JP2017050057A - 燃料電池スタック診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタック各セルの極間ガスリークやセル間流量分布を非破壊的に計測する。【解決手段】燃料電池スタックの各セルに並列電気負荷を設け、対極に水素、作用極に不活性ガスまたは水素と不活性ガスの混合ガスを供給し、直流電流を流し込み、水素限界電流特性を利用して、各セルの極間ガスリークまたはセル間流量分布を計測する。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックを対象とし、スタックに組み込まれた各セルの極間水素リークまたはセル間流量分布を計測する装置に関する。
燃料電池セルは、供給水素の100%が消費される電流近くまで電流を増やすとセル電圧が急峻に変化する特性を有する。
このセル電圧が急峻に変化する特性は、水素限界電流特性と呼ばれ、この特性を利用すれば、電流を流し込む極側に流れている水素流量を精度よく求めることが出来る。
この水素限界電流特性を利用した水素クロスオーバ電流の測定技術は、セルの劣化診断に広く活用されている。(例えば、非特許文献1を参照)
また、この水素限界電流特性を利用すれば、スタックのセル間流量分布を計測できることも知られている。(特許文献1を参照)
一方、燃料電池セルに水素限界電流以上の電流を流すと水素欠乏状態となり、セルに過電圧が発生し、電極に不可逆的な損傷が発生することは以前から知られている。(例えば、非特許文献2)
スタックに供給する電流を徐々に増やし、各セルの水素限界電流を測定しようとすれば、水素限界電流の小さなセルから順次水素欠乏状態が発生し、そのセルのセル電圧上昇が始まる。
水素限界電流の大きなセルが水素限界電流に達するまで電流を上昇させると、水素限界電流の小さなセルのセル電圧が異常に高くなり、電極に損傷が発生する恐れがある。
このため、電極損傷を起こすことなく、スタックのすべてのセルの水素限界電流を測定することはこれまで困難であった。
これまで、電極損傷を起こすことなく、スタックのすべてのセルの水素限界電流を計測する方法として、前記した特許文献1が公開されている。
この特許文献1では、水素と炭化水素ガスの混合ガスを用いて、水素限界電流を超え水素欠乏状態になっても炭化水素ガスの反応でセル電圧上昇を抑制し、電極損傷の発生を防止している。
しかし、この計測方法は、燃料電池スタックの中に炭化水素ガスが悪影響を及ぼす部材が含まれている場合には適用できないので、汎用性のある計測方法とは言えない。
スタックに組み込まれたセルのセル電圧に異常があれば、そのセルをバイパスする電流経路を形成し、セルの損傷を防止する方法は、特許文献2、3、4で公開されている。
特許文献2では、セル電圧の異常を検出する手段と、異常を検出したときそのセルのバイパス経路を形成する手段とを備えた燃料電池保護回路が開示されている。
特許文献3では、燃料電池の停止動作における腐食防止のため、セル電圧を測定し、その値が大きい場合は電気負荷に放電させ、その値が小さくなれば電気負荷を切り離す保護方法が開示されている。
特許文献4では、運転停止後の残留する燃料ガスが原因で起こる腐食防止のため、燃料電池スタックの各セルに外部抵抗を常時接続またはスイッチにより接続する保護技術が開示されている。
本発明は、燃料電池スタックに直流電流を流し込み、水素限界電流を測定する装置に関するものであって、特許文献2、3、4は、燃料電池スタックに直流を流し込む装置ではなく、水素限界電流を測定する装置でもない。
特許文献2、3、4は、いずれも、燃料電池スタックのセル自身が発生する過電圧を抑制するための保護回路であり、燃料電池スタックに常時接続し、異常を検知する手段と異常発生時に動作するスイッチを備えた回路からなっている。
これに対し、本発明の装置は、常時は燃料電池スタックと切り離されている。計測時に燃料電池スタックと接続し、無酸素状態で運転し計測するもので、セル自身の起電力はない。測定のために外部から供給する直流電流によって発生する過電圧を並列抵抗によって抑制するものである。
