、下支軸部26も下軸受け部材28に挿入され、蓋体9の本体1への取り付けを行うことができる。
上支軸部24及び下支軸部26は、上方へ10mm程度延伸しているだけなので、上連結部材21を開口部42に差し込んでから、蓋体9が自重で下方に移動するのも10mm程度とで少ない。従って、あたかも1つの動作で取り付けができるため、組立性の向上が図れる。
図10は、カバー43を外した状態の分解斜視図である。図11は、本体及び蓋体下部の透過斜視図である。
図7及び図11に示すように、上支軸部24及び下支軸部26が上軸受け部材27及び下軸受け部材28に挿入された状態で、開口部42を覆うカバー43を蓋体9に取り付け、カバー43の上面44を上連結部材21の下面45に近接させている。この構成により、蓋体9の上方への動きを規制でき、蓋体9を上方に持ち上げても上連結部材21及び下連結部材22から外れることを防止できる。
図1に示すように、蓋体9の上辺には、操作表示部16が設けられている。本体1からのリード線46と操作表示部16からのリード線47は、コネクタ48によって開口部42内で接続される。よって、カバー43は、リード線46及びリード線47を防水的に保護する機能も兼ねている。リード線46及びリード線47は、複数のリード線を束ねたものである。
本体1からのリード線46は、図8に示すリード線カバー49内に収納し、リード線カバー49を上連結部材21の上アーム部23に、上連結部材21の下方から取り付けてリード線46を防水的に保護する。
図7及び図8に示すように、リード線カバー49は、上アーム部23との合わせ面49aを上アーム部23と略同形状に形成している。リード線カバー49には、上アーム部23との合わせ面49a側に本体1からのリード線46を収納するリード線収納部49bを形成している。リード線収納部49bには、リード線収納部49bに収納されたリード線46を押さえる押さえ部77を設けている。リード線収納部49bにリード線46を収納し、リード線46を押さえ部77によって押さえることによってリード線46の移動を阻止する。この状態で、リード線カバー49を上アーム部23下面に係止する。
リード線カバー49を上アーム部23下面に係止した状態では、リード線46と上アーム部23下面との間に2mm程度の隙間を設けられている。リード線収納部49bから引き出されたリード線46は、蓋体9の開口部42の内部で、上支軸部24の中心軸24a近傍に這わせ、這わせた先側の任意の位置(例えば先端100mmの位置)を固定ピン78で開口部42内に係止する。固定ピン78は、上支軸部24の中心軸24a近傍より少し距離を設けた箇所でリード線46を開口部42内に係止する。固定ピン78で固定したリード線46先端部分は、操作表示部16からのリード線47とコネクタ48によって開口部42内で接続される。開口部42は、カバー43を蓋体9に係止することによって閉塞される。
押さえ部77は、リード線収納部49b底面との距離を、リード線46の半径と略同一半径に形成している。また、押さえ部77は、上支軸部24の中心軸24aに近接した位置に形成している。これにより、リード線収納部49bから引き出したリード線46は、折り曲げた部分から固定ピン78により開口部42に係止した範囲B(図7に図示)で、リード線46と上支軸部24の中心軸24aとを容易に近接させることができる。リード線46の折り曲げた部分から固定ピン78により開口部42内に係止した範囲Bで、リード線46は、上支軸部24の中心軸24aに対して略直角となる引き回し部分がなくなる。蓋体9の開閉によりリード線46に負荷される応力は、断線への影響の大きい曲げ方向の集中応力から、ねじれ方向の応力となるので、リード線46の断線の懸念を低減させることができる。
リード線カバー49に収納された区間C(図7に図示)、及び固定ピン78で開口部42に係止した先のリード線46は、蓋体9を開閉しても応力がかかることがなく、動くことがない。従って、応力が負荷されて断線の懸念を排除できる。また、外部より隠蔽されているため、外部から侵入した水や異物などの汚れ付着による腐食、劣化が防止できる。
なお、リード線46及びリード線47は、複数本のリード線を束ねてテープを巻回したものである。また、リード線46及びリード線47は、複数本設ける場合もある。リード線46を引き回す開口部42は、窓ガラス33の存在していない上方側面寄り部65に設けているので、リード線46を引き回すために窓ガラス33を小さくする必要がない。窓ガラス33は、開口部6を覆うように水槽2に取り付けられた窓パッキン34に水封的に当接させているため、窓パッキン34及び開口部6も小さくする必要がなく、洗濯物出し