本発明では、異常を検知して電流を切り替えるスイッチを各セルに設ける必要はない。各セルに並列に接続する電気負荷と負荷電流で決まる電圧以上の電圧がセルに発生する懸念はなく、過電圧を検知してスイッチを作動させる必要はない。
特開2010-118152「燃料電池スタックの流量分布計測方法」 特開2004-303621「燃料電池保護回路及び燃料電池」 特表2013-508903「燃料電池の腐食防止」 特開2003-115305「燃料電池スタック」
W. Liu, K. Ruth, G. Rusch, "Membrane Durability in PEM Fuel Cells", Journal of New Materials for Materials for Electrochemical Systems 4,,227-231 (2001) K. Mitsuda, T. Murahashi, "Air and fuel starvation of phosphoric acid fuel cells",J. Appl. Electrochem., 21, pp.524-530、1991 P.A.C. Chang, J. St-Pierre,, J. Stumper, B. Wetton, J. Power Sources 162 (2006) 340-355
燃料電池スタックに組み込まれた各セルの水素限界電流を測定するため、スタックに供給する直流電流を徐々に上昇させると、水素限界電流の小さなセルから順に水素欠乏状態が発生し、そのセルのセル電圧上昇が始まる。
本発明の課題は、セル電圧の過大な上昇を抑制し、電極損傷を起こすことなく、スタックのすべてのセルの水素限界電流を求め、水素限界電流の値から極間の水素ガスリーク量やセル間の流量分布を計測することである。
本発明では、燃料電池スタックの各セルに並列電気負荷を接続し、スタック電流の一部をこの並列回路にバイパスさせることで、スタック電流を増加させてもセルに過大な電圧が発生するのを防止する。
この並列回路を設けることで、電極損傷を起こすことなく、スタックのすべてのセルの水素限界電流を求めることが可能になる。
対極に水素、作用極に不活性ガスを供給し、作用極側から電流を流し込み各セルの水素限界電流を測定することで、対極から作用極に漏れてくる水素量を非破壊的に計測することが出来る。
これまで、燃料電池スタック全体のガスリーク試験は実施されているが、燃料電池スタックのセル毎のガスリークを計測する技術はなく、計測された例もない。
セル毎のガスリークを計測出来れば、ガスリーク箇所を見つけ、ガスリーク発生の原因究明・防止対策が容易になる。
ガスリークの原因はスタック製作時のシール不良や運転中の熱・湿度・振動サイクルによるシール不良発生などのほかに、運転中に膜にピンホールが生成する現象などが知られている。本方法は、水素限界電流を利用してセル毎のガスリークを測定するため、燃料電池スタック全体のガスリーク試験に比べ、感度が高く、このようなピンホール生成も検知可能である。
対極に水素、作用極に不活性ガスと水素の混合ガスを供給し、作用極側から電流を流し込み各セルの水素限界電流を測定することで、作用極側のセル間流量分布を求めることができる。
スタックのセル間流量分布を、分岐合流の圧力損失計算で予測する(例えば、非特許文献3)ことは行われているが、スタックのセル間流量分布を実測した例は炭化水素ガスを併用する特許文献1以外にはない。
本方法では、炭化水素を使用することなく、電気回路によってセルに発生する過電圧を抑制するので、炭化水素による燃料電池スタックへの影響を懸念することなく、装置や操作も簡素になる。
スタックのセル間流量分布は、セルの溝の潰れなどにより大きく変化するので、スタック製作時の予期せぬ構造欠陥や運転中の温度、湿度、振動サイクルによるスタックの構造変化の診断などに役立つ。