入れ作業のし易さへの影響を損なうことがない。
カバー43の上面44は、リード線カバー49に近接させることになる。本実施の形態では、カバー43は、蓋体9とともに回動するので、蓋体9の開閉動作の過程でカバー43が固定されたリード線カバー49と擦れないように2mm程度の隙間を持たせている。以上の構成により、上支軸部24及び下支軸部26の係り代が10mm程度あるので、蓋体9を上方に持ち上げても、上連結部材21及び下連結部材22からの外れを防止できると共に、リード線46及びリード線47が外部から浸入した洗剤などの汚れの付着による腐食、劣化を防止できる。
(蓋体の構成の説明)
図20は、蓋体9の分解斜視図である。図20に基づいて以下に蓋体9の構成を詳述する。
50は蓋で、略四角形状に形成して中央部に円形に孔を形成している。蓋50の裏面側には、蓋50と同様に、略四角形状に形成して中央部を円形に孔部52を形成した蓋裏板51を締結している。蓋裏板51は、両側壁及び下壁を有する箱型形状をした骨格部品である。蓋裏板51の円形の孔部52に入るように透明な窓ガラス33が蓋裏板51と蓋50との間で挟持される。蓋裏板51の左上部及び左下部には、上軸受け部材27及び下軸受け部材28が締結される。
蓋50の表面側には、リング形状の飾り板58が孔に嵌め込まれ、飾り板58によってすり鉢状の斜面59が形成される。また、蓋50の表面側には、略四角形状の透明な窓カバー60が設けられる。窓カバー60の両側面60aには、複数の係合孔60cが形成され、係合孔60cを蓋裏板51の側壁に形成した係合爪51aに係合して仮固定される。
窓カバー60の両側面60aには、前面側に段部60bを形成している。蓋体9の両側面には、蓋裏板51と窓カバー60の側面60aを覆うようにサッシ部材73、76が上方から下方にスライドさせることにより装着される。窓カバー60の段部60bは、サッシ部材73、76により覆われ、窓カバー60の固定部分をサッシ部材73、76により覆い隠し、窓カバー60が蓋体9の前面全体を構成する形状に形成できる。これにより、蓋体9の前面をフラットな形状に形成でき、デザイン性を向上することができる。
窓カバー60の前面は、完全なフラット形状を成している。窓カバー60の裏面は、図19に示すように、飾り板58の外縁61と前後方向で当接する。飾り板58の内縁62は、透明な窓ガラス33の挟持部63付近を覆い、飾り板58の外縁61と内縁62は、すり鉢状の斜面59によって連続している。
窓カバー60の裏面と窓ガラス33の間に略円環形状の飾り板58が設けられる。窓カバー60の裏面には、飾り板58の外縁61に近接させて略円筒形状の突条88を設けている。窓カバー60の裏面の突条88より径大の範囲は、不透明に塗装された塗装範囲64を形成し、突条88により囲まれる部分が透明度の高い領域82となる。また、飾り板58は、窓カバー60の塗装範囲64とは別の色に塗装又はメッキされており、透明な窓カバー60を通して見える外観色となっている。
本実施の形態では、例えば、本体1を白色として、窓カバー60の裏面の塗装範囲64の塗装色を本体1と同じ白色とし、飾り板58をメッキにすれば、透明な窓ガラス33の周囲をリング状のメッキされた飾り板58が囲うように見え、デザイン的にインパクトのある外観が構成できる。更に、飾り板58を別の塗装色で構成すれば、機種展開も容易にできる。
また、蓋50は、外観から見えない部品となり、塗装も不要となるので、材質を安価で、液体洗剤などに侵される心配の不要な樹脂で成形が可能となる。塗装をする構成とすれば、塗装の密着性を確保する為に、材質は高価なABSなどを使用する必要がある。ABSを使用する場合には、液体洗剤などの化学薬品が付着しても劣化しないように、耐薬仕様の配合が必要となり、更に高価になる。
例えば、蓋体9に水道水や洗剤がかかった場合、蓋体9の上部に嵌合した操作表示部16等との嵌合隙間から蓋体9内部に水が侵入する虞がある。本実施の形態では、飾り板58の外縁61に突条88を近接させているので、水は突条88の外周を伝っても、突条88で囲まれる透明度が高い領域82に水が浸入するのを防止し、すり鉢状の斜面59の表側を伝うことを防止できる。透明度が高い領域82に水などが浸入すると、外観的な汚れとして品位を損なうので、外観的な汚れに対して強いデザインにすることができる。