測定対象である燃料電池スタックの各セルに並列電気負荷を接続し、スタックに直流電源を接続し、アノードガス供給装置とカソードガス供給装置を燃料電池スタックに配管を経由して接続した水素限界電流測定の原理図を示す。 電極面積25cm2のセルを4セル積層したPEFCスタックで極間水素リークを測定した実測例を示す。 電極面積25cm2のセルを4セル積層したPEFCスタックでセル間流量分布を求めるため、水素限界電流を測定した実施例を示す。 平均流量に対する比で表したスタックのセル間偏流率。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、測定対象である燃料電池スタックの各セルに並列電気負荷を接続し、スタックに直流電源を接続し、アノードガス供給装置とカソードガス供給装置を燃料電池スタックに配管を経由して接続した水素限界電流測定の原理図を示す。
図1の燃料電池スタックは、セパレータと膜電極接合体を積み重ねた構造であり、全ての隣接するセパレータ間に並列電気負荷抵抗が接続されている。
図1の直流電源は、各セルの水素限界電流測定のため、スタックに直流電流を供給するためのものである。
図1では、燃料電池スタックのアノードとカソードにそれぞれアノードガス供給装置とカソードガス供給装置からガスを供給する図を示している。極間水素リークを計測する場合は、アノードに不活性ガス、カソードに水素を供給し、アノード側から電流を流し込みセル電圧を測定する。
カソード側のセル間流量分布を計測する場合は、アノードに水素、カソードに不活性ガスと水素の混合ガスを供給し、カソード側から電流を流し込む。アノード側のセル間流量分布を計測する場合は、カソードに水素、アノードに不活性ガスと水素の混合ガスを供給し、アノード側から電流を流し込みセル電圧を測定する。
図2は、電極面積25cm2のセルを4セル積層したPEFCスタックで極間水素リークを測定した実測例を示す。4セル共、同じ仕様の膜電極接合体を使用したが、ガスケットにナイフで切り溝を入れガスリーク路を設けている。No.1セルは切り溝なし、No.2、3、4は切り溝ありでガスケット幅はそれぞれ3.2mm、3.9mm、4.6mmとした。アノードには、常温フル加湿の窒素800ml/min、カソードには、常温フル加湿の水素800ml/minを供給し、アノード背圧は、図2(A)では0kPa、図2(B)では10kPaである。セル温度は常温、カソード背圧は0kPaである。各セルにそれぞれ5.1Ωの並列抵抗を接続し、アノード側から電流を流し込み、各セル電圧を測定した。
図2(A)では、4セルともほぼ同じ特性となり、切り溝を設けた効果は見られない。図2(A)の右上がりの直線の勾配は並列抵抗の抵抗値に等しい。この直線を外挿し、横軸との交点約0.03Aが水素限界電流である。この電流値は、膜自体を拡散によって水素が透過するクロスオーバカレントと考えられる。
図2(B)では、アノード水素背圧を10kPaに上げ、各セルの水素限界電流を測定した結果である。
No.1セルの切り溝なしのセルは、図2(A)とほぼ同じで背圧の影響は見られないが、No.2、3、4セルの水素限界電流は、約0.18A、0.18A、0.1Aと大幅に増加した。水素背圧を上げることで、膜自体の水素透過量は変わらないものの、切り溝を通る水素リーク量が増大することを計測出来た。
図2(A)、(B)は、対極に水素を供給したセル電圧であるから、水素基準電位と見なすことが出来、水素基準電位1.0V以下では電極損傷は殆ど発生しない。
図2(B)では、水素限界電流の最も小さいNo.1セルのセル電圧が1.0Vになるのは、電流0.23Aであり、この電流以下であればNo.1セルの電極損傷は殆ど発生しない。電流0.23Aでは、No.2、3、4セルも電流上昇が始まっており水素限界電流を知ることが出来る。
並列抵抗を接続しなければ、約0.03AでNo.1セルのセル電圧は1.0Vを超え、No.2、3、4セルの水素限界電流を測定することは出来ない。並列抵抗を接続することによって、各セルのセル電圧を1.0V以下に抑制しつつ、全てのセルの水素限界電流を計測できる。
図3は、電極面積25cm2のセルを4セル積層したPEFCスタックでセル間流量分布を求めるため、水素限界電流を測定した実施例を示す。4セル共、同じ仕様のセルで偏流を起こすための特別な細工は行わず、無作為に組み立てたスタックでどの程度の偏流があるかを調べた実験である。試験条件は、常温、常圧、カソードに常温フル加湿の水素800ml/min、アノードに窒素800ml/minと水素4ml/minの混合ガスを常温フル加湿状態にして供給した。各セルに接続した並列抵抗は、それぞれ5.1Ωである。
カソードの水素は、カソードを水素基準電位に保持するため、アノードの窒素は、偏流を計測する際のガス流量を与えるため、アノードの少量の水素は水素限界電流を測定するために用いている。
アノードの窒素と水素はスタックにいる前に加湿器内で良く混合し、均一な水素濃度のガスとして各セルに供給した。各セルの水素限界電流が分かれば、水素と窒素の流量比は同じなので、各セルの流量が分かる。
図3で、右上がりに上昇する直線の勾配は、並列抵抗の抵抗値に等しい。この直線を外挿し、横軸との交点が水素限界電流である。No.1、2、3、4セルの水素限界電流は、0.157A、0.183A、0.188A、0.19Aであった。
図3では、0.3Aまで電流を流し、どのセルのセル電圧も1.0Vに達することなく、全てのセルの水素限界電流が測定できている。
スタックの各セルに流れるガス流量は、この水素限界電流に比例するので、平均流量に対する比で表したスタックのセル間偏流率は図4のようになる。No.1セルは平均値の87%しかガスが流れないことが分かった。
図1では、電気負荷として電気抵抗を用いた例を示したが、電気負荷としては非線形特性を持った素子を用いても良い。電気負荷の電圧-電流特性があらかじめ分かっていれば、セル電圧から電気負荷に流れた電流を算出し、その電流をスタック電流から差し引けばセルに流れている電流を算出できセル自身の水素限界電流を求めることが出来る。
図2、図3では、常温、常圧での測定例を示したが、適用する試験条件はこれに限定するものではない。PEFCでは、通常70℃近傍の温度で運転するので、この運転温度で計測することも出来る。
図2は、電極面積25cm2のセルを4セル積層したPEFCスタックで極間水素リークを測定した実測例を示す。4セル共、同じ仕様の膜電極接合体を使用したが、ガスケットにナイフで切り溝を入れガスリーク路を設けている。No.1セルは切り溝なし、No.2、3、4は切り溝ありでガスケット幅はそれぞれ3.2mm、3.9mm、4.6mmとした。アノードには、常温フル加湿の窒素800ml/min、カソードには、常温フル加湿の水素800ml/minを供給し、アノード背圧は、図2(A)では0kPa、図2(B)では10kPaである。セル温度は常温、カソード背圧は0kPaである。各セルにそれぞれ5.1Ωの並列抵抗を接続し、アノード側から電流を流し込み、各セル電圧を測定した。
図2(A)では、4セルともほぼ同じ特性となり、切り溝を設けた効果は見られない。図2(A)の右上がりの直線の勾配は並列抵抗の抵抗値に等しい。この直線を外挿し、横軸との交点約0.03Aが水素限界電流である。この電流値は、膜自体を拡散によって水素が透過するクロスオーバカレントと考えられる。
図2(B)では、アノード水素背圧を10kPaに上げ、各セルの水素限界電流を測定した結果である。
No.1セルの切り溝なしのセルは、図2(A)とほぼ同じで背圧の影響は見られないが、No.2、3、4セルの水素限界電流は、約0.18A、0.18A、0.1Aと大幅に増加した。水素背圧を上げることで、膜自体の水素透過量は変わらないものの、切り溝を通る水素リーク量が増大することを計測出来た。
図2(A)、(B)は、対極に水素を供給したセル電圧であるから、水素基準電位と見なすことが出来、水素基準電位1.0V以下では電極損傷は殆ど発生しない。
図2(B)では、水素限界電流の最も小さいNo.1セルのセル電圧が1.0Vになるのは、電流0.23Aであり、この電流以下であればNo.1セルの電極損傷は殆ど発生しない。電流0.23Aでは、No.2、3、4セルも電流上昇が始まっており水素限界電流を知ることが出来る。
並列抵抗を接続しなければ、約0.03AでNo.1セルのセル電圧は1.0Vを超え、No.2、3、4セルの水素限界電流を測定することは出来ない。並列抵抗を接続することによって、各セルのセル電圧を1.0V以下に抑制しつつ、全てのセルの水素限界電流を計測できる。