また、窓カバー60の裏面の突条88は、塗装を施す時のマスキング作業を楽にするという効果もある。一般に塗装してはならない領域があると、その周囲をマスキングして塗料の侵入を防ぐ必要があるが、マスキングの作業がし難く、歩留まりも悪い。そこで、マスキングのジグ(図示せず)を突条88に当接させることにより、細い面積で確実にマスキングができるので、塗装の作業性も向上することができる。
(取っ手の説明)
図24は、蓋体の一部を破断した平面図で、蓋裏板51に、取っ手55、連結棒57、ラッチ35を組み込んだ状態を示している。なお、蓋50は、非表示にしている。ラッチ35は、水封性を確保するために、孔部52の中心線上付近に設けている。取っ手55は、蓋体9の上部右端部に配設し、取っ手55の位置を高くすることにより、使用者が蓋体9を開ける際に腰を屈めなくてもいいようにして、蓋体9の開け閉めの操作性を向上している。
取っ手55を蓋体9の上部に配設したため、取っ手55とラッチ35とが離間することになるが、取っ手55とラッチ35との間には、連結棒57を介在している。取っ手55は、蓋体9の前面側に向かって回動し、取っ手55の回動は、連結棒57によって、ラッチ35に伝達され、ラッチ35は、蓋体9の幅方向内側に向かって回動する。ラッチ35の回動によりラッチ35と本体1との係合が外れ、蓋体9が回動可能な状態となる。連結棒57は、剛性の高い高鋼線材で作られ、蓋裏板51に形成された軸受部80、81により回動自在に保持される。また、連結棒57は、連結棒57の一方の端部に設けられた段部97が取っ手55に当接し、他方の端部に設けられた段部98がラッチ35に当接している。
図25は、蓋体の要部斜視図で、取っ手55及び連結棒57の取り付け状態を示している。図26は、蓋体の要部斜視図で、ラッチ35の取付状態を示している。
蓋裏板51の孔部52の右側の中心線付近には、ラッチ35がラッチ軸53を介して回動自在に取り付けられる。ラッチ35を付勢するラッチバネ54を設け、ラッチ35は、ラッチバネ54によりラッチ35の係合ツメが蓋体9の幅方向外側に向かって回動するように付勢されている。
また、蓋裏板51の右側上部の裏面側には、取っ手55が回動自在に取り付けられ、取っ手バネ56によって弱い付勢力で下方に押し下げられている。連結棒57は、蓋裏板51に回動自在に取り付けられ、曲げ部を設けた一方の端部がラッチ35に、他端部が取っ手55に当接しており、取っ手55の回動をラッチ35に伝える機能を有する。つまり、
蓋体9の閉塞状態で、使用者が蓋体9を開放する際に、取っ手55を蓋体9側に引くと、本体1側に設けられた蓋ロック孔36に係合していたラッチ35の係合爪が蓋体9の幅方向内側に回動して、係合状態から開放されて、蓋体9が開放可能な状態となる。なお、ラッチ35及び取っ手55は、蓋体9の裏面となる蓋裏板51側から見た図2にも図示されている。
使用者が蓋体9を開放するために、取っ手55を蓋体9の前面側方向に引くと、取っ手55は、軸部84を中心に蓋体9前面方向に回動し、連結棒57の当接部である段部97を押圧する。その結果、連結棒57は軸受部80、81を中心として回動し、段部98でラッチ35を押圧する。ラッチ35は、軸部85を中心に、ラッチバネ54の付勢力に抗してラッチ35の係合爪を蓋体9の本体1方向に回動させ、蓋ロック孔36との係合が外れ、蓋体9が開放可能な状態となる。
蓋体9を開け易くするためには、取っ手55の回動がロスなくラッチ35に伝達する必要がある。取っ手55とラッチ35が離間して配置すると、取っ手55とラッチ35を連結する連結棒57が長くなるため、連結棒57がねじれなど変形し易くなり、連結棒57の動きが悪くなる虞がある。
本実施の形態では、連結棒57は、例えば、バネなどに用いられる高鋼線材を用いることにより、比較的小径に形成しても、例えば直径3.2mm程度に形成しても、充分なねじり剛性が得ることができる。また、連結棒57の形状も両端に段部97、98を設ける簡単な形状に形成できるので、加工も容易で安価に製造することができる。
蓋体9が開放可能な状態になるまでラッチ35を回動させるためには、連結棒57の回動角度θは、例えばθ=20°程度必要である。ラッチバネ54の付勢力によるトルクT=220Nmmが作用した場合、連結棒57のねじれ角φは、φ=T×L/(G×IP)となる。
連結棒57の回動部の長さLは、L=242mm、連結棒57の材料である高鋼線材の横弾性係数Gは、G=78500N/mm2、連結棒57の断面2次極モーメントIPは、IP=10.3mm4であるから、上記計算式から、連結棒57のねじれ角φは、φ=3.7°程度に収まり、この変形分を見込んで取っ手55の回動角度を設定すれば良い。
このように、連結棒57のねじれ角φを通常の回動角度θの2割程度の範囲に収めておけば、取っ手55の動きも少なくできるので、蓋体9の前後方向の厚みを薄くすることができる。蓋体9の薄くできた厚み分、本体1の有効スペースとして活用できるという利点がある。
また、蓋裏板51は樹脂成形品であるため、成形による反りが発生する。しかし、連結棒57は細長い形状なので、蓋裏板51の高さ240mmに対して2mm程度の反りが発生したとしても、連結棒57は、長手方向には撓み易く、容易になじんで、連結棒57の回動動作に支障が生じることはない。
(取っ手に対向する本体の説明)
図27は、本体と蓋体の上部斜視図で、蓋体9を閉じた状態の取っ手55周辺を示している。図28は、本体と蓋体の上部の一部を破断した斜視図で、蓋体9を閉じた状態の取っ手55周辺を示している。
取っ手55は、蓋体9の上部の裏面側に設けられ、本体1の前部上面の、取っ手55に対向する位置には凹部86が設けられている。
取っ手55は、蓋体9が閉じた状態では、前面からは見えず、上方からわずかに見える程度になり、外観上、取っ手55の存在感を抑えることができる。使用者が蓋体9を開放しようと取っ手55に手を掛けようとした際には、本体1上面に形成した凹部86によって手を挿入するための充分な空間が確保されるため、使い勝手を損ねることはない。凹部86も同様に前面からは見えず、外観上、全面フラット感をかもし出すデザインが可能になる。また、上方から見た際には、凹部86がはっきり視認できるので、蓋体9を開放する際には、取っ手55の位置を使用者に認識させることができる。
(操作表示部の構成の説明)
図16に示すように、蓋体9の上辺66には、蓋50と蓋裏板51で囲まれた空間が形成されている。その空間には、図17に示すように、蓋体9の上方から操作表示部16が嵌め込まれる。操作表示部16には、例えば使用者が、標準的な洗いからすすぎ、脱水までを行う「標準コース」や、頑固な汚れの衣類を洗う「しっかりコース」などの運転コースを上方から選択する入力手段である操作部や、LEDなどを光らせて、上方から見えるように運転状態を示す表示手段である表示部が配置される。
図1に示すように、蓋体9の上面には、操作部や表示部を配列、印刷した操作表示板67が配設されている。図19に示すように、操作表示板67の裏面側には、タクトスイッチやLED、電子回路などを装備した操作表示基板68が締結される。操作表示板67と操作表示基板68の間には、使用者による表面からの操作をタクトスイッチに伝えたり、LEDの発光を表面側に導いたりする中間部材69が挟持され、図15に示すような操作表示部16を構成する。
例えば、従来例のように蓋体が円形の構成の場合には、図34に示すように、操作表示部500は、使用者の操作性、視認性を配慮して、本体100の上部前方に配置するのが一般的である。
しかしながら、本実施の形態のように、蓋体9が略四角形状で、横幅寸法が本体1の横幅寸法にほぼ等しい形状の場合は、操作表示部16は、蓋体9の前面上部、蓋体9の上辺66、本体1の天面の前部のいずれかに配設することができる。
操作表示部16を蓋体9の前面上部に配置する構成とすると、製品の正面に操作、表示にまつわる複数の造詣が出現することになる。この構成では、蓋体9の前面を完全にフラットな形状にすることが困難で、また、正面から見える嵌合部もできるだけ減らしてすっきりさせる構造にすることが難しくなる。
また、本体1の天面前部に操作表示部16を配置する構成とすると、操作表示部16は、製品の前面からは蓋体9の厚み分だけ後退することになり、使用者が操作したり表示を見る利便性が悪くなり、使用勝手が悪くなる。