図3は、電極面積25cm2のセルを4セル積層したPEFCスタックでセル間流量分布を求めるため、水素限界電流を測定した実施例を示す。4セル共、同じ仕様のセルで偏流を起こすための特別な細工は行わず、無作為に組み立てたスタックでどの程度の偏流があるかを調べた実験である。試験条件は、常温、常圧、カソードに常温フル加湿の水素800ml/min、アノードに窒素800ml/minと水素4ml/minの混合ガスを常温フル加湿状態にして供給した。各セルに接続した並列抵抗は、それぞれ5.1Ωである。
カソードの水素は、カソードを水素基準電位に保持するため、アノードの窒素は、偏流を計測する際のガス流量を与えるため、アノードの少量の水素は水素限界電流を測定するために用いている。
アノードの窒素と水素はスタックにいる前に加湿器内で良く混合し、均一な水素濃度のガスとして各セルに供給した。各セルの水素限界電流が分かれば、水素と窒素の流量比は同じなので、各セルの流量が分かる。
図3で、右上がりに上昇する直線の勾配は、並列抵抗の抵抗値に等しい。この直線を外挿し、横軸との交点が水素限界電流である。No.1、2、3、4セルの水素限界電流は、0.157A、0.183A、0.188A、0.19Aであった。
図3では、0.3Aまで電流を流し、どのセルのセル電圧も1.0Vに達することなく、全てのセルの水素限界電流が測定できている。
スタックの各セルに流れるガス流量は、この水素限界電流に比例するので、平均流量に対する比で表したスタックのセル間偏流率は図4のようになる。No.1セルは平均値の87%しかガスが流れないことが分かった。
図1では、電気負荷として電気抵抗を用いた例を示したが、電気負荷としては非線形特性を持った素子を用いても良い。電気負荷の電圧-電流特性があらかじめ分かっていれば、セル電圧から電気負荷に流れた電流を算出し、その電流をスタック電流から差し引けばセルに流れている電流を算出できセル自身の水素限界電流を求めることが出来る。
図2、図3では、常温、常圧での測定例を示したが、適用する試験条件はこれに限定するものではない。PEFCでは、通常70℃近傍の温度で運転するので、この運転温度で計測することも出来る。
燃料電池スタックは、多くの金属板、多孔質カーボン材料、高分子電解質膜、ガスケットなどを積層、締め付けた構造であるから、ガス流量分布やガスリークを計算で精度良く予測することは難しく、本発明の装置で実測できる意義は大きい。
また、運転中の燃料電池は、温度、湿度サイクルや振動に曝されるため、スタックの構造変化が起こり、ガスの偏流やガスリークが発生する危険がある。
本発明の燃料電池スタック診断装置は、固体高分子形燃料電池スタックの構造設計、製作工程の不具合を見つけるために有効な設備であり、燃料電池スタック開発の研究設備として利用することができる。
本発明の燃料電池スタック診断装置は、燃料電池に損傷を与えることなく、短時間ですべてのセルのガスリークや偏流を診断できるので、燃料電池スタックの量産ライン用の検査設備、あるいは実用されている燃料電池の定期診断用として利用できる。
1:燃料電池スタック
2:セパレータ
3:膜電極接合体
4:直流電源
5:並列電流回路
6:電気負荷
7:アノードガス供給装置
8:カソードガス供給装置
9:アノードガス供給配管
10:カソードガス供給配管

Claims (3)

  1. 燃料電池スタックの各セルに並列電気負荷を接続し、直流電流を流し込み、各セルの水素限界電流を測定する装置。
  2. 請求項1の装置において、対極に水素、作用極に不活性ガスを供給し、作用極側から直流電流を流し込み水素限界電流を求め、各セルの極間水素リークを計測する装置。
  3. 請求項1の装置において、対極に水素、作用極に不活性ガスと水素の混合ガスを供給し、作用極側から直流電流を流し込み水素限界電流を求めセル間流量分布を計測する装置。
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