そこで、本実施の形態では、操作表示部16を蓋体9の上辺66に配置している。この構成により、蓋体9の前面は、完全なフラットな形状で、正面から見える嵌合部も下部パネル40との分割隙間41だけにでき、すっきりした外観が実現できる。近年、ドラム式洗濯機は、洗面台と並べて置かれることも増え、使用していない時でも他の器材と調和した設置空間を作り出すデザインが求められている。本実施の形態では、上記構成のすっきりした外観で、設置空間への調和が可能になる。また、使用者が操作表示部16を操作する時は、操作表示部16は、一番前面に近く、上から自然な視線で視認し、操作ができる位置に配置しているので、使い勝手も向上できる。
また、操作表示部16を蓋体9に配置することにより、本体1から操作表示部をなくすることができ、操作表示部の配設高さ分、水槽2を上方に配置することが可能となる。水槽2を上方に配置することにより、回転ドラム3への洗濯物の出し入れ作業性を向上することができる。
なお、この構成により、操作表示部16が配置された蓋体9と、モータ11などの電装部品が配置された本体1との間をリード線46及び47で接続する必要が生じるが、図7及び図10に示すように、蓋体9の裏面の開口部42で、操作表示部16からのリード線47を本体1からのリード線46とをコネクタ48で接続している。この構成により、組立性が向上できる。また、カバー43、リード線カバー49によりリード線を防水的に覆い、洗剤液の侵入などによる劣化も防止することができる。
図15に示すように、操作表示部16の下部には、複数個の係止部70が設けられ、また、図16に示すように、係止部70に対応する位置の蓋裏板51には、係止部71が設けられている。また、図18に示すように、蓋50には、係止部72が設けられる。なお、図18は、窓カバー60を外した状態を示している。図17は、蓋体の上辺66に操作表示部16を上方から挿入した状態を示している。図17では、複数個の係止部70、71、72が互いに係止していない位置にあり、これ以上下方には移動しない位置から、左方向(c方向)に移動させれば、係止部70と係止部71及び係止部70と係止部72が係止状態となって所定の位置に収まる。その後、蓋体9の右側壁にサッシ部材73を上方から挿入する。サッシ部材73により操作表示部16の右方向への動きを規制することにより、係止部70、係止部71、係止部72が外れることを防止している。
図18は、係止部70と係止部72が係止し、蓋体9の右側壁にサッシ部材73がセットされた状態を示す。操作表示部16の左方向の動きは、係止部70、係止部71、係止部72により規制され、操作表示部16の右方向の動きは、サッシ部材73により規制される。係止部70、71、72の係り代は5mm程度で充分なので、操作表示部16を上方から挿入後、左方向への移動量も5mm程度と少なくてすみ、操作表示部16の蓋体9への組立性を容易なものにできる。
更に、係止部70、71、72を複数個設けることにより、操作表示部16がこれ以上下方には移動しない所定の位置にしっかりと保持され、上方に浮くことを防止できる。操作表示部16が上方に浮くと、図19に示した、蓋裏板51との嵌合隙間74や窓カバー60との嵌合隙間75が大きくなる。嵌合隙間74、75が大きくなると、外観品位を損なうだけでなく、嵌合隙間74、75から液体洗剤や汚れが蓋体9の内部に侵入し、操作表示基板68に動作不良などの問題を起こす虞もある。よって、複数個の係止部70、71、72を例えば100mm間隔程度の、浮きが横幅全域に渡って充分規制できる間隔で設けることにより、横幅全域に渡って嵌合隙間74、75を小さく抑えることができ、デザイン的に優れた信頼性の高い操作表示部16を提供できる。なお、蓋体9の左側壁にもサッシ部材76を設け、塗装などで本体1の色と変えて、デザイン的なインパクトを与えた構成にすることもできる。
操作表示部16の横幅は、蓋体9の横幅W1とほぼ同じの広いスペースが取れるが、縦幅W3は、図15に示すように、蓋体9の厚みしか取れない。これに対し、蓋体9の厚みは、本体1側のスペースを確保するために、コンパクトに抑えたいという制約がある。その制約の中で、複数の運転コースや、選択ボタンに対応した洗い時間などの表示を見易く配列するためには、ある程度の厚みが必要となる。よって、上述した複数個の係止部70、71、72は、一般的なビス締結に比べて省スペースで形成できる。省スペース化により操作表示部16のスペースに活用できるので、より見易い配置が可能になる。また、ビス締結をしなくても、サッシ部材73により操作表示部16の蓋体9からの外れを防止で
きるので、蓋体9との嵌合隙間も小さく抑えることができる。
(下部パネルの説明)
図29は、下部パネル40を開放した状態の斜視図である。図30は、下部パネル40の左側の連結部を示す斜視図、図31は、下部パネル40の右側の連結部を示す斜視図である。図32は、下部パネル40の左側の連結部の組立状態を説明する斜視図である。図33は、下部パネル40の左側の連結部の組立状態を説明する斜視図である。
本体1の前部枠体5には、蓋体9の下方位置に下部パネル40が回動自在に支持されている。本体1の前部枠体5の下部には、水槽2からの排水をろ過する排水フィルター79が配設されており、下部パネル40は、排水フィルター79を覆っている。下部パネル40は、本体1の横幅寸法W2にほぼ等しい横幅寸法に形成されている。
図30に示すように、下部パネル40の左下部には、下部パネル40側面に向かって左軸部89が形成されている。左軸部89は、外形形状が非円形状に形成され、ダンパー装置(図示せず)が内蔵されている。左軸部89に隣接して先端が左軸部89側に屈曲したL字状の爪部90が形成されている。また、左軸部89に対して爪部90と対向する位置に下部パネル40側面側になるに従って漸次低くなる傾斜リブ91が形成されている。
本体1の前部枠体5には、下部パネル40の左軸部89が挿入される左軸受部92が設けられている。左軸受部92側面には、外側になるに従って漸次突出する傾斜面93が形成されている。また、左軸受部92の外側端面には、規制リブ94が突出形成されている。
図31に示すように、下部パネル40の右下部には、左軸部89方向に向かって円柱状の右軸部95が突出形成されている。本体1の前部枠体5には、右軸部95が挿入される右軸受部96が形成されている。
下部パネル40の左軸部89と右軸部95を左軸受部92と右軸受部96に挿入し、下部パネル40を図30及び図31中左方向にスライドさせる。下部パネル40のスライドとともに、左軸部89に隣接する爪部90が左軸受部92側面に沿って移動し、傾斜面93を乗り越えて、左軸受部92の外側端面に係止する。爪部90が左軸受部92の外側端面に係止することにより、下部パネル40が外れる方向に移動するのを阻止する。
下部パネル40を回動することにより排水フィルター79が露出され、排水フィルター79を着脱することにより、排水フィルター79に付着した糸くず等を除去することができる。
下部パネル40は、左軸部89にダンパー装置が内蔵されているので、下部パネル40を回動する際には、ダンパー装置が機能し、左軸部89の回転に抵抗が加わり、開閉速度が減衰される。下部パネル40の開閉速度が低下することにより、下部パネル40の破損を防止し、安全に開閉することができる。
下部パネル40は、開放状態で、爪部90が規制リブ94に当接し、下部パネル40の回動が規制される。この状態では、傾斜リブ91が左軸受部92に当接している。下部パネル40の回動が規制された状態で、さらに下部パネル40を回動させる方向に力が加わった場合には、傾斜リブ91が左軸受部89に当接しているため、傾斜リブ91によって下部パネル40が図32中右方向に移動する。爪部90が左軸受部92の外側端面に係止しているが、図33に示すように、下部パネル40が移動するにつれて爪部90が左軸受部92の外側端面から外れるように撓んで変形する。下部パネル40をさらに回動すると
、爪部90が変形して左軸受部83の外側端面から外れ、下部パネル40が本体1から取り外される。
以上のように、本実施の形態では、下部パネル40の開放状態で、下部パネル40を開く方向に力が加わった場合には、下部パネル40が破損することなく、取り外される。従って、誤使用等により過度な荷重が加わっても、下部パネル40の破損を防止して、再取り付けが可能となる。
なお、本実施の形態では、蓋体9は、図に示すように、四角形状に形成しているが、一部が切りかかれた、或いは、一部が膨出した形状に形成されてもよい。
また、蓋体9の上面に操作表示部16を配置したが、操作表示部16を蓋体9の前面上部に配設してもよい。
本体1の前部枠体5の下部に、水槽2からの排水をろ過する排水フィルター79を配設し、排水フィルター79を下部パネル40により覆う構成としたが、制御回路等の他の構成部品を配設し、その構成部品を下部パネルにより覆う構成としてもよい。なお、この場合、下部パネルが覆う構成部品によっては、下部パネルは容易に開放できない構成とする必要がある。